JP2018002988A - 硬化性組成物の品質管理方法、および硬化性組成物 - Google Patents

硬化性組成物の品質管理方法、および硬化性組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 ウルトラマリンを含む光学物品において、ロット毎の色調のばらつきを抑制することができる、該光学物品を形成する硬化性組成物の品質管理方法を提供する。【解決手段】(A)ウルトラマリンと、(B−1)アリル基を有する重合性単量体を少なくとも含む(B)重合性単量体成分とを含有する(C)硬化性組成物を準備する準備工程、前記準備工程で準備した前記(C)硬化性組成物の一部を取り出し、取り出した前記(C)硬化性組成物1質量部に対して9質量部の水を混合する混合工程、および前記混合工程で混合した水を取り出し、前記水のpHを測定する測定工程を含む硬化性組成物の品質管理方法である。【選択図】 なし

Description

本発明は、顔料であるウルトラマリンを含む硬化性組成物の新規な品質管理法、及び新規な硬化性組成物に関する。
プラスチックは、様々な分野で使用されている。光学物品で使用されているプラスチックは、重合性単量体を含む硬化性組成物を硬化させて製造されているものが多い。例えば、プラスチックレンズは、所望の形状を有する型に硬化性組成物を注入した後、前記硬化性組成物を硬化させて得られている。
このようなプラスチックレンズの中でも、眼鏡レンズのような光学レンズは、その用途に応じて各種様々な添加剤が配合されている。例えば、色調を調整するために、ウルトラマリン等が配合される場合がある。
このウルトラマリンは、耐光性、耐熱性に優れた無機顔料である。ウルトラマリンは、硫黄を含むアルミノシリケート錯体の微粒子であり、具体的な構造は、完全に明らかとはなっていないが、一例として一般にNa(8〜9)AlSi24(2〜4)が挙げられる。そして、一般的な性質として、アルカリに対しては比較的安定であるものの、酸には非常に弱いという性質を有するとことが知られており、それを改質するために表面処理等を盛んに行われている(例えば、特許文献1、2参照)。
一方、眼鏡レンズ用の重合性単量体は、その用途、例えば、屈折率等に応じて様々な重合性単量体が使用されている。例えば、アリル基を有する前記重合性単量体は、最も汎用的な重合性単量体である。中でも、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート系モノマー、及びジアリルフタレート系モノマーは、最も汎用な重合性単量体であり、非常に多くの量が使用されている。
眼鏡レンズに使用されている重合性単量体、例えば、アリル基を有する重合性単量体は、優れた性能の眼鏡レンズとするために、様々な基が組み合わされている。具体的には、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート系モノマー、及びジアリルフタレート系モノマーは、分子内2つのアリル基を有し、その他、グリコール鎖、フタレート基が導入されている。
このようなアリル基を有する重合性単量体は、得られる眼鏡レンズが所望の色調となるように、前記重合性単量体を含む硬化性組成物に、特定の重合開始剤、特定の紫外線吸収剤、その他添加剤等を配合して使用される場合がある(例えば、特許文献3参照)。また、所望の物性を有する光学物品を製造しようとする場合には、その他の重合性単量体と混合して使用される場合もある。
特開昭54−95632号公報 特公昭60−9723号公報 特開2005−266794号公報
眼鏡レンズを作製する場合、通常、色を付けたレンズとするためには、ウルトラマリンのような顔料と重合性単量体とを混合した硬化性組成物を使用する。そして、重合開始剤、紫外線吸収剤、およびその他の添加剤・重合性単量体等が配合された硬化性組成物を硬化した際、得られる光学物品が黄変する場合がある。そのため、ウルトラマリンを含むブルイング剤を配合して、色調を調整する場合がある。このブルイング剤は、通常、重合性単量体等で希釈された状態で硬化性組成物に配合される。
本発明者等の検討によれば、ウルトラマリンを配合した硬化性組成物を使用した場合、得られる光学物品、例えば、眼鏡レンズが所望とする色調にならない場合があることが分かった。
したがって、本発明の目的は、ウルトラマリンのような顔料を含む硬化性組成物を硬化させて光学物品を製造するに際し、得られる光学物品の色調がばらつかない様にするための方法、およびそれを満足する硬化性組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた。得られる光学物品の色調にばらつきが生じる原因を調査した。アリル基を有する重合性単量体は、前記の通り、その物性を維持するために様々な添加剤等が配合されたり、前記重合性単量体の合成時に生じる副生物、または合成時に使用した触媒残差等の不純物が若干であるが含まれる。本発明者等は、これら添加剤・不純物が悪影響を与えているのではないか考えたが、前記不純物は特に含有量が少なく、どの成分がレンズ色調に影響を与えているかを特定することが困難であった。また、複数の重合性単量体を含む場合には、レンズ色調に悪影響を与える不純物を特定するのが困難であった。
そのため、本発明者等は、さらに検討を進めた結果、実施にウルトラマリンと前記重合性単量体とを含む硬化性組成物の分析を予め実施することで、レンズ色調のばらつきを抑制できるのではないかと考えた。その結果、前記硬化性組成物のpHを予め確認することにより、レンズ色調のばらつきを抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、第一の本発明は、
