JP2018007586A - 発芽可能米の発芽判定方法、発芽判定装置、処理時間決定装置および発芽装置 - Google Patents

発芽可能米の発芽判定方法、発芽判定装置、処理時間決定装置および発芽装置 Download PDF

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Abstract

【課題】胚芽を有し発芽が可能な米である発芽可能米について、その発芽を人手によらず自動的に検知する手法を提供して、もって発芽玄米の生産プロセスの改善に寄与する。【解決手段】発芽可能米の発芽判定方法は、胚芽を有し発芽が可能な米である発芽可能米を水に接触させて光学的に観測して、発芽可能米の発芽状態に関する発芽状態関連情報を経時的に測定する測定ステップと、測定された発芽状態関連情報に基づいて、発芽可能米が発芽したか否かを判定する判定ステップとを行う。【選択図】図5

Description

本発明は、発芽可能米が発芽したか否かを判定する発芽可能米の発芽判定方法および発芽判定装置、発芽可能米が発芽するのに要する処理時間を決定する処理時間決定装置、および発芽可能米を水に接触させて発芽させる発芽装置に関する。
健康に対する関心は、老若男女を問わず高い。その中で健康維持に玄米食が見直され、最近では、通常の玄米に比して消化吸収性が良く、健康上有用な栄養成分を含有していることから、発芽玄米が新たな機能性食品として評価されている。
特開平5−292837号公報 特開2000−93097号公報
ところで発芽玄米の生産プロセスにおいて、玄米の発芽は、玄米を水に浸漬することにより行われる。このとき、玄米の発芽に伴って微生物の増殖が起こる場合がある。
この微生物の増殖を抑制すべく、種々の技術が提案されている。特許文献1の方法では、玄米の水への浸漬の際に発酵防止剤として酢酸が添加される。浸漬水が強酸性であれば、微生物の制御は可能であるが、発芽タンクの劣化を早めるという問題や発芽玄米自体の風味が変わるという問題が生じる。特許文献2の方法では、玄米を攪拌させ、且つ浸漬水を循環させ、その際に0.3μ径以下のUF膜を使用して除菌を行うことで、菌の除去と水の使用量の低減化が可能となっている。この方法は微生物の除去には有効であるが、玄米粒自体の傷を発生させ、その為に糠層、胚芽に存在する栄養成分の滲出までも促進させてしまうデメリットがある。
微生物の増殖を抑制する別の観点として、発芽のための水への浸漬の時間を必要最小限にすることが考えられる。従来、水への浸漬の時間は、予め定められた所定の工程時間であったり、所定時間毎に玄米の状態を目視で観察して、発芽が確認できたら浸漬を終了する、といったものであった。ここで水への浸漬を開始してから発芽するまでの時間は、玄米の状態や、気温や水の温度、工程容器内の玄米の密度などにより変動する。
予め定められた所定の工程時間を適用する場合、発芽前に浸漬を終了してしまう事態を回避するため、工程時間は長めに設定せざるを得ない。また発芽の目視観察で浸漬終了タイミングを決定する場合、頻繁に観察を行うことは負担であるし、夜間に発芽する場合もあるため、やはり浸漬の時間は必要以上に長くなることになる。
本発明は上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、胚芽を有し発芽が可能な米である発芽可能米について、その発芽を人手によらず自動的に検知する手法を提供して、もって発芽玄米の生産プロセスの改善に寄与することにある。
上記目的を達成するための発芽可能米の発芽判定方法の特徴構成は、胚芽を有し発芽が可能な米である発芽可能米を水に接触させて光学的に観測して、前記発芽可能米の発芽状態に関する発芽状態関連情報を経時的に測定する測定ステップと、
測定された前記発芽状態関連情報に基づいて、前記発芽可能米が発芽したか否かを判定する判定ステップとを行う点にある。
