JP2018004381A - 計測装置及び色収差光学系 - Google Patents

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Abstract

【課題】白色光を複数の波長に分光して被検査物の高さ位置を検出する場合において、波長に起因して計測精度が不均一になることを抑制することができる計測装置を提供する。【解決手段】計測装置は、白色光を照射する白色光源と、白色光を複数の波長に分光して複数の集光点を光軸に並べて被検査物に導く収差補正がなされた無収差集光器と、被検査物から反射する光の波長によって高さ位置を検出する検出手段と、を含む。白色光源と無収差集光器との間には、無収差集光器によって集光される複数の波長毎の開口数が同じになるように色収差光学系が配置される。【選択図】図1

Description

本発明は、計測装置及び色収差光学系に関する。
デバイスの製造工程においては、ウエーハの表面が格子状の分割予定ラインによって複数の領域に区画され、その区画された領域のそれぞれにIC(Integrated Circuit)のようなデバイスが形成される。ウエーハにデバイスが形成された後、ウエーハが分割予定ラインに沿って分割されることによりデバイスチップが製造され、携帯電話又はパーソナルコンピュータのような電子機器に利用される。ウエーハを分割する方法として、ダイシング装置の切削ブレードでウエーハを切削する方法、及びレーザー加工装置でウエーハにレーザービームを照射する方法が知られている。
ダイシング装置を用いてウエーハを分割する場合、切削ブレードでウエーハに切削溝を形成した後、三次元計測装置で切削後のウエーハの状態を検証し、切削ブレードの品質及び駆動系の精度等を確認することが行われている。
同様に、レーザー加工装置を用いてウエーハを分割する場合、レーザービームをウエーハに照射してアブレーション加工によりウエーハに加工溝を形成した後、三次元計測装置でアブレーション加工後のウエーハの状態を検証し、レーザービームの特性及び駆動系の精度等を確認することが行われている。
更に、ダイシング装置又はレーザー加工装置を用いてウエーハを分割する場合、高さ計測装置を使ってウエーハの高さ位置を検出し、ウエーハの高さ位置の検出結果に基づいて、切削ブレードの切り込み深さを制御したり、レーザービームの集光点の位置を制御したりすることが行われている。
三次元計測装置又は高さ計測装置の光学系として、特許文献1に記載されているような共焦点光学系が用いられる場合が多い。特許文献1には、被検査物の高さ位置を計測する計測装置として、白色光を照射する白色光源と、白色光を集光して被検査物に照射する色収差レンズと、被検査物に照射された白色光の反射光を集光する第1の集光レンズと、ピンホールを備えたマスクと、ピンホールを通過した反射光を集光する第2の集光レンズ及び第3の集光レンズと、第3の集光レンズによって集光された反射光の波長を検出する波長検出手段とを備える計測装置が記載されている。色収差レンズを通過した光の集光点の位置は、光の波長ごとに異なる。被検査物に照射された白色光のうち被検査物の高さ位置と集光点の位置とが一致する波長の光がピンホールを介して波長検出手段に検出されることによって、被検査物の高さ位置が検出される。
特開2008−170366号公報
被検査物と対向する対物光学系が色収差レンズである場合、光の集光点の位置及び対物光学系の開口角θは、光の波長λに応じて変化する。例えば、波長λが短い光についての開口角θは大きく、波長λが短い光の集光点は対物光学系に近い位置に形成される。一方、波長λが長い光についての開口角θは小さく、波長λが長い光の集光点は対物光学系から遠い位置に形成される。開口角θが大きくなると開口数NAは大きくなる(NA=n・sinθ)。また、対物光学系の焦点深度dは波長λに比例し開口数NAの二乗に反比例する(d=λ/NA)。そのため、光の波長λによって開口角θが変化すると、光の波長λごとに焦点深度dが異なることとなる。光の波長λごとに焦点深度dが異なると、光の波長λに応じて被検査物の高さ位置の計測精度が変化し、均一な計測精度で被検査物の高さ位置を計測することが困難となる。
本発明は、白色光を複数の波長に分光して被検査物の高さ位置を検出する場合において、光の波長λに起因して計測精度が不均一になることを抑制することができる計測装置及び色収差光学系を提供することを目的とする。
本発明は、白色光を照射する白色光源と、白色光を複数の波長に分光して複数の集光点を光軸に並べて被検査物に導く収差補正がなされた無収差集光器と、被検査物から反射する光の波長によって高さ位置を検出する検出手段と、を含む計測装置であって、該白色光源と該無収差集光器との間には、該無収差集光器によって集光される複数の波長毎の開口数が同じになるように色収差光学系が配置される計測装置を提供する。
本発明に係る計測装置において、該色収差光学系は、該白色光源から該無収差集光器に向かって順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、前記第1レンズ群の第1焦点近傍に配置される第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、再び結像する第2焦点の後方に、正の屈折力を有する第4レンズ群とで構成され、前記第2レンズ群へ入射する光線の条件は、入射した各波長の光線の屈折後の光軸との最大角度Δθ[deg.]とすると、
0.93 ≦ Δθ ≦11.7、
であることが好ましい。
本発明に係る計測装置において、該色収差光学系は、該白色光源から該無収差集光器に向かって順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、前記第1レンズ群の第1焦点近傍に配置される第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、再び結像する第2焦点の後方に、正の屈折力を有する第4レンズ群とで構成され、前記第1焦点近傍に配置する第2レンズ群へ入射する光線の条件は、最大、最小光線高さをH、hとし、出射する最大、最小光線高さをH´、h´とすると、
1.3 ≦ |H+H´|/|h+h´| ≦ 85、
であることが好ましい。
