JP2017538157A - パターニングデバイストポグラフィ誘起位相を使用するための方法及び装置 - Google Patents

パターニングデバイストポグラフィ誘起位相を使用するための方法及び装置 Download PDF

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Abstract

リソグラフィパターニングデバイスのパターンの特徴の3次元トポグラフィを測定することと、測定から、パターンの3次元トポグラフィによって生じた波面位相情報を計算することと、を含む方法である。【選択図】図17

Description

関連出願の相互参照
[0001] 本願は、2014年12月17日出願の米国出願第62/093,363号の優先権を主張するものであり、その内容全体を参照としてここに組み込む。
[0002] 本記載は、例えば、パターニングデバイスパターン及びパターニングデバイスの照明の1つ以上の性質の最適化、パターニングデバイス上の1つ以上の構造層の設計、及び/又は計算器リソグラフィにおいて、パターニングデバイス誘起位相を使用するための方法及び装置に関する。
[0003] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板に、通常は基板のターゲット部分に適用する機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に使用可能である。このような場合、代替的にマスク又はレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを使用して、ICの個々の層上に形成すべき回路パターンを生成することができる。このパターンを、基板(例えばシリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば1つ又は幾つかのダイの一部を含む)に転写することができる。パターンの転写は通常、基板に設けた放射感応性材料(レジスト)の層への結像により行われる。一般的に、1枚の基板は、順次パターンが付与される隣接したターゲット部分のネットワークを含んでいる。従来のリソグラフィ装置は、パターン全体をターゲット部分に1回で露光することによって各ターゲット部分が照射される、いわゆるステッパと、基板を所与の方向(「スキャン」方向)と平行あるいは逆平行に同期的にスキャンしながら、パターンを所与の方向(「スキャン」方向)に放射ビームでスキャンすることにより、各ターゲット部分が照射される、いわゆるスキャナと、を含む。パターンを基板にインプリントすることによっても、パターニングデバイスから基板へとパターンを転写することが可能である。
[0004] パターン放射に使用されるパターニングデバイス(例えば、マスク又はレチクル)は、望ましくない位相効果を生じてしまうことがある。具体的には、パターニングデバイスのトポグラフィ(例えば、特徴の名目上トポグラフィからのパターニングデバイス上のパターンの特徴のトポグラフィの変動)は、パターン化放射(例えば、パターニングデバイスのパターンの特徴から発する回折次数)へ望ましくない位相オフセットを導入してしまうことがある。このような位相オフセットは、パターンが基板上に投影される際の精度を低下させてしまうことがある。
[0005] 本記載は、例えば、パターニングデバイスパターン及びパターニングデバイスの照明の1つ以上の性質の最適化、パターニングデバイス上の1つ以上の構造層の設計、及び/又は計算機リソグラフィにおいてパターニングデバイス誘起位相を使用するための方法及び装置に関する。
[0006] 一態様において、リソグラフィパターニングデバイスのパターンの特徴の3次元トポグラフィを測定することと、測定から、パターンの3次元トポグラフィによって生じた波面位相情報を計算することと、を含む方法を提供する。
[0007] 一態様において、デバイスパターンがリソグラフィプロセスを使用して一連の基板に適用されるデバイス製造方法であって、本明細書に記載の方法を使用してデバイスパターンを準備することと、基板上にデバイスパターンを露光することと、を備える方法を提供する。
[0008] 一態様において、プロセッサに本明細書に記載の方法を実施させるように構成された機械読み取り式命令を備える持続性コンピュータプログラム製品を提供する。
[0009] 以降、添付の図面を参照し、実施形態を単なる例示として説明する。
[0010] 一実施形態によるリソグラフィ装置を概略的に示す。 [0011] 一実施形態によるリソグラフィセル又はクラスタを概略的に示す。 [0012] パターニングデバイスによる放射の回折を概略的に示す。 [0013] 種々の異なるピッチに対して法線入射角度で照明されたパターニングデバイスパターンの種々の回折次数についてシミュレートした位相のグラフである。 [0013] 種々の異なるピッチに対して法線入射角度で照明されたパターニングデバイスパターンの種々の回折次数についてシミュレートした位相のグラフである。 [0013] 種々の異なるピッチに対して法線入射角度で照明されたパターニングデバイスパターンの種々の回折次数についてシミュレートした位相のグラフである。 [0013] 種々の異なるピッチに対して法線入射角度で照明されたパターニングデバイスパターンの種々の回折次数についてシミュレートした位相のグラフである。 [0013] 種々の異なるピッチに対して法線入射角度で照明されたパターニングデバイスパターンの種々の回折次数についてシミュレートした位相のグラフである。 [0014] 種々の入射角度で照明されたパターニングデバイスパターンの種々の回折次数についてシミュレートした位相のグラフである。 [0015] 装置製造プロセスをシミュレートするための機能モジュールの概略図である。 [0016] 本発明の一実施形態による方法のフローチャートである。 [0017] 本発明の一実施形態による方法のフローチャートである。 [0018] 2つの異なる吸収体厚さにおけるパターニングデバイスパターンの種々の回折次数についてシミュレートした回折効率のグラフである。 [0019] 2つの異なる吸収体厚さにおけるパターニングデバイスパターンの種々の回折次数についてシミュレートしたパターニングデバイストポグラフィ誘起位相(波面位相)のグラフである。 [0020] バイナリマスクに対する種々の回折次数についてシミュレートしたパターニングデバイストポグラフィ誘起位相(波面位相)のグラフである。 [0021] バイナリマスクに対する種々の吸収体厚さについてシミュレートしたパターニングデバイストポグラフィ誘起位相範囲値(波面位相)のグラフである。 [0022] 位相シフトマスクに対する種々の回折次数についてシミュレートしたパターニングデバイストポグラフィ誘起位相(波面位相)のグラフである。 [0023] 位相シフトマスクに対する種々の吸収体厚さについてシミュレートしたパターニングデバイストポグラフィ誘起位相範囲値(波面位相)のグラフである。 [0024] 位相シフトマスクに対する種々のピッチについてシミュレートしたベストフォーカス差のグラフである。 [0025] 種々の照明入射角度で照明されたバイナリマスクに対する種々の回折次数についてシミュレートしたパターニングデバイストポグラフィ誘起位相(波面位相)のグラフである。 [0026] 種々の照明入射角度で照明された位相シフトマスクに対する種々の回折次数についてシミュレートしたパターニングデバイストポグラフィ誘起位相(波面位相)のグラフである。 [0027] バイナリマスクに対する種々のベストフォーカス値についての測定線量感度のグラフである。 [0028] 位相シフトマスクに対する種々のベストフォーカス値についての測定線量感度のグラフである。 [0029] 非ゼロ入射角度の主光線に対するゼロ入射角度における、EUVパターニングデバイスの垂直方向特徴に対して種々の回折次数についてシミュレートしたパターニングデバイストポグラフィ誘起位相(波面位相)のグラフである。 [0030] 非ゼロ入射角度の主光線に対する非ゼロ入射角度における、EUVパターニングデバイスの水平方向特徴に対して種々の回折次数についてシミュレートしたパターニングデバイストポグラフィ誘起位相(波面位相)のグラフである。 [0031] 種々の入射角度における垂直方向特徴に関し、EUVマスクに対して種々の回折次数についてシミュレートしたパターニングデバイストポグラフィ誘起位相(波面位相)のグラフである。 [0032] 種々の入射角度における水平方向特徴に関し、EUVマスクに対して種々の回折次数についてシミュレートしたパターニングデバイストポグラフィ誘起位相(波面位相)のグラフである。 [0033] ダイポール照明で照明されたEUVパターニングデバイスの種々の線及び空間のパターンについてシミュレートした変調伝達関数(MTF)対コヒーレンスを示す。 [0034] 一実施形態による散乱計を概略的に示す。 [0035] さらなる実施形態による散乱計を概略的に示す。 [0036] 複数の格子ターゲットの形態及び基板上の測定スポットの輪郭を概略的に示す。
[0037] 実施形態を詳細に説明する前に、実施形態の実施されてもよい一例としての環境を示すことが有益である。
[0038] 図1は、本発明の一実施形態によるリソグラフィ装置LAを概略的に示したものである。この装置は、
− 放射ビームB(例えばDUV放射又はEUV放射)を調節するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、
− パターニングデバイス(例えばマスク)MAを支持するように構成され、特定のパラメータにしたがってパターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第1のポジショナPMに接続された支持構造(例えばマスクテーブル)MTと、
− 基板(例えばレジストコートウェーハ)Wを保持するように構成され、特定のパラメータにしたがって基板を正確に位置決めするように構成された第2のポジショナPWに接続された基板テーブル(例えばウェーハテーブル)WTaと、
− パターニングデバイスMAによって放射ビームBに与えられたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば1つ以上のダイを含む)に投影するように構成された投影システム(例えば屈折投影レンズシステム)PSと、を備える。
[0039] 照明システムは、放射を誘導し、整形し、又は制御するための、屈折型、反射型、磁気型、電磁型、静電型、又はその他のタイプの光学コンポーネント、あるいはそれらの任意の組み合わせなどの様々なタイプの光学コンポーネントを含むことができる。
[0040] パターニングデバイス支持構造は、パターニングデバイスの方向、リソグラフィ装置の設計等の条件、例えばパターニングデバイスが真空環境で保持されているか否かに応じた方法で、パターニングデバイスを保持する。このパターニングデバイス支持構造は、パターニングデバイスを保持するために、機械的、真空、静電気等のクランプ技術を使用することができる。パターニングデバイス支持構造は、例えばフレーム又はテーブルでよく、必要に応じて固定式又は可動式でよい。パターニングデバイス支持構造は、パターニングデバイスが例えば投影システムに対して確実に所望の位置にくるようにできる。本明細書において「レチクル」又は「マスク」という用語を使用した場合、その用語は、より一般的な用語である「パターニングデバイス」と同義と見なすことができる。
[0041] 本明細書において使用する「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分にパターンを生成するように、放射ビームの断面にパターンを付与するために使用し得る任意のデバイスを指すものとして広義に解釈されるべきである。ここで、放射ビームに付与されるパターンは、例えばパターンが位相シフトフィーチャ又はいわゆるアシストフィーチャを含む場合、基板のターゲット部分における所望のパターンに正確には対応しないことがある点に留意されたい。一般的に、放射ビームに付与されるパターンは、集積回路などのターゲット部分に生成されるデバイスの特定の機能層に相当する。
[0042] パターニングデバイスは透過性又は反射性でよい。パターニングデバイスの例には、マスク、プログラマブルミラーアレイ、及びプログラマブルLCDパネルがある。マスクはリソグラフィにおいて周知のものであり、これには、バイナリマスク、レベンソン型(alternating)位相シフトマスク、ハーフトーン型(attenuated)位相シフトマスクのようなマスクタイプ、さらには様々なハイブリッドマスクタイプも含まれる。プログラマブルミラーアレイの一例として、小型ミラーのマトリクス配列を使用し、ミラーは各々、入射する放射ビームを異なる方向に反射するよう個々に傾斜することができる。傾斜したミラーは、ミラーマトリクスによって反射する放射ビームにパターンを与える。
[0043] 本明細書において使用する「投影システム」という用語は、例えば使用する露光放射、又は液浸液の使用や真空の使用などの他の要因に合わせて適宜、例えば屈折光学システム、反射光学システム、反射屈折光学システム、磁気光学システム、電磁気光学システム及び静電気光学システム、又はその任意の組み合わせを含む任意のタイプの投影システムを網羅するものとして広義に解釈されるべきである。本明細書において「投影レンズ」という用語を使用した場合、これはさらに一般的な「投影システム」という用語と同義と見なすことができる。
[0044] 本明細書で示すように、本装置は透過タイプである(例えば透過マスクを使用する)。あるいは、装置は反射タイプでもよい(例えば上記で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイを使用する、又は反射マスクを使用する)。
[0045] リソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)又はそれ以上の基板テーブル(例えば2つ以上の基板テーブル、2つ以上のパターニングデバイス支持構造、又は基板テーブル及びメトロロジーテーブル)を有するタイプでよい。このような「マルチステージ」機械においては、追加のテーブルを並行して使用するか、1つ以上の他のテーブルを露光に使用している間に1つ以上のテーブルで予備工程を実行することができる。
[0046] リソグラフィ装置は、投影システムと基板との間の空間を充填するように、基板の少なくとも一部を水などの比較的高い屈折率を有する液体で覆えるタイプでもよい。液浸液は、例えばマスクと投影システムの間など、リソグラフィ装置の他の空間に適用することもできる。液浸技術は、投影システムの開口数を増やすための分野では周知である。本明細書で使用する「液浸」という用語は、基板などの構造を液体に沈めなければならないという意味ではなく、露光中に投影システムと基板との間に液体が存在するというほどの意味である。
[0047] 図1を参照すると、イルミネータILは放射源SOから放射ビームを受ける。放射源とリソグラフィ装置とは、例えば放射源がエキシマレーザである場合に、別々の構成要素であってもよい。このような場合、放射源はリソグラフィ装置の一部を形成すると見なされず、放射ビームは、例えば適切な誘導ミラー及び/又はビームエクスパンダなどを備えるビームデリバリシステムBDの助けにより、放射源SOからイルミネータILへと渡される。他の事例では、例えば放射源が水銀ランプの場合は、放射源がリソグラフィ装置の一体部分であってもよい。放射源SO及びイルミネータILは、必要に応じてビームデリバリシステムBDとともに放射システムと呼ぶことができる。
[0048] イルミネータILは、放射ビームの角度強度分布を調整するためのアジャスタADを備えていてもよい。一般に、イルミネータの瞳面における強度分布の外側及び/又は内側半径範囲(一般にそれぞれ、σ−outer及びσ−innerと呼ばれる)を調節することができる。また、イルミネータILは、インテグレータIN及びコンデンサCOなどの他の種々のコンポーネントを備えていてもよい。イルミネータを用いて放射ビームを調節し、その断面にわたって所望の均一性と強度分布とが得られるようにしてもよい。
[0049] 放射ビームBは、パターニングデバイス支持体(例えば、マスクテーブルMT)上に保持されたパターニングデバイス(例えば、マスク)MAに入射し、パターニングデバイスによってパターン形成される。パターニングデバイス(例えば、マスク)MAを横断した放射ビームBは、投影システムPSを通過し、投影システムPSは、ビームを基板Wのターゲット部分C上に合焦させる。第2のポジショナPW及び位置センサIF(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ、2Dエンコーダ又は容量センサ)の助けにより、基板テーブルWTaを、例えば様々なターゲット部分Cを放射ビームBの経路に位置決めするように正確に移動できる。同様に、第1のポジショナPMと別の位置センサ(図1には明示されていない)を用いて、マスクライブラリからの機械的な取り出し後又はスキャン中などに放射ビームBの経路に対してパターニングデバイス(例えば、マスク)MAを正確に位置決めできる。一般に、パターニングデバイス支持体(例えば、マスクテーブル)MTの移動は、第1のポジショナPMの部分を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)及びショートストロークモジュール(微動位置決め)の助けにより実現できる。同様に、基板テーブルWTaの移動は、第2のポジショナPWの部分を形成するロングストロークモジュール及びショートストロークモジュールを用いて実現できる。ステッパの場合(スキャナとは対照的に)、マスクテーブルMTをショートストロークアクチュエータのみに接続するか、又は固定してもよい。
