JP2017536911A - 舌操作システムにおいて使用するための舌前進システム - Google Patents

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Abstract

舌前進システムは、舌操作装置において使用するためにあり、一組の格納式フィンガーを有する組織アンカーを含み、一組の格納式フィンガーは、組織アンカーが送達管内に積載されるように適応する格納形状、及び、フィンガーが、前方及び外側方向において舌組織内に延びるように適応する展開形状を有する。当該システムは、さらに、格納式フィンガーの最大の前方への延びを越えて延びるスペーサーを含む。スペーサーは、フィンガーが舌の表面に穴をあけないということを確実にする。

Description

本発明は、舌操作システムにおいて使用するための舌前進システムに関する。
舌操作装置を使用して、上気道閉塞及び睡眠時呼吸障害を治療することは既知である。
睡眠時の呼吸障害は、重要な臨床的意義を有する一般的な問題として認識されている。閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)は、気流の断続的な休止を引き起こす。これらの閉塞性のエピソードが発生する場合、発症した人間は、一時的に覚醒することになる。これらの覚醒エピソードは、典型的には、一晩あたり10から60回発生するため、睡眠断片化が生じ、日中の過剰な眠気をもたらす。OSAを有する一部の患者は、一時間あたり100を超える一過性の覚醒エピソードを経験する。OSAは、循環器系疾患及び肺疾患ももたらし得る。
睡眠時の気道通路を維持することを目的とする種々の方法が既知である。軟口蓋、顎又は舌の位置を変えることを目的としたオーラルアプライアンスが利用可能であるが、患者の不快感がその使用を制限している。持続的気道陽圧法(CPAP)装置が、OSAに対する第一選択治療として使用されることが多くある。これらの装置は、わずかに上昇した圧力の気流をもたらし且つ気道内に陽気圧を維持するよう作用する密封マスクを使用する。
本開示は1つの方法に関し、その1つの方法によって、舌操作装置を患者に外科的に適用することができる。
完全な装置は、以下の3つの必須部分:すなわち、
(i)舌の内側に外科的に置かれる組織アンカー(これは、舌前進装置とも呼ばれることがある);
(ii)典型的には下顎骨に取り付けられる骨アンカー;及び
(iii)組織アンカーを骨アンカーに固定するテザーライン;
を含む。
骨アンカーは、外科医がテザーを骨アンカー内に巻き取るのを可能にするスプールを備え得る。この工程は、調整と呼ばれ、舌を安定化させるだけでなく、下顎骨の方向において舌を前進させて(又は、舌が戻るのを防いで)、気道のブロッキングを防ぐ。
一般的に、移植片が舌の基部にて舌の正中線に置かれ、さらに、装置が、もはや舌が自由に戻ることができないように、舌の基部の安定化及び前進を提供する。代わりに、舌の自由な戻りは、骨アンカーと組織アンカーとを接続する1つ又は複数のテザーラインによって阻止される。
組織アンカーは、ニチノール等の形状記憶材料から形成されてもよく、さらに、長いが比較的小さい送達管内に積載され、舌の中にもたらすことができる。組織アンカーは、さらにこの小さい送達管から押し出された場合に舌の基部内に展開される。これは、一組のフィンガー(又はかかり)を舌組織内で延ばさせる。組織アンカーは、弱い舌組織内で安定したフックを提供し、さらに、テザーを近位側に取り付けて、舌の基部を前進させて、気道を開けたまま保つことができる。
次に、テザーは、ある方法で前進位置においてロックされる。送達管から展開可能な組織アンカーを使用することによって、舌の中への送達は、比較的小さい直径の管を通るものであり得、さらに、組織アンカーは、類似の管を通して取り除くこともできる。
送達管が位置する舌の中の送達チャネルが、カニューレの内側に鋭い先端を有する固体のトロカールによって作られる。挿入の深さは、一方の手でトロカールを押し込み、さらに、もう一方の手で口内で舌の表面を触診することによって手動で制御される。
