JP2017537949A - 4,5−ジヒドロ−6H−チエノ[3,2−d]ベンゾアゼピン誘導体及び呼吸器合胞体ウイルス(RSV)感染を治療するためのその使用 - Google Patents

4,5−ジヒドロ−6H−チエノ[3,2−d]ベンゾアゼピン誘導体及び呼吸器合胞体ウイルス(RSV)感染を治療するためのその使用 Download PDF

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Abstract

とりわけ、呼吸器合胞体ウイルス感染及び関連疾患、特に、そのA株及びB株によって引き起こされる感染を治療又は予防することが意図される化合物が提供される。【化1】【選択図】なし

Description

(発明の分野)
本発明は、呼吸器合胞体ウイルス感染及び関連疾患、特に、そのA株及びB株によって引き起こされる感染を治療又は予防することが意図される化合物に関する。
(発明の背景)
ヒト呼吸器合胞体ウイルス(RSV)は、パラミクソウイルス科のニューモウイルスであり、1歳未満の幼児の細気管支炎及び肺炎の最も一般的な原因である。ほとんどの子供はその2歳の誕生日より前にRSVに感染し、75〜125,000人が入院に至る。関連医療費は、米国だけで年間6億5000万ドルを超えると考えられる。さらに、若年期の呼吸器ウイルス感染、とりわけ、RSVによるものは、その後の小児喘息の発症のリスクを増大させる(Holt及びSlyの文献、2002)。RSV感染は、あらゆる年齢の患者において重度の下気道疾患を生じさせ得る。高齢者及び心臓、肺、又は免疫系障害を有する者が特に影響を受けやすく、65歳を超える対象では、米国で年間約14,000件の死亡が発生すると推定される。さらに、RSV感染は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)(Mohanらの文献、2010)並びに喘息(Newcomb及びPeeblesの文献、2009)及び嚢胞性線維症(Abmanらの文献、1988)に罹患している患者における重要な増悪促進因子(precipitator of exacerbation)であると次第に考えられつつある。免疫不全の成人では、RSVによる上気道感染の約50%が肺炎に進行する。
RSVの初期の進入路は、口よりもむしろ鼻又は目を通るものである(Hallらの文献、1981)。ひとたび上気道に定着すると、ウイルスは、肺に容易に移動することができる。RSV感染の病態生理は、死亡した子供から得られた肺組織の研究において調査された(Johnsonらの文献、2007)。4人の個体由来の組織の検討により、基底細胞が影響を受けることなくRSVが存在することを示す上皮細胞の免疫染色が明らかになった。病原生物の上皮局在は治療への課題を提供している。なぜなら、感染を治療し、その後、消失させることができるためには、有効濃度を超える原薬を個別の細胞部位で維持しなければならないからである。
RSVウイルスは、2つの抗原性サブグループ:A及びBとして存在する。RSV A株のウイルスは、かつては、臨床疾患の大多数の原因となるサブグループ病原体とみなされ、より症候性の病理を生じると報告された(Walshらの文献、1997; Panayiotouらの文献、2014)。一般的なRSV A株はRSV A2である(Olivierらの文献、2009)。しかしながら、最近の中国での大流行の時に、RSV Bサブグループ由来のウイルス株が罹患集団の中で圧倒的に多いことが分かった(Zhangらの文献、2010)。
過去20年にわたり、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)及びB型肝炎とC型肝炎の両方を含むいくつかのウイルス疾患の治療において、かなりの進歩が達成された。これらの全ての事例において、少なくともある程度は薬剤耐性疾患の出現に応えて実現された組合せ治療からなる最も信頼できる治療法が進化してきた。
急性RSV感染の治療に対するFDA承認薬は、(エアロゾル化された)リバビリン及びヒト化モノクローナル抗体のパリビズマブ(Synagis)を含む。後者の薬剤は、RSV融合(F)タンパク質を標的とするものであり、高リスク小児患者での予防的使用に限定されている。さらに、パリビズマブによる中和に耐性のある臨床変異体が最近同定されたため(Zhuらの文献、2011)、真に効果的なワクチンは現在入手できない。リバビリンの使用は、ウイルスに対するその低い効力によって及びその副作用プロファイルに対する懸念によって制限されている。その結果として、改善された臨床プロファイルを有するRSV感染に対する新規の安全かつ効果的な治療法の発見に対する緊急の満たされていない必要性が存在する。さらに、臨床疾患においてRSV B株が新たに目立つようになっていることを考慮すると、これらの治療は、RSV A株とRSV B株の両方に起因する感染に対して有効であることが非常に望ましい。
(発明の概要)
第1の態様において、本発明は、式(I)の化合物又はその医薬として許容し得る塩(「本発明の化合物」)を提供する:
Figure 2017537949
(式中:
Rは、水素又はハロを表し;
R1は、水素、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、C1-4ハロアルキル、C3-6シクロアルキル、C1-4アルコキシ、又はC1-4ハロアルコキシを表し;
R2は、水素、ハロ、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、C1-4ハロアルキル、C3-6シクロアルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルコキシ、又はシアノを表し;
R3は、水素、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、C0-3アルキレンC3-6シクロアルキル、C0-3アルキレン-ヘテロシクリル、C0-3アルキレンアミノ、C0-3アルキレンNHC1-5アルキル、C0-3アルキレンN(C1-5アルキル)2、C1-5アシルアミノ、C0-3アルキレンC(O)NHC0-3アルキル、C0-3アルキレンC(O)N(C1-3アルキル)2、C0-3アルキレンN(C0-3アルキル)C(O)C0-3アルキル、C0-3アルキレンN(C0-3アルキル)C(O)NHC0-3アルキル、C0-3アルキレンN(C0-3アルキル)C(O)N(C1-3アルキル)2、C0-3アルキレンN(C0-3アルキル)S(O)qC1-6アルキル,S(O)qC1-6アルキル、C0-3アルキレンS(O)qNHC0-3アルキル、又はC0-3アルキレンS(O)qN(C1-3アルキル)2を表し;
R4は、水素、ハロ、シアノ、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、C1-4ハロアルキル、C0-3アルキレンC3-6シクロアルキル、C1-4アルコキシ、又はC1-4ハロアルコキシを表し;
R5は、水素、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C0-3アルキレンC3-6シクロアルキル、C2-3アルキレン、C1-3アルコキシ、C2-3アルキレンC1-3ハロアルコキシ、又はC2-3アルキレンOHを表し;かつ
m、n、及びqは、1及び2から独立に選択され得る整数を表す。)。
実施例に関して開示される生物学的データから、本発明の化合物がRSV A株による感染と関連する細胞変性効果を阻害し、好ましい実施態様においては、RSV B株による感染と関連する細胞変性効果も阻害することが明らかになっている。
(発明の詳細な説明)
本明細書で使用されるアルキルは、直鎖又は分岐鎖アルキル、例えば、限定されないが、メチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、ブチル、n-ブチル、及びtert-ブチルを指す。一実施態様において、アルキルは、直鎖アルキルを指す。
本明細書で使用されるアルコキシは、直鎖又は分岐鎖アルコキシ、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシを指す。本明細書で使用されるアルコキシは、1個又は2個の酸素原子(例えば、単一の酸素原子)がアルキル鎖内に位置する実施態様、例えば、-CH2CH2CH2OCH3、-CH2CH2OCH3、-CH2OCH2CH2OCH3、又は-CH2OCH3にも及ぶ。したがって、一実施態様において、該アルコキシは、炭素を介して分子の残りの部分に結合しており、これには、例えば、-Cnアルキル-O-Cmアルキル(ここで、n=1又は2であり、m=1又は2である)がある。一実施態様において、該アルコキシは、酸素を介して分子の残りの部分に結合しており、これには、例えば、-OC1-4アルキルがある。一実施態様において、本開示は、直鎖アルコキシに関するものである。一実施態様において、該アルコキシは、酸素を介して分子の残りの部分に結合しているが、該アルコキシ基はさらなる酸素原子を含有しており、これには、例えば、-OCH2CH2OCH3がある。
ハロ又はハロゲンには、フルオロ、クロロ、ブロモ、又はヨード、特に、フルオロ、クロロ、又はブロモ、とりわけ、フルオロ又はクロロが含まれる。
本明細書で使用される、ハロによって置換されるアルキル(ハロアルキル)は、1〜6個のハロゲン原子、例えば、1〜5個のハロゲンを有するアルキル基、例えば、ペルハロアルキル、特に、ペルフルオロアルキル、より具体的には、-CF2CF3又はCF3を指す。
本明細書で使用される、ハロによって置換されるアルコキシ(ハロアルコキシ)は、1〜6個のハロゲン原子、例えば、1〜5個のハロゲンを有するアルコキシ基、例えば、ペルハロアルコキシ、特に、ペルフルオロアルコキシ、より具体的には、-OCF2CF3又は-OCF3を指す。
C1-6アルキルには、C1、C2、C3、C4、C5、及びC6アルキルが含まれる。C1-6アルコキシには、C1、C2、C3、C4、C5、及びC6アルコキシが含まれる。C1-6ハロアルキルには、C1、C2、C3、C4、C5、及びC6ハロアルキルが含まれる。C1-6ハロアルコキシには、C1、C2、C3、C4、C5、及びC6ハロアルコキシが含まれる。
C1-5アルキルには、C1、C2、C3、C4、及びC5アルキルが含まれる。
C1-4アルキルには、C1、C2、C3、及びC4アルキルが含まれる。C1-4アルコキシには、C1、C2、C3、及びC4アルコキシが含まれる。C1-4ハロアルキルには、C1、C2、C3、及びC4ハロアルキルが含まれる。C1-4ハロアルコキシには、C1、C2、C3、及びC4ハロアルコキシが含まれる。
C1-3アルキルには、C1、C2、及びC3アルキルが含まれる。C0-3アルキルは、C1-3アルキルと同じ意味を有し、C0アルキルについては、水素原子をさらに含む。
C1-3アルキレンは、1〜3個の炭素原子を含有する脂肪族炭素鎖を指し、これは、分岐鎖又は直鎖であってもよいが、直鎖が好ましい。例としては、-CH2-、-CH2CH2-、又は-CH(Me)-が挙げられる。C0-3アルキレンは、C1-3アルキレンと同じ意味を有し、C0アルキレンについては、単結合をさらに含む。
C1-5アシルは、-C(O)C1-4アルキルを意味する。C1-5アシルアミノの例は、-NHCOMeである。
C3-6シクロアルキルは、3〜6個の炭素原子を含有する、飽和の、任意に分岐した炭素環を表す。分岐していない例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、及びシクロヘキシルが挙げられる。分岐した例としては、2-メチルシクロプロピルが挙げられる。
C2-4アルキニル又はC2-6アルキニルは、少なくとも1つの三重結合を含有し、かつ指定された数の炭素原子を含有する不飽和脂肪族の、任意に分岐した部分を指す。例としては、-C≡CH、-CH2-C≡CH、-CH(CH3)-C≡CH、-CH2-C≡C-CH3、及び-C≡C-CH3が挙げられる。好ましいアルキニルは、C2-3アルキニル、例えば、-C≡CHである。
C2-4アルケニル又はC2-6アルケニルは、少なくとも1つの二重結合を含有し、三重結合を含有せず、かつ指定された数の炭素原子を含有する、不飽和、脂肪族の、任意に分岐した部分を指す。例としては、-CH=CH2、-CH2-CH=CH2、-CH(CH3)-CH=CH2、-CH2-CH=CH(CH3)、-CH=CH-CH3、及び-CH=C(CH3)2が挙げられる。好ましいアルケニルは、C2-3アルケニル、例えば、ビニルである。
アミノは、基-NH2を指す。C1-5アルキルアミノの例としては、-NHMe及び-NHEtが挙げられる。(C1-5アルキル)2アミノの例としては、-NMe2及び-NEt2が挙げられる。C1-5アシルアミノの例としては、-NHC(O)Meが挙げられる。
ヘテロシクリルは、O、N、及びSから選択される1〜3個のヘテロ原子を含有する4〜6個の環原子を有し、かつ例えば、C1-3アルキル、C1-3ハロアルキル、ハロ、及びヒドロキシルから選択される1〜3個の基によって任意に置換され得る、環状ラジカルを表す。例としては、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、及びN-メチルピペラジニルが挙げられる。
好適には、nは1を表す。好適には、mは2を表す。好適には、nは1を表し、mは2を表す。
好適には、qは2を表す。
C2-3アルキレンOHの例は、CH2CH2OHである。
本発明の一実施態様において、式(Ia)の化合物が提供される:
Figure 2017537949
(式中、R、R1、R2、R3、R4、及びR5は、式(I)の化合物について上記のように定義される。)。
本発明の第2の実施態様において、式(Ib)の化合物が提供される:
Figure 2017537949
(式中、R、R1、R2、R3、R4、及びR5は、式(I)の化合物について上記のように定義される。)。
本発明の特定の実施態様は、独立に及び任意の組合せで、以下のものを含む。
好適には、Rは水素を表す。或いは、好適には、Rは、ハロ、特に、フルオロを表す。Rは、好適には、それが結合しているフェニル環の3位にある。
好適には、R1は、水素、C1-4アルキル(例えば、メチル又はエチル)、C2-4アルキニル(例えば、エチニル)、C3-6シクロアルキル(例えば、シクロプロピル)、及びC1-4アルコキシ(例えば、メトキシ)、特に、水素、C1-4アルキル、及びC1-4 アルコキシから選択される。好適には、R2は、水素及びC1-4アルキル(例えば、メチル)から選択される。好適には、R1及びR2のうちの一方はメチルであり、もう一方は、水素又はメチルである。R1及びR2は、好適には、それぞれ、それらが結合しているピリジル環の6位及び5位にある。
好適には、R1及びR2は、それぞれ、それらが結合しているピリジル環の6位及び5位にあり、R1とR2がどちらも水素を表すか、又はR1が水素を表し、R2がメチルを表すか、R1が水素を表し、R2がエチルを表すか、又はR1がメチルを表し、R2が水素を表すか、又はR1とR2がどちらもメチルを表すか、又はR1がメトキシを表し、R2が水素を表す。さらに好適には、R1が水素を表し、R2がエチニルを表すか、又はR1が水素を表し、R2がシクロプロピルを表す。
好適には、R3は、水素、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、C0-3アルキレンC3-6シクロアルキル、C0-3アルキレン-ヘテロシクリル、アミノ、C1-5アルキルアミノ、(C1-5アルキル)2アミノ、C1-5アシルアミノ、C0-3アルキレンC(O)NHC0-3アルキル、C0-3アルキレンC(O)N(C1-3アルキル)2、C1-3アルキレンN(C0-3アルキル)C(O)C0-3アルキル、C0-3アルキレンN(C0-3アルキル)C(O)NHC0-3アルキル、C0-3アルキレンN(C0-3アルキル)C(O)N(C1-3アルキル)2、C0-3アルキレンN(C0-3アルキル)S(O)qC1-6アルキル、S(O)qC1-6アルキル、C0-3アルキレンS(O)qNHC0-3アルキル、及びC0-3アルキレンS(O)qN(C1-3アルキル)2;より好適には、水素、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、C1-4ハロアルキル、C3-6シクロアルキル、C1-4アルコキシ、及びC1-4ハロアルコキシ;より好適には、水素、ハロ、シアノ、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、C1-4ハロアルキル、C1-4アルコキシ、及びC1-4ハロアルコキシ;より好適には、水素、ハロ(例えば、フルオロ又はクロロ)、シアノ、C1-4アルキル(例えば、メチル又はエチル、とりわけ、メチル)、及びC1-4ハロアルキル(例えば、トリフルオロメチル);より好適には、ハロ(例えば、クロロ又はフルオロ)、メチル、トリフルオメチル(trifluomethyl)、及びシアノ;さらにより好適には、メチル、フルオロ、及びクロロを表す。R3は、好適には、それが結合しているベンゾイミダゾール環の6位又は7位に、より好適には、7位にある。
好適には、R4は、水素、ハロ、シアノ、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、C1-4ハロアルキル、C1-4アルコキシ、及びC1-4ハロアルコキシ;より好適には、水素及びハロ(例えば、フルオロ)、最も好適には、水素から選択される。R4は、好適には、それが結合しているベンゾイミダゾール環の5位にある。
一実施態様において、R4は水素を表し、R3は水素を表さない。
好適には、R5は、水素、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C0-3アルキレンC3-6シクロアルキル、C2-3アルキレンC1-3アルコキシ、及びC2-3アルキレンC1-3ハロアルコキシ;より好適には、水素、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C0-3アルキレンC3-6シクロアルキル、及びC2-3アルキレンC1-3アルコキシ;より好適には、水素及びC1-6アルキル(例えば、メチル)、特に、水素から選択される。
式(I)の例示的な化合物は、以下のもの:
N-(4-(2-(7-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-6-カルボニル)フェニル)-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ニコチンアミド;
N-(4-(2-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-6-カルボニル)フェニル)-6-メチル-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3,5]ノナン-2-イル)ニコチンアミド;
