JP2018002878A - 塗料組成物、塗装物品、含フッ素重合体および化合物 - Google Patents

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俊 齋藤
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Abstract

【課題】本発明の課題は、粉体化したときに耐ブロッキング性に優れ、かつ、1液硬化型塗料組成物としても使用できる、優れた性能の塗膜を形成できる塗料組成物を提供することである。また、本発明の課題は、塗装物品、含フッ素重合体および化合物を提供することにもある。【解決手段】本発明の塗料組成物は、フルオロオレフィンに基づく重合単位と、脂肪族環構造を有するアセタールエステル部位を側鎖に有する重合単位と、を含む含フッ素重合体を含有する。【選択図】なし

Description

本発明は、塗料組成物、塗装物品、含フッ素重合体および化合物に関する。
従来から、フルオロオレフィンに基づく重合単位と他の単量体に基づく重合単位を含む含フッ素重合体を含有する塗料組成物が知られている。たとえば、特許文献1には、(メタ)アクリル酸およびアルキルビニルエーテルの反応物であるヘミアセタールエステル単量体と、フルオロオレフィン単量体と、ポリフルオロアルキルアクリレートなどの単量体と、を共重合させて得られた含フッ素重合体を1液硬化型塗料組成物に使用することが開示されている。
特開2000−26545号公報
カルボキシ基などの架橋性基を有する重合単位を含む含フッ素重合体と、架橋性基と反応する硬化剤と、を混合して得られる塗料組成物は、その使用前に架橋反応が部分的に進行してしまう。そのため、その使用において、塗料組成物の濡れ広がり性が低下する、塗膜外観が低下する、その塗膜の耐沸騰水性が低下する、塗膜耐候性が低下する等、塗膜性能が低下しやすい。そのため、塗工直前に塗料組成物と硬化剤とを混合する、いわゆる2液硬化型塗料組成物が用いられる場合がある。しかし、2液硬化型塗料組成物は、塗料組成物と硬化剤とを混合する操作が別途必要であり、作業効率上、必ずしも好ましくない。
よって、優れた性能の塗膜を形成できる1液硬化型の塗料組成物が求められている。
ところで、含フッ素重合体を含有する塗料組成物は、有機溶剤に分散または溶解させて溶剤組成物として使用される場合もあるが、近年の環境負荷低減の観点から、有機溶剤を実質的に含まない粉体塗料組成物として使用されるのが望まれている。
本発明者らが、特許文献1に記載の含フッ素重合体を含有する塗料組成物を粉体化して粉体塗料組成物に調製した結果、アセタールエステル部位を側鎖に有する重合単位が鎖状構造であると、その保存の際に、粉体塗料組成物が凝集して、ブロック状になることを知見している(いわゆる、耐ブロッキング性の低下)。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、粉体化した際の耐ブロッキング性に優れ、かつ、1液硬化型塗料組成物とした場合に優れた性能の塗膜を形成できる塗料組成物の提供を目的とする。また、本発明は、塗装物品、含フッ素重合体および化合物の提供も目的とする。
本発明者は、上記課題について鋭意検討した結果、脂肪族環構造を有するアセタールエステル部位を側鎖に有する重合単位を含む含フッ素重合体を含有する塗料組成物を用いることで、所望の効果が得られることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明者は、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
[1]
フルオロオレフィンに基づく重合単位と、脂肪族環構造を有するアセタールエステル部位を側鎖に有する重合単位と、を含む含フッ素重合体を含有する、塗料組成物。
[2]
脂肪族環構造を有するアセタールエステル部位が、後述する式(1)〜式(3)で表される少なくとも1つの構造を有する、上記[1]に記載の塗料組成物。
後述する式(1)中、R1Aは、炭素数3〜12のシクロアルキル基または炭素数4〜12のシクロアルキルアルキル基を表す。
後述する式(2)中、R2Aは、炭素数2〜13のアルキレン基、または、置換基を有する炭素数2〜13のアルキレン基を表す。R2Aが置換基を有する炭素数2〜13のアルキレン基である場合、隣接する置換基が互いに結合して環を形成していてもよい。R2Bは、水素原子またはメチル基を表す。R2Bが水素原子である場合には、Xは単結合を表し、R2Bがメチル基である場合には、Xは酸素原子を表す。
後述する式(3)中、R3Aは、炭素数2〜12のアルキレン基を表す。YおよびZは、同時に単結合、または、同時に酸素原子を表す。YおよびZが同時に単結合である場合には、R3Bは、炭素数1〜6のアルコキシ基を表す。YおよびZが同時に酸素原子である場合には、R3Bは、水素原子を表す。
後述する式(1)〜(3)中、「*」は、他の基との結合位置を表す。
[3]
上記含フッ素重合体が粒子状である、上記[1]または上記[2]に記載の塗料組成物。
[4]
上記塗料組成物が、粉体塗料組成物である、上記[1]〜[3]のいずれか1つに記載の塗料組成物。
[5]
基材と、上記[1]〜[4]のいずれか1つに記載の塗料組成物により上記基材上に形成された塗膜と、を有する、塗装物品。
[6]
後述する式(1A)〜式(3A)で表される少なくとも1つの重合単位と、フルオロオレフィンに基づく重合単位と、を含む、含フッ素重合体。
後述する式(1A)中、R1Aは、炭素数3〜12のシクロアルキル基または炭素数4〜12のシクロアルキルアルキル基を表す。
後述する式(2A)中、R2Aは、炭素数2〜13のアルキレン基、または、置換基を有する炭素数2〜13のアルキレン基を表す。R2Aが置換基を有する炭素数2〜13のアルキレン基である場合、隣接する置換基が互いに結合して環を形成していてもよい。R2Bは、水素原子またはメチル基を表す。R2Bが水素原子である場合には、Xは単結合を表し、R2Bがメチル基である場合には、Xは酸素原子を表す。
後述する式(3A)中、R3Aは、炭素数2〜12のアルキレン基を表す。YおよびZは、同時に単結合、または、同時に酸素原子を表す。YおよびZが同時に単結合である場合には、R3Bは、炭素数1〜6のアルコキシ基を表す。YおよびZが同時に酸素原子である場合には、R3Bは、水素原子を表す。
後述する式(1A)〜(3A)中、Rはそれぞれ独立に、水素原子またはメチル基を表す。Qはそれぞれ独立に、炭素数1〜12のアルキレン基、または、式(q)で表される基を表す。
式(q):−(CH−O−C(O)−(CH
上記式(q)中、pおよびqはそれぞれ独立に、1〜8の整数を表す。
[7]
後述する式(1B)〜式(3B)のいずれかで表される、化合物。
後述する式(1B)中、R1Aは、炭素数3〜12のシクロアルキル基または炭素数4〜12のシクロアルキルアルキル基を表す。
後述する式(2B)中、R2Aは、炭素数2〜13のアルキレン基、または、置換基を有する炭素数2〜13のアルキレン基を表す。R2Aが置換基を有する炭素数2〜13のアルキレン基である場合、隣接する置換基が互いに結合して環を形成していてもよい。R2Bは、水素原子またはメチル基を表す。R2Bが水素原子である場合には、Xは単結合を表し、R2Bがメチル基である場合には、Xは酸素原子を表す。
後述する式(3B)中、R3Aは、炭素数2〜12のアルキレン基を表す。YおよびZは、同時に単結合、または、同時に酸素原子を表す。YおよびZが同時に単結合である場合には、R3Bは、炭素数1〜6のアルコキシ基を表す。YおよびZが同時に酸素原子である場合には、R3Bは、水素原子を表す。
後述する式(1B)〜(3B)中、Rはそれぞれ独立に、水素原子またはメチル基を表す。Qはそれぞれ独立に、炭素数1〜12のアルキレン基、または、式(q)で表される基を表す。
式(q):−(CH−O−C(O)−(CH
上記式(q)中、pおよびqはそれぞれ独立に、1〜8の整数を表す。
本発明によれば、粉体化した際の耐ブロッキング性に優れ、かつ、1液硬化型塗料組成物とした場合に優れた性能の塗膜を形成できる塗料組成物を提供できる。また、本発明によれば、塗装物品、含フッ素重合体および化合物を提供する。
図1は、実施例欄における濡れ広がり性の評価基準を説明するためのSEM画像である。 図2は、実施例欄における濡れ広がり性の評価基準を説明するためのSEM画像である。
以下の用語の定義は、本明細書および特許請求の範囲にわたって適用される。
