JP2018010329A - プログラム、情報処理装置、及びアイウエア - Google Patents

プログラム、情報処理装置、及びアイウエア Download PDF

Info

Publication number
JP2018010329A
JP2018010329A JP2014229163A JP2014229163A JP2018010329A JP 2018010329 A JP2018010329 A JP 2018010329A JP 2014229163 A JP2014229163 A JP 2014229163A JP 2014229163 A JP2014229163 A JP 2014229163A JP 2018010329 A JP2018010329 A JP 2018010329A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
detection
unit
electrooculogram
blink
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014229163A
Other languages
English (en)
Inventor
俊介 塩谷
Shunsuke Shiotani
俊介 塩谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Jins Inc
Original Assignee
Jins Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Jins Inc filed Critical Jins Inc
Priority to JP2014229163A priority Critical patent/JP2018010329A/ja
Priority to PCT/JP2015/081487 priority patent/WO2016076268A1/ja
Publication of JP2018010329A publication Critical patent/JP2018010329A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B3/00Apparatus for testing the eyes; Instruments for examining the eyes
    • A61B3/10Objective types, i.e. instruments for examining the eyes independent of the patients' perceptions or reactions
    • A61B3/113Objective types, i.e. instruments for examining the eyes independent of the patients' perceptions or reactions for determining or recording eye movement
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B5/00Measuring for diagnostic purposes; Identification of persons
    • A61B5/24Detecting, measuring or recording bioelectric or biomagnetic signals of the body or parts thereof
    • A61B5/316Modalities, i.e. specific diagnostic methods
    • A61B5/389Electromyography [EMG]
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06FELECTRIC DIGITAL DATA PROCESSING
    • G06F3/00Input arrangements for transferring data to be processed into a form capable of being handled by the computer; Output arrangements for transferring data from processing unit to output unit, e.g. interface arrangements
    • G06F3/01Input arrangements or combined input and output arrangements for interaction between user and computer

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Human Computer Interaction (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Medical Informatics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Surgery (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Ophthalmology & Optometry (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Eye Examination Apparatus (AREA)
  • Measurement And Recording Of Electrical Phenomena And Electrical Characteristics Of The Living Body (AREA)
  • User Interface Of Digital Computer (AREA)

Abstract

【課題】瞬目や視線移動の誤検出を防止する。【解決手段】プログラムは、対象者の眼周辺に接触する各電極により検出される眼電位に基づく眼電図信号を取得する取得ステップと、眼電図信号に基づいて、瞬目又は視線移動を検出する検出ステップと、眼電図信号に基づいて、所定ノイズの検出に関する第1条件が満たされるか否かを判定する判定ステップと、第1条件が満たされると判定された場合、瞬目又は視線移動の検出を停止する停止ステップと、をコンピュータに実行させる。【選択図】図8

