JP2018004914A - 回折光学素子及びそれを有する光学系、撮像装置、レンズ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 光学性能を維持しつつフレアの発生を低減することのできる回折光学素子を提供することである。
【解決手段】 回折光学素子10は、基板1と、第1の回折格子4と、第2の回折格子5と、を有する。第1の回折格子4のd線における屈折率は、第2の回折格子5のd線における屈折率よりも大きい。基板1のd線における屈折率をNs、第1の回折格4子のd線における屈折率をN1dとしたとき、
1.45<N1d<1.55
0.2<Ns−N1d<0.6
なる条件式を満足する。
【選択図】 図2
【解決手段】 回折光学素子10は、基板1と、第1の回折格子4と、第2の回折格子5と、を有する。第1の回折格子4のd線における屈折率は、第2の回折格子5のd線における屈折率よりも大きい。基板1のd線における屈折率をNs、第1の回折格4子のd線における屈折率をN1dとしたとき、
1.45<N1d<1.55
0.2<Ns−N1d<0.6
なる条件式を満足する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、デジタルカメラ等の光学系に用いられる回折光学素子に関する。
鋸刃状の回折格子(ブレーズ格子)を備える回折光学素子おいて、光が格子壁面に入射することにより、フレアが発生することが知られている。
特許文献1には、格子壁面に光吸収性を有する膜を設けることで、格子壁面に起因するフレアの発生を低減することのできる回折光学素子が記載されている。
しかしながら、特許文献1に記載された回折光学素子において、格子壁面に設ける膜の消衰係数が大きい場合には、該膜における反射率が増大してしまい、フレアの発生を十分に低減することが困難となる。
一方、特許文献1に記載された回折光学素子において、消衰係数の小さな膜を格子壁面に設ける場合、格子壁面に入射した光を十分に吸収するためには、比較的厚い膜を格子壁面に設ける必要がある。しかしながら格子壁面に厚い膜を設ける場合、回折効率が低下してしまう等、回折光学素子としての光学性能が低下してしまうおそれがある。
本発明の目的は、光学性能を維持しつつフレアの発生を低減することのできる回折光学素子および光学系を提供することである。
本発明の回折光学素子は、基板と、第1の回折格子と、d線における屈折率が前記第1の回折格子のよりも小さな第2の回折格子と、を有し、前記基板のd線における屈折率をNs、前記第1の回折格子のd線における屈折率をN1dとしたとき、
1.45<N1d<1.55
0.2<Ns−N1d<0.6
なる条件式を満足することを特徴とする。
1.45<N1d<1.55
0.2<Ns−N1d<0.6
なる条件式を満足することを特徴とする。
また、本発明の光学系は、回折光学素子を含む光学系であって、前記回折光学素子は、基板と、第1の回折格子と、d線における屈折率が前記第1の回折格子よりも小さな第2の回折格子と、を有し、前記第1の回折格子および前記第2の回折格子は、前記基板の光出射側の面に積層されており、前記基板のd線における屈折率をNs、前記第1の回折格子のd線における屈折率をN1dとしたとき、
1.45<N1d<1.55
0.2<Ns−N1d<0.6
なる条件式を満足することを特徴とする。
1.45<N1d<1.55
0.2<Ns−N1d<0.6
なる条件式を満足することを特徴とする。
本発明によれば、光学性能を維持しつつフレアの発生を低減することのできる回折光学素子および光学系を実現することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
[実施例1]
図1(a)、(b)の各図は、本実施例の回折光学素子(以下、DOEと称する)10を示す概略図である。図1(a)に示すように、本実施例のDOE10は円形の形状を有する。また、図1(a)において、点線で示した同心円は、後述する第1の回折格子の形状を模式的に表したものである。
図1(a)、(b)の各図は、本実施例の回折光学素子(以下、DOEと称する)10を示す概略図である。図1(a)に示すように、本実施例のDOE10は円形の形状を有する。また、図1(a)において、点線で示した同心円は、後述する第1の回折格子の形状を模式的に表したものである。
図1(b)は、DOE10の断面図である。DOE10は、d線における屈折率がNsである基板1と回折格子部3を有する。また、図1(b)に示したように、回折格子部3に対して基板1とは反対側に他の基板2をさらに設けても良い。ここで、図1(b)に示したOは、DOE10の中心軸を表している。本実施例のDOE10を撮像装置等の光学系に用いる場合、DOE10は中心軸Oと光学系の光軸が一致し、基板1において回折格子部3が設けられていない側の面が光学系の光入射側を向くように配置される。
回折格子部3の拡大図を図2に示す。なお、図2は回折格子部3を模式的に示したものであり、実際の寸法とは異なる。回折格子部3は、第1の回折格子4と、第2の回折格子5で構成されている。第1の回折格子4のd線に対する屈折率はN1dである。また、第2の回折格子5のd線における屈折率はN2dである。このとき、N1dはN2dよりも大きい。また、N1dおよびN2dは共にNsよりも小さい。
