<第1実施形態>
従来のサーボバルブに関して、ノズルに形成された吐出口及びレシーバに形成された流入口はともに円形である。本発明者等は、この吐出口や流入口(以下、「孔部」ともいう。)の形状が非円形状に変更されるならば、短いノズルストローク(ノズルの移動量)の下で、吐出口と流入口との重畳面積が孔部が円形の場合に比べて急激に増加し、その結果、必要とする流量を早期に確保できるようになるので、サーボバルブ及びサーボバルブによって駆動されるアクチュエータが応答性よく動作することができることを見出した。第1実施形態において、非円形の孔部を用いて、高い応答性能を達成することができる例示的なサーボバルブが説明される。
図1は、第1実施形態のサーボバルブ100の概念図である。図1を参照して、サーボバルブ100が説明される。本実施形態において、「上」、「下」、「左」、「右」、「時計回り」、「反時計回り」、「鉛直」や「水平」といった方向を表す用語は、説明の明瞭化のみを目的として用いられる。本実施形態の原理は、これらの方向を表す用語によっては何ら限定されない。
サーボバルブ100は、ノズル200と、レシーバ300と、駆動部400と、を備える。駆動部400は、ノズル200の上部に規定された回転軸RAX周りに予め定められた所定角度の範囲内で双方向(時計回り及び反時計回り)にノズル200の先端を旋回(揺動)運動(以下、「揺振運動」または「揺振」ともいう。)させる。駆動部400は、電磁力を用いて、ノズル200に回転力(旋回力)を与える一般的なトルクモータであってもよいし、他の駆動装置であってもよい。本実施形態の原理は、駆動部400として用いられる特定の装置に限定されない。
ノズル200は、上面210と下面220とを含む。下面220は、レシーバ300に対向する。上面210は、下面220の上方に位置する。上面210には、流入口211が形成される。流入口211は、ポンプや作動流体を供給する他の流体供給源に接続される。作動流体(たとえば、作動油が挙げられるが、これに限られない。以下、単に「流体」ともいう。)は、流入口211を通じて、ノズル200に流入する。
下面220(先端面)には、吐出口221が形成される。ノズル200には、流入口211から下方に延び吐出口221に繋がるノズル流路230が形成される。ノズル流路230は、吐出口221に向けて狭まる。流入口211からノズル200に流入した作動流体は、ノズル流路230に沿って流下し、吐出口221から吐出される。その後、作動流体は、レシーバ300に流入する。
レシーバ300は、ノズル200の下面220に対向する上面(対向面)310を含む。上面310には、左流入口311及び右流入口312が形成される。左流入口311及び右流入口312それぞれは、吐出口221よりも大きく形成される。レシーバ300には、左流路313及び右流路314が形成される。左流路313は、左流入口311から左下方に延び、左流出口315で終端する。右流路314は、右流入口312から右下方に延び、右流出口316で終端する。左流出口315及び右流出口316は、レシーバ300の外面に形成され、スプールバルブ(図示せず)やアクチュエータ(図示せず)に連結される。
ノズル流路230の中心軸(流入口211の中心と吐出口221の中心とを結ぶ軸線)が、鉛直軸に一致するときのノズル200の位置は、「初期位置」と称される。ノズル200が初期位置にあるとき、吐出口221から吐出された作動流体は、左流入口311と右流入口312とに略均等に流入する。本実施形態において、第1流入口は、左流入口311及び右流入口312のうち一方によって例示される。第2流入口は、左流入口311及び右流入口312のうち他方によって例示される。
ノズル200が、駆動部400によって、初期位置から時計回りに揺振されると、吐出口221は、左方に移動する。このとき、吐出口221と左流入口311との間の重畳面積は増加する一方で、吐出口221と右流入口312との間の重畳面積は低減する。この結果、作動流体は、左流入口311に主に流入する。左流入口311に流入した作動流体は、左流出口315から流出し、スプールバルブやアクチュエータを駆動する。この間、スプールバルブやアクチュエータは、これらの内部に収容されていた作動流体を押し出す。スプールバルブやアクチュエータによって押し出された作動流体は、右流出口316から右流路314に流入する。右流路314に流入した作動流体は、その後、右流入口312から、ノズル200の下面220とレシーバ300の上面310との間の間隙に流出する。ノズル200の下面220とレシーバ300の上面310との間の間隙に流出した作動流体は、所定の貯留タンクに戻されてもよい。
ノズル200が、駆動部400によって、初期位置から反時計回りに揺振されると、吐出口221は、右方に移動する。このとき、吐出口221と右流入口312との間の重畳面積は増加する一方で、吐出口221と左流入口311との間の重畳面積は低減する。この結果、作動流体は、右流入口312に主に流入する。右流入口312に流入した作動流体は、右流出口316から流出し、スプールバルブやアクチュエータを駆動する。この間、スプールバルブやアクチュエータは、これらの内部に収容されていた作動流体を押し出す。スプールバルブやアクチュエータによって押し出された作動流体は、左流出口315から左流路313に流入する。左流路313に流入した作動流体は、その後、左流入口311から、ノズル200の下面220とレシーバ300の上面310との間の間隙に流出する。ノズル200の下面220とレシーバ300の上面310との間の間隙に流出した作動流体は、所定の貯留タンクに戻されてもよい。本実施形態において、第1方向は、左方及び右方のうち一方によって例示される。
既知のサーボバルブに用いられている様々な技術が、作動流体の供給、循環及び貯留に適用されてもよい。本実施形態の原理は、作動流体に関する特定の処理に限定されない。
吐出口221は、非円形の孔部であってもよい。この場合、左流入口311及び右流入口312は、円形の孔部であってもよいし、非円形の孔部であってもよい。吐出口221は、円形の孔部であってもよい。この場合、左流入口311及び右流入口312のうち少なくとも一方は、非円形の孔部である。
図2は、吐出口221の例示的な形状を表す。図1及び図2を参照して、吐出口221の形状が説明される。
図2のセクション(a)は、従来のノズルの吐出口DH1を示す。図2のセクション(b)乃至セクション(d)は、図1を参照して説明された吐出口221として利用可能な吐出口DH2,DH3,DH4をそれぞれ示す。
吐出口DH1は、円形である。吐出口DH1は、面積S0を有する。図2のセクション(a)は、吐出口DH1の直径を記号「DM」で表す。本実施形態において、仮想円の直径は、直径DMによって例示される。
吐出口DH2は、矩形である。吐出口DH1と同様に、吐出口DH2は、面積S0を有する。図2のセクション(b)は、吐出口DH2の幅を記号「W1」で表す。吐出口DH2の幅W1は、吐出口221の移動方向における吐出口DH2の寸法として定義されてもよいし、吐出口DH2の短辺の長さとして定義されてもよい。図2のセクション(b)に示される如く、吐出口DH2の幅W1は、吐出口DH1の直径DMよりも小さい。
吐出口DH3は、楕円形である。吐出口DH1と同様に、吐出口DH3は、面積S0を有する。図2のセクション(c)は、吐出口DH3の幅を記号「W2」で表す。吐出口DH3の幅W2は、吐出口221の移動方向における吐出口DH3の寸法として定義されてもよいし、吐出口DH3の短軸の長さとして定義されてもよい。図2のセクション(c)に示される如く、吐出口DH3の幅W2は、吐出口DH1の直径DMよりも小さい。