Description

本発明は、プログラム、情報処理装置、及びアイウエアに関する。
フレーム部分に複数の電極を設け、各電極から眼電図信号を取得するアイウエアが知られている(例えば、特許文献1参照)。
米国特許出願公開第2004/0070729号明細書
しかしながら、アイウエアは、ウェラブルデバイスであることから、アースをとることがデザイン的に困難であり、その結果、アースを設けないことで、外乱によるノイズ成分が眼電図信号に含まれる場合がある。
ここで、アイウエアに設けられた各電極から得られる眼電図信号に基づいて、瞬目や視線移動が検出される場合、外乱によるノイズ成分の影響で誤検出が多く発生してしまうという問題点があった。
そこで、本発明は、瞬目や視線移動の誤検出を防止することを目的とする。
本発明の一態様におけるプログラムは、対象者の眼周辺に接触する各電極により検出される眼電位に基づく眼電図信号を取得する取得ステップと、前記眼電図信号に基づいて、瞬目又は視線移動を検出する検出ステップと、前記眼電図信号に基づいて、所定ノイズの検出に関する第1条件が満たされるか否かを判定する判定ステップと、前記第1条件が満たされると判定された場合、前記瞬目又は前記視線移動の検出を停止する停止ステップと、をコンピュータに実行させる。
本発明によれば、瞬目や視線移動の誤検出を防止することができる。
実施例におけるメガネの前方からの一例を示す斜視図である。 実施例におけるメガネの後方からの一例を示す斜視図である。 実施例における処理装置の一例を示すブロック図である。 使用者に対する電極の接触位置を概略的に示す図である。 実施例における増幅部の構成の一例を示す図である。 バッファアンプを設ける理由を説明するための図である。 実施例における増幅部の構成の他の例を示す図である。 実施例における外部装置の構成の一例を示すブロック図である。 実施例における判定部の機能構成の一例を示すブロック図である。 電磁ノイズモードを説明するための図である。 超ノイズモードを説明するための図である。 眼の垂直方向の動きを示す眼電図信号の一例を示す図である。 実施例における瞬目、視線移動の検出処理に関する処理の一例を示すフローチャートである。 実施例における瞬目検出処理の一例を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。即ち、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付して表している。図面は模式的なものであり、必ずしも実際の寸法や比率等とは一致しない。図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることがある。
[実施例]
図1は、実施例におけるメガネ100の前方からの一例を示す斜視図である。図2は、実施例におけるメガネ100の後方からの一例を示す斜視図である。メガネ100は、レンズ110及びフレーム120を備える。メガネ100及びフレーム120は、アイウエアの一例である。
フレーム120は、一対のレンズ110を支持する。フレーム120は、リム122と、眉間部(例えばブリッジ)124と、ヨロイ126と、丁番128と、テンプル130と、モダン132と、一対のノーズパッド140と、第1電極152と、第2電極154と、第3電極156と、電線(不図示)と、処理装置200と、増幅部250とを有する。なお、メガネ100の種類によっては、一枚レンズを用いることでフレームのブリッジ部分がない場合がある。この場合、一枚レンズの眉間部分を眉間部とする。
一対のノーズパッド140は、右ノーズパッド142及び左ノーズパッド144を含む。リム122、ヨロイ126、丁番128、テンプル130、及びモダン132は、それぞれ左右一対に設けられる。
リム122は、レンズ110を保持する。ヨロイ126は、リム122の外側に設けられ、丁番128によりテンプル130を回転可能に保持する。テンプル130は、使用者の耳の上部を押圧して、この部位を挟持する。モダン132は、テンプル130の先端に設けられる。モダン132は、使用者の耳の上部に接触する。なお、モダン132は、必ずしもメガネ100に設ける必要はない。
第1電極152及び第2電極154は、一対のノーズパッド140のそれぞれの表面に設けられ、眼電位を検出する。例えば、第1電極152は、右ノーズパッド142に設けられ、第2電極154は、左ノーズパッド144に設けられる。
第1電極152は、使用者の右眼の眼電位を検出する。第2電極154は、使用者の左眼の眼電位を検出する。このように、眼電位を検出するための電極を、使用者の皮膚に必然的に接触するノーズパッドの表面に設ける。これにより、使用者の眼の周囲に二対の電極を接触させるのに比べて、使用者の皮膚に与える負担を軽減することができる。
第3電極156は、眉間部124の表面に設けられ、眼電位を検出する。接地電極(不図示)は、モダン132の表面に設けられるとする。メガネ100にモダン132がない場合は、接地電極は、テンプル130の先に設けられる。実施例において、第1電極152、第2電極154及び第3電極156が検出する電位は、接地電極が検出する電位を基準としてもよい。
処理装置200は、例えば、テンプル130に設けてもよい。これにより、メガネ100を正面から見たときのデザイン性を損なうことがない。処理装置200の設置位置は、必ずしもテンプル130である必要はないが、メガネ100を装着した際のバランスを考慮して位置決めすればよい。処理装置200は、電線を介して増幅部250に接続される。なお、処理装置200と、増幅部250とは、無線を介して接続されてもよい。
増幅部250は、第1電極152、第2電極154及び第3電極156の近傍に設けられ、増幅対象の各電極と電線を介して接続される。増幅部250は、各電極が検出した眼電位を示す眼電図信号を取得する。例えば、増幅部250は、第1電極152、第2電極154及び第3電極156により検出された眼電位を示す眼電図信号を増幅する。
また、増幅部250は、眼電図信号を処理する処理部を有していれば、増幅する前又は増幅した後の各眼電図信号に対し、加減処理を行ってもよい。例えば、増幅部250は、第3電極156を基準とした第1電極152の電位を示す基準眼電図信号を求めてもよい。また、増幅部250は、第3電極156を基準とした第2電極154の電位を示す基準眼電図信号を求めてもよい。増幅部250により増幅又は処理された信号は、処理装置200に出力される。
外部装置300は、通信機能を有する情報処理装置である。例えば、外部装置300は、使用者が所持する携帯電話及びスマートフォン等の携帯通信端末等である。外部装置300は、送信部220から受信した眼電図信号に基づく処理を実行する。例えば、外部装置300は、受信した眼電図信号から、瞬目や視線移動を検出する。瞬目を検出する場合の応答として、外部装置300は、使用者の瞬目の回数が増加していることを検出した場合などに、居眠りを防止するための警告を発する。外部装置300の詳細については後述する。
<処理装置の構成>
図3は、実施例における処理装置200の一例を示すブロック図である。図3に示すように、処理装置200は、処理部210、送信部220、及び電源部230を有する。第1電極152、第2電極154、第3電極156は、例えば増幅部250を介して処理部210に接続される。
処理部210は、増幅部250から増幅された眼電図信号を取得し、処理する。例えば、処理部210は、第3電極156を基準とした第1電極152の電位を示す基準眼電図信号を処理してもよい。なお、基準眼電図信号は、説明の便宜上「基準」を付したが、眼電図信号に含まれる。また、処理部210は、第3電極156を基準とした第2電極154の電位を示す基準眼電図信号を処理してもよい。
このとき、処理部210は、右眼及び左眼において、各電極から検出された眼電位に基づいて、眼の垂直方向及び/又は水平方向の動きを示す眼電図信号となるように処理を行ってもよい。
他にも、処理部210は、取得した眼電図信号がデジタル化されていなければ、デジタル化処理を行ったり、各電極から増幅された眼電図信号を取得した場合には、眼電図信号の加減処理を行ったりする。また、処理部210は、増幅部250から取得した眼電図信号をそのまま送信部220に送信してもよい。
送信部220は、処理部210によって処理された眼電図信号を外部装置300に送信する。例えば、送信部220は、Bluetooth(登録商標)及び無線LAN等の無線通信、又は有線通信によって眼電図信号を外部装置300に送信する。電源部230は、処理部210、送信部220、及び増幅部250に電力を供給する。
図4は、使用者に対する電極の接触位置を概略的に示す図である。第1接触位置452は、第1電極152の接触位置を表す。第2接触位置454は、第2電極154の接触位置を表す。第3接触位置456は、第3電極156の接触位置を表す。水平中心線460は、右眼402の中心と左眼404の中心とを結んだ水平方向の中心線を表す。垂直中心線462は、右眼402と左眼404との中心において水平中心線460と直交する中心線を表す。
