JP2019157955A - 保持機構、光学装置、人工衛星および宇宙航行体 - Google Patents

保持機構、光学装置、人工衛星および宇宙航行体 Download PDF

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Abstract

【課題】荷重や衝撃に対する耐性を有するとともに物体の位置、姿勢、形状を高精度に維持するために有利な技術を提供する。【解決手段】物体を保持する保持機構は、前記物体を支持する複数の支持構造を備え、前記複数の支持構造の各々は、被支持面を有し前記物体に結合された被支持部と、前記被支持面と接触する支持面を有し前記被支持部を支持することによって前記物体を支持する支持部と、前記支持面と前記被支持面との間に配置された緩衝部材と、を含み、前記複数の支持構造の各々において前記支持面と前記被支持面とが接触した状態に維持され、これにより前記物体の位置および姿勢が拘束される。【選択図】図3

Description

本発明は、保持機構、光学装置、人工衛星および宇宙航行体に関する。
宇宙航行体によって運搬される観測衛星に搭載される光学装置には、高い結像性能が求められている。宇宙空間において所望の結像性能を得るためには、宇宙航行体の打上げ前後において、光学装置に搭載される光学素子の位置、姿勢、形状が変化しないことが重要である。また、宇宙航行体に搭載される光学装置の他、地上等において使用される光学装置においても、運搬時に加えられる力や設置後に地震等によって加えられる力に関わらず、光学素子の位置、姿勢、形状が維持されることが望まれる。
光学装置では、光学素子の位置、姿勢、形状を光学設計通りに高い精度で保持するために、直交座標系の並進3軸および回転3軸の合計6自由度に関して光学素子が過不足なく拘束されることが望ましい。このような理想的な保持を実現する保持装置として、複数の球面とそれらにそれぞれ対向する複数の支持面とを有し、各球面とそれに対応する支持面とが係合することにより合計で6自由度を拘束するキネマティック・マウントが広く知られている。
特許文献1には、外部ハウジング部と、内部球体と、一対のOリングとを備えるキネマティック・マウントが示されている。内部球体は、球体部と、球体部に一体に連接されたベース固定部とから構成され、ベース固定部は、複数のボルトによってベースの上面に固定されている。内部球体の球体部の外周面には、球体部の直径より小さい直径を有する一対の溝が形成され、1つの溝に1つのOリングが装着されるように、一対の溝に一対のOリングが装着されている。外部ハウジングは、内部球体の球体部を一対のOリングを介して挟み込む状態で配置されている。外部ハウジングの上面には、被拘束体がボルトによって固定されている。一対のOリングは、バネ性を有する。荷重が入力された際には、ばね性を有する一対のOリングの剛性により荷重が吸収され、一定量の歪が発生した時点で、一対のOリングに代わって、剛性が高い外部ハウジングおよび内部球体が荷重伝達を受け持つ。したがって、入力荷重に対してキネマティック・マウントの剛性を非線形とすることが可能となり、この結果、微小な変形に対しては低い剛性で歪が吸収しやすくなり、大荷重に対しては変形が大きくなると共に剛性が高くなる。これにより、キネマティック・マウントの強度を充分に確保することができると共に、大変形による破損を回避することができる。
特許第3075208号公報
特許文献1に記載されたキネマティック・マウントでは、通常の荷重のときには、剛性が低いOリングによって外部ハウジングが支持されるので、外部ハウジング(に固定された被拘束体)の位置および姿勢が荷重によって変動しやすい。また、外部ハウジング(に固定された被拘束体)の位置および姿勢は、経年変化しうる。
本発明は、上記の課題認識を契機としてなされたものであり、荷重や衝撃に対する耐性を有するとともに物体の位置、姿勢、形状を高精度に維持するために有利な技術を提供することを目的とする。
