JP2018004437A - 故障診断装置 - Google Patents
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この際、故障診断装置は、各車載制御ユニットに送信要求を繰り返し行って各種の車両データの受信を継続的に行うが、各車載制御ユニットには、通信規格上、車両データの送信要求の間隔についてタイムアウト時間が設定されている。すなわち、車載制御ユニットは、送信要求に応じて車両データを送信したとき、該送信要求から次の送信要求が行われる前にタイムアウト時間が経過すると、通信が途切れたと判定して故障診断装置にエラー情報を送信する。
一つの車載制御ユニットのみから車両データを受信する場合には、故障診断装置は車両データ受信後に次の車両データを比較的速やかに受信することができるため、基本的にはタイムアウトが発生することはない。
近年、車両は高機能化が進み、診断時に監視すべき車両情報項目の数も増加傾向とされているため、上記のような通信エラーに起因した車両情報提示処理の異常終了が生じ易い状況となっている。
これにより、車両情報の取得対象とされた車載制御ユニットについて、最大許容通信間隔に対する受信間隔の余裕がどの程度であるかが提示部に提示される。
これにより、車両情報提示処理の異常終了防止を図るために項目の再選択を要する場合に対応して、診断者に許容される項目選択数を示唆することが可能とされる。
これにより、車両情報提示処理の異常終了防止を図るために項目の再選択を要する場合に対応して、項目の再選択が故障診断装置によって余裕値に基づき自動的に行われる。
これにより、車両情報提示処理の異常終了防止を図るために項目の再選択を要する場合に対応して、診断目的上必要とされる項目が選択解除され難くなるようにすることが可能とされる。
これにより、通信条件的に最も厳しい条件下で算出された受信間隔に基づいて余裕値が算出される。
図1は、本発明に係る第1の実施の形態としての故障診断装置1が車両制御システム2に接続された状態を示すブロック図である。本実施の形態において故障診断装置1は、車両インタフェース3を介して車両制御システム2に接続されている。
まず、故障診断装置1の構成について図1を参照して説明する。故障診断装置1は、情報処理及び情報通信が可能な図1に示すようなコンピュータ装置として実現できる。本例における故障診断装置1は、例えばPC(Personal Computer)として構成されている。
入出力インタフェース105には、キーボード、マウス、タッチパネルなどよりなる入力部106、LCD(Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode Ray Tube)、有機EL(Electroluminescence)パネルなどよりなるディスプレイ、並びにスピーカなどよりなる出力部107、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ装置などより構成される記憶部108が接続されている。また、入出力インタフェース105には、外部機器との通信処理、特に本実施の形態では車両インタフェース3を介して接続可能とされた車両制御システム2の各制御部(車載制御ユニット)との通信処理を行う通信部109が接続されている。本例における通信部109は、USB(Universal Serial Bus)規格に対応した通信を行うことが可能とされている。
さらに、入出力インタフェース105には、必要に応じてメディアドライブ110が接続され、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア111が適宜装着され、リムーバブルメディア111に対する情報の書込や読出が行われる。
なお、通信部109と車両インタフェース3との間の通信は有線通信ではなく無線通信とすることもできる。
図1に示すように、車両制御システム2は、運転支援制御部201、メモリ202、画像処理部203、撮像部204、エンジン制御部211、トランスミッション制御部212、ブレーキ制御部213、表示制御部214、エンジン関連アクチュエータ221、トランスミッション関連アクチュエータ222、ブレーキ関連アクチュエータ223、表示部224及びバスBを備えて構成されている。なお、図1では、車両制御システム2の構成のうち主に本発明に係る要部の構成のみを抽出して示している。
上記の各制御部は、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えたマイクロコンピュータを有して構成されている。これらの制御部はバスBを介して接続されており、相互にデータ通信を行うことが可能とされている。本例では、バスBの通信プロトコルとしては、例えばCAN(Controller Area Network)によるプロトコルが採用されている。
以下、上記の各制御部を「車載制御ユニット」とも表記する。
