JP2017533699A - 合成二方向性植物プロモーター - Google Patents
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Abstract
本開示は、植物または植物細胞においてヌクレオチド配列の転写を促進するための組成物および方法であって、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)ユビキチン10遺伝子プロモーターまたはキャッサバ葉脈モザイクウイルスプロモーター由来のミニマルコアプロモーターエレメント、およびキャッサバ葉脈モザイクウイルスプロモーター由来の完全長ヌクレオチド配列エレメントを用いる方法に関する。いくつかの実施形態は、2つの作動可能に連結されたヌクレオチド配列の転写を促進するように植物中で機能する合成CsVMV二方向性プロモーターに関する。
Description
優先権の主張
本出願は、「合成二方向性植物プロモーター」についての2014年11月11日提出の米国特許仮出願第62/078,205号明細書の出願日の利益を主張する。
本出願は、「合成二方向性植物プロモーター」についての2014年11月11日提出の米国特許仮出願第62/078,205号明細書の出願日の利益を主張する。
本開示は一般的には植物または植物細胞中でのヌクレオチド配列の転写を促進するための組成物および方法に関する。いくつかの実施形態は、作動可能に連結されたヌクレオチド配列の転写を促進するように植物中で機能する合成キャッサバ葉脈モザイクウイルス(CsVMV)二方向性プロモーターに関する。特定の実施形態は、合成プロモーターを含む方法(例えば、核酸分子を細胞内に導入する)ならびに合成プロモーターを含む細胞、細胞培養物、組織、生物、および生物の部分、ならびにそこから生産される産物に関する。
多くの植物種は、農学的に望ましい形質または特徴を導入すること、例えば、栄養価品質を改善すること、収量を増やすこと、有害生物もしくは疾患抵抗性を付与すること、乾燥およびストレス耐性を増やすこと、園芸性質(色素沈着および成長などの)を改善すること、除草剤抵抗性を与えること、植物から産業的に有用な化合物および/もしくは材料の生産を可能にする、ならびに/または医薬品の生産を可能にするために他の種由来のトランス遺伝子で形質転換することができる。トランス遺伝子を植物細胞内に導入し、安定的に組み入れられたトランス遺伝子のコピーを含有する稔性トランスジェニック植物をその後回収すれば、望ましい形質または特徴を有するトランスジェニック植物を生産することが可能になる。
遺伝子発現の制御および調節は数多くの機構を通じて起き得る。遺伝子の転写開始は遺伝子発現の支配的な制御機構である。転写の開始は一般に、転写される遺伝子の5’側に隣接しているまたは上流領域に位置しているポリヌクレオチド配列により制御される。これらの配列は集合的にプロモーターと呼ばれる。プロモーターは一般に、メッセンジャーRNA(mRNA)を産生することができるように、RNAポリメラーゼが転写を開始するためのシグナルを含有している。成熟mRNAはリボソームにより転写され、それによってタンパク質を合成する。DNA結合タンパク質はプロモーターDNA配列と特異的に相互作用して転写複合体の形成を促進し、遺伝子発現プロセスを開始する。植物中でトランス遺伝子の発現を駆動する上で機能的である種々の真核生物プロモーターが植物から単離され特徴付けられている。環境刺激、養分可給性、または熱ショック、嫌気状態、もしくは重金属の存在を含む有害条件に応答して遺伝子発現に影響を及ぼすプロモーターが単離され特徴付けられている。発生中にまたは組織もしくは器官特異的な形で遺伝子発現を制御するプロモーターも存在する。さらに、植物中でトランス遺伝子の発現を駆動する上で機能的である細菌およびウイルスから単離された原核生物プロモーターが単離され特徴付けられている。
真核生物において発現の能力を有する典型的なプロモーターは、ミニマルプロモーターおよび他のシスエレメントからなる。ミニマルプロモーターは基本的には、RNAポリメラーゼII(polII)、TATA結合タンパク質(TBP)、およびTBP関連因子(TAF)が結合して転写を開始することができるTATAボックス領域である。しかし、大半の例では、TATAモチーフ以外の配列エレメントが正確な転写に必要である。そのような配列エレメント(例えば、エンハンサー)は、多くの場合、位置および/または配向非依存する形で近くの遺伝子の発現の全体レベルを上昇させることが分かっている。いくつかのpolII遺伝子の転写開始部位近くの他の配列(例えば、INR配列)は、転写活性化にも寄与する因子に代わりの結合部位を提供し、機能的TATAエレメントを欠くプロモーターにおいて転写のためのコアプロモーター結合部位さえも代わりに提供することもある。Zenzie-Gregory et al. (1992) J, Biol. Chem. 267: 2823-30。
他の遺伝子調節エレメントには、特異的DNA結合因子と相互作用する配列が含まれる。これらの配列モチーフはシスエレメントと呼ばれることもあり、通常、位置および配向依存性であるが、遺伝子コード配列の5’側もしくは3’側、またはイントロン中に見出される場合がある。そのようなシスエレメントは、組織特異的または発生特異的転写因子が個別にまたは組み合わせて結合するが、プロモーターの時空間的発現を転写レベルで決定することができる。上流シスエレメント、続いてミニマルプロモーターという配置が典型的には特定のプロモーターの極性を確立する。基礎研究でもバイオテクノロジー応用でもクローニングされ広く使用されてきた植物中のプロモーターは一般に、一方向性であり、その3’末端(すなわち、下流)で融合している1つの遺伝子のみに指示を出す。Xie et al. (2001) Nat. Biotechnol. 19(7):677-9;米国特許第6,388,170号明細書を参照されたい。
植物プロモーター中で多くのシスエレメント(または「上流調節配列」)が同定されてきた。これらのシスエレメントは作動可能に連結された遺伝子に対してそれが行使する制御の種類は様々である。いくつかのエレメントは環境応答(例えば、温度、湿度、および創傷)に応答して作動可能に連結された遺伝子の転写を増加するように作用する。他のシスエレメントは発生上の合図(例えば、発芽、種子成熟、および開花)に応答する場合もあれば、空間情報(例えば、組織特異性)に応答する場合もある。例えば、Langridge et al. (1989) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86:3219-23を参照されたい。特定のプロモーターエレメントの制御の種類は典型的にはプロモーターの固有の性質であり、すなわち、そのようなプロモーターの制御下にある異種遺伝子は、プロモーターエレメントが単離された元の天然の遺伝子の制御に従って発現される可能性がある。同文献。これらのエレメントはまた、典型的には、他のエレメントと交換することができ、遺伝子の発現に対するその特徴的な固有の制御を維持する。
代謝工学および形質スタッキングのためには複数の遺伝子を植物内に導入する必要がある場合が多く、その遺伝子は頻繁に同一または相同のプロモーターにより制御される。しかし、相同性ベースの遺伝子サイレンシング(HBGS)が、複数の導入されたトランス遺伝子がその遺伝子を駆動する相同なプロモーターを有するときに生じる可能性がある。Mol et al. (1989) Plant Mol. Biol. 13:287-94。したがって、HBGSはトランスジェニック植物において広範に起きることが報告されてきた。例えば、Vaucheret and Fagard (2001) Trends Genet. 17:29-35を参照されたい。HBGSという現象を説明するいくつかの機構が提案されているが、その機構すべてが、プロモーター中の配列相同性が細胞認識機構を始動させて、反復遺伝子のサイレンシングを生じるという特長を含んでいる。Matzke and Matzke (1995) 47:23-48; Fire (1999) Trends Genet. 15:358-63; Hamilton and Baulcombe (1999) Science 286:950-2; Steimer et al. (2000) Plant Cell 12:1 165-78。さらに、異なるトランス遺伝子の類似するレベルの発現パターンを得るために同じプロモーターを繰り返し使用すると、反復プロモーター中の競合する転写因子(TF)結合部位が過剰になることがあり、そのために内在性TFが枯渇して転写が下方調節されることがある。
トランスジェニックイベントの単一遺伝子座内に強く発現する多重遺伝子形質を組み入れるはるかに大きな必要性があることを考慮すると、そのようなトランスジェニックイベントを創製することに関連する技術的課題を減らすことを提供する解決策は重要である。さらに具体的には、トランスジェニック植物においてHBGSを回避する戦略であって、機能的に等価であるが最小の配列相同性を有する合成プロモーターの開発を含む戦略が望ましい。そのような合成プロモーターが作物植物においてトランス遺伝子を発現するために使用される場合、HBGSを回避するまたは減少させるのに役立つことができる。Mourrain et al. (2007) Planta 225(2):365-79; Bhullar et al. (2003) Plant Physiol. 132 :988-98。
主題の開示の実施形態では、本開示は、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)ユビキチン10遺伝子プロモーターおよびキャッサバ葉脈モザイクウイルスプロモーター由来の複数のプロモーターエレメントを含む合成キャッサバ葉脈モザイクウイルス(CsVMV)二方向性ポリヌクレオチドプロモーターに関する。さらなる実施形態では、主題の開示は種々のプロモーターエレメントを含む。したがって、プロモーターエレメントはイントロンを含む。いくつかの例では、プロモーターエレメントは5’−UTRを含む。さらに、プロモーターエレメントは上流プロモーターエレメントを含む。さらに、プロモーターエレメントはミニマルコアプロモーターを含む。主題の開示の実施形態では、本開示は、トランスジェニック植物細胞を生産するための方法であって、a)少なくとも1つの、対象のポリヌクレオチド配列に作動可能に連結された合成CsVMV二方向性ポリヌクレオチドプロモーターを含む遺伝子発現カセットで植物細胞を形質転換するステップと、b)遺伝子発現カセットを含む形質転換植物細胞を単離するステップと、c)少なくとも1つの、対象のポリヌクレオチド配列に作動可能に連結された合成CsVMV二方向性ポリヌクレオチドプロモーターを含むトランスジェニック植物細胞を生産するステップとを含む方法に関する。主題の開示の実施形態では、本開示は、植物細胞において対象のポリヌクレオチド配列を発現するための方法であって、合成CsVMV二方向性ポリヌクレオチドプロモーターに作動可能に連結された対象のポリヌクレオチド配列を植物細胞内に導入するステップを含む方法に関する。主題の開示の実施形態では、本開示は、合成CsVMV二方向性ポリヌクレオチドプロモーターを含むトランスジェニック植物細胞に関する。
