JP2018008881A - 経口投与用医薬組成物 - Google Patents

経口投与用医薬組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2018008881A
JP2018008881A JP2014232457A JP2014232457A JP2018008881A JP 2018008881 A JP2018008881 A JP 2018008881A JP 2014232457 A JP2014232457 A JP 2014232457A JP 2014232457 A JP2014232457 A JP 2014232457A JP 2018008881 A JP2018008881 A JP 2018008881A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
methylphenyl
pyrrolidin
amino
thiazole
carbonitrile
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014232457A
Other languages
English (en)
Inventor
正輝 野河
Masaki Nogawa
正輝 野河
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shinyaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shinyaku Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Shinyaku Co Ltd filed Critical Nippon Shinyaku Co Ltd
Priority to JP2014232457A priority Critical patent/JP2018008881A/ja
Priority to PCT/JP2015/082152 priority patent/WO2016080361A1/ja
Publication of JP2018008881A publication Critical patent/JP2018008881A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/395Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
    • A61K31/435Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having six-membered rings with one nitrogen as the only ring hetero atom
    • A61K31/44Non condensed pyridines; Hydrogenated derivatives thereof
    • A61K31/4427Non condensed pyridines; Hydrogenated derivatives thereof containing further heterocyclic ring systems
    • A61K31/4439Non condensed pyridines; Hydrogenated derivatives thereof containing further heterocyclic ring systems containing a five-membered ring with nitrogen as a ring hetero atom, e.g. omeprazole
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/395Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
    • A61K31/495Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having six-membered rings with two or more nitrogen atoms as the only ring heteroatoms, e.g. piperazine or tetrazines
    • A61K31/4965Non-condensed pyrazines
    • A61K31/497Non-condensed pyrazines containing further heterocyclic rings
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/395Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
    • A61K31/495Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having six-membered rings with two or more nitrogen atoms as the only ring heteroatoms, e.g. piperazine or tetrazines
    • A61K31/505Pyrimidines; Hydrogenated pyrimidines, e.g. trimethoprim
    • A61K31/506Pyrimidines; Hydrogenated pyrimidines, e.g. trimethoprim not condensed and containing further heterocyclic rings

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

【課題】新規なROS1チロシンキナーゼが関与する原発性中枢神経系腫瘍又はROS1チロシンキナーゼが関与する中枢神経系に転移したがんの治療のための経口投与用医薬組成物の提供。
【解決手段】式[1]で表される芳香族複素環誘導体若しくはその医薬上許容される塩、又はその溶媒和物。
Figure 2018008881

(Rはハロゲン、ハロゲンで置換/未置換のアルキル及びアルコキシから選択される1個又は2個の基で置換/未置換のフェニル;RはH、ハロゲンで置換/未置換のアルキル、シクロアルキル、アルコキシ、又は、アルキルで置換/未置換のヘテロアリール;XはCRをYはN若しくはCR又は、XはNをYはCR;ZはCR又はN)
【選択図】なし

Description

本発明は、次の一般式[1]で表わされる芳香族複素環誘導体若しくはその医薬上許容される塩、又はその溶媒和物(以下、これらを合わせて「本芳香族複素環誘導体[1]」という。)を含有する、ROS1チロシンキナーゼが関与する原発性中枢神経系腫瘍又はROS1チロシンキナーゼが関与する中枢神経系に転移したがんの治療のための経口投与用医薬組成物に関するものである。
Figure 2018008881
式中、
は、ハロゲン、ハロゲンで置換されていてもよいアルキル及びアルコキシからなる群から選択される1個又は2個の基で置換されていてもよいフェニルを表す。
は、水素、ハロゲンで置換されていてもよいアルキル、シクロアルキル、アルコキシ、ハロゲン、又は、アルキルで置換されていてもよいヘテロアリールを表す。
XはCRを、YはN若しくはCRを表すか、又は、XはNを、YはCRを表す。
かかるRは、水素、又はアルキルを表す。
かかるRは、
1)水素、
2)アルコキシ及びハロゲンからなる群から選択される1個から3個の基で置換されていてもよいアルキル、
3)シクロアルキル、
4)カルバモイル及びアルキルスルホニルからなる群から選択される1個の基で置換されていてもよいフェニル、
5)ヒドロキシル若しくはアルコキシで置換されていてもよいアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル及びアルコキシからなる群から選択される1個の基で置換されていてもよいヘテロアリール、
6)カルボキシル、
7)アルキルオキシカルボニル、又は
8)ヒドロキシル若しくはアルコキシで置換されていてもよいアルキル、アルキルスルホニル、アルキルで置換されていてもよい飽和複素環基、及び、ヒドロキシル若しくはカルボキシルで置換されていてもよいシクロアルキルからなる群から選択される1個若しくは2個の基で置換されていてもよいカルバモイルを表す。また、XがNであって、YがCRである場合には、RとRが一緒になって、Rが結合する炭素原子、Rが結合する炭素原子とともに下記一般式で表される基を形成してもよい。
Figure 2018008881
(式中、Qは、アルキルカルボニル、アルキルスルホニルを表す。)
Zは、CR又はNを表し、かかるRは、アルキル、アルコキシカルボニル、ハロゲン又はシアノを表す。
ALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺がん治療剤として承認されているクリゾチニブ(Crizotinib)は、ROS1チロシンキナーゼ阻害作用を有しているため、ROS1融合遺伝子陽性非小細胞肺がん患者に対しても臨床試験を行っている。その結果、ROS1融合遺伝子陽性患者に対してもALK融合遺伝子陽性患者に対する有効性と同等の効果が示されており(例えば、非特許文献1参照)、ROS1融合遺伝子陽性患者に対するROS1チロシンキナーゼ阻害剤の高い有効性が明らかとなってきている。
また、クリゾチニブはALK融合遺伝子陽性患者に対して高い有効性を示す一方、投与後1年ほどで多くの患者が再発するという問題が報告されている(例えば、非特許文献2参照)。最も大きな要因は脳転移である。クリゾチニブは中枢移行性が低いため(例えば、非特許文献3参照)、脳転移した患者には奏功しない(例えば、非特許文献4参照)。
さらに、クリゾチニブを投与されたROS1融合遺伝子陽性非小細胞患者でも脳転移の出現が報告されており、脳転移などの中枢神経系に転移したがんに有効なROS1チロシンキナーゼ阻害剤が求められている。
一方、本芳香族複素環誘導体[1]又はその医薬上許容される塩は、ROS1チロシンキナーゼ阻害剤として、神経膠腫、非小細胞肺癌、血管肉腫、炎症性筋線維芽細胞性腫、胆管癌、胃癌、卵巣癌、上皮血管内皮腫、大腸癌、脂肪肉腫、又は若年性黒色腫の治療に有用であることが既に報告されている(例えば、特許文献1参照)。
WO2013/180183
Shaw AT, et al.,2013,Journal of Clinical Oncology,31,suppl; abstr 8032 Shaw AT, et al.,2013,The New England Journal of Medicine,368, 2385−2394 Costa DB, et al.,2011,Journal of Clinical Oncology,29,e443−445 Otterson GA et al.,2012,Journal of Clinical Oncology,30,suppl; abstr 7600
本発明の主目的は、新規なROS1チロシンキナーゼが関与する原発性中枢神経系腫瘍又はROS1チロシンキナーゼが関与する中枢神経系に転移したがんの治療のための経口投与用医薬組成物を提供することにある。
本発明者は、ROS1チロシンキナーゼが関与する原発性中枢神経系腫瘍又はROS1チロシンキナーゼが関与する中枢神経系に転移したがんに有効な医薬を見出すべく鋭意検討した結果、本芳香族複素環誘導体[1]が中枢移行性を有することを見出し、本発明を完成した。
本発明としては、例えば、本芳香族複素環誘導体[1]を含有する、ROS1チロシンキナーゼが関与する原発性中枢神経系腫瘍又はROS1チロシンキナーゼが関与する中枢神経系に転移したがんの治療のための経口投与用医薬組成物を挙げることができる。
図1は、BaF3/FIG−ROS細胞を脳室内に移植した脳室内移植モデルマウスにおける、ビークル投与群の脳のHE染色像を示す。矢印はがん細胞を示す。 図2は、BaF3/FIG−ROS細胞を脳室内に移植した脳室内移植モデルマウスにおける、クリゾチニブ100mg/kg/day投与群の脳のHE染色像を示す。矢印はがん細胞を示す。 図3は、BaF3/FIG−ROS細胞を脳室内に移植した脳室内移植モデルマウスにおける、実施例75の化合物 10mg/kg/day投与投与群の脳のHE染色像を示す。 図4は、BaF3/FIG−ROS細胞を脳室内に移植した脳室内移植モデルマウスにおける、ビークル投与群の脾臓のHE染色像を示す。 図5は、BaF3/FIG−ROS細胞を脳室内に移植した脳室内移植モデルマウスにおける、クリゾチニブ100mg/kg/day投与群の脾臓のHE染色像を示す。 図6は、BaF3/FIG−ROS細胞を脳室内に移植した脳室内移植モデルマウスにおける、実施例75の化合物 10mg/kg/day投与投与群の脾臓のHE染色像を示す。 図7は、BaF3/FIG−ROS細胞を脳室内に移植した脳室内移植モデルマウスを用いた、クリゾチニブ100mg/kg/day投与群(実線)、実施例1の化合物 30mg/kg/day投与群(点線)、実施例1の化合物 100mg/kg/day投与群(破線)の薬効評価(延命効果)を示す。縦軸は、マウス生存匹数を、横軸は、ヌードマウスにBaF3/FIG−ROS細胞を脳室内に移植してからの日数を表す。*は、Log−Rank testにおける、p<0.05を表す。 図8は、BaF3/FIG−ROS細胞を脳室内に移植した脳室内移植モデルマウスを用いた、クリゾチニブ100mg/kg/day投与群(実線)、実施例9の化合物 100mg/kg/day投与群(点線)、実施例74の化合物 10mg/kg/day投与群(破線)の薬効評価(延命効果)を示す。縦軸は、マウス生存匹数を、横軸は、ヌードマウスにBaF3/FIG−ROS細胞を脳室内に移植してからの日数を表す。*は、Log−Rank testにおける、p<0.05を表す。 図9は、BaF3/FIG−ROS細胞を脳室内に移植した脳室内移植モデルマウスを用いた、クリゾチニブ100mg/kg/day投与群(実線)、実施例70の化合物 30mg/kg/day投与群(点線)、実施例70の化合物 100mg/kg/day投与群(破線)の薬効評価(延命効果)を示す。縦軸は、マウス生存匹数を、横軸は、ヌードマウスにBaF3/FIG−ROS細胞を脳室内に移植してからの日数を表す。*は、Log−Rank testにおける、p<0.05を表す。
有効成分が、一般式[1]で表される化合物において、例えば、ZがCRであり、かかるRがシアノである本芳香族複素環誘導体[1]が好ましい。
また、有効成分が、一般式[1]で表される化合物において、例えば、Rがアルキルで置換されているフェニルである本芳香族複素環誘導体[1]が好ましい。
また、有効成分が、一般式[1]で表される化合物において、例えば、YがCRである本芳香族複素環誘導体[1]が好ましい。
また、有効成分が、一般式[1]で表される化合物において、XがNである本芳香族複素環誘導体[1]が好ましい。
また、有効成分が、一般式[1]で表される化合物において、XがNであり、YがCRであって、(1)Rがアルキル、若しくはアルコキシであるか、又は(2)RとRが一緒になって、Rが結合する炭素原子、Rが結合する炭素原子とともに下記一般式で表される基:
Figure 2018008881
(式中、Qは、前記と同義である。)を形成している本芳香族複素環誘導体[1]が好ましい。
具体的には、有効成分が、一般式[1]で表される化合物において、例えば、以下の(1)〜(6)のいずれかの化合物である本芳香族複素環誘導体若しくはその医薬上許容される塩、又はその溶媒和物が好ましい。
(1)2−({6−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピラジン−2−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル、
(2)2−({5−メトキシ−6−メチル−2−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル、
(3)2−[(5−シアノ−1,3−チアゾール−2−イル)アミノ]−N,3−ジメチル−6−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリジン−4−カルボキサミド、
(4)2−({5−エチル−6−(メトキシメチル)−2−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル、
(5)2−({5−メトキシ−2’−メチル−2−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]−4,5’−ビピリミジン−6−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル、
(6)2−({5−エチル−6−メチル−2−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル。
さらに、有効成分が、一般式[1]で表される化合物において、Rの結合する炭素原子がS配置である本芳香族複素環誘導体[1]が好ましい。
以下に本明細書における各用語について詳述する。
「アルキル」としては、例えば、直鎖状又は分枝鎖状の炭素数1〜8のもの、具体的には、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシル、n−ヘプチル、イソヘプチル、n−オクチルを挙げることができる。なかでも、炭素数1〜6のアルキルが好ましく、炭素数1〜3のアルキルがより好ましい。
「アルキルカルボニル」、「モノアルキルアミノカルボニル」、「ジアルキルアミノカルボニル」、「アルキルスルホニル」、「アルキルオキシカルボニル」のアルキル部分としては、上記の「アルキル」と同様のものを挙げることができる。
「アルコキシ」としては、例えば、直鎖状又は分枝鎖状の炭素数1〜8のもの、具体的には、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ、n−ヘプチルオキシ、n−オクチルオキシを挙げることができる。
「アルコキシカルボニル」のアルコキシ部分としては、上記の「アルコキシ」と同様のものを挙げることができる。
「シクロアルキル」としては、例えば、炭素数3〜8のもの、具体的には、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘブチル、シクロオクチルを挙げることができる。
「ハロゲン」としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素を挙げることができる。
「ヘテロアリール」としては、例えば、環構成原子として、N、O、Sを1個ないし4個有する5員又は6員のもの、具体的には、例えば、フリル(例えば、2−フリル、3−フリル)、チエニル(例えば、2−チエニル、3−チエニル)、ピロリル(例えば、1−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル)、イミダゾリル(例えば、1−イミダゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル)、ピラゾリル(例えば、1−ピラゾリル、3−ピラゾリル、4−ピラゾリル)、トリアゾリル(例えば、1,2,4−トリアゾール−1−イル、1,2,4−トリアゾール−3−イル、1,2,4−トリアゾール−4−イル)、テトラゾリル(例えば、1−テトラゾリル、2−テトラゾリル、5−テトラゾリル)、オキサゾリル(例えば、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル)、イソキサゾリル(例えば、3−イソキサゾリル、4−イソキサゾリル、5−イソキサゾリル)、オキサジアゾリル(例えば、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)、チアゾリル(例えば、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル)、チアジアゾリル、イソチアゾリル(例えば、3−イソチアゾリル、4−イソチアゾリル、5−イソチアゾリル)、ピリジル(例えば、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル)、ピリダジニル(例えば、3−ピリダジニル、4−ピリダジニル)、ピリミジニル(例えば、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル)、ピラジニル(例えば、2−ピラジニル)を挙げることができる。なかでも、ピリジル、ピリミジル、フリル、ピラゾリル、又はオキサゾリル、が好ましく、3−ピリジル、4−ピリジル、4−ピリミジニル、3−フリル、4−ピラゾリル、又は5−オキサゾリルがより好ましい。
「飽和複素環基」としては、例えば、環構成原子として、N、S又はOを1個又は2個個有する5員又は6員の飽和複素環基、具体的には、例えば、2−ピロリジニル、3−ピロリジニル、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、4−ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニルを挙げることができる。
本芳香族複素環誘導体[1]は、公知化合物又は容易に合成可能な中間体から、特許文献1(WO2013/180183)に記載の方法に従って製造することができる。
本芳香族複素環誘導体[1]は、そのまま遊離の塩基又は酸のまま医薬として用いることができるが、公知の方法により製造しうる医薬上許容される塩の形として用いることもできる。酸付加塩としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸などの鉱酸との塩、酢酸、クエン酸、酒石酸、マレイン酸、コハク酸、フマル酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸などの有機酸との塩を挙げることができる。塩基付加塩としては、例えば、ナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、アルミニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩を挙げることができる。
例えば、本芳香族複素環誘導体[1]の塩酸塩は、一般式[1]で表わされる化合物を塩化水素のアルコール溶液、酢酸エチル溶液又はジエチルエーテル溶液に溶解することにより得ることができる。