次に、トロカールは取り除かれてカニューレを所定の位置に残し、組織アンカーの送達のためのチャネルを画定する。組織アンカー送達管は、展開前にカニューレに接続されている。これは、組織アンカーが、カニューレに対して既知の位置まで送達されるのを確実にしている。カニューレは、本質上、送達管の最後の部分になる。
カニューレは、対象内で固定されない。埋め込み手順の過程において、カニューレが舌の中により深く移動するということが起こり得る。位置のフィードバックを提供したトロカールの鋭い先端はもはや存在しないため、舌の表面での位置を触診することは困難である。組織アンカーを積載した送達ツールが、舌の中にわずかに押し込まれた過ぎた場合、組織アンカーのフィンガーは、舌の表面を突き抜け得る。
US2008/0023012
従って、意図されないカニューレの後方移動から生じる舌の穴あきを回避することができる組織アンカーの設計が必要とされる。
本発明は、特許請求の範囲によって定められる。
本発明の一態様による例が、舌操作装置において使用される埋め込み型の舌前進システムを提供しており、当該システムは:
− 一組の格納式フィンガーを含む組織アンカーであり、一組の格納式フィンガーは、組織アンカーが送達管内に積載されるように適応する格納形状、及び、フィンガーが、前方及び外側方向において舌組織内に延びるように適応する展開形状を有する、組織アンカー;及び、
− 格納式フィンガーの最大の前方への延びを越えて延びるスペーサー;
を含む。
スペーサーは、舌前進システムの一部であるが、例えば、組織アンカーに対する別の構成要素であり、実際には、組織アンカーに適用されてもよく、又は、送達機器に適用されてもよい。本明細書において、舌組織を掴むフィンガーを有する構成要素は「組織アンカー」と名付けられ、さらに、埋め込まれる全体のシステムは「舌前進システム」又は「埋め込み型の舌前進システム」と名付けられ、すなわち、本発明の対象であるスペーサーを含む。「組織アンカー」は、本明細書において、「舌アンカー」又は「舌前進装置」とも呼ばれる。
スペーサーは、例えば、送達管内に積載される場合に組織アンカーに加えられてもよく、又は、送達管自体に適用されてもよい。
このスペーサーは、好ましくは、トロカールによって以前に作られたチャネル内でより深く切り進むリスク無しで、前にある舌組織を押し得るとがっていない頭部を有する。スペーサーがフィンガーを越えて突き出るこの様式は、展開するフィンガーが、(おそらく持ち上げられている)舌の表面から離れており、従って、いかなるフィンガーも舌の表面に穴をあけるリスクを減らしているということを意味する。
スペーサーが延びる量は最適化することができ;スペーサーが舌の中で埋め込まれたまま残ることになる場合に、展開時の舌の穴あきを回避するのに十分長くあるべきであり、さらに、不必要な舌の表面の持ち上げ又は皮下体積の増加をもたらすべきではない。
第1の例の組において、格納形状では、フィンガーは真っ直ぐであり且つ軸方向において延び(その方向は、舌への挿入の方向と同じであり、さらに、送達管の伸長軸の方向にも一致し)、軸方向に対して垂直の面において、フィンガーは環状に配置される。スペーサーは環の内側にシャフトを含む。これは、格納式組織アンカーの中心までスペーサーを単に押し下げることができ、さらに、スペーサーは固体の平らな、従ってとがっていない端部を有するロッドの形をとって、舌組織を押すことができるということを意味する。
フィンガーがその格納形状にある場合に、シャフトは、フィンガーの後端から、フィンガーの前端(すなわちフィンガーの先端)を越えて突き出る位置まで延びてもよい。この前方への突出しは、フィンガーが遠位の舌の表面を突き抜けるのを防ぐ。
展開形状のフィンガーはループ半径を有してもよく、さらに、シャフトは、ループ半径に相当する量だけ(格納形状において)前端を越えて突き出る。
