JP2018005189A - 保持装置、光学装置、および移動体 - Google Patents
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Abstract
【課題】打上げ時および宇宙空間での観測時における光学素子の変形や損傷を防止する光学素子の保持装置を提供する。
【解決手段】光学素子M5の側面に設けられた複数の支持部132によって、光学素子M5を保持する保持装置であって、複数の支持部132は、側面と接触する接触部133と、光学素子M5の重心に向かう方向に接触部133が光学素子M5に力を加えるように接触部133を支持する弾性部134と、接触部133が光学素子M5に加える力を可変にして、光学素子M5の光軸方向に垂直な方向の自由度を拘束する力を可変にする機構135と、を含む。
【選択図】図3
【解決手段】光学素子M5の側面に設けられた複数の支持部132によって、光学素子M5を保持する保持装置であって、複数の支持部132は、側面と接触する接触部133と、光学素子M5の重心に向かう方向に接触部133が光学素子M5に力を加えるように接触部133を支持する弾性部134と、接触部133が光学素子M5に加える力を可変にして、光学素子M5の光軸方向に垂直な方向の自由度を拘束する力を可変にする機構135と、を含む。
【選択図】図3
Description
本発明は、保持装置、光学装置、および移動体に関する。
人工衛星等の宇宙航行体に搭載される光学素子を保持する保持装置は、宇宙空間では径方向に低剛性で光学素子を保持して熱変形の影響を抑え、宇宙航行体の打上げ時には、大加速度に耐えられるように高剛性で光学素子を保持することが求められる。特許文献1に記載の装置は、打上げ時に光学素子を拘持し、宇宙空間では、観測時に発生する熱により拘持を解除しうる形状記憶合金からなる固定部材を備えている。特許文献2に記載の装置は、光学素子を弾力的に保持する板状弾性体を撓ませて光学素子をバルクヘッドに圧着固定する固定部材とその解除手段とを備えている。
宇宙航行体に搭載される光学素子を保持する保持装置は、光学素子の熱変形を抑えるために温度を一定値以下に調整する温調装置を備えうる。この場合、特許文献1に記載の形状記憶合金は、拘持を解除することができないことがあり、上記光学素子の保持に適さない。また、特許文献1および2に記載の装置は、固定部材が光学素子に直に接触しているため、固定箇所の応力により光学素子が変形や損傷する可能性がある。
本発明は、例えば、打上げ時および宇宙空間での観測時における光学素子の変形や損傷を防止する光学素子の保持装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、光学素子の側面に設けられた複数の支持部によって、光学素子を保持する保持装置であって、複数の支持部は、側面と接触する接触部と、光学素子の重心に向かう方向に接触部が光学素子に力を加えるように接触部を支持する弾性部と、接触部が光学素子に加える力を可変にして、光学素子の光軸方向に垂直な方向の自由度を拘束する力を可変にする機構と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、例えば、打上げ時および宇宙空間での観測時における光学素子の変形や損傷を防止する光学素子の保持装置を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態について図面などを参照して説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る光学装置100の構成を示す概略図である。光学装置100は、例えば、太陽観測衛星用の高解像度のグレゴリー型反射望遠鏡である。光学装置100は、望遠鏡部110とコリメータ部120を含む。望遠鏡部110は、主鏡M1および副鏡M2を含む。コリメータ部120は、紫外光〜赤外光まで広い波長範囲の観測光に対して高い結像性能を得るために反射鏡のみで構成する必要があり、本実施形態では、光路に沿って順に設けられる第1の反射鏡M3、第2の反射鏡M4、第3の反射鏡M5を含む。また、観測光により光学装置100に含まれる主鏡M1等の光学素子の温度上昇を抑えるため、光学装置100には温調装置(不図示)が備えられている。なお、主鏡M1および副鏡M2の光軸方向をZ軸方向とし、それに垂直な平面をXY平面とする。