[0050] パターニングデバイス(例えばマスク)MA及び基板Wは、マスクアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を使用して位置合わせすることができる。図示のような基板アライメントマークは、専用のターゲット部分を占有するが、ターゲット部分の間の空間に位置してもよい(スクライブレーンアライメントマークとして周知である)。同様に、パターニングデバイス(例えばマスク)MA上に複数のダイを設ける状況では、マスクアライメントマークをダイ間に配置してもよい。小さなアライメントマーカをデバイスフィーチャの中でもダイ内に含めることができ、その場合、マーカは可能な限り小さく、隣接したフィーチャと異なる結像又はプロセス条件を必要としないことが望ましい。アライメントマーカを検出するアライメントシステムは、以下でさらに説明される。
[0051] 図示のリソグラフィ装置は、以下のモードのうち少なくとも1つにて使用可能である。
− ステップモードでは、パターニングデバイス支持体(例えばマスクテーブル)MT又は基板テーブルWTaは、基本的に静止状態に維持される一方、放射ビームに付与されたパターン全体が1回でターゲット部分Cに投影される(すなわち単一静的露光)。次に、別のターゲット部分Cを露光できるように、基板テーブルWTaがX方向及び/又はY方向に移動される。ステップモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一静的露光で結像されるターゲット部分Cのサイズが制限される。
− スキャンモードでは、パターニングデバイス支持体(例えばマスクテーブル)MT及び基板テーブルWTaは同期的にスキャンされる一方、放射ビームに付与されるパターンがターゲット部分Cに投影される(すなわち単一動的露光)。パターニングデバイス支持体(例えばマスクテーブル)MTに対する基板テーブルWTaの速度及び方向は、投影システムPSの拡大(縮小)及び像反転特性によって求めることができる。スキャンモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一動的露光におけるターゲット部分の(非スキャン方向における)幅が制限され、スキャン動作の長さによってターゲット部分の(スキャン方向における)高さが決まる。
− 別のモードでは、パターニングデバイス支持体(例えばマスクテーブル)MTはプログラマブルパターニングデバイスを保持して基本的に静止状態に維持され、基板テーブルWTaを移動又はスキャンさせながら、放射ビームに与えられたパターンをターゲット部分Cに投影する。このモードでは、一般にパルス状放射源を使用して、基板テーブルWTaを移動させる毎に、又はスキャン中に連続する放射パルスの間で、プログラマブルパターニングデバイスを必要に応じて更新する。この動作モードは、以上で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを使用するマスクレスリソグラフィに容易に利用できる。
[0052] 上述した使用モードの組み合わせ及び/又は変形、又は全く異なる使用モードも利用できる。
[0053] リソグラフィ装置LAは、2つのテーブルWTa、WTb(例えば、2つの基板テーブル)と2つのステーション、すなわち、露光ステーションと測定ステーションとを有し、これらの間でテーブルの交換が可能である、いわゆるデュアルステージタイプである。例えば、一方のテーブル上の基板が露光ステーションで露光されている時、他の基板は、測定ステーションで他方の基板テーブル上に搭載可能であり、種々の準備ステップが実施される。準備ステップには、レベルセンサLSを使用して基板の表面制御をマッピングすることと、アライメントセンサASを使用して基板上のアライメントマーカの位置を測定することと、が含まれてもよく、双方のセンサは、参照フレームRFに支持される。位置センサIFが測定ステーション及び露光ステーションにある間、テーブルの位置を測定できない場合、第2の位置センサが設けられ、双方のステーションで追跡されるテーブルの位置を測定可能としてもよい。他の例として、一方のテーブル上の基板が露光ステーションで露光されている間、基板を伴わない他のテーブルは、測定ステーション(任意で、測定アクティビティが発生してもよい)にて待機する。この他のテーブルは、1つ以上の測定デバイスを有し、任意で、他のツール(例えば、清浄装置)を有してもよい。基板が露光を完了した時、基板を伴わないテーブルが露光ステーションへと移動して、例えば、測定を実施し、基板を伴うテーブルは、その基板が降ろされて他の基板が搭載される箇所(例えば、測定ステーション)に移動する。これらのマルチテーブル配置により、装置のスループットを実質的に増加させることができる。
[0054] 図2に示される通り、リソグラフィ装置LAは、場合によってはリソセル又はリソクラスタとも称され、基板に1つ以上の露光前プロセス及び露光後プロセスを実施するための装置も含む、リソグラフィセルLCの一部を形成してもよい。従来、これらには、レジスト層を蒸着するための1つ以上のスピンコータSCと、露光されたレジストを現像するための1つ以上の現像液DEと、1つ以上の冷却プレートCHと、1つ以上の焼付プレートBKと、が含まれる。基板ハンドラ、又はロボットROは、入力/出力ポートI/O1、I/O2から基板を取り出し、それを異なるプロセスデバイス間で移動させ、それをリソグラフィ装置の搭載ベイLBに送達する。これらのデバイスは、多くの場合、集合的にトラックと称されるが、リソグラフィ制御ユニットLACUを介してリソグラフィ装置も制御する監督制御システムSCSによってそれ自体が制御されるトラック制御ユニットTCUの制御下にある。したがって、スループット及び処理効率を最大化するために、異なる装置が作動されてもよい。
[0055] リソグラフィ装置に露光された基板が正確且つ一定に露光されるためには、連続する層間の重畳エラー、線の太さ、限界寸法(CD)等、1つ以上の性質を測定して露光された基板を検査することが望ましい。エラーが検出された場合、1つ以上の連続する基板の露光に調整が加えられてもよい。これは、例えば、同一バッチの他の基板が依然として露光されるのに十分早急且つ迅速に検査が実施可能である場合に、特に有用であってもよい。また、すでに露光された基板は、剥がされて再加工(収率改善)されるか、又は廃棄されることにより、従来では欠陥となっていたであろう基板への露光の実施を回避してもよい。基板のいくつかのターゲット部分のみが欠陥である場合、これらの良好なターゲット部分のみにさらなる露光が実施されてもよい。他の可能性として、そのエラーを補償する連続プロセスステップの設定を適合することが挙げられ、例えば、リソグラフィプロセスステップの結果として生じた基板同士のCD変動を補償するために、トリムエッチングステップの時間を調整することができる。
[0056] 検査装置を使用して、基板の1つ以上の性質を判定し、特に、異なる基板又は同一の基板の異なる層の1つ以上の性質が層同士で、及び/又は、基板に亘っていかに変動するかを判定する。検査装置は、リソグラフィ装置LA又はリソセルLCに一体化されてもよく、又はスタンドアロン型デバイスであってもよい。最速の測定を可能にするには、検査装置により、露光直後に露光されたレジスト層における1つ以上の性質を測定することが望ましい。しかしながら、レジスト内の潜像のコントラストは非常に低く、放射への露光が行われたレジストの部分とそうでない部分との間の屈折率には非常に小さな差異のみが存在し、すべての検査装置が潜像の有用な測定を行うのに十分な感応性を有するわけではない。したがって、通例、露光された基板に対して実施される第1ステップである露光後焼付ステップ(PEB)の後に測定が行われてもよく、レジストの露光部分及び未露光部分の間のコントラストを増加させる。この段階において、レジスト内の画像は、セミ潜像と称されることがある。レジストの露光部分又は未露光部分のいずれかが除去されている時点か、又はエッチング等のパターン転写ステップ後に、現像レジスト画像の測定を行うこともできる。後者の可能性は、欠陥基板の再加工の可能性を制限するものであるが、例えば、プロセス制御の目的等に有用な情報を依然として提供してもよい。
[0057] 図3は、パターニングデバイスMA(例えば、マスク又はレチクル)の一部の断面を概略的に示している。パターニングデバイスMAは、基板300と、吸収体302と、を備える。基板1は、例えば、リソグラフィ装置の放射ビームB(例えば、DUV放射)に対して略透明のガラス又はその他任意の好適な材料から形成されてもよい。実施形態は、透過性パターニングデバイス(すなわち、放射を透過するパターニングデバイス)との関連で説明するが、一実施形態は、反射型パターニングデバイス(すなわち、放射を反射するパターニングデバイス)に適用されてもよい。パターニングデバイスが反射型パターニングデバイスである一実施形態において、パターニングデバイスは、放射ビームが吸収体、吸収体間の間隙に入射した後、間隙と任意で吸収体とを通過し、間隙と任意で吸収体との後方に配置されたリフレクタに入射するように配置されてもよい。
[0058] 吸収体302の材料は、例えば、リソグラフィ装置の放射ビームB(例えば、DUV放射)を吸収するケイ化モリブデン(MoSi)又はその他任意の好適な材料であってもよく、すなわち、吸収材料が、放射ビームを遮断するか、又は放射ビームBが吸収材料を通って進む際にその一部を吸収する。放射ビームを遮断する吸収材料を有するパターニングデバイスは、バイナリパターニングデバイスと称してもよい。MoSiは、MoSiの屈折率を修正してもよい1つ以上のドーパントが提供されてもよい。放射は必ずしも吸収体材料302を通って進むものでなく、いくつかの吸収体材料302については、実質的にすべての放射が吸収体材料302に吸収されてもよい。
[0059] 吸収体302は、基板300を完全に被覆せず、その代わりに、配置として、すなわち、パターンとして構成される。したがって、間隙304は、吸収体302の領域間に存在する。上述の通り、パターニングデバイスMAの小さな一部のみが図3に示されている。実際には、吸収体302及び間隙304は、例えば、数千から数百万の特徴を有してもよい配置を形成するように配置される。
[0060] リソグラフィ装置(図1参照)の放射ビームBは、パターニングデバイスMAに入射する。放射ビームBは、まず、基板300に入射し、基板300を通過する。放射ビームは、その後、吸収体302及び間隙304に入射する。吸収体302に入射した放射は、吸収体を通過するものの、部分的に吸収材料によって吸収される。あるいは、放射は、ほぼ完全に吸収体302に吸収され、吸収体302を透過する放射はほぼ存在しない。間隙304に入射した放射は、顕著に、又は、部分的に吸収されることなく、間隙を通過する。したがって、パターニングデバイスMAは、パターンを放射ビームBに適用する(このパターンは、非パターン化放射ビームBに適用されるか、すでにパターンを有する放射ビームBに適用されてもよい)。
[0061] さらに図3に示される通り、間隙304(と任意で吸収体302)を通過する際の放射ビームBは、種々の回折次数に回折する。図3中、0次、+1次、−1次、+2次、及び−2次の回折次数が示されている。しかしながら、認識される通り、より高い回折次数又はより低い回折次数が存在してもよい。回折次数に関連付けられた矢印のサイズは、通常、回折次数の相対強度を示す。すなわち、0次の次数は、−1次及び+1次の回折次数より高い強度を有する。しかしながら、これらの矢印が寸法を示すものでないことに留意する。また、認識されるであろう通り、回折次数のすべてが、例えば、投影システムPSの開口数及びパターニングデバイスへの照明の入射角度に応じて、投影システムPSによって取得されなくてもよい。
[0062] さらに、回折次数は、強度に加えて位相も有する。上述の通り、パターニングデバイスMAのトポグラフィ(例えば、理想的パターン特徴自体、パターニングデバイスのパターン面に亘る凹凸等)がパターン化放射に望ましくない位相を導入してしまうことがある。
[0063] このような位相は、例えば、焦点差及び画像シフトを生じることがある。焦点差は、放射ビームが偶数次収差(例えば、パターニングデバイスのトポグラフィによって生じる)を被る時に生じる。すなわち、偶数とは、−nの回折次数に対する位相と、対応する+nの回折次数に対する位相と、が略同一であることを意味する。放射ビームが奇数次収差を被る時、パターン画像は、リソグラフィ装置の光学軸を横断する方向に移動してもよい。すなわち、奇数とは、−nの回折次数に対する位相と、対応する+nの回折次数に対する位相と、が略同一の大きさを有するものの、符号が反対であることを意味する。この横断方向移動は、画像シフトと称されることがある。画像シフトは、コントラスト喪失、パターン非対称、及び/又は配置エラー(例えば、パターンが期待される箇所から水平方向にシフトすることにより、重畳エラーに繋がり得る)に繋がり得る。したがって、一般的には、回折次数の位相は、偶数位相寄与と奇数位相寄与とに分解可能であり、偶数位相分布は、通常、完全に偶数位相寄与であり、奇数位相分布は、通常、完全に奇数位相寄与であるか、偶数位相寄与と奇数位相寄与の組み合わせとなるであろう。
[0064] 焦点差、画像シフト、コントラスト喪失等は、リソグラフィ装置によってパターンを基板上に投影する精度を低下させてしまうことがある。したがって、本明細書に記載の実施形態では、焦点差、画像シフト、コントラスト喪失等を低減してもよい。
[0065] 特に、上述のパターニングデバイストポグラフィ誘起の位相及び強度は、各々、波面位相及び強度である。すなわち、位相及び強度は、瞳における回折次数にあり、すべての吸収体について存在する。上述の通り、このような波面位相及び強度により、例えば、焦点差及び/又はコントラスト喪失を生じ得る。
[0066] 波面位相は、このような位相シフトを生じるよう設計されたパターニングデバイス(例えば、位相シフトマスク)によって提供される、画像面、すなわち、基板レベルにおける意図的な位相シフト効果からは区別される。したがって、波面位相から区別されるように、位相シフト効果は、通常、いくつかの吸収体のみについて存在し、電界位相変化を生じる。例えば、放射ビームがパターニングデバイスの吸収体によって部分的に吸収される実施形態において、放射ビームが吸収体から出る際の位相シフトは、その放射と、隣接の間隙を通過する放射と、の間に導入されてもよい。位相シフト効果により、コントラスト喪失を生じることなく、パターニングデバイスを使用して形成された空間像のコントラストを好適に改善する。このコントラストは、例えば、吸収体を通過した放射の位相が吸収体を通過しなかった放射の位相とは90°異なる場合に最大となってもよい。
[0067] したがって、一実施形態において、本明細書中、パターニングデバイストポグラフィ誘起の位相及び/又は強度(波面位相及び/又は強度)情報(データ形式であるか、数学的記述等であるかを問わない)を使用するための種々の技術について検討する。一実施形態において、パターニングデバイストポグラフィ誘起位相(波面位相)を使用して、このような位相の効果を低減するための補正を行う。一実施形態において、このような補正には、パターニングデバイストポグラフィ誘起位相(波面位相)の効果を低減又は最小化するように、パターニングデバイストポグラフィを(再)設計することが含まれる。例えば、パターニングデバイス積層(例えば、パターニングデバイスを構成する1つ以上の要素/層、及び/又は、これらの1つ以上の要素/層を作成するプロセス)は、例えば、パターニングデバイストポグラフィ誘起位相(波面位相)の効果を低減又は最小化するために、層積層の屈折率、減光係数、側壁角度、特徴幅、ピッチ、厚さ、及び/又は、パラメータ(例えば、積層の組成、積層内の一連の層等)の点で調節される。一実施形態において、このような補正には、パターニングデバイストポグラフィ誘起位相(波面位相)の効果を低減又は最小化するために、1つ以上のリソグラフィ装置パラメータ(例えば、照明モード、開口数、位相、拡大等)に補正を適用することが含まれる。例えば、補償位相が、パターニングデバイスの下流側、例えば、リソグラフィ装置の投影システム内に導入されてもよい。一実施形態において、このような補正には、パターニングデバイストポグラフィ誘起位相(波面位相)の効果を低減又は最小化するために、リソグラフィ装置によって、パターニングデバイスに適用される照明のパターニングデバイスパターン及び/又は1つ以上のパラメータ(一般的に、照明モードを参照し、通常、放射の強度分布のタイプ又は詳細に関する情報、例えば、それが環状照明であるか、ダイポール照明であるか、クワドラポール照明であるか等)を調節することが含まれる。
