JP2018006611A - 光増幅装置、及びこれを有するラマン散乱計測装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 パルスのスペクトル幅の広帯域化を低減し、十分な強度で広い範囲で波長掃引ができる光増幅装置を提供する。【解決手段】 複数の波長を含む波長範囲の光から抽出波長を有する光を抽出する第1のフィルタであって、前記抽出波長が可変な第1のフィルタ151と、第1のフィルタが抽出した光を増幅する第1の増幅部152と、第1の増幅部が増幅した光から前記抽出波長を有する光を抽出する第2のフィルタ153と、第2のフィルタが抽出した光を増幅する第2の増幅部154と、第2のフィルタが抽出した光を検出する検出部155と、検出部の検出結果に基づいて、第1の増幅部を制御する制御部156と、を有する光増幅装置。【選択図】 図1

Description

本発明は、光増幅装置、及びこれを有するラマン散乱計測装置に関する。
ラマン散乱原理を利用したラマン散乱計測装置として、誘導ラマン散乱(stimulated Raman scattering:SRS)計測装置が提案されている。
SRS計測装置では、互いに周波数が異なる2つのパルス光を試料に集光照射する。以後、2つのパルス光のうち、光周波数が大きいパルス光をポンプ光、光周波数が小さいパルス光をストークス光と呼ぶ。ポンプ光とストークス光の光周波数の差が試料中の分子の固有振動周波数と一致すると、照射点にてポンプ光の強度が減少し、ストークス光の強度が増大する、SRSと呼ばれる現象が生じる。この強度変化を検出することで試料における分子の振動情報を反映した分子振動イメージングが可能となる。
このようなSRS計測装置において、特定の波長のみを用いて特定の分子振動を検出するだけでなく、広い振動数範囲での分子振動スペクトル(ラマンスペクトル)を検出することにより、試料の識別能の向上が期待できる。
特許文献1には、波長可変な光増幅手段を用いてポンプ光とストークス光の一方の波長を変更して波長掃引しながら計測を行うラマン散乱計測装置が記載されている。図8は、特許文献1に記載されている光増幅手段の構成を説明するブロック図である。光源701としてのYbファイバレーザから放出されたパルス光は、第1の波長可変パンドパスフィルタ702に導かれる。波長可変パンドパスフィルタ(tunable bandpass filter、以下「TBPF」という)とは、入射したパルス光から任意の波長の光を抽出するものであり、抽出する波長は外部から制御して変更することができる。
第1のTBPF702から射出した抽出光は、第1のファイバアンプ703(以下、「第1のアンプ703」と呼ぶ)にて増幅される。このとき、ファイバアンプでは、抽出光が増幅されるだけでなく、ファイバアンプ内で発生した自然放出光(amplified spontaneous emission light、以下「ASE光」という)も増幅される。したがって、第1のアンプ703からの射出光には、増幅された抽出光だけでなく、増幅された自然放出光も含まれる。
第1のアンプ703で増幅された光は、第1のTBPF702の抽出波長と同じ波長の光を抽出する第2のTBPF704を介して、第2のファイバアンプ705(以下、「第2のアンプ705」と呼ぶ)で再び増幅される。このような構成にすることにより、第2のTBPF704によって、第1のアンプ703で増幅された光から第1のアンプ703で発生したASE光を除去した後に、第2のアンプ705で光を増幅することができる。そのため、ASE光の影響により波長掃引幅が狭くなることを低減できる。
特開2014−173973号公報
ファイバアンプに入射した光が伝搬するゲインファイバは、通常の光ファイバと比較して自己位相変調(SPM)が生じやすい。同じ媒質中では、SPMの大きさは、光の強さとファイバ内を伝搬する長さの積に比例する。SPMが生じると、パルスのスペクトル幅が広くなり、その結果SRS計測装置のスペクトル分解能が低下する。
図4に示したように、ファイバアンプによる光の増幅率は光の波長によって異なり、ゲイン域中央部で大きく、ゲイン域端部で小さい。したがって、特許文献1に記載のラマン散乱計測装置においても、第2のアンプ705に入射する光は、その波長がゲイン域中央部の波長の場合には強度が強く、ゲイン域端部の波長の場合には強度が弱い。
そのため、第1のアンプ703のゲイン域中央部の波長を有する光が第2のアンプ705に入射した場合に、SPMによりパルスのスペクトル幅が広くなる恐れがある。すなわち、特許文献1に記載の方法では、広い波長掃引幅を維持しながら、波長掃引幅の範囲内においてパルスのスペクトル幅を所望の範囲内にすることができない恐れがあり、高精度な計測を行うには十分でない場合があった。
本発明はかかる課題に鑑みてなされたもので、パルスのスペクトル幅の広帯域化を低減し、十分な強度で広い範囲で波長掃引ができる光増幅装置を提供することを目的とする。
本発明の一側面としての光増幅装置は、抽出波長を有する光を抽出する第1のフィルタであって、前記抽出波長が可変な第1のフィルタと、前記第1のフィルタが抽出した光を増幅する第1の増幅部と、前記第1の増幅部が増幅した光から前記抽出波長を有する光を抽出する第2のフィルタと、前記第2のフィルタが抽出した光を増幅する第2の増幅部と、前記第2のフィルタが抽出した光を検出する検出部と、前記検出部の検出結果に基づいて、前記第1の増幅部を制御する制御部と、を有することを特徴とする。
