JP2018003698A - ガソリンエンジンの始動制御装置 - Google Patents

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晃司 三輪
岳嗣 佐々木
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岳嗣 佐々木
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Abstract

【課題】ガソリンエンジンの再始動時またはその直後に安定して運転させることができるガソリンエンジンの始動制御装置を提供する。
【解決手段】循環バルブの開度を制御するコントローラを備え、コントローラは、循環バルブの入力側の排気の組成を推定し(ステップS2)、推定された排気の組成に基づいてシリンダに対するガソリンの供給を再開した以降におけるシリンダ内の混合気の組成が予め定められた組成となるように、循環バルブの開度を推定された排気の組成に基づいて制御する(ステップS4,S6)ように構成されている。
【選択図】図2

Description

この発明は、ガソリンエンジンを再始動させる制御装置に関し、特にガソリンエンジンを再始動させる際における排気の還流を制御する装置に関するものである。
特許文献1には、従来知られているフューエルカット制御を実行した時点における減速度を得るとともに、再加速時に失火などが生じることを抑制する内燃機関の制御装置が記載されている。この制御装置は、フューエルカット制御を実行する条件が成立した場合に、シリンダへ供給する空気量を調整するためのスロットルバルブと、還流させるEGRガスの流量を調整するためのEGRバルブとを全閉にして、内燃機関内に残留するEGRガスの濃度が、予め定められた許容EGRガス濃度とほぼ一致した時点で、一時的にスロットルバルブを全開にして、残留したEGRガス濃度を許容EGRガス濃度以下に保つように構成されている。なお、内燃機関内に残留したEGRガス濃度は、各バルブを閉じる直前のEGRガス量、各バルブを閉じてからの内燃機関の総回転数などから特定または算出することが記載されている。
特許文献2には、車両が停止している状態から内燃機関を始動する際に、その始動時点におけるNOxの排出量を抑制するように構成された内燃機関の始動制御装置が記載されている。この始動制御装置は、車両が停止している状態では、シリンダに供給される吸気の酸素濃度が、空気(外気)と同等であることを前提としている。なお、空気と同等の酸素濃度の吸気をシリンダに供給して燃料を燃焼するとNOxが多く排出される可能性が高い。そのため、この始動制御装置では、内燃機関を始動させる条件が成立した場合に、EGRバルブを全開にし、かつスロットルバルブを全閉にして、シリンダに供給されるガスの酸素濃度を低下させつつ内燃機関が始動される。また、EGRガスが混合された吸気の酸素濃度を推定し、その推定された酸素濃度が予め定められた第1閾値以下になった場合に、シリンダへの燃料の供給量を増大させるとともに、推定された酸素濃度が第1閾値よりも小さい第2閾値になるようにEGRバルブとスロットルバルブとを制御するように構成されている。
特開2009−185757号公報 特開2014−40804号公報
特許文献1に記載された制御装置は、フューエルカット制御中における内燃機関内に残留するEGRガス濃度を、各バルブを閉じる直前のEGRガス量、各バルブを閉じてからの内燃機関の総回転数などから特定している。また、特許文献2に記載された制御装置は、内燃機関を始動する直前における吸気流路内の酸素濃度と空気とが同等であることを前提として、内燃機関の始動過渡期における吸気の酸素濃度を推定している。
しかしながら、従来知られているアイドリングストップ制御やストップアンドスタート制御などでは、内燃機関を継続して運転した後に一時的に内燃機関を停止させ、その後、内燃機関を再始動することとなり、その内燃機関を一時的に停止する以前の内燃機関の運転状態や内燃機関の停止期間に応じて、排気の組成が変化する可能性がある。また、内燃機関とモータとを駆動力源として備えたハイブリッド車両の場合には、内燃機関の駆動力で走行するHVモードから内燃機関を停止した状態でモータの駆動力で走行するEVモードに切り替えた後に、再度、HVモードに切り替える場合も上記のアイドリングストップ制御やストップアンドスタート制御などと同様に、内燃機関の停止期間などに応じて排気の組成が変化する可能性がある。
一方、ガソリンエンジンの場合には、シリンダに供給された混合気が圧縮されている過程で混合気が過度に昇温すると意図せずに自己着火してノッキングが生じ、また圧縮された時点での混合気の温度が意図した温度まで昇温していないと着火後における火炎伝播が充分に生じないことにより失火し、または混合気が不完全燃焼となる可能性がある。
したがって、上記のようにガソリンエンジンを再始動する際に排気の組成が変化すると、ガソリンエンジンを適切に始動することができず、または始動直後に安定して運転させることができなくなる可能性がある。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、ガソリンエンジンの再始動時またはその直後に安定して運転させることができるガソリンエンジンの始動制御装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、この発明は、吸気とガソリンとが供給されるシリンダと、前記シリンダに向けて前記吸気が流動する吸気流路と、前記シリンダ内で前記吸気と前記ガソリンとを混合した混合気が燃焼することにより発生する排気が流動する排気流路と、前記排気流路と前記吸気流路とに連通し、前記排気のうちの一部の排気が前記吸気流路に向けて流動する循環流路と、前記吸気流路内に取り込む空気の流量を制御するスロットルバルブと、前記循環流路を流動する前記排気の流量を制御する循環バルブと、前記循環バルブの開度を制御するコントローラとを備え、前記シリンダへの前記ガソリンの供給を一時的に停止した後に、前記シリンダに対する前記ガソリンの供給を再開し、前記シリンダ内の前記混合気を燃焼するように構成されたガソリンエンジンの始動制御装置において、前記循環バルブは、前記排気流路を流動する排気のうちの一部の排気が流入する吸気ポートと、前記吸気ポートから流入した排気を前記吸気流路側に向けて排出する排気ポートとを備え、前記コントローラは、前記吸気ポートの入力側の排気の組成を推定し、前記シリンダに対する前記ガソリンの供給を再開した以降における前記シリンダ内の混合気の組成が予め定められた組成となるように、前記循環バルブの開度を前記推定された前記排気の組成に基づいて制御するように構成されていることを特徴とするものである。
