JP2018001849A - マルチコプターの制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】マルチコプターの操縦の複雑さを軽減しつつ、操るという醍醐味を得ることができるマルチコプターの制御方法を提供すること【解決手段】本発明は、操縦者が操作するコントローラから複数の回転翼によって無人飛行するマルチコプターに向けて、マルチコプターのヨーまたはロールを制御するための第1制御信号、およびマルチコプターのピッチを制御するための第2制御信号を送信してマルチコプターを制御する方法であって、コントローラから第1制御信号が送信された場合、その際の第1制御信号に含まれる第1操作量に応じた制御としてヨーまたはロールのいずれかを選択することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、マルチコプターを操縦する際に適用されるマルチコプターの制御方法に関する。
複数の回転翼によって無人飛行するマルチコプターは、それぞれの回転翼の出力(例えば、回転数)を制御することによって様々な姿勢によって飛行を行うことができる。例えば、4つの回転翼を有するクワッドコプターにおいては、機体を中心として前方左右の2つの回転翼および後方左右の2つの回転翼のそれぞれの出力バランスによって姿勢が制御される。
具体的には、前方2つの回転翼と後方2つの回転翼との出力バランスを調整することでピッチ方向の制御が行われ、前後方向への飛行体勢が制御される。また、左側2つの回転翼と右側2つの回転翼との出力バランスを調整することでロール方向の制御が行われ、左右方向への飛行姿勢が制御される。さらに、左前および右後ろの2つの回転翼と右前および左後ろの2つの回転翼との出力バランスを調整することでヨー方向の制御が行われ、回転方向の飛行体勢が制御される。このようなマルチコプターを飛行させる場合、操縦者はコントローラを操作して様々な飛行姿勢を選択し、所望の方向へマルチコプターを飛行させていく。
マルチコプターのコントローラとして一般的なのは、2つの可動スティックを備えたスティック型コントローラである。例えば、操縦者は、左側スティックを前後に動かして上昇、下降を制御し、左右に動かして左右ヨーを制御する。また、右側スティックを前後に動かして前進、後退を制御し、左右に動かして左右ロールを制御する。
特許文献1では、マルチコプターのコントローラとして、タッチスクリーンを有する端末を利用する技術が開示されている。操縦者はタッチスクリーンを傾けたり、タッチスクリーンを指で触れたりすることでマルチコプターの飛行姿勢を選択するようにしている。
特開2012−198883号公報
マルチコプターの制御では、操縦者が操作するコントローラから送信される制御信号を用いてマルチコプターの上下、前後、ヨーおよびピッチのそれぞれに対応した4チャンネルの制御が必要である。操縦者は、マルチコプターを思い通りに操縦するため、これらの飛行姿勢を状況に応じて瞬時にコントロールしなければならない。例えば、マルチコプターを前方に飛行させながらターンさせたい場合、操縦者はピッチを制御するとともに、目的の弧を描くようにヨーおよびロールのコントロールを同期させる必要がある。このような操作は非常に複雑であり、習得には多くの時間を要する。
一方、特許文献1に記載されるように、タッチスクリーンを有する端末を利用して容易にターンを描く飛行を行うモードでは、ターンの瞬間曲率半径の円を描くようにマルチコプターのピッチ、ロールおよびヨーが演算され、所望の曲線経路を辿るように姿勢が自動的に制御される。
しかしながら、このように所望の曲線経路を辿るような姿勢制御では、操縦者が行った操作量から演算されるターン半径の経路上を飛行するように自動的に制御されてしまう。つまり、マルチコプターの飛行中に操縦者がタッチスクリーン端末を所定の方向に傾けると、その傾斜量からターン半径を設定し、そのターン半径になる円の経路上を外れないように姿勢が自動的に制御される。このような制御は操縦者にとって楽ではあるものの、マルチコプターを操るという醍醐味に欠ける。
本発明は、マルチコプターの操縦の複雑さを軽減しつつ、操るという醍醐味を得ることができるマルチコプターの制御方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、操縦者が操作するコントローラから複数の回転翼によって無人飛行するマルチコプターに向けて、マルチコプターのヨーまたはロールを制御するための第1制御信号、およびマルチコプターのピッチを制御するための第2制御信号を送信してマルチコプターを制御する方法であって、コントローラから第1制御信号が送信された場合、その際の第1制御信号に含まれる第1操作量に応じた制御としてヨーまたはロールのいずれかを選択することを特徴とする。
このような構成によれば、操縦者がコントローラを操作してマルチコプターを制御しようとした際、第1制御信号の第1操作量に応じてヨーまたはロールのいずれかの制御が選択される。これにより、操縦者の1つの操作に基づく第1操作量であっても、ロールおよびヨーのいずれかの操作を切り替えて制御することができる。
本発明のマルチコプターの制御方法において、第1操作量に応じて第1領域および第2領域を設けておき、第1操作量が第1領域であった場合、第1操作量に応じてロールまたはヨーの一方を選択し、第1操作量が第2領域であった場合、第1操作量に応じてロールまたはヨーの他方を選択するように制御してもよい。これにより、第1操作量の設定された範囲に対応してロールおよびヨーのいずれかの操作を切り替えて制御することができる。
本発明のマルチコプターの制御方法において、第1制御信号によってヨーの制御が選択されている場合、第2制御信号によってピッチを制御してマルチコプターを前進させる場合と後進させる場合とでヨーの回転方向を反対にする制御を行ってもよい。これにより、マルチコプターを前進させながら左右ターンする場合の操作感覚と、後退させながら左右ターンする場合の操作感覚とを合致させることができる。
本発明は、操縦者が操作するコントローラから複数の回転翼によって無人飛行するマルチコプターに向けて、マルチコプターのヨーまたはロールを制御するための第1制御信号、およびマルチコプターのピッチを制御するための第2制御信号を送信してマルチコプターを制御する方法であって、コントローラから第1制御信号が送信された場合、その際の第1制御信号に含まれる第1操作量に応じた制御としてヨーおよびロールのそれぞれの制御量を調整することを特徴とする。
このような構成によれば、操縦者がコントローラを操作してマルチコプターを制御しようとした際、第1制御信号の第1操作量に応じてヨーおよびロールのそれぞれの制御量が調整される。これにより、操縦者の1つの操作に基づく第1操作量であっても、ロールおよびヨーを第1操作量に応じたバランスで制御することができる。
本発明のマルチコプターの制御方法において、第1操作量から所定の関数によって演算された値によって第1操作量に応じたヨーおよびロールのそれぞれの制御量を調整するよう制御してもよい。これにより、操縦者の1つの操作に基づく第1操作量から所定の関数によって得られた値によって、ロールおよびヨーの制御量のバランスが調整される。
本発明のマルチコプターの制御方法において、第1制御信号によってヨーおよびロールのそれぞれの制御量を調整する場合、第2制御信号によってピッチを制御してマルチコプターを前進させる場合と後進させる場合とで、ヨーの回転方向を反対にし、ロールの回転方向は反対にしないよう制御してもよい。これにより、マルチコプターを前進させながら左右ターンする場合の操作感覚と、後退させながら左右ターンする場合の操作感覚とを合致させることができる。