本発明の1つの側面は、物体を保持する保持機構に係り、前記保持機構は、前記物体を支持する複数の支持構造を備え、前記複数の支持構造の各々は、被支持面を有し前記物体に結合された被支持部と、前記被支持面と接触する支持面を有し前記被支持部を支持することによって前記物体を支持する支持部と、前記支持面と前記被支持面との間に配置された緩衝部材と、を含み、前記複数の支持構造の各々において前記支持面と前記被支持面とが接触した状態に維持され、これにより前記物体の位置および姿勢が拘束される。
本発明によれば、荷重や衝撃に対する耐性を有するとともに物体の位置、姿勢、形状を高精度に維持するために有利な技術が提供される。
本発明の第1実施形態の光学装置の構成を模式的に示す図。 図1の光学装置のコリメータ部の構成例を模式的に示す図。 図2のコリメータ部のミラーを保持する第1実施形態の保持機構の構成を示す図。 緩衝部材の構成例を模式的に示す断面図。 図2のコリメータ部のミラーを保持する第2実施形態の保持機構の構成を示す図。 緩衝部材の構成例を模式的に示す断面図。 光学装置の応用例を示す模式図。
以下、添付図面を参照しながら本発明をその例示的な実施形態を通して説明する。
図1には、本発明の第1実施形態の光学装置100の構成が模式的に示されている。光学装置100は、例えば、光学系110と、撮像部(観測部)120とを備えうる。一例において、光学系110は、グレゴリー型反射望遠鏡である。光学系110は、例えば、望遠鏡部4と、コリメータ部5とを含みうる。望遠鏡部4は、例えば、主鏡1と、副鏡2とを含みうる。太陽等の観測対象からの観測光は、主鏡1で反射された後に副鏡2で反射され、コリメータ部5に入射しうる。コリメータ部5は、望遠鏡部4からの観測光を平行光に変換して撮像部120に送る。観測光の入射によって望遠鏡部4の光学素子(主鏡1、副鏡2)およびコリメータ部5の光学素子の温度が上昇しないように、光学装置100には、温調装置が設けられうる。撮像部120は、例えば、イメージセンサを含む。撮像部120は、更に、拡大光学系等の光学系を含んでもよい。
図7には、光学装置100の応用例が模式的に示されている。光学装置100は、例えば、観測衛星等の人工衛星210に搭載されうる。人工衛星210は、宇宙航行体300によって地球表面から宇宙空間に運搬されうる。宇宙航行体300は、人工衛星210と、人工衛星210を放出する放出機構220とを備えうる。人工衛星210は、例えば、所定の軌道上において、光学装置100によって観測対象を観測する。なお、光学装置100は、地上の構造物に設置されてもよいし、自動車、列車、船舶等の移動体に搭載されてもよい。
図2には、コリメータ部5の構成例が模式的に示されている。コリメータ部5は、例えば、紫外光から赤外光までの広い波長範囲で高い結像性能を得るために、反射鏡のみで構成されうる。図2に示された例では、コリメータ部5は、3枚の光学素子、より具体的には、3枚のミラー(コリメータミラー)3、3a、3bを含む。ミラー3は保持機構60によって保持され、保持機構60はベース10によって保持され、ベース10は筺体51によって保持されうる。ベース10と筺体51との間には、ミラー3の位置および姿勢を調整する調整機構(不図示)が配置されうる。同様に、ミラー3a、3bは保持機構60a、60bによって保持され、保持機構60a、60bはベース10a、10bによって保持され、ベース10a、10bは筺体51によって保持されうる。ベース10a、10bと筺体51との間には、ミラー3a、3bの位置および姿勢を調整する調整機構(不図示)が配置されうる。
図3には、ミラー3を保持する保持機構60の構成例が模式的に示されている。ミラー3a、3bを保持する保持機構60a、60bも保持機構60と同様の構成を有しうる。また、主鏡1、副鏡2をそれぞれ保持する保持機構も、保持機構60と同様の構成を有しうる。ミラー3は、光を反射する反射面(凹面)と、その反対側の裏面と、反射面の外縁と裏面の外縁とを接続する側面とを有しうる。図3に示された構成例では、ミラー3は、その側面において保持機構60によって保持される。
