JP2018009472A - オイルパン - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、コスト及び不具合発生率を低減すべく、簡素な弁構造で空気の吸引を防止することができる技術を提供することを課題とする。【解決手段】オイルパンの内側面に沿って設けられる複数のオイルストレーナと、前記複数のオイルストレーナと連通され、オイルパンの上面に設けられる排出口と、前記排出口に、オイルパンの傾斜に応じて前記複数のオイルストレーナとの連通口をそれぞれ開閉する弁構造と、を備える。本発明のオイルパンによれば、簡素な弁構造で空気の吸引を防止することができる。【選択図】図4
Description
本発明は、エンジンに備えられるオイルパンに関する。
エンジンを搭載した機体の傾斜に伴って、オイルパンも傾斜状態となるが、その際にオイル吸引口が油面よりも高い位置に出てしまい、オイルポンプへの空気の吸い込みが生じるという問題が知られている。潤滑油への空気の吸い込みが生じた場合、油圧低下、油膜厚さ不良による部分的なメタルタッチ、キャビテーションなどによるエンジン部品の損傷に繋がってしまう。また、オイルパンの容量、エンジンの配置スペースの制約等によって余裕を持った設計が困難であることも知られている。これらの理由から、傾斜状態での空気の吸引を抑制する技術が求められている。さらには、傾斜状態での油圧を確保して、エンジンの傾斜特性を向上する技術が求められている。
特許文献1には、H形に連結された三つのオイル吸引管を備え、エンジンが傾斜している際にそれぞれのオイル吸引管内に設けられた制御弁によって空気の吸引を防止する技術が開示されている。オイル吸引管の各端部に吸引ヘッドが設けられ、それらの吸引ヘッドがオイルパン底面の四角に配置されることで、何れの傾斜状態においてもオイルパンの少なくとも一つの角にオイルが存在し、空気を含まずにオイルを吸引することを可能とする技術が開示されている。ここでの制御弁は、オイル吸引管内に設けられたスライド式の棒体と棒体の両端に固定される弁板によって構成され、傾斜状態に応じた重力の作用によって棒体がスライドして、上側のオイル吸引管を閉鎖し、下側のオイル吸引管が開放される構成である。
特許文献1に記載の技術では、オイル吸引管毎に制御弁を設ける必要がある。つまり、同様の構成の制御弁を少なくとも三つ備える必要があるとともに、三つの制御弁が確実に同時に作動することが必要となり、コスト及び不具合発生率が高くなってしまう。
以上のことから、本発明は、コスト及び不具合発生率を低減すべく、簡素な弁構造で空気の吸引を防止することができる技術を提供することを課題とする。
オイルパンの内側面に沿って設けられる複数のオイルストレーナと、前記複数のオイルストレーナと連通され、オイルパンの上面に設けられる排出口と、前記排出口に、オイルパンの傾斜に応じて前記複数のオイルストレーナとの連通口をそれぞれ開閉する弁構造と、を備える。
前記弁構造は、周方向可動弁と、該周方向可動弁を収容する弁室と、によって構成され、前記周方向可動弁は、前記弁室の底面に固定される球体と、該球体に回転自在に支持される略円盤状の弁板とを有し、前記周方向可動弁の弁板が前記オイルパンの傾斜に応じて前記弁室の内壁に摺接しつつ回転することで、前記排出口と前記オイルストレーナとの連通口が開閉される。
前記弁室の内壁は、前記周方向可動弁の球体の中心と同一の中心を有する球面状に形成される。
本発明のオイルパンによれば、簡素な弁構造で空気の吸引を防止することができる。
図1から図4を参照して、オイルパンの構成について説明する。図1は、オイルパン1の内部構造を示す側面断面図である。図2は、オイルパン1の平面図である。図3は、オイルパン1の周方向可動弁20の構成を示す図である。図4は、オイルパン1が一方向に向けて傾斜した際の周方向可動弁20の作動の様子を示す図である。