また、この発明では、前記推定された排気の組成は、前記排気中の酸素濃度を含み、前記コントローラは、前記シリンダに対する前記ガソリンの供給を再開したことによる前記シリンダ内の混合気の組成が予め定められた組成となるように、前記推定された前記酸素濃度が、予め定められた濃度以上の場合に、前記酸素濃度が前記予め定められた濃度未満の場合と比較して、前記循環バルブの開度を大きくするように構成してよい。
また、この発明では、前記コントローラは、前記推定された酸素濃度が高いほど、前記循環バルブの開度を大きくするように構成してよい。
また、この発明では、前記コントローラは、前記ガソリンエンジンの回転が停止している時間が短いほど、前記排気中の酸素濃度が高いと推定するように構成してよい。
また、この発明では、前記コントローラは、予め定められた所定の条件が成立した場合に、前記ガソリンエンジンが回転している状態で前記シリンダへの前記ガソリンの供給を停止するフューエルカット制御を実行可能に構成され、前記フューエルカット制御を実行している継続時間が長いほど、前記排気中の酸素濃度が高いと推定するように構成してよい。
また、この発明では、前記排気流路内の排気に含まれる酸素量を検出する第1センサを備え、前記コントローラは、前記第1センサにより検出された酸素量が多いほど、前記吸気ポートの入力側の排気の酸素濃度が高いと推定するように構成してよい。
また、この発明では、前記排気流路内に排気の空燃比を検出する第2センサを備え、前記コントローラは、前記第2センサにより検出された空燃比が高いほど、前記吸気ポートの入力側の排気の酸素濃度が高いと推定するように構成してよい。
また、この発明では、前記コントローラは、前記シリンダに対する前記ガソリンの供給を再開してから前記シリンダから排出される排気によって、前記シリンダに対する前記ガソリンの供給を再開する以前における前記排気流路および前記循環流路内の排気が置換されたことに基づいて前記ガソリンエンジンの始動時における前記循環バルブの制御を終了するように構成してよい。
また、この発明では、前記コントローラは、前記シリンダに対する前記ガソリンの供給を再開して前記ガソリンエンジンが回転し始めてから予め定められた所定時間が経過したことと、前記循環流路を流動する前記排気の流量の積算値が予め定められた所定値以上となったこととの少なくともいずれか一方の条件が成立したことにより、前記ガソリンエンジンの始動時における前記循環バルブの制御を終了するように構成してよい。
そして、この発明では、前記コントローラは、前記シリンダに対する前記ガソリンの供給を再開してから前記排気の置換が完了するまでの間の始動過渡期に前記シリンダに供給される吸気の二酸化炭素濃度を推定し、前記推定された二酸化炭素濃度が予め定められた濃度以下の場合に、前記推定された二酸化炭素濃度が前記予め定められた濃度よりも高い場合と比較して、前記循環バルブの開度を大きくするように構成してよい。
この発明によれば、シリンダに対するガソリンの供給を再開した以降におけるシリンダ内の混合気の組成が予め定められた組成となるように、吸気流路に排気を循環させる流量を制御するための循環バルブの開度が、循環バルブにおける吸気ポート側の排気の推定された組成に基づいて制御される。したがって、ガソリンエンジンの再始動時における吸気の酸素濃度を適切に調整することができるので、ガソリンエンジンの再始動時やその直後におけるガソリンエンジンの運転を安定させることができる。また、間欠始動時または間欠始動直後に吸気流路に循環する排気を適切な量に制御することができるので、失火が生じることを抑制するためにガソリンを過度に供給することや循環バルブの開度を小さくするなどの必要がなく、間欠始動開始時から比較的多くの排気を吸気に混合させることができる。すなわち、総走行中における循環バルブの作動時間を長くすることができるので、排気を循環させる時間を長くすることができる。その結果、燃費を向上させることができる。さらに、混合気は適切な排気が含まれていることにより、NOxなどの汚染物質の発生を抑制することができる。
また、ガソリンエンジンを再始動してから循環流路内の排気が置換されるまでの始動過渡期に、循環バルブの開度を、循環流路内の排気の組成に応じて制御している。したがって、始動過渡期に、シリンダに供給される吸気の酸素濃度や二酸化炭素濃度を適切な濃度に調整することができる。そのため、始動過渡期にガソリンエンジンを安定させて運転することができる。そのため、燃費を向上させることができ、また始動過渡期のガソリンエンジンの運転による汚染物質の発生を抑制することができる。
この発明で対象とすることができるガソリンエンジンの一例を説明するための模式図である。 この発明の実施形態におけるガソリンエンジンの始動制御の一例を説明するためのフローチャートである。 EGR流路内の排気の組成が、F/C制御の継続時間に基づいて変化する理由を説明するためのタイムチャートである。 F/C制御の継続時間や停止時間に応じたEGR流路内の排気の組成の変化を説明するためのタイムチャートである。 EGR流路内の排気の組成が、ガソリンエンジンの停止時間に基づいて変化する理由を説明するためのタイムチャートである。 ガソリンエンジンの始動からEGR流路内の排気の置換が完了するまでのEGRバルブ、燃料噴射量、点火時期の制御の一例を説明するためのフローチャートである。 EGR流路内の排気の組成情報を確定する制御例を説明するためのフローチャートである。
この発明で対象とすることができるガソリンエンジンの一例を図1に示している。このガソリンエンジン(以下、単にエンジンと記す。)1は、駆動力源としてそのエンジン1のみを備えた車両や、エンジン1に加えて図示しないモータを駆動力源として備えたハイブリッド車両に設けることができ、従来知られているガソリンエンジンと同様に構成されている。具体的には、シリンダブロックと、そのシリンダブロックに形成されたシリンダ2の内部を長手方向に往復動するピストン3と、一方の端部がピストン3に連結されており、ピストン3の直線運動を回転運動に変換して図示しないクランクシャフトを回転させるコンロッド4とを備えている。このシリンダ2の上部には、吸気が流入する吸気ポート5と、排気が流出する排気ポート6とが形成されており、それら吸気ポート5と排気ポート6との間に点火プラグ7が設けられている。また、ピストン3やコンロッド4の動作に連動して吸気ポート5を開閉するように構成された吸気バルブ8と、同様にピストン3やコンロッド4の動作に連動して排気ポート6を開閉するように構成された排気バルブ9とが設けられている。なお、シリンダ2に供給される吸気とは、空気、または空気と後述するEGRガスとを混合した気体とである。