吐出口DH4は、2つの半弧と2つの線分から形成される長円形である。2つの線分それぞれは、吐出口221の移動方向に対して直角の方向に延びる。2つの線分は、吐出口221の移動方向に並んでいる。2つの半弧は、2つの線分の端部をそれぞれ結ぶ。吐出口DH1と同様に、吐出口DH4は、面積S0を有する。図2のセクション(d)は、吐出口DH4の幅を記号「W3」で表す。吐出口DH4の幅W3は、吐出口221の移動方向における吐出口DH4の寸法として定義されてもよいし、吐出口DH3の線分間の間隔として定義されてもよい。図2のセクション(d)に示される如く、吐出口DH4の幅W3は、吐出口DH1の直径DMよりも小さい。
図2のセクション(b)乃至セクション(d)は、吐出口221の移動方向と初期位置にある吐出口221から吐出される作動流体の吐出方向とに直交する方向として定義される長さ方向における吐出口DH2,DH3,DH4の寸法「L1」,「L2」,「L3」をそれぞれ示す。上述の如く、吐出口DH2,DH3,DH4それぞれの面積は、吐出口DH1に等しい一方で、吐出口DH2,DH3,DH4の幅W1,W2,W3それぞれは、吐出口DH1の直径DMよりも小さい。したがって、吐出口DH2,DH3,DH4の長さ寸法L1,L2,L3それぞれは、吐出口DH1の直径DMよりも大きい。本実施形態において、第2方向は、長さ方向によって例示される。
吐出口DH2,DH3,DH4それぞれは、長さ方向に延びる軸について線対称な形状を有する。長さ方向に延びる軸について線対称な形状が、吐出口221の形状として選択されるならば、ノズル200が初期位置にあるとき、作動流体は、左流入口311及び右流入口312に略均等に流入することができる。
図3は、左流入口311及び右流入口312の例示的な形状を表す。図1及び図3を参照して、左流入口311及び右流入口312の形状が説明される。
図3のセクション(a)は、従来のレシーバの左流入口IL1及び右流入口IR1を示す。図3のセクション(b)乃至セクション(e)は、図1を参照して説明された左流入口311として利用可能な左流入口IL2,IL3,IL4,IL5及び右流入口312として利用可能な右流入口IR2,IR3,IR4,IR5をそれぞれ示す。
左流入口IL1及び右流入口IR1それぞれは、円形である。左流入口IL1及び右流入口IR1それぞれは、面積S0を有する。図3のセクション(a)は、左流入口IL1及び右流入口IR1それぞれの直径を記号「DM」で表す。本実施形態において、仮想円の直径は、直径DMによって例示される。
左流入口IL2及び右流入口IR2それぞれは、矩形である。左流入口IL1と同様に、左流入口IL2は、面積S0を有する。右流入口IR1と同様に、右流入口IR2は、面積S0を有する。図3のセクション(b)は、左流入口IL2及び右流入口IR2それぞれの幅を記号「W1」で表す。左流入口IL2及び右流入口IR2それぞれの幅W1は、吐出口221の移動方向における左流入口IL2及び右流入口IR2それぞれの寸法として定義されてもよいし、左流入口IL2及び右流入口IR2それぞれの短辺の長さとして定義されてもよい。図3のセクション(b)に示される如く、左流入口IL2及び右流入口IR2それぞれの幅W1は、左流入口IL1及び右流入口IR1それぞれの直径DMよりも小さい。
左流入口IL3及び右流入口IR3それぞれは、楕円形である。左流入口IL1と同様に、左流入口IL3は、面積S0を有する。左流入口IL1と同様に、右流入口IR3は、面積S0を有する。図3のセクション(c)は、左流入口IL3及び右流入口IR3それぞれの幅を記号「W2」で表す。左流入口IL3及び右流入口IR3それぞれの幅W2は、吐出口221の移動方向における左流入口IL3及び右流入口IR3それぞれの寸法として定義されてもよいし、左流入口IL3及び右流入口IR3それぞれの短軸の長さとして定義されてもよい。図3のセクション(c)に示される如く、左流入口IL3及び右流入口IR3それぞれの幅W2は、左流入口IL1及び右流入口IR1それぞれの直径DMよりも小さい。
左流入口IL4及び右流入口IR4それぞれは、2つの半弧と2つの線分から形成される長円形である。2つの線分それぞれは、吐出口221の移動方向に対して直角の方向に延びる。2つの線分は、吐出口221の移動方向に並んでいる。2つの半弧は、2つの線分の端部をそれぞれ結ぶ。左流入口IL1と同様に、左流入口IL4は、面積S0を有する。右流入口IR1と同様に、右流入口IR4は、面積S0を有する。図3のセクション(d)は、左流入口IL4及び右流入口IR4それぞれの幅を記号「W3」で表す。左流入口IL4及び右流入口IR4それぞれの幅W3は、吐出口221の移動方向における左流入口IL4及び右流入口IR4それぞれの寸法として定義されてもよいし、左流入口IL4及び右流入口IR4それぞれの線分間の間隔として定義されてもよい。図3のセクション(d)に示される如く、左流入口IL4及び右流入口IR4それぞれの幅W3は、吐出口DH1の直径DMよりも小さい。
左流入口IL5及び右流入口IR5それぞれは、三角形である。左流入口IL1と同様に、左流入口IL5は、面積S0を有する。右流入口IR1と同様に、右流入口IR5は、面積S0を有する。図3のセクション(e)は、左流入口IL5及び右流入口IR5それぞれの幅を記号「W4」で表す。左流入口IL5及び右流入口IR5それぞれの幅W4は、吐出口221の移動方向における左流入口IL5及び右流入口IR5それぞれの寸法として定義されてもよい。図3のセクション(d)に示される如く、左流入口IL5及び右流入口IR5それぞれの幅W4は、左流入口IL1及び右流入口IR1それぞれの直径DMよりも小さい。
図3のセクション(b)は、長さ方向における左流入口IL2及び右流入口IR2それぞれの寸法「L1」を示す。図3のセクション(c)は、長さ方向における左流入口IL3及び右流入口IR3それぞれの寸法「L2」を示す。図3のセクション(d)は、長さ方向における左流入口IL4及び右流入口IR4それぞれの寸法「L3」を示す。図3のセクション(e)は、長さ方向における左流入口IL5及び右流入口IR5それぞれの寸法「L4」を示す。上述の如く、左流入口IL2,IL3,IL4,IL5及び右流入口IR2,IR3,IR4,IR5それぞれの面積は、左流入口IL1及び右流入口IR1にそれぞれ等しい一方で、左流入口IL2,IL3,IL4,IL5及び右流入口IR2,IR3,IR4,IR5の幅W1,W2,W3,W4それぞれは、左流入口IL1及び右流入口IR1の直径DMよりも小さい。したがって、左流入口IL2,IL3,IL4,IL5及び右流入口IR2,IR3,IR4,IR5の長さ寸法L1,L2,L3,L4それぞれは、左流入口IL1及び右流入口IR1の直径DMよりも大きい。
