JP2018000476A - 情報取得装置および信号処理装置の制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 被検体の背景の光学係数が正確にわからない場合であっても、診断支援を行える光音響画像装置が求められている。
【解決手段】 情報取得装置は、被検体情報に対応する画像のうちの第一の領域における特性情報と、第一の領域とは異なる第二の領域における特性情報と、の比較を行う比較手段と、比較の結果に基づく情報を表示手段に表示させる表示制御手段と、を有する。
【選択図】 図1
【解決手段】 情報取得装置は、被検体情報に対応する画像のうちの第一の領域における特性情報と、第一の領域とは異なる第二の領域における特性情報と、の比較を行う比較手段と、比較の結果に基づく情報を表示手段に表示させる表示制御手段と、を有する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、光が照射された被検体から伝搬した音響波に基づく被検体情報を取得する情報取得装置および信号処理装置に関する。
近年、光イメージング技術の一つとして、光音響トモグラフィー(PhotoAcoustic Tomography;以下、PATとも表記する)が提案されている。この原理は、以下のようなものである。まず、パルス光を被検体に照射して、被検体内に光を伝播・拡散させる。被検体内の吸収体がその光エネルギーを吸収する。光エネルギーを吸収した吸収体は、熱膨張して音響波を発生するこの音響波を、本明細書では光音響波と呼ぶ。発生した光音響波を音響波検出素子で検出する。そして、音響波検出素子が検出した光音響波に基づく信号を用いて再構成処理をすることにより光音響画像を得ることができる。
特許文献1では、近赤外光を用いた光音響画像装置が開示されている。近赤外光は、血液によく吸収される。そのため、被検体内の血管の分布に関する情報を得ることができる。また、複数の波長の光のそれぞれを用いて取得された信号から、血管の酸素飽和度に関する情報を得ることができる。
このように、光音響画像装置では、血管の分布、酸素飽和度の情報を得ることができる。しかし、光音響画像装置において、酸素飽和度は、被検体内部の背景の光学係数がわからないと正確に算出できない。生体は、皮膚表面、脂肪層、筋肉層、血管など様々な組織で構成されているため、背景の光学係数を正確に測定することが難しい。
そのため、背景の光学係数が正確にわからない場合であっても診断支援を行える光音響画像装置が求められている。本発明は、背景の光学係数が正確に求められない場合でも術者の診断を支援し得る手法を提供することを目的とする。
本発明の一つの側面である情報取得装置は、光が照射された被検体から伝搬した音響波に基づく被検体情報を取得する情報取得装置であって、前記被検体情報に対応する画像のうちの第一の領域における特性情報と、前記第一の領域とは異なる第二の領域における特性情報と、の比較を行う比較手段と、前記比較の結果に基づく情報を表示手段に表示させる表示制御手段と、を有することを特徴とする。
本発明の別の側面である信号処理装置の制御方法は、光が照射された被検体から伝搬した音響波に基づく被検体の画像を表示手段に表示させる工程と、表示された前記画像のうちの第一の領域および第二の領域が指定されると、前記第一の領域および前記第二の領域における特性情報の比較に基づく情報を前記表示手段に表示させる工程と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、被検体の背景の光学係数が正確に求められない場合でも、診断支援を行うことができる。
[実施例1]
(光音響画像装置)
本発明の第一の実施例に係る情報取得装置を図1に示す。本実施例において、情報取得装置は、光が照射された被検体から伝搬した音響波に基づいて被検体の内部の情報を取得する、光音響効果を利用した光音響装置である。図1(a)は、光音響装置の探触子ユニットの断面図を中心に、探触子ユニットに関係する部分と制御部を模式的に示したものである。図1(b)は、探触子ユニットPを上面から見た(図中のz軸の負方向)平面図である。
(光音響画像装置)
本発明の第一の実施例に係る情報取得装置を図1に示す。本実施例において、情報取得装置は、光が照射された被検体から伝搬した音響波に基づいて被検体の内部の情報を取得する、光音響効果を利用した光音響装置である。図1(a)は、光音響装置の探触子ユニットの断面図を中心に、探触子ユニットに関係する部分と制御部を模式的に示したものである。図1(b)は、探触子ユニットPを上面から見た(図中のz軸の負方向)平面図である。
探触子ユニットPは、支持部材である半球状の容器101の内面に沿って、音響波検出素子102がスパイラル状に512個配置されている。さらに容器101の底部には、光源103からの計測光が通過する開口105が設けられている。計測光は、ミラーや光ファイバなどの導光部材を用いて開口105に導かれ、保持部材106に保持された被検体に照射される。本例においては、計測光はz軸の負の方向から正方向に向かって照射される。保持部材106としてはポリエチレンテレフタラートのように、被検体を支える強度を有し、かつ、光と音響波を透過させる特性を有する材質が好ましい。なお、容器101の内部や保持部材106の内部には、必要に応じて音響整合材(例えば水やひまし油)が満たされる。なお、容器101は、複数の音響波検出素子の感度の高い方向がある領域に集まるように音響波検出素子102を支持できる構成であれば、その形状は問わない。たとえば、完全な半球状である必要はなく、球冠状や楕円体であってもよいし、複数の平面を接続して形成されるボウル状の形状でもよい。