溶媒和物としては、例えば、アルコール和物(例えば、エタノール和物を挙げることができる。)などの有機溶媒との溶媒和物、水との溶媒和物(水和物)を挙げることができ、上記医薬上許容される塩の溶媒和物も含まれる。
本芳香族複素環誘導体[1]は不斉炭素を有するが、各光学異性体及びそれらの混合物のいずれも本発明に含まれる。光学異性体は、例えば、ラセミ体から、その塩基性を利用して光学活性な酸(酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、マンデル酸、10−カンファースルホン酸等)を用いて公知の方法により光学分割するか、予め調製した光学活性な化合物を原料に用いて製造することもできる。その他、キラルカラムを用いた光学分割や不斉合成により製造することもできる。
また、本芳香族複素環誘導体[1]のうち、互変異性体を形成し得るものは、そのいずれも含む。一例としては、実施例16などが挙げられる。
本芳香族複素環誘導体[1]は、前記特許文献1(WO2013/180183)に示すように、高いROS1チロシンキナーゼ阻害活性を有する。
本芳香族複素環誘導体[1]は、後記する試験例1及び2に示すように、本芳香族複素環誘導体[1]を経口投与することによって、腫瘍細胞を脳質内に移植したモデル動物において、末梢組織である脾臓だけではなく、中枢神経組織である脳におけるがん細胞の増殖が抑制されるとともに、中枢移行性が低いことが知られているクリゾチニブと比較して有意に生存延長効果を有することを確認した。
また、本芳香族複素環誘導体[1]は、後記する試験例3に示すように、クリゾチニブよりも高い中枢移行性を有することを確認した。

以上より、本芳香族複素環誘導体[1]を含有する経口投与用医薬組成物は、ROS1チロシンキナーゼが関与する疾患、例えば、中枢神経系疾患、原発性中枢神経系腫瘍(primary tumor of the central nervous system)、中枢神経系に転移したがん(tumor metastasized to the central nervous system)の治療剤として用いることができる。
中枢神経系疾患としては、例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病を挙げることができる。
原発性中枢神経系腫瘍とは、中枢神経系において初発する腫瘍を意味し、例えば、星細胞性腫瘍、乏突起膠細胞腫瘍、乏突起膠星細胞腫瘍、上衣腫瘍、脈絡叢腫瘍、胚芽腫、髄膜腫、血管周皮細胞腫、胚細胞性腫瘍、下垂体腫瘍神経膠腫、中枢神経系原発悪性リンパ腫を挙げることができる。
中枢神経系に転移したがんとは、中枢神経系以外に生じた原発腫瘍が中枢神経系に転移したがんを意味し、原発腫瘍としては、例えば、肺がん、乳がん、黒色腫、胃がん、大腸がん、腎がん、卵巣がん、頭頸部がん、大腸がん、子宮がん、胆道がん、肝臓がん、前立腺がん、膀胱がん、食道がん、精巣がん、血管肉腫、炎症性筋線維芽細胞性腫、リンパ腫、白血病を挙げることができる。
中枢神経系としては、例えば、脳、脊髄を挙げることができる。
本芳香族複素環誘導体[1]は高いROS1チロシンキナーゼ阻害活性を有することから、本芳香族複素環誘導体[1]を含有する経口投与用医薬組成物は、例えば、ROS1チロシンキナーゼが関与する中枢神経系に転移したがん(例えば、ROS融合遺伝子陽性の腫瘍を原発腫瘍とする中枢神経系に転移したがん又はROS1チロシンキナーゼを過剰発現している腫瘍を原発腫瘍とする中枢神経系に転移したがんの治療剤)として用いることができる。
ROS融合遺伝子陽性の腫瘍としては、例えば、神経膠芽腫、非小細胞肺がん、胆道がん、卵巣がん、胃がん、血管肉腫、炎症性筋線維芽細胞性腫、血管内皮腫、大腸がん、脂肪肉腫、黒色腫を挙げることができる。
本芳香族複素環誘導体[1]を含有する経口投与用医薬組成物は、例えば、ROS融合遺伝子陽性の非小細胞肺がんを原発腫瘍とする中枢神経系に転移したがん、ROS融合遺伝子陽性の胆道がんを原発腫瘍とする中枢神経系に転移したがん、ROS融合遺伝子陽性の卵巣がんを原発腫瘍とする中枢神経系に転移したがん、ROS融合遺伝子陽性の胃がんを原発腫瘍とする中枢神経系に転移したがん、ROS融合遺伝子陽性の血管肉腫を原発腫瘍とする中枢神経系に転移したがん、ROS融合遺伝子陽性の炎症性筋線維芽細胞性腫を原発腫瘍とする中枢神経系に転移したがん、ROS融合遺伝子陽性の血管内皮腫を原発腫瘍とする中枢神経系に転移したがん、ROS融合遺伝子陽性の大腸がんを原発腫瘍とする中枢神経系に転移したがん、ROS融合遺伝子陽性の脂肪肉腫を原発腫瘍とする中枢神経系に転移したがん、又はROS融合遺伝子陽性の黒色腫を原発腫瘍とする中枢神経系に転移したがんの治療剤として用いることができる。
ROS融合遺伝子としては、例えば、FIG−ROS融合遺伝子、SLC34A2−ROS融合遺伝子、CD74−ROS融合遺伝子、TPM3−ROS融合遺伝子、SDC4−ROS融合遺伝子、EZR−ROS融合遺伝子、LRIG3−ROS融合遺伝子、CCDC6−ROS融合遺伝子、KDELR2−ROS融合遺伝子、CEP85L−ROS融合遺伝子、YWHAE−ROS融合遺伝子、TFG−ROS1融合遺伝子を挙げることができる。
本芳香族複素環誘導体[1]を含有する経口投与用医薬組成物は、例えば、FIG−ROS融合遺伝子陽性の腫瘍を原発腫瘍とする中枢神経系に転移したがん、SLC34A2−ROS融合遺伝子陽性の腫瘍を原発腫瘍とする中枢神経系に転移したがん、CD74−ROS融合遺伝子陽性の腫瘍を原発腫瘍とする中枢神経系に転移したがん、TPM3−ROS融合遺伝子陽性の腫瘍を原発腫瘍とする中枢神経系に転移したがん、SDC4−ROS融合遺伝子陽性の腫瘍を原発腫瘍とする中枢神経系に転移したがん、EZR−ROS融合遺伝子陽性の腫瘍を原発腫瘍とする中枢神経系に転移したがん、LRIG3−ROS融合遺伝子陽性の腫瘍を原発腫瘍とする中枢神経系に転移したがん、CCDC6−ROS融合遺伝子陽性の腫瘍を原発腫瘍とする中枢神経系に転移したがん、KDELR2−ROS融合遺伝子陽性の腫瘍を原発腫瘍とする中枢神経系に転移したがん、CEP85L−ROS融合遺伝子陽性の腫瘍を原発腫瘍とする中枢神経系に転移したがん、YWHAE−ROS融合遺伝子陽性の腫瘍を原発腫瘍とする中枢神経系に転移したがん、又はTFG−ROS1融合遺伝子陽性の腫瘍を原発腫瘍とする中枢神経系に転移したがんの治療剤として用いることができる。
FIG−ROS融合遺伝子陽性の腫瘍としては、例えば、神経膠芽腫(例えば、Alain Charest,et al.,2003,Genes、Chromosomes & Cancer,37,58−71参照)、非小細胞肺がん(例えば、Klarisa Rikova,et al.,2007,Cell,131,1190−1203、Yoshiyuki Suehara,et al.,2012,Clinical Cancer Research、Kengo Takeuchi,et al.,2012,Nature Medicine,18,378−381、Jeong−Sun Seo,et al.,2012,Genome Research,22,2109−2119、Ramaswamy Govindan,et al.,2012,Cell,150,1121−1134参照)、胆道がん(例えば、Gu Ting−Lei,et al.,2011,PLoS ONE,6,e15640参照)、卵巣がん(例えば、Ashley H. Birch,et al.,2011,PLoS ONE,6,e28250参照)を挙げることができる。
SLC34A2−ROS融合遺伝子陽性の腫瘍としては、例えば、非小細胞肺がん(例えば、Klarisa Rikova,et al.,2007,Cell,131,1190−1203参照)、胃がん(例えば、Jeeyun Lee,et al.,2013,Cancer,119,1627−1635参照)を挙げることができる。
CD74−ROS融合遺伝子陽性の腫瘍としては、例えば、非小細胞肺がん(例えば、Klarisa Rikova,et al.,2007,Cell,131,1190−1203、Yoshiyuki Suehara,et al.,2012,Clinical Cancer Research、Kengo Takeuchi,et al.,2012,Nature Medicine,18,378−381、Jeong−Sun Seo,et al.,2012,Genome Research,22,2109−2119、Ramaswamy Govindan,et al.,2012,Cell,150,1121−1134参照)を挙げることができる。
TPM3−ROS融合遺伝子陽性の腫瘍としては、例えば、非小細胞肺がん(例えば、Klarisa Rikova,et al.,2007,Cell,131,1190−1203、Yoshiyuki Suehara,et al.,2012,Clinical Cancer Research、Kengo Takeuchi,et al.,2012,Nature Medicine,18,378−381、Jeong−Sun Seo,et al.,2012,Genome Research,22,2109−2119、Ramaswamy Govindan,et al.,2012,Cell,150,1121−1134参照)を挙げることができる。
SDC4−ROS融合遺伝子陽性の腫瘍としては、例えば、非小細胞肺がん(例えば、Klarisa Rikova,et al.,2007,Cell,131,1190−1203、Yoshiyuki Suehara,et al.,2012,Clinical Cancer Research、Kengo Takeuchi,et al.,2012,Nature Medicine,18,378−381、Jeong−Sun Seo,et al.,2012,Genome Research,22,2109−2119、Ramaswamy Govindan,et al.,2012,Cell,150,1121−1134参照)を挙げることができる。
EZR−ROS融合遺伝子陽性の腫瘍としては、例えば、非小細胞肺がん(例えば、Klarisa Rikova,et al.,2007,Cell,131,1190−1203、Yoshiyuki Suehara,et al.,2012,Clinical Cancer Research、Kengo Takeuchi,et al.,2012,Nature Medicine,18,378−381、Jeong−Sun Seo,et al.,2012,Genome Research,22,2109−2119、Ramaswamy Govindan,et al.,2012,Cell,150,1121−1134参照)を挙げることができる。
LRIG3−ROS融合遺伝子陽性の腫瘍としては、例えば、非小細胞肺がん(例えば、Klarisa Rikova,et al.,2007,Cell,131,1190−1203、Yoshiyuki Suehara,et al.,2012,Clinical Cancer Research、Kengo Takeuchi,et al.,2012,Nature Medicine,18,378−381、Jeong−Sun Seo,et al.,2012,Genome Research,22,2109−2119、Ramaswamy Govindan,et al.,2012,Cell,150,1121−1134参照)を挙げることができる。
CCDC6−ROS融合遺伝子陽性の腫瘍としては、例えば、非小細胞肺がん(例えば、Klarisa Rikova,et al.,2007,Cell,131,1190−1203、Yoshiyuki Suehara,et al.,2012,Clinical Cancer Research、Kengo Takeuchi,et al.,2012,Nature Medicine,18,378−381、Jeong−Sun Seo,et al.,2012,Genome Research,22,2109−2119、Ramaswamy Govindan,et al.,2012,Cell,150,1121−1134参照)を挙げることができる。
KDELR2−ROS融合遺伝子陽性の腫瘍としては、例えば、非小細胞肺がん(例えば、Klarisa Rikova,et al.,2007,Cell,131,1190−1203、Yoshiyuki Suehara,et al.,2012,Clinical Cancer Research、Kengo Takeuchi,et al.,2012,Nature Medicine,18,378−381、Jeong−Sun Seo,et al.,2012,Genome Research,22,2109−2119、Ramaswamy Govindan,et al.,2012,Cell,150,1121−1134参照)を挙げることができる。
CEP85L−ROS融合遺伝子陽性の腫瘍としては、例えば、血管肉腫(例えば、Craig P Giacomini,et al.,2013,PLOS Genetics,9,e1003464参照)を挙げることができる。
YWHAE−ROS融合遺伝子陽性の腫瘍としては、例えば、炎症性筋線維芽細胞性腫(例えば、Christine Marie Lovly,et al.,2013, Journal of Clinical Oncology ,Abstract,31,10513参照)を挙げることができる。
TFG−ROS1融合遺伝子陽性の腫瘍としては、例えば、炎症性筋線維芽細胞性腫(例えば、Christine Marie Lovly,et al.,2013, Journal of Clinical Oncology ,Abstract,31,10513参照)を挙げることができる。
とりわけ、本芳香族複素環誘導体[1]を含有する経口投与用医薬組成物は、例えば、FIG−ROS融合遺伝子陽性の非小細胞肺がんを原発腫瘍とする中枢神経系に転移したがんの治療剤として有用である。具体的には、例えば、FIG−ROS融合遺伝子陽性の非小細胞肺がんを原発腫瘍とする転移性脳腫瘍の治療剤として用いることができる。
ROSチロシンキナーゼを過剰発現している腫瘍としては、例えば、神経膠腫、髄膜腫、乳がん(例えば、David Watkins,et al.,1994,Cancer Genet Cytogenet,72,130−136、Jing−Feng Zhao,et al.,1995,Cancer Genet Cytogenet,83,148−154、Minseob Eom,et al.,2013,Yonsei Medical Journal,54,650−657参照)、白血病(例えば、Daniela Cilloni, et al.,2008,Annual meeting of American Society of Hematology Abstract,112,687参照)を挙げることができる。
本芳香族複素環誘導体[1]を含有する経口投与用医薬組成物は、例えば、ROSチロシンキナーゼを過剰発現している乳がんを原発腫瘍とする中枢神経系に転移したがん、ROSチロシンキナーゼを過剰発現している白血病を原発腫瘍とする中枢神経系に転移したがんの治療剤として用いることができる。
本芳香族複素環誘導体[1]を含有する経口投与用医薬組成物は、本芳香族複素環誘導体[1]を、そのまま又は医薬的に許容される無毒性かつ不活性の担体中に、例えば、0.001%〜99.5%、好ましくは、0.1%〜90%含有する医薬組成物として、人を含む哺乳動物に投与される。
上記担体としては、固形、半固形、又は液状の希釈剤、充填剤、及びその他の処方用の助剤一種以上が用いられる。
本発明に係る中枢神経系に転移したがん治療剤は、固形又は液状の用量単位で、末剤、カプセル剤、錠剤、糖衣剤、顆粒剤、散剤、懸濁剤、液剤、シロップ剤、エリキシル剤、トローチ剤等の経口投与製剤のいずれかの形態をもとることができる。徐放性製剤であってもよい。
末剤は、本芳香族複素環誘導体[1]を適当な細かさにすることにより製造することができる。
散剤は、本芳香族複素環誘導体[1]を適当な細かさにし、次いで同様に細かくした医薬用担体、例えば、澱粉、マンニトールのような可食性炭水化物と混合することにより製造することができる。任意に風味剤、保存剤、分散剤、着色剤、香料等を添加することができる。
カプセル剤は、まず上述したように粉末状となった末剤や散剤あるいは錠剤の項で述べるように顆粒化したものを、例えば、ゼラチンカプセルのようなカプセル外皮の中に充填することにより製造することができる。滑沢剤や流動化剤、例えば、コロイド状のシリカ、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、固形のポリエチレングリコールを粉末状となった末剤や散剤と混合し、その後、充填操作を行うことにより製造することもできる。崩壊剤や可溶化剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウムを添加すれば、カプセル剤が摂取されたときの医薬の有効性を改善することができる。また、本芳香族複素環誘導体[1]の微粉末を植物油、ポリエチレングリコール、グリセリン、界面活性剤中に懸濁分散し、これをゼラチンシートで包んで軟カプセル剤とすることもできる。
錠剤は、粉末化された本芳香族複素環誘導体[1]に賦形剤を加えて粉末混合物を作り、顆粒化若しくはスラグ化し、次いで崩壊剤又は滑沢剤を加えた後、打錠することにより製造することができる。
シロップ剤は、本芳香族複素環誘導体[1]を適当な香味水溶液に溶解して製造することができる。エリキシル剤は、非毒性のアルコール性担体を用いることにより製造することができる。
懸濁剤は、本芳香族複素環誘導体[1]を非毒性担体中に分散させることにより製造することができる。必要に応じて、可溶化剤や乳化剤(例えば、エトキシ化されたイソステアリンアルコール類、ポリオキシエチレンソルビトールエステル類)、保存剤、風味付与剤(例えば、ペパーミント油、サッカリン)等を添加することができる。必要であれば、経口投与のための用量単位処方をマイクロカプセル化することができる。当該処方はまた、被覆をしたり、高分子・ワックス等中に埋め込んだりすることにより作用時間の延長や持続放出をもたらすこともできる。
液剤、トローチ剤もまたその一定量が本芳香族複素環誘導体[1]の一定量を含有するように用量単位形態にすることができる。
本芳香族複素環誘導体[1]を含有する経口投与用医薬組成物の投与量は、年齢、体重、疾病の種類、程度等の患者の状態、投与経路を考慮した上で調製することが望ましいが、通常は、成人に対して本芳香族複素環誘導体[1]の有効成分量として、経口投与の場合、1日あたり、0.01mg〜5g/成人の範囲内、好ましくは、1mg〜500mg/成人の範囲内が適当である。場合によっては、これ以下でも足りるし、また逆にこれ以上の用量を必要とすることもある。通常、1日1回若しくは数回に分けて投与するか、又は静脈内投与の場合は、急速投与するか若しくは24時間以内で持続的に投与することができる。
以下に参考例、実施例、試験例及び製剤例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。