[0068] さらなる実施形態において、パターニングデバイストポグラフィ誘起位相(波面位相)は、計算機リソグラフィの計算に適用される。換言すると、パターニングデバイストポグラフィ誘起位相(波面位相)と任意でパターニングデバイストポグラフィ誘起強度(波面強度)とは、例えば、リソグラフィ装置を使用して結像をシミュレートするのに使用されるシミュレーション/数学的モデルに導入される。したがって、このようなシミュレーション/数学的モデルに使用されるパターニングデバイストポグラフィの物理的寸法記述の代替又は追加として、パターニングデバイストポグラフィ誘起位相と任意でパターニングデバイストポグラフィ誘起強度とは、例えば、シミュレート空間像の生成のために、これらのシミュレーション/数学的モデルにおいて使用される。
[0069] したがって、これらの適用については、パターニングデバイストポグラフィ誘起位相(波面位相)が必要とされる。パターンの波面強度及び位相又はパターンの特徴を得るのに、そのパターン又は特徴は、Panoramic Technology,Inc.より入手可能なHyperlithソフトウェア等のリソグラフィシミュレーションツール内にプログラムされてもよい。シミュレータは、パターン又は特徴の近視野像を厳密に計算することができる。計算は、厳密結合波解析法(RCWA)によって行われてもよい。回折次数のため、収率強度及び位相の値にはフーリエ変換が適用されてもよい。これらの散乱係数は、その後、解析されて、位相を除去又は改善するために適用可能な補正を判定してもよい。特に、この解析では、回折次数に亘る位相範囲等、位相の大きさに注目してもよい。一実施形態において、補正は、位相の大きさを低減するように適用され、特に、回折次数に亘る位相範囲の大きさを低減するように適用される。
[0070] 解析では、位相の「フィンガプリント」及び/又は回折次数に亘る強度に注目してもよい。例えば、解析により、位相分布が回折次数に亘って略偶数であるか否か、例えば、0次について略対称であるか否かを判定してもよい。他の例として、解析では、位相分布が回折次数に亘って略奇数であるか否か、例えば、0次について略対称であるか否かを判定してもよい。位相分布が回折次数に亘って略奇数である場合、この位相分布は、上述の通り、奇数位相寄与と偶数位相寄与との組み合わせであってもよい。いずれの場合であっても、位相の「フィンガプリント」に類似した形状のパターン又はプロファイルが特定されてもよい。一実施形態において、このようなパターン又はプロファイルは、適切な基底関数又は固有関数のセットで記述される。基底関数又は固有関数の相応しさは、リソグラフィ装置での使用に対する関数の相応しさに応じて決まってもよく、又は主要な位相変動が記述可能な位相範囲に応じて決まってもよい。一実施形態において、このようなパターン又はプロファイルは、円の内側で直交する多項式関数のセットで記述される。一実施形態において、このようなパターン又はプロファイルは、ゼルニケ多項式関数(ゼルニケ係数を有する)、ベッセル関数、ミュラー行列、又はジョーンズ行列によって記述される。ゼルニケ多項式関数を使用して、望ましくない位相を低減又は除去するであろう適切な補正を位相に適用してもよい。例えば、m=0のゼルニケ多項式関数では、球面収差/補正を生じる。したがって、これらは、画像面の特徴依存焦点シフトを生じる。m=2のゼルニケ多項式関数では、非点収差/補正を生じる。m=1及びm=3のゼルニケ多項式関数は、各々、コマ及び3−foilと称される。これらは、x−y画像面に画像パターンのシフトと非対称性を生じる。
[0071] 図4A〜図4Eを参照すると、1.35の開口数を使用した法線入射193nm照明に露光された、種々のピッチにおける、薄いバイナリマスクの40nmラインに対する回折次数についてシミュレートしたパターニングデバイストポグラフィ誘起位相(波面位相)のグラフである。グラフは、波面位相が回折次数の関数としていかに変化するかを測定するシミュレーションの結果を示している。シミュレーションでは、上述の通り、193nmの照明に露光された時のマスクパターンの投影をモデル化したが、これは、例えば、Panoramic Technology,Inc.より入手可能なHyperlithソフトウェアを使用して実施されてもよい。位相はラジアン単位であり、回折次数については、0は0次の回折次数に対応し、図4A〜図4Dは、散乱次数を整数(m)として示し、図4Eは、ピッチで正規化された散乱次数(m/ピッチ)を示している。シミュレーションは、4つの異なるピッチ、すなわち、80ナノメートル(図4A)、90ナノメートル(図4B)、180ナノメートル(図4C)、及び400ナノメートル(図4D)を有するパターンについて実施した。ピッチ寸法は、従来の通り、リソグラフィ装置の投影システムPS(図1参照)の基板側でのピッチである。図4Eは、回折次数をピッチで正規化した時の、80nmグラフ、90nmグラフ、及び400nmグラフのデータポイントの組み合わせを示す。
[0072] 図4A及び図4Bを参照すると、位相分布は偶数である。さらに、位相がパターンを有することが観察された。例えば、それは、通常、ゼルニケZ4(すなわち、Nollインデックス4)で記述可能である。図4Cを参照すると、位相分布は偶数であり、パターンを有し、通常、ゼルニケZ9(すなわち、Nollインデックス9)で記述可能である。図4Dを参照すると、位相分布は偶数であり、パターンを有し、通常、より高次のゼルニケ、例えば、ゼルニケZ25(すなわち、Nollインデックス25)で記述可能である。図4Dを参照すると、80nmグラフ、90nmグラフ、及び400nmグラフのデータポイントの組み合わせが示されている。データポイントは、すべて、通常、400nmグラフの「曲線」に沿っていることが見受けられる。したがって、例えば、ゼルニケZ25(すなわち、Nollインデックス25)などのより高次のゼルニケ等、特定パターンがピッチの範囲に適用可能であってもよい。したがって、位相は、高度にピッチ依存的でないため、位相補正は、ゼルニケZ25(すなわち、Nollインデックス25)などの特定の高次ゼルニケを使用してピッチ範囲に適用可能である。
[0073] したがって、法線入射については、位相分布は、通常偶数となり、ベストフォーカスの喪失を生じる。さらに、位相はパターンを有し、これは、通常、例えば、ゼルニケZ4(すなわち、Nollインデックス4)、ゼルニケZ9(すなわち、Nollインデックス9)、及び/又は、例えば、ゼルニケZ25(すなわち、Nollインデックス25)等のより高次のゼルニケ等のゼルニケ多項式関数によって記述可能である。このような位相のパターンの記述は、さらに検討する通り、例えば、補正を行うために使用可能である。
[0074] 図5を参照すると、開口数1.35を使用してマスク上に種々の入手角で193nmの照明に露光された、400nmのピッチにおける薄いバイナリマスクの40nm線に対する回折次数についてシミュレートしたパターニングデバイストポグラフィ誘起位相(波面位相)のグラフである。グラフは、波面位相が回折次数の関数としていかに変化するかを測定するシミュレーションの結果を示している。シミュレーションでは、上述の通り、193nmの照明に露光された時のマスクパターンの投影をモデル化したが、例えば、Hyperlithソフトウェアを使用して実施されてもよい。位相は、ラジアン単位であり、回折次数は、0が0次の回折次数に対応する整数である。シミュレーションでは、−16.5°の入射角度に対応する−0.9のシグマと、0°の入射角度に対応する0のシグマと、16.5°の入射角度に対応する0.9のシグマとにおいて、照明を行い、実施した。
[0075] 図5を参照すると、0のシグマに対する位相分布は、(図4A〜図4Eに示される通り)偶数であり、通常、例えば、ゼルニケZ25(すなわち、Nollインデックス25)等、より高次のゼルニケによって記述可能である。しかしながら、−0.9のシグマについては、位相分布は、追加奇数コンポーネントを有し、通常、例えば、ゼルニケZ3(すなわち、Nollインデックス3)又はゼルニケZ7(すなわち、Nollインデックス7)等、奇数項自体に、又は偶数項に追加して、1つ以上の奇数項で記述可能である。同様に、0.9のシグマについては、位相分布は、追加奇数コンポーネントを有し、通常、例えば、ゼルニケZ3(すなわち、Nollインデックス3)又はゼルニケZ7(すなわち、Nollインデックス7)等、奇数項自体に、又は偶数項に追加して、1つ以上の奇数項で記述可能である。したがって、画像シフト(結果として、コントラスト喪失、パターン配置エラー等を生じる)は、画像形成に複数の入射角度が含まれ、奇数位相部分が入射角度毎に同一でない場合に生じるであろう。コントラスト喪失及びパターン配置エラーは、リソグラフィの最適化及び設計において相当のパラメータとなるため、位相効果の認識及び使用を用いて、コントラスト喪失及びパターン配置エラーの低減又は最小化を図ることができる。
[0076] パターニングデバイストポグラフィは、入射角度と同様に、側壁角度の変動を有することもある。側壁角度とは、基板に対する、吸収体特徴の側壁の角度をいう。したがって、例えば、図3を参照すると、吸収体302の特徴の側壁は、基板300に対して90°として示されている。側壁の変動は、入射角度の変動と同様の位相に対する影響を有する。例えば、側壁角度の変動は、奇数位相分布効果に繋がる。したがって、一実施形態において、側壁角度は、奇数位相分布効果を回避するために、名目上2°以内に制御される必要がある。一実施形態において、側壁角度は、照明入射角度範囲の5%以内に制御される必要がある。したがって、例えば、193nmの照明については、照明入射角度は、約−17°〜17°の範囲であってもよく、これにより側壁角度が2°以内、1.5°以内、又は1°以内に制御されなければならない。例えば、EUV照明については、照明入射角度は、約1.5°〜10.5°の範囲であってもよく、これにより側壁角度は、1°以内、0.5°以内、又は0.3°以内に制御されなければならない。しかしながら、側壁角度は、パターニングデバイストポグラフィ誘起位相を補正するため、90°以外の特定角度に意図的に(入射角度の追加又は代替として)変動されてもよい。
[0077] したがって、入射角度及び/又は側壁角度の範囲については、位相分布は、通常、奇数であり、ベストフォーカスの喪失のみならず、コントラスト喪失、焦点深さ喪失、パターン非対称、及び/又は、配置エラーも生じる。さらに、位相は、パターンを有し、これは、通常、例えば、ゼルニケZ3(すなわち、Nollインデックス3)及び/又はゼルニケZ7(すなわち、Nollインデックス7)等のゼルニケ多項式関数によって記述可能である。このような位相のパターンの記述は、さらに検討する通り、補正を行うために使用可能である。
[0078] さらに、位相は、入射角度及び/又は側壁角度に加え、パターン又はその特徴の特徴幅にも著しく依存する。特に、位相範囲は、通常、1/特徴幅に応じて寸法が決まる。通常、特徴幅は、パターン又は特徴の1つ以上の限界寸法(CD)であるため、位相範囲は1/CDに応じて寸法が決まる。
[0079] したがって、以上から、パターニングデバイストポグラフィ誘起位相効果は、高度にピッチに依存うるものでない。さらに、パターンのために適切なCDを選択し、入射角度を評価することにより、効果的な補正又は最適化を、パターニングデバイスの全体パターン、又は選択されたCDに関連付けられたその一部に適用され、そのパターンを使用した結像を改善又は最適化することができる。
[0080] したがって、その位相が補正対象であるパターニングデバイスのトポグラフィの測定値又はその他既知の値を使用することにより、光学波面位相が計算されてもよい。その後、波面位相情報が使用されて、例えば、リソグラフィ装置又はプロセス、及び/又は、パターニングデバイスのパラメータの変更に影響を及ぼすことができる。例えば、計算された光学波面位相情報は、リソグラフィ投影システムの光学システムのモデル(レンズモデルと称することもある)に組み込むことができる。
[0081] 収差の補正に使用されるレンズモデルの一例が、米国特許第7,262,831号に記載されており、その内容全体を参照としてここに組み込む。上述の通り、レンズモデルは、投影システムの光学要素の挙動の数学的記述である。
[0082] 全体収差は、球面収差、非点収差等、多数の異なるタイプの収差に分解可能である。全体収差は、各々が係数によって与えられた特定の大きさを備える、これらの異なる収差の合計である。収差は、結果として、波面の変形を生じ、異なるタイプの収差が、波面を変形させる異なる関数を表す。これらの関数は、径方向位置rにおける多項式関数と、mθのサイン又はコサインにおける角度関数との積の形態を採ってもよく、r及びθは極座標であり、mは整数である。このような関数展開の1つに、ゼルニケ多項式関数が異なるタイプの収差を表し、各収差の寄与がゼルニケ係数によって与えられるゼルニケ展開が挙げられる。
[0083] mθに依存する角度関数に偶数の値m(又は、m=0)を有するフォーカスドリフト及び収差等、特定タイプの収差は、投影画像を垂直(z)方向に変位させるように、装置の調整を有効にするため、画像パラメータによって補償可能である。コマ等の他の収差と奇数値mを有する収差は、水平面(x−y面)の画像位置における横方向シフトを生じるように、装置の調整を有効にするため、画像パラメータによって補償可能である。
[0084] これを達成するために、レンズモデルは、さらに、使用される特定レンズ配置に対して最適リソグラフィ性能を与え、多くのウェーハの露光中、リソグラフィ装置の重畳及び結像性能を最適化するためにともに使用可能な種々のレンズ調整要素の設定の指示を提供する。予測された画像パラメータオフセット(重畳、焦点等)は、画像パラメータにおける残りのオフセットがユーザ規定のリソグラフィ仕様(これは、例えば、重畳エラー及び焦点エラーに割り当てられる相対的重み付けを含み、スリットに亘る重畳エラー(dX)に対する最大割当値が、例えば、スリットに亘る焦点エラー(dF)に対する最大割当値と比較してどの程度、最適画質を示すメリット関数において考慮に入れられるかを判定する)に応じて最小化される調整信号を判定するためのオプティマイザに供給される。レンズモデルのパラメータは、オフラインで較正される。
[0085] リソグラフィ投影システムを使用した結像動作において使用される1つ以上のパラメータは、計算された光学波面位相情報を組み込んだモデルに基づいて、計算されてもよい。例えば、1つ以上のパラメータは、リソグラフィ投影システムの1つ以上の調節可能な光学パラメータを備えてもよい。一実施形態において、1つ以上のパラメータは、リソグラフィ投影システムの光学要素マニピュレータのためのマニピュレータ設定(例えば、光学要素を物理的に変形するアクチュエータ)を備える。一実施形態において、1つ以上のパラメータは、米国特許出願公開第2008−0123066号及び第2012−0162620号に記載のものなど、屈折率を変更する加熱/冷却の局所適用により、構成可能な位相を提供するように配置されたデバイスの設定を備えるが、これらはその内容全体を参照としてここに組み込む。一実施形態において、計算された光学波面位相情報は、ゼルニケ情報(例えば、ゼルニケ多項式関数、ゼルニケ係数、Nollインデックス等)の点で特徴を有する。一実施形態において、波面位相情報(例えば、奇数位相分布のゼルニケ表現を含む表現等)を使用して、パターンの1つ以上の特徴の配置を判定することができる。この配置は、例えば、配置エラーを生じさせることがあるが、これは、重畳エラーであることがある。この配置又は重畳のエラーは、パターン化ビームに対する基板の配置を変更するなど、従来の任意の技術を使用して補正されてもよい。
[0086] 例えば、位相が補正対象であるパターニングデバイスのトポグラフィの測定値又はその他既知の値を使用して、適用可能な位相のパターン(例えば、ゼルニケ多項式関数)及び位相の大きさ(例えば、回折次数に亘る位相範囲の大きさ)を特定することができる。この大きさに基づき、パターンに応じて適用された位相補正は、望ましくない位相を低減又は除去してもよい。一実施形態において、適用可能なパターンは、パターンの組み合わせ(例えば、ゼルニケZ4、Z9、及び/又は、Z25から選択された偶数位相分布パターンと、例えば、ゼルニケZ3、及び/又は、Z7から選択された奇数位相分布パターンの組み合わせ)を備えてもよい。パターンの組み合わせにおいて、重み付けがこれらのパターンのうちの1つ以上に適用されてもよい。例えば、一実施形態において、偶数奇数位相分布パターンよりも、奇数位相分布パターンにより高い重み付けが適用される。
[0087] 一実施形態において、補正は、回折次数のうちの1つ以上の亘る位相範囲の低減又は最小化を狙いとするものである。すなわち、図4A〜図4Eと図5を参照すると、内部に示された線は、「平坦化」されることが望ましい。換言すると、この補正は、内部に示された線(又は、それに関連付けられたデータ)を水平線(又は、水平線によって一般的に示されるデータ)に近づかせることを狙いとする。一実施形態において、1つ以上の回折次数は、十分な強度を備えた回折次数を備えてもよい。したがって、一実施形態において、十分な強度を備えた回折次数は、閾値強度を超過したものであってもよい。このような閾値強度は、最大強度の30%以下である強度、最大強度の25%以下である強度、最大強度の20%以下である強度、最大強度の15%以下である強度、最大強度の10%以下である強度、又は最大強度の5%以下である強度であってもよい。さらに、重み付けは、例えば、より高い強度を備えた1つ以上の回折次数に関連付けられた位相がより低い強度を備えた1つ以上の回折次数に関連付けられた位相を超えるべく補正されるように、強度によって種々の回折次数に適用されてもよい。