上記の吸気ポート5には、吸気がシリンダ2に向けて流動する吸気流路10が連結されている。この吸気流路10は、外部から取り込まれた外気(空気)がシリンダ2に向けて流動する流路であって、その空気の取り込み量を調整するためのスロットルバルブ11が、吸気流路10の上流側に設けられている。このスロットルバルブ11は、運転者の要求駆動力に応じて開度を定めるように構成されており、その開度は電気的に制御される。そのスロットルバルブ11よりも下流側には、吸気流路10内を流動する吸気の脈動を低減するためのサージタンク12が設けられており、その更に下流側には、シリンダ2内に向けてガソリンを噴出するための燃料噴射装置13が設けられている。なお、スロットルバルブ11よりも上流側には、吸気流路10に取り込まれる空気の流量を検出するためのエアフロメータ14が設けられている。
また、排気ポート6には、排気流路15が連結されており、シリンダ2内でガソリンが燃焼して生じた排気が、排気流路15を流動するように構成されている。その排気流路15の下流側には、排気中における窒化酸化物(NOx)、炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、微粒子(PM)などを浄化するための浄化装置16が設けられている。なお、排気流路15には、空気質量と燃料質量との比である空燃比を検出するA/Fセンサ17と、排気中の酸素量(または酸素濃度)を検出するOセンサ18が設けられている。上記Oセンサ18が、この発明の実施形態における「第1センサ」に相当し、A/Fセンサ17が、この発明の実施形態における「第2センサ」に相当する。
なお、この発明の実施形態におけるエンジン1は、上記のように構成されたシリンダ2が複数設けられており、そのシリンダ2の個数は特に限定されない。また、互いに隣接したシリンダ2にそれぞれ連通した吸気流路10同士がいずれかの箇所で連通しており、また互いに隣接したシリンダ2のそれぞれに連通した吸気流路15同士も同様にいずれかの箇所で連通している。
上述したエンジン1は、従来知られているガソリンエンジンと同様に、吸気およびガソリンをシリンダ2に供給する第1工程と、その吸気およびガソリンが混合された混合気を圧縮して昇温させる第2工程と、圧縮された混合気に点火プラグ7により点火する第3工程と、燃焼した排気をシリンダ2から排出する第4工程とを繰り返し実行するように構成されている。
第2工程ではピストン3の上下動に応じて混合気が圧縮される。そのピストン3が最も下方側に移動している際におけるシリンダ2の容積と、第3工程により混合気を点火する時点でのシリンダ2の容積との比である圧縮比が目標となる圧縮比になったときに、効率よく、または安定してガソリンを燃焼させることができる温度まで混合気を昇温するように、第1工程でシリンダ2に供給する吸気の組成を定めている。すなわち、混合気の比熱を調整する。具体的には、排気を吸気流路10に循環させて、スロットルバルブ11を介して吸気流路10に供給された新気(外気)に混合する。そのように排気流路15内の排気のうちの一部の排気を吸気流路10に循環させる排気再循環(EGR)システムは、排気流路15における浄化装置16よりも上流側に、分岐流路(以下、EGR流路と記す)19の一方の端部を連通し、そのEGR流路19における他方の端部を、上記サージタンク12、または吸気流路10におけるサージタンク12よりも上流側の部分に連通して構成されている。なお、EGR流路19が、この発明の実施形態における「循環流路」に相当する。
そのEGR流路19には、EGR流路19内の排気を冷却するためのEGRクーラー20が設けられている。また、吸気流路10に流動する排気の流量を制御するためのEGRバルブ21が、EGRクーラー20よりも吸気流路側10の部分に設けられている。すなわち、EGRバルブ21に排気が流入する吸気ポート21aが排気流路15に連通し、EGRバルブ21から排気が流出する排気ポート21bが吸気流路10に連通している。このEGRバルブ21は、この発明の実施形態における「循環バルブ」に相当するものであって、その開度は、スロットルバルブ11と同様に電気的に制御するように構成されている。さらに、吸気流路10に再循環される排気の流量を検出するための流量センサ22が、EGRバルブ21の上流側に設けられている。なお、以下の説明では、EGR流路19を流動して吸気流路10に循環した排気を、「EGRガス」と記す。
上述した各センサ17,18,22、アクセル開度を検出するセンサ、車速を検出するセンサなどから信号が入力され、その入力された信号に基づいて各バルブ11,21の開度や点火プラグ7の点火タイミングなどを制御するための電子制御装置(以下、ECUと記す)23が設けられている。このECU23は、マイクロコンピュータを主体に構成されたものであって、上述したように入力された信号を一時的に記憶するRAMや、演算式やマップなどを予め記憶したROM、入力された信号やRAMあるいはROMに記憶された情報を用いて、上記各バルブ11,21や点火プラグ7に出力する信号を演算するCPUなどを備えている。そして、上記のように演算などにより定められた信号を、各バルブ11,21や点火プラグ7に出力するように構成されている。なお、ECU23が、この発明の実施形態における「コントローラ」に相当する。
このECU23は、従来知られているフューエルカット制御(以下、F/C制御と記す)を実行することができるように構成されている。このF/C制御は、運転者によるアクセルペダルの操作量に基づいた駆動力の要求量が所定値未満の場合などに、内燃機関が回転している状態でスロットルバルブ11を閉じ、かつ燃料噴射装置13からのガソリンの噴射を停止する制御である。なお、F/C制御中は、上記のようにガソリンの噴射を停止するから排気が生じることがなく、また燃費などを考慮して排気を循環させる必要がない。そのため、F/C制御中は、EGRバルブ21が閉じられる。