容器101と被検体の相対的な位置関係は、不図示のXYステージによって変えることができる。そのため、容器101をXYステージにより移動させることで、被検体に対する複数の相対位置でパルス光を被検体に照射することができる。各位置で被検体から発生した光音響波は、音響波検出素子102で電気信号に変換される。この電気信号は、データ取得部107によって記憶され、記憶されたデータを用いて、データ処理部109が再構成することにより、三次元の光音響画像を得ることができる。データ処理部109は、比較手段としての機能を担う。また形態測定に用いる超音波測定は、超音波プローブ104によって行うことができる。超音波プローブ104は、容器101と共に、XYステージにより被検体に対する相対位置が変えられる構成となっている。超音波プローブ104は、リニア型に限らず、2次元アレイや1.5Dアレイなど、用途に適したものを利用できる。
制御部108は、光源部103の発光、データ取得部107の受信制御、XYステージの移動、超音波プローブ104による超音波の送受信など、装置全体の制御に関する指令を行う。また、制御部108は、操作者からの入力を受け付ける入力手段としてのユーザインターフェースを備え、操作者からの指示を元に、測定パラメータの変更、測定の開始・終了、画像の処理方法の選択、患者情報や画像の保存、データの解析などを実行できる。さらに、詳細なデータ処理はデータ処理部109で行われ、その結果得られた光音響画像、酸素飽和度画像、診断指標は表示手段である表示部110に表示される。
(光源部)
光源部103の光源としては、被検体の深部にまで光が到達するように、大出力のレーザー光源を用いることが望ましい。ただし、発光ダイオードやフラッシュランプ等でもよい。レーザーは、固体レーザー、ガスレーザー、色素レーザー、半導体レーザーなど様々なものが使用できる。光音響波を効果的に発生させるためには、被検体の熱特性に応じて十分短い時間に光を照射させることが好ましい。そのため、被検体が生体である場合、光源から発生するパルス光のパルス幅は10〜50ナノ秒程度が好適である。また、パルス光の波長は、被検体内部まで光が伝搬する波長であることが望ましい。具体的には、生体の場合であれば、700nm以上1100nm以下の波長の光であることが好ましい。
光源部103の光源としては、被検体の深部にまで光が到達するように、大出力のレーザー光源を用いることが望ましい。ただし、発光ダイオードやフラッシュランプ等でもよい。レーザーは、固体レーザー、ガスレーザー、色素レーザー、半導体レーザーなど様々なものが使用できる。光音響波を効果的に発生させるためには、被検体の熱特性に応じて十分短い時間に光を照射させることが好ましい。そのため、被検体が生体である場合、光源から発生するパルス光のパルス幅は10〜50ナノ秒程度が好適である。また、パルス光の波長は、被検体内部まで光が伝搬する波長であることが望ましい。具体的には、生体の場合であれば、700nm以上1100nm以下の波長の光であることが好ましい。
ここでは、固体レーザーであるチタンサファイアレーザーを用い、760nmと800nmの2つの波長の光を測定光として利用するものとする。複数波長の光を用いることで波長ごとの吸収係数の違いを利用して、酸素飽和度の算出が可能となる。なお、光の照射のタイミング、波形、強度等は制御部108によって制御される。レーザーは2つの波長の光をそれぞれ10Hzで交互に照射することができる。結果として、被検体には、20Hzで光が照射されることになる。
(光音響用の音響波検出素子)
音響波検出素子102は、光音響波を受信する素子である。ここでは、CMUT(容量性マイクロマシン探触子;Capacitive Micromachined Ultrasound Transducer)を用いる。音響波検出素子102は単素子で、φ3mmの開口を持ち、0.5MHz〜5MHzの帯域に高い感度を有する。具体的には、音響波検出素子の0.5MHz〜5MHzの範囲における感度が、当該素子の感度の最大値の1/2以上の感度となることを意味する。高い感度を有する帯域に低周波数を含むため、太さ3mm程度の血管であっても良好な画像が取得できる。すなわち、血管の中が抜けてリング状に見えるような状況が発生し難くなる。サンプリング周波数は40MHzで、2048サンプリングを行う。また、データは符号付きの12ビットとする。
音響波検出素子102は、光音響波を受信する素子である。ここでは、CMUT(容量性マイクロマシン探触子;Capacitive Micromachined Ultrasound Transducer)を用いる。音響波検出素子102は単素子で、φ3mmの開口を持ち、0.5MHz〜5MHzの帯域に高い感度を有する。具体的には、音響波検出素子の0.5MHz〜5MHzの範囲における感度が、当該素子の感度の最大値の1/2以上の感度となることを意味する。高い感度を有する帯域に低周波数を含むため、太さ3mm程度の血管であっても良好な画像が取得できる。すなわち、血管の中が抜けてリング状に見えるような状況が発生し難くなる。サンプリング周波数は40MHzで、2048サンプリングを行う。また、データは符号付きの12ビットとする。
