本発明の例示的な実施形態は、展開可能な及び/又は関節操作可能な内視鏡に関する。この内視鏡は、多関節ハウジング、カメラ、多関節内視鏡の先端部に設けられた光源、及び、展開と関節操作だけでなく電気的接続にも使用される非常に薄いフラットケーブルを複数備える。これらのフラットケーブルは、内視鏡の二次的部分に配線されるか、別の器具又は手術ポートの外側本体に組み入れられる。
図1は、多関節内視鏡100の例示的な側面図である。この多関節内視鏡100は、先端部101と、中間部103を含み得る二次的部分と、基端部105と、を備える。いくつかの実施形態では、二次的部分は、1つ以上の先端側関節部102を介して先端部101と連結されていてもよい。また、中間部103と基端部105とは、基端側関節部104を介して互いに連結されていてもよい。例えば、内視鏡100の先端部101は、先端側関節部102において角度約90°に屈曲して、先端部101に内蔵された内視鏡照明モジュール及びカメラモジュールを、したがって、映像システムの視野(FOV)を中間部103の直ぐ前方に向けることができる。いくつかの実施形態では、中間部103は薄型に形成され、他の管状の手術器具又はポートに組み込むことが可能であってもよい。内視鏡の先端側関節部102の屈曲は、基端側ハウジング112に内蔵された引張りバネ機構を使用して、基端部105において設定及び制御される。基端側関節部104を受動的に屈曲させることによって、使用中の内視鏡の基端部105は、ポートの側方に向けて好都合に屈曲して、ポート開口部の周囲に間隙を形成する。
内視鏡100は、多関節かつ形成済みの薄い板金製のハウジング(又は他の種類のハウジング)を、内視鏡100の各部(先端部101、中間部103、及び基端部105)に備えていてもよい。これらの各部分は、先端側関節部102及び基端側関節部104、又は内視鏡の板金製本体に連結された他の部分において、受動的に屈曲する関節操作及び展開用ヒンジにより連結されている。
いくつかの実施形態では、内視鏡100の先端部101の長さは、30〜35mmであってもよい。別の実施形態では、先端部101の長さは、5〜30mm又は35〜50mmであってもよい。さらに、先端部101の直径は8〜10mmであってもよい。代替的又は追加的に、先端部101の直径は4〜12mmであってもよい。いくつかの実施形態では、中間部103の厚さは1mm未満であってもよい。これによって、内視鏡100は、手術用ポート又はフレキシブルカテーテルの壁と一体化されるか、そうでない場合には、壁に収容される。他の実施形態では、内視鏡の中間部103は、直径3〜12mmで硬質かつ可鍛性で、部分的又は全体的にフレキシブルな手術用部材に螺旋状に配線され得る。いくつかの実施形態では、中間部は薄型に形成される。
いくつかの実施形態では、先端部101のハウジングは、プラスチック、シリコーン等の非反応性材料の微小成形品で構成されるか、複合金属インサートプラスチック製で特定の形状を有する上側ハウジング203(図2及び図3A等に図示)で構成されている。このハウジングは、複数の光源202と1つ以上のカメラ201とを、先端部101内で所望の位置と視野方向に位置決めして整列させるために使用される。光源202は、LED光源であってもよい。図2に示す先端部101のハウジングは円筒形であってもよく、その先端208は挿入しやすいように丸められている。いくつかの実施形態では、先端部101は、上側ハウジング203(例えば、図3Aの微小プラスチック成形品)と、下側ハウジング204(例えば、図3Bの板金成形品)とに分割され、これらがロック手段305により互いに接合されている。上側ハウジング203については、ラッチ機構303が先端側関節部102に設けられた軸ピン304にラッチ係合し、下側ハウジング204がプラスチック成型部品(例えば、上側ハウジング203)にロック可能に接合される。また、1つ以上のカメラ201と複数のLED光源202とが、内視鏡100の先端部101内の固定位置に維持される。
いくつかの実施形態では、下側ハウジング204は、光源202の下方にヒートシンク機構306を収容可能である。ヒートシンク機構306は、板金部に熱を分散させて、より適切に周囲の空気に露出させて放熱を促進する。伝導される熱の一部は、カメラ201の撮像レンズ314にも伝導され、使用中に曇りのない撮像が維持される。上側ハウジング203は、カメラ201用の開口部301を備える。開口部301は、先端部101の表面よりも窪んだ位置でカメラと接続及び位置付けされる。上側ハウジング203は、さらに、先端部101に接続される光源202用に、別の開口部302を備える。開口部302は、広角の照明を可能にするのに十分な大きさの開口である。窪んだ位置のカメラ201と光源202の前方の、別々の開口部301と開口部302との間の非光透過性の障壁(又はウインドウ)は、光源202とカメラ201との間の混線と迷光を排除する。
いくつかの実施形態では、スペクトル蛍光撮像のために、様々なスペクトル出力を有する複数のLED又はVCSEL光源202を使用することができる。これらの光源では、複数のLED又は複数のVCSELのそれぞれがドーム状のカプセルで覆われており、これにより特定の方法での光の抽出と分配とに寄与する。個々の光源を個々のドーム状カプセルで覆ってもよい(例えば、図3Bの個々にカプセルが設けられたLED光源202)。あるいは、複数のLED又はVCSELチップが共通のカプセルで覆われていてもよく、任意の屈折性又は回折性光学素子の組み合わせを有してもよく、複数の光源に亘る光導管誘導・混合機構を有していてもよい。
いくつかの実施形態では、立体撮像のために、図4に示す同じ視野方向を向いたデュアルカメラ201a及び201bが、内視鏡先端部101a(図4)に内蔵されていてもよい。あるいは、多視点撮像のために、異なる方向を向いた複数のカメラを使用してもよい。カメラ同士の位置、視野方向及び距離は、微小プラスチック成形品又は射出プラスチックハウジング(例えば上側ハウジング203)の開口部及び機械的ガイド手段によって固定可能である。この場合、個々のカメラを、特定の方向に向けること、互いに対して特定の配向と距離に配置することができる。
展開可能な立体映像内視鏡100のデュアルカメラ201a及び201bは、互いから離間して、細長い先端部101a(図4)の側部に対向するように配置すると都合がよい。これは、1つ以上のカメラ又は入力ポートが内視鏡の先端部に向けられており、スペースが非常に限られている従来の内視鏡の形状とは異なる。したがって、本発明の先端部101及び先端部101aは、より大型で高解像度かつ高感度のセンサのサイズに対応可能なだけでなく、より大型で開口数(NA)がより高い光学素子(低f/#)に対応可能であり、より優れた集光性能でより高解像度の撮像を行う。
図4に示す立体内視鏡の場合、より広い面積により、先端部101aの細長い本体の長い部分に沿って、より大きいステレオセパレーションを維持可能である。一方、従来の立体内視鏡ではステレオセパレーション距離は非常に限られている。これは、従来の管状の内視鏡の先端部においては、両方のステレオカメラ視覚ポートを、同一の小さな断面領域を挟んで左右に組み入れなくてはならないからである。上記のより大きいステレオセパレーション(カメラ201aと201bとの間の軸間距離)は、容易に10mmを超え得るが、一方、直径10〜11mmの従来の内視鏡では、ステレオセパレーションは通常5mm未満である。このより大きいステレオセパレーションにより、より長い対物距離でのより優れた3D観察が可能になる。
