JP2018005175A - 画像形成装置 - Google Patents

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Ryo Sakaguchi
亮 坂口
▲高▼田 慎一
慎一 ▲高▼田
Shinichi Takada
岡 雄志
Yushi Oka
雄志 岡
松本 啓
Kei Matsumoto
啓 松本
健太郎 田村
Kentaro Tamura
健太郎 田村
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Abstract

【課題】ダウンタイムを低減しつつ、複数の画像形成速度のそれぞれによる色ずれ補正を可能にする。【解決手段】カウンタC1が閾値Th1(5000枚)を超えることで第一検知条件が満たされると、第二タイミングまたは第三タイミングが到来し、第三検知条件が判断される。第二速度での差分ずれ量dL´が所定ずれ量Th4以上(dL´≧Th4)となることで第三検知条件が満たされると、第三測定動作の実行は「可」と判断される。これにより第三のタイミングにおける第一測定動作及び第三測定動作が実行される。一方、dL´<Th4となり第三検知条件が満たされないと、第三測定動作の実行は「否」と判断される。これにより、第三タイミングであっても第一測定動作及び第三測定動作は実行されない。【選択図】図11

Description

本発明は、それぞれ色の異なる複数の画像を重ね合わせてカラー画像を用紙上に形成する画像形成装置に関する。
カラー画像形成装置は、中間転写体上にそれぞれ色の異なる複数の画像を重ね合わせてカラー画像を形成するため、中間転写体上に形成される各色の画像の形成位置が相対的にずれると、いわゆる色ずれが発生する。特許文献1には、中間転写体上に色成分毎のパターン画像を形成して色ずれ量を検知し、検知結果に基づいて各色成分の画像の書き出しタイミングを調整する画像形成装置が記載されている。
特願2010−286522号公報
ところで、画像形成装置では様々な用紙が使用されるが、紙種に応じて定着熱量が異なる。たとえば、普通紙に必要な熱量よりも厚紙に必要な熱量の方が多い。それゆえ、画像形成装置は、普通紙に適用される画像形成速度よりも遅い画像形成速度で画像形成を行うモードを備えている。光学部品の膨張や収縮に起因した色ずれ量は、画像形成速度に依存しないことがわかっている。よって、画像形成装置は、普通紙用の画像形成速度にてパターンを形成して色ずれを補正するための補正量を算出し、算出された補正量をすべての画像形成速度に対して共通に使用することも可能である。
昨今、用紙の種類は多様化しているため、画像形成装置が設定可能な画像形成速度の数も増加している。つまり、画像形成装置で使用される画像形成速度のレンジが広がっている。画像形成速度のレンジが広がったことで、用紙や画像の搬送に関与する部品の劣化に起因した色ずれが顕在化することがわかってきた。たとえば、中間転写ベルトを駆動する駆動ローラが摩耗したり、トナー飛散により汚れたりして中間転写ベルトが劣化する。これにより中間転写ベルトが駆動ローラに対してスリップすることがあり、各色の感光ドラムから中間転写ベルトへの転写タイミングのずれが生じ、色ずれが発生する。中間転写ベルトの劣化状態に応じたスリップ量の変化は画像形成速度に依存することがわかってきた。すなわち、遅い画像形成速度のスリップ量は、最も速い画像形成速度のスリップ量に対して大きくなる。よって、最も速い画像形成速度を用いて決定した色ずれ補正量で、すべての画像形成速度における色ずれを補正してしまうと、とりわけ最も遅い画像形成速度での色ずれ量が大きくなってしまう。逆に、最も遅い画像形成速度を用いて決定した色ずれ補正量で、すべての画像形成速度における色ずれを補正してしまうと、とりわけ最も速い画像形成速度での色ずれ量が大きくなってしまう。このような画像形成速度に依存する色ずれを精度良く補正するためには、複数の画像形成速度それぞれでの色ずれ量を取得する構成とするのが望ましい。しかし、色ずれ量の取得には時間を要することから、一律にすべての画像形成速度での色ずれ量を取得する構成とすると、ユーザが画像形成を行えない期間であるダウンタイムが長くなってしまうという問題があった。
本発明の目的は、ダウンタイムを低減しつつ、複数の画像形成速度のそれぞれによる色ずれ補正を可能にすることである。
上記目的を達成するために本発明は、複数の画像形成速度のうちいずれか1つの画像形成速度でそれぞれ色の異なるトナー画像を形成する複数の画像形成手段と、前記複数の画像形成手段により形成されたそれぞれ色の異なるトナー画像が重ね合わされることで形成された多色トナー画像を担持する担持体と、第一タイミングで、第一画像形成速度を用いて基準色の画像に対する前記基準色以外の画像の位置ずれを前記第一画像形成速度に関する色ずれ量として測定する第一測定動作を実行し、第二タイミングで、前記第一測定動作と、第二画像形成速度を用いて前記位置ずれを前記第二画像形成速度に関する色ずれ量として測定する第二測定動作とを実行する測定手段と、第三画像形成速度を用いて前記位置ずれを前記第三画像形成速度に関する色ずれ量として測定する第三測定動作の実行の可否を、前記測定手段によりそれぞれ測定された前記第一画像形成速度に関する色ずれ量と前記第二画像形成速度に関する色ずれ量とに基づき判断する判断手段と、第三タイミングでは、前記判断手段により前記第三測定動作の実行が可と判断された場合は前記第一測定動作及び前記第三測定動作を実行し、前記判断手段により前記第三測定動作の実行が否と判断された場合は前記第一測定動作及び前記第三測定動作を実行しないように前記測定手段を制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、ダウンタイムを低減しつつ、複数の画像形成速度のそれぞれによる色ずれ補正を可能にすることができる。
画像形成装置の概略断面図である。 制御系を示すブロック図である。 操作部の構成を示す図である。 紙種と画像形成速度との関係を示す図である。 パターンセンサの構成を示す図である。 パターンセンサが形成された中間転写ベルトの斜視図である。 色ずれ補正パターンの検知処理を示す図である。 各速度での色ずれ検知結果の一例を示す図である。 画像形成枚数による各色の差分ずれ量の算出結果の一例を示す図である。 全体的な画像形成動作の一例を示すフローチャートである。 色ずれ検知処理の一例を示すフローチャートである。 色ずれ補正及び画像形成処理の一例を示すフローチャートである。 色ずれ検知処理の一例を示すフローチャートである。 手動による色ずれ検知処理の一例を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の概略断面図である。この画像形成装置として、電子写真方式の画像形成装置を例示する。しかし、本発明は、それぞれ色の異なる複数の画像を個別に形成した後でそれを重畳させて多色画像を形成する画像形成装置であれば同様に適用可能である。なお、画像形成装置は印刷装置、プリンタ、複写機、複合機、ファクシミリのいずれとして製品化されてもよい。
図1を用いて、画像形成装置100について説明する。画像形成部1は、複数の画像形成速度のうちいずれか1つの画像形成速度でそれぞれ色の異なるトナー画像を形成する複数の画像形成手段の一例であり、たとえば、トナー画像を形成するプリンタエンジンである。用紙給送装置2は用紙Sを画像形成部1へ給送するユニットである。用紙は記録材、記録紙、記録媒体、シート、転写材、転写紙と呼ばれてもよい。定着装置3はトナー像を用紙Sに定着させるユニットである。トナー貯蔵部106はトナーを貯蔵するユニットである。なお、ここで使用されるトナーの色は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)と仮定する。図面や明細書において参照符号の末尾にはトナーの色を示すymckを付与することがあるが、通常は省略される。排出部4はトナー像が定着した用紙Sを搬送するユニットである。積載部5は排出された用紙を積載するユニットである。イメージリーダ7は原稿を読み取るユニットである。操作部220は画像形成装置100に対する指示を入力したり、情報を表示したりするユニットである。