図2に示すように、第1の回折格子4と第2の回折格子5は密着して積層されている。第1の回折格子4と第2の回折格子5の界面は格子面3aと格子壁面3bが交互に形成された鋸刃状になっている。これによって第1の回折格子4と第2の回折格子5は鋸刃状の回折格子(ブレーズ構造)を構成している。
なお、図2において、鋸刃状の回折格子を構成する第1の回折格子4と第2の回折格子5の界面のうち、面法線と中心軸Oが成す角度が小さい方の面が格子面3aである。また、図2において、鋸刃状の回折格子を構成する第1の回折格子4と第2の回折格子5の界面のうち、面法線と中心軸Oが成す角度が大きい方の面が格子壁面3bである。
このとき、DOE10において、第1の回折格子4の谷部を結んだ包絡線と第1の回折格子4の山部を結んだ包絡線の距離が第1の回折格子4の格子厚さdとなる。
図1(a)において点線で示した複数の円は、格子面3aと格子壁面3bの境界を表したものである。図1(a)に示すように、回折格子部3は中心軸Oを中心とした同心円状の回折格子となっている。
図1(a)に示すように、回折格子の格子ピッチを中心軸Oから離れるにつれて徐々に変化させることで、回折格子部3にレンズ作用(光の収斂作用や発散作用)を具備させることができる。
上述のようなDOE10において、第m次の回折光の回折効率が最大となる条件は、波長λにおける第1の回折格子4の屈折率をN1(λ)、第2の回折格子5の屈折率をN2(λ)としたとき、次の式(1)で与えられる。
Φ(λ)=−(N2(λ)−N1(λ))×d=mλ (1)
Φ(λ)=−(N2(λ)−N1(λ))×d=mλ (1)
Φ(λ)は回折格子部3によって生じる光路長差の最大値を表している。式(1)におけるmは回折次数であり、任意の整数値をとる。式(1)では、第1の回折格子4から第2の回折格子5へ向かって中心軸Oに平行な光が入射したときに、中心軸Oに近づく方向に回折する場合の回折次数を正(m>0)とし、中心軸Oから離れる方向に回折する場合の回折次数を負(m<0)としている。
また、DOE10における回折効率η(λ)は次の式(2)で与えられる。
η(λ)=sinc2[π{m−Φ(λ)/λ}] (2)
なお、sinc(x)は、{sin(x)/x}で表される関数である。
η(λ)=sinc2[π{m−Φ(λ)/λ}] (2)
なお、sinc(x)は、{sin(x)/x}で表される関数である。
次に、DOE10を撮像装置等の光学系に配置した場合における光束の振る舞いについて説明する。
以下の説明では、DOE10は基板1において第1の回折格子4および第2の回折格子5が設けられていない側の面が光学系の光入射側を向くように配置されているものとする。DOE10の格子厚さdは第1の回折格子4の谷部を結んだ包絡面(以下、入射面と称する)に対して垂直に光が入射した場合に、1次回折光の回折効率が最も大きくなるように設計されている。また、DOE10は格子壁面3bが入射面に対して略垂直となるような格子形状を有しており、入射面に対して2°以内の入射角で入射した光束を回折して撮像面に導くように設計してあるものとする。
このため、DOE10の入射面に対して2°以内の入射角で入射した光束は、その大部分が格子面3aに入射するため、設計通りに回折される。ゆえに、図2に示すように第2の回折格子5の谷部を結んだ包絡面(以下、出射面と称する)から1次の回折角で出射し、撮像面に到達する。
次に、入射面に対して2°よりも大きな角度で光束が入射した場合について、図3を用いて説明する。
図3は、基板1と第1の回折格子4の界面にθ1なる入射角で光束が入射した場合の光路を示している。基板1から入射角θ1で第1の回折格子4へ入射した光束は、第1の回折格子4で屈折し、入射角θ2で入射面に入射する。図3に示すように、入射角θ2で入射面に入射する光束の一部は、格子壁面3bに入射することになる。
入射角θ2で入射面に入射した光束は、格子壁面3bでわずかに伝播方向が変化し、θ2と異なる角度θ3で出射面から出射する。出射面から出射した光は、第2の回折格子5と他の基板2との界面で屈折し、θ4なる角度で出射する。
図3において、一点鎖線で示した矢印は像面に到達する光束の伝播方向を表している。第2の回折格子5と他の基板2の界面をθ4なる角度で出射した光束の伝播方向は、像面に到達する光束の伝播方向と大きく異なっていることがわかる。すなわち、第2の回折格子5と他の基板2の界面をθ4なる角度で出射した光束は像面に到達しないことがわかる。
しかし、格子壁面3b付近に入射した光は、格子壁面3bにおいて回折されるため、実際には出射面から出射する際の出射角に広がりが生じる。このため、図3に示すようにスネルの法則で求めた光路が像面に到達しない場合であっても、実際にはわずかな光が像面に到達してしまう。格子壁面3bにおいて回折した光束が像面に到達する割合は、格子壁面3bへの入射角(格子壁面3bの法線と光束の伝播方向の成す角度)が大きいほど大きくなる傾向がある。