また、このエンジン1のみを駆動力源として備えた車両の場合には、ECU23は、従来知られているストップアンドスタート制御(エコランやスマートストップ制御と称される場合もある)を実行することができるように構成されている。このストップアンドスタート制御(以下、S&S制御と記す)は、所定の車速以上での惰性走行時や、低速での惰性走行であってブレーキペダルが踏み込まれている場合、あるいはブレーキペダルが踏まれて停車している場合など種々の条件に応じて一時的にエンジン1を停止させる制御である。このS&S制御におけるエンジン1の停止とは、エンジン1へのガソリンの供給を停止するとともに、エンジン1を連れ回すなどによるエンジンブレーキを積極的に駆動輪に作用させないものであり、また原則としてエンジン1の回転数を停止させ、またエンジン1の回転数を停止した状態に維持する。すなわち、制動力を駆動輪に作用させるか否かの点で、F/C制御とは異なる。
さらに、エンジン1に加えて図示しないモータを駆動力源として備えた車両の場合には、ECU23は、エンジン1から駆動力を出力して走行するHVモードと、エンジン1へのガソリンの供給を停止して、モータの駆動力のみで走行するEVモードを切り替えることができるように構成されている。ECU23によりHVモードとEVモードとを切り替える条件の一例としては、要求駆動力が予め定められた駆動力よりも大きい場合にHVモードを選択し、要求駆動力が予め定められた駆動力よりも小さい場合にEVモードを選択する。したがって、HVモードが選択されている状態で、要求駆動力が予め定められた駆動力よりも小さくなると、エンジン1を停止してモータで走行し、EVモードが選択されている状態で、要求駆動力が予め定められた駆動力よりも大きくなると、エンジン1を再始動するように構成されている。すなわち、要求駆動力の変化に応じてエンジン1が一時的に停止させられる。なお、HVモードからEVモードに切り替える場合も、上記S&S制御と同様に、エンジン1へのガソリンの供給を停止するとともに、エンジン1を連れ回すなどによるエンジンブレーキを積極的に駆動輪に作用させず、また原則としてエンジン1の回転数を停止させ、またエンジン1の回転数を停止した状態に維持する。
上記のようなS&S制御を実行する条件が成立し、またはHVモードからEVモードへ切り替える条件が成立した時点、あるいはそれらの条件が成立する以前に、まず、F/C制御を実行し、その後、S&S制御により、あるいはHVモードからEVモードへの切り替えのためにエンジン1が停止させられる。そのようにF/C制御を実行している過程で、あるいはエンジン1を停止する過程で、もしくはエンジン1が停止した状態で、エンジン1の駆動力を出力する要求がある場合には、エンジン1へのガソリンの供給を停止した状態から、エンジン1へのガソリンの供給を再開し、またはエンジン1を再始動する。このようにエンジン1へのガソリンの供給を一時的に停止し、その後にエンジン1へのガソリンの供給を再開し、またはエンジン1を再始動することを、以下の説明では「間欠始動」と記す。
上記のECU23は、間欠始動時や間欠始動直後にエンジン1を安定して運転させるために、間欠始動時にシリンダ2に流入する吸気の組成を適切な組成に調整することができるように構成されている。具体的には、スロットルバルブ11とEGRバルブ21とを制御することにより、吸気の組成を調整するように構成されている。図2は、その制御の一例を説明するためのフローチャートである。図2に示す例では、まず、間欠始動を開始する要求があるか否かを判断する(ステップS1)。エンジン1が駆動している場合、エンジン1を一時的に停止した後であってエンジン1を始動する要求がない場合、車両の電源をオフした後にエンジン1を始動する要求がある場合などには、ステップS1で否定的に判断される。このように間欠始動を開始する要求がなくステップS1で否定的に判断された場合には、間欠始動を開始する要求があるまでステップS1を繰り返し実行する。
それとは反対に、車両の電源が入っており、かつ上記S&S制御を実行して一時的にエンジン1を停止している状態でアクセルペダルが踏み込まれるなどにより、エンジン1を再始動する要求がある場合、またはEVモードからHVモードに切り替える要求がある場合などには、ステップS1で肯定的に判断される。ステップS1で肯定的に判断された場合には、EGR流路19内の排気の組成、より具体的にはEGRバルブ21の吸気ポート21aの入力側の排気の組成を推定する(ステップS2)。これは、エンジン1を一時的に停止する直前でのF/C制御の継続時間や、エンジン1の停止時間などに応じてEGR流路19内の排気の組成が異なるためである。なお、ここでの吸気や排気の組成には、酸素量(酸素濃度)や二酸化炭素量(二酸化炭素濃度)などが含まれる。
ここで、エンジン1を一時的に停止する直前のF/C制御の継続時間に応じてEGR流路19内の排気に含まれる酸素濃度が変化する理由について、図3および図4を参照して説明する。図3には、アクセルペダルがある程度操作されているものの、走行抵抗などにより僅かに減速している状態から、アクセルペダルが操作されなくなってF/C制御が開始されて惰性走行し、その後に、ブレーキ操作されて車両の減速度が大きくなった後に停車した場合におけるエンジン1の回転数、吸気流路10に取り込まれる空気量、ガソリンの噴射量の変化を示している。
図3におけるt0時点では、運転者がアクセル操作しており、スロットルバルブ11がそのアクセル操作量に応じた所定の開度で開いている。したがって、吸気流路10には、ある程度の空気が取り込まれている。また、スロットルバルブ11の開度や、そのスロットルバルブ11を介して吸気流路10に流入する空気量に応じたガソリンが燃料噴射装置13から噴射されている。さらに、エンジン1は車速に応じた回転数で回転している。このように空気を取り込み、かつガソリンを噴射している場合には、ガソリンの燃焼により空気内の酸素が消費されるため、排気の酸素濃度は、エンジン1の通常の運転状態と同等の酸素濃度となり、空気の酸素濃度よりも低い値になる。
その状態からアクセル操作量が低下することにより、スロットルバルブ11が次第に閉じられて吸気流路10に取り込まれる空気量が次第に低下し、かつガソリンの噴射量が低下する。そして、F/C制御を実行する条件が成立すると(t1時点)、そのt1時点で、スロットルバルブ11が全閉状態となり、かつガソリンが噴射されなくなる。一方、スロットルバルブ11が全閉状態となったとしても、吸気流路10を完全に密閉することはできない。また、エンジン1は、車速に応じて回転しているため、クランクシャフトの回転に応じてピストン3が動作する。その結果、シリンダ2内の圧力の変化に伴って吸気流路10には空気が取り込まれる。なお、そのように吸気流路10に取り込まれた空気は、ピストン3の動作に応じて排気流路15やEGR流路19に流れる。
そして、ブレーキ操作されて車両の減速度が大きくなると(t2時点)、それに伴ってエンジン1の回転数は比較的大きな変化率で低下する。したがって、エンジン1の回転数の低下に伴って吸気流路10に取り込まれる空気量が低下する。