画像形成部1は画像形成装置100から着脱可能な、YMCKに対応した4つのプロセスカートリッジ101を備えている。プロセスカートリッジ101には、感光ドラム102と、感光ドラム102に所定の電圧を印加して帯電させる帯電ローラ103と、感光ドラム102上に形成された潜像にトナーを付着させて現像する現像スリーブ105とを備えている。トナー貯蔵部106もプロセスカートリッジ101の一部であってもよい。プロセスカートリッジ101の上方には感光ドラム102上に潜像を描くレーザスキャナ104が配置されている。プロセスカートリッジ101の下方には中間転写ユニット108が配置されている。レーザスキャナ104は、レーザダイオードから変調出力されたレーザ光を、回転多面鏡または振動ミラーを使用して、一様に帯電した感光ドラム102の長手方向(主走査方向)に走査する露光装置である。プロセスカートリッジ101の付近に取り付けられたサーミスタ50は、画像形成装置100に関する温度を検知する温度検知手段の一例であり、画像形成装置100の内部温度を検知する。中間転写ユニット108は、中間転写ベルト13a、駆動ローラ13bのほか、感光ドラム102に中間転写ベルト13aを接触させる一次転写ローラ107および内ローラ110を備える。中間転写ユニット108は、複数の画像形成手段により形成されたそれぞれ色の異なるトナー画像が重ね合わせることで形成された多色トナー画像を担持する担持体や中間転写体の一例である。外ローラ21は内ローラ110と転写ニップを形成している。用紙搬送路20において用紙Sはレジストローラ115によって転写ニップへ突入するタイミングを制御される。中間転写体クリーナ111は内ローラ110で転写しきれなかった残トナーや用紙S上に転写することを意図されていない調整用のトナー像を回収する。パターンセンサ112は中間転写ベルト13a上に作像されたパターンの濃淡変化のエッジを検出する。用紙給送装置2には、第一給紙カセット113と、第二給紙カセット114と、手差しトレイ116とを備える。定着装置3はローラ表面を加熱しながら回転する定着ローラ117を備える。排紙路40に配置された排紙ローラ対121によって用紙Sは積載部5へ排出される。
図2は、画像形成装置100の制御系を示すブロック図である。図2を用いて画像形成装置100の制御系について説明する。CPU201は画像形成装置100の各ユニットを統括的に制御するユニットである。ROM202はCPU201が実行すべき制御内容をプログラムとして格納した記憶装置である。RAM203はCPU201が画像形成装置100の制御を行うのに必要な作業領域として使用される記憶装置である。RAM203はイメージリーダ7が原稿を読み取ることで作成される画像データや外部I/F214を経由して受信した画像データ等も格納しうる。NVRAM204は画像形成枚数やプロセスカートリッジごとの総稼働時間などのデータを記憶する不揮発性(NonVolatile)の記憶装置である。外部I/F214はTCP/IP等の通信プロトコルに対応したネットワークと接続されており、ネットワークに接続されたコンピュータからのプリントジョブの実行指示を受信する。外部I/F214は画像形成装置100の情報をコンピュータに送信してもよい。I/O205はCPU201の入出力ポートであり、サーミスタ50、レーザドライバ207、モータドライバ208、高圧ユニット209、パターンセンサ112、搬送センサ211が接続されている。レーザドライバ207は画像データから生成された画像信号に応じてレーザスキャナ104を制御する。モータドライバ208はローラなどを駆動するユニットである。感光ドラム102や中間転写ベルト13a、搬送路に設けられた搬送ローラやレジストローラ115、第一給紙カセット113、第二給紙カセット114、手差しトレイ116に設けられた給紙ローラなどはモータによって駆動されている。モータドライバ208はこれらのモータの回転を制御する。高圧ユニット209はプロセスカートリッジ101に含まれる帯電ローラ103や現像スリーブ105、一次転写ローラ107、内ローラ110に印加される電圧または電流を制御する。搬送センサ211は、第一給紙カセット113、第二給紙カセット114、手差しトレイ116における用紙Sの有無や搬送路を搬送される用紙Sの位置を検知するデバイスである。パターンセンサ112は、画像形成部1により中間転写ベルト13aに形成されたそれぞれ色の異なる複数のパターンについて基準色のパターンから基準色以外の各パターンまでの間隔を測定する測定手段の一例である。本実施例では、基準色としてYを採用する。なお、本実施の形態では基準色をYとしているが、Yの代わりにM、CまたはKのいずれかの色を採用してもよい。
図3(a)は操作部220の構成を示す図である。操作部220は表示部711を有する、図3(b)、(c)は表示部711の表示例を示す図である。操作部220において、スタートキー706は画像形成動作を開始するために使用される。ストップキー707は画像形成動作を中断するために使用される。テンキー713は数字を入力するために使用される。IDキー704はユーザ認証を行うために使用される。クリアキー705は入力した数字などをクリアするために使用される。リセットキー708は入力された設定を初期化するために使用される。表示部711は、タッチパネルセンサを内蔵した表示装置であり、ユーザが接触することで操作可能なソフトキーを表示する。ユーザがソフトキーである「用紙選択」を選択すると、表示部711には図3(b)に示すような用紙選択画面が表示される。ユーザは、用紙選択画面を通じて、第一給紙カセット113、第二給紙カセット114、手差しトレイ116で使用するシートの種類(紙種)を指定する。CPU201はこの情報をRAM203に記憶しこれに基づき画像形成制御を行う。たとえばCPU201は紙種に応じた画像形成モード(画像形成速度)を選択する。表示部711には、図3(c)に示すように、色ずれ補正を手動で開始するための開始ボタンが表示される。CPU201は基本的に画像形成枚数や画像形成装置内の温度変化などを開始条件(トリガー)として色ずれ補正を実行するが、開始ボタンが押し下げられたことを検知したときにも色ずれ補正を実行してもよい。
次に、主に図1、図2を参照し、CPU201が制御する画像形成動作について説明する。CPU201は、高圧ユニット209を通じて帯電ローラ103に所定の電圧を印加し、感光ドラム102の表面を所定の極性・電位で一様に帯電させる。CPU201は、RAM203に格納された画像データを画像処理して生成した画像信号をレーザドライバ207に出力してレーザスキャナ104を制御する。これにより、レーザスキャナ104から出力されるレーザ光により感光ドラム102上に静電潜像が形成される。CPU201はモータドライバ208を通じてトナー貯蔵部106を制御してトナーをプロセスカートリッジ101に供給する。さらにCPU201はモータドライバ208を通じて現像スリーブ105を回転させることで、現像スリーブ105に現像剤がコートされる。感光ドラム102上に形成された静電潜像は現像スリーブ105によりトナーが付着し現像され、トナー画像が形成される。このトナー画像は、感光ドラム102と中間転写ベルト13aとの接点部である一次転写部において、高圧ユニット209が一次転写ローラ107に印加した一次転写バイアスにより、中間転写ベルト13aに転写される。これらの画像形成動作は4つのプロセスカートリッジ101のそれぞれで順次行われる。中間転写ベルト13aには、それぞれ色の異なるトナー画像が多重転写され、多色画像が形成される。
一方、CPU201は画像形成動作に合わせて、モータドライバ208を通じて用紙給送装置2を制御して用紙Sを給紙し、用紙搬送路20に沿って用紙Sを搬送する。CPU201はモータドライバ208を通じてレジストローラ115を制御して用紙Sの斜行を補正するととともに、用紙Sの位置と中間転写ベルト13a上のトナー画像の位置とを合わせする。用紙Sが二次転写バイアスを印加されている外ローラ21と内ローラ110との間を通過する。これにより、用紙Sに中間転写ベルト13a上の多色トナー画像が転写される。その後、用紙Sは定着装置3へ送られる。
CPU201は定着装置3を制御して用紙Sに熱と圧力を加える。これによりトナーが溶融し、多色の可視画像が用紙S上に定着する。CPU201はモータドライバ208を通じて排出部4の排紙ローラ対121を制御し、排紙路40から積載部5に用紙Sを排出する。
次に、画像形成速度について説明する。画像形成中、感光ドラム102、駆動ローラ13bおよび定着ローラ117は同一速度で回転する。これは、トナー像の形成、用紙Sへの転写およびトナー像の定着が一連の処理となっているからである。画像形成中の用紙Sの搬送速度(移動速度)が画像形成速度である。ところで、用紙Sの種類(素材、厚みなど)に依存してトナー像を定着させるために必要となる熱量は異なる。たとえば、用紙Sの厚みが厚いほど必要な熱量は多くなる。画像形成速度を遅くすれば、トナー像が転写された用紙Sが定着ローラ117と接している時間、つまり熱を供給される時間が長くなる。これにより、用紙Sの厚みに適した熱量を達成できる。このようにCPU201は用紙Sの種類に応じて画像形成速度を決定する。