N-(4-(2-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-6-カルボニル)フェニル)-5-エチル-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3,5]ノナン-2-イル)ニコチンアミド;
N-(4-(2-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-6-カルボニル)フェニル)-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ニコチンアミド;
N-(4-(2-(7-フルオロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-6-カルボニル)フェニル)-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ニコチンアミド;
N-(4-(2-(7-クロロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-6-カルボニル)フェニル)-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ニコチンアミド;
2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)-N-(4-(2-(7-(トリフルオロメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-6-カルボニル)フェニル)ニコチンアミド;
N-(4-(2-(6-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-6-カルボニル)フェニル)-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ニコチンアミド;
N-(4-(2-(7-シアノ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-6-カルボニル)フェニル)-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ニコチンアミド;
N-(4-(2-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-6-カルボニル)フェニル)-5-メチル-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ニコチンアミド;
N-(4-(2-(7-フルオロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-6-カルボニル)フェニル)-5-メチル-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ニコチンアミド;
N-(4-(2-(7-クロロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-6-カルボニル)フェニル)-5-メチル-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ニコチンアミド;
5-メチル-N-(4-(2-(7-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-6-カルボニル)フェニル)-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ニコチンアミド;
5-メチル-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)-N-(4-(2-(7-(トリフルオロメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-6-カルボニル)フェニル)ニコチンアミド;
N-(4-(2-(7-シアノ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-6-カルボニル)フェニル)-5-メチル-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ニコチンアミド;
N-(4-(2-(5,7-ジフルオロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-6-カルボニル)フェニル)-5-メチル-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ニコチンアミド;
N-(4-(2-(7-フルオロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-6-カルボニル)フェニル)-6-メチル-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ニコチンアミド;
N-(4-(2-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-6-カルボニル)フェニル)-6-メトキシ-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ニコチンアミド;
N-(4-(2-(7-フルオロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-6-カルボニル)フェニル)-5,6-ジメチル-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ニコチンアミド;
N-(4-(2-(7-クロロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-6-カルボニル)フェニル)-5,6-ジメチル-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ニコチンアミド;
5,6-ジメチル-N-(4-(2-(7-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-6-カルボニル)フェニル)-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ニコチンアミド;
N-(4-(2-(7-シアノ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-6-カルボニル)フェニル)-5,6-ジメチル-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ニコチンアミド;
N-(4-(2-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-6-カルボニル)-3-フルオロフェニル)-5-メチル-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ニコチンアミド;
N-(3-フルオロ-4-(2-(7-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-6-カルボニル)フェニル)-5-メチル-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ニコチンアミド
及びこれらのいずれか1つの医薬として許容し得る塩からなる群から選択される。
さらなる例示的な化合物は、以下のもの:
N-(4-(2-(7-エチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-6-カルボニル)フェニル)-5-メチル-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ニコチンアミド;
N-(4-(2-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-6-カルボニル)フェニル)-5-エチニル-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3,5]ノナン-2-イル)ニコチンアミド;
N-(4-(2-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-6-カルボニル)フェニル)-5-シクロプロピル-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3,5]ノナン-2-イル)ニコチンアミド
及びこれらのいずれか1つの医薬として許容し得る塩から選択される。
式(I)の化合物の医薬として許容し得る塩には、特に、該化合物の医薬として許容し得る酸付加塩が含まれる。式(I)の化合物の医薬として許容し得る酸付加塩は、式(I)の化合物が形成することができる治療的に活性のある無毒な酸付加塩を含むことが意図される。これらの医薬として許容し得る酸付加塩は、遊離塩基形態を、好適な溶媒又は溶媒混合物中にて、そのような適当な酸で処理することによって好都合に得ることができる。適当な酸は、例えば、無機酸、例えば、ハロゲン化水素酸、例えば、塩酸もしくは臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸など;又は有機酸、例えば、酢酸、プロパン酸、ヒドロキシ酢酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、シクラミン酸、サリチル酸、p-アミノサリチル酸、パモン酸などを含む。
逆に、該塩形態を、適当な塩基での処理によって、遊離塩基形態に変換することができる。
式(I)の化合物の定義は、該化合物の全ての立体異性体を含むことが意図される。本明細書で使用される立体異性体は、同じ分子式及び結合原子の配列(構成)を有するが、それらの原子の空間内での3次元配向だけが異なる異性体分子を指す。これは、同じ分子式を共有するが、結合の関係性及び/又はその順序が異なる原子/基の間で異なる構造異性体と対照をなす。立体異性体では、構成原子の順序及び結合の関係性は同じ状態を維持しているが、それらの空間内での配向は異なっている。
式(I)の化合物の定義は、該化合物の全ての互変異性体を含むことが意図される。
式(I)の化合物の定義は、文脈により別途具体的に示されない限り、該化合物の全ての溶媒和物(該化合物の塩の溶媒和物を含む)を含むことが意図される。溶媒和物の例としては、水和物が挙げられる。
本開示の化合物には、指定された原子が天然又は非天然の同位体であるものが含まれる。一実施態様において、同位体は安定同位体である。したがって、本開示の化合物には、例えば、重水素含有化合物などが含まれる。
本開示は、本明細書で定義される化合物の全ての多形形態にも及ぶ。
本発明の化合物の実施例を好都合に調製し得る一般的経路を以下にまとめる。
式(I)の化合物は、チオフェンカルボン酸前駆体(II)又はその好適に保護された誘導体を活性化剤で処理して、反応性の求電子性カルボン酸誘導体を生成させ、その後、式(III)の1,2-フェニレンジアミン又はその好適に保護された誘導体と反応させ、その後、得られたアミド中間体(複数可)を環化する一般的プロセス(スキーム1)によって得ることができる。
スキーム1
Figure 2017537949
ある場合には、活性化カルボン酸誘導体、例えば、酸塩化物は単離されてもよく、又は他の場合には、単離されるのではなく、その場で生成され、そのまま使用される一過性の中間体であってもよいことが当業者によって理解されるであろう。典型的には、最初の2つの変換から得られるアミド中間体(複数可)は単離されず、その代わりに、本発明の対応するベンゾイミダゾール例又はその保護誘導体に対するその脱水及び環化をもたらす条件に供される。1以上の保護基が適当な脱保護工程(複数可)によって利用された場合には、式(I)の化合物が現れる。
カルボン酸基質中に表される官能性とのその適合性に基づいて選択され得る幅広く選択されるペプチドカップリング剤を含む、多くのかつ様々な試薬がカルボキシレート基の活性化に利用可能である。この工程のための好都合なプロセスは、不活性な塩素系溶媒、典型的には、DCM中での、RTから還流状態に至るまでの、塩化オキサリル又は塩化チオニルなどの化学量論的に過剰な揮発性試薬への式(II)の酸前駆体の曝露である。残りの活性化剤を、通常、蒸発により除去し、得られた酸塩化物を、非極性の非プロトン性溶媒、例えば、DCM中、周囲温度又はそれ未満の温度で、DIPEAなどの非求核塩基の存在下で、フェニレンジアミン(III)とそのまま反応させる。中性条件下(例えば、酸に不安定な保護基の存在下)での酸から酸塩化物への変換が必要とされる場合、好適な試薬は、Ghosezの試薬(1-クロロ-N,N,2-トリメチル-1-プロペニルアミン)である。該酸塩化物の生成は、非プロトン性のハロゲン化溶媒中で好都合に実施される。
位置異性体アミドの混合物が、R3、R4、及び/又はR5のいずれかが水素以外のものであるときに生じる、ジアミン成分(III)の置換様式に応じて、これらの変換によって生じ得ることが当業者によって理解されるであろう。そのような異性体混合物が、実際には何ら重要ではなく、環化によって独特なベンゾイミダゾール生成物を生じることも明らかであろう。この変換に好適な条件としては、アミド中間体の氷酢酸への懸濁又は溶解、それに続く、水の喪失と環化とを促進するための、例えば、100〜125℃への加熱が挙げられる。
式(II)の化合物は、式(IV)の活性化ピリジンと式(V)のアミン又はその好適に保護された誘導体との間のSNAr置換反応によって容易に調製され、ここで、R、R1、及びR2は、式(I)の化合物について上で定義されている通りであり、Raは、メチル又はエチルなどの単純なアルキル基であり、LGは、ハロゲン原子、例えば、塩素などの好適な脱離基である(スキーム2)。
スキーム2
Figure 2017537949
式(II)の化合物は、その後のエステル-CO2Raから遊離酸への加水分解の後に得られる。置換工程に好適な条件は、DMF又はNMPなどの極性非プロトン性溶媒中、任意に、非求核塩基、例えば、トリエチルアミンの存在下、及び100〜150℃などの高温での反応である。
アルキルエステルは、メタノールと水などの、極性のプロトン性溶媒の混合物中での、強酸、例えば、塩酸との反応によって、好都合に加水分解することができる。或いは、該エステルは、THF:メタノール:水などの、好適な非プロトン性溶媒とプロトン性溶媒の混合物中での、強い無機塩基、例えば、水酸化リチウムへの曝露によって鹸化することができる。そのような反応は、例えば、30〜50℃への穏やかな加熱を受けてもよい。
式(IV)の化合物によって表される中間体は、式(VII)の化合物を用いた式(VI)のアニリンのアシル化によって調製することができ、ここで、R、Ra、R1、及びR2、並びにLGは、本明細書において上で定義されている通りであり、LG1は、ハロゲン原子、例えば、塩素などの脱離基である(スキーム3)。これらの変換に好適な条件は、アセトニトリルなどの極性非プロトン性溶媒中、「プロトンスポンジ」としての有機塩基、例えば、ピリジンの存在下、RT又はそれを少し超える温度、例えば、40℃での反応である。式(VII)の化合物(式中、例えば、LG1は塩素である)は、任意に、わずかな、触媒量のDMFの存在下での、塩化チオニル又は塩化オキサリルなどの塩素化剤との反応によって、対応する酸から好都合に得られる。
スキーム3
Figure 2017537949
式(VI)の化合物中間体(式中、R及びRaは、上で定義されている通りである)は、式(VIII)の対応するニトロアレーンの化学選択的還元によって容易に得られる(スキーム4)。そのような変換に利用される一般的な方法は、当技術分野で「溶解金属還元」と呼ばれるプロセスによる、好適な金属を用いたニトロ基の還元である。これらの変換によく利用される金属は、通常は粉末の形態にある、鉄である。この反応は、アンモニウム塩、例えば、塩化アンモニウムなどのプロトン源の存在下、プロトン性溶媒の混合物、例えば、水を含むIPAなどのアルコール中、及び70〜80℃などの高温で実施される。
スキーム4
Figure 2017537949
本発明の化合物は、代わりの合成順序で、式(VIII)のニトロアレーン中間体に適用される、上で開示されているものと同一又は同様の手順の使用によって調製することもできる。したがって、式(I)の化合物は、式(IX)の求電子性ピリジン誘導体と式(V)のアミン又はその好適に保護された誘導体との間のSNAr反応によって生成させることができ、ここで、R、R1、R2、R3、R4、R5、並びにm及びnは、式(I)の化合物について上で定義されている通りであり、LGは、ハロゲン原子、例えば、塩素などの好適な脱離基である(スキーム5)。そのような求核置換に利用される典型的な条件は、NMPなどの極性非プロトン性溶媒中、非求核性有機塩基、例えば、トリエチルアミンの存在下、及び通常、100〜120℃などの高温での反応である。
スキーム5
Figure 2017537949
式(IX)の反応性ピリジン誘導体は、式(IV)の中間体について本明細書において上で記載されているプロセスと類似のプロセスによって、式(VII)のニコチン酸誘導体を用いた式(X)のアニリンのアシル化から得られる(スキーム6)。N-アシル化工程を実施するための好適な手順は、任意にその場で、例えば、塩化オキサリルなどを用いて、DMF中で実施される酸塩化物(VII、LG1=Cl)の生成と、その後の、ピリジンなどの塩基性溶媒中、典型的には、周囲温度での、アミン基質(X)との反応である。
スキーム6
Figure 2017537949
当業者は、官能基の適合性及び/又は効率の理由から(例えば、保護基の必要性を排除するために)、同じ又は類似の合成変換を異なる順序で実施することが有利である場合があることを理解しているであろう。したがって、本発明の化合物は、式(X)のアニリン成分と、全合成された式(XI)のニコチン酸誘導体(式中、R1、R2、m、及びnは、式(I)の化合物について本明細書で定義されている通りであり、LG2は、好適な脱離基である)との反応によって調製することもできる(スキーム7)。アシル化工程は、例えば、任意に、上記のように、その場で形成及び使用される、酸塩化物(LG2=Cl)などの酸ハロゲン化物を用いて達成することができる。或いは、対応する酸(LG2=OH)を、ペプチドカップリング剤を利用して、所望のアミド生成物に変換することができ、幅広く選択される該ペプチドカップリング剤は、当技術分野で利用可能である。
スキーム7
Figure 2017537949