上記のような工程を経て停車する場合には、t1時点以降に吸気流路10に取り込まれた空気はガソリンの燃焼に使用されることなく、排気流路15やEGR流路19に流れ込む。すなわち、図3にハッチングを付した量(積算値)の空気が吸気流路10に取り込まれる。そのため、F/C制御を開始してから停車するまでの時間、言い換えると、F/C制御を行っている継続時間が長いほど、排気流路15やEGR流路19に混入する空気量が増大する。図4には、F/C制御を長時間実行した後にエンジン1を始動させる際におけるEGR流路19内の酸素濃度を実線で示し、F/C制御を短時間実行した後にエンジン1を始動させる際におけるEGR流路19内の酸素濃度を破線で示している。
上記のような理由によりF/C制御の継続時間が長いほど、EGR流路19内の酸素濃度が高くなる。したがって、F/C制御の継続時間とEGR流路19の酸素濃度との関係を予めマップとしてECU23に記憶しておき、そのマップに基づいてステップS2におけるEGR流路19内の排気の組成を推定することができる。なお、図4に示すように間欠始動後には、ガソリンの燃焼により生じた排気が排気流路15やEGR流路19に流れ込むため、酸素濃度が次第に低下する。
つぎに、エンジン1の停止時間に応じてEGR流路19内の排気に含まれる酸素濃度が変化する理由について、図5を参照して説明する。図5には、エンジン1の停止時間に応じた空燃比の変化を示している。なお、図5における空燃比は、理論空燃比を基準として示し、また図5には、エンジン1の回転数を併せて示し、さらにエンジン1を停止する時点での空燃比は同一として示している。
図5に示すようにエンジン1が回転している定常運転では、要求される駆動力に応じてスロットルバルブ11の開度が制御されてスロットルバルブ11の開度に応じた外気が吸気流路10に供給される。また、そのスロットルバルブ11の開度に予め定められた比を積算した開度にEGRバルブ21の開度が制御されて、EGR流路19から吸気流路10に排気が混合される。これは、EGR流路19内の排気がほぼ同一の組成に安定していることを前提として、吸気流路10に取り込まれる空気と排気との混合比を一定に保つためである。そして、その空気の流量と目標空燃比とに基づいて燃料噴射量が制御される。したがって、定常運転している状態では、実空燃比が目標空燃比(理論空燃比)にほぼ一致している。なお、以下の説明では、スロットルバルブ11の開度とEGRバルブ21の開度とを、定常運転と同様に予め定められた一定の比率で制御することを、定常制御と記す。
定常運転している状態でエンジン1の回転数が低下し始め、所定の条件が成立することによりF/C制御が実行される。すなわち、エンジン1へのガソリンの供給は停止させられる。一方、F/C制御中であって、スロットルバルブ11を閉じたとしても、シリンダ2の上下動に伴う吸気流路10内の圧力の変動により、空気が少なからずシリンダ2内に流入するとともに、その空気がそのまま排気流路15に排出される。その結果、F/C制御中にA/Fセンサ17により検出される空燃比は理論空燃比よりも大きくなる。すなわち、リーン状態となる。
そして、エンジン1が停止すると、エンジン1の停止時間の経過に伴って実空燃比が低下する。これは、浄化装置16内での炭化水素の酸化により排気流路15やEGR流路19の酸素が使用されるためである。一方、エンジン1を停止している場合には、F/C制御中のようなピストン3の動作に伴う圧力の変動がないため、スロットルバルブ11を介した空気の取り込みがない。そのため、図5に示すように実空燃比が、エンジン1の停止時間に応じて低下する。
上記のようにエンジン1を停止した状態でエンジン1を始動する要求があると、各シリンダ2のうちの第3工程または第4工程に相当する位置となっているピストン3内の空気が排気流路15に排出されることに伴って、一時的に実空燃比が大きくなる。その後、ガソリンが供給されたシリンダ2から排出される排気が排気流路15に排出される。図5に示す例では、エンジン1の始動直後の失火を抑制するために、エンジン1の始動時に比較的多くのガソリンをシリンダ2に供給していることに伴って、一時的に実空燃比が理論空燃比よりも小さくなっている。その後、通常の運転状態となることで、実空燃比が理論空燃比にほぼ一致する。なお、図5における実線は、比較的早い時点で間欠始動した場合におけるエンジン1の回転数および空燃比の変化を示しており、破線は、比較的遅い時点で間欠始動した場合におけるエンジン1の回転数および空燃比の変化を示している。
上述したようにエンジン1を停止した時間が長いほど、排気流路15やEGR流路19の酸素が、炭化水素の酸化により使用されて低下する。したがって、エンジン1を停止してから早い時点で間欠始動した場合におけるEGR流路19内の酸素濃度は、図4における実線のように比較的高く、エンジン1を停止してから遅い時点で間欠始動した場合におけるEGR流路19内の酸素濃度は、図4における破線のように比較的低くなる。
上記のような理由によりエンジン1の停止時間が長いほど、EGR流路19内の酸素濃度が低くなる。したがって、エンジン1の停止時間とEGR流路19の酸素濃度との関係を予めマップとしてECU23に記憶しておき、そのマップに基づいてステップS2におけるEGR流路19内の排気の組成を推定することができる。
なお、ステップS2では、Oセンサ18により排気流路15内の排気に含まれる酸素量を検出し、その検出された酸素量が多いほど、EGR流路19内の排気の酸素濃度が高いと推定してもよい。または、A/Fセンサ17により排気流路内の排気の空燃比を検出し、その検出された空燃比が高いほど、EGR流路19内の排気の酸素濃度が高いと推定してもよい。また、ステップS2は、EGR流路19内の排気の組成を推定するものであって、酸素濃度に限らず二酸化炭素濃度も併せて推定してもよい。その場合には、F/C制御の継続時間が長いほど、EGR流路19内の排気に含まれる二酸化炭素濃度を低いと推定し、またエンジン1の停止時間が長いほど、EGR流路19内の排気に含まれる二酸化炭素濃度が高いと推定してもよい。さらに、A/Fセンサ17により検出された値に基づいて、より具体的には、A/Fセンサ17により検出された空燃比と理論空燃比との偏差に基づいてEGR流路19内の二酸化炭素濃度を推定してもよい。その場合には、空燃比が理論空燃比よりも大きいリーン状態であれば、二酸化炭素濃度が低いと推定すればよい。
