JP2018004334A - ベアリング試験用治具 - Google Patents

ベアリング試験用治具 Download PDF

Info

Publication number
JP2018004334A
JP2018004334A JP2016128221A JP2016128221A JP2018004334A JP 2018004334 A JP2018004334 A JP 2018004334A JP 2016128221 A JP2016128221 A JP 2016128221A JP 2016128221 A JP2016128221 A JP 2016128221A JP 2018004334 A JP2018004334 A JP 2018004334A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bearing
test
shaft
jig
housing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016128221A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6950913B2 (ja
Inventor
後藤 真宏
Masahiro Goto
真宏 後藤
道子 佐々木
Michiko Sasaki
道子 佐々木
笠原 章
Akira Kasahara
章 笠原
土佐 正弘
Masahiro Tosa
正弘 土佐
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute for Materials Science
Original Assignee
National Institute for Materials Science
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Institute for Materials Science filed Critical National Institute for Materials Science
Priority to JP2016128221A priority Critical patent/JP6950913B2/ja
Publication of JP2018004334A publication Critical patent/JP2018004334A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6950913B2 publication Critical patent/JP6950913B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Abstract

【課題】通常の摩擦試験装置は試験片に荷重をかけて摩耗件に押し付けながら回転させる構造を持っているが、そのままではベアリングを取り付けてその摩擦試験を行うことはできない。【解決手段】ハウジングに取り付けられた試験対象のベアリングの内輪と試験装置の主軸との間を接続するベアリング軸を設ける。ベアリングはハウジング内の凹部に嵌まり込んだ状態で荷重をかけて試験するので、その取り出しのため、凹部の底に抜出治具を設置し、その中心に切られた雌ネジに係合するネジをベアリングの中心孔を通してねじ込んでいくことで、凹部に嵌まり込んだベアリングを取り出すことができるようにする。【選択図】図4

