JP2018001309A - 研削装置及びボイラ水冷壁用研削装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】筒状体等の湾曲面の研削に適した研削装置、および、発電用やごみ焼却炉のボイラ火炉の側壁に使用されるボイラ水冷壁管の劣化層を除去するボイラ水冷壁用研削装置の提供。
【解決手段】回転方向が逆となる2つの回転軸上に設けられる一対の研削回転体112a,112bを備え、当該一対の研削回転体の双方が接する領域において、被研削物の一面を一対の研削回転体によって研削するワークエリアWを有する研削装置。
【選択図】図2

Description

本発明は、湾曲面の研削に適した研削装置、および、発電用やごみ焼却炉のボイラ火炉の側壁に使用されるボイラ水冷壁管の劣化層を除去するボイラ水冷壁用研削装置に関する。
金属加工物等の表面を研削するために、グラインダー(研削砥石を回転させ、加工物の表面の研削又は切断を行う機械)が用いられている。研削対象の加工面は、平面的なものに限られず、多様な形状のものが加工対象となる。そのような加工対象の具体例として、ボイラ水冷壁がある。
ボイラ水冷壁は、様々なボイラ火炉内に設置されており、複数の管が配置されている。近年、ボイラは高効率化による圧力・温度の上昇やバイオマス燃料やゴミを燃料とするため、ボイラ水冷壁の腐食・摩耗(特に溝状腐食)が問題となっている。これに対する補修・耐腐食策として、ボイラ水冷壁表面に高ニッケル材料を溶接(肉盛補修)する方法がある。
このようなボイラ水冷壁表面の補修に関する従来技術が特許文献1によって開示されている。
特開2014−55760
ボイラ水冷壁表面に対して、補修材料として高ニッケル材料を溶接するためには、先ず、ボイラ水冷壁の表面の付着物や運転により生じた劣化層を除去しなければならないが、ボイラ水冷壁は、図3に示されるように複数の管21が接続された構成をしており、従って、非常に多数の筒状体の表面を研削する必要がある。
一般的なグラインダーは、モータの軸上に取り付けられた1つの研削砥石によって加工物の研削を行うものであるが、これによって筒状体の表面を研削しようとすると、グラインダーが安定せず、均一な加工が難しいという問題がある。これにより、ハンドグラインダーにより人手で研削を行う場合には、高い技量が必要となるため、コストや工期が増大する問題があった。また、手動で研削を行うと、他の管を傷つけてしまうおそれがあった。一方、自動的に研削をする装置とする場合には比較的高度な制御や精度の高いマニュピレータ等を要するため、コストが増大する(又は、装置がやや大掛かりとなり、ボイラ火炉内に持ち込む事が難しくなる)という問題があった。
本発明は、上記の点に鑑み、筒状体等の湾曲面の研削に適した研削装置、および、発電用やごみ焼却炉のボイラ火炉の側壁に使用されるボイラ水冷壁管の劣化層を除去するボイラ水冷壁用研削装置を提供することを目的とする。
(構成1)
回転方向が逆となる2つの回転軸上に設けられる一対の研削回転体を備え、前記一対の研削回転体の双方が被研削物に接する領域において、円管外周の一部分や対称形状を持つ被研削物の一面を前記一対の研削回転体によって研削するように構成されたことを有することを特徴とする研削装置。
(構成2)
前記一対の研削回転体が、前記円管外周の一部分や対称形状を持つ被研削物の稜線上2箇所を同時に圧力研削するように構成されていることにより、前記一対の研削回転体の各研削回転体の水平研削力を垂直研削力へ付加・付与することを特徴とする構成1に記載の研削装置。
(構成3)
前記一対の研削回転体が、前記円管外周の一部分や対称形状を持つ被研削物の稜線上2箇所を同時に圧力研削するように構成されていることにより、前記一対の研削回転体が連結された装置が被研削物上の2点で拘束されることを特徴とする構成1又は構成2に記載の研削装置。
(構成4)