本発明に係る計測装置において、色収差光学系は、白色光が該色収差光学系を経た光の各波長の焦点の差をΔZとし、波長幅をΔλとすると、
ΔZ/Δλ <1.6×10
かつ、前記無収差集光器により像面で結像する各波長の最大開口数をNA(max)、最小開口数をNA(min)としたとき、中心波長の開口数NAとの関係が、
NA < 0.54、
0.9 < NA(min)/NA(max)、
であることが好ましい。
本発明に係る計測装置において、前記白色光源がスーパーコンティニューム光源であることが好ましい。
本発明は、白色光源と収差補正がなされた無収差集光器との間に配置される色収差光学系であって、正の屈折力を有する第1レンズ群と、前記第1レンズ群の第1焦点近傍に配置される第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、再び結像する第2焦点の後方に、正の屈折力を有する第4レンズ群と、を有し、前記第2レンズ群へ入射する光線が、
(i)入射した各波長の光線の屈折後の光軸との最大角度Δθ[deg.]が、
0.93 ≦Δθ ≦11.7、
を満たすか、または、
(ii)入射した波長の最大及び最小光線高さをH、h、出射する最大、最小光線高さをH´、h´としたとき、
1.3 ≦ |H+H´|/|h+h´| ≦ 85、
を満たす、色収差光学系を提供する。
本発明によれば、白色光を複数の波長に分光して被検査物の高さ位置を検出する場合において、光の波長λに起因して計測精度が不均一になることを抑制することができる計測装置及び色収差光学系が提供される。
図1は、本実施形態に係る三次元計測装置の一例を模式的に示す図である。 図2は、本実施形態に係る検出手段の一例を模式的に示す図である。 図3は、本実施形態に係る三次元計測装置による三次元計測処理を説明するための模式図である。 図4は、第1実施例に係る色収差光学系の一例を模式的に示す図である。 図5は、第1実施例に係る第2レンズ群の一例を示す拡大図である。 図6は、本実施形態に係る無収差集光器の一例を模式的に示す図である。 図7は、本実施形態に係る無収差集光器の球面収差図である。 図8は、本実施形態に係る無収差集光器の像面側の光線を模式的に示す図である。 図9は、第1実施例に係る色収差光学系及び無収差集光器を含む光学系の縦収差図である。 図10は、第2実施例に係る色収差光学系の一例を模式的に示す図である。 図11は、第2実施例に係る色収差光学系及び無収差集光器を含む光学系の縦収差図である。 図12は、第3実施例に係る色収差光学系の一例を模式的に示す図である。 図13は、第3実施例に係る色収差光学系及び無収差集光器を含む光学系の縦収差図である。 図14は、本実施形態に係るレーザー加工装置の一例を模式的に示す図である。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが本発明はこれに限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。水平面内のX軸と平行な方向をX軸方向、水平面内においてX軸と直交するY軸と平行な方向をY軸方向、X軸及びY軸のそれぞれと直交するZ軸と平行な方向をZ軸方向とする。X軸及びY軸を含むXY平面は、水平面と平行である。XY平面と直交するZ軸方向は、高さ方向である。
図1は、本実施形態に係る三次元計測装置100の一例を模式的に示す図である。三次元計測装置100は、被検査物であるウエーハWを保持して移動可能なチャックテーブル50と、白色光を照射する白色光源1と、白色光を複数の光の波長λに分光して複数の集光点を光軸AX7に並べてウエーハWに導く収差補正がなされた無収差集光器7と、ウエーハWから反射する光の波長λによってウエーハWの高さ位置を検出する検出手段10と、無収差集光器7によって集光される複数の波長λ毎の開口数NAが同じになるように白色光源1と無収差集光器7との間に配置された色収差光学系4とを備える。
また、三次元計測装置100は、白色光源1から射出された白色光をコリメートして色収差光学系4に供給するコリメート光学系3と、ウエーハWで反射した光を検出手段10に導く分岐光学系2とを備える。
三次元計測装置100は、ウエーハWの表面における複数の計測点の高さ位置を検出することによって、ウエーハWの表面の三次元形状を計測する。ウエーハWの高さ位置は、Z軸方向におけるウエーハWの位置である。
チャックテーブル50は、真空チャック機構を含み、ウエーハWを着脱可能に保持する。チャックテーブル50は、リニアモータのようなアクチュエータを含むテーブル駆動装置により、ウエーハWを保持した状態で、X軸方向及びY軸方向に移動可能である。
白色光源1は、白色光を射出する。本実施形態において、白色光源1は、スーパーコンティニューム光源である。白色光源1は、白色光として、スーパーコンティニューム(Supercontinuum:SC)光を射出する。スーパーコンティニューム光とは、パルスレーザーからのパルスを非線形媒質に入射し、その非線形媒質で発生する非線形効果によりスペクトルを超広帯域に広げた光をいう。すなわち、スーパーコンティニューム光は、連続して射出される広帯域のレーザービームである。白色光源1としてスーパーコンティニューム光源が用いられることにより、高強度の白色光がウエーハWに照射される。
白色光とは、0.38[μm]以上0.78[μm]以下の可視域の波長λの光が均等に混ざった光をいう。本実施形態において、白色光は、0.45[μm]以上0.65[μm]以下の波長λの光が均等に混ざった光であることが好ましい。
コリメート光学系3は、白色光源1と色収差光学系4との間に配置される。コリメート光学系3の光軸AX3は、Z軸と平行である。コリメート光学系3は、白色光源1からの白色光をコリメートして色収差光学系4に供給する。
なお、白色光源1とコリメート光学系3との間の光路は、光ファイバの光路でもよい。
色収差光学系4は、コリメート光学系3と無収差集光器7との間に配置される。色収差光学系4の光軸AX4は、Z軸と平行である。色収差光学系4は、軸上色収差を発生する。色収差光学系4は、通過した光のZ軸方向の集光点の位置を光の波長λごとに異ならせる光学特性を有する。色収差光学系4を通過した光のZ軸方向の集光点の位置は、光の波長λごとに異なる。本実施形態において、色収差光学系4は、コリメート光学系3からの光が供給される第1レンズ群G1と、第1レンズ群G1からの光が供給される第2レンズ群G2と、第2レンズ群G2からの光が供給される第3レンズ群G3と、第3レンズ群G3からの光が供給される第4レンズ群G4とを有する。色収差光学系4から射出された光は、無収差集光器7に供給される。
