JP2018005217A - 波長変換装置、照明装置及びプロジェクター - Google Patents

波長変換装置、照明装置及びプロジェクター Download PDF

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Abstract

【課題】波長変換効率の低下を抑制できる波長変換装置、照明装置及びプロジェクターを提供すること。
【解決手段】波長変換装置は、入射される励起光の少なくとも一部を、励起光とは波長が異なる変換光に変換して出射する波長変換素子と、波長変換素子に対する励起光の入射方向に交差する交差方向にて波長変換素子と接続され、波長変換素子から伝達された熱を放熱する基材と、を備え、基材の上記入射方向に沿う寸法は、波長変換素子の上記入射方向に沿う寸法よりも大きい。
【選択図】図4

Description

本発明は、波長変換装置、照明装置及びプロジェクターに関する。
従来、固体光源から出射された励起光を波長変換し、蛍光を出射する光源装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載の光源装置は、赤、緑及び青の波長域の光を生成する3つの蛍光光生成装置を備え、当該蛍光光生成装置は、励起光源と、集光レンズと、蛍光体と、当該蛍光体が支持される鏡面箱と、発光光を透過し励起光を反射するダイクロイックフィルターと、集光光学系と、を有する。この蛍光光生成装置では、励起光源から出射された励起光は、集光レンズ及び蛍光体を支持する鏡面箱の入射口を介して、当該蛍光体に入射される。そして、蛍光体により波長変換された光は、ダイクロイックフィルター及び集光光学系を介して外部に出射される。
特開2013−156657号公報
ところで、入射される励起光を波長変換する蛍光体には熱が発生するが、当該蛍光体が高温になると、波長変換効率が低下する等の悪影響が生じる。
これに対し、上記特許文献1に記載の光源装置の蛍光光生成装置では、蛍光体を冷却する構成が設けられていないので、蛍光体(波長変換素子)が高温になりやすく、当該波長変換層から出射される光の出射効率(波長変換効率)が低下しやすいという問題がある。
これに対し、励起光の入射方向に対する直交方向にて波長変換素子を支持する基材を、当該直交方向に延出させ、当該波長変換素子から伝導される熱の放熱面積を拡大することが考えられる。しかしながら、このように基材を拡大すると、当該基材に伝導された熱が当該基材の略中央部分にこもりやすく、波長変換素子から伝導された熱を効率よく放熱できず、ひいては、波長変換素子を効果的に冷却できないという問題がある。
本発明は、上記課題の少なくとも1つを解決することを目的とするものであり、波長変換効率の低下を抑制できる波長変換装置、照明装置及びプロジェクターを提供することを目的の1つとする。
本発明の第1態様に係る波長変換装置は、入射される励起光の少なくとも一部を、前記励起光とは波長が異なる変換光に変換して出射する波長変換素子と、前記波長変換素子に対する前記励起光の入射方向に交差する交差方向にて前記波長変換素子と接続され、前記波長変換素子から伝達された熱を放熱する基材と、を備え、前記基材の前記入射方向に沿う寸法は、前記波長変換素子の前記入射方向に沿う寸法よりも大きいことを特徴とする。
上記第1態様によれば、波長変換素子において上記交差方向に直交する断面の面積(以下、素子側断面積という)より、基材において当該交差方向に直交する断面の面積(以下、基材側断面積という)を大きくすることができる。このため、基材における上記入射方向に沿う寸法が、波長変換素子における同方向に沿う寸法以下である場合に比べて、上記基材側断面積を大きくすることができ、波長変換素子から伝達された熱が基材の内部を波長変換素子から離れる方向に伝導する伝導路の面積を拡大できる。これにより、当該基材の熱抵抗を下げることができ、波長変換素子から基材に伝達された熱を、当該基材の内部にこもらせずに、当該基材において波長変換素子から離れた部位に効率よく伝導させることができる。従って、波長変換素子を効果的に冷却でき、当該波長変換素子にて波長変換効率が低下することを抑制できる。
上記第1態様では、前記基材は、前記入射方向に沿って貫通し、前記波長変換素子が嵌合される開口部を有することが好ましい。
このような構成によれば、波長変換素子は、上記開口部の内側端面に囲まれた状態で当該内側端面と接続される。これにより、例えば、波長変換素子の側面の一部のみが基材と接続される場合に比べて、波長変換素子と基材との接触面積を拡大できる。従って、波長変換素子にて発生した熱を基材に効率よく伝達させることができる。
上記第1態様では、前記基材は、前記波長変換素子に対して、前記励起光の入射側、及び、前記励起光の入射側とは反対側の少なくともいずれかに位置する突出部を有し、前記突出部は、前記波長変換素子に対する当該突出部の配置側に向かうに従って前記波長変換素子から離れる傾斜面を有することが好ましい。
このような構成によれば、基材の上記寸法を波長変換素子の上記寸法より確実に大きくすることができるので、上記基材側断面積を、上記素子側断面積より確実に大きくすることができる。これにより、波長変換素子から伝達された熱を、基材にて波長変換素子から離れる方向に効率よく伝導させることができる。従って、波長変換素子をより効果的に冷却できる。
また、上記傾斜面がない構成(例えば上記開口部の内側端面が上記入射方向に沿って延出している構成)に比べて、波長変換素子に入射される光、及び、波長変換素子から出射される光のうち少なくともいずれかが、基材によって遮蔽されることを抑制できる。
上記第1態様では、前記突出部は、前記波長変換素子に対して前記励起光の入射側に位置する入射側突出部を含み、前記入射側突出部における前記傾斜面である入射側傾斜面は、入射される光を反射させることが好ましい。
このような構成によれば、上記のように、入射側傾斜面がない場合に比べて、波長変換素子に入射される励起光が基材によって遮蔽されることを抑制できる。
また、入射側傾斜面に励起光が入射される場合でも、当該励起光は入射側傾斜面によって反射されるので、励起光を波長変換素子に入射させやすくすることができる。従って、波長変換装置に入射される励起光を有効に利用できる。
上記第1態様では、前記波長変換素子は、前記励起光が入射される入射面と、前記入射面とは反対側に位置し、前記変換光が出射される出射面と、を有し、前記突出部は、前記波長変換素子に対して前記励起光の入射側とは反対側であり、前記出射面からの前記変換光の出射側に位置する出射側突出部を含み、前記出射側突出部における前記傾斜面である出射側傾斜面は、入射される光を反射させることが好ましい。
