JP2018006617A - 電解コンデンサ用電極箔の製造方法 - Google Patents

電解コンデンサ用電極箔の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】真空引きプロセスを伴うドライ処理による残膜除去が不要で、紫外線照射または紫外線オゾン照射効果が高く、連続処理可能な電解コンデンサ用電極箔の製造方法を提供する。【解決手段】電極箔の表面に感紫外線化合物層を形成し、感紫外線化合物層の表面に、少なくともポリメタクリル酸エステルまたはポリアクリル酸エステルのいずれかを含む重合体の層を形成し、紫外線を照射して前記重合体の層からグラフト層を形成し、グラフト層の表面に熱可塑性高分子層を形成し、熱ナノインプリント法により熱可塑性高分子層に凹凸を形成し、凹部に残存する熱可塑性高分子層とグラフト層と感紫外線化合物層とを紫外線照射により酸化、または、紫外線オゾン照射により酸化および解重合し、凹部に対応する位置の電極箔をウェットエッチングし、電極箔上の感紫外線化合物層とグラフト層と熱可塑性高分子層とを除去する。【選択図】図1

Description

本発明は、電解コンデンサ用電極箔の製造方法、特に熱ナノインプリント法により電解コンデンサ用電極箔を製造する方法に関する。
フォトリソグラフィは、半導体製造をはじめとする部品の製造において微細加工技術として従来から用いられてきた。一方、本発明に係るナノインプリントリソグラフィは、フォトリソグラフィのコストを削減するための置き換え技術として検討されている。ナノインプリントリソグラフィでは、レジストを加圧方式で成形した後に、成形された凹凸形状のレジストパターンの凹部に原理的にレジストの残膜が発生するため、このような残膜を除去しなければ次のエッチングを行うことができない。このため、平坦性の高いウエハを基板に用いた枚葉処理が基本となっている。さらに、残膜の除去には、ガス状態の酸素の放電プラズマで発生する反応活性種イオン等が被エッチング物であるレジスト材料に衝突することで残膜を除去する酸素反応性イオンエッチング等のドライ処理が標準的に用いられる。
例えば、特許文献1には、レジストパターンの形成方法として、基板のシランカップリング層上にレジスト薄膜を形成し、電子線照射を施すことによってシランカップリング層とレジスト膜とを化学結合を介して密着させることが記載されている。また、特許文献2には、ウェットエッチング用の基板として、基板層、金属酸化物表面を有する金属層、特定の化学構造を有したベンゾフェノン系の感紫外線化合物を含む層、および熱可塑性高分子層をこの順で有し、紫外線照射を施すことによって金属層と熱可塑性高分子層とを化学結合を介して接着することが記載されている。特に、特許文献2には、以下に示す金属パターンを有する基板の製造方法が記載されている。
すなわち、特許文献2には、紫外線を照射したウェットエッチング用基板に対して熱ナノインプリント法により熱可塑性高分子層を凹凸形状に形成した後、凹凸形状の凹部に残存する熱可塑性高分子層を、紫外線オゾン照射によるエッチングや酸素リアクティブエッチングを用いて除去し、最終的に露出した金属層をウェットエッチングにより除去することで金属パターンを形成することが記載されている。
特許第5860244号公報 特許第5774814号公報
しかしながら、特許文献2記載の基板の製造方法では、被エッチング基板上の感紫外線化合物を含む層と熱可塑性高分子層の接着強度が充分ではなく、表面凹凸形状の凹部に残った残膜の除去に時間を要するという問題点があった。また、基板は、平坦性の良好な硬度の高い基板に限定され、ロール・ツゥ・ロールへの適用が困難であった。さらに、柔軟で変形しやすいアルミニウム箔基板では、基板に存在する窪み部分のレジスト凹部の残膜が厚くなる傾向があり、残膜厚さが均一にならない箇所が生じる。この厚い残膜を除去するために、紫外線オゾン照射を過剰に施した場合では、残膜の厚さが厚い部分では残膜を好適に除去できるが、同時に存在する残膜の厚さが薄い部分ではレジストパターンが縮小し、後のウェットエッチング処理を施すと金属パターンに成形斑が生じる問題がある。