画像形成装置100は、第一画像形成速度、第二画像形成速度、第三画像形成速度をサポートしているものと仮定する。用紙Sの種類に応じた画像形成速度は、たとえば、図4に示す通りである(ここでは厚みを坪量とする)。つまり、第一画像形成速度は300mm/sであり、第二画像形成速度は100mm/sであり、第三画像形成速度は200mm/sである。用紙Sの種類としては6種類を想定している。図4によれば、普通紙1および普通紙2には第一画像形成速度が適用され、厚紙1、厚紙2および厚紙3には第二画像形成速度が適用され、普通紙3には第三画像形成速度が適用される。「第一画像形成速度」、「第二画像形成速度」、「第三画像形成速度」を、以降、「第一速度」、「第二速度」、「第三速度」と略記することもある。
次に、色ずれ補正制御について説明する。CPU201はレーザドライバ207を制御し、基準色以外(マゼンタ、シアン、ブラック)の画像の書出しタイミングを調整することによって、副走査方向(中間転写ベルト13aの搬送方向)の色ずれ補正を行う。CPU201は第一速度、第二速度、第三速度のそれぞれに対して、異なる補正量にて色ずれ補正を行うことが可能である。このようにCPU201は基準色パターンから基準色以外の各パターンまでの間隔に基づき基準色以外のトナー画像の書き出しタイミングを補正することで色ずれを補正する。
図5は、パターンセンサ112の構成を示す図である。パターンセンサ112は、赤外線LEDによって構成された発光部301と、フォトトランジスタによって構成された受光部303とを備えている。発光部301と受光部303とは、発光部301が発光した赤外光が中間転写ベルト13aによって反射し、さらに反射光が受光部303に入射するような角度で取り付けられている。なお、受光部303は、正反射光を受光可能な位置に配置されてもよいし、散乱光を受光可能な位置に配置されてもよい。中間転写ベルト13aの表面の反射特性と、トナーによって形成された色ずれを検出するためのパターン302の反射特性とは異なるため、受光部303が受光する反射光の光量が異なる。受光部303は、受光した反射光を、その光量に応じた振幅の電気信号(出力信号)に変換する。受光部303の出力信号の電圧は、反射光の光量が少なければ低くなり、光量が多ければ高くなる。一般的に中間転写ベルト13a上に形成されているトナー画像のトナー量が多ければ多いほど反射光の光量は少なくなる。よって、パターンセンサ112の出力信号の電圧が高いほど作像されたトナー画像の濃度は低く、また出力信号の電圧が低いほどトナー画像の濃度は高くなる。このように出力信号の電圧とトナー画像の濃度は相関関係にある。
図6は、パターンセンサ112が形成された中間転写ベルト13aの斜視図である。図6に示すように、パターンセンサ112、中間転写ベルト13aおよびパターン302が配置されている。パターンセンサ112は中間転写ベルト13aの回転方向(副走査方向)に沿って形成された複数のパターン302を連続して読み取る。図6に示すように、4つの線状のパターンは基準色による1本の線と、基準色以外の3本の線とで構成されうる。なお、“<”のパターンは主走査方向の色ずれや倍率補正にも使用可能なパターンである。主走査方向の色ずれや倍率補正を実行しないときは“<”のパターンについては省略されてもよい。
図7は、色ずれ補正パターンの検知処理を示す図である。図7はパターン302の一部を模式的に示している。図7を用いて副走査方向の色ずれ量検知について述べる。色ずれ量を検知するためには、図6で示すように画像形成部1は中間転写ベルト13a上にパターン302を形成する。イエローパターン501はイエローのトナーで作像されている。マゼンタパターン502はマゼンタのトナーで作像されている。シアンパターン503はシアンのトナーで作像されている。ブラックパターン504はブラックのトナーで作像されている。隣り合ったパターン間の間隔は、たとえば、12700μm(600dpiにおいて300画素相当)である。パターンセンサ112は、中間転写ベルト13a上に形成されたパターン501〜504を検知してアナログ信号505を生成する。パターンセンサ112は受光部303が出力するアナログ信号505をコンパレータによって2値化し、検出波形506に変換する。コンパレータは、スレッショルド電圧とアナログ信号505を比較して2値化を実行する。スレッショルド電圧は中間転写ベルト13a上にトナーで形成されたパターンの有無を判定するために予め決められている。
CPU201は、パターンセンサ112が出力する検出波形506を読み取るため、CPU201の内部に設けられたタイマカウンタを起動する。タイマカウンタはCPU201の内蔵クロックによって逐次積算されるカウンタである。CPU201はI/O205を通じてこの検出波形506の立ち下がりエッジを検出し、その時点でのタイマカウンタ値を時間に変換しRAM203に保存する。CPU201はパターン501の検出タイミングを基準としてパターン502〜504のそれぞれの検出タイミングまでの差分t1〜t3を求め、各差分t1〜t3に搬送速度を乗算することで、各色間の距離を求める。なお、物理的な距離を求めずに、差分t1〜t3だけを用いてタイミングを調整してもよい。上述したようにパターン501〜504は画像データ上でそれぞれ等間隔であるが、色ずれが発生すると等間隔性が失われる。色ずれがなければ、t1=t0であり、t2=2×t0であり、t3=3×t0である。よって、色ずれ量はΔt1=t0−t1であり、Δt2=2・t0−t2であり、Δt3=3・t0−t3である(なお、t0=12700μm/画像形成速度)。このような色ずれはレーザスキャナ104、プロセスカートリッジ101および中間転写ベルト13aにおける温度変化や部品劣化に依存する。CPU201は、各画像形成速度で色ずれ量を検知しうる。
図8(a)、(b)、(c)はそれぞれ、第一、第二、第三速度で色ずれ検知を実行した場合の検知結果の一例を示す図である。イエロー・マゼンタ間の距離L1は12700μmであり、イエロー・シアン間の距離L2は25400μmであり、イエロー・ブラック間の理想的な距離L3は38100μmである。
図8(a)に示すように、第一速度(300mm/s)におけるパターンセンサ112の理想的な読み取り時間t1(=t0)は42333μsecである。理想的なt2(=2・t0)は84667μsecである。理想的なt3(3・t0)は127000μsecである。ここで、仮にパターンセンサ112で検出された時間t1が42328μsecであり、t2が84711μsecであり、t3が126973μsecであったと仮定する。この場合の理想的な時間に対する差分Δt1は−5μsecであり、Δt2は44μsecであり、Δt3は−27μsecとなる。これらを第一速度における距離に換算すると、色ずれ量ΔL1は−2μm、色ずれ量ΔL2は+13μm、色ずれ量ΔL3は−8μmとなる。
同様に考えて、第二速度(100mm/s)における色ずれ量検知結果については、図8(b)に示すように、色ずれ量ΔL1´=+55μm、色ずれ量ΔL2´=+79μm、色ずれ量ΔL3´=+63μmである。第三速度(200mm/s)における色ずれ量検知結果については、図8(c)に示すように、色ずれ量ΔL1”=+11μm、色ずれ量ΔL2”=+23μm、色ずれ量ΔL3”=+21μmである。
ここで、色ずれ量ΔL1、ΔL1´、ΔL1”は、Yを基準としたMの色ずれ量である。色ずれ量ΔL2、ΔL2´、ΔL2”は、Yを基準としたCの色ずれ量である。色ずれ量ΔL3、ΔL3´、ΔL3”は、Yを基準としたKの色ずれ量である。以降、色ずれ量ΔL1、ΔL2、ΔL3を、第一速度に関する色ずれ量ΔLと総称することがある。同様に、色ずれ量ΔL1´、ΔL2´、ΔL3´を、第二速度に関する色ずれ量ΔL´と総称し、色ずれ量ΔL1”、ΔL2”、ΔL3”を、第三速度に関する色ずれ量ΔL”と総称することがある。
第一速度にて画像形成を行う場合、CPU201は、第一速度に関する色ずれ量ΔLをキャンセルするようにM、C、Kの画像の書き出しタイミングを理想タイミングからずらす。具体的には、CPU201は、MをΔL1、CをΔL2、KをΔL3だけずらす。第二速度にて画像形成を行う場合、CPU201は、第二速度に関する色ずれ量ΔL´をキャンセルするようにM、C、Kの画像の書き出しタイミングを理想タイミングからずらす。具体的には、CPU201は、MをΔL1´、CをΔL2´、KをΔL3´だけずらす。第三速度にて画像形成を行う場合、CPU201は、第三速度に関する色ずれ量ΔL”をキャンセルするようにM、C、Kの画像の書き出しタイミングをずらす。具体的には、CPU201は、MをΔL1”、CをΔL2”、KをΔL3”だけずらす。これにより、全ての画像形成速度に対して副走査方向の色ずれが補正される。
上述した例では第一速度、第二速度および第三速度のそれぞれで色ずれ量を個別に検知している。一方で、ある画像形成速度の色ずれ量と他の画像形成速度の色ずれ量とが相関しているか類似していることがある。この場合、一方の画像形成速度についての色ずれ量を求め、それを相関関係により補正することで、他方の画像形成速度についての色ずれ量の検知を省略できるであろう。たとえば、一方の画像形成速度についての色ずれ量に対する他方の色ずれ量の差分を求めておけば、一方の画像形成速度についての色ずれ量の検知結果に差分を加算すれば、他方の画像形成速度についての色ずれ量が求められる。
