JP2017534875A - 有機物の存在下でのイオン濃度の測定 - Google Patents

有機物の存在下でのイオン濃度の測定 Download PDF

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ライアン ジェイ. ギリアム,
ホン ザオ,
ホン ザオ,
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Abstract

本明細書中に開示されるのは、1種類または複数種類の有機化合物の存在下でのイオン濃度の測定における超微小電極(UME)の使用に関するシステムおよび方法である。本発明は、1種類または複数種類の有機化合物の存在下で水性媒体中の金属イオン濃度を測定する方法を提供する。本発明はまた、吸着ユニットと一体化した超微小電極(UME)セルであって、1種類または複数種類の有機化合物を含む水性媒体中のより低い酸化状態および/またはより高い酸化状態にある金属イオン濃度を測定するように構成されたUMEを含むUMEセル;および前記水性媒体から前記1種類または複数種類の有機化合物を吸着するように構成された吸着剤を含むUMEセルに操作可能に接続された吸着ユニットを含む、超微小電極(UME)セルもまた提供する。

Description

(関連出願への相互参照)
本出願は、2014年11月10日に出願された米国仮特許出願番号第62/077,810号に基づく利益を主張しており;この仮特許出願は、本開示において、その全体が参考として本明細書中に援用される。
(連邦政府の支援)
本明細書中に記載の研究は、エネルギー省によって授与された採択番号(award number)DE−FE0002472の政府援助を用いてその全部または一部を実施した。政府は本発明に一定の権利を有する。
(背景)
多くの工業プロセスにおいて、反応物および目的の生成物の濃度の実時間オンライン測定は、プロセス制御に不可欠であり得る。種々の分析方法(液体クロマトグラフィまたはガスクロマトグラフィ、質量分析、分光光度法、および電気化学的方法が含まれる)が適用されている。電気化学的方法は、オンラインで使用することができ、且つ比較的安価であるので、便利であり得る。しかし、ほとんどの電気化学分析は、Mレベルの濃度では移動からの物質移動寄与および大きい抵抗降下などの種々の問題があるので、低濃度(典型的にはmMレンジ)の分析物を対象としている。
超微小電極(UME)は、抵抗性溶液、空間分解能分析、in vivo測定用センサ、および定常状態条件下での電極動力学における電気化学的測定でのツールであり得る。しかし、ボルタンメトリー技術(UMEなどであるが、これに限定されない)を使用して有機物を含む溶液中で高イオン濃度を測定する必要がある。
(要旨)
1つの態様では、1種類または複数種類の有機化合物の存在下で水性媒体中の金属イオン濃度を測定する方法であって、
金属イオンおよび1種類または複数種類の有機化合物を含む水性媒体を超微小電極(UME)セル内のUMEと接触させる工程;
UME表面上にガスを通過させるか、UME表面上にガスを形成するか、UME表面を機械的に浄化するか、これらの組み合わせによってUME表面を1種類または複数種類の有機化合物の付着から浄化する工程;
1つまたは複数の電位サイクルのセットYにUMEを供する工程であって、より低い酸化状態にある金属イオンをより高い酸化状態に酸化させるか、またはより高い酸化状態にある金属イオンをより低い酸化状態に還元させる工程;および
定常状態電流を測定し、それにより金属イオン濃度を測定する工程
を含む、方法を提供する。
前述の態様のいくつかの実施形態では、上記測定は、1つまたは複数の電位サイクルのセットYが、より低い酸化状態にある金属イオンをより高い酸化状態に酸化させるときのより低い酸化状態にある金属イオンの濃度の測定である。
前述の態様のいくつかの実施形態では、上記測定は、1つまたは複数の電位サイクルのセットYが、より高い酸化状態にある金属イオンをより低い酸化状態に還元させるときのより高い酸化状態にある金属イオンの濃度の測定である。
前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、UME表面上にガスを形成することによってUME表面を1種類または複数種類の有機化合物の付着から浄化する工程は、UMEを1つまたは複数の電位サイクルのセットXに供してUME表面上にガス(酸素ガス、塩素ガス、水素ガス、二酸化硫黄ガス、またはそれらの組み合わせなどであるが、これらに限定されない)を形成させることを含む。前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、1つまたは複数の電位サイクルのセットXの電圧範囲が、金属イオンの還元およびUME表面上でのその付着を防止するために、金属イオンの還元電位より高い。前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、1つまたは複数の電位サイクルのセットXの電圧範囲は、±5V対標準水素電極(SHE)、または±3V対SHE、または0.2V〜2.5V対SHE、または0.6V〜2.5V対SHEである。
前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、1つまたは複数の電位サイクルのセットYの電圧範囲は、金属イオンの酸化電位または還元電位を含むか、開路電位と金属イオンの酸化電位または還元電位との間である。
前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、1つまたは複数の電位サイクルのセットYの電圧範囲は、0.65〜0.85V対SHEを含むか、開路電位と0.85V対SHEとの間である。
前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、金属イオンは銅である。前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、金属イオンは、金属ハライド(銅ハライド(例えば、CuCl(より低い酸化状態の銅)およびCuCl(より高い酸化状態の銅)))などであるが、これらに限定されない)の金属イオンである。金属イオンを含む水性媒体は、可変の酸化状態の金属イオンを含むことができるか、またはより低い酸化状態にある金属イオンとより高い酸化状態にある金属イオンとの混合物であると理解すべきである。これらの実施形態において、UMEは、酸化電位が印加され、そして金属イオンがより低い酸化電位からより高い酸化状態に酸化するときのより低い酸化状態にある金属イオンの濃度を測定するか、またはUMEは、還元電位が印加され、そして金属イオンがより高い酸化状態からより低い酸化状態に還元されるときにより高い酸化状態にある金属イオンの濃度を測定する。金属ハライド形態の金属イオンの種々の例を、本明細書中に提供している。
前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、1種類または複数種類の有機化合物は、クロロエタノールおよび/または二塩化エチレンを含む。
前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、UME表面上にガスを通過させることによってUME表面を1種類または複数種類の有機化合物の付着から浄化する工程は、UME表面上に水素ガスをバブリングするか、酸素ガスをバブリングするか、窒素ガスをバブリングするか、塩素ガスをバブリングすることを含む。
前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、UME表面を機械的に浄化することによってUME表面を1種類または複数種類の有機化合物の付着から浄化する工程は、UME表面を機械的にこすることによって付着物を除去することを含む。
前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、水性媒体中の1種類または複数種類の有機化合物の濃度は、約0.5〜5000ppmである。
前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、1種類または複数種類の有機化合物は、二塩化エチレン、クロロエタノール、モノクロロアセトアルデヒド、ジクロロアセトアルデヒド、トリクロロアセトアルデヒド、またはそれらの組み合わせである。
前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、水性媒体は、5重量%を超える水を含む。
前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、UMEは、金、白金、チタン、炭素、導電性ポリマー、またはイリジウムから作製されている。
前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、金属イオンは、鉄、銅、スズ、クロム、またはそれらの組み合わせである。
前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、金属イオンは銅である。前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、金属イオンは金属ハライドの金属イオンである。前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、金属ハライドの金属イオンは銅である。前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、金属イオンは、金属ハライドの金属イオンである(例えば、塩化銅)。前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、金属イオンは、CuClおよびCuClとしての銅である。
前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、より低い酸化状態またはより高い酸化状態にある金属イオン濃度は0.5Mを超えるか、水性媒体中の総金属イオン濃度は、1Mを超えるか、0.5〜7Mであるか、0.5〜6.5M;または1〜7M;または1〜6.5M;または1〜6M;または4.5〜6.5M;または5〜6.5Mである。
前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、本方法は、吸着剤が水性媒体から1種類または複数種類の有機化合物を実質的に吸着する接触工程の前に、金属イオンおよび1種類または複数種類の有機化合物を含む水性媒体を吸着剤への吸着に供する工程をさらに含む。
前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、水性媒体は、吸着後に約5000ppm未満の1種類または複数種類の有機化合物を含む。
前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、吸着剤は、活性炭、アルミナ、活性シリカ、ポリマー、またはそれらの組み合わせである。
前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、吸着剤はポリスチレンである。
前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、UME表面上の気泡を除去するためにUMEに水性媒体を流す。
前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、水性媒体の流れにより、測定中の温度を実質的に一定に保つ。
前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、本方法は、UMEセルの温度を50〜100℃に保持する工程をさらに含む。
前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、水性媒体中に1種類または複数種類の有機化合物およびより低い酸化状態の金属イオンを形成するために、不飽和炭化水素または飽和炭化水素を水性媒体中により高い酸化状態にある金属イオンを含むアノード電解質と反応させた後に水性媒体を得る。
前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、水性媒体中により高い酸化状態にある金属イオンを含むアノード電解質を、電気化学セルのアノードでの金属イオンのより低い酸化状態からより高い酸化状態への酸化後に得る。
前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、水性媒体中のより低い酸化状態および/またはより高い酸化状態にある金属イオンの濃度を、金属イオンがアノードでより低い酸化状態からより高い酸化状態に酸化される電気化学セルのアノード室への水性媒体の適用前、適用中、および/または適用後に測定する。
前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、水性媒体中のより低い酸化状態および/またはより高い酸化状態にある金属イオンの濃度の測定により、電気化学セルのアノード室へのその適用前、適用中、および/または適用後の水性媒体中の金属イオン濃度の最適化が容易になる。
前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、水性媒体中のより低い酸化状態および/またはより高い酸化状態にある金属イオンの濃度を、水性媒体中のより高い酸化状態にある金属イオンを不飽和炭化水素または飽和炭化水素と反応させて水性媒体中に1種類または複数種類の有機化合物およびより低い酸化状態にある金属イオンを形成する反応器への水性媒体の適用前、適用中、および/または適用後に測定する。
前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、水性媒体は、より低い酸化状態およびより高い酸化状態にある金属イオンを含む。
別の態様では、1種類または複数種類の有機化合物の存在下で水性媒体中の銅イオン濃度を測定する方法であって、
Cu(I)イオンおよび1種類または複数種類の有機化合物を含む水性媒体を超微小電極(UME)セル内のUMEと接触させる工程;
UMEを1つまたは複数の電位サイクルのXセット0.2V〜2.5V対SHEまたは0.6V〜2.5V対SHEに供する工程であって、、酸素ガス、水素ガス、塩素ガス、またはそれらの組み合わせを形成する工程;
UMEを0.65〜0.85V対SHEまたは開路電位と0.85V対SHEとの間を含む1つまたは複数の電位サイクルのYセットに供する工程であって、Cu(I)イオンをCu(II)イオンに酸化させる工程;および
定常状態電流を測定し、それにより、水性媒体中のCu(I)イオン濃度を測定する、測定する工程を含む、方法を提供する。
前述の態様のいくつかの実施形態では、本方法は、1種類または複数種類の有機化合物を吸着剤に部分的または実質的に吸着させるために、水性媒体をUMEと接触させる前にCu(I)イオンおよび1種類または複数種類の有機化合物を含む水性媒体を吸着剤に吸着させる工程をさらに含む。
前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、吸着後の水性媒体中の1種類または複数種類の有機化合物の濃度は、約0.5〜5000ppmである。
前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、水性媒体中のCu(I)イオン濃度は、0.5M超または1M超である。
前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、Cu(I)イオンはCu(I)ハライド(例えば、CuCl)である。前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、Cu(II)イオンはCu(II)ハライド(例えば、CuCl)である。
別の態様では、吸着ユニットと一体化した超微小電極(UME)セルであって、1種類または複数種類の有機化合物を含む水性媒体中のより低い酸化状態および/またはより高い酸化状態にある金属イオン濃度を測定するように構成されたUMEを含むUMEセル;および水性媒体から1種類または複数種類の有機化合物を吸着するように構成された吸着剤を含むUMEセルに操作可能に接続された吸着ユニットを含む、超微小電極(UME)セルを提供する。