前述のおよび他の特徴は、付随する図を参照して進むいくつかの実施形態についての以下の詳細な説明からさらに明らかになるであろう。
I.いくつかの実施形態の概要
トランスジェニック植物の開発はますます複雑になりつつあり、典型的には単一遺伝子座内に複数のトランス遺伝子をスタックさせる必要がある。Xie et al. (2001) Nat. Biotechnol. 19(7):677-9を参照されたい。それぞれのトランス遺伝子が通常、発現のための独特のプロモーターを必要とするので、複数のプロモーターが1つの遺伝子スタック内で異なるトランス遺伝子を発現する必要がある。遺伝子スタックのサイズを増やすことに加えて、これは頻繁に、異なるトランス遺伝子の類似するレベルの発現パターンを得るためには同じプロモーターを繰り返し使用することになる。このアプローチは、複数のトランス遺伝子が同じプロモーターにより発現されると遺伝子サイレンシングまたはHBGSが生じることがあるために問題になる場合が多い。反復プロモーター中の競合する転写因子(TF)結合部位が過剰になるために内在性TFが枯渇し転写下方調節が生じることがある。トランス遺伝子のサイレンシングは、トランス遺伝子を発現するために生産されるトランスジェニック植物の性能には望ましくない。トランス遺伝子内の反復配列は多くの場合、遺伝子座内相同組換えをもたらし、ポリヌクレオチド再編成および望ましくない表現型または農業生産力を生じる。
トランスジェニック植物の開発はますます複雑になりつつあり、典型的には単一遺伝子座内に複数のトランス遺伝子をスタックさせる必要がある。Xie et al. (2001) Nat. Biotechnol. 19(7):677-9を参照されたい。それぞれのトランス遺伝子が通常、発現のための独特のプロモーターを必要とするので、複数のプロモーターが1つの遺伝子スタック内で異なるトランス遺伝子を発現する必要がある。遺伝子スタックのサイズを増やすことに加えて、これは頻繁に、異なるトランス遺伝子の類似するレベルの発現パターンを得るためには同じプロモーターを繰り返し使用することになる。このアプローチは、複数のトランス遺伝子が同じプロモーターにより発現されると遺伝子サイレンシングまたはHBGSが生じることがあるために問題になる場合が多い。反復プロモーター中の競合する転写因子(TF)結合部位が過剰になるために内在性TFが枯渇し転写下方調節が生じることがある。トランス遺伝子のサイレンシングは、トランス遺伝子を発現するために生産されるトランスジェニック植物の性能には望ましくない。トランス遺伝子内の反復配列は多くの場合、遺伝子座内相同組換えをもたらし、ポリヌクレオチド再編成および望ましくない表現型または農業生産力を生じる。
基礎研究またはバイオテクノロジー応用のために使用される植物プロモーターは一般に、一方向性であり、その3’末端(下流)で融合された1つの遺伝子のみを調節する。種々の所望の形質または特徴を有するトランスジェニック植物を生産するため、所望の形質および特徴をコードするトランス遺伝子の発現を駆動するために配置されるプロモーターの数を減らすのは有用だと考えられる。特に、代謝工学および形質スタッキングのために複数のトランス遺伝子を植物内に導入する必要があり、それによって複数のトランス遺伝子の発現を駆動させる複数のプロモーターを必要とする適用ではそうである。プロモーターに隣接する2つのトランス遺伝子の発現を駆動させることが可能な単一合成CsVMV二方向性プロモーターを開発することにより、トランスジェニック作物の成育に必要なプロモーターの総数を減らし、それによって同じプロモーターの繰り返し使用を減らし、トランスジェニック構築物のサイズを減少させ、および/またはHBGSの可能性を減少させることができる。そのようなプロモーターは、既知のシスエレメントをDNAの新規のもしくは合成ストレッチに導入することにより、または代わりに、1つのプロモーターのドメインを他の異種プロモーター由来の機能的に等価なドメインで置き換える「ドメインスワッピング(domain swapping)」により生成することが可能である。
本明細書の実施形態は、1つのプロモーターが、その各側に1つずつの2つの遺伝子の発現を指示することができるように、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)ユビキチン10遺伝子(例えば、AtUbi10)由来の一方向性プロモーターおよびキャッサバ葉脈モザイクウイルスプロモーター(例えば、CsVMV)を使用して合成CsVMV二方向性プロモーターを設計するプロセスを利用する。合成CsVMV二方向性プロモーターを使えば、当業者は同じプロモーターの繰り返し使用を減らしトランスジェニック構築物のサイズを減少させつつ植物細胞および植物内にトランス遺伝子をスタックさせることができる。さらに、単一の合成CsVMV二方向性プロモーターを用いて2つの遺伝子の発現を調節すれば、例えば、2つの遺伝子がそれぞれ宿主において単一の形質に貢献している場合に有用であり得るなどの、同じ条件下で2つの遺伝子を同時発現する能力も提供できる。植物においてプロモーターの二方向性機能の使用は、トウモロコシ(Zea mays)ユビキチン1プロモーター(国際公開第2013/101343号パンフレット)、CaMV35プロモーター(Barfield and Pua (1991) Plant Cell Rep. 10(6-7):308-14; Xie et al. (2001),上記)、およびmasプロモーター(Velten et al. (1984) EMBO J. 3(12):2723-30; Langridge et al. (1989) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86:3219-23)を含む、いくつかの場合で報告されている。
植物遺伝子における遺伝子発現の転写開始および調整は、プロモーター内に集合的に配置されている種々のDNA配列エレメントにより指示される。真核生物プロモーターはミニマルコアプロモーターエレメント(minP)、およびさらに上流調節配列(URS)からなる。コアプロモーターエレメントは、転写の正確な開始を指示するのに十分な最小ストレッチの連続DNA配列である。植物中のコアプロモーターは、CAATおよびTATAボックスなどの転写の開始と関連するカノニカル領域も含む。TATAボックスエレメントは通常、転写の開始部位のおおよそ20から35ヌクレオチド上流に位置している。
minPの活性化はURSに依存しており、このURSには種々のタンパク質が結合してその後、転写開始複合体と相互作用する。URSは、URSを含むプロモーターの時空間的発現パターンを決定するDNA配列からなる。プロモーターの極性は多くの場合、minPの配向により決定され、URSは双極性である(すなわち、URSはその配向とは無関係に機能する)。
いくつかの実施形態の特定の実施例では、元々シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)に由来するシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)Ubi10プロモーター(AtUbi10)のミニマルコアプロモーターエレメント(minUbi10P)を使用して、既に記載されている二方向性プロモーターという観点において固有の発現制御特徴を提供するように植物中で機能する合成CsVMV二方向性プロモーターを工学的に作製する。実施形態には、天然のCsVMVプロモーター(minCsVMVP)由来のミニマルコアプロモーターエレメントヌクレオチド配列をさらに含む合成CsVMV二方向性プロモーターが含まれる。他の実施形態では、元々キャッサバ葉脈モザイクウイルスに由来する改変キャッサバ葉脈モザイクウイルスプロモーター(CsVMV)のミニマルコアプロモーターエレメントを使用して、既に利用可能な二方向性プロモーターに関して独特である発現制御特徴を提供するように植物中で機能することができる合成二方向性シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)Ubi10プロモーターを工学的に作製する。実施形態には、天然のAtUbi10プロモーター由来のミニマルコアプロモーターエレメントヌクレオチド配列をさらに含む合成二方向性AtUbi10プロモーターが含まれる。
AtUbi10プロモーターはシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)ゲノムを起源にもつ配列を含む。いくつかの実施例において使用される改変AtUbi10プロモーターはおおよそ1.3kbプロモーターでありTATAボックス;5’UTR;およびイントロンを含有する。シロイヌナズナ(Arabidopsis)種およびシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)遺伝子型由来の他のシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)ユビキチンプロモーターバリアントは、TATAエレメントからなるminPエレメント周辺に高度な配列保存を示すことがある。したがって、本発明の実施形態は、合成二方向性植物プロモーターを構築するためのミニマルコアプロモーターエレメントとしてのAtUbi10プロモーターのこの短い高度に保存された領域(例えば、配列番号1)の使用によって例示される。
CsVMVプロモーターはキャッサバ葉脈モザイクウイルスゲノムを起源にもつ配列を含む。いくつかの実施例において使用される改変CsVMVプロモーターはおおよそ0.5kbプロモーターでありTATAボックス;および5’UTRを含有する。キャッサバウイルス種およびキャッサバ葉脈モザイクウイルスバリアント由来の他のキャッサバ葉脈モザイクウイルスプロモーターバリアントは、TATAエレメントからなるminPエレメント周辺に高度な配列保存を示すことがある。したがって、本発明の実施形態は、合成CsVMV二方向性植物プロモーターを構築するためのミニマルコアプロモーターエレメントとしてのCsVMVプロモーターのこの短い高度に保存された領域(例えば、配列番号5)の使用により例示される。