[0088] 法線入射放射に対するこのような位相の補正により、ベストフォーカスを改善してもよい。「ベストフォーカス」という用語は、最善コントラストを備えた空間像が得られる平面を意味するものとして解釈されてもよい。さらに、軸外照明(すなわち、放射が垂直以外の角度又は垂直に追加した角度である)及び/又は側壁角度のこのような位相の補正により、ベストフォーカスを改善してもよい。さらに、軸外照明及び/又は側壁角度は、2ビーム結像を生じる傾向を有する。したがって、軸外照明及び/又は側壁角度は、コントラスト喪失、焦点喪失の深さと、場合によってはパターン非対称及びパターン配置エラーを生じがちである。したがって、軸外照明及び/又は側壁角度の位相補正により、その他のこのような効果を改善してもよい。
[0089] 認識されるであろう通り、パターンの結像をプロセスウィンドウの境界から出し入れする1つ以上の「限界」特徴又は「ホットスポット」パターンが存在する場合、全体パターンに対する位相は判定される必要がない。したがって、位相はこのような「限界」特徴に対して判定されてもよく、したがって、この補正はこれらの「限界」特徴に集中されてもよい。したがって、一実施形態において、パターンがデバイスの設計レイアウトである場合、光学波面位相情報は、パターニングデバイスパターン(すなわち、設計レイアウト)の1つ以上のサブパターン又は特徴のみに対して特定される。
[0090] 一実施形態において、位相は、特徴幅の数、照明入射角度の数、側壁角度の数、及び/又は、ピッチの数について判定されてもよい。これらの間の値は、補間されてもよい。位相情報は、パターン上に「マップ」されてもよく、引いては、パターンの位相情報2次元セットを生じてもよい。この位相情報が解析され、適用可能なパターン(例えば、ゼルニケ多項式関数)と、補正のための位相の大きさ(例えば、回折次数に亘る位相範囲の大きさ)を特定してもよい。
[0091] 一実施形態において、パターントポグラフィの1つ以上の性質が測定されてもよく、この値を使用して、位相情報を生成してもよい。例えば、特徴幅、ピッチ、厚さ/高さ、側壁角度、屈折率、及び/又は、減光係数が測定されてもよい。これらの性質のうちの1つ以上は、米国特許出願公開第US2012−044495号に記載されるもの等の光学測定ツールを使用して測定されてもよく、その内容全体を参照としてここに組み込む。したがって、パターニングデバイスのメトロロジーを使用して、パターニングデバイストポグラフィ誘起位相を判定してもよく、これを使用して補正又は設計を行ってもよい(例えば、リソグラフィプロセスに適合するようにリソグラフィ装置のレンズモデルに適用される)。上述の特許出願に記載のデバイスは、散乱計又は散乱計ツールと称されることもある。このような測定デバイスの例には、オランダ国アイントホーフェンのASMLより入手可能なYieldstar製品が含まれる。あるいは、レチクルの3次元トポグラフィは、光学メトロロジーツール、走査型電子顕微鏡、又は原子間力顕微鏡を使用して測定されてもよい。散乱計ツールのさらなる詳細について、図17〜図19を参照して以下に説明する。
[0092] パターンの設計、パターンの露光プロセスの設計、及び/又は、デバイス製造プロセスの設計を行う時、デバイス製造プロセスの種々の態様をシミュレートする計算機リソグラフィが使用されてもよい。リソグラフィ及びデバイスパターンを含む製造プロセスをシミュレートするシステムにおいて、主要な製造システムコンポーネント及び/又はプロセスは、例えば、図6に示される通り、種々の機能モジュールで記述可能である。図6を参照すると、機能モジュールには、(例えば、超小型電子デバイスの)設計パターンを規定する設計レイアウトモジュール601、パーニングデバイスパターンが設計パターンに基づいていかに多角形にレイアウトされるかを規定するパターニングデバイスレイアウトモジュール602、シミュレーションプロセス中に利用されるピクセル化連続トーンパターニングデバイスの物性をモデル化するパターニングデバイスモデルモジュール603、リソグラフィシステムの光学コンポーネントの性能を規定する光学モデルモジュール604、与えられたプロセスにおいて利用されるレジストの性能を規定するレジストモデルモジュール605、及びレジスト後現像プロセス(例えば、エッチング)の性能を規定するプロセスモデルモジュール606が含まれてもよい。シミュレーションモジュールのうちの1つ以上のものの結果、例えば、予測された輪郭、CD等が結果モジュール607において提供される。シミュレーション中、上述のモジュールのうちの1つ、一部、又は全部が使用されてもよい。
[0093] 照明及び投影光学系の性質は、形状及び/又は偏光等、任意の特定照明源パラメータに加え、開口数及びシグマ(σ)の設定を含むが、これに限定されない光学モデルモジュール604において取得されるが、ここでσ(すなわち、シグマ)は、照明源形状の外側半径範囲である。基板上に被覆されたフォトレジスト層の光学性質、すなわち、屈折率、膜厚さ、伝播及び偏光効果も、光学モデルモジュール604の一部として取得されてもよく、一方でレジストモデルモジュール605は、例えば、基板上に形成されたレジスト特徴の輪郭を予測するために、レジスト露光、露光後焼付(PEB)、及び現像中に発生する化学プロセスの効果を記述する。パターニングデバイスモデルモジュール603は、ターゲット設計特徴がパターニングデバイスのパターンにいかにレイアウトされるかを取得し、例えば、その内容全体を参照としてここに組み込む、米国特許第7,587,704号に記載の通り、パターニングデバイスの詳細な物性の表現を含んでもよい。シミュレーションの目的は、例えば、縁部配置及び限界寸法(CD)を正確に予測することであり、これは、後に、ターゲット設計と比較可能である。ターゲット設計は、通常、OPC前ターニングデバイスレイアウトとして規定され、GDSII又はOASIS等、標準化デジタルファイル形式で提供されるであろう。
[0094] 一般的に、光学系とレジストモデルの間の連結は、レジスト層内でシミュレートされた空間像強度であり、これは、基板上の放射投影、レジスト界面における屈折、及びレジスト膜積層における多数の反射から生じる。放射強度分布(空間像強度)は、フォトンの吸収によって潜在「レジスト画像」に変えられ、拡散プロセスと種々の搭載効果によってさらに変更される。フルチップ適用に合う十分に迅速な効率的シミュレーション方法は、2次元空間(及びレジスト)画像により、レジスト積層における現実的3次元強度分布を近似する。
[0095] したがって、モデル式は、全体プロセスの既知の物理的且つ化学的性質のうち、すべてでないにしても、ほとんどを記述し、モデルパラメータは、各々、別個の物理的効果又は化学的効果に対応することが望ましい。したがって、モデル式では、全体製造プロセスをシミュレートするためにモデルをいかに良く使用することができるかということに関する上限を設定する。しかしながら、モデルパラメータは、時として、エラーの測定及び読取から不正確であることがあり、システム内にその他の欠陥が存在することがある。モデルパラメータを精密に較正することにより、非常に正確なシミュレーションを実施することができる。
[0096] したがって、計算機リソグラフィの実施時、パターニングデバイストポグラフィ(マスク3Dと称されることがある)は、例えば、パターニングデバイスモデルモジュール603及び/又は光学モデルモジュール604におけるシミュレーションに含まれてもよい。これは、パターニングデバイストポグラフィをカーネルのセットに転写することによって行われてもよい。パターンの各特徴縁部は、例えば、空間像を生成するため、これらのカーネルに畳み込まれる。例えば、その全体を参照としてここに組み込む、米国特許出願公開第2014/0195993号を参照のこと。したがって、精度は、カーネルの数に応じて決まる。精度(例えば、使用されるカーネルの数)対シミュレーションの稼働時間において、トレードオフが行われるであろう。このようなシミュレーションについてのさらなる関連技術が米国特許第7,003,758号に記載されており、その内容全体を参照としてここに組み込む。
[0097] そこで、一実施形態において、パターニングデバイストポグラフィ誘起位相と任意でパターニングデバイストポグラフィ誘起強度とが計算機リソグラフィに使用され、パターニングデバイスパターンの3次元トポグラフィの結像効果を判定してもよい。したがって、図6Bを参照すると、一実施形態において、パターニングデバイストポグラフィによって生じた光学波面位相及び強度が、610で計算されてもよい。したがって、一実施形態において、複数の瞳位置又は回折次数について、リソグラフィパターニングデバイスのパターンの特徴の3次元トポグラフィによって生じた光学波面位相及び強度の情報が得られる。例えば、複数の入射角度、複数の側壁角度、複数の特徴幅、複数の特徴厚さ、パターン特徴の複数の屈折率、パターン特徴の複数の減光係数等について、リソグラフィパターニングデバイスのパターンの特徴の3次元トポグラフィによって生じたこのような光学波面位相及び強度の情報が得られてもよい。
[0098] そして、615にて、このような光学波面位相及び強度の情報が、カーネルの代替又は追加として、計算機リソグラフィの計算において使用されてもよい。一実施形態において、光学波面位相及び強度の情報は、計算器リソグラフィの計算においてカーネルとして表されてもよい。そこで、620にて、コンピュータプロセッサを使用し、光学波面位相及び強度の情報に基づいて、パターニングデバイスパターンの3次元トポグラフィの結像効果が演算されてもよい。一実施形態において、結像効果の計算は、考慮中のパターニングデバイスパターンに関連付けられた回折パターンの計算に基づく。したがって、一実施形態において、結像効果の演算には、リソグラフィプロセスの特性である複数の設計変数の多変数関数を演算することが含まれ、ここで多変数関数は、計算された光学波面位相と強度の情報の関数である。設計変数には、パターンの照明の特性(例えば、偏光、照明強度分布、線量等)、投影システムの特性(例えば、開口数)、パターンの特性(例えば、屈折率、物理的寸法等)等が含まれてもよい。
[0099] 一実施形態において、パターニングデバイスのトポグラフィの結像効果を演算することは、パターニングデバイスパターンのシミュレート画像を演算することを備える。例えば、一実施形態において、「点光源」−δ関数(強度振幅Aと位相Φをパラメータとして有する)は、パターニングデバイストポグラフィを近似するシミュレーションにおいて、パターンの特徴の縁部に設計されてもよい。例えば、シミュレーションには、以下の通り、照明の透過関数を使用してもよい。
[0100] 以上に検討した通り、パターニングデバイストポグラフィ誘起位相は、少なくとも、限界寸法、側壁角度、及び/又は、放射の入射角度によって決まる。一実施形態において、この光学波面位相のデータのプロット又は収集の範囲は、パターンの入射角度又はパターンの特徴の範囲について計算されて、計算機リソグラフィ計算で使用される。一実施形態において、この光学波面位相のデータのプロット又は収集の範囲は、パターン又はパターンの特徴の限界寸法の範囲について、パターン又はパターンの特徴のピッチの範囲について、パターン又はパターンの特徴の側壁角度の範囲について、追加又は代替で計算され、計算機リソグラフィ計算に使用される。一実施形態において、光学波面位相は、Hyperlithソフトウェア等のシミュレータを使用して厳密に計算される。必要に応じて、間の値が補間されてもよい。これらのデータの位相プロット又は収集は、高い精度で事前計算されてもよく、パターニングデバイストポグラフィの完全物理情報を効果的に含んでもよい。そして、パターニングデバイスパターンの3次元トポグラフィの結像効果は、パターンの回折パターン(パターンに応じた特徴である)を使用し、演算された光学波面位相情報を加算して計算可能である。
[0101] したがって、一実施形態において、リソグラフィパターニングデバイスのパターンの3次元トポグラフィによって生じる、計算された光学波面位相及び強度の情報を取得することと、コンピュータプロセッサを使用して、計算された光学波面位相及び強度の情報に基づき、パターニングデバイスパターンの3次元トポグラフィの結像効果を演算することと、を備える方法を提供する。一実施形態において、光学波面位相及び強度の情報を取得することは、パターンの3次元トポグラフィ情報を取得することと、3次元トポグラフィ情報に基づき、3次元トポグラフィによって生じた光学波面位相及び強度の情報を計算することと、を備える。一実施形態において、光学波面位相及び強度の情報を計算することは、リソグラフィ装置の照明プロファイルに関連付けられた回折パターンに基づく。一実施形態において、光学波面位相及び強度の情報を計算することは、光学波面位相及び強度の情報を厳密に計算することを備える。一実施形態において、3次元トポグラフィは、吸収体の高さ又は厚さ、屈折率、減光係数、及び/又は、吸収体の側壁角度から選択される。一実施形態において、3次元トポグラフィは、同一性質の異なる値を備える多層構造を備える。一実施形態において、光学波面位相情報は、パターンの複数の限界寸法に対する光学波面位相情報を備える。一実施形態において、光学波面位相情報は、照明放射の複数の入射角度及び/又はパターンの側壁角度に対する光学波面位相情報を備える。一実施形態において、光学波面位相情報は、パターンの複数のピッチに対する光学波面位相情報を備える。一実施形態において、光学波面位相情報は、複数の瞳位置又は回折次数に対する光学波面位相情報を備える。一実施形態において、パターニングデバイスのトポグラフィの結像効果を演算することは、パターニングデバイスパターンのシミュレート画像を演算することを備える。一実施形態において、この方法は、さらに、パターンの結像のコントラストを改善するために、リソグラフィパターニングデバイスを使用したリソグラフィプロセスに関連付けられたパラメータを調整することを備える。一実施形態において、パラメータは、パターニングデバイスのパターンのトポグラフィのパラメータ、又は、パターニングデバイスの照明のパラメータである。一実施形態において、この方法は、位相変動を最小化するために、パターニングデバイスの屈折率、パターニングデバイスの減光係数、パターニングデバイスの吸収体の側壁角度、パターニングデバイスの吸収体の高さ又は厚さ、又はそれらから選択される任意の組み合わせを調節することを備える。一実施形態において、計算された光学波面位相情報は、回折次数に亘る奇数位相分布、又は、それらの数学的記述を備える。
[0102] したがって、上述の通り、光学波面位相情報で補われた計算機リソグラフィを使用するか、又は従来の計算機リソグラフィを使用するかを問わず、パターニングデバイストポグラフィ誘起位相(波面位相)の補正を行うことが望ましい。いくつかのタイプの補正についてはすでに上述しており、いくつかの追加タイプの補正には、パターニングデバイス/照明調節(放射源マスク最適化と称されることもある)を使用した、パターニングデバイス積層の調節、パターニングデバイスレイアウトの調節、及び/又は、パターニングデバイスの照明の調節が含まれる。
[0103] パターニングデバイス/照明(放射源マスク最適化)は、通常、パターニングデバイストポグラフィの要因となるものではなく、あるいは、寸法のターニングデバイストポグラフィライブラリを使用する。すなわち、このライブラリには、パターニングデバイストポグラフィに由来するカーネルのセットが含まれる。しかしながら、上述の通り、これらのカーネルは、近似値である傾向にあるため、所望の稼働時間を得るために精度が犠牲にされる。
[0104] したがって、一実施形態において、パターニングデバイス/照明調節計算には、パターニングデバイストポグラフィ誘起位相(波面位相)情報が含まれる。そこで、パターニングデバイス吸収体の衝撃は、回折次数における位相によって記述可能である。したがって、パターニングデバイストポグラフィ誘起位相(波面位相)は、必要なすべての情報を含む。
[0105] 一実施形態において、パターニングデバイス/照明調節計算には、上述の計算器リソグラフィのように、パターニングデバイストポグラフィ誘起位相(波面位相)情報が含まれる。すなわち、数学的/シミュレーション計算には、パターニングデバイストポグラフィ誘起位相(波面位相)情報が含まれる。いくつかの基本的特徴については、最適パターニングデバイス/照明モードの組み合わせを計算するには、位相を使用するので十分であることがある。
