JP2018009911A - 回転型繊維濃度計及び回転型繊維濃度計を用いた汚泥脱水方法 - Google Patents
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そして、繊維添加の際に、パルプ原料中の固形分の濃度を検出する、又は各種汚泥の固形分濃度や凝集度を測定するための濃度測定器としては、測定液中に浸漬させた濃度検出羽根を回転させたときの反力を検出するようなものがある。
また、回転型繊維濃度計を用いて正確に繊維濃度を計測することで、時間変動による繊維濃度の変化があっても、安定した量の繊維を供給できる汚泥脱水方法を提供することを目的とする。
回転型繊維濃度計は、測定液中で回転する回転体1と、回転体1に接続した回転軸2と、回転軸2に回転自在に支持され回転体1が貫通した剥離板3と、回転軸2と連結したモータ4と、モータ4を支持する支持台5と、回転軸2にかかるトルクから測定液中の繊維濃度を算出する演算部6と、で構成される。回転体1は回転軸2に沿って昇降自在に接続し、下降時には貫通した剥離板3から突出する。剥離板3の上方には支持台5に載置したモータ4を設け、剥離板3から延設した回転軸2とモータ4を連結する。
測定液中で回転する回転体1は剥離板3を貫通して下方に突出しており、繊維濃度を算出する際には回転軸2に沿って下降し、剥離板3から突出して液中に挿入することで繊維濃度を算出する。回転体1はモータ4によって回転自在で、回転軸2を中心に測定液中で円を描くように回転し、繊維から抵抗を受けることでトルクを測定する。そして測定したトルクから繊維濃度を算出することができる。
接続部7は回転軸2に設けたネジ溝9に螺合するネジ穴10を有している。ネジの送り機構によって回転軸2と接続部7を接続しており、回転軸2の回転によって回転体1が上下に昇降することができる。
より好ましくは、測定液(液体)から受ける抵抗を低減し、繊維のみの抵抗を受ける形状が適しており、回転体の回転方向に延設し、前縁から後縁にかけて薄く形成することで、ノイズの少ない測定が可能となる。
また、浸漬部8を複数備えてもよく、それぞれ接続部7を回転軸2と接続し、昇降可能とする。
回転体1が貫通する剥離板3は円盤状で、剥離板3の中心を回転軸2で回転自在に支持している。
また、剥離板3には回転体1が貫通して突出するための開口11を設ける。開口11は回転体1が通過できるだけの大きさとし、開口11の内周と貫通した回転体1が近接するため、回転体1以外のものが開口11を通過できない構成としている。
従って、濃度を測定した後の回転体1に絡みついたし渣等の夾雑物は、回転体1を剥離板3から上昇させる際、剥離板3の開口11に引っかかり、回転体1から剥離される。開口11にスクレーパー等を設け、し渣等を剥離しやすい構成としても良い。
本実施例では、剥離板3は回転軸2に対して回転自在なため、回転体1を上昇させた際に、回転体1の下端が剥離板3の開口11からわずかに突出する構成とし、回転体1が開口11から外れることが無く、回転体1と剥離板3の回転を容易に同期させている。
濃度測定時はストッパー12を解除し、剥離板3と突出した回転体1を回転させて測定する。
本実施例ではストッパー12としてエアシリンダを用いて剥離板3と係止する。
また、回転軸2下端で支持される剥離板3を回転体1と回転軸2のロック機構として用いるため、回転軸2の下端まで降下した回転体1と剥離板3が当接することで、回転体1が落下せず、回転体1と回転軸2を係止することができる。
本実施例で用いる回転型繊維濃度計は、剥離板3として、回転体1と回転軸2を収納するケーシング13の底蓋3aを用いる。
回転体1と回転軸2を収納するケーシング13は円筒状で、上面と底面を覆う上蓋と底蓋3aを備える。回転軸2がケーシング13の上蓋を貫通し、ケーシング13は回転軸2に対して回転自在に支持されている。