音響波検出素子102によって電気信号に変換された信号は、データ取得部107に伝送され、増幅器により増幅され、A/D変換器でデジタル信号に変換され、データとして一度保存される。その後、制御部108に送られる。なお、音響波の受信タイミングは、光照射と同期するように制御部108によって制御される。
なお、音響波検出素子102は、CMUTに限らず、圧電材料を用いた素子で構成されていても良い。
(超音波プローブ)
超音波プローブ104は、超音波の送受信を行い、形態画像やドップラー画像を得ることができる。超音波プローブ104を構成する素子として、PZT(圧電セラミックス)を用いることができる。一例として、素子数は256であり、感度を有する帯域は5MHz〜10MHzである。また、サンプリング周波数は40MHzで2048サンプリングを行う。
超音波プローブ104は、超音波の送受信を行い、形態画像やドップラー画像を得ることができる。超音波プローブ104を構成する素子として、PZT(圧電セラミックス)を用いることができる。一例として、素子数は256であり、感度を有する帯域は5MHz〜10MHzである。また、サンプリング周波数は40MHzで2048サンプリングを行う。
(データ処理部)
データ処理部109は、光音響信号を用いた画像再構成により被検体内部の光音響画像および機能情報に関する画像(機能画像)である酸素飽和度画像を生成する。その他、光量計算や背景の光学係数取得に必要な情報処理、信号補正など所望の処理を実施する。データ処理部109はプロセッサーやメモリなどを備える情報処理装置により構成できる。プロセッサーで動作するプログラムの各モジュールによりデータ処理部の各機能を実現できる。また、データ処理部109は、比較手段としての機能を担うブロックである。後述するように、複数の領域における酸素飽和度、血管の径、ヘモグロビン量、ヘモグロビン濃度等の特性情報の比較を行う。さらに、データ処理部109は、特性情報の比較に基づく情報や光音響画像などを表示部110に表示させる表示制御手段としての機能も担う。
データ処理部109は、光音響信号を用いた画像再構成により被検体内部の光音響画像および機能情報に関する画像(機能画像)である酸素飽和度画像を生成する。その他、光量計算や背景の光学係数取得に必要な情報処理、信号補正など所望の処理を実施する。データ処理部109はプロセッサーやメモリなどを備える情報処理装置により構成できる。プロセッサーで動作するプログラムの各モジュールによりデータ処理部の各機能を実現できる。また、データ処理部109は、比較手段としての機能を担うブロックである。後述するように、複数の領域における酸素飽和度、血管の径、ヘモグロビン量、ヘモグロビン濃度等の特性情報の比較を行う。さらに、データ処理部109は、特性情報の比較に基づく情報や光音響画像などを表示部110に表示させる表示制御手段としての機能も担う。
光音響画像や酸素飽和度画像は、表示部110であるディスプレイに表示される。ディスプレイとしては、高解像度でカラー表示のできる30型、コントラスト比1000:1以上の物が望ましい。
(画像再構成)
画像再構成はデータ処理部109にて行われる。画像再構成は、ユニバーサルバックプロジェクション法や整相加算法などの再構成手法を用いることができる。ここでは、ユニバーサルバックプロジェクション法を用いる場合を例にとって説明する。光音響測定で発生する初期音圧分布P(r)は数式1で表わされる。
画像再構成はデータ処理部109にて行われる。画像再構成は、ユニバーサルバックプロジェクション法や整相加算法などの再構成手法を用いることができる。ここでは、ユニバーサルバックプロジェクション法を用いる場合を例にとって説明する。光音響測定で発生する初期音圧分布P(r)は数式1で表わされる。
このとき投影データに相当する項b(r0,t)を、数式2に示す。ここで、pd(r0)は音響波検出素子102で検出される光音響信号、r0は各検出素子の位置、tは時間、Ω0は音響波検出素子102の立体角である。データ取得部107で取得したデータを数式1に基づいて処理をすることにより初期音圧分布P(r)を得ることができる。
Γは弾性特性値であるグリューナイセン(Gruneisen)係数であり、体積膨張係数(β)と音速(c)の二乗の積を比熱(Cp)で割ったものである。μaは吸収体での吸収係数である。また、Φ(r)は局所的な領域で吸収体に照射された光量である。数式3を吸収係数について解くことによって、吸収係数分布μa(r)を得ることができる。なお、背景の光学係数は、吸収体の吸収係数より十分小さいため吸収係数分布には表れない。
光量Φ(r)は、深さ方向に一様に減衰するような場合、例えば数式4のように変数zを用いて表すことができる。
なお、被検体内の背景の散乱係数や吸収係数は、例えば近赤外分光装置などによって測定することができる。近赤外分光装置では、被検体に光を照射し、被検体からの光を受光する。そして、その信号の波形を時間領域や周波数領域で解析し、背景の光学係数を求めるものである。これらの装置は、均質媒質をモデルにして解析している。そのため、皮膚表面、脂肪層、筋肉層、血管など様々な組織で構成される生体で背景の光学係数を正確に測定することは難しい。
次に、吸収係数分布からヘモグロビン分布を求める方法を示す。吸収体の吸収係数μa(λ)は、単位体積当たりの酸化ヘモグロビンCHbOと還元ヘモグロビンCHbRの吸収によって決まる。酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンの吸収係数をそれぞれの波長でEHbO(λ1),EHbR(λ1),EHbO(λ2),EHbR(λ2)とすると、数式6のように表わされる。なお、左辺は数式3によって得た吸収係数分布である。