参考例1 2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−カルボキシイミダミド 塩酸塩
アセトニトリル15mLに、2−(4−メチルフェニル)ピロリジン2.7g、1H−ピラゾール−1−カルボキサミジン塩酸塩2.4g及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(以下、「DIPEA」という。)2.2mLを加え、85℃で12時間撹拌した。反応液を冷却した後、析出した固体をろ取し、標記化合物3.2gを白色粉末として得た。

参考例2 5−メトキシ−2−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4,6−ジオール
アルゴン雰囲気下、エタノール18mLに金属ナトリウム368mg加え、金属ナトリウムが溶解するまで室温で撹拌した。続いて2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−カルボキシイミダミド塩酸塩1.6g及びメトキシマロン酸ジメチル0.97mLを加え、90℃で4時間撹拌した。反応液を冷却した後、減圧濃縮し、残渣に水18mLを加え、更に10%塩酸で酸性にして30分間撹拌した。析出した固体をろ取し、標記化合物1.71gを白色粉末として得た。

参考例3 4,6−ジクロロ−5−メトキシ−2−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン
5−メトキシ−2−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4,6−ジオール1.71gにオキシ塩化リン3mLを加え、100℃で4時間撹拌した。反応液を冷却した後、氷水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和重曹水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、標記化合物1.7gを淡黄色固体として得た。

参考例4 5−メチル−2−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4,6−ジオール
参考例2と同様の方法により、メトキシマロン酸ジメチルの代わりに、メチルマロン酸ジメチルを用い、標記化合物を白色粉末として得た。

参考例5 4,6−ジクロロ−5−メチル−2−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン
参考例3と同様の方法により、5−メトキシ−2−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4,6−ジオールの代わりに、5−メチル−2−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4,6−ジオールを用い、標記化合物を白色粉末として得た。

参考例6 (2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−カルボキシイミダミド 塩酸塩
参考例1と同様の方法により、2−(4−メチルフェニル)ピロリジンの代わりに、(S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジンを用い、標記化合物を白色粉末として得た。

参考例7 5−メトキシ−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4,6−ジオール
参考例2と同様の方法により、2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−カルボキシイミダミド塩酸塩の代わりに、(S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−カルボキシイミダミド塩酸塩を用い、標記化合物を白色粉末として得た。

参考例8 5−メトキシ−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4,6−ジイル ビス(トリフルオロメタンスルホネート)
5−メトキシ−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4,6−ジオール435mgをジクロロメタン8mLに溶解し、0℃でトリエチルアミン0.48mL及びトリフルオロメタンスルホン酸無水物0.53mLを滴下し30分間撹拌した。反応液に氷水を加え、続いてジクロロメタンで抽出操作を行い、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、標記化合物690mgを淡黄色油状物として得た。

参考例9 2−(2−メトキシフェニル)ピロリジン
工程1 tert−ブチル [4−(2−メトキシフェニル)−4−オキソブチル]カルバメートの製造
テトラヒドロフラン(以下、「THF」という。)5mLにtert−ブチル {4−[メトキシ(メチル)アミノ]−4−オキソブチル}カルバメート493mg(J.Med.Chem.,2009,52,7432に記載の方法に準じて合成)を加え、アルゴン雰囲気下、0℃で1.0M2−メトキシフェニルマグネシウムブロミド/THF溶液6mLを加え2時間撹拌し、室温にしてさらに終夜撹拌した。氷冷下、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、続いて酢酸エチルで抽出操作を行い、水及び飽和食塩水で順次洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、標記化合物427mgを得た。

工程2 5−(2−メトキシフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロールの製造
tert−ブチル [4−(2−メトキシフェニル)−4−オキソブチル]カルバメート404mgに0℃でトリフルオロ酢酸0.78mLを加え1時間撹拌した。反応液に5N水酸化ナトリウム水溶液を加えアルカリ性にした後、酢酸エチルで抽出操作を行い、得られた有機層を水及び飽和食塩水で順次洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、標記化合物250mgを得た。

工程3 2−(2−メトキシフェニル)ピロリジンの製造
5−(2−メトキシフェニル)−3,4−ジヒドロ−2H−ピロール285mgをメタノールに溶解させ、0℃で水素化ホウ素ナトリウム123mgを加え1時間撹拌した。反応液に6N塩酸を加え1時間撹拌した後、5N水酸化ナトリウム水溶液でアルカリ性にした後、酢酸エチルで抽出操作を行い、得られた有機層を水及び飽和食塩水で順次洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、標記化合物247mgを得た。

参考例10 2−(2−メトキシ−4−メチルフェニル)ピロリジン
THF21mLに60%水素化ナトリウム840mgを懸濁させ、加熱還流した。ここに、N−ビニル−2−ピロリドン1.91mLと2−メトキシ−4−メチル安息香酸エチル2.95gのTHF溶液7mLを10分かけて滴下し、さらに2時間加熱還流した。反応液を冷却後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出操作を行い、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去して得られた残渣に、6N塩酸11mLを加え、100℃で4時間撹拌した。反応液を氷冷し、30%水酸化ナトリウム水溶液を加え、アルカリ性とした。ジクロロメタンで抽出操作を行い、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、標記化合物858mgを得た。
参考例11 2−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)ピロリジン
参考例10と同様の方法により、2−メトキシ−4−メチル安息香酸エチルの代わりに、3−メトキシ−4−メチル安息香酸エチルを用い、標記化合物を黄色油状物として得た。

参考例12 2−(3−メチルフェニル)ピロリジン
参考例10と同様の方法により、2−メトキシ−4−メチル安息香酸エチルの代わりに、3−メチル安息香酸エチルを用い、標記化合物を黄色油状物として得た。

参考例13 6−[(5−シアノ−1,3−チアゾール−2−イル)アミノ]−5−メトキシ−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−イル トリフルオロメタンスルホネート
5−メトキシ−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4,6−ジイル ビス(トリフルオロメタンスルホネート)1.0g、2−アミノ−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル221mg、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9’−ジメチルキサンテン(以下、「Xantphos」という。)77mg、リン酸三カリウム751mg及びトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(以下、「Pd(dba)」という。)81mgに1,4−ジオキサン20mLを加えた。反応混合物を脱気した後、アルゴン雰囲気下、100℃で11時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した後、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロトグラフィーで精製し、標記化合物513mgを淡黄色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 541(M+H)

参考例14 1−(2−{[tert−ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ}エチル)−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール
4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール3.3gをアセトニトリル33mLに溶かし、(2−ブロモエトキシ)(tert−ブチル)ジフェニルシラン8.7g及び炭酸セシウム12g加え、80℃で6時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水及び飽和食塩水で順次洗浄した後、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、標記化合物5.96gを黄色油状物として得た。

参考例15 1−(2−メトキシエチル)−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール
参考例14と同様の方法により、(2−ブロモエトキシ)(tert−ブチル)ジフェニルシランの代わりに、2−ブロモエチルメチルエーテルを用い、標記化合物を茶色油状物として得た。

参考例16 6−[(5−シアノ−1,3−チアゾール−2−イル)アミノ]−5−エチル−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−イル トリフルオロメタンスルホネート
工程1 5−エチル−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4,6−ジオールの製造
(S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−カルボキシイミダミド塩酸塩600mg、エチルマロン酸ジメチル0.61mL、5Mナトリウム メトキシド/メタノール溶液1.0mL、エタノール18mLを用いて参考例2と同様の操作を行い、標記化合物427mgを白色粉末として得た。

工程2 5−エチル−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4,6−ジイル ビス(トリフルオロメタンスルホネート)の製造
参考例8と同様の方法により、5−メトキシ−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4,6−ジオールの代わりに、5−エチル−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4,6−ジオールを用い、標記化合物を黄色油状物として得た。

工程3 6−[(5−シアノ−1,3−チアゾール−2−イル)アミノ]−5−エチル−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−イル トリフルオロメタンスルホネートの製造
参考例13と同様の方法により、5−メトキシ−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4,6−ジイル ビス(トリフルオロメタンスルホネート)の代わりに、5−エチル−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4,6−ジイル ビス(トリフルオロメタンスルホネート)を用い、標記化合物を黄色油状物として得た。

参考例17 6−[(5−シアノ−1,3−チアゾール−2−イル)アミノ]−5−メチル−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−イル トリフルオロメタンスルホネート
工程1 5−メチル−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4,6−ジイル ビス(トリフルオロメタンスルホネート)の製造
参考例16の工程1と工程2と同様の方法により、エチルマロン酸ジメチルの代わりに、メチルマロン酸ジメチルを用い、標記化合物を黄色油状物として得た。

工程2 6−[(5−シアノ−1,3−チアゾール−2−イル)アミノ]−5−メチル−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−イル トリフルオロメタンスルホネートの製造
参考例13と同様の方法により、5−メトキシ−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4,6−ジイル ビス(トリフルオロメタンスルホネート)の代わりに、5−メチル−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4,6−ジイル ビス(トリフルオロメタンスルホネート)を用い、標記化合物を黄色油状物として得た。

参考例18 5−メトキシ−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]−6−(1,2,4−チアジアゾール−5−イルアミノ)ピリミジン−4−イル トリフルオロメタンスルホネート
5−メトキシ−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4,6−ジイル ビス(トリフルオロメタンスルホネート)2.0g、5−アミノ−1,2,4−チアジアゾール358mg、Xantphos153mg、リン酸三カリウム1.5g及びPd(dba)162mgに1,4−ジオキサン20mLを加えた。反応混合物を脱気した後、アルゴン雰囲気下、100℃で3時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した後、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロトグラフィーで精製し、標記化合物696mgを黄色油状物として得た。
実施例1 2−({6−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピラジン−2−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル 塩酸塩
工程1 2−クロロ−6−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピラジンの製造
(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン100mg及び2,6−ジクロロピラジン102mgを1−ブタノール2mLに溶解し、DIPEA130μLを加え、80℃で20時間撹拌した。反応混合物を室温まで放冷した後、減圧下、溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、標記化合物148mgを白色アモルファスとして得た。