式(X)の化合物は、式(II)の化合物から本発明の実施例への変換(スキーム1)、その後のニトロ基の化学選択的還元(スキーム8)について上に列挙されている手順と同様の一般的手順を用いて、式(XII)のニトロベンゾイル置換チオフェンカルボン酸から容易に入手可能である。ニトロベンゼンから対応するアニリンへの一般的に利用される選択的還元方法は、式(VIII)の中間体から式(VI)の中間体への変換について本明細書において上で概説されているような溶解金属還元である。そのような還元変換は、粉末の形態にある亜鉛などの金属を用いて達成することができ、通常、水溶性溶媒の水性混合物中、例えば、メタノール、THF、及び水中、周囲温度で実施される。そのような変換にルーチンに使用される別の金属は、「プロトン」源、典型的には、水性塩化アンモニウムの存在下の、同じく粉末の形態にある、鉄である。還元プロセスに好適な条件は、70〜80℃などの高温の、アルコール溶媒、例えば、IPAである。
スキーム8
Figure 2017537949
式[(XI); LG2=OH]の2-アミノニコチン酸中間体は、式(VIIa)のアルキル 2-ハロニコチネート(式中、R1、R2、及びLGは、上で定義されている通りであり、Rbは、単純なアルキル基である)から、式(V)のアミンを用いたSNAr置換反応と、その後の安息香酸エステルの加水分解によって合成することができる(スキーム9)。アミノ化工程に好適な条件としては、それぞれ、本発明の化合物及び式(II)の中間体を提供するための式(IX)のハロピリジン中間体の反応及び式(IV)のハロピリジン中間体の反応について上で記載されているものが挙げられる。
スキーム9
Figure 2017537949
特に興味深い官能化ニコチン酸の亜属は、式(XIa)のものであり、ここで、m及びnは、式(I)の化合物について上で定義されている通りであり、R1は水素であり、R2はC-5置換基である(スキーム10)。場合により、式(XIa)の中間体は市販されていないか、又は新規のもので、特注合成を必要とする。そのような化合物を調製する方法は、式(XIb)(式中、m及びnは上で定義されている通りであり、Rbは単純なアルキル基である)の基質に対する金属触媒型炭素-炭素結合形成反応の使用である。当業者は、この種の変換を実施するための幅広い方法が存在し、かつ広範囲の好適な条件を使用し得ることを理解しているであろう。
スキーム10
Figure 2017537949
卓越したプロセスは、パラジウム触媒を用いた、式(IXb)の臭化アリールと式R2B(OH)2のボロン酸又は類似物とに対して行われ得る鈴木クロスカップリング反応である。典型的な触媒は、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリドである。そのような反応が、塩基性条件下、典型的には、炭酸カリウム又は炭酸セシウムなどの塩基の存在下で行われ、かつそれらが、例えば、80〜100℃に加熱されることは一般的である。THF、ジオキサン、エタノール、及びトルエンと水の混合物などの広範囲にわたる溶媒が適用可能である。その後、式(XIa)の化合物は、水性メタノールなどの、プロトン性溶媒及び水の存在下、酸性条件下又は塩基性条件下のいずれかで達成され得るエステルの加水分解によって得られる。式(XIb)の臭化アリール基質は、式(V)のアミンによるアルキル 5-ブロモ-2-クロロニコチネートの処理によって容易に得られる。化学選択的置換の典型的な条件は、必要な場合、加熱を伴う、塩基、例えば、トリエチルアミンの存在下、N-メチルピロリジンなどの極性の非プロトン性溶媒中での反応である。
式(XII)のチオフェンカルボン酸は、本発明の化合物を調製するための本明細書に開示される合成戦略に共通した中間体を構成する式(VIII)の対応するエステルから容易に誘導される(スキーム11)。加水分解は、酸性又は塩基性のいずれかの条件下で達成することができる。例えば、式(VIII)のエステルは、水混和性溶媒の混合物、例えば、THF及びメタノール中、30〜50℃などの適度に高い温度での、水性水酸化ナトリウムなどの強い無機塩基への曝露によって鹸化することができる。
スキーム11
Figure 2017537949
式(VIII)のニトロアレーンは、式(XIII)のアミノエステルと式(XIV)の好適な4-ニトロ安息香酸誘導体との反応によって好都合に調製され、ここで、R及びRaは、上で定義されている通りであり、LG3は、ハロゲン、例えば、塩素原子などの反応性脱離基である(スキーム12)。例えば、アシル化は、アセトニトリルなどの極性非プロトン性溶媒中、有機塩基、典型的には、ピリジンの存在下、0〜20℃などの周囲温度又はそれ未満の温度で、アミン(XIII)[その遊離塩基としてか又は塩としてかのいずれか]を酸塩化物誘導体(XIV; LG3=Cl)で処理することにより実施することができる。
スキーム12
Figure 2017537949
N-アシル化工程は、式(XIV)の化合物に対応する遊離酸(LG3=OH)に対して、例えば、ウロニウムカップリング試薬などのペプチドカップリング試薬による、例えば、O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)などによる、アミド結合の形成に一般に利用される条件下で容易に達成することもできることが当業者には明白である。典型的には、そのような反応は、ヒューニッヒ塩基などの非求核塩基の存在下、及び非プロトン性極性溶媒中、例えば、DMF中で実施される。
式(XIII)のエステル誘導体は、以前に開示された酸(XV)から、当技術分野で一般に利用される方法のいずれかによって調製することができる(スキーム13)。N-トシルアゼピノン(XVI)から出発して、保護チオフェンエステル(XVII)を経由する、この化合物の小規模な調製手順が記載されている(Peesapati及びLingaiahの文献、1993)。この著者らによって明らかにされた方法は、3工程で、かつ薄層クロマトグラフィーによる精製の後に〜32%の全収率で、酸(XV)を提供する。
スキーム13
Figure 2017537949
好都合なことに、式(XIII)のアゼピンエステルは、酸によって媒介される、式(XVIII)の中間体からのカルボキシベンジル(Cbz)保護基の化学選択的除去によって容易に得られ、ここで、Raは、上で定義されている通りである(スキーム14)。ウレタン基の加水分解のための好適な条件は、高温での、例えば、還流状態での、無水酸HX(ここで、Xは、アルコール溶媒(RaOH)中のハロ(例えば、HCl)、例えば、エタノール性HClである)への曝露である。この場合、所望のアゼピンエステルは、反応媒体から対応する酸塩(XIIIa)として単離することができる。N-Cbzアゼピンエステル(XVIII)は、トシル誘導体(XVII)の調製について報告されている手順と類似する手順を用いて、N-Cbzアゼピノン(XIX)から調製することができる(実験の節を参照されたい)。
スキーム14
Figure 2017537949
或いは、式(VIII)の化合物は、非求核塩基の存在下での、式(XXI)のクロロ-エナールと式(XX)のアルキル 2-メルカプトアセテートとの縮合によって得ることができ、ここで、R及びRaは、上で定義されている通りである(スキーム15)。この変換を達成するのに使用し得る典型的な条件は、ピリジンとトリエチルアミンの混合物などの非プロトン性塩基性溶媒中、高温での、例えば、70〜110℃での反応である。
スキーム15
Figure 2017537949
式(XXI)のクロロ-エナールは、式(XXII)のN-アシルアゼピノンのクロロホルミル化によって入手可能である。そのような変換は、例えば、DMFと三塩化ホスホリルとの反応によって、その場で形成されるビルスマイヤー試薬を用いて実施することができる(スキーム16)。この反応は、溶媒としてのDMF中で好都合に行われ、ビルスマイヤー試薬は、基質の添加前に、通常、0〜5℃などの低温で予め形成される。必要であれば、その後、反応液を、例えば、70〜80℃に加熱することができる。
スキーム16
Figure 2017537949
式(XXII)のアゼピンアミド中間体は、好適な安息香酸誘導体(XIV)を用いた市販の3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[b]アゼピン-5(2H)-オンのアシル化によって容易に生成される(スキーム17)。このプロセスの例示的な条件は、式(XIII)のアゼピン中間体からN-ベンゾイル誘導体(VIII)への変換について本明細書において上で記載されているものと同じである(スキーム12)。
スキーム17
Figure 2017537949
保護基及びその除去手段は、「有機合成における保護基(Protective Groups in Organic Synthesis)」、T.W. Greene及びP.G.M. Wuts著、John Wiley & Sons社;第4版、2006, ISBN-10: 0471697540に記載されている。アミドの調製方法の総説は:「アミド結合形成及びペプチドカップリング(Amide bond formation and peptide coupling)」、Montalbetti, C.A.G.N.及びFalque, V.の文献、Tetrahedron, 2005, 61, 10827-10852で取り上げられている。
本明細書に記載の新規の中間体(例えば、式(IX)、(IXa)、及び(X)の化合物など)は、その塩、例えば、医薬として許容し得る塩がそうであるように、本発明のさらなる態様を形成する。
本発明の化合物は、医薬として有用である。
一実施態様において、本発明の化合物を、任意に1以上の医薬として許容し得る希釈剤又は担体と組み合わせて含む、医薬組成物が提供される。
本発明の化合物は、肺又は鼻に局所的に、特に、肺に局所的に投与されることが好適である。したがって、一実施態様において、本発明の化合物を、任意に1以上の局所に許容される希釈剤又は担体と組み合わせて含む、医薬組成物が提供される。
肺又は鼻腔内投与用の組成物は、粉末、液体溶液、液体懸濁液、溶液もしくは懸濁液を含む点鼻剤、又は加圧もしくは非加圧エアロゾルを含むことが好適である。
該組成物は、単位剤形で好都合に投与することができ、例えば、レミントンの医薬科学(Remington's Pharmaceutical Sciences)、第17版、Mack Publishing Company, Easton, PA.,(1985)に記載されているような、医薬分野で周知の方法のいずれかによって調製することができる。該組成物は、複数単位剤形で好都合に投与することもできる。
鼻又は肺への局所投与は、水性溶液又は懸濁液などの非加圧製剤の使用によって達成することができる。そのような製剤は、ネブライザー、例えば、手持ち式及び携帯式であり得るネブライザー又は家庭もしくは病院で使用するための(すなわち、非携帯式の)ネブライザーによって投与することができる。装置例は、RESPIMAT吸入器である。該製剤は、水、緩衝剤、張性調整剤、pH調整剤、粘性調節剤、界面活性剤、及び共溶媒(例えば、エタノール)などの賦形剤を含むことができる。懸濁液及びエアロゾル製剤(加圧式又は非加圧式を問わない)は、通常、微細に分割された形態の、例えば、0.5〜10μm、例えば、約1〜5μmのD50を有する、本発明の化合物を含む。粒径分布は、D10、D50、及びD90値を用いて表すことができる。粒径分布のD50中央値は、分布を二分するミクロン単位の粒径と定義される。レーザー回折から得られる測定は、体積分布と記載される方が正確であり、したがって、この手順を用いて得られるD50値は、Dv50値(体積分布の中央値)と呼ばれる方が意味が通る。本明細書で使用されるように、Dv値は、レーザー回折を用いて測定される粒径分布を指す。同様に、レーザー回折との関連で使用されるD10及びD90値は、Dv10及びDv90値を意味するものと理解され、それぞれ、分布の10%がD10値よりも下に位置し、分布の90%がD90値よりも下に位置する粒径を指す。
本発明の具体的な一態様によれば、水性媒体に懸濁した微粒子形態の本発明の化合物を含む医薬組成物が提供される。水性媒体は、通常、水並びに緩衝剤、張性調整剤、pH調整剤、粘性調節剤、及び界面活性剤から選択される1以上の賦形剤を含む。
鼻又は肺への局所投与は、エアロゾル製剤の使用によって達成することもできる。エアロゾル製剤は、通常、好適なエアロゾル噴射剤、例えば、クロロフルオロカーボン(CFC)又はハイドロフルオロカーボン(HFC)に懸濁又は溶解した活性成分を含む。好適なCFC噴射剤としては、トリクロロモノフルオロメタン(噴射剤11)、ジクロロテトラフルオロメタン(噴射剤114)、及びジクロロジフルオロメタン(噴射剤12)が挙げられる。好適なHFC噴射剤としては、テトラフルオロエタン(HFC-134a)及びヘプタフルオロプロパン(HFC-227)が挙げられる。噴射剤は、通常、全吸入組成物の40重量%〜99.5重量%、例えば、40重量%〜90重量%を含む。該製剤は、共溶媒(例えば、エタノール)及び界面活性剤(例えば、レシチン、トリオレイン酸ソルビタンなど)を含む、賦形剤を含むことができる。他の可能な賦形剤としては、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、グリセリンなどが挙げられる。エアロゾル製剤はキャニスターに包装され、好適な用量は(例えば、Bespak、Valois、又は3Mによるか、或いはAptar、Coster、又はVariによって供給されるような)定量バルブによって送達される。
肺への局所投与は、乾燥粉末製剤の使用によって達成することもできる。乾燥粉末製剤は、微細に分割された形態の、通常、1〜10μmのMMD又は0.5〜10μm、例えば、約1〜5μmのD50を有する、本開示の化合物を含む。微細に分割された形態の本発明の化合物の粉末は、微粒子化プロセス又は同様のサイズ低下プロセスによって調製することができる。微粒子化は、ジェットミル、例えば、Hosokawa Alpineによって製造されているものを用いて実施することができる。得られる粒径分布は、(例えば、Malvern Mastersizer 2000S機器による)レーザー回折を用いて測定することができる。該製剤は、通常、局所で許容される希釈剤、例えば、通常、比較的大きい粒径、例えば、50μm以上、例えば、100μm以上のMMD又は40〜150μmのD50の、ラクトース、グルコース、又はマンニトール(好ましくは、ラクトース)を含む。本明細書で使用されるように、「ラクトース」という用語は、α-ラクトース一水和物、β-ラクトース一水和物、α-ラクトース無水物、β-ラクトース無水物、及び非晶質ラクトースを含む、ラクトース含有成分を指す。ラクトース成分は、微粒子化、篩別、ミリング、圧縮、凝集、又はスプレー乾燥によって処理することができる。様々な形態の市販型のラクトースも包含され、これには、例えば、Lactohale(登録商標)(吸入等級ラクトース; DFE Pharma)、InhaLac(登録商標)70(乾燥粉末吸入器用の篩別ラクトース; Meggle)、Pharmatose(登録商標)(DFE Pharma)、及びRespitose(登録商標)(篩別吸入等級ラクトース; DFE Pharma)製品がある。一実施態様において、該ラクトース成分は、α-ラクトース一水和物、α-ラクトース無水物、及び非晶質ラクトースからなる群から選択される。好ましくは、該ラクトースはα-ラクトース一水和物である。
乾燥粉末製剤は、他の賦形剤、例えば、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウム、又はステアリン酸マグネシウムも含み得る。
乾燥粉末製剤は、通常、乾燥粉末吸入器(DPI)装置を用いて送達される。例となる乾燥粉末送達系としては、SPINHALER、DISKHALER、TURBOHALER、DISKUS、SKYEHALER、ACCUHALER、及びCLICKHALERが挙げられる。乾燥粉末送達系のさらなる例としては、ECLIPSE、NEXT、ROTAHALER、HANDIHALER、AEROLISER、CYCLOHALER、BREEZHALER/NEOHALER、MONODOSE、FLOWCAPS、TWINCAPS、X-CAPS、TURBOSPIN、ELPENHALER、MIATHALER、TWISTHALER、NOVOLIZER、PRESSAIR、ELLIPTA、ORIEL乾燥粉末吸入器、MICRODOSE、PULVINAL、EASYHALER、ULTRAHALER、TAIFUN、PULMOJET、OMNIHALER、GYROHALER、TAPER、CONIX、XCELOVAIR、及びPROHALERが挙げられる。
本発明の化合物は、RSV感染の治療において及びRSV感染と関連する疾患の予防又は治療のために有用である。
本発明の一態様において、RSV感染の治療ための及びRSV感染と関連する疾患の予防又は治療のための薬剤の製造における本発明の化合物の使用が提供される。
本発明の別の態様において、RSVに感染した対象の治療方法であって、該対象に、本発明の化合物の有効量を投与することを含む、方法が提供される。
本発明の別の態様において、対象におけるRSV感染と関連する疾患の予防又は治療方法であって、該対象に、本発明の化合物の有効量を投与することを含む、方法が提供される。
本発明の化合物は、それを感染前に投与することにより、予防的状況で使用することができる。
一実施態様において、RSV感染は、RSV A株感染(例えば、RSV A2株によるもの)である。別の実施態様において、RSV感染は、RSV B株感染(例えば、RSV Bワシントン株によるもの)である。
対象には、ヒト及び動物対象、とりわけ、ヒト対象が含まれる。
本発明の化合物は、とりわけ、RSV感染の治療に、及びリスクのある対象におけるRSV感染と関連する疾患の予防又は治療に有用である。リスクのある対象には、早産児、肺又は心臓の先天性欠陥を有する子供、免疫不全対象(例えば、HIV感染に罹患している対象)、高齢対象、及び心臓又は肺に影響を及ぼす慢性的な健康障害(例えば、鬱血性心不全又は慢性閉塞性肺疾患)に罹患している対象が含まれる。
本発明の化合物は、第2の又はさらなる活性成分と組み合わせて投与することができる。本発明の化合物は、第2のもしくはさらなる活性成分と共製剤化することができ、又は第2の又はさらなる活性成分は、同じもしくは異なる経路で別々に投与されるように製剤化することができる。本発明の一態様によれば、(a)本発明の化合物を、任意に1以上の希釈剤又は担体と組み合わせて含む、医薬組成物;(b)第2の活性成分を、任意に1以上の希釈剤又は担体と組み合わせて含む、医薬組成物;(c)任意に、各々第3の又はさらなる活性成分を、任意に1以上の希釈剤又は担体と組み合わせて含む、1以上のさらなる医薬組成物;及び(d)それを必要とする対象への該医薬組成物の投与のための指示書を含むパーツのキットが提供される。それを必要とする対象は、RSV感染に罹患するか又はRSV感染に罹患しやすい可能性がある。
第2の又はさらなる活性成分には、RSV感染又はRSV感染と関連する疾患又はRSV感染と併存する疾病の治療又は予防に好適な活性成分が含まれる。
第2の又はさらなる活性成分は、例えば、Fタンパク質阻害剤(抗Fタンパク質抗体、例えば、パリビズマブを含む)、RNAポリメラーゼ阻害剤、及びリバビリンを含む抗ウイルス剤(例えば、他の抗RSV剤)、並びに抗炎症剤から選択することができる。