シャフトは、軸方向において圧縮性であってもよい。組織アンカーが前方に押されてフィンガーを展開するに従い、シャフトは、相当する量だけ前進する必要はなく、展開フィンガーのうち最も前進した部分と、シャフトの端とのクリアランスを維持する必要だけある。
シャフトは、その長手方向に沿ってスリットを有する円柱を含んでもよい。これらのスリットは、従って、外に向かって広がって圧縮を実行し得る環状のダブルクランプビームの組を画定している。これらのダブルクランプビームは、板ばねとして機能するとして考慮され得る。ダブルクランプビームは、圧縮された場合に外側に変形するように初期外方向変形を有してもよい。或いは、シャフトは、弾性材料から形成されてもよい。
或いは、シャフトは、基部及び頭部を、基部と頭部との間に非剛性の相互接続を有して含んでもよい。この非剛性の接続は、圧縮を実行するために屈曲を可能にする(ここで、圧縮は、送達管の伸長軸に一致する軸方向における全体の大きさの減少を意味する)。
別の例の組において、格納形状では、フィンガーは真っ直ぐであり且つ軸方向において延び、スペーサーは、格納形状のフィンガーの端部(すなわち先端)の周りに環状リングを含む。端部の周りにリングを提供することによって、スペーサーは、それらの端部を越えて突き出る。従って、フィンガーは、延びた形状において環状リングを通って延びるように構成される。このリングは、送達管にめすおすソケットとして加えることができ、さらに、好ましくは、フィンガーによって貫通することができる軟材料のものである。
別の例の組において、格納形状では、フィンガーは真っ直ぐであり且つ軸方向において延び、スペーサーは、格納形状のフィンガーの端部(すなわち先端)の上にキャップを含む。このキャップは、環状リングと同じ様式で機能し、ここでもフィンガーは、好ましくは、延びた形状においてキャップを通って延びる。
全ての例において、スペーサーは、舌の中に残り、次に、時間の経過に伴い分解するように生分解性であってもよい。
本発明は、上記の舌前進システムと、下顎骨への取り付けのための骨アンカーとを含む舌操作システムも提供する。従って、舌前進システムの組織アンカーを骨アンカーに結合させるテザーラインが、好ましくは提供される。
本発明は:
− 一組の格納式フィンガーであり、組織アンカーが送達管内に積載されるように適応する格納形状、及び、フィンガーが、前方及び外側方向において舌組織内に延びるように適応する展開形状を有する、一組の格納式フィンガー;及び、
− 格納式フィンガーの最大の前方への延びを越えて延びるスペーサーを受けるように適応する、フィンガー間の積載スペース;
を含む組織アンカーも提供する。
可聴又は触知性のフィードバック構成が積載スペース内に提供されて、スペーサーが積載スペース内に正確に挿入されたときの指標をユーザに与えてもよい。
本発明は、舌の中に舌前進システムを適用することにおいて使用される送達管も提供し、舌前進システムは、一組の格納式フィンガーを有する組織アンカーを含み、一組の格納式フィンガーは、組織アンカーが送達管内に積載されるように適応する格納形状、及び、フィンガーが、前方及び外側方向において舌組織内に延びるように適応する展開形状を有し、
当該送達管は、舌組織への挿入及び舌組織からの除去のための第1の部分、及び、遠端にて、i)格納式フィンガーの最大の前方への延びを越えて延びるスペーサーとして機能する第2の部分であり、フィンガーは、スペーサーを貫通することができるように適応する、第2の部分、又は、ii)格納式フィンガーの最大の前方への延びを越えて延びるスペーサー(70、80)を受けるように適用する第2の部分を含む。
このスペーサーの貫通は、組織アンカーのフィンガーが展開された場合に発生する。
次に、本発明の例が、付随の図面を参考にして詳細に記載される。