上述したようにEGR流路19内の排気の組成を推定した後に、EGR流路19内の酸素濃度が予め定められた所定の閾値α1以上か否かを判断する(ステップS3)。このステップS3は、吸気にEGRガスを混合させる量を定める上で、EGRガスの酸素濃度を適切に判断することにより、EGRガスが混合された吸気の酸素濃度を適切に調整するためである。すなわち、定常運転時における排気の酸素濃度を予めECU23に記憶しておき、その酸素濃度を上記所定の閾値α1として定めることができる。
EGR流路19内の酸素濃度が予め定められた所定の閾値α1以上でありステップS3で肯定的に判断された場合には、EGRバルブ21の開度を、定常制御におけるEGRバルブ21の開度よりも大きくして(ステップS4)、エンジン1を始動する(ステップS5)。すなわち、シリンダ2に供給される混合気の組成が、予め定められた組成となるように、スロットルバルブ11に対するEGRバルブ21の開度を大きくする。
それとは反対に、EGR流路19内の酸素濃度が予め定められた所定の閾値α1未満でありステップS3で否定的に判断された場合には、EGRバルブ21の開度を、定常制御におけるEGRバルブ21の開度よりも小さくし、またはEGRバルブ21を閉じて(ステップS6)、エンジン1を始動する。すなわち、シリンダ2に供給される混合気の組成が、予め定められた組成となるように、スロットルバルブ11に対するEGRバルブ21の開度を小さくする。
したがって、EGR流路19内の酸素濃度が閾値α1以上である場合には、閾値α1未満の場合よりも、EGRバルブ21の開度が大きくなる。このステップS6におけるエンジン1の始動は、図示しないスタータモータなどによりクランクシャフトを所定の回転数まで増大させた後に、シリンダ2内に吸気とガソリンとを供給して燃焼させることであって、スロットルバルブ11や燃料噴射装置13、あるいは点火プラグ7の制御は、従来知られている制御と同様であってもよい。
なお、EGRバルブ21の開度が変化してからEGRバルブ21を流動する排気の流量が変化するまでには、不可避的な遅れがある。そのため、実際にEGRガスが供給されるべきタイミングで、EGRバルブ21を流動する排気の流量が、EGRバルブ21の開度に応じた流量となるように、ステップS4では、EGRバルブ21への指示信号を早めて出力してもよい。
ステップS3ないしステップS6は、空気に対して酸素濃度が低いEGRガスを、空気に混合することにより吸気の酸素濃度を適切な酸素濃度とするためのステップである。一方、EGRガスの酸素濃度が過度に低い場合には、EGRガスの混入量を多くすると、吸気の酸素濃度が過度に低くなって失火の原因となる可能性がある。そのため、EGR流路19内の酸素濃度が低い場合には、EGRバルブ21の開度を小さくしている。
なお、ステップS3,S4,S6に代えて、吸気流路10にスロットルバルブ11を介して流入する空気に含まれる酸素量と、吸気流路10に流入するEGRガスに含まれる酸素量との合算値が、シリンダ2に供給するべき酸素量となるように、EGR流路19内の酸素濃度に基づいてEGRバルブ21の開度を制御してもよい。すなわち、EGR流路19内の酸素濃度が低いほどEGRバルブ21の開度を小さくするように構成してもよい。また、EGR流路19内の酸素濃度に代えて、EGR流路19内の二酸化炭素濃度に応じてEGRバルブ21の開度を制御するように構成してもよい。その場合には、EGR流路19内の二酸化炭素濃度が高いほど、EGRバルブ21の開度が小さくなるように制御すればよい。
ステップS5によりエンジン1を始動した後に、EGR流路19内の排気の置換が完了したか否かを判断する(ステップS7)。このステップS7におけるEGR流路19内の排気の置換とは、エンジン1の停止時にEGR流路19内に貯留した排気がEGRバルブ21を介して循環され、それに代えてエンジン1の始動後におけるガソリンの燃焼により生じた排気がEGR流路19を満たしたことを意味している。したがって、ステップS7では、エンジン1を始動(回転)してからの経過時間や、EGRバルブ21を流動した排気の流量の積算値などに基づいて判断することができる。なお、ステップS7では、上記の経過時間と排気の流量の積算値とのいずれか一方に基づいて判断してもよく、双方に基づいて判断してもよい。
EGR流路19内の排気の置換が未だ完了しておらず、ステップS7で否定的に判断された場合には、EGRバルブ21の開度を維持して(ステップS8)、EGR流路19内の排気の置換が完了するまでステップS7を繰り返す。それとは反対に、EGR流路19内の排気の置換が完了しており、ステップS7で肯定的に判断された場合には、このルーチンを一旦終了する。すなわち、間欠始動の制御を終了して、定常制御に移行する。
上述したように間欠始動時におけるEGRバルブ21の開度を、EGR流路19内の排気の組成に基づいて制御することにより、間欠始動時または間欠始動直後における吸気の酸素濃度を適切に調整することができる。したがって、間欠始動時または間欠始動直後におけるガソリンの燃焼時の失火や自己着火が生じることを抑制することができる。すなわち、間欠始動時または間欠始動直後のエンジン1の運転を安定させることができる。また、間欠始動時または間欠始動直後におけるEGRガス量を適切な量に制御することができるので、失火が生じることを抑制するためにガソリンを過度に供給することやEGRバルブ21の開度を小さくするなどの必要がなく、間欠始動開始時から比較的多くのEGRガスを吸気に混合させることができる。すなわち、総走行中におけるEGRバルブ21の作動時間を長くすることができるので、EGRガスを循環させる時間を長くすることができる。その結果、燃費を向上させることができる。さらに、混合気は適切なEGRガスが含まれていることにより、NOxなどの汚染物質の発生を抑制することができる。
特に、ハイブリッド車両におけるエンジン1の間欠始動時には、エンジン1から比較的大きな駆動力を出力することが要求される。そのような場合にも、間欠始動直後から適切な量のEGRガスを吸気に混合すること、すなわち吸気の組成を定常運転時と同等の組成に迅速に制御することができるので、失火や自着火を抑制しつつ、更にNOxなどの汚染物質の発生を抑制しつつ迅速に定常運転と同等の駆動力を出力することができる。
また、エンジン1の始動直後には、EGR流路19内に未だエンジン1の停止時に貯留していた排気の置換が完了していない可能性がある。そのため、エンジン1の始動直後におけるエンジン1の運転を安定させるためにEGRバルブ21の開度を制御してもよい。図6には、エンジン1の始動直後からEGR流路19内の排気の置換が完了するまでのEGRバルブ21の制御例を説明するためのフローチャートを示している。なお、図6には、図2におけるエンジン1の始動を開始した後のステップ(ステップS5以降)を記載している。