また格子壁面3bにおける回折光の他にも、格子壁面3bにおいて反射された光も像面に到達する場合もある。特に、屈折率の大きな第1の回折格子4から屈折率の小さな第2の回折格子5へ向かって臨界角以上の入射角度で光が入射する場合、格子壁面3bにおいて全反射が生じるため大きな強度の光が像面に到達し得る。このため、格子壁面3bにおいて反射して像面に到達する光の強度は、格子壁面3bへの入射角(格子壁面3bの法線と光束の伝播方向の成す角度)が大きいほど大きくなる傾向がある。
設計入射角よりも大きな角度で入射面に入射した光は撮影に不要な光である。したがって、このような不要光が格子壁面3bにおいて回折または反射して撮像面に到達するとフレアを生じ得る。しかしながら、入射面への入射角θ2を大きくすることで、格子壁面3bにおける回折光および反射光が像面に到達する割合を低減することができる。これは入射面への入射角θ2を大きくすることで、格子壁面3bへの入射角が小さくなるためである。
そこで、本実施例のDOE10では、設計入射角以上で入射した光を第1の回折格子4と基板1の界面で大きく屈折させることにより、入射面への入射角θ2が大きくなるようにしている。そのために、DOE10は、以下の式(3)および(4)を共に満たす構成としている。
1.45<N1d<1.55 (3)
0.2<Ns−N1d<0.6 (4)
1.45<N1d<1.55 (3)
0.2<Ns−N1d<0.6 (4)
N1dを式(3)の範囲とし、NsとN1dの差を式(4)の範囲とすることで、DOE10に入射した光を第1の回折格子4と基板1の界面で大きく屈折させることができ、入射面への入射角θ2を大きくすることができる。これによって、格子壁面3bに起因したフレアの発生を低減することができる。
N1dの値が式(3)の上限よりも大きくなると、式(4)を満たすためにはNsをより大きくする必要がある。一般に、屈折率の高い材料は屈折率の波長分散が大きい傾向があり、このような材料を用いて基板1を形成すると色にじみが生じやすくなるため好ましくない。また、N1dの値が式(3)の下限よりも小さくなると、第1の回折格子4を形成する材料と第2の回折格子5を形成する材料の選択肢が少なくなる結果、DOE10において可視光全域で高い回折効率を得ることが難しくなる。
また、NsとN1dの差が式(4)の下限よりも小さくなると、第1の回折格子4と基板1の界面での屈折角を十分に大きくすることができない。また、NsとN1dの差が式(4)の上限を超える程にNsが大きい場合、上述したように屈折率の波長分散が大きくなる傾向がある。このような材料を用いて基板1を形成すると色にじみが生じやすくなるため好ましくない。
すなわち、式(3)および(4)を満たすことで、DOE10の光学性能を維持しつつ、格子壁面3bに起因するフレアの発生を低減することができる。
なお、上述した説明では、設計入射角が入射面に対して2°以内である場合について説明したが、これ以外の設計入射角であっても本発明の効果を得ることができる。例えば、DOE10が入射面に対して5°〜15°の範囲の入射角で入射した光束を回折して撮像面に導くように設計してある場合であっても、式(3)、(4)を満たしていれば格子壁面3bに起因するフレアの発生を低減することができる。この場合、格子壁面3bと入射面の成す角度を、5°〜15°の平均値である10°とすることが好ましい。これによって5°〜15°の範囲で入射面に入射した光束の大部分を格子面3aに入射させることができ、回折効率を向上することができる。
なお、式(3)は以下の式(3a)の範囲とすることが好ましく、式(3b)の範囲とすることがより好ましい。
1.47<N1d<1.52 (3a)
1.47<N1d<1.50 (3b)
1.47<N1d<1.52 (3a)
1.47<N1d<1.50 (3b)
また、式(4)は以下の式(4a)の範囲とすることが好ましく、式(4b)の範囲とすることがより好ましい。
0.2<Ns−N1d<0.55 (4a)
0.25<Ns−N1d<0.55 (4b)
0.2<Ns−N1d<0.55 (4a)
0.25<Ns−N1d<0.55 (4b)
さらに、Nsは以下の式(5)の範囲とすることが好ましい。
1.7<Ns<2.1 (5)
1.7<Ns<2.1 (5)
これによって、屈折率の波長分散が小さな材料で基板1を形成することができる。これによって、DOE10において光学性能を保ちつつ、第1の回折格子4と基板1の界面での屈折角をより大きくすることができ、格子壁面3bに起因するフレアの発生をより低減することができる。
式(5)の範囲は、より好ましくは以下の式(5a)の範囲とすると良い。
1.74<Ns<2.0 (5a)
1.74<Ns<2.0 (5a)
また、格子厚さdを小さくすることで、設計入射角よりも大きな角度で入射面に入射した光束が格子壁面3bに入射する割合を小さくすることができる。したがって、格子厚さdは以下の条件式(6)を満たすことが好ましい。
d<16[μm] (6)
d<16[μm] (6)
これによって、格子壁面3bに起因したフレアの発生をより低減することができる。式(6)は以下の式(6a)の範囲とすることが好ましく、式(6b)の範囲とすることがより好ましい。
d<14[μm] (6a)
d<12[μm] (6b)
d<14[μm] (6a)
d<12[μm] (6b)
また、格子厚さdを小さくしつつ高い回折効率を得るためには、N1dおよびN2dは以下の条件式(7)を満たすことが好ましい。
