JP2018008588A - 樹脂製パネル構造及び自動車用樹脂製ドア並びに樹脂製ドアの製造方法 - Google Patents

樹脂製パネル構造及び自動車用樹脂製ドア並びに樹脂製ドアの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 建付変形及び熱膨張変形を抑制する補強部材の曲げ剛性及び補強効率の向上と、さらなる軽量化を図ることができるようにした、樹脂製パネル構造と自動車用樹脂製ドア及びその製造方法を提供する。【解決手段】 樹脂製パネルに対して網状の補強材を一体的に成形した樹脂製パネル構造であって、自動車用樹脂製バックドア10とする場合は、樹脂製インナーパネル11及びアウターパネル12,13から構成し、樹脂製インナーパネル11の補強が必要な箇所に補強部材21〜24を備え、補強部材21〜24が、樹脂製インナーパネル11に対して一体成形された網状の補強材であるように構成する。【選択図】 図1

Description

本発明は、樹脂製パネル構造と、この樹脂製パネルを用いた自動車用樹脂製ドア及びその製造方法に関し、特に樹脂製ドアの補強構造に関するものである。
従来から、軽量化と製造コストの低減化などのため、合成樹脂製のパネルが装飾体や広告用看板など各種の用途に多用されており、近年では、自動車のパネル、例えばバックドアにおいても車両軽量化の一環として、その一部、例えばインナーパネルを樹脂により製造した樹脂製バックドアが採用されてきている。このような樹脂製バックドアは、例えばプレス成形した鋼板リインフォースに対して、樹脂製インナーパネルを、一定間隔で配置したボルト及びナットにて固定することにより構成されている。従って、ボルト及びナットの締結作業に時間が掛かると共に、ボルト及びナットの部品コストが比較的高くなってしまう。
また、鋼板リインフォースを樹脂製インナーパネルと樹脂製リブの間に挟み込むように構成された樹脂製バックドアも知られている。ここで、樹脂製インナーパネルと樹脂製リブは、鋼板リインフォースの数箇所にそれぞれ設けられた貫通孔を介して繋がっている。
このような構成の樹脂製バックドアにおいては、鋼板リインフォースと樹脂製インナーパネルの接合性が弱いため、鋼板リインフォースによる曲げ変形抑制の質量効率が低くなってしまう。従って、曲げ変形抑制のために、鋼板リインフォースの厚さを増大させたり寸法を大きくしたりすると、その比重が高いことから、バックドア全体の質量が増大してしまい、軽量化の要請に反することになる。
これに対して、特許文献1の請求項2には、樹脂成形されたインナーパネルにアウターパネルを接着固定して蓋物部品の形状をなし、所定の形状を成すリインフォースをインナーパネル及びアウターパネルとの間に予め設置されて剛性を確保する蓋物部品であり、リインフォースは、所定の形状を成す金属体であり複数の発泡孔を穿設して形成し、リインフォースの内部に通電加熱によって発泡可能な発泡性接着剤を内包させてなり、インナーパネルとアウターパネルとを合わせた状態で金属体に通電し発泡性接着剤を加熱発泡させてインナーパネル及びアウターパネルを接着固定させると共に、金属体を両パネル間に固定させることを特徴とする蓋物部品が開示されている。
特許文献1による蓋物部品によれば、樹脂製インナーパネルとアウターパネルとを合わせた状態で、発泡性接着剤を内包したリインフォースに通電し、発泡性接着剤を発泡させる。発泡した発泡性接着剤は、リインフォースの発泡孔から外部にはみ出して膨張し続ける。これにより、膨張した発泡性接着剤は、リインフォースの外側でインナーパネルとアウターパネルに到達して、リインフォースを包含することにより、インナーパネルとアウターパネルを接着固定する。
従って、樹脂製インナーパネルとアウターパネルの間にリインフォースを配置して通電するだけの簡単な作業で、従来のようなボルト及びナットの締結作業を行なうことなく、短時間にこれらの両パネル及びリインフォースを一体化することが可能であり、作業時間の短縮及び部品コストの削減を図ることができる。
また、発泡性接着剤によって両パネルの間にリインフォースが包含された状態で固定されるので、強度が高められ、十分な剛性と軽量化が得られる。