本発明の化合物は、好適な間隔で、例えば、1日に1回、1日に2回、1日に3回、又は1日に4回、投与することができる。
平均体重(50〜70kg)のヒトについての好適な投与量は、約50μg〜10mg/日、例えば、500μg〜5mg/日であると考えられるが、投与されるべき正確な用量は、当業者により決定されることができる。
本発明の化合物は、以下の有利な属性のうちの1つ又は複数を有すると考えられる:
RSV A株、例えば、A2株によって引き起こされるヒト(又は動物モデル又はインビトロ系)での細胞変性効果及び/又はウイルス複製及び/又はF-タンパク質発現の強力な阻害;
RSV B株によって引き起こされるヒト(又は動物モデル又はインビトロ系)での細胞変性効果及び/又はウイルス複製及び/又はF-タンパク質発現の強力な阻害;
好ましくは、1日1回の投与と合致する、肺での長い作用持続時間;
とりわけ、肺又は鼻への局所投与後の、許容される安全性プロファイル。
(実験の節)
本明細書で使用される略語を以下に定義する(表1)。定義されていない略語はいずれも、その一般的に認められている意味を伝えることが意図される。
表1:略語
Figure 2017537949
Figure 2017537949
(一般的手順)
出発材料及び溶媒は全て、商業的供給源から得られたか、又は文献引用に従って調製されたかのいずれかであった。別途明記されない限り、反応液は全て撹拌した。有機溶液は、ルーチンに無水硫酸マグネシウム上で乾燥させた。水素化は、記載された条件下、Thales H-cubeフロー反応器で実施した。
カラムクロマトグラフィーは、示された量を用いて、プレパックシリカ(230〜400メッシュ、40〜63μm)カートリッジで実施した。SCXは、Supelcoから購入し、使用前に、1M塩酸で処理した。別途明記されない限り、精製されることになる反応混合物をMeOHでまず希釈し、数滴のAcOHで酸性にした。この溶液をそのままSCXに充填し、MeOHで洗浄した。その後、所望の材料を、MeOH中の0.7M NH3で洗浄することにより溶出させた。
(分取逆相高速液体クロマトグラフィー)
方法1: Waters X-Select CSHカラムC18、5μm(19×50mm)、流量28mL 分-1、0.1%v/vギ酸を含むH2O-MeCN勾配で6.5分かけて溶出させ、254nmでのUV検出を使用する。勾配情報: 0.0〜0.2分、20%MeCN; 0.2〜5.5分、20%MeCNから50%MeCNに上昇させる; 5.5〜5.6分、50%MeCNから95%MeCNに上昇させる; 5.6〜6.5分、95%MeCNで保持する。
方法2: Waters X-Select CSHカラムC18、5μm(19×50mm)、流量28mL 分-1、0.1%v/vギ酸を含むH2O-MeCN勾配で6.5分かけて溶出させ、254nmでのUV検出を使用する。勾配情報: 0.0〜0.2分、35%MeCN; 0.2〜5.5分、35%MeCNから65%MeCNに上昇させる; 5.5〜5.6分、65%MeCNから95%MeCNに上昇させる; 5.6〜6.5分、95%MeCNで保持する。
方法3: Waters X-Select CSHカラムC18、5μm(19×50mm)、流量28mL 分-1、0.1%v/vギ酸を含むH2O-MeCN勾配で10分かけて溶出させ、254nmでのUV検出を使用する。勾配情報: 0.0分、15%MeCN; 0.0〜7.5分、15%MeCNから50%MeCNに上昇させる; 7.5〜8.0分、50%MeCNから95%MeCNに上昇させる; 8.0〜10.0分、95% MeCNで保持する。
方法4: Waters X-Select CSHカラムC18、5μm(19×50mm)、流量28mL 分-1、0.1%v/vギ酸を含むH2O-MeCN勾配で10分かけて溶出させ、254nmでのUV検出を使用する。勾配情報: 0.0分、20%MeCN; 0.0〜7.5分、20%MeCNから40%MeCNに上昇させる; 7.5〜8.0分、40%MeCNから95%MeCNに上昇させる; 8.0〜10.0分、95%MeCNで保持する。
方法5: Waters X-Select CSHカラムC18、5μm(19×50mm)、流速28 mL 分-1、0.1%v/vギ酸を含むH2O-MeCN勾配で10分かけて溶出させ、254nmでのUV検出を使用する。勾配情報: 0.0分、30%MeCN; 0.0〜7.5分、30%MeCNから60%MeCNに上昇させる; 7.5〜8.0分、60%MeCNから95%MeCNに上昇させる; 8.0〜10.0分、95%MeCNで保持する。
方法6: Waters X-Bridge PrepカラムC18、5μm(19×50mm)、流量28mL 分-1、10mM NH4HCO3-MeCN勾配で6.5分かけて溶出させ、254nmでのUV検出を使用する。勾配情報: 0.0〜0.2分、35%MeCN; 0.2〜5.5分、35%MeCNから65%MeCNに上昇させる; 5.5〜5.6分、65%MeCNから95%MeCNに上昇させる; 5.6〜6.5分、95%MeCNで保持する。
(分析法)
(LCMS分析法のための逆相HPLC条件)
方法1a及び1b: Waters Xselect CSH C18 XPカラム、2.5μm(4.6×30mm)、40℃;流量2.5〜4.5mL 分-1、0.1%v/vギ酸(方法1a)又は水中の10mM NH4HCO3(方法1b)のいずれかを含むH2O-MeCN勾配で4分かけて溶出させ、254nmでのUV検出を利用する。勾配情報: 0〜3.00分、95%H2O-5%MeCNから5%H2O-95%MeCNに上昇させる; 3.00〜3.01分、5%H2O-95%MeCNで保持し、流量を4.5mL 分-1に増大させる; 3.01〜3.50分、5%H2O-95%MeCNで保持する; 3.50〜3.60分、95%H2O-5%MeCNに戻し、流量を3.50mL 分-1に減少させる; 3.60〜3.90分、95%H2O-5%MeCNで保持する; 3.90〜4.00分、95%H2O-5%MeCNで保持し、流量を2.5mL 分-1に減少させる。
(1H NMR分光法)
1H NMRスペクトルは、残存する非重水素化溶媒を参照として用いて、400MHzで、Bruker Avance IIIスペクトロメーターで獲得し、別途指定されない限り、DMSO-d6中で泳動させた。
(中間体の調製)
既知の合成中間体は、市販供給源から入手したか、又は公表されている文献手順を用いて取得した。さらなる中間体は、本明細書に記載の代表的な合成プロセスにより調製した。
(2-クロロニコチノイルクロリド)
Figure 2017537949
塩化チオニル(70mL)をニートの2-ブロモニコチン酸(10.0g、49.5mmol)にRTで一度に添加し、その後、2〜3滴のDMFを添加し、混合物を還流状態で4時間加熱した。反応液をRTに冷却し、余分な塩化チオニルを真空中での蒸発により除去した。残渣をイソ-ヘキサンから再結晶化させると、表題化合物が薄黄色の固体(7.81g、1H-NMRによると90%純粋、81%)として得られた。この材料を、それ以上精製することなく、後の工程で使用した。
(N-(2-エチル-6-ニトロフェニル)アセトアミド)
Figure 2017537949
0℃の2-エチルアニリン(5.1mL、41mmol)及び無水酢酸(7.0mL、74mmol)の酢酸(20mL)溶液に、発煙硝酸(3.1mL、69mmol)を添加した。得られた混合物を0℃で1時間保持し、その後、1時間かけてRTにゆっくりと温め、この温度で22時間撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、追加の発煙硝酸(3.1mL、69mmol)で処理し、その後、RTに温めておいた。5時間後、反応混合物を氷水(300mL)に注ぎ入れ、EtOAc(200mL)で抽出した。有機層を分離し、保持し、水相をEtOAc(200mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(150mL)で洗浄し、乾燥させ、真空中で蒸発させた。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、80g、イソヘキサン中0〜100%EtOAc、勾配溶出)により精製すると、表題化合物が暗黄色の固体(2.67g、1H NMRによると80%純粋、31%)として得られた; Rt 1.40分(方法1a); m/z 209(M+H)+(ES+)。この材料を、それ以上精製することなく、後の工程で使用した。
(2-エチル-6-ニトロアニリン)
Figure 2017537949
RTのN-(2-エチル-6-ニトロフェニル)アセトアミド(2.50g、12.0mmol)のEtOH(15mL)溶液に、濃塩酸(20mL、658mmol)を添加した。混合物を還流状態で18時間加熱し、その後、冷却し、氷(50g)の上に注ぎ、2M水酸化ナトリウムの添加により、pH 14に塩基性化させた。得られた沈殿物を濾過により回収し、水(20mL)で洗浄した。濾液をDCM(3×60mL)で抽出し、合わせた有機物を乾燥させ、真空中で蒸発させた。残渣を前に得られた濾取物と合わせると、表題化合物が暗褐色の油状物(1.81g、HPLCによると88%純粋、91%)として得られた; Rt 2.01分(方法1a); m/z 167(M+H)+(ES+)。この材料を、それ以上精製することなく、後の工程で使用した。
(3-エチルベンゼン-1,2-ジアミン)
Figure 2017537949
EtOH(40mL)と1M塩酸(2.0mL)の混合物中の2-エチル-6-ニトロアニリン(1.61g、9.69mmol)の溶液を、Thales H-cube(1.0mL.分-1、23℃、55mm 10%Pd/C Cat-Cart、完全水素モード)に通した。2回通した後、粗混合物を、同じ方法で得られた第2のバッチの材料(1.20mmolスケール)と合わせた。揮発性物質を真空中で蒸発させると、表題化合物が粘性のある暗褐色の油状物(1.35g、HPLCによると78%純粋、91%)として得られた; Rt 0.34分(方法1a); m/z 137(M+H)+(ES+)。この材料を、それ以上精製することなく、後の工程で使用した。
(メチル 5-ブロモ-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ニコチネート)
Figure 2017537949
メチル 5-ブロモ-2-クロロニコチネート(5.75g、23.0mmol)及び7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナンヘミオキサレート(5.98g、27.5mmol)のNMP(55mL)溶液に、Et3N(9.60mL、68.9mmol)を添加した。反応混合物を120℃に1時間加熱し、その後、RTに冷却し、水(250mL)及びEtOAc(200mL)で希釈した。水層を分離し、EtOAc(200mL)で抽出した。合わせた有機層を水(3×300mL)で洗浄し、乾燥させ、真空中で蒸発させると、表題化合物が褐色の固体(7.22g、92%収率)として得られた; Rt 2.15分(方法1a); m/z 340/342(M+H)+(ES+);
Figure 2017537949
(メチル 2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)-5-ビニルニコチネート)
Figure 2017537949
メチル 5-ブロモ-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ニコチネート(1.50g、4.40mmol)、カリウムビニルトリフルオロボレート(1.18g、8.79mmol)、炭酸セシウム(4.30g、13.2mmol)、及びビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(0.15g、0.22mmol)の混合物をバイアルに仕込み、密閉した。バイアルから空気を排出し、窒素を3回再充填し、その後、水(1.5mL)及び1,4-ジオキサン(14.7mL)を添加した。反応混合物を85℃で3時間加熱し、冷却し、セライトパッドに通して濾過した。このパッドをEtOAc(250mL)で洗浄し、合わせた濾液を真空中で蒸発させた。得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、80g、イソヘキサン中0〜100%EtOAc、勾配溶出)により精製すると、表題化合物が無色の油状物(0.98g、1H NMRによると92%純粋、77%)として得られた; Rt 1.63分(方法1a); m/z 289(M+H)+(ES+)。この材料を、それ以上精製することなく、後の工程で使用した。
(メチル 5-エチル-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ニコチネート)
Figure 2017537949
メチル 2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)-5-ビニルニコチネート(975mg、3.38mmol)のEtOAc(20mL)溶液をThales H-cube(1.0mL 分-1、25℃、55mm 10%Pd/C Cat-Cart、完全水素モード)に通した。揮発性物質を真空中で除去すると、表題化合物が無色の油状物(927mg、94%)として得られた; Rt 1.32分(方法1a); m/z 291(M+H)+(ES+);
Figure 2017537949
(5-エチル-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ニコチン酸)
Figure 2017537949
メチル 5-エチル-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ニコチネート(186mg、0.64mmol)のTHF:MeOH:水(1:1:1、3.9mL)溶液に、水酸化リチウム(30mg、1.28mmol)を添加した。反応混合物を50℃に16時間加熱し、その後、RTに冷却した。揮発性物質を真空中で除去し、残りの水性溶液を水で希釈し、1M水性HClの添加により、pH 2に酸性化させた。混合物をEtOAc(3×50mL)で抽出し、合わせた有機抽出物を乾燥させ、真空中で蒸発させると、表題化合物が黄色のゴム状物質(166mg、HPLCによると83%純粋、94%収率)として得られた; Rt 0.78分(方法1a); m/z 277(M+H)+(ES+)。この材料を、それ以上精製することなく、後の工程で使用した。
(メチル 2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)-5-((トリイソプロピルシリル)エチニル)ニコチネート)
Figure 2017537949
窒素で10分間脱気しておいた、メチル 5-ブロモ-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ニコチネート(100mg、0.29mmol)のDMF(1.0mL)溶液に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(35mg、0.03mmol)、ヨウ化銅(I)(11mg、0.06mmol)、トリエチルアミン(84μL、0.6mmol)、及びエチニルトリイソプロピルシラン(369μL、0.3mmol)を添加した。得られた混合物を窒素で5分間フラッシュし、50℃に4時間加熱し、その後、RTに冷却し、水(10mL)とEtOAc(25mL)に分配した。有機層を分離し、保持し、水相をEtOAc(25mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(10mL)及びブライン(10mL)で洗浄し、その後、乾燥させ、真空中で蒸発させた。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、12g、イソヘキサン中0〜50%EtOAc、勾配溶出)により精製すると、表題化合物が褐色の油状物(117mg、88%)として得られた; Rt 3.35分(方法1a); m/z 443(M+H)+(ES+);
Figure 2017537949
(2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)-5-((トリイソプロピルシリル)エチニル)ニコチン酸)
Figure 2017537949
THF、MeOH、及び水(1:1:1、2.1mL)の混合物中のメチル 2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)-5-((トリイソプロピルシリル)エチニル)ニコチネート(148mg、0.33mmol)の溶液に、水酸化リチウム(10mg、0.40mmol)を添加した。反応混合物を50℃に3時間加熱し、その後、RTに冷却した。揮発性物質を真空中で除去し、残りの水性溶液を、1M塩酸の添加により、pH 2に酸性化させた。混合物をDCMとMeOH(9:1)の混合物で抽出し、有機抽出物を乾燥させ、真空中で蒸発させると、表題化合物が褐色のゴム状物質(138mg、1H NMRによると93%純粋、97%)として得られた; Rt 3.21分(方法1a); m/z 429(M+H)+(ES+)。この材料を、それ以上精製することなく、後の工程で使用した。
(メチル 5-シクロプロピル-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ニコチネート)
Figure 2017537949
メチル 5-ブロモ-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ニコチネート(1.50g、4.40mmol)、シクロプロピルボロン酸(0.77g、9.00mmol)、炭酸セシウム(3.23g、9.90mmol)、及び[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(0.33g、0.45mmol)の混合物を水(7.5mL)及び1,4-ジオキサン(15.0mL)に懸濁させ、窒素で10分間脱気した。反応混合物を100℃で6時間加熱し、その後、冷却し、EtOAc(100mL)と水(100mL)に分配した。有機層を分離し、ブライン(100mL)で洗浄し、その後、乾燥させ、真空中で蒸発させた。粗残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、40g、イソヘキサン中0〜100%EtOAc、勾配溶出)により精製すると、表題化合物が無色の油状物(1.17g、1H NMRによると91%純粋、86%)として得られた; Rt 1.44分(方法1a); m/z 303(M+H)+(ES+)。この材料を、それ以上精製することなく、後の工程で使用した。
(5-シクロプロピル-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ニコチン酸)