ミラー3の母材は、例えば、低熱膨張セラミックスでありうる。低熱膨張セラミックスは、熱膨張率が0.03ppm/℃程度であり、他の材料と比較して非常に小さいため、ミラー3の母材の材料として適している。ミラー3の外形は、例えば、6角柱であり、6角対辺の長さの板厚に対する比は5〜10程度でありうる。ミラー3の反射面は、高精度な研磨加工がなされ、最表面には紫外光から赤外光までの範囲の光の反射率が高い反射膜が設けられうる。ミラー3による光の吸収率は、例えば0.1程度であり、この場合、ミラー3に入射する光のエネルギーの約10%が熱としてミラー3に吸収される。吸収された熱によるミラー3の変形を低減するために、ミラー3の裏面側には、温調装置(不図示)が設けられ、ミラー3は、放射伝熱により23℃±10℃程度に温調されうる。
保持機構60は、保持対象の光学素子あるいは物体としてのミラー3を支持する複数の支持構造6を備えうる。保持機構60は、ミラー3を保持するキネマティック・マウントを構成する。図3に示された例では、保持機構60は、3つの支持構造6を備えている。各支持構造6は、被支持部7と、支持部9と、1又は複数の緩衝部材8とを含みうる。
被支持部7は、被支持面7aを有し、保持対象の光学素子あるいは物体としてのミラー3に結合されている。被支持部7は、被支持面7aを有するボール部71と、ボール部71とミラー3(の側面)とを連結する連結部72とを含みうる。ボール部71および連結部72は、一体的に形成されてもよい。ボール部71は、球面を有し、該球面の一部が被支持面7aを構成しうる。連結部72は、例えば、円筒形状を有しうる。被支持部7の連結部72は、ミラー3の側面に接着等の固定方法によって固定されうる。あるいは、被支持部7は、ミラー3と一体的に形成されてもよい。複数の被支持部7は、この例では、ミラー3の中心軸の周りで120度の間隔で配置されている。被支持部7は、被支持部7とミラー3との熱膨張差により大きな応力がミラー3に発生しないように、低熱膨張合金で形成されうる。例えば、被支持部7は、ミラー3と同一材料で構成されうる。
支持部9は、被支持部7の被支持面7aと接触する支持面9aを有し、被支持部7を支持することによってミラー3を支持する。支持部9は、ベース10の一部(例えば、ベース10に設けられた溝)によって構成されてもよい。支持部9は、例えば、V溝を有し、V溝に2つの支持面9aが配置されうる。この場合、1つの支持部9が2つの支持面9aを有し、3つの支持部9によって6つの支持面9aが提供される。そして、各支持面9aに対して緩衝部材8が設けられうる。これにより、ミラー3の剛体運動が過不足なく拘束されうる。ここで、複数の支持部9の支持面9aは、ミラー3を過不足なく拘束できればよく、支持面9aの個数や形状は任意に定められうる。
ベース10は、ミラー3を筺体51へ結合するためのインターフェース部である。ベース10には、複数の支持構造6の各々の支持部9が固定あるいは配置されている。ベース10は、ミラー3の径方向(ミラー3の中心軸を中心とする半径方向)におけるミラー3の熱膨張係数と、該径方向におけるベース10の熱膨張係数とがほぼ同じになるように製作されうる。ベース10は、例えば、CFRPで構成されうる。
緩衝部材8は、支持部9の支持面9aと被支持部7の被支持面7aとの間に配置される。複数の支持構造6の各々において支持面9aと被支持面7aとが接触した状態に維持され、これによりミラー3の位置および姿勢が拘束されうる。緩衝部材8は、ミラー3に加速度(力)が加わったときに、支持面9aと被支持面7aとの接触領域に加わる応力を緩和するように作用しうる。緩衝部材8は、静止状態において支持面9aと被支持面7aとの接触によるミラー3の位置および姿勢の拘束の精度に影響を与えないように構成されうる。
図4には、緩衝部材8の断面が例示されている。緩衝部材8は、支持部9の支持面9aと被支持部7(のボール部71)の被支持面7aとの接触部を対称軸として回転対称な形状(回転対称の次数は無限大)を有しうる。緩衝部材8は、支持面9aと被支持面7aとの接触部分を取り囲む形状を有しうる。緩衝部材8は、例えば、環状形状を有しうる。