一方で、紫外線オゾン照射を不足気味に施した場合では、残膜の厚さが厚い部分では残膜が除去されずレジスト凹部でエッチングが進行しないため金属パターンに成形斑が生じる問題があった。
本発明は、前述の従来技術における問題点を解決し、平坦性の良好な硬度の高い基板に限定されることなく、電解コンデンサ用電極箔への熱ナノインプリント後の紫外線照射または紫外線オゾン照射の適用を可能としながら、比較的短い処理時間にて紫外線照射または紫外線オゾン照射を行った後、エッチング加工を施すことができる量産に適した電解コンデンサ用電極箔の製造方法を提供することを課題とする。
上記の課題を解決可能な本発明の電解コンデンサ用電極箔の製造方法は、以下の工程A〜H:
工程A:電極箔の表面に感紫外線化合物層を形成する工程と、
工程B:前記感紫外線化合物層の表面に、少なくともポリメタクリル酸エステルまたはポリアクリル酸エステルのいずれかを含む重合体の層を形成する工程と、
工程C:紫外線を照射して前記重合体の層からグラフト層を形成する工程と、
工程D:前記グラフト層の表面に熱可塑性高分子層を形成する工程と、
工程E:熱ナノインプリント法により前記熱可塑性高分子層に凹凸を形成する工程と、
工程F:前記凹凸形状の凹部に残存するグラフト層を紫外線照射により解重合、または紫外線オゾン照射により酸化および解重合する工程と、
工程G:前記凹部の底面に位置する電極箔をウェットエッチングする工程と、
工程H:前記電極箔上の感紫外線化合物層とグラフト層と熱可塑性高分子層とを実質的に除去する工程
を含むことを特徴とする。
また、本発明は、上記の特徴を有した電解コンデンサ用電極箔の製造方法において、前記ポリメタクリル酸エステルを含む重合体が、ポリメタクリル酸メチルのホモ重合体または、ポリメタクリル酸メチルとポリスチレンのランダム共重合体であることを特徴とするものでもある。
さらに、本発明は、上記の特徴を有した電解コンデンサ用電極箔の製造方法において、前記感紫外線化合物層中の感紫外線化合物がベンゾフェノン基含有トリメトキシシラン誘導体であることを特徴とするものでもある。
また、本発明は、上記の特徴を有した電解コンデンサ用電極箔の製造方法において、前記電極箔が、アルミニウム箔であることを特徴とするものでもある。
本発明は、感紫外線化合物を含む層と熱可塑性高分子層の界面に、紫外線照射によりグラフト層を形成することによって、熱ナノインプリント法による凹凸形成後の紫外線照射または紫外線オゾン照射による残膜処理の効果を高め、かつ、処理時間を短くすることができる。
すなわち、熱可塑性高分子層の熱ナノインプリント成形後の残膜除去処理に紫外線照射を行うことにより、グラフト層の解重合が起こり、紫外線オゾン照射を行うことにより、グラフト層の酸化および解重合が起こり、短時間の残膜の改質によって、後の金属層のエッチングを可能とし、微細な表面凹凸を有した電解コンデンサ用電極箔を製造するのに適した方法を提供するものである。
さらに、本発明によれば、ロール・ツゥ・ロールによる基材の連続処理が可能となり、これによってアルミニウム電解コンデンサ用電極箔の量産性を向上させることができる。