工程2 2−({6−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピラジン−2−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル 塩酸塩の製造
脱気した1,4−ジオキサン4mLに、2−クロロ−6−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピラジン122mg、2−アミノ−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル169mg、XPhos257mg、リン酸三カリウム287mg及びトリス(ジベンジリデンアセトン)(クロロホルム)ジパラジウム(以下、「Pd(dba)・CHCl」という。)140mgを順次添加し、アルゴン雰囲気下、85℃で終夜撹拌した。反応混合物を室温まで放冷した後、減圧下、溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、2−({6−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピラジン−2−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル96mgを褐色アモルファスとして得た。これをエタノールに溶解し、2N塩酸を当量加えた後、溶媒を留去して、標記化合物を褐色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 363(M+H)
元素分析値 (C1918S・HClとして)
計算値(%) C:57.21 H:4.80 N:21.07
実測値(%) C:56.92 H:4.77 N:21.43

実施例2 2−({5−メチル−2−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル
脱気した1,4−ジオキサン7mLに、2,4−ジクロロ−5−メチルピリミジン269mg、2−アミノ−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル191mg、リン酸三カリウム700mg、Xantphos95mg及びPd(dba)76mgを順次添加し、アルゴン雰囲気下、100℃で2時間撹拌した。反応液に水を加え30分間撹拌し、析出した固体を濾取した。続いて得られた固体94mg、DIPEA0.20mL及び2−(4−メチルフェニル)ピロリジン78mgをN−メチルピロリドン(以下、「NMP」という。)1mLに加え、マイクロウエーブを照射しながら180℃、30分間撹拌した。反応液を室温まで放冷した後、酢酸エチルで希釈し、水及び飽和食塩水で順次洗浄した後、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、標記化合物11mgを淡黄色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 377(M+H)

実施例3 2−({5−メトキシ−2−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]−4,5’−ビピリミジン−6−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル
工程1 6−クロロ−5−メトキシ−2−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]−4,5’−ビピリミジンの製造
脱気した1,4−ジオキサン3mLと水1mLの混合溶媒に、4,6−ジクロロ−5−メトキシ−2−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン100mg(参考例3)、ピリミジン−5−ボロン酸37mg、炭酸カリウム122mg及び[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド−ジクロロメタン錯体(以下、「[PdCl(dppf)]CHCl」という。)12mgを順次添加し、アルゴン雰囲気下、70℃で2時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水及び飽和食塩水で順次洗浄した後、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、標記化合物41mgを得た。

工程2 2−({5−メトキシ−2−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]−4,5’−ビピリミジン−6−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリルの製造
6−クロロ−5−メトキシ−2−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]−4,5’−ビピリミジン40mg、2−アミノ−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル13mg、2−ジ−tert−ブチルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(以下、「t−Butyl XPhos」という。)18mg、リン酸三カリウム44mg及びPd(dba)14mgに1,4−ジオキサン2mLを加えた。反応混合物を脱気した後、アルゴン雰囲気下、100℃で1時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した後、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロトグラフィーで精製し、標記化合物10mgを淡黄色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 471(M+H)

実施例4 4−{6−[(5−シアノ−1,3−チアゾール−2−イル)アミノ]−5−メトキシ−2−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−イル}ベンズアミド
実施例3と同様の方法により、ピリミジン−5−ボロン酸の代わりに、4−アミノカルボニルフェニルボロン酸を用い、標記化合物を淡黄色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 512(M+H)

実施例5 2−({5−メトキシ−2−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]−6−(ピリジン−3−イル)ピリミジン−4−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル
実施例3と同様の方法により、ピリミジン−5−ボロン酸の代わりに、ジエチル(3−ピリジル)ボランを用い、標記化合物を淡黄色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 470(M+H)

実施例6 6−[(5−シアノ−1,3−チアゾール−2−イル)アミノ]−2−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−カルボン酸メチル
工程1 2−クロロ−6−[(5−シアノ−1,3−チアゾール−2−イル)アミノ]ピリミジン−4−カルボン酸メチルの製造
脱気した1,4−ジオキサン5mLに、2,4−ジクロロピリミジン−6−カルボン酸メチル500mg、2−アミノ−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル302mg、リン酸三カリウム1.02g、Xantphos139mg及びPd(dba)110mgを順次添加し、アルゴン雰囲気下、100℃で3時間撹拌した。反応液を水で希釈し、酢酸0.27mL加え、室温で10分間撹拌し、析出した固体をろ取し、標記化合物302mgを得た。

工程2 6−[(5−シアノ−1,3−チアゾール−2−イル)アミノ]−2−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−カルボン酸メチルの製造
2−クロロ−6−[(5−シアノ−1,3−チアゾール−2−イル)アミノ]ピリミジン−4−カルボン酸メチル300mg、DIPEA0.54mL及び2−(4−メチルフェニル)ピロリジン179mgをNMP2mLに加え、マイクロウエーブを照射しながら180℃、30分間撹拌した。反応液を室温まで放冷した後、酢酸エチルで希釈し、水及び飽和食塩水で順次洗浄した後、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、標記化合物215mgを淡黄色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 421(M+H)

実施例7 6−[(5−シアノ−1,3−チアゾール−2−イル)アミノ]−2−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−カルボン酸
6−[(5−シアノ−1,3−チアゾール−2−イル)アミノ]−2−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−カルボン酸メチル213mg(実施例6)をメタノール6mLに溶解し、10%水酸化ナトリウム水溶液0.61mL加え、室温で3日間撹拌した。減圧下、溶媒を留去した後、水で希釈し、10%塩酸でpHを3にした。酢酸エチルで抽出操作を行い、得られた有機層を水及び飽和食塩水で順次洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去した後、析出した固体をろ取し、標記化合物145mgを得た。
MS(ESI)m/z 407(M+H)

実施例8 2−({5−メチル−2−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]−6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピリミジン−4−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル
実施例3と同様の方法により、4,6−ジクロロ−5−メトキシ−2−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジンの代わりに、4,6−ジクロロ−5−メチル−2−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジンを用い、またピリミジン−5−ボロン酸の代わりに、1−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾールを用い、標記化合物を橙色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 457(M+H)

実施例9 2−({5−メトキシ−6−メチル−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル マレイン酸塩
工程1 5−メトキシ−6−メチル−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−イル トリフルオロメタンスルホネートの製造
脱気した1,4−ジオキサン21mLと水7mLの混合溶媒に、5−メトキシ−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4,6−ジイル ビス(トリフルオロメタンスルホネート)2.0g(参考例8)、メチルボロン酸205mg、炭酸カリウム977mg及び[PdCl(dppf)]CHCl144mgを順次添加し、アルゴン雰囲気下、85℃で2時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水及び飽和食塩水で順次洗浄した後、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、標記化合物352mgを得た。

工程2 2−({5−メトキシ−6−メチル−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル マレイン酸塩の製造
5−メトキシ−6−メチル−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−イル トリフルオロメタンスルホネート350mg、2−アミノ−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル101mg、t−Butyl XPhos138mg、リン酸三カリウム344mg及びPd(dba)111mgに1,4−ジオキサン6mLを加え、脱気した後、アルゴン雰囲気下、100℃で1時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した後、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロトグラフィーで精製し、2−({5−メトキシ−6−メチル−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル212mgを淡黄色アモルファスとして得た。これをエタノールに溶かし、マレイン酸を当量加えた後、溶媒を留去して、標記化合物を淡黄色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 407(M+H)
元素分析値 (C2122OS・C+0.3EtOとして)
計算値(%) C: 57.76 H: 5.37 N:15.43
実測値(%) C: 57.41 H: 5.30 N:15.11

実施例10 2−({5−メトキシ−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]−6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピリミジン−4−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル
工程1 5−メトキシ−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]−6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピリミジン−4−イル トリフルオロメタンスルホネートの製造
脱気した1,4−ジオキサン6mLと水2mLの混合溶媒に、5−メトキシ−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4,6−ジイル ビス(トリフルオロメタンスルホネート)293mg、1−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール108mg、炭酸カリウム143mg及び[PdCl(dppf)]CHCl21mgを順次添加し、アルゴン雰囲気下、70℃で1時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水及び飽和食塩水で順次洗浄した後、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、標記化合物154mgを得た。

工程2 2−({5−メトキシ−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]−6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピリミジン−4−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリルの製造
5−メトキシ−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]−6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピリミジン−4−イル トリフルオロメタンスルホネート152mg、2−アミノ−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル38mg、t−Butyl XPhos52mg、リン酸三カリウム130mg及びPd(dba)42mgに1,4−ジオキサン3mLを加え、脱気した後、アルゴン雰囲気下、100℃で1時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した後、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロトグラフィーで精製し、標記化合物を淡黄色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 473(M+H)
実施例11 2−({5−メトキシ−2−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]−6−(1,3−オキサゾール−5−イル)ピリミジン−4−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル
実施例3と同様の方法により、ピリミジン−5−ボロン酸の代わりに、5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−2−(トリプロパン−2−イルシリル)−1,3−オキサゾール(Tetrahedron,2009,65,6348に記載の方法に準じて合成)を用い、標記化合物を淡黄色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 460(M+H)

実施例12 6−[(5−シアノ−1,3−チアゾール−2−イル)アミノ]−N−[(2R)−1−ヒドロキシプロパン−2−イル]−2−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−カルボキサミド
6−[(5−シアノ−1,3−チアゾール−2−イル)アミノ]−2−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−カルボン酸40mg(実施例7)をN,N−ジメチルホルムアミド(以下、「DMF」という。)1mLに溶かし、1H−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスファート(以下、「PyBOP(登録商標)」という。)77mg、DIPEA84mL、D−アラニノール22mgを順次加え、室温で3時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水及び飽和食塩水で洗浄した後、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロトグラフィーで精製し、標記化合物4mgを淡黄色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 464(M+H)

実施例13 2−({5−メトキシ−2−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]−6−[4−(メチルスルホニル)フェニル]ピリミジン−4−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル
実施例3と同様の方法により、ピリミジン−5−ボロン酸の代わりに、4−メタンスルホニルフェニルボロン酸を用い、標記化合物を黄色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 547(M+H)

実施例14 2−({5−メトキシ−2−[2−(2−メトキシ−4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル
実施例2と同様の方法により、2,4−ジクロロ−5−メチルピリミジンの代わりに、2,4−ジクロロ−5−メトキシピリミジンを用い、また2−(4−メチルフェニル)ピロリジンの代わりに、2−(2−メトキシ−4−メチルフェニル)ピロリジンを用い、標記化合物を淡黄色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 423(M+H)

実施例15 2−({6−(6−メトキシピリジン−3−イル)−5−メチル−2−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル
実施例3と同様の方法により、4,6−ジクロロ−5−メトキシ−2−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジンの代わりに、4,6−ジクロロ−5−メチル−2−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン(参考例5)を用い、またピリミジン−5−ボロン酸の代わりに、2−メトキシ−5−ピリジンボロン酸を用い、標記化合物を淡黄色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 484(M+H)

実施例16 2−({6−(6−ヒドロキシピリジン−3−イル)−5−メチル−2−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル
2−({6−(6−メトキシピリジン−3−イル)−5−メチル−2−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル100mgをアセトニトリル3mLに溶解させ、ヨウ化ナトリウム93mg及びトリメチルシリルクロリド79μL加え、アルゴン雰囲気下、70℃で1時間撹拌した。反応液を酢酸エチル及び水で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液にて、pHを9にした後、抽出操作を行った。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去した後、得られた固体を酢酸エチルで洗浄し、標記化合物を黄色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 470(M+H)

実施例17 2−({5−ブロモ−6−メチル−2−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル
工程1 2−({6−メチル−2−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリルの製造
実施例2と同様の方法により、2,4−ジクロロ−5−メチルピリミジンの代わりに、2,4−ジクロロ−6−メチルピリミジンを用い、標記化合物を白色粉末として得た。

工程2 2−({5−ブロモ−6−メチル−2−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリルの製造
2−({6−メチル−2−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル157mgをクロロホルム4mLに溶解し、N−ブロモスクシンイミド(以下、「NBS」という。)89mgを加え、室温にて30分間撹拌した。減圧下、溶媒を留去した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロトグラフィーで精製し、標記化合物144mgを白色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 455(M+H)

実施例18 2−({6−シクロプロピル−5−メトキシ−2−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル
実施例3と同様の方法により、ピリミジン−5−ボロン酸の代わりに、シクロプロピルボロン酸を用い、標記化合物を白色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 433(M+H)

実施例19 2−({5−メトキシ−2−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル
実施例2と同様の方法により、2,4−ジクロロ−5−メチルピリミジンの代わりに、2,4−ジクロロ−5−メトキシピリミジンを用い、標記化合物を淡黄色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 393(M+H)

実施例20 2−({3−メチル−6−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピラジン−2−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル 塩酸塩
工程1 2−クロロ−6−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピラジンの製造
2,6−ジクロロピラジン3.0gを1,2−ジクロロエタン12mLに溶解し、DIPEA0.95mLを加えた。反応液に、氷水冷下、(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン800mgの1,2−ジクロロエタン溶液(4mL)を加え、室温で48時間攪拌した。減圧下、溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、標記化合物685mgを白色アモルファスとして得た。

工程2 2−ブロモ−3−クロロ−5−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピラジンの製造
2−クロロ−6−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピラジン525mgをクロロホルム10mLに溶解し、NBS375mgを加え、氷冷下にて2時間撹拌した。反応液をクロロホルムで希釈し、水及び飽和食塩水で順次洗浄した後、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロトグラフィーで精製し、標記化合物462mgを淡黄色粉末として得た。

工程3 3−クロロ−2−メチル−5−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピラジンの製造
脱気した1,4−ジオキサン10mLと水3mLの混合溶媒に、2−ブロモ−3−クロロ−5−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピラジン460mg、メチルボロン酸190mg、炭酸カリウム538mg及び[PdCl(dppf)]CHCl53mgを順次添加し、アルゴン雰囲気下、100℃で8時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水及び飽和食塩水で順次洗浄した後、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、標記化合物300mgを得た。