図8(d)、(e)は、第一速度に対する第二、第三速度の色ずれ量の差分である差分ずれ量を示す図である。図8(d)には、第一速度に関する色ずれ量ΔLと第二速度に関する色ずれ量ΔL´との差分を示す差分ずれ量dL´(dL1´〜dL3´)(第二差分ずれ量)が示される。図8(e)には、第一速度に関する色ずれ量ΔLと第三速度に関する色ずれ量ΔL”との差分を示す差分ずれ量dL”(dL1”〜dL3”)(第一差分ずれ量)が示される。
差分ずれ量dL´(図8(d))は、色ずれ量ΔLと色ずれ量ΔL´とから算出される。差分ずれ量dL1´〜dL3´はそれぞれ、Mの差分ずれ量dL1´=ΔL1´−ΔL1=55−(−2)=57μm、Cの差分ずれ量dL2´=ΔL2´−ΔL2=66μm、Kの差分ずれ量dL3´=ΔL3´−ΔL3=71μmと算出される。一方、差分ずれ量dL”(図8(e))については、色ずれ量ΔLと色ずれ量ΔL”とに基づき算出される。差分ずれ量dL1”〜dL3”はそれぞれ、Mの差分ずれ量dL1”=13μm、Cの差分ずれ量dL2”=10μm、Kの差分ずれ量dL3”=29μmである。
本実施の形態では、CPU201は、第一速度での色ずれ補正においては、色ずれ量ΔLを補正量とする。一方、第二速度、第三速度での色ずれ補正においてはそれぞれ、第一画像形成速における色ずれ量ΔLに加えて、差分ずれ量dL´、色ずれ量ΔL”を用いる。すなわち、CPU201は、第二速度で画像形成を行う場合、色ずれ量ΔL1〜ΔL3の値に、差分ずれ量dL1´〜dL3´をそれぞれ加算した値を第二速度で画像形成を行う場合の補正量とする。同様にCPU201は、第三速度で画像形成を行う場合、色ずれ量ΔL1〜ΔL3の値に、差分ずれ量dL1”〜dL3”を加算した値を第三速度で画像形成を行う場合の補正量とする。そしてCPU201は、補正量だけM、C、Kの画像の書き出しタイミングを理想タイミングからずらすことで、色ずれを補正する。
ここで、差分ずれ量の相関について説明する。差分ずれ量dL´、dL”は、中間転写ベルト13aの劣化に伴い発生するスリップに起因して発生する。中間転写ベルト13aが劣化してスリップが発生すると、各色の感光ドラム102から中間転写ベルト13aへの転写タイミングがずれて色ずれが発生する。そして、このスリップ量は画像形成速度が遅いほど大きくなることが知られており、スリップに起因する差分ずれ量も画像形成速度が遅いほど大きくなる。つまり、第三速度よりも第二速度の方が遅いことから、第一速度に対する差分ずれ量については第二速度の方が大きく、差分ずれ量dL”<差分ずれ量dL´となるという特性がある。
図9(a)〜(d)は、各画像形成枚数における差分ずれ量dL´、dL”を示す図である。図9(a)、(b)、(c)、(d)では、中間転写ベルト13aの新品時から35000枚、40000枚、50000枚、60000枚の画像形成を行った際に色ずれ検知を行い、各色の差分ずれ量dL´、dL”を算出した結果を示している。
図9(a)に示すように、新品の中間転写ベルト13aで35000枚の画像形成を行った際に、第二速度における差分ずれ量dL1´〜dL3´の最大の値は20μm(600dpiの場合における0.5画素分)となっている。同様に、第三速度における差分ずれ量dL1”〜dL3”の最大値は3μm(600dpiの場合における0.08画素分)となっている。この場合、第二速度、第三速度では共に、中間転写ベルト13aの劣化に伴うスリップに起因する色ずれ量は共に1画素未満であり、スリップに起因する色ずれの影響は顕在化していない。つまり、第二速度、第三速度ではいずれも、第一速度の色ずれ量にもとづき色ずれ補正を行ったとしても色ずれはほとんど発生することがない。
図9(b)に示すように、40000枚の画像形成を行った際に、差分ずれ量dL1´〜dL3´の最大の値は46μm(600dpiの場合における1画素分)となっている。差分ずれ量dL1”〜dL3”の最大値は7μm(600dpiの場合における0.2画素分)となっている。この場合、第二速度において、中間転写ベルト13aの劣化によるスリップに起因した色ずれ量が1画素発生しており、顕在化していることがわかる。つまり、40000枚の画像形成を行うと、色によっては差分ずれ量dL´が1画素分の位置ずれに相当する量に達し得る。そのため、第二速度における差分ずれ量dL´を算出し、第一速度の色ずれ量と第二速度の差分ずれ量dL´とに基づき色ずれ補正を実施するのが適切である。一方、第三速度では、中間転写ベルト13aの劣化によるスリップに起因した色ずれ量は1画素未満で顕在化していないため、差分ずれ量dL”を用いる必要はない。
図9(c)に示すように、50000枚の画像形成を行った際に、差分ずれ量dL1´〜dL3´の最大の値は71μm(600dpiの場合における1.7画素分)となっている。差分ずれ量dL1”〜dL3”の最大値は29μm(600dpiの場合における0.7画素分)となっている。第三速度においては、差分ずれ量dL´が大きくなっているものの、1画素未満の位置ずれに相当するため、40000枚画像形成した場合と同様に、中間転写ベルト13aの劣化によるスリップに起因した色ずれ量は依然として顕在化していない。
図9(d)に示すように、60000枚の画像形成を行った際に、差分ずれ量dL1´〜dL3´の最大の値は110μm(600dpiの場合における2.6画素分)となっている。差分ずれ量dL1”〜dL3”の最大値は65μm(600dpiの場合における1.5画素分)となっている。中間転写ベルト13aの新品時から60000枚の画像形成を行うと、第二速度だけではなく、第三速度においても中間転写ベルト13aの劣化によるスリップに起因した色ずれ量が1画素以上発生して顕在化する。そのため、第二速度、第三速度共に、差分ずれ量dL´、dL”を算出する必要がある。
ところで、図9(a)〜(d)を見てわかるように、第二速度における差分ずれ量dL1´〜dL3´は、第三速度における差分ずれ量dL1”〜dL3”よりも常に大きくなっている。これは、中間転写ベルト13aの劣化に伴うスリップ量は画像形成速度が遅いほど大きくなる特性があるからである。
図10は、全体的な画像形成動作の一例を示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、ROM202に格納されたプログラムをCPU201が読み出して実行することにより実現される。この処理は、装置電源がオンにされると開始される。CPU201は、本発明における制御手段、判断手段としての役割を果たす。まず、ステップS1001で、CPU201は、操作部220またはホストコンピュータからプリントジョブの実行指示を受信したかどうかを判定する。プリントジョブの実行指示を受信していなければ処理はステップS1006に進む。ステップS1006で、CPU201は、操作部220の、色ずれ補正を指示する開始ボタン(図3(c))が押し下げられたかどうかを判定する。開始ボタンが押し下げられていない場合は、処理はステップS1001へ戻る。開始ボタンが押し下げられた場合は、ステップS1007で、CPU201は色ずれ検知を実行する。これによりオペレータが希望するタイミングで色ずれ補正が実行される。その後、処理はステップS1001へ戻る。
ステップS1001でプリントジョブの実行指示が受信されると処理はステップS1002に進む。ステップS1002で、CPU201は、例えば図12に示すフローチャートに従って画像形成動作を実行する。ステップS1003では、CPU201は、例えば図11に示すフローチャートに従って画像形成終了後の制御を実行する。ステップS1004では、CPU201はプリントジョブが完了したかどうかを判定する。例えば、10枚の画像を形成するジョブであれば、CPU201は10枚の画像のすべてについて画像形成が完了したかどうかを判定する。画像形成が完了していなければ処理はステップS1002に戻り、画像形成が完了していれば処理はステップS1005に進む。ステップS1005で、CPU201は、待機モードに遷移するために画像形成に関与するすべての負荷(定着器やローラなど)を停止させる。
図11は、色ずれ検知処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、例えば図10のステップS1003で実行される。従って、CPU201は、1枚の画像形成を終了するごとに図11のフローチャートの処理を実行する。