Figure 2017537949
THF、MeOH、及び水(2:1:1、32mL)の混合物中のメチル 5-シクロプロピル-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ニコチネート(1.17g、3.87mmol)の溶液に、水酸化リチウム(190mg、7.74mmol)を添加した。反応混合物を50℃に6時間加熱し、その後、RTに冷却した。揮発性物質を真空中で除去し、残りの水性溶液を、1M塩酸の添加により、pH 4に酸性化させた。混合物をEtOAc(3×100mL)で抽出し、合わせた有機抽出物を乾燥させ、真空中で蒸発させると、表題化合物が白色の泡状物質(910mg、1H NMRによると95%純粋、82%収率)として得られた; Rt 0.92分(方法1a); m/z 289(M+H)+(ES+)。
(ベンジル 5-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[b]アゼピン-1-カルボキシレート)
Figure 2017537949
0℃のDCM(258mL)及びピリジン(25.0mL)の混合物中の3,4-ジヒドロ-1H-ベンゾ[b]アゼピン-5(2H)-オン(25.0g、155mmol)の溶液に、クロロギ酸ベンジル(38.0mL、264mmol)を滴加した。得られた混合物をRTに18時間温め、その後、水(150mL)を添加した。15分後、二相混合物を分離し、有機層を1M水性HCl(150mL)及びブライン(150mL)で洗浄し、その後、乾燥させ、真空中で濃縮すると、表題化合物が黄色の油状物(54.3g、HPLCによると85%純粋、未反応のクロロギ酸ベンジルを含む)として得られた; Rt 2.21分(方法1a); m/z 296(M+H)+(ES+)。この材料を、それ以上精製することなく、後の工程で使用した。
(ベンジル 5-クロロ-4-ホルミル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[b]アゼピン-1-カルボキシレート)
Figure 2017537949
0℃のニートのDMF(330mL)に、ニートの三塩化ホスホリル(20.5mL、221mmol)を滴加し、0℃で5分後、混合物を、カニューレを介して、ベンジル 5-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[b]アゼピン-1-カルボキシレート(54.3g、184mmol)のDMF(110mL)溶液で処理した。得られた黄色の溶液を0℃で15分間撹拌し、その後、RTに30分間到達させておき、その後、80℃で3時間加熱した。反応混合物をRTに16時間冷却し、その後、EtOAc(700mL)と飽和水性NaOAc(800mL)に分配した。水層を分離し、EtOAc(400mL)で洗浄した。合わせた有機抽出物をブライン(2×800mL)で洗浄し、その後、乾燥させ、真空中で濃縮すると、表題化合物が褐色の油状物(69.9g、HPLCによると78%純粋)として得られた; Rt 2.47分(方法1a); m/z 342(M+H)+(ES+)。この材料を、それ以上精製することなく、後の工程で使用した。
(6-ベンジル 2-エチル 4,5-ジヒドロ-6H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-2,6-ジカルボキシレート)
Figure 2017537949
RTのベンジル 5-クロロ-4-ホルミル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[b]アゼピン-1-カルボキシレート(69.9g、205mmol)のピリジン(432mL)溶液に、エチル 2-メルカプトアセテート(45.0mL、409mmol)、次いで、トリエチルアミン(185mL)を添加した。混合物を70℃で1時間及び115℃で3.5時間加熱し、RTに冷却させておき、この温度で60時間静置しておいた。形成された白色の沈殿物を濾過により除去し、アセトニトリル(200mL)で洗浄した。合わせた濾液を真空中で濃縮し、このプロセスの間に、アセトニトリル(500mL)及びDCM(500mL)のアリコートを添加することにより、余分なピリジンを共沸混合物として除去した。得られた残渣をDCM(400mL)中に取り、1M水性HCl(300mL)で洗浄した。水層を分離し、DCM(100mL)で逆抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(400mL)で洗浄し、その後、乾燥させ、真空中で蒸発させると、油性残渣が得られた。16時間静置した後、形成された固体をヘキサン(100mL)で粉砕し、濾過により回収した。得られたケーキをアセトニトリル(100mL)及びMeOH(100mL)で洗浄し、その後、風乾させると、表題化合物がクリーム色の固体(3工程かけて、24.5g、39%収率)として得られた; Rt 2.84分(方法1a); m/z 408(M+H)+(ES+)。
(エチル 5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-2-カルボキシレート塩酸塩)
Figure 2017537949
エタノール性HCl(393mL、1.25M、491mmol)中の6-ベンジル 2-エチル 4,5-ジヒドロ-6H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-2,6-ジカルボキシレート(20.0g、49.1mmol)の混合物を還流状態で15時間加熱し、その後、真空中で濃縮した。エタノール性HClのさらなるアリコート(393mL、1.25M、491mmol)を添加し、混合物を還流状態でもう一度48時間加熱した。同じプロセスをさらにもう一度繰り返し、還流状態で18時間後、揮発性物質を真空中で除去し、得られた固体をエーテル(300mL)で粉砕した。生成物を濾過により回収し、乾燥させると、表題化合物が白色の固体(12.5g、79%収率)として得られた; Rt 2.47分(方法1a); m/z 274(M+H)+(ES+);
Figure 2017537949
(エチル 6-(4-ニトロベンゾイル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-2-カルボキシレート)
(方法1:ベンゾチエノアゼピン前駆体のアシル化を経由するもの)
Figure 2017537949
4-ニトロベンゾイルクロリド(539mg、2.91mmol)のアセトニトリル(5.0mL)溶液を、RTのエチル 5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-2-カルボキシレート塩酸塩(750mg、2.42mmol)のピリジン(5.0mL)溶液に滴加した。RTで18時間後、得られた混合物を1M水性HCl(100mL)に慎重に注ぎ入れ、EtOAc(2×50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を飽和水性NaHCO3(2×50mL)で洗浄し、その後、乾燥させ、真空中で蒸発させた。このようにして得られた粗固体をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、12g、イソヘキサン中0〜50%EtOAc、勾配溶出)により精製すると、表題化合物が無色のガラス状物質(987mg、95%)として得られた; Rt 2.58分(方法1a); m/z 423(M+H)+(ES+);
Figure 2017537949
(方法2 ベンゾアゼピノン前駆体のアシル化を経由するもの)
(1-(4-ニトロベンゾイル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-5H-ベンゾ[b]アゼピン-5-オン)
Figure 2017537949
RTの1,2,3,4-テトラヒドロ-ベンゾ[b]アゼピン-5-オン(25.0g、155mmol)のピリジン(124mL)溶液に、4-ニトロベンゾイルクロリド(57.6g、310mmol)のMeCN(124mL)溶液を滴加した。得られた混合物をRTで16時間撹拌し、その後、水(50mL)で慎重にクエンチし、EtOAc(100mL)で抽出した。有機抽出物を、飽和水性NaHCO3(100mL)、飽和水性NH4Cl(2×100mL)、水(100mL)、ブライン(100mL)、最後に、1M水性塩酸(2×100mL)で順次洗浄し、乾燥させ、揮発性物質を真空中で蒸発させた。このようにして得られた粗固体をMeOH(300mL)でスラリー化させ、濾過により回収し、乾燥させると、表題化合物が薄黄色の固体(44.8g、HPLCによると93%純粋、93%)として得られた; Rt 1.92分(方法1a); m/z 311(M+H)+(ES+)。この材料を、それ以上精製することなく、後の工程で使用した。
(5-クロロ-1-(4-ニトロベンゾイル)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[b]アゼピン-4-カルバルデヒド)
Figure 2017537949
0℃のニートのDMF(236mL)に、三塩化ホスホリル(15.8mL、170mmol)を滴加し、得られた混合物を、内部温度を0〜5℃に維持しながら、1-(4-ニトロベンゾイル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-5H-ベンゾ[b]アゼピン-5-オン(44.8g、141mmol)のDMF(141mL)溶液で処理した[後者は、固体の完全溶解が生じるまで懸濁液を90℃で加熱することにより得られ、この溶液はまだ熱いうちに添加された]。反応混合物を0℃で15分間撹拌し、その後、RTに30分間到達させておき、その後、80℃で72時間加熱した。得られた混合物をRTに冷却し、EtOAc(500mL)と飽和水性NaOAc(500mL)に分配した。水層を分離し、EtOAc(2×500mL)で洗浄した。合わせた有機抽出物をブライン(8×300mL)で洗浄し、その後、乾燥させ、真空中で蒸発させると、褐色の固体が得られた。このようにして得られた粗生成物をMeOH(300mL)でスラリー化させ、濾過により回収し、乾燥させると、表題化合物が黄色の固体(25.8g、HPLCによると88%純粋、51%)として得られた; Rt 2.28分(方法1a); m/z 357(M+H)+(ES+)。この材料を、それ以上精製することなく、後の工程で使用した。
(エチル 6-(4-ニトロベンゾイル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-2-カルボキシレート)
Figure 2017537949
RTの5-クロロ-1-(4-ニトロベンゾイル)-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[b]アゼピン-4-カルバルデヒド(36.6g、89.0mmol)のピリジン(260mL)溶液に、エチル 2-メルカプトアセテート(18.6mL、170mmol)、次いで、トリエチルアミン(81.0mL)を添加した。反応混合物を70℃で1時間、及び118℃で2時間加熱し、その後、RTに冷却した。形成された白色の沈殿物を濾過により除去し、濾液を真空中で濃縮した。得られた残渣をDCM(100mL)中に取り、水(100mL)で、その後、1M水性HCl(70mL)で洗浄した。有機抽出物を乾燥させ、真空中で蒸発させた。このようにして得られた粗固体をMeOH(150mL)でスラリー化させ、濾過により回収し、乾燥させると、表題化合物が黄色の固体(34.2g、84%)として得られた; Rt 2.65分(方法1a); m/z 423(M+H)+(ES+);
Figure 2017537949
(6-(4-ニトロベンゾイル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-2-カルボン酸)
Figure 2017537949
THF:MeOH(1:1、36mL)の混合物中のエチル 6-(4-ニトロベンゾイル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-2-カルボキシレート(1.50g、3.55mmol)の溶液に、2M水性NaOH(9.0mL)を添加し、混合物を50℃で2時間加熱した。RTに冷却した後、混合物をEtOAc(200mL)と水(200mL)に分配した。水層を分離し、1M水性HClの添加によりpH 3に酸性化し、その後、EtOAc(2×150mL)で抽出した。揮発性物質を真空中で除去すると、表題化合物が黄色の固体(1.44g、99%収率)として得られた; Rt 2.24分(方法1a); m/z 395(M+H)+(ES+);
Figure 2017537949
((2-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-4,5-ジヒドロ-6H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-6-イル)(4-ニトロフェニル)メタノン)
Figure 2017537949
RTの6-(4-ニトロベンゾイル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-2-カルボン酸(1.00g、2.54mmol)のDCM(80mL)溶液に、塩化チオニル(9.25mL、127mmol)を添加した。反応混合物を還流状態で2時間加熱し、その後、RTに冷却し、真空中で濃縮した。残渣をDCM(20mL)中に取り、得られた溶液をベンゼン-1,2-ジアミン(2.74g、25.4mmol)及びDIPEA(1.77mL、10.1mmol)で処理した。RTで1時間後、水(20mL)を添加し、二相混合物を相分離器に通した。有機相を回収し、真空中で濃縮し、得られた残渣をAcOH(20mL)中に取り、125℃で1時間加熱した。混合物をRTに冷却し、真空中で濃縮すると、褐色の残渣が得られ、これをEt2O(2×20mL)で粉砕した。得られた固体を濾過により回収し、Et2O(20mL)で洗浄し、乾燥させると、表題化合物が淡黄色の固体(0.57g、HPLCによると90%純粋、48%)として得られた; Rt 2.05分(方法1a); m/z 467(M+H)+(ES+)。この材料を、それ以上精製することなく、後の工程で使用した。
((2-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-4,5-ジヒドロ-6H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-6-イル)(4-アミノフェニル)メタノン)
Figure 2017537949
RTの(2-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-4,5-ジヒドロ-6H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-6-イル)(4-ニトロフェニル)メタノン(1.00g、2.14mmol)のIPA(10mL)溶液に、飽和水性NH4Cl(1.0mL)及び鉄粉(0.60g、10.7mmol)を添加した。反応混合物を80℃で2時間加熱し、RTに冷却し、その後、セライトパッドに通して濾過した。このパッドをMeOH(2×10mL)で洗浄し、合わせた濾液を真空中で濃縮した。得られた残渣をDCM(10mL)及び水(10mL)中に取り、相分離器に通した。揮発性物質を真空中で蒸発させると、表題化合物が淡黄色の固体(0.73g、HPLCによると90%純粋、78%)として得られた; Rt 1.69分(方法1a); m/z 437(M+H)+(ES+)。この材料を、それ以上精製することなく、後の工程で使用した。
(N-(4-(2-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-6-カルボニル)フェニル)-2-クロロ-6-メチルニコチンアミド)
Figure 2017537949
RTのDMF(5.0mL)に、ニートの塩化オキサリル(120μL、1.37mmol)を10分かけて添加し、混合物をさらに10分間撹拌した。得られた溶液のアリコート(2.0mL)を2-クロロ-6-メチルニコチン酸(79mg、0.46mmol)に添加し、混合物をRTで30分間維持し、その後、(2-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-4,5-ジヒドロ-6H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-6-イル)(4-アミノフェニル)メタノン(100mg、0.23mmol)のピリジン(1.0mL)溶液で処理した。反応混合物をRTで1時間保持し、飽和水性NaHCO3(5.0mL)の添加によりクエンチし、その後、EtOAc(10mL)と水(10mL)に分配した。有機層を分離し、乾燥させ、真空中で濃縮すると、表題化合物が淡黄色の固体(130mg、HPLCによると90%純粋、96%)として得られた; Rt 1.94分(方法1a); m/z 591(M+H)+(ES+)。この材料を、それ以上精製することなく、後の工程で使用した。
(N-(4-(2-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-6-カルボニル)フェニル)-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3,5]ノナン-2-イル)-5-((トリイソプロピルシリル)エチニル)ニコチンアミド)
Figure 2017537949
(2-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-6(5H)-イル)(4-アミノフェニル)メタノン(109mg、0.25mmol)、2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)-5-((トリイソプロピルシリル)エチニル)ニコチン酸(129mg、0.30mmol)、及びHATU(143mg、0.38mmol)のDMF(1.0mL)溶液に、トリエチルアミン(71μL、0.50mmol)を添加し、得られた混合物を50℃で16時間撹拌した。水(10mL)を添加し、得られた沈殿物を濾過により回収した。固体を、DCMとMeOH(9:1)の混合物の中に取り、相分離器で乾燥させ、その後、フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、24g、DCM中0〜10%MeOH、勾配溶出)により精製すると、表題化合物が薄黄色の固体(149mg、HPLCによると92%純粋、70%)として得られた; Rt 3.16分(方法1a); m/z 424(M+2H)2+(ES+)。この材料を、それ以上精製することなく、後の工程で使用した。