オイルパン1は、エンジンの潤滑油を貯留する有底容器状の本体2と、オイルパン1の上面を構成する蓋3とを備える。オイルパン1に貯留される潤滑油は、オイルパン1の上方に設けられるオイルポンプ4によって吸い上げられて、エンジンのシリンダブロック(不図示)の各部に送られる。なお、オイルパン1において、蓋3を本体2に一体的に形成しても良い。
本体2は、上面が開放された略直方体状の容器であり、その内部に所定量の潤滑油を貯留する。本体2の内側面には、壁面に沿って上端まで延出され、壁面上端から蓋3の内側面に沿って中央に向けて側方に延出されるオイルストレーナ10が複数設けられる。これらのオイルストレーナ10は、それぞれ本体2の内壁面に沿って上方に延出され、さらに蓋3の下面に沿って延出されることで、オイルパン1上面の中央位置で交差するように設けられている。
オイルストレーナ10は、本体2及び蓋3の内側面を利用して設けられている。より詳細には、オイルストレーナ10は、箱型断面を有する長手部材を折り曲げ、開放端を本体2及び蓋3の内側面に向けて固定することで、本体2の内壁面と蓋3の内側面を一面として利用して形成される略角筒状の屈曲状の油通路である。また、他の実施形態としては、本体2及び蓋3の内側面の内側に穴を掘ることでオイルストレーナ10を形成することも可能である。
オイルストレーナ10は、所定の断面積及び所定の長さによって規定された所定の経路寸法を有する。本実施形態のオイルストレーナ10は、本体2の各側面の中央位置に配置されており、合計四つ設けられている。オイルストレーナ10の下端は開放され、潤滑油の吸い込み口11が形成される。吸い込み口11を通じてオイルストレーナ10内に潤滑油が吸入される。このように、オイルパン1には、潤滑油の吸入路が四方向に設けられている。
蓋3の中央には、オイルポンプ4によってオイルパン1から潤滑油を吸い上げる際のオイル排出部となる排出口5が設けられる。換言すれば、排出口5は、オイルポンプ4へのオイル圧送部入口である。排出口5は、蓋3に形成される円形の孔であり、オイルポンプ4の吸引口と直接接続されている。オイルパン1の排出口5を直接オイルポンプ4に接続することで、オイルパン1内の容量を最大限に活用することが可能となる。また、上述のように、オイルパン1の内側面をオイルストレーナ10の一面として利用することで、オイルパン1の内部の容量制限を小さくし、オイルパン1の容量を大きく確保することができる。
各オイルストレーナ10は、オイルパン1の本体2の壁部からオイルパン1の中央に設けられた排出口5に向けて延出されるとともに、排出口5と連通可能に設けられている。各オイルストレーナ10と排出口5との連通部には、オイルパン1の前後左右方向の傾きに応じて開閉する弁構造が設けられる。本弁構造は、重力の作用を受けて姿勢を変える周方向可動弁20と、周方向可動弁20を収容する弁室30とによって構成されている。オイルパン1の傾きに応じた周方向可動弁20の作動によって、オイルストレーナ10と排出口5との連通口が開閉され、排出口5と連通するオイルストレーナ10が適宜選択される。
周方向可動弁20は、各オイルストレーナ10と排出口5との接続部となる弁室30に設けられている。周方向可動弁20は、弁室30の底面に固定される球体21と、球体21に回転自在に支持される弁板22とを備える。球体21は、弁室30の上下中央位置に固定される。弁板22は、略円盤状の部材であり、球体21の中心と同一の中心を有する球面状の側面を有する。弁板22の上下面の周縁部には、オイルシール23が設けられている。
弁板22の中央には、球体21を保持するための球状孔24が形成されている。球状孔24は、球体21の中央部分の外形に応じた形状を有する孔である。球状孔24の開口25は、球体21の径よりも小さく、弁板22の球状孔24の開口25を通じて球体21を圧入することで、球体21が弁板22に保持される。