図1は、本発明の第1実施形態に係る光学装置100の構成を示す概略図である。光学装置100は、例えば、太陽観測衛星用の高解像度のグレゴリー型反射望遠鏡である。光学装置100は、望遠鏡部110とコリメータ部120を含む。望遠鏡部110は、主鏡M1および副鏡M2を含む。コリメータ部120は、紫外光〜赤外光まで広い波長範囲の観測光に対して高い結像性能を得るために反射鏡のみで構成する必要があり、本実施形態では、光路に沿って順に設けられる第1の反射鏡M3、第2の反射鏡M4、第3の反射鏡M5を含む。また、観測光により光学装置100に含まれる主鏡M1等の光学素子の温度上昇を抑えるため、光学装置100には温調装置(不図示)が備えられている。なお、主鏡M1および副鏡M2の光軸方向をZ軸方向とし、それに垂直な平面をXY平面とする。
光学装置100は、不図示の宇宙航行体(人工衛星等の移動体)に搭載されて地球周回軌道上あるいは天体周回軌道上などの観測に適した軌道上で姿勢制御された状態で太陽観測を行う。本実施形態では、観測対象である太陽からやってきた観測光は、中央部に穴の空いた凹面の主鏡M1で反射された後、凹面の副鏡M2で反射され、コリメータ部120へ入射する。入射した観測光は、第1の反射鏡M3、第2の反射鏡M4、第3の反射鏡M5の順に反射され、平行光束としてコリメータ部102から後続の観測装置(不図示)に導かれる。
図2は、本実施形態に係るコリメータ部120の構成を示す概略図である。コリメータ部120に含まれる第1の反射鏡M3、第2の反射鏡M4および第3の反射鏡M5は、ベース131と支持部132とを含む保持装置130に保持される。保持装置130の構成の詳細は以下で説明する。
図3(A)および(B)は、本実施形態に係る保持装置130の構成を示す概略図である。本実施形態では、コリメータ部120の第3の反射鏡M5を保持する場合を例に保持装置130の構成を説明する。図3(A)は、保持装置130に保持された第3の反射鏡M5を+X方向から見た図である。第3の反射鏡M5の反射面有効領域を円で示している。図3(B)は、−Y方向から見た図3(A)のA−A断面図である。保持装置130は、結合部(接触部)133、弾性部134および機構135を含む支持部132を複数備える。本実施形態では、第3の反射鏡M5の側面に120度間隔で配置された3つの支持部132により第3の反射鏡M5を保持している。複数の支持部132は、ベース131を介してコリメータ部120の筐体に結合している。ベース131とコリメータ部120の筺体との間には第1の反射鏡M3、第2の反射鏡M4および第3の反射鏡M5の相対位置、姿勢を調整可能な調整機構(不図示)が備えられている。
第3の反射鏡M5には、光を反射する反射面(凹面)と、その反対側の裏面と、反射面と裏面の間の側面があり、本実施形態では側面に第3の反射鏡M5を支持する支持部132を結合している。第3の反射鏡M5の材料は、低熱膨張セラミックスである。熱膨張率が0.03ppm/℃程度と他の材料と比較して非常に小さいため、ミラー材料として適している。第3の反射鏡M5の外形は、六角柱であり六角対辺の長さの板厚に対する比は5〜10程度としている。
第3の反射鏡M5の反射面は高精度な研磨加工がなされ、最表面には紫外光〜赤外光の反射率が高い反射膜が形成されており、光の吸収率は0.1程度であり主鏡1に入射する光のエネルギーの約10%が熱として第3の反射鏡M5に吸収される。吸収された熱による熱変形を低減するために第3の反射鏡M5の裏面側の温調装置(不図示)により放射伝熱によりミラーを23℃±10℃程度に温調している。
結合部133は、第3の反射鏡M5の側面に重心位置の高さで接着剤により接合される。結合部133は、本実施形態では円筒形状である。結合部133の材料は、第3の反射鏡M5との熱膨張差により大きな熱応力が発生しないように低熱膨張合金が用いられる。
弾性部134は、第3の反射鏡M5の径方向において結合部133が第3の反射鏡M5に力を加えるように支持する。ここで、第3の反射鏡M5の径方向とは、図3(A)の円形の反射面有効領域の中心に向かう方向に平行な方向とする。この方向は、第3の反射鏡M5の重心に向かう方向とも言える。以下の説明でも同様である。弾性部134は、第3の反射鏡M5に熱膨張が生じた際の熱変形を低減するために、第3の反射鏡M5の六角形内接円の径方向、及び前記六角形内接円の接線周りの回転方向に柔軟に撓み、それ以外の方向は高い剛性を持つ形状に製作されている。前記六角形内接円の径方向、及び前記六角形内接円の接線周りの回転方向の剛性は、ミラーの熱膨張係数、大きさ、温度変化の熱変形量に関するパラメータに応じて目標の結像性能を実現可能な程度に剛性を低く設計している。弾性部134は、結合部133およびベース131とボルトで結合されており、結合の際ミラーに変形が極力生じないようベース131と結合部133との結合面の位置精度が高く加工されている。弾性部134の材料は結合部133と同じ低熱膨張合金を用いている。