図6に示す例では、エンジン1の始動を開始した後に、スロットルバルブ11を介して流入された空気量と、EGRガスの流量と、EGRガスの二酸化炭素濃度とを算出する(ステップS9)。このステップS9における空気量とEGRガスの流量とは、エンジン1の回転数と、エンジン1を始動中のスロットルバルブ11の開度と、定常制御を行った場合におけるEGRバルブ21の開度とに基づいて算出することができる。具体的には、エンジン1の回転数に基づいて、ピストン3の動作に応じたシリンダ2の内圧(吸気圧)が算出され、その内圧に基づいてシリンダ2に供給される吸気の流量を算出することができる。そして、スロットルバルブ11の開度とEGRバルブ21の開度とから、吸気に含まれる空気とEGRガスとの比率が求まる。そして、その比率と吸気の流量とから、空気量と、EGRガスの流量とを求めることができる。なお、EGRガスの二酸化炭素の濃度は、A/Fセンサ17により検出された空燃比や、Oセンサ18により検出された酸素濃度などから算出することができる。
上記ステップS9により算出された空気量と、EGRガスの流量と、EGRガスの二酸化炭素濃度とに基づいて、シリンダ2内の二酸化炭素(CO)濃度を推定する(ステップS10)。具体的には、空気量とEGRガスの流量とから、シリンダ2に流入する吸気の総容量を求め、上記EGRガスの流量とEGRガスの二酸化炭素濃度との積に基づいて吸気に含まれる二酸化炭素量を求め、その二酸化炭素量を上記総容量で除算してシリンダ2内の二酸化炭素濃度を推定する。
ついで、ステップS10により推定されたシリンダ2内の二酸化炭素濃度が、予め定められた所定の閾値α2以下であるか否かを判断する(ステップS11)。このステップS10における閾値α2は、失火限界となることを抑制することができる程度の値に定められている。
シリンダ2内の二酸化炭素濃度が、予め定められた所定の閾値α2以下であり、ステップS10で肯定的に判断された場合には、吸気にEGRガスを多く混合することができるため、EGRバルブ21の開度を、定常制御時のEGRバルブ21の開度と比較して大きくする(ステップS12)。それとは反対に、シリンダ2内の二酸化炭素濃度が、予め定められた所定の閾値α2よりも大きく、ステップS11で否定的に判断された場合には、吸気にEGRガスを多く混合すると失火する可能性があるため、EGRバルブ21の開度を、定常制御時のEGRバルブ21の開度と比較して小さく、またはEGRバルブ21を閉じる(ステップS13)。すなわち、シリンダ2内の推定された二酸化炭素濃度が、予め定められた所定の閾値α2以下の場合に、予め定められた所定の閾値α2よりも高い場合と比較して、EGRバルブ221の開度を大きくする。なお、上記ステップS12およびステップS13におけるEGRバルブ21の開度は、推定されたシリンダ2内の二酸化炭素濃度に応じて変動するように構成してもよい。すなわち、推定されたシリンダ2内の二酸化炭素濃度が高いほど、EGRバルブ21の開度を定常制御時のEGRバルブ21の開度と比較して小さくし、推定されたシリンダ2内の二酸化炭素濃度が低いほど、EGRバルブ21の開度を定常制御時のEGRバルブ21の開度と比較して大きくするように構成してもよい。
そして、ステップS12およびステップS13により設定されたEGRバルブ21の開度に基づいてシリンダ2内に供給される吸気の組成を推定することができるため、その吸気の組成に応じたガソリンの噴射量と点火時期とを算出する(ステップS14)。具体的には、スロットルバルブ11を介して供給される空気量(空気に含まされる酸素量)に、EGR流路19内における酸素濃度とEGRガス量との積により求められる酸素量を加算して、ガソリンの噴射量を算出する。そのようにガソリンの噴射量を算出した場合には、EGRバルブ21の開度が大きいほど、吸気の酸素濃度が低くなるため、ガソリンの噴射量が少なくなる。また、EGRバルブ21の開度が大きいほど、吸気の二酸化炭素濃度が高くなるため、点火時期を進角側に変更する(早める)。
ステップS14についで、EGR流路19内の排気の置換が完了したか否かを、図2におけるステップS8と同様に判断する(ステップS8)。エンジン1を始動した直後である場合には、EGR流路19内の排気の置換が未だ完了していないため、ステップS8では否定的に判断され、ステップS9に戻る。このようにEGR流路19内の排気の置換が完了するまでの間は、ステップS9からステップS8までのルーチンが繰り返し実行されて、EGR流路19内の排気の置換が進行する。その結果、EGR流路19内の排気の置換が完了してステップS8で肯定的に判断された場合には、このルーチンを一旦終了する。すなわち、間欠始動の制御を終了して、定常制御に移行する。
上述したようにエンジン1を始動させてからEGR流路19内の排気が置換されるまでの過渡期に、EGRバルブ21の開度を、EGR流路19内の排気の組成に応じて制御することにより、その過渡期に、シリンダ2に供給される吸気の酸素濃度や二酸化炭素濃度を適切な濃度に調整することができる。したがって、上記過渡期にエンジン1を安定させて運転することができる。そのため、燃費を向上させることができ、また過渡期のエンジン1の運転による汚染物質の発生を抑制することができる。
なお、上記ステップS2におけるEGR流路19内の排気の組成を、間欠始動を開始する要求がある以前に常時推定し、間欠始動を開始する要求があった場合に、その直前に推定された組成が、EGR流路19内の排気の組成であると確定するように構成されていてもよい。図7には、その制御の一例を模式的に示している。図7に示す例では、まず、EGR流路19内の排気の組成情報を更新する(ステップS21)。具体的には、上記ステップS2と同様にEGR流路19内の排気の組成を推定し、その推定された組成の情報を、ECU23に一時的に保存する。
ついで、間欠始動を開始する要求があるか否かを判断する(ステップS22)。このステップS22は、上記ステップS1と同様である。そして、間欠始動を開始する要求がなくステップS22で否定的に判断された場合には、ステップS21に戻る。すなわち、再度、EGR流路19内の排気の組成を推定し、既に記憶されている組成の情報を、再度推定された組成の情報に書き換える。それとは反対に、間欠始動を開始する要求がありステップS22で肯定的に判断された場合には、EGR流路19内の排気の組成を確定する(ステップS23)。すなわち、ステップS22で肯定的に判断される直前に推定された排気の組成を、上記ステップS3以降で用いる情報として確定させる。その後は、図2におけるステップS3に移行して同様の制御を行う。