また、本発明の別の一側面としての光増幅装置は、抽出波長を有する光を抽出する第1のフィルタであって、前記抽出波長が可変な第1のフィルタと、前記第1のフィルタが抽出した光を増幅する第1の増幅部と、前記第1の増幅部が増幅した光から前記抽出波長を有する光を抽出する第2のフィルタと、前記第2のフィルタが抽出した光を増幅する第2の増幅部と、前記第1のフィルタの前記抽出波長に基づいて、前記第1の増幅部を制御する制御部と、を有することを特徴とする。
本発明の一側面としての光増幅装置によれば、パルスのスペクトル幅の広帯域化を低減し、十分な強度で広い範囲で波長掃引ができる。
第一の実施形態の光増幅装置の構成を説明するブロック図。 第一の実施形態に係るラマン散乱計測装置の構成を説明する模式図。 (a)第二の実施形態の光増幅装置の構成を説明するブロック図。(b)第二の実施形態に係るラマン散乱計測装置の構成を説明する模式図。 ファイバアンプの増幅率の波長依存性を示す図。 第一の実施形態の光増幅装置による光強度変化とパルスのスペクトルを示す図。 半値幅を説明する図。 従来の波長可変増幅による光強度変化とパルスのスペクトルを示す図。 従来の波長可変な光増幅装置の構成を説明するブロック図。
ラマン散乱計測装置において、高精度な計測を行うためには、パルスのスペクトル幅が狭く、十分な強度で広い波長範囲を掃引可能な光を生成することが求められる。
しかしながら、図4に示すように、ファイバアンプによる光の増幅率は、増幅する光の波長によって異なり、ゲイン域中央部で大きく、ゲイン域端部で小さい。そのため、例えば特許文献1のラマン散乱計測装置では、第1のアンプ703で増幅された光は、その波長がゲイン域中央部であれば強く、ゲイン域端部であれば小さい。それに対し、光の波長掃引幅を広くするためには、ゲイン域端部の波長の光が十分な光量で第2のアンプ705に入射することが求められる。すなわち、第1のアンプ703は、ゲイン端部の波長の光が十分な光量で第2のアンプ705に入射するように、第1のTBPF702で抽出された光を増幅する必要がある。
一方、第2のアンプ705は、増幅波長域内におけるできるだけ広い波長範囲で出力が一定となるように、ゲインが飽和する状態で増幅を行うことが好ましい。その結果、ゲイン域端部の光が第2のアンプ705のゲインファイバの終端近くで飽和レベルに達するのに対し、強度が強いゲイン域中央部の波長の光はゲインファイバに入射して早い段階で飽和レベルに達する。そのため、ゲイン域中央部の波長の光は、ゲイン域端部の光と比較して、ゲインファイバの多くを大きな光強度で通過する。
一般に、ゲインファイバ中では通常の光ファイバに比べて遥かに自己位相変調(Self Phase Moduration:SPM)が生じやすい。SPMが生じるとスペクトル幅が広くなり、その結果SRS計測装置のスペクトル分解能が低下する。同じ媒質中では、SPMの大きさは光の強さと通過する長さの積に比例するのでゲイン中央部の波長の光ではSPMが生じやすい。
図7(a)に、特許文献1の第1のアンプ703の駆動電流を800mAとした場合の各波長における第2のアンプ705からの光の強度を示し、図7(b)に3.5nm毎に取得したパルスのスペクトルを示す。なお、第1、第2のTBPF702、704の抽出波長は1010nmから1060nmの範囲内で掃引した。
なお、以降の説明では、十分な強度が得られている波長範囲として、各波長における光の強度のスペクトルにおける半値幅aを用いる。また、パルスのスペクトルの幅として、各パルスのスペクトルにおける半値幅bを用いる。半値幅aは、図6(a)に示したように、光増幅装置による光の強度変化をプロットした際に最も高い強度の1/2以上の強度となる波長幅であると定義する。また、半値幅bは、図6(b)に示したように、各パルスのスペクトルをプロットした際に、複数のパルスそれぞれのスペクトルの最も高い強度の1/2以上の強度となる波長幅であると定義する。
図7(a)から、十分な強度が得られている波長範囲は、半値幅aにして46nmと十分に広いことが分かる。しかし、図7(b)に示すように、掃引波長の端部に比べ中央部のパルスはスペクトルの幅が広くなっており、その半値幅bは最大で1.6nmとなる。波長1030nmのストークス光において、スペクトル幅における1.6nmは、波数にして15cm−1の幅に相当するため、高分解能でラマンスペクトルを計測することができない。
SPMによるスペクトル幅の広帯域化を計測に支障がない程度に低減するために、第1のアンプ703による光の増幅率を小さくして、第2のアンプ705に入射する光の光量を小さくすることが考えられる。しかしながら、第1のアンプ703による光の増幅率を小さくすると、第2のアンプ705においてゲイン域端部の光が不足し、結果的に波長掃引幅が狭くなる恐れがある。
図7(c)に、特許文献1の第1のアンプ703の駆動電流を220mAとした場合の各波長における第2のアンプ705からの光の強度を示し、図7(d)に3.5nm毎に取得したパルスのスペクトルを示す。なお、第1、第2のTBPF702、704の抽出波長は1010nmから1060nmの範囲内で掃引した。
