JP2018002521A - 光学ガラス、光学素子ブランク、および光学素子 - Google Patents

光学ガラス、光学素子ブランク、および光学素子 Download PDF

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Abstract

【課題】 透過性、熱的安定性、および耐失透性に優れた高屈折率高分散光学ガラスを提供すること。
【解決手段】 酸化物基準のガラス組成において、Bの含有量と、P、B、SiOおよびAlの合計含有量との質量比[B/(P+B+SiO+Al)]が0.10以上0.22以下であり、LiO、NaOおよびKOの合計含有量と、P、B、SiO、Alの合計含有量との質量比[(LiO+NaO+KO)/(P+B+SiO+Al)]が0.30以上0.38以下であり、TiO、WOおよびBiの合計含有量と、Nbの含有量との質量比[(TiO+WO+Bi)/Nb]が0.15未満であり、屈折率ndが1.87以上1.92以下であり、アッベ数νdが15以上25以下である、光学ガラス。
【選択図】 なし

Description

本発明は、光学ガラス、光学素子ブランクおよび光学素子に関する。
光学系の設計において、屈折率ndが高くアッベ数νdの低い、高屈折率高分散性の光学ガラスは、色収差を補正し、光学系を高機能化、コンパクト化する上で利用価値が高い。
高屈折率高分散の光学ガラスとして、例えば、P2を主成分とするリン酸塩系ガラスが知られている(特許文献1〜8参照)。
特開2010−260746号公報 特開平6−345481号公報 特開平8−104537号公報 特開平9−188540号公報 特開2010−260740号公報 特開2010−260742号公報 特開2011−195369号公報 特開2012−17261号公報
ところで、リン酸塩系の高屈折高分散光学ガラスは、熔融ガラスを固化した際に結晶析出が生じる場合があり、熱的安定性に乏しい傾向にある。
また、光学素子の製造には、リヒートプレスのように、光学ガラスを再加熱して成形する方法が用いられることがある。このとき、上記のような高屈折高分散ガラスは、結晶が析出する場合があり、耐失透性に乏しい傾向にある。
さらに、光学ガラスの高屈折率高分散化に寄与する成分として、TiO、Nb、WOおよびBi等が挙げられるが、これらはいずれもガラスの着色が増大する原因となり、含有比率によってはガラスの透過性を悪化させる。
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その一態様は、透過性、熱的安定性、および耐失透性に優れた高屈折率高分散光学ガラスを提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、ガラスを構成する各種ガラス構成成分(以下、ガラス成分という)の含有比率を調整することにより、その目的を達成し得ることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の一態様は以下のとおりである。
酸化物基準のガラス組成において、
の含有量と、P、B、SiOおよびAlの合計含有量との質量比[B/(P+B+SiO+Al)]が0.10以上0.22以下であり、
LiO、NaOおよびKOの合計含有量と、P、B、SiO、Alの合計含有量との質量比[(LiO+NaO+KO)/(P+B+SiO+Al)]が0.30以上0.38以下であり、
TiO、WOおよびBiの合計含有量と、Nbの含有量との質量比[(TiO+WO+Bi)/Nb]が0.15未満であり、
屈折率ndが1.87以上1.92以下であり、アッベ数νdが15以上25以下である、光学ガラス。
本発明の一態様によれば、透過性、熱的安定性に優れ、また固化したガラスを再加熱(リヒートプレス)するときの耐失透性に優れた高屈折率高分散光学ガラスを提供できる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「実施形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。さらに、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合があるが、発明の趣旨を限定するものではない。なお、本明細書において、「光学ガラス」は、複数種のガラス構成成分(ガラス成分)を含むガラス組成物であって、特に記載しない限り、形態(塊り状、板状、球状など)や用途(光学素子ブランク、光学素子など)、大きさを問わない総称として用いている。すなわち、光学ガラスの形態や用途、大きさに制限はなく、いかなる形態の光学ガラスも、またいかなる用途の光学ガラスも、そしていかなる大きさの光学ガラスも本発明における光学ガラスに含まれる。また、本明細書において、光学ガラスは、単に「ガラス」と称されることがある。
本実施形態では、屈折率は、特記しない限り、ヘリウムのd線(波長587.56nm)における屈折率ndをいう。
また、アッベ数νdは、分散に関する性質を表す値として用いられるものであり、以下の式で表される。ここで、nFは青色水素のF線(波長486.13nm)における屈折率、nCは赤色水素のC線(656.27nm)における屈折率である。