前述の態様のいくつかの実施形態では、UMEセルは、金属イオンおよび1種類または複数種類の有機化合物を含む水性媒体をさらに含む。
前述の態様のいくつかの実施形態では、より低い酸化状態の金属イオンは銅(I)である。
前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、1種類または複数種類の有機化合物は、二塩化エチレン、クロロエタノール、モノクロロアセトアルデヒド、ジクロロアセトアルデヒド、トリクロロアセトアルデヒド、またはそれらの組み合わせである。
前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、吸着剤は、活性炭、アルミナ、活性シリカ、ポリマー、またはそれらの組み合わせである。
前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、吸着剤はポリスチレンである。
前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、吸着ユニットは、水性媒体から1種類または複数種類の有機化合物を吸着し、水性媒体をUMEセルに送達させるように構成されている。
前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、吸着後の水性媒体中の1種類または複数種類の有機化合物の濃度は、0.5ppm〜5000ppmである。
前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、水性媒体中の金属イオンの濃度は、0.5M超または1M超である。
前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、UMEセルおよびUMEは、本明細書中に詳述されている。
さらに別の態様では、1種類または複数種類の有機化合物の存在下で水性媒体中の金属イオン濃度を測定するように構成されたシステムであって、1種類または複数種類の有機化合物を含む水性媒体中の金属イオン濃度を測定するように構成されたUMEを含むUMEセル;および金属イオンおよび1種類または複数種類の有機化合物を含む水性媒体を含む、システムを提供する。
前述の態様のいくつかの実施形態では、UMEセルは、参照電極および塩橋をさらに含む。
前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、システムは、フロースルー水性媒体のために構成されている。
前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、UMEセルは、フロースルー水性媒体の圧力に耐えるように構成されているフレアレス管継手が取り付けられている。
前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、システムは、UMEセルを通過する水性媒体の流れを制御するように構成された弁をさらに含む。
前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、UMEセルは、UMEセル内部の水性媒体の温度をモニタリングするように構成された温度プローブをさらに含む。
前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、UMEセルは、UMEセル内部の水性媒体の圧力をモニタリングするように構成された圧力プローブをさらに含む。
前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、システムは、UMEセルに操作可能に接続され、且つ水性媒体を所望の温度に加熱および/または維持するように構成された加熱要素をさらに含む。
前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、UMEセル内の水性媒体の温度は、50〜100℃である。
前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、システムは、水性媒体から1種類または複数種類の有機化合物を吸着し、水性媒体をUMEセルに送達させるように構成された吸着剤を含む吸着ユニットに操作可能に接続されている。
前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、水性媒体中の1種類または複数種類の有機化合物の濃度は、0.5ppm〜5000ppmである。
前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、吸着剤は、活性炭、アルミナ、活性シリカ、ポリマー、またはそれらの組み合わせである。
前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、UMEは、金、白金、チタン、炭素、導電性ポリマー、またはイリジウムから作製されている。
前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、金属イオンは、鉄、銅、スズ、クロム、またはそれらの組み合わせである。
前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、システムは、UMEセル、吸着ユニット、またはそれらの組み合わせに操作可能に接続され、より高い酸化状態にある金属イオンを含むアノード電解質を不飽和炭化水素および/または飽和炭化水素と反応させて1種類または複数種類の有機化合物およびより低い酸化状態にある金属イオンを形成するように構成された反応器をさらに含み、反応器は、1種類または複数種類の有機化合物および金属イオン(より低い酸化状態およびより高い酸化状態)を含む水性媒体をUMEセル、吸着ユニット、またはそれらの組み合わせに送達させるように構成されている。
前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、システムは、金属イオンを含むアノード電解質と接触したアノードを含むアノード室を含む電気化学的システムをさらに含み、アノードは金属イオンをより低い酸化状態からより高い酸化状態に酸化させるように構成され、電気化学的システムはより高い酸化状態の金属イオンを含むアノード電解質を反応器に送達させるように構成されている。
前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、UMEセルは、反応器からの出口および電気化学的システムへの入口にインラインで操作可能に接続されているか、電気化学的システムからの出口および反応器への入口にインラインで操作可能に接続されているか、またはその両方である。
前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、UMEセルは、システムの操作を制御するように構成された自動化制御ステーションに操作可能に接続されている。
前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、UMEセルは、UMEセル内部の水性媒体の温度をモニタリングするように構成された温度プローブに操作可能に接続されている。
前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、システムは、UMEセルに操作可能に接続され、且つセルに電圧/電流を供給するように構成された電源をさらに含む。
前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、電源は、UMEセルの操作のための種々の電位サイクルを提供するように自動化されている。
前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、不飽和炭化水素はエチレンであり、ハロゲン化炭化水素は二塩化エチレンであり、1種類または複数種類の有機化合物はクロロエタノールであり、金属イオンは銅またはそれらの組み合わせである。
前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、電気化学的システムは、カソード電解質と接触するカソードを含むカソード室をさらに含み、アノード室およびカソード室は、アニオン交換膜、カチオン交換膜、またはその両方によって分離されている。
前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、UMEセルは、UMEを1つまたは複数の電位サイクルのセットYに供し、それにより、より低い酸化状態にある金属イオンがより高い酸化状態に酸化されるか、より高い酸化状態にある金属イオンがより低い酸化状態に還元されるように構成されている。
前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、UMEセルは、UME表面上を、ガスを形成することによってUME表面の1種類または複数種類の有機化合物の付着から浄化するように構成されている。
前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、UMEセルは、UMEを1つまたは複数の電位サイクルのセットXに供してUME表面上に酸素ガス、塩素ガス、水素ガス、二酸化硫黄ガス、またはそれらの組み合わせを形成させるように構成されている。
前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、UMEセルは、UMEを1つまたは複数の電位サイクルのセットXに供してUME表面上に酸素ガス、塩素ガス、水素ガス、二酸化硫黄ガス、またはそれらの組み合わせを形成させるように構成されており、UMEセルは、UMEを1つまたは複数の電位サイクルのセットYに供し、それにより、より低い酸化状態にある金属イオンがより高い酸化状態に酸化されるか、より高い酸化状態にある金属イオンがより低い酸化状態に還元されるように構成されている。
前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、1つまたは複数の電位サイクルのセットYの電圧範囲は、金属イオンの酸化電位または還元電位を含むか、開路電位と金属イオンの酸化電位または還元電位との間である。
前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、1つまたは複数の電位サイクルのセットYの電圧範囲は、0.65〜0.85V対SHEを含むか、開路電位と0.85V対SHEとの間である。
前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、1つまたは複数の電位サイクルのセットXの電圧範囲は、±5V対SHE、または±3V対SHE、または0.2V〜2.5V対SHE、または0.6V〜2.5V対SHEである。
さらに別の態様では、1種類または複数種類の有機化合物を含む水性媒体中の金属イオン濃度を測定するように構成されたUMEを含むUMEセルを含むキットを提供する。前述の態様のいくつかの実施形態では、UMEセルは、管、弁、pHプローブ、温度プローブ、圧力プローブ、またはそれらの組み合わせをさらに含む。前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、キットは、UMEセルの使用方法に関する指示またはプロトコールを提供する取扱説明書をさらに含む。前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、キットは、UMEセルを操作するためのコンピュータソフトウェアプログラムを含むCD、ディスク、またはUSBをさらに含む。前述の態様および実施形態のいくつかの実施形態では、キットは、水性媒体から1種類または複数種類の有機化合物を吸着するように構成された吸着剤を含むUMEセルに操作可能に接続される吸着ユニットをさらに含む。
本発明の新規の特徴を、特に添付の特許請求の範囲に呈示する。本発明の原理を利用した例示的実施形態を示す以下の詳細な説明および以下の添付の図面を参照して、本発明の特徴および利点をより深く理解することができる。
図1は、本明細書中に提供したいくつかの実施形態の例である。
図2は、本明細書中に提供したいくつかの実施形態の例である。
図3Aは、本明細書中の実施例2に提供したいくつかの実施形態の例である。
図3Bは、本明細書中の実施例2に提供したいくつかの実施形態の例である。
図4は、本明細書中の実施例2に提供したいくつかの実施形態の例である。
(詳細な説明)
超微小電極(UME)を使用するイオン濃度(金属イオン濃度などであるが、これらに限定されない)の測定に関するシステムおよび方法を本明細書中に開示する。伝統的には、UMEを使用して金属イオン濃度を測定することができるが、有機物の存在下での金属イオンの測定は困難である。出願人は、UMEを使用する有機物の存在下でイオン(金属イオンなどであるが、これらに限定されない)濃度を測定する方法を予想外且つ驚きを持って発見した。
当業者によって認識することができるように、本発明の電気化学的システムおよび方法を、代替の等価な塩溶液、例えば、アルカリ金属イオン溶液、例えば、アルカリ金属ハライド溶液、例えば、塩化カリウム溶液もしくは塩化ナトリウム溶液、またはアルカリ土類金属イオン溶液、例えば、アルカリ土類金属ハライド溶液、例えば、塩化カルシウム溶液もしくは塩化マグネシウム溶液、または他の塩溶液、例えば、塩化アンモニウム溶液を使用して構成することができる。したがって、かかる等価物が本発明のシステムおよび方法に基づくか示唆される範囲内まで、これらの等価物は本出願の範囲内に含まれる。
本発明をより詳細に記載する前に、本発明が記載の特定の実施形態に制限されず、そのようなものとして、当然変動可能であると理解すべきである。本発明の範囲が添付の特許請求の範囲のみによって制限されるので、本明細書中で使用した専門用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的とし、本発明を制限することを意図しないとも理解すべきである。
値の範囲を提供する場合、文脈上例外が明記されていない限り下限の単位の10分の1までの、その範囲の上限と下限との間の介在する値および言及した範囲における任意の他の言及した値または介在する値が本発明の範囲内に含まれると理解される。これらのより狭い範囲の上限および下限を、言及した範囲内の任意の明確に排除された限度に従って、より狭い範囲に独立して含めることができ、これらも本発明の範囲内に含まれる。言及した範囲が限度の一方または両方を含む場合、これらの含有する限度のいずれかまたは両方を排除する範囲も本発明に含まれる。
数値を用いて本明細書中に示した一定の値を、「約」数値とみなすことができる。「約」は、この用語が先行する厳密な数字を文字で補助し、この用語が先行する数字に近似するか前後する数字も提供する。数字が具体的に引用した数字に近似するか前後するかどうかを決定する際、近似するか前後する任意に指定した数値(unrequited number)は、数字を示した文脈において、具体的に引用した数字と実質的に等価な数字であり得る。
別段の定めのない限り、本明細書中で使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般的に理解されている意味を有する。本明細書中に記載の方法および材料に類似するか等価な任意の方法および材料を、本発明の実務または試験で使用することもできるが、方法および材料の代表例をここに記載する。
本明細書中に引用した全ての刊行物および特許は、各刊行物または特許が参考として援用されることを具体的且つ個別に示しているかのように本明細書中で参考として援用され、引用された刊行物に関する方法および/または材料を開示および記載するために本明細書中で参考として援用される。任意の刊行物の引用は、出願日前の開示を目的とし、本発明が先行発明に基づいてかかる刊行物に先行する権利を享有しないことを容認すると解釈すべきではない。さらに、提供した公開日は、実際の公開日と異なる可能性があり、個別に確認する必要があり得る。