工程4 2−({3−メチル−6−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピラジン−2−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル 塩酸塩の製造
3−クロロ−2−メチル−5−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピラジン190mg、2−アミノ−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル124mg、XPhos189mg、リン酸三カリウム280mg及びPd(dba)90mgに1,4−ジオキサン5mLを加えた。反応混合物を脱気した後、アルゴン雰囲気下、100℃で2時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した後、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロトグラフィーで精製し、2−({3−メチル−6−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピラジン−2−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル157mgを淡黄色アモルファスとして得た。これをメタノールに溶かし、1Nの塩酸を当量加えた後、溶媒を留去して、標記化合物を黄色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 377(M+H)
元素分析値 (C2020S・1HCl+0.2HOとして)
計算値(%) C:57.67 H:5.18 N:20.18
実測値(%) C:57.80 H:5.02 N:20.36
実施例21 2−({6−[2−(4−フルオロフェニル)ピロリジン−1−イル]−3−(1,3−オキサゾール−5−イル)ピラジン−2−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル
工程1 2−ブロモ−3−クロロ−5−[2−(4−フルオロフェニル)ピロリジン−1−イル]ピラジンの製造
実施例20工程1,2と同様の方法により、(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジンの代わりに2−(4−フルオロフェニル)ピロリジンを用いて、標記化合物を淡黄色粉末として得た。

工程2 3−クロロ−5−[2−(4−フルオロフェニル)ピロリジン−1−イル]−2−[2−(トリプロパン−2−イルシリル)−1,3−オキサゾール−5−イル]ピラジンの製造
脱気したDMF3.5mLに、2−ブロモ−3−クロロ−5−[2−(4−フルオロフェニル)ピロリジン−1−イル]ピラジン120mg、5−(トリブチルスタニル)−2−(トリイソプロピルシリル)オキサゾール190mg(WO2007/17096に準じて合成)、塩化リチウム43mg、及び、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(以下、「Pd(PPh」という。)39mgを順次添加し、アルゴン雰囲気下、100℃で2.5時間撹拌した。反応液をセライト(登録商標)でろ過した後、ろ液を減圧濃縮して、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、標記化合物125mgを淡橙色油状物として得た。

工程3 2−({6−[2−(4−フルオロフェニル)ピロリジン−1−イル]−3−[2−(トリプロパン−2−イルシリル)−1,3−オキサゾール−5−イル]ピラジン−2−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリルの製造
3−クロロ−5−[2−(4−フルオロフェニル)ピロリジン−1−イル]−2−[2−(トリプロパン−2−イルシリル)−1,3−オキサゾール−5−イル]ピラジン125mg、2−アミノ−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル47mg、t−Butyl XPhos63mg、リン酸三カリウム116mg及びPd(dba)34mgに1,4−ジオキサン3mLを加えた。反応混合物を脱気した後、アルゴン雰囲気下、100℃で3.5時間撹拌した。反応液をセライト(登録商標)でろ過した後、ろ液を減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロトグラフィーで精製し、標記化合物126mgを淡黄色アモルファスとして得た。

工程4 2−({6−[2−(4−フルオロフェニル)ピロリジン−1−イル]−3−(1,3−オキサゾール−5−イル)ピラジン−2−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリルの製造
2−({6−[2−(4−フルオロフェニル)ピロリジン−1−イル]−3−[2−(トリプロパン−2−イルシリル)−1,3−オキサゾール−5−イル]ピラジン−2−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル126mgをTHF2mLに溶解し、1Mテトラブチルアンモニウムフルオリド/THF溶液0.43mLを加えた。反応液を室温で15分間撹拌した後、酢酸エチルで希釈し、水及び飽和食塩水で順次洗浄した後、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、標記化合物59mgを橙色アモルファスとして得た。
MS(ESI)m/z 434(M+H)

実施例22 2−({6−[2−(4−フルオロフェニル)ピロリジン−1−イル]−3−(ピリミジン−5−イル)ピラジン−2−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル
実施例20と同様の方法により、工程1において(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジンの代わりに2−(4−フルオロフェニル)ピロリジンを用い、また工程3においてメチルボロン酸の代わりにピリミジン−5−ボロン酸を用いて、標記化合物を淡黄色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 445(M+H)

実施例23 2−({3−シクロプロピル−6−[2−(2−メトキシ−4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピラジン−2−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル
実施例20と同様の方法により、工程1において(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジンの代わりに2−(2−メトキシ−4−メチルフェニル)ピロリジンを用いて、また工程3においてメチルボロン酸の代わりにシクロプロピルボロン酸を用いて、標記化合物を橙色アモルファスとして得た。
MS(ESI)m/z 433(M+H)

実施例24 2−({3−シクロプロピル−6−[2−(2−メトキシフェニル)ピロリジン−1−イル]ピラジン−2−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル
実施例20と同様の方法により、工程1において(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジンの代わりに2−(2−メトキシフェニル)ピロリジンを用いて、また工程3においてメチルボロン酸の代わりにシクロプロピルボロン酸を用いて、標記化合物を赤色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 419(M+H)

実施例25 2−({6−[2−(4−フルオロフェニル)ピロリジン−1−イル]−3−(フラン−3−イル)ピラジン−2−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル
実施例20と同様の方法により、工程1において(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジンの代わりに2−(4−フルオロフェニル)ピロリジンを用いて、また工程3においてメチルボロン酸の代わりにフラン−3−ボロン酸を用いて、標記化合物を褐色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 433(M+H)

実施例26 2−({6−[2−(4−フルオロフェニル)ピロリジン−1−イル]−3−(ピリジン−4−イル)ピラジン−2−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル
実施例20と同様の方法により、工程1において(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジンの代わりに2−(4−フルオロフェニル)ピロリジンを用いて、また工程3においてメチルボロン酸の代わりに4−ピリジンボロン酸を用いて、標記化合物を淡黄色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 444(M+H)

実施例27 2−({6−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル
工程1 2−クロロ−6−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]−4−(トリフルオロメチル)ピリジンの製造
2−(4−メチルフェニル)ピロリジン112mg及び2,6−ジクロロピラジン100mgを1−ブタノール1mLに溶解し、DIPEA302μLを加え、100℃で8時間撹拌した。反応混合物を室温まで放冷した後、減圧下、溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、標記化合物139mgを白色アモルファスとして得た。

工程2 2−({6−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリルの製造
脱気した1,4−ジオキサン4mLに、2−クロロ−6−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]−4−(トリフルオロメチル)ピリジン139mg、2−アミノ−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル51mg、XPhos117mg、リン酸三カリウム122mg及びPd(dba)56mgを順次添加し、アルゴン雰囲気下、100℃で3時間撹拌した。反応混合物を室温まで放冷した後、減圧下、溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、標記化合物97mgを黄色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 430(M+H)

実施例28 2−({6−[2−(4−フルオロフェニル)ピロリジン−1−イル]−3−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピラジン−2−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル
実施例20と同様の方法により、工程1において(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジンの代わりに2−(4−フルオロフェニル)ピロリジンを用いて、また工程3においてメチルボロン酸の代わりに1−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾールを用いて、標記化合物を褐色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 447(M+H)

実施例29 3−メチル−6−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]−N−(5−メチル−1,3−チアゾール−2−イル)ピラジン−2−アミン
実施例20と同様の方法により、工程4において2−アミノ−1,3−チアゾール−5−カルボニトリルの代わりに、2−アミノ−5−メチルチアゾールを用いて、標記化合物を橙色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 366(M+H)

実施例30 2−({6−[2−(2−メトキシ−4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピラジン−2−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル
実施例1と同様の方法により、工程1において(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジンの代わりに2−(2−メトキシ−4−メチルフェニル)ピロリジン(参考例10)を用いて、標記化合物を淡黄色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 393(M+H)
実施例31 6−[2−(4−クロロフェニル)ピロリジン−1−イル]−3−シクロプロピル−N−(5−メチル−1,3−チアゾール−2−イル)ピラジン−2−アミン
実施例20と同様の方法により、工程1において(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジンの代わりに2−(4−クロロフェニル)ピロリジンを用い、工程3においてメチルボロン酸の代わりにシクロプロピルボロン酸を用い、工程4において2−アミノ−1,3−チアゾール−5−カルボニトリルの代わりに、2−アミノ−5−メチルチアゾールを用いて、標記化合物を淡赤色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 412(M+H)

実施例32 2−({6−[2−(3,5−ジメトキシフェニル)ピロリジン−1−イル]ピラジン−2−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル
実施例1と同様の方法により、工程1において(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジンの代わりに2−(3,5−ジメトキシフェニル)ピロリジン(J.Org.Chem.,2001,66,6207に記載の方法に準じて合成)を用いて、標記化合物を褐色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 409(M+H)

実施例33 2−({6−[2−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピラジン−2−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル
実施例1と同様の方法により、工程1において(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジンの代わりに2−(3−メトキシ−4−メチルフェニル)ピロリジン(参考例11)を用いて、標記化合物を褐色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 393(M+H)

実施例34 3−シクロプロピル−6−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]−N−(5−メチル−1,3−チアゾール−2−イル)ピラジン−2−アミン
実施例20と同様の方法により、工程3において、メチルボロン酸の代わりにシクロプロピルボロン酸を用い、また工程4において2−アミノ−1,3−チアゾール−5−カルボニトリルの代わりに、2−アミノ−5−メチルチアゾールを用いて、標記化合物を淡黄色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 392(M+H)

実施例35 2−({3−シクロプロピル−6−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピラジン−2−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル
実施例20と同様の方法により、工程3において、メチルボロン酸の代わりにシクロプロピルボロン酸を用いて、標記化合物を淡黄色アモルファスとして得た。
MS(ESI)m/z 403(M+H)

実施例36 2−({6−[(2S)−2−(4−クロロフェニル)ピロリジン−1−イル]−3−シクロプロピルピラジン−2−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル
実施例20と同様の方法により、工程1において(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジンの代わりに(2S)−2−(4−クロロフェニル)ピロリジンを用い、また工程3において、メチルボロン酸の代わりにシクロプロピルボロン酸を用いて、標記化合物を赤色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 423(M+H)

実施例37 2−({6−[2−(4−メトキシフェニル)ピロリジン−1−イル]ピラジン−2−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル
実施例1と同様の方法により、工程1において(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジンの代わりに2−(4−メトキシフェニル)ピロリジンを用いて、標記化合物を淡黄色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 379(M+H)

実施例38 2−({6−[2−(3−メトキシフェニル)ピロリジン−1−イル]ピラジン−2−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル
実施例1と同様の方法により、工程1において(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジンの代わりに2−(3−メトキシフェニル)ピロリジン(US2006/293316に記載の方法に準じて合成)を用いて、標記化合物を淡黄色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 379(M+H)

実施例39 2−[(6−{2−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ピロリジン−1−イル}ピラジン−2−イル)アミノ]−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル
実施例1と同様の方法により、工程1において(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジンの代わりに2−(4−トリフルオロメチルフェニル)ピロリジンを用いて、標記化合物を淡黄色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 417(M+H)

実施例40 2−({3−シクロプロピル−6−[2−(4−フルオロフェニル)ピロリジン−1−イル]ピラジン−2−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル
実施例20と同様の方法により、工程1において(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジンの代わりに2−(4−フルオロフェニル)ピロリジンを用い、また工程3において、メチルボロン酸の代わりにシクロプロピルボロン酸を用いて、標記化合物を黄色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 407(M+H)
実施例41 2−({6−[2−(4−フルオロフェニル)ピロリジン−1−イル]−3−メチルピラジン−2−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル
実施例20と同様の方法により、工程1において(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジンの代わりに2−(4−フルオロフェニル)ピロリジンを用いて、標記化合物を淡緑色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 381(M+H)

実施例42 2−({6−[2−(4−クロロフェニル)ピロリジン−1−イル]−3−メチルピラジン−2−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル
実施例20と同様の方法により、工程1において(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジンの代わりに2−(4−クロロフェニル)ピロリジンを用いて、標記化合物を淡黄色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 397(M+H)

実施例43 2−({3,5−ジメチル−6−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピラジン−2−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル
工程1 2,6−ジブロモ−3−クロロ−5−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピラジンの製造
2−ブロモ−3−クロロ−5−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピラジン338mg(実施例20の工程2に準じて合成)をクロロホルム7mLに溶解し、NBS300mgを加え、室温にて2時間撹拌した。減圧下、溶媒を留去した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロトグラフィーで精製し、標記化合物377mgを淡黄色油状物として得た。

工程2 2−クロロ−3,5−ジメチル−6−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピラジンの製造
脱気した1,4−ジオキサン6mLと水2mLの混合溶媒に、2,6−ジブロモ−3−クロロ−5−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピラジン375mg、メチルボロン酸200mg、炭酸カリウム360mg及び[PdCl(dppf)]CHCl70mgを順次添加し、アルゴン雰囲気下、100℃で8時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水及び飽和食塩水で順次洗浄した後、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、標記化合物198mgを得た。

工程3 2−({3,5−ジメチル−6−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピラジン−2−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリルの製造
2−クロロ−3,5−ジメチル−6−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピラジン197mg、2−アミノ−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル82mg、t−Butyl XPhos110mg、リン酸三カリウム276mg及びPd(dba)89mgに1,4−ジオキサン4mLを加え、脱気した後、アルゴン雰囲気下、100℃で1時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した後、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロトグラフィーで精製し、標記化合物138mgを淡黄色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 391(M+H)

実施例44 2−({6−[2−(4−クロロフェニル)ピロリジン−1−イル]−3−シクロプロピル−5−メチルピラジン−2−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル
工程1 2−ブロモ−5−クロロ−3−[2−(4−クロロフェニル)ピロリジン−1−イル]−6−シクロプロピルピラジンの製造
3−クロロ−5−[2−(4−クロロフェニル)ピロリジン−1−イル]−2−シクロプロピルピラジン85mg(実施例31の工程3)をクロロホルム3mLに溶解し、NBS68mgを加え、室温にて終夜撹拌した。減圧下、溶媒を留去した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロトグラフィーで精製し、標記化合物140mgを淡黄色油状物として得た。

工程2 2−クロロ−6−[2−(4−クロロフェニル)ピロリジン−1−イル]−3−シクロプロピル−5−メチルピラジンの製造
脱気した1,4−ジオキサン3mLと水1mLの混合溶媒に、2−ブロモ−5−クロロ−3−[2−(4−クロロフェニル)ピロリジン−1−イル]−6−シクロプロピルピラジン138mg、メチルボロン酸39mg、炭酸カリウム138mg及び[PdCl(dppf)]CHCl27mgを順次添加し、アルゴン雰囲気下、100℃で2時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水及び飽和食塩水で順次洗浄した後、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、標記化合物95mgを得た。