[0106] 一実施形態において、追加又は代替として、パターニングデバイストポグラフィ誘起位相(波面位相)情報は、パターニングデバイス/照明調節計算のチェック又は制御として使用される。例えば、一実施形態において、パターニングデバイストポグラフィ誘起位相(波面位相)情報は、照明、パターニングデバイス、及び/又は、その他のリソグラフィパラメータの程度を限定するか、又は、その限定を規定するために使用され、従来のパターニングデバイス/照明調節プロセスは、その程度の範囲内で実施されるか、又は、その程度によって制約される。例えば、パターニングデバイストポグラフィ誘起位相(波面位相)情報は、複数の入射角度について取得され、解析されて、パターニングデバイストポグラフィ誘起位相(波面位相)が許容可能である許容可能角度範囲を特定してもよい。そして、従来のパターニングデバイス/照明調節プロセスは、その角度範囲において実施されてもよい。一実施形態において、従来のパターニングデバイス/照明調節プロセスは、パターニングデバイスのレイアウトと照明モードとの1つ以上の組み合わせの提示を生じてもよい。これらの1つ以上の組み合わせの1つ以上のパラメータは、パターニングデバイストポグラフィ誘起位相(波面位相)情報に対して試験されてもよい。例えば、提示された照明モードの入射角度が閾値を超える位相の大きさを生じる場合、種々の入射角度についての回折次数に対するパターニングデバイストポグラフィ誘起位相(波面位相)のグラフを使用して、その照明モードを除外してもよい。
[0107] 図7を参照して、パターニングデバイス/照明調節の方法の一例としての実施形態を説明する。701において、リソグラフィ問題を規定する。リソグラフィ問題は、基板上に印刷される特定パターンを示す。このパターンを使用して、リソグラフィ装置のパターンを調節(例えば、最適化)し、照明システムの適正な構成を選択する。これは、パターン、例えば、密集特徴及び分散特徴を同時にグループ化するパターンに含まれる積極的構成を代表することが望ましい。
[0108] 702において、パターンのプロファイルを計算するシミュレーションモデルが選択される。一実施形態において、シミュレーションモデルには、空間像モデルが含まれてもよい。その場合、フォトレジスト上への入射放射エネルギー分布の分布が計算されるであろう。空間像の計算は、フーリエ光学のスケーラ形態又はベクタ形態のいずれかで行われてもよい。特に、シミュレーションは、Prolith、Solid−C等のソフトウェア等、市販のシミュレータの補助により、実施されてもよい。開口数又は特定パターンのようなリソグラフィ装置の異なる要素の特性が、シミュレーションのための入力パラメータとして入力されてもよい。Lumped Parameter Model又はVariable Thredshold Resistモデルのような異なるモデルが使用されてもよい。
[0109] この特定実施形態では、空間像シミュレーションを稼働する関連パラメータには、ベストフォーカス面が存在する面までの距離、照明システムの空間部分コヒーレンスの程度の測定値、照明の偏光、デバイス基板を照明する光学システムの開口数、光学システムの収差、及びパターニングデバイスを表す空間透過機能の記述が含まれてもよい。一実施形態において、上述の通り、関連パラメータには、パターニングデバイストポグラフィ誘起位相(波面位相)情報が含まれてもよい。
[0110] 702において選択されたシミュレーションモデルの使用は、例えば、レジストプロファイルの計算に限定されるものでないことが理解されなければならない。このシミュレーションモデルは、プロセス寛容度、密集/分散特徴バイアス、サイドローブプリンティング、パターニングデバイスエラーに対する感応性等のような追加/捕捉応答を抽出するために実施されてもよい。
[0111] この方法は、モデルとそのパラメータ(パターン及び照明モードの初期条件を含む)を規定した後に703へと進み、ここでシミュレーションモデルが稼働されて応答を計算する。一実施形態において、シミュレーションモデルは、演算リソグラフィに関して、上述の通り、パターニングデバイストポグラフィ誘起位相(波面位相)情報に基づく計算を実施してもよい。そこで、一実施形態において、シミュレーションモデルは、リソグラフィプロセスの特性である複数の設計変数の多変数関数を具体化するものであり、この設計変数には、パターンに対する照明の特性とパターンの特性とが含まれ、多変数関数は、計算された光学波面位相情報の関数である。
[0112] 704において、照明モードの1つ以上の照明条件(例えば、強度分布のタイプの変更、σ等の強度分布のパラメータの変更、線量の変更等)及び/又はパターニングデバイスパターンのレイアウト又はトポグラフィの1つ以上の態様(例えば、バイアス付与、光学近接補正の追加、吸収体厚さの変更、屈折率又は減光係数の変更等)は、この応答の解析に基づいて調整される。
[0113] 本実施形態において計算される応答は、例えば、基板上のレジストの所望のパターンの特徴をプリントすることに成功させるのに十分なコントラストが存在するか否かを判定するために、1つ以上のリソグラフィの測定基準に対して評価されてもよい。例えば、空間像は、焦点範囲を通じて解析することにより、露光寛容度と焦点深さの推定値を提供することができ、この手順は、最善の光学条件に達するように反復的に実施可能である。実際には、空間像の品質は、正規化画像ログ勾配測定基準(NILS)であってもよく、例えば、特徴サイズに正規化されてもよいコントラスト又は空間像のログ勾配(ILS)測定基準を使用して判定されてもよい。この値は、画像強度(又は、空間像)の勾配に対応する。一実施形態において、リソグラフィ測定基準は、限界寸法の均一性、露光寛容度、プロセスウィンドウ、プロセスウィンドウの寸法、マスクエラー増大因子(MEEF)、正規化画像ログ勾配(NILS)、エッジ配置エラー、及び/又は、パターン忠実度測定基準を備えてもよい。
[0114] 以上に検討した通り、一実施形態において、パターニングデバイストポグラフィ誘起位相(波面位相)情報を使用して、応答の計算を評価又は制約してもよい。例えば、一実施形態において、パターニングデバイストポグラフィ誘起位相(波面位相)情報を使用して、照明、パターニングデバイス、及び/又は、その他のリソグラフィパラメータの程度を限定するか、又は限定を規定し、従来のパターニングデバイス/照明調節プロセスは、その程度の範囲内で実施されるか、又は応答を生成する程度によって制約される。例えば、パターニングデバイストポグラフィ誘起位相(波面位相)情報は、複数の入射角度について取得され、解析されて、パターニングデバイストポグラフィ誘起位相(波面位相)が許容可能である許容可能角度範囲を特定してもよい。そして、従来のパターニングデバイス/照明調節プロセスは、その角度範囲内で実施されてもよい。一実施形態において、従来のパターニングデバイス/照明調節プロセスは、応答として、パターニングデバイスパターン構成と照明モードの1つ以上の組み合わせの提示を生じてもよい。これらの1つ以上の組み合わせの1つ以上のパラメータは、パターニングデバイストポグラフィ誘起位相(波面位相)情報に対して試験されてもよい。例えば、提示された照明モードについての入射角度が閾値を上回る位相の大きさを生じる場合、種々の入射角度について回折次数に対するパターニングデバイストポグラフィ誘起位相(波面位相)のグラフを使用して、その照明モードを除外してもよい。
[0115] 705において、シミュレーション/計算、応答の判定、及び応答の評価は、ある終了条件が満たされるまで繰り返されてもよい。例えば、値が最小化又は最大化されるまで、調整が継続してもよい。例えば、限界寸法、露光寛容度、コントラスト等のリソグラフィ測定基準について、設計指標(例えば、ある第1の値を下回り、及び/又は、ある第2の値を上回る限界寸法など)を満たすか否かが評価されてもよい。リソグラフィ測定基準が設計指標を満たさない場合、調整が継続してもよい。一実施形態において、調整のため、パターニングデバイストポグラフィ誘起位相(波面位相)情報が使用又は取得(例えば、計算)されてもよい。
[0116] さらに、パターニングデバイス/照明調節に加え、リソグラフィ装置又はプロセスの1つ以上の他のパラメータが調節されてもよい。例えば、開口数、収差パラメータ(例えば、ビーム経路における収差を調節可能なデバイスに関連付けられるパラメータ)等、リソグラフィ装置の投影システムの1つ以上のパラメータが調節されてもよい。
[0117] したがって、一実施形態において、リソグラフィパターニングデバイスのパターンの放射による照明について、パターンの3次元トポグラフィによって生じる、計算された光学波面位相情報を取得することと、光学波面位相情報に基づき、コンピュータプロセッサを使用して、照明のパラメータを調整し、及び/又は、パターンのパラメータを調整することと、を備える方法を提供する。一実施形態において、この方法は、さらに、調整された照明及び/又はパターンパラメータについて、パターンの3次元トポグラフィによって生じる、計算された光学波面位相情報を取得することと、照明のパラメータを調整すること、及び/又は、パターンのパラメータを調整することと、を備え、取得すること及び調整することは、ある終了条件が満たされるまで繰り返される。一実施形態において、調整することは、光学波面位相情報に基づき、リソグラフィ測定基準を計算することと、リソグラフィ測定基準に基づき、照明及び/又はパターンのパラメータを調整することと、を備える。一実施形態において、リソグラフィ測定基準は、限界寸法均一性、露光寛容度、プロセスウィンドウ、プロセスウィンドウの寸法、マスクエラー増大因子(MEEF)、正規化画像ログ勾配(NILS)、縁部配置エラー、又はパターン忠実度測定基準から選択される1つ以上を備える。一実施形態において、取得することは、照明放射の複数の異なる入射角度について、計算された光学波面位相情報を取得することを備え、調整することは、計算された光学波面位相情報に基づき、入射照明放射の許容可能角度範囲を規定することと、規定された角度範囲内で照明及び/又はパターンのパラメータを調整することと、を備える。一実施形態において、調整することは、照明/パターニングデバイス最適化を実施することを備える。一実施形態において、調整することは、リソグラフィプロセスの特性である複数の設計変数の多変数関数を演算することを備え、設計変数には、パターンへの照明の特性とパターンの特性とが含まれ、多変数関数は、計算された光学波面位相情報の関数である。
[0118] 一実施形態において、基板上にリソグラフィパターニングデバイスのパターンの少なくとも一部を結像するリソグラフィプロセスを改善する方法であって、パターンの3次元トポグラフィによって生じる、計算された光学波面位相情報を取得することと、演算プロセッサを使用して、リソグラフィプロセスの特性である、パターンの照明の特性とパターンの特性とが含まれる複数のパラメータの、計算された光学波面位相情報の関数である多変数関数を演算することと、規定された終了条件が満たされるまで、パラメータのうちの1つ以上を調整することにより、リソグラフィプロセスの特性を調整することと、を備える方法を提供する。
[0119] 一実施形態において、調整することは、リソグラフィプロセスの特性である複数の設計変数のさらなる多変数関数を演算することをさらに備え、さらなる多変数関数は、計算された光学波面位相情報の関数でない。一実施形態において、多変数関数は、パターンの限界領域のために使用され、さらなる多変数関数は、非限界領域のために使用される。一実施形態において、調整することにより、パターンの結像のコントラストを改善する。一実施形態において、計算された光学波面位相情報は、回折次数に亘る奇数位相分布、又はその数学的記述を備える。一実施形態において、取得することは、パターンの3次元トポグラフィ情報を取得することと、3次元トポグラフィ情報に基づき、3次元トポグラフィによって生じた光学波面位相情報を計算することと、を備える。一実施形態において、パターンは、デバイスの設計レイアウトであり、光学波面位相情報は、パターンのサブパターンのみのために特定される。一実施形態において、この方法は、照明のパラメータを調整することを備え、照明のパラメータを調整することは、照明の強度分布を調整することを備える。一実施形態において、この方法は、パターンのパラメータを調整することを備え、パターンのパラメータを調整することは、光学近接補正特徴及び/又は解像度向上技術をパターンに適用することを備える。一実施形態において、光学波面位相情報は、放射の複数の入射角度及び/又はパターンの側壁角度に対する光学波面位相情報を備える。一実施形態において、取得することは、光学波面位相情報を厳密に計算することを備える。
[0120] パターニングデバイス積層調節(例えば、最適化)は、主として製造性態様(例えば、エッチング)を見ることによって行われる。パターニングデバイスを使用した結像が調節の一部である場合、これは、露光寛容度等、1つ以上の派生結像性能指数を使用して行われる。これらの派生結像性能指数は、特徴及び照明設定に依存する。調節のために派生結像性能指数(例えば、露光寛容度)を使用する時、調節は、特徴、照明設定等に応じて決まるため、派生調節積層がすべての結像関連トピックに関して基本的によりよいものであるか否かは明確でないことがある。
[0121] したがって、露光寛容度等の派生結像測定基準を評価する代わりに、又はこの追加として、パターニングデバイストポグラフィ誘起位相(波面位相)が評価される、1つ以上のパターニングデバイス積層性質(例えば、屈折率、減光係数、吸収体又はその他の高さ/厚さ、側壁角度等)に対するパターニングデバイストポグラフィ誘起位相(波面位相)の依存度を評価することにより、マスク3D誘起位相の大きさを低減又は最小化する、改善されたパターニングデバイス積層を特定することができる。このように派生したマスク積層は、基本的に、すべての特徴及び/又は照明の設定に対する複数の結像性質についてより良好となってもよい。
[0122] 図8Aを参照すると、バイナリマスクと、法線入射193nmの照明に露光された約6%のMoSi吸収体を有する最適化位相シフトマスクとに対する回折次数について(回折効率に関して)シミュレートされた強度のグラフが示されている。図8Bを参照すると、バリナリマスクと、法線入射193nmの照明に露光された約6%のMoSi吸収体を有する位相シフトマスクとに対する回折次数についてシミュレートされた位相のグラフが示されている。これらのグラフは、バイナリマスク800と位相シフトマスクの結果を示している。
[0123] 図8A及び図8Bのグラフは、回折効率及び波面位相が、各々、回折次数の関数としていかに変化するかを測定するシミュレーションの結果を示している。シミュレーションモデルは、上述の通り、193nmの照明で露光された時、マスクパターンの投影に繋がり、例えば、Panoramic Technology,Inc.から入手可能なHyperlithソフトウェアを使用して実施されてもよい。位相は、ラジアン単位であり、回折次数は、0が0次の回折次数に対応する整数である。バイナリマスク800と位相シフトマスク802についてシミュレーションを実施した。
[0124] 図8Aを参照すると、2つの異なるマスク800、802が回折次数の範囲に亘ってかなり匹敵する回折効率性能を提供するものであることが見て取れる。さらに、位相シフトマスク802に対する回折効率は、1次及び2次の回折次数よりも僅かに高い。そこで、より薄い吸収体802がバイナリマスク800よりも良好な性能を提供することがある。
[0125] 以下、図8Bを参照すると、バイナリマスク800及び位相シフトマスク802は、回折次数の範囲に亘ってかなり異なる波面位相性能を提供することが見て取れる。特に、回折次数のうちの1つ以上に亘る位相の範囲は、通常、バイナリマスク800に比べて、位相シフトマスク802について低減される。すなわち、回折次数に亘る位相範囲は、バイナリマスク800に比べて、位相シフトマスク802について低減又は最小化される。これは、図8B中において、位相シフトマスク802に対する線がバイナリマスク800に対する線に比べて略「平坦」となっていることから見て取れる。換言すると、位相シフトマスク802に対する線は、通常、バイナリマスク800よりも水平線に近い。
[0126] 図9Aを参照すると、法線入射193nm照明に露光されたバイナリマスクについてシミュレートされたパターニングデバイストポグラフィ誘起位相(波面位相)(単位はラジアン)対回折次数(0次の回折次数が7.5に対応する)のグラフが示されている。グラフは、呼び厚さ、呼び厚さより−6nm薄い厚さ、呼び厚さより6nm厚い厚さという3つの異なる吸収体厚さについてのバイナリマスクの結果を示している。このグラフは、より薄い吸収体(−6nm)に関して、その線が他に比べてより平坦であるため、僅かにより良好な性能を生じることを示している。