機構135は、結合部133が第3の反射鏡M5に加える力を変化させて、第3の反射鏡M5の径方向(光軸に垂直な方向)における支持部132の剛性(自由度を拘束する力)を可変にする。図3(B)で示す通り、本実施形態では、機構135は、結合部133と円筒部136とシール部137とによって形成される内部空間138に封入した気体により構成された空気ばねである。円筒部136は各結合部133に対向かつ離間して配置され、その底面はベース131に固定されている。円筒部136の内径は結合部133の外径よりわずかに大きく製作されており、柔軟性のあるゴム等により製作されたシール部137により内部空間138が形成される。円筒部136の底面には気体を内部空間138に吸気及び排気するための吸排気口があり、内部空間138に気体を封入することができる。
内部空間138に封入される気体は、圧力容器142に圧縮して蓄積された窒素、酸素などである。円筒部136の吸排気口は圧力容器142と配管145で接続されており、途中に設置された減圧弁143により所定の圧力の気体を3つの支持部132に含まれる機構135の各内部空間138に充填することができる。
宇宙航行体の打上時の機構135による空気ばねの内部空間138の圧力(内圧)Pは、打上時の加速度による第3の反射鏡M5の変形や損傷、弾性部134の損傷等を防ぐために必要な保持装置130の支持剛性に基づいて決定される。本実施形態では、空気ばね定数Kaを弾性部134の第3の反射鏡M5の径方向の剛性Kと同程度の剛性として、径方向の支持剛性を2倍に向上させる。気体の比熱比γ、内部気体の圧力P、結合部133の断面積A、結合部133から円筒部136までの距離hとすると、空気ばねのばね定数Kaは、Ka=γPA/h で求められる。したがって、打上時の機構135による空気ばねの内部空間138の圧力Pは、機構135の設計形状に応じてKa=Kとなるような値とする。
本実施形態の機構135は、制御部141によって制御される。本実施形態ではベース131に設置された加速度センサ150により宇宙航行体の保持装置130の加速度に関する情報を検出し、打上後に加速度が一定値以下となったときに機構135の内部空間138の気体の圧力がゼロとなるような制御をする。気体の圧力をゼロにするために吸排気口から気体を排気する際、制御部141は、複数の機構135の排気速度がそれぞれ一定になるように吸排気口の近傍の配管に配置した不図示の制御弁を調整する。本実施形態では、打上時に想定される最大加速度の1/20の値以下となる時点で機構135の圧力がゼロとなるような制御を行う。
機構135の動作方法について説明する。打上前に機構135の空気ばねに所定の剛性を発生させた状態(ON状態)で地上から宇宙へ打上げられる。所定の高度に達して打上げの推進力が減少し、加速度センサ150で検出される加速度が所定値以下となるときに減圧弁143の設定圧力がゼロになるように、制御部141は機構135の空気ばねの剛性が発生しない状態(OFF状態)にする。観測は機構135をOFF状態として行われる。
なお、上記実施形態では、機構135を空気バネとしているが液体などの流体バネとしてもよい。また機構135はボイスコイルモータ等による磁気バネでもよい。
本実施形態の保持装置130は、宇宙航行体の打上時に機構135の剛性を大きくして打上時の加速度による保持装置130の位置の変化を低減できるため、強度の低い反射鏡等の光学素子や、剛性の低い弾性部134の損傷リスクを低減することができる。また、宇宙での観測時に、機構135の剛性を小さくし第3の反射鏡M5を保持することで第3の反射鏡M5の径方向の熱膨張をかわして熱変形を低減することができる。
本実施形態の機構135は打上時に径方向に均等な力を加える機構のため第3の反射鏡M5の位置が変化しない。このため第3の反射鏡M5と結合部133との接合面や弾性部134に発生する応力が小さくなる。また、結合部133を空気バネで押圧することで第3の反射鏡M5を間接的に固定しているため、第3の反射鏡M5を直接固定する場合と比べ第3の反射鏡M5の側面に生じる応力が小さくなる。これらにより、光学素子の変形や損傷を防止できる。