さらに、発泡性接着剤として低線膨張樹脂発泡剤を使用することによって、樹脂製インナーパネルとアウターパネルの熱膨張抑制が可能になり、両パネルの製造時における熱変形を防止することが可能である。
特開2010−111328号公報
しかしながら、特許文献1による蓋物部品においては、樹脂製インナーパネルとアウターパネルの間の閉断面を発泡性接着剤により充填することになるため、このような閉空間内にワイヤーハーネスが引き回されている場合には、ワイヤーハーネスの交換時に、ワイヤーハーネスの端部に取り付けられたコネクタが通過するためのスペースを確保することができない。
また、発泡性接着剤の発泡の際に、樹脂製インナーパネルとアウターパネルの間の閉空間の中央付近にリインフォースを位置決めして保持する方法が不明確である。
さらに、通電のためにヒンジ部,ダンパーステー部及びロック部を繋ぐ構造のリインフォースが存在しているため、構造が複雑であると共に、重量増大化となってしまう。
また、発泡性接着剤の発泡のために、通電により加熱すると、リインフォースと接している樹脂製インナーパネルの部分が加熱によって変形したり、部分的に溶解してしまうおそれがある。
これに対して、鋼板を剪断、プレス加工した所謂エキスパンドメタルを使用して、二枚の繊維強化熱可塑性樹脂板の間にエキスパンドメタルを挟んで加圧・加熱により一体化した複合積層板をプレス成形し、インナーパネル用金型で製品形状にする方法もある。この複合積層板は、高い曲げ強度と高い剛性を有すると共に、プレス加工により任意の形状に加工することが可能である。
しかしながら、このような構成の複合積層板は、二枚の樹脂体をエキスパンドメタルを挟んで加圧・加熱しているために、樹脂板間の接合性の点で問題があった。
本発明は、以上の点に鑑み、簡単な構成により建付変形及び熱膨張変形を抑制する補強部材の曲げ剛性及び補強効率の向上と、さらなる軽量化を図ることができるようにした、各種用途に使用可能な樹脂製パネル、とくに自動車用樹脂製パネル、さらには樹脂製ドアと、その製造方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するための本発明の第一の構成は、樹脂製パネルの補強が必要な箇所に補強部材を備え、この補強部材が、前記樹脂製パネルに対して一体成形された網状の補強材であることを特徴とする、樹脂製パネル構造である。
本発明の第二の構成は、前記パネルの一方が樹脂製のパネルから構成されており、この樹脂製パネルの補強が必要な箇所に補強部材を備え、他方のパネルと接合してなるパネル構造であって、前記補強部材を、前記一方の樹脂製パネルに対して一体成形された網状の補強材としたことを特徴とする。
さらに、本発明の第三の構成は、樹脂製インナーパネルと金属製アウターパネルとから構成された自動車用樹脂製ドアにおいて、樹脂製インナーパネルの補強が必要な箇所に補強部材を備えていることを特徴とする。
上記構成によれば、樹脂製パネルに網状の補強材を使用していることから、網状の補強材の多数の穴を介して、その両側にある樹脂が互いに一体化されることになるので、一体成形により樹脂製パネルを構成する樹脂と心材としての網状の補強材の接触面積が大きく、これらの間の接合性が大幅に向上する。従って、補強が必要な箇所において曲げ剛性が向上することになり、強度を高める必要がある樹脂製パネルの補強が必要な領域に対し、例えば自動車用のバックドアにおいては樹脂製のパネルを用いたときの自重やダンパーステーの反力による建付時及び熱膨張時の変形量が軽減され、補強効率が向上する。
また、補強部材を例えばバックドアの樹脂製インナーパネルに対してボルト及びナットで締結する必要がないので、作業時間が短くなり、組立コスト及び部品コストが低減されると共に、ボルト及びナットの分だけ軽量化されることになる。さらに、樹脂製インナーパネルにより画成される内部空間が発泡性材料により充填されるようなことがないので、ワイヤーハーネスやその端部に接続されたコネクタが通るためのスペースが確保されており、ワイヤーハーネスの交換が容易に行なわれる。