図3のセクション(b)乃至セクション(e)は、点Pを示す。点Pは、初期位置にあるノズル200の吐出口221の中心を通過し、初期位置にあるノズル200の吐出口221から吐出される作動流体の吐出方向に延びる延長線上に位置する。図3のセクション(b)に示される点Pは、左流入口IL2の中心と右流入口IR2の中心とを結ぶ線分の中点に位置する。左流入口IL2は、点Pを通過し、長さ方向に延びる直線と、初期位置にあるノズル200の吐出口221から吐出される作動流体の吐出方向に延びる延長線と、を包摂する仮想平面(図示せず)について、右流入口IR2と鏡像関係にある。図3のセクション(c)に示される点Pは、左流入口IL3の中心と右流入口IR3の中心とを結ぶ線分の中点に位置する。左流入口IL3は、点Pを通過し、長さ方向に延びる直線と、初期位置にあるノズル200の吐出口221から吐出される作動流体の吐出方向に延びる延長線と、を包摂する仮想平面(図示せず)について、右流入口IR3と鏡像関係にある。図3のセクション(d)に示される点Pは、左流入口IL4の中心と右流入口IR4の中心とを結ぶ線分の中点に位置する。左流入口IL4は、点Pを通過し、長さ方向に延びる直線と、初期位置にあるノズル200の吐出口221から吐出される作動流体の吐出方向に延びる延長線と、を包摂する仮想平面(図示せず)について、右流入口IR4と鏡像関係にある。図3のセクション(e)に示される点Pは、左流入口IL5の中心と右流入口IR5の中心とを結ぶ線分の中点に位置する。左流入口IL5は、点Pを通過し、長さ方向に延びる直線と、初期位置にあるノズル200の吐出口221から吐出される作動流体の吐出方向に延びる延長線と、を包摂する仮想平面(図示せず)について、右流入口IR5と鏡像関係にある。
<第2実施形態>
吐出口と流入口との重畳面積が、ノズルの移動に応じて大きく変化するならば、サーボバルブは、高い応答性能を有することができる。第2実施形態において、吐出口と流入口との間の例示的な関係が説明される。
図4は、吐出口221、左流入口311及び右流入口312の間の例示的な関係を示す概念図である。図1乃至図4を参照して、吐出口221の形状が説明される。
図4のセクション(a)は、従来のノズルの吐出口NH1、左流入口LH1及び右流入口RH1を示す。図4のセクション(b)は、図1を参照して説明された吐出口221として利用可能な吐出口NH2、図1を参照して説明された左流入口311として利用可能な左流入口LH2及び図1を参照して説明された右流入口312として利用可能な右流入口RH2を示す。図4のセクション(c)は、図1を参照して説明された吐出口221として利用可能な吐出口NH3、図1を参照して説明された左流入口311として利用可能な左流入口LH3及び図1を参照して説明された右流入口312として利用可能な右流入口RH3を示す。
図4のセクション(a)は、左流入口LH1及び右流入口RH1それぞれの面積を記号「S1」で表す。図4のセクション(a)は、吐出口NH1の面積を記号「S2」で表す。面積S1は、面積S2よりも大きい。面積S1及び面積S2のうち一方は、図2及び図3を参照して説明された面積S0に相当する。
左流入口LH1と同様に、図4のセクション(b)に示される左流入口LH2は、面積S1を有する。右流入口RH1と同様に、図4のセクション(b)に示される右流入口RH2は、面積S1を有する。吐出口NH1と同様に、図4のセクション(b)に示される吐出口NH2は、面積S2を有する。
左流入口LH1と同様に、図4のセクション(c)に示される左流入口LH3は、面積S1を有する。右流入口RH1と同様に、図4のセクション(c)に示される右流入口RH3は、面積S1を有する。吐出口NH1と同様に、図4のセクション(c)に示される吐出口NH3は、面積S2を有する。
図4のセクション(a)に示される吐出口NH1は、左流入口LH1及び右流入口RH1それぞれに部分的に重なる。図4のセクション(a)は、吐出口NH1と左流入口LH1との間の重畳面積を記号「OL1」で表す。図4のセクション(a)は、吐出口NH1と右流入口RH1との間の重畳面積を記号「OR1」で表す。吐出口NH1が左方に移動すると、重畳面積OL1は増加する一方で、重畳面積OR1は低減する。吐出口NH1が右方に移動すると、重畳面積OR1は増加する一方で、重畳面積OL1は低減する。重畳面積OL1が、重畳面積OR1と等しいとき、ノズル200は、初期位置にある。
図4のセクション(b)に示される吐出口NH2は、左流入口LH2及び右流入口RH2それぞれに部分的に重なる。左流入口LH2と吐出口NH2との間の相対的な位置関係は、吐出口NH2と左流入口LH2との間の重畳面積が、重畳面積OL1に一致するように設定されている。右流入口RH2と吐出口NH2との間の相対的な位置関係は、吐出口NH2と右流入口RH2との間の重畳面積が、重畳面積OR1に一致するように設定されている。吐出口NH2が左方に移動すると、重畳面積OL1は増加する一方で、重畳面積OR1は低減する。吐出口NH2が右方に移動すると、重畳面積OR1は増加する一方で、重畳面積OL1は低減する。本実施形態において、初期位置は、図4のセクション(b)に示される位置関係を成立させるノズル200の位置によって例示されてもよい。
図4のセクション(c)に示される吐出口NH3は、左流入口LH3及び右流入口RH3それぞれに部分的に重なる。左流入口LH3と吐出口NH3との間の相対的な位置関係は、吐出口NH3と左流入口LH3との間の重畳面積が、重畳面積OL1に一致するように設定されている。右流入口RH3と吐出口NH3との間の相対的な位置関係は、吐出口NH3と右流入口RH3との間の重畳面積が、重畳面積OR1に一致するように設定されている。吐出口NH3が左方に移動すると、重畳面積OL1は増加する一方で、重畳面積OR1は低減する。吐出口NH3が右方に移動すると、重畳面積OR1は増加する一方で、重畳面積OL1は低減する。本実施形態において、初期位置は、図4のセクション(c)に示される位置関係を成立させるノズル200の位置によって例示されてもよい。
図4のセクション(a)に示される左流入口LH1及び右流入口RH1それぞれは、半径R1を有する円形である。図4のセクション(a)に示される吐出口NH1は、半径R1より小さな半径R2を有する円形である。したがって、吐出口NH1内における左流入口LH1及び右流入口RH1それぞれの輪郭線の曲率は、「1/R1」である。左流入口LH1又は右流入口RH1内における吐出口NH1の輪郭線の曲率は、「1/R2」である。本実施形態において、仮想円は、吐出口NH1、左流入口LH1及び右流入口RH1それぞれの円形状によって例示される。
図4のセクション(b)に示される吐出口NH2、左流入口LH2及び右流入口RH2は、長さ方向に長い矩形状である。吐出口NH2、左流入口LH2及び右流入口RH2の中心は、吐出口NH2の移動方向に整列している。左流入口LH2及び右流入口RH2それぞれの一対の短辺(吐出口NH2の移動方向に延びる辺)の間隔は、吐出口NH2の一対の短辺(吐出口NH2の移動方向に延びる辺)の間隔よりも広い。したがって、左流入口LH2及び右流入口RH2それぞれの長辺の一部が、吐出口NH2内に包摂される。吐出口NH2の一対の長辺(吐出口NH2の移動方向に対して直角の方向に延びる辺)は、左流入口LH2及び右流入口RH2に全体的に包摂される。これらの長辺の曲率は、ゼロであるので、図4のセクション(a)を参照して説明された曲率「1/R1」,「1/R2」よりも小さい。
図4のセクション(c)に示される吐出口NH3は、長さ方向に長い楕円形状である一方で、左流入口LH3及び右流入口RH3それぞれは、長さ方向に長い矩形状である。吐出口NH3、左流入口LH3及び右流入口RH3の中心は、吐出口NH3の移動方向に整列している。図4のセクション(c)に示される如く、左流入口LH3及び右流入口RH3それぞれの一対の短辺(吐出口NH3の移動方向に延びる辺)の間隔は、吐出口NH3の長軸寸法よりも広い。したがって、左流入口LH3及び右流入口RH3それぞれの長辺の一部が、吐出口NH3内に包摂される。これらの長辺の曲率は、ゼロであるので、図4のセクション(a)を参照して説明された曲率「1/R1」,「1/R2」よりも小さい。吐出口NH3の小さな曲率(<1/R2)を有する輪郭線が、左流入口LH3及び右流入口RH3それぞれの内部に位置する一方で、吐出口NH3の大きな曲率(>1/R2)を有する輪郭線は、左流入口LH3と右流入口RH3との間に位置する。