このような構成によれば、波長変換素子が、上記励起光の入射方向に沿って変換光を出射する透過型の波長変換素子である場合に、出射側傾斜面がない場合に比べて、波長変換素子から出射される光が基材によって遮蔽されることを抑制できる。
また、出射面から出射された光が出射側傾斜面に入射される場合でも、当該光は出射側傾斜面によって反射されるので、当該変換光を波長変換装置の外部に出射させやすくすることができる。従って、波長変換装置から出射される光の光量低下を抑制できる。
上記第1態様では、前記出射側傾斜面は、少なくとも一部が、前記変換光の出射側に向かうに従って前記波長変換素子から離れる方向に湾曲していることが好ましい。
ここで、波長変換素子から出射される変換光は、当該波長変換素子の出射面から拡散して出射される。
これに対し、上記構成によれば、上記出射側突出部を波長変換素子から離しやすくすることができるので、波長変換素子から出射された光が出射側突出部に入射されることを抑制でき、当該光を出射側突出部が遮蔽することを抑制できる。従って、波長変換装置から出射される光の光量低下を抑制できる。
また、出射側傾斜面が湾曲していることにより、当該出射側傾斜面が平面状に形成されている場合に比べて、出射側傾斜面の面積、すなわち、基材に伝達された熱の放熱面積を拡大しやすくすることができる。従って、波長変換素子の冷却効率を向上させることができる。
上記第1態様では、前記波長変換素子は、無機材により形成されていることが好ましい。
なお、上記無機材としては、セラミック等を例示できる。
このような構成によれば、波長変換素子が有機材によって形成されている場合に比べて、波長変換素子の劣化を抑制できる。従って、波長変換装置の信頼性を向上させることができる。
本発明の第2態様に係る照明装置は、上記波長変換装置と、前記励起光を出射する光源と、を備えることを特徴とする。
上記第2態様によれば、上記第1態様に係る波長変換装置と同様の効果を奏することができる。また、これにより、照明装置の信頼性及び安定性を向上させることができる。
上記第2態様では、前記励起光は、青色光であり、前記変換光は、赤色光及び緑色光を含むことが好ましい。
このような構成によれば、波長変換素子に含まれる蛍光体の種類及び濃度を調整することによって、当該波長変換素子から励起光及び変換光を含む白色光が出射されるように、照明装置を構成できる。このため、光源から出射された青色光である励起光を分けて、波長変換素子から出射された変換光と合成する構成や、当該変換光と合成される青色光を出射する光源を別途設ける必要がない。従って、照明装置の構成を簡略化できる。
本発明の第3態様に係るプロジェクターは、上記照明装置と、前記照明装置から出射された光を変調する光変調装置と、前記光変調装置により変調された光を投射する投射光学装置と、を備えることを特徴とする。
上記第3態様によれば、上記第1態様に係る波長変換装置及び上記第2態様に係る照明装置と同様の効果を奏することができる。また、これにより、当該プロジェクターの信頼性及び安定性を向上させることができる。
本発明の一実施形態に係るプロジェクターの構成を示す模式図。 上記実施形態に係るプロジェクターの照明装置の構成を示す模式図。 上記実施形態に係る波長変換装置を励起光の入射側から見た正面図。 上記実施形態に係る波長変換装置を示す断面図。 上記実施形態の第1変形例に係る波長変換装置を示す断面図。 上記実施形態の第2変形例に係る波長変換装置を示す断面図。 上記実施形態の第3変形例に係る波長変換装置を示す断面図。 上記実施形態の第4変形例に係る波長変換装置を示す断面図。
以下、本発明の一実施形態について、図面に基づいて説明する。
[プロジェクターの概略構成]
図1は、本実施形態に係るプロジェクター1の概略構成を示す概略図である。
プロジェクター1は、内部に設けられた光源から出射された光束を変調して画像情報に応じた画像を形成し、当該画像をスクリーン等の被投射面PS上に拡大投射する表示装置である。
このプロジェクター1は、図1に示すように、外装筐体2と、当該外装筐体2内に収納される画像投射装置3と、を備える。この他、図示を省略するが、プロジェクター1は、当該プロジェクター1を制御する制御装置、冷却対象を冷却する冷却装置、及び、当該プロジェクター1を構成する電子部品に電力を供給する電源装置を備える。
このようなプロジェクター1は、後に詳述するが、入射された励起光の少なくとも一部の光を蛍光(変換光)に変換して出射する波長変換素子43と、波長変換素子43を支持し、当該波長変換素子43から伝導された熱を放熱させる基材41と、を備える波長変換装置4を備える。そして、当該プロジェクター1は、基材41における励起光の入射方向に沿う寸法が、波長変換素子43における当該入射方向に沿う寸法よりも大きい点を特徴の1つとしている。
以下、プロジェクター1の構成について、説明する。
[画像投射装置の構成]
画像投射装置3は、設計上の光軸である照明光軸Ax上にそれぞれ配置される照明装置31、色分離装置32、平行化レンズ33、複数の光変調装置34、色合成装置35、及び投射光学装置36を備える。
照明装置31は、照明光WLを出射する。なお、照明装置31の構成については、後に詳述する。
色分離装置32は、照明装置31から入射された照明光WLを赤色光LR、緑色光LG及び青色光LBの3つの色光に分離する。この色分離装置32は、ダイクロイックミラー321,322、全反射ミラー323,324,325及びリレーレンズ326,327を備える。
ダイクロイックミラー321は、照明装置31からの照明光WLから青色光LB及びその他の色光(緑色光LG及び赤色光LR)を含む光を分離する。具体的に、ダイクロイックミラー321は、青色光LBを透過させるとともに、緑色光LG及び赤色光LRを含む上記光を反射させる。
ダイクロイックミラー322は、ダイクロイックミラー321により分離された上記光から緑色光LG及び赤色光LRを分離する。具体的に、ダイクロイックミラー322は、緑色光LGを反射するとともに、赤色光LRを透過させる。
全反射ミラー323は、青色光LBの光路上に配置され、ダイクロイックミラー321にて透過された青色光LBを光変調装置34(34B)に向けて反射させる。
全反射ミラー324,325は、赤色光LRの光路上に配置され、ダイクロイックミラー322を透過した赤色光LRを光変調装置34(34R)に導く。なお、緑色光LGは、ダイクロイックミラー322にて、光変調装置34(34G)に向けて反射される。