0.03<N1d−N2d (7)
0.03<N1d−N2d (7)
N1dとN2dの差を式(7)の下限よりも大きくすることで、低い格子厚さで高い回折効率を得られるため、回折効率を維持しつつ格子壁面3bに起因したフレアをより低減することができる。なお、式(7)は好ましくは以下の式(7a)の範囲とすると良い。
0.035<N1d−N2d<0.15 (7a)
0.035<N1d−N2d<0.15 (7a)
N1dとN2dの差を式(7a)の上限よりも小さくすることで、高い回折効率が得られる第1の回折格子4および第2の回折格子5を容易に成形することができる。
また、基板1と第1の回折格子4の界面の曲率半径R1と、第1の回折格子4の山部を結んだ包絡面の曲率半径R2を同程度とすることで、第1の回折格子4および第2の回折格子5を容易に成形することができる。また、温度変化による面形状の変化を低減することができる。したがって、DOE10は以下の条件式(8)を満足することが好ましい。
0.8<R1/R2<1.2 (8)
0.8<R1/R2<1.2 (8)
式(8)は好ましくは以下式(8a)の範囲とするとよい。
0.9<R1/R2<1.1 (8a)
0.9<R1/R2<1.1 (8a)
なお、後述のように基板1と第2の回折格子5が隣接して設けられている場合には、基板1と第2の回折格子5の界面の曲率半径をR1とし、第2の回折格子5の山部を結んだ包絡面の曲率半径R2とすれば良い。
また、可視光(400〜700nm)全域において高い回折効率を得るためには、以下の条件式(9)を満足することが好ましい。
15<ν1−ν2<75 (9)
15<ν1−ν2<75 (9)
ここで、式(9)におけるν1は、第1の回折格子4のアッべ数であり、ν2は、第2の回折格子5のアッべ数である。なお、ある媒質のアッべ数νはフラウンホーファー線のg線、F線、d線、C線に対する該媒質の屈折率をそれぞれNg,NF,Nd,NCとしたとき、次式(10)で与えられる値である。
ν=(Nd−1)/(NF−NC) (10)
ν=(Nd−1)/(NF−NC) (10)
次に本実施例のDOE10の特性について述べる。
本実施例の第1の回折格子4は、アクリル系樹脂(d線での屈折率1.522、アッべ数51.3、部分分散比0.539)にフッ素系樹脂を10%混合した樹脂により形成されている。第1の回折格子4の屈折率はd線においてN1d=1.513である。また、第1の回折格子4のアッべ数はν1=51.9であり、部分分散比は0.540である。
なお、部分分散比θgFとは、フラウンホーファー線のg線、F線、d線、C線に対する媒質の屈折率をそれぞれNg,NF,Nd,NCとしたとき、次の式(11)で与えられる値である。
θgF=(Ng−NF)/(NF−NC) (11)
θgF=(Ng−NF)/(NF−NC) (11)
また、第2の回折格子5はフッ素系樹脂サイトップ(旭ガラス製、d線での屈折率1.341、アッべ数93.8、部分分散比0.530)にITO微粒子を18%混合した樹脂により形成されている。第2の回折格子5の屈折率はd線においてN2d=1.441である。また、第2の回折格子5のアッべ数ν2は15.9であり、部分分散比は0.397である。
また、基板1には、株式会社オハラ製ガラスS−LAH58を用いている。基板1の屈折率はd線においてNs=1.883である。また、基板1のアッべ数は40.8である。さらに、本実施例では回折格子部3に対して基板1とは反対側に他の基板2を設けている。他の基板2は、株式会社オハラ製ガラスS−FSL5を用いている。他の基板2の屈折率はd線において1.487であり、アッべ数は70.2である。
本実施例において第1の回折格子4と基板1の界面の曲率半径は40.55mmとなっており、第1の回折格子4の山部を結んだ包絡面(出射面)の曲率半径は40.0mmとなっている。また回折格子部3の格子厚さdは8.0μmとなっており、1次の回折光の回折効率が最も大きくなるように設計されている。なお、回折格子部3の格子ピッチは100μmである。
図4に、本実施例のDOE10において光が入射面に対して垂直に入射した場合の1次回折光の回折効率の波長依存性を示す。図4より、DOE10は波長400〜700nmにおいて、高い回折効率が得られていることがわかる。
続いて、光が入射面に対して設計入射角よりも大きな角度で入射した場合について、比較例のDOEと本実施例のDOE10を比較して説明する。
比較例のDOEの構成は、第1の回折格子4の屈折率および第2の回折格子5の屈折率を除いて本実施例のDOE10と同様である。比較例のDOEにおいて、第1の回折格子の屈折率は波長550nmにおいて1.900となっており、第2の回折格子の屈折率は波長550nmにおいて1.831となっている。
本実施例のDOE10と比較例のDOEでは、第1の回折格子4の屈折率が互いに異なるため、基板1と第1の回折格子4の界面に対して同じ角度で光が入射したとしても入射面への入射角θ2が異なる。
例えば、基板1と第1の回折格子4の界面に入射角θ1=15°で入射した光を考える。本実施例のDOE10においては、前述した式(3)および(4)を共に満たすため、基板1から第1の回折格子4に入射した光は第1の回折格子4において大きく屈折し、入射角θ2=18.8°で入射面に入射する。一方、比較例のDOEにおいては第1の回折格子に入射角θ1=15°で入射した光は入射角θ2=14.9°で入射面に入射する。