(A)ウルトラマリン、および(B−1)アリル基を有する重合性単量体を少なくとも含む(B)重合性単量体成分を含有する(C)硬化性組成物を準備する準備工程、
前記準備工程で準備した前記(C)硬化性組成物の一部を取り出し、取り出した前記(C)硬化性組成物1質量部に対して9質量部の水を混合する混合工程、および
前記混合工程で混合した水を取り出し、前記水のpHを測定する測定工程
を含む硬化性組成物の品質管理方法。
第一の本発明において、より汎用に使用される色調の光学物品を製造するための品質管理方法とするためには、
前記(C)硬化性組成物に含まれる前記(A)ウルトラマリンが0.1〜10.0質量%であり、前記測定工程において、前記水のpHが5〜10である場合に硬化性組成物を良品と判断することが好ましい。
また、第一の本発明において、前記(A)ウルトラマリンの分散性がよい光学物品を製造するための品質管理方法とするためには、前記(A)ウルトラマリンの体積平均粒子径(D50)が0.1〜1.0μmであることが好ましい。
さらに、第一の本発明において、汎用な光学物品を製造するための品質管理方法とするためには、前記(B)重合性単量体成分に含まれる(B−1)アリル基を有する前記重合性単量体が、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート系モノマー、及びジアリルフタレート系モノマーから選ばれるモノマーであることが好ましい。
第二の本発明は、(A)ウルトラマリン、および(B−1)アリル基を有する重合性単量体を少なくとも含む(B)重合性単量体成分を含む(C)硬化性組成物であって、
前記(C)硬化性組成物に含まれる前記(A)ウルトラマリンが0.1〜10.0質量%であり、かつ、
前記硬化性組成物1質量部に対して9質量部の水を混合し、前記水のpHが5〜10となることを特徴とする硬化性組成物である。
第二の本発明においては、前記(A)ウルトラマリンの体積平均粒子径(D50)が0.1〜1.0μmであることが好ましい。
また、第二の本発明においては、前記(B)重合性単量体成分に含まれる(B−1)アリル基を有する前記重合性単量体が、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート系モノマー、及びジアリルフタレート系モノマーから選ばれるモノマーであることが好ましい。
第三の本発明は、第一の本発明において、前記測定工程で前記水のpHを測定した後、該pHの値から前記(C)硬化性組成物の使用量を決定して、前記(C)硬化性組成物を少なくとも含む組成物を硬化させることにより、光学物品を製造する方法である。こうすることにより、色調のばらつきが少なく、より汎用的な光学物品を製造することができる。
第三の本発明においては、使用量を決定した前記(C)硬化性組成物と、さらに(B−1)アリル基を有する重合性単量体とを混合して組成物とした後、得られた組成物を硬化させることにより、光学物品を製造することが好ましい。
本発明の方法によれば、光学物品を作製する前に、得られる光学物品の色調のばらつきを抑制することができる。特に、前記光学物品を形成する硬化性組成物と水とを混合し、その水のpHを5〜10とすることにより、より汎用的であり、色調のばらつきが少ない光学物品を製造できる。前記水のpHが5〜10を満足する前記硬化組成物に、さらに、アリル基を有する重合性単量体を加えた組成物を硬化して得られる光学物品にも適用できる。
本発明は、(A)ウルトラマリンと、(B−1)アリル基を有する重合性単量体を少なくとも含む(B)重合性単量体成分とを含有する(C)硬化性組成物の品質を管理する方法に関する。すなわち、本発明は、最終的に得られる光学物品において、前記(A)ウルトラマリンが発揮する役割(色付け)の性能低下を、光学物品とする前に判断できる品質管理方法を提供するものである。
先ず、各成分について説明する。
(A)ウルトラマリン
本発明で品質管理をする対象の硬化性組成物は、(A)ウルトラマリンを含むものである。(A)ウルトラマリンとは、前記の通り、耐光性、耐熱性に優れた無機顔料である。(A)ウルトラマリンは、硫黄を含むアルミノシリケート錯体の微粒子である。完全に明らかとはなっていないが、具体的な構造は、青色の無機顔料としては、Na(8〜9)AlSi24(2〜4)が挙げられる。前記(A)ウルトラマリンは、天然品、および合成品の何れも使用可能である。また、前記(A)ウルトラマリンは、市販のものを使用することができる。
前記(A)ウルトラマリンは、ソーダライトゲージに入った硫黄化合物が発色団となっている。本発明で使用する(A)ウルトラマリンは、発色団がS である青色、S の他にS を含む紫色・赤色、S の他にS を含む黄色・緑色の何れの色調のものであってもよい。中でも、最終的に得られる光学物品を眼鏡レンズとして使用する場合には、赤紫色、青紫色の色調を有するものを使用することができる。
(A)ウルトラマリンは、表面処理が施されていてもよい。具体的には、特許文献1、2に記載の無機物質で表面処理したものであってもよいし、有機物質で表面処理したものであってもよい。表面処理に使用する有機物質で表面処理した(A)ウルトラマリンとしては、例えば、特開昭48−80125号公報に記載の方法で得られるものが挙げられる。表面処理した(A)ウルトラマリンにおいて、無機物質、および有機物質(併せて表面処理剤とする場合もある)の使用量は、特に制限されるものではないが、(A)ウルトラマリン100質量部に対して、1〜40質量部であることが好ましく、さらに2〜20質量部であることが好ましい。