前記一対の研削回転体を駆動する駆動源における消費エネルギーを測定する消費エネルギー測定部と、前記消費エネルギー測定部における測定値が閾値以下である場合に、これを示す情報を出力する出力部と、を備えることを特徴とする構成1から構成3の何れかに記載の研削装置。
(構成5)
前記一対の研削回転体の間隔を調節する調節機構を備えることを特徴とする構成1から構成4の何れかに記載の研削装置。
(構成6)
前記一対の研削回転体を複数備えることを特徴とする構成1から構成5の何れかに記載の研削装置。
(構成7)
前記被研削物が、ボイラ水冷壁であり、構成1から構成6の何れかに記載の研削装置を、前記ボイラ水冷壁の管に沿ってその長手方向に走行させる走行装置と、前記研削装置の研削回転体を前記ボイラ水冷壁の管に対して押し付ける力を生じさせる付勢手段と、を備えることを特徴とするボイラ水冷壁用研削装置。
(構成8)
前記研削回転体の回転軸と、前記ボイラ水冷壁の管の長手方向が、0°〜45°の範囲に設定され、且つ、アップカットとなるように設定された構成7に記載のボイラ水冷壁用研削装置。
本発明の研削装置によれば、回転方向が逆となる一対の研削回転体を備え、これらの一対の研削回転体の双方が被研削物に接する領域において円管外周の一部分や対称形状を持つ被研削物を研削することができるため、研削回転体と被研削物との間で生じる反力を相殺することができ、加工時の装置の振動を抑えることができる。
本発明に係る実施形態のボイラ水冷壁用研削装置を示す概略構成図 本発明に係る実施形態の研削装置を示す概略構成図 ボイラ水冷壁の概略図 研削の状態を示す説明図 円筒状の被研削物を研削する際に生じる作用力を示す図 円筒状の被研削物に対する研削手法を説明する図
以下、本発明の実施態様について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下の実施態様は、本発明を具体化する際の一形態であって、本発明をその範囲内に限定するものではない。
図1は、本発明に係る実施形態のボイラ水冷壁用研削装置の構成の概略を示す図である。
図3は、ボイラ水冷壁の概略図であり、図3(a)は斜視図、図3(b)は上面図である。被研削物であるボイラ水冷壁2は、管21を並べて接続したものであり、図3に示されるように、フィン22によって管21を溶接して接続することで構成される(すみ肉部23が溶接部分である)。
ボイラ水冷壁2は、ボイラ火炉内の燃焼にさらされるため、ボイラの稼働時間に伴ってパネル表面に腐食や亀裂が発生する。これらの腐食や亀裂の進行が進めばボイラ水冷壁パネルの破損等につながるため、補修(溶射や肉盛溶接等)を行う必要がある。このような補修や耐腐食策として講ずる溶射や溶接を行う際には、先ず、腐食部や付着物及び亀裂を除去しなければならない。即ち、ボイラ水冷壁2の表面(通常はボイラ火炉の内面側となる一面)を研削する必要があり、図3に示されるごとく管21の円筒形状が連続している表面を研削する必要がある。これらの作業は基本的に何れも現地作業となる。
ボイラ水冷壁用研削装置1は、このような研削に用いるための装置であり、円筒形状の表面を研削するのに好適な装置である。
ボイラ水冷壁用研削装置1は、ボイラ火炉内に設置されているボイラ水冷壁2の管21の表面を研削するための装置であり、図1に示されるように、研削装置11と、研削装置11における消費エネルギーを測定する電力計測装置12と、モニター13と、研削装置11を自動搬送させるための機構(各軸走行装置14〜16)と、制御装置17と、を備える。
本実施形態における研削装置11の基本的な態様は、回転方向が異なる2つのストレートグライダーを接続したものである。図2に示されるように、第1のストレートグライダー111aと第2のストレートグライダー111bを接続するためのボルト114及びナット115と、第1のストレートグライダー111aと第2のストレートグライダー111bの間隔を調節する部材であるスペーサー113と、によって、2つのストレートグライダーが接続される。