(エチル 6-(4-アミノベンゾイル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-2-カルボキシレート)
(触媒還元法)
Figure 2017537949
THF:EtOH(1:1、100mL)と1M水性HCl(2.00mL)の混合物中のエチル 6-(4-ニトロベンゾイル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-2-カルボキシレート(1.00g、2.37mmol)の溶液をThales H-cube(1.0mL.分-1、25℃、55mm 10%Pd/C Cat-Cart、完全水素モード)に通した。揮発性物質を真空中で除去すると、表題化合物(0.98g、〜100%)が得られた; Rt 2.28分(方法1a); m/z 393(M+H)+(ES+)。この材料を、それ以上精製することなく、後の工程で使用した。
(溶解金属還元法)
鉄粉(5.29g、94.7mmol)及びエチル 6-(4-ニトロベンゾイル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-2-カルボキシレート(8.00g、18.9mmol)のIPA(80mL)懸濁液に、飽和水性塩化アンモニウム(8.0mL)を添加した。得られた混合物を80℃で1時間撹拌し、その後、セライトに通して濾過した。セライトパッドをMeOH(1.5L)で洗浄し、合わせた濾液を真空中で蒸発させた。得られた残渣を水(400mL)及びジエチルエーテル(400mL)で粉砕し、真空中で乾燥させると、表題化合物が黄色の固体(5.89g、HPLCによると88%純粋、70%)として得られた; Rt 2.21分(方法1a); m/z 393(M+H)+(ES+)。この材料を、それ以上精製することなく、後の工程で使用した。
(エチル 6-(4-2-クロロニコチンアミド)ベンゾイル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-2-カルボキシレート)
Figure 2017537949
2-クロロニコチノイルクロリド(3.17g、18.0mmol)のMeCN(80mL)溶液を、RTのエチル 6-(4-アミノベンゾイル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-2-カルボキシレート(5.89g、15.0mmol)のピリジン(80mL)溶液にゆっくりと添加した。得られた混合物を40℃で2時間加熱し、その後、RTに冷却し、真空中で濃縮した。残渣をDCM:MeOH(9:1、200mL)中に取り、水(200mL)で洗浄した。水層を分離し、DCM:MeOH(9:1、2×100mL)で抽出し、合わせた有機層を乾燥させ、真空中で濃縮すると、表題化合物が黄色の固体(7.62g、HPLCによると90%純粋、91%収率)として得られた; Rt 2.36分(方法1a); m/z 532(M+H)+(ES+)。この材料を、それ以上精製することなく、後の工程で使用した。
(エチル 6-(4-(2-クロロ-5-メチルニコチンアミド)ベンゾイル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-2-カルボキシレート)
Figure 2017537949
2-クロロ-5-メチルニコチン酸(2.49g、14.5mmol)のDCM(50mL)懸濁液に、塩化オキサリル(4.24mL、48.4mmol)及び1滴のDMFを添加した。得られた混合物をRTで1時間撹拌し、揮発性物質を真空中で蒸発させた。残渣をDCM(25mL)中に取り、エチル 6-(4-アミノベンゾイル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-2-カルボキシレート(3.80g、9.68mmol)のピリジン(20mL)溶液にRTで添加した。混合物をRTで1時間保持し、その後、水(100mL)の添加によりクエンチし、EtOAc(100mL)で抽出した。水層を分離し、EtOAc(2×100mL)で洗浄した。合わせた有機抽出物を水(100mL)で洗浄し、真空中で蒸発させた。得られた固体を水(200mL)で粉砕し、真空中で乾燥させた。このプロセスを同じスケールで繰り返すと、表題化合物が淡黄色の固体(10.0g、HPLCによると89%純粋、95%)として得られた; Rt 2.51分(方法1a); m/z 545/547(M+H)+(ES+)。この材料を、それ以上精製することなく、後の工程で使用した。
(エチル 6-(4-(2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ニコチンアミド)ベンゾイル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-2-カルボキシレート)
Figure 2017537949
エチル 6-(4-2-クロロニコチンアミド)ベンゾイル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-2-カルボキシレート(7.62g、14.3mmol)及び7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナンヘミオキサレート(4.67g、21.5mmol)のNMP(36mL)溶液に、Et3N(5.99mL、43.0mmol)を添加した。反応混合物を150℃に1時間加熱し、その後、RTに冷却した。水(100mL)を添加し、得られた沈殿物を真空濾過により回収した。このようにして得られた固体をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、80g、EtOAc中0〜10%MeCN、勾配溶出)により精製すると、表題化合物が淡黄色の固体(6.23g、63%収率)として得られた; Rt 1.93分(方法1a); m/z 623(M+H)+(ES+)。
(エチル 6-(4-(5-メチル-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ニコチンアミド)ベンゾイル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-2-カルボキシレート)
Figure 2017537949
NMP(23mL)とEt3N(7.61mL、54.6mmol)の混合物中のエチル 6-(4-(2-クロロ-5-メチルニコチンアミド)ベンゾイル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-2-カルボキシレート(4.97g、9.10mmol)及び7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナンヘミオキサレート(5.93g、27.3mmol)の懸濁液を150℃で7.5時間加熱し、その後、RTに60時間冷却した。水(400mL)を添加し、得られた沈殿物を濾過により回収した。固体をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、120g、DCM中0〜30%THF、勾配溶出)により精製すると、表題化合物が淡黄色の固体(3.72g、64%)として得られた; Rt 1.94分(方法1a); m/z 637(M+H)+(ES+);
Figure 2017537949
(6-(4-(2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ニコチンアミド)ベンゾイル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-2-カルボン酸)
Figure 2017537949
エチル 6-(4-(2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ニコチンアミド)ベンゾイル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-2-カルボキシレート(4.35g、6.99mmol)のTHF:MeOH(1:1、60mL)溶液に、水酸化リチウム(0.84g、34.9mmol)の水(60mL)溶液を添加した。反応混合物を50℃に1時間加熱し、その後、RTに冷却した。揮発性物質を真空中で除去し、残りの水性溶液を1M水性HClの添加により中性化した。得られた固体を真空濾過により回収し、真空中で乾燥させると、表題化合物がオフホワイト色の固体(3.90g、92%収率)として得られた; Rt 1.63分(方法1a); m/z 595(M+H)+(ES+)。
(6-(4-(5-メチル-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ニコチンアミド)ベンゾイル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-2-カルボン酸)
Figure 2017537949
THFとMeOH(1:1、40mL)の混合物中のエチル 6-(4-(5-メチル-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ニコチンアミド)ベンゾイル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-2-カルボキシレート(3.72g、5.84mmol)の溶液を水酸化リチウム(0.70g、29.2mmol)の水(40mL)溶液で処理し、混合物を50℃に1時間加熱し、その後、RTに冷却した。揮発性物質を真空中で除去し、残りの水性溶液を水で希釈し、得られた沈殿物が溶解するまで超音波処理した。混合物を1M塩酸の添加により中性化し、得られた固体を濾過により回収し、真空中で乾燥させると、表題化合物がオフホワイト色の固体(3.27g、92%収率)として得られた; Rt 1.64分(方法1a); m/z 609(M+H)+(ES+);
Figure 2017537949
(6-(4-(2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ニコチンアミド)ベンゾイル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-2-カルボニルクロリド)
Figure 2017537949
6-(4-(2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ニコチンアミド)ベンゾイル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-2-カルボン酸(100mg、0.17mmol)のDCM(10mL)溶液に、1-クロロ-N,N,2-トリメチルプロパ-1-エン-1-アミン(45μL、0.34mmol)を添加した。反応混合物をRTで30分間撹拌し、その後、真空中で濃縮した。得られた残渣をDCM(10mL)中に取ると、表題化合物のストック溶液(16.80mM)が得られた。この材料を、それ以上精製することなく、後の工程で使用した。
(エチル 6-(2-フルオロ-4-ニトロベンゾイル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-2-カルボキシレート)
Figure 2017537949
RTの2-フルオロ-4-ニトロ安息香酸(1.00g、5.40mmol)のDCM(30mL)懸濁液に、塩化チオニル(2.87mL、39.3mmol)を添加し、得られた混合物を還流状態で2時間加熱した。揮発性物質を真空中で蒸発させ、得られた残渣をアセトニトリル(20mL)中に取り、RTで、エチル 5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-2-カルボキシレート臭化水素酸塩(1.74g、4.91mmol)のピリジン(20mL)溶液に滴加した。混合物をRTで4時間及び50℃で1時間撹拌し、真空中で蒸発させた。残渣をEtOAc(200mL)中に取り、1M水性HCl(100mL)、飽和水性NaHCO3(100mL)、及び水(100mL)で順次洗浄した。有機抽出物を乾燥させ、真空中で蒸発させると、表題化合物が褐色のゴム状物質(1.91g、HPLCによると95%純粋、88%)として得られた; Rt 2.64分(方法1a); m/z 441(M+H)+(ES+)。この材料を、それ以上精製することなく、後の工程で使用した。
(エチル 6-(4-アミノ-2-フルオロベンゾイル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-2-カルボキシレート)
Figure 2017537949
RTのEtOH:水(2:1、309mL)の混合物中のエチル 6-(2-フルオロ-4-ニトロベンゾイル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-2-カルボキシレート(4.55g、10.3mmol)の溶液に、鉄粉(2.88g、51.7mmol)及び塩化アンモニウム(5.53g、103mmol)を添加した。得られた混合物を還流状態で2時間撹拌し、その後、RTに冷却し、セライトパッドに通して濾過した。このパッドを、MeOH(200mL)、DCM(100mL)、及びEtOAc(200mL)で順次洗浄し、合わせた有機濾液を真空中で蒸発させた。水(250mL)を残渣に添加し、得られた固体を濾過により回収し、水(200mL)で洗浄し、乾燥させると、表題化合物(3.87g、89%収率)が得られた; Rt 2.29分(方法1a); m/z 411(M+H)+(ES+)。この材料を、それ以上精製することなく、後の工程で使用した。
(エチル 6-(4-(2-クロロ-6-メチルニコチンアミド)-2-フルオロベンゾイル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-2-カルボキシレート)
Figure 2017537949
RTのニートのDMF(40mL)に、ニートの塩化オキサリル(1.01mL、11.5mmol)を10分かけて添加し、10分後、得られた混合物を2-クロロ-6-メチルニコチン酸(0.92g、5.36mmol)に添加した。さらに10分後、エチル 6-(4-アミノ-2-フルオロベンゾイル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-2-カルボキシレート(1.10g、2.68mmol)のピリジン(13mL)溶液を2分かけてRTで滴加した。反応混合物を30分間撹拌し、飽和水性NaHCO3(10mL)の添加によりクエンチし、その後、EtOAc(10mL)と水(10mL)に分配した。有機層を分離し、乾燥させ、真空中で蒸発させた。このようにして得られた固体をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、12g、イソヘキサン中の0〜50%EtOAc、勾配溶出)により精製すると、表題化合物がオフホワイト色の固体(1.39g、88%収率)として得られた; Rt 2.49分(方法1b); m/z 564(M+H)+(ES+);
Figure 2017537949
(エチル 6-(4-(2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)-6-メチルニコチンアミド)-2-フルオロベンゾイル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-2-カルボキシレート)
Figure 2017537949
エチル 6-(4-(2-クロロ-6-メチルニコチンアミド)-2-フルオロベンゾイル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-2-カルボキシレート(669mg、1.19mmol)及び7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナンヘミオキサレート(773mg、3.56mmol)のNMP(6.0mL)溶液に、Et3N(0.99mL、7.12mmol)を添加した。反応混合物を130℃に1時間加熱し、その後、RTに冷却し、水(50mL)で処理した。得られた沈殿物を真空濾過により回収し、水(50mL)で洗浄し、その後、固体をDCM:MeOH(9:1)の混合物中に取った。揮発性物質を真空中で蒸発させると、表題化合物(826mg、HPLCによると91%純粋、残留NMPを含む)が得られた; Rt 1.98分(方法1a); m/z 655(M+H)+(ES+)。この材料を、それ以上精製することなく、後の工程で使用した。
(6-(4-(2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)-6-メチルニコチンアミド)-2-フルオロベンゾイル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-2-カルボン酸)
Figure 2017537949
THF:MeOH混合物(1:1、12.6mL)中のエチル 6-(4-(2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)-6-メチルニコチンアミド)-2-フルオロベンゾイル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-2-カルボキシレート(826mg、1.26mmol)の溶液に、2M水性NaOH(6.3mL)を添加し、反応混合物を50℃で2時間加熱した。RTに冷却した後、混合物を、1M水性HClの添加により、pH 3に酸性化し、DCM:MeOH(9:1、2×75mL)の混合物で抽出した。合わせた有機抽出物を真空中で蒸発させると、表題化合物がオフホワイト色の固体(775mg、1H NMRによると90%純粋、98%)として得られた; Rt 1.76分(方法1a); m/z 627(M+H)+(ES+)。この材料を、それ以上精製することなく、後の工程で使用した。
(本発明の代表的な化合物例の調製)
(実施例1: N-(4-(2-(7-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-6-カルボニル)フェニル)-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ニコチンアミド)
Figure 2017537949
