JP2018004486A - レーザ射出装置、レーザ射出方法及びプログラム - Google Patents

レーザ射出装置、レーザ射出方法及びプログラム Download PDF

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chihiro Kawabata
千尋 川端
阿部 義徳
Yoshinori Abe
義徳 阿部
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Abstract

【課題】ライダ内部で使用する高周波信号に起因するノイズを効果的に除去する。【解決手段】レーザ射出装置において、基準信号生成部は基準信号を生成し、第1信号生成部は、レーザ光の出射タイミングを示す、前記基準信号に同期した第1信号を生成する。そして、レーザ光生成部は、前記基準信号に基づいて前記レーザ光を生成し、レーザ光射出部は前記第1信号に基づいて前記レーザ光を射出する。【選択図】図13

Description

本発明は、ライダにおけるノイズ除去に関する。
車両から対象物までの距離を測定するレーザレーダ装置が知られている。特許文献1は、レーザレーダ装置の電源回路を開示している。具体的に、特許文献1では、まず直流電源からインダクタに電流を供給し、その後インダクタに蓄積された磁気エネルギーにてコンデンサを充電する。コンデンサが予め定められた電圧値(VR:回路の抵抗値R7,R8で決まる設計値:段落0094参照)まで充電された後にインダクタを直流電源から切り離したのち、コンデンサを放電してLDに電流を供給する。コンデンサが放電し切るとLDに流れる電流が0になるため、LDにはパルス状の電流が流れ、その結果LDからはパルス状のレーザ光が出射される(段落0013参照)。
特開2010−139295号公報
ライダ(LiDAR:Light Detection And Ranging)においては、光パルスの送受信部に供給される高電圧の生成や光パルスを走査する走査部のモータ制御などに使用される高周波信号がノイズ源となり、ライダの物体検出性能や測距性能の低下の原因となり得る。
本発明の解決しようとする課題としては、上記のものが一例として挙げられる。本発明は、ライダ内部で使用する高周波信号に起因するノイズを効果的に除去することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、レーザ射出装置であって、基準信号を生成する基準信号生成部と、レーザ光の出射タイミングを示す、前記基準信号に同期した第1信号を生成する第1信号生成部と、前記基準信号に基づいて、前記レーザ光を生成するレーザ光生成部と、前記第1信号に基づいて、前記レーザ光を射出するレーザ光射出部と、を備える。
請求項11に記載の発明は、レーザ射出装置により実行されるレーザ射出方法であって、基準信号を生成する基準信号生成工程と、レーザ光の射出タイミングを示す、前記基準信号に同期した第1信号を生成する第1信号生成工程と、前記基準信号に基づいて、前記レーザ光を生成するレーザ光生成工程と、前記第1信号に基づいて、前記レーザ光を射出するレーザ光射出工程と、を備える。
実施例に係るライダの全体構成を示す。 トランスミッタ及びレシーバの構成を示す。 走査光学部の構成を示す。 同期制御部が生成する制御信号のレジスタ設定例を示す。 同期制御部が生成する制御信号の時間的関係を示す。 ADC出力信号とゲートの関係を示すグラフである。 ADC出力信号とゲートの関係を示す他のグラフである。 ロータリーエンコーダのパルス列の時間的関係を示す。 定常状態でのエンコーダパルスとセグメントスロットの時間関係を示す。 DSPによる信号処理のブロック図である。 フィルタードセグメントの例を示す。 トランスミッタに高電圧を供給するための回路構成例を示す。 PWM信号及びDCDCコンバータのクロックをパルストリガ信号に同期させる回路構成例を示す。 高圧生成回路及びLD駆動回路の例を示す。 走査光学部のモータのトルク制御回路の構成例を示す。 PWM信号の例を示す。 パルストリガ信号及び受信セグメント信号の波形を示す。 吸収体の配置を概略的に示した図である。 同期妨害除去機能を備えるDSPによる信号処理のブロック図である。
本発明の1つの好適な実施形態では、レーザ射出装置は、基準信号を生成する基準信号生成部と、レーザ光の出射タイミングを示す、前記基準信号に同期した第1信号を生成する第1信号生成部と、前記基準信号に基づいて、前記レーザ光を生成するレーザ光生成部と、前記第1信号に基づいて、前記レーザ光を射出するレーザ光射出部と、を備える。
上記のレーザ射出装置において、基準信号生成部は基準信号を生成し、第1信号生成部は、レーザ光の出射タイミングを示す、前記基準信号に同期した第1信号を生成する。そして、レーザ光生成部は、前記基準信号に基づいて前記レーザ光を生成し、レーザ光射出部は前記第1信号に基づいて前記レーザ光を射出する。これにより、基準信号に同期した信号に基づいてレーザ光を射出することができる。
上記のレーザ射出装置の一態様は、前記第1信号に起因するノイズ信号を推定するノイズ推定部を備える。この態様では、第1信号に起因するノイズを推定することができる。
上記のレーザ射出装置の他の一態様は、前記レーザ光の戻り光を受光する受光部と、前記受光部の出力信号から、前記ノイズ推定部によって推定されたノイズ信号を減算する減算部と、を備える。この態様では、受光部の出力信号から、推定されたノイズ信号を減算することができる。