本発明は、操縦者が操作するコントローラから複数の回転翼によって無人飛行するマルチコプターに向けて、マルチコプターのヨーを制御するための第1制御信号、およびマルチコプターのピッチを制御するための第2制御信号を送信してマルチコプターを制御する方法であって、第1制御信号によってヨーを制御し、第2制御信号によってピッチを制御する場合、マルチコプターを前進させる場合と後進させる場合とでヨーの回転方向を反対にする制御を行うことを特徴とする。
このような構成によれば、マルチコプターを前進させながら左右ターンする場合の操作感覚と、後退させながら左右ターンする場合の操作感覚とを合致させることができる。
本発明のマルチコプターの制御方法において、コントローラからマルチコプターに向けてマルチコプターの高さを制御するための第3制御信号を送信する場合、第3制御信号に含まれる値に応じてマルチコプターの高さを段階的に制御してもよい。これにより、第3制御信号によってマルチコプターの高さを予め定められた高さに維持しておくことができ、飛行操作中に操縦者が高さをコントロールする手間を省くことができる。
本発明によれば、マルチコプターの操縦の複雑さを軽減しつつ、操るという醍醐味を得ることができるマルチコプターの制御方法を提供することが可能になる。
(a)および(b)は、実施形態に係るマルチコプター用コントローラを例示する模式図である。 コントローラの構成を例示するブロック図である。 マルチコプターの構成を例示するブロック図である。 (a)〜(d)は、マルチコプターの姿勢を例示する模式図である。 (a)および(b)は、マルチコプターの上昇および下降の制御を例示する模式図である。 (a)〜(c)は、マルチコプターの前進および後退の制御を例示する模式図である。 (a)および(b)は、マルチコプターの左右制御を例示する模式図である。 (a)〜(c)は、マルチコプターのターン制御を例示する模式図である。 (a)〜(d)は、マルチコプターのターンについて例示する模式図である。 (a)〜(c)は、ターンの制御を説明する模式図である。 (a)および(b)は、マルチコプターのヨーの角速度の決定について例示する図である。 (a)〜(c)は、マルチコプターのヨーおよびロールの制御について例示する図である。 (a)および(b)は、ロール補正を例示する図である。 (a)および(b)は、制御切り替えの例を説明する図である。 (a)〜(c)は、ホイール操作量に応じたロールおよびヨーの切り替えの例(その1)について説明する図である。 (a)および(b)は、ホイール操作量に応じたロールおよびヨーの切り替えの例(その2)について説明する図である。 (a)〜(d)は、マルチコプターの前進および後退でのヨーの制御を例示する模式図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、同一の部材には同一の符号を付し、一度説明した部材については適宜その説明を省略する。
(マルチコプター用コントローラの構成)
図1(a)および(b)は、実施形態に係るマルチコプター用コントローラを例示する模式図である。図1(a)にはマルチコプター100の操縦の様子が示され、図1(b)にはマルチコプター用コントローラ(以下、単に「コントローラ」と言う。)1が示される。
図1(a)に示すように、マルチコプター100は、機体110に複数の回転翼120が設けられた無人飛行体である。例えば、4つの回転翼120を有するクワッドコプターは、機体110の前方左右に2つの回転翼120、および後方左右に2つの回転翼120の出力バランスによって、離着陸、ホバリング、前方および後方飛行、左右飛行、回転、ターンなどの各種の飛行姿勢をとることができる。
このようなマルチコプター100は、操縦者200によるコントローラ1の操作によって制御される。すなわち、操縦者200がコントローラ1を操作すると、マルチコプター100に向けて無線通信で制御信号CSが送信される。マルチコプター100には受信部20が設けられており、この制御信号CSをマルチコプター100の受信部20で受信することにより、操縦者200の指示する飛行姿勢にマルチコプター100が制御される。
図1(b)に示すように、本実施形態に係るコントローラ1は、本体筐体10と、ホイール部11、トリガー部12、往復スイッチ部13および送信部14を備える。このコントローラ1は、いわゆるホイール型コントローラである。このようなコントローラ1によって、操縦者200はマルチコプター100をラジオコントロール自動車のような感覚で操縦することができる。
コントローラ1の本体筐体10には、操縦者200が片手で握ることで本体筐体10を支持するためのグリップ部10Gが設けられる。通常は左手でグリップ部10Gを握り、右手でホイール部11を操作する。なお、ホイール部11の配置を左右反転させることで、右手でグリップ部10Gを握り、左手でホイール部11を操作する仕様にすることもできる。
ホイール部11は、例えば円筒型の回転スイッチであり、操縦者200によって左右に回転操作可能に設けられる。操縦者200はホイール部11の回転操作を選択することでマルチコプター100の回転系の制御を行うことができる。本実施形態においては、ホイール部11の回転操作に応じてマルチコプター100のヨーまたはロールのいずれかを制御できるよう構成される。
ホイール部11には、操作していない状態(例えば、手を離した状態)でバネ作用によって中立位置に戻る機能が設けられていてもよい。ホイール部11の操作において、左回転の操作量をM11、右回転の操作量をM12と言うことにする。
トリガー部12は指で進退操作可能なレバー型スイッチである。操縦者200は、グリップ部10Gを握る手の指(例えば、人差し指)でトリガー部12を進退操作することができる。トリガー部12には、操作していない状態(例えば、手を離した状態)でバネ作用によって中立位置に戻る機能が設けられていてもよい。トリガー部12の操作において、手前に引いた場合の操作量をM21、先に押した場合の操作量をM22と言うことにする。
往復スイッチ部13は一方向および他方向に往復操作できるスイッチである。往復スイッチ部13は、例えばグリップ部10Gの上方に配置され、グリップ部10Gを握る手の指(例えば、親指)で操作できるようになっている。
往復スイッチ部13は、中間位置を基準として操作するタイプであっても、所定の基準位置(例えば、最も上または下の位置)を基準として操作するタイプであってもよい。また、往復スイッチ部13には、往復スイッチ部13を操作していない状態(例えば、手を離した状態)でバネ作用により中立位置に戻る機能が設けられていてもよい。往復スイッチ部13の一方向への操作量をM31、他方向への操作量をM32と言うことにする。
送信部14は、操縦者200の操作に応じた制御信号CSをマルチコプター100へ無線通信によって送信する部分である。制御信号CSは、例えばアンテナから放出される例えば電波によってマルチコプター100へ送信される。
送信部14から送信される制御信号CSには、第1制御信号CS1、第2制御信号CS2および第3制御信号CS3が含まれる。第1制御信号CS1は、ホイール部11の操作に応じてマルチコプター100のヨーまたはロールのいずれかを制御するための信号である。第2制御信号CS2は、トリガー部12の操作に応じてマルチコプター100のピッチを制御するための信号である。第3制御信号CS3は、往復スイッチ部13の操作に応じてマルチコプター100の高さを制御するための信号である。
このうち第1制御信号CS1は、ホイール部11の操作に応じてマルチコプター100のヨーを制御するためのヨー制御信号CSYおよびロールを制御するためのロール制御信号CSRのいずれかを含む。
本実施形態に係るコントローラ1においては、このヨー制御信号CSYおよびロール制御信号CSRのいずれかを、トリガー部12の操作量M21、M22に応じて選択して送信する。すなわち、送信部14は、操縦者200によってホイール部11が操作された場合、その際のトリガー部12の操作量M21、M22に応じてヨー制御信号CSYおよびロール制御信号CSRのいずれかを送信する。