本発明の製造方法にて使用される電極箔1上のナノインプリント用レジストの構成を示す図である。 図1の熱可塑性高分子層4の表面に、ナノインプリント用モールド5を押し付けて、当該モールドの凹凸形状に対応する凹凸を熱可塑性高分子層4に形成させる際の状態を示す図である。 図2で形成された凹部に残存する熱可塑性高分子層4とグラフト層3と感紫外線化合物層2のうちグラフト層3を紫外線照射により解重合、または、紫外線オゾン照射により酸化および解重合させ、ウェットエッチングを行った後、電極箔1上の層(感紫外線化合物層、グラフト層、熱可塑性高分子層)を除去することにより、微細な表面凹凸を有した電極箔を製造する際の工程を示す図である。 紫外線オゾン照射時間1分における、グラフト層材料の違いによるアルミ電極箔の表面および断面の状態を示す走査型電子顕微鏡(以下SEMと表記する)写真である。 本発明により得られたアルミニウム電極箔のパターニングを示した表面写真の一例である。
以下、本発明の電解コンデンサ用電極箔の製造方法における各工程について説明する。
本発明における第1の工程(工程A)は、被エッチング基板である電解コンデンサ用電極箔の表面に感紫外線化合物層を形成させる工程で、この感紫外線化合物層を形成する化合物としては、ベンゾフェノン基を含有したトリメトキシシラン誘導体が好ましい。
このようなベンゾフェノン基含有トリメトキシシラン誘導体の具体例としては、4−(3−トリメトキシシリル)プロピルオキシベンゾフェノン、4−(3−トリメトキシシリル)プロピルオキシ−4’−メトキシベンゾフェノン、8−(3−トリメトキシシリル)オクチルオキシベンゾフェノン、8−(3−トリメトキシシリル)オクチルオキシ−4’−メトキシベンゾフェノンなどが挙げられ、これらの感紫外線化合物は、公知の方法により製造可能である。
上記の工程Aにおいて、電解コンデンサ用電極箔の表面に感紫外線化合物層を形成させる方法は、閉空間内で加熱を行って感紫外線化合物を揮発させる気相蒸着法であっても、感紫外線化合物を有機溶媒(例えばトルエン等)で0.2〜1重量%程度に希釈したものをディップコート方式等で電解コンデンサ用電極箔の表面に塗布するコート法であっても良いが、有機溶媒を用いてコートを行った場合には、溶媒を除去するために加熱乾燥を行うことが好ましい。このようにして形成される感紫外線化合物層の膜厚は一般的には0.6〜20nm程度であり、例えば1nmとすることができる。
尚、上記工程Aで使用される電解コンデンサ用電極箔としては、公知の方法により表面調整(平坦化・平滑化)を行い、さらに洗浄を行って異物や汚れを除去したものを使用するのが一般的である。アルミニウム箔は、電解コンデンサ用電極箔として使用可能なものであれば、どのようなものであってもよい。例えば、純度99.9以上、厚さ20〜300μm、(100)面配向率95%以上の高純度アルミニウム箔を使用することができる。アルミニウム箔の平均粗度Raは、成形するパターンのホール直径の1/100以下であることが好ましい。例えば、ホール直径1μmのパターンを成形する場合はRa=0.01μmとする。
本発明における工程Bは、上記工程Aで形成した感紫外線化合物層の表面に、少なくともポリメタクリル酸エステルまたはポリアクリル酸エステルのいずれかを含む重合体からなる層を形成する工程であり、工程Aと工程Bの重合体はいずれも、少なくとも波長254nmの紫外線照射によって解重合可能である。また、少なくともポリメタクリル酸エステルの重合体は、ポリメタクリル酸メチルのホモ重合体、または、ポリメタクリル酸メチルとポリスチレンのランダム共重合体であることが好ましい。
ポリメタクリル酸メチルのホモ重合体としては、例えば数平均分子量(以下Mnと示す):230,000で、重量平均分子量(以下Mwと示す):300,000で、多分散度(以下Mw/Mnと示す):1.3が好適であり、また、ポリメタクリル酸メチルとポリスチレンのランダム共重合体としては、例えばMn:5,800で、Mw:7,300で、Mw/Mn:1.26で、スチレンのモル比率:46%とすることができる。上記は一例であり、ポリメタクリル酸メチルのホモ重合体およびポリメタクリル酸メチルとポリスチレンのランダム共重合体の数平均分子量、重量平均分子量、多分散度は上記数値に限定されない。ポリメタクリル酸メチルとポリスチレンのランダム共重合体におけるスチレンのモル比率は、75%以下であることが好ましく、46%以下であることがより好ましい。