前記(A)ウルトラマリンは、特に制限されるものではないが、体積平均粒子径(D50)が0.1〜1.0μmであるものを使用することが好ましい。なお、D50は当然のことであるが、粒子径分布曲線下において、低粒子径から積算した体積が全体の50%に当たる粒子径の値を指す。体積平均粒子径(D50)が0.1〜1.0μmであることにより、硬化性組成物中の分散状態を向上することができ、最終的に得られる光学物品中の分散状態を良好にすることができる。より分散状態をよいものとするためには、体積平均粒子径(D50)は、0.2〜0.8μmとすることが好ましい。
さらに、より一層、分散状態を向上させるためには、比較的大きな粒子を含まないことが好ましい。具体的には、D90(粒子径分布曲線下において、低粒子径から積算した体積が全体の90%に当たる粒子径の値)が3.0μm以下であることが好ましい。より好ましくは、体積平均粒子径(50)が0.1〜1.0μmであり、D90が0.2〜3.0μmであり、さらに好ましくは、D50が0.2〜0.8μmであり、D90が0.3〜2.5μmであるものを使用することである。前記粒子径を満足する(A)ウルトラマリンは、市販のもの、または市販のものを公知の粉砕方法により粉砕したものを使用することができる。
(B)重合性単量体成分
本発明で使用する硬化性組成物は、(B)重合性単量体成分を含むものであり、前記(B)重合性単量体成分は、(B−1)アリル基を有する重合性単量体を少なくとも含むものである。具体的には、公知の重合性単量体を組み合わせたものを使用することができる。例えば、特許文献3に例示してある、(B−1)アリル基を有する重合性単量体を含む(B)重合性単量体成分を使用できる。
(B−1)アリル基を有する重合性単量体
本発明においては、(B−1)アリル基を有する重合性単量体を必須成分として含有する(C)硬化性組成物が対象となる。前記(B−1)アリル基を有する重合性単量体は、汎用的な光学物品のモノマーであり、特に眼鏡レンズ用に多く使用されている。
アリル基を有する重合性単量体は、公知のものが何ら制限無く使用できる。例えば、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート系モノマー、およびジアリルフタレート系モノマーを挙げることができる。これらモノマーは、1種類のものを使用することもできるし、2種類上の混合物を使用することもできる。
ジエチレングリコールビスアリルカーボネート系モノマーとは、その両分子末端がアリ
ルカーボネート基を有するモノマーである。具体的には、ジエチレングリコールジアリル
カーボネートを挙げることができる。
ジアリルフタレート系モノマーとは、その両分子末端にアリルフタレート基を有するモ
ノマーである。具体的には、ジアリルイソフタレート、ジアリルテレフタレート、或いは
下記式
Figure 2018002988
Figure 2018002988
(式中、Rは水素原子又はメチル基であり、Xはハロゲン原子であり、nは1〜20の整数である。)で表されるアリルエステルオリゴマーを挙げることができる。上記式で表されるアリルエステルオリゴマー中、nが1〜10のオリゴマーが特に好ましい。上記アリルエステルオリゴマーは、例えば特開平7−33831記載の方法で製造できる。
本発明においては、上記に例示した(B−1)アリル基を有する重合性単量体を少なくとも含む(C)硬化性組成物が対象となる。前記(C)硬化性組成物を対象とする理由は、以下の通りである。その理由の一つは、前記(B−1)アリル基を有する重合性単量体は、非常に汎用的なモノマーであり、多くの光学物品に使用されていることが挙げられる。そのため、品質管理が実施できれば、より効果が高いからである。その他の理由としては、前記(B−1)アリル基を有する重合性単量体は、その合成時に使用される酸触媒、および酸成分である原料化合物が残存している可能性が高いことが挙げられる。推定ではあるが、この酸触媒、および酸成分の原料化合物が、前記(A)ウルトラマリンの着色効果を低減している可能性がある。そのため、本発明により品質管理をすることで、最終的に得られる光学物品を色調のばらつきを抑制できるものと考えられる。
(B−2)その他の重合性単量体
前記(B)重合性単量体成分は、前記(B−1)アリル基を有する重合性単量体以外の(B−2)その他の重合性単量体を含むこともできる。前記(B−2)その他の重合性単量体を例示すれば、
スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロルスチレン、クロルメチルスチレン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル化合物;
メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ) アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ) アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、3−クロロ−2− ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、グリシジル( メタ) アクリレート、ベンジルメタクリレート等のモノ(メタ)アクリレート類;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル( メタ) アクリレート、4−ヒドロキシブチル( メタ) アクリレート等のヒドロキシ基を有するモノ( メタ) アクリレート類;