II.略字
AtUbi10 シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)ユビキチン10
BCA ビシンコニン酸
CaMV カリフラワーモザイクウイルス
CsVMV キャッサバ葉脈モザイクウイルス
CTP 葉緑体輸送ペプチド
HBGS 相同性ベースの遺伝子サイレンシング
minUbi1P ミニマルコアプロモーター
OLA オリゴライゲーション増幅
PCR ポリメラーゼ連鎖反応
RCA ローリングサークル増幅
RT−PCR 逆転写酵素PCR
SNuPE 単一ヌクレオチドプライマー伸長
URS 上流調節配列
AtUbi10 シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)ユビキチン10
BCA ビシンコニン酸
CaMV カリフラワーモザイクウイルス
CsVMV キャッサバ葉脈モザイクウイルス
CTP 葉緑体輸送ペプチド
HBGS 相同性ベースの遺伝子サイレンシング
minUbi1P ミニマルコアプロモーター
OLA オリゴライゲーション増幅
PCR ポリメラーゼ連鎖反応
RCA ローリングサークル増幅
RT−PCR 逆転写酵素PCR
SNuPE 単一ヌクレオチドプライマー伸長
URS 上流調節配列
III.用語
本出願全体を通じて、いくつかの用語が使用される。そのような用語に与えられる範囲を含め、明細書および特許請求の範囲についての明確で一貫した理解を提供するために、以下の定義が提供される。
本出願全体を通じて、いくつかの用語が使用される。そのような用語に与えられる範囲を含め、明細書および特許請求の範囲についての明確で一貫した理解を提供するために、以下の定義が提供される。
イントロン:本明細書で使用されるように、用語「イントロン」とは、遺伝子(または対象の発現されるポリヌクレオチド配列)に含まれ転写されるが翻訳されない任意の核酸配列を指す。イントロンにはDNAの発現される配列内の非翻訳核酸配列、ならびにそれから転写されるRNA分子中の対応する配列が含まれる。
単離された:「単離された」生物学的成分(核酸またはタンパク質などの)は、成分の化学的または機能的変化をもたらしつつ(例えば、核酸は、その核酸を染色体中の残りのDNAに接続している化学結合を壊すことにより染色体から単離されることがある)、その成分が天然に存在する生物の細胞中の他の生物学的成分(すなわち、他の染色体および染色体外DNAおよびRNA、ならびにタンパク質)から実質的に分離されている、それから離れて生産されている、またはそれから離れて精製されている。「単離され」ている核酸分子およびタンパク質には、標準精製法により精製された核酸分子およびタンパク質が含まれる。この用語は、宿主細胞において組換え発現により調製された核酸およびタンパク質、ならびに、化学的に合成された核酸分子、タンパク質、およびペプチドも包含する。
遺伝子発現:核酸転写単位(例えば、ゲノムDNAを含む)のコードされた情報が細胞における作動部分、非作動部分、または構造的部分に変換されるプロセスで、タンパク質の合成を含む場合が多い。遺伝子発現は外部シグナル、例えば、遺伝子発現を増加させるまたは減少させる薬剤への細胞、組織、または生物の曝露により影響を受けることがある。遺伝子の発現はDNAからRNAからタンパク質までの経路の任意の場所で調節することも可能である。遺伝子発現の調節は、例えば、転写、翻訳、RNA輸送およびプロセッシングに作用する制御、mRNAなどの中間分子の分解を通じて、または特定のタンパク質分子が作られた後におけるその活性化、不活性化、区画化、もしくは分解を通じて、またはその組合せにより起こる。遺伝子発現は、ノーザンブロット、RT−PCR、ウェスタンブロット、またはin vitro、in situ、もしくはin vivoタンパク質活性アッセイ(複数可)を限定せずに含む、当技術分野で公知のいかなる方法によってもRNAレベルでまたはタンパク質レベルで測定することが可能である。
相同性ベースの遺伝子サイレンシング:本明細書で使用されるように、「相同性ベースの遺伝子サイレンシング」(HBGS)は転写遺伝子サイレンシングと転写後遺伝子サイレンシングの両方を含む総称である。非連結サイレンシング遺伝子座による標的遺伝子座のサイレンシングは、それぞれプロモーターまたは転写配列に対応した二本鎖RNA(dsRNA)の産生のために転写開始(転写遺伝子サイレンシング;TGS)またはmRNA分解(転写後遺伝子サイレンシング;PTGS)から生じることがある。異なる細胞成分がそれぞれのプロセスに関与していることから、dsRNA誘導TGSおよびPTGSはおそらく、古代の共通の機構の多様化から生じていることが示唆される。しかし、TGSとPTGSの厳密な比較を成し遂げるのは、その比較が一般に異なるサイレンシング遺伝子座の分析に頼っているために困難であった。異なる標的遺伝子のプロモーターと転写配列に対応したdsRNAの産生のために、TGSとPTGSの両方を始動させる単一トランス遺伝子遺伝子座を本発明者らは記載する。Mourrain et al. (2007) Planta 225:365-79。siRNAが相同配列上でTGSおよびPTGSを始動させる実際の分子である可能性が高く、siRNAはこのモデルでは、トランス遺伝子配列のメチル化の内在性プロモーター内への伝播を通じて相同配列のサイレンシングおよびメチル化をシスでおよびトランスで始動させると考えられる。同文献。
核酸分子:本明細書で使用されるように、用語「核酸分子」(または「核酸」もしくは「ポリヌクレオチド」)とは、ポリマー形態のヌクレオチドを指し、これはRNA、cDNA、ゲノムDNA、および合成形態および上記の混合ポリマーのセンス鎖とアンチセンス鎖の両方を含むことができる。ヌクレオチドとは、リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド、またはいずれかの種類のヌクレオチドの改変型を指す。本明細書で使用される「核酸分子」は「核酸」および「ポリヌクレオチド」と同義である。核酸分子は、別途明記されていなければ、通常は少なくとも10塩基長である。この用語は未定の長さのRNAまたはDNAの分子を指すこともできる。この用語は一本および二本鎖形態のDNAを含む。核酸分子は、天然に存在するおよび/または天然に存在しないヌクレオチド連結により互いに連結された天然に存在するおよび改変ヌクレオチドのいずれかまたは両方を含むことができる。
核酸分子は、当業者であれば容易に認識するように、化学的にもしくは生化学的に修飾することができる、または非天然のもしくは誘導体化ヌクレオチド塩基を含有することができる。そのような修飾は、例えば、標識、メチル化、天然に存在するヌクレオチドのうちの1つまたは複数の類似物での置換、ヌクレオチド間修飾(例えば、電荷を帯びていない連結:例えば、メチルホスホン酸、ホスホトリエステル、ホスホロアミド酸、カルバミン酸など;電荷を帯びた連結:例えば、ホスホロチオエート、ジチオリン酸など;ペンデント部分:例えば、ペプチド;インターカレーター:例えば、アクリジン、ソラレンなど;キレート剤;アルキル化剤;および改変された連結:例えば、アルファアノマー核酸など)が含まれる。用語「核酸分子」には、一本鎖、二本鎖、部分的二重鎖、三重鎖、ヘアピン型の、環状の、およびパドロックド立体構造を含む、任意のトポロジカル立体構造も含まれる。
転写はDNA鎖に沿って5’から3’様式で進行する。これは、RNAは伸長する鎖の3’末端へのリボヌクレオチド−5’−三リン酸の連続付加(ピロリン酸を除去しなければならない)により作られることを意味する。線形または環状核酸分子では、個別のエレメント(例えば、特定のヌクレオチド配列)は、それがさらなるエレメントから5’方向の同じ核酸に結合しているまたは結合していると考えられる場合、さらなるエレメントに対して、「上流」または「5’側」にあると呼ぶことができる。同様に、個別のエレメントは、それがさらなるエレメントから3’方向の同じ核酸に結合しているまたは結合していると考えられる場合、そのさらなるエレメントに対して、「下流」または「3’側」にあることができる。
本明細書で使用される塩基の「位置」とは、指定された核酸内の所与の塩基またはヌクレオチド残基がどこにあるかを指す。指定された核酸は基準核酸との整列(下参照)により定義することができる。
ハイブリダイゼーション:オリゴヌクレオチドおよびその類似物は、ワトソン−クリック、フーグスティーンまたは逆フーグスティーン水素結合を含む水素結合により相補的塩基間でハイブリダイズする。一般に、核酸分子は、ピリミジン(シトシン(C)、ウラシル(U)、およびチミン(T))またはプリン(アデニン(A)およびグアニン(G))のいずれかである窒素塩基からなる。これらの窒素塩基はピリミジンとプリンの間で水素結合を形成し、ピリミジンのプリンへの結合は「塩基対合」と呼ばれる。さらに具体的には、AはTまたはUに水素結合し、GはCに結合する。「相補的な」とは2つの異なる核酸配列または同じ核酸配列の2つの異なる領域間で起こる塩基対合を指す。
「特異的にハイブリダイズ可能な」および「特異的に相補的な」は、オリゴヌクレオチドとDNAまたはRNA標的の間で安定した特異的な結合が起きるのに十分な程度の相補性を示す用語である。オリゴヌクレオチドは特異的にハイブリダイズ可能であるためにはその標的配列に100%相補的である必要はない。オリゴヌクレオチドの標的DNAまたはRNA分子への結合により標的DNAまたはRNAの正常な機能が妨げられ、特異的結合が望ましい条件下で、例えば、in vivoアッセイまたは系の場合の生理的条件下で、オリゴヌクレオチドの非標的配列への非特異的結合を回避するのに十分な程度の相補性がある場合には、オリゴヌクレオチドは特異的にハイブリダイズ可能である。そのような結合は特異的ハイブリダイゼーションと呼ばれる。
特定の厳密度を生じるハイブリダイゼーション条件は、選択されたハイブリダイゼーション方法の性質ならびにハイブリダイズしている核酸配列の組成および長さに応じて変動する。一般に、ハイブリダイゼーションの温度およびハイブリダイゼーション緩衝液のイオン強度(特に、Na+および/またはMg2+濃度)がハイブリダイゼーションの厳密性に寄与するが、洗浄回数も厳密性に影響する。特定の厳密度を達成するのに必要なハイブリダイゼーション条件に関する計算はSambrook et al. (ed.), Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd ed., vol. 1-3, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, New York, 1989, chs. 9 and 11で考察されている。