一例として、送信部14は、ホイール部11が操作された際にトリガー部12が操作されていなかった場合(操作量M21、M22がゼロの場合)、ホイール部11の操作量M11、M12に応じてロール制御信号CSRを送信する。また、送信部14は、ホイール部11が操作された際にトリガー部12が操作されていた場合(操作量M21、M22がゼロでない場合)、ホイール部11の操作量M11、M12に応じてヨー制御信号CSYを送信する。これにより、トリガー部12を操作していない時はホイール部11によってマルチコプター100のロールを制御でき、トリガー部12を操作している時はホイール部11によってマルチコプター100のヨーを制御できることになる。
他の一例として、トリガー部12の操作量(例えば、操作量M21)に応じて第1領域、第2領域および第3領域を設けておき、送信部14はトリガー部12の操作量が第1領域、第2領域および第3領域のどの領域かに応じて制御信号CSを送信する。
例えば、トリガー部12の操作量M21が第1領域であった場合、送信部14はロール制御信号CSRを送信し、トリガー部12の操作量M21が第2領域であった場合、ヨー制御信号CSYを送信し、トリガー部12の操作量M21が第3領域であった場合、第2制御信号CS2およびヨー制御信号CSYを送信する。これにより、トリガー部12の操作量(例えば、引き量)によって異なる制御を行うことができる。
ここで、送信部14からヨー制御信号CSYに含まれるヨーの制御量として、ホイール部11の回転角度から所定の関数によって演算された値を用いてもよい。この関数の設定によって、ホイール部11の回転角度とヨーの制御量との関係が決定される。
また、送信部14は、第2制御信号CS2およびヨー制御信号CSYを送信する間、マルチコプター100のロールの制御量の補正を行うロール補正信号を送信して、ヨーおよびロールによって生じるマルチコプター100の速度変化を補償するようにしてもよい。この際、コントローラ1は、マルチコプター100から送信される速度に関する情報を受けて速度変化を補償する際にフィードバックをかける。ロール補正信号の詳細については後述する。
また、往復スイッチ部13が中立位置を有する場合、送信部14は、往復スイッチ部13の所定方向への操作から中立位置への復帰までの時間が所定時間以内であった場合に、マルチコプター100を予め定められた高さに制御するための第3制御信号CS3を送信するようにしてもよい。この動作の詳細については後述する。
このようなコントローラ1によって、操縦者200は、トリガー部12の引き具合等によってマルチコプター100の進行方向のスピードをコントロールし、ホイール部11の左右回転操作によってマルチコプター100の左右ターンをコントロールすることができる。すなわち、飛行するマルチコプター100であってもラジオコントロール自動車のような感覚で操縦を楽しむことができる。
また、操縦者200は1つのホイール部11の操作であっても、トリガー部12の操作量に応じてヨーおよびロールのいずれかの操作を切り替えて制御することができる。つまり、操縦者200は、マルチコプター100の回転系の動作に関して、トリガー部12の操作に応じてホイール部11での操作対象の切り替え(ヨーとロールとの切り替え)を行うことができる。これにより、マルチコプター100の姿勢制御が簡素化され、操縦の複雑さが軽減される。
(コントローラおよびマルチコプターのブロック構成)
図2は、コントローラの構成を例示するブロック図である。
図3は、マルチコプターの構成を例示するブロック図である。
図2に示すように、コントローラ1の本体筐体10の内部には、送信部14、中央演算部(CPU)15、可変抵抗部(VR)111、121および131、アナログデジタル変換部(A/D)112、122および132が設けられる。なお、コントローラ1には図示しないバッテリ、電源スイッチ、調整トリガー、インジケータ、表示パネルなども設けられる。
ホイール部11を回転操作すると、この回転操作による操作量M11、M12に応じて可変抵抗部111の抵抗値が変化する。この抵抗値はアナログデジタル変換部112によってデジタル信号に変換され、CPU15に送られる。
トリガー部12を進退操作すると、この進退操作による操作量M21、M22に応じて可変抵抗部121の抵抗値が変化する。この抵抗値はアナログデジタル変換部122によってデジタル信号に変換され、CPU15に送られる。
往復スイッチ部13を往復操作すると、この往復操作による操作量M31、M32に応じて可変抵抗部131の抵抗値が変化する。この抵抗値はアナログデジタル変換部132によってデジタル信号に変換され、CPU15に送られる。
CPU15は所定のプログラムに沿って各部を制御するとともに信号処理を行う。例えば、CPU15は、アナログデジタル変換部112、122および132から送られたデジタル信号を結合して制御信号CSを生成する。
送信部14は、CPU15で処理された制御信号CSを変調して、電波によってマルチコプター100へ送信する。送信部14は、例えば2.4GHz帯の電波、近距離無線通信規格、赤外線を利用して、変調した制御信号CSを送信する。
図3に示すように、マルチコプター100の機体110の内部には、受信部20、中央演算部(CPU)25、センサ26、27および28、モータドライバ(M/D)231、232、233および234が設けられる。なお、機体110には図示しないバッテリ、電源スイッチ、インジケータなども設けられる。機体110には図示しないカメラが搭載されていてもよい。
受信部20は、コントローラ1の送信部14から送信された電波を受信して制御信号CSへ復調する。復調された制御信号CSはCPU25に送られる。センサ26は、例えば6軸のジャイロセンサである。センサ27は、例えば気圧センサである。センサ28は、例えば超音波センサである。センサ26、27および28の検出信号はCPU25に送られ、マルチコプター100の姿勢制御(例えば、自律制御)の演算に用いられる。なお、センサ26、27および28は上記に限定されない。
CPU25は、受信部20から送られた制御信号CS、センサ26、27および28から送られた検出信号を用いて各モータM1、M2、M3およびM4の出力を制御するための値(モータ制御信号)を演算する。
CPU25で演算されたモータ制御信号はモータドライバ(M/D)231、232、233および234に送られる。各モータドライバ(M/D)231、232、233および234は、CPU25から送られたモータ制御信号に基づきそれぞれに接続された各モータM1、M2、M3およびM4へ与える信号(電流、電圧および周波数の少なくともいずれか)を出力する。
各モータM1、M2、M3およびM4の出力が調整されることで、各モータM1、M2、M3およびM4によって回転する回転翼120の出力のバランスが調整され、マルチコプター100の飛行姿勢が制御される。また、マルチコプター100は、各センサ26、27および28の検出信号に基づいて姿勢の自律制御が行われる。
先に説明したように、本実施形態に係るコントローラ1では、トリガー部12の操作量M21、M22に応じて第1制御信号CS1のヨー制御信号CSYおよびロール制御信号CSRのいずれかが送信部14より送信される。このヨー制御信号CSYおよびロール制御信号CSRの選択をCPU15のプログラム処理によって行い、選択されたヨー制御信号CSYまたはロール制御信号CSRを他の信号と結合して制御信号CSとする。送信部14は制御信号CSの第1制御信号CS1に含まれる信号として、トリガー部12の操作量M21、M22に応じて選択されたヨー制御信号CSYおよびロール制御信号CSRのいずれかを送信することになる。
この場合、CPU15は、ホイール部11の操作量M11、M12をヨー制御信号CSYおよびロール制御信号CSRのどちらを対応付けるのかを示す識別信号を制御信号CS内に含める処理を行う。これにより、同じホイール部11の操作量M11、M12であっても、制御対象としてヨーを制御するのか、ロールを制御するのかの判別を行うことができる。