本発明による樹脂製パネル、とくに、自動車用樹脂製ドアは、好ましくは、補強部材が樹脂製インナーパネルの厚さ方向の中心に配置されている。この構成によれば、補強部材が樹脂製インナーパネルの厚さ方向の中心に配置されることによって、補強が必要な箇所において、確実に曲げ剛性が向上することになると共に、樹脂製インナーパネルの表面に補強部材の一部が露出して、見栄えが損なわれるようなことがない。
本発明による樹脂製パネル及び自動車用樹脂製ドアは、好ましくは、網状の補強材が、エキスパンドメタルまたはパンチングメタルである。従って、金属製の補強材を網状に加工することによって、容易に且つ低コストで網状の補強材を得ることができると共に、所望の曲げ剛性を確保することが可能である。特にエキスパンドメタルの場合には、材料の無駄が少なく、コストが低減されると共に、加工の際の歩留りが向上する。
本発明による樹脂製パネルは、好ましくは、網状の補強材が、ガラス繊維,カーボン繊維またはケブラー繊維等の繊維を混入した繊維強化材料から成る。これにより、容易に入手できる繊維強化材料によって、各種の樹脂製パネル及び樹脂製ドアの補強が必要な箇所で曲げ剛性を向上させることができる。
本発明による自動車用樹脂製ドアは、好ましくは、樹脂製インナーパネルのヒンジ,ダンパーステー,ロック部等の他の部品との連結部に、小型リテーナが備えられている。よって、これらの連結部においては、従来のようなリインフォースを使用することなく、小型リテーナを利用することにより、コスト低減及び軽量化を図ることができる。
本発明の第四の構成は、樹脂製インナーパネル及びアウターパネルから構成されており、樹脂製インナーパネルの補強が必要な箇所に補強部材を備えている自動車用樹脂製ドアの製造方法であって、まず補強部材として網状の補強材を樹脂製インナーパネルの補強が必要な箇所の形状に合わせて成形する第一の段階と、続いて補強部材を樹脂製インナーパネルの成形型内の所定位置にセットする第二の段階と、次に成形型にて樹脂製インナーパネルを一体成形する第三の段階と、最後に、前記樹脂製インナーパネルに対してアウターパネルを取り付ける第四の段階と、を有することを特徴とする。
この構成によれば、一体成形により樹脂製インナーパネルを構成する樹脂と心材である網状の補強材の接触面積が大きく、これらの間の接合性が大幅に向上する。従って、補強が必要な箇所において曲げ剛性が向上し、ドアの自重やダンパーステーの反力による建付時及び熱膨張時の変形量が軽減される。
また、補強部材を樹脂製インナーパネルに対してボルト及びナットで締結する必要がないので、作業時間が短くなり、組立コスト及び部品コストが低減される。
本発明による自動車用樹脂製ドアの製造方法は、好ましくは、網状の補強材が、エキスパンドメタル,パンチングメタルまたはガラス繊維,カーボン繊維,ケブラー繊維等の繊維を混入した繊維強化材料から成る。
本発明による自動車用樹脂製ドアの製造方法は、好ましくは、成形型が、網状の補強材の網目の穴よりも小さく且つ網状の補強材の網目に係合する型突起を備えている。この構成によれば、第三の段階による一体成形時に型突起が網状の補強材の網目に係合することにより、成形ヒケが防止され、成形された樹脂製インナーパネルの厚さが一定に維持される。また、網状の補強材を成形型内の所定位置にセットする際に、これらの突起が引っ掛かりとなって、網状の補強材が型突起により確実に把持された状態で成形型内にセットされる。
本発明による自動車用樹脂製ドアの製造方法は、好ましくは、成形型が、網状の補強材の成形型内での位置決めのための位置決め用突起を備えている。これにより、網状の補強材を成形型内にセットする際、位置決め用突起により網状の補強材が成形型内の所定位置に正確に位置決めされるので、成形された樹脂製インナーパネルの厚さ方向の中心に網状の補強材が確実に配置される。
本発明による自動車用樹脂製ドアの製造方法は、好ましくは、第二の段階において、成形型内に溶融樹脂を注入することにより、樹脂製インナーパネルと網状の補強材との一体成形が行なわれる。