「単位」とは、重合体中に存在して重合体を構成する、単量体に由来する部分を意味する。なお、以下、場合により、個々の単量体に由来する単位をその単量体名に「単位」を付した名称で呼ぶ。
「重合単位」とは、単量体の重合により直接形成される繰り返し単位と、単量体の重合によって形成される繰り返し単位の一部を化学変換して得られる繰り返し単位との総称である。
「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」および「メタクリレート」の総称で、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」および「メタクリル」の総称である。
「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本発明の塗料組成物は、フルオロオレフィンに基づく重合単位(以下、単に「重合単位X」ともいう。)と、脂肪族環構造を有するアセタールエステル部位を側鎖に有する重合単位(以下、単に「重合単位Y」ともいう。)と、を含む含フッ素重合体を含有する。
本発明の塗料組成物は、粉体化した際の耐ブロッキング性に優れる。この理由の詳細は未だ明らかになっていない部分もあるが、概ね以下の理由によると推測される。すなわち、本発明者らは、含フッ素重合体が脂肪族環構造を有するアセタールエステル部位を側鎖に有する重合単位Yを含む場合は、含フッ素重合体が鎖状構造(例えば、直鎖のアルキル基)を有するアセタールエステル部位を側鎖に有する重合体を含む場合に比較して、含フッ素重合体のガラス転移点が向上することを知見している。これにより、粉体化した塗料組成物を保存した際に、粉体化した塗料組成物に含まれる粒子(粉体)同士が凝集して、ブロック状になることを抑制できると推測される。
また、側鎖にカルボキシ基を有する重合単位を含む含フッ素重合体と、硬化剤(例えば、エポキシ基を有する硬化剤)と、を混合して塗料組成物を製造した場合、塗料組成物が経時的に硬化してしまう。そのため、その使用において、塗料組成物の濡れ広がり性が低下する、塗膜外観が低下する、その塗膜の耐沸騰水性が低下する、塗膜耐候性が低下する等、塗膜性能が低下しやすい。
このような問題に対して、本発明の塗料組成物によれば、カルボキシ基部位がアセタールエステル化されており、硬化剤を含む1液硬化型塗料組成物を製造した場合においても、塗料組成物中における経時的な含フッ素重合体の硬化(架橋反応)が起こりにくい。よって、本発明の塗料組成物を用いて、硬化剤を含む1液硬化型塗料組成物を製造して、これを用いて塗膜を形成した場合では、上述した塗膜性能に優れた塗膜が得られる。
塗料組成物中における含フッ素重合体の含有量(固形分)は、塗料組成物の全質量(固形分)に対して、20〜99質量%が好ましく、30〜97質量%がより好ましい。
なお、「固形分」とは、溶剤などを含まず、塗膜を構成し得る成分(塗膜の原料)を意図する。
含フッ素重合体は、粒子状であることが好ましい。これにより、粉体塗料組成物として容易に使用できる。含フッ素重合体の平均粒子径(50%体積平均粒子径)は、特に限定されず、5〜100μmが好ましい。下限値は、15μm以上がより好ましい。また、上限値は60μm以下がより好ましく、50μm以下がさらに好ましい。
平均粒子径が5μm以上であれば、含フッ素重合体の凝集性が低くなり、粉体塗装の際に均一な大きさの粉体塗料組成物の粉塵が得られやすい。また、平均粒子径が100μm以下であれば、塗膜の表面平滑性がより良好になり、優れた外観の塗膜を得やすい。
含フッ素重合体の平均粒子径は、レーザー回折法を測定原理とした公知の粒度分布測定装置(例えば、Sympatec社製、商品名「Helos−Rodos」)を用いて測定された粒度分布より体積平均を算出して求められる。
重合単位Xは、フルオロオレフィンに基づく重合単位である。つまり、重合単位Xは、フルオロオレフィン由来の繰り返し単位である。
フルオロオレフィンは、炭化水素系オレフィン(一般式C2n)の水素原子の1個以上がフッ素原子で置換された化合物である。
フルオロオレフィンの炭素数nは、2〜8が好ましく、2〜6がより好ましい。
フルオロオレフィンにおけるフッ素原子の数は、2以上が好ましく、3〜4がより好ましい。フッ素原子の数が2以上であれば、塗膜が耐候性に優れる。
フルオロオレフィンにおいては、フッ素原子で置換されていない水素原子の1個以上が塩素原子で置換されていてもよい。
フルオロオレフィンは、CF=CF、CF=CFCl、CF=CFCFまたはCF=CHが好ましく、後述の重合単位Yを形成する単量体との共重合性の観点から、CF=CFまたはCF=CFClが特に好ましい。
フルオロオレフィンは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合単位Xの含有量は、含フッ素重合体が有する全重合単位(100モル%)のうち、20〜70モル%が好ましく、30〜70モル%がより好ましく、30〜60モル%がさらに好ましく、40〜60モル%が特に好ましい。重合単位Xの含有量が上記下限値以上であれば、塗膜の耐候性がより優れる。重合単位Xの含有量が上記上限値以下であれば、含フッ素重合体が非結晶性になりやすく、密着性、表面平滑性により優れる塗膜が形成できる。
重合単位Yは、脂肪族環構造を有するアセタールエステル部位を側鎖に有する重合単位である。本明細書においては、「脂肪族環構造を有するアセタールエステル部位」を「特定部位」とも称する。
本発明における「アセタールエステル」には、ヘミアセタールも含まれる。例えば、「脂肪族環構造を有するアセタールエステル部位」との表現には、「脂肪族環構造を有するヘミアセタールエステル部位」も含まれる。
本発明において、特定部位とは、−C(=O)−O−C−O−で表されるアセタールエステル部位に、脂肪族環構造が形成されている部分構造のことをいう。脂肪族環構造は、上記アセタール部位において、エーテル結合の結合手に結合していてもよいし(例えば、後述する式(1)参照。)、エーテル結合を構成する酸素原子に結合した炭素原子を含んで形成していてもよい。後者の場合、エーテル結合を構成する酸素原子と、これに結合した上記炭素原子と、を含んで形成されていてもよい(例えば、後述する式(2)参照。)。
脂肪族環構造の環は、炭素原子のみから構成されていてもよいし、炭素原子と、ヘテロ原子(酸素原子、窒素原子等。)と、から構成されていてもよい。すなわち、本発明における脂肪族環構造には、脂肪族ヘテロ環構造も含まれる。
特定部位は、特に限定されないが、化学的な安定性(例えば、耐加水分解性、耐熱性安定性等。)に優れ、カルボキシ基への化学変換が容易であるという観点から、下記式(1)〜式(3)で表される少なくとも1つの構造を有することが好ましい。
上記式(1)中、R1Aは、炭素数3〜12のシクロアルキル基または炭素数4〜12のシクロアルキルアルキル基を表し、ガラス転移点の高い含フッ素重合体を調製しやすい観点から、炭素数6〜8のシクロアルキル基または炭素数6〜8のシクロアルキルアルキル基が好ましい。
ここで、本発明において「シクロアルキルアルキル基」とは、アルキル基の水素原子がシクロアルキル基で置換された基のことをいう。また、シクロアルキルアルキル基の炭素数とは、アルキル基とシクロアルキル基を構成する炭素原子の合計数を指す。
シクロアルキルアルキル基における「アルキル基」の炭素数としては、1〜4が好ましく、シクロアルキルアルキル基における「シクロアルキル基」の炭素数としては、3〜8が好ましい。
上記式(1)の具体例としては、下記式で表される基が挙げられる。なお、下記式中の「*」は、後述する通り、他の基との結合位置を表す。
上記式(2)中、R2Aは、炭素数2〜13のアルキレン基、または、置換基を有する炭素数2〜13のアルキレン基を表す。R2Aが置換基を有する炭素数2〜13のアルキレン基である場合、隣接する置換基が互いに結合して環を形成していてもよい。
2Aが表すアルキレン基の炭素数は、2〜13であるが、調製容易である観点から、2〜10が好ましい。
2Aが表すアルキレン基は、直鎖であってもよいし、分岐していてもよい。R2Aが置換基を有する場合、隣接する置換基が互いに結合して形成される環としては、脂肪族環が好ましい。
上記式(2)中、R2Bは、水素原子またはメチル基を表す。R2Bが水素原子である場合には、Xは単結合であり、R2Bがメチル基である場合には、Xは酸素原子である。
上記式(3)中、R3Aは、炭素数2〜12のアルキレン基を表す。
3Aが表すアルキレン基の炭素数は、2〜6が好ましい。