また、制御信号CSには上記の識別信号を含めず、ホイール部11の操作量M11、M12に応じた第1制御信号CS1を制御信号CSに含めてマルチコプター100に送信し、マルチコプター100のCPU25で実行されるプログラムによって、ヨーを制御するか、ロールを制御するかを判別してもよい。
この場合、コントローラ1の送信部14は、ヨー制御信号CSYおよびロール制御信号CSRを区別せずにホイール部11の操作量に応じた第1制御信号CS1を送信する機能を有していればよい。
そして、マルチコプター100のCPU25は、受信した制御信号CSに含まれる第2制御信号CS2に含まれるトリガー部12の操作量M21、M22に応じて、第1制御信号CS1に含まれるホイール部11の操作量M11、M12に応じた信号によってヨーを制御するか、ロールを制御するかの判別を行う。
また、本実施形態に係るコントローラ1では、コントローラ1から第1制御信号CS1が送信された場合、その際の第1制御信号CS1に含まれるホイール部11の操作量M11、M12に応じた制御としてヨーまたはロールのいずれかを選択するようにしてもよい。
この場合、CPU15は、ホイール部11の操作量M11、M12に応じてヨー制御信号CSYおよびロール制御信号CSRのどちらを対応付けるのかを示す識別信号を制御信号CS内に含める処理を行う。これにより、ホイール部11の操作量M11、M12に応じて制御対象としてヨーを制御するか、ロールを制御するかの判別を行うことができる。
また、制御信号CSには上記の識別信号を含めず、ホイール部11の操作量M11、M12に応じた第1制御信号CS1を制御信号CSに含めてマルチコプター100に送信し、マルチコプター100のCPU25で実行されるプログラムによって、ヨーを制御するか、ロールを制御するか、操作量M11、M12に応じて判別してもよい。
ホイール部11の操作量M11、M12に応じたヨーおよびロールの制御として、操作量M11、M12に応じたヨーおよびロールのそれぞれの制御量の調整を行ってもよい。この場合、ヨーおよびロールのそれぞれの制御量を示す識別信号を制御信号CSに含めてもよいし、制御信号CSに識別信号を含めずにマルチコプター100のCPU25で実行されるプログラムによってヨーおよびロールのそれぞれの制御量を調整してもよい。
また、本実施形態に係るコントローラ1では、第1制御信号CS1によってヨーを制御する場合、マルチコプター100を前進させる場合と後進させる場合とでヨーの回転方向を反対にする制御を行ってもよい。また、この制御をマルチコプター100のCPU25で実行されるプログラムによって行ってもよい。
(マルチコプターの制御方法)
次に、本実施形態に係るマルチコプター100の制御方法について説明する。
図4(a)〜(d)は、マルチコプターの姿勢を例示する模式図である。
本実施形態に係るマルチコプター100の制御方法を説明するにあたり、図4(a)〜(d)に示す模式図によってマルチコプター100の姿勢を表すものとする。すなわち、図4(a)に示すように、マルチコプター100の機体110を前方が鋭角となった五角形で表し、複数の回転翼120を二点鎖線で表す。また、マルチコプター100の前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とする。したがって、マルチコプター100のピッチはY軸回りの回転となり、ヨーはZ軸回りの回転となり、ロールはX軸回りの回転となる。
マルチコプター100をZ軸に沿って上方から見た様子を表す際には図4(b)に示す模式図で表すものとする。機体110の前方を示すために機体110の前方部110aを黒色で示す。マルチコプター100をX軸に沿って後方から見た様子を表す際には図4(c)に示す模式図で表すものとする。機体110をY軸に沿って側方から見た様子を表す際には図4(d)に示す模式図で表すものとする。
(上昇下降制御)
図5(a)および(b)は、マルチコプターの上昇および下降の制御を例示する模式図である。
マルチコプター100の上昇および下降を行うには、図5(a)に示すコントローラ1の往復スイッチ部13を操作して、第3制御信号CS3を送信部14からマルチコプター100に送る。
例えば、往復スイッチ部13を上方に押し上げると、図5(b)に示すように、マルチコプター100は上昇する。一方、往復スイッチ部13を下方に押し下げると、図5(b)に示すように、マルチコプター100は下降する。
マルチコプター100の上昇の量は、往復スイッチ部13を押し上げた操作量M31に応じて決定され、下降の量は、往復スイッチ部13を押し下げた操作量M32に応じて決定される。
往復スイッチ部13が中立位置を有する場合、往復スイッチ部13を上方へ押し上げている間、マルチコプター100の上昇を続け、下方へ押し下げている間、マルチコプター100の下降を続けるように制御してもよい。往復スイッチ部13が中立位置に復帰することで上昇および下降の停止が行われる。
また、往復スイッチ部13を中立位置から一方向へ操作し、中立位置へ復帰するまでの時間が所定時間以内になる操作(以下、「クリック操作」と言う。)によって制御してもよい。
例えば、往復スイッチ部13を上方に1回クリック操作する毎に所定の高さ上昇させたり、下方に1回クリック操作する毎に所定の高さ下降させたりしてもよい。さらに、マルチコプター100が着陸している状態で、往復スイッチ部13を例えば上方に1回クリック操作すると、自動的に所定高さまで離陸してホバリングさせるようにしてもよい。また、マルチコプター100が飛行やホバリングしている状態で、往復スイッチ部13を例えば下方に1回クリック操作すると、自動的に着陸させるようにしてもよい。
また、往復スイッチ部13の選択位置を段階的に切り替えられるようにしてもよい。この場合、往復スイッチ部13の選択位置に応じた高さにマルチコプター100の高さが設定される。例えば、往復スイッチ部13を一番下の位置にすると、マルチコプター100は着陸し(高さゼロ)、往復スイッチ部13を下から一段目の位置にすると、マルチコプター100は予め設定された第1の高さまで上昇してその高さで維持される。また、往復スイッチ部13を下から二段目の位置にすると、マルチコプター100は予め設定された第2の高さまで上昇してその高さで維持される。このように、往復スイッチ部13の選択位置によって自動的に予め設定された高さに維持されることで、操縦者200はマルチコプター100の高さコントロールをする必要がなく、前進、後退およびターンの動作に集中することができる。
(前進後退制御)
図6(a)〜(c)は、マルチコプターの前進および後退の制御を例示する模式図である。
マルチコプター100の前進および後退を行うには、図6(a)に示すコントローラ1のトリガー部12を操作して、第2制御信号CS2を送信部14からマルチコプター100に送る。
例えば、トリガー部12を手前に引くと、図6(b)に示すように、マルチコプター100は前方部110aを下げるようにピッチし、前進する。一方、トリガー部12を押すと、図6(c)に示すように、マルチコプター100は前方部110aが上がるようにピッチし、後退する。
マルチコプター100の前進の量(ピッチ角度)は、トリガー部12を引いた操作量M21に応じて決定され、後退の量(ピッチ角度)は、トリガー部12を押した操作量M22に応じて決定される。操作量M21およびM22が多いほどピッチ角度が大きくなり、マルチコプター100の前進および後退の速度は速くなる。
(左右制御)
図7(a)および(b)は、マルチコプターの左右制御を例示する模式図である。
マルチコプター100の左右制御を行うには、図7(a)に示すコントローラ1のホイール部11を操作して、第1制御信号CS1(ロール制御信号CSR)を送信部14からマルチコプター100に送る。