図5は、重畳面積の変化を表す概念図である。図1、図4及び図5を参照して、重畳面積の変化が説明される。
図5のセクション(a)は、吐出口NH1が左方へ変位したときにおける吐出口NH1と左流入口LH1との間の重畳面積の変化を表す。図5のセクション(a)において点線で表された吐出口NH1は、図4のセクション(a)に関連して説明された吐出口NH1の位置に相当する。図5のセクション(a)に示されるハッチング領域は、吐出口NH1と左流入口LH1との間の重畳面積の増分を表す。吐出口NH1が左方へ変位したときにおける重畳面積の増分は、記号「ΔOL1」で表される。
図5のセクション(b)は、吐出口NH2が左方へ変位したときにおける吐出口NH2と左流入口LH2との間の重畳面積の変化を表す。図5のセクション(b)において点線で表された吐出口NH2は、図4のセクション(b)に関連して説明された吐出口NH2の位置に相当する。吐出口NH2の左方への移動量は、吐出口NH1の左方への移動量に等しい。図5のセクション(b)に示されるハッチング領域は、吐出口NH2と左流入口LH2との間の重畳面積の増分を表す。吐出口NH2が左方へ変位したときにおける重畳面積の増分は、記号「ΔOL2」で表される。図5のセクション(b)に示される重畳面積の増分ΔOL2は、図5のセクション(a)に示される重畳面積の増分ΔOL1よりも大きい。このことは、図5のセクション(b)に示される形状関係が採用されるならば、ノズル200の短いストロークの下で、左流入口311及び右流入口312への流入量が大きく変化されることを意味する。すなわち、サーボバルブ100は、高い応答性能を有することができる。
図5のセクション(c)は、吐出口NH3が左方へ変位したときにおける吐出口NH3と左流入口LH3との間の重畳面積の変化を表す。図5のセクション(c)において点線で表された吐出口NH3は、図4のセクション(c)に関連して説明された吐出口NH3の位置に相当する。吐出口NH3の左方への移動量は、吐出口NH1の左方への移動量に等しい。図5のセクション(c)に示されるハッチング領域は、吐出口NH3と左流入口LH3との間の重畳面積の増分を表す。吐出口NH3が左方へ変位したときにおける重畳面積の増分は、記号「ΔOL3」で表される。図5のセクション(c)に示される重畳面積の増分ΔOL3は、図5のセクション(a)に示される重畳面積の増分ΔOL1よりも大きい。このことは、図5のセクション(c)に示される形状関係が採用されるならば、ノズル200の短いストロークの下で、左流入口311及び右流入口312への流入量が大きく変化されることを意味する。すなわち、サーボバルブ100は、高い応答性能を有することができる。
<第3実施形態>
流入口が、吐出口よりも十分に大きいならば、吐出口から吐出された作動流体は、流入口に効率的に流入することができる。第3実施形態において、流入口の大きさに関する例示的な設定技術が説明される。
図6は、外接円CSC内に描かれた矩形状の吐出口NH2を示す。図1、図4及び図6を参照して、左流入口LH2及び右流入口RH2の大きさの例示的な設定方法が説明される。
図6は、外接円CSCの面積を記号「S3」で表す。左流入口LH2及び右流入口RH2それぞれの面積S1は、外接円CSCの面積S3よりも大きな値に設定されてもよい。この場合、吐出口NH2が最も左方に移動したときに、左流入口LH2が、左流入口LH2と吐出口NH2との間の重畳領域全体を取り囲むように、設計者は、左流入口LH2の形状及び大きさを定めることができる。同様に、吐出口NH2が最も右方に移動したときに、右流入口RH2が、右流入口RH2と吐出口NH2との間の重畳領域全体を取り囲むように、設計者は、右流入口RH2の形状及び大きさを定めることができる。
吐出口NH2が最も左方に移動したときに、左流入口LH2が、左流入口LH2と吐出口NH2との間の重畳領域全体を取り囲むならば、吐出口NH2(すなわち、図1の吐出口221)から吐出された作動流体は、レシーバ300(図1を参照)の上面310(図1を参照)によって弾かれることなく、左流入口へ流入することができる。したがって、作動流体は、レシーバ300へ効率的に供給される。
吐出口NH2が最も右方に移動したときに、右流入口RH2が、右流入口RH2と吐出口NH2との間の重畳領域全体を取り囲むならば、吐出口NH2(すなわち、図1の吐出口221)から吐出された作動流体は、レシーバ300(図1を参照)の上面310(図1を参照)によって弾かれることなく、右流入口312(図1を参照)へ流入することができる。したがって、作動流体は、レシーバ300へ効率的に供給される。
<第4実施形態>
第1実施形態に関連して説明された如く、レシーバには2つの流入口が形成される。作動流体が、2つの流入口のうち一方に流入している間、作動流体は、2つの流入口のうち他方から排出される。流入口が過度に大きいならば、2つの流入口のうち他方からの作動流体の排出負荷は著しく低減される。この結果、アクチュエータは、十分な圧力を受けることができないこともある。第4実施形態において、流入口の大きさに関する他の設定技術が説明される。
第3実施形態とは異なり、左流入口LH2(図4を参照)及び右流入口RH2(図4を参照)それぞれの面積S1(図4を参照)は、外接円CSC(図6を参照)の面積S3(図6を参照)よりも小さい値に設定されてもよい。この場合、面積S1,S2,S3の間には、以下の不等式で表される関係が成立する。
上記の不等式によって表される関係の下で、左流入口LH2及び右流入口RH2の大きさ及び形状が設定されるならば、設計者は、左流入口LH2及び右流入口RH2を過度に大きくすることなく、左流入口LH2及び右流入口RH2の形状を定めることができる。この場合、アクチュエータ(図示せず)は、十分に高い圧力を受けることができる。
<第5実施形態>
吐出口及び流入口の非円形状は、上述の実施形態に関連して説明された如く、吐出口と流入口との間の重畳面積、流入口への作動流体の流入のしやすさやアクチュエータに与えることができる圧力といった様々な条件を考慮して決定することができる。加えて、サーボバルブを設計する設計者は、吐出口から吐出される作動流体の圧力分布を考慮して、吐出口及び流入口の非円形状を決定してもよい。吐出口から吐出される作動流体の圧力分布は、吐出口の中心にピークを有するガウス分布に近似している。圧力分布のピークが、ノズルの移動開始直後に流入口に重なるならば、サーボバルブは、高い応答性を達成することができる。第5実施形態において、吐出口から吐出される作動流体の圧力分布を考慮した非円形状の決定手法が説明される。
図7は、吐出口及び流入口の輪郭形状が描かれた座標平面である。図1及び図7を参照して、吐出口から吐出される作動流体の圧力分布を考慮した非円形状の決定手法が説明される。
図7は、矩形状の吐出口NH4と、台形状の左流入口LH4と、台形状の右流入口RH4と、を示す。吐出口NH4の形状は、図1を参照して説明された吐出口221に適用可能である。左流入口LH4の形状は、図1を参照して説明された左流入口311に適用可能である。右流入口RH4の形状は、図1を参照して説明された右流入口312に適用可能である。