図7(d)に示すように、掃引波長の範囲内の全域でパルスのスペクトルの半値幅bは約0.4nmとなり、十分にスペクトル幅の狭いパルス光が得られる。それに対し、図7(c)に示すように、光の強度が強い範囲は半値幅aにして34nmであり、波長の掃引幅が狭い。
そこで、以降の実施形態では、光の波長に応じてファイバアンプに入射する光の強度を制御することにより、例えば、ファイバアンプに入射する光の強度が強いために、SPMによってパルスのスペクトル幅が広くなることを低減する。また、光の波長に応じてファイバアンプに入射する光の強度を制御することにより、例えば、ファイバアンプに入射するゲイン域端部の波長の光の強度が小さいために、増幅しても十分な強度の光が得られず、結果として波長掃引幅が狭くなることを低減する。
(第一の実施形態)
本実施形態の光増幅装置150の構成について、図1を参照して説明する。図1は、光増幅装置150の構成を説明するブロック図である。光増幅装置150は、任意の波長の光を抽出し、抽出した光を増幅して出力する。
光増幅装置150は、第1のフィルタ151と、第1の増幅部152と、第2のフィルタ153と、第2の増幅部154と、検出部155と、制御部156と、を有する。
第1のフィルタ151は、複数の波長を含む波長域の光から任意の波長を有する光を抽出する光学フィルタで、抽出する波長を任意に変更することができる。以降、フィルタで抽出される光の波長を「抽出波長」と呼ぶ。
第1のフィルタ151が抽出した光(抽出光)は、第1の増幅部152に入射し、第1の増幅部152で増幅される。
その後、第1の増幅部152に増幅された抽出光は、第2のフィルタ153に入射する。第2のフィルタ153は、任意の波長を有する光を抽出する光学フィルタで、抽出する波長を任意に変更することができる。本実施形態では、第1のフィルタ151の抽出波長と第2のフィルタ153の抽出波長とが互いに一致するように制御されている。そのため、第2のフィルタ153では、第1のフィルタ151の抽出波長と同じ波長を有する光が抽出される。これにより、第1の増幅部152で抽出光を増幅させた際に、第1の増幅部152内で発生した自然放出光(ASE光)を取り除くことができる。
第2のフィルタ153が抽出した抽出光は2つに分岐され、一方は第2の増幅部154に入射し、他方は検出部155に入射する。第2の増幅部154に入射した抽出光は、第2の増幅部154で増幅される。検出部155は、入射した抽出光の強度を検出する光検出器である。
制御部156は、検出部155の検出結果に基づいて、第1の増幅部152による抽出光の増幅率を制御する制御手段である。具体的には、制御部156は、検出部155の出力が一定になるように第1の増幅部152の駆動電流を制御する。このような構成にすることにより、第2の増幅部154に入射する抽出光の強度を制御して、波長掃引幅の狭帯域化、及び波長掃引時のパルスのスペクトル歪みを低減する。
制御部156は、第1の増幅部152の駆動電流を制御できるものであればよく、例えば、汎用のコンピュータ、又はボードコンピュータやASICのようなハードウェアを用いることができる。制御部156による処理は、メモリまたは記憶装置に格納されたプログラムをプロセッサが実行することにより実現されることが好ましい。一部の機能を論理回路などのハードウェアで代替することもできる。
以下に、本実施形態の光増幅装置150の詳細な構成について、図2(a)を参照して説明する。図2(a)は、光増幅装置150を用いたラマン散乱計測装置100(以降、「計測装置100」と呼ぶ)の構成を説明する模式図である。本実施形態の計測装置100は、2つのパルス光10、20が試料53に照射されることにより生じた誘導ラマン散乱(SRS)による強度変調を受けた光を計測するSRS計測装置である。
計測装置100は、第1の光源11、2光子吸収センサ14、同期制御部15、波長可変増幅部30、第2の光源21、光路長調整部23、ビームスプリッタ12、22、ダイクロイックミラー13、50、ミラー24、及び走査部(スキャナ)51を有する。また、計測装置100は、第1の光学系(照射光学系)52、第2の光学系(検出光学系)54、波長フィルタ55、光検出器56、ロックインアンプ57、及びコンピュータ60を有する。
第1の光源11は、ストークス光となる第1のパルス光10を出力する。本実施例では、第1の光源11はモードロックYbファイバレーザ(YbFL)であり、第1のパルス光10の中心波長は1030nm、繰り返し周波数は40MHz、スペクトル幅は約50nmである。
第2の光源21は、ポンプ光となる第2のパルス光20を出力する。第2の光源21は、モードロックErファイバレーザ(ErFL)と第2高調波発生器としての周期的分極反転ニオブ酸リチウム(periodicaly poled lithium niobate、PPLN)とを有する。第2のパルス光20の中心波長は790nm、繰り返し周波数は80MHz、スペクトル幅は0.4nmである。
ビームスプリッタ12は、第1のパルス光10を分岐する。ビームスプリッタ12で分岐された第1のパルス光10の一方は波長可変増幅部30に入射し、他方はダイクロイックミラー13を透過して2光子吸収センサ14に達する。