上記目的を達成するための発芽判定装置の特徴構成は、
胚芽を有し発芽が可能な米である発芽可能米を収容して水に接触させる測定容器と、
前記測定容器に収容された前記発芽可能米を光学的に観測して、前記発芽可能米の発芽状態に関する発芽状態関連情報を経時的に測定する測定部と、
前記測定部が測定した前記発芽状態関連情報に基づいて、前記発芽可能米が発芽したか否かを判定する判定部とを有する点にある。
発明者らは別途、炊飯対象米を光学的に観測して、炊飯対象米の含水状態を判定する方法を開発していた。この手法の発芽可能米への転用を検討したところ、光学的に観測される情報が発芽に際して特有の変化を示すことが新たに見出された。そして観測情報と発芽との関係が実験的に確認され、本発明の完成に至ったのである。
例えば、発芽可能米からの光の強度(輝度)であれば、水への接触を開始した直後は強度が減少し、その後しばらくは変化しないが、発芽が開始すると増加する。発芽可能米を撮影した画像における発芽可能米に対応する領域の面積は、水への接触を開始した直後は増加し、その後しばらくは変化しないが、発芽が開始すると再び増加する。このように、発芽可能米を水に接触させて光学的に観測して、発芽可能米の発芽状態に関する情報(発芽状態関連情報)を経時的に測定し、測定された発芽状態関連情報に基づいて、発芽可能米が発芽したか否かを判定することができる。よって上記の特徴構成によれば、発芽可能米の発芽を人手によらず自動的に検知することが可能となる。すると例えば、本発明を発芽玄米の生産プロセスに適用して、発芽工程を自動化・最適化することができる。
ここで「発芽可能米」とは、胚芽を有し発芽が可能な米であって、例えば玄米、胚芽米、籾、分づき米などが該当する。「水」とは、例えば常温の水に限らず、冷却・加熱した水や水蒸気を含む。またアルカリイオン水などpHを調整した水や、薬品を混合した水を含む。「水に接触」とは、例えば水に浸漬する場合や、水を連続的/間欠的に散布する場合や、水を含んだスポンジ等に接触させる場合等を含む。
発芽状態関連情報としては、以下に例示されるように様々な情報を採用することができる。
前記発芽状態関連情報が、前記発芽可能米からの光の強度を含んでいてもよい。
また前記発芽状態関連情報が、前記発芽可能米を撮影した画像における発芽可能米に対応する画素の輝度を含んでいてもよい。
また前記発芽状態関連情報が、前記発芽可能米を撮影した画像における、芽に対応する輝度を有する領域の面積を含んでいてもよい。
上述の通り、発芽可能米からの光の強度(輝度)は発芽が開始すると増加するが、これは発芽した芽が白っぽい色であることに起因すると思われる。よって、例えば光学カメラ装置や光センサ等の簡便な装置によって発芽可能米からの光を経時的に測定して、発芽状態関連情報を得て、発芽可能米が発芽したか否かを判定することができる。
また前記発芽状態関連情報が、前記発芽可能米の大きさを含んでいてもよい。
また前記発芽状態関連情報が、前記発芽可能米を撮影した画像における発芽可能米に対応する領域の面積を含んでいてもよい。
上述の通り、発芽可能米を撮影した画像における発芽可能米に対応する領域の面積は、発芽が開始すると増加するが、これは発芽した芽が外へ伸びることにより、発芽可能米に対応する領域が広がって見えることに起因すると思われる。よって、例えば光学カメラ装置やイメージセンサ等の簡便な装置によって発芽可能米を経時的に観測して、発芽状態関連情報を得て、発芽可能米が発芽したか否かを判定することができる。
ここで前記判定ステップにおいて、前記発芽状態関連情報から推定される前記発芽可能米の芽の長さが0.5mm以上3.0mm以下となった場合に、前記発芽可能米が発芽したと判定するよう構成することが可能である。また、前記発芽状態関連情報から推定される前記発芽可能米の芽の長さが0.5mm以上1.0mm以下となった場合に、前記発芽可能米が発芽したと判定するよう構成すると、発芽が過度に進行する事態を回避して、発芽可能米に含まれる栄養素が多くなるため、さらに好適である。