無収差集光器7は、ウエーハWと対向するように配置される。無収差集光器7は、対物光学系である。無収差集光器7は、収差が低減されるように収差補正がなされた無収差集光光学系を含む。無収差集光器7の光軸AX7は、Z軸と平行である。
コリメート光学系3の光軸AX3と、色収差光学系4の光軸AX4と、集光光学系5の光軸AX5と、無収差集光器7の光軸AX7とは、同軸である。以下の説明においては、光軸AX3、光軸AX4、光軸AX5、及び光軸AX7を適宜、光軸AX、と総称する。また、光軸AX(Z軸)と平行な方向を適宜、光軸方向、と称する。
無収差集光器7は、少なくとも軸上色収差及び球面収差が十分に低減されるように、すなわち、軸上色収差及び球面収差については無収差になるように設計された光学系である。本実施形態において、無収差集光器7は、軸上色収差及び球面収差のみならず、倍率色収差、コマ収差、非点収差、像面湾曲、及び歪曲収差も十分に低減されるように設計されている。
無収差集光器7は、無収差集光器7を単体で扱った場合、無収差集光器7の物体面側の点光源から無収差集光器7に入射した白色光が、少なくとも軸上色収差及び球面収差を発生させることなく、無収差集光器7の像面側において、異なる光の波長λであっても、同一の集光点を形成できる光学系である。
上述のように、色収差光学系4は、軸上色収差を発生する。無収差集光器7は、色収差光学系4からの白色光を複数の波長λに分光して、異なる波長λの光のそれぞれで形成される複数の集光点が無収差集光器7の光軸AX上に並ぶように、それら複数の波長λの光ごとに集光点を形成する。すなわち、本実施形態においては、単体では軸上色収差を発生させない無収差集光器7の物体面側(白色光源1側)に色収差光学系4が配置され、色収差光学系4によって軸上色収差が発生した白色光を無収差集光器7に入射させることにより、無収差集光器7の像面側において、異なる波長λの光ごとに形成される光軸方向の集光点の位置を異ならせる。本実施形態において、色収差光学系4は、無収差集光器7によって集光される複数の波長λごとの開口数NAが実質的に同じになるように、色収差光学系4の光学特性が調整されている。
ウエーハWには、光軸方向において異なる高さ位置で集光された複数の波長λの光のそれぞれが照射される。
ウエーハWに照射された光は、ウエーハWで反射する。ウエーハWで反射した光は、無収差集光器7を通過した後、分岐光学系2に入射する。分岐光学系2に入射したウエーハWからの光は、検出手段10に供給される。検出手段10は、分岐光学系2を介して、ウエーハWからの光を受光する。
検出手段10は、白色光源1から射出され、色収差光学系4及び無収差集光器7を介してウエーハWに照射され、そのウエーハWで反射した光を、無収差集光器7及び分岐光学系2を介して受光する。検出手段10は、受光した光の波長λを検出し、その検出した波長λに基づいて、ウエーハWの表面の高さ位置を検出する。
ある特定波長(例えば波長λが0.45[μm])の光の光軸方向の集光点の位置とウエーハWの表面の位置とが一致し、他の波長(例えば波長λが0.50[μm]以上0.65[μm]以下)の光の光軸方向の集光点の位置とウエーハWの表面の位置とが一致しない場合、ウエーハWで反射する光のうち、特定波長の光は、高強度で検出手段10に到達する。一方、他の波長の光は、検出手段10に低強度で到達する又は検出手段10に到達しないこととなる。すなわち、ウエーハWの表面の位置において集光点を形成した特定波長の光が、専ら検出手段10まで到達し、検出手段10に受光される。そのため、検出手段10は、受光した光の波長λに基づいて、ウエーハWの表面の高さ位置を検出することができる。
図2は、本実施形態に係る検出手段10の一例を模式的に示す図である。本実施形態において、検出手段10は、分岐光学系2からの光が供給される座標調整器11と、座標調整器11からの光が供給される回折格子12と、回折格子12で回折された光を受光するラインセンサ13と、演算処理装置14と、記憶装置15とを有する。回折格子12は、供給された光の波長λごとに異なる回折角度で光を射出する。例えば、第1波長λaの光が供給された場合、回折格子12は第1回折角度αで光を射出し、第1波長λaとは異なる第2波長λbの光が供給された場合、回折格子12は第1回折角度αとは異なる第2回折角度βで光を射出する。回折格子12から射出した光はラインセンサ13に入射する。光の波長λに応じて、ラインセンサ13に入射する光の入射位置が変化する。ラインセンサ13の受光データは、演算処理装置14に出力される。演算処理装置14は、ラインセンサ13における光の入射位置に基づいて、ラインセンサ13で受光された光の波長λを検出する。記憶装置15には、ラインセンサ13に入射する光の波長λと、光軸方向の集光点の位置との関係を示すマップデータが記憶されている。演算処理装置14は、ラインセンサ13で受光された光の波長λと、記憶装置15に記憶されているマップデータとに基づいて、波長λの光の光軸方向における集光点の位置を算出する。光軸方向における集光点の位置が算出されることにより、ウエーハWの表面における計測点の高さ位置が検出される。
図3は、本実施形態に係る三次元計測装置100による三次元計測処理を説明するための模式図である。無収差集光器7から射出された光は、チャックテーブル50に保持されているウエーハWの表面に照射される。座標調整器11は、ウエーハWの表面で反射した光のうち、ウエーハWの表面の特定の座標で反射した光がラインセンサ13に入射するように、回折格子12に供給する光を調整する。図3に示す例では、座標調整器11は、ウエーハWの表面のうち特定のX座標で反射した光がラインセンサ13に入射するように、回折格子12に供給する光を調整する。例えば、ウエーハWの表面のうち6つの座標X1,X2,X3、X4,X5,X6のそれぞれで反射した光が回折格子12を介してラインセンサ13に供給される。演算処理装置14は、6つのX座標についてのウエーハWの表面の高さ位置を合成して、ウエーハWの表面の三次元形状を導出する。