弁室30は、周方向可動弁20を収容するための空間であり、排出口5に臨んで設けられている。弁室30は、略円柱型の有底の開口を蓋3で塞ぐことによって形成される。本実施形態では、オイルストレーナ10の幅よりも周方向可動弁20の径が大きく設定される。弁室30の内壁は、周方向可動弁20の球体21の中心と同一の中心を有する球面状に形成されており、弁板22の外側面と摺接可能である。
弁室30と各オイルストレーナ10との連通部には、接続部材31が介装されている。接続部材31は、オイルストレーナ10の端部に固定される板状部材であり、所定形状の開口部32を有する。つまり、弁室30は、開口部32を有する接続部材31によって、オイルストレーナ10と排出口5との連通口を形成している。開口部32は、周方向可動弁20の傾斜時の姿勢に応じて、その連通口を適宜開閉可能な形状に形成されているが、開口部32の具体的な形状については後述する。
接続部材31の内側面は、つまり、接続部材31の周方向可動弁20側の側面は弁室30の内壁を構成するため、球体21の中心と同一の中心を有する球面状に形成され、弁板22の周縁を含む外側面と摺接可能に形成されている。なお、本実施形態では、オイルストレーナ10の端部に開口部32を有する接続部材31を別部材として設ける構成としているが、接続部材31を設けることなく、弁室30におけるオイルストレーナ10との連通口の断面形状を開口部32の形状と同一にする構成としても良い。
以上のように、周方向可動弁20においては、弁板22が球体21に対して摺動可能に保持されている。このような構成により、弁板22が重力の作用を受けて球体21を中心として重力方向に傾斜することとなる。そして、弁板22の外側面と、周方向可動弁20が配置される弁室30の内壁とが摺接するように構成されている。このような構成により、弁板22によって弁室30の内部空間をシールした状態で仕切ることが可能である。また、オイルストレーナ10と弁室30との接続部に所定形状を有する開口部32が形成された接続部材31を設けることで、周方向可動弁20の傾斜時の姿勢に応じて、オイルストレーナ10との連通口を適宜開閉することが可能となっている。
図4に示すように、オイルパン1が一方向に傾斜した状態では、弁板22に重力が作用して球体21を中心として傾斜方向に回転する。そして、上方に回転した側の弁板22の周縁部が蓋3と当接する位置で弁板22の回転が止まる。上述のように、弁板22は、弁室30の内側面に接しながら移動していることで、上側の連通口が閉鎖されるとともに、下側の連通口が開放されることとなる。そして、図4に示すように、傾斜によって、オイルストレーナ10の吸い込み口11が油面よりも上に出た場合にも、そのオイルストレーナ10からの通路が周方向可動弁20によって閉じられているため、排出口5に空気が吸入されることがない。
また、オイルパン1が一方向に傾斜した状態において、その傾斜方向と直交する方向の壁面に沿って設けられる二つのオイルストレーナ10からも潤滑油が吸引され、合計三方向から潤滑油が吸引される。つまり、本実施形態の周方向可動弁20では、傾斜状態において、四方向に設けられたオイルストレーナ10のうち上方を除く三つのオイルストレーナ10の吸い込み口11が油面よりも上に出ていなければ、空気の吸引を防止しつつ、十分な潤滑油圧力を維持することが可能である。つまり、本実施形態の弁構造を採用することで傾斜特性を向上することができる。
以上のように、本実施形態の弁構造は、重力の作用を受けて機械的に作動する一つの周方向可動弁20と、弁室30によって構成されている。また、弁室30は、排出口5に臨んで設けられている。このように本実施形態では、複数のオイルストレーナ10が集合する排出口5に簡素な弁構造を設けることで、空気の吸引を防止可能である。