上記目的を達成するための処理時間決定装置の特徴構成は、胚芽を有し発芽が可能な米である発芽可能米を収容して水に接触させる測定容器と、
前記測定容器に収容された前記発芽可能米を光学的に観測して、前記発芽可能米の発芽状態に関する発芽状態関連情報を経時的に測定する測定部と、
前記測定部が測定した前記発芽状態関連情報に基づいて、前記発芽可能米が発芽するのに要する処理時間を決定する決定部とを有する点にある。
上記の特徴構成によれば、測定部が発芽可能米を光学的に観測して、発芽状態関連情報を経時的に測定し、決定部がその発芽状態関連情報に基づいて発芽可能米が発芽するのに要する処理時間を決定するから、発芽可能米が発芽するのに要する処理時間を簡便的確に決定でき、もって発芽玄米の生産プロセスの改善に寄与することができる。
上記目的を達成するための発芽装置の特徴構成は、上述の処理時間決定装置と、前記処理時間決定装置にて決定された処理時間に基づいて前記発芽可能米を水に接触させて発芽させる処理装置とを有する点にある。
上記の特徴構成によれば、処理装置が、処理時間決定装置にて決定された処理時間に基づいて発芽可能米を水に接触させて発芽させるから、発芽工程の時間が適切なものとなり、もって発芽玄米の生産プロセスの改善に寄与することができる。
発芽判定装置の構成を示す概略図 水に浸漬した玄米を光学的に撮影した画像の例(時間=浸漬開始直後) 水に浸漬した玄米を光学的に撮影した画像の例(時間=24時間) 水に浸漬した玄米を光学的に撮影した画像の例(時間=48時間) 輝度の経時的変化を示すグラフ 玄米を撮影した画像における輝度の分布を示すグラフ 輝度の経時的変化を示すグラフ 面積の経時的変化を示すグラフ
(第1実施形態)
以下、第1実施形態に係る発芽判定装置および発芽可能米の発芽判定方法について説明する。以下の説明では、発芽可能米として玄米を用いる例を説明する。
(発芽判定装置)
図1に示す発芽判定装置4は、測定容器41と、測定部42と判定部(図示なし)とを有する。測定容器41は、胚芽を有し発芽が可能な米である発芽可能米を収容して水に接触させる。測定部42は、測定容器41に収容された発芽可能米を光学的に観測して、発芽可能米の発芽状態に関する発芽状態関連情報を経時的に測定する。判定部は、測定部42が測定した発芽状態関連情報に基づいて、発芽可能米が発芽したか否かを判定する。本実施形態では、発芽状態関連情報としては、発芽可能米を撮影した画像における発芽可能米に対応する画素の輝度、すなわち発芽可能米からの光の強度を用いる。
測定容器41は上面が開放された箱状の容器であり、底面は平坦に形成されている。測定容器の下側に照明が配置され、下方から光が照射される。測定容器41の底面は半透明に形成されており、照明からの光の一部が透過する。測定容器41の色は、後述する画像処理を妨げないものであればよいが、白色が好適に用いられる。
測定容器41には、上側の開口部から、複数の発芽可能米が投入され、測定容器41の底面に分散した状態で配置される。個数の多寡はそれほど問題にはならないが、極端に少ない場合には、異常な米粒(割れ・傷を有するもの)が判定結果に悪影響を及ぼす可能性が大きくなる。また極端に多い場合には、米粒同士の接触・重なりが多数発生し、同様に判定結果に悪影響を及ぼす可能性がある。本実施形態では、100粒程度、すなわち一掴み程度の発芽可能米が適当である。
そして測定容器41の開口部から水が注がれ、発芽可能米が水に浸漬された状態となる。上述したように、「水」としては常温の水に限らず、冷却、加熱した水も含み、薬品等を含有するものも含まれる。
測定部42は例えば、測定容器41の底面を上側から撮影するデジタルカメラと、デジタルカメラで撮影された画像に対して画像処理を施すコンピューターとによって構成することができる。判定部は、画像データや数値に対して演算処理等を行うコンピューターによって構成することができる。