[第1実施例]
次に、本実施形態に係る色収差光学系4について説明する。図4は、[第1実施例]に係る色収差光学系4の一例を模式的に示す図である。図4は、色収差光学系4の模式図と、その色収差光学系4を通過する光の波長λが0.65[μm]、0.60[μm]、0.55[μm]、0.50[μm]、及び0.45[μm]のそれぞれにおける光路図とを示す。
図4に示すように、色収差光学系4は、白色光源1から無収差集光器7に向かって順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、第1レンズ群G1の第1焦点F1又は第1焦点F1の近傍に配置される第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、再び結像する第2焦点F2の後方に、正の屈折力を有する第4レンズ群G4とで構成される。
第1レンズ群G1は、レンズL11と、レンズL12とを有する。
色収差光学系4の物体面側(白色光源1側)を向くレンズL11の第1面は、凸面であり、色収差光学系4の像面側(無収差集光器7側)を向くレンズL11の第2面は、凹面である。
色収差光学系4の物体面側を向くレンズL12の面は、レンズL11の第2面と密接し、色収差光学系4の像面側を向くレンズL12の第3面は、凸面である。
第2レンズ群G2は、レンズL21と、レンズL22とを有する。
色収差光学系4の物体面側を向くレンズL21の第4面は、凹面であり、色収差光学系4の像面側を向くレンズL21の第5面は、凹面である。
色収差光学系4の物体面側を向くレンズL22の面は、レンズL21の第5面と密接し、色収差光学系4の像面側を向くレンズL22の第6面は、凸面である。
第3レンズ群G3は、レンズL31と、レンズL32と、レンズL33とを有する。
色収差光学系4の物体面側を向くレンズL31の第7面は、凸面であり、色収差光学系4の像面側を向くレンズL31の第8面は、凸面である。
色収差光学系4の物体面側を向くレンズL32の面は、レンズL31の第8面と密接し、色収差光学系4の像面側を向くレンズL32の第9面は、凸面である。
色収差光学系4の物体面側を向くレンズL33の第10面は、凸面であり、色収差光学系4の像面側を向くレンズL33の第11面は、凸面である。
第4レンズ群G4は、レンズL41を有する。
色収差光学系4の物体面側を向くレンズL41の第12面は、凸面であり、色収差光学系4の像面側を向くレンズL41の第13面は、凸面である。
白色光源1からの白色光は、レンズL11の第1面に入射した後、第1レンズ群G1、第2レンズ群G2、第3レンズ群G3、及び第4レンズ群G4を順次通過し、レンズL41の第13面から射出される。
図5は、本実施形態に係る第2レンズ群G2の一例を示す拡大図である。本実施形態において、第2レンズ群G2は、正の屈折力を有する。図5に示すように、第2レンズ群G2は、レンズL21とレンズL22とを有する。第1レンズ群G1からの白色光が入射するレンズL21の第4面は、凹面である。レンズL21を通過した白色光が射出されるレンズL21の第5面は、凹面である。レンズL21からの白色光が入射するレンズL22の面は、凸面であり、第5面と密接する。レンズL22を通過した白色光が射出されるレンズL22の第6面は、凸面である。
第2レンズ群G2は、第1レンズ群G1の第1焦点F1又はその近傍に配置される。図5に示すように、本実施形態において、第2レンズ群G2は、第1焦点F1よりも白色光源1側に配置される。なお、第2レンズ群G2は、第1焦点F1よりも無収差集光器7側に配置されてもよい。また、第2レンズ群G2のレンズL21及びレンズL22の少なくとも一方が第1焦点F1に配置されてもよい。
本実施形態においては、第1レンズ群G1から第2レンズ群G2へ入射する光線の条件は、入射した各波長λの光線の屈折後の光軸AXとの最大角度Δθ[deg.]とすると、
0.93 ≦ Δθ ≦11.7 …(1)
の条件を満足する。
また、第1焦点F1近傍に配置する第1レンズ群G1から第2レンズ群G2へ入射する光線の条件は、最大、最小光線高さをH、hとし、出射する最大、最小光線高さをH´、h´とすると、
1.3 ≦ |H+H´|/|h+h´| ≦ 85 …(2)
の条件を満足する。
本実施形態において、最大光線高さHは、レンズL21の第4面に入射する光線のうち光軸AXと直交する方向において光軸AXからの距離が最も長い光線と光軸AXとの距離である。最大光線高さHを通過する光線は、第2レンズ群G2に入射する白色光のうち波長λが最も長い光である。本実施形態においては、波長λが0.65[μm]の赤色光が最大光線高さHを通過する。
本実施形態において、最小光線高さhは、レンズL21の第4面に入射する光線のうち光軸AXと直交する方向において光軸AXからの距離が最も短い光線と光軸AXとの距離である。最小光線高さhを通過する光線は、第2レンズ群G2に入射する白色光のうち波長λが最も短い光である。本実施形態においては、波長λが0.45[μm]の青色光が最小光線高さhを通過する。
本実施形態において、最大光線高さH´は、レンズL22の第6面から射出される光線のうち光軸AXと直交する方向において光軸AXからの距離が最も長い光線と光軸AXとの距離である。最大光線高さH´を通過する光線は、第2レンズ群G2から射出される白色光のうち波長λが最も長い光である。本実施形態においては、波長λが0.65[μm]の赤色光が最大光線高さH´を通過する。
本実施形態において、最小光線高さh´は、レンズL22の第6面から射出される光線のうち光軸AXと直交する方向において光軸AXからの距離が最も短い光線と光軸AXとの距離である。最小光線高さh´を通過する光線は、第2レンズ群G2から射出される白色光のうち波長λが最も短い光である。本実施形態においては、波長λが0.45[μm]の青色光が最小光線高さh´を通過する。
すなわち、本実施形態においては、図4及び図5に示すように、波長λが短いほど、光軸AXと直交する方向における光の拡大が抑制され、波長λが長いほど、光軸AXと直交する方向において光が拡大する。このように、本実施形態においては、色収差光学系4において、波長λが長い光の光路と、波長λが短い光の光路とは異なる。換言すれば、色収差光学系4において、光線は波長λごとに異なる経路を通過する。