それぞれのストレートグライダー111a、bの回転軸には研削砥石(研削回転体)112a、bが備えられており、研削装置11は“一対の研削回転体”を備えるものである。
前述のごとく、研削装置11は、研削砥石112a、bの回転方向が逆になるように構成されており、後の説明でも明らかとなるが、研削砥石112a、b(一対の研削回転体)の間に管21(被研削物)が位置するようにして研削を行う。即ち、一対の研削回転体の双方(研削砥石112a、b)が被研削物である管21に接する領域においてワークエリアWを有する。
また、厚さの異なるスペーサー113を複数用意することにより、研削砥石112aと研削砥石112bの間隔を調節することができる。即ち、本実施形態においては、ボルト114、ナット115、スペーサー113によって、研削回転体の間隔を調節する調節機構が構成される。
電力計測装置12は、ストレートグライダー111a、bにおける消費エネルギーを測定する装置(消費エネルギー測定部)であり、また、ストレートグライダー111a、bへの電力供給装置でもある。即ち、ストレートグライダー111a、bのそれぞれの電源コード111a1、b1が接続されるコンセントを備え、それぞれにおいて消費される消費電力を計測し、この計測結果を制御装置17へと出力する機能を有する。
研削装置11を自動搬送させるための機構は、Y軸走行装置14、X軸走行装置15、Z軸走行装置16によって構成される。各軸の走行装置は、各軸の走行レール(142、152、162)を備え、これにそって走行させる各駆動部(141、151、161)を備える。これにより、3次元方向へ研削装置11を搬送可能としている(各軸の走行装置(及びその制御)自体は、周知の技術によって構成できる)。
また、ストレートグライダー111a、bの回転軸と、ボイラ水冷壁2の管21の長手方向が、0°〜45°の範囲となるように、設定される。
制御装置17は、設定に基づいて研削装置11を自動搬送するための制御(駆動部(141、151、161)の制御)や、電力計測装置12から得られたストレートグライダー111a、bにおける消費電力に関する情報を、モニター13へ表示させる処理を行う。
本実施形態の制御装置17には、実験的に得られた閾値が予め設定されており、電力計測装置12から得られたストレートグライダー111a、bにおける消費電力が、この閾値を下回った場合には、警告をモニター13に出力する。これは、研削砥石112a、bが被研削物である管21に適切に当たっているか否か、即ち、適切な研削が行われているか否かを判別するためのものである。適切な研削が行われているということはそれに見合うエネルギーがストレートグライダー111a、bにおいて消費されているということであり、逆に言えば、研削が不十分な状態(研削砥石が適切に当たっていない等)では、エネルギー消費も小さくなる。そこで、ストレートグライダー111a、bのそれぞれにおける消費電力を測定し、これが適正範囲(前述のごとく予め実験的に得られた閾値に基づく)であるか否かを判別し、不適切である場合には警告を出力するものである。
以上の構成を有する本実施形態のボイラ水冷壁用研削装置1の使用について説明する。
先ず、ボイラ火炉内のボイラ水冷壁2に対してボイラ水冷壁用研削装置1を設定する。当該設定は、図1のように各機構の組立・接続をする作業と、制御装置17に対する研削条件の設定等である。研削条件は、研削装置11の搬送経路、速度の指定や、研削深さ(Z軸方向の設定)等である。
ボイラ水冷壁用研削装置1の設定が終了したら、研削加工を開始させる。これにより、研削条件に従って、研削装置11を自動搬送しながら研削加工が行われる。なお、加工時の研削装置11の搬送方向は、図4に例示されるように、アップカットとなるように設定・制御される。