カメラ201(図4では201aと201b)及び光源202のための切欠き開口を備える薄型熱収縮部は、細長い先端部101(図4では101a)に亘って適用して、下側ハウジング204でプラスチック本体(例えば、上側ハウジング203(又は図4では403a))をしっかりと保持してもよいし、及び/又は、保護の目的で、中間部103及び基端部105における内視鏡の棒状の本体に亘って適用してもよい。いくつかの実施形態では、薄いプラスチック成形品又はガラスで構成された球状の保護ウインドウを、カメラ201のカメラハウジング及び/又は光源202に配置して、カメラ201と光源202との間の光学インターフェース兼ウインドウとして作用させることも可能である。この場合は、カメラ201と光源202とは、内視鏡100の先端部に組み込まれる。あるいは、必要に応じ、極薄型の光透過性熱収縮チューブを、開口部301と302に亘る光学ウインドウとして機能させることも可能である。代替的な実施形態では、反射防止コートされた球形又は平形の1つ以上のウインドウを、光源202とカメラ201の両方のための共通の(又は個別の)ウインドウとして機能させることも想定される。この場合、図3Aに示す、使い捨て内視鏡100の先端部101の上側ハウジング203の開口部302と301とにウインドウを組み込むか成形することができる。
図3B、図4及び図5には、中間部103の薄型ハウジング205が示されている。この薄型ハウジング205は、軸ピン304によって回動する先端側関節部102において先端部101の下側ハウジング204に連結されている。さらに、基端部105が、同様の軸ピン(図示せず)を使用して、回動する基端側関節部104において中間部103に受動的に連結されている。いくつかの実施形態では、先端部101の下側ハウジング204、中間部の薄型ハウジング205、及び基端部の薄型ハウジング501により、多関節内視鏡100の本体が構成される。多関節内視鏡100においては、電気フラットケーブル207及び作動フラットケーブル206が、先端側関節部102及び基端側関節部104のような関節屈曲接合部を通って、内視鏡本体に沿って取り付けられている。より高い操縦性と柔軟性を獲得する目的で、多関節内視鏡100を、さらなる部分と、各部分に沿った軸点とに分割することができる。
いくつかの実施形態では、内視鏡100の中間部103の金属製部材(例えば薄型ハウジング205)は、硬質な又は部分的にフレキシブルな金属(例えば板金)で構成されていてもよい。この金属には、側方屈曲部307のような様々な屈曲部、効果的な屈曲範囲のための切欠き部308、ケーブル配線機構を薄型ハウジング205内に取り付けるための帯状部材(例えば部分ガイド309)、及び、ステンレス鋼製接合強化ピンが設けられていてもよい。これらのピンは、接合部(薄型ハウジング205の板金接続折り目)において、外部薄型ハウジング205に溶接され得る。例えば、図3Bでは軸ピン304によって先端側関節部102において溶接され得る。これにより、これらピンは接合ヒンジとして機能し、例えば、板金接続折り目と下側ハウジング204の穴は軸ピン304から自由に浮動した状態になり、軸ピン304周りに容易に回転する。代替的又は追加的に、これらピンを使用して、内視鏡100の部内又は関節部内にフラットケーブルを配線及びガイドしてもよい。例えば、図3Bでは、ピン310を使用して、屈曲する先端側関節部102の強度を向上させるとともに、その上方に電気フラットケーブル207が適切に配線される。内視鏡100の中間部103に沿った薄型ハウジング205は、電気フラットケーブル207の側部の周囲で折り曲げることができる(図3Bに側部屈曲部307として示す)。これにより、ユーザが容易に内視鏡100をポートから挿入したり引き抜いたりするのに十分な剛性が得られる。
図3B〜図6に示すように、内視鏡100の部分的に開放された板金製薄型ハウジング205及び501内の電気フラットケーブル207と作動フラットケーブル206とをさらに保護、誘導する目的で、中間部103の板金製薄型ハウジング205、又は、基端部105の板金製薄型ハウジング501は、部分ガイド309を備えていてもよい。部分ガイド309は、板金製薄型ハウジング205及び501上で屈曲されて溶接された板金製フラップで構成される。
電気フラットケーブル207、及び1本以上の作動フラットケーブル206のような1本以上の展開兼関節操作用フラットケーブルは、先端部101内部に適切に取り付けられている。電気フラットケーブル207は、照明モジュール及びカメラモジュールに取り付けられ、関節操作用の作動フラットケーブル206は、先端部101の板金製下側ハウジング204の底部の切欠き部(図示せず)に通されてから、金属製下側ハウジング204の内部に取り付けられている。これらの薄型の電気フラットケーブル207及び作動フラットケーブル206は、内視鏡100の先端側屈曲関節部を通って、互いに異なって配線されてもよく、内視鏡中間部103又は基端部105を通って同様に配線されてもよい。
また例えば、図3Bにおいて、先端側関節部102に軸ピン304を有する板金製薄型ハウジング205は、ピン310を有していてもよい。このピン310は、電気フラットケーブル207を、ピン310の上方に(但し先端側関節部102の下方に)誘導して配線する。この場合、関節操作と展開の間、先端側関節部102(又はヒンジあるいはピン)の屈曲が、電気ケーブルの張力に及ぼす変化は最小限に抑えられる(これは、ガイドピン310と先端側関節部102が非常に近接しているからである)。一方、作動フラットケーブル206は、ガイドピン310及び関節操作兼展開用の先端側関節部102の下方で自由に動かせるようになっている。したがって、作動フラットケーブル206は、展開された先端部101と内視鏡中間部103とに対して、三角形を形成可能である。
中間部103の板金製薄型ハウジング205と、基端部105の板金製薄型ハウジング501と、部分ガイド309とによって、滑らかな低摩擦チューブ311が取り付けられていてもよい。この低摩擦チューブ311は、作動フラットケーブル206による展開及び関節操作を低摩擦で行うのに適合するような適切な断面形状に形成又はプレスされている。作動フラットケーブル206は、内視鏡の中間部103と基端部105を通っている。別体の低摩擦ガイド経路(例えばチューブ311)は、例えば、扁平で薄壁のポリテトラフルオルエチレン(PTFE)製チューブで構成されていてもよい。このチューブの占有するスペースは最小限であるのに、板金製薄型ハウジング205内部で、作動フラットケーブル206(及び場合によっては自由に浮動する電気フラットケーブル207)を使用して、展開と関節操作をほぼ摩擦がない動作で実行可能である。中間部103の板金製薄型ハウジング205(及び/又は基端部105の薄型ハウジング501)、及びチューブ311は、内視鏡の中間部103と基端部105とにおける保護とさらなる剛性のために、さらに薄型熱収縮材料の内部に収容されてもよい。
いくつかの実施形態では、関節操作用の追加の作動フラットケーブル206が、軸ピン304(図示せず)上に配線され、チューブ311のような低摩擦(PTFE)ガイド経路の内部にも配線されていてもよい。この場合、上下2本の作動フラットケーブル206が、小型の電気機械関節操作アクチュエータとともに、展開及び非展開手段として使用され、さらに、基端側制御電子機器、携帯型表示・制御部に接続されている。携帯型表示・制御部は、内視鏡100の先端部101に取り付けられた作動フラットケーブル206(図示せず)のそれぞれを引くことによって、内視鏡の自動的関節操作を行う。
あるいは、他の実施形態では、展開及び能動的機械的関節微細操作の手段として、展開兼関節操作用の1本の作動フラットケーブル206が、図3Bに示すように配線されていてもよい。この場合は、作動フラットケーブル206は、上記のように(先端部101の)板金製下部ハウジング204の内部に固定され、基端側ハウジング112(図5に開放した状態で示す)に収容された引張りバネ502によって規定の張力がかけられている。図5では、基端部側の板金製薄型ハウジング501と展開兼関節操作用作動フラットケーブル206とが、受動的屈曲基端側関節部104(又はヒンジ又はピン)の後方で、基端側ハウジング102の内部において、展開兼関節操作用引張りバネ502に接続されている。引張りバネ502に取り付けられて、張力をかけられている展開兼関節操作用作動フラットケーブル206には、(ノブ109で調節可能な)様々な強さの張力を付加可能に構成されている。これにより内視鏡を0°〜90°まで屈曲させることができ、臓器の側方だけでなく後方も観察することができる。いくつかの実施形態では、内視鏡100は、身体の体腔内で作動中又は観察中に、身体から引き出すことなく、30°、45°、70°等の任意の角度に屈曲させることができる。いくつかの実施形態では、展開兼関節操作用バネ機構は、内視鏡をそれ自体に対して180°にまで屈曲させ、又は後方の挿入位置を観察するために反対方向に屈曲させるように構成されている。