工程3 2−({6−[2−(4−クロロフェニル)ピロリジン−1−イル]−3−シクロプロピル−5−メチルピラジン−2−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリルの製造
2−クロロ−6−[2−(4−クロロフェニル)ピロリジン−1−イル]−3−シクロプロピル−5−メチルピラジン94mg、2−アミノ−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル34mg、t−Butyl XPhos46mg、リン酸三カリウム114mg及びPd(dba)37mgに1,4−ジオキサン2mLを加え、脱気した後、アルゴン雰囲気下、90℃で1時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した後、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロトグラフィーで精製し、標記化合物26mgを淡黄色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 437(M+H)

実施例45 N−(5−エチル−1,3−チアゾール−2−イル)−6−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピラジン−2−アミン
実施例1と同様の方法により、工程1において(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジンの代わりに2−(4−メチルフェニル)ピロリジンを用い、工程2において2−アミノ−1,3−チアゾール−5−カルボニトリルの代わりに、2−アミノ−5−エチルチアゾールを用いて、標記化合物を淡緑色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 366(M+H)

実施例46 2−({6−[2−(3−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピラジン−2−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル
実施例1と同様の方法により、工程1において(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジンの代わりに2−(3−メチルフェニル)ピロリジン(参考例12)を用いて、標記化合物を淡黄色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 363(M+H)

実施例47 2−({6−[2−(2−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピラジン−2−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル
実施例1と同様の方法により、工程1において(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジンの代わりに2−(2−メチルフェニル)ピロリジン(J.Org.Chem.,2001,66,6207に記載の方法に準じて合成)を用いて、標記化合物を淡緑色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 363(M+H)

実施例48 2−({6−[2−(4−クロロフェニル)ピロリジン−1−イル]ピラジン−2−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル
実施例1と同様の方法により、工程1において(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジンの代わりに2−(4−クロロフェニル)ピロリジンを用いて、標記化合物を緑色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 383(M+H)

実施例49 2−({6−(2−フルオロピリジン−3−イル)−5−メトキシ−2−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル
実施例3と同様の方法により、ピリミジン−5−ボロン酸の代わりに、2−フルオロピリジン−3−ボロン酸を用いて、標記化合物を淡黄色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 488(M+H)

実施例50 2−({6−(6−フルオロピリジン−3−イル)−5−メトキシ−2−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル
実施例3と同様の方法により、ピリミジン−5−ボロン酸の代わりに、2−フルオロ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−ピリジンを用いて、標記化合物を褐色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 488(M+H)
実施例51 2−({6−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピラジン−2−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボン酸エチル
工程1 2−クロロ−6−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピラジンの製造
2−(4−メチルフェニル)ピロリジン2.78g、2,6−ジクロロピラジン2.33g及びDIPEA4.0mLを1,4−ジオキサン8mLに加え、マイクロウエーブを照射しながら120℃、45分間撹拌した。反応混合物を室温まで放冷した後、減圧下、溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、標記化合物3.7gを白色アモルファスとして得た。

工程2 2−({6−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピラジン−2−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボン酸エチルの製造
脱気した1,4−ジオキサン10mLに、2−クロロ−6−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピラジン500mg、2−アミノ−1,3−チアゾール−5−カルボン酸エチル632mg、t−Butyl XPhos467mg、リン酸三カリウム779mg及びPd(dba)251mgを順次添加し、アルゴン雰囲気下、100℃で終夜撹拌した。反応混合物を室温まで放冷した後、減圧下、溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、2−({6−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピラジン−2−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボン酸エチル278mgを淡黄色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 410(M+H)

実施例52 2−({5,6−ジメチル−2−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル
実施例3と同様の方法により、4,6−ジクロロ−5−メトキシ−2−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジンの代わりに、4,6−ジクロロ−5−メチル−2−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジンを用い、またピリミジン−5−ボロン酸の代わりに、メチルボロン酸を用いて、標記化合物を淡黄色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 391(M+H)

実施例53 2−({6−[2−(4−フルオロフェニル)ピロリジン−1−イル]−3−(2−メチルピリジン−4−イル)ピラジン−2−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル
実施例20と同様の方法により、工程1において(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジンの代わりに2−(4−フルオロフェニル)ピロリジンを用い、また工程3においてメチルボロン酸の代わりに2−メチルピリジン−4−ボロン酸を用いて、標記化合物を淡黄色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 458(M+H)

実施例54 6−[(5−シアノ−1,3−チアゾール−2−イル)アミノ]−5−メチル−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]−N−(1−メチルピペリジン−4−イル)ピリミジン−4−カルボキサミド
工程1 6−[(5−シアノ−1,3−チアゾール−2−イル)アミノ]−5−メチル−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−カルボン酸エチルの製造
6−[(5−シアノ−1,3−チアゾール−2−イル)アミノ]−5−メチル−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−イル トリフルオロメタンスルホネート(参考例17)2.0g、酢酸パラジウム(II)125mg、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(以下、「dppf」という。)615mg、DIPEA3.2mL、DMF40mL、エタノール20mLの混合物をアルゴン置換して、5分間一酸化炭素をバブリングした。その後、一酸化炭素雰囲気下、80℃で終夜撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水及び飽和食塩水で順次洗浄した後、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、標記化合物1.49gを淡黄色粉末として得た。

工程2 6−[(5−シアノ−1,3−チアゾール−2−イル)アミノ]−5−メチル−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−カルボン酸の製造
6−[(5−シアノ−1,3−チアゾール−2−イル)アミノ]−5−メチル−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−カルボン酸エチル1.49g、10%水酸化ナトリウム水溶液2.6mL、THF5mLを用いて実施例7と同様の操作を行い、標記化合物1.3gを黄色粉末として得た。

工程3 6−[(5−シアノ−1,3−チアゾール−2−イル)アミノ]−5−メチル−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]−N−(1−メチルピペリジン−4−イル)ピリミジン−4−カルボキサミドの製造
6−[(5−シアノ−1,3−チアゾール−2−イル)アミノ]−5−メチル−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−カルボン酸25mg、4−アミノ−1−メチルピペリジン20mg、PyBOP(登録商標)46mg、DIPEA30mg、DMF1mLを用いて実施例12と同様の操作を行い、標記化合物19mgを白色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 517(M+H)

実施例55 2−[(5−シアノ−1,3−チアゾール−2−イル)アミノ]−N,3−ジメチル−6−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリジン−4−カルボキサミド
工程1 2−クロロ−6−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリジン−4−カルボン酸tert−ブチルの製造
2,6−ジクロロイソニコチン酸 tert−ブチル1.5g、(S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン1.02gを1−ブタノールに溶かし、DIPEA2.0mLを加え、100℃で終夜撹拌した。減圧下、溶媒を留去した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、標記化合物1.1gを黄色油状物として得た。

工程2 3−ブロモ−2−クロロ−6−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリジン−4−カルボン酸tert−ブチルの製造
2−クロロ−6−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリジン−4−カルボン酸tert−ブチル1.1gをクロロホルム10mLに溶かし、氷水冷下にてNBS604mg加え、終夜撹拌した。減圧下、溶媒を留去した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、標記化合物797mgを淡黄色固体として得た。

工程3 2−クロロ−3−メチル−6−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリジン−4−カルボン酸tert−ブチルの製造
3−ブロモ−2−クロロ−6−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリジン−4−カルボン酸tert−ブチル797mg、メチルボロン酸112mg、炭酸カリウム730mg、[PdCl(dppf)]CHCl144mg、1,4−ジオキサン18mL及び水6mLを用いて実施例3工程1と同様の操作を行い、標記化合物637mgを淡黄色粉末として得た。

工程4 2−[(5−シアノ−1,3−チアゾール−2−イル)アミノ]−3−メチル−6−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリジン−4−カルボン酸tert−ブチルの製造
2−クロロ−3−メチル−6−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリジン−4−カルボン酸tert−ブチル623mg、2−アミノ−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル302mg、t−Butyl XPhos273mg、リン酸三カリウム752mg及びPd(dba)222mg及び1,4−ジオキサン10mLを用いて実施例3工程2と同様の操作を行い、標記化合物720mgを淡黄色粉末として得た。

工程5 2−[(5−シアノ−1,3−チアゾール−2−イル)アミノ]−3−メチル−6−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリジン−4−カルボン酸の製造
2−[(5−シアノ−1,3−チアゾール−2−イル)アミノ]−3−メチル−6−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリジン−4−カルボン酸tert−ブチル720mgをアセトニトリル25mLに溶かし、モンモリロナイトK−10 2.1gを加え、24時間加熱還流した。反応液をTHFで希釈し、セライト(登録商標)ろ過し、得られたろ液を減圧濃縮して標記化合物493mgを黄色固体として得た。

工程6 2−[(5−シアノ−1,3−チアゾール−2−イル)アミノ]−N,3−ジメチル−6−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリジン−4−カルボキサミドの製造
2−[(5−シアノ−1,3−チアゾール−2−イル)アミノ]−3−メチル−6−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリジン−4−カルボン酸25mg、メチルアミン塩酸塩12mg、PyBOP(登録商標)47mg、DIPEA30mg、DMF1mLを用いて実施例12と同様の操作を行い、標記化合物11mgを白色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 433(M+H)

実施例56 N−(5−フルオロ−1,3−チアゾール−2−イル)−5−メトキシ−6−メチル−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−アミン
実施例9と同様の方法により、2−アミノ−1,3−チアゾール−5−カルボニトリルの代わりに、2−アミノ−5−フルオロチアゾールを用い、標記化合物を黒色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 400(M+H)

実施例57 2−({5−エチル−6−(メトキシメチル)−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル
工程1 2−エチル−4−メトキシ−3−オキソブタン酸メチルの製造
アルゴン雰囲気下、60%水素化ナトリウム371mgをTHF20mLに懸濁させ、氷水冷下で4−メトキシ−3−オキソブタン酸メチル1.0mLをゆっくり滴下した。反応液を室温で30分撹拌した後、ヨウ化エチル0.34mLを加え、70℃にて3時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄した後、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、標記化合物192mgを無色油状物として得た。

工程2 5−エチル−6−(メトキシメチル)−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−オールの製造
(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−カルボキシイミダミド塩酸塩218mg及び2−エチル−4−メトキシ−3−オキソブタン酸メチル190mgをエタノール5mLに溶解し、5Mナトリウム メトキシド/メタノール溶液0.36mLを加え、アルゴン雰囲気下90℃で5時間撹拌した。反応液を冷却した後、減圧濃縮し、水18mL加え、更に10%塩酸で酸性にして30分間撹拌した。反応液を飽和重曹水で中和し、酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄した後、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、標記化合物262mgを淡黄色油状物として得た。

工程3 5−エチル−6−(メトキシメチル)−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−イル トリフルオロメタンスルホネートの製造
5−エチル−6−(メトキシメチル)−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−オール105mg、トリフルオロメタンスルホン酸無水物70μL、トリエチルアミン89μL及び、ジクロロメタン8mLを用いて参考例8と同様の操作を行い、標記化合物127mgを無色油状物として得た。

工程4 2−({5−エチル−6−(メトキシメチル)−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリルの製造
5−エチル−6−(メトキシメチル)−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−イル トリフルオロメタンスルホネート125mg、2−アミノ−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル34mg、t−Butyl XPhos34mg、リン酸三カリウム114mg、Pd(dba)28mg及び1,4−ジオキサン3mLを用いて実施例3工程2と同様の操作を行い、標記化合物22mgを橙色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 435(M+H)

実施例58 2−({5−メトキシ−6−[1−(2−メトキシエチル)−1H−ピラゾール−4−イル]−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル
工程1 5−メトキシ−6−[1−(2−メトキシエチル)−1H−ピラゾール−4−イル]−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−イル トリフルオロメタンスルホネートの製造
脱気した1,4−ジオキサン10mLと水1mLの混合溶媒に、5−メトキシ−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4,6−ジイル ビス(トリフルオロメタンスルホネート)1.2g(参考例8)、1−(2−メトキシエチル)−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(参考例15)640mg、炭酸カリウム590mg及び[PdCl(dppf)]CHCl87mgを順次添加し、アルゴン雰囲気下、95℃で3時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水及び飽和食塩水で順次洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、標記化合物794mgを黄色油状物として得た。

工程2 2−({5−メトキシ−6−[1−(2−メトキシエチル)−1H−ピラゾール−4−イル]−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリルの製造
5−メトキシ−6−[1−(2−メトキシエチル)−1H−ピラゾール−4−イル]−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−イル トリフルオロメタンスルホネート790mg、2−アミノ−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル452mg、t−Butyl XPhos510mg、リン酸三カリウム957mg及びPd(dba)550mgに1,4−ジオキサン5mLを加えた。反応混合物を脱気した後、アルゴン雰囲気下、100℃で4時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した後、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロトグラフィーで精製し、標記化合物441mgを淡黄色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 517(M+H)

実施例59 2−({6−[1−(2−ヒドロキシエチル)−1H−ピラゾール−4−イル]−5−メトキシ−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル
工程1 2−({6−[1−(2−{[tert−ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ}エチル)−1H−ピラゾール−4−イル]−5−メトキシ−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリルの製造
脱気した1,4−ジオキサン2mLと水0.4mLの混合溶媒に、6−[(5−シアノ−1,3−チアゾール−2−イル)アミノ]−5−メトキシ−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−イル トリフルオロメタンスルホネート170mg(参考例13)、1−(2−{[tert−ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ}エチル)−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール225mg、炭酸カリウム87mg及び[PdCl(dppf)]CHCl51mgを順次添加し、アルゴン雰囲気下、100℃で5時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水及び飽和食塩水で順次洗浄した後、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、標記化合物166mgを得た。

工程2 2−({6−[1−(2−ヒドロキシエチル)−1H−ピラゾール−4−イル]−5−メトキシ−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリルの製造
2−({6−[1−(2−{[tert−ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ}エチル)−1H−ピラゾール−4−イル]−5−メトキシ−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル166mgをアセトニトリル2mLに溶かし、メタノール0.2mL及びメタンスルホン酸0.29mL加え、室温で終夜撹拌した。反応液に飽和重曹水15mL加え、酢酸エチルで抽出し、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、標記化合物106mgを淡黄色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 503(M+H)