次に、図5から図7を参照して、各オイルストレーナ10の連通口の断面形状(接続部材31の開口部32の形状)を決定する手法について説明する。図5は、オイルパン1をx方向、y方向、x+y方向に傾斜させた場合の、x方向視及びy方向視における周方向可動弁20と接続部材31との間でシールすべき部位(図中太線で示した箇所)及び、周方向可動弁20と接続部材31との間で閉鎖すべき領域(図中斜線で示した領域)を示す。図6は、x+y方向に傾斜させた場合の、x方向視、y方向視、−x方向視、及び−y方向視における周方向可動弁20と接続部材31の位置関係を示す。
図7は、オイルパン1の傾斜状態における周方向可動弁20の作動に基づいて接続部材31の開口部32(若しくはオイルストレーナ10の連通口)の面積が最大となるように設定した(図中斜線で示した領域は図5において示された閉鎖すべき領域であり、斜線で示した領域に囲まれた領域を開口部32とした)例を示す。
図5に示すように、オイルパン1の側面の一つと平行な一方向(x方向)、その方向と直交する方向(y方向)、及び、これらの方向に対して45°の角度を成す方向(x+y方向)に対して周方向可動弁20を傾斜させた。そして、それぞれの方向に傾斜させた周方向可動弁20の周縁部に対して、傾斜上側からの空気の侵入を防止する際に、接続部材31の開口部32との間でシール及び閉鎖すべき箇所を確認した。
x方向に傾斜させた場合、x方向視における周方向可動弁20は、図面奥行き方向に傾斜させた姿勢となる。その際、周方向可動弁20の周縁部がシールすべき部位は、弁板22の下面であり、それよりも上方からの空気の流入を考慮して、弁板22の下面よりも上部を閉鎖すべきである。また、y方向視における周方向可動弁20は、水平から側方に傾斜させた姿勢となる。その際、周方向可動弁20の周縁部がシールすべき部位、つまり、空気の侵入が想定される部位は、弁板22の下面側であり、下方からの空気の流入を考慮すべきである。
オイルパン1の傾斜時、空気は、原則として、周方向可動弁20に対して上方側から侵入する可能性がある。そして、x方向に傾斜させた場合、上方からの空気の侵入は、x方向視において周方向可動弁20と接続部材31との間で防がれている。一方、y方向視では、周方向可動弁20の上方移動側(−x方向)から空気の侵入の可能性がある。つまり、y方向視においては、周方向可動弁20の下方からの流入を防止する必要がある。
y方向に傾斜させた場合、x方向視における周方向可動弁20は、水平から側方に傾斜させた姿勢となる。その際、周方向可動弁20の周縁部がシールすべき部位は、弁板22の下面であり、上述のように下方からの空気の流入を考慮して、弁板22の下面よりも下方の領域を閉鎖すべきである。また、y方向視における周方向可動弁20は、図面奥行き方向に傾斜させた姿勢となる。その際、周方向可動弁20の周縁部がシールすべき部位は、弁板22の下面側であり、上方からの空気の流入を考慮して、弁板22の下面よりも上部を閉鎖すべきである。
このように、x方向又はy方向、つまりオイルパン1の側面と平行となる一方向に向けて傾斜した場合は、傾斜上側を閉鎖して空気の吸引を防止し、その他三方を開放して潤滑油を吸引する構成としている。
x+y方向に傾斜(x方向及びy方向の両方に対して45°を成す方向に傾斜)させた場合、x方向視における周方向可動弁20は、図面奥行き方向及び水平から側方に傾斜させた姿勢となる。その際、周方向可動弁20の周縁部がシールすべき部位は、弁板22の下面側であり、上方からの空気の流入を考慮して、弁板22の下面よりも上部を閉鎖すべきである。また、y方向視における周方向可動弁20は、図面奥行き方向及び水平から側方に傾斜させた姿勢となる。その際、周方向可動弁20の周縁部がシールすべき部位は、弁板22の下面側であり、上方からの空気の流入を考慮して、弁板22の下面よりも上部を閉鎖すべきである。