(発芽可能米の発芽判定方法)
以上説明した発芽判定装置4において、以下に示す発芽可能米の発芽判定方法が行われる。発芽可能米の発芽判定方法は、測定ステップと、判定ステップとを有する。
(測定ステップ)
測定ステップでは、胚芽を有し発芽が可能な米である発芽可能米を水に接触させて光学的に観測して、発芽可能米の発芽状態に関する発芽状態関連情報を経時的に測定する。測定ステップは、撮影ステップと、画像処理ステップと、情報取得ステップとを有する。
(撮影ステップ)
撮影ステップでは、発芽可能米を光学的に撮影して測定画像を得る。具体的には、測定部42のデジタルカメラで測定容器41の底面を撮影する。つまり測定部42は、発芽可能米からの光であって、発芽可能米を透過した光を観測することになる。
図2〜4は、撮影画像の一例であり、4個の玄米R1〜R4が撮影されている。図2は水への浸漬を開始した直後の撮影画像である。図3は水への浸漬を開始してから24時間経過後の撮影画像である。浸漬の開始直後に比べて、図3の24時間経過後では、玄米R1〜R4に対応する領域が暗くなっている。すなわち、玄米R1〜R4を透過した透過光の強度が減少している。なおこの24時間経過後の状態では、玄米R1〜R4はいずれも発芽していない。
図4は、水への浸漬を開始してから48時間経過後の撮影画像である。玄米R2〜R4は発芽しており、右下側に芽S2〜S4が生じている。玄米R1は発芽していない。
(画像処理ステップ)
画像処理ステップでは、撮影画像から発芽可能米に対応する領域を抽出する。具体的には、撮影ステップで測定部42のデジタルカメラが撮影した撮影画像に対し、画像処理を施し、玄米R1〜R4に対応する領域を抽出する。撮影画像において、玄米R1〜R4に対応する部位では、照明からの光が、測定容器41の底面と玄米R1〜R4とを透過して測定部42に到達している。そうすると玄米R1〜R4に対応する部位は、測定容器41の底面に対応する部位に比べて暗く(輝度が小さく)なる。そこで玄米R1〜R4に対応する部位と、測定容器41の底面に対応する部位との中間の輝度を閾値として設定し、その閾値より輝度が小さい画素を玄米R1〜R4に対応する画素に分類することで、玄米R1〜R4に対応する領域を抽出することができる。
(情報取得ステップ)
情報取得ステップでは、画像処理ステップで抽出した、発芽可能米に対応する領域から、発芽状態関連情報を取得する。本実施形態では、発芽状態関連情報として輝度の平均値を取得する。具体的には、玄米R1〜R4に対応する領域に属する全ての画素について、輝度を合計し、領域の画素の総数で除して、輝度の平均値を得る。
以上の撮影ステップ、画像処理ステップおよび情報取得ステップを繰り返し行い、各時刻の輝度の平均値(発芽状態関連情報)を取得することにより、測定ステップにおける発芽状態関連情報の経時的な測定が行われる。
図5は、図2〜図4で示した玄米R1〜R4に対して上述の測定ステップを行うことで得られた、輝度の平均値の時間変化の測定例である。横軸は、浸漬時間である。縦軸は輝度の変化率であり、時刻0(浸漬開始直後)の輝度を基準(100%)として表している。輝度は、浸漬開始から減少を続け、5時間付近で減少が収まりほぼ一定の値となる。そして45時間付近から、増加を開始する。図4で示した通り、浸漬開始から48時間経過後には、玄米R2〜R4が発芽していることから、図5の輝度の増加と、玄米R2〜R4の発芽とが対応していると考えられる。以上の実験結果から、発芽可能米を撮影した画像における発芽可能米に対応する画素の輝度、すなわち発芽可能米からの光の強度と、発芽可能米の発芽とが相関することが示された。
(判定ステップ)