リレーレンズ326,327は、赤色光LRの光路においてダイクロイックミラー322の下流に配置されている。これらリレーレンズ326,327は、赤色光LRの光路長が青色光LBや緑色光LGの光路長よりも長くなることによる赤色光LRの光損失を補償する機能を有する。
平行化レンズ33は、光変調装置34に入射する光を平行化する。なお、赤、緑及び青の各色光用の平行化レンズを、それぞれ33R,33G,33Bとする。また、赤、緑及び青の各色光用の光変調装置を、それぞれ34R,34G,34Bとする。
複数の光変調装置34(34R,34G,34B)は、それぞれ入射される各色光LR,LG,LBを画像情報に応じて変調して、当該各色光LR,LG,LBに応じた画像光を形成する。これら光変調装置34は、入射される光を変調する液晶パネルにより構成される。なお、各光変調装置34R,34G,34Bの光入射側及び光出射側には、入射側偏光板341及び出射側偏光板342が配置されている。
色合成装置35は、各光変調装置34R,34G,34Bから入射される画像光を合成する。本実施形態では、色合成装置35は、クロスダイクロイックプリズムにより構成されているが、複数のダイクロイックミラーによって構成してもよい。
投射光学装置36は、色合成装置35にて合成された画像光をスクリーン等の被投射面PSに投射する。
このような構成により、被投射面PSに拡大された画像が投射される。
[照明装置の構成]
図2は、本実施形態のプロジェクター1における照明装置31の構成を示す概略図である。
照明装置31は、色分離装置32に、偏光方向が揃えられた均一な照明光WLを出射する。この照明装置31は、固体光源311、集光光学装置312、波長変換装置4、コリメートレンズ313、第1レンズアレイ314、第2レンズアレイ315、及び、偏光変換素子316を備える。
固体光源311は、青色のレーザー光である励起光(発光強度のピーク:略455nm)を出射するレーザー光源であり、本発明の光源に相当する。
なお、固体光源311は、1つのレーザー光源(LD:Laser Diode)を有するものでもよく、複数のレーザー光源を有するものでもよい。また、発光強度のピークが455nm以外の波長の青色光を励起光として出射する固体光源を採用してもよい。
集光光学装置312は、第1レンズ3121及び第2レンズ3122を備え、これらによって、固体光源311から入射される励起光を集光して、当該励起光を波長変換装置4に入射させる。このような第1レンズ3121及び第2レンズ3122は、凸レンズと凹レンズとの組合せを例示できる。
波長変換装置4は、入射された励起光の一部を、当該励起光とは波長が異なる変換光に変換し、当該変換光を含む光を励起光の入射側とは反対側に出射する。すなわち、波長変換装置4は、励起光の入射方向に沿って、当該励起光の一部と蛍光とを含む光を出射する透過型の波長変換装置である。なお、波長変換装置4の詳しい構成については、後述する。
コリメートレンズ313は、固体光源311から入射される光を略平行化する。
第1レンズアレイ314は、コリメートレンズ313から入射される光を複数の部分光束に分割する複数の第1小レンズ3141を有する。
第2レンズアレイ315は、複数の第1小レンズ3141に対応する複数の第2小レンズ3151を有する。この第2レンズアレイ315は、第1レンズアレイ314から入射される各第1小レンズ3141の像を各光変調装置34R,34G,34Bの画像形成領域の近傍に結像させ、これにより、上記複数の部分光束を、各画像形成領域に重畳させる。なお、各第2小レンズ3151も照明光軸Axに直交する面内にマトリクス状に配列されている。
偏光変換素子316は、第1レンズアレイ314により分割された各部分光束の偏光方向を揃える機能を有する。
[波長変換装置の構成]
図3は、波長変換装置4を光入射側から見た平面図であり、図4は、波長変換装置4の断面図である。
波長変換装置4は、図3及び図4に示すように、基材41及び波長変換素子43を備える。
なお、以下の説明では、固体光源311から入射される励起光の進行方向を+Z方向とし、当該+Z方向にそれぞれ直交し、かつ、互いに直交する二方向を、+X方向及び+Y方向とする。また、図示を省略するが、+Z方向の反対方向を−Z方向とする。これらのうち、+Z方向は、波長変換素子43に対する励起光の入射方向に沿う方向であり、+X方向及び+Y方向は、当該入射方向に交差する交差方向に含まれる方向である。
[波長変換素子の構成]
ここで、波長変換素子43について、先に説明する。
波長変換素子43は、入射された励起光ELの一部を、当該励起光とは波長が異なる蛍光(変換光)に変換し、当該蛍光と励起光の他の一部とを含む白色の出射光LT(図4参照)を、励起光ELの入射側とは反対側に出射する。具体的に、波長変換素子43は、当該波長変換素子43に入射された励起光ELの一部を、赤色光及び緑色光を含む蛍光(ピーク波長:略550nm)に変換する。このような波長変換素子43には、黄色蛍光体と、緑色蛍光体及び赤色蛍光体とのいずれかの混合物が含まれる。これら蛍光体の濃度は、照明装置31から出射される照明光WLの波長分布に基づいて設定される。このような蛍光体としては、例えば、セラミックにより形成されるセラミック蛍光体や、蛍光体粉末とガラスバインダーとを混合した蛍光体により形成される。すなわち、波長変換素子43は、無機材によって形成されている。
[波長変換素子に入射される励起光の照射領域及び出射光の出射範囲]
波長変換素子43に入射される励起光ELは、当該波長変換素子43の入射面431において、図3及び図4に一点鎖線にて示した略円形状の照射領域R1内に入射される。
一方、図4に示すように、波長変換素子43において+Z方向側の面である出射面432から、波長変換素子43によって変換されなかった励起光と、変換された蛍光とを含む出射光LTが出射される。この出射光LTは、当該図4において二点鎖線にて示すように、出射面432から拡散出射される。
[基材の構成]
基材41は、上記波長変換素子43を支持する支持部材として機能する他、当該波長変換素子43から伝達された熱を放熱する放熱部材として機能する。この基材41は、図3に示すように、励起光ELの入射側(−Z方向側)から見て、略矩形状に形成されている。このような基材41は、図4に示すように、波長変換素子43と接続される本体部411と、当該本体部411と一体的に形成された突出部412と、を有する。