例えば、マルチコプター100がホバリングしている状態で、ホイール部11を左右いずれかに回転させると、図7(b)に示すように、マルチコプター100は左右いずれかにロールして左右方向に移動する。すなわち、ホイール部11を左に回転させるとマルチコプター100は左下がりにロールし、左方向へ進む。一方、ホイール部11を右に回転させるとマルチコプター100は右下がりにロールし、右方向へ進む。
マルチコプター100の左右へ進む量(ロール角度)は、ホイール部11を回転した操作量M11、M12に応じて決定される。操作量M11、M12が多いほどロール角度が大きくなり、マルチコプター100の左右方向への移動速度は速くなる。
(ターン制御)
図8(a)〜(c)は、マルチコプターのターン制御を例示する模式図である。
マルチコプター100のターン制御を行うには、図8(a)に示すコントローラ1のホイール部11およびトリガー部12の両方を操作して、第1制御信号CS1(ヨー制御信号CSY)および第2制御信号CS2を送信部14からマルチコプター100に送る。
例えば、マルチコプター100がホバリングしている状態でトリガー部12を手前に引くと、図8(b)に示すように、マルチコプター100は前方部110aを下げるようにピッチし、前進する。そして、前進飛行している状態でホイール部11を左右いずれかに回転すると、図8(c)に示すように、マルチコプター100は左右いずれかにヨー回転する。
つまり、ホイール部11を回転させる際、トリガー部12が操作されていない場合には、図7に示すようにホイール部11の回転に応じてロールを発生させるが、トリガー部12が操作されている場合には、ホイール部11の回転に応じてヨーを発生させるよう制御の切り替えを行う。
なお、マルチコプター100のCPU25は、マルチコプター100の飛行中にヨーを発生させる場合、このヨーに応じてロールを自動的に発生させるプログラム処理を行っている。これにより、マルチコプター100が前進飛行している間はホイール部11の操作によってヨーとともにロールが発生し、これによってマルチコプター100はバンクしながら弧を描くようにターンすることになる。
マルチコプター100のヨーの量(ヨー角度)は、ホイール部11を回転した操作量M11、M12に応じて決定される。操作量M11、M12が多いほどヨー角度が大きくなり、マルチコプター100は急旋回することになる。一方、操作量M11、M12が少ないほどヨー角度が小さくなり、マルチコプター100はゆっくりと旋回することになる。
なお、図8では、マルチコプター100を前進飛行させながらターンする例を示したが、トリガー部12を先に押しながらホイール部11を回転させることで、マルチコプター100を後退飛行させながらターンすることも可能である。
図9(a)〜(d)は、マルチコプターのターンについて例示する模式図である。
図9(a)〜(d)には、マルチコプター100が前方に飛行している状態から左方向へターンする際の様子が表される。
先ず、図9(a)に示すように、コントローラ1のトリガー部12を引くことで操作量M21に応じたピッチが発生し、マルチコプター100は前方へ飛行していく。
次に、コントローラ1のトリガー部12を引いた状態(前方飛行の状態)で、図9(b)に示すように、ホイール部11を左に回転させる。この際、トリガー部12が操作された状態であるため、ホイール部11の操作量M11に応じたヨーが発生し、マルチコプター100はZ軸回りに左回転する。また、この際、マルチコプター100のCPU25によるプログラム処理で、発生したヨーの角度に応じてロールの角度が演算され、マルチコプター100にはロールも発生する。これによって、マルチコプター100は左へとターンを開始する。
次に、コントローラ1のホイール部11を回転させる操作量M11を調整する。例えば、図9(c)に示すように、ホイール部11の操作量M11を増加させると、マルチコプター100のヨーの角度およびロールの角度が増加して、旋回の半径が小さくなる。
そして、所望のターンを完了した際にはホイール部11の回転を戻す。これにより、図9(d)に示すようにマルチコプター100のターンが完了する。
(ターンの制御例)
次に、ターンの制御例について説明する。
図10(a)〜(c)は、ターンの制御を説明する模式図である。
図10(a)に示すように、マルチコプター100のターンは、Y軸回りの回転(ピッチ角度θp)、Z軸回りの回転(ヨー角度θy)、X軸回りの回転(ロール角度θr)のそれぞれの制御によって実行される。
図10(b)に示すように、コントローラ1のトリガー部12を引くことで、マルチコプター100には操作量M21に応じたピッチ角度θpが発生する。さらに、図10(c)に示すように、トリガー部12を引いた状態で、ホイール部11を回転させることで、マルチコプター100には操作量M11に応じたヨー角度θyが発生する。ここで、ホイール部11の回転角はθwであり、ヨーの角速度はVzである。
図11(a)および(b)は、マルチコプターのヨーの角速度の決定について例示する図である。
図11(a)には、ホイール部11の回転角θwとヨーの角速度のVzとの関係を示す関数f1が表される。この関数f1を用いることで、マルチコプター100のヨーの角速度Vzは、ホイール部11の回転角θwに対応して設定される。なお、図11(a)に示す関数f1は、ホイール部11の回転角θwの1次関数になっているが、2次関数など他の関数であってもよい。関数f1の特性によって、ターン特性を変えることができる。
図11(b)には、ホイール部11の回転角θwと、マルチコプター100の飛行速度Vxと、ヨーの角速度のVzとの関係を示す関数f2が表される。この関数f2を用いることで、マルチコプター100のヨーの角速度Vzは、ホイール部11の回転角θwおよびマルチコプター100の飛行速度Vxに対応して設定される。関数f2の特性によって、ターン特性を変えることができる。
(ヨーおよびロールの制御例)
次に、ヨーおよびロールの制御例について説明する。
図12(a)〜(c)は、マルチコプターのヨーおよびロールの制御について例示する図である。
マルチコプター100のターンを行う場合、図12(a)に示すようなヨーの発生(ヨー角度θy)と、図12(b)に示すようなロールの発生(ロール角度θr)とを連動させる。図12(c)には、ヨーとロールとの関係を示す関数f3が表される。関数f3を用いることで、マルチコプター100のロール角度θrは、ヨー角度θyに対応して設定される。この関数f3では、ヨー角度θyとロール角度θrとが比例関係になっている。
例えば、図9(b)に示すターンの開始においては、マルチコプター100のヨー角度θyが小さいため、関数f3に基づき設定されるロール角度θrも小さくなっている。図9(c)に示すターンの途中においては、旋回半径が小さいことからヨー角度θyが大きくなる。このため、関数f3に基づき設定されるロール角度θrも大きくなる。
このようなヨーおよびロール制御によって、操縦者200はマルチコプター100の飛行中にホイール部11を左右に回転させるだけで、所望のターンを行うことができるようになる。
(ロール補正制御)
次に、ターン最中のロール補正制御について説明する。
マルチコプター100のターンが始まると、ヨーとともにロールが発生する。ターン最中のロール角度θrは、先に説明したように、例えばヨー角度θyの関数f3によって決定される。この際、機体110が傾くことで所定方向の速度成分に速度差が発生する。そこで、この速度差に応じてロール角度θrの補正を行うようにしてもよい。
ターン最中のロールの補正を行うためのロール補正信号は、コントローラ1の送信部14からマルチコプター100に向けて送信してもよいし、マルチコプター100のCPU25で演算してもよい。コントローラ1の送信部14からロール補正信号を送信する場合には、マルチコプター100で検出した速度に関する情報をコントローラ1へ送信する機能と、この情報をコントローラ1で受信する機能を設けておく。そして、マルチコプター100から送信された速度に関する情報をコントローラ1で受けて、コントローラ1でフィードバックをかけて送信部14からロール補正信号を送信すればよい。