本明細書中および添付の特許請求の範囲中で使用される場合、文脈上明白に他の意味を示す場合を除いて、単数形「a」、「an」、および「the」には複数形が含まれることに留意されたい。クレームを、任意選択的な要素を排除するように起案することができることにさらに留意されたい。そのようなものとして、本記載は、クレーム要素の引用に関連する「単独で」および「唯一の」などの除外を示す用語を使用するか「否定的」限定のための先行詞としての役割を果たすことを意図する。
本開示の読了時に当業者に明らかであるように、本明細書中に記載および例示の各実施形態は、本発明の範囲または意図を逸脱することなく容易に他のいくつかの実施形態のうちのいずれかの特徴から分離することができるか、この特徴を組み合わせることができる個別の成分および特徴を有する。任意の引用された方法を、引用された事象の順序または論理的に可能な任意の他の順序で実施することができる。
(方法およびシステム)
超微小電極(UME)を使用する有機化合物の存在下での溶液中のイオン(金属イオンなどであるが、これらに限定されない)の濃度測定に関する方法およびシステムを提供する。UMEを、典型的には、ボルタンメトリーにおける作用電極として使用する。小さいサイズのUMEは、全体的に見て、比較的拡散層が大きく、電流が小さい。これにより、UMEから実質的な歪のない定常状態電流が得られる。しかし、UMEは、有機化合物の存在下での金属イオン濃度測定中に電流が減衰してしまう(UMEが役に立たなくなる)。電流の減衰はUME表面上の有機物の付着に起因し得ると予想される。本出願人は、有機化合物の存在下での水溶液中の金属イオン濃度の測定のためにUMEを使用するための特有の方法およびシステムを発見した。
本明細書中に記載の方法およびシステムを使用して、1種類または複数種類の有機化合物を含む水性媒体中の高濃度のイオン(金属イオンなどであるが、これらに限定されない)を測定することができる。本出願の金属イオンの測定を参照して、UMEで酸化または還元され得る任意のイオンの溶液中の濃度を本発明の方法およびシステムを使用して測定することができることが理解されるべきである。金属イオンはまた、任意の金属塩(金属ハライドまたは金属硫酸塩などであるが、これらに限定されない)の金属イオンであり得るとも理解されるべきである。
本明細書中に提供した方法およびシステムは、有機化合物の存在下での水溶液中の金属イオンの電気化学的酸化/還元を使用することによる電気活性金属イオン濃度の直接測定に関する。これらの方法およびシステムを、有機的過程で金属イオンが使用されるシステム中の金属イオン濃度の測定およびモニタリングで使用することができる。かかるプロセスは当該分野で周知であり、有機金属プロセスおよび金属が触媒である触媒プロセスなどが含まれるが、これらに限定されない。例えば、金属イオン濃度を、2012年5月17日出願の米国特許出願公開第2012/0292196号;2013年3月13日出願の米国特許出願公開第2013/0206606号;および2014年7月30日出願の米国特許出願公開第2015/0038750号(その全てが本開示においてその全体が本明細書中で参考として援用される)に詳述された電気化学的システムおよび反応器システムにおいて本発明の方法およびシステムを使用して測定することができる。
UMEおよびその構成要素、UMEセルおよびその構成要素、UMEおよびその構成要素を含むシステム、ならびに金属イオン濃度を測定するためにUMEを使用するための方法プロトコールを以下の本明細書中に記載する。
(UME、UMEセル、システム、および構成要素)
1つの態様では、1種類または複数種類の有機化合物を含む水性媒体中の金属イオン濃度を測定するように構成されたUMEを含むUMEセルを提供する。いくつかの実施形態では、1種類または複数種類の有機化合物を含む水性媒体中の金属イオン濃度を測定するように構成されたUME;ならびに金属イオンおよび1種類または複数種類の有機化合物を含む水性媒体を含むUMEセルを提供する。測定は、より低い酸化状態にある金属イオンおよび/またはより高い酸化状態にある金属イオンの測定であり得る。いくつかの実施形態では、金属イオンおよび1種類または複数種類の有機化合物を含む水性媒体を、UMEを含むUMEセルに供給する工程;および水性媒体中の金属イオン濃度を測定するためにUMEセルを使用する工程を含む方法を提供する。測定のための方法プロトコールは、本明細書中に詳述されている。
「UME」には、本明細書中で使用する場合、少なくとも1つの寸法が30um(ミクロン)未満の電極が含まれる。例示のみを目的とするが、UMEは、少なくとも1つの寸法が0.1〜30umであり得る。UMEを、任意の従来の導電性電極材料(金、白金、チタン、炭素、イリジウム、および導電性ポリマーなどが含まれるが、これらに限定されない)から作製することができる。
「UMEセル」には、本明細書中で使用する場合、UMEおよび他の構成要素(参照電極、例えば、制限されないが、Ag|AgCl参照電極など)を含むセルが含まれる。「参照電極」には、本明細書中で使用する場合、公知の電極電位を有する任意の電極が含まれる。種々の参照電極は当該分野で公知であり、全て本発明の範囲内に含まれる。参照電極の例には、制限されないが、標準水素電極(SHE)、規定水素電極、可逆水素電極、飽和カロメル電極、銅−硫酸銅(II)電極、塩化銀電極、pH電極、パラジウム−水素電極、またはダイナミック水素電極などの水性参照電極が含まれる。参照電極の例には、非水性参照電極、準参照電極、疑似参照電極なども含まれるが、これらに限定されない。参照電極電位は、相互に異なり得る。例えば、0.45V対Ag|AgClは約0.65V対SHEと同一であるか、−1V対Ag|AgClは約−0.8V対SHEなどと同一である。
いくつかの実施形態では、UMEセルは、任意選択的に、対極または補助電極を含むことができる。「対極」または「補助電極」には、本明細書中で使用する場合、電流が流れると予想される3電極電気化学セル内で使用される任意の電極が含まれる。対極または補助電極を、金、白金、または炭素などの電気化学的に不活性な材料から作製することができる。
いくつかの実施形態では、UMEセルは、任意選択的に、塩橋またはイオン交換膜などを含むことができる。「塩橋」は、本明細書中で使用する場合、電気化学セル内の酸化半セルおよび還元半セルを接続するために使用される橋である。塩橋は、ガラス管橋、濾紙橋などであり得る。本明細書中に提供したシステムのいくつかの実施形態では、塩橋に不活性電解質(塩化ナトリウムまたは塩化カリウムなどであるが、これらに限定されない)を充填する。本明細書中に提供したシステムのいくつかの実施形態では、塩橋に高濃度塩溶液または飽和塩溶液を充填する。いくつかの実施形態では、塩橋は、塩橋内のイオンの沈殿を防止するために塩橋内に飽和塩を供給するのに有利であり得る。
いくつかの実施形態では、UMEセルは、UMEセル内部の水性媒体の温度をモニタリングするように構成された温度プローブ(熱電対など)をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、UMEセルは、UMEセル内部の水性媒体の圧力をモニタリングするように構成された圧力プローブをさらに含むことができる。圧力測定に加えて、圧力プローブを使用して、流体/気体流、速度、水位、深度、漏出などを測定することもできる。いくつかの実施形態では、UMEセルは、UMEセル内部の水性媒体のpHをモニタリングするように構成されたpHプローブをさらに含むことができる。pHプローブは、水性媒体のpHを測定するためのpHメータであり得る。いくつかの実施形態では、UMEセルは、UMEセル内部の水性媒体中の1種類または複数種類の有機化合物濃度をモニタリングするように構成されたTOC(全有機体炭素)メータをさらに含むことができる。必要に応じて、UMEセルに、1つまたは複数の前述のプローブを取り付けることができる。
いくつかの実施形態では、UMEセルは、フロースルー水性媒体のために構成されている。いくつかの実施形態では、UMEセルおよび/またはその構成要素は、フロースルー水性媒体の圧力に耐えるように構成されているフレアレス管継手が取り付けられている。
「金属イオン」または「金属」は、本明細書中で使用する場合、より低い酸化状態からより高い酸化状態またはその逆に変換することができる任意の金属イオンが含まれる。金属イオンの例には、鉄、クロム、銅、スズ、銀、コバルト、ウラン、鉛、水銀、バナジウム、ビスマス、チタン、ルテニウム、オスミウム、ユウロピウム、亜鉛、カドミウム、金、ニッケル、パラジウム、白金、ロジウム、イリジウム、マンガン、テクネチウム、レニウム、モリブデン、タングステン、ニオビウム、タンタル、ジルコニウム、ハフニウム、およびそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、金属イオンには、鉄、銅、スズ、クロム、またはそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、金属イオンは銅である。いくつかの実施形態では、金属イオンはスズである。いくつかの実施形態では、金属イオンは鉄である。いくつかの実施形態では、金属イオンはクロムである。いくつかの実施形態では、金属イオンは白金である。「酸化状態」には、本明細書中で使用する場合、物質中の原子の酸化度が含まれる。例えば、いくつかの実施形態では、酸化状態は、イオンの正味荷電である。本明細書中で使用する場合、「より低い酸化状態」には、金属のより低い酸化状態が含まれる。例えば、金属イオンのより低い酸化状態は、1+、2+、3+、4+、または5+であり得る。本明細書中で使用する場合、「より高い酸化状態」には、金属のより高い酸化状態が含まれる。例えば、金属イオンのより高い酸化状態は、2+、3+、4+、5+、または6+であり得る。金属イオンおよびそれらの酸化電位または還元電位のいくつかの例を、本明細書中の表1および2に示す。
金属イオンは、金属の化合物もしくは塩または金属の合金またはそれらの組み合わせとして水性媒体中に存在し得る。いくつかの実施形態では、金属イオンに付随したアニオンは、金属化合物として使用されるハライド(例えば、塩化物(塩化鉄、塩化銅、塩化スズ、塩化クロムなどであるが、これらに限定されない))である。いくつかの実施形態では、金属に付随したアニオンは、金属化合物として使用される硫酸塩(硫酸鉄、硫酸銅、硫酸スズ、硫酸クロムなどであるが、これらに限定されない)である。いくつかの実施形態では、金属に付随したアニオンは、金属化合物として使用されるハライド(例えば、臭化物(臭化鉄、臭化銅、臭化スズなどであるが、これらに限定されない))である。同様に、ヨウ化物またはフッ化物も、金属ハライド中のハライドとして使用することもできる。
本発明のシステムおよび方法で測定することができる金属化合物のいくつかの例には、硫酸銅(II)、硝酸銅(II)、塩化銅(I)、塩化銅(II)、臭化銅(I)、臭化銅(II)、ヨウ化銅(I)、ヨウ化銅(II)、硫酸鉄(III)、硝酸鉄(III)、塩化鉄(II)、臭化鉄(II)、ヨウ化鉄(II)、硫酸スズ(II)、硝酸スズ(II)、塩化スズ(II)、塩化スズ(IV)、臭化スズ(II)、ヨウ化スズ(II)、硫酸クロム(III)、硝酸クロム(III)、塩化クロム(II)、臭化クロム(II)、ヨウ化クロム(II)、塩化亜鉛(II)、臭化亜鉛(II)などが含まれるが、これらに限定されない。
「1種類または複数種類の有機化合物」または「有機化合物」または「有機生成物」には、本明細書中で使用する場合、炭素を有する任意の化合物が含まれる。例には、任意の炭化水素(アルカン、アルケン、またはアルキン、環(脂肪族または芳香族)、またはその誘導体など)が含まれるが、これらに限定されない。アルカン、アルケン、またはアルキンなどの例には、エチレン、エタン、プロピレン、プロパン、ブチレン、ブタン、ペンチレン、ペンタンなどが含まれるが、これらに限定されない。例示のみを目的として、アルカン、アルケン、またはアルキンの誘導体には、ハロゲン化アルカン、ハロゲン化アルケン、またはハロゲン化アルキン;ヒドロキシル置換アルカン、ヒドロキシル置換アルケン、またはヒドロキシル置換アルキン;スルホ置換アルカン、スルホ置換アルケン、またはスルホ置換アルキン;アルデヒド置換アルカン、アルデヒド置換アルケン、またはアルデヒド置換アルキン;またはそれらの組み合わせが含まれる。有機化合物は、本明細書中に詳述のハロ炭化水素またはスルホ炭化水素であり得る。例えば、1種類または複数種類の有機化合物には、二塩化エチレン、クロロエタノール、クロロプロペン、プロピレンオキシド、アリルクロリド、メチルクロリド、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、ペンタクロロエタン、1,1−ジクロロエテン、トリクロロエチレン、テトラクロロエテン、クロラール(CClCHO)および/または抱水クロラール(2,2,2−トリクロロエタン−1,1−ジオール)、プロパンジクロリド(CCl)またはジクロロプロパン(DCP)、ブタンジクロリド(CCl)またはジクロロブテン(CCl)、クロロブタノール、クロロベンゼン、クロロフェノール、塩素化トルエン、クロロアセチレン、ジクロロアセチレン、塩化ビニルなどが含まれるが、これらに限定されない。
本明細書中で使用される「水性媒体」には、1重量%を超える水を含む媒体が含まれる。いくつかの実施形態では、水性媒体は、5重量%を超える水;または5.5重量%を超える水;または6重量%を超える水;または20重量%を超える水;または50重量%を超える水;または80重量%を超える水;または90重量%を超える水;または5〜90重量%の水;または5〜70重量%の水;または5〜50重量%の水;または5〜20重量%の水;または5〜10重量%の水;または6〜90重量%の水;または6〜50重量%の水;または6〜10重量%の水;または10〜75重量%の水;または10〜50重量%の水;または20〜60重量%の水;または20〜50重量%の水;または25〜60重量%の水;または25〜50重量%の水;または25〜45重量%の水;または40〜60重量%の水;または40〜50重量%の水;または50〜75重量%の水;または50〜60重量%の水;または60〜70重量%の水を含む。いくつかの実施形態では、水性媒体は、水溶性有機溶媒を含むことができる。かかる有機溶媒は、当該分野で周知である。
本明細書中に記載の態様および実施形態では、UMEセル内の水性媒体中の1種類または複数種類の有機化合物の濃度は、0.5ppm〜5000ppmである。いくつかの実施形態では、UMEセル内の水性媒体中の1種類または複数種類の有機化合物の濃度は、0.5ppm〜5000ppm;または0.5ppm〜4000ppm;または0.5ppm〜3000ppm;または0.5ppm〜2000ppm;または0.5ppm〜1000ppm;または0.5ppm〜800ppm;または0.5ppm〜600ppm;または0.5ppm〜500ppm;または0.5ppm〜400ppm;または0.5ppm〜300ppm;または0.5ppm〜200ppm;または0.5ppm〜100ppm;または0.5ppm〜50ppm;または0.5ppm〜10ppm;または5ppm〜5000ppm;または5ppm〜4000ppm;または5ppm〜3000ppm;または5ppm〜2000ppm;または5ppm〜1000ppm;または5ppm〜800ppm;または5ppm〜600ppm;または5ppm〜500ppm;または5ppm〜400ppm;または5ppm〜300ppm;または5ppm〜200ppm;または5ppm〜100ppm;または5ppm〜50ppm;または5ppm〜10ppm;または10ppm〜5000ppm;または10ppm〜4000ppm;または10ppm〜3000ppm;または10ppm〜2000ppm;または10ppm〜1000ppm;または10ppm〜800ppm;または10ppm〜600ppm;または10ppm〜500ppm;または10ppm〜400ppm;または10ppm〜300ppm;または10ppm〜200ppm;または10ppm〜100ppm;または10ppm〜50ppm;または50ppm〜600ppm;または100ppm〜600ppm;または200ppm〜600ppm;または400ppm〜600ppmである。