一般的にどのようにして既知の舌操作装置が使用されるかを示した図である。 より詳細に既知の舌操作装置を示した図である。 図1及び2の装置において、どのようにしてテザーライン内の張りが調整されるのかを示した図である。 舌前進システムの第1の例を示した図である。 図4のシステムの使用において、なぜある程度の延びが所望されるのかを説明した図である。 舌前進システムの第2の例を示した図である。 舌前進システムの第3の例を示した図である。 舌前進システムの第4の例を示した図である。 どのようにして、図8のシステムが送達管内に積載されるのかを説明した図である。 積載のためのキャップを含む舌前進システムの第5の例を示した図である。
本発明は、舌操作装置において使用される舌前進システムを提供し、当該システムは、一組の格納式フィンガーを有する組織アンカーを含み、一組の格納式フィンガーは、組織アンカーが送達管内に積載されるように適応する格納形状、及び、フィンガーが、前方及び外側方向において舌組織内に延びるように適応する展開形状を有する。当該システムは、さらに、格納式フィンガーの最大の前方への延びを越えて延びるスペーサーを含む(「前方」は、送達管から舌の中への組織アンカーの軸挿入の方向である)。スペーサーは、フィンガーが舌の表面に穴をあけないということを確実にする。
本発明は、舌操作装置の組織アンカー部分に関する。組織アンカーは舌への取り付けのためにあり、装置は、典型的には下顎骨への取り付けのためにある骨アンカー、及び、組織アンカーを骨アンカーに固定するテザーラインをさらに含む。
本発明は、例えば参照により本願に援用される特許文献1において詳細に記載されたタイプの、既知の装置への修正として適用することができる。
既知の装置の一般的な全操作が、第一に、特許文献1から適応した図1乃至3を参考にして記載される。
図1は、下顎骨14の下面上に位置する固定アセンブリ12に取り付けられた舌操作装置10を示している。舌は、16として示されている。
図2は、より詳細に舌操作装置のあり得る設計を示している。
この設計は、舌への取り付け(特に埋め込み)のための組織アンカー20の形の舌前進装置、及び、下顎骨への取り付けのための骨アンカー22を含む。テザーライン24は、組織アンカー20を骨アンカーに固定する。
骨アンカー22は、テザーラインスプール構成26を含む。これは、テザーラインがスプールの上に巻かれてテザーライン内の緩みを巻き上げるのを可能にするため、ラインは、所望の制限された舌の動きを提供することができる。
図3は、どのようにしてスプールの調整が行われるのかを示しており、さらに、患者の頭部の下部を通る断面を示している。骨アンカー22は、示されているように下顎骨30の下部に取り付けられる。テザーライン24を締めるために、回転ドライブシャフト32(「滴定針」又は「調整ツール」として既知)が、骨アンカーのスプール部分における開口部内に挿入され、さらに、調整が、指標付き機能に基づき判断される。
本発明は、舌の貫通を防ぐためにスペーサーを使用する舌前進システムの設計を提供する。3つの異なる概念の方法がある。図4乃至7は、組織アンカーに対するめすおすソケットとしてスペーサーを提供する第1の概念の方法に関する。
図4は、舌穴あき保護を有する舌前進システムの第1の例を示している。
組織アンカー20は、本質的に、先に記載されている。組織アンカーが送達管42内に積載されるように適応する格納形状(左の画像)、及び、フィンガーが、送達管42に対して前方及び外側の方向において舌組織内に延びるように適応する展開形状(右の画像)を有する一組の格納式フィンガー40がある。
舌前進システムは、格納式フィンガー40の最大の前方への延びを越えて延びるスペーサー44を有する。この例において、スペーサー44は、シャフト又はロッドの形を有している。この最大の前方への延びは、組織アンカーの展開中にフィンガー40が送達管42の端部を越えて突き出る最大距離である。フィンガーは、送達管42の端部から展開された場合に丸まって曲がった弓状になり、さらに、これらの弓は、送達管の端部から前方に延びるだけでなく、舌組織内に外側にも延びる。フィンガーが前方に延びる場合、トロカールによって作られたチャネル内に位置する送達管42の端部よりも深く舌組織内に侵入する。この前方への侵入は舌に穴をあけるリスクを有するけれども、外側への侵入も舌の表面が平らでない場合にリスクになり得る。