なお、基材41は、本実施形態では、熱伝導性が比較的高いアルミニウムにより構成されている。しかしながら、これに限らず、例えば、マグネシウム等の他の金属やセラミック等、熱伝導性及び放熱性が高い材料であれば、他の材料によって基材41が構成されていてもよい。
本体部411は、図3及び図4に示すように、波長変換素子43が嵌合される開口部4111を略中央に有する。この開口部4111は、励起光ELの入射側から見て、略矩形状に形成され、当該励起光ELの入射方向(+Z方向)に沿って本体部411(基材41)を貫通している。この開口部4111の内側端面には、反射層42が形成されており、当該開口部4111内には、反射層42を介して当該内側端面と接続されるように、波長変換素子43が配置される。すなわち、開口部4111の内側端面には、波長変換素子43において+Z方向に対する交差方向(例えば+X方向及び+Y方向)に交差する側面433が接続される。
突出部412は、本発明の出射側突出部を含む部位であり、本体部411から+Z方向側(励起光ELの入射側とは反対側)に突出している。この突出部412は、上記開口部4111の内側端面における+Z方向側の端部から、+Z方向に向かうに従って波長変換素子43から離れる方向に傾斜した傾斜面4121を有する。換言すると、突出部412は、+Z方向に向かうに従って上記開口部4111の内側端面から離れる方向に傾斜した傾斜面4121を有する。このような突出部412が基材41に設けられていることにより、当該基材41の+Z方向に沿う寸法は、波長変換素子43の+Z方向に沿う寸法より大きくなっている。
ここで、上記のように、出射光LTは、波長変換素子43の出射面432から拡散出射される。このため、+Z方向に対する傾斜面4121の傾斜角が小さい場合、一部の出射光LTが突出部412(傾斜面4121)に入射されて、出射光LTにおける外周側の光が遮蔽される、所謂光ケラレという事象が発生しやすくなる。
これに対し、傾斜面4121(出射側傾斜面)は、反射層42が形成された反射面となっている。このため、突出部412に入射された上記一部の出射光LTは、傾斜面4121によって反射されるので、波長変換装置4からの出射光量が上記光ケラレによって低減されることが抑制され、出射光LTの略全てがコリメートレンズ313に入射される。一方、+Z方向に対する傾斜面4121の傾斜角が、上記光ケラレが生じない角度であれば、傾斜面4121に反射層42は無くてもよい。
なお、反射層42は、開口部4111の内側端面及び傾斜面4121に、例えば蒸着により形成される。このような反射層42を介して、波長変換素子43の熱は、上記内面にて基材41に伝導される。
[波長変換素子に対する基材の厚さ寸法]
波長変換装置4では、+Z方向に沿う基材41の寸法L2(+Z方向に沿う本体部411の寸法L21及び突出部412の寸法L22の和)は、+Z方向に沿う波長変換素子43の寸法L1の略1.9倍に設定されている。
具体的に、波長変換装置4では、+Z方向に沿う波長変換素子43の寸法L1は、略1mmに設定されている。これに対し、+Z方向に沿う基材41の寸法L2は、略1.9mmに設定されている。詳述すると、+Z方向に沿う本体部411の寸法L21は、同方向に沿う波長変換素子43の寸法L1と同じく、略1mmに設定され、+Z方向に沿う突出部412の寸法L22は、同方向に沿う波長変換素子43の寸法L1より小さい、略0.9mmに設定されている。
[実施形態の効果]
以上説明した本実施形態に係るプロジェクター1は、以下の効果を奏する。
波長変換素子43を支持する基材41の+Z方向に沿う寸法L2(励起光ELの入射方向に沿う寸法L2)は、波長変換素子43の同方向に沿う寸法L1よりも大きい。このことから、基材41において+Z方向に対する交差方向(例えば+X方向及び+Y方向)に直交する断面の面積を、波長変換素子43において当該交差方向に直交する断面の面積(波長変換素子43において開口部4111の内側端面との接触面積)より大きくすることができる。このため、上記寸法L2が、上記寸法L1以下である場合に比べて、基材41の上記断面の面積を大きくすることができるので、当該基材41の内部を波長変換素子43から離れる方向に伝導される熱の伝導路の断面積を拡大できる。これにより、当該基材41の熱抵抗を低減させることができ、波長変換素子43から基材41に伝達された熱を、当該基材41の内部にこもらせずに、当該基材41において波長変換素子43から離れた部位に効率よく伝導させることができる。そして、上記断面の面積が波長変換素子43より大きな基材41にて、当該熱を効果的に放熱できる。従って、波長変換素子43を効果的に冷却でき、当該波長変換素子43にて波長変換効率が低下することを抑制できる。
波長変換素子43は、基材41の開口部4111に嵌合されるので、当該波長変換素子43は、+Z方向に対する交差方向に交差する側面433が開口部4111の内側端面によって囲まれた状態で、当該内側端面と接続される。これによれば、例えば、当該側面433の一部のみが基材41と接続される場合に比べて、波長変換素子43と基材41との接触面積を拡大できる。従って、波長変換素子43にて発生した熱を基材41に効率よく伝達させることができる。
基材41は、波長変換素子43に対して+Z方向(励起光ELの入射側とは反対側)に位置する突出部412を有する。これによれば、基材41の上記断面の面積を、波長変換素子43の上記断面の面積より確実に大きくすることができる。これにより、波長変換素子43から伝達された熱を、基材41にて波長変換素子43から離れる方向に効率よく伝導させることができる。従って、波長変換素子43をより効果的に冷却できる。
また、突出部412は、+Z方向に向かうに従って波長変換素子43から離れる傾斜面4121を有する。これによれば、傾斜面4121がない場合(例えば上記開口部4111の内側端面が+Z方向に沿って延出している場合)に比べて、波長変換素子43から出射された出射光LTが、突出部412によって遮蔽されることを抑制できる。
反射層42が形成された傾斜面4121は、反射面として機能する。これによれば、波長変換素子43から拡散して出射される出射光LTのうち、一部の出射光LTが突出部412に入射される場合でも、当該一部の出射光LTを傾斜面4121によって反射させることができる。従って、当該一部の出射光LTを、波長変換装置4の外部に出射させやすくすることができるので、出射光LTの略全てを光路下流に位置するコリメートレンズ313に入射させやすくすることができる。