第1接触位置452及び第2接触位置454は、水平中心線460よりも下側に位置することが望ましい。また、第1接触位置452及び第2接触位置454は、第1接触位置452と第2接触位置454との中心を結ぶ線分が、水平中心線460と平行になるべく配置されることが望ましい。
また、第1接触位置452及び第2接触位置454は、第1接触位置452から右眼402への距離と、第2接触位置454と左眼404との距離が等しくなるべく配置されることが望ましい。また、第1接触位置452及び第2接触位置454は、互いに一定の距離以上離間していることが望ましい。
第3接触位置456は、垂直中心線462上に位置することが望ましい。また、第3接触位置456は、水平中心線460よりも上側であって、第1接触位置452及び第2接触位置454から離れた位置であることが望ましい。また、例えば、第3接触位置456と右眼402との距離は、右眼402と第1接触位置452との距離よりも離間させ、左眼404との距離は、左眼404と第2接触位置454との距離よりも離間させてよい。
眼球は、角膜側が正に帯電しており、網膜側が負に帯電している。したがって、視線が上に移動した場合、第3電極156を基準とした第1電極152の電位及び第3電極156を基準とした第2電極154の電位が負となる。視線が下に移動した場合、第3電極156を基準とした第1電極152の電位及び第3電極156を基準とした第2電極154の電位が正となる。
視線が右に移動した場合、第3電極156を基準とした第1電極152の電位が負となり、第3電極156を基準とした第2電極154の電位が正となる。視線が左に移動した場合、第3電極156を基準とした第1電極152の電位が正となり、第3電極156を基準とした第2電極154の電位が負となる。
第3電極156を基準とした第1電極152の電位及び第3電極156を基準とした第2電極154の電位を検出することによって、好適にノイズの影響を軽減することができる。第3接触位置456を第1接触位置452及び第2接触位置454から可能な限り離間させるべく、眉間部124は、リム122の上端又はその近傍に配置されてもよい。また、眉間部124の中心よりも上側に第3電極156は設けられてもよい。この場合、第3電極156の配置位置として、縦幅の広い眉間部124を採用することが望ましい。
なお、処理部210は、第3電極156を基準とした第1電極152の電位を検出する代わりに、基準電極を基準とした第1電極152の電位から、基準電極を基準とした第3電極156の電位を減じてもよい。そして同様に、処理部210は、第3電極156を基準とした第2電極154の電位を検出する代わりに、基準電極を基準とした第2電極154の電位から、基準電極を基準とした第3電極156の電位を減じてもよい。
基準電極としては、接地電極を用いてもよい。また、メガネ100の、第1電極152、第2電極154及び第3電極156から離間した位置に、別途基準電極を設けてもよい。例えば、基準電極は、右側のモダン132に設けられてもよい。また、基準電極は、右側のテンプル130の使用者の肌に接する部位に設けられてもよい。
なお、基準電極を基準とした第1電極152の電位から第3電極156の電位を減じる処理、及び基準電極を基準とした第2電極154の電位から第3電極156の電位を減じる処理は、処理部210が実行してもよく、増幅部250又は外部装置300が実行してもよい。この場合、処理対象の電位を示す信号は、増幅部250により増幅されている。
<増幅部の構成>
次に、増幅部250の構成について説明する。図5は、実施例における増幅部250の構成の一例を示す図である。図5に示すように、増幅部250は、第1アンプ260及び第2アンプ270を有する。第1アンプ260は、第2アンプ270の前段に位置し、バッファアンプとして機能するアンプである。以下、第1アンプ260をバッファアンプ260とも称する。第2アンプ270は、メインのアンプとして機能するアンプである。以下、第2アンプ270は、メインアンプ270とも称する。メインアンプ270により増幅された信号は処理装置200に有線又は無線を用いて出力される。
増幅部250の設置位置は、眉間部124部分であることが望ましい。なお、増幅部250は、眉間部124に埋め込むようにして設けてもよい。前述したとおり、各電極は可能な限り離間させた方が望ましいが、各電極の設置位置はフレーム120の形状に依存してしまうため、離間させるにしても限界がある。
このため、各電極の電位差が十分な大きさにならない場合があり、各電極で検出された小さい電位を示す眼電図信号にノイズが混入してしまうと、十分な精度の電位を検出することが困難になってしまう。
そこで、実施例においては、検出された眼電図信号にノイズが混入する前に増幅することを目的として、増幅部250は、第1電極152、第2電極154及び第3電極156の近傍に設けられる。例えば、増幅部250は、各電極に近く、フレーム120にスペースが存在する眉間部124部分に設けることが好ましい。これにより、各電極により検出された眼電図信号が電線を通過する間に、ノイズが混入して眼電図信号の精度を低下させるリスクを減らすことができる。
次に、メインアンプ270の前段の位置にバッファアンプ260を設ける理由を、図6を用いて説明する。図6は、バッファアンプ260を設ける理由を説明するための図である。図6に示す例は、第3電極156を用いるが、第1電極152及び第2電極154においても同様である。
第3電極156は、メガネ100を装着した際、人肌に触れるため、グランドとの間に抵抗R0が存在すると考えてよい。このとき、抵抗R0は、例えば数100kΩである。また、メインアンプ270には、内部抵抗R1が存在する。このとき、メインアンプ270として通常のアンプを用いると、内部抵抗R1は、数10kΩ〜数100kΩである。
ここで、理想的にはメインアンプ270に電流が流れ込まないことであるが、内部抵抗R1が抵抗R0よりも小さいと、電流がメインアンプ270側に流れ込む。そうすると、電極の電圧Viとメインアンプ270の電圧Vxとが分圧されて観測されてしまう。そこで、メインアンプ270の前段の位置にバッファアンプ260を設けてメインアンプ270側に電流が流れ込まないようにする。
図7は、実施例における増幅部の構成の他の例を示す図である。図7に示す増幅部は、符号250Aと表記される。増幅部250Aは、バッファアンプ260、メインアンプ270、A/D変換部280、及び無線通信部290を有する。バッファアンプ260及びメインアンプ270は、図5に示す機能と同様であるため、以下では、A/D変換部280及び無線通信部290について主に説明する。
A/D変換部280は、メインアンプ270により増幅された信号をアナログからデジタルに変換する。A/D変換部280は、デジタル変換した信号を無線通信部290に出力する。
無線通信部290は、A/D変換部280により変換されたデジタル信号を、無線通信を用いて処理装置200に送信する。よって、無線通信部290は、送信部として機能する。無線通信部290は、例えばBluetooth(登録商標)及び無線LAN等の無線通信を用いる。また、無線通信部290は、外部装置300にデジタル信号を直接送信してもよい。
なお、実施例では、バッファアンプ260及びメインアンプ270を1つ設ける例を示したが、この場合は各電極からの眼電図信号に対して順番を決めて増幅していけばよい。また、各電極それぞれにバッファアンプ260及びメインアンプ270を設けてもよい。
<外部装置の構成>
次に、外部装置300の構成について説明する。図8は、実施例における外部装置300の構成の一例を示すブロック図である。図8に示すように、外部装置300は、通信部310、記憶部320、及び制御部330を有する。
通信部310は、Bluetooth(登録商標)及び無線LAN等の無線通信、又は有線通信によって眼電図信号を受信する。通信部310は、処理装置200の通信部220から受信した眼電図信号を制御部330に出力する。
制御部330は、例えばCPU(Central Processing Unit)であり、各部の制御を行ったり、各種の演算処理を行ったりする。図8に示す例では、制御部330は、取得部340、判定部342、検出制御部344、及び検出部346を有する。
取得部340は、対象者の眼周辺に接触する各電極により検出される眼電位に基づく眼電図信号を取得する。取得部340は、例えば、通信部310が受信した眼電図信号を取得すると、この眼電図信号を判定部342及び検出部346に出力する。
制御部330は、取得された眼電図信号に対し、垂直方向及び水平方向の眼の動きを示す眼電図信号の極大値及び極小値を記憶部320に記憶するようにする。また、制御部330は、所定期間毎に、垂直方向及び水平方向の眼の動きを示す眼電図信号の最大値及び/又は最小値を記憶部320に記憶するようにしてもよい。所定期間は、例えば200msecとするが、この限りではない。また、所定期間は、時間窓を用いることで重複を許して時間的に変動するようにしてもよい。ここでいう垂直方向とは、顔を基準とした頭の上から下までの方向をいい、水平方向とは、垂直方向に直交する方向をいう。