図7に示される吐出口NH4の位置は、初期位置にあるノズル200(図1を参照)に対応している。吐出口NH4は、y軸上に描かれている。吐出口NH4の中心C1は、y軸上に位置する。吐出口NH4から吐出される作動流体の圧力分布のピークは、中心C1に位置する。
左流入口LH4は、図7に示される座標の第2象限に描かれている。右流入口RH4は、図7に示される座標の第1象限に描かれている。左流入口LH4は、y軸について、右流入口RH4と線対称である。すなわち、左流入口LH4は、右流入口RH4と形状及び大きさにおいて一致する。左流入口LH4は、中心C2を有する。右流入口RH4は、中心C3を有する。中心C1,C2,C3は、x軸に平行な直線上に並ぶ。x軸の延設方向は、ノズル200の移動方向に一致する。吐出口NH4は、左流入口LH4及び右流入口RH4それぞれに部分的に重なる。左流入口LH4及び右流入口RH4それぞれの面積は、吐出口NH4の面積よりも大きい。本実施形態において、第1流入口は、左流入口LH4及び右流入口RH4のうち一方によって例示される。第2流入口は、左流入口LH4及び右流入口RH4のうち他方によって例示される。
図7は、仮想円VC1と、仮想円VC1の中心C4と、を示す。仮想円VC1は、y軸上に描かれている。中心C4は、y軸上に位置する。仮想円VC1の面積は、吐出口NH4の面積に等しい。本実施形態において、小仮想円は、仮想円VC1によって例示される。
図7は、仮想円VC2と、仮想円VC2の中心C5と、を示す。仮想円VC2は、第3象限に描かれる。仮想円VC2の中心C5のx座標値は、左流入口LH4の中心C2に一致する。仮想円VC2の面積は、左流入口LH4の面積に等しい。
図7は、仮想円VC3と、仮想円VC3の中心C6と、を示す。仮想円VC3は、第4象限に描かれる。仮想円VC3の中心C6のx座標値は、右流入口RH4の中心C3に一致する。仮想円VC3の面積は、右流入口RH4の面積に等しい。仮想円VC3は、y軸について、仮想円VC2と線対称である。中心C4,C5,C6は、x軸に平行な直線上に並ぶ。本実施形態において、大仮想円は、仮想円VC2,VC3のうち一方によって例示される。
左流入口LH4の輪郭は、吐出口NH4に部分的に重なる線分LSLを含む。線分LSLは、y軸に平行である。図7は、線分LSLのx座標値を、記号「−x1」で表す。座標値「−x1」は、初期位置にあるノズル200の吐出口221の中心から作動流体の吐出方向に延長された延長線と左流入口311の輪郭との間の距離を表す。
右流入口RH4の輪郭は、吐出口NH4に部分的に重なる線分RSLを含む。線分RSLは、y軸に平行である。図7は、線分RSLのx座標値を、記号「+x1」で表す。座標値「+x1」は、初期位置にあるノズル200の吐出口221の中心から作動流体の吐出方向に延長された延長線と右流入口312の輪郭との間の距離を表す。
仮想円VC2は、仮想円VC1に重なる弧LACを含む。図7は、y軸に平行な弧LACの接線のx座標値を記号「−x2」で表す。座標値「−x2」は、従来の円形の吐出口の中心を通過する延長線と円形の左流入口の輪郭線との間の距離を表す。
仮想円VC3は、仮想円VC1に重なる弧RACを含む。図7は、y軸に平行な弧RACの接線のx座標値を記号「+x2」で表す。座標値「+x2」は、従来の円形の吐出口の中心を通過する延長線と円形の右流入口の輪郭線との間の距離を表す。
以下の不等式によって表される関係が満たされるように、設計者は、吐出口NH4、左流入口LH4及び右流入口RH4の形状を決定してもよい。
上述の不等式によって表される関係が満たされるならば、吐出口NH4が左方へ移動するとすぐに、作動流体の圧力分布のピーク部分は、左流入口LH4に重なる。この結果、左流入口LH4に多量の作動流体が流入することができる。
上述の不等式によって表される関係が満たされるならば、吐出口NH4が右方へ移動するとすぐに、作動流体の圧力分布のピーク部分は、右流入口RH4に重なる。この結果、右流入口RH4に多量の作動流体が流入することができる。
一方、従来の技術(円形の吐出口及び円形の流入口)は、吐出口から吐出された作動流体の圧力分布のピーク部分が左又は右の流入口に重なるのに長いストローク長を必要とする(x2>x1)。したがって、上述の数式が満たされるように設計された非円形の吐出口NH4及び/又は非円形の流入口(左流入口LH4及び右流入口RH4)が、図1を参照して説明されたノズル200及び/又はレシーバ300に適用されるならば、サーボバルブ100は、高い応答性能を発揮することができる。
<第6実施形態>
上述の実施形態に関連して説明されたサーボバルブは、作動流体によって駆動される様々な流体装置に組み込まれ得る。第6実施形態において、例示的な流体装置が説明される。
図8は、第6実施形態の流体装置500の概略図である。図1及び図8を参照して、流体装置500が説明される。第1実施形態の説明は、第1実施形態と同一の符号が付された要素に援用される。
流体装置500は、サーボバルブ100Aと、アクチュエータ600と、2つのポンプ510,520と、タンク530と、を備える。第1実施形態と同様に、サーボバルブ100Aは、レシーバ300を含む。第1実施形態の説明は、レシーバ300に援用される。レシーバ300の上面310に形成された左流入口311及び右流入口312の大きさ及び形状は、上述の実施形態に関連して説明された設計原理に基づき決定される。
サーボバルブ100Aは、トルクモータ400Aを含む。トルクモータ400Aは、図1を参照して説明された駆動部400に対応する。駆動部400に関する説明は、トルクモータ400Aに援用される。
トルクモータ400Aは、下コイル411と、上コイル412と、下磁極片421と、上磁極片422と、磁性ロッド430と、を含む。上コイル412は、下コイル411の上方に配置される。下磁極片421は、略円筒状に形成されてもよい。下コイル411は、下磁極片421内に収容される。下磁極片421と同様に、上磁極片422は、略円筒状に形成されてもよい。上コイル412は、上磁極片422内に配置される。上磁極片422の下縁は、下磁極片421の上縁に対向する。磁性ロッド430は、略水平に延びる。磁性ロッド430の左端及び右端は、下磁極片421の上縁と上磁極片422の下縁との間の空隙内に位置する。
下コイル411及び上コイル412には、電流が供給される。この結果、下磁極片421及び上磁極片422は、磁石として機能する。磁性ロッド430の右端が、下磁極片421に引きつけられる一方で、磁性ロッド430の左端が、上磁極片422に引きつけられるように、電流が、下コイル411及び上コイル412に供給されると、磁性ロッド430は、時計回りに回転する。磁性ロッド430の左端が、下磁極片421に引きつけられる一方で、磁性ロッド430の右端が、上磁極片422に引きつけられるように、電流が、下コイル411及び上コイル412に供給されると、磁性ロッド430は、反時計回りに回転する。
サーボバルブ100Aは、ノズル部200Aを含む。ノズル部200Aは、図1を参照して説明されたノズル200に相当する。ノズル200に関する説明は、ノズル部200Aに援用されてもよい。
ノズル部200Aは、ノズル片240と、フレキシブルチューブ250と、連結シャフト260と、を含む。フレキシブルチューブ250は、鉛直に延び、トルクモータ400Aを貫通する。ノズル片240は、フレキシブルチューブ250の下端に取り付けられる。高圧の作動流体は、フレキシブルチューブ250に供給される。作動流体は、フレキシブルチューブ250によって案内され、ノズル片240に到達する。