(背景の光学係数について)
ここで、背景の光学係数が真値と異なる場合の影響について、ファントムを用いた実験の例を説明する。ファントムとしては、人の乳腺組織と同程度の値となるような散乱係数0.8/mm、吸収係数0.004/mmを有するウレタン樹脂の中に、φ1mmのナイロンワイヤをターゲットとして、深さ10mmと20mmにそれぞれ配置したものを用いる。一方のナイロンワイヤは、動脈の酸素飽和度(例.95%)、を模したもので、他方のナイロンワイヤは、静脈の酸素飽和度(例.80%)を模したものとする。酸素飽和度の調整は、波長によって吸収係数の異なる複数の色材を用いて実現することができる。また、ナイロンワイヤの吸収係数は血液と同程度の800nmの波長で0.1/mmであるとする。
この場合、ウレタン樹脂における背景の光学係数が測定して得られた値と真値とで5%異なることにより、20mmの深さにおける酸素飽和度が10%程度異なることがある。酸素飽和度の誤差は、数式4に示すように、深さに依存するため、深くなるほど大きくなる。したがって、背景の光学係数に誤差がある場合、酸素飽和度StOとして算出される数値が、100%を超えることもある。
一方、同等の深さにある動脈の酸素飽和度を模したターゲットと静脈の酸素飽和度を模したターゲットの場合には、両者の酸素飽和度を除算した結果は、2つのターゲットが設けられた深さに関係なく一定の値が算出される傾向にある。これは、それぞれの波長での誤差が、除算によりキャンセルされ、影響が小さくなるためと考えられる。
(測定と信号処理)
本実施形態の処理に係る診断指標を表示するためのフローチャートを図2に示す。
本実施形態の処理に係る診断指標を表示するためのフローチャートを図2に示す。
S1工程で、測定を開始する。この状態では、被検体が保持部材106に接触するように挿入されている。また、保持部材106と被検体の間には空気が入らないように密着し、被検体周辺には音響整合液である水が充填されている。なお、光音響画像を取得する前に超音波プローブ104で超音波測定を行ってもよい。超音波画像により、被検体の病変部などの座標を特定するためである。
S2工程では、光音響測定が行われる。まず、術者が制御部108から測定の指示を出す。それにより、XYステージで容器101を所望の位置に移動する。そして、光源部103からパルス光を照射し、これと同期して音響波検出素子102が光音響波を受信する。パルス光の照射は容器101をスパイラル状に移動させながら、760nmと800nmの2波長の光の照射を交互に行う。最終的に、それぞれの波長で1024の位置で光音響波を取得する。撮像範囲は選択により、直径80、120、160mmとすることができる。なお、交互に異なる波長の光を照射して2波長分の光音響画像を得る方が、一方の波長で一通り測定した後に、別の波長で再び測定する場合と比べて、体動などによる波長間の位置ずれの影響が小さくなる。つまり、酸素飽和度を算出するためにはより好適な制御方法である。
S3工程では、光音響画像から機能画像を生成する。取得したデータから画像再構成を行い波長ごとの初期音圧分布を得る。そして、上記数式を用いて吸収係数分布を得ることができる。光量分布は、被検体を近赤外分光器で測定した光学係数および保持部材106の形態情報を用いることによって得ることができる。なお、形態情報は超音波プローブ104のデータを用いてもよい。その後、機能画像である酸素飽和度画像を得る。酸素飽和度は、指定された領域全てにわたって算出するのではなく、吸収係数分布における吸収係数が閾値以上の部分において酸素飽和度を算出してもよい。すなわち、血管が存在する位置における吸収係数は血管が存在しない位置における吸収係数よりも高いため、血管の位置のみの酸素飽和度を選択的に表示することができる。
S4工程では、第一の領域と第二の領域の選択を行う。術者は、たとえば表示部110に表示された機能画像である酸素飽和度画像から、第一の領域と第二の領域を画面上で制御部108のユーザインターフェースを用いて選択する。図3に、機能画像における血管の一部を第一の領域と第二の領域とする例を示す。図3(a)において、血管の狭窄部分304が示されている。この血管の異なる位置(すなわち狭窄部分の上流側と下流側)に第一の領域302と第二の領域303を設定した例を示した。また、図3(b)は、伴行する動脈306と静脈307で、一方を第一の領域302、他方に第二の領域303が設定されている。また、図3(c)は、分岐を持つ血管308について、分岐の一方に第一の領域302、他方に第二の領域303が設定されている。第二の領域303を設定した分岐部分には閉塞部分310があるものとする。なお、図3(a)〜(c)の各図において、第一および第二の領域は、血管の中の矩形の領域として示しているが、各領域の指定はこの手法に限られない。たとえば、術者は血管の幅よりも広い領域を指定すると、その領域のうちの血管に相当する部分をデータ処理部109が抽出して、第一の領域あるいは第二の領域とするようにしてもよい。また、別の方法として、術者が血管中の任意の位置を指定すると、指定された位置を含む血管中の所定の範囲を第一の領域あるいは第二の領域とするようにしてもよい。さらに別の例としては、データ処理部109が、パターンマッチングなどの手法によって血管の狭窄部の前後、伴行する血管、血管の分岐を抽出して自動的に設定したり、抽出した領域を術者に提示した上で術者に第一および第二の領域を選択させるようにしたりしてもよい。