図5(a)に、本実施例のDOE10において、基板1と第1の回折格子4の界面に入射角θ1=15°で光が入射した場合の回折効率と回折角の関係を示す。また、図5(b)に比較例のDOEにおいて基板1と第1の回折格子4の界面に入射角θ1=15°で光が入射した場合の回折効率と回折角の関係を示す。なお、回折効率と回折角の関係は、波長550nmにおいて厳密結合波解析を用いて計算した。
図5(a)、(b)の各図において、回折角が0°付近の光が像面に到達する光である。回折角0°付近について図5(a)と図5(b)を比較すると、図5(a)に示す場合の方がより回折効率が低いことがわかる。
次に、基板1と第1の回折格子4の界面に入射角θ1=18°で入射した光を考える。この場合、本実施例のDOE10においては入射角θ2=22.6°で入射面に入射する。一方、比較例のDOEにおいては入射角θ2=17.9°で入射面に入射する。
図6(a)に、本実施例のDOE10において、基板1と第1の回折格子4の界面に入射角θ1=18°で光が入射した場合の回折効率と回折角の関係を示す。また、図6(b)に比較例のDOEにおいて基板1と第1の回折格子4の界面に入射角θ1=18°で光が入射した場合の回折効率と回折角の関係を示す。
像面に到達する回折角0°付近の回折効率について図6(a)と図5(b)を比較すると、図5(a)に示す場合の方がより回折効率が低いことがわかる。
以上より、本実施例のDOE10のように基板1と第1の回折格子4の界面で光を大きく屈折させることにより入射面への入射角を大きくすることで、像面に到達する不要光を低減することができることがわかる。したがって、本実施例のDOE10のように式(3)および式(4)を満たすことで、格子壁面3bに起因するフレアの発生を低減することができる。
[実施例2]
次に実施例2のDOEについて説明する。本実施例のDOE10の構成は図2および図3に示す通りであり実施例1と同様であるが、本実施例のDOE10の光学定数は実施例1と異なっている。
次に実施例2のDOEについて説明する。本実施例のDOE10の構成は図2および図3に示す通りであり実施例1と同様であるが、本実施例のDOE10の光学定数は実施例1と異なっている。
本実施例の第1の回折格子4はアクリル系樹脂(d線での屈折率1.522、アッべ数51.3、部分分散比0.539)にフッ素系樹脂を5%混合した樹脂により形成されている。本実施例において、第1の回折格子4の屈折率はd線においてN1d=1.517である。また、第1の回折格子4のアッべ数はν1=51.6であり、部分分散比は0.539である。
また、第2の回折格子5はフッ素系樹脂(d線での屈折率1.430、アッべ数60.6、部分分散比0.553)にITO微粒子を11%混合した樹脂により形成されている。第2の回折格子5の屈折率はd線においてN2d=1.478である。また、第2の回折格子5のアッべ数ν2は23.2であり、部分分散比は0.434である。
また、基板1には、株式会社オハラ製ガラスS−LAH51を用いている。基板1の屈折率はd線においてNs=1.786である。また、基板1のアッべ数は44.2である。さらに、本実施例においても回折格子部3に対して基板1とは反対側に他の基板2を設けている。他の基板2は、実施例1と同様に、株式会社オハラ製ガラスS−FSL5を用いている。他の基板2の屈折率はd線において1.487であり、アッべ数は70.2である。
このような構成により、本実施例のDOE10においても、上述した式(3)および式(4)を満たしている。したがって、本実施例のDOE10においても、基板1と第1の回折格子4の界面で光を大きく屈折させることにより入射面への入射角を大きくすることができる。これによって、格子壁面3bへの入射角を小さくすることができ、格子壁面3bに起因するフレアの発生を低減することができる。
本実施例において第1の回折格子4と基板1の界面の曲率半径は40.1mmとなっており、第1の回折格子4の山部を結んだ包絡面(出射面)の曲率半径は40.5mmとなっている。また、本実施例における回折格子部3の格子厚さdは14.85μmとなっており、1次の回折光の回折効率が最も大きくなるように設計されている。また、回折格子部3の格子ピッチは100μmである。
図7に、本実施例のDOE10において光が入射面に対して垂直に入射した場合の1次回折光の回折効率の波長依存性を示す。図7より、本実施例のDOE10でも波長400〜700nmにおいて高い回折効率が得られていることがわかる。
[実施例3]
次に実施例3のDOEについて説明する。本実施例のDOE10の構成は図2および図3に示す通りであり実施例1および実施例2と同様であるが、本実施例のDOE10の光学定数は実施例1および実施例2と異なっている。
次に実施例3のDOEについて説明する。本実施例のDOE10の構成は図2および図3に示す通りであり実施例1および実施例2と同様であるが、本実施例のDOE10の光学定数は実施例1および実施例2と異なっている。