緩衝部材8は、被支持部7のボール部71に対面する第1面8aと、支持部9(の支持面9a)に対面する第2面8bとを有しうる。第1面8aは、ボール部71の表面に沿った形状(例えば、球面)を有しうる。一例において、支持部9の支持面9aの一点と被支持部7の被支持面7aの一点とを結ぶ直線(例えば、図4における直線SL)上における緩衝部材8の厚さTは、支持面9aの当該一点と被支持面7aの当該一点との距離Dと同じであるか、該距離Dより小さい。このような構成を有する緩衝部材8は、静止状態において、支持面9aと被支持面7aとの接触によるミラー3の位置および姿勢の拘束の精度に影響を与えない。したがって、ミラー3の位置および姿勢を高精度に維持および調整することができる。一方、厚さTが距離Dより大きくなって(即ち、厚さTと距離Dとの差分が大きくなって)、支持面9aと被支持面7aとの接触が妨げられると、支持面9aと被支持面7aとの接触によるミラー3の位置および姿勢の拘束の精度に影響が現れる。厚さTと距離Dとの関係は、例えば、ミラー3の重量およびボール部71のヤング率(これらによって、ボール部71の変形量、あるいは、支持面9aと被支持面7aとの接触面積が変化しうる)に応じて決定されうる。緩衝部材8は、相互に分割可能な複数の片を有しうる。
被支持部7のボール部71と緩衝部材8とは、同じ熱膨張係数を有しうる。このような構成は、温度が変化した場合においても、ミラー3の位置および姿勢を高精度に維持および調整するために有利である。
緩衝部材8の第2面8bと支持部9の支持面9aとは接着されうる。また、緩衝部材8の第1面8aと被支持部7(のボール部71)の被支持面7aとは接着されうる。緩衝部材8は、緩衝部材8の第1面8aと被支持部7(のボール部71)の被支持面7aとの間隙、および、緩衝部材8の第2面8bと支持部9の支持面9aとの間隙に接着剤11を供給するための経路8cを含みうる。例えば、経路8cの入口から経路8cに注入された接着剤11は、緩衝部材8の第1面8aと被支持部7(のボール部71)の被支持面7aとの間隙を通り、緩衝部材8の第2面8bと支持部9の支持面9aとの間隙に至り、その後、経路8cの出口から排出されうる。接着剤11は、緩衝部材8とともに緩衝機能を提供しうる。一例において、第1面8aおよび第2面8bに溝が形成され、その溝が経路8cに連通するように構成されうる。そのような溝は、均一な厚さで接着剤11が配置されるように構成されうる。
支持部9の位置および姿勢は、ベース10を基準として調整されうる。支持部9の位置おおび姿勢は、例えば、不図示のシムによって調整されうる。一例において、ベース10に対するミラー3の位置および姿勢が調整された後に、緩衝部材8の第2面8bと支持部9の支持面9aとの間隙、および、緩衝部材8の第1面8aと被支持部7(のボール部71)の被支持面7aとの間隙に接着剤11が供給されうる。このようにして製造された光学装置100の緩衝部材8は、接着剤11が充填された経路8cを有する。
前述のように、緩衝部材8は、静止状態において、支持面9aと被支持面7aとの接触によるミラー3の位置および姿勢の拘束の精度に影響を与えない。また、緩衝部材8は、宇宙航行体300が加速しているとき、支持部9の支持面9aと被支持部7の被支持面7aとの間に作用する応力を分散させる。これにより、支持部9および被支持部7の塑性変形および破損を防ぐことができる。
以下、図5、図6を参照しながら本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態として言及しない事項は、第1実施形態に従いうる。第2実施形態の光学装置100は、保持機構60の構成が第1実施形態と異なる。図5には、第2実施形態の保持機構60の構成例が模式的に示されている。保持機構60は、ミラー3を保持する。ミラー3a、3bを保持する保持機構60a、60bも保持機構60と同様の構成を有しうる。
第2実施形態の保持機構60は、保持対象の光学素子あるいは物体としてのミラー3を支持する複数の支持構造26を備えうる。保持機構60は、ミラー3を保持するキネマティック・マウントを構成する。図5に示された例では、保持機構60は、3つの支持構造26を備えている。各支持構造26は、被支持部7と、支持部9と、1又は複数の緩衝部材8と、押し付け機構90とを含みうる。各支持構造26は、ベース10と支持部9との間に配置された可撓性部材12を含みうる。ベース10は、複数の支持構造26を支持する部材である。可撓性部材12は、第1実施形態の保持機構60にも適用されうる。