νd=(nd−1)/nF−nC
本明細書では、ガラス組成は、質量%表示での各ガラス成分の含有量に基づいて、表示される。特記しない限り、各含有量における%の表示は、質量%を意味する。
なお、本明細書において、ガラス組成の質量%表示とは、酸化物やフッ化物で表される各ガラス成分について、全てのガラス成分の合計含有量を100質量%としたときの各ガラス成分の含有量を質量百分率により表示することをいう。
本実施形態では、ガラス組成は、ICP−AES(Inductively Coupled Plasma - Atomic Emission Spectrometry)により定量できる。ICP−AESにより求められる分析値は、例えば、分析値の±5%程度の測定誤差を含んでいることがある。また、本明細書および本発明において、ガラスの構成成分の含有量が0%または含まないとは、この構成成分を実質的に含まないことを意味し、この構成成分の含有量が不純物レベル程度以下であることを指す。
後述するように、Sb、CeOは、清澄剤としてガラスに少量添加されることがある。しかし、本明細書の質量%表示において、全てのガラス成分の合計含有量にはSbおよびCeOの含有量を含めない。すなわち、ガラス成分中のSb、SnO、CeOの質量%表示での各含有量は、SbおよびCeO以外の全てのガラス成分の合計含有量を100質量%とした場合のSb、CeOの各含有量として表示される。本明細書において、このような表記を外割りという。
合計含有量とは、複数種のガラス成分の含有量(含有量が0%である場合も含む)の合計量をいう。また、質量比とは、質量%表示におけるガラス成分の含有量(複数種の成分の合計含有量も含む)同士の割合(比)をいう。
本明細書では、ガラスの熱的安定性および耐失透性とは、ともにガラス中における結晶析出のしにくさを指す。特に、熱的安定性は熔融状態のガラスが固化する際の結晶析出のしにくさを指し、耐失透性はリヒートプレス時のように、固化したガラスを再加熱したときの結晶析出のしにくさを指すものとする。
本発明の実施形態に係る光学ガラスは、上述のガラス組成を有し、屈折率ndが1.87以上1.92以下であり、アッベ数νdが15以上25以下の光学ガラスである。以下、光学ガラスの詳細について説明する。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、Bの含有量と、P、B、SiOおよびAlの合計含有量との質量比[B/(P+B+SiO+Al)]は、0.10以上0.22以下である。質量比[B/(P+B+SiO+Al)]は、好ましくは0.11以上であり、さらには0.12以上、0.13以上、0.14以上の順により好ましい。また、質量比[B/(P+B+SiO+Al)]は、好ましくは0.20以下であり、さらには0.18以下、0.17以下、0.16以下の順により好ましい。
ガラスのネットワーク形成成分として、P、B、SiOおよびAlが知られている。Bは、ガラスのネットワーク形成成分の中でも、液相温度を下げ、ガラスの熱的安定性を改善する働きを有する。一方、Bの含有量が多いと、固化したガラスを再加熱(リヒートプレス)する際の耐失透性が低下する恐れがある。本発明の実施形態では、ネットワーク形成成分におけるBの含有割合を上記範囲とすることにより、熱的安定性および耐失透性に優れた光学ガラスが得られる。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、LiO、NaOおよびKOの合計含有量[LiO+NaO+KO]と、P、B、SiOおよびAlの合計含有量との質量比[(LiO+NaO+KO)/(P+B+SiO+Al)]は、0.30以上0.38以下である。質量比[(LiO+NaO+KO)/(P+B+SiO+Al)]は、好ましくは0.31以上であり、さらには0.32以上がより好ましい。また、質量比[(LiO+NaO+KO)/(P+B+SiO+Al)]は、好ましくは0.37以下であり、さらには0.36以下、0.35以下、0.34以下の順により好ましい。
LiO、NaOおよびKOは、いずれも熔解性を向上させる働きを有するが、これらの含有量が多くなると、固化したガラスを再加熱(リヒートプレス)する際の耐失透性が低下する。本発明の実施形態では、ネットワーク形成成分に対するLiO、NaOおよびKOの含有割合を上記範囲とすることにより、熱的安定性および耐失透性に優れた光学ガラスが得られる。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、TiO、WOおよびBiの合計含有量と、Nbの含有量との質量比[(TiO+WO+Bi)/Nb]は、0.15未満である。質量比[(TiO+WO+Bi)/Nb]は、好ましくは0.10以下であり、さらには0.09以下、0.08以下の順により好ましい。また、質量比[(TiO+WO+Bi)/Nb]は、好ましくは0.02以上であり、さらには0.03以上、0.04以上、0.05以上の順により好ましい。