ビームスプリッタ22は、第2のパルス光20を分岐する。ビームスプリッタ22で分岐された第2のパルス光20の一方は光路長調整部23に入射し、他方はミラー24、ダイクロイックミラー13で反射して2光子吸収センサ14に達する。
2光子吸収センサ14は、第1のパルス光10と第2のパルス光20とが同時に入射すると、そうでない時に比べて大きな信号を出力する。この原理を利用して、同期制御部15は、2光子吸収センサ14の出力がある特定の強度を保つように第1の光源11がパルス光を発振するタイミングを調節する。このような構成にすることにより、第1の光源11の発振と第2の光源21の発振とを同期させることができる。当該方式による2光源の発振の同期についてはは、WO2010/140614号公報に記載されている。
ビームスプリッタ12を透過した第1のパルス光10は、波長可変増幅部30に入射する。波長可変増幅部30は、入射した光に含まれる波長の内の特定の波長の光を抽出し、抽出した光を増幅する機能を有する。抽出する光の波長(抽出波長)は可変である。波長可変増幅部30の詳細な構成については後述する。
波長可変増幅部30を出た第1のパルス光10は、ファイバコリメータ36を経てダイクロイックミラー50に入射し、その後スキャナ51に向かう。
ビームスプリッタ22を透過した第2のパルス光20は、光路長調整部23とダイクロイックミラー50を経てスキャナ51に向かう。光路長調整部23は、4個のミラーにより構成され、ミラー同市の間隔を変化させることで第2の光源21から試料53までの第2のパルス光20の光路長を調整する。光路長調整部23によって第2のパルス光20の光路長を調整し、第1のパルス光10と第2のパルス光20とが同時に試料53に照射されるようにする。
ダイクロイックミラー50は、第1のパルス光10を反射させ第2のパルス光20を透過させることにより、両光を合波してスキャナ51に向かわせる。スキャナ51は第1のパルス光10及び第2のパルス光20の進行方向を2次元的に偏向させる走査部で、コンピュータ60により制御されている。スキャナ51により進行方向が変わると、照射光学系52としての集光レンズによって集光される第1のパルス光10及び第2のパルス光20の集光点の位置(集光点位置)が、試料53上で2次元的に走査される。
第1のパルス光10と第2のパルス光20とが同時に試料53上の同じ位置に照射されると、試料53における集光点位置に存在する分子が第1、第2のパルス光10、20の光振動数の差に等しい固有振動数を有してればSRS現象が生じる。そのため、誘導ラマン損失によってポンプ光である第2のパルス光20の強度が僅かに減少し、誘導ラマン利得によってストークス光である第1のパルス光10の強度が僅かに増大する。
試料53を透過した第1のパルス光10及び第2のパルス光20は、検出光学系54を通過した後、波長フィルタ55に入射する。波長フィルタ55は、第1のパルス光10を遮断し第2のパルス光20を透過させる。そのため、第2のパルス光20のみが波長フィルタ55を透過して光検出器56に入射する。光検出器56は光電変換により第2のパルス光20の強度に比例した電気信号を生成しロックインアンプ57に出力する。
第1の光源11の繰り返し周波数と第2の光源21の繰り返し周波数との比は1:2であり、第2のパルス光20は、1パルス毎に交互に第1のパルス光10と同時あるいは単独で試料53に照射されることが好ましい。SRSは両パルスが同時に試料に照射されないと生じないので、SRSによる第2のパルス光20の強度の減少は1パルスおきに生じる。これにより光検出器56で受光する第2のパルス光20の強度は第1の光源11の繰り返し周波数である40MHzで変調される。
ロックインアンプ57には参照信号として第1の光源11の発振に同期した同期信号58を与えておけば、ロックインアンプ57は第2のパルス光20の僅かな変調強度すなわち誘導ラマン損失を出力する。
誘導ラマン損失の大きさISRSは、下記の(1)式で表させる。
SRS∝Im(χ(3))・I・I (1)
ここで、3次の非線形感受率χ(3)の虚数部をIm(χ(3))、ポンプ光である第1のパルス光10の試料53における強度をI、ストークス光である第2のパルス光20の試料53における強度をIとする。3次の非線形感受率χ(3)の虚数部Im(χ(3))は第1、第2のパルス光10、20の振動数の差の関数であり、これを振動数差毎にプロットしたものがラマンスペクトルとなる。ラマンスペクトルは物質固有の形状を有するので、これを計測することで試料53を構成する物質を特定することができる。(1)式より、第1のパルス光10の波長を掃引しながら第2のパルス光20の変調強度であるISRSを計測することにより、ラマンスペクトルを得ることができる。
本実施形態では、スキャナ51を駆動しながら試料53に照射される第1のパルス光10の波長を波長可変増幅部30にて掃引することで、試料53上の各位置のラマンスペクトル、いわゆるラマン分光イメージが得られる。これを用いてことにより、試料53を構成する物質の分布を知ることができる。
なお、ロックインアンプ57を用いたロックイン検出の構成は、上述の構成に限らない。例えば、第1の光源11の繰り返し周波数と第2の光源21の繰り返し周波数との比は1:2に限らず、一方のパルス光の繰り返し周波数を他方のパルス光の繰り返し周波数の整数分の1にすればよい。また、ポンプ光とストークス光との一方に予め強度変調を施しておき、SRSによる強度変化を変調することにより、他方の強度変調を施していない光の強度変化の変調分をロックインアンプにより高感度に検出する構成でもよい。