新しい傾斜内視鏡への取り替えを必要とせずに、術野を様々な角度で効果的に照明及び撮像するために、関節操作及び/又は展開可能な実施形態が想定される。カメラ201と光源202とは、ポート及び体腔に挿入される内視鏡中間部103と同一面にあってもよい。いくつかの実施形態では、カメラ201及び光源202は挿入部から関節操作されてもよく、あるいは、使用前に折り畳まれた形状から(様々な方向に向けて)展開されてもよい。いくつかの実施形態では、カメラ201及び光源202は、操作位置に対し挿入体の閉鎖形状内に保持されている。この操作位置では、カメラ201及び光源202は、対象物に向けて、軸方向に広げられ、展開され、関節操作されるので好都合である。操作位置においては、カメラ201の撮像視野だけでなく光源202からの照明光も、内視鏡本体を越えるようにして術野に、又は、身体の臓器の後ろ側に向けることができ、これにより、手術装置の機能性が高められる。
又は、その他の実施形態では、複数のカメラを関節操作兼展開可能内視鏡100に内蔵して、(異なる方向又は互いに反対の前後方向を同時に撮影する複数のカメラによる)多視点映像を提供してもよく、又は、立体内視鏡画像化若しくは(3D映像システム用の左目用と右目用のカメラを使用した)3D映像化を行ってもよい。様々な波長を有する複数のLED及びVCSELを内視鏡の先端において使用して、スペクトル撮像を行ったり、静脈内部の蛍光染料を検出したり、組織内に生体蛍光を誘導したり、その蛍光特色に基づいた画像を提供したりできる。
内視鏡100の細長い先端部101に追加のスペースを設け、このスペースにおいてカメラを内視鏡100の円形の断面ではなく細長い部分の側部に向けることで、電気機械的なオートフォーカス及び/又はズーム手段をカメラレンズに内蔵することができる。この場合、カメラのピントとズームを良好とするために、カメラレンズ間の距離及び/又はレンズとカメラセンサとの距離を調節可能である。オートフォーカス及び/又はズームのための電気機械的手段は、上記の電気フラットケーブル207(又は、追加のフラットケーブル207)を介して、オートフォーカス機構を備えるUSBカメラと同様の制御・表示用電子機器によって制御できる。同様に、カメラレンズの上に液体レンズを取り付けて、上記の又はさらなる電気フラットケーブル207を介して電子的に制御して、オートフォーカスを行い、及び/又は画像ぼけの原因となり得る手ぶれや内視鏡のあらゆる振動を排除することができる。
いくつかの実施形態では、電気フラットケーブル207及び展開兼関節操作用作動フラットケーブル206は、薄型のフレキシブルプリント基板(FPC)ケーブルである。FPCケーブルには、平坦で占有するスペースが最小限であるのに、強度が高く、相当な力での引張りに耐えて長さが変わらないという利点がある。例えば、幅わずか3mm、厚さわずか150μmのFPCケーブルは、多線高速通信回線としてだけでなく、展開及び関節操作を目的とした高強度低摩擦フラットケーブルとして、継続的に張力がかかる状態で容易に使用可能である。テフロンタイプの被覆を備えるフラットフレキシブルケーブル(FFC)のような、他の設計のケーブルも使用可能である。
複数ケーブルによる関節操作体系においては、2本の作動フラットケーブル206は、電気フラットケーブル207と同じケーブルであってもよい。電気フラットケーブル207は、先端軸ピン304の上方及び下方に配置され、先端部101の上方及び下方で、関節操作兼展開用先端側関節部102の両側に取り付けられる。作動フラットケーブル206は、先端側関節部102の関節操作兼展開用アクチュエータとして機能してもよい。例えば、一方のケーブルを引くと、内視鏡が開いて任意の角度(例えば、30°、60°、又は90°)に屈曲し、他方のケーブルを引くと、内視鏡が閉じて体腔への挿入のための管状の形状になる。
さらに、電気フラットケーブル207(又は作動フラットケーブル206)は、カメラ201と光源202とに電流を供給し、カメラ201への制御信号を供給し、カメラ201からのMIPI信号を、内視鏡100の基端部105の制御電子基板(例えば、図5の符号503)及びUSBケーブル106で接続された携帯型表示・制御部(図示せず)に伝送する。基端側ハウジング112(図5)内の制御電子基板503は、追って詳述するデジタル信号処理(DSP)チップを備える。制御電子基板503は、内視鏡のUSBケーブル106に接続された標準規格のコンピュータと連携するために、MIPI信号をUSBビデオクラス(UVC)フォーマットに変換する。
作動フラットケーブル206は、図3Bのチューブ311に部分的又は区分的に収容されていてもよい。チューブ311は、摩擦係数が低く、内視鏡本体内での省スペース化のために非常に薄い壁で形成され得る限りにおいて、各種の材料で形成されていてもよい。例えば、チューブ311は、壁厚が0.01in(インチ)以下の薄壁(PTFE)チューブであってもよい。チューブ311は、ポートの内壁と良好に接合できる適切な三日月型に形成されてもよく、薄壁の丸型チューブを圧搾してフラット形状又は楕円形に形成されてもよい。薄型のFFC又はFPCケーブルコネクタによって、電気フラットケーブル207が、フレキシブル基板313又は小型かつ薄型の硬質プリント回路基板(PCB)312に接続されてもよい。これらのコネクタは、図3Bに示す上記のフレキシブル基板313及び硬質PCB312に取り付けられた適切な支持素子を使用して、カメラ201と光源202とを取り付けるために使用される。
カメラ201は、体腔内で撮像を行う。カメラ201は、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)センサを使用して光を電子に変換するデジタルカメラであってもよい。立体又は多方向映像のために、複数の高解像度デジタルカメラを、複数のFFC電気フラットケーブル207を介して接続してもよい。この場合は、すべてのカメラが、基端側ハウジング112内の高帯域幅USBハブを介して接続されるか、複数のUSBケーブル106を介して表示・制御部に接続される。USBケーブル106の代わりに、高帯域幅で電気的に絶縁されたパワーUSB3.0ケーブル又はUSB3.1光ケーブルで、基端側ハウジング112における接続を実現してもよい。この場合には、1本の光学USBケーブルの高帯域幅を利用して、複数の高解像度デジタルカメラが、USBハブを介して、2D又は3D画像を高フレームレートで同時に表示する。
操作中に、身体への漏れのない送気を可能とするために、フレキシブルな(管状の)送気薄膜107が、多関節内視鏡100の中間部103に常時取り付けられている(図1)。図1に示すように、フレキシブル送気薄膜107は、その先端側が開口しており、基端側はしぼむようにして閉じて、内視鏡100の中間部103にしっかりと取り付けられている。
図5及び図6に示すように、内視鏡100をポートに挿入する前に、硬質で拡張された基端部111を有する、硬質又は半硬質の挿入管(導入ガイド)108をその基端側静止位置110から動かして、内視鏡100のフレキシブル送気薄膜107を覆うようにする。硬質導入管108の拡張された基端部111は、ポートの開口よりも大きく、挿入時にポートの栓として機能するとともに、フレキシブル送気薄膜107を保護する挿入管108を適切に位置決めし、送気膜107を伸長させてポート送気膜を通過させるか、位置504で開口する。これについては、後述するとともに図8に示す。