まず、図11の処理を概説する。図11のステップS1119〜S1121では、第一速度を用いて、基準色の画像に対する基準色以外の画像の位置ずれを第一速度に関する色ずれ量ΔLとして測定する第一測定動作が実行される。ステップS1119〜S1121が実行されるタイミングが第一タイミングである。すなわち、第一タイミングでは最も高速な第一速度についての単独の色ずれ検知が実行される。また、ステップS1111〜S1115では、第一測定動作に加えて、第二速度を用いて、位置ずれを第二速度に関する色ずれ量ΔL´として測定する第二測定動作が実行される。ステップS1111〜S1115が実行されるタイミングが第二タイミングである。すなわち、第二タイミングでは、第一速度と第二速度の2つの速度についての色ずれ検知(セット色ずれ検知)が実行される。ステップS1104〜S1108では、第一測定動作に加えて、第三速度を用いて位置ずれを第三速度に関する色ずれ量ΔL”として測定する第三測定動作が実行される。ステップS1103〜S1110が実行されるタイミングが第三タイミングである。すなわち、第三タイミングでは、第一速度と第三速度の2つの速度についての色ずれ検知(セット色ずれ検知)が実行され得る。
高速な画像形成速度ほど色ずれ検知時間が短くて済むため、本実施の形態では、最も高速な第一速度についての色ずれ量検知の頻度を高くする。これにより、短期的な要因に起因した各画像形成速度での色ずれを効率よく補正できる。ただし、長期的な要因に起因した色ずれについては複数の画像形成速度間で具体的な相関関係が変化することがあるため、補正量の算出に用いる上述した差分ずれ量を更新する必要がある。よって、第二速度または第三速度での色ずれ量検知についても低い頻度ながら実行する必要がある。
また、長期的な要因に起因した色ずれは画像形成速度に基づいて発生するので、画像形成速度が遅い第二速度の方で第三速度よりも先に大きな差分ずれ量が発生する。そこで本実施の形態では、第二速度での差分ずれ量dL´が所定ずれ量Th4未満の場合は、第三速度での差分ずれ量dL”の値は小さいであろうと判断し、第三タイミングであっても第一測定動作及び第三測定動作を実行しない。従って、差分ずれ量dL1”〜dL3”の算出は省略される。そして、第三画像形成速度での画像形成においては、第一画像形成速度において検知した色ずれ量ΔLを元に色ずれ補正を実施する。これにより、一律に第一測定動作及び第三測定動作を実施して差分ずれ量dL1”〜dL3”の算出を常に行う構成に比べてダウンタイムが削減される。
NVRAM204には、カウンタC1とカウンタC2とが設けられている。NVRAM204にはまた、中間転写ベルト13aの新品時からの画像形成回数をカウントする第三カウンタC3が設けられている。NVRAM204にはまた、前回のセット色ずれ検知で第一速度と組み合わせた画像形成速度を示す情報として速度S1が設けられている。
ステップS1101で、CPU201は、第一検知条件が満たされているか否かを判別する。第一検知条件は、第一カウンタC1が閾値Th1(第一閾値)を超えること(C1>Th1)である。閾値Th1は例えば5000枚である。ステップS1101で、カウンタC1が閾値Th1を超え、第一検知条件が満たされている場合は、色ずれが顕在化するほどに差分ずれ量dL´、dL”の少なくともいずれかが大きくなっている可能性がある。そこでCPU201は、いずれかのセット色ずれ検知を実行すべきと判断して、処理をステップS1102へ進める。これにより、第二タイミングまたは第三タイミングが到来する。
ステップS1102では、CPU201は、速度S1が第二速速度を示すか否かを判別する。その判別の結果、速度S1が第二速度を示す場合は、第二速度と第三速度のうち前回のセット色ずれ検知で第一速度と組み合わせた画像形成速度は第二速度であるので、今回は第三速度を採用するべく、CPU201は、処理をステップS1103に進める。これにより第三タイミングが到来する。一方、速度S1が第二速度を示さない場合は、第二速度が前回に採用されていないので、今回は第二速度を採用するべく、CPU201は処理をステップS1111に進める。これにより第二タイミングが到来する。なお、速度S1の初期値は、第二速度でも第三速度でもない値とする。よって、ステップS1102の初めての処理時には、速度S1が第二速度以外の値であるので、ステップS1111以降が実行される。
ステップS1103では、CPU201は、第三検知条件が満たされていないか否かを判別する。ここで第三検知条件は、第二速度での差分ずれ量dL´が所定ずれ量Th4以上(dL´≧Th4)であることである。閾値Th4は例えば、84μm(600dpiで2画素分相当)である。従って、差分ずれ量dL1´、dL2´、dL3´の少なくともいずれかが所定ずれ量Th4以上であれば第三検知条件が満たされ、これらのいずれもが所定ずれ量Th4より小さい場合、第三検知条件は満たされない。
ステップS1103の判別の結果、第三検知条件が満たされる場合は、第三速度での差分ずれ量dL”が大きくなっている可能性があるので、CPU201は処理をステップS1104に進める。この場合、第三測定動作の実行は「可」と判断される。これにより第三のタイミングにおける第一測定動作及び第三測定動作が実行される。一方、第三検知条件が満たされない場合は、第三速度での差分ずれ量dL”の値は所定ずれ量Th4未満であると推測される。そこでCPU201は、ステップS1110に処理を進める。この場合、第三測定動作の実行は「否」と判断される。これにより、第三タイミングであっても第一測定動作及び第三測定動作は実行されない。
ステップS1104では、CPU201は、現在の画像形成速度が第一速度でないかどうかを判別する。現在の画像形成速度が第一速度であれば処理はステップS1106に進む。一方、現在の画像形成速度が第一速度でない場合には、CPU201は、画像形成速度を第一速度に切り替えて(ステップS1105)、処理をステップS1106へ進める。なお、画像形成速度の切り替えは、CPU201がモータドライバ208等に指示することでなされ、指示を受けたモータドライバ208等は目標の画像形成速度となるようにモータの回転数を調整する。ステップS1106では、CPU201は、第一速度での色ずれ検知を実施し、検知結果である色ずれ量ΔL1〜ΔL3をRAM203に記憶する。その後、CPU201は、画像形成速度を第三速度に切り替え(ステップS1107)、第三速度での色ずれ検知を実施し、検知結果である色ずれ量ΔL1”〜ΔL3”をRAM203に記憶する(ステップS1108)。ステップS1109では、CPU201は、第三速度の色ずれ量ΔL1”〜ΔL3”から、それぞれ第一速度の色ずれ量ΔL1〜ΔL3を減算して、第三速度に関する差分ずれ量dL1”〜dL3”を算出する。そしてCPU201は、算出した差分ずれ量dL1”〜dL3”をRAM203に記憶する。その後、処理はステップS1110へ進む。
ステップS1110では、CPU201は、速度S1に、第三速度を示す値をセットしてNVRAM204に記憶させる。その後CPU201は、カウンタC1をクリアし(ステップS1122)、カウンタC2もクリアする(ステップS1123)。次に、CPU201は、RAM203に保持されている色ずれ検知実施時の温度情報Xを、サーミスタ50により検知された現在の温度Xcに更新し(ステップS1124)、図11の処理を終了させる。
ステップS1111では、CPU201は、現在の画像形成速度が第一速度でないかどうかを判別する。現在の画像形成速度が第一速度であれば処理はステップS1113に進む。一方、現在の画像形成速度が第一速度でない場合には、CPU201は、画像形成速度を第一速度に切り替えて(ステップS1112)、処理をステップS1113へ進める。ステップS1113では、CPU201は、第一速度での色ずれ検知を実施し、検知結果である色ずれ量ΔL1〜ΔL3をRAM203に記憶する。その後、CPU201は、画像形成速度を第二速度に切り替え(ステップS1114)、第二速度での色ずれ検知を実施し、検知結果である色ずれ量ΔL1´〜ΔL3´をRAM203に記憶する(ステップS1115)。ステップS1116では、CPU201は、第二速度の色ずれ量ΔL1´〜ΔL3´から、それぞれ第一速度の色ずれ量ΔL1〜ΔL3を減算して、第二速度に関する差分ずれ量dL1´〜dL3´を算出する。そしてCPU201は、算出した差分ずれ量dL1´〜dL3´をRAM203に記憶する。ステップS1117では、CPU201は、速度S1に、第二速度を示す値をセットしてNVRAM204に記憶させ、その後、処理をステップS1122に進める。
ステップS1101で、カウンタC1が閾値Th1を超えず、第一検知条件が満たされない場合は、差分ずれ量dL´、dL”があまり大きくなっていないと判断できる。そこでCPU201は、セット色ずれ検知を実行する必要がないと判断して、処理をステップS1118へ進める。ステップS1118では、CPU201は第二検知条件が満たされているか否かを判別する。ここで第二検知条件は、第一測定動作(セット色ずれ検知での実施を含む)の前回の実行からの画像形成枚数(カウンタC2の値)が閾値Th2(第二閾値;例えば、500枚)を超える場合に満たされる。また、前回の色ずれ検知の実施時から閾値Th3以上(第三閾値以上)の温度変化があった場合にも第二検知条件は満たされる。閾値Th3は、例えば3°Cとする。