なお、ディーゼルエンジンは、燃料の燃料の仕方や循環させるEGRガスの流量制御の精度が、ガソリンエンジンとは異なるものの、上述した間欠始動制御と同様の制御を行うことにより、NOxの発生を抑制するなどの効果を少なからず奏することができる。
1…ガソリンエンジン、 2…シリンダ、 10…吸気流路、 11…スロットルバルブ、 15…排気流路、 19…EGR流路、 21…EGRバルブ、 23…電子制御装置(ECU)。

Claims (10)

  1. 吸気とガソリンとが供給されるシリンダと、
    前記シリンダに向けて前記吸気が流動する吸気流路と、
    前記シリンダ内で前記吸気と前記ガソリンとを混合した混合気が燃焼することにより発生する排気が流動する排気流路と、
    前記排気流路と前記吸気流路とに連通し、前記排気のうちの一部の排気が前記吸気流路に向けて流動する循環流路と、
    前記吸気流路内に取り込む空気の流量を制御するスロットルバルブと、
    前記循環流路を流動する前記排気の流量を制御する循環バルブと、
    前記循環バルブの開度を制御するコントローラと
    を備え、
    前記シリンダへの前記ガソリンの供給を一時的に停止した後に、前記シリンダに対する前記ガソリンの供給を再開し、前記シリンダ内の前記混合気を燃焼するように構成されたガソリンエンジンの始動制御装置において、
    前記循環バルブは、前記排気流路を流動する排気のうちの一部の排気が流入する吸気ポートと、前記吸気ポートから流入した排気を前記吸気流路側に向けて排出する排気ポートとを備え、
    前記コントローラは、
    前記吸気ポートの入力側の排気の組成を推定し、
    前記シリンダに対する前記ガソリンの供給を再開した以降における前記シリンダ内の混合気の組成が予め定められた組成となるように、前記循環バルブの開度を前記推定された前記排気の組成に基づいて制御する
    ように構成されていることを特徴とするガソリンエンジンの始動制御装置。
  2. 請求項1に記載のガソリンエンジンの始動制御装置において、
    前記推定された排気の組成は、前記排気中の酸素濃度を含み、
    前記コントローラは、
    前記シリンダに対する前記ガソリンの供給を再開したことによる前記シリンダ内の混合気の組成が予め定められた組成となるように、前記推定された前記酸素濃度が、予め定められた濃度以上の場合に、前記酸素濃度が前記予め定められた濃度未満の場合と比較して、前記循環バルブの開度を大きくする
    ように構成されていることを特徴とするガソリンエンジンの始動制御装置。
  3. 請求項2に記載のガソリンエンジンの始動制御装置において、
    前記コントローラは、
    前記推定された酸素濃度が高いほど、前記循環バルブの開度を大きくする
    ように構成されていることを特徴とするガソリンエンジンの始動制御装置。
  4. 請求項2または3に記載のガソリンエンジンの始動制御装置において、
    前記コントローラは、
    前記ガソリンエンジンの回転が停止している時間が短いほど、前記排気中の酸素濃度が高いと推定する
    ように構成されていることを特徴とするガソリンエンジンの始動制御装置。
  5. 請求項2または3に記載のガソリンエンジンの始動制御装置において、
    前記コントローラは、
    予め定められた所定の条件が成立した場合に、前記ガソリンエンジンが回転している状態で前記シリンダへの前記ガソリンの供給を停止するフューエルカット制御を実行可能に構成され、
    前記フューエルカット制御を実行している継続時間が長いほど、前記排気中の酸素濃度が高いと推定する
    ように構成されている
    ことを特徴とするガソリンエンジンの始動制御装置。
  6. 請求項2または3に記載のガソリンエンジンの始動制御装置において、
    前記排気流路内の排気に含まれる酸素量を検出する第1センサを備え、
    前記コントローラは、
    前記第1センサにより検出された酸素量が多いほど、前記吸気ポートの入力側の排気の酸素濃度が高いと推定する
    ように構成されていることを特徴とするガソリンエンジンの始動制御装置。
  7. 請求項2または3に記載のガソリンエンジンの始動制御装置において、
    前記排気流路内に排気の空燃比を検出する第2センサを備え、
    前記コントローラは、
    前記第2センサにより検出された空燃比が高いほど、前記吸気ポートの入力側の排気の酸素濃度が高いと推定する
    ように構成されていることを特徴とするガソリンエンジンの始動制御装置。
  8. 請求項1ないし7のいずれか一項に記載のガソリンエンジンの始動制御装置において、
    前記コントローラは、
    前記シリンダに対する前記ガソリンの供給を再開してから前記シリンダから排出される排気によって、前記シリンダに対する前記ガソリンの供給を再開する以前における前記排気流路および前記循環流路内の排気が置換されたことに基づいて前記ガソリンエンジンの始動時における前記循環バルブの制御を終了する
    ように構成されていることを特徴とするガソリンエンジンの始動制御装置。
  9. 請求項8に記載のガソリンエンジンの始動制御装置において、
    前記コントローラは、
    前記シリンダに対する前記ガソリンの供給を再開して前記ガソリンエンジンが回転し始めてから予め定められた所定時間が経過したことと、前記循環流路を流動する前記排気の流量の積算値が予め定められた所定値以上となったこととの少なくともいずれか一方の条件が成立したことにより、前記ガソリンエンジンの始動時における前記循環バルブの制御を終了する
    ように構成されていることを特徴とするガソリンエンジンの始動制御装置。
  10. 請求項8または9に記載のガソリンエンジンの始動制御装置において、
    前記コントローラは、
    前記シリンダに対する前記ガソリンの供給を再開してから前記排気の置換が完了するまでの間の始動過渡期に前記シリンダに供給される吸気の二酸化炭素濃度を推定し、
    前記推定された二酸化炭素濃度が予め定められた濃度以下の場合に、前記推定された二酸化炭素濃度が前記予め定められた濃度よりも高い場合と比較して、前記循環バルブの開度を大きくする
    ように構成されていることを特徴とするガソリンエンジンの始動制御装置。
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