TiO、Nb、WOおよびBiは、いずれも、高分散化に寄与するガラス成分であるが、着色が増大する原因ともなる。その中でNbは、高分散化に寄与しながらも、比較的着色を増大させにくい成分である。したがって、TiO、WOおよびBiの合計含有量とNbの含有量との比率を上記範囲とすることで、高分散性で、透過性に優れる光学ガラスを得ることができる。
(ガラス成分)
本発明の実施形態における光学ガラスのガラス成分について、以下に詳述する。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、Pの含有量は、好ましくは18%以上であり、さらには19%以上、21%以上、23%以上の順により好ましい。また、Pの含有量は、好ましくは32%以下であり、さらには30%以下、28%以下、26%以下の順により好ましい。
は、ガラス中に高分散成分を多く含有するために必須の成分である。一方、Pを過剰に含むと熱的安定性が悪化する。したがって、Pの含有量は上記範囲であることが好ましい。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、Bの含有量は、好ましくは0.1%以上であり、さらには2%以上、3%以上の順により好ましい。Bの含有量は、好ましくは12%以下であり、さらには9%以下、7%以下、6%以下の順により好ましい。
は、ガラスのネットワーク形成成分であり、ガラスの熱的安定性を改善する働きを有する。一方、Bの含有量が多いと、高分散化を妨げ、また、耐失透性が低下する傾向がある。そのため、ガラスの熱的安定性および耐失透性を改善する観点から、Bの含有量は上記範囲であることが好ましい。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、SiOの含有量は、好ましくは3%以下であり、さらには2%以下、1.5%以下の順により好ましい。SiOの含有量は0%であってもよい。
SiOは、ガラスのネットワーク形成成分であり、ガラスの熱的安定性、化学的耐久性、耐候性を改善し、熔融ガラスの粘度を高め、熔融ガラスを成形しやすくする働きを有する。一方、SiOの含有量が多いと、ガラスの耐失透性が低下する傾向がある。そのため、ガラスの熱的安定性および耐失透性を改善する観点から、SiOの含有量の上限は上記範囲であることが好ましい。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、Alの含有量は、好ましくは3%以下であり、さらには2%以下、1%以下の順により好ましい。Alの含有量は0%であってもよい。
Alは、ガラスの化学的耐久性、耐候性を改善する働きを有するガラス成分であり、ネットワーク形成成分として考えることができる。一方、Alの含有量が多くなると、ガラスの耐失透性が低下する。また、ガラス転移温度Tgが上昇する、熱的安定性が低下する等の問題が生じやすい。このような問題を回避する観点から、Alの含有量の上限は上記範囲であることが好ましい。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、P、B、SiOおよびAlの合計含有量[P+B+SiO+Al]は、好ましくは25%以上であり、さらには26%以上、27%以上、28%以上の順により好ましい。また、合計含有量[P+B+SiO+Al]は、好ましくは45%以下であり、さらには35%以下、33%以下、31%以下の順により好ましい。
、B、SiOおよびAlはガラスのネットワーク形成成分であり、主にガラスの熱的安定性および耐失透性を改善する。熔融ガラスの粘度を高め、熔融ガラスを成形しやすくする働きを有する。したがって、P、B、SiOおよびAlの合計含有量は上記範囲であることが好ましい。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、TiOの含有量は、好ましくは0%以上であり、さらには2%以上、3%以上の順により好ましい。また、TiOの含有量は、好ましくは10%以下であり、さらには8%以下、6%以下の順により好ましい。
TiOは、ガラスの着色を増大させやすい。また、TiOは、熔融ガラスを成形、徐冷して光学ガラスを得る過程で、ガラス内における結晶生成を促進させ、ガラスの透明性を低下(白濁)させる。したがって、TiOの含有量は上記範囲であることが好ましい。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、Nbの含有量は、好ましくは50%以上であり、さらには52%以上、54%以上の順により好ましい。また、Nbの含有量は、好ましくは65%以下であり、さらには60%以下、58%以下の順により好ましい。
Nbは、高分散化に寄与する成分である。また、ガラスの熱的安定性および化学的耐久性を改善するガラス成分でもある。一方、Nbの含有量が多くなりすぎると、ガラスの熱的安定性が低下し、また、ガラスの着色が強まる傾向がある。したがって、Nbの含有量は上記範囲であることが好ましい。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、WOの含有量の下限は、好ましくは0%である。また、WOの含有量は、好ましくは5%以下であり、さらには3%以下、1%以下の順により好ましい。
WOは、ガラスの着色の原因となりやすく、透過率を悪化させる。したがって、WOの含有量は上記範囲であることが好ましい。