従って、ステップS1118では、CPU201は、C2>Th2であるか、または、現在の温度XcとRAM203に記憶されている温度Xとの差分が閾値Th3以上(|Xc−X|≧Th3)であるかの少なくともいずれかであるかを判別する。そしてCPU201は、C2>Th2かまたは|Xc−X|≧Th3が成立する場合は、第二検知条件が満たされたので、処理をステップS1119へ進める。これにより、第一タイミングが到来する。一方、CPU201は、C2>Th2と|Xc−X|≧Th3のいずれも成立しない場合は、図11の処理を終了させる。
ステップS1119で、CPU201は、CPU201は、現在の画像形成速度が第一速度でないかどうかを判別する。現在の画像形成速度が第一速度であれば処理はステップS1121に進む。一方、現在の画像形成速度が第一速度でない場合には、CPU201は、画像形成速度を第一速度に切り替えて(ステップS1120)、処理をステップS1121へ進める。ステップS1121では、CPU201は、第一速度での色ずれ検知を実施し、検知結果である色ずれ量ΔL1〜ΔL3をRAM203に記憶する。その後、処理はステップS1123に進む。なお、差分ずれ量dL´、dL”は、画像形成装置の使用開始後に随時更新されるが、画像形成装置の出荷時点でNVRAM204には差分ずれ量dL´、dL”として所定の値が予め記憶されている。
図12は、色ずれ補正及び画像形成処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、例えば図10のステップS1002で実行される。従って、CPU201は、用紙1枚毎に、図12のフローチャートに従い、色ずれ補正を行いながら、画像形成動作を行う。
まずステップS1201で、CPU201は、画像形成の対象となっている用紙Sの紙種が第一速度で画像形成する紙種であるかどうかを判別する。CPU201は図4に示したような紙種と画像形成速度との対応関係を示すテーブルをROM202に保持している。よって、CPU201はプリントジョブにおいて指定されている紙種をもとにテーブルをサーチして画像形成速度を取得する。用紙Sの紙種が第一速度で画像形成する紙種であれば処理はステップS1202に進む。ステップS1202で、CPU201は、画像形成部1に設定されている現在の画像形成速度が第一速度でないかどうかを判別する。現在の画像形成速度が第一速度であれば処理はステップS1204に進む。一方、現在の画像形成速度が第一速度でなければCPU201は、画像形成部1の画像形成速度を第一速度に切り替える(ステップS1203)。CPU201は第一速度の色ずれ量ΔL1〜ΔL3に基づき色ずれ補正を行う。CPU201は、色ずれ量ΔL1〜ΔL3を補正量として、補正量だけ画像の書き出しタイミングをずらす。ステップS1205で、CPU201は画像形成部1を制御して、第一速度により画像形成動作を実行し、処理をステップS1215へ進める。
一方、ステップS1201で用紙Sの種類が第一速度で画像形成する紙種でない場合は、処理はステップS1206に進む。ステップS1206では、CPU201は、画像形成の対象となっている用紙Sが第二速度で画像形成する紙種であるどうかを判別する。用紙Sが第二速度で画像形成する紙種であれば、CPU201は画像形成部1に設定されている現在の画像形成速度が第二速度でないかどうかを判別する(ステップS1207)。そして現在の画像形成速度が第二速度であれば処理はステップS1209に進む。現在の画像形成速度が第二速度でなければ、ステップS1208で、CPU201は画像形成部1の画像形成速度を第二速度に切り替える。
ステップS1209では、CPU201は、第一速度の色ずれ量ΔL1〜ΔL3と差分ずれ量dL1´〜dL3´とに基づいて色ずれ補正を行う。例えば、CPU201は第二速度におけるマゼンタについての書き出しタイミングの補正量を、色ずれ量ΔL1に差分ずれ量dL1´を加算することで算出する。他の色についても同様の算術を採用可能である。CPU201は補正量だけ画像の書き出しタイミングをずらす。次に、ステップS1210で、CPU201は画像形成部1を制御して第二速度による画像形成動作を実行し、処理をステップS1215へ進める。
一方、ステップS1206で、用紙Sの種類が第二速度で画像形成する紙種でない場合は、処理はステップS1211に進む。ステップS1211では、CPU201は、現在の画像形成速度が第三速度でないかどうかを判別する。現在の画像形成速度が第三速度あれば処理はステップS1213に進み、現在の画像形成速度が第三速度でなければ処理はステップS1212に進む。ステップS1212では、CPU201は画像形成部1の画像形成速度を第三速度に切り替える。ステップS1213で、CPU201は第一速度の色ずれ量ΔL1〜ΔL3と差分ずれ量dL1”〜dL3”とに基づいて色ずれ補正を行う。例えば、CPU201は第三速度におけるマゼンタについての書き出しタイミングの補正量を、色ずれ量ΔL1に差分ずれ量dL1”を加算することで算出する。他の色についても同様の算術を採用可能である。CPU201は補正量だけ画像の書き出しタイミングをずらす。次に、ステップS1214で、CPU201は画像形成部1を制御して第三速度による画像形成動作を実行し、処理をステップS1215へ進める。CPU201は、ステップS1215では第一カウンタC1を1つカウントアップし、ステップS1216では第二カウンタC2を1つカウントアップし、ステップS1217では第三カウンタC3を1つカウントアップする。その後、図12の処理は終了する。
このように、短期的な要因に起因する色ずれ量は単独の第一測定動作で検知される。また、長期的な要因に起因する色ずれ量は2種類のセット色ずれ検知で検知される。画像形成においては、第二速度では、色ずれ量ΔLと差分ずれ量dL´とに基づいて色ずれ補正が行われ、第三速度では、色ずれ量ΔLと差分ずれ量dL”とに基づいて色ずれ補正が行われる。これにより全ての画像形成速度に対して適切に色ずれを補正できる。セット色ずれ検知は、単独の第一測定動作よりも低頻度で実施されるので、ダウンタイムが削減される。
本実施の形態によればまず、単独の第一測定動作とセット色ずれ検知とが選択的に実行される。これにより、短期的な要因に起因した色ずれと、長期的な要因に起因する色ずれを適切なタイミングで補正し、全ての画像形成速度に対して色ずれの発生を効率よく防ぐことができる。すなわち、第一測定動作の前回の実行からの画像形成枚数が閾値Th2を超えると第一タイミングが到来して第一測定動作が実行される。第二タイミングまたは第三タイミングの前回の到来からの画像形成枚数が閾値Th1を超えると第二タイミングまたは第三タイミングが到来し、第一測定動作に加えて第二測定動作または第三測定動作が実行され得る。ここで閾値Th1は閾値Th2よりも大きいので、短期的要因に起因した色ずれは高い頻度で補正して色ずれ補正精度を高くできる一方、長期的要因に起因した色ずれは低い頻度で補正してダウンタイムを削減することができる。
本実施の形態によればまた、第三検知条件が満たされて第三測定動作の実行が可と判断されると第一測定動作及び第三測定動作が実行される(S1104〜S1108)。一方、第三検知条件が満たされず、第三測定動作の実行が否と判断されると、第三タイミングであっても第一測定動作及び第三測定動作は実行されない(S1103→S1110)。よって、ダウンタイムを低減しつつ、複数の画像形成速度のそれぞれによる色ずれ補正を可能にすることができる。
また、差分ずれ量dL”が所定ずれ量Th4より小さい場合に第三測定動作の実行が否と判断され、閾値Th4は2画素分の位置ずれに相当する量である。これにより、2画素分の位置ずれが生じる十分前に、第一測定動作及び第三測定動作による色ずれ検知を実施できる。
また、第二タイミングまたは第三タイミングの前回の到来からの画像形成枚数が閾値Th1を超えるごとに第二タイミングと第三タイミングとが交互に到来する。これにより、第二測定動作または第三測定動作のいずれかのセット色ずれ検知が続けて実行されることがないので、ダウンタイムを削減しつつ、第二または第三速度での色ずれ補正が不適切になることが回避される。
また、画像形成装置の使用開始後、最初の第三タイミングが到来する前に最初の第二タイミングが到来するので、最も遅い第二速度を含むセットの色ずれ検知が先に実行される。これにより、装置の使用開始時における色ずれが過大になることが回避される。
また、現在の温度と第一測定動作の前回の実行時の温度との差が閾値Th3以上になると第一タイミングが到来する。これにより、画像形成装置の内部温度の変化に対応して色ずれを抑制して画像形成を行うことができる。