本実施例のDOE10において、第1の回折格子4はアクリル系樹脂(d線での屈折率1.522、アッべ数51.3、部分分散比0.539)にZrO2微粒子を5%混合した樹脂により形成されている。本実施例において、第1の回折格子4の屈折率はd線においてN1d=1.546である。また、第1の回折格子4のアッべ数はν1=49.3であり、部分分散比は0.542である。
また、第2の回折格子5はフッ素系樹脂(d線での屈折率1.430、アッべ数60.6、部分分散比0.553)にITO微粒子を15%混合した樹脂により形成されている。第2の回折格子5の屈折率はd線においてN2d=1.495である。また、第2の回折格子5のアッべ数ν2は19.5であり、部分分散比は0.421である。
また、基板1には、株式会社オハラ製ガラスS−NBH51を用いている。基板1の屈折率はd線においてNs=1.750である。また、基板1のアッべ数は35.3である。さらに、本実施例においても回折格子部3に対して基板1とは反対側に他の基板2を設けている。他の基板2は、実施例1および実施例2と同様に、株式会社オハラ製ガラスS−FSL5を用いている。他の基板2の屈折率はd線において1.487であり、アッべ数は70.2である。
このような構成により、本実施例のDOE10においても、上述した式(3)および式(4)を満たしている。したがって、本実施例のDOE10においても、基板1と第1の回折格子4の界面で光を大きく屈折させることにより入射面への入射角を大きくすることができる。これによって、格子壁面3bへの入射角を小さくすることができ、格子壁面3bに起因するフレアの発生を低減することができる。
本実施例において第1の回折格子4と基板1の界面の曲率半径は320mmとなっており、第1の回折格子4の山部を結んだ包絡面(出射面)の曲率半径は320mmとなっている。また、本実施例における回折格子部3の格子厚さdは11.55μmとなっており、1次の回折光の回折効率が最も大きくなるように設計されている。また、回折格子部3の格子ピッチは100μmである。
図8に、本実施例のDOE10において光が入射面に対して垂直に入射した場合の1次回折光の回折効率の波長依存性を示す。図9より、本実施例のDOE10でも波長400〜700nmにおいて高い回折効率が得られていることがわかる。
[実施例4]
次に、実施例4のDOE20について説明する。本実施例のDOE20は、第1の回折格子より屈折率の小さな第2の回折格子が基板に隣接して設けられている点で上述した実施例1乃至3と異なる。
次に、実施例4のDOE20について説明する。本実施例のDOE20は、第1の回折格子より屈折率の小さな第2の回折格子が基板に隣接して設けられている点で上述した実施例1乃至3と異なる。
本実施例のDOE20を示す概略図を図9に示す。なお、図9はDOE20を模式的に示したものであり、実際の寸法とは異なる。本実施例のDOE20は、基板6と、第1の回折格子8と、d線に対する屈折率が第1の回折格子8よりも小さな第2の回折格子9とを有する。本実施例のDOE20では、第2の回折格子9は基板6と隣接して設けられている。なお、本実施例においてもDOE20を撮像装置等の光学系に用いる場合には、基板6の第1の回折格子8および第2の回折格子9が積層されていない面が光学系の光入射側を向くように配置される。
本実施例のDOE20において、第2の回折格子9はフッ素系樹脂サイトップ(旭ガラス製、d線での屈折率1.341、アッべ数93.8、部分分散比0.530)にITO微粒子を15%混合させた樹脂により形成されている。第2の回折格子9の屈折率はd線においてN2d=1.423である。また、第2の回折格子9のアッべ数はν2=18.0であり、部分分散比は0.402である。
また、第1の回折格子8はフッ素系樹脂サイトップ(旭ガラス製、d線での屈折率1.341、アッべ数93.8、部分分散比0.530)にZrO2微粒子を19%混合させた樹脂により形成されている。第1の回折格子8の屈折率はd線においてN1d=1.472である。また、第1の回折格子8のアッべ数ν2は54.2であり、部分分散比は0.552である。
また、基板6には、株式会社オハラ製ガラスS−LAH79を用いている。基板6の屈折率はd線においてNs=2.003である。また、基板6のアッべ数は28.3である。さらに、本実施例では第1の回折格子8と隣接する位置に他の基板7を設けている。他の基板7は、株式会社オハラ製ガラスS−BSL7を用いている。他の基板7の屈折率はd線において1.516であり、アッべ数は64.1である。
本実施例において第2の回折格子9と基板6の界面の曲率半径は80.8mmとなっており、第2の回折格子9の山部を結んだ包絡面(出射面)の曲率半径は80.0mmとなっている。DOE20の格子厚さdは11.93μmとなっており、第2の回折格子9の谷部を結んだ包絡面である入射面に対して垂直に入射した光の1次回折光の回折効率が最も大きくなるように設計されている。
図10に、本実施例のDOE20において、光が入射面に対して垂直に入射した場合の1次回折光の回折効率の波長依存性を示す。図10より、波長400〜700nmにおいて高い回折効率が得られていることがわかる。