本実施形態において、Biの含有量は、好ましくは5%以下であり、さらには3%以下、2%以下の順により好ましい。また、Biの含有量の下限は、好ましくは0%である。
Biは、適量を含有させることによりガラスの熱的安定性を改善する働きを有する。一方、Biの含有量を高めると、ガラスの着色が増大する。したがって、Biの含有量は上記範囲であることが好ましい。
また、本実施形態に係る光学ガラスにおいて、TiOの含有量と、TiO、Nb、WOおよびBiの合計含有量との質量比[TiO/(TiO+Nb+WO+Bi)]は、好ましくは0.03以上0.15未満である。質量比[TiO/(TiO+Nb+WO+Bi)]は、より好ましくは0.04以上であり、さらには0.05以上がより好ましい。また、質量比[TiO/(TiO+Nb+WO+Bi)]は、より好ましくは0.10以下であり、さらには0.08以下がより好ましい。
TiO、Nb、WOおよびBiは、いずれも、高分散化に寄与するガラス成分であるが、着色が増大する原因ともなる。特にTiOは、Nb、WOおよびBiと比較して高分散化に寄与する一方、ガラスの着色を増大させやすい。また、TiOは、熔融ガラスを成形、徐冷する過程で、ガラス内における結晶生成を促進させやすく、ガラスの透明性を低下(白濁)させる働きを有する。したがって、TiO、Nb、WOおよびBiにおけるTiOの含有割合は上記範囲であることが好ましい。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、LiOの含有量は、好ましくは5%以下であり、さらには3%以下、1%以下の順により好ましい。LiOの含有量の下限は、好ましくは0%である。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、NaOの含有量は、好ましくは5%以下であり、さらには3%以下がより好ましい。NaOの含有量の下限は、好ましくは0%である。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、KOの含有量は、好ましくは10%以下であり、さらには8%以下がより好ましい。KOの含有量の下限は、好ましくは0%である。
LiO、NaOおよびKOは、いずれも液相温度を下げ、ガラスの熱的安定性を改善する働きを有するが、これらの含有量が多くなると、化学的耐久性、耐候性が低下する。そのため、LiO、NaOおよびKOの各含有量は、それぞれ上記範囲であることが好ましい。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、LiO、NaOおよびKOの合計含有量[LiO+NaO+KO]は、好ましくは15%以下であり、さらには12%以下、10%以下の順により好ましい。また、合計含有量[LiO+NaO+KO]は、好ましくは5%以上であり、さらには6%以上、7%以上の順により好ましい。
LiO、NaOおよびKOは、いずれも液相温度を下げ、ガラスの熱的安定性を改善する働きを有する。しかし、これらの含有量が多くなると、化学的耐久性、耐候性が低下する。そのため、LiO、NaOおよびKOの合計含有量[LiO+NaO+KO]は上記範囲であることが好ましい。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、CsOの含有量は、好ましくは2%以上である。
CsOは、ガラスの熱的安定性を改善する働きを有するが、これらの含有量が多くなると、化学的耐久性、耐候性が低下する。そのため、CsOの各含有量は、上記範囲であることが好ましい。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、MgOの含有量は、好ましくは5%以下であり、さらには3%以下、1%以下の順により好ましい。また、MgOの含有量の下限は、好ましくは0%である。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、CaOの含有量は、好ましくは5%以下であり、さらには3%以下、1%以下の順により好ましい。また、CaOの含有量の下限は、好ましくは0%である。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、SrOの含有量は、好ましくは5%以下であり、さらには3%以下、1%以下の順により好ましい。また、SrOの含有量の下限は、好ましくは0%である。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、BaOの含有量は、好ましくは5%以下であり、さらには3%以下、1%以下の順により好ましい。また、BaOの含有量の下限は、好ましくは0%である。