本発明では、上記の少なくともポリメタクリル酸エステルの重合体からなる層は、前記重合体を0.2〜1.0重量%含む溶液を用いて、枚葉処理ではスピンコート方式等で、連続処理ではダイコート方式等で塗布を行うことにより形成され、膜厚はできるだけ薄くなるように塗布を行うことが好ましい。具体的には、膜厚は0.5μm以下がより好ましく、膜厚は0.2μm以下であることがさらに好ましい。
本発明における工程Cは、紫外線照射して上記の少なくともポリメタクリル酸エステルまたはポリアクリル酸エステルのいずれかを含む重合体の層を光化学反応させてグラフト層を形成する工程であり、この工程では、低圧水銀ランプを用いて波長254nmの紫外線を0.1〜5J/cm、好ましくは1〜3J/cmの露光量で照射するのが一般的である。このような紫外線照射による感紫外線化合物層の界面での前記重合体の反応により、この後の工程で被覆する熱可塑性高分子層のウェットエッチングの際の密着強度を高めることができる。
なお、本発明では、上記の紫外線照射を行った後に、余剰の前記重合体を除去してグラフト層を残存させるため、溶剤を用いた洗浄(例えばトルエン洗浄)を行うことが好ましい。
本発明における工程Dは、上記グラフト層の表面に熱可塑性高分子層を形成する工程であり、この熱可塑性高分子層を形成する熱可塑性高分子としては、熱ナノインプリント法によりナノインプリント用モールドを押し付けた際に当該モールドの表面凹凸形状に対応する凹凸を形成可能なものであれば良いが、50,000〜1,000,000程度の重量平均分子量を有するポリスチレンが好ましく、100,000〜300,000程度の重量平均分子量を有するポリスチレンがより好ましい。50,000未満の重量平均分子量であると電極箔をエッチングするときにレジスト耐性が低く、エッチング斑を生じることがある。1,000,000を超える重量平均分子量であると、熱ナノインプリント法により加熱成形時により大きな印加圧力が必要となり、電極箔自体を変形させてしまうことがある。
この工程Dにおいて、熱可塑性高分子層を形成する際、上記のポリスチレンを1〜10重量%含む溶液(例えばトルエンを有機溶媒とする溶液)を用いてスピンコートまたはダイコートを行うのが好ましいが、コート方法は、これに限定されるものではない。
この工程で形成される熱可塑性高分子層の厚さは、特に制限はないが、熱ナノインプリント法で成形するため、モールド凹部の深さより薄い膜厚であることが好ましい。モールドの凹部の幅(w)とモールド凹部の深さ(d)の関係(d/w)が2を超えると、引き剥がれ欠陥が起こりやすくなり、熱ナノインプリント法による熱可塑性高分子層の成形で不良が生じやすい。モールドの凹部の幅が1μmで、深さが2μmであれば、熱ナノインプリント成形後の熱可塑性高分子層の凹部の好ましい層厚は0.05〜2μm程度であり、より好ましくは0.1〜1μm程度である。
本発明では、上記の方法によって熱可塑性高分子層を形成した後、有機溶媒を除去するために加熱乾燥を行うのが一般的である。
図1には、上記の工程A〜Dにより得られる、本発明の製造方法にて使用される電極箔1上のナノインプリント用レジストの構成が示されており、符号2が感紫外線化合物層、符号3がグラフト層、符号4が熱可塑性高分子層である。
図1の電極箔1上の感紫外線化合物層2には、感紫外線化合物としてベンゾフェノン基含有トリメトキシシラン誘導体が使用されており、グラフト層3は、少なくともポリメタクリル酸エステルの重合体に対して紫外線を照射したものから成る層で、熱可塑性高分子層4は、上記のポリスチレンから成る層である。