なお、加工対象である管21の直径やパイプ肉厚、研削砥石112a、bの径、研削深さ、等の条件によっては、1パス(上下方向の片道走行)だけで必要個所を研削できる場合もあり得るが、通常は1パスだけでの研削は難しいため、nパスの研削を行う。具体的に2パスの場合を例とすると、図6に示されるように、先ず、1パス目の刃物位置P1となるように、研削砥石112aと研削砥石112bの間隔を調節し、ボイラ水冷壁2全体を(各管21を全て)研削させる。1パス目の研削が終了したら、2パス目の刃物位置P2となるように、研削砥石112aと研削砥石112bの間隔を調節し、ボイラ水冷壁2全体を(各管21を全て)研削させる。これにより、図6の右側に示されるように、ボイラ火炉の内面側となる、管21の表面が研削される。
各研削加工中においては、前述のごとく、ストレートグライダー111a、bにおける消費電力のモニタを行っており、何れかの消費電力が閾値を下回った場合には、警告表示がモニター13に出力される。
以上のごとく、本実施形態のボイラ水冷壁用研削装置1によれば、回転方向が異なる2つの研削砥石112a、b(一対の研削回転体)を備えているため、研削回転体と被研削物との間で生じる反力を相殺することができ、安定した研削加工を行うことができる。
一般的な一軸のグラインダーにおいて、筒状のワーク(被研削物)に研削砥石をあてた場合、図5に示したように、ワークと研削砥石の双方の中心を通る直線に対して、ワークに研削砥石を押し付ける方向がずれると、研削砥石が停止した状態であっても、その角度θに応じて水平方向の作用力が生じてしまう。なお且つ、研削砥石が回転している際には、その回転によって生じるワークと研削砥石との間の摩擦力に応じた反力に基づく水平方向の作用力がさらに生じる。これらの作用力が生じるため、一軸のグラインダーによって湾曲面の研削加工を行おうとすると、グラインダーが安定しないという問題がある。この問題に装置の機構や制御で対応しようとすると、比較的高度な制御や精度の高いマニュピレータ等を要するため、コストが増大するという問題があった。
これに対し、本実施形態のボイラ水冷壁用研削装置1によれば、回転方向が異なる2つの研削砥石112a、b(一対の研削回転体)を備えているため、角度θに応じて生じる水平方向の作用力も、研削砥石との間の摩擦力に応じた反力に基づく水平方向の作用力も相殺され、安定した研削加工を行うことができる。従って、グラインダーを安定させるための特別な制御や機構を不要とすることができ、装置の低コスト化や小型化を図ることができるものである。
上述の点は、一対の研削砥石112a、bが、管21の稜線上2箇所を同時に圧力研削するように構成されているということであり、これにより、2つの研削砥石112a、bの水平方向の研削抵抗を垂直方向の研削力に付加することができる(研削効率を向上できる)。即ち、2つの研削砥石112a、bは相互に両者の間隔が拘束されているため、例えば図5中の砥石が研削砥石112aであるとして、これに対して図面右側へずれようとする力(水平方向の研削抵抗)が働いた場合、他方の研削砥石112bでは、ワーク(被研削物)に押し付けられる力(垂直方向の研削力)が生じることとなるものである。
さらに、一対の研削砥石112a、bが、管21の稜線上2箇所を同時に圧力研削するように構成されていることにより、一対の研削砥石112a、bが連結された装置である研削装置11が、被研削物(管21)上の2点で拘束される。これにより、研削装置11の剛性を補う(現地で設置する研削装置11(ボイラ水冷壁用研削装置1)の剛性不足を補う)ことができるものである。
なお、本実施形態では、一対の研削回転体で1本の管21を研削するものを例としているが、研削方法がこれに限られるものではなく、隣り合う(若しくは数本おきの)2本の管21に対して、一対の研削回転体が接触するようにしてもよい。
また、本実施形態では、一対の研削回転体を1つ備えるものを例としているが、一対の研削回転体を2つ以上備えるものであってもよい。このように複数の“一対の研削回転体”を備えさせることにより、加工効率を向上させることができる。
また、本実施形態のボイラ水冷壁用研削装置1によれば、ストレートグライダー111a、bにおける消費電力をモニタすることで、研削砥石112a、bがそれぞれ適切に研削をしているか否かを判別することができるため、非常に有用である。