本発明による自動車用樹脂製ドアの製造方法は、好ましくは、第二の段階において、網状の補強材を樹脂材で覆った後に成形型内にセットし、第三の段階において加熱と加圧により樹脂製インナーパネルと網状の補強材との一体成形を行なう。従って、位置決め用突起を設けることなく、樹脂製インターパネルの厚さ方向の中心に網状の補強材を確実に配置することができる。
本発明による自動車用樹脂製ドアの製造方法は、好ましくは、第三の段階の後に、樹脂製インナーパネルのヒンジ,ダンパーステー,ロック部等の他の部品との連結部に、小型リテーナをリベットにより固定する。よって、従来のようなボルト及びナットによる締結作業が不要となり、組立コスト及び部品コストが低減する。
このようにして、本発明によれば、簡単な構成により、建付変形及び熱膨張変形を抑制する内蔵補強部材の曲げ耐力及び補強効率の向上と、さらなる軽量化を図ることができる、極めて優れた樹脂製パネル及び自動車用樹脂製ドア並びにその製造方法を提供することができる。
本発明のパネル構造を自動車用樹脂製バックドアに適用した場合の一実施形態の構成を示す概略斜視図である。 図1の自動車用樹脂製バックドアにおいて、(A)は上部に、(B)は下部に使用される補強部材を示す概略斜視図である。 図1の自動車用樹脂製バックドアにおけるA−A線断面図である。 図1の自動車用樹脂製バックドアにおけるB−B線断面図である。 図1の自動車用樹脂製バックドアにおけるC−C線断面図である。 本発明のパネル構造を自動車用樹脂製バックドアに適用した場合の製造工程を順次に示すフローチャートである。 図6のフローチャートにおける加工例の概略斜視図であり、(A)はステップST1、(B)はステップST2を示す。 図6のフローチャートにおけるステップST3の加工例を示す概略断面図である。 図6のフローチャートにおけるステップST3での補強材の成形型へのセット状態を示す概略断面図である。 図9のセット状態の要部を拡大して示す部分拡大斜視図である。
以下、図面に示した実施形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明による樹脂製パネルを、自動車用樹脂製ドア、とくにバックドア10に適用した場合の一実施形態の構成を示している。図2は、図1の自動車用樹脂製バックドア10において、(A)は上部に、(B)は下部に使用される補強部材21〜24を示す概略斜視図である。
図1において、自動車用樹脂製バックドア10は、樹脂製インナーパネル11と、アウターアッパーパネル12と、アウターロアパネル13と、から構成されている。
なお、アウターアッパーパネル12及びアウターロアパネル13は、共に従来と同様の公知の構成であって、樹脂材料から所定形状に成形されており、その外縁が樹脂製インナーパネル11の周縁の所定位置にウレタン接着等により取り付けられる。
樹脂製インナーパネル11は、例えばポリプロピレン(PP),ガラス繊維入りポリプロピレン(PP−GF),カーボン繊維入りポリプロピレン(PP−CF)などの樹脂材料から所定形状に成形されており、その高い曲げ剛性が必要な箇所にそれぞれ補強部材21〜24(後述)がインサート成形により埋め込まれて一体化されている。補強部材21〜24は、図2に示すように樹脂製インナーパネル11の所定箇所の形状に対応して前もって裁断・成形されており、樹脂製インナーパネル11内に完全に収まるような形状を有している。
ここで、各補強部材21〜24は、具体的には図2(A)に示す左上補強部材21及び右上補強部材22と、図2(B)に示す左下補強部材23及び右下補強部材24と、から構成されている。なお、左下補強部材23及び右下補強部材24は、バックドア10の形状によっては省略されてもよい。
各補強部材21〜24は網状の補強材、図示の場合は、エキスパンドメタルから構成されている。エキスパンドメタルは公知の構成であって、板厚0.5〜1.5mm程度の鋼板から成り、一辺が3〜10mm程度の菱形または六角形の網目を有するように、剪断加工・プレス加工により平坦な網形状に形成された後、後述するように樹脂製インナーパネル11の形状に合わせてトリム・プレス成形により形成される。