Description

本発明はベアリング(軸受とも呼ばれる)を回転させて試験を行うために、ベアリングを収容して試験装置に接続するためのベアリング試験用治具に関する。
ベアリングは、多岐に渡り機械駆動部の摩擦低減に用いられている。例えば、自動車には100個を超えるベアリングが使用されていることが知られている。ベアリングの性能向上は、機関の動力性能向上に直結し、摩擦力の低減によるエネルギーの削減に役立つ。
ベアリングは機械動作を行う多くの機器に使用される基幹部品のひとつであり、機器中のベアリングが一つでも破損すると、単にその機器が停止するだけにとどまらず、機器の深刻な破壊や発火を引き起こす可能性が高い。このように、ベアリングには高い信頼性が要求されるにもかかわらずしばしば高負荷、高速回転、高温の過酷な環境下で長時間使用されるので、その提供に当たっては十分な試験を行うことが重要である。
ベアリングの摩擦係数はその伝達効率や動作中の発熱、また寿命に大きく影響するので、摩擦係数及びその経時変化の測定はベアリングの評価上重要である。しかしながら、従来の摩擦試験装置は、試験片に荷重を印加して摩耗面に押し付けながら回転や摺動させる(あるいは逆に試験片を固定して摩耗面側を動かす)ことで摩擦係数を測定しており、ベアリングの摩擦の測定を考慮していなかった。
本発明の課題は、試験片を回転させて摩擦試験を行う等の回転機構を有する試験装置とともに使用して、既存のこの種の試験装置を使用してベアリングの試験を簡単に行うことができるようにするベアリング試験治具を提供することにある。
本発明の一側面によれば、一端が試験装置の回転軸に接続でき、他端が試験対象のベアリングの内輪に接続されるベアリング軸と、前記ベアリングを取り付けるハウジング部とを設けたベアリング試験用治具が与えられる。
ここで、前記ハウジング部は前記ベアリングを収容する凹部と、前記凹部の底に前記凹の中心軸に沿って移動可能に設置され、前記ベアリングの中心孔を貫通できるベアリング抜きネジと係合する雌ネジがその中心に切られているベアリング抜き治具とを有してもよい。
また、前記ベアリング軸の、前記試験装置の回転軸に接続される端部がテーパ状に形成されていてよい。
また、前記ハウジング部の周囲全体に周壁を設けてよい。
また、前記周壁の少なくとも一部が透明であってよい。
また、前記ベアリング軸と前記ハウジング部とは直接接触しないようにしてよい。
本発明によって、簡単な手順でベアリングをベアリング試験用治具に装着して、試験対象としてベアリングを考慮していない試験装置に対して、試験装置の回転軸に簡単かつ正確に接続でき、またベアリングの取り外しも容易になる。
本発明の一実施例で使用したZnOコーティングを行うための装置の概念図。 図1のZnOコーティングを行うための装置によって良好なコーティングが行なわれたベアリングボールの例(右)及び失敗例(左)の写真。 酸素分圧比60%の酸素・アルゴン混合スパッタガスを使用して作製した本発明の一実施例のZnOコーティングを有するベアリングボールの断面TEM像。 本発明のZnOコーティングを有するベアリングボールを組み込んだベアリングの評価を行うために使用した、摩擦試験装置にベアリングを取り付けるための本発明の一実施例のベアリング試験用治具の概略及び使用形態を示す図。 試験状態における本発明の一実施例のベアリング試験用治具の正面断面図。 本発明の一実施例のベアリング試験用治具を構成するハウジングの正面断面図であって、測定終了後のベアリングの抜取り作業中の状態を示す。 本発明の一実施例のベアリング試験用治具を構成するハウジングの正面断面図。 本発明の一実施例のベアリング試験用治具を構成するハウジングの上面図。 本発明の一実施例のベアリング試験用治具を構成するベアリング軸の正面断面図及びベアリング軸のうちのベアリングに接続される部分を下から見た底面図。 酸素分圧比60%の酸素・アルゴン混合スパッタガスを使用して作製したZnOコーティングを有するベアリングボール(距離h=55mm、60mm及び65mm)を組み込んだベアリングの油中での摩擦係数の時間変化を、ZnOコーティングしていないベアリングボールを組み込んだ場合と比較して示すグラフ。 酸素分圧比70%の酸素・アルゴン混合スパッタガスを使用して作製したZnOコーティングを有するベアリングボール(距離h=55mm及び60mm)を組み込んだベアリングの油中での摩擦係数の時間変化を、ZnOコーティングしていないベアリングボールを組み込んだ場合と比較して示すグラフ。 図3に示したものと同じ条件で作製したZnOコーティングを有するベアリングボールを摩擦試験機によって試験した後の断面TEM像。 酸素分圧比60%の酸素・アルゴン混合スパッタガスを使用して作製した本発明の一実施例のZnOコーティングを有するベアリングボール(距離h=55mm及び60mm)を組み込んだベアリングの大気中での摩擦係数の時間変化を、ZnOコーティングしていないベアリングボールを組み込んだ場合と比較して示すグラフ。 酸素分圧比60%の酸素・アルゴン混合スパッタガスを使用して作製した本発明の一実施例のZnOコーティングを有するベアリングボール(距離h=65mm及び85mm)を組み込んだベアリングの大気中での摩擦係数の時間変化を、ZnOコーティングしていないベアリングボールを組み込んだ場合と比較して示すグラフ。 酸素分圧比70%の酸素・アルゴン混合スパッタガスを使用して作製した本発明の一実施例のZnOコーティングを有するベアリングボール(距離h=55mm及び60mm)を組み込んだベアリングの大気中での摩擦係数の時間変化を、ZnOコーティングしていないベアリングボールを使用した場合と比較して示すグラフ。