RTの6-(4-(2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ニコチンアミド)ベンゾイル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-2-カルボン酸(100mg、0.17mmol)のDCM(2.0mL)溶液に、1-クロロ-N,N,2-トリメチルプロパ-1-エン-1-アミン(45μL、0.34mmol)を添加した。反応混合物をRTで0.5時間撹拌し、その後、真空中で濃縮した。残渣をMeCN(2.0mL)中に取り、3-メチルベンゼン-1,2-ジアミン(205mg、1.68mmol)をRTで添加した。得られた混合物をRTで16時間撹拌し、その後、DCM(2.0mL)及び水(2.0mL)で希釈し、相分離器に通した。揮発性物質を真空中で蒸発させ、残渣をAcOH(2.0mL)中に取り、還流状態で1時間加熱した。混合物を真空中で濃縮し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、80g、DCM中0〜10%MeOH、勾配溶出)により精製した。そのようにして得られた生成物を分取HPLC(方法1)によりさらに精製すると、表題化合物の実施例1が淡黄色の固体(24mg、21%)として得られた; Rt 1.62分(方法1a); m/z 681(M+H)+(ES+);
Figure 2017537949
(実施例2:N-(4-(2-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-6-カルボニル)フェニル)-6-メチル-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3,5]ノナン-2-イル)ニコチンアミド)
Figure 2017537949
N-(4-(2-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-6-カルボニル)フェニル)-2-クロロ-6-メチルニコチンアミド(130mg、0.22mmol)及び7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナンヘミオキサレート(144mg、0.66mmol)のNMP(1.0mL)溶液に、トリエチルアミン(184μL、1.32mmol)を添加した。反応混合物を150℃に1時間加熱し、RTに冷却し、EtOAc(10mL)と水(10mL)に分配した。有機層を分離し、それを相分離器に通すことにより乾燥させ、その後、真空中で濃縮すると、オレンジ色の油状物が得られた。残渣を分取HPLC(方法1)により精製すると、表題化合物の実施例2が淡黄色の固体(53mg、34%収率)として得られた; Rt 1.56分(方法1a); m/z 341(M+2H)2+(ES+);
Figure 2017537949
(実施例3:N-(4-(2-(7-エチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-6-カルボニル)フェニル)-5-メチル-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ニコチンアミド)
Figure 2017537949
RTの6-(4-(5-メチル-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ニコチンアミド)ベンゾイル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-2-カルボン酸(100mg、0.16mmol)のDCM(5.0mL)溶液に、1-クロロ-N,N,2-トリメチルプロパ-1-エン-1-アミン(65μL、0.49mmol)を添加した。反応混合物をRTで1時間撹拌し、その後、真空中で濃縮した。残渣をDCM(2.0mL)中に取り、3-エチルベンゼン-1,2-ジアミン(112mg、0.82mmol)のピリジン(0.5mL)溶液にRTで添加した。得られた混合物をRTで18時間撹拌し、その後、DCM(10mL)及び水(10mL)で希釈し、相分離器に通した。水相を捨て、揮発性物質を真空中で蒸発させた。残渣をトルエン(5.0mL)と共沸させ、その後、AcOH(3.0mL)中に取り、還流状態で1時間加熱した。混合物を真空中で濃縮し、アセトニトリル(10mL)と共沸させ、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、4g、DCM中0〜4%MeOH、勾配溶出)により精製した。そのようにして得られた生成物を分取HPLC(方法1)によりさらに精製すると、表題化合物の実施例3が薄黄色の固体(35mg、30%)として得られた; Rt 1.80分(方法1a); m/z 709(M+H)+(ES+);
Figure 2017537949
(実施例4: N-(4-(2-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-6-カルボニル)フェニル)-5-エチル-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3,5]ノナン-2-イル)ニコチンアミド)
Figure 2017537949
(2-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-6(5H)-イル)(4-アミノフェニル)メタノン(87mg、0.2mmol)、5-エチル-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ニコチン酸(66mg、0.2mmol)、及びHATU(114mg、0.3mmol)のDMF(0.8mL)溶液に、トリエチルアミン(57μL、0.4mmol)を添加し、得られた混合物をRTで16時間撹拌した。水(25mL)を添加し、得られた沈殿物を濾過により回収した。固体をDCM:MeOH(9:1)の混合物中に取り、相分離器で乾燥させ、その後、フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、12g、DCM中10%MeOH、定組成溶出)により精製すると、表題化合物の実施例4が黄色の固体(51mg、37%)として得られた; Rt 1.73分(方法1a); m/z 695(M+H)+(ES+);
Figure 2017537949
(実施例5: N-(4-(2-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-6-カルボニル)フェニル)-5-エチニル-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3,5]ノナン-2-イル)ニコチンアミド)
Figure 2017537949
N-(4-(2-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-6-カルボニル)フェニル)-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3,5]ノナン-2-イル)-5-((トリイソプロピルシリル)エチニル)ニコチンアミド(149mg、0.18mmol)のTHF(1.8mL)溶液に、TBAFのTHF溶液(1M、216μL、0.22mmol)を添加し、得られた混合物をRTで2時間撹拌した。溶媒を真空中で蒸発させ、得られた残渣をMeOH中に取り、SCX捕捉及び放出に供した。そのようにして得られた粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、12g、DCM中0〜10%MeOH、勾配溶出)により精製すると、表題化合物の実施例5が白色の固体(61mg、49%)として得られた; Rt 1.98分(方法1a); m/z 346(M+2H)2+(ES+);
Figure 2017537949
(実施例6: N-(4-(2-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-6-カルボニル)フェニル)-5-シクロプロピル-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3,5]ノナン-2-イル)ニコチンアミド)
Figure 2017537949
(2-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-6(5H)-イル)(4-アミノフェニル)メタノン(87mg、0.20mmol)、5-シクロプロピル-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ニコチン酸(69mg、0.20mmol)、及びHATU(114mg、0.30mmol)のDMF(0.8mL)溶液に、トリエチルアミン(57μL、0.40mmol)を添加し、得られた混合物を50℃で16時間撹拌した。水(25mL)を添加し、得られた沈殿物を濾過により回収した。固体をDCM:MeOH(9:1)の混合物中に取り、相分離器で乾燥させ、その後、フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO2、12g、DCM中0〜10%MeOH、勾配溶出)により精製すると、表題化合物の実施例6が薄黄色の固体(59mg、42%)として得られた; Rt 1.79分(方法1a); m/z 707(M+H)+(ES+);
Figure 2017537949
表2:本発明のさらなる化合物例
Figure 2017537949
Figure 2017537949
Figure 2017537949
Figure 2017537949
Figure 2017537949
Figure 2017537949
Figure 2017537949
(生物学的試験:実験方法)
(Hep2細胞におけるRSV誘導性CPEの評価)
感染1日前に、Hep2細胞を、2mM L-グルタミン及び1mMピルビン酸ナトリウムを含む5%無血清DMEMに入れて、384ウェルプレート(カタログ番号353962, BD Falcon, Oxford, UK)に播種した(103個/ウェル/50μL)。RSV A2株(#0709161v, NCPV, Public Health England, Wiltshire)又はRSV Bワシントン株(VR-1580, ATCC, Manassas, VA 20108)ウイルス溶液を、2mM L-グルタミン及び1mMピルビン酸ナトリウムを含む無血清DMEM中で調製し、その後、RSV Aについては1 MOI、RSV Bについては0.1 MOIの最終ウイルス濃度を達成するように添加した(50μL/ウェル)。同時に、試験化合物(0.5μL DMSO溶液)をウイルス溶液とともに100μLのHep2細胞培養物に添加して、0.5%の最終DMSO溶液を提供した。プレートを、RSV A2株を用いる試験については5日間又はRSV B株を用いる試験については6日間、インキュベートし(37℃/5%CO2)、その後、レサズリンナトリウム塩(5μLの0.03%溶液; Sigma-Aldrich, Dorset, UK)を各ウェルに添加し、プレートをさらに6時間インキュベートした(37℃及び5%CO2)。各ウェルの蛍光[545nm(励起)/590nm(放出)]を、マルチスキャナー(Clariostar: BMG, Buckinghamshire, UK)を用いて決定した。各ウェルについての阻害率を計算し、IC50、IC75、及びIC90値を、各試験化合物について作成された濃度-応答曲線から計算した。
(BEAS2B気管支上皮細胞におけるRSV Fタンパク質発現の評価)
RSVによる上皮細胞の感染の後に起こる初期事象は、細胞の表面でのRSV F-タンパク質の発現である。BEAS2B細胞(SV40-不死化ヒト気管支上皮細胞株)を96ウェルプレートで成長させた。ひとたび70%コンフルエントを上回れば、細胞を、2%FBS(Life technologies, Paisley, UK)を含む清澄なRPMI-1640培地(Life technologies, Paisley, UK)中で、0.01のMOIで、RSV A2(#0709161v, NCPV, Public Health England, Wiltshire)に感染させ、3日間インキュベートした(37℃/5%CO2)。
上清を吸引し、細胞を4%ホルムアルデヒド(PBS溶液中、100μL)で20分間固定し、洗浄バッファー(200μL; 0.05%Tween-20を含むPBS)で3回洗浄し、ブロッキング溶液(100μL; PBS中の5%Marvelミルク)とともに1時間インキュベートした。その後、細胞を洗浄バッファー(200μL)で洗浄し、抗RSV(2F7;マウスモノクローナル、ロット160290、カタログ番号ab43812、Abcam plc, Cambridge, UK) F-融合タンパク質抗体(50μL; 5%ミルク/PBS-tween中に1:1000希釈で調製した)とともに37℃で1時間インキュベートした。洗浄後、細胞をHRPコンジュゲート抗マウスIgG抗体(50μL、PBS中の5%ミルク中に1:2000希釈で調製した;ロット00095437、カタログ番号P0447、Dako UK Ltd, Cambridgeshire, UK)とともに1時間インキュベートした。細胞を洗浄バッファーで2回及びPBSで1回洗浄した。その後、TMB基質(100μL;基質試薬パックロット320436、カタログ番号DY999、R&D Systems社、Abingdon, UK)を添加し、反応を水性硫酸(50μL; 2N)の添加により停止させた。得られたシグナルを、比色定量(OD: 450nm、参照波長を655nmとする)により、マイクロプレートリーダー(Multiskan FC(登録商標), ThermoFisher Scientific)で決定した。その後、細胞を洗浄し、1%クリスタルバイオレット溶液(50μL;ロットSLB4576、カタログ番号HT90132-1L、Sigma-Aldrich)を30分間適用した。PBS(200μL)で3回洗浄した後、1%SDS(100μL)を各ウェルに添加し、プレートを1時間軽く振盪させた後、595nmでの吸光度を読み取った。OD450-655をOD595読取値で割ることにより、測定されたOD450-655読取値を細胞数について補正した。各ウェルについての阻害率を計算し、各試験化合物について作成された濃度-応答曲線からIC50値を導き出した。
(細胞生存:レサズリンアッセイ)
実験1日前に、Hep2細胞を、FBS DMEM(5%、2mM L-グルタミン及び1mMピルビン酸ナトリウムを含む)に入れて、384ウェルプレート(103個/ウェル/50μL; BD Falcon Ref 353962)に播種した。無血清DMEM(50μL)を試験ウェルに添加し、一方、対照ウェルについては、培地を除去し、滅菌水(100μL)を添加した。試験化合物(0.5μLのDMSO溶液)を添加して、0.5%の最終DMSO濃度を生じさせた。Hep2細胞を各試験化合物とともに5日間インキュベートし(5%FBS中、37℃/5%CO2)、その後、レサズリンストック溶液(5μL; 0.03%)を各ウェルに添加し、プレートをさらにもう6時間インキュベートした(37℃/5%CO2)。545nm(励起)及び590nm(放出)での各ウェルの蛍光を、マルチスキャナー(Clariostar: BMG Labtech)を用いて決定した。細胞生存の損失率を、各ウェルについて、ビヒクル(0.5%DMSO)処理と比べて計算した。
適切な場合、CC50値を、各試験化合物についての濃度-応答曲線から作成された濃度-応答曲線から計算した。
(インビトロスクリーニングの結果)
本明細書に開示される本発明の化合物のプロファイルが以下にまとめられており(表3)、これは、Hep2細胞におけるRSV A2誘導性CPEと(多くの場合)RSV B誘導性CPEの両方に対する強力な阻害活性を示している。さらに、本発明の化合物は、BEAS2B気管支上皮細胞におけるRSV A2 F-タンパク質発現の強力な阻害を示している。本化合物とのインキュベーションに起因する細胞生存に対する効果は、全く検出されなかった。
表3 Hep2細胞におけるRSV A2誘導性及びRSV B誘導性CPEに対する、BEAS2B気管支上皮細胞におけるRSV A2 F-タンパク質発現に対する、及び細胞生存に対する式(I)の化合物例による処理の効果
Figure 2017537949
Figure 2017537949
表脚注: 1、0.1μg/mLでの阻害(%); 2、0.01μg/mLでの阻害(%); 3、1μg/mLでの阻害(%); nt=試験されなかった。
(インビボ試験)
ヒトRSVは、前臨床スクリーニングに使用されるいくつかの動物種で感染及び複製することができ、それにより、新規の抗感染剤の性能及びプロファイルをインビボで評価及び比較することが可能になる(Bemらの文献、2011)。霊長類種を感染させ、試験することもできるが、この種の仕事はほとんど、マウス又はコットンラットで実施される。標準的な近交系マウス系統とコットンラットはどちらも、ヒトRSVの複製に対して「半許容性」として特徴付けられるが、顕著により大きいウイルス複製は、近交系マウス系統と比較してコットンラットで見られる。
本発明の化合物は、上記のインビボ系で試験することができる。
(インビボ薬物動態)
肺用治療剤が、動物、例えば、マウスの肺に投与され、結果として生じる、投与された化合物への全身曝露を特徴付けるために、血漿が投与後の様々な時点で回収されるのは一般的に使用される手順である。
本発明の化合物は、このような上記のインビボ系で試験することができる。
(まとめ)
本発明の化合物のインビトロ抗ウイルス活性が、RSVに感染したHep2細胞に対するその細胞保護効果によって示されている。このアッセイ系では、ウイルス複製の阻害を、結果として生じたウイルス媒介CPEの阻害から検出及び定量した。本発明の化合物が、試験されたRSV A株及び(多くの場合)RSV B株によって誘導されるCPEの強力な阻害剤であることは特に注目すべきである。式(I)の化合物の強力な抗ウイルス活性は、BEAS2B細胞におけるそのRSV A2 F-タンパク質発現の阻害からも明らかであった。本発明の化合物は、細胞生存アッセイにおけるその効果によって測定したとき、低い毒性を有するように思われる。したがって、本発明の化合物は、RSV感染及び関連疾患の治療又は予防のための有用な医薬となるべき属性を有するように思われる。
(参考文献)
Figure 2017537949
Figure 2017537949
本明細書及び以下の特許請求の範囲の全体を通して、文脈上、別途要求されない限り、「含む(comprise)」という語並びに「含む(comprises)」及び「含む(comprising)」などの変化形は、記載された整数、工程、整数の群、又は工程の群の包含を意味するのであって、任意の他の整数、工程、整数の群、又は工程の群を除外するものではないことが理解されるであろう。
本明細書で言及される特許及び特許出願は全て、引用により完全に組み込まれる。

Claims (36)

  1. 式(I)の化合物又はその医薬として許容し得る塩
    Figure 2017537949
    (式中:
    Rは、水素又はハロを表し;
    R1は、水素、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、C1-4ハロアルキル、C3-6シクロアルキル、C1-4アルコキシ、又はC1-4ハロアルコキシを表し;