上記のレーザ射出装置の他の一態様では、前記レーザ光生成部は、発光素子と、前記発光素子に印加する第1の電圧を生成する第1の電圧生成部と、を備える。また、他の一態様は、前記第1の電圧生成部に対して、前記第1の電圧生成部の出力電圧を制御するための信号を前記基準信号に同期させて出力する第2信号生成部を更に備える。この態様では、第1の電圧生成部の出力電圧を制御するための信号を基準信号に同期させることができる。好適な例では、前記第1の電圧生成部は、前記基準信号に同期して動作する、前記第1の電圧を生成するコンバータを備える。
上記のレーザ射出装置の他の一態様では、前記受光部は、受光素子と、前記受光素子に印加する第2の電圧を生成する第2の電圧生成部と、を備える。また、他の一態様では、前記第2の電圧生成部に対して、前記第2の電圧生成部の出力電圧を制御するための信号を前記基準信号に同期させて出力する第3信号生成部を更に備える。この態様では、第2の電圧制御部の出力電圧を制御するための信号を基準信号に同期させることができる。好適な例では、前記第2の電圧生成部は、前記基準信号に同期して動作する、前記第2の電圧を生成するコンバータを備える。
上記のレーザ射出装置の他の一態様では、前記レーザ光射出部は、前記レーザ光の射出方向を変える走査部と、前記基準信号に同期した信号に基づいて、前記走査部を制御する制御部と、を備える。この態様では、レーザ光の射出方向を変える操作部を、基準信号に同期した信号で制御することができる。
本発明の他の好適な実施形態は、レーザ射出装置により実行されるレーザ射出方法であって、基準信号を生成する基準信号生成工程と、レーザ光の射出タイミングを示す、前記基準信号に同期した第1信号を生成する第1信号生成工程と、前記基準信号に基づいて、前記レーザ光を生成するレーザ光生成工程と、前記第1信号に基づいて、前記レーザ光を射出するレーザ光射出工程と、を備える。この方法によっても、基準信号に同期した信号に基づいてレーザ光を射出することができる。
本発明の他の好適な実施形態では、コンピュータを備えるレーザ射出装置により実行されるプログラムは、上記のレーザ射出方法を前記コンピュータに実行させる。このプログラムは、記憶媒体に記憶して取り扱うことができる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。
[装置構成]
(全体構成)
図1は、実施例に係るライダの全体構成を示す。ライダ1は、繰り返し射出される光パルスの射出方向(以下、「走査方向」という。)を適切に制御することにより周辺空間を走査し、その戻り光を観測することにより、周辺に存在する物体に関する情報(例えば距離やその存在確率あるいは反射率など)を把握する。具体的に、ライダ1は、光パルス(以下、「射出光」と呼ぶ。)Loを出射し、外部の物体(ターゲット)により反射された光パルス(以下、「戻り光」と呼ぶ。)Lrを受光することにより、物体に関する情報を生成する。
図1に示すように、ライダ1は、大別して、システムCPU5と、ASIC10と、トランスミッタ30と、レシーバ40と、走査光学部50とを備える。トランスミッタ30は、ASIC10から供給されるパルストリガ信号PTに応じて幅5nsec程度のレーザ光パルスを繰り返し出力する。トランスミッタ30から出力された光パルスは走査光学部50に導かれる。
走査光学部50は、トランスミッタ30が出力する光パルスを、適切な方向に射出するとともに、この射出パルスが空間中の物体に出会って反射あるいは散乱されることにより戻ってきた戻り光Lrを集光してレシーバ40に導く。レシーバ40は、戻り光Lrの強度に比例した信号をASIC10に出力する。
ASIC10は、レシーバ40の出力信号を解析することにより、走査空間中の物体に関するパラメータ、例えばその距離を推測して出力する。また、ASIC10は、適切な走査がなされるように、走査光学部50を制御する。更にASIC10はトランスミッタ30とレシーバ40に対して夫々が必要とする高電圧を供給する。
システムCPU5は、少なくとも、通信インターフェースを通じてASIC10の初期設定、監視、制御を行う。その他の機能は、アプリケーションに応じて異なる。最も単純なライダの場合には、システムCPU5は、ASIC10が出力するターゲット情報TIを適切なフォーマットに変換して出力するのみである。システムCPU5は、例えば、ターゲット情報TIを汎用性の高い点群フォーマットに変換した後、USBインターフェースを通じて出力する。
(トランスミッタ)
トランスミッタ30は、ASIC10から供給されるパルストリガ信号PTに応じて、幅5nsec程度の光パルスを出力する。トランスミッタ30の構成を図2(A)に示す。トランスミッタ30は、充電抵抗31と、ドライバ回路32と、キャパシタ33と、充電ダイオード34と、レーザダイオード(LD)35と、スイッチ36とを備える。
ASIC10から入力されるパルストリガ信号PTは、ドライバ回路32を介してCMOSなどのスイッチ36を駆動する。ドライバ回路32は、スイッチ36を高速駆動するために挿入されている。パルストリガ信号PTの非アサート期間ではスイッチ36は開いており、トランスミッタ30内のキャパシタ33がASIC10から供給される高電圧VTXで充電される。一方、パルストリガ信号PTのアサート期間では、スイッチ36は閉じ、キャパシタ33に充電されていた電荷がLD35を通じて放電される。この結果、LD35から光パルスが出力される。
(レシーバ)