図6は、本実施形態に係る無収差集光器7の一例を模式的に示す図である。図6に示すように、無収差集光器7は、レンズL71からレンズL86を有する。すなわち、無収差集光器7は、16枚のレンズを有する。
無収差集光器7の物体面側(色収差光学系4側)を向くレンズL71の第14面は、凹面であり、無収差集光器7の像面側(ウエーハW側)を向くレンズL71の第15面は、凹面である。
無収差集光器7の物体面側を向くレンズL72の面は、第15面と密接し、無収差集光器7の像面側を向くレンズL72の第16面は、凹面である。
無収差集光器7の物体面側を向くレンズL73の第17面は、凹面であり、無収差集光器7の像面側を向くレンズL73の第18面は、凹面である。
無収差集光器7の物体面側を向くレンズL74の第19面は、凹面であり、無収差集光器7の像面側を向くレンズL74の第20面は、凹面である。
無収差集光器7の物体面側を向くレンズL75の面は、第20面と密接し、無収差集光器7の像面側を向くレンズL75の第21面は、凸面である。
無収差集光器7の物体面側を向くレンズL76の第22面は、凹面であり、無収差集光器7の像面側を向くレンズL76の第23面は、凹面である。
無収差集光器7の物体面側を向くレンズL77の面は、第23面と密接し、無収差集光器7の像面側を向くレンズL77の第24面は、凸面である。
無収差集光器7の物体面側を向くレンズL78の面は、第24面と密接し、無収差集光器7の像面側を向くレンズL78の第25面は、凸面である。
無収差集光器7の物体面側を向くレンズL79の第26面は、凹面であり、無収差集光器7の像面側を向くレンズL79の第27面は、凸面である。
無収差集光器7の物体面側を向くレンズL80の第28面は、凹面であり、無収差集光器7の像面側を向くレンズL80の第29面は、凹面である。
無収差集光器7の物体面側を向くレンズL81の面は、第29面と密接し、無収差集光器7の像面側を向くレンズL81の第30面は、凸面である。
無収差集光器7の物体面側を向くレンズL82の第31面は、凸面であり、無収差集光器7の像面側を向くレンズL82の第32面は、凸面である。
無収差集光器7の物体面側を向くレンズL83の面は、第32面と密接し、無収差集光器7の像面側を向くレンズL83の第33面は、凹面である。
無収差集光器7の物体面側を向くレンズL84の面は、第33面と密接し、無収差集光器7の像面側を向くレンズL84の第34面は、凸面である。
無収差集光器7の物体面側を向くレンズL85の第35面は、凸面であり、無収差集光器7の像面側を向くレンズL85の第36面は、凹面である。
無収差集光器7の物体面側を向くレンズL86の第37面は、凸面であり、無収差集光器7の像面側を向くレンズL86の第38面は、凹面である。
図7は、本実施形態に係る無収差集光器7の球面収差図である。横軸は光軸AXとの交点座標を示し、縦軸は像高を示す。図7は、無収差集光器7を単体として扱ったときの球面収差を示す。図7に示すように、無収差集光器7の球面収差は、F線(波長486.1[mm])、d線(波長587.6[mm])、及びc線(波長656.3[mm])のそれぞれにおいて十分に小さい。本実施形態においては、図7に示すような、十分に球面収差及び軸上色収差が抑制された光学系を無収差集光器7とする。
図8は、本実施形態に係る無収差集光器7の像面側の光線を模式的に示す図である。図8に示すように、無収差集光器7は、ウエーハWと対向する。白色光源1から射出され、色収差光学系4を通過した白色光は、無収差集光器7において複数の波長λに分光され、複数の波長λの光ごとに集光点を形成する。複数の集光点は光軸AX上に並べて形成される。本実施形態においては、複数の波長λごとの開口数NA(開口角θ)が実質的に同じになる。
図8に示す例では、波長λが0.65[μm]、0.60[μm]、0.55[μm]、0.50[μm]、及び0.45[μm]の光のそれぞれによって形成される集光点を示す。異なる波長λの光のそれぞれについての開口数NA(開口角θ)は、実質的に等しい。
図8に示すように、複数の波長λの光のそれぞれについて開口数NA(開口角θ)は実質的に等しいものの、光軸方向における集光点の位置は異なる。本実施形態においては、波長λが短い光の集光点は無収差集光器7の射出面(第38面)に近い位置に形成され、波長λが長い光の集光点は無収差集光器7の射出面(第38面)から遠い位置に形成される。
白色光が色収差光学系4を経た光の各波長λの焦点(集光点)の差をΔZとし、波長幅をΔλとすると、
ΔZ/Δλ <1.6×10 …(3)
かつ、無収差集光器7により像面で結像する各波長λの最大開口数をNA(max)、最小開口数をNA(min)としたとき、中心波長の開口数NAとの関係が、
NA < 0.54 …(4)
0.9 < NA(min)/NA(max) …(5)
の条件を満足するように、色収差光学系4の光学特性が調整されている。
差ΔZとは、各波長λの光軸方向における集光点の位置の差の最大値をいう。波長幅Δλとは、白色光のうち最大の波長λ(max)と最小の波長λ(min)との差である。図8に示すように、本実施形態において、最大の波長λ(max)は0.65[μm]であり、最小の波長λ(min)は0.45[μm]であり、波長幅Δλは、0.20[μm]である。差ΔZは、最大の波長λ(max)の光の集光点の位置と、最小の波長λ(min)の光の集光点の位置との光軸方向の距離である。
図9は、図4を参照して説明した[第1実施例]の色収差光学系4及び無収差集光器7を含む光学系の縦収差図を示す。[第1実施例]は、上述の(2)式の条件である[|H+H´|/|h+h´|]が最小値である1.3になるように設計された色収差光学系4を示す。
表1に、[第1実施例]に係る色収差光学系4及び無収差集光器7の諸元データを示す。表2に、[第1実施例]に係る各波長λについての開口数NAを示す。表1の最も左側の第1列は、第1面からの各レンズ面の番号を示し、第2列は、各レンズ面の曲率半径を示し、第3列は、各レンズ面から次のレンズ面までの面間隔を示し、第4列は、各レンズ面の屈折率及びアッベ数を示す。また、[第1実施例]においては、第1面に入射する白色光のビーム径(入射ビーム径)は、8.3[mm]である。また、色収差光学系4及び無収差集光器7の各レンズは、石英ガラスである。