本発明の一実施例によれば、試験片を回転させる形式の摩擦試験装置等に試験対象のベアリングを結合するため、ベアリングを取り付けるハウジングを設ける。このハウジングにはベアリングを収容する凹部が設けられる。また、試験装置側には試験片を回転させるための回転軸(主軸)が設けられているので、この回転軸とベアリングとを接続するベアリング軸を設ける。ベアリングをハウジングの凹部に取り付けて固定した後、ベアリング軸の両端を試験装置の回転軸及びベアリングの内輪に夫々接続することで、ベアリングの摩擦係数等の所要の試験を簡単に行うことができる。なお、摩擦試験装置等の試験装置それ自体の構造・動作原理等は本願の趣旨には直接関係しないので、その説明は省略する。
摩擦試験等の試験中にベアリングの横位置がずれて試験装置側とベアリングの回転の軸が互いにずれたり、あるいはガタによりベアリングが振動するのを防止するため、ベアリングを取り付ける凹部とベアリングとのクリアランスを小さくしておく必要がある。そのため、一旦凹部に取り付けたベアリングは取り外しにくい場合がある。その上、摩擦試験等ではベアリングに荷重をかけるので、ベアリングが凹部に嵌まり込んでしまい、取り外しが一層困難になってしまうおそれがある。そこで、取り外しを簡単にするため、凹部の底にベアリング取り外し治具を設置する。具体的には、ベアリング取り外し軸は凹部内をその中心軸方向に移動可能な形状、サイズを有しており、またベアリング取り外し治具の中央には雌ネジが切られている。試験終了後に、凹部に取り付けられているベアリングの中心孔を介して上述の雌ネジに係合するピッチ及び径を有する雄ネジ(ベアリング抜きネジ)を差し込んで回転させることにより、ベアリング抜きネジがベアリング取り外し治具の雌ネジに入り込んでいくためにベアリング取り外し治具がせり上がり、ベアリングを下から持ち上げる。これにより、ベアリングが凹部に嵌まり込んでいても、容易にそこから引き抜くことができる。
また、ベアリングと試験装置の回転軸とをベアリング軸を介して接続するに当たって、両者の回転の軸を簡単に一致させることができることが望ましい。そのため、ベアリング軸の端部のうちの試験装置の回転軸に接続される側はテーパ形状を有する。これにより、ハウジング中のベアリングに一旦を接続されているベアリング軸の他端を試験装置の回転軸に最終的に固定する際の軸合わせ作業が容易になる。
また、潤滑や冷却のため、ベアリングを油などの液体に浸漬して使用することがあり、その他、液体の存在下でべありんぐを使用する場合がある。このような使用環境を試験に反映させるため、ハウジングの全周に渡って周壁を設置することにより、浸漬用液体を収容可能としている。更に、この周壁全体または一部を透明にしておくことにより、回転中のベアリングの様子を観察したり、また液体に浸漬しながら行う試験ではハウジング内の液体のせり上がりがないかどうかを観察することが容易になる。
また、このベアリング試験用治具はベアリング軸とハウジングの2つの要素に分かれているが、これらは直接結合する必要はなく、両者の結合はハウジング底部に収容された試験対象のベアリング経由としてよい。この構成を取れば、ベアリングのサイズ変更の際に下部のパーツ(ハウジング)の変更のみで済む。また、ベアリングを浸漬する液体を取り換える際にベアリング軸を簡単に外して作業できるので、交換後の液体が残留液で汚染されることを防止するためのハウジング周壁の同時交換作業やその他残留液除去作業も簡単に行うことができるようになる。
なお、以下の実施例ではベアリング試験用治具に収容するベアリングの転動体としてベアリングボールを使用したが、当然のこととして、本発明のベアリング試験用治具は転動体としてテーパ状、ローラー状等の別の形状のものを使用したベアリングを収容対象としてもよい。また、これも当然であるが、すべり軸受け、流体軸受け等の、転動体を使用しない構造のベアリングを収容対象とすることもできる。
また、実施例では試験対象のベアリングを収容したベアリング試験用治具を摩擦試験装置に接続して摩擦係数を測定したが、試験項目は摩擦係数に限定されるものではなく、またベアリングを回転させる試験装置であればどのような試験装置に接続してもよい。
本実施例においては、本発明のベアリング試験用治具の構造及びその使用の態様を説明するため、ベアリングボールにZnO低摩擦コーティングを施し、このベアリングボールを組み込んだベアリングを本発明の実施例のベアリング試験用治具に収容して摩擦試験装置に取り付け、摩擦試験を行った。
[ZnOコーティングの成膜]
ベアリングボールにZnOをコーティングするために使用した装置の概念図を図1に示す。ここでは金属ワイヤーのメッシュで構成された円筒形の籠中にZnOコーティング対象のベアリングボールを収容して回転させながらスパッタガンからZnOを供給することにより、ZnOをベアリングボール上にスパッタした。ZnOコーティング対象としては、市販品のアンギュラベアリングのベアリングボールを使用し、籠のメッシュサイズとベアリングボールの直径との比(メッシュサイズ:直径)の値を適切な範囲に調節することにより、高性能の低摩擦ベアリングを実現することができた。なお、ベアリングボールなどの転動体へのZnO低摩擦コーティングの詳細については、本願出願人が別途出願した特願2015−250043を参照されたい。