記憶部320は、例えば、RAM(Random Access Memory)であり、垂直方向及び水平方向の眼電図信号の極大値(又は所定期間毎の最大値)及び/又は極小値(又は所定期間毎の最小値)を記憶する。例えば、記憶部320は、極大値用のFIFOバッファと、極小値用のFIFOバッファとを有する。FIFOバッファは、極大値または極小値のデータにより記憶容量が一杯になったときは、最も古いデータが消去されて最新のデータが記憶されることにより、記憶領域に記憶されるデータが更新される。また、記憶部320は、後述する検出部346の検出結果を記憶してもよい。
また、記憶部320は、後述する瞬目検出処理や視線移動検出処理をコンピュータに実行させるプログラムを記憶する。以下、瞬目検出処理及び視線移動検出処理をまとめて検出処理とも称す。このプログラムは、インターネット、又はSDカードなどの記録媒体を介して外部装置300にインストールされてもよいし、プリインストールされていてもよい。また、このプログラムを記憶する記憶部は、記憶部320とは別であってもよい。
判定部342は、取得部340から取得した眼電図信号に基づいて、所定ノイズの検出に関する第1条件が満たされるか否かを判定する。例えば、第1条件は、眼電図信号の振幅又はピーク間の幅に関する条件であり、外乱によるノイズが発生しているか否かを判定するための判定条件である。以下、外乱によるノイズとしては、例えば、電磁ノイズや、歩行時の対象者の動きによるノイズなどを含む。
また、判定部342は、一旦第1条件が満たされて瞬目又は視線移動の検出が停止されると、取得される眼電図信号に基づいて、瞬目又は視線移動の検出の再開に関する第2条件が満たされるか否かを判定する。例えば、第2条件は、眼電図信号の振幅又はピーク間の幅に関する条件であり、外乱によるノイズの混入が少なくなったか否かを判定するための判定条件である。判定部342については、図9を用いて後述する。
検出制御部344は、第1条件が満たされると判定された場合、後述する検出部346による瞬目又は視線移動の検出を停止するよう制御する。
また、検出制御部344は、瞬目又は視線移動の検出の停止後に、第2条件が満たされると判定された場合、検出部346による瞬目又は視線移動の検出を再開するよう制御する。
例えば、検出制御部344は、判定部342により第1条件を満たすと判定された場合、停止信号を検出部346に出力し、判定部342により第2条件を満たすと判定された場合、再開信号を検出部346に出力する。
検出部346は、取得部340から取得した眼電図信号に基づいて、瞬目又は視線移動の検出処理を実行する。また、検出部346は、検出制御部344からの停止信号に基づいて瞬目又は視線移動の検出を停止し、再開信号に基づいて瞬目又は視線移動の検出を再開する。
これにより、多くのノイズが眼電図信号に混入していると判定されたときに、瞬目又は視線移動の検出を停止することで、誤検出を防止することができる。また、検出処理の停止は、省電力にも寄与する。
また、検出部346は、検出を停止した後に、ノイズの混入が少なくなったと判定されたときに、瞬目又は視線移動の検出処理を再開することで、適切なタイミングで通常の検出処理に戻ることができる。
次に、外乱によるノイズの具体例として、電磁ノイズと、歩行ノイズを例に挙げて、判定部342の処理について説明する。図9は、実施例における判定部342の機能構成の一例を示すブロック図である。
図9に示す判定部342は、停止判定部410と、再開判定部420とを含む。停止判定部410は、所定ノイズに関する判定条件により、現在の眼電図信号がノイズモードであるか否かを判定する。停止判定部410は、第1停止モード判定部412と、第2停止モード判定部414とを含む。
第1停止モード判定部412は、検出部346から検出結果を取得し、電磁ノイズが眼電図信号に混入している電磁ノイズモードであるか否かを判定する。第1停止モード判定部412は、電磁ノイズモードを見分けるために、眼電図信号のピークの幅を用いて、瞬目が所定時間内に所定回数以上検出されるか否かを判定する。例えば、第1停止モード判定部412は、1秒間に5回以上の瞬目が検出されるか否かを判定する。
これは、例えば約5.6Hzの電磁ノイズが発生している環境では、人間の瞬目は早くても3〜4Hzであるため、1秒間に5回以上の瞬目が検出された場合には電磁ノイズの影響により瞬目が検出されていると判定することができる。よって、第1停止モード判定部412は、例えば1秒間に5回以上の瞬目が検出された場合は、電磁ノイズモードであると判定する。
第2停止モード判定部414は、検出部346から検出結果を取得し、歩行等による大きなノイズが眼電図信号に混入している超ノイズモードであるか否かを判定する。第2停止モード判定部414は、超ノイズモードを見分けるために、所定値以上となる眼電図信号の振幅の値が所定時間内に所定回数以上検出されるか否かを判定する。例えば、第2停止モード判定部414は、所定値以上の振幅値が2秒間に3回以上検出されるか否かを判定する。
これは、例えば歩行等によるノイズが発生している場合では、瞬目の振幅値よりもかなり大きい振幅値が発生する。そのため、所定時間内に瞬目の振幅値よりもかなり大きい振幅値が多数発生している場合には、歩行等によるノイズの影響により瞬目が検出されていると判定することができる。
また、所定値は、実際に瞬目として検出されたピーク値の平均値に基づく値に設定されればよい。実際の瞬目のピーク値の平均値よりも所定倍以上大きい値の振幅値であれば、それは、外乱(例えば歩行)の影響によるものと判定することができる。なお、平均値に乗算する係数は、事前の実験等により適切な値が設定されていればよい。
再開判定部420は、瞬目や視線移動の検出が停止された後、眼電図信号に基づいて、瞬目又は視線移動の検出の再開に関する第2条件が満たされるか否かを判定する。再開判定部420は、第1再開判定部422と、第2再開判定部424とを含む。
第1再開判定部422は、検出部346から検出結果を取得し、電磁ノイズモードから通常モードに戻っているか否かを判定する。通常モードとは、瞬目又は視線移動が検出可能なモードである。第1再開判定部422は、電磁ノイズの混入が少なくなっていることを見分けるために、例えば、眼電図信号のピークの幅(間隔)を用いて、瞬目が所定時間内に所定回数未満検出されるか否かを判定する。より具体的には、第1停止モード判定部412は、第2条件の一例として、1秒間に5回未満の瞬目が検出されるか否かを判定する。
この判定は、第1停止モード判定部412による判定と逆の判定を行うため、第1再開判定部412は、第1停止モード判定部412と統合されてもよい。なお、この判定に対して、検出部346において、瞬目又は視線移動の検出は行われないが、瞬目があったか否かの判定は行われる。
第2再開判定部424は、取得部340から眼電図信号を取得し、超ノイズモードから通常モードに戻っているか否かを判定する。例えば、第2再開判定部424は、歩行等によるノイズの混入が少なくなっていることを見分けるために、直近の数秒間における眼電図信号のピーク値の平均値が、超ノイズモードに遷移する前の数秒間における眼電図信号のピーク値の平均値の所定倍未満になっているか否かを判定する。より具体的には、第2再開判定部424は、第2条件の一例として、直近の5秒間のピーク値の平均値が、超ノイズモードに遷移する前の5秒間におけるピーク値の平均値の1.2倍未満になっているか否かを判定する。
この判定は、眼電図信号に基づいて行われるため、検出部346による瞬目又は視線移動の検出処理自体を停止することができ、省電力に寄与することができる。
次に、具体的な信号を用いて、電磁ノイズモードと超ノイズモードとを説明する。図10は、電磁ノイズモードを説明するための図である。図10に示す眼電図信号S1において、期間N1では、第1停止モード判定部412により1秒間に5回以上の瞬目が検出される。
よって、この期間N1は、第1停止モード判定部412により、電磁ノイズが眼電図信号に混入している電磁ノイズモードであると判定され、瞬目又は視線移動の検出が停止される。また、期間N1が終了した時点以降において、第1再開判定部422により、通常モードに戻ったと判定され、瞬目又は視線移動の検出が再開される。
図11は、超ノイズモードを説明するための図である。図11に示す眼電図信号S2において、期間N2では、第2停止モード判定部414により所定値以上の振幅値が2秒間に3回以上検出される。
よって、この期間N2は、第2停止ノイズ判定部414により、歩行等による大きなノイズが眼電図信号に混入している超ノイズモードであると判定され、瞬目又は視線移動の検出が停止される。また、期間N2が終了した時点以降において、第2再開判定部424により、通常モードに戻ったと判定され、瞬目又は視線移動の検出が再開される。
なお、図10や図11に示す期間N1やN2において瞬目や視線移動の検出処理を行ってしまうと、眼電図信号S1やS2が瞬目や視線移動の判定閾値を超えることで、多くの瞬目や視線移動が検出され、誤検出が発生してしまう。