S5工程では、第一の領域302と第二の領域303における特性情報の比較が行われる。特性情報の一例としては、酸素飽和度、総ヘモグロビン量、血管径等である。酸素飽和度、総ヘモグロビン量は、選択した部分の平均値である。血管径305は、選択した領域が含まれている血管径の平均値である。特性情報の比較は、第一の領域の特性情報を第二の領域の特性情報で除算することによって行う。なお、比較は、除算に限らず、減算でも実現できるが、先述の通り、深さ方向の誤差をキャンセルすることのできる除算の方が望ましい。
S6工程で、第一の領域302と第二の領域303における血管の種類を判別する。血管の種別とは、動脈、静脈の種類である。以下に、図4を用いて、血管の種別を判定するフローを説明する。なお、S6工程の処理は、S5工程と並行して実行してもよい。
A1工程で、血管の種別を判定する処理を開始する。
A2工程で、参照情報の有無を判断する。参照情報とは、医師による知見、データ処理部109によるパターンマッチングなどによって検出した解剖学上の構造情報、超音波装置によるドップラー計測の結果などである。参照情報がある場合には、A9工程に進み、血管種別の判定を行う。一方、参照情報の入力がない場合には、A3工程に進み、光音響画像装置から得た酸素飽和度画像を用いて血管種別を判定する処理を行う。酸素飽和度画像は、図3の所望の血管を含む、例えば、30mm×30mm×10mmの範囲の3次元データである。この範囲は術者が指定できるようにしてもよいし、データ処理部109が自動的に設定してもよい。指定された範囲が十分に大きくない場合には、A3工程で生成されるヒストグラムの信頼性が十分でないおそれがある。そのため、術者が設定した範囲で生成されるヒストグラムの信頼性が十分に得られるような範囲となるように、データ処理部109が術者を支援することもできる。一例としては、術者が指定した範囲が所定の値よりも狭い場合には、その範囲を自動的に広げることで、所定の値よりも狭くは設定できないようにしたりしても良い。
A3工程では、データ処理部109が酸素飽和度画像から酸素飽和度のヒストグラムを生成する。図5に酸素飽和度のヒストグラムを模式的に示す。縦軸が酸素飽和度で横軸が頻度である。図5(a)に、酸素飽和度が正確に算出されている場合の例である。この例では、酸素飽和度の異なる位置に、頻度のピークが二つ現れている。より酸素飽和度の高い位置にある第一のピーク503は、動脈に由来するもので、より酸素飽和度の低い位置にある第二のピーク504は、静脈に由来するものであると考えられる。図5(b)は、表面からある深さにある領域から算出した場合を示したものである。背景の光学係数が実際の値からずれているため酸素飽和度が図5(a)に示したものとは異なる頻度分布を示す。
図5(c)は、正常な酸素飽和度と異常な酸素飽和度が混在している状態である。異常な酸素飽和度の例としては、腫瘍部分において、血管からの酸素供給が不十分になり、低い低酸素状態になる場合があげられる。また、血管が狭窄などによって滞っている場合は酸素飽和度が低くなることがあるので、図5(c)に示すような頻度分布となることがある。
A4工程では、ヒストグラムが多峰性であるかどうかの判定が行われる。指定された領域に正常な動脈と静脈が含まれている場合には、ヒストグラムは少なくとも2つのピークを持つ二峰性になる。腫瘍や閉塞により酸素飽和度が低下している血管がある場合には、さらに峰が増える場合がある。このため、多峰性であれば酸素飽和度が正常に算出できていると考えられるので、A6工程に進む。一方で、単峰のヒストグラムとなった場合には、A5工程に進む。
単峰のヒストグラムである場合は、計測範囲内に血管がない場合や、動脈と静脈のうちの一方しかない場合などが考えられる。そこで、本実施例では、A4工程において単峰のヒストグラムとなった場合には、得られる測定結果の信頼性が低いことを、A5工程にて術者に通知する。術者への通知が行われた後は、処理を終了させてもよいし、計測範囲を再設定するように術者を促す通知を行った上で、再度A1工程以降の処理を行うようにしても良い。
A4工程において、多峰性のヒストグラムであると判定された場合には、A6工程にて、ヒストグラム中の酸素飽和度が所定の範囲内であるかを判定する。所定の範囲内とは、ヒストグラムの第一のピーク503が、動脈の酸素飽和度の正常範囲505(例.93−99%)を中心とする20%の範囲501、ヒストグラムの第二のピーク504が、静脈の酸素飽和度の正常範囲506(例.73−77%)を中心とする20%の範囲502である。第一のピーク503および第二のピーク503が所定範囲内であれば、酸素飽和度が正常に算出できていると考えられるので、A8工程に進む。一方で、第一のピーク503と第二のピーク504のうちの少なくとも一方が所定範囲内に内場合には、A7工程に進む。
なお、酸素飽和度を含め、機能情報は、被検体の表面付近ほど正確に算出される。そのため、使用した範囲において設定値内でないと判断された場合は、表面付近のデータを含む範囲で設定値内であることを確認してもよい。また、左右に同じ部位がある場合は、正常部位の測定をし、設定値内であることを確認してもよい。このようにすることで光学係数の値に誤差があるかどうかを切り分けることができる。なお、深さに応じて設定値の範囲を変更してもよい。