レシーバ40は、物体からの戻り光Lrの強度に比例した電圧信号を出力する。一般的に、PDあるいはAPDなどの光検出素子は電流出力であるため、レシーバ40はこの電流を電圧に変換(I/V変換)して出力する。レシーバ40の構成を図2(B)に示す。レシーバ40は、APD(Avalanche Photodiode)41と、I/V変換部42と、抵抗45と、キャパシタ46と、ローパスフィルタ(LPF)47とを備える。I/V変換部42は、帰還抵抗43と、オペアンプ44とを備える。
本実施例では、光検出素子としてAPD41が使用されている。APD41には、ASIC10から供給される高電圧VRXが逆バイアスとして印加されており、物体からの戻り光Lrに比例した検出電流が流れる。APD41の降伏電圧に近い逆バイアスを印加することにより、高いアバランチゲインを得ることができ、微弱な戻り光も検出することが可能となる。最終段のLPF47は、ASIC10内のADC20によるサンプリングに先立って、信号の帯域幅を制限する目的で設置されている。本実施例では、ADC20のサンプリング周波数は512MHzであり、LPF47の遮断周波数は250MHz程度となっている。
(走査光学部)
走査光学部50は、トランスミッタ30から入力される光パルスを射出光Loとして適切な方向に射出するとともに、この射出光Loが空間中の物体に出会って反射あるいは散乱されることにより戻ってきた戻り光Lrをレシーバ40に導く。走査光学部50の構成例を図3に示す。走査光学部50は、回転ミラー61と、コリメータレンズ62と、集光レンズ64と、光学フィルタ65と、同軸ミラー66と、ロータリーエンコーダ67とを備える。
トランスミッタ30のLD35から出力された光パルスは、コリメータレンズ62に入光する。コリメータレンズ62は、レーザ光を適切な発散角度に(一般的には0〜1°程度に)コリメートする。コリメータレンズ62からの射出光は小型の同軸ミラー66により鉛直下方に反射され、回転ミラー61の回転軸(中心)に入光する。回転ミラー61は、鉛直上方より入射するレーザ光を水平方向に反射して、走査空間に射出する。回転ミラー61はモータ54の回転部に取り付けられており、回転ミラー61によって反射されたレーザ光はモータ54の回転に伴って射出光Loとして水平平面を走査する。
走査空間に存在する物体により反射あるいは散乱されることでライダ1に戻ってきた戻り光Lrは、回転ミラー61により鉛直上方向に反射され、光学フィルタ65に入射する。光学フィルタ65には、戻り光Lrに加えて、物体が太陽等により照らされていることによって生じる背景光も入射する。光学フィルタ65は、こうした背景光を選択的に排除するために設置されている。具体的には、光学フィルタ65は、射出光Loの波長(本実施例では905nm)の前後±10nm程度の成分のみを選択的に通過せしめる。光学フィルタ65の通過帯域が広い場合には、多くの背景光が後続段のレシーバ40に入光することになる。この結果、レシーバ40内のAPD41の出力には大きなDC電流成分が現れることとなり、このDC成分に起因するショット雑音(背景光ショット雑音)の影響によりSNが劣化することとなり、好ましくない。しかしながら、通過帯域が過度に狭い場合には、射出光自体も抑圧されることになり、好ましくない。集光レンズ64は、光学フィルタ65を通過した光を集光して、レシーバ40のAPD41へと導く。
モータ54には、走査方向を検出するために、ロータリーエンコーダ67が取り付けられている。ロータリーエンコーダ67は、モータ回転部に取り付けられた回転盤68と、モータベースに取り付けられたコード検出器69とを備える。回転盤68の外周にはモータ54の回転角度を表すスリットが刻まれており、コード検出器69はこれを読み取り出力する。なお、ロータリーエンコーダ67の具体的仕様、及びその出力に基づくモータ制御については、後述する。
以上の構成では、コリメータレンズ62が図1に示す送信光学系51を構成し、回転ミラー61とモータ54が図1に示す走査部55を構成し、光学フィルタ65と集光レンズ64が図1に示す受信光学系52を構成し、ロータリーエンコーダ67が図1における走査方向検出部53を構成している。
(ASIC)
ASIC10は、射出光パルスのタイミング制御、APD出力信号のAD変換などを行う。また、ASIC10は、AD変換出力に対して適切な信号処理を施すことにより、物体に関するパラメータ(距離、戻り光強度など)の推定を行い、その推定結果を外部に出力する。図1に示すように、ASIC10は、レジスタ部11と、クロック生成部12と、同期制御部13と、ゲート抽出部14と、受信セグメントメモリ15と、DSP16と、トランスミッタ用高電圧生成部(TXHV)17と、レシーバ用高電圧生成部(RXHV)18と、プリアンプ19と、AD変換器(ADC)20と、走査制御部21とを備える。
レジスタ部11には、外部プロセッサであるシステムCPU5との通信用のレジスタが配置されている。レジスタ部11に設けられるレジスタは、外部からの参照のみが可能なRレジスタと、外部から設定が可能なWレジスタとに大別される。Rレジスタは、主にASIC内部のステイタス値を保持しており、システムCPU5はこれらの値を通信インターフェースを通じて読み取ることで、ASIC10の内部ステイタスを監視できる。一方、Wレジスタは、ASIC10の内部で参照される各種パラメータ値を保持する。これらの各種パラメータ値は、通信インターフェースを通じてシステムCPU5から設定できる。なお、通信用レジスタは、フリップフロップにより実現してもよく、RAMとして実現してもよい。
クロック生成部12は、システムクロックSCKを生成し、ASIC10内の各ブロックに供給する。ASIC10の多くのブロックは、システムクロックSCKに同期して動作する。本実施例ではシステムクロックSCKの周波数は512MHzとする。システムクロックSCKは、外部より入力されるリファレンスクロックRCKに同期するように、PLLで生成される。通常、リファレンスクロックRCKの発生源には水晶発振器が用いられる。