波長変換素子43は、無機材により形成されている。これによれば、波長変換素子43が有機材によって形成されている場合に比べて、波長変換素子43の劣化を抑制できる。従って、波長変換装置4の信頼性を向上させることができる。
波長変換装置4を備えた照明装置31は、波長変換素子43を効果的に冷却できるので、当該波長変換素子43での波長変換効率の低下を抑制できる。これにより、波長変換装置4(波長変換素子43)に入射された励起光ELを安定して波長変換でき、照明装置31が照明光を安定して出射できる。従って、当該照明装置31の信頼性及び安定性を向上させることができる。
波長変換素子43に入射される励起光ELは、青色光であり、波長変換素子43にて当該励起光ELが変換されて出射される変換光は、赤色光及び緑色光を含む蛍光である。これによれば、上記のように、当該波長変換素子43から励起光ELの一部と蛍光とが出射されるように蛍光体の種類及び濃度を調整することによって、白色光である出射光LTが出射されるように、照明装置31を構成できる。このため、固体光源311から出射された励起光ELを分けて、波長変換素子43から出射された蛍光と合成する構成や、当該蛍光と合成される青色光を出射する光源を別途設ける必要がない。従って、照明装置31の構成を簡略化できる。
プロジェクター1は、上記波長変換装置4を備えた照明装置31を備えるので、当該照明装置31から安定して出射される照明光を変調して、画像を形成及び投射できる。従って、プロジェクター1の信頼性及び安定性を向上させることができる。
[実施形態の変形]
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
上記実施形態では、波長変換装置4の基材41は、本体部411及び突出部412を有し、当該突出部412は、波長変換素子43に対して上記出射光LTの出射側に位置することとした。しかしながら、本発明は、これに限らず、基材41の形状は、他の形状でもよい。例えば、以下に示す波長変換装置4A〜4Dを、波長変換装置4に代えて照明装置31に採用してもよい。
なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
[第1変形例]
図5は、波長変換装置4の第1変形例としての波長変換装置4Aを示す断面図である。
波長変換装置4Aは、図5に示すように、基材41に代えて基材41Aを有する他は、上記波長変換装置4と同様の構成及び機能を有する。
基材41Aは、本体部411及び突出部412Aを有し、これらが一体的に形成された部材である。これらのうち、突出部412Aは、入射側突出部413A及び出射側突出部414Aを含んで構成される。
入射側突出部413Aは、基材41Aにおいて−Z方向(励起光ELの入射側)に突出する部位である。この入射側突出部413Aは、開口部4111の内側端面における−Z方向側の端部から−Z方向に向かうに従って、当該開口部4111内に嵌合された波長変換素子43から離れる方向に傾斜する傾斜面である入射側傾斜面4131Aを有する。この入射側傾斜面4131Aは、上記反射層42が形成された反射面である。
出射側突出部414Aは、基材41Aにおいて+Z方向側(励起光ELの入射側とは反対側であり、出射光LTの出射側)に突出する部位である。この出射側突出部414Aは、開口部4111の内側端面における+Z方向側の端部から+Z方向に向かうに従って、波長変換素子43から離れる方向に傾斜する傾斜面である出射側傾斜面4141Aを有する。この出射側傾斜面4141Aは、上記反射層42が形成された反射面である。
これら入射側傾斜面4131A及び出射側傾斜面4141Aのそれぞれの+Z方向に対する傾斜角は同じであり、当該傾斜角は、上記傾斜面4121の+Z方向に対する傾斜角より大きい。
また、入射側傾斜面4131Aの上記傾斜角は、波長変換素子43に入射される励起光ELが入射側突出部413A(入射側傾斜面4131A)に入射しない程度の角度に設定されている。同様に、出射側傾斜面4141Aの傾斜角は、上述した光ケラレの発生を抑制することも含め、出射面432から拡散出射される出射光LTが出射側突出部414A(出射側傾斜面4141A)に入射しない程度の角度に設定されている。このため、これら傾斜面4131A,4141Aに、上記反射層42は形成されていなくてもよい。
このような波長変換装置4Aでは、+Z方向に沿う基材41Aの寸法L3(それぞれ+Z方向に沿う本体部411の寸法L31と、入射側突出部413Aの寸法L32と、出射側突出部414Aの寸法L33との和)は、同方向に沿う波長変換素子43の寸法L1の略1.7倍に設定されている。
具体的に、波長変換装置4Aでは、+Z方向に沿う基材41Aの寸法L3は、略1.7mmに設定されており、+Z方向に沿う本体部411の寸法L31は、同方向に沿う波長変換素子43の寸法L1と同じく、略1mmに設定されている。一方、+Z方向に沿う入射側突出部413Aの寸法L32、及び、出射側突出部414Aの寸法L33は、それぞれ略0.35mmに設定されている。
このように、+Z方向に沿う基材41Aの寸法L3は、同方向に沿う波長変換素子43の寸法L1より大きい。このことから、上記基材41と同様に、上記寸法L3が上記寸法L1以下である場合に比べて、基材41Aの内部を波長変換素子43から離れる方向に伝導される熱の伝導路の断面積を拡大できる。これにより、当該基材41Aの熱抵抗を低減させることができ、波長変換素子43から基材41Aに伝達された熱を、当該基材41Aの内部にこもらせずに、当該基材41において波長変換素子43から離れた部位に効率よく伝導させることができる。従って、波長変換素子43を効果的に冷却でき、当該波長変換素子43にて波長変換効率が低下することを抑制できる。
[第1変形例の効果]
このような波長変換装置4Aが波長変換装置4に代えて照明装置31に採用されることにより、上記波長変換装置4を有する照明装置31と同様の効果を奏する他、以下の効果を奏することができる。
基材41Aは、上記入射側突出部413A及び出射側突出部414Aを有する。これによれば、これら突出部413A,414Aが無い場合に比べて、上記伝導路の面積を拡大でき、波長変換素子43から伝達された熱を、基材41Aの内部にこもらせずに、当該波長変換素子43から離れた部位に効率よく伝導させることができる。従って、波長変換素子43を効果的に冷却でき、当該波長変換素子43にて波長変換効率が低下することを抑制できる。