本発明における工程Eは、上記工程Dで形成された熱可塑性高分子層の表面に、熱ナノインプリント法により凹凸を形成する工程であり、図2には、図1の熱可塑性高分子層4の表面に、所望の凹凸形状を有したナノインプリント用モールド5を押し付け、一定時間保持することにより、当該モールドの凹凸形状を熱可塑性高分子層4の表面に転写する際の状態が示されている。
熱ナノインプリント法では、熱可塑性高分子層の表面に凹凸を形成した際、図2に示されるように、熱可塑性高分子層4の凹部底にレジストの残膜ができ、この残膜があるとウェットエッチングにより電極箔の微細加工ができないため、ウェットエッチングを行う前に残膜のウェットエッチング耐性を消失させる必要がある。
なお、本発明の製造方法においては、工程Eを実施する際、公知の熱ナノインプリント装置が使用でき、熱ナノインプリント法の条件は、モールド表面の凹凸形状や熱可塑性高分子の種類および特性に応じて適宜選択されるが、好ましい成形条件としては、例えば成形温度130〜150℃、圧力5〜40MPa、成形時間3〜5分の条件が挙げられる。電極箔の変形を抑制するために印加圧力は小さい程好ましく、成形時間もより短い方が生産性を向上させることができる。
本発明における工程Fは、図3(a)に示されるような、凹凸形状の凹部に残存する熱可塑性高分子層4とグラフト層3と感紫外線化合物層2が残存する状態で、グラフト層を紫外線照射により解重合、または、紫外線オゾン照射により酸化および解重合する工程である。この工程においては、波長254nmまたは、185nmと254nmを含む低圧水銀ランプを用いて0.1〜2J/cm、好ましくは0.5〜1J/cmの紫外線を照射するのが一般的であり、波長185nmと254nmを含む紫外線を照射する場合には、波長254nmでの照射強度3.2〜4.8mW/cmの紫外線を1〜3分間照射することが好ましい。
なお、感紫外線化合物層2は1nm程度の膜厚であるため、この層自体にレジスト耐性はなく、熱可塑性高分子層4も膜厚0.2μm未満になると水系のエッチング溶液に耐性が小さくなるが、本発明では、熱ナノインプリント成形後の熱可塑性高分子層4の凹部の膜厚が0.2μmを超える部分であっても、当該凹部の下側に位置するグラフト層3が解重合または、酸化および解重合しているため、水系のエッチング溶液に対する耐性が低下し、実質的にレジスト膜としての機能を失う。よって、熱ナノインプリント成形後の残膜処理に紫外線照射または紫外線オゾン照射を行うことにより、短い処理時間にて凹部のレジスト機能を消失させることができる。
本発明では、このような紫外線照射または紫外線オゾン照射によって、熱ナノインプリント法により凹凸形状を形成した凹凸形状の凹部に残存する熱可塑性高分子層4の底面に位置するグラフト層3が解重合されるが、解重合されたものが層3’として残る。しかしながら、凹凸形状の凹部に残存する熱可塑性高分子層4、グラフト層3’および感紫外線化合物層2は実質的に除去され、熱可塑性高分子層4の凹部に電極箔1が露出したのと同等の効果を得る(図3(b)を参照)。
本発明により、電極箔自体の平坦性が低く、熱可塑性高分子層4の凹部の残膜の厚さにばらつきが生じていても、残膜を除去することなく、実質的に残膜部のレジスト機能を消失させることができる効果があり、得られる電極箔の微細構造のばらつきが小さくなる効果を有する。
そして、本発明における工程Gでは、上記凹部の位置に露出した電極箔をウェットエッチングによりエッチングし、電極箔の表面に、熱ナノインプリント用モールドの表面凹凸に対応する微細な表面凹凸を形成させる(図3(c)を参照)。
この際、ウェットエッチングの条件は特に限定されるものではなく、一般的なエッチング条件は、塩酸(1〜7M)またはこれに硫酸(0.1〜2M)を添加し、50〜70℃に加温した液中で、30〜60秒行なうものである。