TXHV17は、トランスミッタ30が必要とするDC高電圧(100V程度)を生成する。この高電圧は、DCDCコンバータ回路によって、低電圧(5V〜15V程度)を昇圧することによって生成される。
RXHV18は、レシーバ40が必要とするDC高電圧(100V程度)を生成する。この高電圧は、DCDCコンバータ回路によって、低電圧(5V〜15V程度)を昇圧することによって生成される。
同期制御部13は、各種の制御信号を生成し出力する。本実施例における同期制御部13は、2つの制御信号、即ち、パルストリガ信号PTとADゲート信号GTを出力する。これらの制御信号の設定例を図4に示し、それらの時間的関係を図5に示す。図5に示すように、これらの制御信号は所定の間隔で分割された時間区間(セグメントスロット)に同期して生成される。セグメントスロットの時間区間幅(セグメント周期)は「nSeg」で設定可能である。本実施例では、特記ない範囲において、「nSeg=8192」に設定されているものとする。
パルストリガ信号PTは、ASIC10の外部に設けられたトランスミッタ30に供給される。トランスミッタ30は、パルストリガ信号PTに応じて光パルスを出力する。パルストリガ信号PTについては、セグメントスロット始点に対する遅延「dTrg」とパルス幅「wTrg」を設定可能である。なお、パルス幅wTrgは、狭すぎるとトランスミッタ30が反応しないため、トランスミッタ30のトリガ応答仕様に鑑みて決定される。
ADゲート信号GTは、ゲート抽出部14に供給される。後述するように、ゲート抽出部14は、ADC20から入力されるADC出力信号のうち、ADゲート信号GTのアサート区間のみを抽出して受信セグメントメモリ15に格納する。ADゲート信号GTについては、セグメントスロット始点に対する遅延時間「dGate」とゲート幅「wGate」を設定可能である。
プリアンプ19は、ASIC10の外部に設置されたレシーバ40から入力されるアナログ電圧信号を電圧増幅し、後続のADC20に供給する。なお、プリアンプ19の電圧ゲインはWレジスタにより設定可能である。
ADC20は、プリアンプ19の出力信号をAD変換してデジタル系列に変換する。本実施例においては、ADC20のサンプリングクロックとしてシステムクロックSCKが使用されており、ADC20の入力信号は512MHzでサンプリングされる。
ゲート抽出部14は、ADC20から入力されるADC出力信号のうち、ADゲート信号GTのアサート区間のみを抽出して受信セグメントメモリ15に格納する。ゲート抽出部14により抽出された区間信号を以下「受信セグメント信号RS」と呼ぶ。即ち、受信セグメント信号RSは、ベクター長がゲート幅wGateに等しい実数ベクトルである。
ここで、ADC出力信号と受信セグメントとの関係、及びゲート位置の設定について説明する。図6(A)はセグメントスロットを示している。図6(B)に示すように、パルストリガ信号PTはセグメントスロット始点に対してdTrgだけ遅れてアサートされる。図6の例ではdTrg=0であるので、パルストリガ信号PTはセグメントスロット始点でアサートされる。図6(C)は、ライダの走査原点に物体が置かれている場合のADC出力信号(受信セグメント信号RS)を示している。即ち、図6(C)は、ターゲット距離(動径R)が0mの場合の受信セグメント信号RSを例示している。図示のように、R=0mの場合であっても、受信パルスの立ち上がりは、パルストリガ信号の立ち上がりよりシステム遅延DSYSだけ遅れて観測される。なお、システム遅延DSYSの発生要因としては、トランスミッタ30内のLDドライバ回路の電気的遅延、送信光学系51での光学的遅延、受信光学系52での光学的遅延、レシーバ40での電気的遅延、ADC20での変換遅延などが考えられる。
図6(D)は、物体が動径Rに置かれている場合の受信セグメント信号RSを例示している。この場合には、図6(C)と比べて、走査原点から物体までの光の往復時間だけ、遅延が増加することになる。この増加した遅延が、いわゆる「TOF(Time Of Flight)遅延」である。このTOF遅延をDサンプルとするならば、動径Rは下記の式で算出できる。
図6(F)は、dGate=0の場合のADゲート信号GTを例示するものである。前述したとおり、ゲート抽出部14は、ADC出力信号から、ADゲート信号GTのアサート区間のみを抽出する。後述するDSP16は、この抽出区間のみに基づいて、物体に関するパラメータ推定を行う。したがって、TOF遅延時間が大きい場合には、物体からの戻りパルス成分がゲートからはみ出してしまい正当なパラメータ推定が行えない。正当なパラメータ推定が行われるためにはTOF遅延時間Dが次式を満たしていることが必要となる
ここでLIRはシステムの総合インパルス応答の長さであり、DMAXは正当なパラメータ推定が可能な最大TOF遅延時間として定義される。図6(E)は、TOF遅延時間がこの最大TOF遅延時間に等しい場合の受信セグメント信号RSを例示している。
図7は、図6と同様の図であるが、ゲート遅延dGateがシステム遅延時間に等しく設定された場合の各信号を例示するものである。このように設定することで、より遠い距離の物体まで、正当なパラメータ推定が可能となる。