入射側突出部413Aは、上記入射側傾斜面4131Aを有し、出射側突出部414Aは、上記出射側傾斜面4141Aを有する。これら傾斜面4131A,4141Aには、反射層42が形成されている。これによれば、入射側傾斜面4131Aに励起光ELが入射される場合でも、当該入射側傾斜面4131Aにて励起光ELを反射させることができる。また、出射側傾斜面4141Aに出射光LTが入射される場合でも、当該出射側傾斜面4141Aにて出射光LTを反射させることができ、従って、波長変換素子43に入射される励起光ELの光量低下、及び、波長変換素子43から出射される出射光LTの光量低下を抑制でき、波長変換装置4A、ひいては、照明装置31から出射される照明光の光量低下を抑制できる。
[第2変形例]
図6は、波長変換装置4の第2変形例としての波長変換装置4Bを示す断面図である。
波長変換装置4Bは、図6に示すように、基材41Aに代えて基材41Bを有する他は、上記波長変換装置4Aと同様の構成及び機能を有する。
基材41Bは、本体部411及び突出部412Bを有し、これらが一体的に形成された部材である。これらのうち、突出部412Bは、入射側突出部413B及び出射側突出部414Bを含んで構成される。
入射側突出部413Bが有する入射側傾斜面4131Bは、上記入射側傾斜面4131Aと同様に+Z方向に対して傾斜し、また、出射側突出部414Bが有する出射側傾斜面4141Bは、上記出射側傾斜面4141Aと同様に+Z方向に対して傾斜している。しかしながら、これら傾斜面4131B,4141Bの+Z方向に対する傾斜角は、当該傾斜面4131A,4141Aと異なる。なお、各傾斜面4131B,4141Bも、反射層42が形成された反射面である。
具体的に、+Z方向に対する入射側傾斜面4131Bの傾斜角は、同方向に対する上記入射側傾斜面4131Aの傾斜角より小さい角度に設定されている。このような入射側傾斜面4131Bの傾斜角も、波長変換素子43に入射される励起光ELが当該入射側傾斜面4121Bに入射されない程度の角度に設定されている。このため、入射側傾斜面4131Bに、反射層42は形成されていなくてもよい。
一方、出射側傾斜面4141Bは、開口部4111の内側端面に対して急激に傾斜しており、+Z方向に対する出射側傾斜面4141Bの傾斜角は、同方向に対する上記傾斜面4121及び上記出射側傾斜面4141Bの傾斜角より大きい角度に設定されている。このような出射側傾斜面4141Bの傾斜角も、出射光LTが当該出射側傾斜面4141Bに入射されない程度の角度に設定されている。このため、出射側傾斜面4141Bに、反射層42は形成されていなくてもよい。
このような波長変換装置4Bにおいても、+Z方向に沿う基材41Bの寸法L4(それぞれ+Z方向に沿う本体部411の寸法L41と、入射側突出部413Bの寸法L42と、出射側突出部414Bの寸法L43との和)は、同方向に沿う波長変換素子43の寸法L1の略1.7倍に設定されている。
具体的に、波長変換装置4Bでは、+Z方向に沿う基材41Bの寸法L4は、略1.7mmに設定されており、+Z方向に沿う本体部411の寸法L41は、同方向に沿う波長変換素子43の寸法L1と同じく、略1mmに設定されている。一方、+Z方向に沿う入射側突出部413Bの寸法L43は、略0.5mmに設定され、出射側突出部414Bの寸法L42は、略0.20mmに設定されている。
[第2変形例の効果]
このような波長変換装置4Bが、上記波長変換装置4Aに代えて照明装置31に採用されることにより、当該波長変換装置4Aを有する照明装置31と同様の効果を奏する他、以下の効果を奏することができる。
+Z方向に対する出射側傾斜面4141Bの傾斜角は、同方向に対する出射側傾斜面4141Aの傾斜角より大きい。これによれば、波長変換素子43の出射面432から拡散出射される出射光LTが当該出射側傾斜面4141Bに入射されることを一層抑制できる。従って、出射光LTが基材41B(出射側突出部414B)によって遮蔽されることをより効果的に抑制できる。
[第3変形例]
図7は、波長変換装置4の第3変形例としての波長変換装置4Cを示す断面図である。
波長変換装置4Cは、図7に示すように、基材41Bに代えて基材41Cを有する他は、上記波長変換装置4Bと同様の構成及び機能を有する。
基材41Cは、本体部411Cと、入射側突出部413B及び出射側突出部414Bを有する突出部412Bと、を有し、これらが一体的に形成されている。
これらのうち、本体部411Cは、波長変換素子43側に延出する延出部415Cを有し、当該延出部415Cに上記開口部4111が形成されている。換言すると、入射側突出部413B及び出射側突出部414Bの各傾斜面4131B,4141Bは、延出部415Cの分だけ開口部4111の内側端面から+Z方向に交差する方向に所定寸法離れた位置から、上記のように傾斜している。
なお、この延出部415Cを含めて、波長変換素子43と対向する基材41Cの部位には、上記反射層42が形成されており、当該波長変換素子43は、反射層42を介して開口部4111の内側端面と接続される。
[第3変形例の効果]
このような波長変換装置4Cが、上記波長変換装置4Bに代えて照明装置31に採用されることにより、当該波長変換装置4Bを有する照明装置31と同様の効果を奏する他、以下の効果を奏することができる。
基材41Cの本体部411Cが上記延出部415Cを有することにより、上記基材41Bに比べて、各突出部413B,414Bを波長変換素子43から離間させやすくすることができる。これにより、波長変換素子43に入射される励起光ELが入射側突出部413Bに入射されることを一層抑制できる他、波長変換素子43から出射される出射光LTが出射側突出部414Bに入射されることを一層抑制できる。従って、これら励起光EL及び出射光LTが基材41Cによって遮蔽されることを抑制でき、波長変換装置4C、ひいては、照明装置31から出射される光の光量低下を抑制できる。
[第4変形例]
図8は、波長変換装置4の第4変形例としての波長変換装置4Dを示す断面図である。
波長変換装置4Dは、図8に示すように、基材41に代えて基材41Dを有する他は、上記波長変換装置4と同様の構成及び機能を有する。
基材41Dは、本体部411及び突出部412Dを有し、これらが一体的に形成された部材である。これらのうち、突出部412Dは、入射側突出部413D及び出射側突出部414Dを含んで構成されている。
入射側突出部413Dは、基材41Dにおいて−Z方向側(励起光ELの入射側)に突出した部位である。この入射側突出部413Dは、上記開口部4111の内側端面における−Z方向側の端部から−Z方向に向かうに従って、波長変換素子43から離れる方向に傾斜する傾斜面である入射側傾斜面4131Dを有する。この入射側傾斜面4131Dの+Z方向に対する傾斜角は、上記入射側傾斜面4131Bと同様に設定されている。そして、当該傾斜角は、励起光ELが入射側突出部413Dに入射しないように設定されている。このような入射側傾斜面4131Dには、上記と同様に、反射層42が形成されている。