展開の受動的な一実施形態では、内視鏡100の先端部101を、ポート内に位置することになる内視鏡中間部103に対して所定の展開角にした状態で、図5に示す引張りバネ502を、最初に基端側ハウジング112内でセットして所定位置に固定してもよい。例えば、図5では、引張りバネ502及びノブ109が、最初にセットされ(さらに基端側ハウジング112内で固定され)、先端部101が内視鏡中間部103に対して直角になる(ここで、図4について説明したように、すべての電気ケーブルと展開兼関節操作用ケーブルは先端側関節部102を通って配線され、同様に受動的屈曲基端側関節部104も通っている)。
図6は、ポートへの挿入前の、内視鏡100のポートへの挿入形態を示す。挿入管108をフレキシブル送気薄膜107上に配置、維持した状態で、内視鏡100を丸みのある先端208からポートに挿入するには、ユーザは内視鏡100の先端部101を先端側関節部102においてまっすぐにしてもよい。これにより、図7に示すように、先端部101は、内視鏡中間部103に沿って延びるようになる(図6に示すように、先端部101は、最初は、引張りバネ502によって直角にセットされている)。内視鏡100は、図7に示すポート701に挿入される。このとき、丸みのある先端部208は、内視鏡100が通るように、ポート701の1つ以上の送気膜を開く(図示せず)。図7に示す、内視鏡100の直線的挿入位置では、展開用作動フラットケーブル206は、(図6に示す三角形位置から)畳まれて、図7の内視鏡本体の先端側関節部102に接触している。作動フラットケーブル206はさらに引かれ、図5の基端側引張りバネ502にさらなる張力が作用する。
先端部101がポート701の先端を問題なく通過すると、引張りバネ502が作動フラットケーブル206を引き戻し、引張りバネ502により基端側ハウジング112内で最初にセットされた直角位置に、先端部101を戻す(図5)。この時点で、挿入管108は図7のポート701の内部に位置し、ポートの送気膜開口は、挿入管108の位置504にある(図5)。そして、挿入管108をポート内の内視鏡の中間部103から移動させる。さらに、基端側関節部104をまっすぐにして再度屈曲させることにより、挿入管108を元の基端側静止位置110に戻す(図1)。この挿入管108の移動によって、図8に示すように、フレキシブル送気薄膜107が、ポート701のポート送気膜801に対して露出される。このとき、体内からの空気がフレキシブル送気薄膜107をスカート状に膨らませ、ポート701のポート送気膜801において、内視鏡100の内視鏡中間部103の周囲に気密シール部が形成される。ポート内部での内視鏡本体の挿入長さを変えるには、挿入管108を部分的に膨らんだフレキシブル送気薄膜107を覆うように再度挿入し、ポート送気膜801を再度開く。そして、内視鏡中間部103をポート701内の新たな位置に安全に再度配置する。
内視鏡100が体内で展開されると、内視鏡中間部103をポート701の側壁に押して、その他の装置(簡単のため図9に装置904として示す)が、同じポート701から挿入可能となる。このとき、新たな装置904の本体はフレキシブル送気薄膜107とともに伸長可能となり、ポート送気膜801の内部で送気シール部を提供する(図示せず)。装置904は、例えば、体腔内の臓器に対して処置及び手術を行う手術器具であってもよく、別の内視鏡であってもよい。
図9には、さらに、内視鏡100の例示的側面図を示す。この内視鏡100には、エア供給用微小チューブ901が内視鏡の全長に沿って(例えば、多関節内視鏡100の各部分105、103及び101を通って)配線されている。エア供給用微小チューブ901は、カメラ201の直ぐ前方にエアジェット903を噴射する、すなわち、カメラの視野が液体や血液で曇るのを防止するエアシールドを形成する(図示せず)高圧エアジェットノズル端部902を備える。したがって、エアジェットによって、撮像光線は屈折率の変化によって遮断されることなくカメラ用開口部301を通過して、撮像レンズ314を介してカメラ201によって検知される。
カメラ201は、1つ以上の撮像レンズ314又は光学フィルタ、及び画像センサ(図示せず)を備える。いくつかの実施形態では、薄型の透明光学ウインドウによって、硬質PCB312に取り付けられたカメラハウジング内の撮像レンズ314と画像センサとが密閉されている。カメラの透明光学ウインドウは、エアジェットノズル端部902と同様の微細孔を内蔵していてもよい。この場合、微小チューブ901が供給するエアジェットが、カメラウインドウハウジング内部から流出するよう誘導され、透明光学ウインドウ内の微細孔から流出するエアジェットが光学ウインドウを液体付着がない状態に維持する。図3Bでは、フレキシブル基板313がLED光源202について図示され、硬質PCB312がカメラ201について図示されているが、光源202及びカメラ201は同一又は別々の硬質又はフレキシブル処理基板に取り付けられていてもよい。又は、硬質及びフレキシブル電子処置基板の組み合わせ、若しくは、個々の部品を保護するために薄い金属で裏打ちされたフレキシブル電子ボードに取り付けられていてもよい。
光源202は、高出力発光ダイオード(LED)及び/又はVCSELのような単色、多色、可視紫外線(UV)固体光源及び/又は、赤外線(IR)固体光源を有していてもよい。これにより、体腔を照明して、カメラ201が特定の波長範囲の画像又は波長の組み合わせの画像を撮像する。
図9では、カメラ201及び光源202は、先端部101に収容され、多関節内視鏡100の先端部に取り付けられている。代替的に、(例えば、画像システムを含む)内視鏡先端部101は、(1つ以上の屈曲先端側関節部102を介して)内視鏡中間部103に取り付けられていてもよい。この場合、中間部103は、図10A及び図10Bに示す硬質の医療装置1001a、フレキシブルな医療装置1001b、部分的にフレキシブルな、又は拡張可能な医療装置に組み入れられてもよい。あるいは、フレキシブルカテーテルのような解剖学的形状の中空のアクセス装置1101、又は、開口ポート(図11)に組み入れられていてもよく、その場合は、中間部103は薄型に形成される。このように一体的に構成する場合には、フレキシブルな作動フラットケーブル206及び電気フラットケーブル207は、医療装置1001b又は中空のアクセス装置1101の本体又は壁部に直線状又は螺旋状に配線される。医療装置1001a、医療装置1001b、及び中空アクセス装置1101の本体は、常時、内視鏡の硬質の中間部103を受容するような形状であってもよく、又は、フレキシブル作動フラットケーブル206及び電気フラットケーブル207を個々に、フレキシブル若しくは可鍛性の医療装置1001b内又は中空アクセス装置1101(例えば、関節操作型フレキシブルカテーテル)内に配線するための貫通孔を有していてもよい。この場合は、先端部101は、処置前形状(所望の角度に屈曲)であるか、又は、所望の視野に向けるために処置中に能動的に操作される。中間部103は、薄型であってもよい。
展開可能な内視鏡の部分は、図10A、図10B及び図11に示す医療装置1001a、医療装置1001b又は中空アクセス装置1101の前方で先端部101が直線状になった状態で、体内に挿入される。続いて、1本以上の作動フラットケーブル206を使用して、内視鏡が展開及び関節操作される。この作動フラットケーブル206は、医療装置1001a、1001b又は中空アクセス装置1101の本体内部の滑らかな開口経路を通って配線可能である。この配線は、電気信号及び電力信号を伝送する上記の展開兼関節操作用ケーブルとともに、又は、医療装置若しくはポートの同一若しくは別の経路に配線され、多関節内視鏡の基端部105のハウジングに接続された207のような別の電気フラットケーブルとともになされる。