これに対し、本実施例では、電磁ノイズモードや超ノイズモードを判定し、これらのモード時には瞬目や視線移動を検出しないことにより、誤検出を防ぐことができる。なお、図10や図11に示す縦軸の眼電強度は、眼電位の強度を示す単位であり、例えば眼電図信号の計測値×1.5(V)÷2048などで表される。
なお、図11に示す例では、歩行の場合を例に用いて説明したが、走行、咳、くしゃみ、頷き、頭を振るなどの動作についても、歩行と同様に眼電図信号が大きな振幅となるため、これらを超ノイズモードとして判定できるようにすればよい。
≪視線移動検出≫
次に、視線移動の検出について説明する。図8に戻り、検出部346は、公知の方法を用いて視線移動を検出すればよい。例えば、検出部346は、取得した眼電図信号から右眼電図と、左眼電図とに分けて、右眼電図及び左眼電図で負の電位が示された場合には視線が上を向いたことを検出する。また、検出部346は、右眼電図及び左眼電図で正の電位が示された場合には視線が下、右眼電図で負の電位が示され左眼電図で正の電位が示された場合には視線が右、右眼電図で正の電位が示され左眼電図で負の電位が示された場合には視線が左に向いたことを検出する。
さらに、検出部346は、右眼電図が示す電位V1と左眼電図が示す電位V2とを加減算することによって、視線の検出精度を高めることができる。例えば、V1+V2が負であり、V1−V2が略ゼロの場合は、視線が上に向けられたと検出できる。V1+V2が正であり、V1−V2が略ゼロの場合は、視線が下に向けられたと判断できる。V1+V2が略ゼロであり、V1−V2が負の場合は、視線が右に向けられたと判断できる。V1+V2が略ゼロであり、V1−V2が正の場合は、視線が左に向けられたと判断できる。V1とV2とを加減算することにより、算出される正の値及び負の値が大きくなる。したがって、その分閾値を大きく設定することができるので、ノイズを誤って視線移動として検出してしまう誤検出を低減できる。
≪瞬目検出≫
つぎに、瞬目検出について説明する。検出部346は、眼電図信号を用いた公知の瞬目検出アルゴリズムを用いることができるが、本実施例では、瞬目判定に用いる閾値を可変にするアルゴリズムについて説明する。検出部346は、閾値算出部350を有する。
閾値算出部350は、記憶部320に記憶された極大値及び/又は極小値を用いて閾値を算出する。閾値算出部350は、例えば処理を簡略化するため、極大値又は極小値の絶対値の平均値等から閾値の絶対値を算出してもよい。
また、閾値算出部350は、記憶部320に記憶された極大値を用いて第1閾値を算出し、また、記憶部320に記憶された極小値を用いて第2閾値を算出してもよい。ここで、第1閾値は、眼が垂直方向の上に動いたことを判定するために用いられ、第2閾値は、眼が垂直方向の下に動いたことを判定するために用いられる。これにより、上方向の眼の動き、下方向の眼の動きそれぞれに閾値を設定できるので、適切な閾値判定を行うことができる。
また、閾値算出部350は、第1算出部352及び第2算出部354を有する。第1算出部352は、極大値用のFIFOバッファに記憶されている極大値の平均値及び標準偏差を算出する。また、第1算出部352は、極小値用のFIFOバッファに記憶されている最小値の平均値及び標準偏差を算出する。
第2算出部354は、極大値の平均値及び標準偏差に基づいて第1閾値を算出し、極小値の平均値及び標準偏差に基づいて第2閾値を算出する。これにより、例えば対象者の直近の状態を示す眼電図信号を用いて閾値を設定することができる。また、第1閾値及び第2閾値は、使用者の直近の状態を示す信号の強度に追従して値を変更させることができる。
例えば、第2算出部354は、極大値の平均値に、極大値の標準偏差に係数を乗算した値を加算した値を第1閾値とする。第2算出部354は、極小値の平均値から、極小値の標準偏差に係数を乗算した値を減算した値を第2閾値とする。これにより、適切な閾値を設定することができる。
また、閾値算出部350は、記憶部320に極大値及び/又は極小値が記憶される度に、第1閾値及び第2閾値を更新する。これにより、閾値算出部350は、過去の眼電図信号に基づいて閾値を設定することができるため、眠くなって眼の動きが遅くなり、眼電図信号が弱くなった場合であっても、その弱くなった信号に応じて閾値を設定することができるので、適切に瞬目を検出することができる。
また、閾値算出部350は、記憶部320に記憶された所定個の極大値の平均を第1閾値としたり、記憶部320に記憶された所定個の極小値の平均を第2閾値としたりしてもよい。また、閾値算出部350は、記憶部320に記憶された極大値及び極小値それぞれの標準偏差を用いて第1閾値及び第2閾値を算出してもよい。
検出部346は、第2算出部354により算出された第1閾値、及び第2閾値を用いて、眼の垂直方向の動きを示す眼電図信号から瞬目を検出する。例えば、検出部346は、第1閾値以上となる記憶部320に記憶された極大値の第1時刻と、第2閾値以下となる記憶部320に記憶された極小値の第2時刻との差分が所定時間以内であれば、瞬目を検出する。ここで、第2時刻は、第1時刻以降であって直近の時刻とする。所定時間は、例えば500msecとするがこの限りではない。
なお、検出部346は、右眼、左眼それぞれの眼電図信号を用いて瞬目を検出し、所定範囲内のタイミングで両目において瞬目が検出されたときに最終的な瞬目を検出してもよい。また、検出部346は、右眼と左眼は同様の動きをすることを前提とし、双方の眼電図信号の平均を用いて瞬目を検出してもよい。次に、具体的な眼電図信号を用いて瞬目検出アルゴリズムについて説明する。
図12は、眼の垂直方向の動きを示す眼電図信号の一例を示す図である。図12に示す眼電図信号S3は、片側の眼の垂直方向の動きを示す眼電図信号である。ここで、図12を用いて瞬目検出アルゴリズムを説明する。以下に説明する瞬目検出アルゴリズムは、所定期間の最大値及び最小値を用いて閾値を算出する場合のアルゴリズムである。
(1)所定期間ごとの最大値、最小値を求める
制御部330は、眼電図信号S3の所定期間T1(例えば500msec)ごとの最大値、最小値を求める。
(2)最大値が極大値である場合、第1FIFOバッファに保存する
制御部330は、(1)で求めた最大値が極大値である場合、第1FIFOバッファ(記憶部320)に保存する。
(3)最小値が極小値である場合、第2FIFOバッファに保存する
制御部330は、(1)で求めた最小値が極小値である場合、第1FIFOバッファとは別領域の第2FIFOバッファに保存(記憶部320)する。なお、(2)及び(3)について、順序は問わない。以降、第1FIFOバッファ及び第2FIFOバッファをまとめる場合は、単にバッファと称する。図10において、眼電図信号S3上にある黒点は、各期間において極大値又は極小値として検出された値を表す。なお、極大値及び極小値は、微分を用いて、例えば眼電図信号S3の差分信号を用いて求めることができる。
(4)バッファの容量分データが保存されたら、平均値及び標準偏差を算出する
第1算出部352は、第1FIFOバッファに保存されている最大値の平均値(a1)及び標準偏差(b1)を算出する。また、第1算出部352は、第2FIFOバッファに保存されている最大値の平均値(a2)及び標準偏差(b2)を算出する。
(5)閾値を算出する
第2算出部354は、(4)で算出された平均値及び標準偏差を用いて第1閾値及び第2閾値を算出する。第1閾値(Th1)及び第2閾値(Th2)は、以下の式で算出される。
Th1=a1+E×b1・・・式(1)
Th2=a2−E×b2・・・式(2)
ここで、係数Eは、例えば2とする。
なお、第1閾値(Th1)、第2閾値(Th2)の絶対値に下限値を設定しておいてもよい。これにより、眼のわずかな上下運動を瞬きであると誤検出することを防止することができる。また、係数Eは、信号強度に応じて可変に設定できるようにされてもよい。
図12において、第1閾値の例として、符号TH1で表し、第2閾値の例として符号TH2で表す。図12に示すとおり、眼電図信号の時間経過に伴って、それぞれの閾値が変動し、さらに、眼電図信号の強さ(振幅の大きさ)に追従して閾値が適切に変更される。図8に示す第1閾値TH1と第2閾値TH2は、閾値の変動を概念的に示したものに過ぎない。
(6)第1閾値以上の最大値、及び第2閾値以下の最小値を特定する
検出部342は、(5)で算出された第1閾値以上の最大値を特定する。ここで、閾値判定の対象となる最大値は、第1FIFOバッファに記憶されており、閾値判定がまだされていない最大値である。
また、検出部342は、(5)で算出された第2閾値以下の最小値を特定する。ここで、閾値判定の対象となる最小値は、第2FIFOバッファに記憶されており、閾値判定がまだされていない最小値である。図12において、特定された最大値及び最小値は、四角で囲われた黒点により表される。
(7)瞬目を検出する
検出部342は、特定された最大値毎に、この最大値の第1時刻と、特定された最小値の第2時刻であり、この第1時刻以降の直近の第2時刻との差が、所定時間以内であれば、その眼の上下の動きを瞬目とみなして検出する。
図10において、例えば、特定された最大値の時刻t11と、t11以降で直近に特定された最小値の時刻t21との差が所定時間以内であれば、その眼の動きを瞬目として検出する。所定時間は、例えば500msecとする。