判定ステップでは、測定された発芽状態関連情報に基づいて、発芽可能米が発芽したか否かの判定が行われる。判定には、種々の手法を用いることができる。たとえば、発芽状態関連情報(輝度)が所定の閾値を超えた時点で発芽したと判定する方法や、発芽状態関連情報(輝度)の増加率が所定の閾値よりも大きくなった時点で発芽したと判定する方法などが考えられる。図5のグラフでは、40時間〜50時間の間で、発芽可能米が発芽したと考えられる。
なお判定ステップにおいて、発芽状態関連情報から推定される発芽対象米の芽の長さが0.5mm以上3.0mm以下となった場合、あるいは芽の長さが0.5mm以上1.0mm以下となった場合に、発芽可能米が発芽したと判定するよう構成するには、例えば次の手法が考えられる。発芽可能米を水に浸漬して、芽の長さが0.5mm以上3.0mm以下(あるいは0.5mm以上1.0mm以下)になった時点で、上述の測定ステップを行い、発芽状態関連情報(例えば、輝度)を取得する。その値を閾値として設定し、判定ステップを実行する。
(第2実施形態)
第2実施形態以降の説明では、第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、説明を省略する。上述した第1実施形態では、発芽状態関連情報として画素の輝度(光の強度)が用いられた。第2実施形態では、発芽可能米を撮影した画像における、芽に対応する輝度を有する領域の面積が、発芽状態関連情報として用いられる。その他の構成、各ステップについては、第1実施形態と同様である。
(情報取得ステップ)
第2実施形態に係る情報取得ステップでは、輝度の平均値に代えて、芽に対応する輝度を有する領域の面積が、発芽状態関連情報として取得される。
図6は、図4で示した水への浸漬を開始してから48時間経過後の撮影画像についての輝度の度数分布を示すグラフである。輝度50を中心に、輝度20付近から輝度110付近にわたって分布が見られる。図4の画像中の芽S2〜S4の領域について、輝度を調べたところ、画素の輝度は80から110であった。つまり図6に示す輝度分布において、輝度が80〜110の範囲が、玄米の芽に対応する範囲といえる。図7は、経時的に撮影した玄米R1〜R4の画像について、輝度80〜110の範囲に属する画素の数の合計(=領域の面積)を、時系列にプロットしたグラフである。図7に示される様に、芽に対応する輝度を有する領域の面積は、図5の輝度の経時変化と同様の挙動を示し、水への浸漬の直後から減少して、しばらくの間安定した後、40時間付近から増加する。以上の実験結果から、芽に対応する輝度を有する領域の面積と、発芽可能米の発芽とが相関することが示された。
(第3実施形態)
第3実施形態では、発芽可能米を撮影した画像における発芽可能米に対応する領域の面積、すなわち発芽可能米の大きさが、発芽状態関連情報として用いられる。その他の構成、各ステップについては、第1実施形態と同様である。
(情報取得ステップ)
第3実施形態に係る情報取得ステップでは、輝度の平均値に代えて、発芽可能米に対応する領域の面積が、発芽状態関連情報として取得される。具体的には、玄米R1〜R4に対応する領域に属する画素の数を合計し、面積とする。
図8は、図2〜図4で示した玄米R1〜R4に対して上述の測定ステップを行うことで得られた、面積の時間変化の測定例である。横軸は、浸漬時間である。縦軸は面積の変化率であり、時刻0(浸漬開始直後)の面積を基準(100%)として表している。面積は、浸漬開始から増加し、5時間付近で減少が収まりほぼ一定の値となる。そして30時間付近から、増加を開始する。図4で示した通り、浸漬開始から48時間経過後には、玄米R2〜R4が発芽していることから、図8の面積の増加と、玄米R2〜R4の発芽とが対応していると考えられる。以上の実験結果から、発芽可能米に対応する領域の面積、すなわち発芽可能米の大きさと、発芽可能米の発芽とが相関することが示された。