Figure 2018004381
Figure 2018004381
表2に示すように、波長λが0.45[μm]、0.50[μm]、0.55[μm]、0.60[μm]、0.65[μm]のそれぞれについて、開口数NAは、0.557、0.571、0.534、0.533、0.551であり、波長λによらずに、開口数NAを実質的に同じにすることができる。
[第2実施例]
図10は、[第2実施例]に係る色収差光学系4の一例を模式的に示す図である。図4と同様、図10は、色収差光学系4を通過する光の波長λが0.65[μm]、0.60[μm]、0.55[μm]、0.50[μm]、及び0.45[μm]のそれぞれにおける光路図を示す。
図11は、図10を参照して説明した色収差光学系4及び無収差集光器7を含む光学系の縦収差図を示す。[第2実施例]は、上述の(2)式の条件である[|H+H´|/|h+h´|]が最大値である85となり、上述の(1)式の条件であるΔθが最小値である0.93となるように設計された色収差光学系4を示す。
表3に、[第2実施例]に係る色収差光学系4及び無収差集光器7の諸元データを示す。表4に、[第2実施例]に係る各波長λについての開口数NAを示す。表3の最も左側の第1列は、第1面からの各レンズ面の番号を示し、第2列は、各レンズ面の曲率半径を示し、第3列は、各レンズ面から次のレンズ面までの面間隔を示し、第4列は、各レンズ面の屈折率及びアッベ数を示す。また、[第2実施例]においては、第1面に入射する白色光のビーム径(入射ビーム径)は、7.7[mm]である。また、色収差光学系4及び無収差集光器7の各レンズは、石英ガラスである。
Figure 2018004381
Figure 2018004381
表4に示すように、波長λが0.45[μm]、0.50[μm]、0.55[μm]、0.60[μm]、0.65[μm]のそれぞれについて、開口数NAは、0.527、0.56、0.54、0.528、0.532であり、[第2実施例]においても、波長λによらずに、開口数NAを実質的に同じにすることができる。
[第3実施例]
図12は、[第3実施例]に係る色収差光学系4の一例を模式的に示す図である。図4及び図10と同様、図12は、色収差光学系4を通過する光の波長λが0.65[μm]、0.60[μm]、0.55[μm]、0.50[μm]、及び0.45[μm]のそれぞれにおける光路図を示す。
図13は、図12を参照して説明した色収差光学系4及び無収差集光器7を含む光学系の縦収差図を示す。[第3実施例]は、上述の(1)式の条件であるΔθが最大値である11.7となるように設計された色収差光学系4を示す。
表5に、[第3実施例]に係る色収差光学系4及び無収差集光器7の諸元データを示す。表6に、[第3実施例]に係る各波長λについての開口数NAを示す。表5の最も左側の第1列は、第1面からの各レンズ面の番号を示し、第2列は、各レンズ面の曲率半径を示し、第3列は、各レンズ面から次のレンズ面までの面間隔を示し、第4列は、各レンズ面の屈折率及びアッベ数を示す。また、[第3実施例]においては、第1面に入射する白色光のビーム径(入射ビーム径)は、9[mm]である。また、色収差光学系4及び無収差集光器7の各レンズは、石英ガラスである。
Figure 2018004381
Figure 2018004381
表6に示すように、波長λが0.45[μm]、0.50[μm]、0.55[μm]、0.60[μm]、0.65[μm]のそれぞれについて、開口数NAは、0.535、0.562、0.538、0.525、0.531であり、[第3実施例]においても、波長λによらずに、開口数NAを実質的に同じにすることができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、ウエーハWと対向する対物光学系として軸上色収差及び球面収差が十分に抑制された無収差集光器7が配置され、無収差集光器7の入射面側(白色光源1側)に軸上色収差を発生させる色収差光学系4が配置される。これにより、異なる複数の波長λごとに光軸方向の異なる位置のそれぞれに集光点が形成される。第1レンズ群G1、第2レンズ群G2、第3レンズ群G3、及び第4レンズ群G4からなる色収差光学系4の光学特性が調整されることによって、複数の波長λごとの開口数NAを実質的に等しくすることができる。これにより、波長λが異なっても、対物光学系である無収差集光器7の焦点深度dを実質的に同じにすることができる。したがって、検出手段10に受光される光の波長λに基づいてウエーハWの高さ位置を検出するとき、どの波長λの光を使っても、均一な計測精度を得ることができる。
また、本実施形態によれば、第1レンズ群G1が正の屈折力を有し、第2レンズ群G2が第1レンズ群G1の第1焦点F1又は第1焦点F2の近傍に配置され、第3レンズ群G3が正の屈折力を有し、正の屈折力を有する第4レンズ群G4が第3レンズ群G3の第2焦点F2の後方に配置される。第1レンズ群G1からの光が第2レンズ群G2の入射面であるレンズL21の入射面(第4面)に入射するとき、そのレンズL21の入射面で屈折した光線と、光軸AXと平行な軸とがなす最大角度Δθ[deg.]が、上述の(1)式の条件を満足するように、第1レンズ群G1及び第2レンズ群G2の入射面が設計されている。これにより、各波長λの光は、適正な拡がり角度で拡がって、第3レンズ群G3に到達することができる。例えば、最大角度Δθが0.93[deg.]よりも小さい場合、光は第2レンズ群G2で十分に拡がらず、その結果、無収差集光器7の像面側において、波長λごとの集光点の位置の差ΔZが十分に得られなくなる。一方、最大角度Δθが11.7[deg.]よりも大きい場合、光は第2レンズ群G2で拡がり過ぎて、波長λごとの集光点の位置の差ΔZが過大になってしまう。また、最大角度Δθが0.93[deg.]よりも小さい場合及び11.7[deg.]よりも大きい場合、波長λごとの開口数NAを同じにすることが困難となる。(1)式の条件が満足されることにより、光の集光点を適正な位置に形成して、波長λごとの開口数NAを同じにすることができる。