被支持部7は、被支持面7aを有し、保持対象の光学素子あるいは物体としてのミラー3に結合されている。被支持部7は、被支持面7aを有するボール部71と、ボール部71とミラー3(の側面)とを連結する連結部72とを含みうる。ボール部71および連結部72は、一体的に形成されてもよい。ボール部71は、球面を有し、該球面の一部が被支持面7aを構成しうる。連結部72は、例えば、円筒形状を有しうる。被支持部7の連結部72は、ミラー3の側面に接着等の固定方法によって固定されうる。あるいは、被支持部7は、ミラー3と一体的に形成されてもよい。複数の被支持部7は、この例では、ミラー3の中心軸の周りで120度の間隔で配置されている。被支持部7は、被支持部7とミラー3との熱膨張差により大きな応力がミラー3に発生しないように、低熱膨張合金で形成されうる。例えば、被支持部7は、ミラー3と同一材料で構成されうる。
支持部9は、被支持部7の被支持面7aと接触する支持面9aを有し、被支持部7を支持することによってミラー3を支持する。支持部9は、ベース10の一部(例えば、ベース10に設けられた溝)によって構成されてもよい。支持部9は、例えば、V溝を有し、V溝に2つの支持面9aが配置されうる。この場合、1つの支持部9が2つの支持面9aを有し、3つの支持部9によって6つの支持面9aが提供される。そして、各支持面9aに対して緩衝部材8が設けられる。これにより、ミラー3の剛体運動が過不足なく拘束されうる。ここで、複数の支持部9の支持面9aは、ミラー3を過不足なく拘束できればよく、支持面9aの個数や形状は任意に定められうる。
押し付け機構90は、被支持部7を支持部9に押し付ける。押し付け機構90は、支持部9に連結された支持体91と、接触面93aを有する接触部材93と、接触部材93を被支持部7に押し付ける調整部92とを含みうる。接触部材93が被支持部7に押し付けられることによって、被支持部7が支持部9の支持面9aに押し付けられる。調整部92は、例えば、ネジまたはアクチュエータを含みうる。調整部92が接触部材93を被支持部7に押し付ける力は、光学装置100が受ける加速度の最大値等に応じて決定あるいは調整されうる。具体的には、調整部92が接触部材93を被支持部7に押し付ける力は、光学装置100が受ける加速度によって被支持部7の被支持面7aと支持部9の支持面9aとが非接触状態にならないように決定されうる。
緩衝部材8は、支持部9の支持面9aと被支持部7の被支持面7aとの間に配置される。また、緩衝部材8は、接触部材93の接触面93aと被支持部7の被支持面7aとの間に配置される。複数の支持構造26の各々において、支持面9aと被支持面7aとが接触し、接触面93aと被支持面7aとが接触した状態が維持され、これによりミラー3の位置および姿勢が拘束されうる。緩衝部材8は、ミラー3に加速度(力)が加わったときに、支持面9aと被支持面7aとの接触領域および接触面93aと被支持面7aとの接触領域に加わる応力を緩和するように作用しうる。緩衝部材8は、静止状態において支持面9aと被支持面7aとの接触および接触面93aと被支持面7aとの接触によるミラー3の位置および姿勢の拘束の精度に影響を与えないように構成されうる。
図6には、緩衝部材8の断面が例示されている。支持面9aと被支持面7aとの間に配置される緩衝部材8は、支持面9aと被支持面7aとの接触部を対称軸として回転対称な形状(回転対称の次数は無限大)を有しうる。また、接触面93aと被支持面7aとの間に配置される緩衝部材8は、接触面93aと被支持面7aとの接触部を対称軸として回転対称な形状(回転対称の次数は無限大)を有しうる。緩衝部材8は、支持面9a(または接触面93a)と被支持面7aとの接触部分を取り囲む形状を有しうる。緩衝部材8は、例えば、環状形状を有しうる。