これにより、樹脂製インナーパネル11を構成する樹脂材料は、各補強部材21〜24が存在する領域において、その表裏の部分が各補強部材21〜24の網目を通して互いに接触し一体化するので、樹脂製インナーパネル11を構成する樹脂材料と各補強部材21〜24との接合性が良好となり、各補強部材21〜24を含む領域の曲げ剛性が向上する。
さらに、樹脂製インナーパネル11には、そのヒンジ及びダンパーステーの設置箇所に隣接して、それぞれ小型リテーナ14,15がリベット締結により取り付けられている。
図3は図1の自動車用樹脂製バックドア10におけるA−A線断面図を示し、図4は図1の自動車用樹脂製バックドア10におけるB−B線断面図、図5は図1の自動車用樹脂製バックドア10におけるC−C線断面図である。
ヒンジ用の小型リテーナ14は、図3に示すように横長の長方形状の板材から構成されており、樹脂製バックドア10のヒンジが取り付けられる領域を補強するために、その横方向両端付近で、樹脂製インナーパネル11を貫通する取付穴11aに挿通されるリベット16により樹脂製インナーパネル11に対して締結されている。
ここで、小型リテーナ14には、二つのリベット16の間にて、ヒンジ(図示せず)取付用のナット17がカラー17aを介して取り付けられている。
なお、小型リテーナ14は、樹脂製インナーパネル11内に埋め込まれた補強部材21に隣接して配設されており、ヒンジから小型リテーナ14に印加される応力が、小型リテーナ14から補強部材21に逃がされることにより、樹脂製インナーパネル11のヒンジ取付領域の剛性がより一層高められている。
ダンパーステー用の小型リテーナ15は、図4及び図5に示すように、正方形または長方形状の板材から構成されており、樹脂製バックドア10のダンパーステーが取り付けられる領域を補強するために、その横方向両端付近で、樹脂製インナーパネル11を貫通する取付穴11bに挿通されるリベット18により樹脂製インナーパネル11に対して締結されている。
ここで、小型リテーナ15には、二つのリベット18の間にて、ダンパーステー(図示せず)取付用のナット19がカラー19aを介して取り付けられている。
なお、小型リテーナ15は、樹脂製インナーパネル11内に埋め込まれた補強部材21に隣接して配設されており、ダンパーステーから小型リテーナ15に印加される応力が、小型リテーナ15から補強部材21及び23に逃がされることにより、樹脂製インナーパネル11のダンパーステー取付領域の剛性がより一層高められている。
本発明実施形態の自動車用樹脂製バックドア10は、以上のように構成されており、次に、樹脂製パネルとして、例えば自動車用樹脂製バックドア10を製造する方法の一例を説明する。
図6は、図1の自動車用樹脂製バックドア10の製造工程を順次に示すフローチャートであり、図7は、図6のフローチャートにおける加工例の概略斜視図であり、(A)はステップST1、(B)はステップST2を示す。
まずステップST1において、図7(A)に示すように、平坦なエキスパンドメタル30を太線で示す切断線に沿って適宜の形状に裁断した後、ステップST2にて、図7(B)に示すように、樹脂製インナーパネル11の取り付けるべき領域の形状に対応してトリム・プレス成形されることにより、補強部材21が製造される。他の補強部材22〜24も、同様にして樹脂製インナーパネル11の形状に対応してそれぞれ成形される。
次に、ステップST3において、成形された各補強部材21〜24が樹脂製インナーパネル11を成形するための成形型40(図8参照)のキャビティ内にセットされる。
図8は、図6のフローチャートにおけるステップST3の加工例を示す概略断面図であり、図9は、図6のフローチャートにおけるステップST3での補強材の成形型40へのセット状態を示す概略断面図であり、図10は、図9のセット状態の要部を拡大して示す部分拡大斜視図である。
成形型40は、図8に示すように固定側の下型41と可動側の上型42とから構成されており、上型42が下型41に向かって降下して閉じた状態で、下型41と上型42との間に画成されるキャビティ内に溶融樹脂が注入されて、樹脂製インナーパネル11が成形されるようになっている。なお、図8においては、成形型40は、補強部材21がセットされる領域の縦断面図で示されている。