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、第三タイミングでは、第三検知条件であるdL´≧Th4が成立する場合に第一測定動作及び第三測定動作を実行するようにしていた(S1103)。これに対し、本発明の第2の実施の形態では、新品の中間転写ベルト13aからの画像形成枚数が、中間転写ベルト13aの劣化によりスリップ発生に至る数となる前までは、第二、第三タイミングであっても、第一測定動作と第二、第三測定動作とを実行しない。図9(a)〜(d)からわかるように、第二速度では、中間転写ベルト13aの新品時からの画像形成枚数が40000枚に達すると長期要因に起因する色ずれ量が発生し得る。同様に、第三速度では、中間転写ベルト13aの新品時からの画像形成枚数が60000枚に達すると長期要因に起因する色ずれ量が発生し得る。そこで本実施の形態では、これらを考慮して、第二、第三タイミングにおける測定動作の可否を判断する。第1の実施の形態に対して、図11に代えて図13を用いて本実施の形態を説明する。その他の構成は第1の実施の形態と同様である。
図13は、第2の実施の形態における色ずれ検知処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、例えば図10のステップS1003で実行される。従って、CPU201は、1枚の画像形成を終了するごとに図13のフローチャートの処理を実行する。図13において、図11と同一のステップ処理については同一のステップ番号を付してある。ステップS1101、S1102、S1118〜S1121の処理は、図11で説明したのと同じである。ステップS1102の判別の結果、速度S1が第二速度を示す場合、処理はステップS1301に進む。これにより第三タイミングが到来する。一方、速度S1が第二速度を示さない場合、処理はステップS1302に進む。これにより第二タイミングが到来する。
ステップS1301では、CPU201は、第五検知条件が満たされていないか否かを判別する。ここで第五検知条件は、例えば、第三カウンタC3の値が閾値Th6(第二所定枚数)以上であること(C3≧Th6)である。図9(d)を参照し、閾値Th6は例えば60000枚とされる。ステップS1301の判別の結果、C3≧Th6が成立する場合は、第五検知条件が満たされる。この場合、第三速度での差分ずれ量dL”が大きくなっている可能性があるので、CPU201は処理をステップS1104に進める。CPU201は、図11で説明したのと同様にステップS1104〜S1109を実行する。すなわち、第三タイミングにおいて前記第一測定動作及び第三測定動作が実行される。その後、処理はステップS1110に進む。一方、C3<Th6が成立する場合は第五検知条件が満たされない。そこでCPU201は、処理をステップS1110に進める。従って、第三タイミングが到来しても第一測定動作及び第三測定動作は実行されない。ステップS1110の後、処理はステップS1122に進む。ステップS1110、S1122〜S1124の処理は図11で説明したのと同じである。
ステップS1302では、CPU201は、第四検知条件が満たされていないか否かを判別する。ここで第四検知条件は、例えば、第三カウンタC3が閾値Th5(第一所定枚数)以上となること(C3≧Th5)である。図9(b)を参照し、閾値Th5は例えば40000枚とされる。閾値Th6は閾値Th5よりも大きい。ステップS1302の判別の結果、C3≧Th5が成立する場合は、第四検知条件が満たされる。この場合、第二速度での差分ずれ量dL´が大きくなっている可能性があるので、CPU201は処理をステップS1111に進める。CPU201は、図11で説明したのと同様にステップS1111〜S1116を実行する。すなわち、第二タイミングにおいて第一測定動作及び第二測定動作が実行される。その後、処理はステップS1117に進む。ステップS1117の処理は図11で説明したのと同じである。一方、C3<Th5が成立する場合は、第四検知条件が満たされない。そこでCPU201は、処理をステップS1117に進める。従って、第二タイミングが到来しても第一測定動作及び第二測定動作は実行されない。
従って、中間転写ベルト13aの新品時からの画像形成枚数が40000枚未満の場合は、差分ずれ量dL´、dL”があまり大きくないと推定されるので、第二タイミング、第三タイミングのいずれにおいてもセット色ずれ検知が省略される。画像形成枚数が60000枚未満の場合は、差分ずれ量dL´は大きいが差分ずれ量dL”はあまり大きくないと推定されるので、第二タイミングにおけるセット色ずれ検知は実行されるが、第三タイミングにおけるセット色ずれ検知は省略される。このようにして、ダウンタイムが削減される。
よって、本実施の形態によれば、ダウンタイムを低減しつつ、複数の画像形成速度のそれぞれによる色ずれ補正を可能にすることに関し、第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
(第3の実施の形態)
上記第1、第2の実施の形態では、画像形成動作中での色ずれ検知を説明した。本発明の第3の実施の形態では、手動による色ずれ検知について説明する。第1、第2の実施の形態のいずれに対しても本実施の形態を適用可能である。図14を加えて本実施の形態を説明する。
図14は、手動による色ずれ検知処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、例えば、図10のステップS1007で実行される。従って、色ずれ補正を指示する開始ボタン(図3(c))が押し下げられると本処理が開始される。
ステップS1401では、CPU201は、第一速度(300mm/s)で起動するようにモータドライバ208等に指示することで、画像形成速度を第一速度で立ち上げる。モータドライバ208は第一速度が達成されるようにモータの回転数を調整する。CPU201は、ステップS1402〜S1405では、図11のステップS1113〜S1116と同様の処理を実行する。すなわち、第一測定動作及び第二測定動作が実行される。このタイミングは、第1の実施の形態における第二タイミングに相当する。ステップS1405の後、処理はステップS1406に進む。
ステップS1406では、CPU201は、第三検知条件(dL´≧Th4)が満たされていないか否かを判別する。ステップS1406の処理は、図11のステップS1103と同様である。第三検知条件が満たされる場合は、第三速度での差分ずれ量dL”が大きくなっている可能性があるので、CPU201は処理をステップS1407に進める。この場合、第三測定動作の実行は「可」と判断される。CPU201は、ステップS1407〜S1409では、図11のステップS1107〜S1109と同様の処理を実行する。すなわち第三測定動作が実行される。一方、第三検知条件が満たされない場合は、第三速度での差分ずれ量dL”の値は所定ずれ量Th4未満であると推測される。そこでCPU201は、ステップS1410に処理を進める。この場合、第三測定動作の実行は「否」と判断され、第三測定動作は省略される。ステップS1410〜S1412では、CPU201は、図11のステップS1122〜S1124と同様の処理を実行して、図14の処理を終了させる。
ユーザから測定動作の指示が入力された場合において、まず、第一測定動作及び第二測定動作が実行される。そして第三検知条件が満たされて第三測定動作の実行が可と判断されると、第三測定動作がさらに実行される。しかし、第三検知条件が満たされず、第三測定動作の実行が否と判断されると、第三測定動作は実行されない。よって、手動による色ずれ検知においても、ダウンタイムを低減しつつ、複数の画像形成速度のそれぞれによる色ずれ補正を可能にすることができる。
なお、担持体は摩擦力によって駆動される中間転写体であってもよい。とりわけ、中間転写体は駆動ローラ13bによって駆動される中間転写ベルト13aであってもよい。中間転写ベルト13aは、駆動ローラ13bとの間に働く摩擦力によって駆動されて回転するものであり、中間転写ベルト13aが劣化してくるとスリップが発生して色ずれ量が変化しやすくなるからである。なお、各閾値Thの値は例示であり、画像形成装置の機種や仕様に応じて予め決定されるものとする。
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。上述の実施形態の一部を適宜組み合わせてもよい。
1 画像形成部
108 中間転写ユニット
201 CPU

Claims (20)

  1. 複数の画像形成速度のうちいずれか1つの画像形成速度でそれぞれ色の異なるトナー画像を形成する複数の画像形成手段と、
    前記複数の画像形成手段により形成されたそれぞれ色の異なるトナー画像が重ね合わされることで形成された多色トナー画像を担持する担持体と、