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ( メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ) アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジ(メタ)アクリロキシプロパン、2,2−ビス〔4−((メタ)アクリロキシエトキシ) フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−((メタ)アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−((メタ)アクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル〕プロパン等のジ(メタ) アクリレート類;
トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタントリメタクリレート等のトリ(メタ)アクリレート類;
テトラメチロールメタンテトラ(メタ) アクリレート等のテトラ( メタ) アクリレート類を例示することができる。なお、前記(メタ)アクリレートとは、メタクリレート基またはアクリレート基を有するモノマーを指す。これら他のモノマーのうち、高屈折率の眼鏡レンズを提供する場合には、芳香環を有するモノマーを使用することが好ましい。
(B)重合性単量体成分の配合割合、および不純物
(B)重合性単量体成分は、前記(B−1)アリル基を有する重合性単量体を含めば、前記(B−2)その他の重合性単量体は任意の配合量であればよい。つまり、(B)重合性単量体成分は、前記(B−1)アリル基を有する重合性単量体のみであってもよいし、所望とする物性の光学物品を得るために、前記(B−1)アリル基を有する重合性単量体と前記(B−2)その他の重合性単量体との混合物であってもよい。(B−2)その他の重合性単量体を使用する場合には、前記(B−1)アリル基を有する重合性単量体100質量部に対して、前記(B−2)その他の重合性単量体を10〜70質量部とすることが好ましい。ただし、例えば、より汎用な眼鏡レンズであるポリカーボネート系レンズ、具体的にはポリジエチレングリコールビスアリールカーボネートを製造するためには、前記(B−1)アリル基を有する重合性単量体のみを使用することが好ましい。
(B)重合性単量体成分は、(B−1)アリル基を有する重合性単量体、必要に応じて配合される前記(B−2)その他の重合性単量体以外に、不可避的に混入される不純物(重合性単量体以外の不純物)を含む場合がある。この不純物は、各重合性単量体を合成する際に生じる副生物、合成時に使用する原料化合物、酸成分のような触媒が挙げられる。ただし、当然のことながら、これら不純物は少ない方がよい。そのため、不純物が含まれる場合であっても、全重合性単量体の基準質量((B−1)アリル基を有する重合性単量体の質量、または前記(B−2)その他の重合性単量体を使用する場合には、(B−1)アリル基を有する重合性単量体と前記(B−2)その他の重合性単量体との合計質量)100質量部に対して、不純物が1質量部未満であることが好ましい。最も好ましくは不純物が0質量部であることが好ましいが、工業的な生産を考慮すると、該不純物は0.01質量以上1質量部未満である。
(C)硬化性組成物
本発明で対象となる(C)硬化性組成物は、前記(A)ウルトラマリンと前記(B)重合性単量体成分とを含有する。前記(C)硬化性組成物は、前記(A)ウルトラマリンと(B)重合性単量体成分とを混合することにより、得ることができる(準備することができる。)。混合方法は、特に制限されるものではなく、公知の方法で混合することができる。具体的には、(A)成分、(B)成分、および必要に応じて配合される添加剤を、公知の混合機で混合すればよい。混合機としては、ボールミル、ビースミル等が挙げられる。
また、(C)硬化性組成物は、前記方法の際、公知の添加剤を配合することができる。公知の添加剤としては、分散剤、界面活性剤、重合性開始剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、重合禁止剤、等を例示することができる。
前記(C)硬化性組成物において、前記(A)ウルトラマリンの配合割合は、目的とする光学物品の用途に応じて適宜決定すればよい。中でも、前記光学物品を眼鏡レンズに使用する場合には、前記(C)硬化性組成物100質量%としたとき、0.001〜10質量%の前記(A)ウルトラマリンを含むことが好ましい。前記(C)硬化性組成物100質量%としたとき、前記(A)ウルトラマリンは0.001〜5質量%であることがより好ましく、前記(A)ウルトラマリンは0.001〜3質量%であることがさらに好ましい。つまり、本発明で好適に品質管理する(C)硬化性組成物を希釈して眼鏡レンズとすることが好ましい。なお、前記(C)硬化性組成物100質量%とは、前記(A)ウルトラマリン、前記(B)重合性単量体成分、および必要に応じて配合される添加剤等の硬化性組成物に含まれる全量を指す。
本発明において、品質管理の対象となる好適な(C)硬化性組成物は、該(C)硬化性組成物100質量%としたとき、0.1〜10質量%の前記(A)ウルトラマリンを含むものである。この理由は、以下の通りである。前記(A)ウルトラマリンが0.1〜10質量%であることにより、ある程度濃度が濃いため、希釈して光学物品にすると色調に差がある場合でも、この濃度範囲においては目視では全く判断できない。しかも、ある程度濃度が高いため、経時変化による前記(A)ウルトラマリンの性能低下が著しい。そのため、0.1〜10質量%の前記(A)ウルトラマリンを含む硬化性組成物を品質管理の対象物とすることが好ましい。また、0.1〜10質量%の前記(A)ウルトラマリンを含む硬化性組成物は、希釈して使用し易く、汎用的に使用できるため、品質管理がより重要となる。