実施例60 2−({5−メトキシ−2’−メチル−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]−4,5’−ビピリミジン−6−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル
脱気した1,4−ジオキサン4mLと水1mLの混合溶媒に、6−[(5−シアノ−1,3−チアゾール−2−イル)アミノ]−5−メトキシ−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−イル トリフルオロメタンスルホネート250mg、2−メチル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリミジン200mg、炭酸カリウム130mg及び[PdCl(dppf)]CHCl38mgを順次添加し、アルゴン雰囲気下、100℃で40分撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水及び飽和食塩水で順次洗浄した後、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、標記化合物220mgを黄色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 485(M+H)
実施例61 2−(4−{5−メトキシ−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]−6−(1,2,4−チアジアゾール−5−イルアミノ)ピリミジン−4−イル}−1H−ピラゾール−1−イル)エタノール
実施例59と同様の方法により、6−[(5−シアノ−1,3−チアゾール−2−イル)アミノ]−5−メトキシ−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−イル トリフルオロメタンスルホネートの代わりに、5−メトキシ−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]−6−(1,2,4−チアジアゾール−5−イルアミノ)ピリミジン−4−イル トリフルオロメタンスルホネートを用い、標記化合物を黄色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 479(M+H)

実施例62 6−[(5−シアノ−1,3−チアゾール−2−イル)アミノ]−N−(トランス−4−ヒドロキシシクロへキシル)−5−メトキシ−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−カルボキサミド
工程1 6−[(5−シアノ−1,3−チアゾール−2−イル)アミノ]−5−メトキシ−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−カルボン酸の製造
実施例54工程1及び工程2と同様の方法により、6−[(5−シアノ−1,3−チアゾール−2−イル)アミノ]−5−メチル−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−イル トリフルオロメタンスルホネートの代わりに、6−[(5−シアノ−1,3−チアゾール−2−イル)アミノ]−5−メトキシ−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−イル トリフルオロメタンスルホネート(参考例13)を用い、標記化合物を淡黄色粉末として得た。

工程2 6−[(5−シアノ−1,3−チアゾール−2−イル)アミノ]−N−(トランス−4−ヒドロキシシクロへキシル)−5−メトキシ−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−カルボキサミドの製造
6−[(5−シアノ−1,3−チアゾール−2−イル)アミノ]−5−メトキシ−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−カルボン酸50mg、トランス−4−アミノシクロヘキサノール26mg、HBTU65mg、DIPEA44mg、DMF1mLを用いて実施例12と同様の操作を行い、標記化合物41mgを白色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 534(M+H)

実施例63 トランス−4−[({6−[(5−シアノ−1,3−チアゾール−2−イル)アミノ]−5−メトキシ−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−イル}カルボニル)アミノ]シクロヘキサンカルボン酸
工程1 トランス−4−[({6−[(5−シアノ−1,3−チアゾール−2−イル)アミノ]−5−メトキシ−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−イル}カルボニル)アミノ]シクロヘキサンカルボン酸メチルの製造
6−[(5−シアノ−1,3−チアゾール−2−イル)アミノ]−5−メトキシ−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−カルボン酸100mg、トランス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸メチル66mg、HBTU130mg、DIPEA88mg、DMF2mLを用いて実施例12と同様の操作を行い、標記化合物113mgを淡黄色粉末として得た。

工程2 トランス−4−[({6−[(5−シアノ−1,3−チアゾール−2−イル)アミノ]−5−メトキシ−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−イル}カルボニル)アミノ]シクロヘキサンカルボン酸の製造
トランス−4−[({6−[(5−シアノ−1,3−チアゾール−2−イル)アミノ]−5−メトキシ−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−イル}カルボニル)アミノ]シクロヘキサンカルボン酸メチル111mg、10%水酸化ナトリウム水溶液0.4mL、THF2mLとメタノール2mLを用いて実施例7と同様の操作を行い、標記化合物69mgを淡黄色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 562(M+H)

実施例64 6−[(5−シアノ−1,3−チアゾール−2−イル)アミノ]−5−メトキシ−N−(2−メトキシエチル)−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−カルボキサミド
6−[(5−シアノ−1,3−チアゾール−2−イル)アミノ]−5−メトキシ−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−カルボン酸30mg、2−メトキシエチルアミン15mg、PyBOP(登録商標)54mg、DIPEA44mg、DMF1mLを用いて実施例12と同様の操作を行い、標記化合物43mgを淡黄色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 494(M+H)

実施例65 2−({6−(6−ヒドロキシピリジン−3−イル)−5−メトキシ−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル
工程1 2−({6−(6−メトキシピリジン−3−イル)−5−メトキシ−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリルの製造
実施例9と同様の方法により、メチルボロン酸の代わりに、2−メトキシ−5−ピリジンボロン酸を用い、標記化合物を黄色粉末として得た。

工程2 2−({6−(6−ヒドロキシピリジン−3−イル)−5−メトキシ−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリルの製造
2−({6−(6−メトキシピリジン−3−イル)−5−メトキシ−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル75mg、ヨウ化ナトリウム67mg、トリメチルシリルクロリド49mg、アセトニトリル2mLを用いて実施例16と同様の操作を行い、標記化合物60mgを茶色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 486(M+H)

実施例66 2−[(5−シアノ−1,3−チアゾール−2−イル)アミノ]−3−シクロプロピル−6−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリジン−4−カルボキサミド
実施例55と同様の方法により、工程3においてメチルボロン酸の代わりにシクロプロピルボロン酸を用い、また工程6においてメチルアミン塩酸塩の代わりに塩化アンモニウムを用いて、標記化合物を淡黄色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 445(M+H)

実施例67 6−[(5−シアノ−1,3−チアゾール−2−イル)アミノ]−5−エチル−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]−N−(メチルスルホニル)ピリミジン−4−カルボキサミド
工程1 6−[(5−シアノ−1,3−チアゾール−2−イル)アミノ]−5−エチル−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−カルボン酸の製造
実施例54工程1及び工程2と同様の方法により、6−[(5−シアノ−1,3−チアゾール−2−イル)アミノ]−5−メチル−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−イル トリフルオロメタンスルホネートの代わりに、6−[(5−シアノ−1,3−チアゾール−2−イル)アミノ]−5−エチル−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−イル トリフルオロメタンスルホネート(参考例16)を用い、標記化合物を淡黄色粉末として得た。

工程2 6−[(5−シアノ−1,3−チアゾール−2−イル)アミノ]−5−エチル−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]−N−(メチルスルホニル)ピリミジン−4−カルボキサミドの製造
6−[(5−シアノ−1,3−チアゾール−2−イル)アミノ]−5−エチル−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−カルボン酸68mgをTHF2mLに溶かし、1,1’−カルボニルジイミダゾール127mg、トリエチルアミン79mg加え、室温で1時間撹拌した。続いて、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン143mg、メタンスルホンアミド89mgを加え、マイクロウエーブを照射しながら140℃で90分間撹拌した。反応液に酢酸を加え中和した後、酢酸エチルで希釈し、水及び飽和食塩水で順次洗浄した後、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、標記化合物53mgを黄色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 512(M+H)

実施例68 2−[(5−シアノ−1,3−チアゾール−2−イル)アミノ]−N−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−3−メチル−6−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリジン−4−カルボキシアミド
実施例55と同様の方法により、工程6においてメチルアミン塩酸塩の代わりにトランス−4−アミノシクロヘキサノールを用いて、標記化合物を淡黄色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 517(M+H)

実施例69 6−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]−4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−N−(1,2,4−チアジアゾール−5−イル)ピリジン−2−アミン
工程1 2,6−ジクロロ−4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピリジンの製造
脱気したジオキサン7.5mlと水2.5mlの混合溶液に、2,6−ジクロロ−4−ヨードピリジン500mg、1−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール379mg、炭酸カリウム753mg及び1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(II)ジクロリド−ジクロロメタン錯体74mgを順次添加し、アルゴン雰囲気下、90℃で2時間攪拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水及び飽和食塩水で順次洗浄後、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去後、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、標記化合物257mgを得た。

工程2 2−クロロ−6−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]−4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピリジンの製造
2,6−ジクロロ−4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピリジン161mg、(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン137mg、DPEphos57mg、ナトリウム tert−ブトキシド102mg及び酢酸パラジウム(II)16mgにトルエン2mLを加え、脱気した後、アルゴン雰囲気下、100℃で9時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した後、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロトグラフィーで精製し、標記化合物104mgを無色油状物として得た。

工程3 6−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]−4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−N−(1,2,4−チアジアゾール−5−イル)ピリジン−2−アミンの製造
2−クロロ−6−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]−4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピリジン104mg、5−アミノ−1,2,4−チアジアゾール33mg、t−Butyl XPhos50mg、リン酸三カリウム125mg、Pd(dba)40mg及び1,4−ジオキサン2mLを用いて実施例3工程2と同様の操作を行い、標記化合物21mgを黄色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 418(M+H)

実施例70 2−({5−エチル−6−メチル−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル マレイン酸塩
実施例9と同様の方法により、工程1において5−メトキシ−6−メチル−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−イル トリフルオロメタンスルホネートの代わりに5−エチル−6−メチル−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−イル トリフルオロメタンスルホネート(参考例16の工程2)を用いて、標記化合物を淡黄色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 405(M+H)
元素分析値 (C2224S・Cとして)
計算値(%) C: 59.98 H: 5.42 N:16.14
実測値(%) C: 59.88 H: 5.43 N:15.90

実施例71 2−({6−アセチル−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]−5,6,7,8−テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−4−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル
工程1 tert−ブチル 4−ヒドロキシ−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]−7,8−ジヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−6(5H)−カルボキシレートの製造
(S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−カルボキシイミダミド塩酸塩500mg、1−tert−ブチル 3−エチル 4−オキソピペリジン−1,3−ジカルボキシレート678mg、5Mナトリウム メトキシド/メタノール溶液0.84mL、エタノール10mLを用いて参考例2と同様の操作を行い、標記化合物902mgを淡黄色粉末として得た。

工程2 tert−ブチル 2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]−4−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}−7,8−ジヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−6(5H)−カルボキシレートの製造
tert−ブチル 4−ヒドロキシ−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]−7,8−ジヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−6(5H)−カルボキシレート900mg、トリフルオロメタンスルホン酸無水物0.48mL、トリエチルアミン0.61mL、ジクロロメタン15mLを用いて参考例8と同様の操作を行い、標記化合物1.02gを無色油状物として得た。

工程3 tert−ブチル 4−[(5−シアノ−1,3−チアゾール−2−イル)アミノ]−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]−7,8−ジヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−6(5H)−カルボキシレートの製造
tert−ブチル 2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]−4−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}−7,8−ジヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−6(5H)−カルボキシレート1.02g、2−アミノ−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル235mg、t−Butyl XPhos319mg、リン酸三カリウム797mg及びPd(dba)3.CHCl3292mgに1,4−ジオキサン10mLを用いて実施例10の工程2と同様の操作を行い、標記化合物372mgを淡黄色粉末として得た。

工程4 2−({2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]−5,6,7,8−テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−4−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリルの製造
tert−ブチル 4−[(5−シアノ−1,3−チアゾール−2−イル)アミノ]−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]−7,8−ジヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−6(5H)−カルボキシレート370mgにトリフルオロ酢酸2mLを加え室温で1時間撹拌した。反応液に飽和重曹水溶液を加えアルカリ性にした後、酢酸エチルで抽出操作を行い、得られた有機層を水及び飽和食塩水で順次洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、標記化合物200mgを淡黄色粉末として得た。

工程5 2−({6−アセチル−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]−5,6,7,8−テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−4−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリルの製造
2−({2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]−5,6,7,8−テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−4−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル100mgを塩化メチレン1.5mLとTHF1.5mLの混合溶媒に溶解し、トリエチルアミン83μLと無水酢酸29μLを加え、室温で4時間撹拌した。反応液に水を加えた後、塩化メチレンで抽出操作を行い、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去した後、析出した固体をろ取し、標記化合物80mgを淡黄色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 460(M+H)

実施例72 2−({2−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]−6−(メチルスルホニル)−5,6,7,8−テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−4−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル
工程1 2−({2−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]−5,6,7,8−テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−4−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリルの製造
実施例71工程1〜4と同様の方法により、(S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−カルボキシイミダミド塩酸塩の代わりに、2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−カルボキシイミダミド塩酸塩を用い、標記化合物を淡黄色粉末として得た。

工程2 2−({2−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]−6−(メチルスルホニル)−5,6,7,8−テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−4−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリルの製造
2−({2−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]−5,6,7,8−テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−4−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル50mgを塩化メチレン2mLに溶解し、DIPEA42μLとメタンスルホニルクロライド11μLを加え、室温で1時間撹拌した。反応液に水を加えた後、塩化メチレンで抽出操作を行い、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去した後、析出した固体をろ取し、標記化合物35mgを白色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 496(M+H)

実施例73 2−({5−エチル−6−(メトキシメチル)−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル 塩酸塩
2−({5−エチル−6−(メトキシメチル)−2−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリルにメタノール及び当量の1N塩酸を加え溶解した。溶媒を留去して、標記化合物を白色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 435(M+H)

実施例74 2−[(5−シアノ−1,3−チアゾール−2−イル)アミノ]−N,3−ジメチル−6−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリジン−4−カルボキサミド メタンスルホン酸塩
2−[(5−シアノ−1,3−チアゾール−2−イル)アミノ]−N,3−ジメチル−6−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリジン−4−カルボキサミドにメタノール及び当量のメタンスルホン酸を加え溶解した。溶媒を留去して、標記化合物を淡黄色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 433(M+H)
元素分析値 (C2324OS・CHS+0.1HOとして)
計算値(%) C: 54.34 H: 5.36 N:15.84
実測値(%) C: 54.00 H: 5.26 N:16.10

実施例 75 2−[(5−シアノ−1,3−チアゾール−2−イル)アミノ]−N,3−ジメチル−6−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリジン−4−カルボキサミド 塩酸塩
2−[(5−シアノ−1,3−チアゾール−2−イル)アミノ]−N,3−ジメチル−6−[(2S)−2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリジン−4−カルボキサミドにメタノールおよび1N塩酸を2当量加え溶かした。溶媒を留去して、標記化合物を淡黄色粉末として得た。
MS(ESI)m/z 433(M+H)
元素分析値 (C2324OS.HCl+0.3HOとして)
計算値(%) C: 58.23 H: 5.44 N:17.71
実測値(%) C: 58.16 H: 5.48 N:17.68
実施例1〜実施例75の構造式を表1〜5に示す。
Figure 2018008881
Figure 2018008881
Figure 2018008881
Figure 2018008881
Figure 2018008881
試験例1:薬効試験(脳室内移植モデルの検討)
5〜6週齢の雄性Balb/C系のヌードマウス(日本クレア)を試験に供した。FIG−ROS融合遺伝子(U118MGヒト神経膠腫細胞由来)を導入することで形質転換したBaF3/FIG−ROS細胞2×10個をマウス脳室内に移植した。移植5日後から被験化合物の投与を開始し、1日2回15日間連続で投与を行い、最終投与日の翌日に脳及び脾臓を取り出し、10%ホルマリン緩衝液で固定した。その後、固定した組織をパラフィン包埋し、ヘマトキシリン・エオジン染色(HE染色)標本を作製して顕微鏡で観察した。
被験化合物としては、クリゾチニブ及び実施例75の化合物を使用した。0.5重量/容量%メチルセルロース水溶液400(メチルセルロース400cP、信越化学工業)を用いて、クリゾチニブは5mg/mLの濃度に、実施例75の化合物は0.5mg/mLの濃度になるように、それぞれの懸濁液を調製し、それら懸濁液を10mL/kgの容量で直接マウスの胃内に投与した。
クリゾチニブ及び実施例75の化合物の投与用量は以下の通りである。