波長可変増幅部30の構成と動作原理について、入射光の進行に沿って詳細に説明する。波長可変増幅部30は、本実施形態の光増幅装置150を含む。ビームスプリッタ12を透過した第1のパルス光10は、波長可変増幅部30に入射するとまず、偏光ビームスプリッタ31(以下、「PBS31」と呼ぶ)に向かう。ビームスプリッタ12を透過した第1のパルス光10の偏光面は、第1の光源11内又はPBS31に到達するまでの光路中に2分の1波長板を設置調整することにより、PBS31に到達する時には紙面に平行になるように構成されている。また、PBS31は偏光面が紙面に平行な偏光が透過するよう設置されている。そのため、ビームスプリッタ12を透過した第1のパルス光10はPBS31を透過し、その後、第1のフィルタ151としての波長可変バンドパスフィルタ70に向かう。
波長可変バンドパスフィルタ70は、抽出する光の波長が可変な光学フィルタであり、ミラー72、ガルバノミラー73、回折格子74、偏光ビームスプリッタ75(以下、「PBS75」と呼ぶ)、ファイバコリメータ76、77を有する。波長可変バンドパスフィルタ70に入射した第1のパルス光10は、ミラー72で反射して、ガルバノミラー73に入射する。ガルバノミラー73は、コンピュータ60からの制御で反射面の方位設定が可能である。ガルバノミラー73の代わりに射出光の向きを変えることができる光学素子、例えばポリゴンミラー、リゾナントスキャナ、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラーなどを利用してもよい。
ガルバノミラー73で反射した第1のパルス光10は、回折格子74に入射する。回折格子74は、刻線方向が紙面に垂直になるように配置されており、入射した光を光周波数に応じて紙面と平行な面内で異なる方向に分離する。回折格子74から射出した第1のパルス光10は、ガルバノミラー73に再入射する際に波長毎に異なった角度で入射するため、ガルバノミラー73から射出する際にも波長毎に異なった方向に向かう。
第1のパルス光10はガルバノミラー73を射出した後、ミラー72に向かう。ガルバノミラー73は紙面に垂直ではなく僅かに傾けて設置しているので、ミラー72における紙面と垂直方向における位置が第1のパルス光10の往路と復路とで僅かに異なっている。ミラー72は、その上端の紙面と垂直方向における位置が、ミラー72の配置位置における第1のパルス光10の往路の高さと復路の高さの中間になるように設置されている。これにより、第1のパルス光10は、往路ではミラー72で反射するが、復路ではミラー73で反射することなくミラー73の近傍を通過してPBS75に向かう。
本実施形態のPBS75はバルク型であり、偏光面が紙面に平行な光が透過するよう設置されている。この時点での第1のパルス光10はその偏光面が紙面に平行でありPBS75を透過する。
PBS75を透過した第1のパルス光10は、波長に応じて異なる進行方向を有した状態でファイバコリメータ76に入射する。このうち一部の波長成分が抽出されてファイバコリメータ76と接続しているシングルモードファイバを伝搬し、第1の波長可変バンドパスフィルタ70から第1の増幅部152としての第1のファイバアンプ32(以下、「第1のアンプ32」と呼ぶ)に向かう。ファイバコリメータ76の向きは、回折格子74においてリトロー配置条件を満たして入射方向に逆進してきた波長成分が抽出されるように設置してある。したがって、コンピュータ60からの制御によりガルバノミラー73の反射面を連続的に動かせば、回折格子74への入射角が変化してリトロー配置の条件を満たす波長が連続的に変わるので、抽出波長を変更して波長掃引を行うことが可能となる。
第1のアンプ32は、ゲイン部材としてのYb添加ファイバ(不図示)と、これへ注入する励起光を発する励起用半導体レーザ(不図示)と、を含む。励起光の強度は外部からの電気信号に応じて励起用半導体レーザの駆動電流を変える機能を有する制御部156としてのアンプ制御部40によって制御することができる。なお、本実施形態では、制御部156としてのアンプ制御部40と、コンピュータ60とを別の構成としているが、コンピュータ60がアンプ制御部40を兼ねていてもよい。
ファイバアンプは、ゲインファイバに入射する励起用レーザ光の強度によって、入射光の増幅率が変化する。そのため、アンプ制御部40は、励起用半導体レーザの光強度を変更させ、これにより第1のアンプ32の増幅率を変更することができる。第1のアンプ32の駆動電流を増加させると、半導体レーザの出力が向上するため、結果として増幅率も向上する。増幅率を低下させたければ、半導体レーザの駆動電流を低下させればよい。
第1のアンプ32では、抽出波長成分が増幅されて射出されるだけでなく、Yb添加ファイバ内で発生したASE光も射出される。ASE光を含む光をそのまま後段の第2の増幅部154としての第2のファイバアンプ35(以下、「第2のアンプ35」と呼ぶ)に入射すると、上述したようにASE光の影響で波長掃引の幅が狭くなる。そこで本実施形態では、波長掃引の幅の狭帯域化を低減するため、第2のアンプ35に光を入射する前に第2のフィルタ153によりASE光を除去している。