本明細書中に記載の態様および実施形態では、水性媒体中の金属イオンは、高濃度である(UMEによって典型的に測定される濃度より高い)。本明細書中に記載の態様および実施形態では、総金属イオン濃度(より低い酸化状態およびより高い酸化状態の金属イオン)は、0.5M超;または1M超;または約0.5〜8M;または約0.5〜7M;または約0.5〜6M;または約0.5〜5M;または約0.5〜4M;または約0.5〜3M;または約0.5〜2M;または約0.5〜1.5M;または約0.5〜1M;または約0.5〜0.8M;または約0.8〜8M;または約0.8〜7M;または約0.8〜6M;または約0.8〜5M;または約0.8〜4M;または約0.8〜3M;または約0.8〜2M;または約0.8〜1.5M;または約0.8〜1M;または約1〜8M;または約1〜7M;または約1〜6M;または約1〜5M;または約1〜4M;または約1〜3M;または約1〜2M;または約1〜1.5M;または約2〜8M;または約2〜7M;または約2〜6M;または約2〜5M;または約2〜4M;または約2〜3M;または約3〜8M;または約3〜7M;または約3〜6M;または約3〜5M;または約3〜4M;または約4〜8M;または約4〜7M;または約4〜6M;または約4〜5M;または約5〜8M;または約5〜7M;または約5〜6M;または約6〜8M;または約6〜7M;または約7〜8Mである。いくつかの実施形態では、前述の金属イオン濃度には、水性媒体中の、アルカリ金属ハライド(例示のみを目的として、塩化ナトリウム、塩化カリウムなど)またはアルカリ土類金属ハライド(例示のみを目的として、塩化カルシウム、塩化マグネシウムなど)などであるが、これらに限定されない塩濃度(0.1〜5M;または0.1〜4M;または0.1〜3M;または0.1〜2M;または0.1〜1M;または1〜5M;または1〜4M;または1〜3M;または1〜2M;または2〜5M;または2〜4M;または2〜3M;または3〜5M;または3〜4M;または4〜5Mの濃度)がさらに含まれる。本明細書中に提供した態様のいくつかの実施形態では、水性媒体中のより低い酸化状態の金属イオンの濃度は、0.5〜2.5M;または0.5〜2M;または0.5〜1.5M;または0.5〜1Mであり;より高い酸化状態の金属イオンの濃度は、4〜7M;または4〜6.5M;または4〜6M;または4〜5M;または5〜7M;または5〜6.5M;または5〜6M;または6〜7Mである。前述の実施形態のいくつかの実施形態では、水性媒体中のアルカリ金属ハライド(例えば、塩化ナトリウム)などの塩の濃度は、1.5〜3Mである。
本明細書中に提供した態様のいくつかの実施形態では、水性媒体中の1種類または複数種類の有機化合物の濃度を、UMEを使用する水性媒体中の金属イオンの濃度の測定前に1種類または複数種類の有機化合物を吸着剤に吸着させることによって低下させることができる。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書中に提供したシステムは、水性媒体から1種類または複数種類の有機化合物を吸着して水性媒体をUMEセルに送達させるように構成された吸着ユニットに操作可能に接続された本明細書中に記載のUMEセルを含む。いくつかの実施形態では、吸着ユニットは、吸着剤を含む。いくつかの実施形態では、吸着材は、水性媒体から1種類または複数種類の有機化合物を実質的に吸着(例えば、90重量%超、または90重量%まで、または95重量%まで、または99重量%まで吸着)する。
「吸着剤」には、本明細書中で使用する場合、有機化合物に対する親和性が高く、且つ金属イオンに対する親和性がないか非常に低い化合物が含まれる。いくつかの実施形態では、吸着剤は、金属イオンに対する親和性がないか低いのに加えて、水に対する親和性がないか非常に低い。したがって、吸着剤は、有機物を吸着するが、金属イオンおよび水を寄せ付けない疎水性化合物であり得る。
いくつかの実施形態では、吸着剤には、金属イオン溶液から有機化合物を除去する活性炭、アルミナ、活性シリカ、ポリマーなどが含まれるが、これらに限定されない。これらの吸着剤は、市販されている。本方法で使用することができる活性炭の例には、粉状活性炭、粒状活性炭、押出活性炭、ビーズ活性炭、添着炭(impregnated carbon)、高分子膜被覆炭素、炭素布などが含まれるが、これらに限定されない。本明細書中の吸着剤の文脈で使用される「吸着ポリマー」または「ポリマー」には、有機化合物に対する親和性が高いが、金属イオンおよび水に対する親和性がないか低いポリマーが含まれる。吸着剤として使用することができるポリマーの例には、ポリオレフィンが含まれるが、これに限定されない。本明細書中で使用される「ポリオレフィン」または「ポリアルケン」には、単量体としてのオレフィン(またはアルケン)から生成されたポリマーが含まれる。オレフィンまたはアルケンは、脂肪族化合物または芳香族化合物であり得る。例には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン−1、ポリオレフィンエラストマー、ポリイソブチレン、エチレンプロピレンゴム、ポリメチルアクリレート、ポリ(メチルメタクリレート)、およびポリ(イソブチルメタクリレート)などが含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、本明細書中で使用される吸着剤は、金属イオン、有機化合物、および水を含む水性媒体から実質的に、例えば、90%w/wを超える有機化合物;95%w/wを超える有機化合物;または99%w/wを超える;または99.99%w/wを超える有機化合物;または99.999%w/wを超える有機化合物を吸着する。いくつかの実施形態では、本明細書中で使用される吸着剤は、2%w/w未満の金属イオン;または1%w/w未満の金属イオン;または0.1%w/w未満の金属イオン;または0.01%w/w未満の金属イオン;または0.001%w/w未満の金属イオンを、金属イオン、有機化合物、および水を含む水性媒体から吸着する。いくつかの実施形態では、本明細書中で使用される吸着剤は、水性媒体から金属イオンを吸着しない。
いくつかの実施形態では、吸着剤を通過して(そしてUMEセルを循環する)得られた水性媒体は、5000ppm未満、または1000ppm未満、または800ppm未満、または700ppm未満、または600ppm未満、または500ppm未満、または250ppm未満、または100ppm未満、または50ppm未満、または10ppm未満、または1ppm未満、または本明細書中に記載の他の種々の濃度の有機化合物を含む。
吸着剤を、市販の任意の形状および形態で使用することができる。例えば、いくつかの方法およびシステムの実施形態では、吸着剤は、粉末、プレート、メッシュ、ビーズ、クロス、繊維、丸剤、フレーク、およびブロックなどである。いくつかの方法およびシステムの実施形態では、吸着剤は、ベッドおよび充填カラムの形態である。いくつかの方法およびシステムの実施形態では、吸着剤は、充填した吸着材料の一連のベッドまたはカラムの形態であり得る。例えば、いくつかの方法およびシステムの実施形態では、吸着剤は、1つまたは複数の活性炭粉末、ポリスチレンビーズ、またはポリスチレン粉末を含む(並列または直列に配列された)充填カラムである。
いくつかの実施形態では、UMEセルを含むシステムを、吸着ユニットがUMEセルと一体化するような方法で構築する。いくつかの実施形態では、UMEセルを含むシステムを、吸着ユニットがUMEセルに操作可能に付随するが、再生を容易にするためにUMEセルから分離することができるような方法で構築する。いくつかの実施形態では、UMEセルを含むシステムを、吸着ユニットが洗浄および再生する目的でUMEセルに随意に付随または取り外しすることができるカートリッジなどであるような方法で構築する。
いくつかの実施形態では、吸着ユニットは、数回の使用後に吸着剤を再生することができるようにUMEセルまたはUMEセルを含むシステムから取り外し可能であり得る(例えば、カートリッジの形態)。いくつかの方法およびシステムの実施形態では、吸着剤を、有機生成物の吸着後に、種々の脱着技術(不活性流体(水など)でのパージング、pHなどの化学的条件の変更、温度上昇、部分圧の低下、濃度の低下、高温での不活性ガスのパージング(100℃超の水蒸気、窒素ガス、アルゴンガス、または大気でのパージングなどであるが、これらに限定されない)が含まれるが、これらに限定されない)を使用して再生する。
いくつかの方法およびシステムの実施形態では、吸着剤を、脱着プロセス後に処分、焼却、または破棄することができる。いくつかの方法およびシステムの実施形態では、吸着剤を、脱着後に吸着プロセスで再利用する。いくつかの方法およびシステムの実施形態では、吸着剤を、破棄する前に複数の吸着再生サイクルで再利用する。いくつかの方法およびシステムの実施形態では、吸着剤を、破棄する前に、1回、2回、3回、4回、5回、またはそれを超える吸着再生サイクルで再利用する。
別の態様では、本明細書中に記載のUMEセルを含む、1種類または複数種類の有機化合物の存在下で水性媒体中の金属イオン濃度を測定するように構成されたシステムを提供する。1種類または複数種類の有機化合物の存在下で水性媒体中の金属イオン濃度を測定するように構成されたシステムであって、1種類または複数種類の有機化合物を含む水性媒体中の金属イオン濃度を測定するように構成されたUMEを含むUMEセルを含む、システムを提供する。1種類または複数種類の有機化合物の存在下で水性媒体中の金属イオン濃度を測定するように構成されたシステムであって、1種類または複数種類の有機化合物を含む水性媒体中の金属イオン濃度を測定するように構成されたUMEを含むUMEセル、および1種類または複数種類の有機化合物を水性媒体から吸着するように構成された吸着剤を含むUMEセルに操作可能に接続された吸着ユニットを含む、システムも提供する。前述のシステムのいくつかの実施形態では、システムは、より低い酸化状態および/またはより高い酸化状態の金属イオンならびに1種類または複数種類の有機化合物を含む水性媒体をさらに含む。UMEセルおよびその構成要素ならびに吸着ユニットは全て本明細書中に上記されている。システムのいくつかの実施形態では、システムは、フロースルー水性媒体のために構成されている。いくつかの実施形態では、システムは、UMEセルを通過する水性媒体の流れを制御するように構成された弁をさらに含む。UMEセル周囲の弁およびUMEセル内の構成要素のフレアレス管継手は、UMEセル内の水性媒体のフロースルーシステムを容易にし、それにより、金属イオン濃度が効率的に測定される。
システムのいくつかの実施形態では、システムは、UMEセルまたはシステム内の任意の他の位置に操作可能に接続され、且つ水性媒体を所望の温度に加熱および/または維持するように構成された加熱要素とともに構成されている。加熱要素は、ヒートテープ、熱コイル、液体ジャケット、絶縁材などであり得る。システムのいくつかの実施形態では、UMEセル内の水性媒体の温度は、50〜100℃;または60〜100℃;または70〜100℃;または80〜100℃;または90〜100℃;または75〜100℃である。
UMEセルを含むシステムの例を図1に示す。図1に例示するように、UMEセル101は、UME102、参照電極103、任意選択的な塩橋104、任意選択的な対極105、および任意選択的なプローブ(温度プローブ、圧力プローブ、pHプローブ、および/またはTOC(全有機体炭素)メータなどであるが、これらに限定されない)106を含む。いくつかの実施形態では、全構成要素は、UMEセル内にフレアレス管継手が取り付けられている(図中に示さず)。システムは、UMEセル101に操作可能に接続することができる任意選択的な吸着ユニット107をさらに含む。UMEセルの内外および/または吸着ユニットを通過する水性媒体の流れ(本明細書中に記載のプロトコール)を、システムを通じて種々の点で接続することができる一組の弁108によって制御することができる。システムを、金属イオンの測定前および/または測定後に水または任意の他の適切な溶媒をセルに流すためのフラッシュラインに任意選択的に操作可能に接続することができる。また、システムを、金属イオンおよび1種類または複数種類の有機化合物を含む水性媒体の流入ラインに操作可能に接続する。システムは、水性媒体を所望の温度に維持するための加熱要素109を任意選択的に含むことができる。システムは、弁が開いたときにUMEアセンブリを通して圧力および力の流れを得るための制限オリフィス、ポンプ、弁、または他のデバイス110を任意選択的に含むことができる。アセンブリ内の全ての接続は、フランジ、NPT、ネジ山、および溶接などであり得る。
金属イオンおよび有機化合物の性質に基づいて、UMEセルおよびその構成要素を、腐食を防止するように選択することができる。例えば、UMEセルは、テフロン(登録商標)、ガラス、PVC、または任意の他の不活性高分子材料から作製することができる。
システムのいくつかの実施形態では、システムは、UMEセルに操作可能に接続され、且つセルに電圧/電流を供給するように構成された電源をさらに含む。
図1に例示したシステム内の構成要素を所望の要件に応じて異なる順序または配置で配置することができると理解すべきである。例えば、より多数の弁を追加または再配置すること;加熱要素を再配置することなどが可能である。
本明細書中に提供したシステムを使用して、以下の本明細書中に記載の方法を実施することができる。以下の本明細書中に提供した方法を実施するために上記に提供したシステムの1つまたは複数の実施形態を組み合わせることができると理解すべきである。
(UMEを使用するための方法およびシステム)
UME表面上の有機化合物の付着を回避するか、付着後のUME表面を浄化するために、そして、金属イオン濃度を効率的に測定するために、出願人は、測定前、測定中、および/または測定後のUME表面を浄化するための種々の方法およびプロトコールを見出した。方法のいくつかの実施形態を、本明細書中の以下に記載する。
1つの態様では、水性媒体中の1種類または複数種類の有機化合物を伴う金属イオンの濃度を測定する方法であって、
金属イオンおよび1種類または複数種類の有機化合物を含む水性媒体を超微小電極(UME)セル内のUMEと接触させる工程;
UME表面上にガスを通過させるか、UME表面上にガスを形成するか、UME表面を機械的に浄化するか、またはこれらの組み合わせによってUME表面を1種類または複数種類の有機化合物の付着から浄化する工程;
1つまたは複数の電位サイクルのセットYにUMEを供する工程であって、より低い酸化状態にある金属イオンがより高い酸化状態に酸化されるか、より高い酸化状態にある金属イオンがより低い酸化状態に還元される工程;および
定常状態電流を測定し、それにより金属イオン濃度を測定する工程
を含む、方法を提供する。
先の態様のいくつかの実施形態では、UME表面上にガスを形成することによってUME表面を1種類または複数種類の有機化合物の付着から浄化する工程は、UMEを1つまたは複数の電位サイクルのセットXに供することであって、UME表面上に酸素ガス、塩素ガス、水素ガス、二酸化硫黄ガス、またはそれらの組み合わせを形成させることを含む。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の電位サイクルのセットXの電圧範囲は、金属の還元およびUME表面上でのその付着を防止するために、金属イオンの還元電位より高い。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の電位サイクルのセットXの電圧範囲は、金属イオンの開路電位をわずかに下回り、金属イオンの還元電位より高く、そして/またはUMEで塩素ガス、酸素ガス、水素ガスなどのガスが発生する電位より高い。UMEでガスが発生する電位掃引範囲は、UME表面上でガスが発生し、この電位によってUMEが破損されたりさらなる吸着が生じたりしない限り、より広くても狭くてもよい。