運転支援制御部201は、運転支援制御処理の一つとして、オートクルーズ制御として車間距離制御付クルーズコントロール(ACC:Adaptive Cruise Control)を実現するための処理や、プリクラッシュブレーキ制御を実現するための処理等を行う。
例えば、トランスミッション制御部212は、車両において自動変速モードが選択されている際には、所定の変速パターンに従い変速信号を上記のアクチュエータに出力して変速制御を行う。また、トランスミッション制御部212は、手動変速モードの設定時には、シフトアップ/ダウン操作に従った変速信号を上記のアクチュエータに出力して変速制御を行う。
表示部224は、運転者の前方に設置されているメータパネル内に設けられたスピードメータやタコメータ等の各種メータやMFD(Multi Function Display)、及びその他運転者に情報提示を行うための表示デバイスを包括的に表している。MFDには、自車両の総走行距離や外気温、瞬間燃費等といった各種の情報を同時又は切り換えて表示可能とされる。
図1に示すように、車両インタフェース3は、少なくとも変換部301を備えている。変換部301は、車両制御システム2のバス通信規格に従った通信データと、故障診断装置1の通信部109による通信規格に従った通信データとの間の相互のデータ形式変換を行う。具体的に本例では、CAN通信データとUSB通信データとの間の相互のデータ形式変換を行う。
これにより、故障診断装置1と車両制御システム2における各車載制御ユニットとの間で双方向の通信を行うことが可能とされている。
図2は、実施の形態における故障診断装置1のCPU101の機能構成を示した機能ブロック図である。当該機能ブロック図では、CPU101が実行する各種の処理を機能ごとに分けてブロック化して示している。
図2に示すようにCPU101は、受信部11、計測部12、算出部13及び提示制御部14を有している。
図3は、或る一つの車載制御ユニットの車両データを受信部11が受信する場合の説明図である。
受信間隔とは、受信部11が或る車載制御ユニットの車両データを受信してから、当該車載制御ユニットの次の車両データを受信するまでに経過した時間のことをいう。図3では、受信間隔を「t0」として示している。
最大許容通信間隔Tとは、車両データの送信要求間隔について通信規格上定められたタイムアウト時間であり、車載制御ユニットごとに異なる値が設定され得るものである。車載制御ユニットは、送信要求に応じて車両データを送信したタイミングから、最大許容通信間隔Tとして定められた時間長以内に次の送信要求が行われない場合には、通信タイムアウトエラーと判定する。そして、該タイムアウトエラーと判定したことに応じて、エラー情報を出力する。
図3のケースでは、同一の車載制御ユニットからの車両データの受信について、各車両データの受信間隔が該車載制御ユニットに定められた最大許容通信間隔Tに対して十分に短くなっており、この場合には通信エラーは生じない。
最大許容通信間隔Tと受信間隔t0との差を余裕時間という(図3における「t1」参照)。
但し、複数の車載制御ユニットから車両データを取得して提示する場合には、図4に示すように、或る車載制御ユニット(図4では「車載制御ユニットA」)において送信要求の間隔が当該車載制御ユニットの最大許容通信間隔Tを超えてしまい、通信エラーが生じる虞がある。このように通信エラーが生じた車載制御ユニットは送信要求に応じた車両データ送信は行わないため、故障診断装置1における車両データの提示処理は該通信エラーに起因して異常終了となる。
上記により説明した実施の形態の機能を実現するにあたりCPU101が実行する具体的な処理の手順を図5のフローチャートを参照して説明する。また、処理に伴う表示画面の遷移についても図6乃至図9を用いて説明する。
メインメニュー画面30には、複数の機能選択ボタン31(図中では31a〜31eの五つの例としている)が設けられている。複数の機能選択ボタン31には、それぞれ故障診断装置1が実行することができる各種機能が対応付けられている。CPU101は、いずれかの機能選択ボタン31の選択情報を受信すると、それぞれの機能選択ボタン31に対応した機能を実行させる。
図7において、選択画面40には、車両情報の取得対象とする車載制御ユニットを選択可能に一覧表示するユニット一覧領域41と、選択した車載制御ユニットから取得可能な車両情報の詳細項目を選択可能に一覧表示した項目一覧領域42と、決定ボタン43とが設けられている。
確認画面50は、図7の選択画面40で選択された車載制御ユニット及びその項目を診断者に確認させ、通信余裕を確認するためのテストを行うか、或いは該テストは行わず直接的に車両情報監視のための表示動作を行うかを選択させる画面である。確認画面50は、選択された車載制御ユニットを表示する選択ユニット確認エリア51と、選択された項目を表示する選択項目確認エリア52と、テストの実行指示ボタンとしてのテスト実行ボタン53と、診断者による車両情報監視のための表示動作の実行指示ボタンとしての情報監視実行ボタン54とが設けられている。
該終了条件が成立した場合、CPU101はこの図に示す処理を終える。