走査制御部21は、ASIC10の外部に設置されたロータリーエンコーダ67の出力を監視し、これに基づいてモータ54の回転を制御する。具体的には、走査制御部21は、走査光学部50のロータリーエンコーダ67(走査方向検出部53)から出力される走査方向情報SDIに基づいて、トルク制御信号TCをモータ54に供給する。本実施例におけるロータリーエンコーダ67は、A相とZ相の2つのパルス列(以下、「エンコーダパルス」と呼ぶ。)を出力する。両パルス列の時間関係を図8(A)に示す。図示のように、A相については、モータ54の回転1°毎に1パルスが生成出力される。従って、モータ54の1回転毎に360のA相エンコーダパルスが生成出力されることになる。一方、Z相については、モータ54の1回転につき1パルスが、所定の回転角に対応して、生成出力される。
走査制御部21は、エンコーダパルスの立ち上がり時刻をシステムクロックSCKのカウンタ値として計測し、これが所望の値となるようにモータ54のトルクを制御する。即ち、走査制御部21は、エンコーダパルスとセグメントスロットが所望の時間関係となるようにモータ54をPLL制御する。
エンコーダパルスとセグメントスロットの時間関係は、図8(B)に示されるWレジスタによって設定可能となっている。「nPpr」には、モータ回転毎のA相エンコーダパルス数が設定される。これは、ロータリーエンコーダ67の仕様で決まる値であり、本実施例では前述の360が設定される。「nRpf」はフレーム毎の回転数を与えるものであり、「nSpf」はフレーム毎のセグメント数を与えるものである。また、「dSmpA」、「dSmpZ」は、エンコーダパルスの立ち上がりとセグメントスロットとの時間関係をサンプルクロック単位で調整するために用意されており、エンコーダパルスのセグメントスロット始点に対する遅延を規定することができる。一方、「dSegZ」は、Z相パルスの立ち上がりとフレームとの時間関係をセグメント単位で調整するために用意されている。
定常状態でのエンコーダパルスとセグメントスロットの時間関係を図9に示す。図示のように、デフォルト設定においては、1フレームは1800のセグメントから構成され、1フレームでモータ54は1回転することになる。
(DSP)
DSP16の行う信号処理のブロックダイアグラムを図10(A)に示す。図示のように、DSP16は、受信フィルタ71と、ピーク検出器72と、判定部73と、フォーマッタ74とを備える。DSP16は、受信セグメントメモリ15から受信セグメントyfrm,segを順次的に読み出して、これに対して処理を行う。ここで、「frm」はフレームインデックス、「seg」はセグメントインデックスである。以下、誤解の恐れのない範囲でこれらインデックスの表記を省略する。受信セグメントyはベクター長wGateの実数ベクトルであり、次式で表される。
受信フィルタ71は、受信セグメントyに対して、所定のインパルス応答を畳み込んで、フィルタードセグメントzを算出する。ピーク検出部72は、フィルタードセグメントz内で振幅が最大となる点、即ちピーク点を検出し、当該ピーク点の遅延Dと振幅Aを出力する。判定部73は、振幅Aが所定の閾値tDetより大きい点のみを選択的にフォーマッタ74に送る。フォーマッタ74は、遅延Dと振幅A、及び当該セグメントのフレームインデックスfrm、セグメントインデックスsegを、適切なフォーマットに変換して外部に出力する。以下、各ブロックについて詳しく説明する。
受信フィルタ部71は、受信セグメントyに対して、所定のインパルス応答hを畳み込んで(巡回畳みこみ)、フィルタードセグメントzを算出する。受信フィルタ部71のインパルス応答はWレジスタで設定可能であり、フィルタ出力でのSNRが大きくなるように予めシステムCPU5によって設定される。
例えば、フィルタインパルス応答hは、次式を満たすように設定される。このように設定することで、雑音が白色である場合で、かつシステム総合インパルス応答がwGateに対して有意に短い場合には、オプティマルな性能(高SNR)を実現できる。
上式において、リファレンスパルスgは走査原点(R=0m)に物体を置いた場合に観測される受信セグメント波形であり、トランスミッタ30とレシーバ40を含むシステム全体の総合インパルス応答を代表している。実際に走査原点に物体を置くことが困難な場合には、例えばR=1mでの受信セグメント波形を観測し、これを数学的に時間シフトすることで、等価的にリファレンスパルスを測定すれば良い。
ピーク検出部72は、フィルタードセグメント内で振幅が最大となる点、即ち、ピーク点をサブサンプル精度で検出し、当該ピーク点の遅延Dと振幅Aを出力する。図11に、R=10mの場合のフィルタードセグメントを例示する。図中の曲線が標本化する前の連続時間波形を表しており、丸点が標本点を示している。ピーク検出部72は、標本化系列に基づいて連続時間系でのピーク位置を算出する。図11の例ではフィルタードセグメント{zk:k=0,1,・・・,1023}上でサンプル単位でのピーク位置はk=34である。一方、連続時間波形での、即ち、サブサンプル精度でのピーク位置は、
D=R・Fsmp/(c/2)=34.157
である。ピーク検出部72は、このサブサンプル精度でのピーク点について、その遅延D と、その振幅Aを推定算出する。
サブサンプル精度でのピーク点検出処理には、各種のアルゴリズムが適用可能である。以下にその一例を示す。
(手順1)振幅が最大であるサンプル点(図11ではP点)を求める。
(手順2)手順1で求めた点(P点)、及びその前後の点(A点、B点)について、これら3点を通る二次曲線を求める。
(手順3)手順2で求めた二次曲線の極大点として遅延D、振幅Aを求める。