また、図6に示すように、x+y方向に傾斜させた場合、−x方向視における周方向可動弁20は、図面手前方向及び水平から側方に傾斜させた姿勢となる。その際、周方向可動弁20の周縁部がシールすべき部位は、弁板22の上面側であり、下方からの空気の流入を考慮して、弁板22の上面よりも下方を閉鎖すべきである。また、−y方向視における周方向可動弁20は、図面手前方向及び水平から側方に傾斜させた姿勢となる。その際、周方向可動弁20の周縁部がシールすべき部位は、弁板22の上面側であり、下方からの空気の流入を考慮して、弁板22の上面よりも下方を閉鎖すべきである。
このように、x+y方向、つまりオイルパン1の側面と平行な一方向に対して斜めに傾斜した場合は、傾斜上側となる二方を閉鎖して空気の吸引を防止し、その他二方を開放して潤滑油を吸引する構成としている。
以上のように、周方向可動弁20と接続部材31との間で、周方向可動弁20の弁板22の側面周縁部でシールするとともに、傾斜方向に応じて空気が流入する可能性のある領域を閉鎖することで、周方向可動弁20が傾斜した状態での空気の吸入を確実に防止することが可能である。
例えば、図7に示すように、周方向可動弁20によってシールすべき箇所、及び、周方向可動弁20が収容される弁室30とオイルストレーナ10との連通口となる接続部材31の開口部32との間で閉鎖すべき領域を合成することで、あらゆる傾斜において周方向可動弁20を通じた空気の侵入を防止できる接続部材31の開口部32の形状(又はオイルストレーナ10の連通口形状)として決定することができる。
図7に示す実施形態では、接続部材31の上方閉鎖領域は、x+y方向に傾斜させた際の上側の閉鎖領域の合成であり、接続部材31の下方閉鎖領域は、x方向及びy方向に傾斜させた際の下側の閉鎖領域の合成である。つまり、接続部材31の開口部32の面積が最大となる形状は、周方向可動弁20が、一方向、並びに、その反対方向に傾斜した際の弁板22の下面の位置と、周方向可動弁20が、一方向及びそれと直交する方向を合わせた方向、並びに、それと反対方向に対して傾斜した際の弁板22の上面の位置と、によって決定される。
なお、図7は、周方向可動弁20の形態に応じて、オイルストレーナ10出口の断面形状(オイルストレーナ10と弁室30を接続する接続部材31の開口部32の形状)の一例を示したものであり、図7に示した閉鎖すべき領域が閉鎖されていれば良い。
以上のように、本実施形態のオイルパン1は、本体2の内壁面に沿って設けられる複数のオイルストレーナ10を備え、各オイルストレーナ10を蓋3の下面に沿って延出して同一平面内で交差させるとともに、その交差部位に周方向可動弁20を収容した共通の弁室30を配置している。弁室30はオイルパン1のオイル排出部となる排出口5に連通して設けられている。つまり、複数のオイルストレーナ10は、排出口5が設けられる部位において交差するように配置されている。弁室30内に設けられた周方向可動弁20によって、オイルパン1の傾斜に応じて各オイルストレーナ10との連通口が開閉されて、オイルストレーナ10と排出口5とが選択的に連通可能に構成されている。
周方向可動弁20は、オイルパン1の傾斜に応じてその姿勢を変えることで、オイルストレーナ10の排出口5への連通口を開閉している。具体的には、オイルパン1の傾斜方向と同一方向に周方向可動弁20の弁板22が傾斜することで、傾斜上側のオイルストレーナ10の排出口5への連通口を閉鎖することで、傾斜上側からの空気の吸引を防止している。
また、本実施形態では、周方向可動弁20の形状、及び、弁室30内での周方向可動弁20の傾斜態様に基づいて、オイルストレーナ10の出口を成す接続部材31の開口部32の形状を決定している。特に、オイルパン1の傾斜状態において、傾斜上側からの空気の流入だけでなく、傾斜上側から周方向可動弁20の側方側に回り込む空気の流入を防ぐように、開口部32の形状を決定している。