本発明の品質管理方法では、前記(A)ウルトラマリンが0.1質量%未満のものを対象とすることも可能であるが、pHの測定値にばらつきが生じ易い。また、10質量%を超えるものを対象とすることもできるが、元々、非常に濃い青色の光学物品となるため、多少、前記(A)ウルトラマリンの性能が低下したとしても、光学物品に悪影響を与えることが少ない。
以上のような理由から、本発明においては、前記(C)硬化性組成物100質量%としたとき、前記(A)ウルトラマリンの配合割合が、0.2〜10質量%であるものを対象とすることがより好ましく、0.5〜5.0質量%であるものを対象とすることがさらに好ましい。
下記に詳述する品質管理方法でその製品を判断した前記(C)硬化性組成物は、そのまま硬化して使用することができる。また、例えば、眼鏡レンズとする場合には、さらに前記(B−1)アリル基を有する重合性単量体を加えて使用することも可能である。
なお、前記(A)ウルトラマリンの配合量において、表面処理された前記(A)ウルトラマリンを使用する場合には、表面処理された前記(A)ウルトラマリンの量を基準とする。
本発明においては、前記(C)硬化性組成物を品質管理方法の対象とする。次に、具体的な品質管理方法について説明する。
硬化性組成物の品質を管理する方法
本発明は、(A)ウルトラマリンと、(B−1)アリル基を有する重合性単量体を少なくとも含む(B)重合性単量体成分とを含有する(C)硬化性組成物を準備する準備工程、
前記準備工程で準備した前記(C)硬化性組成物の一部を取り出し、取り出した前記(C)硬化性組成物1質量部に対して9質量部の水を混合する混合工程、および
前記混合工程で混合した水を取り出し、前記水のpHを測定する測定工程
を含む。本発明の特徴は、前記(C)硬化性組成物の時点で光学物品の色調の状態を確認できる点にある。本発明により品質管理を行うことにより、(A)ウルトラマリンのみでの品質管理、または(B)重合性単量体のみでの品質管理を実施するよりも、高い精度で光学物品の色調の状態を判断できる。次に、これらの各工程について説明する。
硬化性組成物を準備する準備工程
この準備工程は、前記(A)ウルトラマリンと、前記(B−1)アリル基を有する重合性単量体を少なくとも含む前記(B)重合性単量体成分とを含有する前記(C)硬化性組成物を製造する工程である。目的とする光学物品とするために、前記で説明した各成分を混合して前記(C)硬化性組成物を製造(準備)する。混合する方法は、前記(C)硬化性組成物の説明で示した通りである。この前記(C)硬化性組成物を品質管理の対象とすることにより、前記(A)ウルトラマリンのみの品質管理、または前記(B)重合性単量体成分のみの品質管理では判断することが難しかった、光学物品の色ずれ(色調のばらつき)を抑制できる。
混合工程
この混合工程では、前記準備工程で準備した前記(C)硬化性組成物の一部を取り出し、取り出した前記(C)硬化性組成物1質量部に対して9質量部の水を混合する。混合する方法は、特に制限されるものではなく、前記(C)硬化性組成物と水とが十分に接触するように混合すればよい。
混合に使用する水の量は、前記(C)硬化性組成物1質量部に対して9質量部である。すなわち、前記(C)硬化性組成物を10倍希釈する。特に、前記(A)ウルトラマリンが0.1〜10.0質量%含まれる前記(C)硬化性組成物であれば、10倍希釈で十分な評価を行うことが可能となる。
混合工程においては、準備工程で準備した前記(C)硬化性組成物の一部を取り出して使用すればよい。全部を混合工程で使用すると、そのロットを光学物品用に使用できなくなる。取り出す量は、特に制限されるものではないが、安定してpHの測定を行うためには、取り出す前記(C)硬化性組成物の量が、5〜10g程度であればよい。
測定工程
前記混合工程で前記(C)硬化性組成物と水とを混合した後、水を取り出し、前記水のpHを測定する。この水のpHを測定して、前記(C)硬化性組成物の品質管理、具体的には、用途を決定してやればよい。例えば、pHを測定して、ほぼ同じ値のpHとなる前記(C)硬化性組成物を同一の用途に使用すれば、得られる光学物品の色調のばらつきを抑制することができる。
水を取り出す方法としては、混合後に静置しておき、水層と前記(C)硬化性組成物層とに分離するのを待ち、分離した水層を取り出す方法が挙げられる。使用する(B)重合性単量体成分にもよるが、水層と前記(C)硬化性組成物層とが分離し難い場合には、水層には溶解し難く、前記(C)硬化性組成物層に溶解し易いものを加えることもできる。ただし、(B−1)アリル基を有する前記重合性単量体が、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート系モノマー、及びジアリルフタレート系モノマーを含む場合には、10倍希釈であれば、10分間〜1時間程度、静置することにより、十分水層を分離する(取り出す)ことができる。
水を取り出す場合、分離した水層を分液ロート、またはスポイトとで水を取り出せばよい。取り出した水が濁っている場合には、濾過した後、pHを測定することが好ましい。使用する前記(C)硬化性組成物によっては、硬化性組成物層/水層/着色層((C)ウルトラマリンが青色であれば青色層)の3つに分離する場合がある。この場合は、水層のみを取り出し、pHを測定するものとする。
pHを測定する方法は、公知の方法で測定すればよい。経時変化による測定誤差をなくすためには、取り出した水のpHを、できるだけ直ぐに測定することが好ましい。
以上の方法により、pHを測定して前記(C)硬化性組成物の品質の管理をすれば、最終的に得られる光学物品の色調のばらつきを抑制できる。測定したpHに応じて、前記(C)硬化性組成物の各ロットの用途を決定すれば、各用途における光学物品の色調のばらつきを抑制できる。つまり、本発明の品質管理方法によれば、前記(C)硬化性組成物のpHを測定することにより、経時的に前記(C)硬化性組成物の状態が変化したとしても、最終的に得られる光学物品の状態(色調)を予測して、該(C)硬化性組成物の品質を管理できる。