[0127] 以下、図9Bを参照すると、吸収体厚さの効果のより具体的な詳細が見て取れる。図9Bは、図9Aのバイナリマスクに対する呼び厚さ(ナノメートル単位)からの吸収体厚さの変動に対してシミュレートされたパターニングデバイストポグラフィ誘起位相(波面位相)(単位はラジアン)のグラフを示す。このグラフ中、3つの異なる性能指数が位相対回折次数のグラフに適用される。第1の性能指数は、合計位相範囲(「Total」−差込を参照のこと)である。第2の性能指数は、ピークの範囲である(「Peak」−差込を参照のこと)。また、第3の性能指数は、高次の範囲である(「High Order」−差込を参照のこと)。図9Bに関して、ピーク(「Peak」)に対する位相範囲はほぼ一定であることが見て取れる。しかしながら、高次(「High Order」)については、位相範囲は、吸収体厚さとともに増加し、引いては、高次は、本質的に合計位相範囲(「Total」)における変動を推進する。そこで、これらの性能指数のうちの1つ以上を使用して、パターニングデバイス積層の構成を推進することができる。例えば、位相範囲を低減するには、高次の性能指数にはより薄い吸収体を推奨する。したがって、例えば、高次の性能指数の最小値(又は、その5%、10%、15%、20%、25%、又は30%の範囲内の値)は、バイナリマスクの適切な厚さを実原してもよい。しかしながら、ピーク位相範囲は、本質的に、図示の厚さに亘ってゼロ以外の数の定数であるため、高次の位相範囲を低減すること、又は非常に厚い厚さを使用することという、実際には製造可能でも有用でもない方法を除いて、位相範囲の低減において、あったとしてもさほど多くの追加利得を得ることはない。したがって、屈折率及び/又は減光係数の変動が要求されてもよい。
[0128] 図10Aを参照すると、法線入射193nm照明で露光された6%のMoSi吸収体(すなわち、異なる屈折率を備えたパターニングデバイス)を有する位相シフトマスクについてシミュレートされたパターニングデバイストポグラフィ誘起位相(波面位相)(単位はラジアン)対回折次数(0次の回折次数が7.5に対応する)のグラフが示されている。グラフは、呼び厚さ(最適数であり、図8A及び図8Bの位相シフトマスク802に対応する)、呼び厚さより−6nm薄い厚さ、呼び厚さより6nm厚い厚さの3つの異なる吸収体厚さに対する結果を示している。このグラフは、呼び厚さに関して、その線が他に比べてより平坦であるため、僅かにより良好な性能を生じることを示している。
[0129] 以降、図10Bを参照すると、吸収体厚さの効果のより具体的な詳細が見て取れる。図10Bは、図10Aの6%のMoSi吸収体を有する位相シフトマスクに対する呼び厚さ(ナノメートル単位)からの吸収体厚さに対してシミュレートされたパターニングデバイストポグラフィ誘起位相(波面位相)(単位はラジアン)のグラフを示す。図9Bのグラフと同様に、「Total」、「Peak」、及び「High Order」という3つの異なる性能指数が位相対回折次数のグラフに適用されるものとして特定されている。
[0130] 図10Bに関して、ピーク(「Peak」)、高次(「High Order」)、及び合計(「Total」)の位相範囲がすべて変動していることが見て取れる。したがって、積層を調節するには、これらの性能指数のうちの1つ以上を使用して、パターニングデバイス積層の構成を推進することができる。例えば、ピーク性能指数は、位相範囲を低減するための積層の構成を推進してもよい。したがって、例えば、ピーク性能指数の最小値(又は、その5%、10%、15%、20%、25%、又は30%の範囲内の値)は、マスクの適切な厚さ(例えば、図10Bの呼び厚さ)を実現してもよい。あるいは、1を上回る数の性能指数を使用して、パターニングデバイス積層の構成を推進してもよい。そこで、調節プロセスには、1を上回る数の性能指数を含む共通最適化問題(恐らく、ある性能指数に対して与えられ、及び/又は、ある性能指数に適用される閾値を超過しない適切な重み付けを備える)が含まれてもよい。したがって、例えば、共通最適化の最小値(又は、その5%、10%、15%、20%、25%、又は30%の範囲内の値)は、マスクの適切な厚さを実現してもよい。
[0131] 認識されるであろう通り、異なる屈折率、異なる減光係数等を備えるパターニングデバイス吸収体に同一の解析が適用され、パターニングデバイス積層を調節(例えば、最適化)してもよい。そこで、屈折率、減光係数等の特定の組み合わせに対する厚さについて上述した最適化に加え、厚さ、減光係数等の特定の組み合わせに対する異なる屈折率、厚さ、屈折率等の特定の組み合わせに対する異なる減光係数等に対して、同様の最適化を実施することができる。そして、これらの結果は、共通最適化関数において使用され、調節済み(例えば、最適)積層に到達してもよい。また、パターニングデバイストポグラフィの物理的パラメータについて説明したが、パターニングデバイストポグラフィを形成するパラメータは、同様に考慮されてもよい(エッチング等)。
[0132] 図11を参照すると、図8A及び図8Bの非最適化位相シフトマスク1100及び位相シフトマスク802の空間像シミュレーションについてシミュレートされたベストフォーカス差(ナノメートル単位)対ピッチ(ナノメートル単位)を示すグラフが示されている。図11に見て取れる通り、位相シフトマスク802は、位相シフトマスク800と比較して実質的に低いベストフォーカス差を提供し、約80〜110ナノメートルのピッチで、顕著なパターニングデバイストポグラフィ誘起ベストフォーカス差を補償する。
[0133] 図12A及び図12Bを参照すると、薄い吸収体を有するバイナリマスクと、図8A及び図8Bの位相シフトマスク802に対応する約6%のMoSi吸収体を有し、且つ、図10Aの呼び厚さを有する位相シフトマスクとの、性能の比較が示されている。ここで、比較は、種々の照明入射角度についても示されている。したがって、図12Aは、−16.5°の入射角度に対応する−0.9のシグマ、0°の入射角度に対応する0のシグマ、16.5°の入射角度に対応する0.9のシグマにおいて193nm照明に露光されたバイナリマスクについてシミュレートされたパターニングデバイストポグラフィ誘起位相(波面位相)(単位はラジアン)対回折次数のグラフを示している。このグラフは、各照明角度について示しており、位相範囲△は、かなり顕著であり、合計位相範囲と、ピーク位相範囲と、ある程度の高次位相範囲とを含む。したがって、このバイナリマスクは、コントラスト喪失をもたらし、顕著な差異全焦点差を有する。
[0134] 図12Bは、−16.5°の入射角度に対応する−0.9のシグマと、0°の入射角度に対応する0のシグマと、16.5°の入射角度に対応する0.9のシグマと、において、193nm照明に露光された、図8A及び図8Bの位相シフトマスク802に対応する約6%のMoSi吸収体を有し、図10Aの呼び厚さを有する位相シフトマスクについてシミュレートされたパターニングデバイストポグラフィ誘起位相(波面位相)(単位はラジアン)対回折次数(整数の形式)のグラフを示す。グラフは、各照明角度について示しており、位相範囲△は、回折異数に亘ってかなり狭いため、このマスクは低いコントラスト喪失、低いベストフォーカス差、低い配置エラー、及び比較的低いパターン非対称性をもたらす。
[0135] 図13A及び図13Bを参照すると、薄い吸収体を有するバイナリマスクと、図8A及び図8Bの位相シフトマスク802に対応する約6%のMoSi吸収体を有し図10Aの呼び厚さを有する位相シフトマスクと、のベストフォーカス及びコントラストの比較が示されている。ここでは、パターンの密集特徴1300とパターンの半分散特徴1302との比較も示されている。したがって、図13Aは、193nm照明に露光されたバイナリマスクについて測定された線量感度(単位はnm/mJ/cm)対ベストフォーカス(単位はnm)のグラフを示す。左側の線量感度尺度は、密集特徴1300のものであり、右側の線量感度尺度は、半分散特徴1302のものである。このグラフは、例えば、密集特徴1300の線量感度の最小値(矢印1304で示される)は、半分散特徴1302の線量感度の最小値(矢印1306で示される)と著しく異なるベストフォーカスにある。
[0136] 図13Bは、図8A及び図8Bの位相シフトマスク802に対応する約6%のMoSi吸収体を有し、図10Aの呼び厚さを有する位相シフトマスクについてのベストフォーカス(単位はnm)に対して測定された線量感度(単位はnm/mJ/cm)のグラフを示している。左側の線量感度尺度は、密集特徴1300のものであり、右側の線量感度尺度は、半分散特徴1302のものである。図13Aと比較すると、このグラフは、例えば、密集特徴1300(矢印1304によって示される)の線量感度の最小値が半分散特徴1302(矢印1306によって示される)の線量感度の最小値のベストフォーカスに近いベストフォーカスにあることを示している。さらに、ベストフォーカスの範囲に亘る密集特徴及び半分散特徴の線量感度は、バイナリマスクより位相シフトマスクについて実質的に低くなる。実際には、線量感度は、半分散特徴について、水平方向矢印で示される通り、実質的に著しく低減される。図13Bは、ベストフォーカス範囲が図13Aのベストフォーカス範囲(約−190nm〜0nm)と比較して密集特徴及び半分散特徴(約−190nm〜−50nm)について著しく低減されることも示している。そこで、図8A及び図8Bの位相シフトマスク802に対応する約6%のMoSi吸収体を有し、図10Aの呼び厚さを有する調節済み位相シフトマスクは、ベストフォーカス及びコントラストにおいて著しい利得を提供することができる。
[0137] 図14A及び図14Bを参照すると、ピッチを通じて22nmの線/空間パターンを有するEUVについてシミュレートされたパターニングデバイストポグラフィ誘起位相(波面位相)(単位はラジアン)対回折次数のグラフが示されている。図14Aは、第1の方向における特徴(垂直特徴)についての結果を示しており、図14Bは、第1の方向に略直交する第2の方向における特徴(水平特徴)についての結果を示している。EUV配置では、マスクが反射型であり、主光線は、パターニングデバイスに対してゼロ以外且つ90°以外でパターニングデバイスに入射する。一実施形態において、主光線角度は、約6°である。したがって、図14Bを参照すると、位相分布は、通常、常に、主光線の入射角度により、水平特徴(図5にについて以上に検討した非法線入射角度と同様に)について奇数となる(引いては、例えば、ゼルニケZ2又はZ7のパターンを使用して補正されてもよい)。さらに、図14Aを参照すると、位相分布は、通常、垂直特徴について偶数となる(引いては、例えば、ゼルニケZ9又はZ16のパターンを使用して補正されてもよい)。
[0138] 図15A及び図15Bを参照すると、ピッチを通じて、且つ、角度を有する主光線に対する種々の角度について、22nmの線/空間パターンを有するEUVマスクについてシミュレートされたパターニングデバイストポグラフィ誘起位相(波面位相)(単位はラジアン)対回折次数のグラフである。図15Aは、第1の方向における特徴(垂直特徴)についての結果を示しており、図15Bは、第1の方向に略直交する第2の方向における特徴(水平特徴)についての結果を示している。図15Aにおいて主光線角度(この場合、6°)に対して−4.3°〜4.5の角度の範囲について見て取れる通り、位相分布は、実質的に、垂直特徴について偶数となり、引いては、例えば、ゼルニケZ9又はZ16のパターンを使用して補正されてもよい。さらに、図15Bを参照すると、位相分布は、主光線角度(この場合、6°)に対して−4.3°〜4.5°の角度の範囲の水平特徴について奇数となり、引いては、例えば、ゼルニケZ2又はZ7のパターンを使用して補正されてもよい。
[0139] したがって、一実施形態において、吸収体の特性は、EUVマスクのパターニングデバイストポグラフィ誘起位相(波面位相)の補正を助けるように修正されてもよいが、パターニングデバイストポグラフィ誘起位相(波面位相)を補正するためのさらなる方法には、水平線に関連付けられた奇数位相分布に対処し、フェーディングを緩和する軸外照明を提供することが挙げられる。例えば、ダイポール照明(適切な位置にポールを備える)は、水平線及び垂直線の双方のためのものであるが、水平線により相応しい照明を提供することができる。図16は、0.33の開口を有し、0.2のリング幅を備えたダイポール照明を使用するEUVリソグラフィ装置のためのパターニングデバイスの種々の線及び空間のパターンについてシミュレートされた変調伝達関数(MTF)対コヒーレンスを示している。線1600は、16ナノメートルの線及び空間のパターンについての結果を示しており、線1602は、13ナノメートルの線及び空間のパターンについての結果を示しており、線1604は、12ナノメートルの線及び空間のパターンについての結果を示しており、線1606は、11ナノメートルの線及び空間のパターンについての結果を示している。MTFは、投影システムで取得した1次の拡散放射の量の測定値である。図16のグラフにおけるコヒーレンス値は、角度を有する主光線に対して種々の線及び空間のパターンのダイポール照明のポール位置(σ)の中央を与える。そこで、図16から、EUV放射で照明された16nm以上の線及び空間のパターンについて、最大変調を維持しつつ、パターニングデバイストポグラフィ誘起位相を制御するために、角度を有する主光線に対して比較的低い角度(コヒーレンス>0.3)を選択することができる。比較では、193nmについては、40nmの線及び空間のパターンでは、σ=0.9(17°の入射角度)を必要としてもよい。
[0140] さらに、例えば、EUV放射については、パターニングデバイストポグラフィ誘起位相(波面位相)効果は、方向(例えば、垂直特徴又は水平特徴)毎のみでなく、ピッチ毎でも異なり得る。異なる特徴の方向及び異なるピッチについては、ベストフォーカス差、Bossung曲線傾斜、ピッチを通じたコントラスト差、及び/又は、焦点差の深さが存在する。
[0141] 一実施形態において、位相を評価する技術(例えば、性能指数、共通最適化等の使用)は、本明細書の他の実施形態に適用されてもよく、垂直パラメータは、パターニングデバイス積層性質の代わりか、又はその追加として、照明放射の入射角度、側壁角度、限界寸法等である。
[0142] したがって、一実施形態において、リソグラフィパターニングデバイスのパターンの3次元トポグラフィによって生じた光学波面位相情報を取得することと、光学波面位相情報に基づき、コンピュータプロセッサを使用して、パターンの物理的パラメータを調整することと、を備える方法を提供する。一実施形態において、このパターンは、デバイスの設計レイアウトであり、光学波面位相情報は、パターンのサブパターンのみに対して特定される。一実施形態において、方法は、さらに、パターンの調整された物理的パラメータについて、パターンの3次元トポグラフィによって生じた光学波面位相情報を取得することと、パターンの物理的パラメータのパラメータを調整することと、を備え、取得することと調整することとは、ある終了条件が満たされるまで繰り返される。一実施形態において、調整することにより、パターンの結像のコントラストを改善する。一実施形態において、計算された光学波面位相情報は、回折次数に亘る奇数位相分布か、又はその数学的記述を備える。一実施形態において、調整することは、リソグラフィパターニングデバイスのパターンの3次元トポグラフィによって生じる位相の最小値を判定することを備える。一実施形態において、物理的パラメータは、屈折率、減光係数、側壁角度、厚さ、特徴幅、ピッチ及び/又は層積層のパラメータ(例えば、シーケンス/組成/等)から選択された1つ以上を備える。一実施形態において、物理的パラメータを調整することは、吸収体のライブラリからパターンの吸収体を選択することを備える。一実施形態において、光学波面位相情報を取得することは、光学波面位相情報を厳密に計算することを備える。
[0143] そこで、一実施形態においては、パターニングデバイストポグラフィ誘起位相(波面位相)を使用して、パターニングデバイス積層を調節(最適化)する。特に、波面位相効果は、吸収体調節(例えば、最適化)によって緩和されてもよい。一実施形態において、以上に検討した通り、最適化された吸収体厚さを備える透過性位相シフトマスクが基板上での波面位相及びリソグラフィの性能に関して最善の性能を与えることがある一方で、不透明なバイナリマスクは望ましくないことがある。
[0144] また、EUVパターニングでバスについて、奇数位相分布効果によるコントラスト喪失は、照明モード調節(例えば、最適化)によって最善となるよう緩和されてもよい。
[0145] 一実施形態において、パターニングデバイス同士の差異は、パターニングデバイストポグラフィ誘起位相(波面位相)を使用して調節(例えば、最適化)されてもよい。すなわち、個別の各パターニングデバイスのパターニングデバイストポグラフィ誘起位相(波面位相)情報は、比較又はモニタされて、パターニングデバイス間の差を認識し、例えば、リソグラフィプロセスのパラメータに補正を適用して(例えば、パターニングデバイスのうちの1つ以上に補正を適用し、照明モードに変化を適用し、リソグラフィ装置の補償位相を適用する等)、それらを同様の性能にする(性能を「より悪化」させるか、又は「より良好」にすることが含まれてもよい)。そこで、一実施形態において、(1つ以上の同様の限界パターン、特徴、又は構造)の異なるパターニングデバイス間の位相の差異をモニタリングすることと、判定された差異を補償するリソグラフィプロセスを調節すること(例えば、パターニングデバイスのうちの1つ以上に対する補正、照明モードへの変更、リソグラフィ装置の補償位相の適用等)と、を提供する。このアプローチは、名目上同一のパターニングデバイスに有用に適用されてもよい。すなわち、製造者が特定のパターニングデバイスの複数の「コピー」を有する場合、パターニングデバイスの製造又は処理の変動が、結果として、異なる位相性能を生じ得る。例えば、1つのコピーは他の代替とされてもよく、又は特別な大量生産の場合、多くのコピーがいくつかの異なるリソグラフィシステムで並行して使用されてもよい。そこで、パラメータの調整を通じて、僅かに異なるパターニングデバイスをより類似させて実施させることが有用となることがある。