A7工程では、所定の表示を行う。酸素飽和度が所定範囲内にない場合としては、光学係数が正確な値でなかった可能性がある。正常部位は設定値内で、対象部位が設定値内でないような場合、チアノーゼなどが考えられる。例えば、中枢性チアノーゼの動脈の酸素飽和度は82%以下、静脈の酸素飽和度は52%以下などとされる。また、末梢性チアノーゼの動脈の酸素飽和度は正常値で、静脈の酸素飽和度は33%以下などとなる。さらに、動脈閉塞性疾患や静脈閉塞性疾患により、局所的な末梢循環不全が発生している可能性がある。このような、考えられる疾患の種類を表示してもよい。
A8工程では、動静脈の範囲の特定が行われる。第一の領域および第二の領域が第一のピーク503を含む群、第二のピーク504を含む群が、機能画像中のどの領域に含まれるかを判断する。第一のピーク503を含む群に対応する領域であれば、動脈である可能性が高く、第二のピークを含む群に対応する領域であれば、静脈である可能性が高くなる。
A9工程では、S4工程で選択された第一の領域と第二の領域とが、それぞれ動静脈のどちらに該当するのかの判定を行う工程である。データ処理部109は、S8工程における動静脈の範囲に基づいて、第一の領域と第二の領域とが、それぞれどちらに該当するのかを判定する。
A10工程で、血管の種別を判定する処理フローが終了し、図2のS7工程に進む。
S7工程では、S5工程で得られた特性情報の比較結果と、上記のようにS6工程において得られた血管の種類の判別結果と、を踏まえた診断指標が表示される。診断指標は図6のように、血管の種類、酸素飽和度、総ヘモグロビン量、血管径などを領域1と領域2に対してそれぞれ表示し、さらにそれらの比較結果を表示する。総ヘモグロビン量に代えて、あるいは、総ヘモグロビン量とともに、当該領域のヘモグロビン濃度を示しても良い。比較結果は、たとえば、それぞれの領域の数値の比率である。これらを表示することによって診断の支援を行うことができる。
例えば、酸素飽和度に着目すると、正常な状態であれば、同じ血管の2つの位置302、303における酸素飽和度は一致しているはずであるため、両者の比は1である。ところが、図3(a)に示すように狭窄部分304の前後では酸素飽和度が異なる場合には、酸素飽和度の比がたとえば0.98−1.02の範囲になければ、血管の閉塞や狭窄が疑われる。0.98−1.02という範囲は、誤差を考慮した値である。また、図3(b)のように伴行する動静脈に着目すると、正常であれば動脈の酸素飽和度と静脈の酸素飽和度の比は、1.24−1.32である。動脈の値を静脈の値で除算した結果が1.24より小さければ、動脈の酸素飽和度に異常があると考えられ、動脈の閉塞や狭窄が疑われる。一方、比率が1.32より大きければ低酸素状態になり、腫瘍や狭窄が疑われる。これは、伴行している血管でない血管に着目しても同様である。また、図3(c)では、同じ血管が分岐しているため、正常であれば、異なる分岐の酸素飽和度の比は1となる。図3(a)の場合と同様に、誤差を考慮して、第一の領域の酸素飽和度と第二の酸素飽和度の比が0.98−1.02の範囲でなければ、血管の閉塞や狭窄が疑われる。このように、異なる領域の特性情報の比較を行うことにより、術者による診断を支援することが可能となる。
また、ヘモグロビン濃度に着目すると、ヘモグロビン濃度が高ければ、血液の粘度が高くなっていることが疑われる。ヘモグロビン濃度が低ければ、酸素が欠乏していることが疑われる。血管の太さに着目すると、伴行している部分の動脈と静脈の血管径の比較により、動脈が細いことを示す結果となった場合には、動脈の閉塞や狭窄などが疑われる。なお、正常部と対象部それぞれにおいて比較を表示してもよい。血管の太さ、すなわち血管径以外にも、血管の面積や体積を基に比較を行っても良い。
データ処理部109の記憶部に、各種の特性情報の比較結果について、所定の範囲をあらかじめ記憶しておき、測定の結果得られた比較結果が所定の範囲にない場合には、当該比較結果の欄の色を他の欄とは異ならせて表示したり、他の欄とはフォントのサイズや種類を異ならせて表示したり、明滅させて表示したりすることにより、術者が認識しやすいようにすることが好ましい。つまり、比較の結果が所定の条件を満たす場合に、その条件を満たさない場合とは異なる表示方法で比較の結果を表示させることで、情報を強調させることができる。さらに、比較結果が所定の範囲にない場合に、その比較結果から疑われ得る病名を提示するようにしてもよい。すなわち、比較結果と対応付けられた病名を提示することで、術者の診断の支援を行うものである。
また、データ処理部109は、機能画像とともに比較結果を表示部110に表示させても良い。術者が図3(a)〜(c)に示すような機能画像を見ながら、機能画像の中から第一の領域および第二の領域を指定すると、その指定に応じて図6の比較結果を更新するようにしてもよい。さらに、第一の領域および第二の領域とは異なる第三の領域を指定し、各領域における特性情報の比較結果を術者に提示するようにしても良い。
上述のように、本実施例によれば、背景の光学係数が正確な値でなかったとしても、動静脈の種別の情報と特性情報の比較結果を表示することによって、腫瘍の有無、動脈閉塞症、静脈閉塞症などの診断に有用な情報を提供し、診断の支援をすることができる。
[実施例2]
本発明の別の実施例について説明する。実施例1と共通する部分については説明を省略し、異なる部分を中心に説明する。