アンギュラベアリングには、GMN社製HY S6000(ベアリング内径:10mm、外形:26mm;詳細な寸法等の仕様は非特許文献1を参照)を用いた。このベアリングボールは、高温用のSiセラミックス製であり、直径は4.762mmであった。このベアリングボールを図1に示すようにメッシュの円筒形の籠に収容した。籠を構成するワイヤー直径は0.55mmφ、メッシュサイズ(2本のワイヤー間の距離)は、2.6mmとした。これにより、メッシュサイズ/直径は2.6mm/4.762mm×100=54.59...≒55%となった。ベアリングボールを収容した籠をゆっくりと回転させながら、マグネトロンスパッタ法を用いて厚さ300nmのZnO膜をボールの前面にむらなくコーティングすることができた。その成膜条件は、ターゲットとしてZnディスクを使用し、RF100W、スパッタガス:酸素・アルゴン混合(酸素分圧比60%、70%)、バイアスなし、サンプル加熱なしとし、スパッタガンとサンプルとの距離hを何通りか変化させて成膜を行なった。ここで、距離hは、スパッタガンのターゲット表面を含む平面上から籠の外側までの垂直距離とした。また、籠の中には積み重ならない量のボールを収容することで、スパッタガンとサンプルであるベアリングボールまでの距離にベアリングボール毎の違いが出ないようにした。
図2の右側に、このようにしてコーティングを施したベアリングボールの写真を示す。写真から容易に見て取れるように、ベアリングボール表面全体が完全な鏡面となっていて、一様かつ緻密なコーティングが施されている(図2では隠れて見えないベアリングボール裏面も全く同じく完全な鏡面となっていた)。これに対して、同図左側に示す失敗例では、その表面は鏡面ではなく光を乱反射しており、表面が一様になっていないことがわかる。また、その表面には目視ではっきりとわかる凹凸があり、コーティングが剥離したり裂け目が入っていることもわかる。なお、メッシュサイズと球の直径との比の値やそのほかの成膜条件を変化させてZnO膜のコーティングを行った際、鏡面状コーティング形成に失敗した場合には全て同図左側によく似た外観を呈した。
[ZnOコーティングを有するベアリングボールの評価(TEMによる観察、空気中及び油中での摩擦係数)]
上で作製したZnOコーティング付きのベアリングボールを組み込んだベアリングを、本発明のベアリング試験用治具を介して摩擦試験装置に取り付けて回転させることでその回転中の摩擦係数の時間変化を測定し、またその後にベアリングボールを取り出して断面TEM像を撮影するという性能評価を行った。この性能評価において、摩擦試験装置として新東科学株式会社製の広域荷重摩擦磨耗試験機TYPE:35を使用し、雰囲気は大気中(26℃、湿度54%)及び油中(灯油に非特許文献2に記載のタービンオイル(AeroShell Turbine Oil 500)を6%添加したもの)にて行なった。また、回転数は3000rpmとし、荷重は20kgWとした。
[ベアリング試験用治具及びその使用態様の説明]
実施例のベアリング試験用治具の概略図を図4に、また具体的な構造の図面を図5〜図9に示す。図4に概略を示すベアリング試験用治具の上部構成要素であるベアリング軸が上部回転・荷重ユニット(摩擦試験装置(図示せず))の主軸に結合されて、摩擦試験装置からの回転及び荷重を、治具の下部構成要素であるハウジング内に収容される試験対象のベアリングに伝達する。なお、図4でベアリングの上面部分だけが実線で描かれ、それより下側が破線となっているのは、ベアリングはハウジング中心部に設けられた凹部であるベアリング収容部内に固定されるようになっているために(詳細は後述)、その上面以外は目視できないからである。この治具を使用するに当たっては、治具を構成するハウジングの下部穴にベアリングを埋没させ、上からつめで固定する。なお、このつめは図中には明示せず、ボルト(図7中のベアリング固定ネジ)のみでベアリングを固定するように図示してあるが、実際にはボルトとの共締めでつめを固定し、そのつめでベアリングの外側のリング(外輪)を固定するように構成されている。なお、ベアリングの固定はベアリング固定ネジだけを使用して行うようにしてもよい。ベアリングと装置上部の回転ロッド(ベアリング軸)とは中心軸を合わせて固定可能な構造になっている。試験時の温度変化は熱電対にて測定できる。熱電対を設置するには、例えば上記つめによってベアリングのアウターリング上に熱電対を固定すればよい。また、ベアリング取り付けブロック(ハウジング)のうちのベアリング上面よりも上にある高さ40mmの薄壁の円筒部分は透明プラスチック円筒ケースで構成されており、透明プラスチックでできた円筒状部材と円筒状部材下端部のリング状パッキンとを、ハウジングの部分にねじ込むことでハウジングの基部に固定される。このようにハウジング上部が円筒状で、ハウジングとの接合部はリング状パッキンでシールされているので、その中に液体を収容可能であり、油で満たした中でベアリングを回転させる実験が可能である。更に、この円筒ケースは透明であるため、試験中の様子も目視により観察できる。