本明細書中に提供した態様のいくつかの実施形態では、1つまたは複数の電位サイクルのセットXの電圧範囲は、±5V対標準水素電極(SHE)、または±4V対SHE、または±3V対SHE、または±2V対SHE、または±1V対SHE、または−1V〜2.5V対SHE、または−0.5V〜2.5V対SHE、または−0.6V〜2.5V対SHE、または金属イオンのOCP〜3V対SHE、または金属イオンのOCP〜2.5V対SHE、または金属イオンのOCP〜2V対SHE、または0.2V〜2.5V対SHE、または0.2V〜2V対SHE、または0.2V〜1.5V対SHE、または0.2V〜1V対SHE、または0.2V〜0.5V対SHE、または0.4V〜2.5V対SHE、または0.4V〜2V対SHE、または0.4V〜1.5V対SHE、または0.4V〜1V対SHE、または0.6V〜2.5V対SHE、または0.6V〜2V対SHE、または0.6V〜1.5V対SHE、または0.6V〜1V対SHE、または0.8V〜2.5V対SHE、または0.8V〜2V対SHE、または0.8V〜1.5V対SHE、または1V〜2V対SHE、または1V〜1.5V対SHEである。SHEは、参照電極の一タイプに過ぎない。多数の当該分野で公知の参照電極を、参照のために本発明の方法およびシステムで使用することができる。金属イオンの電圧がUMEと使用される参照電極に応じて変動し得ると理解すべきである。
「電位サイクル」は、本明細書中で使用する場合、1つまたは複数の変動電位を電極へ印加する工程を含む。例えば、電位サイクルは、電位(例えば、E1)を電極に印加する工程、電位をより高い値EHigh(EHigh>E1)またはより低い値Elow(Elow<E1)に変化させ、次いで、1つまたは複数のサイクルについて変化させる方向をElowまたはEHighに切り替える工程、および電位E2(E2は、E1またはEHighまたはElowと等しいか、異なる電位であり得る)で終了する工程を含む。
「還元電位」は、本明細書中で使用する場合、金属イオンなどの化学種が電子を獲得し、それにより還元される傾向がある電圧の尺度である。還元電位は、ボルト(V)またはミリボルト(mV)で測定される。
「酸化電位」は、本明細書中で使用する場合、金属イオンなどの化学種が電子を供与し、それにより、酸化される傾向がある電圧の尺度である。酸化電位は、ボルト(V)またはミリボルト(mV)で測定される。
本明細書中に提供した態様のいくつかの実施形態では、1つまたは複数の電位サイクルのセットYの電圧範囲は、金属イオンの酸化電位または還元電位を含む。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の電位サイクルのセットYの電圧範囲は、金属が測定のために酸化されるか還元されるかに応じて、金属イオンの開路電位と金属イオンの酸化電位または還元電位との間である。
「開路電位」またはOCPは、本明細書中で使用する場合、電流が通過していないときの金属イオン溶液で測定される電位である。これは、システムが平衡状態の電位である。イオンのタイプおよびイオン濃度に応じて、溶液が異なれば開路電位も異なる。本明細書中の方法およびシステムで使用されるOCPは、この電位がUME表面近傍の溶液濃度を有意に変化させない限り、特定の金属イオンの開路電位よりわずかに高くか低くすることができる。
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の電位サイクルのセットYの電圧範囲は、金属イオンの酸化電位または還元電位と金属イオンの酸化電位または還元電位より高いか低い任意の電位との間である。1つまたは複数の電位サイクルの掃引は、電位範囲がより低い酸化状態にある金属イオンをより高い酸化状態に酸化させるか、より高い酸化状態にある金属イオンをより低い酸化状態に還元させるための金属イオンの酸化電位または還元電位を含む限り、任意の電位範囲の間であり得ると理解すべきである。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の電位サイクルのセットYの電圧範囲は、0.65〜0.85V対SHE、または0.65〜1V対SHEを含み、または、金属イオンのOCPと0.85V対SHEとの間、または金属イオンのOCPと1V対SHEとの間、または金属イオンのOCPとOCPを0.3V上回る電圧との間、または金属イオンのOCPとOCPを0.2V上回る電圧との間、または金属イオンのOCPとOCPを0.1V上回る電圧との間、または金属イオンのOCPとOCPを0.05V上回る電圧との間である。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の電位サイクルのセットYの電圧範囲は、0.65〜0.85V対SHEまたは0.65〜1V対SHEを含み、または、金属イオンのOCPと0.85V対SHEまたは1V対SHEとの間である。
システムのいくつかの実施形態では、UMEセルは、UMEを1つまたは複数の電位サイクルのセットYに供し、より低い酸化状態にある金属イオンがからより高い酸化状態に酸化されるか、より高い酸化状態にある金属イオンがより低い酸化状態に還元されるように構成されている。システムのいくつかの実施形態では、UMEセルは、UME表面上にガスを形成することによってUME表面を1種類または複数種類の有機化合物の付着から浄化するように構成されている。システムのいくつかの実施形態では、UMEセルは、UMEを1つまたは複数の電位サイクルのセットXに供してUME表面上に酸素ガス、塩素ガス、水素ガス、二酸化硫黄ガス、またはそれらの組み合わせを形成させるように構成されている。システムのいくつかの実施形態では、1つまたは複数の電位サイクルのセットYの電圧範囲は、金属イオンの酸化電位または還元電位を含むか、金属イオンの開路電位と金属イオンの酸化電位または還元電位との間である。システムのいくつかの実施形態では、1つまたは複数の電位サイクルのセットYの電圧範囲および1つまたは複数の電位サイクルのセットXの電圧範囲は、上記の通りである。
したがって、いくつかの実施形態では、水性媒体中の1種類または複数種類の有機化合物を伴う金属イオンの濃度を測定する方法であって、
金属イオンおよび1種類または複数種類の有機化合物を含む水性媒体を超微小電極(UME)セル内のUMEと接触させる工程;
UMEを1つまたは複数の電位サイクルのセットXに供してUME表面上に酸素ガス、塩素ガス、水素ガス、二酸化硫黄ガス、またはそれらの組み合わせを形成させることを含む、UME表面上にガスを形成することによってUME表面を1種類または複数種類の有機化合物の付着から浄化する工程;
1つまたは複数の電位サイクルのセットYにUMEを供する工程であって、より低い酸化状態にある金属イオンがより高い酸化状態に酸化されるか、高酸化より高い酸化状態にある金属イオンがより低い酸化状態に還元される工程;および
定常状態電流を測定し、それにより金属イオン濃度を測定する工程
を含む、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、水性媒体中の1種類または複数種類の有機化合物を伴う金属イオンの濃度を測定する方法であって、
金属イオンおよび1種類または複数種類の有機化合物を含む水性媒体を超微小電極(UME)セル内のUMEと接触させる工程;
UMEを1つまたは複数の電位サイクルのセットXに供してUME表面上に酸素ガス、塩素ガス、水素ガス、二酸化硫黄ガス、またはそれらの組み合わせを形成させることを含む、UME表面上にガスを形成することによってUME表面を1種類または複数種類の有機化合物の付着から浄化する工程であって、1つまたは複数の電位サイクルのセットXの電圧範囲が、金属イオンの開路電位をわずかに下回り、金属イオンの還元電位より高く、そして/または、UMEでガスが発生する電位より高い工程;
1つまたは複数の電位サイクルのセットYにUMEを供する工程であって、より低い酸化状態にある金属イオンがより高い酸化状態に酸化されるか、より高い酸化状態にある金属イオンがより低い酸化状態に還元され、1つまたは複数の電位サイクルのセットYの電圧範囲が金属イオンの開路電位と金属イオンの酸化電位または還元電位との間である工程;および
定常状態電流を測定し、それにより金属イオン濃度を測定する工程
を含む、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、水性媒体中の1種類または複数種類の有機化合物を伴う金属イオンの濃度を測定する方法であって、
金属イオンおよび1種類または複数種類の有機化合物を含む水性媒体を超微小電極(UME)セル内のUMEと接触させる工程;
UMEを1つまたは複数の電位サイクルのセットXに供してUME表面上に酸素ガス、塩素ガス、水素ガス、二酸化硫黄ガス、またはそれらの組み合わせを形成させることを含む、UME表面上にガスを形成することによってUME表面を1種類または複数種類の有機化合物の付着から浄化する工程であって、1つまたは複数の電位サイクルのセットXの電圧範囲が、±5V対標準水素電極(SHE)、または±4V対SHE、または±3V対SHE、または±2V対SHE、または±1V対SHE、または−1V〜2.5V対SHE、または−0.5V〜2.5V対SHE、または−0.6V〜2.5V対SHE、または金属イオンのOCP〜3V対SHE、または金属イオンのOCP〜2.5V対SHE、または金属イオンのOCP〜2V対SHE、または0.2V〜2.5V対SHE、または0.2V〜2V対SHE、または0.2V〜1.5V対SHE、または0.2V〜1V対SHE、または0.2V〜0.5V対SHE、または0.4V〜2.5V対SHE、または0.4V〜2V対SHE、または0.4V〜1.5V対SHE、または0.4V〜1V対SHE、または0.6V〜2.5V対SHE、または0.6V〜2V対SHE、または0.6V〜1.5V対SHE、または0.6V〜1V対SHE、または0.8V〜2.5V対SHE、または0.8V〜2V対SHE、または0.8V〜1.5V対SHE、または1V〜2V対SHE、または1V〜1.5V対SHEである、浄化する工程;
1つまたは複数の電位サイクルのセットYにUMEを供する工程であって、より低い酸化状態にある金属イオンがより高い酸化状態に酸化されるか、より高い酸化状態にある金属イオンがより低い酸化状態に還元され、1つまたは複数の電位サイクルのセットYの電圧範囲が、0.65〜0.85V対SHE、または0.65〜1V対SHE、または金属イオンのOCPと0.85V対SHEとの間、または金属イオンのOCPと1V対SHEとの間、または金属イオンのOCPとOCPを0.3V上回る電圧との間、または金属イオンのOCPとOCPを0.2V上回る電圧との間、または金属イオンのOCPとOCPを0.1V上回る電圧との間、または金属イオンのOCPとOCPを0.05V上回る電圧との間である、供する工程;および
定常状態電流を測定し、それにより金属イオン濃度を測定する工程
を含む、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、水性媒体中の1種類または複数種類の有機化合物を伴う銅イオンの濃度を測定する方法であって、
銅イオンおよび1種類または複数種類の有機化合物を含む水性媒体を超微小電極(UME)セル内のUMEと接触させる工程;
UMEを1つまたは複数の電位サイクルのセットXに供してUME表面上に酸素ガス、塩素ガス、水素ガス、またはそれらの組み合わせを形成させることを含む、UME表面上にガスを形成することによってUME表面を1種類または複数種類の有機化合物の付着から浄化する工程であって、1つまたは複数の電位サイクルのセットXの電圧範囲が、0.2V〜2.5V対SHEまたは0.4V〜2.5V対SHE、または0.6V〜2.5V対SHEである工程;
UMEを1つまたは複数の電位サイクルのセットYに供する工程であって、銅イオンがCu(I)状態からCu(II)状態に酸化され、1つまたは複数の電位サイクルのセットYの電圧範囲が、0.65〜0.85V対SHEまたはOCPと0.85V対SHEとの間または1V対SHEである工程;および
定常状態電流を測定する工程であって、それにより、銅イオン濃度を測定する工程
を含む、方法を提供する。
したがって、いくつかの実施形態では、前述の方法を実施するシステムを提供する。
いくつかの実施形態では、1種類または複数種類の有機化合物の存在下で水性媒体中の金属イオン濃度を測定するように構成されたシステムであって、
1種類または複数種類の有機化合物を含む水性媒体中の金属イオン濃度を測定するように構成されたUMEを含むUMEセル;および
金属イオンおよび1種類または複数種類の有機化合物を含む水性媒体
を含み、
UMEセルが、UMEを1つまたは複数の電位サイクルのセットXに供してUME表面上に酸素ガス、塩素ガス、水素ガス、二酸化硫黄ガス、またはそれらの組み合わせを形成することによってUME表面上にガスを形成することによってUME表面を1種類または複数種類の有機化合物の付着から浄化するように構成されており;
UMEセルが、UMEを1つまたは複数の電位サイクルのセットYに供し、それにより、より低い酸化状態にある金属イオンがより高い酸化状態に酸化されるか、高酸化より高い酸化状態にある金属イオンがより低い酸化状態に還元されるように構成されており;そして
システムが、UMEから定常状態電流を測定し、それにより金属イオン濃度を測定するように構成されている、システムを提供する。
いくつかの実施形態では、1種類または複数種類の有機化合物の存在下で水性媒体中の金属イオン濃度を測定するように構成されたシステムであって、
1種類または複数種類の有機化合物を含む水性媒体中の金属イオン濃度を測定するように構成されたUMEを含むUMEセル;および
金属イオンおよび1種類または複数種類の有機化合物を含む水性媒体
を含み、
UMEセルが、UMEを、金属イオンの開路電位をわずかに下回り、金属イオンの還元電位より高く、そして/またはUMEでガスが発生する電位より高い1つまたは複数の電位サイクルのセットXに供してUME表面上に酸素ガス、塩素ガス、水素ガス、二酸化硫黄ガス、またはそれらの組み合わせを形成することによりUME表面上にガスを形成することによってUME表面を1種類または複数種類の有機化合物の付着から浄化するように構成されており;
UMEセルが、UMEを金属イオンの開路電位と金属イオンの酸化電位または還元電位との間の1つまたは複数の電位サイクルのセットYに供し、それにより、より低い酸化状態にある金属イオンがより高い酸化状態に酸化されるか、より高い酸化状態にある金属イオンがより低い酸化状態に還元されるように構成されており;そして
システムが、UMEから定常状態電流を測定し、それにより金属イオン濃度を測定するように構成されている、システムを提供する。
いくつかの実施形態では、1種類または複数種類の有機化合物の存在下で水性媒体中の金属イオン濃度を測定するように構成されたシステムであって、
1種類または複数種類の有機化合物を含む水性媒体中の金属イオン濃度を測定するように構成されたUMEを含むUMEセル;および
金属イオンおよび1種類または複数種類の有機化合物を含む水性媒体
を含み、
UMEセルが、UMEを1つまたは複数の電位サイクルのセットXに供してUME表面上に酸素ガス、塩素ガス、水素ガス、二酸化硫黄ガス、またはそれらの組み合わせを形成することによりUME表面上にガスを形成することによってUME表面を1種類または複数種類の有機化合物の付着から浄化するように構成されており、1つまたは複数の電位サイクルのセットXの電圧範囲が、±5V対標準水素電極(SHE)、または±3V対SHE、または0.2V〜2.5V対SHE、または0.2V〜2V対SHE、または0.2V〜1.5V対SHE、または0.2V〜1V対SHE、または0.2V〜0.5V対SHE、または0.4V〜2.5V対SHE、または0.4V〜2V対SHE、または0.4V〜1.5V対SHE、または0.4V〜1V対SHE、または0.6V〜2.5V対SHE、または0.6V〜2V対SHE、または0.6V〜1.5V対SHE、または0.6V〜1V対SHE、または0.8V〜2.5V対SHE、または0.8V〜2V対SHE、または0.8V〜1.5V対SHE、または1V〜2V対SHE、または1V〜1.5V対SHEであり;
UMEセルが、UMEを1つまたは複数の電位サイクルのセットYに供し、より低い酸化状態にある金属イオンがより高い酸化状態に酸化されるか、より高い酸化状態にある金属イオンがより低い酸化状態に還元されるように構成されており、1つまたは複数の電位サイクルのセットYの電圧範囲が、0.65〜0.85V対SHE、または0.65〜1V対SHEであり、または、金属イオンのOCPと0.85V対SHEとの間、または金属イオンのOCPと1V対SHEとの間、または金属イオンのOCPとOCPを0.3V上回る電圧との間、または金属イオンのOCPとOCPを0.2V上回る電圧との間、または金属イオンのOCPとOCPを0.1V上回る電圧との間、または金属イオンのOCPとOCPを0.05V上回る電圧との間であり;そして
システムが、UMEから定常状態電流を測定し、それにより金属イオン濃度を測定するように構成されている、システムを提供する。