本実施形態の機構135は空気ばねを用いているため打上時の加速度により発生する保持装置130の振動を減衰させる効果が大きく、保持装置130の損傷リスクを低減できる点で有利である。気体を動力源としているため宇宙空間で時間が経過すると確実に機構135の力を解除することができる。また第3の反射鏡M5等の構成部品に無害な気体を動力源としているため万が一破損しリークした場合のリスクが小さい。
以上のように、本実施形態によれば、打上げ時および宇宙空間での観測時における光学素子の変形や損傷を防止する光学素子の保持装置を提供することができる。
(第2実施形態)
図4(A)および(B)は、本発明の第2実施形態に係る保持装置の構成例を示す図である。図4(A)は、保持装置に保持された第3の反射鏡M5を+X方向から見た図である。第3の反射鏡M5の反射面有効領域を円で示している。図4(B)は、−Y方向から見た図4(A)のA−A断面図である。保持装置は、結合部233、弾性部234および機構235を含む支持部232を複数備える。複数の支持部232の配置は、第1実施形態と同様である。複数の支持部232は、ベース231を介してコリメータ部120の筐体に結合している。本実施形態でも、ベース231とコリメータ部120の筺体との間には第1実施形態と同様の調整機構(不図示)が備えられている。
図4(A)および(B)は、本発明の第2実施形態に係る保持装置の構成例を示す図である。図4(A)は、保持装置に保持された第3の反射鏡M5を+X方向から見た図である。第3の反射鏡M5の反射面有効領域を円で示している。図4(B)は、−Y方向から見た図4(A)のA−A断面図である。保持装置は、結合部233、弾性部234および機構235を含む支持部232を複数備える。複数の支持部232の配置は、第1実施形態と同様である。複数の支持部232は、ベース231を介してコリメータ部120の筐体に結合している。本実施形態でも、ベース231とコリメータ部120の筺体との間には第1実施形態と同様の調整機構(不図示)が備えられている。
支持部232に含まれる結合部233は、第3の反射鏡M5の側面に接合された被係合部239に係合される。弾性部234は、第3の反射鏡M5の径方向において結合部233を移動可能に支持する。機構235は、結合部233に加える力を可変にして、少なくとも径方向における支持部232の剛性を可変にする。
被係合部239は、第3の反射鏡M5の側面に重心の高さで接着剤により接合される。本実施形態では、被係合部239はブロック状の形状をしており、被係合部239と係合する結合部233の係合部238と対向する面にはV字溝が加工されている。係合部238が被係合部239のV字溝に係合することにより第3の反射鏡M5が保持される。係合部238の表面は、V字溝に接する球面形状とする。なお、被係合部239と係合部238の関係は逆であってもよい。すなわち、係合部238にV字溝が形成され、被係合部239のV字溝に接する表面を球面としてもよい。被係合部239の材料は、第3の反射鏡M5との熱膨張差により大きな熱応力が発生しないように低熱膨張合金が用いられる。また被係合部239の材料は導電性の金属であり不図示の電源の+電極に接続される。
結合部233は円筒形状であり弾性部234により支持されている。各結合部233の係合部238がミラー側面の被係合部239にそれぞれ係合することにより第3の反射鏡M5が位置決めされる。係合部238は被係合部239と同じ材料で製作されており、不図示の電源の−電極に接続されている。
弾性部234は一端で結合部233と結合し、他端でベース231を結合することにより第3の反射鏡M5を支持する。弾性部234は、第3の反射鏡M5の六角形内接円の径方向、及び六角形内接円の接線周りの回転方向が低剛性なバイポッド形状をしている。弾性部234は、結合部233の係合部238が第3の反射鏡M5の側面の被係合部238に係合することにより第3の反射鏡M5を6軸拘束できる。地上では−Z方向の重力により第3の反射鏡M5の位置が重力方向にずれることを防止するために第3の反射鏡M5の相対位置を微調整した後で係合部238を被係合部239に仮固定している。仮固定の方法は打上げ後、宇宙空間でミラーの位置を変化させずに固定解除できる方法であれば良い。本実施形態では、接着した材料の両面に低電圧による電流を短時間流すことにより陽極側の接着部が剥離する特性を有する通電剥離性接着剤を使用している。