出射側突出部414Dは、基材41Dにおいて+Z方向側(励起光ELの入射側とは反対側)に突出した部位である。この出射側突出部414Dは、上記開口部4111の内側端面における+Z方向側の端部から+Z方向側に向かうに従って、波長変換素子43から離れる方向に傾斜した出射側傾斜面4141Dと、当該出射側傾斜面4141Dに対して+Z方向側に位置する平面4142Dと、を有する。
出射側傾斜面4141Dは、+Z方向に向かうに従って波長変換素子43から離れる方向に湾曲しており、例えばYZ平面に沿う断面形状が凹状となっている。
また、平面4142Dは、出射側傾斜面4141Dにおける+Z方向側の端部から、開口部4111の内側端面と略平行に延出している。
これら出射側傾斜面4141D及び平面4142Dにおいても、上記反射層42が形成されている。
このような波長変換装置4Dにおいては、+Z方向に沿う基材41Dの寸法L5(それぞれ+Z方向に沿う本体部411の寸法L51と、入射側突出部413Dの寸法L52と、出射側突出部414Dの寸法L53との和)は、同方向に沿う波長変換素子43の寸法L1の略5.5倍に設定されている。
具体的に、波長変換装置4Dでは、+Z方向に沿う基材41Dの寸法L5は、略7.8mmに設定されており、+Z方向に沿う本体部411の寸法L51は、同方向に沿う波長変換素子43の寸法L1と同じく、略1mmに設定されている。一方、+Z方向に沿う入射側突出部413Dの寸法L52は、略2.7mmに設定され、出射側突出部414Dの寸法L53は、略4.1mmに設定されている。
[第4変形例の効果]
このような波長変換装置4Dが、上記波長変換装置4A〜4Cに代えて照明装置31に採用されることにより、当該波長変換装置4A〜4Cを有する照明装置31と同様の効果を奏する他、以下の効果を奏することができる。
上記出射側傾斜面4141Dが、上記のように湾曲していることにより、当該出射側傾斜面4141D(出射側突出部414D)を波長変換素子43から離しやすくすることができる。これにより、出射側突出部414Dに、波長変換素子43から出射された出射光LTが入射されることを抑制でき、出射側突出部414D(基材41D)が当該出射光LTを遮蔽することを抑制できる。従って、波長変換装置4Dから出射される光の光量低下を抑制できる。
また、出射側傾斜面4141Dが湾曲していることにより、当該傾斜面4141Dが平面状に形成されている場合に比べて、出射側傾斜面4141Dの面積、すなわち、基材41Dに伝達された熱の放熱面積を拡大できる。従って、波長変換素子43の冷却効率を向上させることができる。
[他の変形]
上記実施形態及び上記変形例では、基材41,41A〜41Dは、+Z方向に沿って基材41を貫通し、波長変換素子43が嵌合される開口部4111を有することとした。しかしながら、これに限らず、例えば、基材は、波長変換素子43の側面433にそれぞれ当接して、当該波長変換素子43を+Z方向に交差する方向にて支持(挟持)する複数の部材によって構成されていてもよく、当該部材は1つであってもよい。すなわち、基材は、当該側面433における少なくとも一部と接触していればよく、開口部4111は無くてもよい。また、開口部4111の形状は、矩形に限らず、例えば円形であってもよい。
上記実施形態及び上記変形例では、基材41,41A〜41Dは、波長変換素子43に対して+Z方向側に突出する突出部412及び出射側突出部414A,414B,414Dを有するとした。しかしながら、これに限らず、基材は、波長変換素子に対して励起光の入射側に突出する入射側突出部のみを有する構成としてもよい。
また、上記入射側突出部が有する入射側傾斜面が、出射側傾斜面4141Dと同様に湾曲していてもよい。また、傾斜面が湾曲している場合でも、当該傾斜面の一部のみが湾曲していてもよい。
上記実施形態及び上記変形例では、波長変換装置4,4A〜4Dは、励起光ELの入射方向に沿って出射光LTを出射する透過型の波長変換装置であった。すなわち、当該波長変換装置4,4A〜4Dは、励起光ELの入射面431と出射光LTの出射面432とが互いに反対側となる波長変換素子43を有する構成であった。しかしながら、これに限らず、励起光ELの入射方向とは反対方向に出射光LTを出射する反射型の波長変換装置に、本発明を適用してもよい。
上記実施形態及び上記変形例では、突出部412,412A,412B,412Dは、+Z方向又は−Z方向に向かうに従って波長変換素子43から離れる方向に傾斜(湾曲)した傾斜面を有するとした。しかしながら、これに限らず、このような傾斜面は無くてもよい。例えば、基材は、上記開口部4111の内側端面が、当該開口部4111に嵌合される波長変換素子43に対して+Z方向側又は−Z方向側に延出した構成を有していてもよい。また、例えば、波長変換素子43に入射される励起光EL、及び、当該波長変換素子43から出射される出射光LTを遮蔽しなければ、+Z方向又は−Z方向に向かうに従って波長変換素子43に近接する方向に傾斜していてもよい。
上記実施形態及び上記変形例では、波長変換素子43は、無機材(セラミック蛍光体)により構成されていることとした。しかしながら、本発明は、これに限らない。例えば、波長変換素子43は、樹脂等の有機材(樹脂バインダーを含む蛍光体等)により形成されていてもよい。
上記実施形態及び上記変形例では、開口部4111の内側端面、傾斜面4121、入射側傾斜面4131A,4131B,4131D、出射側傾斜面4141A,4141B,4141D及び平面4142Dには、反射層42が形成されていることとした。しかしながら、本発明は、これに限らない。例えば、上記のように、反射層42はなくてもよい。例えば、開口部4111の内側端面に反射層42が無い構成とすれば、波長変換素子43の側面433と開口部4111の内側端面とが直接当接するので、波長変換素子43の熱をより効率よく開口部4111の内側端面、ひいては、放熱部材として機能する基材41に伝達できる。
上記実施形態及び上記変形例では、照明装置31は、波長変換装置4,4A〜4Dに入射される励起光を出射する光源として、略455nmの波長域にピーク波長を有する励起光を出射する固体光源311を有するとした。そして、波長変換装置4は、変換光として緑色光及び赤色光を含む蛍光を出射するとした。しかしながら、これに限らず、波長変換素子43に入射される光の波長と、当該波長変換素子43にて生じる光の波長とが異なれば、励起光及び変換光のそれぞれの波長は、上記に限定されない。