判定部73は、ピーク検出部72から出力されるピーク点情報D,A(遅延D,振幅A)に基づいて、当該検出点に物体が存在するか否かの判定を行う。この判定は、ピーク点の振幅Aと判定閾値tDecとを比較することによって行われる。具体的には、判定部73は、A>tDecの場合に「物体が存在する」と判定し、当該ピーク点情報を出力する。一方、判定部73は、A≦tDecの場合は「物体が存在しない」と判定し、当該ピーク点情報を出力しない。
フォーマッタ74は、判定部73から出力されるピーク点情報D,Aと当該ピーク点に対応する走査情報(フレームインデックスfrm、セグメントインデックスseg)をユーザー(上位システム)が使いやすい形式に変換する。本実施例におけるフォーマッタ74は、以下のフォーマット変換を行う。
(1)フレームインデックスfrmは、そのまま出力する。
(2)セグメントインデックスsegは、水平走査角度θに変換して出力する。
(3)遅延Dは、動径(距離)Rに変換して出力する(R=D(c/2)/Fsmp)。
(4)振幅Aは、そのまま出力する。
(5)振幅A、動径Rから反射率Uを算出して出力する(U=A/Ψ(R))。
ここで、関数Ψ(R)は反射率変換テーブルであり、外部CPUから設定可能である。同テーブルを、動径Rに設置された反射率100%のランバート拡散体から得られるピーク振幅の期待値に設定しておくことで、誤差の少ない反射率推定が可能となる。
[制御パルスの同期化]
次に、ライダ1内で使用される制御パルスの同期化について説明する。
(電源のスイッチングパルス)
ライダ1の内部では、各種の制御電源が使用される。具体的に、図1に示すTXHV17は、図2(A)に示すトランスミッタ30へ供給する高電圧VTXを生成する高圧電源を備える。この高圧電源は、所望の振幅の光パルスを射出するために、LD35に供給する高圧を制御する目的で使用される。また、図1に示すRXHV18は、図2(B)に示すレシーバ40へ供給する高電圧VRXを生成する高圧電源を備える。この高圧電源は、APD41の個体差、経年変化、温度依存性によりブレークダウン電圧が変化するため、これに追従して高圧を制御するために使用される。
図12は、トランスミッタ30に高電圧VTXを供給するための回路構成例を示す。ASIC10内に設けられたPWM回路81は、制御指令に基づいてPWM信号を生成する。PWM信号は、例えば5V−TTLの論理信号である。このPWM信号は、平滑用LPF82により平滑化され、0〜5Vの入力電圧として昇圧型DCDCコンバータ83に入力される。DCDCコンバータ83は、入力電圧を0〜100Vに昇圧した出力電圧を高電圧VTXとしてトランスミッタ30へ供給する。
DCDCコンバータは、スイッチングにより電圧変換を行うが、スイッチングに用いられるクロック信号は、一般的にはDCDCコンバータ内部の発振器で生成される。このクロック信号の高周波成分が、スイッチングノイズとして電磁波的に又はGNDを通じてレシーバに重畳してしまうという問題がある。なお、詳しくは後述するが、ライダ1では、セグメントスロットと同期したノイズは、同期妨害除去処理により除去することができる。しかしながら、上記のようなDCDCコンバータ内で生成されたクロック信号は、セグメントスロットと同期していないため、同期妨害除去処理によって除去することができない。
また、ASIC10内のPWM回路から出力されるPWM信号も、レシーバ40などのノイズ源となりうる。ここで、PWM信号の生成に使用されるクロック信号はシステムクロックSCKでなく、セグメントスロットとは同期していないことが多い。また、PWM信号がシステムクロックSCKで生成されている場合でも、PWMの系列長(の整数倍)がセグメントスロット長と同一でない場合には、PWM信号はセグメントスロットとは同期していない。このため、PWM信号に起因するノイズも同期妨害除去処理により除去することができない。
以上より、本実施例では、ASIC10から出力されるPWM信号と、トランスミッタ30及びレシーバ40に供給される高電圧VTX、VRXを生成するDCDCコンバータのクロックを、システムクロック(セグメントスロット)に同期させる。具体的には、PWM信号及びDCDCコンバータのクロックを、パルストリガ信号PTに同期させる。パルストリガ信号PTは、トランスミッタ30が光パルスを射出するタイミングを規定する信号であり、セグメントスロットに同期している。
図13は、PWM信号及びDCDCコンバータのクロックをパルストリガ信号PTに同期させる回路構成例を示す。図13の破線矢印に示すように、同期制御部13から出力されるパルストリガ信号PTを、TXHV17及びRXHV18に入力する。THXV17及びRXHV18は、パルストリガ信号PTに同期したクロックでPWM信号を生成する。さらに、TXHV17及びRXHV18は、パルストリガ信号PTに同期したクロックを生成し、それぞれ高電圧VTX、VRXを生成するDCDCコンバータのクロックとして使用する。これにより、PWM信号及びDCDCコンバータのクロックは、パルストリガ信号と同期し、セグメントスロットとも同期するため、それらに起因するノイズを後述する同期妨害除去処理により除去することが可能となる。
図14(A)は、高電圧VTXを生成するための高圧生成回路(DCDCコンバータ)と、トランスミッタ30の構成例を示す。この例は、高圧生成回路として、ディクソンチャージポンプ(Dickson Charge Pump)を用いている。図14(B)は、高圧生成回路に入力されるクロック信号波形を示す。なお、「CLK〜」は「CLK」の逆相のクロックである。図示のように、ディクソンチャージポンプは、あるクロックとその逆相のクロックにより駆動される。このクロック「CLK」と「CLK〜」がパルストリガ信号PTに同期していれば、この高圧生成回路により発生されるスイッチングノイズは、同期妨害除去処理により除去可能となる。