本発明で品質管理する前記(C)硬化性組成物は、室温(23℃)において液体である。本発明者等の検討によれば、徐々に前記(A)ウルトラマリンの性能が低下する場合があることが分かった。この原因は明らかではないが、例えば、(B−1)アリル基を有する重合性単量体に含まれる不純物が、液体である前記(C)硬化性組成物中で、前記(A)ウルトラマリンに時間をかけて徐々に接触するのではないかと考えている。そして、その結果、前記(A)ウルトラマリンの性能を低下させるものと推定している。一方、一旦、前記(C)硬化性組成物を硬化させて得られる光学物品は、経時的に色調が変化する割合は少ない。そのため、本発明の品質管理方法でその状態を確認したものは、なるべく早く硬化して光学物品とすることが好ましい。または、各成分の活発な移動を少なくするため、できるだけ低温で前記(C)硬化性組成物を保存することが好ましい。前記(C)硬化性組成物の経時変化をなるべくするためには、5〜15℃で保存しておくことが好ましい。
好適な品質管理方法(眼鏡レンズ用途に使用の場合)
本発明で品質管理を行う前記(C)硬化性組成物を眼鏡レンズ用に使用する場合には、 前記(C)硬化性組成物に含まれる前記(A)ウルトラマリンが0.1〜10.0質量%であり、前記測定工程において、取り出した前記水のpHが5〜10であることが好ましい。この範囲を満足することにより、前記(C)硬化性組成物の各製造ロットにおいて、色調のばらつきが少ない光学物品(眼鏡レンズ;前記(C)硬化性組成物を希釈して使用する場合を含む)を得ることができる。この前記(A)ウルトラマリンの濃度であって、水のpHが5〜10となるのを目安にすることで、品質管理が容易となる。
前記の(A)ウルトラマリンの配合割合の中でも、より正確に安定して品質管理を行い、しかも、広い用途(希釈して使用する用途を含む)で使用するためには、前記(A)ウルトラマリンを0.2〜10.0質量%とすることが好ましく、さらに前記(A)ウルトラマリンを0.5〜5.0質量%とすることが好ましい。また、この時、混合工程で10倍希釈するのに使用した水のpHは、5〜10であることがより好ましく、さらにpHは、6〜9であることがさらに好ましい。このようなpHを満足することにより、例えば、光学物品用に用いた場合であっても、十分な色調、青色を保持することが可能となる。
上記条件で測定した水のpHが5〜10である場合には、安定した色調の光学物品となる(C)硬化性組成物と判断できる。そのため、該(C)硬化性組成物を希釈して使用したとしても、色調のばらつきの少ない光学物品とすることができる。また、pHが5未満となった(C)硬化性組成物を使用する場合には、pHが5〜10を満足する品質の(C)硬化性組成物と同様の色調とする場合には、(A)ウルトラマリンを追加すればよい。また、希釈して使用する場合には、該(C)硬化性組成物の使用量を増加させればよい。なお、この方法において、好適な前記(C)硬化性組成物の配合割合であれば、pHが10を超えることはない。
本発明で品質管理する(C)硬化性組成物を眼鏡レンズ用途に使用する場合には、前記(A)ウルトラマリンの分散状態を改善するために、前記(A)ウルトラマリンの体積平均粒子径(D50)が0.1〜1μmであることが好ましい。さらに、より一層、分散状態を向上させるためには、比較的大きな粒子を含まないことが好ましく、具体的には、D90が3μm以下であることが好ましい。さらに好ましくは、体積平均粒子径(50)が0.1〜1.0μmであり、D90が0.2〜3.0μmのものであり、特に好ましくは、D50が0.2〜0.8μmであり、D90が0.3〜2.5μmであるものである。
また、より汎用的な眼鏡レンズを得るためには、前記(B)重合性単量体成分において、(B−1)アリル基を有する前記重合性単量体が、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート系モノマー、及びジアリルフタレート系モノマーから選ばれるモノマーであることが好ましい。
光学物品の製造方法
本発明においては、目的とする光学物品の用途に対応するように、前記方法で測定したpHの値でロット毎に前記(C)硬化性組成物の用途を決定すればよい。
本発明の品質管理方法においては、前記測定工程で前記水のpHを測定することにより、水と混合した(C)硬化性組成物の色調を予測できる。そのため、前記測定工程で水のpHを測定することにより、所望の色調の光学物品とするための、前記(C)硬化性組成物の使用量を決定できる。そして、使用量が決定した(C)硬化性組成物を少なくとも含む組成物を硬化して光学物品を製造すれば、得られる光学物品の色調のばらつきを少なくできる。特に汎用的な光学物品を製造する場合には、使用量を決定した前記(C)硬化性組成物と、さらに(B−1)アリル基を有する重合性単量体とを混合して組成物とした後、得られた組成物を硬化させることにより、光学物品を製造することが好ましい。以下に、具体的に光学物品を製造する場合の例を説明する。
前記測定工程で水のpHを確認した前記(C)硬化性組成物(前記混合工程で水と混合していない残分の(C)硬化性組成物)は、そのままで硬化して光学物品とすることもできる。また、前記(A)ウルトラマリンの配合量によっては、前記(B−1)アリル基を有する重合性単量体、および/または前記(B−2)その他の重合性単量体を前記(C)硬化性組成物に配合した後、硬化して光学物品とすることもできる。