次に、光が入射面に対して設計入射角よりも大きな角度で入射した場合について説明する。DOE20において設計入射角よりも大きな角度で入射した光の一部は格子壁面に入射することになる。格子壁面に入射した光が回折または反射されることで像面に到達するとフレアを生じ得るが、本実施例においても格子壁面への入射角を小さくすることで格子壁面において回折または反射された光が像面に到達する割合を低減することができる。
本実施例のDOE20においても、第1の回折格子8の屈折率N1dは上述した式(3)を満たし、基板6の屈折率NsとN1dの差は上述した式(4)を満たす。ただし、本実施例のDOE20では、上述した実施例1乃至3とは異なり、基板6に隣接して第2の回折格子9が設けられている。したがって、基板6に入射した光は第2の回折格子9へ透過することになるが、基板6と第2の回折格子9の屈折率差は、基板6と第1の回折格子8の屈折率差よりも更に大きい。
ゆえに、本実施例のように基板6に隣接して第2の回折格子9を設けた場合においても、DOE20が式(4)を満たしていれば基板6と第2の回折格子9の界面に入射した光を大きく屈折させることができる。これによって、格子壁面への入射角を小さくすることができ、本実施例においても格子壁面に起因したフレアの発生を低減することができる。
そこで、光が入射面に対して設計入射角よりも大きな角度で入射した場合として、基板6と第2の回折格子9の界面に入射角θ1=15°で入射した光について考える。このとき、DOE20の入射面に対する入射角θ2は21.4°となる。
図11(a)に、基板6と第2の回折格子9の界面に入射角θ1=15°で光が入射した場合の回折効率と回折角の関係を示す。図11(a)より、入射角θ1=15°の場合について、像面に到達する光である回折角0°付近の光の回折効率は非常に小さくなっていることがわかる。
次に、基板6と第2の回折格子9の界面に入射角θ1=18°で入射した光について考える。このとき、DOE20の入射面に対する入射角θ2は24.9°となる。
図11(b)に、基板6と第2の回折格子9の界面に入射角θ1=18°で光が入射した場合の回折効率と回折角の関係を示す。図11(b)より、入射角θ1=18°の場合についても、像面に到達する光である回折角0°付近の光の回折効率は非常に小さいことがわかる。
以上より、本実施例のDOE20においても像面に到達する不要光を低減することができていることがわかる。すなわち、DOE20が式(3)および式(4)を共に満たすことで、格子壁面に起因したフレアの発生を低減することができる。
以下の表1に、上述した実施例1〜4のDOEにおける種々の値を表1にまとめて示す。なお、表1に示した角値は、d線における値である。
[実施例5]
次に、実施例5の光学系について説明する。屈折光学素子とDOEを共に用いることで、光学系の色収差を低減することができることが知られている。本実施例の光学系も、DOEによって色収差を低減している。本実施例の光学系は、例えば撮像装置の光学系として用いることができる。
次に、実施例5の光学系について説明する。屈折光学素子とDOEを共に用いることで、光学系の色収差を低減することができることが知られている。本実施例の光学系も、DOEによって色収差を低減している。本実施例の光学系は、例えば撮像装置の光学系として用いることができる。
図12に本実施例の光学系100を示す。本実施例の光学系100は、複数の光学素子101を有している。複数の光学素子101のうちの1つはDOE110となっており、その他は屈折光学素子(レンズ)となっている。
本実施例におけるDOE110は、上述した実施例1乃至4のいずれかと同様の構成となっている。DOE110は、基板の第1の回折格子および第2の回折格子が設けられていない側の面が光学系100の光入射側を向くように配置される。すなわち、DOE110において第1の回折格子および第2の回折格子は、基板の光出射側の面に積層されている。また、図12において102は絞り、103は結像面を表している。
実施例1乃至4で述べたように、本実施例のDOE110では光学性能を維持しつつ格子壁面に起因したフレアの発生を低減している。これによって、高品位な像を得ることができる。
なお、本実施例では、絞り102の近傍に配置された平板ガラスにDOE110を設けているが、本発明はこれに限定されない。DOEをレンズの凹面又は凸面上に設けてもよい。また、本実施例では光学系100が1つのDOE110を有する場合について説明したが、本発明はこれに限定されない。光学系100は複数のDOEを有していても良い。
[実施例6]
次に、実施例5の光学系200について説明する。本実施例の光学系200は、例えば双眼鏡の光学系として用いることができる。
次に、実施例5の光学系200について説明する。本実施例の光学系200は、例えば双眼鏡の光学系として用いることができる。
図13に本実施例の光学系200を示す。本実施例の光学系200は、対物レンズ部201と、プリズム205と、接眼レンズ部206を有する。207は瞳面である。
対物レンズ部201は、屈折光学素子(レンズ)とDOE210を有する。これによって結像面203における色収差を低減している。
本実施例におけるDOE210は、上述した実施例1乃至4のいずれかと同様の構成となっている。DOE210は、基板の第1の回折格子および第2の回折格子が設けられていない側の面が光学系200の光入射側を向くように配置される。すなわち、DOE210において第1の回折格子および第2の回折格子は、基板の光出射側の面に積層されている。