ケーシング13の底部には底蓋3aを備え、底蓋3aには回転体1の浸漬部8がケーシング13から突出するための開口11を設ける。
開口11は回転体1の浸漬部8が通過できるだけの大きさとし、開口11の内周と貫通した回転体1の浸漬部8が近接するため、回転体1以外のものがケーシング13内に入ることを防ぐ。
従って、濃度を測定した後の回転体1の浸漬部8に絡みついたし渣等の夾雑物は、回転体1をケーシング13に収納する際、底蓋3aの開口11に引っかかり回転体1の浸漬部8から剥離される。
本実施例では、ケーシング13は回転軸2に対して回転自在なため、回転体1を収納した際に回転体1の下端がケーシング13の開口11からわずかに突出する構成とし、回転体1が開口11から外れることがなく、回転体1とケーシング13の回転を容易に同期させている。
濃度測定時はエアシリンダ12を解除し、ケーシング13と突出した回転体1を回転させて測定する。
また、ケーシング13の底蓋3aを回転体1と回転軸2のロック機構として用いるため、回転軸2の下端まで降下した回転体1と底蓋3aが当接することで、回転体1が落下せず、回転体1と回転軸2を係止することができる。
事前に、回転軸2が正転すると回転体1が下降し、回転軸2が逆転すると回転体1が上昇するようネジの送り機構を設定する。
(2) 支持台5に載置したエアシリンダ12を伸張し、ケーシング13に係止することでケーシング13を回転不能に固定する。
(3) 図5は、本発明の実施例に係る、濃度測定前の回転型繊維濃度計の断面図である。図5に示すように、モータ4を正転し、回転軸2の送り機構により回転体1を降下させ、ケーシング13より突出させる。回転体1が回転軸2の下端まで移動し、突出した回転体1の浸漬部8が測定液に挿入される。
(4) 図6は、本発明の実施例に係る、濃度測定時の回転型繊維濃度計の断面図である。図5に示すように、エアシリンダ12を収縮し、ケーシング13との係止を解除する。そして、モータ4を正転し、測定液中の回転体1及びケーシング13を回転させる。
(5) 回転体1の浸漬部8が受ける抵抗から、回転軸2に掛かるトルクを計測し、繊維の濃度を演算部6で算出する。濃度測定中に測定液中のし渣等が回転体1の浸漬部8に絡みつく。
(6) 所定時間が経過した後、濃度の算出を終了しモータ4を停止する。
(7) エアシリンダ12を伸張し、ケーシング13を回転不能に係止する。
(8) 図7は、本発明の実施例に係る、濃度測定後の回転型繊維濃度計の断面図である。図7に示すように、モータ4を逆転させ、回転体1をケーシング13に収納する。回転体1が上昇する際、回転体1の浸漬部8に絡みついたし渣等が底蓋3aの開口11で剥離され、再度測定を行なう準備が完了する。
図8は、本発明に係る回転型繊維濃度計を用いた汚泥脱水方法のフロー図である。
本汚泥脱水方法は、下水処理場の消化槽より引き抜いた汚泥を処理するもので、最初沈殿池14から引き抜いた初沈汚泥から繊維を回収する繊維回収装置15、回収した繊維の濃度を測定する回転型繊維濃度計D1、回収した繊維の流量を計測する流量計F1、回収した繊維を一時的に貯留する助材貯留槽16、助材貯留槽16内で繊維の濃度を計測する回転型繊維濃度計D2、助材貯留槽16から供給する繊維の流量を計測する流量計F2、最初沈殿池14から引き抜いた汚泥を消化する消化槽17、消化槽17で生成した消化汚泥の供給流量を計測する流量計F3、消化汚泥と回収した繊維を混合する汚泥貯留槽18、汚泥貯留槽18の汚泥を脱水する脱水機19で構成されている。
回収した繊維の濃度を回転型繊維濃度計D1で計測し、流量計F1によって繊維の流量を計測する。繊維の濃度と流量より回収した繊維量が算出される。回転型繊維濃度計D1は、繊維回収装置15と一体的に構成する、もしくは繊維の一時的な貯留槽を設けて計測しても良い。
算出した繊維量が所定量以上の場合、所定量の繊維を汚泥貯留槽18に添加すると共に、余剰分の繊維を助材貯留槽16に移送する。