図13(a)および(b)は、ロール補正を例示する図である。
図13(a)に示すように、マルチコプター100がターンしている間、所定のサンプリング時間毎にマルチコプター100の速度成分を検出する。ここで、ターン中の時刻tでサンプリングした機体110の進行方向(ターン接線方向)D1の速度を第1速度V1とする。
ターン中の次の時刻t+1でサンプリングした機体110の速度のうち、先の時刻tでの進行方向D1の速度成分を第2速度V2とする。マルチコプター100のターンが進むことで、第1速度V1に対して第2速度V2は遅くなる。第1速度V1−第2速度V2を減速度αとする。減速度αはサンプリング時刻ごとに計算できるので、時刻tでの減速度をαt、時刻t+1での減速度をαt+1とする。時刻tと時刻t+1との減速度の変化量をβtとすると、βt=(αt+1)−(αt)となる。
図13(b)には、減速度の変化量βと、補正後のロール角度θr2との関係を示す関数f4が表される。関数f4は、例えばθr2=−Aβt+θrである。なお、Aは所定の係数である。つまり、減速度の変化量βがゼロの場合(第1速度V1と第2速度V2との速度差がない場合)、ロール角度はθrのままである。一方、変化量βが大きくなるほどロール角度は小さくなるよう補正される。これにより、ターンによって急激に速度変化が発生することを抑制することができる。
例えば、ターンの開始とともにホイール部11を急激に回転させて急旋回を試みようとした場合、マルチコプター100は失速してしまう可能性がある。そこで、上記のようなロール補正制御を行うことで、急激な速度変化が抑制され、失速を回避することが可能になる。
上記に示した本実施形態に係るマルチコプター100の制御方法では、ターンを行うときに、操縦者200のターン操作から決められた半径の円上を辿るような自動的な制御ではなく、操縦者200のコントローラ1の操作量からピッチおよびヨーの量(角度)をマルチコプター100に送るだけである。
マルチコプター100のCPU25は、コントローラ1から指示された制御信号CSに基づきピッチ角度θpおよびヨー角度θyを決定し、ヨー角度θyからロール角度θrを決定して各回転翼120の出力を制御する。
したがって、様々な状況(気圧、風速、気流の乱れ等の外乱、モータ性能の個体差、バッテリ状態など)によっては同じ操作量であっても同じ弧でターンが実行されるとは限らない。したがって、操縦者200はマルチコプター100の飛行状態を常に見ながらホイール部11およびトリガー部12の操作量をコントロールして所望のターンを描くように操縦する必要がある。これにより、操縦者200は自動的な制御では得られない操縦の醍醐味を味わうことができる。
(トリガー操作量と制御切り替え)
次に、トリガー部12の操作量と制御の切り替えの例について説明する。
図14(a)および(b)は、トリガー操作量による制御切り替えの例を説明する図である。
この制御切り替えの例では、図14(a)に示すように、予めトリガー部12の操作量に応じて第1領域R1、第2領域R2および第3領域R3を設定しておく。第1領域R1は、トリガー部12の中立位置から僅かに引いた領域である。第2領域R2は、トリガー部12を第1領域R1よりも大きく引いた領域である。第3領域R3は、トリガー部12を第2領域R2よりも大きく引いた領域である。
図14(b)には、各領域に対応した制御信号の有効および無効の状態が示される。図14(b)において「○」印は有効、「×」印は無効を意味する。「有効」とは、制御するための信号が送信部14から送信される、または制御するための信号がCPU25で演算されることを意味し、「無効」とは、制御するための信号が送信部14から送信されない、または制御するための信号がCPU25で演算されないことを意味する。
例えば、トリガー部12の操作量が第1領域R1の場合、ピッチを制御するための第2制御信号CS2およびヨーを制御するためのヨー制御信号CSYは無効であり、ロールを制御するためのロール制御信号CSRのみ有効となる。すなわち、トリガー部12が操作されていないか、または僅かな引き量の場合には、ピッチおよびヨーは発生せず、ロールのみ制御可能になる。したがって、ホイール部11を回転操作することでマルチコプター100をロールさせて左右方向に移動させることができる。つまり、トリガー部12の操作量が第1領域R1の場合、ホイール部11の回転操作はロール制御に利用される。
次に、トリガー部12の操作量が第2領域R2の場合、ヨー制御信号CSYは有効であり、ロール制御信号CSRは無効となる。ピッチを制御するための第2制御信号CS2は、仕様によって有効および無効が決定される。
例えば、第2制御信号CS2が無効になる仕様では、トリガー部12を引いてもピッチは発生せず、ヨーのみ制御可能になる。したがって、ホイール部11を回転操作することでマルチコプター100にヨーを発生させて、Z軸回りに回転させることができる。つまり、トリガー部12の操作量が第2領域R2であって第2制御信号CS2が無効の場合、ホイール部11の回転操作はヨー制御に利用される。
一方、第2制御信号CS2が有効になる仕様では、トリガー部12を引いた量に応じてピッチが発生する。したがって、トリガー部12の引いた量に応じて僅かにピッチが発生し、マルチコプター100は前方に移動するとともに、ホイール部11の回転操作に応じてヨーが発生して、Z軸回りに回転することになる。つまり、トリガー部12の操作量が第2領域R2であって第2制御信号CS2が有効の場合、マルチコプター100は前方にゆっくりと移動しながらホイール部11の回転操作に応じてZ軸回りに回転することになる。
次に、トリガー部12の操作量が第3領域R3の場合、ピッチを制御するための第2制御信号CS2、ヨー制御信号CSYおよびロール制御信号CSRが全て有効となる。すなわち、トリガー部12の操作量に応じてピッチが発生し、ホイール部11の操作量に応じてヨーおよびロールが発生する。したがって、トリガー部12の操作量が第3領域R3の場合、マルチコプター100はトリガー部12の操作量に応じて前方に移動しつつ、ホイール部11の回転操作に応じてヨーおよびロールが発生してバンクしながらターンしていくことになる。
このように、トリガー部12の操作量が第1領域R1、第2領域R2および第3領域R3のいずれにあるかによって制御信号の有効および無効の状態を設定することで、1つのホイール部11での回転操作による制御対象を切り替えることが可能になる。したがって、操縦者200による複雑な操縦操作が軽減される。
なお、上記の例ではトリガー部12を中立位置から手前に引いた領域を第1領域R1、第2領域R2および第3領域R3に分けたが、中立位置から先に押した領域を区分けしてもよい。また、手前および先にかかわらず、トリガー部12の可動範囲について領域を区分けしてもよい。
(ホイール操作量に応じたロールおよびヨーの切り替え制御)
次に、ホイール部11の操作量に応じたロールおよびヨーの切り替えの例について説明する。
図15(a)〜(c)は、ホイール操作量に応じたロールおよびヨーの切り替えの例(その1)について説明する図である。なお、説明の便宜上、図15(a)にはホイール部11のみが模式的に示される。
図15(a)に示すように、この切り替え制御の例では、予めホイール部11の操作量に応じて領域A、領域Bを設定しておく。領域Aは、ホイール部11の中立位置CPから僅かに回転させた領域である。領域Bは、ホイール部11を領域Aよりも大きく回転させた領域である。なお、ホイール部11を中立位置CPから右回転させた際の領域Aを領域A(R)、左回転させた際の領域Aを領域A(L)とする。また、ホイール部11を中立位置CPから右回転させた際の領域Bを領域B(R)、左回転させた際の領域Bを領域B(L)とする。