これらの構成においては、図9に示す展開可能兼関節操作内視鏡100の中間部103は、装置904又はポート701(図示せず)の先端部に常時組み入れられている。あるいは、図9に示す装置904又はポート701の細長い本体には、多関節内視鏡100の中間部103を受容するための適切なスペースか溝が設けられていてもよい。これにより、内視鏡の向きを装置904又はポート701に対して固定したままにすることができる。複数のスペース又は溝は、同一の装置904又はポート701の様々な又は互いに反対の側に設けられてもよい。この場合は、複数の内視鏡100を挿入して、これらすべてを同一のポート701内部で、装置904又はポート701に対して固定位置に保持できる。複数の内視鏡100を一度に挿入し、ポート701を介して、先端側関節部102において互いに反対の複数の方向(ポートの先端部開口の互いに反対側)に展開することができる。又は、例えば、ポート701の先端で4つの四分円に展開することができる。この場合、各内視鏡の基端側関節部104によって、ポート701の基端側において、各内視鏡の基端部105が互いに反対の方向に(同一のポート701に挿入された別体の装置904から離れて)同様に屈曲される。複数の内視鏡は、複数の別々の方向からの映像を提供できる。又は、複数の内視鏡からの画像がまとめられ、体内の多重視野が提供される。図12は、4台の展開可能な関節操作内視鏡100を示す。それぞれの内視鏡は、それ自体の独立した照明モジュールとカメラモジュールを先端部101に備える。これらの内視鏡は、アクセスポート1200の先端で4つの互いに反対の四分円に展開する。挿入とアクセスポート1200の先端での展開の後、各内視鏡は整列されて係合溝1201に収容される。
複数の光源202又は個々の光源202、及びこれらの駆動電子機器は、同じ基端側制御電子基板503に接続されてもよく、又は、それ自体のフレキシブル基板又は電気フラットケーブル207に接続されて、場合によってはハブを介して個別に制御される照明源として、USBケーブル106から直接給電されてもよい。この場合、独立したUSB照明器としてオン、オフされる。フレキシブル基板は、フレックス回路としても知られているが、電力と制御信号をカメラ201と光源202とに提供し、連続した画像信号を携帯型制御・表示ユニットに伝送するために使用される。この場合、USBケーブル106の一部は、使い捨て内視鏡100のフレキシブルな又は硬質な本体に沿って内蔵され、一部は内視鏡100の外側にあってもよい。この場合、USBケーブル106の全体を、内視鏡100とともに使い捨てにしてもよい。
携帯型制御・表示ユニットは、一般に、表示スクリーン、ハウジング、照明及び画像制御用電子機器、画像処理用電子機器、及び/又はバッテリのような電源を備える。内視鏡100の先端部101で使用される、このようなコンパクトな映像モジュール及び照明モジュール(カメラ201、201a、201b及び光源202)は、それら自体の電力・制御電子機器がないので、コンパクトで低コストな形状にすることができる。これにより、小径の使い捨てハウジング内のモジュール自体として体内に容易に導入可能であり、又は、標準的な医療装置用のアクセス手段として体内に容易に導入可能である。この場合、映像及び照明モジュールは、1回の使用後、取り外されて廃棄される。従来の内視鏡の先端部には嵌合できないような、標準的かつ低コストで定評のあるLED光源202、デジタルCMOSセンサ、限られた電子機器を、内視鏡100の細長い先端部101のフレキシブル又は硬質の小型電子基板上で使用し、主要な電気部品を、内視鏡の基端部105に設けられた小型の制御電子基板503に収容することができる。集積SOC(System On the Chip)電子機器を備える高感度かつ高解像度デジタルセンサは、センサの平行デジタルビデオ信号を、高解像度デジタルセンサからのMIPI出力に変換することができる。身体に本来備わる開口の内部を可視化するために、長いフレキシブル内視鏡100の場合、又は(図10Bに示す医療装置1001bのような)長いフレキシブルカテーテルとともに使用する場合は、MIPI信号は、内視鏡100の全長に沿って、低コストで非常に薄型のFPC又はFFCケーブルを使用して、電気的シールドを何ら必要とせずに、必要であれば1メートル以上に亘って伝送され得る。内視鏡の基端部105における、低コスト基端デジタル信号処理(DSP)チップは、普通のUSBウエブカメラと同様に、例えば、MIPI信号を高速USB(Universal Serial Bus)ビデオクラスカメラ信号(UVC又はUSBビデオクラスフォーマット)に変換可能である。あるいは、内視鏡は、USBフォーマットに変換する代わりにFFCケーブルを使用することによって、使用可能連続(MIPI)デジタルセンサ出力を、使用可能MIPI携帯型表示・制御器に直接送信することができる。その他各種の装置用に、MIPI信号又はUSB信号を、基端側制御電子基板503において、DVI又はHDMIフォーマットビデオ出力に変換してもよい。又は、ネットワークカメラとして機能するWi−Fiを使用して送信することも可能である。
いくつかの実施形態では、別のフレキシブルUSBケーブル106が、携帯型制御・表示ユニットを1台以上のカメラ201と1つ以上の光源202とに通信可能に接続する。このフレキシブルUSBケーブル106は、電力と制御信号及びUVCフォーマットの連続高速デジタルビデオ画像信号とを、携帯型制御・表示ユニット及び1台以上のカメラ201と1つ以上の光源202との間で送受する独立したUSB装置として機能する。したがって、フレキシブル基板(USBケーブル106)は、複数のカメラ及び光源への給電用には電力絶縁銅線を使用し、USBハブを介しての複数のカメラの高速通信にはマルチモード(又はシングルモード)の光ファイバを使用可能である。光ケーブルの各端部に送受信機を備え、(USB3.0、USB3.1、又はより高帯域の将来のUSB通信規格を使用した)このような高速光通信手段は、高速USBハブを経由し、基端側ハウジング112における1つ以上のUSB接続を使用して、携帯型制御・表示ユニットを1台以上のカメラ201と1つ以上の光源202とに通信可能に接続する手段の一例である。
さらに、フラットケーブルと連携する標準的なUSBケーブルが、携帯型制御・表示ユニットをカメラ201と光源202とに通信可能に接続され、携帯型制御・表示ユニット及びカメラ201と光源202との間で電力と制御信号を送受する。したがって、USBケーブル106は、さらに、フレキシブルで薄型の様式で、携帯型制御・表示ユニットをカメラ201及び光源202に通信可能に接続する手段の一例でもある。この様式は、ポート701又は装置904の他の機能に干渉することなく、ポート701の基端の側方においてシームレスに配線可能である。
表示・制御装置とカメラ201及び光源202と間の(銅又は光)USBケーブル106において使用されるデジタル高速通信の方法のいずれについても、適切なUSB接続が表示・制御ユニットにおいて設けられ得る。この場合、USBケーブル106の全体を、内視鏡100の先端部101に収容された展開可能カメラ201及び光源202とともに廃棄可能である。標準的なUSB通信プロトコルと表示・制御ユニットへの接続の使用により、表示・制御ユニットが、UMPC(Ultra Mobile Personal Computer)やMID(Mobile Internet Device)、タブレットコンピュータ、ミニPC、PDA(Personal Digital Assistant)、スマートフォン(例えばNexus,iPhone、等)のような標準規格の計算処理ユニットとなるかそのようなユニットとして機能する。これらは、電力アダプタやバッテリのような追加的USB電源を有する又は有しない上記のようなUSB通信ポートを備える。UVCのような既存のビデオ通信プロトコルの使用によって、例えば、高速USB接続の場合には、表示・制御ユニットは、現在モバイルで使用可能である他の複数の接続ソリューションを直ぐに利用可能な装置となる。その他の有線接続としては、DVI(Digital Video Interface)、HDMI(High Definition Multimedia Interface)、イーサネット接続、又は外部電力アダプタ接続があり、無線インターフェースとしては、Wi−Fi(無線イーサネット)、Bluetooth、UWB(超広帯域無線)、IR、又は、高帯域携帯接続がある。その他の携帯型又は非携帯型の計算・表示ユニットを無線又は有線で、携帯型表示・制御ユニットに接続してもよい。