中でも、眼鏡レンズ用途に使用する場合には、前記(C)硬化性組成物の合計量を100質量%としたとき、前記(A)ウルトラマリンの含有量が、0.001〜10質量%であることが好ましく、0.001〜5質量%であることがより好ましく、0.001〜3質量%であることがさらに好ましい。つまり、本発明で好適に品質管理できる(C)硬化性組成物を希釈して眼鏡レンズとすることが好ましい。このとき、追加する重合性単量体は、pHが5〜7を満足することが好ましく、前記(B−1)アリル基を有する重合性単量体のみであることが好ましい。
具体的な光学物品の製造方法としては、以下の方法を採用することが好ましい。先ず、前記(A)ウルトラマリンが0.1〜10質量%含まれる前記(C)硬化性組成物について、本発明の品質管理方法により、前記(C)硬化性組成物と混合した水のpHを測定する。そのpHの値をもとに、前記(A)ウルトラマリンが0.1〜10質量%含まれる前記(C)硬化性組成物に、pHが5〜7の重合性単量体成分を追加し、所望の濃度のウルトラマリンを含む(硬化性)組成物とした後、光学物品を製造する。中でも、前記水のpHが5〜10である場合に、pHが5〜7の重合性単量体(好ましくは前記(B−1)アリル基を有する重合性単量体のみ)を、前記(A)ウルトラマリンが0.1〜10質量%含まれる前記(C)硬化性組成物に追加して、前記(A)ウルトラマリンの含有量を0.001〜5質量%(より好ましくは0.001〜3質量%)とした後、得られた(硬化性)組成物を硬化して光学物品を製造することが好ましい。
なお、新たに重合性単量体を追加した場合には、なるべく早く光学物品とすることが望ましい。また、当然のことであるが、光学物品を製造するために使用する(C)硬化性組成物は、混合工程で水と混合するために一部取り出した以外の、残分の(C)硬化性組成物であることが好ましい。
光学物品の製造方法は、特に制限されるものではなく、公知の方法で前記(C)硬化性組成物を硬化すればよい。具体的には、前記(C)硬化性組成物が、光重合開始剤を含む場合には、光重合を行い、熱重合開始剤を含む場合には、熱重合を行うことにより、光学物品とすることができる。
本発明によれば、前記(C)硬化性組成物において、含まれる(A)ウルトラマリンの状態を測定しているものと考えられ、各成分の品質管理を行うよりも、より高い精度で前記(C)硬化性組成物の品質を管理することができる(ロット間のばらつきを少なくできる。)。
以下に実施例を挙げて、本発明を詳細に説明するが、具体例であって、本発明はこれらにより限定されるものではない。
以下の実施例において使用した各成分を示す。
(A)ウルトラマリン(市販品)
(A)−1;レーザ回折式粒度分布測定装置により測定した体積平均粒子径(D50)が0.20〜0.25μmの青紫の群青を複数ロット準備した。
(B)重合性単量体成分(市販品)
(B−1)アリル基を有する重合性単量体成分
(B−1)−1;ジエチレングリコールビスアリルカーボネート pH 6.0〜6.5のものを複数ロット準備した。
(B−1)−2;ジアリルイソフタレート pH 6.0〜6.5のものを複数ロット準備した。
その他添加剤
分散剤:ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル
<pHの測定>
pH測定器を用いて、23℃、取り出した水(必要に応じて濾過した水)のpHを測定した。
実施例1
準備工程
(A)ウルトラマリンとして(A)−1を10g、(B)重合性単量体成分として、(B−1)−1 985g、分散剤として5gのポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルを混合し、(C)硬化性組成物を準備した。((C)硬化性組成物100質量%としたとき、(A)ウルトラマリンが1質量%となる場合の例である。)。
混合工程
100mlのスクリュー管に、前記(C)硬化性組成物8g、蒸留水72gを入れた後、スクリュー管を振って、前記(C)硬化性組成物と蒸留水とを混合した。混合した後、30分間静置した。
測定工程
スクリュー管内では、(C)硬化性組成物層/水層/青色膜の3層に分離していた。前記水層をスポイトで取り出し、5Aのろ紙で濾過した後、前記装置でpHを測定した。
ばらつき評価用の光学物品の製造
混合工程で使用しなかった前記(C)硬化性組成物2gと、9998gのジエチレングリコールビスアリルカーボネートモノマー(pH6)とを混合した後、さらに26gの熱重合開始剤(ジイソプロピル パーオキシジカボネート)を入れ、熱重合により光学物品(眼鏡レンズ)を製造した。この光学物品の色調を評価した。具体的には、赤みを示すa、青みを示すbをカラメーターにより評価した。
他ロット(サンプル)の評価
以上のような操作(準備工程・測定工程・光学物品の製造工程)を製品ロットが異なる(A)−1、(B−1)−1を使用して、合計10ロット(サンプル)の光学物品(眼鏡レンズ)の色調を測定した。ロット(サンプル)の中には、40℃で1日保存した(C)硬化性組成物を使用したものを加えた。ただし、眼鏡レンズを作製するために(C)硬化性組成物を希釈したジエチレングリコールビスアリルカーボネートモノマー(pH 6.3のもの)は、各ロット(サンプル)において同じものを使用した。
ジエチレングリコールビスアリルカーボネートモノマーで希釈する前の(C)硬化性組成物、及び眼鏡レンズにする直前の硬化性組成物を目視で確認したが、青色状態に差はなかった。結果を表1にまとめた。
Figure 2018002988
(B−1)−1として使用したジエチレングリコールビスアリルカーボネートは、pHが6.0〜6.5の範囲であったにもかかわらず、ロット違い、保存状態の違いによって、(C)硬化性組成物と混合した水のpHは、3.5〜7.8と幅広い範囲となった。