本発明の別の実施例について説明する。実施例1と共通する部分については説明を省略し、異なる部分を中心に説明する。
実施例1においては、特定の血管に第一の領域と第二の領域を設定した。しかし各領域の設定の仕方はこれに限られたものでなく、複数の血管を含む領域であってもよい。
図7は、乳頭702を含む範囲の、乳房の酸素飽和度画像701の模式図である。動脈を実線で、静脈を点線で示している。この酸素飽和度画像701において、第一の領域703および第二の領域704が設定された状態を示している。乳頭702を中心として、動脈および静脈が走行していることが確認できる。なお、本実施例では、説明の便宜上、乳頭702を示しているが、画像の表示の仕方(表示する奥行き方向の範囲等)によっては、乳頭702は画像には現れない。
本実施例において、比較の結果に基づく情報として提示される表の例を図8に示す。図8(a)は、第一の領域703において、さらに動脈の領域と静脈の領域に含まれている特性情報を比較したものである。本例では、酸素飽和度、総ヘモグロビン量、体積で構成されている。酸素飽和度、総ヘモグロビン量は領域内での平均値を算出する。なお、総ヘモグロビン量に代えて、あるいは、総ヘモグロビン量とともに、当該領域のヘモグロビン濃度を示しても良い。体積は、動脈または静脈の画素数をカウントすることによって算出する。なお、動脈と静脈の判別は、実施例1で述べた手法を用いることができる。ヒストグラムで動脈と判定された群と静脈と判定された群とをそれぞれ表示し、これにより同じ領域における動脈と静脈の比較をすることができる。第二の領域703についても同様の情報を提示することができる。
図8(b)は、第一の領域703と第二の領域704の動脈同士の比較をした結果である。同様に、第一の領域703と第二の領域704の静脈同士の比較をした結果を示す。これにより、異なる領域における動脈同士または静脈同士を比較することができる。
第一の領域703と第二の領域704は、一回の測定で取得した光音響画像である必要はない。例えば、乳房の場合、右側の乳房に第一の領域を設定し、左側の乳房に第二の領域を設定してもよい。一方の領域に腫瘍、動脈瘤、静脈瘤等があれば第一の領域と第二の領域で数値の比較結果が特異的な値を示す可能性がある。同等の深さにおける特性情報を比較できるため異常の検出に有効である。
また、表面付近における第一の領域と第二の領域の酸素飽和度の比率や、所望の深さ付近における第一の領域と第二の酸素飽和度の比率を表示させてもよい。既に述べたように、酸素飽和度の比は、深さによらず一定となる傾向があるため、異常の検出に有効である。
なお、各領域における数値の表示方法としては、図9のように円グラフを用いてもよい。例えば、図9は、第一の領域に含まれる血管について、正常な酸素飽和度を示す動脈901(図5(a)における505の範囲に相当)、正常な酸素飽和度の範囲外の値を示す動脈902(図5(a)における、501の範囲から505の範囲を除く部分に相当)、正常な酸素飽和度を示す静脈903(図5(a)における506の範囲に相当)、正常な酸素飽和度の範囲外の値を示す静脈904(図5(a)における、502の範囲から506の範囲を除く部分に相当)、その他905(図5(a)における501および502の範囲を除く部分に相当)がそれぞれ占める割合を示すことができる。第一の領域と第二の領域のそれぞれにおける円グラフを比較することによって、視覚的にその割合の違いがわかる。さらに、同じ深さの動脈に対する静脈の酸素飽和度を除算して得た除算画像を新たに作成して表示してもよい。
上述のように、本実施例によれば、背景の光学係数が正確な値でなかったとしても、診断に有用な情報を提供し、診断の支援をすることができる。
[実施例3]
本発明のさらに別の実施例について説明する。先の実施例と共通する部分については説明を省略し、異なる部分を中心に説明する。
本発明のさらに別の実施例について説明する。先の実施例と共通する部分については説明を省略し、異なる部分を中心に説明する。
本実施例では、光音響画像装置の操作者が、被検体内のある領域を指定したことに応じて、指定された領域内における動脈と静脈との特性情報の比較が行われる。たとえば、図7のように酸素飽和度画像701が提示された状態で、操作者が領域を指定するとする。光音響画像装置は、この指定を受けて、指定された領域に含まれる動脈と静脈とを抽出して、当該領域内の動脈と静脈との特性情報の比較処理を実行し、その結果を表示手段に表示する。動脈と静脈との判別は、実施例1で説明した手法を用いることができる。また、比較する特性情報も既述の通りである。
実施例1において、図3(b)を用いて説明した例では、操作者が第一の領域302と第二の領域303とを選択した。これに対し、本実施例によれば、操作者は血管を個別に指定せずとも、着目する動脈と静脈とを含む領域を指定すると、光音響画像装置が、その領域に含まれる動脈と静脈とを判別して、両者の特性情報の比較処理を実行する。そのため、操作者にとってはより簡便に特性情報の比較結果が得られる。
なお、上述の各実施例で示した特性情報や比較の方法は例示的なものに過ぎず、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲でいかようにも変更できる。たとえば、各実施例では、機能画像である酸素飽和度画像から第一の領域および第二の領域を指定する場合を説明したが、初期音圧分布画像や、一つの波長の光を用いて取得された吸収係数分布画像から第一および第二の領域を指定してもよい。つまり、被検体情報に対応する画像であれば、いかなる画像から第一および第二の領域を指定してもよい。