あるいは、フォーカス又はズーム性能を有する映像システムが必要な場合は、コンパクトなオートフォーカス機構(レンズアクチュエータ)をカメラ201のハウジングに一体的に設けることも可能である。このとき、制御ユニットからの駆動信号と制御信号によって、いくつかの又はすべての撮像レンズ314が、カメラセンサに対して軸方向に動くようにする。又は、その代わりに、液体レンズ(又は液体光学素子)を撮像レンズ314に組み込んでもよい。この場合は、光の強弱は制御ユニットによって高速で変更される(又は、画像のブレが液体光学素子によって除去される)。最適なピントや離れたカメラ201の振動に起因する画像のぼやけを、カメラ201から制御ユニットに供給される画像データによって検出するように、制御ユニットをプログラムしてもよい。このようにすると、制御ユニットは、カメラ201を、オートフォーカス、ズーム、手ぶれ補正機能を有する内蔵ローカルカメラモジュールであるかのように、USB通信ラインを介して操作できる。
完全に使い捨て可能、取り外し可能、かつプラグ接続可能なカメラ201及び光源202を、単回使用可能な部材である使い捨て可能な先端部101として構成し、他の単回使用又は再使用可能な医療装置1001a、医療装置1001b、又は中空アクセス装置1101の先端にプラグ接続し、電気機械的に接続することができる。これらの装置は、電力、通信、展開手段のための作動フラットケーブル206と電気フラットケーブル207とを内蔵し、多数の多機能的効果を得ることができる。例えば、医療装置1001a又は1001bの先端にプラグ接続された、プラグ接続可能な内視鏡は、医療装置1001a又は1001bを使用して液状の薬剤を吸引及び送達する手段も提供する。そして、内視鏡の現在の画像が表示された状態で、完全に密閉された(気密の)無菌の体腔内でこれらの機能を実行する。上記の医療装置1001a、医療装置1001b、又は中空アクセス装置1101から、プラグ接続可能なカメラ201と光源202とを内蔵する先端部101を取り外したのちに、これを廃棄可能である。医療装置1001a、医療装置1001b、又は中空アクセス装置1101から、先端部101を分離すると、USBケーブル106で使用している外部電源と制御装置との接続が切れる。すると、別の無菌先端部101内で保護された新しいカメラ201と光源202とを、医療装置1001a、医療装置1001b、又は中空アクセス装置1101の先端にプラグ接続することができ、次の使用のために、電源と制御装置(及びエア、吸入、潤滑剤、又は薬剤の外部供給源)を新たに接続することができる。これにより、使い捨て医療装置が使用される体腔の汚染の可能性が排除される。
多機能な又は異なる光スペクトルの複数の他のカメラ201及び光源202を、多関節内視鏡100において使用してもよく、又は、医療装置1001a、医療装置1001b、若しくは中空アクセス装置1101にプラグ接続してもよい。この場合は、他の医療用具又はポートに取り付けた1台の展開可能内視鏡若しくは複数台の展開可能内視鏡(図12に示すような4台の内視鏡)を体内で同時に使用することができる。例えば、白色光照明又は(可視スペクトルをカバーし、それぞれ独立して制御される、マルチチップの赤色、緑色、青色(RGB)LEDを含む)マルチスペクトル光源202を、可視範囲での従来の撮像に使用し、追加的な濃青色又はUV照明光源202を有する光源202を使用して、同一の展開可能内視鏡又は別の展開可能内視鏡で、生体蛍光を体内に誘導することも可能である。
カメラ201は、組織型の識別的損傷のような対象についてのさらなる情報を得るために、可視撮像と同時に対象からのスペクトル放射を検知するセンサを備えてもよい。追加的な深部の映像のために、IR照明光源202は、組織内部又は分散する物質や流体を通って浸透して撮像可能である。浸透深さが可変な、別のUV、可視、IR波長照明光源202を使用して、組織内で深度に依存した撮像を行ってもよい。次いで、2D画像において捉えられた様々なスペクトル成分を処理後にまとめて、体内の3D画像を再構築してもよい。
図12に示す展開された4台の内視鏡のような、複数の撮像内視鏡からの多方向視点の同時画像処理と相関を、これら複数の撮像内視鏡に接続されるとともに複数のUSBカメラとして制御する共通の制御・表示ユニットでリアルタイムで同時に行うことにより、対象を3Dで映像化するだけでなく、分散する媒質を含む液体(尿又は血液)を通しても、より良好な映像を得ることができる。例えば、同一のポートの先端において、互いに対して物理的に固定されたわずかに異なる視角で同じ箇所を観察する4台の内視鏡からのビデオ出力を混合して相関させることで、カメラの前方で分散する媒質(液体)に起因して画像に発生するランダムなノイズを、制御・表示ユニットがリアルタイムで処理する複合共通画像から消去することができる。
図12において同時に機能する4台の内視鏡は、同様の照明波長を有していてもよい。又は、様々な照明波長及び帯域で作動して、各内視鏡カメラが検知した異なる種類の情報を提供してもよい。4つのビデオ出力によるこのような複合重畳画像は、4台の内視鏡を別々のUSBカメラとして操作する1台の制御・表示ユニットによって処理及び表示され、よって、通常使用されている従来の1台の白光内視鏡で対象を観察する場合よりもはるかに優れた情報を提供できる。
LED光源202は、UVから可視及びIRまでの広範囲の電磁的スペクトルの照明が可能である。この場合、独立したLEDチップのそれぞれは、特定のスペクトル波長域を有し、制御ユニットにおいて稼働しているソフトウエアアプリによって個別に経時的に制御される。対応のスペクトル画像は、特定の波長のLEDチップがオンであるとき、制御ユニットによって、個々のセンサが捕捉したフレームに基づいて、個別に処理され得る。各LEDスペクトル成分は、LEDにおいて個別に設計してもよい。又は、青色若しくはUVLEDに対する二次的なフォトルミネッセンス工程による各LEDスペクトルの個別の処理によって、又は、光源202内の多層誘電体光学フィルタコーティングのようなエッジ通過又は帯域通過スペクトルカラーフィルタを使用して、各LEDスペクトル成分を得てもよい。可視領域の撮像のために、赤色、緑色、及び青色の原色LEDチップを、アンバーやシアンのような他の非原色を伴って又は伴わずに、光源202において使用可能である。この場合、複数のマルチスペクトルLEDによって白色照明が構成される。この白色照明は、個々のLEDにパルス出力する(駆動変調のパルス幅を調節することによりLEDの光の強度を変える)個々のLED駆動電子機器を調節することによって、制御ユニットが設定する特定の色域に準拠している。
光源202に複数のカラーLEDチップを使用し、同期された色成分画像を取り込む制御ユニットによって、汎用シャッタを備える白黒カメラ201を同期することよって、カラーカメラチップ又は3台の高解像度CCD若しくはCMOS撮像装置の使用が不要になる。この場合、1台のCCD又はCMOS撮像装置を使用して、3枚以上の画像が時間同期して獲得される。この場合、各色成分画像において、全画素を各色の画像成分に取り込むことによるフル撮像装置(the full image capture device)の解像の利点がいかされる。簡易な白黒カメラはより高感度で、特に3チップカメラと比較して、より安価に利用できる。実際、複数のLEDによる同期カラー照明を使用した、同期白黒撮像CCD又はCMOSの解像度は、同じ画素の3チップカメラと同等である。