スペーサー44は、送達管内に積載される場合に組織アンカー20に加えることができる。スペーサー44は、トロカールによって以前に作られたチャネル内により深く切り進むリスクを有することなく、前にある舌組織を押しやることができるとがっていない頭部を有する。
図4は、どのようにしてフィンガーがRの曲率半径を形成するかを示しており、さらに、スペーサーが格納されたフィンガーの端部から突き出る距離dは、少なくともこの半径と同じ大きさであってもよい。この突出しは、展開するフィンガーが舌の表面から離れており、従って、いかなるフィンガーも舌の表面に穴をあけるリスクを減らしているということを意味する。舌の体積は、領域45として示されている。
フィンガー40は、格納形状において、真っ直ぐであり、且つ、中空が生じるように環状に配置されてもよい。スペーサーのシャフトは、その環の内側に収容することができ、組織アンカー構成要素の頭部46に達するまでのみ挿入することができる。従って、シャフトは、フィンガーがその格納形状にある場合に、フィンガーの後端から、フィンガーの前端を越えて突き出る位置まで延びる。
図4のバージョンは、本質的に、組織アンカーに対して延びを提供している。
シャフト44は、生分解性材料のものであってもよい。
使用中、医師は、口の内側で舌の表面の真下のシャフト44の先端を感じるまで、送達管42によって画定された舌の中のチャネル内に舌前進システムを挿入する。ループ半径に等しい格納形状での延びる距離に対して、展開直前の舌の表面は、ほぼ平らであるべきである。さもなければ、フィンガーは、フィンガーの円形の展開経路が鋭いフィンガーの先端を外向きに動かすため、表面を通って依然として固着し得る。これは、図5において例示されている。図5における右の画像は、展開中の舌45の表面を貫通する間際にあるフィンガーを示している。より大きな初期の延びる距離dが、安全因子を提供することができる。
穴あきリスクを減らすさらなる選択肢は、圧縮力を経験する場合に長さにおいて圧縮する(対応して幅において広がる)変形可能なスペーサーを使用することである。
図6は、圧縮性のスペーサーを使用する第2の例を示している。スペーサーは、ここでも、シャフト44を含むが、シャフト44は、ダブルクランプビームの組が画定されるように、その長手方向に沿って軸方向のスリット50を有する。これらのビームは、シャフト44の下部60と上部62とを接続する。非荷重の状態において、これらのビームは、中心線から離れて中間部分がわずかに曲がった形状を有する。圧縮荷重の下、ビームは、外側に曲がり、従って、スペーサーのより大きな直径及びより短い長さをもたらすことができる。これは、右の画像において、展開形状に対して示されている。ダブルクランプビームは、それ自体が半径方向においてスペースが生じるように十分に薄くあるか又は鋭くある必要があり;これらの半径方向に外側の位置にてトロカールによって以前に作成される空洞はない。
スペーサー構造体は、スペーサーが送達管に収容された場合にその延びた形状で保持されるように、予め負荷を加えることができるが、スペーサーは、そのような大きな軸方向の圧縮力を必要とすることなく、その初期の幅の広い形状に戻る傾向がある。より幅の広い初期の形状は、要求される圧縮力を減らすことになるが、これは、組織アンカーを送達管内に積載するときにより大きな内側への予荷重力を要求することになる。
送達管の利用可能なスペースに幅が圧縮され且つ長さが延びるより幅の広いスペーサーを使用する同じ概念を、弾性のスペーサー材料を使用して達成することもできる。この場合、スペーサーは、スリット構造を必要としなくてもよい。
スペーサーの底部60は、展開後でさえもフィンガー40間の空洞の底の所定の位置に残ったままである。
図7は、シャフトが基部60及び頭部62を、基部と頭部との間に非剛性の相互接続64を有して含む第3の例を示している。