試験終了後にベアリング試験用治具からベアリングを取り外す必要がある。上述したように、ベアリング試験用治具側のベアリング軸とベアリングの回転部(内輪)の中心とがずれないようにするため、治具中のベアリング収容部とベアリングとの間のクリアランスは小さくなっている。更に、試験中に強い圧力を上から印加するため、試験終了後にはベアリングは、収容部に強く嵌まり込むことになる。従って、試験終了後にベアリングを手で引き抜くことは、通常は極めて困難である。そこで、このベアリング試験用治具においては、図6に示す構造を設けることで、ベアリングを容易に引き抜くことができるようにしている。
図6において、ベアリングの中心孔からベアリング抜きネジを差し込んで、ベアリング抜き治具の中央部にねじ込むと、ベアリング抜き治具が、その上に載っているベアリングと共にせり上がる。これにより、強固に嵌まり込んだベアリングを簡単に引き抜くことができる。
ベアリング試験用治具へのベアリングの装着から、ベアリング試験、最後にベアリング試験用治具からのベアリングの取り外しまでの手順をより具体的に説明すれば、以下の通りである。試験対象のベアリングをベアリング試験用治具中のベアリング収容部に装着する際、ベアリング抜き治具に形成した切欠き凹部とベアリング収納内部に形成した凸部との位置を合わせて、図5に示すようにハウジング中心にあるベアリング収納部の底に装着する。このように、両者の凹部と凸部とを位置合わせしてこれらが互いにはまり合うように装着することにより、ベアリング取り外し時に生じることがあるベアリング抜き治具の回転を抑制することが出来る。もちろん、これら凹凸は上に説明したものとは互いに逆の部材に設置してもよい。次いで、前もって、上端を摩擦試験装置本体の主軸に係合させて主軸に仮止めしてあったベアリング軸側治具(ベアリング軸)(図9)の下端をベアリングの内輪に差し込んで係合させる。また、この間に、ベアリング固定ネジやつめを使用した試験ベアリングの固定を上述した通りに行う。更に、ここにおいて、必要に応じて熱電対等の取り付けも行うことができる。
仮止めしてあったベアリング軸の上端と摩擦試験装置本体の主軸とを、この段階で図9に示すようにボルト(治具固定ネジ)で固定することにより、両者は完全に結合され、また芯出しも完了する。これにより、摩擦試装置本体からの回転力を、ベアリング軸を介してベアリングに確実に伝達できるようになる。ここで、図5及び図9に示すように、ベアリング軸の上部はテーパ状になっており、ベアリング軸と摩擦試験装置本体の主軸の中心軸を合わせやすい構造となっているため、本治具を使用することで、ベアリングとの中心軸を合わせてからベアリング軸を完全に固定できるので、特別な注意や熟練を要することなく、摩擦試験装置の主軸−ベアリング軸−ベアリングの心出しが確実に行われるという効果も得られる。
このようにしてベアリングを摩擦試験装置本体に確実に、かつ両者の回転の中心が正確に一致するように取り付けた後、ベアリングの試験が開始される。
ベアリングの試験が終了したら、先ず、治具固定ネジを取り外してからベアリング軸と主軸との係合を解除する。また、ベアリング軸とベアリングとの係合を解除するとともにベアリングの周囲をハウジングに固定しているベアリング固定ネジ及び熱電対固定ネジを外す。その後、ベアリング抜き治具の中心内壁に切られている雌ネジに係合するベアリング抜き雄ネジを、ベアリングの上から挿入して回転させる。これによってベアリング抜きネジが下向きに進行し、更にその先端がベアリング主要部の底に突き当たって下向きの力をそこに印加する。ベアリング抜き雄ネジを回転し続けることによって、前記ベアリング抜き治具は先に説明した凹部と凸部とのかみ合いによって回転せずに、ベアリングがベアリング抜き治具とともに収納部からせり上がる。このようにして、ベアリングを簡単にベアリング試験用治具から取り外すことができる。
[ベアリング試験用治具を使用した試験結果の例の説明]
上述のようにして測定した、油中におけるベアリングの摩擦係数の時間変化例を図10及び図11に示す。図10に示すように、未コーティングの場合に比べて、酸素分圧比60%、h=55mm及び65mmの条件でZnOコーティングを施したものは、摩擦係数が低減し、また摩擦係数の時間変動が小さいという意味で安定することがわかった (なお、やや見づらいが、図10中で一番下に位置する細線で縁取りされたグラフがh=65mmの場合を示す)。実験後のコーティングの断面TEM像を「After bearing test」と表記されている図12に示す。コーティング厚さは減少した。その他、酸素分圧比70%においても図11からわかるように、コーティングなしの場合に比べて摩擦係数の低下やその時間変化の減少(安定化)など、ZnOコーティングの効果が現れることを確認できた。
図13〜図15に示すように、大気中でも同様に摩擦低減効果が発現した。このように、ZnOコーティングを有する本実施例のベアリングボールは、油中、大気中共に、未コーティングのベアリングボールと比べて摩擦性能が飛躍的に向上することも確認できた。
以上説明したように、本発明によれば簡単な手順でベアリングをベアリング試験用治具に装着して、試験装置の回転軸に簡単かつ正確に接続でき、またベアリングの取り外しも容易になるため、産業上の利用が期待される。
1467109866493_0.html 1467109866493_1.pdf