以上、瞬目検出アルゴリズムを説明したが、このアルゴリズムは、あくまでも一例であり、この例に限らない。なお、瞬目、視線移動の検出処理においては、眼電図信号の時間方向の差分信号を用いて上述した処理と同様の処理を行ってもよい。差分信号とは、例えば時間tの眼電図信号から時間tの所定時間前の眼電図信号を減算した信号である。これにより、ノイズ耐性が強い差分信号を用いることで、検出精度を向上させることができる。
<動作>
次に、実施例における外部装置300の動作について説明する。図13は、実施例における瞬目、視線移動の検出処理に関する処理の一例を示すフローチャートである。図13に示すフローチャートは、使用者がメガネ100を装着して、第1電極152、第2電極154、第3電極156及び接地電極が使用者の皮膚に接触した状態であって、外部装置300が瞬目又は視線移動の検出を実行するモードである動作モード(通常モード)に設定された場合に開始する。
図13に示すステップS102で、取得部340は、メガネ100から、眼電図信号を取得する。
ステップS104で、検出部346は、瞬目又は視線移動の検出を実行する。なお、検出部346は、両方の検出を行ってもよい。瞬目の検出処理については、図14を用いて後述する。
ステップS106で、判定部342は、眼電図信号に基づいて、所定ノイズの検出に関する第1条件が満たされるか否かを判定する。第1条件が満たされると判定されれば(ステップS106−YES)、瞬目又は視線移動の検出処理を停止するため、検出制御部344は、検出部346に停止信号を出力し、処理はステップS108に進む。第1条件が満たされないと判定されれば(ステップS106−NO)、処理はステップS114に進む。
ステップS108で、検出部346は、検出制御部344から停止信号を取得すると、瞬目又は視線移動の検出を停止する。
ステップS110で、取得部340は、メガネ100から、眼電図信号を取得する。
ステップS112で、判定部342は、眼電図信号に基づいて、瞬目又は視線移動の検出の再開に関する第2条件が満たされるか否かを判定する。第2条件が満たされると判定されれば(ステップS112−YES)、瞬目又は視線移動の検出処理を再開するため、検出制御部344は、検出部346に再開信号を出力し、処理はステップS114に進む。第2条件が満たされないと判定されれば(ステップS112−NO)、処理はステップS110に戻る。
ステップS114で、制御部330は、動作モードの終了指示を受けているか否かを判定する。動作モードの終了指示は、例えばユーザから外部装置300のボタン操作などにより実行される。終了指示があれば(ステップS114−YES)検出処理は終了し、終了指示がなければ(ステップS114−NO)ステップS102に戻る。
以上の処理により、本実施例では、瞬目又は視線移動の誤検出が発生しやすいモードを判定することができ、このモードに遷移した場合には、瞬目又は視線移動の検出を停止して誤検出が行われないようにすることができる。
次に、図14は、実施例における瞬目検出処理の一例を示すフローチャートである。以下に説明する瞬目検出処理は、極大値及び極小値の移動平均を用いて判定閾値を算出する。
ステップS202で、制御部330は、算出される極大値及び/又は極小値を記憶部320に記憶する。
ステップS204で、閾値算出部350は、記憶部320に記憶された極大値及び/又は最小値を用いて閾値(第1閾値及び第2閾値)を算出する。このとき、閾値算出部350は、例えば直近の10個の極大値の平均値を第1閾値、又は直近の10個の極小値の平均値を第2閾値とする。なお、後に瞬目と判定される極大値及び極小値は、次回以降の平均算出処理から除外してもよい。
ステップS206で、検出部346は、第1閾値以上となる極大値の第1時刻、又は第2閾値以下となる極小値の第2時刻を特定する。このとき、検出部360は、第2時刻として、特定した第1時刻以降の直近の極小値の時刻を特定する。
ステップS208で、検出部346は、第2時刻−第1時刻が所定時間より小さいかを判定する。この条件が満たされれば(ステップS208−YES)ステップS210に進み、この条件が満たされなければ(ステップS208−NO)ステップS202に戻る。
ステップS210で、検出部346は、第1時刻と第2時刻との間の眼の動きを瞬目として検出する。
以上の処理により、外部装置300は、適切な閾値を用いて、瞬目を検出することができる。
以上、実施例によれば、所定ノイズが眼電図信号に混入しているモードであるかを判定し、現在の眼電図信号の状態がこのモードである場合には、瞬目や視線移動の検出を停止することで、誤検出を防止することができる。
なお、本実施例において、アイウエアがメガネである場合について説明した。しかし、アイウエアはこれに限定されない。アイウエアは、眼に関連する装具であればよく、メガネ、サングラス、ゴーグル及びヘッドマウントディスプレイならびにこれらのフレームなどの顔面装着具又は頭部装着具であってよい。
本実施例において、メガネ100が第3電極156を備える例を挙げて説明した。しかし、メガネ100はこれに限定されない。メガネ100が、第3電極156を備えなくてもよい。この場合、基準電極を基準とした第1電極152の電位が示す眼電図及び基準電極を基準とした第2電極154の電位が示す眼電図が、外部装置300に送信されればよい。ここで、接地電極を第3電極156の位置に設けて、基準電極としてもよい。また、左モダンに設けられた接地電極を基準電極として用いてもよいし、第1電極152及び第2電極154から離間した位置に、別途設けられた電極を基準電極として用いてもよい。
本実施例において、メガネ100が、リム122と一体になっているノーズパッド140を備える例を挙げて説明した。しかし、メガネ100はこれに限定されない。メガネ100が、リム122に備え付けられたクリングスと、クリングスに取り付けられたノーズパッド140とを備えてもよい。この場合、ノーズパッド140の表面に設けられた電極は、クリングスを介して、フレームに埋設された電線と電気的に接続される。
本実施例において、第1電極152及び第2電極154をノーズパッド140の中心よりも下側に設ける例を挙げて説明した。しかし、これに限定されない。ノーズパッド140が下側に延伸する延伸部を備え、第1電極152及び第2電極154を延伸部に設けてもよい。これにより、眼及び鼻の位置の個人差によってノーズパッドが眼の真横に位置してしまう使用者であっても、第1電極152及び第2電極154を眼の位置よりも下に接触させることができる。
本実施例において、第3電極156を眉間部124の表面に設ける例を挙げて説明した。しかし、これに限定されない。眉間部124が、上側に延伸する延伸部を備え、延伸部に第3電極156を設けてもよい。またさらに、延伸部と眉間部124との間に延伸部を上下に可動させる可動部を備え、第3電極156の位置を上下に調整可能としてもよい。これにより、眼の位置の個人差によって、第3電極156の接触位置が眼の近傍になってしまう使用者であっても、調整により第3電極156の接触位置を眼から離間させることができる。また、本実施例において、各電極の位置は前述した位置に限られず、眼の垂直方向及び水平方向の動きを示す眼電図信号が取得できる位置に配置されていればよい。
本実施例では、外部装置300の例として、処理装置200と別体の、携帯電話及びスマートフォン等の携帯通信端末を挙げて説明した。しかし、これに限定されない。外部装置300を、処理装置200と一体のユニットとしてもよい。この場合、外部装置300は、アイウエアに一体として設けられる。
また、本実施例では、電線としてシールドケーブルを用いることで、ノイズの混入を防ぐようにしてもよい。
また、本実施例では、図1において3つの電極を用いる構成を例示したが、4つ以上の電極を用いる構成であってもよい。この場合、メガネは、上部電極と、下部電極と、左部電極と、右部電極とを有する。例えば、上部電極及び下部電極は、図1に示すリム122に設けられ、左部電極は、左テンプル130に設けられ、右部電極は、右テンプル130に設けられるが、必ずしもこの位置にある必要はない。なお、これらの電極は、顔の一部に接触しているとする。
4つの電極の例では、上部電極及び下部電極の電圧差により、眼の上下方向を検知することができ、左部電極及び右部電極の電圧差により、眼の左右方向を検知することができる。
以上、本発明について実施例を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施例に記載の範囲には限定されない。上記実施例に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
100 メガネ
120 フレーム
124 眉間部
140 ノーズパッド
152 第1電極
154 第2電極
156 第3電極
200 処理装置
300 外部装置
320 記憶部
330 制御部
340 取得部
342 判定部
344 検出制御部
346 検出部
350 閾値算出部