具体的には、第1のアンプ32で増幅された第1のパルス光10は、ファイバコリメータ33から射出しPBS31に再度入射する。ここで、ファイバコリメータ76、第1のアンプ32、ファイバコリメータ33及びそれらを結ぶ光ファイバのそれぞれは、偏波面保存タイプである。ファイバコリメータ33から射出された第1のパルス光10の偏光面が紙面に垂直になるように、ファイバコリメータ33の偏光軸の向きが調整されている。そのため、第1のパルス光10はPBS31で反射して第2のフィルタ153としての波長可変バンドパスフィルタ70に向かう。
本実施形態では、波長可変バンドパスフィルタ70が第1のフィルタ151と第2のフィルタ153とを兼ねており、波長可変バンドパスフィルタ70を第1のパルス光10が2回通過する。このような構成にすることにより、第1のフィルタ151の抽出波長と第2のフィルタ153の抽出波長とを容易に一致させたまま変化させることができる。
波長可変バンドパスフィルタ70に再入射した第1のパルス光10は、1回目の通過時と同様に、ミラー72、ガルバノミラー73、回折格子74を経て、再度ガルバノミラー73で反射され、PBS75に到達する。この時、第1のパルス光10は、その偏光面が紙面に垂直なのでPBS75で反射してファイバコリメータ77に至る。
ファイバコリメータ77の向きは、ファイバコリメータ76と同様に回折格子74においてリトロー配置条件を満たして入射方向に逆進してきた波長成分が抽出されるように設置してある。その結果、第1のフィルタ151及び第2のフィルタ153としての波長可変バンドパスフィルタ70で、同一の波長成分を抽出し、Yb添加ファイバのゲイン域に渡って広く存在していた第1のアンプ32で生じたASE光の大部分を取り除くことができる。
ファイバコリメータ77を出た第1のパルス光10は、ビームスプリッタ34で分岐される。ビームスプリッタ34で分岐された第1のパルス光10の一方は第2の増幅部154としての第2のアンプ35に入射し、他方はファイバコリメータ37及び色フィルタ38を介して検出器155としての光検出器39に入射する。
高精度な計測を行うために、波長掃引幅を広くするためには、抽出波長がゲイン域端部の波長でも強い光が得られるように強い増幅を行うことが好ましい。しかし、上述したように、増幅率が大きいゲイン中央部の波長成分を抽出する場合は、そのままではファイバアンプへの入射光が強くなりすぎて、SPMが生じてスペクトル幅が広くなりスペクトル歪みが発生する恐れがある。そのため、本実施形態では、抽出波長毎に第1のアンプ32の増幅率を変更し、ゲイン中央部の波長の光が入射した場合の第1のアンプ32の増幅率を相対的に小さくする。
そのために、本実施形態では、ファイバコリメータ77を出て第2のアンプ35に向かう第1のパルス光10の一部をビームスプリッタ34で分割して取り出し、ファイバコリメータ37及び色フィルタ38を介して光検出器39に入射させる。色フィルタ38は、光検出器39の波長感度特性の補正するため必要に応じ挿入することが好ましい。
アンプ制御部40は、光検出器39の検出結果に基づいて、第1のアンプ32の駆動電流を制御する制御部である。具体的には、アンプ制御部40は、光検出器39の出力が基準値で一定になるように、第1のアンプ32の励起光用半導体レーザの駆動電流を制御することにより、第1のアンプ32へ注入する励起光の強度を電気的に制御する。
本実施形態では、波長可変バンドパスフィルタ70が第1のフィルタ151と第2のフィルタ153とを兼ねている。そのため、図2(a)ではPBS75を用いて波長可変バンドパスフィルタ70からの抽出光が第1のアンプ32へ向かう光路と第2のアンプ35へ向かう光路とを分けているが、抽出光の光路を分ける構成はこれに限らない。
例えば、図2(b)に示したように、回折格子74及びガルバノミラー73で反射した第1のパルス光10を、ファイバコリメータ78を介して光ファイバに導入してもよい。光ファイバに導入された第1のパルス光10の偏光軸は、波長可変バンドパスフィルタ70による1回目のフィルタリングの後と、波長可変バンドパスフィルタ70による2回目のフィルタリングの後とで異なるように構成されている。そのため、第1のパルス光10は、1回目のフィルタリングの後は、偏光ビームスプリッタ79(以下、「PBS79」と呼ぶ)によって第1のアンプ32に向かい、2回目のフィルタリングの後はPBS79によってビームスプリッタ34に向かう。なお、1回目のフィルタリング後の第1のパルス光10の偏光軸と2回目のフィルタリング後の第1のパルス光10の偏光軸とは、互いに直交していることが好ましい。
図2(b)に示した構成では、空間伝搬していた第1のパルス光10を同一のファイバコリメータ78により光ファイバに導入してから、抽出光の光路を分ける。そのため、異なるファイバコリメータを用いる構成よりも、ファイバコリメータを配置する位置のずれによって、1回目のフィルタリングの抽出波長と2回目のフィルタリングの抽出波長とが異なるものになってしまう恐れが小さくなる。
アンプ制御部40による第1のアンプ32の駆動電流の制御方法について説明する。アンプ制御部40は、あらかじめ光検出器39の出力の基準値を有している。基準値は、以下のようにして取得する。