本明細書で使用されるように、「厳密な条件」とは、ハイブリダイゼーション分子とDNA標的の間でのミスマッチが50%未満である場合にのみハイブリダイゼーションが起こる条件を包含する。「厳密な条件」には、さらに特定のレベルの厳密性が含まれる。したがって、本明細書で使用されるように、「中程度の厳密性」条件とは、配列ミスマッチが50%を超える分子ではハイブリダイズしない条件であり、「高厳密性」の条件とはミスマッチが20%を超える配列ではハイブリダイズしない条件、「超高厳密性」の条件とはミスマッチが10%を超える配列ではハイブリダイズしない条件である。
特定の実施形態では、厳密な条件は、65℃でのハイブリダイゼーション、続いて65℃での0.1×SSC/0.1%SDSを用いた40分間の洗浄を含むことが可能である。
以下は代表的、非限定的ハイブリダイゼーション条件である。
超高厳密性:5×SSC緩衝液中65℃、16時間のハイブリダイゼーション;それぞれ2×SSC緩衝液中室温で15分間の2度の洗浄;およびそれぞれ0.5×SSC緩衝液中65℃、20分間の2度の洗浄。
高厳密性:5×〜6×SSC緩衝液中65〜70℃、16〜20時間のハイブリダイゼーション;それぞれ2×SSC緩衝液中室温で5〜20分間の2度の洗浄;およびそれぞれ1×SSC緩衝液中55〜70℃、30分間の2度の洗浄。
中程度の厳密性:6×SSC緩衝液中室温から55℃で16〜20時間のハイブリダイゼーション;それぞれ2×〜3×SSC緩衝液中室温から55℃で20〜30分間の少なくとも2度の洗浄。
超高厳密性:5×SSC緩衝液中65℃、16時間のハイブリダイゼーション;それぞれ2×SSC緩衝液中室温で15分間の2度の洗浄;およびそれぞれ0.5×SSC緩衝液中65℃、20分間の2度の洗浄。
高厳密性:5×〜6×SSC緩衝液中65〜70℃、16〜20時間のハイブリダイゼーション;それぞれ2×SSC緩衝液中室温で5〜20分間の2度の洗浄;およびそれぞれ1×SSC緩衝液中55〜70℃、30分間の2度の洗浄。
中程度の厳密性:6×SSC緩衝液中室温から55℃で16〜20時間のハイブリダイゼーション;それぞれ2×〜3×SSC緩衝液中室温から55℃で20〜30分間の少なくとも2度の洗浄。
特定の実施形態では、特異的にハイブリダイズ可能な核酸分子は超高厳密性ハイブリダイゼーション条件下で結合したままでいることが可能である。これらのおよびさらなる実施形態では、特異的にハイブリダイズ可能な核酸分子は高厳密性ハイブリダイゼーション条件下で結合したままでいることが可能である。これらのおよびさらなる実施形態では、特異的にハイブリダイズ可能な核酸分子は中程度の厳密性ハイブリダイゼーション条件下で結合したままでいることが可能である。
オリゴヌクレオチド:オリゴヌクレオチドは短い核酸ポリマーである。オリゴヌクレオチドはより長い核酸セグメントの切断により、または個々のヌクレオチド前駆体を重合化することにより形成することができる。自動合成装置を使えば、数百塩基対長までのオリゴヌクレオチドの合成が可能になる。オリゴヌクレオチドは相補的ヌクレオチド配列に結合することができるので、DNAまたはRNAを検出するためのプローブとして使用することができる。DNAで構成されたオリゴヌクレオチド(オリゴデオキシリボヌクレオチド)は、小さなDNA配列を増幅するための技法であるPCRにおいて使用することができる。PCRでは、オリゴヌクレオチドは典型的には「プライマー」と呼ばれ、このプライマーによりDNAポリメラーゼはオリゴヌクレオチドを伸長して相補鎖を複製することが可能になる。
配列同一性:本明細書で使用される用語「配列同一性」または「同一性」とは、2つの核酸またはポリペプチド配列という文脈では、特定の比較窓にわたって最大一致を求めて整列させた場合同じである2つの配列中の残基を指す。
本明細書で使用されるように、用語「配列同一性のパーセンテージ」とは、2つの最適に整列された配列(例えば、核酸配列およびアミノ酸配列)を比較窓にわたって比較することにより決定される値を指すことがあり、比較窓内の配列の一部が2つの配列の最適整列のための基準配列(付加も欠失も含まない)と比べて付加または欠失(すなわち、ギャップ)を含むことがある。パーセンテージは、両方の配列に同一のヌクレオチドまたはアミノ酸残基が存在する位置の数を決定して、マッチした位置の数を得て、マッチした位置の数を比較窓中の位置の総数で割り、その結果に100を掛けて配列同一性のパーセンテージを得ることにより計算される。
比較するために配列を整列させる方法は当技術分野では周知である。種々のプログラムおよび整列アルゴリズムが、例えば、Smith and Waterman (1981) Adv. Appl. Math. 2:482; Needleman and Wunsch (1970) J. Mol. Biol. 48:443; Pearson and Lipman (1988) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 85:2444; Higgins and Sharp (1988) Gene 73:237-44; Higgins and Sharp (1989) CABIOS 5: 151-3; Corpet et al. (1988) Nucleic Acids Res. 16: 10881-90; Huang et al. (1992) Comp. Appl. Biosci. 8:155-65; Pearson et al. (1994) Methods Mol. Biol. 24:307-31; Tatiana et al. (1999) FEMS Microbiol. Lett. 174:247-50に記載されている。配列整列法および相同性計算の詳細な考察は、例えば、Altschul et al. (1990) J. Mol. Biol. 215:403-10に見出すことができる。
国立バイオテクノロジー情報センター(NCBI)Basic Local Alignment Search Tool(BLAST(登録商標);Altschul et al. (1990))は、いくつかの配列解析プログラムと接続して使用するための、国立バイオテクノロジー情報センター(Bethesda、MD)およびインターネット上を含むいくつかの供給源から入手可能である。このプログラムを使用して配列同一性を決定する方法の説明は、インターネット上のBLAST(登録商標)の「help」セクション下で入手可能である。核酸配列の比較では、BLAST(登録商標)(Blastn)プログラムの「Blast2配列」機能はデフォルトパラメータを使用して用いることができる。基準配列に対してはるかに大きな類似性のある核酸配列は、この方法によって評価する場合、パーセンテージ同一性の増加を示すことになる。
作動可能に連結された:第1の核酸配列は、その第1の核酸配列が第2の核酸配列と機能的な関係にある場合、第2の核酸配列と作動可能に連結している。例えば、プロモーターは、そのプロモーターがコード配列の転写または発現に影響を及ぼす場合、そのコード配列と作動可能に連結している。組換え的に産生される場合、作動可能に連結された核酸配列は一般に連続しており、必要に応じて、同じリーディングフレームに2つのタンパク質コード領域をつなぎ合わせる。しかし、エレメントは作動可能に連結されるためには連続している必要はない。
プロモーター:DNAのうち一般に上流(遺伝子の5’領域の方向)に位置しており転写に必要な領域。プロモーターはそれが制御している遺伝子の適切な活性化または抑制を可能にすることができる。プロモーターは、転写因子により認識される特異的な配列を含有することができる。これらの因子はプロモーターDNA配列に結合して、遺伝子のコード領域からRNAを合成する酵素であるRNAポリメラーゼを動員することができる。
形質転換された:核酸分子が細胞ゲノム内に組み込まれることによりまたはエピソーム複製により、その核酸分子が細胞によって安定的に複製される場合、細胞内に形質導入される核酸分子により細胞は「形質転換され」る。本明細書で使用されるように、用語「形質転換」は核酸分子をそのような細胞内に導入することが可能となるあらゆる技法を包含する。例には、ウイルスベクターを用いたトランスフェクション;プラスミドベクターを用いた形質転換;エレクトロポレーション(Fromm et al. (1986) Nature 319:791-3);リポフェクション(Feigner et al. (1987) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84:7413-7);マイクロインジェクション(Mueller et al. (1978) Cell 15:579-85);アグロバクテリウム(Agrobacterium)媒介移入(Fraley et al. (1983) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 80:4803-7);直接DNA取込み;ウィスカー媒介形質転換;および微粒子銃(Klein et al. (1987) Nature 327:70)が含まれるが、これらに限定されない。
トランス遺伝子:外来性核酸配列。一実施例では、トランス遺伝子は遺伝子配列(例えば、除草剤抵抗性遺伝子)、産業的にもしくは薬学的に有用な化合物をコードする遺伝子、または望ましい農業形質をコードする遺伝子である。さらに別の実施例では、トランス遺伝子はアンチセンス核酸配列であり、このアンチセンス核酸配列の発現が標的核酸配列の発現を阻害する。トランス遺伝子はトランス遺伝子に作動可能に連結した調節配列(例えば、プロモーター)を含有することができる。いくつかの実施形態では、対象のポリヌクレオチド配列はトランス遺伝子である。しかし、他の実施形態では、対象のポリヌクレオチド配列は、内在性核酸配列の追加のゲノムコピーが望ましい内在性核酸配列、または宿主生物における標的核酸分子の配列に関してアンチセンス配向である核酸配列である。
トランスジェニックイベント:トランスジェニック「イベント」は、異種DNA、すなわち、対象のトランス遺伝子を含む核酸構築物を用いた植物細胞の形質転換、トランス遺伝子の植物のゲノム内への挿入から生じる植物個体群の再生、および特定のゲノム位置への挿入により特徴付けられる特定の植物の選択により生じる。用語「イベント」とは、異種DNAを含む最初の形質転換体およびその形質転換体の子孫を指す。用語「イベント」とは、形質転換体とゲノム/トランス遺伝子DNAを含む別の変種との間での性的異系交雑により生み出される子孫も指す。反復親への反復戻し交雑の後でさえ、形質転換された親由来の挿入されたトランス遺伝子DNAおよび隣接ゲノムDNA(ゲノム/トランス遺伝子DNA)は交雑種の子孫に同じ染色体位置で存在する。用語「イベント」とは、挿入されたDNAを含む1つの親系統(例えば、最初の形質転換体と自家受粉から生じる子孫)と挿入されたDNAを含有しない親系統の性的交雑の結果として対象のトランス遺伝子を含む挿入されたDNAを受ける子孫に移入されると予想される挿入されたDNAおよび挿入されたDNAに直に隣接するフランキングゲノム配列を含む最初の形質転換体およびその子孫由来のDNAも指す。