機構235は結合部233に力を伝達するリンク機構である。機構235は流体の圧力を可変にして力を可変にするアクチュエータ237と、アクチュエータ237の駆動方向と垂直な方向に力を伝えるためのリンク機構236とで構成されている。アクチュエータ237は、例えばエアシリンダであり真空中でも使用できる密閉性の高いタイプのものを使用する。
本実施形態では2本のエアシリンダのロッドの底面同士を合わせて配置し、導入する流体の圧力により2本のロッドを同期して伸縮できるように構成している。アクチュエータ237の動作は第1実施形態と同様に圧力容器に蓄積された気体をアクチュエータ237に送ることでアクチュエータ237の上下から出ているロッドを伸縮する。
リンク機構236はアクチュエータ237のロッドと、上下2か所のロッド先端と結合部233とに回転自由に結合された2本の棒要素とで構成されている。アクチュエータ237のロッドを縮めることでリンク機構236から伝達された力を結合部233がミラー径方向に力を伝える。棒要素は比剛性の高いチタンで製作している。
機構235は第1実施形態と同様な空圧回路(不図示)、及び制御部(不図示)により打上げ前にアクチュエータ237のエア圧力を制御して第3の反射鏡M5の径方向に力を加える。これにより打上時の加速度で第3の反射鏡M5の位置が変動しないような支持剛性を与える(ON状態)。また、制御部は、不図示の宇宙航行体の制御部(移動体制御部)の出力(高度、軌道、姿勢)に基づいて、高度等が所定の値に達した時、機構235の剛性がゼロになるようにエア圧力を制御する(OFF状態)。さらに制御部が直流電源と係合部238、被係合部239とが接続された回路のスイッチを閉じることにより係合部238、被係合部239との接着が剥離し固定が解除される。観測は機構235がOFFの状態で行われる。
本実施形態の支持部232は、被係合部239を介して径方向に力を伝えることより6軸方向の支持剛性を大きくすることができるため、打上時の保持装置の損傷リスクをより低減できる点において第1実施形態よりも有利である。
本実施形態の結合部233は宇宙での観測前に係合部238と被係合部239の仮固定が解除されることにより接線回転方向の剛性を第1実施形態よりも小さくすることができるため、ミラーの熱変形をより低減できる点において有利である。
(第3実施形態)
図5(A)および(B)は、本発明の第3実施形態に係る保持装置の構成例を示す図である。図5(A)は、保持装置に保持された第3の反射鏡M5を+X方向から見た図である。第3の反射鏡M5の反射面有効領域を円で示している。図5(B)は、−Y方向から見た図5(A)のC−C断面図である。保持装置は、結合部333、弾性部334および機構335を含む支持部332を複数備える。複数の支持部332の配置は、第1実施形態と同様である。複数の支持部332は、ベース331を介してコリメータ部120の筐体に結合している。本実施形態でも、ベース331とコリメータ部120の筺体との間には第1実施形態と同様の調整機構(不図示)が備えられている。
図5(A)および(B)は、本発明の第3実施形態に係る保持装置の構成例を示す図である。図5(A)は、保持装置に保持された第3の反射鏡M5を+X方向から見た図である。第3の反射鏡M5の反射面有効領域を円で示している。図5(B)は、−Y方向から見た図5(A)のC−C断面図である。保持装置は、結合部333、弾性部334および機構335を含む支持部332を複数備える。複数の支持部332の配置は、第1実施形態と同様である。複数の支持部332は、ベース331を介してコリメータ部120の筐体に結合している。本実施形態でも、ベース331とコリメータ部120の筺体との間には第1実施形態と同様の調整機構(不図示)が備えられている。
支持部332に含まれる結合部333は、第3の反射鏡M5の側面に接合される。弾性部334は、第3の反射鏡M5の径方向において結合部333を移動可能に支持する。機構335は、結合部333に加える力を可変にして、少なくとも径方向における支持部332の剛性を可変にする。
結合部333は、第1実施形態と同様の位置に第3の反射鏡M5の側面に接合されたブロックであり、第3の反射鏡M5の径方向に垂直な方向に円筒形状の突起部336がある。弾性部334は第1実施形態と同様の形状であり、3か所の弾性部334により6軸拘束され、第3の反射鏡M5の六角形内接円の径方向、及び前記六角形内接円の接線周りの回転方向の剛性が低く設計されている。