まず、波長可変バンドパスフィルタ70の抽出波長を、第2のアンプ35からの光が最もSPMによるスペクトル歪みが起きやすい波長、すなわちゲイン域中央部の波長に設定する。その状態で、第2のアンプ35の出力光のスペクトル形状を観測しながら、第1のアンプ32の駆動電流を大きいところから徐々に小さくしていく。その過程で、スペクトルの幅が所望の値以下になりスペクトル歪みが生じていないとみなせるようになった時の光検出器39の出力を基準値として設定する。
波長可変増幅部30による波長掃引時には、光検出器39の出力がこの基準値になるように、第1のアンプ32の駆動電流をフィードバック制御する。こうすることで、波長掃引全域においてSPMによるスペクトル歪みを低減することができる。
図5(a)に、本実施形態の計測装置100において波長可変バンドパスフィルタ70の抽出波長を掃引した時の第2のアンプ35からの射出光の光強度変化を示し、図5(b)に3.5nm刻みで取得したスペクトル形状を示す。この際、波長可変バンドパスフィルタ70の抽出波長は、1010nmから1060nmの範囲で掃引する。
図5(a)に示すように、光強度が強い範囲とみなせる半値幅aは46nmであり、図7(a)に示した駆動電流を最大設定で波長掃引した時と半値幅が同程度である。また、図5(b)に示すように、スペクトルの幅としての半値幅bは、図7(d)の駆動電流を小さくして波長掃引した場合のスペクトルの幅と同程度である。
このように計測装置100によれば、パルスのスペクトル幅の広帯域化を低減し、十分な強度で広い範囲で波長掃引ができる。
(第二の実施形態)
本実施形態の光増幅装置350について、図3(a)を参照して説明する。図3(a)は、光増幅装置350の構成を説明するブロック図である。第一の実施形態では検出部155の検出結果に基づいて第1の増幅部152の駆動電流を制御していたが、本実施形態では検出部155を用いず、予め取得しておいた関係情報に基づいて制御部356が第1の増幅部152の駆動電流を制御する。なお、第一の実施形態と同様の構成については、同じ付番を付し、詳細な説明は省略する。
光増幅装置350は、第1のフィルタ151と、第1の増幅部152と、第2のフィルタ153と、第2の増幅部154と、制御部356と、を有する。
第一の実施形態と同様に、第1のフィルタ151で抽出された任意の抽出波長の光が第1の増幅部で増幅され、第2のフィルタ153に入射する。第2のフィルタ153では第1のフィルタ151の抽出波長と同じ波長の光が抽出され、その光が第2の増幅部154で再び増幅される。
制御部356は、第1の増幅部152に駆動電流を制御することにより、第2の増幅部154に入射する光の強度を抽出波長ごとに調整する。この際、制御部356は、予め取得しておいた、抽出波長と第1の増幅部152の駆動電流との関係情報に基づいて第1の増幅部152に駆動電流を制御する。
ここからは、本実施形態のラマン散乱計測装置300(以下、「計測装置300」と呼ぶ)の構成を、図3(b)を参照して説明する。図3(b)は、計測装置300の構成を説明する模式図である。なお、第一の実施形態と同様の構成については、図3(b)において同じ付番を付し、詳細な説明は省略する。
計測装置300は、波長可変増幅部30として光増幅装置350を用いる。すなわち、計測装置300は、光増幅装置350を有するSRS計測装置である。本実施形態では、第1のアンプ32の励起用半導体レーザの駆動電流は、実施例1とは異なりコンピュータ60によって制御される。すなわち、コンピュータ60が制御部356の機能を有する。コンピュータ60は、抽出波長と第1のアンプ32の駆動電流との関係情報を有しており、その関係情報に基づいて第1のアンプ32の励起用半導体レーザの駆動電流を制御する。抽出波長と第1のアンプ32の駆動電流との関係情報とは、具体的には、波長可変バンドパスフィルタ70の抽出波長毎に適した第1のアンプ32駆動電流を記録したルックアップテーブル等である。コンピュータ60が、ガルバノミラー73の反射面の方位を設定して抽出波長を変更するとともに、ルックアップテーブルを基に第1のアンプ32の励起用半導体レーザの駆動電流がその抽出波長に適した値になるように制御する。
ルックアップテーブルには、例えば、複数の抽出波長と、各抽出波長において第2のアンプ35の出力光のスペクトル形状を観測しながら駆動電流を小さくしていき、スペクトル歪みが生じなくなった時の電流値とが記録されている。なお、ルックアップテーブルは、波長可変バンドパスフィルタ70や第1のアンプ32の特性が変わる度に作り直すことが好ましい。
ルックアップテーブル等の抽出波長と第1のアンプ32の駆動電流との関係情報は、制御部356の記憶部に記憶されていてもよいし、外付けの記憶媒体に記憶されていてもよい。制御部356は、クラウドや外部の記憶媒体等に格納されている情報を、及び有線又は無線のインターネットで取得してもよい。
本実施形態の光増幅装置350によれば、パルスのスペクトル幅の広帯域化を低減し、十分な強度で広い範囲で波長掃引ができる。
また、第一の実施形態で用いるような第2のアンプ35に向かう第1のパルス光10の一部を分割してその強度を検出する構成が不要になるため、小型化に貢献できる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