ノズル片240は、レシーバ300の上面310に対向する下面241を含む。下面241には、吐出口242が形成される。吐出口242の形状及び大きさは、上述の実施形態に関連して説明された設計原理に基づいて決定される。ノズル片240に供給された高圧の作動流体は、吐出口242から吐出される。その後、作動流体は、レシーバ300に流入する。
連結シャフト260は、フレキシブルチューブ250を、磁性ロッド430の中間部に連結する。フレキシブルチューブ250及びノズル片240は、時計回り及び反時計回りの磁性ロッド430の回転に応じて、左右に往復移動することができる。本実施形態において、第1位置は、初期位置(吐出口242の中心から作動流体の吐出方向に延長された延長線とレシーバ300の上面310との交点が、左流入口311と右流入口312との中間に位置するノズル片240の位置)から左方又は右方に移動したノズル片240の位置によって例示される。第2位置は、初期位置から右方又は左方に移動したノズル片240の位置によって例示される。
磁性ロッド430が連結シャフト260周りに時計回りの回転をすると、ノズル片240は、左方に移動する。この結果、吐出口242と左流入口311との間の重畳面積は増加する一方で、吐出口242と右流入口312との間の重畳面積は減少する。この場合、レシーバ300内に形成された左流路313への作動流体の流入量は、右流路314へ流入する作動流体の流量を上回る。
磁性ロッド430が連結シャフト260周りに反時計回りの回転をすると、ノズル片240は、右方に移動する。この結果、吐出口242と右流入口312との間の重畳面積は増加する一方で、吐出口242と左流入口311との間の重畳面積は減少する。この場合、レシーバ300内に形成された右流路314への作動流体の流入量は、左流路313へ流入する作動流体の流量を上回る。
サーボバルブ100Aは、スプールバルブ700を含む。スプールバルブ700は、筐体710と、スプール720と、カンチレバースプリング730と、を含む。スプール720は、筐体710内に配置される。この結果、筐体710内に、作動流体が流動する流動経路が形成される。カンチレバースプリング730は、筐体710とスプール720とを連結する。カンチレバースプリング730は、スプール720を閉止位置に留まらせようとする力をスプール720に加える。スプール720が閉止位置にあるとき、スプールバルブ700は、ポンプ510,520からアクチュエータ600への作動流体の供給経路を遮断する。スプール720が閉止位置から左方或いは右方へ移動すると、スプールバルブ700は、ポンプ510,520からアクチュエータ600への作動流体の供給経路を開く。
筐体710には、7つのポート711〜717が形成される。ポート711は、レシーバ300の左流出口315に流体流通可能に接続される。ポート712は、レシーバ300の右流出口316に流体流通可能に接続される。ポンプ510,520は、ポート713,714にそれぞれ取り付けられる。ポート715,716は、アクチュエータ600に流体流通可能に接続される。タンク530は、ポート717に取り付けられる。
スプール720は、4つの隔壁721,722,723,724と、これらの隔壁721,722,723,724を連結する連結シャフト725と、を含む。連結シャフト725は、略水平に延びる。隔壁721は、連結シャフト725の左端に形成される。隔壁722は、連結シャフト725の右端に形成される。隔壁723は、隔壁721,722の間に位置する。隔壁724は、隔壁722,723の間に位置する。
隔壁721,722,723,724は、筐体710の内部空間を5つのチャンバ741,742,743,744,745に仕切る。チャンバ741は、最も左に形成される。チャンバ742は、最も右に形成される。チャンバ743は、隔壁721,723間に形成される。チャンバ744は、隔壁722,724間に形成される。チャンバ745は、隔壁723,724間に形成される。
ノズル片240が左方に移動すると、作動流体は、ノズル片240の吐出口242からレシーバ300の左流入口311に主に流入する。左流入口311に流入した作動流体は、その後、レシーバ300の左流路313、レシーバ300の左流出口315及びスプールバルブ700のポート711を通じて、チャンバ741に流入する。この結果、チャンバ741の内圧は増加し、スプール720は、閉止位置から右方に移動する。この間、チャンバ742内に存在していた作動流体は、スプールバルブ700のポート712、レシーバ300の右流出口316及びレシーバ300の右流路314を通じて、右流入口312から噴出される。その後、ノズル片240が初期位置に復帰すると、ノズル片240の吐出口242から吐出された作動流体は、レシーバ300の左流入口311と右流入口312とに略均等に流入する。この間、スプール720に左方に作用する力は、スプール720に右方に作用する力よりもカンチレバースプリング730の復元力の分だけ大きくなる。したがって、スプール720は、左方へ移動し、閉止位置に復帰する。
ノズル片240が右方に移動すると、作動流体は、ノズル片240の吐出口242からレシーバ300の右流入口312に主に流入する。右流入口312に流入した作動流体は、その後、レシーバ300の右流路314、レシーバ300の右流出口316及びスプールバルブ700のポート712を通じて、チャンバ742に流入する。この結果、チャンバ742の内圧は増加し、スプール720は、閉止位置から左方に移動する。この間、チャンバ741内に存在していた作動流体は、スプールバルブ700のポート711、レシーバ300の左流出口315及びレシーバ300の左流路313を通じて、左流入口311から噴出される。その後、ノズル片240が初期位置に復帰すると、ノズル片240の吐出口242から吐出された作動流体は、レシーバ300の左流入口311と右流入口312とに略均等に流入する。この間、スプール720に右方に作用する力は、スプール720に左方に作用する力よりもカンチレバースプリング730の復元力の分だけ大きくなる。したがって、スプール720は、右方へ移動し、閉止位置に復帰する。
スプール720が閉止位置にあるとき、隔壁723は、ポート715を閉じる。このとき、隔壁724は、ポート716を閉じる。ポンプ510は、ポート713を通じて、高圧の作動流体をチャンバ743に供給する。ポンプ520は、ポート714を通じて、高圧の作動流体をチャンバ744へ供給する。スプール720が閉止位置から右方に移動すると、チャンバ743からアクチュエータ600への作動流体の供給経路及びアクチュエータ600からチャンバ745への作動流体の排出経路が開かれる。スプール720が閉止位置から左方に移動すると、チャンバ744からアクチュエータ600への作動流体の供給経路及びアクチュエータ600からチャンバ745への作動流体の排出経路が開かれる。したがって、ポート715,716からアクチュエータ600への作動流体の流出量は、ノズル片240の左右の移動によって調整される。本実施形態において、第1流出口は、ポート715,716のうち一方によって例示される。第2流出口は、ポート715,716のうち他方によって例示される。
アクチュエータ600は、筐体610と、可動片620と、を含む。筐体610には、2つのポート611,612が形成される。アクチュエータ600のポート611は、スプールバルブ700のポート715に流体流通可能に接続される。アクチュエータ600のポート612は、スプールバルブ700のポート716に流体流通可能に接続される。