ベクター:細胞内に導入され、それによって形質転換細胞を生産する核酸分子。ベクターは、複製起点などの、宿主細胞においてベクターの複製を可能にする核酸配列を含むことができる。例には、外来性DNAを細胞内に運ぶプラスミド、コスミド、バクテリオファージ、またはウイルスが含まれるが、これらに限定されない。ベクターは、1つもしくは複数の遺伝子、アンチセンス分子、および/または選択可能マーカー遺伝子ならびに当技術分野では公知の他の遺伝子エレメントを含むことも可能である。ベクターは、細胞に形質導入する、細胞を形質転換する、または細胞に感染し、それによって細胞にベクターによりコードされている核酸分子および/またはタンパク質を発現させることができる。ベクターは、場合により、核酸分子の細胞内への侵入を助ける材料(例えば、リポソーム、タンパク質コーディングなど)を含んでいてもよい。
別途具体的に説明されていなければ、本明細書で使用される専門用語および科学用語はすべて本開示が属する分野の当業者であれば一般に理解しているのと同じ意味を有する。分子生物学における一般的用語の定義は、例えば、Lewin, Genes V, Oxford University Press, 1994 (ISBN 0- 19-854287-9); Kendrew et al. (eds.), The Encyclopedia of Molecular Biology, Blackwell Science Ltd., 1994 (ISBN 0-632-021 82-9); およびMeyers (ed.), Molecular Biology and Biotechnology: A Comprehensive Desk Reference, VCH Publishers, Inc., 1995 (ISBN 1-56081-569-8)に見出すことができる。
本明細書で使用されるように、冠詞「1つ(a)」、「1つ(an)」、および「その(the)」は、文脈が別途明白におよび明確に指示していなければ複数の参照を含む。
IV.合成二方向性プロモーター、CsVMVまたはAtUBI10、およびそれを含む核酸
本開示は二方向性プロモーターとして機能することができる合成ヌクレオチド配列を含む核酸分子を提供する。いくつかの実施形態では、合成CsVMV二方向性プロモーターは1つまたは2つの、対象のポリヌクレオチド配列(複数可)に作動可能に連結することができる。例えば、合成CsVMV二方向性プロモーターは、対象のヌクレオチド配列(複数可)の少なくとも1つ(例えば、1つまたは両方)の転写を調節するように、遺伝子をコードする1つまたは2つの、対象のポリヌクレオチド配列(複数可)(例えば、プロモーターの各側に1つずつの2つの遺伝子)に作動可能に連結することができる。いくつかの実施形態では、CsVMVプロモーター由来のURSを合成CsVMV二方向性プロモーターに組み込むことにより、特定の発現および調節パターン(例えば、CsVMVプロモーターの制御下の遺伝子により示されるパターンなどの)を、合成CsVMV二方向性プロモーターに作動可能に連結されている対象のポリヌクレオチド配列に関して達成することができる。他の実施形態では、AtUbi10プロモーター由来のURSを合成CsVMV二方向性プロモーターに組み込むことによって、合成CsVMV二方向性プロモーターに作動可能に連結されている対象のポリヌクレオチド配列に関して特定の発現および調節パターン(例えば、AtUbi10プロモーターの制御下の遺伝子により示されるなどの)を達成することができる。
本開示は二方向性プロモーターとして機能することができる合成ヌクレオチド配列を含む核酸分子を提供する。いくつかの実施形態では、合成CsVMV二方向性プロモーターは1つまたは2つの、対象のポリヌクレオチド配列(複数可)に作動可能に連結することができる。例えば、合成CsVMV二方向性プロモーターは、対象のヌクレオチド配列(複数可)の少なくとも1つ(例えば、1つまたは両方)の転写を調節するように、遺伝子をコードする1つまたは2つの、対象のポリヌクレオチド配列(複数可)(例えば、プロモーターの各側に1つずつの2つの遺伝子)に作動可能に連結することができる。いくつかの実施形態では、CsVMVプロモーター由来のURSを合成CsVMV二方向性プロモーターに組み込むことにより、特定の発現および調節パターン(例えば、CsVMVプロモーターの制御下の遺伝子により示されるパターンなどの)を、合成CsVMV二方向性プロモーターに作動可能に連結されている対象のポリヌクレオチド配列に関して達成することができる。他の実施形態では、AtUbi10プロモーター由来のURSを合成CsVMV二方向性プロモーターに組み込むことによって、合成CsVMV二方向性プロモーターに作動可能に連結されている対象のポリヌクレオチド配列に関して特定の発現および調節パターン(例えば、AtUbi10プロモーターの制御下の遺伝子により示されるなどの)を達成することができる。
本発明のいくつかの実施形態は、一方向性シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)ユビキチン10遺伝子(AtUbi10)プロモーター由来のミニマルコアプロモーターエレメントを天然のプロモーターの分子文脈とは異なる分子文脈に組み込んで合成CsVMV二方向性プロモーターを工学的に作製することにより本明細書中に例示される。このミニマルコアプロモーターエレメントは本明細書では「minUbi10P」と呼ばれ、おおよそ140bp長である。minUbi10Pエレメントの塩基配列決定および解析により、minUbi10Pエレメントが、例えば、配列番号1のminUbi10Pエレメントに対して少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、および/または少なくとも約100%配列同一性を共有している場合、転写のイニシエータとしてその機能を保持できることが明らかにされた。本発明のいくつかの実施形態において有用であり得るminUbi10Pエレメントの特徴は、例えば、限定せずに、ヌクレオチド配列の前述の高度な保存、少なくとも1つのTATAボックスの存在を含むことができる。特定のminUbi10Pエレメントは、minUbi10P配列内で重複していることがある。
実施形態では、minUbi10Pエレメントを天然のプロモーターの分子文脈とは異なる分子文脈に組み込んで合成CsVMV二方向性プロモーターを工学的に作製するプロセスは、CsVMVまたはAtUbi10プロモーターの天然の配列に関してminUbi10Pエレメントの配向を逆転させつつ、minUbi10PエレメントをCsVMVプロモーター核酸またはAtUbi10プロモーター核酸中に組み込むことを含むことができる。したがって、合成CsVMVまたはAtUbi10二方向性プロモーターは、CsVMVまたはAtUbi10プロモーターヌクレオチド配列の5’側に位置する対象のポリヌクレオチド配列に作動可能に連結できるように、CsVMVまたはAtUbi10プロモーターヌクレオチド配列の5’側に、この配列に関して逆の配向で位置するminUbi10Pミニマルコアプロモーターエレメントを含むことができる。例えば、minUbi10PエレメントはCsVMVまたはAtUbi10プロモーターの5’末端に逆の配向で組み込むことができる。
本発明のいくつかの実施形態は、一方向性キャッサバ葉脈モザイクウイルス遺伝子(CsVMV)プロモーター由来のミニマルコアプロモーターエレメントを天然のプロモーターの分子文脈とは異なる分子文脈中に組み込んで合成CsVMV二方向性プロモーターを工学的に作製することにより本明細書中に例示される。このミニマルコアプロモーターエレメントは本明細書では「minCsVMVP」と呼ばれ、おおよそ123bp長である。minCsVMVPエレメントの塩基配列決定および解析によれば、このエレメントが、例えば、配列番号5のminCsVMVPエレメントに対して少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、および/または少なくとも約100%配列同一性を共有している場合、転写のイニシエータとしてその機能を保存することができる。本発明のいくつかの実施形態において有用であり得るminCsVMVPエレメントの特徴は、例えば、限定せずに、ヌクレオチド配列の前述の高度な保存;少なくとも1つのTATAボックスの存在を含むことができる。特に、minCsVMVPエレメントはminCsVMVP配列内で重複していることがある。
実施形態では、minCsVMVPエレメントを天然のプロモーターの分子文脈とは異なる分子文脈中に組み込んで合成CsVMV二方向性プロモーターを工学的に作製するプロセスは、CsVMVまたはAtUbi10プロモーターの残りの配列に関してminCsVMVPエレメントの配向を逆転させつつ、minCsVMVPエレメントをCsVMVプロモーター核酸またはAtUbi10プロモーター核酸中に組み込むことを含むことができる。したがって、合成CsVMVまたはAtUbi10二方向性プロモーターは、CsVMVまたはAtUbi10プロモーターヌクレオチド配列の5’側に位置する対象のポリヌクレオチド配列に作動可能に連結できるように、CsVMVまたはAtUbi10プロモーターヌクレオチド配列の5’側に、この配列に関して逆の配向で位置するminCsVMVPミニマルコアプロモーターエレメントを含むことができる。例えば、minCsVMVPエレメントをCsVMVまたはAtUbi10プロモーターの5’末端に逆の配向で組み込むことができる。
合成CsVMV二方向性プロモーターは、minUbi10PエレメントおよびminCsVMVPを含む天然のCsVMVプロモーターのエレメントに加えて、1つまたは複数の追加の配列エレメントも含むことができる。いくつかの実施形態では、合成CsVMV二方向性プロモーターは、プロモーターURS;エキソン(例えば、リーダーまたはシグナルペプチド);イントロン;スペーサー配列;および/または前述のいずれかのうちの1つまたは複数の組合せを含むことができる。例えば、限定せずに、合成CsVMV二方向性プロモーターは、CsVMVプロモーター由来のURS配列;ADH遺伝子由来のイントロン;AtUbi10遺伝子由来のリーダーペプチドをコードするエキソン;AtUbi10遺伝子由来のイントロン;およびこれらの組合せを含むことができる。