また、上述の各実施例では、血管を例にとって説明を行ったが、血管以外の構造物についても、適用することができる。
101 容器
102 音響波検出素子
108 制御部
109 データ処理部
110 表示部
102 音響波検出素子
108 制御部
109 データ処理部
110 表示部
Claims (20)
- 光が照射された被検体から伝搬した音響波に基づく被検体情報を取得する情報取得装置であって、
前記被検体情報に対応する画像のうちの第一の領域における特性情報と、前記第一の領域とは異なる第二の領域における特性情報と、の比較を行う比較手段と、
前記比較の結果に基づく情報を表示手段に表示させる表示制御手段と、を有すること
を特徴とする情報取得装置。 - 前記第一の領域における特性情報と、前記第二の領域における特性情報は、前記被検体の機能情報であることを特徴とする請求項1に記載の情報取得装置。
- 前記第一の領域および前記第二の領域は、前記被検体の血管であることを特徴とする請求項1または2に記載の情報取得装置。
- 前記第一の領域および前記第二の領域は、同一の血管の異なる部分に対応することを特徴とする請求項3に記載の情報取得装置。
- 前記第一の領域および前記第二の領域は、一方が動脈であって、他方が静脈であることを特徴とする請求項3に記載の情報取得装置。
- 前記比較手段は、前記第一の領域および前記第二の領域の血管の種類をさらに判定し、
前記表示制御手段は、前記第一の領域および前記第二の領域の血管の種類をさらに前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項5に記載の情報取得装置。 - 前記比較手段は、前記第一の領域および前記第二の領域における特性情報のヒストグラムに基づいて、前記第一の領域および前記第二の領域の血管の種類を判定することを特徴とする請求項6に記載の情報取得装置。
- 前記第一の領域および前記第二の領域は、同等の深さにある血管であることを特徴とする請求項3または5に記載の情報取得装置。
- 前記第一の領域における特性情報と前記第二の領域における特性情報は、各領域における酸素飽和度、ヘモグロビン量、および、前記被検体内の構造物の長さ、面積および体積の少なくとも一つであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の情報取得装置。
- 前記表示制御手段は、前記第一の領域および前記第二の領域について、複数の特性情報を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の情報取得装置。
- 前記表示制御手段は、前記比較の結果に基づく情報として、疾患の種類を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の情報取得装置。
- 前記被検体情報から前記第一の領域および前記第二の領域の指定を受け付ける入力手段をさらに備えることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の情報取得装置。
- 光が照射された被検体から伝搬した音響波に基づく信号を処理する信号処理装置の制御方法であって、
前記音響波に基づく被検体の画像を表示手段に表示させる工程と、
表示された前記画像のうちの第一の領域および第二の領域が指定されると、前記第一の領域および前記第二の領域における特性情報の比較に基づく情報を前記表示手段に表示させる工程と、を有すること
を特徴とする信号処理装置の制御方法。 - 前記被検体の画像は、前記被検体の機能情報を示す画像であることを特徴とする請求項13に記載の信号処理装置の制御方法。
- 前記第一の領域および前記第二の領域が、血管であり、
前記第一の領域および前記第二の領域の血管の種類を表示する工程をさらに有することを特徴とする請求項13または14に記載の信号処理装置の制御方法。 - 前記画像における前記第一の領域と前記第二の領域の指定を受け付ける工程をさらに有することを特徴とする請求項13〜15のいずれか1項に記載の信号処理装置の制御方法。
- 前記特性情報の比較に基づく情報が、所定の値の範囲にない場合には、前記所定の値の範囲にある場合とは表示を異ならせる工程をさらに有することを特徴とする、請求項13〜16のいずれか1項に記載の信号処理装置の制御方法。
- 前記比較に基づく情報を表示させる工程において、前記比較の結果に基づく情報として、疾患の種類を前記表示手段に表示させること、を特徴とする請求項13〜17のいずれか1項に記載の信号処理装置の制御方法。
- 前記比較に基づく情報を表示させる工程において、前記比較の結果が所定の条件を満たす場合に、前記所定の条件を満たす部分とそれ以外の部分とを異なる表示方法で前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項13〜18に記載の信号処理装置の制御方法。
- 前記第一の領域における特性情報と前記第二の領域における特性情報は、各領域における酸素飽和度、ヘモグロビン量、および、前記被検体内の構造物の長さ、面積および体積の少なくとも一つであることを特徴とする請求項13〜19のいずれか1項に記載の信号処理装置の制御方法。
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