    R2は、水素、ハロ、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、C1-4ハロアルキル、C3-6シクロアルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ハロアルコキシ、又はシアノを表し;
    R3は、水素、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、C0-3アルキレンC3-6シクロアルキル、C0-3アルキレン-ヘテロシクリル、C0-3アルキレンアミノ、C0-3アルキレンNHC1-5アルキル、C0-3アルキレンN(C1-5アルキル)2、C1-5アシルアミノ、C0-3アルキレンC(O)NHC0-3アルキル、C0-3アルキレンC(O)N(C1-3アルキル)2、C1-3アルキレンN(C0-3アルキル)C(O)C0-3アルキル、C0-3アルキレンN(C0-3アルキル)C(O)NHC0-3アルキル、C0-3アルキレンN(C0-3アルキル)C(O)N(C1-3アルキル)2、C0-3アルキレンN(C0-3アルキル)S(O)qC1-6アルキル、S(O)qC1-6アルキル、C0-3アルキレンS(O)qNHC0-3アルキル、又はC0-3アルキレンS(O)qN(C1-3アルキル)2を表し;
    R4は、水素、ハロ、シアノ、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、C1-4ハロアルキル、C0-3アルキレンC3-6シクロアルキル、C1-4アルコキシ、又はC1-4ハロアルコキシを表し;
    R5は、水素、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C0-3アルキレンC3-6シクロアルキル、C2-3アルキレンC1-3アルコキシ、C2-3アルキレンC1-3ハロアルコキシ、又はC2-3アルキレンOHを表し;かつ
    m、n、及びqは、1及び2から独立に選択され得る整数を表す。)。
  2. nが1であり、mが2である、請求項1記載の式(I)の化合物。
  3. 式(Ib)の化合物である、請求項1記載の式(I)の化合物
    Figure 2017537949
    (式中、R、R1、R2、R3、R4、及びR5は、条項1に定義されている通りである。)。
  4. Rが水素を表す、請求項1〜3のいずれか一項記載の式(I)の化合物。
  5. Rがフルオロを表す、請求項1〜3のいずれか一項記載の式(I)の化合物。
  6. R1が、水素、C1-4アルキル、及びC1-4アルコキシから選択される、請求項1〜5のいずれか一項記載の式(I)の化合物。
  7. R2が、水素及びC1-4アルキルから選択される、請求項1〜5のいずれか一項記載の式(I)の化合物。
  8. R1及びR2のうちの一方がメチルであり、もう一方が水素又はメチルである、請求項1〜3のいずれか一項記載の式(I)の化合物。
  9. R3が、水素、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、C1-4ハロアルキル、C3-6シクロアルキル、C1-4アルコキシ、及びC1-4ハロアルコキシから選択される、請求項1〜8のいずれか一項記載の式(I)の化合物。
  10. R3が、水素、ハロ、シアノ、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、C1-4ハロアルキル、C1-4アルコキシ、及びC1-4ハロアルコキシから選択される、請求項9記載の式(I)の化合物。
  11. R3が、水素、ハロ、シアノ、C1-4アルキル、及びC1-4ハロアルキルから選択される、請求項10記載の式(I)の化合物。
  12. R3が、ハロ、メチル、トリフルオメチル(trifluomethyl)、及びシアノ、より好ましくは、メチル、フルオロ、及びクロロから選択される、請求項11記載の式(I)の化合物。
  13. R4が、水素、ハロ、シアノ、C1-4アルキル、C2-4アルケニル、C2-4アルキニル、C1-4ハロアルキル、C1-4アルコキシ、及びC1-4ハロアルコキシから選択される、請求項1〜12のいずれか一項記載の式(I)の化合物。
  14. R4が、水素及びハロ、好ましくは、水素から選択される、請求項13記載の式(I)の化合物。
  15. R5が、水素、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C0-3アルキレンC3-6シクロアルキル、及びC2-3アルキレンC1-3アルコキシから選択される、請求項1〜14のいずれか一項記載の式(I)の化合物。
  16. R5が、水素及びC1-4アルキルから選択される、請求項15記載の式(I)の化合物。
  17. R5が水素である、請求項16記載の式(I)の化合物。
  18. 以下のもの:
    N-(4-(2-(7-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-6-カルボニル)フェニル)-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ニコチンアミド;
    N-(4-(2-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-6-カルボニル)フェニル)-6-メチル-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3,5]ノナン-2-イル)ニコチンアミド;
    N-(4-(2-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-6-カルボニル)フェニル)-5-エチル-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3,5]ノナン-2-イル)ニコチンアミド;
    N-(4-(2-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-6-カルボニル)フェニル)-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ニコチンアミド;
    N-(4-(2-(7-フルオロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-6-カルボニル)フェニル)-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ニコチンアミド;
    N-(4-(2-(7-クロロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-6-カルボニル)フェニル)-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ニコチンアミド;
    2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)-N-(4-(2-(7-(トリフルオロメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-6-カルボニル)フェニル)ニコチンアミド;
    N-(4-(2-(6-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-5,6-ジヒドロ-4Hベンゾ[b]チエノ[2,3d]アゼピン-6-カルボニル)フェニル)-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ニコチンアミド;
    N-(4-(2-(7-シアノ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-6-カルボニル)フェニル)-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ニコチンアミド;
    N-(4-(2-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-6-カルボニル)フェニル)-5-メチル-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ニコチンアミド;
    N-(4-(2-(7-フルオロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-6-カルボニル)フェニル)-5-メチル-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ニコチンアミド;
    N-(4-(2-(7-クロロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-6-カルボニル)フェニル)-5-メチル-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ニコチンアミド;
    5-メチル-N-(4-(2-(7-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-6-カルボニル)フェニル)-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ニコチンアミド;
    5-メチル-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)-N-(4-(2-(7-(トリフルオロメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-6-カルボニル)フェニル)ニコチンアミド;
    N-(4-(2-(7-シアノ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-6-カルボニル)フェニル)-5-メチル-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ニコチンアミド;
    N-(4-(2-(5,7-ジフルオロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-6-カルボニル)フェニル)-5-メチル-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ニコチンアミド;
    N-(4-(2-(7-フルオロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-6-カルボニル)フェニル)-6-メチル-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ニコチンアミド;
    N-(4-(2-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-6-カルボニル)フェニル)-6-メトキシ-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ニコチンアミド;
    N-(4-(2-(7-フルオロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-6-カルボニル)フェニル)-5,6-ジメチル-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ニコチンアミド;
    N-(4-(2-(7-クロロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-6-カルボニル)フェニル)-5,6-ジメチル-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ニコチンアミド;
    5,6-ジメチル-N-(4-(2-(7-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-6-カルボニル)フェニル)-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ニコチンアミド;
    N-(4-(2-(7-シアノ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-6-カルボニル)フェニル)-5,6-ジメチル-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ニコチンアミド;
    N-(4-(2-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-6-カルボニル)-3-フルオロフェニル)-5-メチル-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ニコチンアミド及び
    N-(3-フルオロ-4-(2-(7-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-6-カルボニル)フェニル)-5-メチル-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ニコチンアミド;
    及びこれらのいずれか1つの医薬として許容し得る塩からなる群から選択される、請求項1記載の化合物。
  19. 以下のもの:
    N-(4-(2-(7-エチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-6-カルボニル)フェニル)-5-メチル-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3.5]ノナン-2-イル)ニコチンアミド;
    N-(4-(2-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-6-カルボニル)フェニル)-5-エチニル-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3,5]ノナン-2-イル)ニコチンアミド;
    N-(4-(2-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-5,6-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b]チエノ[2,3-d]アゼピン-6-カルボニル)フェニル)-5-シクロプロピル-2-(7-オキサ-2-アザスピロ[3,5]ノナン-2-イル)ニコチンアミド;
    及びこれらのいずれか1つの医薬として許容し得る塩からなる群から選択される、請求項1記載の化合物。
  20. 医薬としての使用のための、請求項1〜19のいずれか一項記載の化合物。
  21. RSV感染の治療における及びRSV感染と関連する疾患の予防のための使用のための、請求項1〜20のいずれか一項記載の化合物。
  22. RSV感染の治療のための及びRSV感染と関連する疾患の予防又は治療のための薬剤の製造における、請求項1〜20のいずれか一項記載の化合物の使用。
  23. RSV感染に感染した対象の治療方法であって、該対象に、請求項1〜20のいずれか一項記載の化合物の有効量を投与することを含む、前記方法。
  24. 対象におけるRSV感染と関連する疾患の予防又は治療方法であって、該対象に、請求項1〜20のいずれか一項記載の化合物の有効量を投与することを含む、前記方法。
  25. 対象におけるRSV感染と関連する疾患の予防方法であって、感染前の該対象に、請求項1〜20のいずれか一項記載の化合物の有効量を投与することを含む、前記方法。
  26. 前記RSV感染が、RSV A株のウイルス及び/又はRSV B株のウイルスによる感染である、請求項21〜25のいずれか一項記載の、使用のための化合物、使用、又は方法。
  27. 第2の又はさらなる活性成分と組み合わせた医薬としての使用のための、請求項1〜20のいずれか一項記載の化合物。
  28. 請求項1〜20のいずれか一項記載の化合物を、任意に1以上の医薬として許容し得る希釈剤又は担体と組み合わせて含む、医薬組成物。
  29. 第2の又はさらなる活性成分を含む、請求項28記載の医薬組成物。
  30. 前記第2の又はさらなる活性成分が、Fタンパク質阻害剤(抗Fタンパク質抗体、例えば、パリビズマブを含む)、RNAポリメラーゼ阻害剤、及びリバビリンを含む抗ウイルス剤(例えば、他の抗RSV剤)、並びに抗炎症剤から選択される、請求項27記載の使用のための化合物又は請求項29記載の医薬組成物。
  31. 式(IX)の化合物又はその塩
    Figure 2017537949
    (式中、R、R1、R2、R3、R4、及びR5は、請求項1〜20のいずれか一項記載の通りであり、LGは、脱離基、例えば、ハロゲン原子である。)。
  32. 式(IXa)の化合物である、請求項31記載の式(IX)の化合物、又はその塩
    Figure 2017537949
    (式中、R、R2、R3、R4、及びR5は、請求項1〜20のいずれか一項記載の通りであり、LGは、脱離基、例えば、ハロゲン原子である。)。
  33. 式(X)の化合物又はその塩
    Figure 2017537949
    (式中、R、R3、R4、及びR5は、請求項1〜20のいずれか一項記載の通りである。)。
  34. 請求項1〜20のいずれか一項記載の式(I)の化合物、又はその医薬として許容し得る塩を製造する方法であって、式(II)の化合物
    Figure 2017537949
    又はその活性化された誘導体を、式(III)の化合物
    Figure 2017537949
    (式中、R、R1、R2、R3、R4、R5、m、及びnは、条項1〜20のいずれか1つに定義されている通りである。)と反応させることを含む、前記方法。
  35. 請求項1〜20のいずれか一項記載の式(I)の化合物、又はその医薬として許容し得る塩を製造する方法であって、式(IX)の化合物
    Figure 2017537949
    を、式(V)の化合物
    Figure 2017537949
    (式中、R、R1、R2、R3、R4、R5、m、及びnは、請求項1〜20のいずれか一項記載の通りであり、LGは、脱離基、例えば、ハロゲン原子を表す。)と反応させることを含む、前記方法。
  36. 請求項1〜20のいずれか一項記載の式(I)の化合物、又はその医薬として許容し得る塩を製造する方法であって、式(X)の化合物
    Figure 2017537949
    を、式(XI)の化合物
    Figure 2017537949
    (式中、R、R1、R2、R3、R4、R5、m、及びnは、請求項1〜20のいずれか一項記載の通りであり、LG2は、脱離基、例えば、ハロゲン原子を表す。)と反応させることを含む、前記方法。
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