なお、操作に応じてテスト処理を終了するものとしてもよい。
余裕率については、上記のテスト処理で車載制御ユニットごとに計測された受信間隔と、車載制御ユニットごとに設定された最大許容通信間隔Tとに基づき車載制御ユニットごとに計算する。ここで、テスト処理中においては、各車載制御ユニットからの車両データの受信が繰り返し行われるため、受信間隔は車載制御ユニットごとに複数回計測される。本例においてCPU101は、各車載制御ユニットについて、新たに受信間隔が計測されるごとに余裕率を算出する。すなわち、ステップS123の処理においては、車載制御ユニットごとに複数の余裕率が算出される。このように車載制御ユニットごとに複数回算出される余裕率は、通信条件の変化等により、それぞれが異なる値となり得るものである。
●低減値基本係数=余裕率/目標余裕率を求める。
このとき、余裕率としては、対象とする車載制御ユニット(該低減値基本係数の算出対象とされた車載制御ユニット)について複数算出された余裕率のうち一の余裕率を用いる。具体的に本例では、最大の受信間隔と最大許容通信間隔Tとから算出された余裕率を用いる。
低減値基本係数は、「1」以上は「1」とし、「1」〜「0」までの値を持つ。
●低減値係数を以下のルールに従って設定する。
・低減値係数=低減値基本係数が「1」〜「0.5」の範囲内であれば低減値基本係数の値とする。
・低減値基本係数が「0.5」未満であれば「0.5」とする。
●推奨項目数=選択項目数×低減値係数とする。
なお「選択項目数」とは、対象とする車載制御ユニットについて選択された項目数を意味する。
図9において、テスト結果画面60には、テスト処理で車両データの取得対象とされた車載制御ユニットごとに、計測した受信間隔の最大値、最小値、平均値や、最大許容通信間隔Tを表示している。本例では、受信間隔の情報は棒グラフ状に表示しており、最大許容通信間隔Tの情報も該グラフに合わせた態様により表示している。
また、テスト結果画面60には、車載制御ユニットごとの余裕率(例えば最大の受信間隔を用いて算出した余裕率)、選択項目数、及びステップS123で算出した推奨項目数の情報を表示している。
診断者は、テスト結果として算出された余裕率の提示を受けることで、選択した項目について故障診断のための情報監視表示処理(いわば本番としての表示処理)を行った場合に、該表示処理が通信エラーにより異常終了してしまう可能性の高/低を容易に把握することができる。
また、推奨項目数の提示を受けることで、診断者は、情報監視表示処理の異常終了防止を図るために項目の再選択を要する場合に対応して、許容される項目選択数を容易に把握することができる。
第2の実施の形態について、図10乃至図13を参照して説明する。
第2の実施の形態は、診断者に故障診断装置1を用いた診断目的を選択させ、該診断目的に基づいて情報監視表示処理で表示対象とする車載制御ユニットや項目を自動選択するシステムを前提としたものである。
なお以下、図面において同一符号が付された部位、同一ステップ番号が付された処理については、特に言及しない限りはそれぞれ同一機能を有する部位、同一処理であるものと重複説明は避ける。
図10は、第2の実施の形態における故障診断装置1のCPU101の機能構成を示した機能ブロック図である。
第2の実施の形態における故障診断装置1のCPU101は、第1の実施の形態の機能構成に加えて、判定部15と選択部16を備えている。
また、特に本例の場合、診断目的DB20には、車両情報の項目ごとに、優先度の情報が対応づけられている。
図示のように診断目的選択画面70においては、複数の目的選択ボタン71が診断目的ごとに設けられている。本実施の形態では、例えば「加速制御診断」、「運転支援制御診断」、「車体系制御診断」の診断目的に対応した目的選択ボタン71a、71b、71cが設けられている。
なお、診断目的の判定手法は上記の手法に限定されるものではなく、例えば第1の実施の形態のように監視対象とする項目を診断者に手動選択させる前提の下では、選択された項目の別に応じて判定することもできる。
上記の項目選択手法により、非余裕ユニットが存在しない場合において無闇に項目選択のための処理が行われてしまうことの防止が図られる。
これにより、情報監視表示処理の異常終了防止を図るために項目の再選択を要する場合に対応して、診断目的上必要度の高い項目が選択解除され難くなるようにすることができる。
上記により説明した第2の実施の形態の機能を実現するにあたりCPU101が実行する具体的な処理の手順を図13のフローチャートを参照して説明する。
まず、この場合のCPU101は、ステップS102でメインメニュー画面30上の複数ユニット監視ボタン31bが操作されたことに応じ、ステップS131で診断目的選択画面70を出力部107のディスプレイに表示させ、続くステップS132において何れかの目的選択ボタン71が操作されるまで待機する。そして、目的選択ボタン71が操作されると、CPU101はステップS133で、診断目的に対応する項目を診断目的DB20の情報内容に基づき選択し、続くステップS106で確認画面50の表示処理を行う。上記説明から理解されるように、この場合の確認画面50としては、操作された目的選択ボタン71から特定される診断目的に応じた車載制御ユニットや項目が選択状態とされた画面を表示させる。