MgO、CaO、SrO、BaOは、いずれもガラスの熱的安定性および耐失透性を改善させる働きを有するガラス成分である。しかし、これらガラス成分の含有量が多くなると、高分散性が損なわれ、また、ガラスの熱的安定性および耐失透性が低下する。そのため、これらガラス成分の各含有量は、それぞれ上記範囲であることが好ましい。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、MgO、CaO、SrOおよびBaOの合計含有量[MgO+CaO+SrO+BaO]は、好ましくは6%以下であり、さらには4%以下、2%以下の順により好ましい。また、合計含有量[MgO+CaO+SrO+BaO]の下限は、好ましくは0%である。合計含有量[MgO+CaO+SrO+BaO]は0%であってもよい。高分散化を妨げることなく熱的安定性を維持する観点から、合計含有量[MgO+CaO+SrO+BaO]は上記範囲であることが好ましい。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、ZnOの含有量は、好ましくは5%以下であり、さらには3%以下、1%以下の順により好ましい。また、ZnOの含有量の下限は、好ましくは0%である。
ZnOは、ガラスの熱的安定性を改善する働きを有するガラス成分である。しかし、ZnOの含有量が多すぎるとガラスの高分散性が損なわれる。そのため、ガラスの熱的安定性を改善し、所望の光学特性を維持する観点から、ZnOの含有量は上記範囲であることが好ましい。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、ZrOの含有量は、好ましくは5%以下であり、さらには3%以下、1%以下の順により好ましい。また、ZrOの含有量の下限は、好ましくは0%である。
ZrOは、ガラスの熱的安定性および耐失透性を改善する働きを有するガラス成分である。しかし、ZrOの含有量が多すぎると、ガラスの熱的安定性が低下する傾向を示す。そのため、ガラスの熱的安定性を良好に維持する観点から、ZrOの含有量は上記範囲であることが好ましい。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、Taの含有量は、好ましくは5%以下であり、さらには3%以下、2%以下の順により好ましい。また、Taの含有量の下限は、好ましくは0%である。
Taは、ガラスの熱的安定性を改善する働きを有するガラス成分である。一方、Taは、屈折率を上昇させ、ガラスを低分散化させる。また、Taの含有量が多くなると、ガラスの熱的安定性が低下し、ガラスを熔融するときに、ガラス原料の熔け残りが生じやすくなる。そのため、Taの含有量は上記範囲であることが好ましい。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、Scの含有量は、好ましくは2%以下である。また、Scの含有量の下限は、好ましくは0%である。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、HfOの含有量は、好ましくは2%以下である。また、HfOの含有量の下限は、好ましくは0%である。
Sc、HfOは、いずれも屈折率ndを高める働きを有し、また高価な成分である。そのため、Sc、HfOの各含有量は上記範囲であることが好ましい。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、Luの含有量は、好ましくは2%以下である。また、Luの含有量の下限は、好ましくは0%である。
Luは、屈折率ndを高める働きを有する。また、分子量が大きいことから、ガラスの比重を増加させるガラス成分でもある。そのため、Luの含有量は上記範囲であることが好ましい。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、GeOの含有量は、好ましくは2%以下である。また、GeOの含有量の下限は、好ましくは0%である。
GeOは、屈折率ndを高める働きを有し、また、一般的に使用されるガラス成分の中で、突出して高価な成分である。したがって、ガラスの製造コストを低減する観点から、GeOの含有量は上記範囲であることが好ましい。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、Laの含有量は、好ましくは2%以下である。また、Laの含有量の下限は、好ましくは0%である。
Laの含有量が多くなるとガラスの熱的安定性が低下する。したがって、ガラスの熱的安定性の低下を抑制する観点から、Laの含有量は上記範囲であることが好ましい。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、Gdの含有量は、好ましくは2%以下である。また、Gdの含有量の下限は、好ましくは0%である。
Gdの含有量が多くなり過ぎるとガラスの熱的安定性が低下する。また、Gdの含有量が多くなり過ぎるとガラスの比重が増大し、好ましくない。したがって、ガラスの熱的安定性を良好に維持しつつ、比重の増大を抑制する観点から、Gdの含有量は上記範囲であることが好ましい。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、Yの含有量は、好ましくは2%以下である。また、Yの含有量の下限は、好ましくは0%である。