本発明の製造方法における最終工程Hでは、ウェットエッチングを行った後の電極箔上に存在する感紫外線化合物層とグラフト層と熱可塑性高分子層を、有機溶剤(例えばトルエンなど)や希薄酸性水溶液(例えばリン酸水溶液)を用いて実質的に除去することによって、図3(d)に示されるような、微細な表面凹凸を有した電極箔1を製造することができる。
以下に、本発明の実施例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に記載されたものに限定されるものではない。
[実施例]
電極箔として、市販の高純度アルミニウム箔(電解コンデンサ用、厚み120μm)を準備し、グラフト層形成用樹脂として、以下の3種類の樹脂を準備した。
1)ポリスチレン(以下PSという、Mw:105,000)(比較例)
2)ポリメタクリル酸メチルのホモ重合体(以下PMMAという、Mw/Mn:1.3、Mn:230,000、Mw:300,000)(本発明)
3)ポリスチレンとポリメタクリル酸メチルとのランダム共重合体(以下、PS−random−PMMAという、Mn:5,800、Mw:7,300、Mw/Mn:1.26、スチレン比率:46モル%)(本発明)
上記のPMMAとPS−random−PMMAを用いた場合が本発明の製造方法に該当し、上記のPSを用いた場合が比較例に該当する。
[実施例1]グラフト層形成用樹脂として、PMMA(Mw/Mn:1.3、Mn:230,000、Mw:300,000)を用いた。
[実施例2]グラフト層形成用樹脂として、PMMAの代わりに、PS−random−PMMA(Mn:5,800、Mw:7,300、Mw/Mn:1.26、スチレン比率:46モル%)を用いる以外は、実施例1と同様に行った。
[比較例]グラフト層形成用樹脂として、PS(Mw:105,000)を用いる以外は、実施例1と同様に行った。
この実施例では、以下の製造工程に従ってサンプルを作製し、グラフト層材料の違いおよび、紫外線オゾン照射時間の違いによるアルミニウム電極箔の表面および断面状態を、SEMで観察して比較した。
用いた製造条件(工程):
・表面調整
過塩素酸20体積%エタノール溶液を用い、5℃、20V、5分にて電解研磨し、アルミ箔の表面を平坦・平滑化
・表面洗浄
洗剤5重量%+超音波5分、超純水(超クリーン水)+超音波5分にて洗浄を行い、アルミニウム箔表面に付着した異物や汚れを除去
・ベンゾフェノン修飾(感紫外線化合物層の形成)
4−(3−トリメトキシシリル)プロピルオキシベンゾフェノンを、ステンレス容器内でオーブン加熱(300cmに対して50μl、150℃、2時間)して表面洗浄したアルミニウム電極箔表面に気相蒸着(感紫外線化合物層の厚み:1nm)
・グラフト層形成用樹脂の塗布
上記1)〜3)のグラフト層形成用樹脂をそれぞれ使用し、樹脂濃度各1重量%の溶液を用いて、スピンコート(3000rpm、30秒、加速1秒、減速5秒)
・紫外線照射(グラフト層の形成)
アルミニウム箔にグラフト層を形成させるために、低圧水銀ランプ(波長254nm)を用いて2J/cm(13mW/cm、154秒)の紫外線を照射(グラフト層の厚み:2nm)
・トルエン洗浄
トルエンに10秒間浸漬して、余剰なグラフト層形成用樹脂を除去し、窒素ブロー乾燥によりグラフト層をアルミニウム箔に形成・レジスト層塗布(熱可塑性高分子層の作製)
PS(Mw:105,000、Mw/Mn:2.67) をトルエンに添加し、スターラーで12時間撹拌して溶解させ、ポリスチレン濃度8.7重量%のトルエン溶液を調製し、この溶液をスピンコート(3000rpm、30秒、加速1秒、減速5秒)(熱可塑性高分子層の厚み:0.5μm)
・加熱乾燥
ホットプレートを用いて、190℃、10分加熱し、溶媒トルエンを除去
・熱ナノインプリント(凹凸形状の形成)
凹部φ1.7μm、凹部の深さ1.7μm、ピッチ3μmの成形を行うナノインプリント用モールドを用いて、成形温度140℃、圧力5MPa、成形時間3分の条件にて熱可塑性高分子層の表面に凹凸形状を形成