Claims (6)

  1. 一端が試験装置の回転軸に接続でき、他端が試験対象のベアリングの内輪に接続されるベアリング軸と、
    前記ベアリングを取り付けるハウジング部と
    を設けたベアリング試験用治具。
  2. 前記ハウジング部は
    前記ベアリングを収容する凹部と、
    前記凹部の底に前記凹の中心軸に沿って移動可能に設置され、前記ベアリングの中心孔を貫通できるベアリング抜きネジと係合する雌ネジがその中心に切られているベアリング抜き治具と
    を有する、
    請求項1に記載のベアリング試験用治具。
  3. 前記ベアリング軸の、前記試験装置の回転軸に接続される端部がテーパ状に形成された、請求項1または2に記載のベアリング試験用治具。
  4. 前記ハウジング部の周囲全体に周壁を設けた、請求項1から3の何れかに記載のベアリング試験用治具。
  5. 前記周壁の少なくとも一部が透明である、請求項4に記載のベアリング試験用治具。
  6. 前記ベアリング軸と前記ハウジング部とは直接接触しない、請求項1から5の何れかに記載のベアリング試験用治具。
JP2016128221A 2016-06-28 2016-06-28 ベアリング試験用治具 Active JP6950913B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016128221A JP6950913B2 (ja) 2016-06-28 2016-06-28 ベアリング試験用治具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016128221A JP6950913B2 (ja) 2016-06-28 2016-06-28 ベアリング試験用治具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018004334A true JP2018004334A (ja) 2018-01-11
JP6950913B2 JP6950913B2 (ja) 2021-10-13