[0146] 一実施形態において、パターニングデバイスに亘る変動は、パターニングデバイストポグラフィ誘起位相(波面位相)を使用して調節(例えば、最適化)されてもよい。すなわち、パターニングデバイス上の異なるパターン又は領域のパターニングデバイストポグラフィ誘起位相(波面位相)情報が比較され、領域間の差異を認識し、例えば、補正をリソグラフィプロセスのパラメータに適用し(例えば、パターニングデバイスの領域のうちの1つ以上に対する補正、照明モードへの変更、リソグラフィ装置の補償位相の適用等)、それらを同様の性能にしてもよい(性能を「より悪化」させるか、又は「より良好」にすることが含まれてもよい)。そこで、一実施形態において、例えば、1つ以上の同様の限界パターン、特徴、又は構造についてパターニングデバイスに亘る位相の差異のモニタリングを行うことと、判定された差異を補償するためにリソグラフィプロセスを調節すること(例えば、パターニングデバイスのうちの1つ以上の補正、照明モードの変更、リソグラフィ装置の補償位相の適用等)と、を提供する。この補償は、例えば、リソグラフィ装置のスキャン動作中、動的に実施されてもよい。パターニングデバイスは、基板上で相対的に操作及び結像されるため、このように、パターニングデバイスの異なる領域が異なる位相補償を経る。一例として、一方側ではまばらであり、他方側では密集したパターンか、又はマスクパターンに亘って限界寸法が変動するパターンは、スキャンの進行に合わせて位相効果の変化を示すことがある。このタイプのスキャン位置による変動は、本明細書に記載の通り、結像パラメータを調整することにより、その場で補償可能である。
[0147] そこで、これらの技術のうちの1つ以上は、リソグラフィ装置が基板上にパターン又は複数のパターンを投影する精度の顕著な改善を提供してもよい。
[0148] 波面位相を補正する、例えば、吸収体厚さを変更することによって焦点差に対処する、本明細書の技術のうちのいくつかは、パターニングデバイスを使用して形成される空間像のコントラストを低減してもよい。いくつかの適用領域において、これは、顕著な関心事ではないことがある。例えば、リソグラフィ装置が論理回路を形成するパターンの結像に使用されている場合、コントラストは、焦点差より重要度が低いと考えられることがある。焦点差の改善によってもたらされる利点(例えば、より良好な限界密度均一性)は、コントラストの低減をより重大であると考えられる。例えば、リソグラフィのメリットに重み付けを行う適切な最適化関数を使用して、均衡(例えば、最適化)に到達してもよい。例えば、一実施形態において、パターニングデバイスによって提供される位相シフトと、これが提供するコントラストの改善と、は例えば、パターニングデバイストポグラフィ誘起位相の補正時、パターニングデバイストポグラフィ誘起位相とともに考慮に入れられてもよい。パターニングデバイストポグラフィ誘起位相の低減をもたらしつつ、必要な程度のコントラストを提供する譲歩が見出されてもよい。
[0149] 上述の実施形態において、吸収材料は、通常、単一の材料として説明を行った。しかしながら、吸収材料は、1つを上回る数の材料であってもよい。この材料は、例えば、層として提供されてもよく、例えば、交互の層の積層として提供されてもよい。屈折率又は減光係数を変化させるには、所望の屈折率/減光係数を有する異なる材料が適合されてもよく、ドーパントが、吸収体材料の成分の相対的比率(例えば、モリブデン及びシリサイドの比率)で、吸収体材料に添加されてもよい。
[0150] 図2を参照して上述した検査装置について再び参照すると、図17は、散乱計SM1の一実施形態を示している。それは、放射プロジェクタ1702を備え、広帯域(白色光)プロジェクタであってもよく、検査中の基板1706上に放射を投影する。認識されるであろう通り、通常の適用では、基板は、その上部に検査ターゲットを有するプリントウェーハである。しかしながら、本発明の文脈では、検査中の基板は、パターニングデバイス基板である。反射された放射は、分光法検出器1704に伝えられ、鏡面反射放射のスペクトル1710(すなわち、波長の関数としての強度の測定値)を測定する。このデータから、検出されたスペクトルを引き起こす構造又はプロファイルは、処理部PUにより、例えば、厳密結合波解析法及び非線形回帰で、又は、図17に示される通り、シミュレートされたスペクトルのライブラリとの比較で、再構築されてもよい。一般的に、再構築については、構造の一般的形式が既知であり、いくつかのパラメータが、構造が作られたプロセスの知識から推定され、少数の構造パラメータのみが、散乱計データから判定されるように残される。このような散乱計は、法線入射散乱計又は傾斜入射散乱計として構成されてもよい。
[0151] 散乱計SM2の他の実施形態を図18に示す。本デバイスにおいて、放射源1802からの放射は、レンズシステム1812を使用して、干渉フィルタ1813及び偏光板1817を通じて集光され、部分反射面1816によって反射され、開口数(NA)の多い、望ましくは、少なくとも0.9又は少なくとも0.95である顕微鏡対象レンズ1815を介して基板上に集光される。液浸散乱計は、1を上回る開口数を備えたレンズを有してもよい。そして反射された放射は、散乱スペクトルを検出させるために、部分反射面1816を通って検出器1818を透過してもよい。検出器は、後方投影瞳面1811に配置されてもよく、これはレンズ1815の焦点距離にあるが、瞳面は、代わりに、補助光学系(図示せず)により、検出器1818上条に再結像されてもよい。瞳面は、放射の径方向位置が入射角度を規定する平面であり、この角度位置が放射の方位角を規定する。検出器は、基板ターゲットの2次元角度散乱スペクトル(すなわち、散乱角の関数としての強度の測定値)が測定可能となるように、2次元検出器であることが望ましい。検出器1818は、例えば、CCDセンサ又はCMOSセンサのアレイであってもよく、例えば、フレーム毎に40ミリセカンドの積分時間を有する。
[0152] 多くの場合、参照ビームを使用して、入射放射の強度を測定する。このためには、放射ビームが部分反射面1816に入射する時、その一部は、参照ミラー1814に向かう参照ビームとして、その面を透過する。その後、参照ビームは、同一の検出器1818の異なる部分に投影される。
[0153] 1つ以上の干渉フィルタ1813は、例えば、405〜790nmかそれ以下、例えば、200〜300nmの範囲の関心対象波長を選択するために利用可能である。干渉フィルタは、異なるフィルタのセットを備えるのでなく、調節が可能であってもよい。1つ以上の干渉フィルタの代替又は追加として、格子が使用可能である。
[0154] 検出器1818は、単一波長(又は、より狭い波長範囲)における散乱放射の強度、複数の波長における個別の強度、又は波長範囲に亘って積分された強度を測定してもよい。さらに、検出器は、横磁気型(TM)と横電気型(TE)偏光放射の強度、及び/又は、横磁気型と横電気型変更放射間の位相差を別に測定してもよい。
[0155] 広帯域放射源1802(広範囲に亘る放射周波数又は波長を備え、それ故に色付きであるもの)を使用することが可能であり、これにより大きな拡張をもたらし、複数の波長の混合を生じる。広帯域における複数の波長は、各々、δλと、少なくとも2δλ(すなわち、波長帯域幅の2倍)の間隔とを有することが望ましい。放射のいくつかの「放射源」は、例えば、ファイバ束を使用して分割された拡張放射源の異なる部分であってもよい。このように、角度解析散乱スペクトルは、平行な複数の波長で測定されてもよい。3Dスペクトル(波長と2つの異なる角度)が測定されてもよく、これには2Dスペクトルを上回る情報が含まれる。これにより、メトロロジープロセスのロバスト性を増すより多くの情報が測定される。これは、米国特許出願公開第US2006−0066855号により詳細に記載されており、その文書の内容全体を参照としてここに組み込む。
[0156] ビームがターゲットによって再誘導される前後に、ビームの1つ以上の性質を比較することにより、基板の1つ以上の性質が判定されてもよい。これは、例えば、再誘導されたビームを基板のモデルを使用して計算された論理的再誘導ビームと比較し、測定された再誘導ビームと計算された再誘導ビームとの間で最善の合致を与えるモデルを検索することにより、行われてもよい。通常、パラメータ化された汎用モデルが使用され、最善の合致が得られるまで、例えば、パターンの幅、高さ、及び側壁角度等のモデルのパラメータが変動される。
[0157] 2つの主要なタイプの散乱計が使用される。分光散乱計は、広帯域放射ビームを基板上に誘導し、特に狭い角度範囲に分散される放射のスペクトル(波長の関数としての強度)を測定する。角度分解された散乱計は、単色放射ビームを使用し、拡散された放射の強度(又は、偏光解析構成の場合、強度比と位相差)を角度の関数として測定する。あるいは、異なる波長の測定信号が別に測定され、解析段階で組み合わせられてもよい。偏光放射を使用して、同一の基板から1つを上回る数のスペクトルを生成してもよい。
[0158] 基板の1つ以上のパラメータを判定するために、最善の合致は、通常、基板のモデルから生成された論理スペクトルと波長(分光散乱計)又は角度(角度分解散乱計)のいずれかの関数として、再誘導ビームによって生成された測定スペクトルとの間で見出される。最善の合致を見出すため、種々の方法が存在し、これらは組み合わせられてもよい。例えば、第1の方法は、反復検索方法であり、モデルパラメータの第1のセットを使用して第1のスペクトルを計算し、測定されたスペクトルとの比較を行う。そして、モデルパラメータの第2のセットが選択され、第2のスペクトルが計算され、第2のスペクトルの測定されたスペクトルとの比較が行われる。これらのステップは、最善の合致スペクトルを与えるパラメータのセットを見出すことを目標に繰り返される。通常、比較から得られた情報を使用して、パラメータの次のセットの選択を操作する。このプロセスは、反復検索技術として既知である。最善の合致を与えるパラメータのセットを伴うモデルは、測定された基板の最善の記述であると考えられる。
[0159] 第2の方法は、スペクトルのライブラリを作成するものであり、各スペクトルは、モデルパラメータの特定セットに対応する。通常、モデルパラメータのセットは、可能な基板性質のバリエーションをすべて又はほぼすべて網羅するように選択される。測定されたスペクトルは、ライブラリ内のスペクトルと比較される。反復検索方法と同様に、最善の合致を与えるスペクトルに対応するパラメータのセットを備えたモデルは、測定された基板の最善の記述であると考えられる。補間技術を使用して、このライブラリ検索技術における最善のパラメータのセットをより正確に判定してもよい。
[0160] いずれの方法においても、各スペクトルのために、通常、80〜800までのデータポイントの間で正確な合致を可能にするために、計算されたスペクトルにおいて十分なデータポイント(波長及び/又は角度)を使用しなければならない。反復方法を使用すると、各パラメータ値の各反復には、80以上のデータポイントにおける計算が含まれるであろう。これは、正確なプロファイルパラメータを取得するのに必要な反復の数で乗算される。そこで、多数の計算が要求されることがある。実際には、これは、処理の精度とスピードの間の譲歩に繋がる。ライブラリアプローチにおいて、ライブラリのセットアップに要求される精度と時間の間にも同様の譲歩が存在する。
[0161] 上述の散乱計のいずれかにおいて、基板上のターゲットは、現像後、バーが固形レジスト線で形成されるようにプリントされる格子であってもよい。あるいは、バーは、基板にエッチングされてもよい。ターゲットパターンは、リソグラフィ投影装置等における焦点、線量、重畳、色収差等、関心対象のパラメータに対して感応であるように選択され、関連パラメータの変動がプリントされたターゲットの変動として現れるようにする。例えば、ターゲットパターンは、リソグラフィ投影装置、特に、投影システムPLにおける色収差及び照明の対称性に対して感応であってもよく、このような収差の存在は、それ自体が、プリントされたターゲットパターンの変動に現れる。したがって、プリントされたターゲットパターンの散乱計データを使用して、ターゲットパターンを再構築する。線幅及び形状等、ターゲットパターンのパラメータは、プリントステップ及び/又はその他の散乱計プロセスの知識に基づき、処理部PUによって実施される再構築プロセスに入力されてもよい。
[0162] 本明細書中、散乱計の実施形態を説明したが、一実施形態において、その他のタイプのメトロロジー装置が使用されてもよい。例えば、米国特許出願公開第2013−0308142号に記載の暗視野メトロロジー装置を使用してもよく、その内容全体を参照としてここに組み込む。さらに、これらの他のタイプのメトロロジー装置は、散乱計とは完全に異なる技術を使用してもよい。
[0163] 図19は、従来の慣例により基板に形成された一例としての複合メトロロジーターゲットを示している。複合ターゲットは、メトロロジー装置の照明ビームによって形成された測定スポット1931内にすべて収まるように、ともに接近して配置された4つの格子1932、1933、1934、1935を備える。そして、4つのターゲットは、すべて、同時に照明され、センサ1904、1918上に同時に結像される。重畳測定に特化した例では、格子1932、1933、1934、1935は、それ自体が、基板上に形成された半導体デバイスの異なる層にパターン化された格子を重畳することによって形成された複合格子である。格子1932、1933、1934、1935は、複合格子の異なる部分が形成される層間の重畳測定を促進するために、異なってバイアスの掛けられた重畳オフセットを有してもよい。格子1932、1933、1934、1935は、また、到来する放射をX方向及びY方向に回折するように、図示の通り、その向きが異なってもよい。一例において、格子1932及び1934は、各々、+d、−dのバイアスを備えたX方向格子である。これは、格子32が、重畳コンポーネントともにそれらの法線位置に正確にプリントされた場合には、コンポーネントの一方が他方に対して距離dほどオフセットするように配置される重畳コンポーネントを有することを意味する。格子1934は、完全にプリントされた場合、第1の格子とは反対方向であるものの、dのオフセットが存在するように配置されたコンポーネントを有する。格子1933及び1935は、各々、オフセット+d及び−dを備えたY方向の格子であってもよい。4つの格子が図示されているが、他の実施形態では、所望の精度を得るために、より大きなマトリクスが含まれてもよい。例えば、3×3列で9個の複合格子が、−4d、−3d、−2d、−d、0、+d、+2d、+3d、+4dのバイアスを有してもよい。これらの格子の別の画像が、センサ194、1918によって取得された画像内に特定可能である。
[0164] 本明細書に記載のメトロロジーターゲットは、例えば、Yieldstarのスタンドアロン型又は一体型のメトロロジーツール等のメトロロジーツール、及び/又は、通常、TwinScanリソグラフィシステムとともに使用されるもの等のアライメントターゲットとともに使用されるよう設計された重畳ターゲットであってもよく、これらはともにASMLから入手可能である。実際には、検査中のパターニングデバイスには、それ自体を波面位相効果に誘起するようなターゲットが含まれてもよい。しかしながら、さらに広く考えると、パターニングデバイス上の特徴は、散乱計によって照明される時、メトロロジーターゲットに対する測定の適用の理解をパターニングデバイスの他の特性の測定に同様に適用するのと同じように、散乱計光と相互作用するであろう。
[0165] 一実施形態において、放射ビームBは偏光される。放射ビームが偏光されない場合、放射ビームを構成する異なる偏光が、顕著なパターニングデバイストポグラフィ誘起効果(例えば、焦点差)が観察されないように、パターニングデバイストポグラフィに誘起される焦点差を低減又は取り消してもよい。しかしながら、偏光放射ビームが使用されることが望ましく、放射ビームが偏光される場合、低減又は取消は発生しなくてもよく、本明細書に記載の一実施形態のように使用され、パターニングデバイストポグラフィ誘起効果を低減してもよい。偏光放射は液浸リソグラフィにおいて使用されてもよいため、本明細書に記載の実施形態は、液浸リソグラフィにおいて好都合に使用されてもよい。EUVリソグラフィ装置の放射ビームは、通常、その主光線について、例えば、約6°の角度を有し、結果として、異なる偏光状態で放射ビームに対して異なって寄与する。結果として、反射されたビームは、2つの偏光方向で異なるため、(少なくともある程度は)偏光されていると考えることができる。したがって、本発明の実施形態は、EUVリソグラフィに対して好都合に使用されてもよい。