また、本実施形態によれば、第1レンズ群G1からの光が第2レンズ群G2の入射面であるレンズL21の入射面(第4面)に入射するとき、長い波長λの光(赤色光)によって規定される最大光線高さH,H´と、短い波長λの光(青色光)によって規定される最小光線高さをh,h´とが、上述の(2)式の条件を満足するように、第1レンズ群G1及び第2レンズ群G2の入射面が設計されている。これにより、図5を参照して説明したように、長い波長λの光(赤色光)は、焦点を結ぶことなく拡がるように第2レンズ群G2から射出され、第3レンズ群G3に供給される。また、短い波長λの光(青色光)は、集光するように第2レンズ群G2を通過し、第2レンズ群G2から射出された後、第3レンズ群G3に供給される。これにより、第3レンズ群G3においては、光の波長λごとに、光線高さに大きな差異が生じる。そして、(2)式の条件を満足することにより、波長λごとの開口数NAを同じにすることができる。
また、本実施形態においては、上述の(3)式の条件が満足される。これにより、白色光に含まれる波長領域に応じて適正な集光点の差ΔZを得ることができ、ウエーハWの表面の高さ位置の計測精度の低下を抑制することができる。また、(4)式及び(5)式の条件が満足されるように、複数の波長λごとの開口数NAが均一化されることにより、波長λに起因する計測精度の不均一さを抑制することができる。
なお、上述の実施形態においては、色収差光学系4及び無収差集光器7が三次元計測装置100に適用されることとした。色収差光学系4及び無収差集光器7はレーザー加工装置に適用されてもよい。以下、色収差光学系4及び無収差集光器7がレーザー加工装置に適用される例について説明する。
図14は、本実施形態に係るレーザー加工装置200の一例を模式的に示す図である。レーザー加工装置200は、被検査物であるウエーハWを保持して移動可能なチャックテーブル50と、チャックテーブル50に保持されているウエーハWの高さ位置を計測する計測装置100Bと、チャックテーブル50に保持されているウエーハWをレーザー加工するレーザー加工ユニット300とを備える。ウエーハWの高さ位置は、Z軸方向におけるウエーハWの位置である。
計測装置100Bは、白色光を照射する白色光源1と、白色光を複数の光の波長λに分光して複数の集光点を光軸AX7に並べてウエーハWに導く収差補正がなされた無収差集光器7と、ウエーハWから反射する光の波長λによってウエーハWの高さ位置を検出する検出手段10と、無収差集光器7によって集光される複数の波長λ毎の開口数NAが同じになるように白色光源1と無収差集光器7との間に配置された色収差光学系4とを備える。
また、計測装置100Bは、白色光源1から射出された白色光が供給されるビームスプリッタ2Bと、ビームスプリッタ2Bを介して白色光源1から供給された白色光をコリメートして色収差光学系4に供給するコリメート光学系3と、色収差光学系4と無収差集光器7との間に配置され色収差光学系4からの白色光を集光する集光光学系5と、集光光学系5と無収差集光器7との間に配置されるダイクロイックミラー6とを備える。
上述の実施形態と同様、白色光源1は、白色光として、スーパーコンティニューム(Supercontinuum:SC)光を射出する。
ビームスプリッタ2Bは、白色光源1とコリメート光学系3との間に配置される。ビームスプリッタ2Bは、白色光源1からの白色光を透過してコリメート光学系3に供給する。また、ビームスプリッタ2Bは、コリメート光学系3からの光を反射して検出手段10に供給する。
なお、白色光源1とビームスプリッタ2Bとの間の光路、及びビームスプリッタ2Bとコリメート光学系3との間の光路は、光ファイバの光路でもよい。
コリメート光学系3は、ビームスプリッタ2Bと色収差光学系4との間に配置される。コリメート光学系3の光軸AX3は、Z軸と平行である。コリメート光学系3は、ビームスプリッタ2Bを透過した白色光源1からの白色光をコリメートして色収差光学系4に供給する。
色収差光学系4は、コリメート光学系3と集光光学系5との間に配置される。色収差光学系4の光軸AX4は、Z軸と平行である。色収差光学系4は、軸上色収差を発生する。色収差光学系4は、通過した光のZ軸方向の集光点の位置を光の波長λごとに異ならせる光学特性を有する。色収差光学系4を通過した光のZ軸方向の集光点の位置は、光の波長λごとに異なる。
集光光学系5は、色収差光学系4と無収差集光器7との間に配置される。集光光学系5の光軸AX5は、Z軸と平行である。集光光学系5は、色収差光学系4からの白色光を集光して無収差集光器7に供給する。
ダイクロイックミラー6は、集光光学系5と無収差集光器7との間に配置される。ダイクロイックミラー6は、集光光学系5からの白色光を透過して無収差集光器7に供給する。また、ダイクロイックミラー6は、無収差集光器7からの光を透過して集光光学系5に供給する。
無収差集光器7は、ウエーハWと対向するように配置される。無収差集光器7は、対物光学系である。無収差集光器7は、収差が低減されるように収差補正がなされた無収差集光光学系を含む。無収差集光器7の光軸AX7は、Z軸と平行である。
ウエーハWには、光軸方向において異なる高さ位置で集光された複数の波長λの光のそれぞれが照射される。
ウエーハWに照射された光は、ウエーハWで反射する。ウエーハWで反射した光は、無収差集光器7、ダイクロイックミラー6、集光光学系5、色収差光学系4、及びコリメート光学系3を通過した後、ビームスプリッタ2Bに入射する。ビームスプリッタ2Bに入射したウエーハWからの光は、ビームスプリッタ2Bで反射され、検出手段10に供給される。検出手段10は、ビームスプリッタ2Bを介して、ウエーハWからの光を受光する。
検出手段10は、白色光源1から射出され、色収差光学系4及び無収差集光器7を介してウエーハWに照射され、そのウエーハWで反射した光を、無収差集光器7、ダイクロイックミラー6、集光光学系5、色収差光学系4、コリメート光学系3、及びビームスプリッタ2Bを介して受光する。検出手段10は、受光した光の波長λを検出し、その検出した波長λに基づいて、ウエーハWの表面の高さ位置を検出する。
レーザー加工ユニット300は、レーザービームを射出するレーザー光源310を有する。レーザー加工ユニット300は、ウエーハWの表面に格子状に設定された分割予定ラインにレーザービームを照射して、ウエーハWをレーザー加工する。