    第一タイミングで、第一画像形成速度を用いて基準色の画像に対する前記基準色以外の画像の位置ずれを前記第一画像形成速度に関する色ずれ量として測定する第一測定動作を実行し、第二タイミングで、前記第一測定動作と、第二画像形成速度を用いて前記位置ずれを前記第二画像形成速度に関する色ずれ量として測定する第二測定動作とを実行する測定手段と、
    第三画像形成速度を用いて前記位置ずれを前記第三画像形成速度に関する色ずれ量として測定する第三測定動作の実行の可否を、前記測定手段によりそれぞれ測定された前記第一画像形成速度に関する色ずれ量と前記第二画像形成速度に関する色ずれ量とに基づき判断する判断手段と、
    第三タイミングでは、前記判断手段により前記第三測定動作の実行が可と判断された場合は前記第一測定動作及び前記第三測定動作を実行し、前記判断手段により前記第三測定動作の実行が否と判断された場合は前記第一測定動作及び前記第三測定動作を実行しないように前記測定手段を制御する制御手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記第三画像形成速度は、前記第一画像形成速度よりも遅く、且つ、前記第二画像形成速度よりも速いことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記判断手段は、前記第一画像形成速度に関する色ずれ量と前記第二画像形成速度に関する色ずれ量との差分を示す第二差分ずれ量が所定ずれ量より小さい場合に、前記第三測定動作の実行を否と判断することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 前記所定ずれ量は、2画素分の位置ずれに相当する量であることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 複数の画像形成速度のうちいずれか1つの画像形成速度でそれぞれ色の異なるトナー画像を形成する複数の画像形成手段と、
    前記複数の画像形成手段により形成されたそれぞれ色の異なるトナー画像が重ね合わされることで形成された多色トナー画像を担持する担持体と、
    第一タイミングで、第一画像形成速度を用いて、基準色の画像に対する前記基準色以外の画像の位置ずれを前記第一画像形成速度に関する色ずれ量として測定する第一測定動作を実行し、第二タイミングで、前記第一測定動作と、第二画像形成速度を用いて前記位置ずれを前記第二画像形成速度に関する色ずれ量として測定する第二測定動作とを実行でき、第三タイミングで、前記第一測定動作と、第三画像形成速度を用いて前記位置ずれを前記第三画像形成速度に関する色ずれ量として測定する第三測定動作とを実行できる測定手段と、
    前記担持体の新品時からの画像形成枚数が第一所定枚数を超えるまでは、前記第二タイミングが到来しても前記第一測定動作及び前記第二測定動作を実行せず、且つ、前記第三タイミングが到来しても前記第一測定動作及び前記第三測定動作を実行しないよう前記測定手段を制御する制御手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
  6. 前記第三画像形成速度は、前記第一画像形成速度よりも遅いことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記第三画像形成速度は、前記第二画像形成速度よりも速く、
    前記制御手段は、前記担持体の新品時からの画像形成枚数が、前記第一所定枚数より大きい第二所定枚数を超えるまでは、前記第三タイミングが到来しても前記第一測定動作及び前記第三測定動作を実行しないよう前記測定手段を制御することを特徴とする請求項5または6に記載の画像形成装置。
  8. 前記第二タイミングまたは前記第三タイミングの前回の到来からの画像形成枚数が第一閾値を超えるごとに前記第二タイミングと前記第三タイミングとが交互に到来することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  9. 前記第一測定動作の前回の実行からの画像形成枚数が第二閾値を超えると前記第一タイミングが到来することを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
  10. 前記第一閾値は前記第二閾値よりも大きいことを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
  11. 前記画像形成装置の使用開始後、最初の前記第三タイミングが到来する前に、最初の前記第二タイミングが到来することを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  12. 前記画像形成装置に関する温度を検知する温度検知手段をさらに有し、
    前記温度検知手段により検知された現在の温度と前記第一測定動作の前回の実行時に記憶された温度との差が第三閾値以上になると、前記第一タイミングが到来することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  13. 複数の画像形成速度のうちいずれか1つの画像形成速度でそれぞれ色の異なるトナー画像を形成する複数の画像形成手段と、
    前記複数の画像形成手段により形成されたそれぞれ色の異なるトナー画像が重ね合わされることで形成された多色トナー画像を担持する担持体と、
    第一画像形成速度を用いて基準色の画像に対する前記基準色以外の画像の位置ずれを前記第一画像形成速度に関する色ずれ量として測定する第一測定動作、第二画像形成速度を用いて前記位置ずれを前記第二画像形成速度に関する色ずれ量として測定する第二測定動作、及び、第三画像形成速度を用いて前記位置ずれを前記第三画像形成速度に関する色ずれ量として測定する第三測定動作を実行できる測定手段と、
    前記第三測定動作の実行の可否を、前記測定手段によりそれぞれ測定された前記第一画像形成速度に関する色ずれ量と前記第二画像形成速度に関する色ずれ量とに基づき判断する判断手段と、
    ユーザから測定動作の指示が入力された場合において、前記第一測定動作及び前記第二測定動作を実行すると共に、前記判断手段により前記第三測定動作の実行が可と判断された場合は前記第三測定動作をさらに実行し、前記判断手段により前記第三測定動作の実行が否と判断された場合は前記第三測定動作を実行しないように前記測定手段を制御する制御手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
  14. 前記第三画像形成速度は、前記第一画像形成速度よりも遅く、且つ、前記第二画像形成速度よりも速いことを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
  15. 前記判断手段は、前記第一画像形成速度に関する色ずれ量と前記第二画像形成速度に関する色ずれ量との差分を示す第二差分ずれ量が所定ずれ量より小さい場合に、前記第三測定動作の実行を否と判断することを特徴とする請求項13または14に記載の画像形成装置。
  16. 前記所定ずれ量は、2画素分の位置ずれに相当する量であることを特徴とする請求項15に記載の画像形成装置。
  17. 前記制御手段は、前記第一画像形成速度に関する色ずれ量と前記第三画像形成速度に関する色ずれ量との差分を示す第一差分ずれ量を算出すると共に、前記第一画像形成速度に関する色ずれ量と前記第二画像形成速度に関する色ずれ量との差分を示す第二差分ずれ量を算出することを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  18. 前記制御手段は、前記第一画像形成速度により画像を形成する場合、前記第一画像形成速度に関する色ずれ量に基づいて前記基準色以外の画像の位置を補正し、前記第二画像形成速度により画像を形成する場合、前記第一画像形成速度に関する色ずれ量と算出された前記第二差分ずれ量とに基づいて前記基準色以外の画像の位置を補正し、前記第三画像形成速度により画像を形成する場合、前記第一画像形成速度に関する色ずれ量と算出された前記第一差分ずれ量とに基づいて前記基準色以外の画像の位置を補正することを特徴とする請求項17に記載の画像形成装置。
  19. 前記担持体は摩擦力によって駆動される中間転写体であることを特徴とする請求項1〜18のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  20. 前記中間転写体はローラによって駆動される中間転写ベルトであることを特徴とする請求項19のいずれか1項に記載の画像形成装置。

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