クリゾチニブ:100mg/kg/day
実施例75の化合物:10mg/kg/day

また、被験化合物を投与しないマウス(ビークル投与マウス)には、0.5重量/容量%メチルセルロース水溶液400を10mL/kgの容量で直接マウスの胃内に投与した。

その結果、中枢神経組織である脳においては、クリゾチニブを投与したマウス、ビークル投与マウスともがん細胞の増殖がみられた(図1、2)。末梢の組織である脾臓においては、ビークル投与マウスではがん細胞で満たされていた(図4)が、クリゾチニブを投与したマウスではがん細胞の増殖が抑制され、脾臓の正常な濾胞構造が確認できた(図5)。一方、実施例75の化合物を投与したマウスでは脳、脾臓ともがん細胞が全く検出されず、中枢神経系に浸潤したがん細胞の増殖抑制作用が確認できた(図3、6)。
試験例2:薬効試験(脳室内移植モデル)
5〜6週齢の雄性Balb/C系のヌードマウス(日本クレア)を試験に供した。各群の例数はn=4とした。FIG−ROS融合遺伝子(U118MGヒト神経膠腫細胞由来)を導入することで形質転換したBaF3/FIG−ROS細胞2×10個をマウス脳室内に移植した。移植5日後から被験化合物の投与を開始し、1日2回30日間連続で投与を行い、クリゾチニブ100mg/kg/dayに対する生存延長作用で被験化合物の薬効を評価した。

被験化合物として、実施例1、実施例9、実施例74及び実施例70の化合物、並びにクリゾチニブを使用した。
0.5重量/容量%メチルセルロース水溶液400(メチルセルロース400cP、信越化学工業、東京)を用いて、実施例1の化合物は1.5mg/mL及び5.0mg/mLの濃度に、実施例9の化合物は5.0mg/mLの濃度に、実施例74の化合物は0.5mg/mLの濃度に、実施例70の化合物は1.5mg/mL及び5.0mg/mLの濃度に、クリゾチニブは5.0mg/mLの濃度になるように、それぞれの懸濁液を調製し、それら懸濁液を10mL/kgの容量で直接マウスの胃内に投与した。
被験化合物の投与用量は、以下の通りである。

実施例1の化合物:30mg/kg/day及び100mg/kg/day
実施例9の化合物:100mg/kg/day
実施例74の化合物:10mg/kg/day
実施例70の化合物:30mg/kg/day及び100mg/kg/day
クリゾチニブ:100mg/kg/day

その結果、実施例1の化合物では30mg/kg/day及び100mg/kg/day(図7)の投与群で、実施例9の化合物では100mg/kg/dayの投与群で(図8)、実施例74の化合物では10mg/kg/dayの投与群で(図8)、実施例70の化合物では30mg/kg/day及び100mg/kg/dayの投与群で(図9)、クリゾチニブ100mg/kg/dayの投与群に比べて有意に生存延長作用を示した。
試験例3:中枢移行性試験
7〜8週齢の雄性Balb/C系のマウス(日本エスエルシー)を試験に供した。各群の例数はn=2とした。
被験化合物として、実施例1、実施例9、実施例60、実施例70、実施例73及び実施例74の化合物、並びにクリゾチニブを使用した。0.5重量/容量%のメチルセルロース水溶液400(メチルセルロース400cP、信越化学工業、東京)を用いて、実施例1の化合物は0.5mg/mL及び5.0mg/mLの濃度に、実施例9の化合物は5.0mg/mLの濃度に、実施例60の化合物は10mg/mLの濃度に、実施例70の化合物は0.5mg/mL及び5mg/mLの濃度に、実施例73の化合物は3.0mg/mL及び30mg/mLの濃度に、実施例74の化合物は0.5mg/mLの濃度に、クリゾチニブは10mg/mLの濃度になるように、それぞれの懸濁液を調製し、それら懸濁液を10mL/kgの容量で直接マウスの胃内に投与した。
被験化合物の投与用量は、それぞれ以下の通りである。

実施例1の化合物:5.0mg/kg/day及び50mg/kg/day
実施例9の化合物:50mg/kg/day
実施例60の化合物:100mg/kg/day
実施例70の化合物:5.0mg/kg/day及び50mg/kg/day
実施例73の化合物:30mg/kg/day及び300mg/kg/day
実施例74の化合物:5.0mg/kg/day
クリゾチニブ:100mg/kg/day

被験化合物を投与した1及び4時間後にイソフルランで麻酔後、腹部大静脈より採血を行い、放血致死させた。その後、脳を摘出、秤量後、分析当日まで−20℃以下で冷凍保存した。また、採取した血液はヘパリン処理をした後、遠心(9,000rpm、5分間、4℃)し血漿を分離した。得られた血漿は測定日まで−20℃以下で冷凍保存した。
各時点で得られた50μLの血漿サンプルにそれぞれ5μLのジメチルスルホキシド、内部標準物質であるプロプラノロールを含むアセトニトリル溶液を適宜加えて撹拌し、遠心(13,000rpm、5min、4℃)後、フィルターで吸引濾過を行い、濾液をLC−MS/MS(Quattro micro、waters、Milford)に注入し、化合物の血漿中濃度を求めた。
冷凍保存した脳は、1mL又は2mLの精製水/メタノール=1/1溶液を添加し、ホモジナイザーを用いて氷冷下でホモジナイズした。その後、ホモジネート液から100μLを採取し、10μLのジメチルスルホキシド及び内部標準物質であるプロプラノロールを含むアセトニトリル溶液を適宜加えて撹拌し、遠心(13,000rpm、5分間、4℃)した。遠心後、フィルターで吸引濾過を行い、濾液をLC−MS/MS(Quattro micro、waters、Milford)に注入し、化合物の脳組織中濃度を求めた。脳組織中濃度は以下の計算式に従って算出した。なお、ホモジネート100μL重量(g/mL)は1g/mLとし、ホモジネート全量(g)はホモジナイズした時の精製水/メタノール溶液が1mLの場合は脳重量に0.93を加えた値を、2mLの場合は1.86を加えた値を使用した。
Figure 2018008881

被験化合物の血漿中濃度、脳組織中濃度及び脳組織中濃度/血漿中濃度比を表6に示す(数値は2例の平均値)。実施例1、9、60、70、73及び74の化合物の脳組織内濃度/血漿中濃度比は、クリゾチニブの脳組織内濃度/血漿中濃度比よりも大きかった。
Figure 2018008881
製剤例1
錠剤(内服錠)
処方1錠80mg 中
実施例1の化合物 5.0mg
トウモロコシ澱粉 46.6mg
結晶セルロース 24.0mg
メチルセルロース 4.0mg
ステアリン酸マグネシウム 0.4mg
この割合の混合末を通常の方法により打錠成形し内服錠とする。

Claims (8)

  1. 次の一般式[1]で表される化合物である芳香族複素環誘導体若しくはその医薬上許容される塩、又はその溶媒和物を有効成分として含有する、ROS1チロシンキナーゼが関与する原発性中枢神経系腫瘍又はROS1チロシンキナーゼが関与する中枢神経系に転移したがんの治療のための経口投与用医薬組成物。
    Figure 2018008881
    式中、
    は、ハロゲン、ハロゲンで置換されていてもよいアルキル及びアルコキシからなる群から選択される1個又は2個の基で置換されていてもよいフェニルを表す。
    は、水素、ハロゲンで置換されていてもよいアルキル、シクロアルキル、アルコキシ、ハロゲン又は、アルキルで置換されていてもよいヘテロアリールを表す。
    XはCRを、YはN若しくはCRを表すか、又は、XはNを、YはCRを表す。
    かかるRは、水素、又はアルキルを表す。
    かかるRは、
    1)水素、
    2)アルコキシ及びハロゲンからなる群から選択される1個から3個の基で置換されていてもよいアルキル、
    3)シクロアルキル、
    4)カルバモイル及びアルキルスルホニルからなる群から選択される1個の基で置換されていてもよいフェニル、
    5)ヒドロキシル若しくはアルコキシで置換されていてもよいアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル及びアルコキシからなる群から選択される1個の基で置換されていてもよいヘテロアリール、
    6)カルボキシル、
    7)アルキルオキシカルボニル、又は
    8)ヒドロキシル若しくはアルコキシで置換されていてもよいアルキル、アルキルスルホニル、アルキルで置換されていてもよい飽和複素環基、及び、ヒドロキシル若しくはカルボキシルで置換されていてもよいシクロアルキルからなる群から選択される1個若しくは2個の基で置換されていてもよいカルバモイルを表す。また、XがNであって、YがCRである場合には、RとRが一緒になって、
    が結合する炭素原子、Rが結合する炭素原子とともに下記一般式で表される基を形成してもよい。
    Figure 2018008881
    (式中、Qは、アルキルカルボニル、又はアルキルスルホニルを表す。)
    Zは、CR又はNを表し、かかるRは、アルキル、アルコキシカルボニル、ハロゲン又はシアノを表す。
  2. 有効成分が、一般式[1]で表される化合物において、ZがCRであり、かかるRがシアノである芳香族複素環誘導体若しくはその医薬上許容される塩、又はその溶媒和物である、請求項1に記載の経口投与用医薬組成物。
  3. 有効成分が、一般式[1]で表される化合物において、Rがアルキルで置換されているフェニルである芳香族複素環誘導体若しくはその医薬上許容される塩、又はその溶媒和物である、請求項1に記載の経口投与用医薬組成物。
  4. 有効成分が、一般式[1]で表される化合物において、YがCRである芳香族複素環誘導体若しくはその医薬上許容される塩、又はその溶媒和物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の経口投与用医薬組成物。
  5. 有効成分が、一般式[1]で表される化合物において、XがNである芳香族複素環誘導体若しくはその医薬上許容される塩、又はその溶媒和物である、請求項4に記載の経口投与用医薬組成物。
  6. 有効成分が、一般式[1]で表される化合物において、Rがアルキル、若しくはアルコキシであるか、又はRとRが一緒になって、Rが結合する炭素原子、Rが結合する炭素原子とともに下記一般式で表される基:
    Figure 2018008881
    (式中、Qは、前記と同義である。)
    を形成している芳香族複素環誘導体若しくはその医薬上許容される塩、又はその溶媒和物である、請求項5に記載の経口投与用医薬組成物。
  7. 有効成分が、一般式[1]で表される化合物において、以下の(1)〜(6)のいずれかの化合物である芳香族複素環誘導体若しくはその医薬上許容される塩、又はその溶媒和物である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の経口投与用医薬組成物。
    (1)2−({6−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピラジン−2−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル、
    (2)2−({5−メトキシ−6−メチル−2−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル、
    (3)2−[(5−シアノ−1,3−チアゾール−2−イル)アミノ]−N,3−ジメチル−6−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリジン−4−カルボキサミド、
    (4)2−({5−エチル−6−(メトキシメチル)−2−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル、
    (5)2−({5−メトキシ−2’−メチル−2−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]−4,5’−ビピリミジン−6−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル、又は
    (6)2−({5−エチル−6−メチル−2−[2−(4−メチルフェニル)ピロリジン−1−イル]ピリミジン−4−イル}アミノ)−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル。
  8. 有効成分が、一般式[1]で表される化合物において、Rの結合する炭素原子がS配置である芳香族複素環誘導体若しくはその医薬上許容される塩、又はその溶媒和物である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の経口投与用医薬組成物。
JP2014232457A 2014-11-17 2014-11-17 経口投与用医薬組成物 Pending JP2018008881A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014232457A JP2018008881A (ja) 2014-11-17 2014-11-17 経口投与用医薬組成物
PCT/JP2015/082152 WO2016080361A1 (ja) 2014-11-17 2015-11-16 経口投与用医薬組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014232457A JP2018008881A (ja) 2014-11-17 2014-11-17 経口投与用医薬組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018008881A true JP2018008881A (ja) 2018-01-18

Family

ID=56013898

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014232457A Pending JP2018008881A (ja) 2014-11-17 2014-11-17 経口投与用医薬組成物

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2018008881A (ja)
WO (1) WO2016080361A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107184584B (zh) * 2017-06-13 2018-07-13 赵磊 一种治疗阿尔茨海默病的药物

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA2872645A1 (en) * 2012-05-30 2013-12-05 Nippon Shinyaku Co., Ltd. Aromatic heterocyclic derivative and pharmaceutical

Also Published As

Publication number Publication date
WO2016080361A1 (ja) 2016-05-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7460593B2 (ja) サイクリン依存性キナーゼ7(cdk7)の阻害剤
US10494374B2 (en) Pyrrolopyrimidines as CFTR potentiators
AU2016219822B2 (en) Bicyclic heterocycles as FGFR inhibitors
JP5639261B2 (ja) ピラゾリルキノキサリンキナーゼ阻害剤
KR101757959B1 (ko) 질소 함유 헤테로아릴 화합물
JP7191799B2 (ja) ピリミジン化合物及びその医薬用途
US9145414B2 (en) 1,2,4-triazine-6-carboxamide derivative
JP6176244B2 (ja) 芳香族複素環誘導体及び医薬
JP5714573B2 (ja) キヌレニン産生抑制作用を有する含窒素複素環化合物
TWI644899B (zh) Flap調節劑
US20130225548A1 (en) Pyridine Derivative and Medicinal Agent
PH12015502047B1 (en) Novel pyrimidine and pyridine compounds and their usage
HUE033177T2 (en) Pyrazine is a carboxamide compound
CN105189480A (zh) 在治疗由IKKε和/或TBK-1机制介导的疾病中有用的嘧啶化合物
JP2019507766A (ja) 線維症の治療のための新規化合物及びその医薬組成物
TW200817375A (en) Compounds and compositions as ITPKB inhibitors
JPWO2012020786A1 (ja) 医薬組成物
TW201302730A (zh) 吡唑化合物
JPWO2012005299A1 (ja) Rosチロシンキナーゼ阻害剤
JP2011136942A (ja) 新規な置換ピリミジン誘導体およびこれを含有する医薬
WO2016080361A1 (ja) 経口投与用医薬組成物