レーザー光源310は、ウエーハWをレーザー加工するためのレーザービームを射出する。レーザー光源310から射出されたレーザービームは、集光光学系5と無収差集光器7との間に配置されているダイクロイックミラー6に供給される。ダイクロイックミラー6は、レーザー光源310からのレーザービームを反射して、無収差集光器7に供給する。レーザービームは、無収差集光器7を介して、ウエーハWに照射される。
無収差集光器7をZ軸方向に移動する駆動装置8が設けられる。駆動装置8は、例えばボイスコイルモータを含み、無収差集光器7を光軸方向に移動する。駆動装置8は、無収差集光器7を光軸方向に移動して、レーザー光源310から射出されたレーザービームの光軸方向における集光点の位置を調整する。駆動装置8は、レーザー光源310から射出されたレーザービームの集光点がウエーハWの内部に形成されるように、無収差集光器7を光軸方向に移動する。
本実施形態において、レーザー光源310は、ウエーハWに対して透過性を有する波長のレーザービームをウエーハWに照射して、ウエーハWの内部に改質層を形成する。駆動装置8によりレーザービームの集光点がウエーハWの内部に形成された状態で、ウエーハWを保持するチャックテーブル50がXY平面内で移動する。これにより、改質層が分割予定ラインに沿ってウエーハWの内部に形成される。
ウエーハWの内部に形成された改質層の強度は低下する。分割予定ラインに沿って改質層が形成されたウエーハWに外力が加えられることにより、改質層が破断起点となって、ウエーハWが分割予定ラインに沿って分割され、複数のデバイスチップが形成される。すなわち、本実施形態においては、レーザー加工ユニット300は、ウエーハWをステルスダイシング加工する。
本実施形態においては、レーザー加工ユニット300によるステルスダイシング加工と並行して、計測装置200による計測が実施される。すなわち、計測装置200でウエーハWの高さ位置が計測され、その計測結果に基づいて、レーザー加工ユニット300のレーザービームの集光点がウエーハWの内部に形成されるように、駆動装置8が制御され、レーザービームの集光点の位置が調整される。換言すれば、レーザー加工装置200は、計測装置200の計測結果に基づいて、レーザー加工ユニット300のレーザービームの集光点がウエーハWの内部に形成されるように、駆動装置8をフィードバック制御しながら、レーザー光源310からレーザービームを射出して、ステルスダイシング加工を実施する。
1 白色光源
2 分岐光学系
3 コリメート光学系
4 色収差光学系
7 無収差集光器
10 検出手段
11 座標調整器
12 回折格子
13 ラインセンサ
14 演算処理装置
15 記憶装置
50 チャックテーブル
100 三次元計測装置
100B 計測装置
200 レーザー加工装置
300 レーザー加工ユニット
310 レーザー光源
AX 光軸
W ウエーハ(被検査物)

Claims (6)

  1. 白色光を照射する白色光源と、白色光を複数の波長に分光して複数の集光点を光軸に並べて被検査物に導く収差補正がなされた無収差集光器と、被検査物から反射する光の波長によって高さ位置を検出する検出手段と、を含む計測装置であって、
    該白色光源と該無収差集光器との間には、該無収差集光器によって集光される複数の波長毎の開口数が同じになるように色収差光学系が配置される計測装置。
  2. 該色収差光学系は、該白色光源から該無収差集光器に向かって順に、
    正の屈折力を有する第1レンズ群と、
    前記第1レンズ群の第1焦点近傍に配置される第2レンズ群と、
    正の屈折力を有する第3レンズ群と、
    再び結像する第2焦点の後方に、正の屈折力を有する第4レンズ群とで構成され、
    前記第2レンズ群へ入射する光線の条件は、
    入射した各波長の光線の屈折後の光軸との最大角度Δθ[deg.]とすると、
    0.93 ≦ Δθ ≦11.7、
    である請求項1に記載の計測装置。
  3. 該色収差光学系は、該白色光源から該無収差集光器に向かって順に、
    正の屈折力を有する第1レンズ群と、
    前記第1レンズ群の第1焦点近傍に配置される第2レンズ群と、
    正の屈折力を有する第3レンズ群と、
    再び結像する第2焦点の後方に、正の屈折力を有する第4レンズ群とで構成され、
    前記第1焦点近傍に配置する第2レンズ群へ入射する光線の条件は、
    最大、最小光線高さをH、hとし、出射する最大、最小光線高さをH´、h´とすると、
    1.3 ≦ |H+H´|/|h+h´| ≦ 85、
    である請求項1に記載の計測装置。
  4. 色収差光学系は、白色光が該色収差光学系を経た光の各波長の焦点の差をΔZとし、波長幅をΔλとすると、
    ΔZ/Δλ <1.6×10
    かつ、前記無収差集光器により像面で結像する各波長の最大開口数をNA(max)、最小開口数をNA(min)としたとき、中心波長の開口数NAとの関係が、
    NA < 0.54、
    0.9 < NA(min)/NA(max)、
    である請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の計測装置。
  5. 前記白色光源がスーパーコンティニューム光源である、
    請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の計測装置。
  6. 白色光源と収差補正がなされた無収差集光器との間に配置される色収差光学系であって、
    正の屈折力を有する第1レンズ群と、
    前記第1レンズ群の第1焦点近傍に配置される第2レンズ群と、
    正の屈折力を有する第3レンズ群と、
    再び結像する第2焦点の後方に、正の屈折力を有する第4レンズ群と、を有し、
    前記第2レンズ群へ入射する光線が、
    (i)入射した各波長の光線の屈折後の光軸との最大角度Δθ[deg.]が、
    0.93 ≦Δθ ≦11.7、
    を満たすか、または、
    (ii)入射した波長の最大及び最小光線高さをH、h、出射する最大、最小光線高さをH´、h´としたとき、
    1.3 ≦ |H+H´|/|h+h´| ≦ 85、
    を満たす、色収差光学系。
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