3Aが表すアルキレン基は、直鎖であってもよいし、分岐していてもよい。
上記式(3)中、YおよびZは、同時に単結合、または、同時に酸素原子を表す。
YおよびZが同時に単結合である場合には、R3Bは、炭素数1〜6のアルコキシ基を表す。この場合の炭素数は、1〜3が好ましい。
YおよびZが同時に酸素原子である場合には、R3Bは、水素原子を表す。
上記式(1)〜(3)中、「*」は、他の基との結合位置を表す。ここで、他の基は、重合単位Yの主鎖を構成する基(原子)であってもよく、重合単位Yの主鎖と結合する側鎖の基(原子)であってもよい。他の基は、フルオロオレフィンとの共重合性と、含フッ素重合体の耐候性との観点から、重合単位Yの主鎖と結合する側鎖の基(原子)が好ましい。
上記式(2)で表される特定部位は、下記式(2−1)〜式(2−3)で表される構造であることが好ましく、化学的安定性に優れ、後述するように低温域にてカルボキシ基へ容易に化学変換できる観点から、下記式(2−3)で表される構造が特に好ましい。
上記式(2−1)中、R2A−1は、炭素数3〜12のアルキレン基を表すが、炭素数3〜8のアルキレン基が好ましい。R2A−1が表すアルキレン基は、直鎖であってもよいし、分岐していてもよい。
上記式(2−2)中、R2A−2は、炭素数2〜12のアルキレン基を表すが、炭素数2〜7のアルキレン基が好ましい。R2A−2が表すアルキレン基は、直鎖であってもよいし、分岐していてもよい。
上記式(2−3)中、R2A−3は、炭素数3〜13のアルキレン基、または、置換基を有する炭素数3〜13のアルキレン基を表す。置換基の定義は、上記式(2)と同様である。R2A−3のアルキレン基の炭素数は、3〜13であるが、調製容易という観点から、3〜11が好ましく、3〜9がより好ましい。R2A−3が表すアルキレン基は、直鎖であってもよいし、分岐していてもよい。
式(2−3)で表される構造の具体例としては、下式で表される基が挙げられる。なお、下記式中の「*」は、上述した通り、他の基との結合位置を表す。
上記式(3)で表される特定部位は、下記式(3−1)または式(3−2)で表される構造が好ましい。
上記式(3−1)中、R3A−1は、炭素数3〜12のアルキレン基を表し、炭素数3〜6のアルキレン基が好ましい。R3A−1が表すアルキレン基は、直鎖であってもよいし、分岐していてもよい。また、R3B−1は、炭素数1〜6のアルコキシ基を表し、その炭素数は、1〜3が好ましく、1がより好ましい。
上記式(3−2)中、R3A−2は、炭素数2〜12のアルキレン基を表す。R3A−2のアルキレン基の炭素数は、1〜4が好ましい。R3A−2が表すアルキレン基は、直鎖であってもよいし、分岐していてもよい。
本発明における特定部位は、フルオロオレフィンとの共重合性と、含フッ素重合体の耐候性と化学的安定性の観点と、後述するように低温域にてカルボキシ基へ容易に化学変換できる観点とから、重合単位Yの主鎖と結合する側鎖の基(原子)に結合した、式(1)または式(2−3)で表される構造が好ましい。
重合単位Yは、下記式(1A)〜下記式(3A)で表される少なくとも1つの重合単位が好ましい。
上記式におけるR1A、R2A、R2B、X、R3A、R3B、YおよびZのそれぞれの定義は、前述したとおりである。
上記式(1A)〜式(3A)において、Rは、水素原子またはメチル基を表し、水素原子が好ましい。
上記式(1A)〜式(3A)において、Qは、炭素数1〜12のアルキレン基、または、下記式(q)で表される基を表す。なお、アルキレン基は、直鎖であってもよいし、分岐していてもよい。
式(q):−(CH−O−C(O)−(CH
上記式(q)中、pおよびqは、それぞれ独立に、1〜8の整数を表し、ガラス転移点の高い含フッ素重合体を調製しやすい観点から、pが1〜4の整数であり、qが2〜4の整数であるのが好ましい。なお、式(q)における−(CH−が、式(3A)の主鎖(−CH−C(R)−)に結合する。
ここで、上記式(1A)〜式(3A)に示されるように、主鎖(−CH−C(R)−)と、これの側鎖の一部であるエステル結合(−C(=O)−O−)と、の間に、連結基である「Q」が存在する。これにより、重合単位Xと重合単位Yとの交互共重合性が高まり、塗膜の耐候性が向上する。
上記式(2A)で表される重合単位は、下記式(2A−1)〜式(2A−3)で表される重合単位が好ましい。
上記式におけるR2A−1、R2A−2、R2A−3、RおよびQのそれぞれの定義は、前述したとおりである。
上記式(3A)で表される重合単位は、下記式(3A−1)または式(3A−2)で表される重合単位が好ましい。
上記式におけるR3A−1、R3B−1、R3A−2、RおよびQのそれぞれの定義は、前述したとおりである。
重合単位Yは、フルオロオレフィンとの共重合性と、含フッ素重合体の耐候性と化学的安定性の観点と、後述するように低温域にてカルボキシ基へ容易に化学変換できる観点とから、式(1A)または式(2A−3)で表される重合単位が好ましい。
重合単位Yの含有量は、含フッ素重合体が有する全重合単位(100モル%)のうち、1〜50モル%が好ましく、5〜45モル%がより好ましく、10〜40モル%がさらに好ましい。重合単位Yの含有量が上記範囲内にあると、耐ブロッキング性に特に優れた粉体塗料組成物を製造しやすく、各種性能に優れた塗膜を形成しやすい。
含フッ素重合体の製造方法としては、以下の2つの方法が挙げられる。
第1の方法では、まず、酸触媒の存在下、不飽和脂肪酸と、エチレン性不飽和基を有する環構造を含む化合物(以下、「環状化合物」ともいう。)とを反応させて、不飽和脂肪酸のカルボキシ基と環状化合物のエチレン性不飽和基とから特定部位を形成させて、特定部位を側鎖に有する単量体(特定部位を側鎖に有する化合物)を得る。
続いて、フルオロオレフィンと、特定部位を側鎖に有する単量体と、を重合させて、重合単位Xおよび重合単位Yを含む含フッ素重合体を得る。
不飽和脂肪酸は、カルボキシ基とエチレン性不飽和基との間に、連結基(例えば、アルキレン基など)を有する不飽和脂肪酸が好ましい。換言すると、不飽和脂肪酸は、エステル結合を構成する炭素原子とエチレン性不飽和基とが直接結合している不飽和脂肪酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸)を除く不飽和脂肪酸が好ましい。
不飽和脂肪酸は、下記式(YA−1)で表される化合物がより好ましい。
上記式におけるRおよびQのそれぞれの定義は、前述したとおりである。
環状化合物の具体例としては、下記式(YB−1)〜(YB−4)で表される化合物が挙げられる。
上記式におけるR1A、X、R2A、R3A、R3B、YおよびZのそれぞれの定義は、前述したとおりである。
上記式(YB−3)におけるR2A−Yは、炭素数2〜12のアルキレン基、または、置換基を有する炭素数2〜12のアルキレン基を表す。R2A-Yが置換基を有する炭素数2〜12のアルキレン基である場合、隣接する置換基が互いに結合して環を形成していてもよい。R2A−Yが置換基を有する場合、隣接する置換基が互いに結合して形成される環としては、脂肪族環が好ましい。R2A−Yが表すアルキレン基は、直鎖であってもよいし、分岐していてもよい。
特定部位を側鎖に有する化合物の具体例としては、下記式(1B)〜式(3B)で表される化合物が挙げられる。
上記式におけるR1A、R2A、R2B、X、R3A、R3B、Y、Z、RおよびQのそれぞれの定義は、前述したとおりである。
上記式(2B)で表される化合物は、下記式(2B−1)〜式(2B−3)で表される化合物が好ましい。
上記式におけるR2A−1、R2A−2、R2A−3、RおよびQのそれぞれの定義は、前述したとおりである。
上記式(3B)で表される化合物は、下記式(3B−1)または式(3B−2)で表される化合物が好ましい。
上記式におけるR3A−1、R3B−1、R3A−2、RおよびQのそれぞれの定義は、前述したとおりである。
第2の方法では、まず、不飽和脂肪酸とフルオロオレフィンとを重合させて、不飽和脂肪酸に基づくカルボキシ基を有する重合単位と、フルオロオレフィンに基づく重合単位Xと、を含むプレポリマーを得る。
続いて、酸触媒下、プレポリマーと環状化合物とを反応させて、プレポリマーのカルボキシ基と環状化合物のエチレン性不飽和基とから特定部位を形成させて、重合単位Xおよび重合単位Yを含む含フッ素重合体を得る。
第2の方法で使用する不飽和脂肪酸および環状化合物はいずれも、第1の方法で挙げたそれらと同様である。