Claims (7)

  1. 対象者の眼周辺に接触する各電極により検出される眼電位に基づく眼電図信号を取得する取得ステップと、
    前記眼電図信号に基づいて、瞬目又は視線移動を検出する検出ステップと、
    前記眼電図信号に基づいて、所定ノイズの検出に関する第1条件が満たされるか否かを判定する判定ステップと、
    前記第1条件が満たされると判定された場合、前記瞬目又は前記視線移動の検出を停止する停止ステップと、
    をコンピュータに実行させるプログラム。
  2. 前記第1条件は、前記眼電図信号のピークの幅を用いて、前記瞬目が所定時間内に所定回数以上検出されることである、請求項1に記載のプログラム。
  3. 前記第1条件は、所定値以上となる前記眼電図信号の振幅の値が所定時間内に所定回数以上検出されることである、請求項1に記載のプログラム。
  4. 前記所定値は、前記瞬目として検出されたピーク値の平均値に基づく値である、請求項3に記載のプログラム。
  5. 前記瞬目又は前記視線移動の検出が停止された後、前記眼電図信号のピーク値の平均値に基づいて、前記瞬目又は前記視線移動の検出の再開に関する第2条件が満たされるか否かを判定する判定ステップをさらにコンピュータに実行させる、請求項3又は4に記載のプログラム。
  6. 対象者の眼周辺に接触する各電極により検出される眼電位に基づく眼電図信号を取得する取得部と、
    前記眼電図信号に基づいて、瞬目又は視線移動を検出する検出部と、
    前記眼電図信号に基づいて、所定ノイズの検出に関する第1条件が満たされるか否かを判定する判定部と、
    前記第1条件が満たされると判定された場合、前記瞬目又は前記視線移動の検出を停止するよう制御する検出制御部と、
    を備える情報処理装置。
  7. 眉間部と、
    一対のノーズパッドを有するフレームと、
    前記一対のノーズパッドそれぞれの表面に設けられる第1電極及び第2電極と、
    前記眉間部の表面に設けられる第3電極と、
    各電極により検出される眼電位に基づく眼電図信号を取得する取得部と、
    前記眼電図信号に基づいて、瞬目又は視線移動を検出する検出部と、
    前記眼電図信号に基づいて、所定ノイズの検出に関する第1条件が満たされるか否かを判定する判定部と、
    前記第1条件が満たされると判定された場合、前記瞬目又は前記視線移動の検出を停止するよう制御する検出制御部と、
    備えるアイウエア。
JP2014229163A 2014-11-11 2014-11-11 プログラム、情報処理装置、及びアイウエア Pending JP2018010329A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014229163A JP2018010329A (ja) 2014-11-11 2014-11-11 プログラム、情報処理装置、及びアイウエア
PCT/JP2015/081487 WO2016076268A1 (ja) 2014-11-11 2015-11-09 プログラム、情報処理装置、及びアイウエア