上記の構成において、クロック信号は本発明における基準信号の一例であり、TXHV17及びRXHV18内のクロック生成器は本発明における基準信号生成部の一例である。また、パルストリガ信号PTは本発明における第1信号の一例であり、同期制御部13は第1信号生成部の一例である。また、トランスミッタ30は本発明におけるレーザ光生成部の一例であり、走査光学部50は本発明におけるレーザ光射出部の一例である。また、レシーバ40は本発明における受光部の一例であり、同期妨害は本発明におけるノイズ信号の一例であり、同期妨害推定部75は本発明におけるノイズ推定部の一例であり、減算器78は本発明における減算部の一例である。
さらに、LD35は本発明における発光素子の一例であり、TXHV17は本発明における第1の電圧生成部の一例であり、高電圧VTXは本発明における第1の電圧の一例であり、PWM回路81は本発明における第2信号生成部の一例である。また、APD41は本発明における受光素子の一例であり、RXHV18は本発明における第2の電圧生成部の一例であり、高電圧VRXは本発明における第2の電圧の一例である。また、走査再魚部21は本発明における走査部の一例である。
(モータのトルク制御)
図15は、走査光学部50のモータ54のトルク制御回路の構成例を示す。ASIC10内の走査制御部21に設けられたPWM回路91はPWM信号を出力する。このPWM信号は、平滑用LPF92により平滑化され、0〜5Vの入力電圧として電圧変換回路93に入力される。電圧変換回路93は、入力電圧に応じたトルク指令信号をモータドライバ94に供給し、モータドライバ94はモータ54を駆動する。PWM回路91が出力するPWM信号の例を図16に示す。この例では、簡単のため繰り返し系列長を「8」としている。繰り返し系列長が長い方が出力電圧の分解能が高くなる。
図13に示すように、同期制御部13が生成したパルストリガ信号PTが走査制御部21に入力される。走査制御部21は、パルストリガ信号PTに同期したクロックを用いてPWM信号を生成する。これにより、PWM信号は、パルストリガ信号に同期し、セグメントスロットとも同期するため、PWM信号に起因するノイズを同期妨害除去処理により除去することが可能となる。
[同期妨害除去処理]
次に、同期妨害除去処理について説明する。前述のように、DSP16は、受信セグメントメモリ15から受信セグメントyを順次的に読み出して、これに対して処理を行う。ここで、受信セグメントyの元となる受信セグメント信号RSには、電磁的飛びつきやグランドに流れる電流の影響等に起因して、セグメント周期に同期した妨害(以下、単に「同期妨害」とも呼ぶ。)が重畳される。図17は、パルストリガ信号PT及び受信セグメント信号RSの波形を示す。図17は、パルストリガ信号PTのアサートにより出射される射出光Loに対してAPD41が受光する戻り光Lrの強度が仮に0である場合の受信セグメント信号RSを示している。
図17の例では、パルストリガ信号PTの立ち上がり及び立下りに含まれる高周波成分が受信セグメント信号RSに重畳されている。ここで、パルストリガ信号PTのTTLレベルは通常3.3V又は5Vであるのに対し、APD41が出力する電流レベルはnA又はpAのオーダーである。従って、APD41の出力に対する同期妨害の影響が相対的に大きいため、同期妨害がライダ1の物体検出性能や測距性能の低下の原因となり得る。以下に述べる同期妨害除去処理の一例では、DSP16は、同期妨害を推定することで、同期妨害の影響を好適に低減する。
ライダ1は、特定の走査方向の射出光Loを吸収する吸収体を備え、DSP16は、当該吸収体に入射する走査方向に対応する受信セグメントyを平均化することで、同期妨害を推定する。そして、DSP16は、推定した同期妨害の出力を受信セグメントyから減算する。これにより、同期妨害の影響を好適に低減させる。
図18(A)は、吸収体7の配置を概略的に示した図である。図18(A)では、吸収体7は、走査部55等を収容する略円筒状のライダ1の筺体25付近に配置されている。ここで、吸収体7は、走査部55により走査される360度の射出光Loの照射方向のうち、ライダ1が物体を検出する方向以外の方向である検出対象外方向(矢印A1参照)に設けられている。図18(A)の例では、吸収体7は、角度「θa」(例えば60度)分の射出光Loが照射されるライダ1の後方の筺体25の壁面に存在している。この場合、吸収体7は、例えば、射出光Lo及び戻り光Lrを透過させる筺体25の透明カバーの内側に設けられる。他の例では、吸収体7は、上述の筺体25の透明カバーのうち射出光Loを吸収するように加工(例えば黒塗り)された部分であってもよい。以後では、走査部55による1回分の走査が行われる期間(即ち1つのフレーム期間)内において、吸収体7に照射された射出光LoをAPD41が受光する期間を「反射抑制期間Ttag1」とも呼ぶ。反射抑制期間Ttag1は、吸収体7に射出光Loが照射される各走査角度に対応する複数のセグメント期間を含む。
図18(B)は、図18(A)の例において、吸収体7が配置される方向に射出光Loが射出された状態を示す。吸収体7は、射出光Loが入射した場合、射出光Loの少なくとも一部を吸収することで、後述する同期妨害の推定に影響を与えない反射率(例えば0.1%)を実現する。この場合、吸収体7で反射された射出光Loである戻り光Lrは、APD41が検知する同期妨害の出力レベルに対して十分に小さい強度となって走査部55に到達する。なお、吸収体7が射出光Loを完全に吸収する素材である場合には、戻り光Lrは発生しない。