[0166] 一実施形態において、パターニングデバイスには、機能パターン(すなわち、動作デバイスの一部を形成するパターン)が設けられてもよい。代替又は追加として、パターニングデバイスには、機能パターンの一部を形成しない測定パターンが設けられてもよい。測定パターンは、例えば、機能パターンの一方側に配置されてもよい。測定パターンを使用して、例えば、リソグラフィ装置の基板テーブルWT(図1を参照のこと)に対するパターニングデバイスのアライメントを測定してもよく、又はこれを使用して、その他何らかのパラメータ(例えば、重畳)を測定してもよい。本明細書に記載の技術は、このような測定パターンに適用されてもよい。したがって、例えば、一実施形態において、測定パターンを形成するために使用される吸収材料は、機能パターンを形成するのに使用される吸収材料と同一であってもよく、又は異なってもよい。他の例として、測定パターンの吸収材料は、放射ビームの略完全吸収を提供する材料であってもよい。他の例として、測定パターンの形成に使用される吸収材料には、機能パターンの形成に使用される吸収材料とは異なる厚さが設けられてもよい。
[0167] 本明細書において検討するコントラストには、空間像に関しては、画像ログ勾配(ILS)及び/又は正規化画像ログ勾配(NILS)が含まれ、レジストに関しては、線量感度及び/又は露光寛容度が含まれる。
[0168] 説明という点では、パターニングデバイストポグラフィ誘起位相(波面位相)のみについて検討してもよいが、このような参照には、パターニングデバイストポグラフィ誘起強度(波面強度)の使用が含まれてもよいことが理解されなければならない。同様に、パターニングデバイストポグラフィ誘起強度(波面強度)のみについて検討してもよいが、このような参照には、パターニングデバイストポグラフィ誘起位相(波面位相)の使用が含まれてもよいことが理解されなければならない。
[0169] 本明細書において使用する「最適化する」、「最適化している」及び「最適化」という用語は、リソグラフィの結果及び/又はプロセスが、基板上への設計レイアウトの投影精度の向上、プロセスウィンドウの大型化等、より望ましい特性を有するように、リソグラフィプロセスパラメータを調整することを意味する。
[0170] 本発明の一実施形態は、本明細書に開示の方法を記述した機械読み取り式命令の1つ以上のシーケンスを含むコンピュータプログラムか、又はこのようなコンピュータプログラムを記憶したデータ記憶媒体(例えば、半導体メモリ、磁気ディスク又は光学ディスク)の形態を採ってもよい。さらに、この機械読み取り式命令は、2つ以上のコンピュータプログラムに実装されてもよい。この2つ以上のコンピュータプログラムは、1つ以上の異なるメモリ及び/又はデータ記憶媒体に記憶されてもよい。
[0171] このコンピュータプログラムは、例えば、図1の結像装置とともに、又はその内部に含まれてもよく、及び/又は、図2の制御ユニットLACUとともに、又はその内部に含まれてもよい。例えば、図1及び図2に示されるタイプのような既存の装置が、すでに製造及び/又は使用されている場合、一実施形態は、装置のプロセッサに本明細書に記載の方法を実施させる更新済みコンピュータプログラム製品を提供することによって実施可能である。
[0172] 1つ以上のコンピュータプログラムがリソグラフィ装置の少なくとも1つのコンポーネント内にある1つ以上のコンピュータプロセッサによって読み出される時に、本明細書に記載するあらゆるコントローラは各々、又は組み合わせて動作可能になる。コントローラは各々、又は組み合わせて、信号を受信、処理、送信するのに適した任意の構成を有する。1つ以上のプロセッサは、コントローラの少なくとも1つと通信するように構成されている。例えば、各コントローラは、上記方法のための機械読み取り式命令を含むコンピュータプログラムを実行する1つ以上のプロセッサを含むことができる。コントローラは、そのようなコンピュータプログラムを記憶するデータ記憶媒体及び/又はそのような媒体を収容するハードウェアを含むことができる。したがって、コントローラは、1つ以上のコンピュータプログラムの機械読み取り式命令にしたがって動作することができる。
[0173] 光リソグラフィの分野での本発明の実施形態の使用に特に言及してきたが、本発明は文脈によってはその他の分野、例えばインプリントリソグラフィでも使用することができ、光リソグラフィに限定されないことを理解されたい。インプリントリソグラフィでは、パターニングデバイス内のトポグラフィが基板上に作成されたパターンを画定する。パターニングデバイスのトポグラフィは基板に供給されたレジスト層内に刻印され、電磁放射、熱、圧力又はそれらの組み合わせを印加することでレジストは硬化する。パターニングデバイスはレジストから取り除かれ、レジストが硬化すると、内部にパターンが残される。
[0174] さらに、本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及しているが、本明細書で説明するリソグラフィ装置には他の用途もあることを理解されたい。例えば、これは、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用誘導及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造である。こうした代替的な用途に照らして、本明細書で「ウェーハ」又は「ダイ」という用語を使用している場合、それぞれ、「基板」又は「ターゲット部分」という、より一般的な用語と同義と見なしてよいことが、当業者には認識される。本明細書に述べている基板は、露光前又は露光後に、例えばトラック(通常はレジストの層を基板に塗布し、露光したレジストを現像するツール)、メトロロジーツール及び/又はインスペクションツールで処理することができる。適宜、本明細書の開示は、以上及びその他の基板処理ツールに適用することができる。さらに基板は、例えば多層ICを生成するために、複数回処理することができ、したがって本明細書で使用する基板という用語は、すでに複数の処理済み層を含む基板も指すことができる。
[0175] 以下の条項を使用して、本発明がさらに説明されてもよい。
1.リソグラフィパターニングデバイスのパターンの特徴の3次元トポグラフィを測定することと、前記測定から、前記パターンの前記3次元トポグラフィによって生じた波面位相情報を計算することと、を備える方法。
2.前記測定から、前記パターンの前記3次元トポグラフィによって生じた波面強度情報を計算することをさらに備える条項1に記載の方法。
3.前記3次元トポグラフィを測定することは、限界寸法、ピッチ、側壁角度、吸収体高さ、屈折率、減光係数、吸収体積層シーケンス、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される特徴を測定することを備える条項1又は2に記載の方法。
4.前記リソグラフィパターニングデバイスの前記パターンの前記特徴の前記測定3次元トポグラフィを使用して、前記パターニングデバイスが使用されるリソグラフィシステムの調節可能なパラメータの調整セットを判定することをさらに備える条項1〜3のいずれかに記載の方法。
5.前記パターニングデバイスと前記調整リソグラフィシステムとを使用して、基板上に配された放射感応性材料にパターンを結像することをさらに備える条項4に記載の方法。
6.前記リソグラフィパターニングデバイスの前記パターンの前記特徴の前記測定3次元トポグラフィを使用して、前記リソグラフィシステムの波面位相情報をシミュレートする条項1〜5のいずれかに記載の方法。
7.前記計算された波面位相情報は、ゼルニケ情報に特徴付けられる条項1〜6のいずれかに記載の方法。
8.前記計算された波面位相及び情報は、ベッセル関数、ジョーンズ行列、及びミュラー行列のうちの1つで特徴付けられる条項1〜6のいずれかに記載の方法。
9.前記測定することは、散乱計で測定することを備える条項1〜8のいずれかに記載の方法。
10.前記測定することは、走査型電子顕微鏡又は原子間力顕微鏡で測定することを備える条項1〜9のいずれかに記載の方法。
11.前記測定することは、光学メトロロジーツールを使用して測定することを備える条項1〜9のいずれかに記載の方法。
12.前記測定することは、散乱系で測定することを備え、前記計算することは、前記3次元トポグラフィをモデル化することと、測定スペクトルをスペクトルのライブラリと比較することと、反復探索と、からなる群より選択される方法を備える条項1〜9のいずれかに記載の方法。
13.前記波面位相情報を計算することは、リソグラフィ装置の照明プロファイルに関連付けられた回折パターンに基づく条項1〜12のいずれかに記載の方法。
14.前記光学波面位相情報を計算することは、波面位相情報を厳密に計算することを備える条項1〜12のいずれかに記載の方法。
15.前記波面位相情報は、前記パターンの複数の限界寸法についての波面位相情報を備える条項1〜14のいずれかに記載の方法。
16.前記波面位相情報は、照明放射の複数の入射角度についての波面位相情報、及び/又は、前記パターンの側壁角度を備える条項1〜15のいずれかに記載の方法。
17.前記波面位相情報は、前記パターンの複数のピッチについての波面位相情報を備える条項1〜16のいずれかに記載の方法。
18.前記波面位相情報は、複数の瞳位置又は回折次数についての波面位相情報を備える条項1〜17のいずれかに記載の方法。
19.前記パターニングデバイスの前記トポグラフィの前記結像効果を演算することは、パターニングデバイスパターンのシミュレート画像を演算することを備える条項1〜18のいずれかに記載の方法。
20.前記パターンの結像のコントラストを改善するために、前記リソグラフィパターニングデバイスを使用したリソグラフィプロセスに関連付けられたパラメータを調整することをさらに備える条項1〜19のいずれかに記載の方法。
21.前記パラメータは、前記パターニングデバイスの前記パターンの前記トポグラフィのパラメータ、又は前記パターニングデバイスの照明のパラメータである条項20に記載の方法。
22.位相変動を最小化するために、前記パターニングデバイスの屈折率、前記パターニングデバイスの減光係数、前記パターニングデバイスの吸収体の側壁角度、前記パターニングデバイスの吸収体の高さ又は厚さ、又はそれらから選択される任意の組み合わせを調節することを備える条項1〜21のいずれかに記載の方法。
23.前記計算された波面位相情報は、前記回折次数に亘る奇数位相分布又はそれらの数学的記述を備える条項1〜22のいずれかに記載の方法。
24.プロセッサに条項1〜23のいずれかに記載の方法を実施させるように構成された機械読み取り式命令を備える持続性コンピュータプログラム製品。
25.デバイスパターンがリソグラフィプロセスを使用して一連の基板に適用されるデバイス製造方法であって、
条項1〜23のいずれかに記載の方法を使用してリソグラフィシステムの調節可能なパラメータを判定することと、
前記基板上に前記デバイスパターンを露光することと、を備える方法。
[0176] 本明細書に記載のパターニングデバイスは、リソグラフィパターニングデバイスと呼ぶことができる。したがって、「リソグラフィパターニングデバイス」という用語は、リソグラフィ装置での使用に適したパターニングデバイスを意味すると解釈することができる。
[0177] 本明細書で使用する「放射」及び「ビーム」という用語は、イオンビーム又は電子ビームなどの粒子ビームのみならず、紫外線(UV)放射(例えば、365nm、355nm、248nm、193nm、157nm若しくは126nm、又はこれら辺りの波長を有する)及び極端紫外光(EUV)放射(例えば、5nm〜20nmの範囲の波長を有する)を含むあらゆるタイプの電磁放射を網羅する。
[0178] 「レンズ」という用語は、状況が許せば、屈折、反射、磁気、電磁気及び静電気光学コンポーネントを含む様々なタイプの光学コンポーネントのいずれか一つ、又はその組み合わせを指すことができる。
[0179] 記載された実施形態、及び本明細書で「一実施形態」、「ある実施形態」、「例示的実施形態」などに言及した場合、それは記載された実施形態が特定の特徴、構造、又は特性を含むことができるが、それぞれの実施形態が必ずしも特定の特徴、構造、又は特性を含まないことがあることを示す。さらに、このようなフレーズは、必ずしも同じ実施形態に言及するものではない。さらに、ある実施形態に関連して特定の特徴、構造、又は特性について記載している場合、明示的に記載されているか、記載されていないかにかかわらず、このような特徴、構造、又は特性を他の実施形態との関連で実行することが当業者の知識の範囲内にあることが理解される。
[0180] 上記の説明は例示的であり、限定的ではない。それ故、下記に示す特許請求の範囲から逸脱することなく、記載されたような本発明を変更できることが当業者には明白である。例えば、1つ以上の実施形態の1つ又は複数の態様は、適切な1つ又は複数の他の実施形態の1つ又は複数の態様と組み合わされるか、又は1つ以上の他の態様に置き換えられてもよい。したがって、このような適応及び修正は、本明細書に提示された教示及び案内に基づき、開示された実施形態の同等物の意味及び範囲内に入るものとする。本明細書の言葉遣い又は用語は説明のためのもので、限定するものではなく、したがって本明細書の用語又は言葉遣いは、当業者には教示及び案内の観点から解釈されるべきことを理解されたい。本発明の幅及び範囲は、上述した例示的実施形態のいずれによっても限定されず、特許請求の範囲及びその同等物によってのみ規定されるものである。

Claims (15)

  1. リソグラフィパターニングデバイスのパターンの特徴の3次元トポグラフィを測定することと、
    前記測定から、前記パターンの前記3次元トポグラフィによって生じた波面位相情報を計算することと、
    を備える、方法。
  2. 前記測定から、前記パターンの前記3次元トポグラフィによって生じた波面強度情報を計算することをさらに備える、請求項1に記載の方法。
  3. 前記3次元トポグラフィを測定することは、限界寸法、ピッチ、側壁角度、吸収体高さ、屈折率、減光係数、吸収体積層シーケンス及びそれらの組み合わせからなる群より選択される特徴を測定することを備える、請求項1に記載の方法。
  4. 前記リソグラフィパターニングデバイスの前記パターンの前記特徴の前記測定3次元トポグラフィを使用して、前記パターニングデバイスが使用されるリソグラフィシステムの調節可能なパラメータの調整セットを判定することをさらに備える、請求項1に記載の方法。
  5. 前記パターニングデバイスと前記調整リソグラフィシステムとを使用して、基板上に配された放射感応性材料にパターンを結像することをさらに備える、請求項4に記載の方法。
  6. 前記リソグラフィパターニングデバイスの前記パターンの前記特徴の前記測定3次元トポグラフィを使用して、前記リソグラフィシステムの波面位相情報をシミュレートする、請求項1に記載の方法。
  7. 前記測定することは、散乱計、及び/又は、走査型電子顕微鏡又は原子間力顕微鏡、及び/又は、光学メトロロジーツールで測定することを備える、請求項1に記載の方法。
  8. 前記測定することは、散乱計で測定することを備え、
    前記計算することは、前記3次元トポグラフィをモデル化することと、測定スペクトルをスペクトルのライブラリと比較することと、反復探索と、からなる群より選択される方法を備える、請求項1に記載の方法。
  9. 前記波面位相情報を計算することは、リソグラフィ装置の照明プロファイルに関連付けられた回折パターンに基づく、請求項1に記載の方法。
  10. 前記波面位相情報は、前記パターンの複数の限界寸法についての波面位相情報、及び/又は、照明放射の複数の入射角度及び/又は前記パターンの側壁角度についての波面位相情報、及び/又は、前記パターンの複数のピッチについての波面位相情報、及び/又は、複数の瞳位置又は回折次数についての波面位相情報を備える、請求項1に記載の方法。
  11. 前記パターンの結像のコントラストを改善するために、前記リソグラフィパターニングデバイスを使用したリソグラフィプロセスに関連付けられたパラメータを調整することをさらに備える、請求項1に記載の方法。
  12. 前記パラメータは、前記パターニングデバイスの前記パターンの前記トポグラフィのパラメータ、又は、前記パターニングデバイスの照明のパラメータである、請求項11に記載の方法。
  13. 位相変動を最小化するために、前記パターニングデバイスの屈折率、前記パターニングデバイスの減光係数、前記パターニングデバイスの吸収体の側壁角度、前記パターニングデバイスの吸収体の高さ又は厚さ、又は、それらから選択される任意の組み合わせを調節することを備える、請求項1に記載の方法。
  14. プロセッサに、請求項1に記載の方法を実施させるように構成された機械読み取り式命令を備える、持続性コンピュータプログラム製品。
  15. デバイスパターンがリソグラフィプロセスを使用して一連の基板に適用されるデバイス製造方法であって、
    請求項1に記載の方法を使用してリソグラフィシステムの調節可能なパラメータを判定することと、
    前記基板上に前記デバイスパターンを露光することと、
    を備える、方法。
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