の含有量が多くなり過ぎるとガラスの熱的安定性が低下し、製造中にガラスが失透しやすくなる。したがって、ガラスの熱的安定性の低下を抑制する観点から、Yの含有量は上記範囲であることが好ましい。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、Ybの含有量は、好ましくは2%以下である。また、Ybの含有量の下限は、好ましくは0%である。
Ybは、La、Gd、Yと比べて分子量が大きいため、ガラスの比重を増大させる。ガラスの比重が増大すると、光学素子の質量が増大する。例えば、質量の大きいレンズをオートフォーカス式の撮像レンズに組み込むと、オートフォーカス時にレンズの駆動に要する電力が増大し、電池の消耗が激しくなる。したがって、Ybの含有量を低減させて、ガラスの比重の増大を抑えることが望ましい。
また、Ybの含有量が多すぎるとガラスの熱的安定性が低下する。ガラスの熱的安定性の低下を防ぎ、比重の増大を抑制する観点から、Ybの含有量は上記範囲であることが好ましい。
本実施形態に係る光学ガラスは、主として上述のガラス成分、すなわちP、B、SiO、Al、TiO、Nb、WO、Bi、LiO、NaO、KO、CsO、MgO、CaO、SrO、BaO、ZnO、ZrO、Ta、Sc、HfO、Lu、GeO、La、Gd、Y、およびYbで構成されていることが好ましく、上述のガラス成分の合計含有量は、95%よりも多くすることが好ましく、98%よりも多くすることがより好ましく、99%よりも多くすることがさらに好ましく、99.5%よりも多くすることが一層好ましい。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、TeOの含有量は、好ましくは2%以下である。また、TeOの含有量の下限は、好ましくは0%である。
TeOは毒性を有することから、TeOの含有量を低減させることが好ましい。そのため、TeOの含有量は上記範囲であることが好ましい。
なお、本実施形態に係る光学ガラスは、基本的に上記ガラス成分により構成されることが好ましいが、本発明の作用効果を妨げない範囲において、その他の成分を含有することも可能である。また、本発明において、不可避的不純物の含有を排除するものではない。
<その他の成分組成>
Pb、As、Cd、Tl、Be、Seは、いずれも毒性を有する。そのため、本実施形態に係る光学ガラスがこれら元素をガラス成分として含有しないことが好ましい。
U、Th、Raはいずれも放射性元素である。そのため、本実施形態に係る光学ガラスがこれら元素をガラス成分として含有しないことが好ましい。
V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tmは、ガラスの着色を増大させ、蛍光の発生源となり得る。そのため、本実施形態に係る光学ガラスがこれら元素をガラス成分として含有しないことが好ましい。
Sb(Sb)、Ce(CeO)は清澄剤として機能する任意に添加可能な元素である。このうち、Sb(Sb)は、清澄効果の大きな清澄剤である。しかし、Sb(Sb)は酸化性が強く、Sb(Sb)の添加量を多くしていくと、Sbイオンによる光吸収により、ガラスの着色が増大し、好ましくない。また、ガラスを熔融するときに、熔融物中にSbがあると、ガラス熔融坩堝を構成する白金の熔融物への溶出が促進され、ガラス中の白金濃度が高くなる。ガラス中において、白金がイオンとして存在すると、光の吸収によりガラスの着色が増大する。また、ガラス中に白金が固形物として存在すると光の散乱源となり、ガラスの品質を低下させる。Ce(CeO)は、Sb(Sb)と比較し、清澄効果が小さい。Ce(CeO)は、多量に添加するとガラスの着色が強まる。したがって、清澄剤を添加する場合は、添加量に注意しつつ、Sb(Sb)を添加することが好ましい。
Sbの含有量は、外割り表示とする。すなわち、SbおよびCeO以外の全ガラス成分の合計含有量を100質量%としたときのSbの含有量は、好ましくは1質量%未満、より好ましくは0.5質量%未満である。さらに、0.1質量%未満、0.05質量%未満、0.03質量%未満の順に好ましい。Sbの含有量は0質量%であってもよい。
CeOの含有量も、外割り表示とする。すなわち、CeO、Sb以外の全ガラス成分の合計含有量を100質量%としたときのCeOの含有量は、好ましくは2質量%未満、より好ましくは1質量%未満、さらに好ましくは0.5質量%未満、一層好ましくは0.1質量%未満の範囲である。CeOの含有量は0質量%であってもよい。CeOの含有量を上記範囲とすることによりガラスの清澄性を改善できる。
(ガラス特性)
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、屈折率ndは、1.87以上1.92以下である。屈折率ndは、好ましくは1.880以上であり、さらには1.885以上、1.890以上、1.895以上の順により好ましい。また、屈折率ndは、好ましくは1.915以下であり、さらには1.910以下、1.905以下、1.900以下の順により好ましい。
本実施形態に係る光学ガラスにおいて、アッベ数νdは、15以上25以下である。アッベ数νdは、好ましくは16以上であり、さらには17以上、18以上、19以上の順により好ましい。また、アッベ数νdは、好ましくは24以下であり、さらには23以下、22以下、21以下の順により好ましい。
<ガラス転移温度Tg>