なお、本実施形態では、ストレートグライダー111a、bのそれぞれの消費電力を測定するものとしているが、ストレートグライダー111a、bの消費電力をまとめて測定するものであっても構わない。駆動源(モータ)自体は1つで、研削砥石112a、bの両方を駆動するような研削装置であっても適用することができる。
また、ストレートグライダー111a、bが電動(駆動源がモータ)であるものを例として、その消費電力を測定するものとしているが、これに限るものではなく、各種の駆動源を利用する研削工具であってよく、その消費エネルギーを測定できるものであればよい(研削のための消費されたエネルギーとしてみなし得るものを測定できるものであればよい)。
また、消費電力の測定値が適正範囲であるか否かを判別するために使用する閾値(予め実験的に得られたもの)を、各条件ごとに複数用意しておき、設定に応じて対応する閾値が使用されるようにしてもよい。“各条件”とは、例えば、被研削物や研削砥石の材料の違いやそれぞれのサイズの違い、研削条件(砥石の移動速度や、研削深さ等)などであり、これらの条件に対応した閾値が装置に予め設定されていて、加工時の研削条件の設定等に応じた閾値が使用されるものである。
本実施形態では、消費電力の測定値が適正範囲で無い場合に、モニター13に警告を出力するもの(即ち、ボイラ水冷壁用研削装置1にて警告表示)を例としているが、他の装置に対して“消費エネルギー測定部における測定値が閾値以下である場合に、これを示す情報を出力”するものであってもよい。例えば、通信部を備えることにより、担当者の携帯端末に通知するようなものであっても良く、この場合、通信部が、“消費エネルギー測定部における測定値が閾値以下である場合に、これを示す情報を出力する出力部”に該当する。
本実施形態では、ボルト114、ナット115、スペーサー113によって、研削回転体の間隔を調節する調節機構が構成されるものを例としているが、本発明をこれに限るものではなく、研削回転体の間隔を調節できるものであればよい。なお、グラインダーの間隔をモータ駆動等により自動調節できるように構成してもよい。これにより、本実施形態では2パス目の加工の際に、研削回転体の間隔を手動で調節する必要があるが、これも自動化される。一方、研削回転体の間隔を正確に調整する必要が無いような場合には、スペーサー113に替えて、バネ等によって研削回転体の間隔を保持させるようなものであってもよい。
本実施形態では、ストレートグライダー111a、bの回転軸が平行であるものを例としているが、回転軸が相互に傾いているもの(例えばハの字状)であってもよい。
本実施形態では、研削回転体をボイラ水冷壁の管に対して押し付ける力を生じさせる付勢手段として、走行レール162と各駆動部161を有するZ軸走行装置16を例としている。Z軸走行装置16(及び制御装置17)によればZ軸方向の変位を制御することができるため、研削量(研削深さ)の制御も可能であり、好適であるが、そこまでの制御が不要である場合には、より単純な付勢手段(例えば、バネや、装置の自重を利用するもの等)を用いてもよい。
本実施形態では、直管タイプのボイラ水冷壁に用いる場合を例としているが、傾斜管タイプのボイラ水冷壁にも用いることができる。
本実施形態は、ボイラ水冷壁2の管21の表面を研削するための装置として、各軸の走行装置等を備えるものを例としているが、基本構成を研削装置11のみとしてもよい(即ち手動にて研削をおこなう“ハンドグラインダー”とするもの)。
研削装置11によれば、前述のごとく、“一対の研削回転体”を備えることにより安定した研削加工を行うことができるため、手作業においても極めて有用なものである。なお、“ハンドグラインダー”とする際にも、消費電力を測定し、これが所定値以上である場合に警告などを出力する出力部(単なる警告ランプ等であってよい)を備えさせることにより、前述のごとく、研削砥石112a、bがそれぞれ適切に研削をしているか否かを知ることができる。手作業で研削を行う場合には、通常、音や目視または手応え等で、適切な研削できているか否かを判別するしかなく、これは容易なこととは言えない(熟練を要する)が、本発明によれば、研削砥石112a、bが被研削物に適切に当たっているか否かを簡便に知ることができる。