機構335は、ベース331に固定されたダイヤフラムチャックであり、結合部333の突起部336を打上時に固定するための機構である。エア圧力によりダイヤフラムが駆動しチャック部が開閉することにより径方向に直交する方向に力が加えられる。ダイヤフラムチャックに供給するエアは第1実施形態と同様にして供給され、打上時には固定され打上後に解除されるよう制御部(不図示)により制御されている。
本実施形態の支持部332は、径方向に直交する方向に結合部333に力を伝えることにより径方向に直交する方向の支持剛性を大きくすることができる。このため径方向に直交する方向の支持剛性が低い支持部を有する保持装置の打上時の損傷リスクをより低減できる点において第1、第2の実施形態よりも有利である。
なお、第2実施形態の結合部233、係合部238および被係合部239を第1実施形態の結合部133と置換することも可能である。また、第2実施形態のリンク機構236を用いた構成を第3実施形態の機構335と置換することも可能である。
(その他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
130 保持装置
131 ベース
132 支持部
133 結合部(接触部)
134 弾性部
135 機構
M5 第3の反射鏡(光学素子)
131 ベース
132 支持部
133 結合部(接触部)
134 弾性部
135 機構
M5 第3の反射鏡(光学素子)
Claims (14)
- 光学素子の側面に設けられた複数の支持部によって、前記光学素子を保持する保持装置であって、
前記複数の支持部は、
前記側面と接触する接触部と、
前記光学素子の重心に向かう方向に前記接触部が前記光学素子に力を加えるように前記接触部を支持する弾性部と、
前記接触部が前記光学素子に加える力を可変にして、前記光学素子の光軸方向に垂直な方向の自由度を拘束する力を可変にする機構と、
を含むことを特徴とする保持装置。 - 前記機構は、前記光学素子の重心に向かう方向の力を前記接触部に加えることを特徴とする請求項1に記載の保持装置。
- 前記接触部は、前記側面に結合していることを特徴とする請求項1または2に記載の保持装置。
- 前記接触部は、前記光学素子の重心位置に基づいて前記側面に結合していることを特徴とする請求項3に記載の保持装置。
- 前記接触部は、前記側面に結合した被係合部に係合し、該被係合部を介して前記側面と接触することを特徴とする請求項1ないし3のうちいずれか1項に記載の保持装置。
- 前記被係合部は、前記光学素子の重心位置に基づいて前記側面に結合していることを特徴とする請求項5に記載の保持装置。
- 前記機構は、前記接触部に力を伝達するリンク機構を含むことを特徴とする請求項1ないし6のうちいずれか1項に記載の保持装置。
- 前記機構は、内圧を変化させることで前記接触部が前記光学素子に加える力を可変にする空気ばねを含むことを特徴とする請求項1ないし請求項7のうちいずれか1項に記載の保持装置。
- 前記機構は、流体の圧力を変化させることで前記接触部が前記光学素子に加える力を可変にするアクチュエータを含むことを特徴とする請求項1ないし請求項7のうちいずれか1項に記載の保持装置。
- 前記機構を制御する制御部を有することを特徴とする請求項1ないし請求項9のうちいずれか1項に記載の保持装置。
- 前記制御部は、前記保持装置の加速度に関する情報に基づいて、前記機構を制御することを特徴とする請求項10に記載の保持装置。
- 光学素子と、
前記光学素子を保持する請求項1ないし請求項11のうちいずれか1項に記載の保持装置と、
を有することを特徴とする光学装置。 - 請求項12に記載の光学装置を有することを特徴とする移動体。
- 前記移動体の動作の制御を行う移動体制御部を含み、
前記制御部は、前記移動体制御部の出力に基づいて、前記機構を制御することを特徴とする請求項13に記載の移動体。
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2016
- 2016-07-08 JP JP2016136239A patent/JP2018005189A/ja active Pending
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