合成二方向性AtUbi10プロモーターは、minCsVMVPエレメントおよびminUbi10Pを含む天然のAtUbi10プロモーターのエレメントに加えて、1つまたは複数の追加の配列エレメントも含むことができる。いくつかの実施形態では、合成二方向性AtUbi10プロモーターは、プロモーターURS、エキソン(例えば、リーダーまたはシグナルペプチド)、イントロン、スペーサー配列、および/または前述のいずれかのうちの1つまたは複数の組合せを含むことができる。例えば、限定せずに、合成二方向性AtUbi10プロモーターは、AtUbi10プロモーター由来のURS配列、ADH遺伝子由来のイントロン、AtUbi10遺伝子由来のリーダーペプチドをコードするエキソン、AtUbi10遺伝子由来のイントロン、およびこれらの組合せを含むことができる。
プロモーターURSを含むプロモーターのいくつかの実施形態では、URSは合成プロモーターに特定の調節特性を付与するように選択することができる。公知のプロモーターは、それが作動可能に連結された遺伝子に対して行使する制御の種類(例えば、環境応答、発生合図、および空間情報)のばらつきが大きく、異種プロモーターに取り込まれるURSは典型的には、そのURSがその天然のプロモーターと作動可能に連結された遺伝子(複数可)に関して示す制御の種類を維持する。Langridge et al. (1989)上記。既に特徴付けられており、いくつかの実施形態に従う合成二方向性トウモロコシ(Zea Mays)ユビキチン1プロモーター内に含まれるURSを含有することがある真核生物プロモーターの例には、例えば、限定せずに、米国特許第6,437,217号明細書(トウモロコシRS81プロモーター);米国特許第5,641,876号明細書(イネアクチンプロモーター);米国特許第6,426,446号明細書(トウモロコシRS324プロモーター);米国特許第6,429,362号明細書(トウモロコシPR−1プロモーター);米国特許第6,232,526号明細書(トウモロコシA3プロモーター);米国特許第6,177,611号明細書(構成的トウモロコシプロモーター);米国特許第6,433,252号明細書(トウモロコシL3オレオシンプロモーター);米国特許第6,429,357号明細書(イネアクチン2プロモーター、およびイネアクチン2イントロン);米国特許第5,837,848号明細書(根特異的プロモーター);米国特許第6,294,714号明細書(光誘発性プロモーター);米国特許第6,140,078号明細書(塩誘発性プロモーター);米国特許第6,252,138号明細書(病原菌誘発性プロモーター);米国特許第6,175,060号明細書(亜リン酸欠損誘発性プロモーター);米国特許第6,388,170号明細書(二方向性プロモーター);米国特許第6,635,806号明細書(ガンマコイキシン(gamma-coixin)プロモーター);および米国特許出願公開第09/757,089号明細書(トウモロコシ葉緑体アルドラーゼプロモーター)に記載されるプロモーターが含まれる。
追加の例示的な原核生物プロモーターには、ノパリンシンターゼ(NOS)プロモーター(Ebert et al. (1987) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84(16):5745-9);オクトピンシンターゼ(OCS)プロモーター(アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)の腫瘍誘発プラスミド上に担持されている);カリフラワーモザイクウイルス(CaMV)19Sプロモーターなどのカリモウイルスプロモーター(Law ton et al. (1987) Plant Mol. Biol. 9:315-24);CaMV35Sプロモーター(Odell et al. (1985) Nature 313:810-2;ゴマノハグサ(figwort)モザイクウイルス35S−プロモーター(Walker et al. (1987) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84(19):6624-8);スクロースシンターゼプロモーター(Yang and Russell (1990) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:4144-8);R遺伝子複合体プロモーター(Chandler et al. (1989) Plant Cell 1:1175-83);CaMV35S(米国特許第5,322,938号明細書、米国特許第5,352,605号明細書、米国特許第5,359,142号明細書、および米国特許第5,530,196号明細書);FMV35S(米国特許第6,051,753号明細書、および米国特許第5,378,619号明細書);PC1SVプロモーター(米国特許第5,850,019号明細書);SCP1プロモーター(米国特許第6,677,503号明細書);およびアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)Nosプロモーター(GenBank Accession No.V00087; Depicker et al. (1982) J. Mol. Appl. Genet.1 :561-73; Bevan et al. (1983) Nature 304: 184-7)などが含まれる。
いくつかの実施形態では、合成CsVMV二方向性プロモーターはさらにエキソンを含むことができる。例えば、プロモーターに作動可能に連結された対象のポリヌクレオチド配列によりコードされるポリペプチドを特定の細胞内位置および/または区画に対して標的化するまたは運ぶことが望ましい場合がある。これらのおよび他の実施形態では、コード配列(エキソン)は、残りの合成CsVMV二方向性プロモーター配列とポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の間の核酸分子内に組み込むことができる。これらのエレメントは、合成CsVMV二方向性プロモーターが、ポリペプチドの残りと機能的な関係にある組み込まれたコード配列によりコードされたペプチドを含むポリペプチド(またはプロモーターに作動可能に連結されている2つのポリペプチドコード配列のうちの1つもしくは両方)の発現を促進するように、当業者の裁量に従って配置することができる。特定の例では、リーダー、輸送、またはシグナルペプチド(例えば、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)Ubi10リーダーペプチド)をコードするエキソンを組み込むことができる。
合成CsVMV二方向性プロモーターに組み込まれたエキソンがコードすることができるペプチドには、例えば、限定せずに、ユビキチン(例えば、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)Ubi10)リーダーペプチド、葉緑体輸送ペプチド(CTP)(例えば、シロイヌナズナ(A. thaliana)EPSPS CTP(Klee et al. (1987) Mol. Gen. Genet. 210:437-42))、およびペチュニア(Petunia hybrida)EPSPS CTP(della-Cioppa et al. (1986) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 83:6873-7))が含まれ、ジカンバモノオキシゲナーゼ(DMO)の葉緑体ターゲティングについてPCT国際公開第2008/105890号パンフレットに例証されている。
本発明のいくつかの実施形態では、イントロンも合成CsVMV二方向性プロモーター中に、例えば、残りの合成CsVMV二方向性プロモーター配列とそのプロモーターに作動可能に連結されている対象のポリヌクレオチド配列の間に組み込むことができる。いくつかの例では、合成CsVMV二方向性プロモーター中に組み込まれるイントロンは、限定せずに、翻訳開始配列の上流の完全にプロセシングされたmRNAに存在する翻訳リーダー配列として機能する5’UTRであってよい(そのような翻訳リーダー配列は、一次転写物のmRNAへのプロセシング、mRNA安定性、および/または翻訳効率に影響を及ぼすことがある)。翻訳リーダー配列の例には、トウモロコシおよびペチュニア熱ショックタンパク質リーダー(米国特許第5,362,865号明細書)、植物ウイルス外皮タンパク質リーダー、植物ルビスコリーダー、および他のものが含まれる。例えば、Turner and Foster (1995) Molecular Biotech. 3(3):225-36を参照されたい。5’UTRの非限定的例には、GmHsp(米国特許第5,659,122号明細書)、PhDnaK(米国特許第5,362,865号明細書)、AtAntl、TEV(Carrington and Freed (1990) J. Virol. 64: 1590-7)、およびAGRtunos(GenBank Accession No.V00087,およびBevan et al. (1983) Nature 304: 184-7)が含まれる。特定の実施例では、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)ユビキチン10イントロンを合成CsVMV二方向性プロモーターに組み込むことができる。
場合によっては合成CsVMV二方向性プロモーター内に組み込んでもよい追加の配列には、例えば、限定せずに、3’非翻訳配列、3’転写終結領域、およびポリアデニル化領域が含まれる。これらは対象のポリヌクレオチド配列(例えば、合成CsVMV二方向性プロモーターに作動可能に連結されている対象の遺伝子配列)の下流に位置する遺伝子エレメントであり、ポリアデニル化シグナル、および/または転写、mRNAプロセシング、もしくは遺伝子発現に影響を及ぼすことができる他の調節シグナルとなるポリヌクレオチドが含まれる。ポリアデニル化シグナルは、mRNA前駆体の3’末端へのポリアデニル酸ヌクレオチドの付加を引き起こすように植物内で機能することができる。ポリアデニル化配列は、天然の遺伝子由来でも、種々の植物遺伝子由来でも、またはT−DNA遺伝子由来でもよい。3’転写終結領域の非限定的例はノパリンシンターゼ3’領域(nos 3'; Fraley et al. (1983) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 80:4803-7)である。異なる3’非翻訳領域の使用の例は、Ingelbrecht et al, (1989) Plant Cell 1 :671-80に提示されている。ポリアデニル化シグナルの非限定的例には、エンドウマメ(Pisum sativum)RbcS2遺伝子(Ps.RbcS2-E9; Coruzzi et al. (1984) EMBO J. 3: 1671-9)およびアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)Nos遺伝子(GenBank Accession No. E01312)由来のシグナルが含まれる。