緩衝部材8は、被支持部7のボール部71に対面する第1面8aと、支持面9aまたは接触面93aに対面する第2面8bとを有しうる。第1面8aは、円錐面を有しうる。あるいは、第1面8aは、ボール部71の表面に沿った形状(例えば、球面)を有しうる。一例において、支持部9の支持面9aの一点と被支持部7の被支持面7aの一点とを結ぶ直線(例えば、図6における直線SL)上における緩衝部材8の厚さTは、支持面9aの当該一点と被支持面7aの当該一点との距離Dと同じであるか、該距離Dより小さい。また、一例において、接触部材93の接触面93aの一点と被支持部7の被支持面7aの一点とを結ぶ直線上における緩衝部材8の厚さTは、接触面93aの当該一点と被支持面7aの当該一点との距離Dと同じであるか、該距離Dより小さい。
このような構成を有する緩衝部材8は、静止状態において、支持面9aと被支持面7aとの接触によるミラー3の位置および姿勢の拘束の精度に影響を与えない。また、緩衝部材8は、静止状態において、接触面93aと被支持面7aとの接触によるミラー3の位置および姿勢の拘束の精度に影響を与えない。したがって、ミラー3の位置および姿勢を高精度に維持および調整することができる。一方、厚さTが距離Dより大きくなって(即ち、厚さTと距離Dとの差分が大きくなって)、支持面9aと被支持面7aとの接触が妨げられると、支持面9aと被支持面7aとの接触によるミラー3の位置および姿勢の拘束の精度に影響が現れる。同様に、厚さTが距離Dより大きくなって(即ち、厚さTと距離Dとの差分が大きくなって)、接触面93aと被支持面7aとの接触が妨げられると、接触面93aと被支持面7aとの接触によるミラー3の位置および姿勢の拘束の精度に影響が現れる。厚さTと距離Dとの関係は、例えば、ミラー3の重量およびボール部71のヤング率に応じて決定されうる。緩衝部材8は、相互に分割可能な複数の片を有しうる。分割された複数の片は、製造誤差による支持面9aと被支持面7aとの距離の誤差、または、製造誤差による接触面93aと被支持面7aとの距離の誤差が吸収されるように配置されうる。例えば、支持面9aと被支持面7aとの距離が設計値より小さい場合は、それに応じて、複数の片は、互いに離隔して配置されうる。
可撓性部材12は、例えば、ミラー3の径方向の熱膨張を柔軟に吸収しうる。可撓性部材12は、例えば、バイポッドで構成されうる。一例において、可撓性部材12、支持部9およびベース10は、放電加工によって一体的に形成されうる。他の例において、可撓性部材12、支持部9およびベース10は、ネジ等によって機械的に連結されうる。バイポッドは、2本の棒要素で構成されうる。棒要素の両端には、棒要素の軸方向以外の方向に柔軟に棒要素が変形可能なように互いに直交するスリットが設けられうる。一例において、ミラー3と熱膨張係数が近い金属により、ベース10、可撓性部材12、支持部29が一体的に構成されうる。
第1実施形態のように、緩衝部材8の第2面8bと支持部9の支持面9aとは接着され、緩衝部材8の第1面8aと被支持部7(のボール部71)の被支持面7aとは接着されうる。同様に、緩衝部材8の第2面8bと接触部材93の接触面93aとは接着され、緩衝部材8の第1面8aと被支持部7(のボール部71)の被支持面7aとは接着されうる。
第2実施形態では、調整部92が接触部材93を被支持部7に光学装置100が受ける加速度の最大値等に応じて調整されうる。また、可撓性部材12を設けた場合、ミラー3とベース10との間の熱膨張差が可撓性部材12によって吸収されうる。これにより、ミラー3の形状変化を低減することができる。
100:光学装置、60:保持機構、3:ミラー(光学素子)、6:支持構造、7:被支持部、7a:被支持面、8:緩衝部材、9:支持部、9a:支持面、10:ベース、26:支持構造、71:ボール部、72:連結部

Claims (16)

  1. 物体を保持する保持機構であって、
    前記物体を支持する複数の支持構造を備え、
    前記複数の支持構造の各々は、被支持面を有し前記物体に結合された被支持部と、前記被支持面と接触する支持面を有し前記被支持部を支持することによって前記物体を支持する支持部と、前記支持面と前記被支持面との間に配置された緩衝部材と、を含み、