オイルパン1は、その内側面にオイルストレーナ10を一体的に設けた二層構造を有する。これにより、オイルパン1の壁面から離れた位置にオイル吸引管を別体として設置する必要がなくなる。従って、従来構造のようにオイルパンの内部にオイル吸引管を配置する形態と比して、本実施形態では、オイルパン内方側に構造物を配置しないことから、設置が容易である点、並びに、構造自体が簡素である点で有利である。
オイルパン1では、内壁に沿って設けられるオイルストレーナ10を介して潤滑油を四方向から吸入している。これにより、傾斜のない平地での運転時において、フィルタ等の目詰りによるオイル供給不良のリスクを低減することができる。また、一方向への大きな傾斜を考慮した場合、例えば、一方向に向けて45°の傾斜が生じた場合に、上方に位置するオイルストレーナ10を除いた三つのオイルストレーナ10の吸い込み口11が油面よりも低い位置となるように油面の最低高さを設定することで、エンジンの傾斜特性を向上することもできる。
さらに、オイルパン1の形状が上面視長方形の場合は、短軸方向への傾斜時と長軸方向への傾斜時とで油面高さが異なり、長軸方向へ傾斜した際の油面高さが低くなる。このことから、オイルパン1の側面のうち、側方への距離が大きくなる長軸方向の両端に配置される側面に設けられるオイルストレーナ10の吸い込み口11を、単軸方向の両端に配置される側面に設けられるオイルストレーナ10の吸い込み口11よりも低い位置に設けることが好ましい。このように構成することで、傾斜時のオイルストレーナ10への空気の吸い込みをできる限り防ぐことが可能である。
次に、図8を参照して、弁構造の別実施形態について説明する。図8は、オイルストレーナ10に対して弁室30を独立させて設けた実施形態を示す。
図8に示すように、本実施形態では、弁室30の底面の位置がオイルストレーナ10よりも低い位置となるように、弁室30を構成している。具体的には、オイルストレーナ10の連通口の形状と、弁室30内に収容される周方向可動弁20の傾斜特性とを考慮し、周方向可動弁20の回転中心を低い位置に設定することで、オイルストレーナ10の高さが接続部材31の開口部32の高さと略同じになるように設定することで、オイルストレーナ10の高さを抑える構成である。
このように構成することで、連通口の大きさに対するオイルストレーナ10の有効断面積を増大させることができるとともに、オイルパン1内でオイルストレーナ10が占める体積を小さくすることができる。
1:オイルパン、2:本体、3:蓋、10:オイルストレーナ、11:吸い込み口、20:周方向可動弁、21:球体、22:弁板、30:弁室、31:接続部材、32:開口部
Claims (3)
- オイルパンの内側面に沿って設けられる複数のオイルストレーナと、
前記複数のオイルストレーナと連通され、オイルパンの上面に設けられる排出口と、
前記排出口に、オイルパンの傾斜に応じて前記複数のオイルストレーナとの連通口をそれぞれ開閉する弁構造と、を備えることを特徴とするオイルパン。 - 前記弁構造は、周方向可動弁と、該周方向可動弁を収容する弁室と、によって構成され、
前記周方向可動弁は、前記弁室の底面に固定される球体と、該球体に回転自在に支持される略円盤状の弁板とを有し、
前記周方向可動弁の弁板が前記オイルパンの傾斜に応じて前記弁室の内壁に摺接しつつ回転することで、前記排出口と前記オイルストレーナとの連通口が開閉される請求項1に記載のオイルパン。 - 前記弁室の内壁は、前記周方向可動弁の球体の中心と同一の中心を有する球面状に形成される請求項1又は2に記載のオイルパン。
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