例えば、上述の各実施形態では、第1のフィルタ151及び第2のフィルタ153として、同一の波長可変バンドパスフィルタ70を用いているが、第1のフィルタ151と第2のフィルタ153とが異なるフィルタであってもよい。
また、上述の各実施形態では、試料53を透過した前方散乱光を光検出器56で検出しているが、これに限らず、試料53からの後方散乱光を検出する構成にしてもよい。また、前方散乱光を検出する構成と、後方散乱光を検出する構成と、の両方を有している構成でもよい。
さらに、上述の各実施形態では、第1の光源11からのストークス光が波長可変増幅部30を通過することにより、ストークス光の波長を変更しながら計測を行っている。しかし、これに限らず、第2の光源21からのポンプ光が波長可変増幅部30を経由する構成にし、ポンプ光の波長を可変にしてもよい。光検出器56で検出する光は、ストークス光であってもポンプ光であってもよいが、波長が変化しない光にすることが好ましい。
上述の各実施形態では、第1のパルス光と第2のパルス光とが試料に照射されることにより発生した誘導ラマン散乱(SRS)により強度変調された光を検出するSRS計測装置を記載している。しかし、各実施形態の光増幅装置は、SRS計測装置に限らず、例えば、コヒーレント反ストークスラマン散乱(Coherent Anti−Stokes Raman Scattering:CARS)された光を検出する計測装置等にも使用できる。
151 第1のフィルタ
152 第1の増幅部
153 第2のフィルタ
154 第2の増幅部
155 検出部
156 制御部

Claims (11)

  1. 抽出波長を有する光を抽出する第1のフィルタであって、前記抽出波長が可変な第1のフィルタと、
    前記第1のフィルタが抽出した光を増幅する第1の増幅部と、
    前記第1の増幅部が増幅した光から前記抽出波長を有する光を抽出する第2のフィルタと、
    前記第2のフィルタが抽出した光を増幅する第2の増幅部と、
    前記第2のフィルタが抽出した光を検出する検出部と、
    前記検出部の検出結果に基づいて、前記第1の増幅部を制御する制御部と、を有する
    ことを特徴とする光増幅装置。
  2. 前記検出部は、前記第2のフィルタが抽出した光の一部の強度を検出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の光増幅装置。
  3. 前記制御部は、前記第一のフィルタの前記抽出波長が変更された場合に前記検出部で検出される光の強度の変化が低減されるように前記第1の増幅部を制御する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の光増幅装置。
  4. 抽出波長を有する光を抽出する第1のフィルタであって、前記抽出波長が可変な第1のフィルタと、
    前記第1のフィルタが抽出した光を増幅する第1の増幅部と、
    前記第1の増幅部が増幅した光から前記抽出波長を有する光を抽出する第2のフィルタと、
    前記第2のフィルタが抽出した光を増幅する第2の増幅部と、
    前記第1のフィルタの前記抽出波長に基づいて、前記第1の増幅部を制御する制御部と、を有する
    ことを特徴とする光増幅装置。
  5. 前記制御部は、前記第1のフィルタの前記抽出波長、及び前記第1のフィルタの前記抽出波長と前記第1の増幅部の駆動電流との関係情報に基づいて、前記駆動電流を制御する
    ことを特徴とする請求項4に記載の光増幅装置。
  6. 前記制御部は、前記第1の増幅部の駆動電流を制御する
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の光増幅装置。
  7. 前記第1のフィルタと前記第2のフィルタとは、同一のフィルタである
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の光増幅装置。
  8. 前記制御部は、前記第1の増幅部の駆動電流を制御することにより、前記第1の増幅部に注入する励起光の強度を制御する
    ことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の光増幅装置。
  9. 前記第1の増幅部及び前記第2の増幅部の少なくとも一方は、ファイバアンプである
    ことを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の光増幅装置。
  10. 第1の光を射出する光増幅装置と、
    前記光増幅装置からの第1の光と、前記第1の光と異なる波長を有する第2の光とを試料に照射する照射光学系と、
    前記第1の光と前記第2の光とが前記試料に照射されることによりラマン散乱された光を検出する光検出器と、を有し、
    前記光増幅装置は、請求項1から9のいずれか一項に記載の光増幅装置を有する
    ことを特徴とするラマン散乱計測装置。
  11. 前記光検出器は、前記ラマン散乱された光として、前記第1の光と前記第2の光とが前記試料に照射されることにより発生した誘導ラマン散乱により強度変調された光を検出する
    ことを特徴とする請求項10に記載のラマン散乱計測装置。
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