実施例1においては、bはpHの違いにより差があることが分かった。大きな括りで考えると、水のpHが5以上(pH5.1以上)となることにより、bが−0.45以上の十分に色調が整った青味のある眼鏡レンズとできることが分かった。さらに、pHをより細分化して品質管理を行うことにより、色調、特に、bに差のない光学物品(眼鏡レンズ)を製造できることが分かった。
また、赤みを示すaに大きな差はないが、aに関しても、例えば、pH7.5以上、未満を品質管理値にすることで、aまでもがばらつきの少ない光学物品(眼鏡レンズ)を得ることができる。
以上の通り、眼鏡レンズにする前の色調では、例え0.2質量%に希釈に希釈した場合((A)ウルトラマリンの量を0.002質量%とした場合)であっても、目視ではその色調の差が確認できなかったが、(C)硬化性組成物の水のpHを測定することにより、眼鏡レンズの色調を予め推測できることが証明された。
実施例2
準備工程
(A)ウルトラマリンとして(A)−1を10g、(B)重合性単量体成分として、(B−1)−2 985g、分散剤として5gのポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルを混合し、(C)硬化性組成物を準備した。((C)硬化性組成物100質量%としたとき、(A)ウルトラマリンが1質量%となる場合の例であり、実施例1とはモノマーを変更した場合の例である。)。
前記準備工程で準備した(C)硬化性組成物を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、混合工程、測定工程を実施した。測定工程おいて、pHを測定した。
ばらつき評価用の光学物品の製造
9998gのジアリルイソフタレート(pH6.3)のものを使用した以外は、実施例1に記載の方法と同様の方法で光学物品(眼鏡レンズ)を製造し、同様の評価方法で該眼鏡レンズのa、bを測定した。
他ロット(サンプル)の評価
以上のような操作(準備工程・測定工程・光学物品の製造工程)を製品ロットが異なる(A)−1、(B−1)−2を使用して、合計10ロット(サンプル)の光学物品(眼鏡レンズ)の色調を測定した。ロット(サンプル)の中には、40℃で1日保存した(C)硬化性組成物を使用したものを加えた。ただし、眼鏡レンズを作製するために(C)硬化性組成物を希釈したジアリルイソフタレートは、各ロット(サンプル)において同じものを使用した。
ジアリルイソフタレートモノマーで希釈する前の(C)硬化性組成物、及び眼鏡レンズにする直前の硬化性組成物を目視で確認したが、青色状態に差はなかった。結果を表2にまとめた。
Figure 2018002988
(B−1)−2として使用したジアリルイソフタレートは、pHが6.0〜6.5の範囲であったにもかかわらず、ロット違い、保存状態の違いによって、(C)硬化性組成物と混合した水のpHは、3.6〜7.7と幅広い範囲となった。
実施例1と同じく、(C)硬化性組成物のpHを測定することにより、最終的に得られる眼鏡レンズの色調が確認できることが証明された。

Claims (9)

  1. (A)ウルトラマリンと、(B−1)アリル基を有する重合性単量体を少なくとも含む(B)重合性単量体成分とを含有する(C)硬化性組成物を準備する準備工程、
    前記準備工程で準備した前記(C)硬化性組成物の一部を取り出し、取り出した前記(C)硬化性組成物1質量部に対して9質量部の水を混合する混合工程、および
    前記混合工程で混合した水を取り出し、前記水のpHを測定する測定工程
    を含む硬化性組成物の品質管理方法。
  2. 前記(C)硬化性組成物に含まれる前記(A)ウルトラマリンが0.1〜10.0質量%であり、
    前記測定工程において、前記水のpHが5〜10である場合に(C)硬化性組成物を良品と判断する請求項1に記載の品質管理方法。
  3. 前記(A)ウルトラマリンの体積平均粒子径(D50)が0.1〜1.0μmである請求項1に記載の品質管理方法。
  4. 前記(B)重合性単量体成分において、(B−1)アリル基を有する前記重合性単量体が、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート系モノマー、及びジアリルフタレート系モノマーから選ばれるモノマーである請求項1に記載の品質管理方法。
  5. (A)ウルトラマリン、および(B−1)アリル基を有する重合性単量体を少なくとも含む(B)重合性単量体成分を含む(C)硬化性組成物であって、
    前記(C)硬化性組成物に含まれる前記(A)ウルトラマリンが0.1〜10.0質量%であり、かつ、
    前記(C)硬化性組成物1質量部に対して9質量部の水を混合し、前記水のpHが5〜10となることを特徴とする硬化性組成物。
  6. 前記(A)ウルトラマリンの体積平均粒子径(D50)が0.1〜1.0μmである請求項5に記載の硬化性組成物。
  7. 前記(B)重合性単量体成分において、(B−1)アリル基を有する前記重合性単量体が、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート系モノマー、及びジアリルフタレート系モノマーから選ばれるモノマーである請求項5に記載の硬化性組成物。
  8. 請求項1に記載の品質管理方法において、前記測定工程で前記水のpHを測定した後、該pHの値から前記(C)硬化性組成物の使用量を決定して、前記(C)硬化性組成物を少なくとも含む組成物を硬化させることにより、光学物品を製造する方法。
  9. 使用量を決定した前記(C)硬化性組成物と、さらに(B−1)アリル基を有する重合性単量体とを混合して組成物とした後、得られた組成物を硬化させることにより、光学物品を製造することを特徴とする請求項8に記載の方法。
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