スペーサーのとがっていない上部62は、組織アンカーが格納形状にある(左の画像)場合にフィンガーによって形成された空洞内でクランプされている。部分的な展開の後で、上部は、フィンガーから離され、例えば薄い接続部材等の可撓性の部分64を介してスペーサーの下部60と接続したまま残るだけである。結果として、上部62は、不必要に遠くまで押すことなく、曲がる且つ舌の表面の下の場所を見つけることができる。スペーサーは異なる材料のものであってもよく、さらに、より薄い部分は、ねじ込み又は節止めによって組織アンカーに接続することもできる。
上記の設計はそれぞれ、組織アンカーが舌から取り除かれることになる場合にスペーサーの再捕捉を可能にする。この取り除きは、組織アンカーが送達管からまだ離れない限り、現存するシステムにおいて既知の特徴である。この特徴は、必要に応じて組織アンカーの再配置を可能にする。従って、これらの例は、組織アンカー及びスペーサーが単純な様式で送達管内に後戻りさせられるのも可能にする。大きさは、舌組織及び表面の特性に応じて最適化することができる。
図4乃至7の例において、舌前進システムを使用する前に、スペーサー44は、フィンガー40間のスペース内に積載される。スペーサーが所望の深さに達したときに指標を与えることができ、例えば、スペーサーはフィンガー間のスペース内へのスナップフィットであってもよい(少なくとも可聴のフィードバックを与えることになる)か、又は、スペーサーが十分に挿入されたときに他の触知性又は可聴のフィードバックが提供されてもよい。フィンガー40間のスペース内にスペーサーを保持する別の選択肢は、ねじ山を使用する。他の選択肢も、当業者には明らかになる。
このように、これらの例においては、一組の格納式フィンガー(40)を含む組織アンカー(20)が提供され、一組の格納式フィンガー(40)は、組織アンカーが送達管(42)内に積載されるように適応する格納形状、及び、フィンガーが、前方及び外側方向において舌組織(45)内に延びるように適応する展開形状を有し、さらに、フィンガー間のスペースは、格納式フィンガーの最大の前方への延びを越えて延びるスペーサー(44)を受けるための積載スペースである。可聴又は触知性のフィードバック構成が、例えば、積載スペース内に提供される。スペーサーは終止箇所に達するため、触知性のフィードバックを、スペーサーが十分に挿入されたときに与えることができるか、又は、スナップフィットの音及び感覚があってもよい。
図8乃至10は、スペーサーが送達管に対して拡張を提供する第2の概念の方法に関する。
図8の第4の例において示されているように、格納形状(左の画像)では、フィンガーは真っ直ぐであり、さらに、スペーサーは、フィンガー40の前端の周りに環状リング70を含む。展開形状(右の画像)では、フィンガー40は、環状リング70を通って延びている。組織アンカーの送達中、フィンガーは、リングを貫通してもよく、又は、適した予め形成された外側の開口部と整列させられてもよい。
当該システムは、上記のように穴をあけることができる材料からスペーサーリング70を形成することによって、いかなる外側の開口部無しで整列させる及び製造するのがより簡単である。リングもフィンガーを屈折させるべきではないため、円形状への自然な延びが妥協されるべきではない。リングは、この目的で軟材料から作製することができる。
フィンガーが柔らかいリングの延びにダメージを与えることになるため、送達管内に組織アンカーを積載することは、送達管内に真っ直ぐフィンガーを引くだけでは、もはや実行することはできない。従って、送達管42内に組織アンカー20を積載するために、さらなる取り囲み外側スリーブ72を、図9において示されているように使用することができる。代替案は、組織アンカーが送達管内にすでに積載された後で環状リング70を乗せることである。
この場合、スペーサーは、リング形状を有する必要はなく、代わりに、図10の第5の例において示されているように、キャップの形状であり得る。
スペーサーは、格納形状にあるフィンガーの前端の上にキャップ80を含む。
左の画像は、送達管42内に積載されている組織アンカー20を示している。