何れの方法においても、重合条件(温度、時間など)は、特に限定されず適宜設定すればよい。また、いずれの方法においては、媒体(水、有機溶剤)、重合開始剤などを用いてもよい。
本発明の含フッ素重合体は、重合単位Xおよび重合単位Y以外の他の重合単位を含んでいてもよい。
他の重合単位は、フッ素原子を有さない単量体に基づく単位である。つまり、フッ素原子を有さない単量体由来の繰り返し単位である。
フッ素原子を有さない単量体としては、フッ素原子が含まれておらず、重合性基を有する化合物であればよく、例えば、フッ素原子を有さない、ビニルエーテル類、アリルエーテル類、アルキルビニルエステル類、アルキルアリルエステル類、α−オレフィン類、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル等が挙げられる。なお、重合性基の種類は、後段で例示する。
フッ素原子を有さない単量体としては、フルオロオレフィンとの反応性の点から、フッ素原子を有さないビニル系単量体が好ましく、フッ素原子を有さないビニルエーテル類、および、フッ素原子を有さないアルキルビニルエステル類がより好ましく、フッ素原子を有さないビニルエーテル類がさらに好ましい。
フッ素原子を有さない単量体の好適態様の一つとしては、フッ素原子を含まず、かつ、環状炭化水素基を含む単量体(以後、「単量体I」とも称する)が挙げられる。
環状炭化水素基としては、環状構造を少なくとも1つ有する炭化水素基である。
環状炭化水素基の炭素数は特に制限されないが、重合反応性が良好である点から、4〜20が好ましく、5〜10がより好ましい。
環状炭化水素基の具体例としては、例えば、シクロブチル基、シクロヘプチル基、シクロヘキシル基等の単環式飽和炭化水素基、4−シクロヘキシルシクロヘキシル基等の複環式飽和炭化水素基、1−デカヒドロナフチル基、2−デカヒドロナフチル基等の多環式飽和炭化水素基、1−ノルボルニル基、1−アダマンチル基等の架橋環式飽和炭化水素基、スピロ[3.4]オクチル基等のスピロ炭化水素基等が挙げられる。
単量体Iとしては、例えば、フッ素原子を含まず、かつ、環状炭化水素基を有する、ビニルエーテル類、アリルエーテル類、アルキルビニルエステル類、アルキルアリルエステル類、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類等が好ましく挙げられる。より具体的には、シクロアルキルビニルエーテル(例えば、シクロヘキシルビニルエーテル(CHVE)、2−エチルへキシルビニルエーテル)が挙げられる。
単量体Iは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
単量体Iに基づく重合単位の含有量は、含フッ素重合体が有する全重合単位(100モル%)のうち、9.5〜70モル%が好ましく、20〜60モル%がより好ましく、30〜50モル%がさらに好ましい。上記含有量が上記下限値以上であれば、含フッ素重合体のガラス転移温度をより向上できるので、含フッ素重合体を粉体化が容易になるだけでなく、粉体塗料組成物とした際の耐ブロッキング性がより向上する。上記含有量が上記上限値以下であれば、後述する樹脂を用いる場合において、塗膜中の含フッ素重合体の層と樹脂の層との間の密着性に優れる。
フッ素原子を有さない単量体の他の好適態様としては、フッ素原子を含まず、かつ、架橋性基を含む単量体(以後、「単量体II」とも称する)が挙げられる。後段で詳述するように、含フッ素重合体が架橋性基を有する場合、塗料組成物の製造時に後述する硬化剤を用いることで、塗膜を硬化させ、耐候性、耐水性、耐薬品性、耐熱性等をより向上させることができる。
なお、本明細書においては、架橋性基と環状炭化水素基とを含む単量体は、上記単量体IIに含まれる。
架橋性基としては、活性水素を有する官能基(ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基等)、加水分解性シリル基(アルコキシシリル基等)等が好ましい。
単量体IIとしては、例えば、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、ヒドロキシアルキルビニルエステル、ヒドロキシアルキルアリルエーテル、ヒドロキシアルキルアリルエステルが挙げられる。より具体的には、ヒドロキシアルキルビニルエーテル(例えば、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル等)、ヒドロキシアルキルアリルエーテル(例えば、ヒドロキシエチルアリルエーテル等)が好ましく、共重合性に優れ、形成される塗膜の耐候性に優れる点から、ヒドロキシアルキルビニルエーテル類がより好ましい。
単量体IIは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
単量体IIに基づく構成単位の含有量は、含フッ素重合体が有する全構成単位(100モル%)のうち、0.5〜20モル%が好ましく、1〜15モル%がより好ましい。上記含有量が上記下限値以上であれば、後述する樹脂を用いる場合において、塗膜中の含フッ素重合体の層と樹脂の層との間の密着性に優れる。上記含有量が上記上限値以下であれば、塗膜の耐擦り傷性が優れる。
フッ素原子を有さない単量体の他の好適態様としては、フッ素原子と環状炭化水素基と架橋性基とを有さない単量体(以後、「単量体III」とも称する)が挙げられる。
単量体IIIとしては、フッ素原子、環状炭化水素基、および、架橋性基を有さない、ビニルエーテル類、アリルエーテル類、アルキルビニルエステル類、アルキルアリルエステル類、オレフィン類等が挙げられる。
単量体IIIとしては、より具体的には、アルキルビニルエーテル(ノニルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル等)、アルキルアリルエーテル(エチルアリルエーテル、ヘキシルアリルエーテル等)、カルボン酸(酢酸、酪酸、ピバリン酸、安息香酸、プロピオン酸等)のビニルエステル、カルボン酸(酢酸、酪酸、ピバリン酸、安息香酸、プロピオン酸等)のアリルエステル、エチレン、プロピレン、イソブチレン等が挙げられる。
単量体IIIは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
単量体IIIに基づく重合単位の含有量は、含フッ素重合体が有する全重合単位(100モル%)のうち、0〜50モル%が好ましく、5〜45モル%がより好ましく、15〜40モル%がさらに好ましい。
上記では、他の重合単位を構成し得る単量体の具体例を例示したが、それ以外にも、例えば、含フッ素重合体には、フッ素原子を有さず、親水性基を有するマクロモノマーに基づく重合単位が含まれていてもよい。
含フッ素重合体の数平均分子量は、3,000〜50,000が好ましく、5,000〜30,000がより好ましい。含フッ素重合体の数平均分子量が上記下限値以上であれば、塗膜の耐水性に優れる。含フッ素重合体の数平均分子量が上記上限値以下であれば、塗膜の表面平滑性に優れる。
本明細書において、数平均分子量および質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)法によってポリスチレン換算で求めた値である。
含フッ素重合体のフッ素含有量は、10質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましく、20質量%以上がさらに好ましく、25質量%以上が特に好ましい。また、該フッ素含有量は、70質量%以下が好ましい。含フッ素重合体のフッ素含有量が10質量%以上であれば、塗膜の耐候性がより優れる。含フッ素重合体のフッ素含有量が上記上限値以下であれば、塗膜の表面平滑性が優れる。
含フッ素重合体中のフッ素含有量は、核磁気共鳴(NMR)分析により測定できる。
含フッ素重合体のガラス転移温度は、50〜150℃が好ましく、50〜120℃がより好ましく、50〜100℃がさらに好ましい。含フッ素重合体のガラス転移温度が上記下限値以上であれば、耐ブロッキング性に特に優れた粉体塗料組成物を製造しやすい。含フッ素重合体のガラス転移温度が上記上限値以下であれば、塗膜の表面平滑性が優れる。
本発明の塗料組成物は、ポリエステル樹脂、(メタ)アクリル樹脂およびエポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂(以下、「樹脂(a)」ともいう。)を含有してもよい。
樹脂(a)は、樹脂(a)の層と、含フッ素重合体の層と、が順に積層した塗膜が得られやすい観点から、含フッ素重合体のSP値と以下の関係を満たす樹脂が好ましい。