ここで、下型41は、図9に詳細に示すように、各補強部材21〜24の網目の穴よりも1〜2mm程度小さい型突起41aと、成形型40のキャビティ内で長手方向及び幅方向の位置決めを行なう位置決め用突起41b,41cと、を有している。型突起41aは、成形時の成形ヒケ防止用であり、補強部材21〜24に対して適宜の間隔で設けられる。
また、長手方向の位置決め用突起41b及び幅方向の位置決め用突起41cは、それぞれ成形時の長手方向及び幅方向の位置決めを行なうものであり、それぞれ長手方向及び幅方向に関して例えば50mm程度の間隔で設けられる。
そして、成形型40の下型41に補強部材21がセットされると、図9に詳細に示すように、補強部材21に設けられた型突起41aが、下型41の成形面に対向する補強部材21の網目内に係合する。これにより、成形時における成形品の成形ヒケが防止されることになり、ヒケによる成形品の厚さのバラツキが抑制されることになる。
また、長手方向及び幅方向の位置決め用突起41b,41cが、補強部材21の周縁領域に当接することにより、補強部材21全体が長手方向及び幅方向に関して、下型41の成形面から適宜に距離をあけて位置決めされる。こうして、補強部材21が成形品の厚さ方向の中心にセットされることになる。
なお、他の補強部材22〜24の領域においても、同様に各補強部材22〜24が下型41の成形面に対してセットされる。
続いて、ステップST4では、成形型40のキャビティ内に溶融樹脂が注入される。これにより、補強部材21〜24がインサート成形された樹脂製インナーパネル11が成形されることになる。その際、補強部材21〜24は、樹脂製インナーパネル11の補強が必要な箇所にてそれぞれ厚さ方向の中心にインサート成形される。
その後、ステップST5において、樹脂製インナーパネル11のヒンジ取付領域及びダンパーステー取付領域に対して、それぞれ小型リテーナ14及び15が取り付けられる。
最後に、ステップST6では、樹脂製インナーパネル11の所定位置に対して、それぞれアウターアッパーパネル12及びアウターロアパネル13がウレタン接着により取り付けられ、樹脂製バックドア10が完成する。
図10は、前述した樹脂製インナーパネル11の製造工程におけるステップST3及びステップST4を実施する他の例を示している。
この場合、各補強部材21〜24は、図10(A)に示すように、樹脂製インナーパネル11の形状に合わせて成形され、その後図10(B)に示すように、シート状の樹脂材料50により覆われる。これにより、各補強部材21〜24の表面及び裏面に対して同じ厚さのシート状の樹脂材料50が配置されることになる。
そして、このようにしてシート状の樹脂材料50により覆われた各補強部材21〜24は、成形型40のキャビティ内に配置され、成形型40が閉じられた状態で加熱と加圧されることにより、樹脂製インナーパネル11が成形される。このとき、樹脂製インナーパネル11の内部では、厚さ方向の中心に各補強部材21〜24が配置されることになる。
このようにして、各補強部材21〜24をシート状の樹脂材料50で覆っておくことにより、各補強部材21〜24が樹脂製インナーパネル11の厚さ方向の中心に配置されると共に、成形ヒケが防止されることになる。
本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲において様々な形態で実施することができる。
上記実施の形態では、本発明を自動車用のバックドアに樹脂製パネルを適用した例について説明したが、樹脂製のパネルは自動車のバックドアに限られることなく、乗降用の開閉ドアやトランクリッドのようなドア部分にも適用し得る。さらに、自動車用に限ることなく、住宅、遊園地・アトラクションの乗り物など、各種の用途に適用することもできる。例えば屋外に設置して使用する用途の場合は、風雨や温度差などで苛酷の条件に晒されるが、このような状況のもとでも、樹脂製パネルの補強が必要な適宜の箇所に、補強部材を前記樹脂製パネルに配置することで、補強部材が網状の補強材であることによって樹脂製パネルと一体成形により形成することができるため、苛酷な条件に耐えられる堅固でしかも軽量な各種表示パネルとすることができる。