ホイール部11の回転角度が領域Aの範囲内にある場合、マルチコプター100の制御として例えばロール制御が選択される。これにより、マルチコプター100には、ホイール部11の操作量に応じたロールが発生する。例えば、ホイール部11の回転角度が領域A(R)にある場合、図15(b)の右図に示すようにマルチコプター100は右へロールする。一方、ホイール部11の回転角度が領域A(L)にある場合、図15(b)の左図に示すようにマルチコプター100は左へロールする。
ホイール部11の回転角度が領域Bの範囲内にある場合、マルチコプター100の制御として例えばヨー制御が選択される。これにより、マルチコプター100には、ホイール部11の操作量に応じたヨーが発生することになる。例えば、ホイール部11の回転角度が領域B(R)にある場合、図15(c)の矢印YRに示すようにマルチコプター100はZ軸回りに右回転する。一方、ホイール部11の回転角度が領域B(L)にある場合、図15(c)の矢印YLに示すように、マルチコプター100はZ軸回りに左回転する。
このような制御を適用すると、例えばトリガー部12を操作せずマルチコプター100がホバリングしている状態でホイール部11を回転させることで、操縦者200はホイール部11の回転角度によってロール制御とヨー制御とを自在に選択することができる。
すなわち、操縦者200はマルチコプター100をロールさせたい場合にホイール部11を領域Aの範囲内で回転させる。領域A(R)ではホイール部11の操作量に応じたロール量で右に移動し、領域A(L)ではホイール部11の操作量に応じたロール量で左に移動する。これにより、ホバリングしているマルチコプター100はホイール部11の回転角度に応じて左右にロールして移動する。
また、操縦者200はマルチコプター100をZ軸回りに回転させたい場合にはホイール部11を領域Bの範囲内で回転させる。領域B(R)ではホイール部11の操作量に応じたヨーの角速度で右回転し、領域B(L)ではホイール部11の操作量に応じたヨーの角速度で左回転することになる。これにより、ホバリングしているマルチコプター100はホイール部11の回転角度に応じて左右に回転(Z軸回りに回転)する。
なお、ホイール部11の操作量に応じたヨーおよびロールの制御として、ヨーおよびロールのそれぞれの制御量の調整(バランス調整)を行ってもよい。また、ホイール部11が領域Aの範囲内にある場合にはロールのみを制御し、ヨーは発生させず、領域Bの範囲内にある場合にはロールとヨーの両方を発生させるよう制御してもよい。
図15(a)に示す例では領域A、Bの2つの領域を設定したが、3つ以上の領域を設定してもよい。各領域に対応してヨーおよびロールのそれぞれの制御量のバランスを変えるようにすればよい。また、上記では、ホイール部11の回転角度が領域Aの場合に主としてロールを制御し、領域Bの場合に主としてヨーを制御する例を示したが、領域Aの場合に主としてヨーを制御し、領域Bの場合に主としてロールを制御するようにしてもよい。
図16(a)および(b)は、ホイール操作量に応じたロールおよびヨーの切り替えの例(その2)について説明する図である。なお、説明の便宜上、図16(a)にはホイール部11のみが模式的に示される。
図16(a)に示すように、この切り替え制御の例では、予めホイール部11の回転角θwに応じてロールおよびヨーのそれぞれの制御量を所定の関数またはテーブルによって調整する。なお、ここではホイール部11を中立位置CPから右回転させる場合を説明するが、中立位置CPから左回転させる場合も回転方向が変わること以外同様である。
図16(b)には、回転角θwに応じたロールおよびヨーのそれぞれの制御量の関数f(R)、f(Y)の例が示される。図16(b)において横軸は回転角θw(deg)、縦軸はロールおよびヨーの制御量(ロールの制御量はロール角度、ヨーの制御量はヨーの角速度)である。このように、回転角θwに応じてロール角度およびヨーの角速度が関数によって決定される。関数f(R)、f(Y)を変更することで、回転角θwに応じたロールおよびヨーのそれぞれのバランスを適宜設定することができる。
関数f(R)は回転角θwに対応したロールの制御量を示す。関数f(Y)は回転角θwに対応したヨーの制御量を示す。ホイール部11の回転角θwが0からθまでは回転角θwに比例してロール角が増加する。θ以降、θまではロール角は一定である。また、θ未満ではロールのみ発生し、ヨーは発生しない。回転角θwがθ以上になるとヨーが発生する。θからθまでは回転角θwに応じてヨーの角速度が増加する。θを超えるとヨーの角速度は減少する。回転角θwがθ以上になると、マルチコプター100の横流れを防止するためにロール角が再び上昇する。
このように、関数f(R)、f(Y)によって回転角θwに応じたロールおよびヨーのそれぞれの制御量を決定することで、ホイール部11の回転に連動したロールおよびヨーの所望の動作を実現できることになる。
上記のように、本実施形態では、ホイール部11の回転動作の制御としてロールおよびヨーの制御の切り替えとして、トリガー部12の操作量に応じて切り替える場合(以下、「第1切り替え制御」とも言う。)と、ホイール部11の操作量に応じて切り替える場合(以下、「第2切り替え制御」とも言う。)とを例示した。第1切り替え制御および第2切り替え制御は、独立して行ってもよいし、また、所定の条件によっていずれかを選択して行ってもよい。
例えば、トリガー部12が第1領域R1にある場合は第2切り替え制御を選択し、トリガー部12が第1領域R1以外にある場合は第1切り替え制御を選択することが考えられる。また、例えば、トリガー部12の操作量にかかわらず第2切り替え制御を選択するようにしてもよい。
第1切り替え制御および第2切り替え制御の選択は、図示しないスイッチ等によって操縦者200の任意で切り替えられるようになっていてもよいし、トリガー部12の操作量やマルチコプター100の飛行速度等の所定の条件によって自動的に切り替えられるようになっていてもよい。操縦者200は、図示しないスイッチ等によって第1切り替え制御および第2切り替え制御の個別の選択と、自動的な切り替えとを選ぶことができるようになっていてもよい。
(前進および後退でのヨーの制御)
次に、マルチコプター100の前進および後退でのヨーの制御の切り替えの例について説明する。
図17(a)〜(d)は、マルチコプターの前進および後退でのヨーの制御を例示する模式図である。
この制御では、マルチコプター100を前進させる場合と後進させる場合とでヨーの回転方向を反対にしている。なお、図17(a)から(d)ではホイール部11を右回転させる場合を例とするが、左回転させる場合も回転方向以外は同様である。
先ず、マルチコプター100を所定の高さに設定(離陸した状態)で図17(a)に示すようにトリガー部12を引くと(操作量M21)、マルチコプター100は操作量M21に応じて前方に傾き、前進飛行する。
次に、前進飛行させながらホイール部11を右に回転させると(操作量M11)、マルチコプター100は操作量M11に応じて右に旋回する(図17(b)参照)。この際、マルチコプター100にはZ軸回りに右回転のヨーが発生するとともに、前進方向に向いて右側へ傾くロールが発生する。つまり、ホイール部11の回転方向(ここでは右回転)に合わせてヨーおよびロールともに右回転することになる。
次に、図17(c)のように、トリガー部12を押すと(操作量M22)、マルチコプター100は操作量M12に応じて後方に傾き、後退飛行する。
後退飛行させながらホイール部11を右に回転させると(操作量M11)、本実施形態に係る制御では、ヨーのみ前進の場合と逆に回転させる。すなわち、図17(d)に示す例では、マルチコプター100が後退飛行している状態でホイール部11を右回転させると、Z軸回りに左回転のヨーを発生させる。なお、この際、ロールの方向は前進の場合と同じ方向である。これにより、マルチコプター100は後進方向に左にターンすることになる。