算出した繊維量が所定量未満の場合、回収した繊維と、所定量から不足した量の繊維を助材貯留槽16から補填して汚泥貯留槽18に添加する。
消化槽17で分解した消化汚泥を汚泥貯留槽18に供給して回収した繊維と混合した後、混合汚泥を脱水機19で脱水処理する。
脱水機19の運転終了時には繊維供給ラインを水で置換して終了する。
回転体を測定液から引き上げる際に、回転体に絡みついたし渣などを剥離するため、常に正常な状態の回転体を使用することができ、正確な濃度を算出することができる。回転体を引き上げるだけでし渣の剥離が速やかに行えるため、連続的に繊維の濃度を測定でき、汚泥性状の変動に対応できる。
また、回転型繊維濃度計は繊維の濃度を正確に計測できるため、繊維の量を制御する汚泥処理の広い分野で利用できる。
2 回転軸
3 剥離板
3a 底蓋
4 モータ
5 支持台
6 演算部
7 接続部
8 浸漬部
9 ネジ溝
10 ネジ穴
11 開口
12 ストッパー
13 ケーシング
14 最初沈殿池
16 助材貯留槽
17 消化槽
18 汚泥貯留槽
19 脱水機
D1 回転型繊維濃度計
F1 流量計
Claims (7)
- 回転軸(2)に回転自在に支持した剥離板(3)と、剥離板(3)の上方で回転軸(2)に接続した回転体(1)と、
回転軸(2)に連結したモータ(4)と、モータ(4)を支持する支持台(5)と、回転軸(2)にかかるトルクから測定液中の繊維濃度を算出する演算部(6)と、
で構成される回転型繊維濃度計において、
回転軸(2)に設けたネジ溝(9)と、
ネジ溝(9)に螺合する回転体(1)の接続部(7)に設けたネジ穴(10)と、
剥離板(3)に設けた回転体(1)の浸漬部(8)が貫通する開口(11)と、を備え、
開口(11)の内周は浸漬部(8)と近接する
ことを特徴とする回転型繊維濃度計。 - 前記支持台(5)に剥離板(3)と係止するストッパー(12)を設けたことを特徴とする請求項1に記載の回転型繊維濃度計。
- 前記開口(11)にスクレーパーを備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の回転型繊維濃度計。
- 前記浸漬部(8)の下端は常に開口(11)から突出することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の回転型繊維濃度計。
- 前記接続部(7)は回転軸(1)から水平に延設して設け、
接続部(7)端部から浸漬部(8)を下方に垂直に突設する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の回転型繊維濃度計。 - 前記剥離板(3)は、回転体(1)と回転軸(2)を収納するケーシング(13)の底蓋(3a)である
ことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の回転型繊維濃度計。 - 最初沈殿地(14)で重力沈殿させた初沈汚泥から回収した繊維の濃度を回転型繊維濃度計(D1)で計測し、
回収した繊維の流量を流量計(F1)で計測し、
回収した繊維の濃度と流量より繊維量を算出し、
算出した繊維量が所定量以上の場合、所定量の繊維を汚泥貯留槽(18)に添加すると共に、余剰分の繊維を助材貯留槽(16)に移送し、
算出した繊維量が所定量未満の場合、回収した繊維と、所定量から不足した繊維を助材貯留槽(16)から補填して汚泥貯留槽(18)に添加し、
消化槽(17)で分解した消化汚泥を汚泥貯留槽(18)に供給して前記繊維と混合した後、混合汚泥を脱水機(19)で脱水処理する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載の回転型繊維濃度計を用いた汚泥脱水方法。
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