可動片620は、隔壁621と、ロッド622と、を含む。隔壁621は、筐体610の内部空間を左チャンバ631と右チャンバ632とに仕切る。ポート611は、左チャンバ631に繋がる。ポート612は、右チャンバ632に繋がる。ロッド622は、隔壁621から右方に延び、筐体610の外に突出する。ロッド622は、筐体610の外に配置された他の外部装置(図示せず)に接続される。本実施形態において、空房部は、筐体610の内部空間によって例示される。
スプール720が、閉止位置から右方に移動すると、ポンプ510からポート713を通じてチャンバ743に供給された作動流体は、ポート715,611を通じて、左チャンバ631に流入する。左チャンバ631の内圧は増加するので、可動片620は右方に移動する。この間、右チャンバ632は、ポート612,716を介して、チャンバ745に連通する。右チャンバ632内に存在していた作動流体は、右方に移動する可動片620によって、右チャンバ632から押し出され、チャンバ745に流入する。チャンバ745に流入した作動流体は、その後、タンク530に貯留される。
スプール720が、閉止位置から左方に移動すると、ポンプ520からポート714を通じてチャンバ744に供給された作動流体は、ポート716,612を通じて、右チャンバ632に流入する。右チャンバ632の内圧は増加するので、可動片620は左方に移動する。この間、左チャンバ631は、ポート611,715を介して、チャンバ745に連通する。左チャンバ631内に存在していた作動流体は、左方に移動する可動片620によって、左チャンバ631から押し出され、チャンバ745に流入する。チャンバ745に流入した作動流体は、その後、タンク530に貯留される。
図8において、レシーバ300は、スプールバルブ700の筐体710とは別体に描かれている。しかしながら、レシーバ300は、スプールバルブ700の筐体710と一体的に形成されてもよい。
本実施形態において、カンチレバースプリング730は、スプール720と筐体710とに連結されている。カンチレバースプリング730に代えて、スプール720とノズル部200Aとを連結する弾性部材が用いられてもよい。
本実施形態において、アクチュエータ600は、スプールバルブ700に連結されている。しかしながら、アクチュエータ600は、レシーバ300に直接的に連結されてもよい。
<第7実施形態>
上述の実施形態に関連して説明された設計原理に基づいて、設計者は、吐出口及び流入口に様々な形状を与えることができる。第7実施形態において、吐出口及び流入口の様々な形状が説明される。第7実施形態に関連して説明される形状は、例示的である。設計者は、他の形状を、吐出口及び流入口の形状として採用することができる。したがって、第7実施形態の原理は、以下に示される形状によっては何ら限定されない。
図9A乃至図9Eは、吐出口及び流入口の様々な形状の概略図である。図9A乃至図9Eを参照して、吐出口及び流入口の様々な形状が説明される。
図9Aのセクション(a)乃至(d)は、円形の吐出口を示す。図9Aのセクション(a)に示される左流入口及び右流入口は、半円形である。図9Aのセクション(b)に示される左流入口及び右流入口は、長方形である。図9Aのセクション(c)に示される左流入口及び右流入口は、台形である。図9Aのセクション(d)に示される左流入口及び右流入口は、八角形である。
図9Bのセクション(a)乃至(d)は、楕円形の吐出口を示す。図9Bのセクション(a)に示される左流入口及び右流入口は、半円形である。図9Bのセクション(b)に示される左流入口及び右流入口は、長方形である。図9Bのセクション(c)に示される左流入口及び右流入口は、台形である。図9Bのセクション(d)に示される左流入口及び右流入口は、八角形である。
図9Cのセクション(a)乃至(d)は、長方形の吐出口を示す。図9Cのセクション(a)に示される左流入口及び右流入口は、半円形である。図9Cのセクション(b)に示される左流入口及び右流入口は、長方形である。図9Cのセクション(c)に示される左流入口及び右流入口は、台形である。図9Cのセクション(d)に示される左流入口及び右流入口は、八角形である。
図9Dのセクション(a)及び(b)は、長方形の吐出口を示す。図9Dのセクション(a)に示される左流入口及び右流入口は、楕円形である。図9Dのセクション(b)に示される左流入口及び右流入口は、円形である。図9Dのセクション(c)に示される吐出口、左流入口及び右流入口は、楕円形である。図9Eに示されるように、不規則な形状が、吐出口、左流入口及び/又は右流入口に与えられてもよい。
以上、本発明の実施形態を説明した。本実施形態によれば、ノズルの吐出口及びレシーバの流入口の少なくとも一方が、同一面積の円形に形成された場合より、ノズルが初期位置から変位するときの吐出口と流入口との重畳面積の変化量が大きくなる非円形状に形成される。図10は、ノズルの変位量に対する吐出口と流入口との重畳面積の変化量の関係を例示する図である。ノズルの初期位置を変位量ゼロとした。吐出口及び流入口を円形とした場合を破線で示した。また、吐出口及び流入口の少なくとも一方を楕円形とした場合を一点鎖線、吐出口及び流入口の少なくとも一方を矩形とした場合を実線で示した。本実施形態によれば、吐出口及び流入口を円形に形成した場合に比べて、ノズルの変位量に対する重畳面積の変化量が大きくなり、流体を短時間で流入口に流入させることができる。これにより、アクチュエータの応答速度が向上する。
上述の様々な実施形態に関連して説明された設計原理は、様々なサーボバルブ及び流体装置に適用可能である。上述の様々な実施形態のうち1つに関連して説明された様々な特徴のうち一部が、他のもう1つの実施形態に関連して説明されたサーボバルブ及び流体装置に適用されてもよい。
図示された非円形状の吐出口及び流入口は、例えば、放電加工によって形成される。しかしながら、設計者は、吐出口及び流入口の形状に適合するように、吐出口及び流入口の形成方法を決定することができる。したがって、本実施形態の原理は、非円形状の吐出口及び流入口を形成するための特定の形成技術に限定されず、例えばAM技術(Additive Manufacturing)などを用いることもできる。
本発明の一局面の概要は、次の通りである。本発明の一局面のサーボバルブは、ノズルを変位させることにより、当該ノズルの吐出口から吐出される流体を制御してアクチュエータを駆動する。このサーボバルブは、前記吐出口から吐出された前記流体が流入する流入口が形成されたレシーバを備える。前記吐出口及び前記流入口の少なくとも一方は、同一面積の円形に形成された場合より、前記ノズルが初期位置から変位するときの前記吐出口と前記流入口との重畳面積の変化量が大きくなる非円形状に形成された孔部である。
上記構成によれば、ノズルが初期位置から変位したときの吐出口と流入口との重畳面積の変化量が、孔部が同一面積の円形に形成された場合より大きくなる。これにより、流体を短時間で流入口に流入させることができるので、アクチュエータの応答速度が向上する。
上記構成において、前記孔部は、前記ノズルの変位方向における幅寸法が、当該孔部と同一面積の仮想円の直径より小さくてもよい。
上記構成によれば、ノズルの変位量に対する吐出口と流入口との重畳面積の変化量が大きくなる。これにより、流体を短時間で流入口に流入させることができるので、アクチュエータの応答速度を高めることができる。