同期カラーカメラ201を1台使用することによっても、先端部101においてより高解像度のカメラ201を複数使用することができる。光源202に複数のLEDチップを使用すれば、光源202を様々に構成することができる。光源202のLEDチップや光学部品の位置や設計により、照明の均等さ、角度、及び範囲を自由に制御できる。米国特許出願第11/233,684号明細書には、多種の固定及び展開可能な構成がより完全に公開されている。同出願の内容を参照により、本明細書に援用する。
デュアル対称チャネル波長多重化幾何学光学部品を、1つのカメラセンサの前方の立体対物レンズアセンブリとして使用できる。このアセンブリは、米国特許第8556806号明細書(発明の名称「波長多重化内視鏡」)に開示の単体センサを使用することによる内視鏡の立体視3D化において、相補的なRGB照明セットと連携する。
白色光照明が使用される現在の内視鏡撮像システムでは、照明スペクトルは、光源と体内の対象に到達するまでに光が伝達される光路とによって決定される。次いで、3色カメラ(例えば、シングルチップRGBカメラ又は3チップRGBカメラ)が、対象からの反射光を、RGBフィルタセットとカメラのスペクトル感度に従って捕捉する。その後、画像表示ユニットが、それ自体のカラーフィルタに従って、獲得されたRGB画像を表示する。
IRチップ、紫外線LEDチップ、若しくは、狭スペクトル帯VCSELチップを、挿入媒体におけるこれらの伝導及び光学的特徴(例えば、波長に依存する媒体内での浸透深さ)に基づいて、又は、これらが対象へ与える影響(蛍光の誘導など)に基づいて、光源202内で使用することができる。(外部供給源又は内部タンクからのチューブを介して、同じポートから挿入されたスプレーカテーテル又は使い捨て内視鏡100の先端のスプレーノズルを使用して)診断用化学剤をスプレーし、この診断用化学剤を使用して、内視鏡100の視野(FOV)内で健康な細胞か癌性細胞かを判別できる。このとき、光源202からの光の特定の波長で観察中の箇所を照明し、制御ユニットからの命令と制御によって、センサが特定の蛍光波長を検出する。又は、血管に注入された染料を利用して、適切な照明波長の内視鏡100が、蛍光染料を検出して、静脈の位置を特定する。
光源202が全域のLED波長又は特定の照明波長範囲を有する内視鏡100を使用すれば、制御ユニットによって特定の時間に各種のLEDをオン、オフすることによって、制御されたスペクトル撮像範囲又は用途に応じた撮像色域において、対象の全スペクトル画像を得ることができる。同時に、外部の制御装置と連携する電子プロセッサにおける時間同期撮像プロセスが、画像獲得時に、光源202の状態に基づいて様々なスペクトル画像を獲得する。同一の内視鏡100又は、他のポートと用具を使用して同時挿入された同様の展開可能な複数の内視鏡において、複数の光源202を同時にオン、オフできる。
内視鏡を使用した、デリケートでより精密な診断的操作又は手術が行われる外科的処置の場合、カメラ201及び光源202は、最小サイズであるだけでなく、代替的又は追加的に、(同一の視野に向けられた)2つ以上の小型のカメラシステムを収容していてもよい。このカメラシステムは、解剖対象領域又は術野の立体画像のための拡張デュアルUSBデバイス接続を備え、特別な精度と視覚的な深さ手掛りによる誘導のための3D映像を有する。
使い捨て小型固体カメラ201及び光源202を、それら自体の電源手段なしで、多関節内視鏡100の展開可能な先端部101に組み入れるか、硬質かつフレキシブルな使い捨て外科用アクセス装置本体に組み入れることにより、装置搭載の表示装置及び携帯型装置に使用される大型のバッテリが排除されるだけでなく、従来の内視鏡で使用される従来のランプ及びファイバ誘導システムに比較して、コスト面で非常に望ましい利点が得られる。これは、この構成が、高価な光源、光源202からの照明光を内視鏡に伝達する長い光ファイバ光ガイド、及び内視鏡内の照明光ガイドを代替するからである。LED光源、画像センサ、及び駆動電子機器には、低レベルの電力が必要である。カメラ201と光源202との電気的接続と制御も、USBタイプの通信と電力プロトコルを使用し、テレビ会議の確立されたモバイルウエブカメラアプリによって、いっそう簡単になる。
内視鏡100には、電力とLED制御信号のみが供給されればよく、重くかさばるバッテリは不要であり、光ファイバ照明ケーブルと内視鏡との接続も不要である。これにより、場所と時間を問わず、完全無菌状態で、装置の操作性、携帯性、可用性、耐久性が向上する。フレキシブルな多関節本体を有する作動フラットケーブル206と電気フラットケーブル207が薄型でフレキシブルであることにより、同じポート又は隣接するポートにおいて使用される他の装置の操作性をさらに改善できる。カメラ201及び光源202は、また、衝撃と振動、又は極端な環境条件に対してより頑丈であり、使用ごとに清浄と滅菌が必要な従来の内視鏡に使用される光ファイバ照明や光学機器に比べて、実際的な制限のない保管寿命と信頼性とを有し、外部カメラシステムが不要になる。
本発明のいくつかの実施形態では、カメラ201a,201b及び光源202は、1つのプラグ接続可能なモジュールに内蔵され、使い捨て可能な立体映像アクセス装置又はポート701内で、立体的映像を獲得する。これら及びその他の実施形態では、カメラ201と光源202とに給電するために必要なすべての制御用電子機器とソフトウエアを収容するために、携帯型制御・表示ユニットを使用できる。携帯型制御・表示ユニットは、また、(オンボード照明を備える1台以上のウエブカメラを駆動するUSBホストのような標準的ネットワークデバイスプロトコルを使用する)データ伝送制御器、並びに、任意の画像処理機能及び/又は表示機能を有していてもよい。例えば、携帯型制御・表示ユニットは、カメラ201と光源202内の複数のLED光源について照明制御及び/又は撮像制御を(個別に、同時に、経時的に)行う、照明・画像制御電子機器を含み得る。代替的又は追加的に、携帯型制御・表示ユニットは、カメラ201から受信した画像データを画像処理し、オートフォーカスを行い、又は、スプレーノズルからの薬剤及び化学剤の術野への供給を開始する画像処理用電子機器を含んでもよい。
いくつかの実施形態では、携帯型制御・表示ユニットは、医療施設内の定位置で使用される携帯型表示ユニットであってもよい。あるいは、LCDを有するモバイルアプリケーション、タッチパネル、又は2D若しくは3D(立体)画像を表示可能な他の表示ユニットであってもよい。代替的又は追加的に、携帯型制御・表示ユニットは、ユーザが着用可能な、デジタルスマートウォッチ、眼鏡、携帯電話として構成されてもよい。これら装置は、有線又は無線で入力装置(例えば、カメラ201及び光源202)に接続されている。この場合、ウエアラブル眼鏡上で又は、好都合なことにはユーザの腕に取り付けられた、又はユーザの首に掛けられた、又はユーザ若しくは患者に取り付けられた(クリップ止めされた)表示装置を見ることにより、ユーザは2D若しくは3D立体画像及び動画を観察できる。
いくつかの実施形態では、携帯型制御・表示ユニットは、電力ケーブルを使用して電力供給されてもよい。又は、充電可能な若しくは使い捨てバッテリを使用してもよい。携帯型制御・表示ユニットは、内視鏡画像システムをホストコンピュータに接続する光学USBケーブルや、USBポートを搭載するか、TVセットボックス(例えばHDMI、USB、イーサネットインターフェースを備える安価でコンパクトなアンドロイドコンピュータ)に接続されて、内視鏡からの動画をTV画面に表示する別体の医療システムを有していてもよい。同様の可能な実施形態では、携帯型制御・表示ユニットの給電は、電力ケーブルかバッテリから行われ、携帯型制御・表示ユニット用の電力並びに、USBケーブル106を介して携帯型制御・表示ユニットが取り付けられているカメラ201及び光源202用の電力を供給する。1台のカメラ201又は複数台のカメラ201a及び201b、並びに光源202は、(USBハブ状の接続を利用して)携帯型制御・表示ユニットに接続されてもよい。携帯型制御・表示ユニットは、このユニットが接続しているカメラ201及び光源202のすべてについて、完全な照明と撮像の同期制御を行うように構成されていてもよい。携帯型制御・表示ユニットは、また、それ自体のハウジング内の磁気的及び/又は電気的保存装置によって、画像と動画とをローカルにかつ転送可能に保存する手段を提供し得る。