いくつかの実施形態では、1種類または複数種類の有機化合物の存在下で水性媒体中の銅イオン濃度を測定するように構成されたシステムであって、
1種類または複数種類の有機化合物を含む水性媒体中の銅イオン濃度を測定するように構成されたUMEを含むUMEセル;および
銅イオンおよび1種類または複数種類の有機化合物を含む水性媒体
を含み、
UMEセルが、UMEを1つまたは複数の電位サイクルのセットXに供してUME表面上に酸素ガス、塩素ガス、水素ガス、またはそれらの組み合わせを形成することによりUME表面上にガスを形成することによってUME表面を1種類または複数種類の有機化合物の付着から浄化するように構成されており、1つまたは複数の電位サイクルのセットXの電圧範囲が、0.2V〜2.5V対SHE、または0.4V〜2.5V対SHE、または0.6V〜2.5V対SHEであり;
UMEセルが、UMEを1つまたは複数の電位サイクルのセットYに供し、より低い酸化状態にある銅イオンがより高い酸化状態に酸化されるか、より高い酸化状態にある銅イオンがより低い酸化状態に還元されるように構成されており、1つまたは複数の電位サイクルのセットYの電圧範囲が、0.65〜0.85V対SHEまたはOCPと0.85V対SHEとの間または1V対SHEであり;そして
システムが、UMEから定常状態電流を測定し、それにより銅イオン濃度を測定するように構成されている、システムを提供する。
前述の態様および実施形態では、UMEセルの操作のために種々の電位サイクルを提供するように手動で操作するか、自動化することができる電源の使用によって電位サイクルを印加する。
上記の方法およびシステムを使用して、任意の金属イオン濃度を測定することができる。
以下の表1は、いくつかの金属の標準酸化電位のいくつかの例を例示する。
以下の表2は、いくつかの金属の標準還元電位のいくつかの例を例示する。
上記の表1および表2に列挙した任意の酸化電位または還元電位を、特定の金属イオンの濃度測定のための電位サイクルの電圧範囲の決定で考慮することができる。
本明細書中に提供した方法およびシステムのいくつかの実施形態では、金属イオンは銅であるか、金属イオンは金属ハライド(銅ハライドまたは塩化銅など)の金属イオンである。いくつかの実施形態では、1種類または複数種類の有機化合物は、クロロエタノールおよび/またはEDCを含む。
いくつかの実施形態では、UME表面上にガスを通過させることによってUME表面を1種類または複数種類の有機化合物の付着から浄化する工程は、UME表面上に水素ガスをバブリングするか、酸素ガスをバブリングするか、塩素ガスをバブリングすることを含む。本方法を、電位サイクルと併せて使用するか、単独で使用することができる。
いくつかの実施形態では、UME表面を機械的に浄化することによってUME表面を1種類または複数種類の有機化合物の付着から浄化する工程は、UME表面を機械的にこすって付着物を除去することを含む。この方法を、電位サイクルの印加および/またはガスのバブリングと併せて使用するか、単独で使用することができる。
いくつかの実施形態では、水性媒体中の1種類または複数種類の有機化合物の濃度は、約0.5〜5000ppmであるか、本明細書中に記載の通りである。いくつかの実施形態では、1種類または複数種類の有機化合物は、本明細書中に記載の通りである(例えば、二塩化エチレン、クロロエタノール、モノクロロアセトアルデヒド、ジクロロアセトアルデヒド、トリクロロアセトアルデヒド、またはそれらの組み合わせ)。いくつかの実施形態では、水性媒体は、5重量%を超える水を含むか、本明細書中に記載の通りである。いくつかの実施形態では、UMEは、金、白金、チタン、炭素、導電性ポリマー、またはイリジウムである。いくつかの実施形態では、金属イオンは、鉄、銅、スズ、クロム、またはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、金属イオンは銅である。いくつかの実施形態では、より低い酸化状態の金属イオン濃度は0.5Mを超えるか、水性媒体中の総金属イオン濃度は1Mを超えるか、0.5〜7Mであるか、0.5〜6.5Mであるか、本明細書中に記載の通りである。
いくつかの実施形態では、本方法は、接触工程の前に金属イオンおよび1種類または複数種類の有機化合物を含む水性媒体を吸着剤への吸着に供する工程であって、吸着剤が水性媒体から1種類または複数種類の有機化合物を実質的に吸着する、吸着に供する工程をさらに含む。
いくつかの実施形態では、水性媒体は、吸着後に約5000ppm未満または本明細書中に記載の濃度の1種類または複数種類の有機化合物を含む。いくつかの実施形態では、吸着剤は、活性炭、アルミナ、活性シリカ、ポリマー、またはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、吸着剤はポリスチレンである。いくつかの実施形態では、UME表面上の気泡を除去するためにUME中に水性媒体を流す。いくつかの実施形態では、水性媒体の流れにより、測定中の温度が実質的に一定に保たれる。
いくつかの実施形態では、本方法は、UMEセルの温度を50〜100℃または本明細書中に記載の温度に保持する工程をさらに含む。
いくつかの実施形態では、より低い酸化状態またはより高い酸化状態にある金属イオンの測定は、特定の酸化状態にある金属イオンの溶解度に依存する。例えば、銅(I)は、高濃度で部分的に溶解性である。このような場合には、水性媒体中の銅(I)塩の沈殿(crashing out)を防止するために、UMEセル内で銅イオンがより高い酸化状態からより低い酸化状態に還元される代わりにより低い酸化状態からより高い酸化状態に酸化されることが望ましくあり得る。
いくつかの実施形態では、本方法はさらに、水性媒体をUMEと接触させて1種類または複数種類の有機化合物を吸着剤に部分的または実質的に吸着させる工程の前に、Cu(I)イオンおよび1種類または複数種類の有機化合物を含む水性媒体を吸着剤上の吸着に供する工程を含む。
システムのいくつかの実施形態では、システムは、制御ステーションを介して完全にまたは部分的に自動化されている。システムのいくつかの実施形態では、電源は、本明細書中に提供した方法にしたがってUMEセル操作のための種々の電位サイクルを提供するように自動化されている。
いくつかの実施形態では、本発明のシステムは、UMEセル内に導入される水性媒体の量、UMEセル内に導入される水性媒体の流れ、フラッシュラインの流れ、UMEに印加した電源由来の1つまたは複数の電位サイクルの電圧範囲(本明細書中に記載)、吸着剤上の吸着時間、UMEセル内の温度プローブ、圧力プローブ、pHプローブ、および/またはTOCプローブ、UMEセルへの流入速度および流出速度、弁の開閉などを制御するように構成された制御ステーションを含むことができる。制御ステーションを、コンピュータおよび/またはPLC(高圧液体クロマトグラフィ)ユニットに接続することができる。
制御ステーションは、手動で、機械的に、またはデジタル処理で制御される一組の弁または多弁システムを含むことができるか、任意の他の都合の良い流量調整器プロトコールを使用することができる。いくつかの例では、制御ステーションは、上記の量および条件を制御するための入力パラメータおよび出力パラメータをユーザに提供するように構成されたコンピュータインターフェース(調節をコンピュータ支援で行うか、完全にコンピュータによって制御される)を含むことができる。
本発明の方法およびシステムはまた、水性媒体の流れまたは水性媒体中の有機物の濃度などをモニタリングするために構成された1つまたは複数の検出器を含むことができる。モニタリングには、水性媒体およびガスの圧力、温度、および組成に関するデータの収集が含まれ得るが、これらに限定されない。
本明細書中に記載の検出器またはプローブは、モニタリングするように構成された任意の都合の良いデバイス(例えば、圧力プローブ(例えば、電磁式圧力センサ、ポテンシオメトリー圧力センサなど)、温度プローブ(抵抗式温度検出器、熱電対、気体温度計、サーミスタ、高温計、赤外線放射センサなど)、体積プローブ(例えば、地球物理学的回折トモグラフィ、X線トモグラフィ、水中音響調査器など))および水性媒体またはガスの化学的構造を決定するためのデバイス(例えば、IR分光計、NMR分光計、紫外−可視分光光度計、高速液体クロマトグラフ、誘導結合プラズマ発光分光計、誘導結合プラズマ質量分析計、イオンクロマトグラフ、X線回折計、ガスクロマトグラフ、ガスクロマトグラフィ−質量分析計、フローインジェクション分析、シンチレーションカウンター、酸滴定、およびフレーム発光分光計など)であり得る。
いくつかの実施形態では、検出器には、使用者に水性媒体、金属イオン、および/または有機物に関する収集データを提供するように構成されたコンピュータインターフェースも含まれ得る。例えば、検出器は、水性媒体、金属イオン、および/または有機物の濃度を決定することができ、コンピュータインターフェースは、水性媒体、金属イオン、および/または有機物内の組成の変化の概要を経時的に提供することができる。いくつかの実施形態では、概要を、コンピュータ読み取り可能なデータファイルとして保存することができるか、使用者可読ドキュメントとして印刷することができる。
いくつかの実施形態では、検出器は、水性媒体、金属イオン、および/または有機物に関するリアルタイムデータ(例えば、内圧、温度など)を収集することができるようなモニタリングデバイスであり得る。他の実施形態では、検出器は、水性媒体、金属イオン、および/または有機物のパラメータを一定間隔で決定する(例えば、1分毎、5分毎、10分毎、30分毎、60分毎、100分毎、200分毎、500分毎、またはいくつかの他の間隔で組成を決定する)ように構成された1つまたは複数の検出器であり得る。
(他の方法およびシステムとインラインで使用するUME法およびシステム)
前述の態様および実施形態では、UMEセルおよびその構成要素を含むシステムを、任意の有機プロセスで金属イオンを使用する任意のシステム(本明細書中に提供した有機金属、冶金、電気化学的、および反応器のシステムなどであるが、これらに限定されない)に操作可能に接続することができる。UMEセルおよびその構成要素を含むシステムを、有機物の存在下で金属イオン濃度を測定するためにこれらのシステムのいずれかにインラインで接続することができる。かかる測定は、プロセスの操作を容易にするのに役立ち得る。
いくつかの実施形態では、UMEシステムを、本明細書中の以下に記載の電気化学的システムおよび/または反応器システムに操作可能に接続する。このUMEセルの反応器システムおよび電気化学的システムとの接続を、図2に例示する。
本明細書中に提供したUMEシステムに操作可能に接続した電気化学的システムおよび反応器システムは、2012年5月17日出願の米国特許出願公開第2012/0292196号;2013年3月13日出願の米国特許出願公開第2013/0206606号;および2014年7月30日出願の米国特許出願公開第2015/0038750号(それらの全ての全体が本明細書中で参考として援用される)に詳述されている。
図2に例示するように、本明細書中に提供した電気化学セル201は、アノード室内でより低い酸化状態にある金属イオンがより高い酸化状態にある金属イオンに変換される任意の電気化学セルであり得る。かかる電気化学セルでは、カソード反応は、カソード室内でアルカリを形成するか形成しない任意の反応であり得る。かかるカソードは、電子を消費し、任意の反応(水酸化物イオンおよび水素ガスを形成する水の反応;または水酸化物イオンを形成する酸素ガスと水の反応;または水素ガスを形成する塩酸などの酸由来のプロトンの還元;または水を形成する塩酸および酸素ガス由来のプロトンの反応が含まれるが、これらに限定されない)が起こる。いくつかの実施形態では、電気化学セルは、セルのカソード室内でのアルカリの生成を含み得る。
電気化学的システムは、第3の電解質(例えば、NaCl)を含む第3の室が得られるアニオン交換膜(AEM)および/またはカチオン交換膜(CEM)などのイオン交換膜によって分離されたアノードおよびカソードを含む。アノード室は、アノードおよびアノードと接触したアノード電解質を含む。カソード室は、カソードおよびカソードと接触したカソード電解質を含む。金属イオンは、アノード室内でより低い酸化状態ML+からより高い酸化状態MH+に酸化され、次いで、より高い酸化状態にある金属を、反応器202内での反応のために使用する。反応器202内でのより高い酸化状態にある金属イオンの炭化水素(不飽和炭化水素または飽和炭化水素など)との反応により、1種類または複数種類の有機化合物(ハロ炭化水素またはスルホ炭化水素など)が生成される。結果的に、反応器内でより高い酸化状態にある金属イオンがより低い酸化状態にある金属イオンに還元される。金属イオン溶液を分離器203内でハロ炭化水素またはスルホ炭化水素(有機物)から分離後、金属イオン溶液は電気化学的システムのアノード電解質に再循環される。図2に示した電気化学セルがAEMおよびCEMの両方を有する一方で、電気化学セルは、第3の室を含まなくてよく、たった1つのイオン交換膜(AEMまたはCEM)を有してもよい。
「反応器」は、本明細書中で使用する場合、有機反応(ハロゲン化反応またはスルホン化反応などであるが、これらに限定されない)が起こる任意の容器またはユニットである。反応器は、電気化学セルのアノード電解質由来のより高い酸化状態にある金属イオン(例えば、金属塩化物または金属硫酸塩のみなど)を不飽和炭化水素または飽和炭化水素と接触させるように構成されている。反応器は、アノード電解質中の金属ハライドまたは金属硫酸塩を不飽和炭化水素または飽和炭化水素と接触させるための任意の手段であり得る。かかる手段またはかかる反応器は、当該分野で周知であり、パイプ、カラム、ダクト、タンク、一連のタンク、コンテナ、タワー、および導管などが含まれるが、これらに限定されない。
「ハロ炭化水素」または「ハロゲン化炭化水素」には、本明細書中で使用する場合、ハロが許容可能な原子価に基づいて炭化水素に結合することができるいくつかのハロゲンであり得るハロ置換炭化水素が含まれる。ハロゲンには、フルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨードが含まれる。ハロ炭化水素の例には、クロロ炭化水素、ブロモ炭化水素、およびヨード炭化水素が含まれる。クロロ炭化水素には、モノクロロ炭化水素、ジクロロ炭化水素、トリクロロ炭化水素などが含まれるが、これらに限定されない。アノード室によって生成されたより高い酸化状態の金属ハライド(金属塩化物、金属臭化物、または金属ヨウ化物などが含まれるが、これらに限定されない)を、目的(クロロ炭化水素、ブロモ炭化水素、またはヨード炭化水素(モノクロロ炭化水素、ジクロロ炭化水素、トリクロロ炭化水素、モノブロモ炭化水素、ジブロモ炭化水素、トリブロモ炭化水素、モノヨード炭化水素、ジヨード炭化水素、トリヨード炭化水素など(1種類または複数種類の有機化合物とも呼ばれる)などであるが、これらに限定されない)の生成などであるが、これらに限定されない)のために使用することができる。ハロ炭化水素またはスルホ炭化水素中の炭化水素は、ハロ炭化水素またはスルホ炭化水素が生成される任意の炭化水素である。例えば、EDCは二重結合上の塩素原子の付加によってエチレンから生成されたハロゲン化炭化水素であるか、EDCは水素の塩素原子との置換によってエタンから生成されたハロゲン化炭化水素である。これらのハロ炭化水素またはハロゲン化炭化水素は、本明細書中に提供したUMEシステムにおいて金属イオン濃度について試験される水性媒体中に存在し得る1種類または複数種類の有機化合物の例である。
「スルホ炭化水素」には、本明細書中で使用する場合、許容可能な原子価に基づいて1つまたは複数の−SOHまたは−OSOOHと置換された炭化水素が含まれる。これらのスルホ炭化水素は、本明細書中に提供したUMEシステムにおいて金属イオン濃度について試験される水性媒体中に存在し得る1種類または複数種類の有機化合物の例である。