上記構成において、前記ノズルが前記初期位置にあるとき、前記吐出口と前記流入口との重畳領域中における前記孔部の輪郭線の曲率は、前記孔部と同一面積の仮想円の曲率よりも小さくてもよい。
上記構成によれば、ノズルが初期位置にあるとき、吐出口と流入口との間の重畳領域中における孔部の輪郭線の曲率は、仮想円の曲率よりも小さいので、ノズルが短い距離だけ初期位置から変位したときに、吐出口と流入口とが重なる重畳領域の増加率は高くなる。サーボバルブは、流体を、短時間で流入口に流入させることができるので、サーボバルブは、アクチュエータを素早く駆動することができる。
上記構成において、前記孔部は、前記ノズルの変位方向と前記初期位置にある前記ノズルの前記吐出口からの前記流体の吐出方向とに直交する直交方向における長さ寸法が、前記変位方向における幅寸法より大きくてもよい。
上記構成によれば、孔部は、ノズルの変位方向と初期位置にあるノズルの吐出口からの流体の吐出方向とに直交する直交方向において、幅寸法より大きな長さ寸法を有するので、ノズルが短い距離だけ変位したときに、吐出口と流入口とが重なる重畳領域は大きく増大する。サーボバルブは、流体を、短時間で流入口に流入させることができるので、サーボバルブは、アクチュエータを素早く駆動することができる。
上記構成において、前記流入口の面積は、前記吐出口の面積よりも大きくてもよい。
上記構成によれば、流入口の面積は、吐出口の面積よりも大きいので、吐出口から吐出された流体は、流入口に流入しやすくなる。したがって、サーボバルブは、流体を効率的に利用し、アクチュエータを素早く駆動することができる。
上記構成において、前記流入口の長さ寸法は、前記吐出口の長さ寸法よりも大きくてもよい。
上記構成によれば、流入口は、吐出口よりも、長さ寸法において大きいので、吐出口から吐出された流体は、流入口に流入しやすくなる。したがって、サーボバルブは、流体を効率的に利用し、アクチュエータを素早く駆動することができる。
上記構成において、前記流入口は、前記ノズルの変位方向に延びる一対の短辺を有する矩形であってもよい。前記吐出口は、前記変位方向に延びる一対の短辺を有する矩形であってもよい。前記流入口の前記一対の短辺の間隔は、前記吐出口の前記一対の短辺よりも広くてもよい。
上記構成によれば、流入口の一対の短辺の間隔は、吐出口の前記一対の短辺よりも広いので、吐出口から吐出された流体は、流入口に流入しやすくなる。したがって、サーボバルブは、流体を効率的に利用し、アクチュエータを素早く駆動することができる。
上記構成において、前記吐出口は、非円形であってもよい。前記流入口の面積は、前記吐出口の外接円の面積よりも小さくてもよい。
上記構成によれば、流入口の面積は、吐出口の外接円の面積よりも小さいので、サーボバルブ内の流体の圧力は高くなる。したがって、サーボバルブは、高い流体圧力を利用し、アクチュエータを素早く駆動することができる。
上記構成において、前記吐出口は、非円形であってもよい。前記流入口の面積は、前記流入口の外接円の面積よりも大きくてもよい。
上記構成によれば、流入口の面積は、吐出口の外接円の面積よりも大きいので、吐出口から吐出された流体は、流入口に流入しやすくなる。したがって、サーボバルブは、流体を効率的に利用し、アクチュエータを素早く駆動することができる。
上記構成において、前記初期位置にある前記ノズルの前記吐出口の中心から前記吐出方向に延長された延長線から、前記吐出口と前記流入口との重畳領域内において前記流入口の輪郭を描く輪郭線までの距離は、前記延長線から、前記吐出口と同心で前記流入口と同一面積を有する仮想円の前記重畳領域における弧までの距離よりも短くてもよい。
上記構成によれば、初期位置にあるノズルの吐出口の中心から吐出方向の延長された延長線から重畳領域内において流入口の輪郭を描く輪郭線まで距離は、前記延長線から仮想円の弧までの距離よりも短いので、吐出口から吐出された流体の高い圧力領域は、ノズルの短い変位に応じて、流入口内に入ることになる。したがって、サーボバルブは、流体を効率的に利用し、アクチュエータを素早く駆動することができる。
上記構成において、前記ノズルを変位させる駆動部をさらに備え、前記流入口は、前記ノズルの変位方向に整列する第1流入口及び第2流入口を含んでもよい。前記駆動部は、前記第1流入口への前記流体の流入量が前記第2流入口への前記流体の流入量を上回る第1位置と、前記第2流入口への前記流体の流入量が前記第1流入口への前記流体の流入量を上回る第2位置と、の間で、前記ノズルを往復動させてもよい。前記第1流入口及び前記第2流入口は、形状及び大きさが同一であってもよい。
上記構成によれば、第1流入口及び第2流入口は、形状及び大きさが同一なので、流体は、ノズルの往復動に応じて、第1流入口又は第2流入口に効率的に流入することができる。したがって、サーボバルブは、流体を効率的に利用し、アクチュエータを素早く駆動することができる。
上記構成において、前記ノズルが前記初期位置にあるとき、前記ノズルの前記吐出口の中心から前記流体の吐出方向に延長された延長線は、前記第1流入口と前記第2流入口の中間を通過してもよい。
上記構成によれば、初期位置のノズルの吐出口の中心から吐出方向の延長された延長線は、第1流入口と第2流入口の中間を通過するので、初期位置にあるノズルから吐出された流体は、第1流入口と第2流入口とに略均等に流入することができる。したがって、設計者は、初期位置を基準位置として、サーボバルブを用いたアクチュエータ制御を設計することができる。
上記構成において、前記延長線は、点Pにおいて、前記第1流入口の中心と前記第2流入口の中心とを結ぶ線分に交差してもよい。前記第2流入口は、前記点Pを通過し、且つ、前記延長線及び前記ノズルの変位方向に直交する方向に延びる直線を包摂する仮想平面に対して、前記第1流入口と鏡像関係にあってもよい。
上記構成によれば、第2流入口は、点Pを通過し、且つ、延長線及び第2方向に延びる直線を包摂する仮想平面に対して、第1流入口と鏡像関係にあるので、初期位置にあるノズルから吐出された流体は、第1流入口と第2流入口とに略均等に流入することができる。したがって、設計者は、初期位置を基準位置として、サーボバルブを用いた制御を設計することができる。
上記構成において、サーボバルブは、前記流体が流動する流動経路が形成された筐体を更に備えてもよい。前記筐体には、第1流出口及び第2流出口が形成されてもよい。前記駆動部は、前記第1位置と前記第2位置との間で、前記ノズルを変位させ、前記第1流出口からの前記流体の流出量と前記第2流出口からの前記流体の流出量とを調整してもよい。
上記構成によれば、駆動部は、第1位置と第2位置との間で、ノズルを変位させ、第1流出口からの流体の流出量と第2流出口からの流体の流出量とを調整するので、設計者は、第1流出口及び第2流出口からの流出量の比率の変動を利用して、サーボバルブに接続された装置を動作させることができる。
上記構成において、前記孔部は、直線と曲線とを含む輪郭線によって形作られた形状、多角形及び楕円からなる群から選択されてもよい。
上記構成によれば、孔部は、直線と曲線とを含む輪郭線によって形作られた形状、多角形及び楕円からなる群から選択されるので、サーボバルブを設計する設計者は、サーボバルブに要求される様々な条件に合わせて、孔部の形状を決定することができる。
本発明の他の局面に係る流体装置は、上述のサーボバルブと、前記サーボバルブを通じて流される流体によって変位される可動片と、を備える。
上記構成によれば、流体装置は、上述のサーボバルブを有するので、高い応答速度で動作することができる。