なお図8には、玄米の撮影と同じ時刻に測定された、玄米の水分率が示されている。玄米の水分率は、浸漬開始から20時間程度が経過するまでは、面積と同様の挙動を示す。しかし30時間経過以降は、面積と異なり、増加せず一定の値を示した。したがって、含水率に基づいて発芽を判定することは難しいと考えられる。
(第4実施形態)
上述の実施形態では、発芽判定装置4が判定部を有し、測定部42が測定した発芽関連情報に基づいて、測定部が測定した発芽状態関連情報に基づいて、発芽可能米が発芽したか否かを判定した。第4実施形態に係る処理時間決定装置は、発芽判定装置4と同様の測定容器41と、測定部42とを有し、判定部に替えて決定部を有する。決定部は、測定部42が測定した発芽状態関連情報に基づいて、発芽可能米が発芽するのに要する処理時間を決定する。
上述したように、測定部42が測定した発芽状態関連情報は、発芽可能米の発芽と相関がある。従って、測定部42が測定した発芽状態関連情報に基づいて、発芽可能米が発芽するのに要する処理時間を決定することができる。ここで処理時間の決定には、種々の手法を用いることができる。例えば、発芽可能米を水に浸漬した時点を起算点として、その起算点から、上述の判定ステップにより発芽可能米が発芽したと判定した時点までの時間を、処理時間として決定することができる。また、発芽状態関連情報が所定の閾値を超えた時点を起算点として、所定時間だけ先の時点(例えば10分先)に発芽すると推定して、処理時間を決定する方法が考えられる。さらに、発芽状態関連情報の時間変化グラフを、データベースに蓄積された複数の実験データと比較し、類似度が高い実験データから処理時間を推定して決定する方法が考えられる。
(第5実施形態)
第5実施形態に係る発芽装置は、上述した処理時間決定装置4と、処理時間決定装置4にて決定された処理時間に基づいて発芽可能米を水に接触させて発芽させる処理装置とを有する。
例えば処理装置は、水を貯留する発芽槽と、発芽可能米を収容する発芽カゴとを有して構成される。処理装置は、処理時間決定装置4から処理時間を受信すると、発芽カゴを発芽層に沈めて、発芽可能米を水に浸漬させる。そして処理装置は、発芽可能米を水に浸漬してから、処理時間が経過すると、発芽カゴを発芽槽から引き上げて、発芽可能米の水への浸漬を終了する。
処理時間決定装置4は、発芽装置に内蔵されていてもよいし、発芽装置に併設されていてもよい。処理時間決定装置4と発芽装置とが遠隔地に設けられ、処理時間のデータが処理時間決定装置4から発芽装置の制御装置へ送信されるよう構成されてもよい。
処理時間決定装置4における発芽可能米の発芽状態関連情報の経時的な測定および処理時間の決定は、発芽装置における発芽可能米の水への浸漬に対し、(1)先立って開始され完了していてもよいし、(2)例えば2時間ほど先だって開始され平行して行われてもよいし、(3)同時に開始され平行して行われてもよい。
(1)の場合は、例えば発芽可能米の種別やロット(生産地、収穫時期、精米工程など)毎に予め処理時間が決定されていて、決定された処理時間が発芽装置の制御装置に送信され、発芽可能米の種別やロット毎に選択されてもよい。
(2)の場合は、例えばあるロットの発芽可能米を処理する際、その発芽可能米の一部を処理時間決定装置4の測定容器41に収容し、水に浸漬して発芽状態関連情報を経時的に測定し、処理時間を決定する。発芽装置においては、処理時間決定装置4での浸漬開始から2時間遅らせて処理装置での浸漬を開始する。そして処理時間決定装置4で処理時間が決定されたら、そのデータを制御装置が受け取り、処理時間に基づいて処理装置を制御し、浸漬を完了させる。
(3)の場合は、発芽装置で処理する発芽可能米から一部を抜き取り、処理時間決定装置4の測定容器41に収容する。そして、処理時間決定装置4での水への浸漬と、発芽装置の処理装置での浸漬を同時に開始する。処理時間決定装置4にて処理時間が決定されたら、処理時間を制御装置へ送信する。制御装置は、受信した処理時間に基づいて処理装置を制御し、発芽可能米の浸漬を完了させる。