また、波長変換素子43は、入射される励起光ELのうち、一部の励起光を変換光である蛍光に波長変換し、他の一部の励起光と変換光とを含む出射光LTを出射するとした。しかしながら、これに限らず、波長変換素子43は、入射される励起光の全てを変換光に波長変換する構成としてもよい。
上記実施形態及び上記変形例では、+Z方向における基材41,41A〜41Dの寸法L2〜L5は、同方向における波長変換素子43の寸法L1に対して、略1.9倍、略1.7倍、略5.5倍に設定されているとした。しかしながら、これに限らず、当該寸法L2〜L5の寸法L1に対する倍率は、1を超えていれば適宜変更可能であり、それぞれ+Z方向における本体部411,411C、突出部412、入射側突出部413A,413B,413D、及び、出射側突出部414A,414B,414Dの寸法も、適宜変更可能である。
上記実施形態及び上記変形例では、プロジェクター1は、3つの光変調装置34(34R,34G,34B)を備えるとした。しかしながら、これに限らず、例えば2つ以下、或いは、4つ以上の光変調装置を備えたプロジェクターにも、本発明は適用可能である。
また、光変調装置34は、光入射面と光出射面とが異なる液晶パネルを有する構成であった。しかしながら、これに限らず、光入射面と光出射面とが同一となる反射型の液晶パネルを備えた光変調装置を採用してもよい。また、入射光束を変調して画像情報に応じた画像を形成可能な光変調装置であれば、マイクロミラーを用いたデバイス、例えば、DMD(Digital Micromirror Device)等を利用したものなど、液晶以外の光変調装置を採用してもよい。
上記実施形態及び上記変形例では、波長変換装置4,4A〜4Dは、プロジェクター1に用いられる波長変換装置として説明した。しかしながら、本発明は、これに限らない。例えば、上記波長変換装置4,4A〜4Dは、プロジェクター1の照明装置31ではなく、独立して利用可能な照明装置に用いられる構成としてもよい。この場合、照明装置は、固体光源311及び波長変換装置4を備えていればよく、例えば、それぞれ上記した集光光学装置312、コリメートレンズ313、第1レンズアレイ314、第2レンズアレイ315及び偏光変換素子316のうちいずれかがなくてもよい。
1…プロジェクター、2…外装筐体、31…照明装置、311…固体光源(光源)、34(34R,34G,34B)…光変調装置、36…投射光学装置、4,4A,4B,4C,4D…波長変換装置、41,41A,41B,41C,41D…基材、411,411C…本体部、4111…開口部、412,412A,412B,412D…突出部、4121…傾斜面、413A,413B,413D…入射側突出部、4131A,4131B,4131D…入射側傾斜面、414A,414B,414D…出射側突出部、4141A,4141B,4141D…出射側傾斜面、43…波長変換素子、431…光入射面、432…光出射面、433…側面、EL…励起光、R1…照射領域、L1,L2,L21,L22…寸法、LT…出射光。

Claims (10)

  1. 入射される励起光の少なくとも一部を、前記励起光とは波長が異なる変換光に変換して出射する波長変換素子と、
    前記波長変換素子に対する前記励起光の入射方向に交差する交差方向にて前記波長変換素子と接続され、前記波長変換素子から伝達された熱を放熱する基材と、を備え、
    前記基材の前記入射方向に沿う寸法は、前記波長変換素子の前記入射方向に沿う寸法よりも大きいことを特徴とする波長変換装置。
  2. 請求項1に記載の波長変換装置において、
    前記基材は、前記入射方向に沿って貫通し、前記波長変換素子が嵌合される開口部を有すること特徴とする波長変換装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の波長変換装置において、
    前記基材は、前記波長変換素子に対して、前記励起光の入射側、及び、前記励起光の入射側とは反対側の少なくともいずれかに位置する突出部を有し、
    前記突出部は、前記波長変換素子に対する当該突出部の配置側に向かうに従って前記波長変換素子から離れる傾斜面を有することを特徴とする波長変換装置。
  4. 請求項3に記載の波長変換装置において、
    前記突出部は、前記波長変換素子に対して前記励起光の入射側に位置する入射側突出部を含み、
    前記入射側突出部における前記傾斜面である入射側傾斜面は、入射される光を反射させることを特徴とする波長変換装置。
  5. 請求項3又は請求項4に記載の波長変換装置において、
    前記波長変換素子は、
    前記励起光が入射される入射面と、
    前記入射面とは反対側に位置し、前記変換光が出射される出射面と、を有し、
    前記突出部は、前記波長変換素子に対して前記励起光の入射側とは反対側であり、前記出射面からの前記変換光の出射側に位置する出射側突出部を含み、
    前記出射側突出部における前記傾斜面である出射側傾斜面は、入射される光を反射させることを特徴とする波長変換装置。
  6. 請求項5に記載の波長変換装置において、
    前記出射側傾斜面は、少なくとも一部が、前記変換光の出射側に向かうに従って前記波長変換素子から離れる方向に湾曲していることを特徴とする波長変換装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の波長変換装置において、
    前記波長変換素子は、無機材により形成されていることを特徴とする波長変換装置。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の波長変換装置と、
    前記励起光を出射する光源と、を備えることを特徴とする照明装置。
  9. 請求項8に記載の照明装置において、
    前記励起光は、青色光であり、
    前記変換光は、赤色光及び緑色光を含むことを特徴とする照明装置。
  10. 請求項8又は請求項9に記載の照明装置と、
    前記照明装置から出射された光を変調する光変調装置と、
    前記光変調装置により変調された光を投射する投射光学装置と、を備えることを特徴とするプロジェクター。
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