本実施形態に係る光学ガラスのガラス転移温度Tgは、好ましくは750℃以下であり、さらには730℃以下、710℃以下の順により好ましい。また、ガラス転移温度Tgは、好ましくは520℃以上であり、さらには560℃以上、600℃以上の順により好ましい。
ガラス転移温度Tgの上限が上記範囲を満たすことにより、ガラスのアニール温度の上昇を抑制することができ、アニール設備、例えば、レアーと呼ばれる連続式アニールやバッチ式アニール炉の熱的ダメージを軽減できる。
ガラス転移温度Tgの下限が上記範囲を満たすことにより、所望のアッベ数、屈折率を維持しつつ、ガラスの熱的安定性を良好に維持しやすくなる。
<ガラスの光線透過性>
本実施形態において、光線透過性は、着色度λ5により評価できる。
互いに平行であり、光学研磨されている2つの平面を有するガラス(厚さ10.0mm±0.1mm)を用い、上記2つの平面のうち、一方の平面より、この平面に垂直に光線を入射させる。そして、他方の平面から出射した透過光の強度Ioutと入射光の強度Iinの比(Iout/Iin)、すなわち、外部透過率を算出する。分光光度計を用いて、入射光の波長を例えば280〜700nmの範囲でスキャンしながら、外部透過率を測定することにより、分光透過率曲線を得る。
外部透過率は、入射光の波長がガラスの短波長側の吸収端から長波長側にいくにつれて増加し、高い値を示す。
λ5は、外部透過率が5%となる波長である。280〜700nmの波長域において、λ5よりも長波長側におけるガラスの外部透過率は5%より大きい値を示す。
λ5が短波長化された光学ガラスを用いることで、好適な色再現を可能とする光学素子を提供できる。
このような理由より、λ5の範囲は400nm以下が好ましく、さらに、390nm以下がより好ましい。λ5の下限の目安は、例えば、360nmである。
<ガラスの比重>
本実施形態に係る光学ガラスは、高屈折率高分散性ガラスでありながら、比重が大きくない。通常、ガラスの比重を低減することができれば、レンズの重量を減少できる。その結果、レンズを搭載するカメラレンズのオートフォーカス駆動の消費電力を低減できる。一方、比重を減少させすぎると、熱的安定性の低下を招く。ここで、比重dは、屈折率ndに依存するため、本実施形態では、比重dを(nd−1)で割って正規化する。本実施形態では、正規化された比重[d/(nd−1)]は、好ましくは4.0未満であり、より好ましくは、3.9以下である。また、熱的安定性を改善する観点から、[d/(nd−1)]は、好ましくは3.0以上である。
(光学ガラスの製造)
本発明の実施形態に係る光学ガラスは、上記所定の組成となるようにガラス原料を調合し、調合したガラス原料により公知のガラス製造方法に従って作製すればよい。例えば、複数種の化合物を調合し、十分混合してバッチ原料とし、バッチ原料を石英坩堝や白金坩堝中に入れて粗熔解(ラフメルト)する。粗熔解によって得られた熔融物を急冷、粉砕してカレットを作製する。さらにカレットを白金坩堝中に入れて加熱、再熔融(リメルト)して熔融ガラスとし、さらに清澄、均質化した後に熔融ガラスを成形し、徐冷して光学ガラスを得る。熔融ガラスの成形、徐冷には、公知の方法を適用すればよい。
なお、ガラス中に所望のガラス成分を所望の含有量となるように導入することができれば、バッチ原料を調合するときに使用する化合物は特に限定されないが、このような化合物として、酸化物、炭酸塩、硝酸塩、水酸化物、フッ化物等が挙げられる。
(光学素子等の製造)
本発明の実施形態に係る光学ガラスを使用して光学素子を作製するには、公知の方法を適用すればよい。例えば、ガラス原料を熔融して熔融ガラスとし、この熔融ガラスを鋳型に流し込んで板状に成形し、本発明に係る光学ガラスからなるガラス素材を作製する。得られたガラス素材を適宜、切断、研削、研磨し、プレス成形に適した大きさ、形状のカットピースを作製する。カットピースを加熱、軟化して、公知の方法でプレス成形(リヒートプレス)し、光学素子の形状に近似する光学素子ブランクを作製する。光学素子ブランクをアニールし、公知の方法で研削、研磨して光学素子を作製する。
作製した光学素子の光学機能面には使用目的に応じて、反射防止膜、全反射膜などをコーティングしてもよい。
光学素子としては、球面レンズなどの各種レンズ、プリズム、回折格子などが例示できる。
以下に本発明を実施例により説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものでは無い。
(実施例)
[ガラスサンプルNo.1〜No.18の作製]
表1、2に示す組成を有するガラスとなるように、各成分に対応する化合物原料、すなわち、リン酸塩、炭酸塩、酸化物等の原料を秤量し、十分混合して調合原料とした。該調合原料を白金製坩堝に投入し、大気雰囲気下で1000℃〜1350℃に加熱して熔融し、攪拌により均質化、清澄して熔融ガラスを得た。熔融ガラスを成形型に鋳込んで成形し、徐冷して、ブロック形状のガラスサンプルを得た。
[ガラスサンプルの評価]
得られたガラスサンプルについて、以下に示す方法にて、ガラス組成、比重、屈折率nd、アッベ数νd、λ5およびガラス転移温度Tgを測定し、また、熱的安定性および耐失透性を評価した。
(1)ガラス組成