そして、該ステップS143の再選択処理を行った上で、CPU101はステップS112に進んで情報監視表示処理を開始する。
また、上記ではテスト処理結果に応じた項目の再選択を行う上で非余裕ユニットの判定処理を行う例を挙げたが、該非余裕ユニットの判定処理は必須ではない。例えば、第1の実施の形態で説明したように車載制御ユニットごとに推奨項目数を算出するものとし、車載ユニットごとに推奨項目数を目標選択項目数として項目再選択を行うという手法を採ることもできる。その場合には、非余裕ユニットの検出や判定の処理は不要とできる。
さらに、各実施の形態では、最大の受信間隔を用いて余裕値を算出したが、受信間隔の平均値、最小値、直近値等のうちから操作等により選択された値を用いて余裕値を算出することもできる。
上記した実施の形態としての故障診断装置(1)は、車載制御ユニットから受信した車両情報を示すデータ(車両データ)に基づいて提示部(出力部107)に車両情報を提示させる故障診断装置において、車両情報の取得対象とされた複数の車載制御ユニットに順次要求を行って車載制御ユニットごとに車両データを受信する受信部(11)と、車載制御ユニットごとに受信部による車両データの受信間隔を計測する計測部(12)と、車載制御ユニットごとに設定された最大許容通信間隔(T)と計測部が計測した受信間隔とに基づき、車載制御ユニットごとに最大許容通信間隔に対する受信間隔の余裕を示す指標値である余裕値を算出する算出部(13)と、算出部が算出した余裕値に基づいて余裕を表す情報を提示部に提示させる提示制御部(14)と、を備えている。
従って、故障診断にあたっての車両情報取得量の事前調整を診断者に促すことができるため、車載制御ユニットの通信タイムアウトエラーに起因した車両情報提示処理の異常終了防止を図ることができる。
従って、診断者による項目再選択の容易化を図ることができる。具体的には、診断者が通信余裕確保のために項目の選択を何度もやり直すような事態の発生を防ぐことができる。
従って、診断者による項目再選択の負担を軽減することができる。
従って、通信エラーに起因した車両情報提示処理の異常終了防止と、適切な車両故障診断への寄与との両立を図ることができる。
従って、車両情報提示処理の異常終了防止効果を高めることができる。
Claims (5)
- 車載制御ユニットから受信した車両情報を示すデータに基づいて提示部に前記車両情報を提示させる故障診断装置において、
前記車両情報の取得対象とされた複数の前記車載制御ユニットに順次要求を行って前記車載制御ユニットごとに前記データを受信する受信部と、
前記車載制御ユニットごとに前記受信部による前記データの受信間隔を計測する計測部と、
前記車載制御ユニットごとに設定された最大許容通信間隔と前記計測部が計測した前記受信間隔とに基づき、前記車載制御ユニットごとに前記最大許容通信間隔に対する前記受信間隔の余裕を示す指標値である余裕値を算出する算出部と、
前記算出部が算出した前記余裕値に基づいて前記余裕を表す情報を提示部に提示させる提示制御部と、
を備える故障診断装置。 - 前記車載制御ユニットのそれぞれが前記車両情報として複数の項目による情報を取得可能とされており、
前記受信部は、前記データとして、それぞれの前記車載制御ユニットが取得可能な前記車両情報のうち前記車載制御ユニットごとに選択された前記項目の前記車両情報を表すデータを要求して受信し、
前記算出部は、前記車載制御ユニットについて算出した前記余裕値に基づき、該車載制御ユニットの前記余裕を確保するために許容される前記項目の選択数を示唆する項目選択数示唆値を算出し、
前記提示制御部は、前記算出部が算出した前記項目選択数示唆値が表す数値情報を前記提示部に提示させる、
請求項1に記載の故障診断装置。 - 前記車載制御ユニットのそれぞれが前記車両情報として複数の項目による情報を取得可能とされており、
前記受信部は、前記データとして、それぞれの前記車載制御ユニットが取得可能な前記車両情報のうち前記車載制御ユニットごとに選択された前記項目の前記車両情報を表すデータを要求して受信し、
前記算出部が算出した前記余裕値に基づいて前記項目の選択を行う選択部を備える、
請求項1又は請求項2に記載の故障診断装置。 - 当該故障診断装置を用いた診断目的を判定する判定部を備え、
前記選択部は、前記判定部が判定した前記診断目的に基づいて前記項目の選択を行う、
請求項3に記載の故障診断装置。 - 前記算出部は、前記車載制御ユニットごとに、前記計測部が計測した前記受信間隔のうち最大の前記受信間隔を用いて前記余裕値を算出する
請求項1乃至請求項4の何れかに記載の故障診断装置。
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