すなわち、含フッ素重合体のSP値(以下、「SPa1」とも記す。)と、樹脂のSP値(以下、「SPa2」とも記す。)と、の差(SPa2−SPa1)は、0を超えることが好ましく(0<SPa2−SPa1)、0.4(J/cm1/2以上がより好ましく(0.4≦SPa2−SPa1)、0.4〜16(J/cm1/2がさらに好ましい(0.4≦SPa2−SPa1≦16)。
本発明の塗料組成物を粉体塗料組成物として用いた際に、上記SP値の差が0を超えると、基材に塗装して粉体塗料組成物の溶融物からなる溶融膜を形成した場合に、溶融した含フッ素重合体と、溶融した樹脂(a)とが層分離しやすい。この際、基材側には樹脂(a)の層が、空気側には含フッ素重合体の層が配置されやすい。また、粉体塗料組成物に顔料を含む場合には、これらの層の間に顔料が偏在しやすい。SP値の差(SPa2−SPa1)が上記上限値以下であれば、塗膜中の含フッ素重合体の層と樹脂(a)の層との間の密着性に優れる。
樹脂(a)は、塗膜の基材への密着性に優れる点、その樹脂(a)により形成される層に含フッ素重合体が混入しにくい点から、ポリエステル樹脂または(メタ)アクリル樹脂が好ましく、ポリエステル樹脂がより好ましい。
含フッ素重合体の含有量Fと、樹脂(a)の含有量Aとの質量比(F/A)は、0.25〜4が好ましく、0.3〜3.5がより好ましく、0.35〜3がさらに好ましい。
該質量比が0.25以上である場合、得られる塗膜の耐候性がより優れる。該質量比(F/A)が4以下である場合、耐塩酸性、耐硝酸性、隠蔽性および耐候性がより優れる。
ポリエステル樹脂は、多価カルボン酸化合物に由来する単位と、多価アルコール化合物に由来する単位とを有する重合体であり、両者の単位はエステル結合で連結している。ポリエステル樹脂は、これら2種の単位以外の他の単位(ヒドロキシカルボン酸化合物(ただし多価カルボン酸化合物を除く。)に由来する単位等。)を有していてもよい。ポリエステル樹脂は、重合鎖の末端にカルボキシ基および水酸基の少なくとも一方を有することが好ましい。
多価カルボン酸化合物としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、フタル酸無水物等が挙げられ、塗膜の耐候性がより優れる点から、イソフタル酸が好ましい。
多価アルコール化合物としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、スピログリコール、1,10−デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等が挙げられ、ネオペンチルグリコール、またはトリメチロールプロパンがより好ましい。
ポリエステル樹脂は、数平均分子量が5,000以下であり、かつ質量平均分子量が2,000〜20,000であるのが好ましく、数平均分子量が5,000以下であり、かつ質量平均分子量が2,000〜10,000であるのがより好ましい。
ポリエステル樹脂としては、ダイセル・オルネクス社製の「CRYLCOAT(登録商標) 4642−3」、「CRYLCOAT(登録商標) 4890−0」、「CRYLCOAT(登録商標) 4842−3」、日本ユピカ社製の「ユピカコート(登録商標) GV−250」、「ユピカコート(登録商標) GV−740」、「ユピカコート(登録商標) GV−175」、DSM社製の「Uralac(登録商標) 1680」等が挙げられる。
(メタ)アクリル樹脂は、(メタ)アクリレートに基づく単位を有する重合体である。
(メタ)アクリル樹脂は、カルボキシ基、水酸基、スルホ基等の反応性基を有することが好ましい。
(メタ)アクリル樹脂のガラス転移温度は、30〜60℃が好ましい。ガラス転移温度が上記下限値以上であれば、塗膜の耐ブロッキング性がより優れる。(メタ)アクリル樹脂のガラス転移温度が上記上限値以下であれば、塗膜の表面平滑性がより優れる。
(メタ)アクリル樹脂の数平均分子量は、5,000〜10万が好ましく、3万〜10万がより好ましい。(メタ)アクリル樹脂の数平均分子量が上記下限値以上であれば、塗膜の耐ブロッキング性がより優れる。(メタ)アクリル樹脂の数平均分子量が上記上限値以下であれば、塗膜の表面平滑性が優れる。
(メタ)アクリル樹脂としては、DIC社製の「ファインディック(登録商標) A−249」、「ファインディック(登録商標) A−251」、「ファインディック(登録商標) A−266」、三井化学社製の「アルマテックス(登録商標) PD6200」、「アルマテックス(登録商標) PD7310」、三洋化成工業社製の「サンペックス PA−55」等が挙げられる。
エポキシ樹脂は、分子内にエポキシ基を2つ以上有する化合物(プレポリマー)である。エポキシ樹脂は、エポキシ基以外の他の反応性基をさらに有してもよい。
エポキシ樹脂としては、三菱化学社製の「エピコート(登録商標) 1001」、「エピコート(登録商標) 1002」、「エピコート(登録商標) 4004P」、DIC社製の「エピクロン(登録商標) 1050」、「エピクロン(登録商標) 3050」、新日鉄住金化学社製の「エポトート(登録商標) YD−012」、「エポトート(登録商標) YD−014」、ナガセケムテックス社製の「デナコール(登録商標) EX−711」、ダイセル社製の「EHPE3150」等が挙げられる。
本発明の塗料組成物は、顔料を含有してもよい。顔料としては、例えば、防錆顔料、着色顔料、体質顔料等が挙げられる。顔料は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
防錆顔料は、防錆性が必要な基材に対して、基材の腐食や変質を防止するための顔料である。防錆顔料は、環境への負荷が少ない無鉛防錆顔料が好ましい。無鉛防錆顔料としては、シアナミド亜鉛、酸化亜鉛、リン酸亜鉛、リン酸カルシウムマグネシウム、モリブデン酸亜鉛、ホウ酸バリウム、シアナミド亜鉛カルシウム等が挙げられる。
着色顔料は、塗膜を着色するための顔料である。着色顔料としては、キナクリドン、ジケトピロロピロール、イソインドリノン、インダンスロン、ペリレン、ペリノン、アントラキノン、ジオキサジン、ベンゾイミダゾロン、トリフェニルメタンキノフタロン、アントラピリミジン、黄鉛、フタロシアニン、ハロゲン化フタロシアニン、アゾ顔料(アゾメチン金属錯体、縮合アゾなど)、酸化チタン、カーボンブラック、酸化鉄、銅フタロシアニン、縮合多環類顔料などが挙げられる。
また、着色顔料としては、光輝顔料も使用できる。光輝顔料としては、金属粒子(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅、ブロンズ、ニッケル、チタン、ステンレス等の金属およびそれらの合金等)、マイカ粒子(雲母粉)、パール粒子、グラファイト粒子、ガラスフレーク、鱗片状酸化鉄粒子等が挙げられる。
体質顔料は、塗膜の硬度を向上させ、かつ塗膜の厚さを増すための顔料である。また、建築外装部材等の塗装物品を切断した場合には、塗膜の切断面をきれいにできる。体質顔料としては、タルク、硫酸バリウム、マイカ、炭酸カルシウム等が挙げられる。
塗料組成物が顔料を含有する場合、顔料の含有量は、塗料組成物の全質量(固形分)に対して、0.1〜40質量%が好ましく、0.5〜40質量%がより好ましく、1.0〜40質量%がさらに好ましい。
本発明の塗料組成物は、その使用に際して、含フッ素重合体に含まれる重合単位Yの特定部位をカルボキシ基に化学変換するのが好ましい。化学変換は、通常は熱作用によって実施され、140℃程度の低温域にて実施可能である。したがって、本発明の塗料組成物から、カルボキシ基を有する含フッ素重合体を含む塗料組成物またはその塗膜を容易に調製できる。
化学変換の実施温度は、120℃超200℃未満が好ましく、140℃以上180℃以下がより好ましい。また、あらかじめ、本発明の塗料組成物に化学変換を促す触媒(ブレンステッド酸、ルイス酸等。)を含有させて、化学変換の実施温度を調整してもよい。
本発明の塗料組成物は、カルボキシ基と反応可能な硬化剤を含有してもよい。
上述したように、本発明の塗料組成物またはその塗膜は、特定部位に由来するカルボキシ基を有する含フッ素重合体を含む状態に容易に調製できる。この際、本発明の塗料組成物がカルボキシ基と反応可能な硬化剤を含む場合、カルボキシ基と硬化剤との反応が進行して、含フッ素重合体の架橋反応による高分子量化により、高硬度な塗膜が形成する。また、本発明の塗料組成物は、加熱前(その化学変換前)には硬化剤と反応しない。よって、本発明の塗料組成物によれば、低温硬化可能な1液硬化型塗料組成物を容易に調製できる。