    前記複数の支持構造の各々において前記支持面と前記被支持面とが接触した状態に維持され、これにより前記物体の位置および姿勢が拘束される、
    ことを特徴とする保持機構。
  2. 前記緩衝部材は、前記物体に加速度が加わったときに前記支持面と前記被支持面との接触領域に加わる応力を緩和するように作用する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の保持機構。
  3. 前記緩衝部材は、静止状態において前記支持面と前記被支持面との接触による前記物体の位置および姿勢の拘束の精度に影響を与えないように構成されている、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の保持機構。
  4. 前記支持面の一点と前記被支持面の一点とを結ぶ直線上における前記緩衝部材の厚さは、前記支持面の前記一点と前記被支持面の前記一点との距離と同じであるか、該距離より小さい、
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の保持機構。
  5. 前記緩衝部材は、前記支持面と前記被支持面との接触部分を取り囲む形状を有する、
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の保持機構。
  6. 前記被支持部は、前記被支持面を有するボール部と、前記ボール部と前記物体とを連結する連結部と、を含み、
    前記緩衝部材は、前記ボール部に対面する面を含む環状形状を有する、
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の保持機構。
  7. 前記ボール部と前記緩衝部材とが同じ熱膨張係数を有する、
    ことを特徴とする請求項6に記載の保持機構。
  8. 前記緩衝部材と前記支持面とが接着され、前記緩衝部材と前記被支持面とが接着されている、
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の保持機構。
  9. 前記緩衝部材は、接着剤が充填された経路を有する、
    ことを特徴とする請求項8に記載の保持機構。
  10. 前記複数の支持構造の各々は、前記被支持部を前記支持部に押し付ける押し付け機構を更に備える、
    ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の保持機構。
  11. 前記複数の支持構造の各々は、前記複数の支持構造を支持するベースと前記支持部との間に配置された可撓性部材と、
    を更に備えることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の保持機構。
  12. 前記緩衝部材は、相互に分割可能な複数の片を有する、
    ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の保持機構。
  13. 前記物体は、光学素子を含む、
    ことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の保持機構。
  14. 光学装置であって、
    光学素子と、
    前記光学素子を支持する複数の支持構造と、を備え、
    前記複数の支持構造の各々は、被支持面を有し前記光学素子に結合された被支持部と、前記被支持面と接触する支持面を有し前記被支持部を支持することによって前記光学素子を支持する支持部と、前記支持面と前記被支持面との間に配置された緩衝部材と、を含み、
    前記複数の支持構造の各々における前記支持面と前記被支持面とは接触した状態に維持され、これにより前記光学素子の位置および姿勢が拘束される、
    ことを特徴とする光学装置。
  15. 請求項14に記載の光学装置を備えることを特徴とする人工衛星。
  16. 請求項15に記載された人工衛星と、
    前記人工衛星を放出する放出機構と、
    を備えることを特徴とする宇宙航行体。
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