真ん中の画像において示されているように、キャップ80が、次に、上に乗せられ、さらに、ケーシング82が、組立体の上に正確にキャップの位置を保持するために使用される。
次に、組織アンカー20が、展開形状に向かってわずかに進められる。展開は、フィンガー40の先端にキャップ80内に侵入させるのに十分なだけ実行される。この様式で、キャップは、右の画像において示されているように仮に固定される。
次に、ケーシング82を取り除くことができ、さらに、キャップを含む組立体全体を、カニューレ内に挿入することができる。
この方法の利点は、外径がカニューレの内径に一致する限り、キャップを自由に形作ることができるということである。キャップは、カニューレ内への挿入を促進するために前の周径にて丸くすることができる。キャップ及び送達管は接続されていないため、送達管は、いかなる制限もなく組織アンカーの送達の後で格納することができる。従って、キャップは、舌の中の送達の部位にて残る。
組織アンカーの取り除きが必要とされる場合、送達/再捕捉管内への展開された組織アンカーの繊細な積載によって、キャップも取り除くことができる。フィンガーが十分に広げられるが依然としてキャップ内に突き出ているポイントにて、組織アンカーもキャップも引く抜くことができる。同じことが、図8及び9の環状リングにも適用される。
このように、この第2の概念の方法による例も、より繊細な手順を用いるけれども、スペーサーの除去を可能にする。
第3の概念の方法は、例えば、第一にカニューレに挿入される円柱又は球形状のもの等、別の本体としてスペーサーを提供することである。この本体は、組織アンカーを保有する送達管の挿入の深さを限定することになる。従って、この別のスペーサーは、容易に取り除かれない。
図9及び10の例は、送達管(カニューレ)(及びおそらくその一部)に対する修正としてスペーサーを提供するとして考慮され得る。これらの例は、従って、舌組織への挿入及び舌組織からの取り除きのための第1の部分を含む送達管を提供する。これは、舌から離れた送達管の主要部分である。第2の部分が遠端にあり、i)格納式フィンガーの最大の前方への延びを越えて延びるスペーサー(70;80)として機能するか、又は、ii)格納式フィンガーの最大の前方への延びを越えて延びるスペーサー(70;80)を受けるように適用する。フィンガーは、スペーサーがフィンガーを越えて残るようにスペーサーを貫通することができるように適応する。組織アンカー内にスペーサーを置くための上記と同じ又は類似の機構(スナップフィット、ねじ山、可聴及び/又は触知性のフィードバックを有する機構)が、送達管の上にスペーサーを置くために使用されてもよい。
本発明は、既知のシステムに対する小さな変化として実行することができる。この理由のため、舌操作装置を適用及び構成するために使用される外科用器具及び手順等、既知のシステムの全詳細は提供されていない。読者は、さらなる詳細に対しては、先に参照したもの等の先行文献に誘導される。
開示された実施形態に対する他の変化は、請求された発明を実行する際に、図面、明細書、及び付随の特許請求の範囲の調査から当業者により理解する及びもたらすことができる。特許請求の範囲において、「含む」という用語は、他の要素又はステップを除外せず、不定冠詞はその複数形を除外しない。特定の手段が互いに異なる従属項において記載されているという単なる事実は、これらの手段の組合せを役立つよう使用することができないと示しているわけではない。特許請求の範囲におけるいかなる参照番号も、その範囲を限定するとして解釈されるべきではない。

Claims (15)

  1. 舌操作装置において使用される埋め込み型の舌前進システムであって、
    − 一組の格納式フィンガーを含む組織アンカーであり、前記一組の格納式フィンガーは、当該組織アンカーが送達管内に積載されるように適応する格納形状、及び、前記フィンガーが、前方及び外側方向において舌組織内に延びるように適応する展開形状を有する、組織アンカーと、