カルボキシ基と反応可能な硬化剤としては、エポキシ系硬化剤(グリシジル基を含む硬化剤等。)、アミド系硬化剤(β−ヒドロキシアルキルアミド系硬化剤等。)が挙げられる。
グリシジル基を含む硬化剤としては、トリメリット酸グリシジルエステルとテレフタル酸グリシジルエステルの混合物であるAraldite(登録商標)PT−910(HUNTSMAN社製)、トリアジン骨格を有するTEPIC−SP(日産化学工業社製)などのエポキシ樹脂が挙げられる。
β−ヒドロキシアルキルアミド系硬化剤としては、PrimidXL−552(商品名:EMS社製)が挙げられる。
本発明の塗料組成物が硬化剤を含有する場合、硬化剤の含有量は、塗料組成物の全質量(固形分)に対して、2〜10質量%が好ましく、2.5〜10質量%がより好ましい。硬化剤の含有量が上記範囲内にある場合、上述した硬化剤の効果がより発現しやすい。
本発明の塗料組成物が硬化剤を含有する場合、さらに硬化触媒を含有していてもよい。硬化触媒には、含フッ素重合体と硬化剤の反応を触媒し、その塗膜の硬化に寄与する。
硬化触媒は、スズ触媒(オクチル酸スズ、トリブチルスズラウレート、ジブチルスズジラウレート等)が好ましい。
硬化触媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
この場合、硬化触媒の含有量は、硬化剤の含有量100質量部(固形分)に対して、0.1〜10質量部が好ましく、1〜5質量部がより好ましい。硬化触媒の含有量が上記範囲にある場合、上述した硬化剤の効果がより発現しやすい。
本発明の塗料組成物は、必要に応じて上記以外の成分を含有してもよい。上記以外の成分としては、媒体(有機溶剤、水など)、紫外線吸収剤(各種の有機系紫外線吸収剤、無機系紫外線吸収剤等)、光安定剤(ヒンダードアミン光安定剤等)、つや消し剤(超微粉合成シリカ等)、レベリング剤、表面調整剤(塗膜の表面平滑性を向上させる。)、脱ガス剤、可塑剤、充填剤、熱安定剤、増粘剤、分散剤、帯電防止剤、防錆剤、シランカップリング剤、防汚剤、低汚染化処理剤等が挙げられる。
本発明の塗料組成物は、溶液タイプ(すなわち、有機溶剤、水などの媒体を含有する塗料組成物)であってもよいが、上記媒体を実質的に含有しない粉体塗料組成物として好適に使用される。
本明細書において、「媒体を実質的に含有しない」とは、塗料組成物中の媒体の含有量が概ね1質量%以下であることをいい、好ましくは0.5質量%以下、より好ましくは0.1質量%以下、さらに好ましくは0質量%である。
本発明の塗料組成物の製造方法は、特に限定されないが、上述した各成分の混合により得られる。以下において、本発明の塗料組成物の製造方法の一例として、塗料組成物を粉体塗料組成物として用いる場合を例に挙げて説明する。
まず、含フッ素重合体の粉体と、必要に応じて樹脂の粉体、顔料、硬化剤、硬化触媒、およびその他の添加剤と、をミキサーやブレンダー等を用いてドライブレンドし、その後、ニーダーなどにより混合物を80〜130℃で溶融混練した溶融混練物を得る。
次いで、得られた溶融混練物を冷却ロールや冷却コンベヤー等で冷却することで、固化した溶融混練物が得られる。そして、機械または気流式の粉砕機を用いて、固化した溶融混練物を粉砕し、粗粉砕および微粉砕の工程を経て所望の粒径に粉砕する。その後、気流式分級機により分級して、粉体塗料組成物を得ることができる。
本発明の塗料組成物が粉体塗料組成物である場合、粉体塗料組成物の平均粒子径(50%平均体積粒度分布)は、5〜100μmが好ましい。下限値は、15μm以上がより好ましい。また、上限値は60μm以下がより好ましく、50μm以下がさらに好ましい。
粉体塗料組成物の平均粒子径は、上述した含フッ素重合体の粉体と同様の方法で測定される。
本発明の塗装物品は、基材と、上記塗料組成物により上記基材上に形成された塗膜と、を有する。
基材の材質としては、特に限定されず、無機物、有機物、有機無機複合材等が挙げられる。無機物としては、コンクリート、自然石、ガラス、金属(鉄、ステンレス、アルミニウム、銅、真鍮、チタン等)等が挙げられる。有機物としては、プラスチック、ゴム、接着剤、木材等が挙げられる。有機無機複合材としては、繊維強化プラスチック、樹脂強化コンクリート、繊維強化コンクリート等が挙げられる。
また、基材には、公知の表面処理(例えば、化成処理など)を行ったものを用いてもよい。
上記の中でも、金属が好ましく、アルミニウムが特に好ましい。アルミニウム製の基材は、防食性に優れ、軽量で、外装部材等の建築材料用途に適している。
基材の形状、サイズ等は、特に限定はされない。
基材の具体例としては、コンポジットパネル、カーテンウォール用パネル、カーテンウォール用フレーム、ウィンドウフレーム等の建築用の外装部材、タイヤホイール等の自動車部材、建機、自動2輪のフレーム等が挙げられる。
塗膜の表面の水接触角は、1〜55度が好ましく、3〜50度がより好ましい。水接触角が上記下限値以上であれば、鳥の糞や虫の死骸に由来する有機酸成分により、塗膜が浸食されにくく、また、塗膜表層でのカビの発生が抑制される(カビの発生は、外観不良につながる)。水接触角が上記上限値以下であれば、耐汚染性に優れる。
水接触角は、例えば、協和界面科学社製の「DM−051」(商品名)を用いて測定される。
塗膜の厚さは、特に制限されないが、20〜1,000μmが好ましく、20〜500μmがより好ましく、20〜300μmがさらに好ましい。アルミニウムカーテンウォール等の高層ビル用の部材等の用途では、20〜90μmが好ましい。海岸沿いに設置してあるエアコンの室外機、信号機のポール、標識等の耐候性の要求が高い用途では、100〜200μmが好ましい。
本発明の塗装物品の製造方法は、これに限定されないが、(I)上述した塗料組成物を基材に塗装し、塗料組成物の溶融物からなる溶融膜を形成する工程(以下、工程(I)とも記す。)と、(II)溶融膜を冷却して塗膜を形成する工程(以下、工程(II)とも記す。)と、を有することが好ましい。
工程(I)は、上述した塗料組成物を基材に塗装して、該基材上に塗料組成物の溶融物からなる溶融膜を形成する工程である。
塗料組成物の溶融物からなる溶融膜は、基材への粉体塗料組成物の塗装と同時に形成してもよく、基材に塗料組成物を付着させた後に基材上で塗料組成物を加熱溶融させて形成してもよい。
塗料組成物を加熱して溶融し、その溶融状態を所定時間維持するための加熱温度(以下、「焼付け温度」とも記す。)と加熱維持時間(以下、「焼付け時間」とも記す。)は、塗料組成物の原料成分の種類や組成、所望する塗膜の厚さ等により適宜設定されるが、本発明の塗料組成物によれば、焼付け温度を低くできる。
すなわち、本発明の塗料組成物のアセタールエステル部位は、熱作用によってカルボキシ基に化学変換する。変換したカルボキシ基が上述した硬化剤(例えば、上述したエポキシ基を有する硬化剤等。)と反応して、塗料組成物により形成される塗膜がより硬化する。このようなカルボキシ基と硬化剤との反応は、イソシアネート系硬化剤を使用した場合に比較して高温(200℃程度)を必要としない利点がある。
焼付け温度は、具体的には、120℃超200℃未満が好ましく、140℃以上180℃以下がより好ましい。焼付け時間は、通常は2〜60分間である。
塗装方法としては、塗料組成物が粉体塗料組成物である場合、静電塗装法、静電吹付法、静電浸漬法、噴霧法、流動浸漬法、吹付法、スプレー法、溶射法、プラズマ溶射法等が挙げられる。溶融膜を薄膜化した場合でも、溶融膜の表面平滑性に優れ、さらに塗膜の隠蔽性により優れる点から、粉体塗装ガンを用いた静電塗装法が好ましい。
粉体塗装ガンとしては、コロナ帯電型塗装ガンまたは摩擦帯電型塗装ガンが挙げられる。コロナ帯電型塗装ガンは、粉体塗料組成物をコロナ放電処理して吹き付けるものである。摩擦帯電型塗装ガンは、粉体塗料組成物を摩擦帯電処理して吹き付けるものである。
工程(II)は、溶融状態の溶融膜を室温(20〜25℃)まで冷却して塗膜を形成する工程である。
焼付け後の冷却は、急冷および徐冷のいずれでもよく、基材から塗膜がはがれにくい点で、徐冷が好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。なお、後述する表中における各成分の配合量は、質量基準を示す。
[アセタールエステル部位を側鎖に有する単量体]
〔分析方法〕
アセタールエステル部位を側鎖に有する単量体の各種分析方法は、以下の通りである。