実施例1乃至4で述べたように、本実施例のDOE210では光学性能を維持しつつ格子壁面に起因したフレアの発生を低減している。これによって、高品位な像を得ることができる。
なお、本実施例では、対物レンズ部201に配置された平板ガラスにDOE210を設けているが、本発明はこれに限定されない。DOE210をレンズの凹面又は凸面上に設けてもよい。また、本実施例では光学系200が1つのDOE210を有する場合について説明したが、本発明はこれに限定されない。光学系200は複数のDOEを有していても良い。
また、本実施例では、対物レンズ部201にDOE210が配置されている場合について説明したが、プリズム205の表面や接眼レンズ206にDOE210を配置しても良い。ただし、DOE210を結像面203よりも物体側に設けることで、対物レンズ部201における色収差を低減することができるため、DOE210は結像面203よりも物体側に設けることが好ましい。
また、本実施例では、双眼鏡の観察光学系について説明したが、本発明の回折光学素子は、望遠鏡等の光学系にも適用することができる。また、さらにはレンズシャッターカメラやビデオカメラなどの光学式ファインダにも適用することができる。
[実施例7]
次に実施例7の撮像装置について説明する。
次に実施例7の撮像装置について説明する。
図14は、本実施例の撮像装置としてのデジタルカメラ300である。デジタルカメラ300は、レンズ部301に前述した実施例4の光学系100を有する。また、光学系100の結像面103には、CCDやCMOSセンサなどの撮像素子303が、本体部302に配置される。
デジタルカメラ300が光学系100を有することで、フレアの発生を低減した高品位な画像を得ることができる。
なお、図14では、本体部302とレンズ部301が一体となった例を示しているが、撮像装置本体に対して着脱可能なレンズ装置に本発明を適用してもよい。このようなレンズ装置は、例えば一眼カメラ用の交換レンズとして用いられる。この場合、図14は、光学系100を有するレンズ装置301が撮像装置本体302に装着されている状態と見ることもできる。
以上、本発明の好ましい実施形態及び実施例について説明したが、本発明はこれらの実施形態及び実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の組合せ、変形及び変更が可能である。
10、20 回折光学素子
1、6 基板
4、8 第1の回折格子
5、9 第2の回折格子
1、6 基板
4、8 第1の回折格子
5、9 第2の回折格子
Claims (9)
- 基板と、
第1の回折格子と、
d線における屈折率が前記第1の回折格子のよりも小さな第2の回折格子と、を有し、
前記基板のd線における屈折率をNs、前記第1の回折格子のd線における屈折率をN1dとしたとき、
1.45<N1d<1.55
0.2<Ns−N1d<0.6
なる条件式を満足することを特徴とする回折光学素子。 - 1.7<Ns<2.1
なる条件式を満たすことを特徴とした請求項1に記載の回折光学素子。 - 前記第1の回折格子の格子厚さをdとしたとき、
d<16[μm]
なる条件式を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の回折光学素子。 - 前記第2の回折格子のd線における屈折率をN2dとしたとき、
0.03<N1d−N2d
なる条件式を満たすことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の回折光学素子。 - 前記第1の回折格子および前記第2の回折格子のうち、前記基板と隣接して設けられている回折格子と前記基板との界面の曲率半径をR1、該回折格子の山部を結んだ包絡面の界面の曲率半径をR2としたとき、
0.8<R1/R2<1.2
なる条件式を満たすことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の回折光学素子。 - 前記第1の回折格子のアッべ数をν1、前記第2の回折格子のアッべ数をν2としたとき、
15<ν1−ν2<75
なる条件式を満たすことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の回折光学素子。 - 回折光学素子を含む光学系であって、
前記回折光学素子は、
基板と、第1の回折格子と、d線における屈折率が前記第1の回折格子よりも小さな第2の回折格子と、を有し、
前記第1の回折格子および前記第2の回折格子は、前記基板の光出射側の面に積層されており、
前記基板のd線における屈折率をNs、前記第1の回折格子のd線における屈折率をN1dとしたとき、
1.45<N1d<1.55
0.2<Ns−N1d<0.6
なる条件式を満足することを特徴とする光学系。 - 撮像素子と、請求項7に記載の光学系とを有することを特徴とする撮像装置。
- 撮像装置本体に対して着脱可能であり、請求項7に記載の光学系を有することを特徴とするレンズ装置。
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