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014229163A JP2018010329A (ja) 2014-11-11 2014-11-11 プログラム、情報処理装置、及びアイウエア

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018010329A true JP2018010329A (ja) 2018-01-18

Family

ID=55954353

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014229163A Pending JP2018010329A (ja) 2014-11-11 2014-11-11 プログラム、情報処理装置、及びアイウエア

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2018010329A (ja)
WO (1) WO2016076268A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2574580B (en) * 2018-05-25 2023-03-29 Uea Enterprises Ltd Portable wearable eye movement monitoring system, device and monitoring method
CN110441912B (zh) * 2019-08-27 2024-04-19 高维度(深圳)生物信息智能应用有限公司 一种便携眼镜智能穿戴设备及其控制方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8382483B2 (en) * 2006-06-21 2013-02-26 Panasonic Corporation Service providing system
JP5661067B2 (ja) * 2012-05-29 2015-01-28 株式会社ジェイアイエヌ アイウエア
JP2014110032A (ja) * 2012-12-04 2014-06-12 Sharp Corp 情報処理装置、および情報処理プログラム

Also Published As

Publication number Publication date
WO2016076268A1 (ja) 2016-05-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102627452B1 (ko) 다중 모드 눈 추적
US9706941B2 (en) Eyewear
JP6426589B2 (ja) 眼電位検出装置、眼電位検出方法、アイウエア及びフレーム
US20160070122A1 (en) Computerized replacement temple for standard eyewear
JP2015213734A (ja) プログラム、情報処理装置、及びアイウエア
CN110366388B (zh) 信息处理方法、信息处理装置以及计算机可读存储介质
US20180064371A1 (en) Posture detection apparatus, glasses-type electronic device, posture detection method, and program
WO2016093096A1 (ja) プログラム、情報処理装置、及びアイウエア
WO2015159861A1 (ja) 検出制御装置、装着具、眼電位情報処理システム、及びプログラム
WO2016076268A1 (ja) プログラム、情報処理装置、及びアイウエア
US20220273211A1 (en) Fatigue evaluation system and fatigue evaluation device
WO2017077601A1 (ja) 情報処理方法、情報処理装置、プログラム及びアイウエア
WO2015159851A1 (ja) 検出ユニット、アイウエア、及び眼電位検出システム
WO2016072395A1 (ja) プログラム、情報処理装置、及びアイウエア
JP6594953B2 (ja) 視線移動検出方法、プログラム、情報処理装置及びアイウエア
WO2017064800A1 (ja) プログラム、情報処理装置、及びアイウエア
JP6556860B2 (ja) 情報処理方法、情報処理装置、プログラム及びアイウエア
WO2016152849A1 (ja) 信号処理方法、プログラム、情報処理装置及びアイウエア
WO2017064799A1 (ja) アイウエア
JP2015205030A (ja) アイウエア
JP5689206B1 (ja) アイウエア
WO2017150148A1 (ja) 瞬目検出装置、眼鏡型電子機器、瞬目検出方法およびプログラム
JP2017192548A (ja) アイウエア、情報処理方法、及びプログラム