本発明は、管(円筒形状の表面)を研削するためだけのものではなく、多様な湾曲面(円管外周の一部分や対称形状を持つ被研削物等)の研削に利用することができる。
また、本実施形態では、研削回転体として研削砥石112a、bを例とし、管21自体まで研削するものを例としているが、本発明をこれに限るものではなく、例えば、研削回転体として研磨力の小さな工具(例えばカップブラシ等)を用いることで、管21の表層部の付着物(燃焼灰や腐食生成物)を清掃・洗浄・除去する用途等にも使用することができる。即ち、本発明における“研削回転体”とは、研削砥石に限られるものではなく、ブラシ等の研磨力の小さなものも含まれるものである。
1...ボイラ水冷壁用研削装置
11...研削装置
112a、112b...研削砥石(研削回転体)
113...スペーサー(調節機構)
114...ボルト(調節機構)
115...ナット(調節機構)
W...ワークエリア
12...電力計測装置(消費エネルギー測定部)
13...モニター(出力部)
14...Y軸走行装置
15...X軸走行装置
16...Z軸走行装置(付勢手段)
17...制御装置
2...ボイラ水冷壁
21...管

Claims (8)

  1. 回転方向が逆となる2つの回転軸上に設けられる一対の研削回転体を備え、
    前記一対の研削回転体の双方が被研削物に接する領域において、円管外周の一部分や対称形状を持つ被研削物の一面を前記一対の研削回転体によって研削するように構成されたことを特徴とする研削装置。
  2. 前記一対の研削回転体が、前記円管外周の一部分や対称形状を持つ被研削物の稜線上2箇所を同時に圧力研削するように構成されていることにより、前記一対の研削回転体の各研削回転体の水平研削力を垂直研削力へ付加・付与することを特徴とする請求項1に記載の研削装置。
  3. 前記一対の研削回転体が、前記円管外周の一部分や対称形状を持つ被研削物の稜線上2箇所を同時に圧力研削するように構成されていることにより、前記一対の研削回転体が連結された装置が被研削物上の2点で拘束されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の研削装置。
  4. 前記一対の研削回転体を駆動する駆動源における消費エネルギーを測定する消費エネルギー測定部と、
    前記消費エネルギー測定部における測定値が閾値以下である場合に、これを示す情報を出力する出力部と、を備えることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の研削装置。
  5. 前記一対の研削回転体の間隔を調節する調節機構を備えることを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の研削装置。
  6. 前記一対の研削回転体を複数備えることを特徴とする請求項1から請求項5の何れかに記載の研削装置。
  7. 前記被研削物が、ボイラ水冷壁であり、
    請求項1から請求項6の何れかに記載の研削装置を、前記ボイラ水冷壁の管に沿ってその長手方向に走行させる走行装置と、
    前記研削装置の研削回転体を前記ボイラ水冷壁の管に対して押し付ける力を生じさせる付勢手段と、を備えることを特徴とするボイラ水冷壁用研削装置。
  8. 前記研削回転体の回転軸と、前記ボイラ水冷壁の管の長手方向が、0°〜45°の範囲に設定され、且つ、アップカットとなるように設定された請求項7に記載のボイラ水冷壁用研削装置。
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