Family

ID=60946190

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016128221A Active JP6950913B2 (ja) 2016-06-28 2016-06-28 ベアリング試験用治具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6950913B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108051216A (zh) * 2018-02-06 2018-05-18 杭州轴承试验研究中心有限公司 一种外球面轴承抗溅性能试验机
CN108060405A (zh) * 2018-01-18 2018-05-22 上海应用技术大学 一种针对轴承滚动体进行涂层的柔性夹具
JP2021536020A (ja) * 2018-10-31 2021-12-23 天津大学 転がり軸受の等価摩擦係数の測定装置及び方法

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS54127043U (ja) * 1978-02-27 1979-09-04
JPH07324972A (ja) * 1994-04-06 1995-12-12 Nippon Seiko Kk 転がり軸受の振動測定装置
JPH08166017A (ja) * 1994-12-14 1996-06-25 Nippon Seiko Kk 転がり軸受用回転試験装置
JP2002214224A (ja) * 2001-01-22 2002-07-31 Idemitsu Kosan Co Ltd 潤滑油の軸受疲労寿命評価装置及び軸受疲労寿命評価方法
JP2004191146A (ja) * 2002-12-10 2004-07-08 Koyo Seiko Co Ltd 軸受検査装置
JP2009008443A (ja) * 2007-06-26 2009-01-15 Honda Motor Co Ltd ギヤノイズ及び振動検査装置
US20110228261A1 (en) * 2010-03-16 2011-09-22 Aktiebolaget Skf Method of Determining the Contact Angle of a Ball Bearing
JP2015215058A (ja) * 2014-05-12 2015-12-03 株式会社ショーワ 軸受構造体及び軸受取り外し方法