「不飽和炭化水素」には、本明細書中で使用する場合、不飽和の炭素を有する炭化水素または隣接する炭素原子の間に少なくとも1つの二重結合および/または少なくとも1つの三重結合を有する炭化水素が含まれる。不飽和炭化水素は、直鎖、分枝鎖、または環状(芳香族または非芳香族)であり得る。例えば、炭化水素は、オレフィン系、アセチレン、非芳香族(シクロヘキセンなど)、芳香族基、または置換不飽和炭化水素(ハロゲン化不飽和炭化水素などであるが、これらに限定されない)であり得る。少なくとも1つの二重結合を有する炭化水素は、オレフィンまたはアルケンと呼ぶことができ、非置換アルケンの一般式C2n(式中、nは、2〜20または2〜10または2〜8、または2〜5である)を有し得る。いくつかの実施形態では、アルケン上の1つまたは複数の水素を、他の官能基(ハロゲン(クロロ、ブロモ、ヨード、およびフルオロが含まれる)、カルボン酸(−COOH)、ヒドロキシル(−OH)、アミンなどであるが、これらに限定されない)にさらに置換することができる。不飽和炭化水素には、全ての不飽和異性体(シスおよびトランス異性体、EおよびZ異性体、位置異性体などであるが、これらに限定されない)が含まれる。
置換または非置換のアルケンの例には、エチレン、クロロエチレン、ブロモエチレン、ヨードエチレン、プロピレン、クロロプロピレン、ヒドロキシルプロピレン、1−ブチレン、2−ブチレン(シスまたはトランス)、イソブチレン、1,3−ブタジエン、ペンチレン、ヘキセン、シクロプロピレン、シクロブチレン、シクロヘキセンなどが含まれるが、これらに限定されない。
少なくとも1つの三重結合を有する炭化水素はアルキンと呼ぶことができ、不飽和アルキンの一般式C2n−2(式中、nは、2〜10または2〜8、または2〜5である)を有し得る。いくつかの実施形態では、アルキン上の1つまたは複数の水素を、他の官能基(ハロゲン、カルボン酸、ヒドロキシルななどであるが、これらに限定されない)にさらに置換することができる。置換または非置換のアルキンの例には、アセチレン、プロピン、クロロプロピン、ブロモプロピン、ブチン、ペンチン、ヘキシンなどが含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、本明細書中に記載の反応器内で反応する不飽和炭化水素は、C2〜C10アルケンまたはC2〜C8アルケンまたはC2〜C6アルケンまたはC2〜C5アルケンまたはC2〜C4アルケンまたはC2〜C3アルケンである。いくつかの実施形態では、不飽和炭化水素は、C2〜C10アルキンまたはC2〜C8アルキンまたはC2〜C6アルキンまたはC2〜C5アルキンまたはC2〜C4アルキンまたはC2〜C3アルキンである。本明細書中に記載の方法およびシステムのいくつかの実施形態では、本明細書中に記載の不飽和炭化水素はエチレンである。ハロ炭化水素は、かかる不飽和炭化水素から形成された1種類または複数種類の有機化合物(例えば、二塩化エチレン(EDC)、クロロエタノール、塩化ブチル、ジクロロブタン、クロロブタノールなど)である。
「飽和炭化水素」には、本明細書中で使用する場合、不飽和の炭素または炭化水素を持たない炭化水素が含まれる。炭化水素は、直鎖、分岐鎖、または環状であり得る。例えば、炭化水素は、置換または非置換のアルカンおよび/または置換または非置換のシクロアルカンであり得る。炭化水素は、非置換アルカンの一般式C2n+2(式中、nは、2〜20または2〜10または2〜8、または2〜5である)を有し得る。いくつかの実施形態では、アルカンまたはシクロアルカン上の1つまたは複数の水素を、他の官能基(ハロゲン(クロロ、ブロモ、ヨード、およびフルオロが含まれる)、カルボン酸(−COOH)、ヒドロキシル(−OH)、アミンなどであるが、これらに限定されない)にさらに置換することができる。
置換または非置換のアルカンC2n+2(式中、nは、2〜20または2〜10または2〜8、または2〜6または2〜5である)の例には、メタン、エタン、クロロエタン、ブロモエタン、ヨードエタン、プロパン、クロロプロパン、ヒドロキシプロパン、ブタン、クロロブタン、ヒドロキシブタン、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、シクロペンタン、クロロシクロペンタン、オクタン、デカンなどが含まれるが、これらに限定されない。
上記で引用した不飽和炭化水素または飽和炭化水素を、水性媒体中でより高い酸化状態にある金属イオンを有する金属塩で処理して1種類または複数種類の有機化合物(ハロ炭化水素またはスルホ炭化水素など)およびより低い酸化状態にある金属イオンを形成することができる。水性媒体がより低い酸化状態にある金属イオンおよびより高い酸化状態にある金属イオンの両方の混合物を含むことができると理解すべきである。次いで、かかる有機物および金属イオンを有する水性媒体を、本明細書中に記載のUMEシステム内で金属イオン(より低い酸化状態またはより高い酸化状態で)濃度について試験する。
いくつかの実施形態では、本発明のUMEシステムを、電気化学的システムから出て反応器に進む(図2中のルート1として例示)アノード電解質(または水性媒体)および/または反応器/分離器から出て電気化学的システム内に進む(図2中のルート2として例示)水性媒体をより低い酸化状態またはより高い酸化状態にある金属イオンの金属イオン濃度の測定のために試験することができるように、反応器システムと電気化学的システムとの間でインラインに接続することができる。いくつかの実施形態では、本発明のUMEシステムを、電気化学セルのアノード室内に進み、アノード室から出る金属イオンの濃度を測定するために電気化学的システムに接続することもできる。いくつかの実施形態では、本発明のUMEシステムを、反応器内に進み、反応器から出る金属イオンの濃度を測定するために反応器に接続することもできる。
アノード電解質内に進む金属イオン溶液およびアノード電解質から出る金属イオン溶液は、アノードから出る金属イオン溶液のより高い酸化状態にある金属イオンの量がアノード電解質に進む金属イオン溶液より多いことを除き、より低い酸化状態にある金属イオンとより高い酸化状態にある金属イオンとの混合物を含むことができる。同様に、反応器内に進む金属イオン溶液および反応器から出る金属イオン溶液は、反応器から出る金属イオン溶液のより低い酸化状態にある金属イオンの量が反応器内に進む金属イオン溶液より多いことを除き、より低い酸化状態にある金属イオンとより高い酸化状態にある金属イオンとの混合物を含むことができる。
いくつかの実施形態では、本発明のシステムなどにおける金属イオン濃度のインライン測定により、電気化学セルのアノード室および/または反応器への適用前、適用中、および/または適用後の水性媒体中のより低い酸化状態またはより高い酸化状態にある金属イオンの濃度の最適化を容易にする。これにより、いくつかの実施形態では、電気化学的システムおよび反応器の操作の最適化を容易にすることができる。より低い酸化状態およびより高い酸化状態にある金属イオンおよびその比の測定および最適化は、電気化学的システムにおける電圧をより低くし、反応器システム内での炭化水素との対応する触媒反応の収率および選択性をより高くするのに役立ち得る。したがって、水性媒体中のより低い酸化状態にある金属イオンとより高い酸化状態にある金属イオンの比を最適にするために、本発明のUMEシステムを使用してより低い酸化状態および/またはより高い酸化状態にある金属イオン濃度を測定することが望ましくあり得る。
したがって、いくつかの実施形態では、本明細書中に提供した方法は、水性媒体中に1種類または複数種類の有機化合物およびより低い酸化状態にある金属イオンを形成するために、反応器内での水性媒体中の不飽和炭化水素または飽和炭化水素のより高い酸化状態にある金属イオンとの反応後に(接触工程の前に)反応器から水性媒体を得る工程をさらに含む。前述の実施形態のいくつかの実施形態では、本方法は、電気化学セルのアノードでのアノード電解質中のより低い酸化状態からより高い酸化状態への金属イオンの酸化後により高い酸化状態にある金属イオンを含む水性媒体を得る工程をさらに含む。
いくつかの実施形態では、水性媒体中のより低い酸化状態またはより高い酸化状態にある金属イオンの濃度を、金属イオンがアノードでより低い酸化状態からより高い酸化状態に酸化される電気化学セルのアノード室への水性媒体の適用前、適用中、および/または適用後に測定する。いくつかの実施形態では、水性媒体中のより低い酸化状態またはより高い酸化状態にある金属イオンの濃度の測定により、電気化学セルのアノード室への適用前、適用中、および/または適用後の水性媒体中の金属イオン濃度の最適化が容易になる。
いくつかの実施形態では、水性媒体中のより低い酸化状態またはより高い酸化状態にある金属イオンの濃度を、反応器への水性媒体の適用前、適用中、および/または適用後に測定する。ここで、反応器では、水性媒体中のより高い酸化状態にある金属イオンが不飽和炭化水素または飽和炭化水素と反応して水性媒体中に1種類または複数種類の有機化合物およびより低い酸化状態にある金属イオンを形成する。いくつかの実施形態では、水性媒体は、より低い酸化状態およびより高い酸化状態にある金属イオンの混合物を含む。
前述の態様および実施形態では、UMEセルおよびその構成要素を含むシステムを、より低い酸化状態にある金属イオンおよび1種類または複数種類の有機化合物を含む水性媒体を次により低い酸化状態またはより高い酸化状態にある金属イオンの濃度の測定のためにUMEセルに移せるように、反応器に操作可能に接続することができる。いくつかの実施形態では、反応器を、吸着ユニットに操作可能に接続することができ、次いでこれをUMEセルに接続する。システムを、パイプ、管、導管、およびタンクなどを通して相互に操作可能に接続することができる。
それぞれ金属イオンが常に還元および酸化されるかかる反応器および電気化学的システムでは、より低い酸化状態および/またはより高い酸化状態にある金属イオン濃度の測定が、反応器および電気化学的システムが容易に順調且つ効率的に機能するのに役立ち得る。
いくつかの実施形態では、本発明のUMEを使用して試験される水性媒体中のより高い酸化状態にある金属イオンのより低い酸化状態にある金属イオンに対する比は、20:1〜1:20、または14:1〜1:2;または14:1〜8:1;または14:1〜7:1:または2:1〜1:2;または1:1〜1:2;または4:1〜1:2;または7:1〜1:2である。
本明細書中に記載の方法およびシステムのいくつかの実施形態では、UMEシステムに操作可能に接続した電気化学的システム内のアノード電解質は、4〜7Mの範囲のより高い酸化状態にある金属イオンおよび0.1〜2Mの範囲のより低い酸化状態にある金属イオンを含む。本明細書中に記載の方法およびシステムのいくつかの実施形態では、反応器内で不飽和炭化水素または飽和炭化水素と反応したアノード電解質は、4〜7Mの範囲のより高い酸化状態にある金属イオンおよび0.1〜2Mの範囲のより低い酸化状態にある金属イオンを含む。アノード電解質は、任意選択的に、0.01〜0.1M塩酸を含むことができる。
いくつかの実施形態では、アノード電解質は、電圧効率をより高くするために、より低い酸化状態にある金属イオンおよび無視できるか少量のより高い酸化状態にある金属イオンを含むことができる。より高い酸化状態にある金属イオンを、炭化水素との反応のために反応器内に充填する前に電気化学セル由来の既存の金属溶液に補足することができる。金属イオン溶液が反応器から電気化学セルに還流される前に、より高い酸化状態にある金属イオンを除去または分離し、主により低い酸化状態にある金属イオンを含む溶液を本発明のUMEシステムでの試験後に電気化学セルに供給することができる。
本明細書中に記載の方法およびシステムのいくつかの実施形態では、本発明のUMEシステムを使用して試験した水性媒体中の金属イオンの量は、0.5〜8M;または0.5〜7M;または0.5〜6M;または0.5〜5M;または0.5〜4M;または0.5〜3M;または0.5〜2M;または0.5〜1M;または1〜8M;または1〜7M;または1〜6M;または1〜5M;または1〜4M;または1〜3M;または1〜2M;または2〜8M;または2〜7M;または2〜6M;または2〜5M;または2〜4M;または2〜3M;または3〜8M;または3〜7M;または3〜6M;または3〜5M;または3〜4M;または4〜8M;または4〜7M;または4〜6M;または4〜5M;または5〜8M;または5〜7M;または5〜6.5M;または5〜6M;または6〜8M;または6〜7M;または7〜8Mである。いくつかの実施形態では、本明細書中に記載の水性媒体中の総イオン量は、より低い酸化状態にある金属イオン量+より高い酸化状態にある金属イオン量;またはより高い酸化状態にある金属イオンの総量;またはより低い酸化状態にある金属イオンの総量である。
図2のシステム201は例示のみを目的とし、異なる酸化状態にある金属イオン(例えば、クロム、スズなど);他の電気化学的システム;塩化ナトリウム以外の第3の電解質(硫酸ナトリウムまたはHClなど);および水酸化物、水、および/または水素ガスを生成するカソードがこのシステムに等しく適用可能な変形例であると理解すべきである。反応器202が1つまたは複数の反応器の組み合わせであってよく、分離器203が1つまたは複数の分離器の組み合わせまたは分離ユニットであってよいとも理解すべきである。
(キット)
さらに別の態様では、1種類または複数種類の有機化合物を含む水性媒体中の金属イオン濃度を測定するように構成されたUMEを含むUMEセルを含むキットを提供する。いくつかの実施形態では、UMEセルは、参照電極および任意選択的に作用電極をさらに含む。いくつかの実施形態では、UMEセルは、管、弁、pHプローブ、温度プローブ、圧力プローブ、TOCメータ、またはそれらの組み合わせをさらに含む。いくつかの実施形態では、UMEセルは、UMEセルを通過する高圧液体に耐えるためのフレアレス管継手をさらに含む。いくつかの実施形態では、キットは、UMEシステムに関連する本明細書中に記載されている全ての構成要素を含む。いくつかの実施形態では、キットは、UMEセルの使用方法に関する指示またはプロトコールを提供する取扱説明書をさらに含む。いくつかの実施形態では、キットは、UMEセルを操作するためのコンピュータソフトウェアプログラムを含むCD、ディスク、またはUSBをさらに含む。いくつかの実施形態では、キットは、1種類または複数種類の有機化合物を水性媒体から吸着するように構成された吸着剤を含むUMEセルに操作可能に接続されるべき吸着ユニットをさらに含む。吸着ユニットおよび吸着剤は、本明細書中に記載されている。
以下の実施例を当業者に本発明の作製方法および使用方法を完全に開示または説明するために記載し、本実施例は、本発明者らが発明と見なす範囲を制限することを意図せず、以下の実験が実施した実験の全てまたは唯一の実験であることを示すことも意図しない。本明細書中に記載の発明に加えて本発明の種々の修正形態が、前述の説明および添付の図面から当業者に明らかとなるであろう。かかる修正形態は、添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれる。使用した数字(例えば、量、温度など)に関して正確性を確保するように努めたが、いくらかの実験上の誤差および逸脱を考慮すべきである。
(実施例1)
(有機物の存在下での金属イオン濃度の測定のための2セットの電位サイクルの印加)
本実験では、25μm白金微小電極(例えば、CH Instruments製)、Ag|AgCl参照電極、および塩橋(例えば、Gamry製)を含む3電極システムならびに白金線を使用した。UMEセルの下半分を、およそ90℃の水浴に浸漬させた。銅の流れを蠕動ポンプによって制御した。いくつかの実験では、UMEセルを通過する流れを、UMEセルのいずれかの側面上の弁の開閉によって制御した。
第1の電位サイクルセットについて、電極に印加した電位は、0.5V/sで0.45Vから2Vまでの10サイクルの掃引であった。電位窓を、Cu(I)Cl還元電位およびO/Cl発生電位によって決定した。0.45V未満では、Cu(I)は金属銅に還元されてUME表面上に付着し得るので、これを回避した。1.5V付近では、UMEでガスが発生し始めたが、約1.7V〜1.8V後のみにおいてUMEでより多くのガスが発生した(UME表面の完全な浄化のため)。2Vを超えると、ガスが発生する電流は100μA超に増加し、長期的に見るとダメージを与え得る。したがって、銅イオンの望ましい電位窓は、1.5Vを超えるが、2Vほどであり得る。サイクル数を、ガス発生中の電流によって決定した。通常、3〜5サイクル後、電流応答は再現性を示すようになり、電極表面が安定/浄化状態に到達したことを示す。走査速度をポテンシオスタットによって制限した。電流測定モード下では、最大走査速度は0.5V/sであった。異なるモード/ポテンシオスタットを使用しては、走査速度は、数ボルト/秒であり得る。以下の2つの理由のためにガス発生中に銅溶液を流動するように維持した:銅溶液が温度低下して沈殿する(crush out)可能性を最小にするため;および気泡がUME表面を遮断しないように気泡を洗い流すため。