携帯型制御・表示ユニットには、ユーザインターフェースが設けられてもよい。このユーザインターフェースは、ハード若しくはソフトの電子キー、マウス若しくはジョイスティック、タッチパネル、及び/又は、音声で起動するコマンド電子機器を含んでいてもよい。ユーザインターフェースを使用して、画像及び動画のデータの調整、制御、表示、処理、転送、保存、又は検索を行い得る。携帯型制御・表示ユニットは、作動フラットケーブル206を電気機械的に起動して、内視鏡の展開及び関節制御を行ってもよい。携帯型制御・表示ユニットは、代替的又は追加的に、多機能ユニットを備えていてもよい。この多機能ユニットは、一般的な携帯型医療用表示装置としてだけではなく、携帯電話、無線又は音声起動性能を有する小型コンピュータ、モバイルインターネットデバイス(MID)、GPSユニット、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、ノートテイク装置、口述装置、テレビ会議装置等のうちの1つ以上として使用可能である。
ハード若しくはソフトの電子キー、マウス若しくはジョイスティック、タッチパネル、及び、音声で起動するコマンド電子機器などの、上記のユーザインターフェース装置はすべて、携帯型制御・表示ユニットに含まれ得る入力及び/又は出力手段の例として機能する。これら手段は、内視鏡の機能を通信可能に制御して、1台以上の内視鏡を適切にマルチウインドウ表示技術として、動画で表示する。携帯型制御・表示ユニットは、代替的又は追加的に、プロセッサ、マイクロプロセッサ、制御器等の計算手段を含んでいてもよい。携帯型制御・表示ユニットは、代替的又は追加的に、携帯通信性能及び/又は無線接続性能を有していてもよい。
立体画像又は3D画像を獲得するいくつかの実施形態では、携帯型制御・表示ユニットは、医療装置画像モジュールからの動画の時間同期された左右の交互のフレームを表示可能である。この場合、ユーザの左右の目の前方に配置された1対の時間同期液晶シャッタにより、左右の目のそれぞれが対応する交互の立体画像を見ることになる。このような実施携帯では、ユーザは、フレーム付き3D映像用時間同期シャッタ眼鏡をかけ、携帯型制御・表示ユニットに表示された3D表示データを見ることができる。このとき、3D映像液晶シャッタ眼鏡は、無線インターフェース(例えば、IR接続やBluetooth)を介して受信されたタイミング信号により携帯型制御・表示ユニットと時間同期されているか、携帯型制御・表示ユニットと配線により接続されている。
あるいは、非重複RGB帯域フィルタでフィルタされた別体の眼鏡で、2台の内視鏡が提供する3D画像を見ることもできる。この2台の内視鏡のそれぞれは、別の適合かつ非重複の帯域通過RGB照明を有する。2組の非重複RGB光源202を、図4のカメラ201a及び201bの前方のRGB帯域通過フィルタセットとともに使用してもよい。この場合は、ユーザは、適合かつ非重複RGB帯域通過フィルタセットを使用して1台のLCDモニターで3D画像を見ることができる。このLCDモニターは、それ自体の適合かつ非重複RGBバックライト照明を使用して、2組の交互の左右のRGB画像を表示する。
携帯型制御・表示ユニットは、フラットパネルLCDスクリーン、タッチパネル、又は有機LEDディスプレイ、3D用LCDのような特別な(偏極)ガラスを使用して又は使用せずに3D立体画像を表示可能なその他の適切なスクリーンを備えていてもよい。別体の無菌の使い捨て型のカバーで携帯型制御・表示ユニットを覆って、すべてのユーザインターフェース及び電気的接続機能を保護してもよい。代替的又は追加的に、携帯型制御・表示ユニットは、その大きさ、ともに使用される医療用装置の種類、医療処置の種類、処置が行われる部位、必要なユーザインターフェースの種類に応じて、複数の位置決め及び取り付けの可能性を有していてもよい。固定オフィス又は手術環境では、携帯型制御・表示ユニットは、壁に取り付けられていても、IVポストに取り付けられていても、患者のカバーや覆いにクリップ止めされていても、フレーム構造に吊り下げられていてもよい。また、傾斜、回転、ロック性能を有してしてもよく、取り外し可能で携帯可能に構成されていてもよい。代替的又は追加的に、固定型又は携帯型制御・表示ユニットを使用して、カメラ201及び光源202を制御してもよく、並びに/又はカメラ201が撮影した画像データを表示してもよく、さらに、そのデータを別の表示ユニット又はテレビに無線送信してもよい。
あるいは、制御・表示ユニットは、音声起動制御可能で、動画を2D及び3Dで見ることができるスマートディスプレイ眼鏡であってもよい。ユーザが使用するアクティブ2D/3D眼鏡は、銅製又は光ファイバ製USBケーブルを使用して、USBケーブル106に接続された内視鏡に接続されていてもよく、内視鏡の光源202及び1台以上のカメラ201に給電する制御ユニットを使用して無線でビデオ信号を送受してもよい。
いくつかの実施形態では、携帯型制御・表示ユニットは、ウエアラブル取付装置を介してユーザの腕又は手首に装着されるウエアラブル装置であってもよく、コンピュータを搭載したスマートウォッチであってもよい。より詳細には、幅広のブレスレット、リストバンド、又はサポーターをベルクロ素材で構成し、携帯型制御・表示ユニット又はその使い捨てカバーの後ろに、噛み合うベルクロ製のストリップを固定してもよい。ベルクロ素材のアームバンドは、ユーザの腕又は手首に携帯型制御・表示ユニットを装着する際の、調整可能な取り付け部又は装着部として使用できる。
いくつかの実施形態では、使い捨て可能で硬質又はフレキシブルな内視鏡に、照明としてLEDを使用可能である。代替的又は追加的に、固体レーザダイオード(LD)又はVSCELを、カメラ201及び光源202の内部で、又は独立して、単回使用のプラグ接続可能な内視鏡の先端部で使用できる。例えば、赤外線(IR)撮像には、IR固体光源を使用して、閉鎖組織の診断処置及び外科的処置を照明する。ヒトの組織、血液、尿などのその他の体液への浸透が顕著であるIR光源を使用して組織及び血液を撮像するために、IR検知器及び、修正光学フィルタ又は偏光子を画素の前方に備える特殊な画像センサを、カメラ又は光源の一部として使用してもよい。
光源に様々な波長(UV、可視スペクトル、又はIR)のLEDチップを使用することにより、スペクトル撮像を同時に、又は、様々な時間ウインドウにおいて実行することができる。また、特定の診断用薬剤をスプレーノズルを使用して目的箇所にスプレーすることにより、光源からの特定の波長の照明下で、細胞の生体蛍光特性に関連づけた組織診断、又は、注入された蛍光染料が流れる静脈の撮像を、観察対象の領域で行うことができる。さらに、内視鏡で観察中の術野に、局所麻酔を施したり、二次的装置904又はポートから挿入したノズルのような医療機器1001から薬剤をその箇所にスプレーして麻痺させたりすることも可能である。追加の二次的装置904は、図9に示すポート701から挿入して使用可能な、生検針又は血液凝固装置等の手術用具を備える。
本発明の趣旨又は本質的な特徴から逸脱しない限り、本発明はその他の特定の形態で実施され得る。上記の実施形態は、あらゆる点で、例示的であって、限定的ではないと理解されたい。したがって、本発明の範囲は、上記の説明ではなく、添付の請求項により規定される。請求項と等価な意味及び範囲に含まれるすべての改変は、請求の範囲に含まれるものとする。