ここで、もし、マルチコプター100を後退飛行させている状態でホイール部11の回転方向と同じ方向のヨーを発生させると、操縦者200から見たマルチコプター100の動きがホイール部11の回転方向とは反対になる。
例えば、マルチコプター100を後退飛行させながらホイール部11を右に回転させ、Z軸回りに右回転(ホイール部11の回転方向と同じ方向)のヨーが発生した場合、マルチコプター100は図17の二点鎖線矢印で示すように操縦者200から見て左側にターンすることになる。これは、マルチコプター100のピッチが前進と後退とで反対になるため、同じ方向にヨー回転させても前進と後進とでターン方向が逆になるためである。
このような動きは操縦者200にとって違和感があり、操縦を分かりにくくする原因の一つとなる。そこで、本実施形態に係る制御のように、マルチコプター100を前進させる場合と後退させる場合とでヨーの回転方向を反対にする。これによって、マルチコプター100の前進および後退飛行させながらホイール部11を回転させた場合の動きが、ラジオコントロールカーを前進および後退走行させた場合の動きと同様になり、違和感なく自然な操縦を行うことができるようになる。
このマルチコプター100の前進および後退でのヨー方向の切り替え制御は、コントローラ1から送信する第1制御信号CS1に含まれるヨー制御信号CSYの回転方向を前進および後退に応じて切り替えてもよいし、マルチコプター100のCPU25で実行されるプログラムによってヨー方向の切り替えを行ってもよい。また、このマルチコプター100の前進および後退でのヨーの制御は、先に説明した第1切り替え制御に加えて適用してもよいし、第2切り替え制御に加えて適用してもよい。
以上説明したように、実施形態に係るコントローラ1およびマルチコプター100の制御方法によれば、マルチコプター100の操縦の複雑さを軽減しつつ、操るという醍醐味を得ることができる。
なお、上記に本実施形態およびその適用例を説明したが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。例えば、本実施形態に係るマルチコプター100の制御方法は、スティック型コントローラによっても実現することができる。スティック型コントローラは2つの可動スティックを備えている。したがって、2つの可動スティックのうちの1つをホイール部11に対応させ、他の1つをトリガー部12に対応させることで、本実施形態に係るマルチコプター100の制御方法を適用することができる。
また、本実施形態では4つの回転翼120を有するクワッドコプターを例として説明したが、4つ以外の回転翼120を有するマルチコプター100であっても適用可能である。また、ターン制御において各種の関数f1〜f4を使用する場合、関数f1〜f4のそれぞれの特性を複数セット用意しておき、操縦者200の好みによって切り替えられるようにしてもよい。これにより、マルチコプター100のターン特性のセッティングを行うことができる。
また、前述の各実施形態またはその適用例に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、設計変更を行ったものや、各実施形態の特徴を適宜組み合わせたものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
1…コントローラ
10…本体筐体
10G…グリップ部
11…ホイール部
12…トリガー部
13…往復スイッチ部
14…送信部
15…CPU
20…受信部
25…CPU
26,27,28…センサ
100…マルチコプター
110…機体
110a…前方部
111,121,131…可変抵抗部
112,122,132…アナログデジタル変換部
120…回転翼
200…操縦者
231,232,233,234…モータドライバ
CS…制御信号
CS1…第1制御信号
CS2…第2制御信号
CS3…第3制御信号
CSR…ロール制御信号
CSY…ヨー制御信号
D1…進行方向
M1,M2,M3,M4…モータ
M11,M12,M21,M22,M31,M32…操作量
R1…第1領域
R2…第2領域
R3…第3領域
V1…第1速度
V2…第2速度
Vx…飛行速度
Vz…角速度
f1,f2,f3,f4…関数
α…減速度
β…変化量
θp…ピッチ角度
θr,θr2…ロール角度
θw…回転角
θy…ヨー角度

Claims (8)

  1. 操縦者が操作するコントローラから複数の回転翼によって無人飛行するマルチコプターに向けて、前記マルチコプターのヨーまたはロールを制御するための第1制御信号、および前記マルチコプターのピッチを制御するための第2制御信号を送信して前記マルチコプターを制御する方法であって、
    前記コントローラから前記第1制御信号が送信された場合、その際の前記第1制御信号に含まれる第1操作量に応じた制御として前記ヨーまたは前記ロールのいずれかを選択することを特徴とするマルチコプターの制御方法。
  2. 前記第1操作量に応じて第1領域および第2領域を設けておき、
    前記第1操作量が前記第1領域であった場合、前記第1操作量に応じて前記ロールまたは前記ヨーの一方を選択し、
    前記第1操作量が前記第2領域であった場合、前記第1操作量に応じて前記ロールまたは前記ヨーの他方を選択する、請求項1記載のマルチコプターの制御方法。
  3. 前記第1制御信号によって前記ヨーの制御が選択されている場合、前記第2制御信号によって前記ピッチを制御して前記マルチコプターを前進させる場合と後進させる場合とで前記ヨーの回転方向を反対にする制御を行う、請求項1または2に記載のマルチコプターの制御方法。
  4. 操縦者が操作するコントローラから複数の回転翼によって無人飛行するマルチコプターに向けて、前記マルチコプターのヨーまたはロールを制御するための第1制御信号、および前記マルチコプターのピッチを制御するための第2制御信号を送信して前記マルチコプターを制御する方法であって、
    前記コントローラから前記第1制御信号が送信された場合、その際の前記第1制御信号に含まれる第1操作量に応じた制御として前記ヨーおよび前記ロールのそれぞれの制御量を調整することを特徴とするマルチコプターの制御方法。
  5. 前記第1操作量から所定の関数によって演算された値によって前記第1操作量に応じた前記ヨーおよび前記ロールのそれぞれの制御量を調整する、請求項4記載のマルチコプターの制御方法。
  6. 前記第1制御信号によって前記ヨーおよび前記ロールのそれぞれの制御量を調整する場合、前記第2制御信号によって前記ピッチを制御して前記マルチコプターを前進させる場合と後進させる場合とで、前記ヨーの回転方向を反対にし、前記ロールの回転方向は反対にしないよう制御を行う、請求項4または5に記載のマルチコプターの制御方法。
  7. 操縦者が操作するコントローラから複数の回転翼によって無人飛行するマルチコプターに向けて、前記マルチコプターのヨーを制御するための第1制御信号、および前記マルチコプターのピッチを制御するための第2制御信号を送信して前記マルチコプターを制御する方法であって、
    前記第1制御信号によって前記ヨーを制御し、前記第2制御信号によって前記ピッチを制御する場合、前記マルチコプターを前進させる場合と後進させる場合とで前記ヨーの回転方向を反対にする制御を行うことを特徴とするマルチコプターの制御方法。
  8. 前記コントローラから前記マルチコプターに向けて前記マルチコプターの高さを制御するための第3制御信号を送信する場合、前記第3制御信号に含まれる値に応じて前記マルチコプターの高さを段階的に制御する、請求項1〜7のいずれか1つに記載のマルチコプターの制御方法。
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