<IR(赤外線吸収スペクトル)測定>
機種:日本分光社製、FT/IR−600
セル:臭化カリウムを用いた錠剤法
分解:4cm−1
積算回数:16回
13C−NMRの測定条件>
機種:日本ブルカー社製、Advance400
積算回数:128
溶媒:CDCl
<酸価の測定>
酸価は、JIS K 0070−3(1992)の方法に準じて、テトラヒドロフラン(THF)溶液に、一定量の樹脂を溶解させ、フェノールフタレインを指示薬として、KOH/エタノール溶液にて滴定し、測定を行った。
〔使用化合物の略称〕
UDA:ウンデシレン酸
CHVE:シクロへキシルビニルエーテル
DHF:2,3−ジヒドロフラン
DHP:3,4−ジヒドロ−2H−ピラン
AP−8:モノ−2−エチルへキシルホスフェートとジ−2−エチルへキシルホスフェートの混合物(大八化学工業社製)
〔アセタールエステル部位を側鎖に有する単量体の製造方法〕
<実施例1〜3> 化合物(A1)〜(A3)の製造例
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えた4つ口フラスコに、それぞれ、第1表の原料組成に示すとおり、UDA、ブロック化剤(CHVE、DHFまたはDHP)、メチルエチルケトン(溶剤)、および、AP−8(反応触媒)を仕込み、それぞれの反応条件で反応させた。反応物の酸価が1.0mgKOH/g以下になった時点で反応終了とし、反応物から溶剤と未反応原料を留去して、さらに真空乾燥して、第1表の結果に示す化合物(A1)〜(A3)をそれぞれ得た。
化合物(A1)は、UDAのカルボキシ基に由来する2500cm〜3500cm−1のブロードな吸収を有さず、エステル基に由来する1728cm−1の吸収を有することがそのIR測定結果より確認された。また、化合物(A1)が、その13C−NMR測定結果から、下式(2B−i)で表される脂肪族環構造を有するアセタールエステル部位(ヘミアセタールエステル部位)を側鎖に有する化合物であることを確認した。
(化合物(A1)の13C−NMR分析結果)
13C−NMR:δ=20.5,30.8,62.4、103.7(−COO−CH(R)O−)、174.5(C=O)
化合物(A2)は、UDAのカルボキシ基に由来する2500cm〜3500cm−1付近のブロードな吸収を有さず、エステル基に由来する1728cm−1の吸収を有することがそのIR測定結果より確認された。また、化合物(A2)が、その13C−NMR測定結果から、下式(2B−ii)で表される、脂肪族環構造を有するアセタールエステル部位(ヘミアセタールエステル部位)を側鎖に有する化合物であることを確認した。
(化合物(A2)の13C−NMR分析結果)
13C−NMR:δ=18.9,27.7,32.0,63.5、101.4(−COO−CH(R)O−)、174.5(C=O)。
化合物(A3)も同様にして、それぞれのIR測定結果と13C−NMR測定とから、化合物(A3)が、下式(1B−i)で表される、脂肪族環構造を有するアセタールエステル部位(ヘミアセタールエステル部位)を側鎖に有する化合物であることを確認した。
[含フッ素重合体]
〔使用化合物の略称〕
CHVE:シクロヘキシルビニルエーテル
CTFE:クロロトリフルオロエチレン
UDA:ウンデシレン酸
PBPV:t−ブチルパーオキシピバレート(重合開始剤)
[実施例4]含フッ素重合体(1)の製造
内容量500mLのステンレス製攪拌機付きオートクレーブに、化合物(A1)(19.59g)とCHVE(56.03g)との混合物、キシレン(106.31g)、t−ブチルアルコール(29.99g)、炭酸カリウム(1.1g)、PBPVの50質量%キシレン溶液(0.7g)、および、CTFE(63.71g)を導入した。次いで、徐々に55℃まで昇温し20時間保持した後、65℃に昇温し5時間保持した。その後、冷却し、オートクレーブ内容物をろ過して残渣を除去して、含フッ素重合体(1)のキシレン溶液を得た。
キシレン溶液を留去して、固形分濃度99質量%以上になるまで乾燥させて、含フッ素重合体(1)の粉体を得た。含フッ素重合体(1)は、示差熱量測定装置によるガラス転移温度(Tg)が55℃であり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ法による数平均分子量(Mn)が18,000であった。
[実施例5〜6、比較例1]含フッ素重合体(2)〜(4)の製造
原料組成を、第2表に記載のとおり変更した以外は、実施例4と同様にして、含フッ素重合体(2)〜(4)をそれぞれ得た。それぞれの含フッ素重合体の物性を、第2表にまとめて示す。
[実施例7〜18、比較例2]粉体塗料組成物の製造・評価例
〔測定方法・評価方法〕
1.塗膜外観(着色)
塗膜の表面の光沢値は、PG−1M(光沢計:日本電色工業社製)を用いて測定した。また、ポリエステル粉体塗料から得られた塗装板を見本板とし、著しい黄変色の有無を目視で評価した。それらの結果から、以下の基準により外観(着色)を評価した。
○(良好):著しい黄変色は確認されなかった。
×(不良):著しい黄変色が確認された。
なお、見本板は、以下の方法で作製した。
ポリエステル樹脂(ダイセル・オルネクス社製、CRYLCOAT(登録商標) 4890−0、水酸基価:30mgKOH/g)(52.0g)、ブロック化イソシアネート系硬化剤(エボニック社製、商品名:ベスタゴンB1530)(7.6g)(INDEX=1)、ベンゾイン(脱ガス剤)(0.4g)、表面調整剤(ビックケミー社製、商品名:BYK−360P)(1.0g)、ジブチルスズジラウレート(硬化触媒)(0.0042g)、および着色剤の二酸化チタン(デュポン社製、商品名:タイピュアR960)(32.1g)のそれぞれの粉末を、高速ミキサーを用いて混合した。2軸押出し機(サーモプリズム社製、16mm押出し機、バレル設定温度120℃)を用いて、混合物を溶融混練して得られたペレットを、粉砕機を用いて常温で粉砕し、さらにメッシュを用いて分級して、ポリエステル粉体塗料(平均粒子径約40μm)を得た。
ポリエステル粉体塗料を、クロメート処理されたアルミニウム板の一面に、静電塗装機(小野田セメント社製、GX3600C)を用いて静電塗装し、200℃雰囲気中で20分間保持した後、室温まで冷却して得られた、硬化膜(厚さ55〜65μm)付きアルミニウム板を見本板とした。
2.塗膜外観(平滑性)
塗膜の表面平滑性は、PCI(パウダーコーティングインスティチュート)による平滑性目視判定用標準板を用いて判定した。標準板は、1〜10の10枚あり、数字が大きくなるに従い、平滑性に優れる。また、表面凹凸、はじき、基材への濡れ性の不良を目視で評価した。それらの結果から、以下の基準により外観(平滑性)を評価した。
○(良好):標準板の6と同等以上の塗膜の表面平滑性を有し、塗膜の表面平滑性に優れ、表面凹凸、はじき、基材への濡れ性の不良が確認されなかった。
×(不良):標準板の5と同等以下の塗膜の表面平滑性を有し、塗膜の表面平滑性が悪く、表面凹凸、はじき、基材への濡れ性の不良が確認された。
3.粉体塗料組成物のブロッキング性
粉体塗料組成物の100gを密栓状態のガラス瓶中にて50℃で保管し、1週間後のブロッキングの有無を目視確認した。
4.基材への濡れ広がり性(SEM写真)
塗膜付きアルミニウム板を切断し、塗膜とアルミニウム板との界面を、走査型電子顕微鏡により観察した。測定条件は、以下の通りである。
試験機:日本電子社製「JSM−5900LV」
加速電圧:20kV
倍率:5,000倍
測定前処理:JEOL社製オートファインコーター「JFC−1300」による、20mA、45秒の白金コート。
また、以下の基準で評価した。
○(良好):塗膜は、アルミニウム基材上に濡れ広がっており、未塗装箇所は見られない。
×(不良):塗膜は、アルミニウム基材上に濡れ広がっておらず、未塗装箇所が見られる。
ここで、図1および図2において上記評価基準に対応するSEM画像の一例を示す。具体的には、図1は上記評価基準が「○」である場合の一例であり、図2は上記評価基準が「×」である場合の一例である。
5.耐沸騰水試験
軽金属製品協会規格「アルミニウム合金製建築材料 粉体塗装性能評価方法(2014) 4.7耐沸騰水性」に準拠して試験し、目視にて評価した。
○(良好):試験後の塗膜にふくれやはがれが見られない。
×(不良):試験後の塗膜にふくれやはがれが見られた。
6.耐候性