例えば、上述した実施形態においては、補強部材21〜24は鋼板から成るエキスパンドメタルにより構成されているが、これに限らず、網状の補強材であれば、例えば鋼鉄,アルミニウム,ステンレス鋼,銅,チタン等の金属から成るエキスパンドメタルやパンチングメタルや、ガラス繊維,カーボン繊維またはケブラー繊維等の繊維材を混入した繊維強化材等を網目状に加工したものも使用することができる。
なお、このような網目状の補強材は、何れも融点が高いので、樹脂製インナーパネルのインサート成形の際に変形等の影響を受けることがない。
10 自動車用樹脂製バックドア
11 樹脂製インナーパネル
11a,11b 取付穴
12 アウターアッパーパネル
13 アウターロアパネル
14,15 小型リテーナ
16,18 リベット
17,19 ナット
17a,19a カラー
21〜24 補強部材(網目状の補強材)
21 左上補強部材
22 右上補強部材
23 左下補強部材
24 右下補強部材
30 エキスパンドメタル
40 成形型
41 下型
41a 型突起
41b 位置決め用突起(長手方向)
41c 位置決め用突起(幅方向)
42 上型
50 シート状の樹脂材料

Claims (10)

  1. 樹脂製パネルの補強が必要な箇所に補強部材を備え、
    前記補強部材が、前記樹脂製パネルに対して一体成形された網状の補強材であることを特徴とする、パネル構造。
  2. 一方が前記樹脂製パネルから構成され、該樹脂製パネルの補強が必要な箇所に補強部材を備え、他方のパネルと接合してなるパネル構造において、
    前記補強部材が、前記一方の樹脂製パネルに対して一体成形された網状の補強材であることを特徴とする、請求項1に記載のパネル構造。
  3. 前記補強部材が、前記樹脂製パネルの厚さ方向の中心に配置されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のパネル構造。
  4. 前記網状の補強材が、エキスパンドメタルまたはパンチングメタルであることを特徴とする、請求項1から3の何れかに記載のパネル構造。
  5. 前記網状の補強材が、ガラス繊維,カーボン繊維またはケブラー繊維等の繊維を混入した繊維強化材料から成ることを特徴とする、請求項1から4の何れかに記載のパネル構造。
  6. 前記一方の樹脂製パネルがインナーパネルであり、前記他方のパネルが金属製アウターパネルであり、前記樹脂製インナーパネルの補強が必要な箇所に補強部材を備えていることを特徴とする、請求項1から6の何れかに記載の自動車用樹脂製ドア。
  7. 前記樹脂製インナーパネルのヒンジ,ダンパーステー,ロック部等の他の部品との連結部に、小型リテーナが備えられていることを特徴とする、請求項6に記載の自動車用樹脂製ドア。
  8. 樹脂製インナーパネル及びアウターパネルから構成されており、前記樹脂製インナーパネルの補強が必要な箇所に補強部材を備えている自動車用樹脂製ドアの製造方法であって、
    まず前記補強部材として網状の補強材を、前記樹脂製インナーパネルの補強が必要な箇所の形状に合わせて成形する第一の段階と、
    続いて、前記補強部材を前記樹脂製インナーパネルの成形型内の所定位置にセットする第二の段階と、
    次に、前記成形型にて前記樹脂製インナーパネルを一体成形する第三の段階と、
    最後に、前記樹脂製インナーパネルに対してアウターパネルを取り付ける第四の段階と、
    を有することを特徴とする、自動車用樹脂製ドアの製造方法。
  9. 前記成形型が、前記網状の補強材の網目の穴よりも小さく且つ前記網状の補強材の網目に係合する型突起を備えていることを特徴とする、請求項8に記載の自動車用樹脂製ドアの製造方法。
  10. 前記成形型が、前記網状の補強材の前記成形型内での位置決めのための位置決め用突起を備えていることを特徴とする、請求項8または9に記載の自動車用樹脂製ドアの製造方法。
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