いくつかの実施形態では、合成CsVMV二方向性プロモーターはプロモーターを含む核酸を標的生物のゲノムの特定の遺伝子座に対して標的化することを促進する1つまたは複数のヌクレオチド配列(複数可)を含む。例えば、宿主中のゲノムDNA配列のセグメント(例えば、珍しいまたは独特のゲノムDNA配列)に相同である1つまたは複数の配列を含むことができる。いくつかの例では、これらの相同配列は、宿主ゲノム中の相同DNAの部位で合成CsVMV二方向性プロモーターを含む核酸の組換えおよび組入れを導くことができる。特定の例では、合成CsVMV二方向性プロモーターは、珍しいまたは独特の位置で配列を認識してその珍しいまたは独特の位置での組入れを促進する、工学的に操作されたヌクレアーゼ酵素を利用して、このプロモーターを含む核酸を宿主ゲノムのその珍しいまたは独特の位置に対して標的化することを促進する1つまたは複数のヌクレオチド配列を含む。ヌクレアーゼ酵素として亜鉛フィンガーエンドヌクレアーゼを用いるそのような標的組入れシステムは米国特許出願公開第13/011,735号明細書に記載されている。この特許文献全体の内容はこの参照により本明細書に組み込まれる。
他の実施形態では、本開示は、形質を含む対象のポリヌクレオチド配列を実施形態としてさらに含む。形質は殺虫剤抵抗性形質、除草剤耐性形質、窒素利用効率形質、水利用効率形質、栄養価形質、DNA結合形質、選択可能マーカー形質、およびその任意の組合せであり得る。
さらなる実施形態では、形質はトランスジェニックイベントとしてトランスジェニック植物細胞内に組み入れられる。追加の実施形態では、トランスジェニックイベントは商品生産物を生産する。したがって、組成物は主題の開示のトランスジェニック植物細胞由来であり、前記組成物はミール、小麦粉、タンパク質濃縮物、または油からなる群から選択される商品生産物である。さらなる実施形態では、形質転換植物細胞由来のトランスジェニック植物により生産される商品生産物が含まれ、商品生産物は検出可能な量の本発明の核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、そのような商品生産物は、例えば、トランスジェニック植物を入手しそれから食物または餌を調製することにより生産することができる。本発明の核酸配列のうちの1つまたは複数を含む商品生産物には、例えば、限定せずに、ミール、油、破砕もしくは全粒穀物または植物の種、および本発明の核酸配列のうちの1つまたは複数を含む組換え植物または種子の任意のミール、油、または破砕もしくは全粒穀物を含む任意の食品生産物が含まれる。1つまたは複数の商品または商品生産物中の本発明の配列のうちの1つまたは複数が検出されれば、その商品または商品生産物が1つまたは複数の農学的形質を発現するように設計されたトランスジェニック植物から生産されていることの事実上の証拠である。
合成CsVMV二方向性プロモーターを含む核酸は、例えば、限定せずに、RCA、PCR増幅、RT−PCR増幅、OLA、およびSNuPEを含む、当技術分野で公知の任意の技法を使用して生産することができる。これらのおよび他の等価な技法は当業者には周知であり、例えば、限定せずに、さらにSambrook et al. Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 3rdEd., Cold Spring Harbor Laboratory, 2001;およびAusubel et al. Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, 1998に詳細に記載されている。上で引用した参考文献はすべて、前述のマニュアルの両方を含み、この参照により、そこに提供される任意の図、図式、および/または表を含め、その全体が本明細書に組み込まれる。
V.合成二方向性プロモーター、CsVMVを含む核酸分子の細胞への送達
本開示は合成CsVMV二方向性プロモーターを含む核酸分子で細胞を形質転換するための方法も提供する。核酸分子を植物内に導入するための当技術分野で公知の多数の技法のうちの任意のもの使用して、いくつかの実施形態に従う合成CsVMV二方向性プロモーターを含む核酸分子で植物を形質転換し、例えば、1つもしくは複数の合成CsVMV二方向性プロモーターを宿主植物ゲノム内に導入し、および/またはこのプロモーターに作動可能に連結された1つもしくは複数の、対象のポリヌクレオチドをさらに導入することができる。
本開示は合成CsVMV二方向性プロモーターを含む核酸分子で細胞を形質転換するための方法も提供する。核酸分子を植物内に導入するための当技術分野で公知の多数の技法のうちの任意のもの使用して、いくつかの実施形態に従う合成CsVMV二方向性プロモーターを含む核酸分子で植物を形質転換し、例えば、1つもしくは複数の合成CsVMV二方向性プロモーターを宿主植物ゲノム内に導入し、および/またはこのプロモーターに作動可能に連結された1つもしくは複数の、対象のポリヌクレオチドをさらに導入することができる。
植物の形質転換に適した方法には、DNAを細胞内に導入することが可能であるいかなる方法でも、例えば、限定せずに、エレクトロポレーション(例えば、米国特許第5,384,253号明細書参照)、微粒子銃(例えば、米国特許第5,015,580号明細書、米国特許第5,550,318号明細書、米国特許第5,538,880号明細書、米国特許第6,160,208号明細書、米国特許第6,399,861号明細書、および米国特許第6,403,865号明細書参照)、アグロバクテリウム(Agrobacterium)媒介形質転換(例えば、米国特許第5,635,055号明細書、米国特許第5,824,877号明細書、米国特許第5,591,616号明細書、米国特許第5,981,840号明細書、および米国特許第6,384,301号明細書参照)、およびプロトプラスト形質転換(例えば、米国特許第5,508,184号明細書参照)が含まれる。前述の技法などの技法の適用を通じて、実質的にいかなる植物種の細胞でも安定的に形質転換することができ、これらの細胞は当業者には公知の技法によってトランスジェニック植物に成長させることができる。例えば、ワタ形質転換という文脈において特に有用であり得る技法は米国特許第5,846,797号明細書、米国特許第5,159,135号明細書、米国特許第5,004,863号明細書、および米国特許第6,624,344号明細書に記載されており;特にアブラナ属(Brassica)植物の形質転換のための技法は、例えば、米国特許第5,750,871号明細書に記載されており;ダイズの形質転換のための技法は、例えば、米国特許第6,384,301号明細書に記載されており;ならびにトウモロコシの形質転換のための技法は、例えば、米国特許第7,060,876号明細書、米国特許第5,591,616号明細書、およびPCT国際公開第95/06722号パンフレットに記載されている。
受容細胞への外来性核酸の送達がもたらされた後、形質転換細胞は一般に、さらなる培養および植物体再生のために同定される。形質転換体を同定する能力を改善するために、形質転換体を生成するのに使用する形質転換ベクターと一緒に選択可能またはスクリーニング可能マーカー遺伝子を用いようとすることもある。この場合、潜在的に形質転換された細胞集団は、細胞を選択剤(複数可)に曝露することによりアッセイすることが可能である、または細胞は所望のマーカー遺伝子形質についてスクリーニングすることが可能である。
選択剤への曝露されても生き延びる細胞、またはスクリーニングアッセイにおいてプラスのスコアが付いた細胞は、植物体の再生を支持する培地で培養することができる。いくつかの実施形態では、いかなる適切な植物組織培養培地(例えば、MSおよびN6培地)でも、成長調節物質などのさらなる物質を含むことにより改変することができる。組織は、植物体再生の試みを開始するのに十分な組織が入手可能になるまで、または反復ラウンドの手動選択に続いて、組織の形態が再生に適するまで(例えば、少なくとも2週間)成長調節物質を備えた基本培地上に維持し、その後、苗条形成を促す培地に移す。培養物は、十分な苗条形成が生じ終えるまで定期的に移される。苗条が形成された後は根形成を促す培地に移される。十分な根が形成された後は、植物体はさらなる成長と成熟のために土壌に移すことが可能である。
再生中の植物での合成CsVMV二方向性プロモーターを含む所望の核酸分子の存在を確かめるため、種々のアッセイを実施することができる。そのようなアッセイには、例えば、サザンおよびノーザンブロッティングとPCRなどの分子生物学的アッセイ;例えば、免疫学的手段(ELISAおよび/またはウェスタンブロット)または酵素的機能によりタンパク質産物の存在を検出するなどの生化学的アッセイ;葉または根アッセイなどの植物部分アッセイ;ならびに全再生植物の表現型の分析が含まれる。
標的組入れイベントは、例えば、例えば対象の核酸分子に対して特異的なオリゴヌクレオチドプライマーを使用するPCR増幅によりスクリーニングすることができる。PCR遺伝子型判定は、ゲノムに組み入れられた対象の核酸分子を含有すると予想される単離された宿主植物カスル組織由来のゲノムDNAのポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅、それに続くPCR増幅産物の標準クローニングおよび配列解析を含むが、これらに限定されないと理解されている。PCR遺伝子型判定の方法は十分に説明されており(例えば、Rios et al. (2002) Plant J. 32:243-53参照)、細胞培養物を含むいかなる植物種または組織型由来のゲノムDNAにも適用することができる。標的配列と導入された配列の両方に結合するオリゴヌクレオチドプライマーの組合せをPCR増幅反応において順次使用するまたは複数同時に用いることができる。標的部位、導入された核酸配列、および/またはこれらの2つの組合せにアニールするように設計されたオリゴヌクレオチドプライマーを作製することができる。したがって、PCR遺伝子型判定戦略は、例えば、限定せずに、植物ゲノム中の特異的配列の増幅、植物ゲノム中の複数の特異的配列の増幅、植物ゲノム中の非特異的配列の増幅、および前述のいずれかの組合せを含むことができる。当業者であれば、プライマーと増幅反応の追加の組合せを考案してゲノムを調べることができる。例えば、導入された核酸配列の境界の外側の標的に特異的な核酸配列(複数可)にアニールするように一組のフォワードおよびリバースオリゴヌクレオチドプライマーを設計することができる。