沖縄県那覇市の屋外に塗膜付きアルミニウム板を設置し、設置直前の塗膜の表面の60゜光沢度と、2年後のその60゜光沢度を、光沢計(日本電色工業社製、PG−1M)を用いて測定した。設置直前の光沢度の値を基準とし、2年後の光沢度の値の割合を光沢保持率(単位:%)として算出して、下記基準で耐候性を判定した。なお、光沢保持率は、JIS K 5600−1−7に準拠して測定算出した。
○(良好):光沢保持率が80%以上であり、塗膜の変色等は見られなかった。
×(不良):光沢保持率が80%未満であり、塗膜の変色等が見られた。
〔粉体塗料組成物の製造に用いた成分〕
<含フッ素重合体>
含フッ素重合体(1)〜(4)を用いた。
<樹脂>
ポリエステル樹脂:ダイセル・オルネクス社製、CRYLCOAT(登録商標) 4842−3、酸価:36mgKOH/g。
<顔料>
酸化チタン:デュポン社製、Ti−Pure(登録商標) R960、酸化チタン含有量:89質量%。
酸化鉄:戸田工業社製、トダカラー(登録商標)160ED。
酸化コバルト:大日精化社製、ダイピロキサイド(登録商標)ブルー#9410。
アルミニウム顔料(1):東洋アルミニウム社製、製品名「PCF7620A」、被覆物質:アクリル樹脂。
アルミニウム顔料(2):エカルト社製、製品名「PCU1000」、被覆物質:アクリル樹脂およびシリカ。
カーボンブラック:三菱化学社製、製品名「MA100」。
<硬化剤>
硬化剤(B1):グリシジルエステル系硬化剤(HUNTSMAN社製、Araldite(登録商標) PT910)。
硬化剤(B2):トリアジン骨格含有3官能性エポキシ系硬化剤(日産化学工業社製、TEPIC−SP)。
硬化剤(B3):β−ヒドロキシアルキルアミド(HAA)系硬化剤(Primid(登録商標) XL552)。
<硬化触媒>
硬化触媒:ジブチルスズジラウレートを100ppm含むキシレン溶液。
<他の成分>
紫外線吸収剤:BASF社製、Tinuvin(登録商標) 405。
光安定剤:BASF社製、Tinuvin(登録商標) 111FDL。
脱ガス剤:ベンゾイン。
表面調整剤:ビックケミー社製、BYK(登録商標)−360P。
可塑剤:1,4−シクロヘキサンジメタノールジベンゾエート(VELSICOL社製、Benzoflex(登録商標)352、融点:118℃、分子量:352)。
<粉体塗料組成物の製造・評価例>
[実施例7〜実施例18、および比較例2]
第3表の原料組成に記載の各成分を、それぞれ、高速ミキサ(佑崎有限公司製)を用いて10〜30分程度混合して粉末状の混合物を得た。該混合物を2軸押出機(サーモプリズム社製、16mm押出機、バレル設定温度120℃)を用いて溶融混練してペレットを得た。該ペレットを粉砕機(FRITSCH社製、製品名:ロータースピードミルP14)を用いて常温にて粉砕し、さらに150メッシュのふるいを用いて分級して、それぞれの粉体塗料組成物(平均粒子径約40μm)を得た。なお、第3表の原料組成における各成分の量は、固形分量(質量部)である。
クロメート処理されたアルミニウム板(基材)の一面に、静電塗装機(小野田セメント社製、GX3600C)を用いて、それぞれの粉体塗料組成物を静電塗装し、170℃にて20分間保持した後、室温まで冷却し、厚さ55〜65μmの塗膜付きアルミニウム板を得た。得られた塗膜付きアルミニウム板を試験片として上記の各種評価試験を行った。第3表に評価結果をまとめて示す。
第3表に示すように、フルオロオレフィンに基づく重合単位と、脂肪族環構造を有するアセタールエステル部位を側鎖に有する重合単位と、を含む含フッ素重合体を含有する粉体塗料組成物は、耐ブロッキング性に優れていることが示された(実施例)。また、これらの粉体塗料組成物を1液硬化型の塗料組成物である実施例の粉体塗料組成物を用いると、得られる塗膜の各種性能に優れることが示された(実施例)。
これに対して、フルオロオレフィンに基づく重合単位と、カルボキシ基を側鎖に有する重合単位と、を含む含フッ素重合体を含有する粉体塗料組成物を、1液硬化型の塗料組成物として用いた場合、得られる塗膜の各種性能が劣ることが示された(比較例2)。

Claims (7)

  1. フルオロオレフィンに基づく重合単位と、脂肪族環構造を有するアセタールエステル部位を側鎖に有する重合単位と、を含む含フッ素重合体を含有する、塗料組成物。
  2. 前記脂肪族環構造を有するアセタールエステル部位が、式(1)〜式(3)で表される少なくとも1つの構造を有する、請求項1に記載の塗料組成物。
    前記式(1)中、R1Aは、炭素数3〜12のシクロアルキル基または炭素数4〜12のシクロアルキルアルキル基を表す。
    前記式(2)中、R2Aは、炭素数2〜13のアルキレン基、または、置換基を有する炭素数2〜13のアルキレン基を表す。R2Aが置換基を有する炭素数2〜13のアルキレン基である場合、隣接する置換基が互いに結合して環を形成していてもよい。R2Bは、水素原子またはメチル基を表す。R2Bが水素原子である場合には、Xは単結合を表し、R2Bがメチル基である場合には、Xは酸素原子を表す。
    前記式(3)中、R3Aは、炭素数2〜12のアルキレン基を表す。YおよびZは、同時に単結合、または、同時に酸素原子を表す。YおよびZが同時に単結合である場合には、R3Bは、炭素数1〜6のアルコキシ基を表す。YおよびZが同時に酸素原子である場合には、R3Bは、水素原子を表す。
    前記式(1)〜(3)中、「*」は、他の基との結合位置を表す。
  3. 前記含フッ素重合体が粒子状である、請求項1または2に記載の塗料組成物。
  4. 前記塗料組成物が、粉体塗料組成物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の塗料組成物。
  5. 基材と、請求項1〜4のいずれか1項に記載の塗料組成物により前記基材上に形成された塗膜と、を有する、塗装物品。
  6. 式(1A)〜式(3A)で表される少なくとも1つの重合単位と、フルオロオレフィンに基づく重合単位と、を含む、含フッ素重合体。
    前記式(1A)中、R1Aは、炭素数3〜12のシクロアルキル基または炭素数4〜12のシクロアルキルアルキル基を表す。
    前記式(2A)中、R2Aは、炭素数2〜13のアルキレン基、または、置換基を有する炭素数2〜13のアルキレン基を表す。R2Aが置換基を有する炭素数2〜13のアルキレン基である場合、隣接する置換基が互いに結合して環を形成していてもよい。R2Bは、水素原子またはメチル基を表す。R2Bが水素原子である場合には、Xは単結合を表し、R2Bがメチル基である場合には、Xは酸素原子を表す。
    前記式(3A)中、R3Aは、炭素数2〜12のアルキレン基を表す。YおよびZは、同時に単結合、または、同時に酸素原子を表す。YおよびZが同時に単結合である場合には、R3Bは、炭素数1〜6のアルコキシ基を表す。YおよびZが同時に酸素原子である場合には、R3Bは、水素原子を表す。
    前記式(1A)〜(3A)中、Rはそれぞれ独立に、水素原子またはメチル基を表す。Qはそれぞれ独立に、炭素数1〜12のアルキレン基、または、式(q)で表される基を表す。
    式(q):−(CH−O−C(O)−(CH
    前記式(q)中、pおよびqはそれぞれ独立に、1〜8の整数を表す。
  7. 式(1B)〜式(3B)のいずれかで表される、化合物。
    前記式(1B)中、R1Aは、炭素数3〜12のシクロアルキル基または炭素数4〜12のシクロアルキルアルキル基を表す。
    前記式(2B)中、R2Aは、炭素数2〜13のアルキレン基、または、置換基を有する炭素数2〜13のアルキレン基を表す。R2Aが置換基を有する炭素数2〜13のアルキレン基である場合、隣接する置換基が互いに結合して環を形成していてもよい。R2Bは、水素原子またはメチル基を表す。R2Bが水素原子である場合には、Xは単結合を表し、R2Bがメチル基である場合には、Xは酸素原子を表す。
    前記式(3B)中、R3Aは、炭素数2〜12のアルキレン基を表す。YおよびZは、同時に単結合、または、同時に酸素原子を表す。YおよびZが同時に単結合である場合には、R3Bは、炭素数1〜6のアルコキシ基を表す。YおよびZが同時に酸素原子である場合には、R3Bは、水素原子を表す。
    前記式(1B)〜(3B)中、Rはそれぞれ独立に、水素原子またはメチル基を表す。Qはそれぞれ独立に、炭素数1〜12のアルキレン基、または、式(q)で表される基を表す。
    式(q):−(CH−O−C(O)−(CH
    前記式(q)中、pおよびqはそれぞれ独立に、1〜8の整数を表す。
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