ここで、吸収体7は、例えば、非常に低い反射率の素材により射出光Loの反射面が形成される。他の例では、吸収体7は、多重反射構造を有し、各反射構造の内面(反射面)がそれぞれ低反射率となるビームダンパ等であってもよい。
図19は、DSP16が実行する信号処理のブロック図を示す。図10(A)と比較するとわかるように、同期妨害除去機能を備えるDSP16は、受信フィルタ71の前段に、同期妨害推定部75と、減算器78とを備える。DSP16は、受信セグメントメモリ15から受信セグメントyを順次的に読み出して、これに対して処理を行う。
同期妨害推定部75は、反射抑制期間Ttag1内に生成された受信セグメントyを平均化し、平均化された受信セグメントyを、推定された同期妨害(「推定同期妨害w」とも呼ぶ。)として減算器78に供給する。同期妨害推定部75は、スイッチ77と、平均化処理部78とを含む。
スイッチ77は、反射抑制期間Ttag1内のみオンとなるように制御されたスイッチであり、反射抑制期間Ttag1内に生成された受信セグメントyを平均化処理部78に供給する。なお、スイッチ77は、反射抑制期間Ttag1の全ての期間でオンとなる必要はなく、反射抑制期間Ttag1の一部の期間においてオンとなるように設定されてもよい。
平均化処理部78は、スイッチ77がオンとなる期間に供給された受信セグメントyを平均化し、平均化された受信セグメントyを、推定同期妨害wとして減算器78に供給する。推定同期妨害wは、ベクター長wGateの実数ベクトルである。この場合、例えば、平均化処理部78は、1つのフレーム期間内にスイッチ77から供給される受信セグメントyを記憶しておき、記憶した複数の受信セグメントyを平均化したものを、推定同期妨害wとして算出する。他の例では、平均化処理部78は、1つのフレーム期間内に算出した受信セグメントyの平均をさらにIIRフィルタ等によりフレーム方向に(即ち異なるフレームインデックス間で)平均化したものを、推定同期妨害wとして算出する。
減算器78は、受信セグメントyから、同期妨害推定部75から供給される推定同期妨害wを減算し、推定同期妨害wが減算された受信セグメントy(「補正受信セグメントydash」とも呼ぶ。)を受信フィルタ71へ供給する。受信フィルタ71以降の処理は、図10(A)を参照して説明済みであるので省略する。
1 ライダ
10 ASIC
13 同期制御部
16 DSP
17 トランスミッタ用高電圧生成部(TXHV)
18 レシーバ用高電圧生成部(RXHV)
21 走査制御部
30 トランスミッタ
35 LD
40 レシーバ
50 走査光学部
75 同期御妨害推定部

Claims (13)

  1. 基準信号を生成する基準信号生成部と、
    レーザ光の出射タイミングを示す、前記基準信号に同期した第1信号を生成する第1信号生成部と、
    前記基準信号に基づいて、前記レーザ光を生成するレーザ光生成部と、
    前記第1信号に基づいて、前記レーザ光を射出するレーザ光射出部と、
    を備えるレーザ射出装置。
  2. 前記第1信号に起因するノイズ信号を推定するノイズ推定部を備える請求項1に記載のレーザ射出装置。
  3. 前記レーザ光の戻り光を受光する受光部と、
    前記受光部の出力信号から、前記ノイズ推定部によって推定されたノイズ信号を減算する減算部と、を備える請求項2に記載のレーザ射出装置。
  4. 前記レーザ光生成部は、
    発光素子と、
    前記発光素子に印加する第1の電圧を生成する第1の電圧生成部と、
    を備える請求項1乃至3のいずれか一項に記載のレーザ射出装置。
  5. 前記第1の電圧生成部に対して、前記第1の電圧生成部の出力電圧を制御するための信号を前記基準信号に同期させて出力する第2信号生成部を更に備える請求項4に記載のレーザ射出装置。
  6. 前記第1の電圧生成部は、前記基準信号に同期して動作する、前記第1の電圧を生成するコンバータを備える請求項4に記載のレーザ射出装置。
  7. 前記受光部は、
    受光素子と、
    前記受光素子に印加する第2の電圧を生成する第2の電圧生成部と、
    を備える請求項3に記載のレーザ射出装置。
  8. 前記第2の電圧生成部に対して、前記第2の電圧生成部の出力電圧を制御するための信号を前記基準信号に同期させて出力する第3信号生成部を更に備える請求項7に記載のレーザ射出装置。
  9. 前記第2の電圧生成部は、前記基準信号に同期して動作する前記第2の電圧を生成するコンバータを備える請求項7に記載のレーザ射出装置。
  10. 前記レーザ光射出部は、
    前記レーザ光の射出方向を変える走査部と、
    前記基準信号に同期した信号に基づいて、前記走査部を制御する制御部と、
    を備える請求項1乃至9のいずれか一項に記載のレーザ射出装置。
  11. レーザ射出装置により実行されるレーザ射出方法であって、
    基準信号を生成する基準信号生成工程と、
    レーザ光の射出タイミングを示す、前記基準信号に同期した第1信号を生成する第1信号生成工程と、
    前記基準信号に基づいて、前記レーザ光を生成するレーザ光生成工程と、
    前記第1信号に基づいて、前記レーザ光を射出するレーザ光射出工程と、
    を備えるレーザ射出方法。
  12. コンピュータを備えるレーザ射出装置により実行されるプログラムであって、
    請求項11に記載のレーザ射出方法を前記コンピュータに実行させるプログラム。
  13. 請求項12に記載のプログラムを記憶した記憶媒体。
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