・残膜の実質的なレジスト機能の消失処理(紫外線オゾン照射)
波長185nmと254nmを含む低圧水銀ランプ(3.2〜4.8mW/cm)を用い、紫外線オゾン照射時間を変化(1分間)
・電解エッチング
条件:標準条件(エッチング溶液として塩酸(6M)に硫酸(1M)を添加したものを55℃に加温して使用)にて40秒間エッチング処理
上記の実験結果に関し、図4には、紫外線オゾン照射時間1分における、各グラフト層材料を用いて得られたアルミニウム電極箔の表面および断面の状態を示すSEM写真を示す。
紫外線オゾン照射時間が1分の場合であっても、PMMA、PS−random−PMMAはほぼ良好なピット発生と伸長を示したが(図4参照)、PSではピット発生と伸長が悪化した。
以上の結果から、グラフト層形成用樹脂としてPMMAまたはPS−random−PMMAを使用することによって、紫外線オゾン照射によるナノインプリント残膜の実質的なレジスト機能の消失化処理効果を高めることができ、かつナノプリント残膜除去をすることなくの短時間の処理で(例えば1分間)レジスト機能の消失を可能とすることが確認された。また、ナノインプリント後の残厚膜が不均一になりやすいアルミニウム箔でも、有効な効果が得られることが確認できた。
なお、上記実施例では、残膜の実質的なレジスト機能の消失処理を紫外線オゾン照射により行なったが、紫外線照射により行なっても同様の効果が得られる。また、上記実施例では、感紫外線化合物層の表面に、ポリメタクリル酸エステルを含む重合体の層を形成したが、ポリアクリル酸エステルを含む重合体の層を形成しても同様の効果が得られる。
図5には、本発明により得られたアルミニウム電極箔の表面のパターニングの一例を示すSEM写真が示されているが、パターニングは、これに限定されるものではない。
1 電極箔(被エッチング基板)
2 感紫外線化合物層
3 グラフト層(接着層)
4 熱可塑性高分子層
5 ナノインプリント用モールド

Claims (4)

  1. 工程A:電極箔の表面に感紫外線化合物層を形成する工程と、
    工程B:前記感紫外線化合物層の表面に、少なくともポリメタクリル酸エステルまたはポリアクリル酸エステルのいずれかを含む重合体の層を形成する工程と、
    工程C:紫外線を照射して前記重合体の層からグラフト層を形成する工程と、
    工程D:前記グラフト層の表面に熱可塑性高分子層を形成する工程と、
    工程E:熱ナノインプリント法により前記熱可塑性高分子層に凹凸を形成する工程と、
    工程F:前記凹凸形状の凹部に残存するグラフト層を紫外線照射により解重合、または紫外線オゾン照射により酸化および解重合する工程と、
    工程G:前記凹部の底面に位置する電極箔をウェットエッチングする工程と、
    工程H:前記電極箔上の感紫外線化合物層とグラフト層と熱可塑性高分子層とを実質的に除去する工程
    を含むことを特徴とする電解コンデンサ用電極箔の製造方法。
  2. 前記ポリメタクリル酸エステルを含む重合体が、ポリメタクリル酸メチルのホモ重合体または、ポリメタクリル酸メチルとポリスチレンのランダム共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の電解コンデンサ用電極箔の製造方法。
  3. 前記感紫外線化合物層中の感紫外線化合物がベンゾフェノン基含有トリメトキシシラン誘導体であることを特徴とする請求項1または2に記載の電解コンデンサ用電極箔の製造方法。
  4. 前記電極箔が、アルミニウム箔であることを特徴とする請求項1乃至3に記載の電解コンデンサ用電極箔の製造方法。
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