    − 前記格納式フィンガーの最大の前方への延びを越えて延びるスペーサーと、
    を含む舌前進システム。
  2. 前記格納形状において、前記フィンガーは真っ直ぐであり且つ軸方向において延び、前記軸方向に対して垂直の面において、前記フィンガーは環状に配置され、前記スペーサーは前記環の内側にシャフトを含む、請求項1に記載の舌前進システム。
  3. 前記フィンガーがその格納形状にある場合に、前記シャフトは、前記フィンガーの後端から、前記フィンガーの前端を越えて突き出る位置まで延びている、請求項2に記載の舌前進システム。
  4. 前記展開形状の前記フィンガーはループ半径を有し、前記シャフトは、前記ループ半径に相当する量だけ前記前端を越えて突き出る、請求項2又は3に記載の舌前進システム。
  5. 前記シャフトは、前記軸方向において圧縮性である、請求項2乃至4のいずれか一項に記載の舌前進システム。
  6. 前記シャフトは、その長手方向に沿ってスリットを有する円柱を含む、請求項5に記載の舌前進システム。
  7. 前記シャフトは、弾性材料で形成されている、請求項5に記載の舌前進システム。
  8. 前記シャフトは基部及び頭部を含み、前記基部と前記頭部との間に非剛性の相互接続を有する、請求項5に記載の舌前進システム。
  9. 前記格納形状において、前記フィンガーは真っ直ぐであり且つ軸方向において延び、前記スペーサーは、前記格納形状において前記フィンガーの端の周りに環状リングを含む、請求項1に記載の舌前進システム。
  10. 前記格納形状において、前記フィンガーは真っ直ぐであり且つ軸方向において延び、前記スペーサーは、前記格納形状において前記フィンガーの端の上にキャップを含む、請求項1に記載の舌前進システム。
  11. 請求項9において、延びた形状では前記フィンガーは前記環状リングを通って延び、さらに、請求項10において、延びた形状では前記フィンガーは前記キャップを通って延びる、請求項9又は請求項10に記載の舌前進システム。
  12. 前記スペーサーは、生分解性である、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の舌前進システム。
  13. 請求項1乃至12のいずれか一項に記載の舌前進システムと、下顎骨への取り付けのための骨アンカーと、前記舌前進システムの前記組織アンカーを、前記骨アンカーに結合させるテザーラインと、を含む舌操作システム。
  14. 請求項1乃至12のいずれか一項に記載の埋め込み型の舌前進システムに使用される組織アンカーであって、
    − 一組の格納式フィンガーであり、当該組織アンカーが送達管内に積載されるように適応する格納形状、及び、前記フィンガーが、前方及び外側方向において舌組織内に延びるように適応する展開形状を有する一組の格納式フィンガーと、
    − 前記格納式フィンガーの最大の前方への延びを越えて延びるスペーサーを受けるように適応する、フィンガー間の積載スペースと、
    を含む組織アンカー。
  15. 舌の中に舌前進システムを適用することにおいて使用される送達管であって、前記舌前進システムは、一組の格納式フィンガーを有する組織アンカーであり、前記一組の格納式フィンガーは、前記組織アンカーが当該送達管内に積載されるように適応する格納形状、及び、前記フィンガーが、前方及び外側方向において舌組織内に延びるように適応する展開形状を有する、組織アンカーを含み、
    当該送達管は、前記舌組織への挿入及び前記舌組織からの除去のための第1の部分、及び、遠端にて、i)前記格納式フィンガーの最大の前方への延びを越えて延びるスペーサーとして機能する第2の部分であり、前記フィンガーは、前記スペーサーを貫通することができるように適応する、第2の部分、又は、ii)前記格納式フィンガーの前記最大の前方への延びを越えて延びるスペーサーを受けるように適用する第2の部分を含む、送達管。
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