浄化工程後、新鮮な溶液がセル内に進み、気泡を洗い流すために約10秒後に流れを止めた。溶液の流れを完全に止めるために流れを止めた10秒後に測定した。データは浄化から数分後に測定値が安定になることを示し、このことにより、溶液を一定温度に保持することができる限り、直ちに測定すべきではないことが示唆された。測定中、以下の一連の電位工程を適用した:最初に、開路電位、次いで0.65V対Ag|AgCl参照電極、次いで、再度開路電位、および再度0.65V。総工程数は12であり、各電位について6工程であった。あらゆる工程を2秒間持続した。サンプリング速度は0.002秒であった。次いで、カーブフィッティングして拡散係数を外挿し、次いで、正規化定常状態電流を計算し、それにより、Cu(I)濃度を示した。
(実施例2)
(有機物の存在下での金属イオン濃度の測定のための電位サイクルの印加)
ポリスチレンビーズを使用した予備吸着:実験装置において、100gのポリスチレンビーズを、500〜1000ppmのクロロエタノール(chlorethanol)(CE)を含む500mlの銅溶液(5M CuCl、1M CuCl、および2.5M NaCl)に添加した。15分後、ビーズを濾去し、新たなビーズ(100g)を溶液に添加した。これを3回行った後、図3Aに例示するように、溶液中のCEレベルは、20ppm以下に低下した(ガスクロマトグラフィによって測定)。次いで、銅溶液をUMEセルに通し、図3Bに例示するように、銅(I)濃度(電流測定値として)は、ポリスチレンビーズ吸着を使用しない場合の一定の減衰と比較して安定していることが見出された。
ガス発生による電極表面処理:実験装置において、500〜1000ppmのCEを含む銅溶液(4.5M CuCl、1Mまたは0.8M CuCl、および2.5M NaCl)を、およそ300l/hでUMEセル内に流した。流動中、UMEを、0.45Vと2Vとの間で10サイクル掃引した。高電圧で、電極表面上に酸素ガスおよび塩素ガスが発生し、従って、表面が浄化された。浄化工程後、流動を静止し、電流を測定した。図4に例示するように、試験結果は、この方法を使用して安定な電流が得られることを示していた。電流は、ガス浄化を行わなかった場合の1時間以内の減衰と比較して、ガス発生後2時間安定することが見出された。
(実施例3)
(浄化工程を用いるか用いない有機物の存在下での金属イオン濃度の測定)
本実験では、25μm白金微小電極(例えば、CH Instruments製)、Ag|AgCl参照電極、および塩橋(例えば、Gamry製)を含む3電極システムならびに白金線を使用した。UMEセルの下半分を、およそ90℃であるかヒートストリップおよび絶縁体によっておよそ90℃(熱電対によって測定)に制御した水浴に浸漬した。銅の流れを、蠕動ポンプまたは1つのダイヤフラム弁および2つの電磁弁によって制御した。いくつかの実験では、UMEセルを通過する流れを、UMEセルのいずれかの側面上の弁の開閉によって制御した。以下の表Iは、浄化工程を用いずにUMEを使用した金属イオン濃度測定のための実験を示し、以下の表IIは、浄化工程を用いてUMEを使用した金属イオン濃度測定のための実験を示す。
実験番号1、2、4、5、および6では、有機物を含む銅溶液を、列挙した濃度にしたがって調製した。実験番号3、7、および8では、システム内の有機物には、以下が含まれていたが、これらに限定されない:クロロエタノール(CE)、二塩化エチレン(EDC)、モノクロロアセトアルデヒド(MCA)、およびジクロロアセトアルデヒド(DCA)。有機物の濃度は、数ppmから数千ppmの範囲であり、経時的に変化した。濃度を全体的に見て、任意の所与の時間で500ppmより高かった。
表I中の各実験では、90分から50時間の間に測定工程を何度も行った(いかなる浄化工程も使用しなかった)。再現性を示すために、全ての結果を試験開始時に第1の結果に正規化した。実験番号2では、UMEを、試験前にCE中に24時間予備浸漬した。
表II中の各実験では、各測定工程前に浄化工程を行った。再現性を示すために、全ての結果を試験開始時に第1の結果に正規化した。
実験4〜8(表IIに示す)では、電位サイクルのセット(1つまたは複数の電位サイクルのセットX)を、測定工程前に浄化工程でUMEに印加した。この電位サイクルセット(浄化工程)のために、開路電位(OCP)をわずかに下回る電位とUMEがガス(例えば、この場合、ClおよびO)を発生するより高い電位との間で、UMEに電圧を掃引した。UME表面上にガスが発生し、掃引電位によってUMEの破損やさらなる吸着を生じない限り、より高い電位掃引の範囲を、より広くまたはより狭くすることができる。UME表面から気泡を確実に除去するために、UMEセル内に水性媒体を流した。この工程により、UME表面上に吸着し得るいかなる有機物/無機物(有機副生成物が含まれるが、これらに限定されない)も除去される。
実験1〜8(表IおよびIIに示す)の全てにおいて、測定工程で複数の電位サイクル(1つまたは複数の電位サイクルのセットY)をUMEに印加した。第1の工程の電位は開路電位であり、その後の工程の電位は、反応速度が制限された質量移動(この場合、拡散)を示すより高い電位であった。より正確に測定するために、これらの2つの電位工程を6回繰り返した。この工程における変動係数は、通常、5%〜10%以内であった。確実に電流が対流制御下でなく拡散下で測定されるように、工程中は流れを静止させた。
測定工程中のOCPで、溶液は初期条件でとどまっていた。測定工程中のより高い電位で、UMEは電極表面でCuClをCuClに酸化させた。一定の電位を電極表面に印加するとき、反対電荷のイオンは、表面に向かって移動して膜を形成し得る。次いで、この膜が反対電荷(電極電位と同一の電荷)のイオンを誘引して別の膜を形成し得る。この二重膜は、電極の電位が変化する場合に静電容量効果を有し、コンデンサ放電に類似したスパイクおよび段階的減衰を生じ得る。この減衰曲線を、方程式に当てはめて定常状態電流を求めた。次いで、滴定法によるCu(I)Cl濃度とUMEから測定した定常状態電流との間の相関曲線を作成した。次いで、この相関を使用して、UME電流をCu(I)Cl濃度に変換した。
浄化工程をUMEに適用した場合(表II)、電流は長期間安定性を保ち、それにより安定な測定値が得られることが認められた。しかし、浄化工程を使用しない場合(表I)、電流は安定しないことが見出され、信頼できる測定を行うことができなかった。

Claims (30)

  1. 1種類または複数種類の有機化合物の存在下で水性媒体中の金属イオン濃度を測定する方法であって、
    金属イオンおよび1種類または複数種類の有機化合物を含む水性媒体を超微小電極(UME)セル内のUMEと接触させる工程;
    UME表面上にガスを通過させるか、前記UME表面上にガスを形成するか、前記UME表面を機械的に浄化するか、またはこれらの組み合わせによって前記UME表面を前記1種類または複数種類の有機化合物の付着から浄化する工程;
    1つまたは複数の電位サイクルのセットYに前記UMEを供する工程であって、より低い酸化状態にある前記金属イオンをより高い酸化状態に酸化させるか、またはより高い酸化状態にある前記金属イオンをより低い酸化状態に還元させる工程;および
    定常状態電流を測定し、それにより前記金属イオン濃度を測定する工程
    を含む、方法。
  2. 前記UME表面上にガスを形成することによって前記UME表面を1種類または複数種類の有機化合物の付着から浄化する工程が、前記UMEを1つまたは複数の電位サイクルのセットXに供することであって、前記UME表面上に酸素ガス、塩素ガス、水素ガス、二酸化硫黄ガス、またはそれらの組み合わせを形成させることを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記1つまたは複数の電位サイクルのセットXの電圧範囲が、前記金属イオンの還元および前記UME表面上でのその付着を防止するために、前記金属イオンの還元電位より高い、請求項2に記載の方法。
  4. 前記1つまたは複数の電位サイクルのセットXの電圧範囲が、±5V対標準水素電極(SHE)、±3V対SHE、0.2V〜2.5V対SHE、または0.6V〜2.5V対SHEである、請求項2または3に記載の方法。
  5. 前記1つまたは複数の電位サイクルのセットYの電圧範囲が、前記金属イオンの酸化電位または還元電位を含むか、または前記金属イオンの開路電位と前記金属イオンの酸化電位または還元電位との間である、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記1つまたは複数の電位サイクルのセットYの電圧範囲が、0.65〜0.85V対SHEを含むか、開路電位と0.85V対SHEとの間である、請求項5に記載の方法。
  7. 前記UME表面上にガスを通過させることによって前記UME表面を1種類または複数種類の有機化合物の付着から浄化する工程が、前記UME表面上に水素ガスをバブリングするか、酸素ガスをバブリングするか、窒素ガスをバブリングするか、または塩素ガスをバブリングすることを含む、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記水性媒体中の前記1種類または複数種類の有機化合物の濃度が約0.5〜5000ppmである、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記1種類または複数種類の有機化合物が、二塩化エチレン、クロロエタノール、モノクロロアセトアルデヒド、ジクロロアセトアルデヒド、トリクロロアセトアルデヒド、またはそれらの組み合わせを含む、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記UMEは、金、白金、チタン、炭素、導電性ポリマー、またはイリジウムから作製されている、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記金属イオンが、鉄、銅、スズ、クロム、またはそれらの組み合わせである、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記金属イオンが金属ハライドである、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記より低い酸化状態またはより高い酸化状態にある金属イオンの濃度が0.5M超であるか、前記水性媒体中の総金属イオン濃度が1Mを超える、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記UMEセルを50〜100℃の温度に保持する工程をさらに含む、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記水性媒体中のより低い酸化状態および/またはより高い酸化状態にある金属イオンの濃度の測定が、前記金属イオンがアノードでより低い酸化状態からより高い酸化状態に酸化される電気化学セルのアノード室への前記水性媒体の適用前、適用中、および/または適用後に行われる、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  16. 前記水性媒体中のより低い酸化状態および/またはより高い酸化状態にある金属イオンの濃度の測定が、前記水性媒体中のより高い酸化状態にある金属イオンを不飽和炭化水素または飽和炭化水素と反応させて前記水性媒体中に1種類または複数種類の有機化合物およびより低い酸化状態にある金属イオンを形成する反応器への前記水性媒体の適用前、適用中、および/または適用後に行われる、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
  17. 吸着ユニットと一体化した超微小電極(UME)セルであって、
    1種類または複数種類の有機化合物を含む水性媒体中のより低い酸化状態および/またはより高い酸化状態にある金属イオン濃度を測定するように構成されたUMEを含むUMEセル;および
    前記水性媒体から前記1種類または複数種類の有機化合物を吸着するように構成された吸着剤を含むUMEセルに操作可能に接続された吸着ユニット
    を含む、超微小電極(UME)セル。
  18. 前記金属イオンおよび前記1種類または複数種類の有機化合物を含む水性媒体をさらに含む、請求項17に記載のUMEセル。
  19. 前記吸着剤が、活性炭、アルミナ、活性シリカ、ポリマー、またはそれらの組み合わせである、請求項17または18に記載のUMEセル。
  20. 吸着後の前記水性媒体中の前記1種類または複数種類の有機化合物の濃度が0.5ppm〜5000ppmである、請求項17〜19のいずれか1項に記載のUMEセル。
  21. 1種類または複数種類の有機化合物の存在下で水性媒体中の金属イオン濃度を測定するように構成されたシステムであって、1種類または複数種類の有機化合物を含む水性媒体中の金属イオン濃度を測定するように構成されたUMEを含むUMEセル;および金属イオンおよび前記1種類または複数種類の有機化合物を含む水性媒体を含む、システム。
  22. 前記水性媒体中の前記1種類または複数種類の有機化合物の濃度が0.5ppm〜5000ppmである、請求項21に記載のシステム。
  23. 前記UMEセル、前記吸着ユニット、またはそれらの組み合わせに操作可能に接続され、より高い酸化状態にある金属イオンを含むアノード電解質を不飽和炭化水素および/または飽和炭化水素と反応させて前記1種類または複数種類の有機化合物およびより低い酸化状態にある前記金属イオンを形成するように構成された反応器をさらに含み、前記反応器が前記1種類または複数種類の有機化合物および前記金属イオンを含む水性媒体を前記UMEセル、前記吸着ユニット、またはそれらの組み合わせに送達するように構成されている、請求項21〜22のいずれか1項に記載のシステム。
  24. 金属イオンを含むアノード電解質と接触したアノードを含むアノード室を含む電気化学的システムをさらに含み、前記アノードが前記金属イオンをより低い酸化状態からより高い酸化状態に酸化させるように構成され、前記電気化学的システムがより高い酸化状態にある前記金属イオンを含むアノード電解質を前記反応器に送達させるように構成されている、請求項23に記載のシステム。
  25. 前記UMEセルが、UMEを1つまたは複数の電位サイクルのセットXに供して前記UMEの表面上に酸素ガス、塩素ガス、水素ガス、二酸化硫黄ガス、またはそれらの組み合わせを形成するように構成され、前記UMEセルが、前記UMEを1つまたは複数の電位サイクルのセットYに供し、低酸化より低い酸化状態にある前記金属イオンがより高い酸化状態に酸化されるか、高酸化より高い酸化状態にある前記金属イオンがより低い酸化状態に還元されるように構成されている、請求項21〜24のいずれか1項に記載のシステム。
  26. 前記1つまたは複数の電位サイクルのセットYの電圧範囲が、0.65〜0.85V対SHEを含むか、開路電位と0.85V対SHEとの間である、請求項25に記載のシステム。
  27. 前記1つまたは複数の電位サイクルのセットXの電圧範囲が、±5V対標準水素電極(SHE)、または±3V対SHE、または0.2V〜2.5V対SHE、または0.6V〜2.5V対SHEである、請求項25または26に記載のシステム。
  28. 1種類または複数種類の有機化合物を含む水性媒体中の金属イオン濃度を測定するように構成されたUMEを含むUMEセルを含むキット。
  29. 前記UMEセルの使用方法に関する指示またはプロトコールを提供する取扱説明書をさらに含む、請求項28に記載のキット。
  30. 前記水性媒体から前記1種類または複数種類の有機化合物を吸着するように構成された吸着剤を含む前記UMEセルに操作可能に接続される吸着ユニットをさらに含む、請求項28または29に記載のキット。
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