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS54127043U (ja) * 1978-02-27 1979-09-04
JPH07324972A (ja) * 1994-04-06 1995-12-12 Nippon Seiko Kk 転がり軸受の振動測定装置
JPH08166017A (ja) * 1994-12-14 1996-06-25 Nippon Seiko Kk 転がり軸受用回転試験装置
JP2002214224A (ja) * 2001-01-22 2002-07-31 Idemitsu Kosan Co Ltd 潤滑油の軸受疲労寿命評価装置及び軸受疲労寿命評価方法
JP2004191146A (ja) * 2002-12-10 2004-07-08 Koyo Seiko Co Ltd 軸受検査装置
JP2009008443A (ja) * 2007-06-26 2009-01-15 Honda Motor Co Ltd ギヤノイズ及び振動検査装置
US20110228261A1 (en) * 2010-03-16 2011-09-22 Aktiebolaget Skf Method of Determining the Contact Angle of a Ball Bearing
JP2015215058A (ja) * 2014-05-12 2015-12-03 株式会社ショーワ 軸受構造体及び軸受取り外し方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108060405A (zh) * 2018-01-18 2018-05-22 上海应用技术大学 一种针对轴承滚动体进行涂层的柔性夹具
CN108060405B (zh) * 2018-01-18 2024-04-16 上海应用技术大学 一种针对轴承滚动体进行涂层的柔性夹具
CN108051216A (zh) * 2018-02-06 2018-05-18 杭州轴承试验研究中心有限公司 一种外球面轴承抗溅性能试验机
CN108051216B (zh) * 2018-02-06 2024-03-26 杭州轴承试验研究中心有限公司 一种外球面轴承抗溅性能试验机
JP2021536020A (ja) * 2018-10-31 2021-12-23 天津大学 転がり軸受の等価摩擦係数の測定装置及び方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6950913B2 (ja) 2021-10-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2018004334A (ja) ベアリング試験用治具
US9163668B2 (en) Multi-piece locating pin for turbocharger bearing
US8064166B2 (en) Hydrodynamic bearing device, spindle motor, and recording and reproducing apparatus
FR2736092A1 (fr) Commande manuelle debrayable pour l'entrainement du rotor d'une turbomachine
US20220050046A1 (en) Device for measuring friction coefficient under the condition of material periodic deformation
FR3068078A1 (fr) Dispositif et procede pour l'assemblage d'une turbomachine
US8830078B2 (en) Method of manufacturing bearing device component coated with photoluminescence material, bearing device component and processing device
US10393167B2 (en) Self-locking plug assembly
JP2002214224A (ja) 潤滑油の軸受疲労寿命評価装置及び軸受疲労寿命評価方法
KR0178865B1 (ko) 진공 및 특수 환경 분위기에서 사용하기 위한 구름 마찰 및 마모 시험 장치
JP6607582B2 (ja) 回転体へのZnOコーティング方法並びにZnOコーティングを有する回転体及びそれを組み込んだベアリング
US4856233A (en) Method for sampling a workpiece
CA2672375C (en) Method for testing a bearing component by means of ultrasound and optical inspection
CN217359003U (zh) 一种适用于自润滑轴承的性能测试装置
Gangwar et al. Ultra-Long Life Oil-Free Supercharger for Fuel Cell and Hybrid Vehicle Power Trains
Subramonian et al. Development of a high-speed cryogenic tribometer: Design concept and experimental results
Wilson et al. Evaluation of ball bearing separator materials operating submerged in liquid nitrogen
JP2016188692A (ja) 潤滑油掻き上げ装置及び歯車装置
US20120006037A1 (en) Clamping assembly
FR3112364A1 (fr) Témoin d’usure pour une turbomachine, turbomachine équipée d’un tel témoin d’usure, et procédé de mesure d’un jeu entre la périphérie externe d’une roue aubagée et un revêtement abradable dans une telle turbomachine
Otsu et al. Effect of surrounding gas on cavitation in EHL
FR3125565A1 (fr) Rotule à bague extérieure emboutie
CN208847435U (zh) 一种油雾分离器用涨圈弹力测量装置
US20220373429A1 (en) Evaluation test method for flaking caused by hydrogen embrittlement in rolling bearing
JP2007140137A (ja) 位置決め装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190401

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200318

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200508

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200629

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20201104

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210127

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20210127

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20210204

C21 Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21

Effective date: 20210209

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20210326

C211 Notice of termination of reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C211

Effective date: 20210330

C22 Notice of designation (change) of administrative judge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22

Effective date: 20210413

C13 Notice of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C13

Effective date: 20210622

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210720

C22 Notice of designation (change) of administrative judge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22

Effective date: 20210803

C23 Notice of termination of proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C23

Effective date: 20210817

C03 Trial/appeal decision taken

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C03

Effective date: 20210914

C30A Notification sent

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C3012

Effective date: 20210914

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210915

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6950913

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150