上記のようにして得られたガラスサンプルを適量採取し、これを酸およびアルカリ処理し、ガラス成分の含有量をICP−AESにより測定した。結果を、表1、2に示す。
(2)比重
日本光学硝子工業会規格JOGIS−05に基づいて測定した。結果を表3、4に示す。なお、比重dは、屈折率ndに依存するため、(nd−1)で正規化している。
(3)屈折率ndおよびアッベ数νd
日本光学硝子工業会規格JOGIS−01に基づいて測定した。結果を表3、4に示す。
(4)λ5
ガラスサンプルを、厚さ10mmで、互いに平行かつ光学研磨された平面を有するように加工し、波長280nmから700nmまでの波長域における分光透過率を測定した。光学研磨された一方の平面に垂直に入射する光線の強度を強度Aとし、他方の平面から出射する光線の強度を強度Bとして、分光透過率B/Aを算出した。分光透過率が5%になる波長をλ5とした。なお、分光透過率には試料表面における光線の反射損失も含まれる。結果を表3、4に示す。
(5)熱的安定性
上述の熔融ガラスを成形型に鋳込んで成形し、徐冷して、ブロック形状のガラスサンプルを得た後。得られたガラスサンプルに対し、光学顕微鏡により、ガラス中の結晶の観察を行なった。光学顕微鏡の倍率は10〜100倍とした。結晶が確認されなかった場合は○、結晶が確認された場合は×と判定した。結果を表3、4に示す。実施例ガラスNo.1〜18はいずれも○の判定であった。実施例ガラスNo.1〜18のガラスは、熱的安定性に優れたガラスであることが確認された。
(6)軟化テスト(耐失透性)
軟化テストは、本明細書において、耐失透性の指標となる評価手法である。1cm角のガラスサンプルを、そのガラスのガラス転移温度Tgに設定した第1の試験炉で10分間加熱し、さらにそのガラスのTgよりも120〜200℃高い温度に設定した第2の試験炉に10分間加熱した後、結晶または白濁の有無を光学顕微鏡で確認した。光学顕微鏡の観察倍率は、10〜100倍とした。結晶も白濁も確認されなかった場合は○、結晶および白濁の少なくとも一方が確認された場合は×と判定した。結果を表3,4に示す。実施例ガラスNo.1〜18はいずれも○の判定であった。耐失透性に優れたガラスであることが確認された。
(7)ガラス転移温度Tg
ガラス転移温度Tgは、示差走査型熱量計DSC3300SA(ネッチ・ジャパン株式会社(NETZSCH Japan))を用いて固体状態のガラスを昇温したときのDSCチャートに基づいて求めた。結果を表3、4に示す。
(比較例)
(ガラスサンプルNo.19〜24の作製および評価)
ガラスの作製および評価は、実施例ガラスNo.1〜18と同様な方法により行なった。結果を表4に示す。
比較例ガラスNo.19〜24のガラスは熱的安定性または軟化テストにおいて、×の判定になっており、実施例ガラスと比べて熱的安定性または耐失透性に劣るものであった。
また、比較例ガラスNo.24は、熱的安定性および耐失透性に優れていたものの、実施例のガラスと比べて、正規化された比重[d/(nd−1)]が劣るものとなっていた。
Figure 2018002521
Figure 2018002521
Figure 2018002521
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(光学素子ブランクおよび光学素子の作製)
表1、2に示すNo.1〜18の組成を有するガラスサンプルをアニールし、切断、研削してカットピースを作製した。
カットピースをリヒートプレスによりプレス成形して、光学素子ブランクを作製した。
光学素子ブランクを精密アニールし、所要の屈折率になるよう屈折率を精密に調整した後、公知の方法で研削、研磨して、光学素子を得た。

Claims (5)

  1. 酸化物基準のガラス組成において、
    の含有量と、P、B、SiOおよびAlの合計含有量との質量比[B/(P+B+SiO+Al)]が0.10以上0.22以下であり、
    LiO、NaOおよびKOの合計含有量と、P、B、SiO、Alの合計含有量との質量比[(LiO+NaO+KO)/(P+B+SiO+Al)]が0.30以上0.38以下であり、
    TiO、WOおよびBiの合計含有量と、Nbの含有量との質量比[(TiO+WO+Bi)/Nb]が0.15未満であり、
    屈折率ndが1.87以上1.92以下であり、アッベ数νdが15以上25以下である、光学ガラス。
  2. TiOの含有量と、TiO、Nb、WOおよびBiの合計含有量との質量比[TiO/(TiO+Nb+WO+Bi)]が0.03以上0.15未満である、請求項1に記載の光学ガラス。
  3. 、B、SiOおよびAlの合計含有量[P+B+SiO+Al]が25質量%以上である、請求項1または2に記載の光学ガラス。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の光学ガラスからなる光学素子ブランク。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の光学ガラスからなる光学素子。
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