なお、処理時間に基づく処理装置での浸漬は、処理時間と同じ時間行ってもよいし、例えば気温や湿度等を考慮して増減した時間行ってもよい。
(別実施形態)
発芽状態関連情報として、発芽可能米を撮影した画像における発芽可能米に対応する領域の形状を用いてもよい。発芽する前の発芽可能米の形状は、概ね楕円形である。発芽可能米が発芽すると、芽の部分が楕円形からはみ出す。そこで、発芽可能米に対応する領域について楕円率を求めて発芽状態関連情報とし、その楕円率の変化から、発芽可能米が発芽したか否かを判定することが可能である。楕円率に代えて、領域の外周長を用いることも可能である。
なお上述の実施形態(他の実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
4 :発芽判定装置、処理時間決定装置
41 :測定容器
42 :測定部
R1〜R4:玄米(発芽可能米)

Claims (11)

  1. 胚芽を有し発芽が可能な米である発芽可能米を水に接触させて光学的に観測して、前記発芽可能米の発芽状態に関する発芽状態関連情報を経時的に測定する測定ステップと、
    測定された前記発芽状態関連情報に基づいて、前記発芽可能米が発芽したか否かを判定する判定ステップとを行う、発芽可能米の発芽判定方法。
  2. 前記発芽状態関連情報が、前記発芽可能米からの光の強度を含む請求項1に記載の発芽可能米の発芽判定方法。
  3. 前記発芽状態関連情報が、前記発芽可能米を撮影した画像における発芽可能米に対応する画素の輝度を含む請求項1または2に記載の発芽可能米の発芽判定方法。
  4. 前記発芽状態関連情報が、前記発芽可能米を撮影した画像における、芽に対応する輝度を有する領域の面積を含む請求項1から3のいずれか1項に記載の発芽可能米の発芽判定方法。
  5. 前記発芽状態関連情報が、前記発芽可能米の大きさを含む請求項1から4のいずれか1項に記載の発芽可能米の発芽判定方法。
  6. 前記発芽状態関連情報が、前記発芽可能米を撮影した画像における発芽可能米に対応する領域の面積を含む請求項1から5のいずれか1項に記載の発芽可能米の発芽判定方法。
  7. 前記判定ステップにおいて、前記発芽状態関連情報から推定される前記発芽可能米の芽の長さが0.5mm以上3.0mm以下となった場合に、前記発芽可能米が発芽したと判定する請求項1から6のいずれか1項に記載の発芽可能米の発芽判定方法。
  8. 前記判定ステップにおいて、前記発芽状態関連情報から推定される前記発芽可能米の芽の長さが0.5mm以上1.0mm以下となった場合に、前記発芽可能米が発芽したと判定する請求項1から6のいずれか1項に記載の発芽可能米の発芽判定方法。
  9. 胚芽を有し発芽が可能な米である発芽可能米を収容して水に接触させる測定容器と、
    前記測定容器に収容された前記発芽可能米を光学的に観測して、前記発芽可能米の発芽状態に関する発芽状態関連情報を経時的に測定する測定部と、
    前記測定部が測定した前記発芽状態関連情報に基づいて、前記発芽可能米が発芽したか否かを判定する判定部とを有する、発芽判定装置。
  10. 胚芽を有し発芽が可能な米である発芽可能米を収容して水に接触させる測定容器と、
    前記測定容器に収容された前記発芽可能米を光学的に観測して、前記発芽可能米の発芽状態に関する発芽状態関連情報を経時的に測定する測定部と、
    前記測定部が測定した前記発芽状態関連情報に基づいて、前記発芽可能米が発芽するのに要する処理時間を決定する決定部とを有する、処理時間決定装置。
  11. 請求項10に記載の処理時間決定装置と、前記処理時間決定装置にて決定された処理時間に基づいて前記発芽可能米を水に接触させて発芽させる処理装置とを有する発芽装置。
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