導入された核酸分子に、例えば、そこに含まれる対象のポリヌクレオチド配列内のコード領域に対応する配列で、または核酸分子の他の部分に特異的にアニールするようにフォワードおよびリバースオリゴヌクレオチドプライマーを設計することができる。これらのプライマーは上に記載されるプライマーと併せて使用することができる。オリゴヌクレオチドプライマーは所望の配列に従って合成することができ、市販されている(例えば、Integrated DNA Technologies,Inc.、Coralville、IAより)。増幅に続いて、増幅産物のクローニングおよび塩基配列決定、または直接配列解析が可能である。当業者であれば、PCR遺伝子型判定中に生成される増幅産物の解析のための代わりの方法を想定してもよい。一実施形態では、遺伝子標的に特異的なオリゴヌクレオチドプライマーをPCR増幅において用いる。
VI.合成二方向性プロモーター、CsVMVを含む細胞、細胞培養物、組織、および生物
本発明のいくつかの実施形態は、例えば、核酸構築物中に存在することができる合成CsVMV二方向性プロモーターを含む細胞も提供する。特定の例では、いくつかの実施形態に従う合成CsVMV二方向性プロモーターは、植物細胞および植物においてトランス遺伝子の発現を調節するための調節配列として利用することができる。いくつかのそのような例では、対象のポリヌクレオチド配列(例えば、トランス遺伝子)に作動可能に連結された合成CsVMV二方向性プロモーターを使用すれば、所与の数の、対象のヌクレオチド配列の発現を調節するのに必要な相同プロモーターの数を減らし、および/または所与の数の、対象のヌクレオチド配列を導入するのに必要な核酸構築物(複数可)のサイズを減らすことができる。さらに、合成CsVMV二方向性プロモーターを使用すれば、同じ条件(すなわち、CsVMVプロモーターが活性である条件)下で2つの作動可能に連結された対象のポリヌクレオチド配列の同時発現が可能になる。そのような例は、例えば、2つの作動可能に連結された対象のヌクレオチド配列がそれぞれ、対象のヌクレオチド配列を含むトランスジェニック宿主における単一の形質に寄与し、対象のヌクレオチド配列の同時発現がトランスジェニック宿主におけるこの形質の発現に有利に影響する場合には、特に有用になり得る。
本発明のいくつかの実施形態は、例えば、核酸構築物中に存在することができる合成CsVMV二方向性プロモーターを含む細胞も提供する。特定の例では、いくつかの実施形態に従う合成CsVMV二方向性プロモーターは、植物細胞および植物においてトランス遺伝子の発現を調節するための調節配列として利用することができる。いくつかのそのような例では、対象のポリヌクレオチド配列(例えば、トランス遺伝子)に作動可能に連結された合成CsVMV二方向性プロモーターを使用すれば、所与の数の、対象のヌクレオチド配列の発現を調節するのに必要な相同プロモーターの数を減らし、および/または所与の数の、対象のヌクレオチド配列を導入するのに必要な核酸構築物(複数可)のサイズを減らすことができる。さらに、合成CsVMV二方向性プロモーターを使用すれば、同じ条件(すなわち、CsVMVプロモーターが活性である条件)下で2つの作動可能に連結された対象のポリヌクレオチド配列の同時発現が可能になる。そのような例は、例えば、2つの作動可能に連結された対象のヌクレオチド配列がそれぞれ、対象のヌクレオチド配列を含むトランスジェニック宿主における単一の形質に寄与し、対象のヌクレオチド配列の同時発現がトランスジェニック宿主におけるこの形質の発現に有利に影響する場合には、特に有用になり得る。
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の合成CsVMV二方向性プロモーター(複数可)および/または対象のヌクレオチド配列(複数可)を含むトランスジェニック植物は、植物中での、対象のヌクレオチド配列(複数可)の発現により付与される(例えば、導入される、増強される、または寄与される)1つまたは複数の望ましい形質を有することができる。そのような形質は、例えば、限定せずに、昆虫、他の有害生物、および病原体に対する抵抗性;除草剤に対する耐性;増強された安定性、収率、または貯蔵寿命;環境耐性;医薬品生産;工業製品生産;および栄養強化を含み得る。いくつかの例では、望ましい形質は、対象のポリヌクレオチド配列に作動可能に連結された合成CsVMV二方向性プロモーターを含む核酸分子で植物を形質転換することにより付与することができる。いくつかの例では、望ましい形質は、繁殖を介して後代植物として生産される植物に付与することができ、その形質は、合成CsVMV二方向性プロモーターに作動可能に連結された対象のポリヌクレオチド配列を含む親植物からその植物に渡される合成CsVMV二方向性プロモーターに作動可能に連結された1つまたは複数の、対象のヌクレオチド配列により付与することができる。
いくつかの実施形態に従うトランスジェニック植物は、本発明の核酸分子で形質転換すること、または本発明の核酸分子で形質転換された植物と繁殖させることができる任意の植物であってよい。したがって、植物は双子葉植物でも単子葉植物でもよい。いくつかの例で使用するための双子葉植物の非限定的例には、アルファルファ、マメ、ブロッコリー、キャベツ、キャノーラ、ニンジン、カリフラワー、セロリ、ハクサイ、ワタ、キュウリ、ナス、レタス、メロン、エンドウマメ、コショウ、ピーナッツ、ジャガイモ、カボチャ(pumpkin)、ダイコン、ナタネ、ホウレンソウ、ダイズ、カボチャ(squash)、サトウダイコン、ヒマワリ、タバコ、トマト、およびスイカが含まれる。いくつかの例で使用するための単子葉植物の非限定的例には、ヤマカモジグサ(Brachypodium)、コーン、タマネギ、イネ、モロコシ、コムギ、ライムギ、アワ、サトウキビ、カラスムギ、ライコムギ、スイッチグラス、および芝草が含まれる。
いくつかの実施形態では、トランスジェニック植物はいかなる様式でも使用するまたは栽培することができ、合成CsVMV二方向性プロモーターおよび/または作動可能に連結された対象のポリヌクレオチド配列が存在することが望ましい。したがって、そのようなトランスジェニック植物は、特に、本発明に従う核酸分子で形質転換されることにより1つまたは複数の所望の形質もしくはトランスジェニックイベントを有するように工学的に操作することができる、または当業者には公知のいかなる方法によっても収穫するもしくは栽培することができる。
以下の実施例は特定の特長および/または実施形態を説明するために提供される。実施例を、本開示を例証される特定の特長または実施形態に限定するものと解釈するべきではない。
[実施例]
[実施例]
キャッサバ葉脈モザイクウイルス(CsVMV)プロモーターエレメントのアノテーション
CsVMVプロモーター(配列番号9、図1)は517bpポリヌクレオチド配列である(米国特許第7,053,205号明細書)。ポリヌクレオチド配列は3つの部分に分割することが可能である。第1の部分は320bp、5’上流プロモーターポリヌクレオチド断片である。第2の部分は5’上流プロモーター部分(URS)の下流近位に位置している。第2の部分は123bpコアプロモーター(minCsVMVP)を含有している。これら2つのポリヌクレオチド断片の同定は元々米国特許出願公開第2005/0118432号明細書に記載された。この2つの部分は第3の部分にさらに結合している。第3の部分は74bp、5’非翻訳領域(UTR)であり、5’上流プロモーターと123bpコアプロモーターのさらに下流に位置している。
CsVMVプロモーター(配列番号9、図1)は517bpポリヌクレオチド配列である(米国特許第7,053,205号明細書)。ポリヌクレオチド配列は3つの部分に分割することが可能である。第1の部分は320bp、5’上流プロモーターポリヌクレオチド断片である。第2の部分は5’上流プロモーター部分(URS)の下流近位に位置している。第2の部分は123bpコアプロモーター(minCsVMVP)を含有している。これら2つのポリヌクレオチド断片の同定は元々米国特許出願公開第2005/0118432号明細書に記載された。この2つの部分は第3の部分にさらに結合している。第3の部分は74bp、5’非翻訳領域(UTR)であり、5’上流プロモーターと123bpコアプロモーターのさらに下流に位置している。
517bp CsVMVプロモーター断片のポリヌクレオチド配列は配列番号9として提供されている。320bp、5’上流プロモーターポリヌクレオチド断片はイタリックフォントで示され配列番号7として提示されている。123bpコアプロモーターは下線フォントで示され配列番号5として提示されている。74bp5’UTRは太字フォントで示され配列番号6として提示されている。したがって、配列番号9は以下の通りである。
シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)ユビキチン10(AtUBI10)プロモーターエレメントのアノテーション
AtUbi10プロモーター(配列番号8、図2)は1322bpポリヌクレオチド配列である(Callis, J., et al., (1995) Structure and evolution of genes encoding polyubiquitin and ubiquitin-like proteins in Arabidopsis thaliana ecotype columbia, Genetics, 139(2), 921-39)。ポリヌクレオチド配列は3つの部分に分割することが可能である。第1の部分は812bp、5’上流プロモーターポリヌクレオチド断片(URS)である。第2の部分は5’上流部分の下流近位に位置している。第2の部分は140bpミニマルコアプロモーター(minUbi10P)を含有している。この2つの部分は、イントロンと5’UTRで構成されている第3の部分にさらに結合している。5’UTRは66bp、5’非翻訳領域(UTR)であり、5’上流プロモーターと140bpコアプロモーターの直ぐ下流に位置している。304bpイントロンはポリヌクレオチド配列の最も遠くにある下流末端に位置している。
AtUbi10プロモーター(配列番号8、図2)は1322bpポリヌクレオチド配列である(Callis, J., et al., (1995) Structure and evolution of genes encoding polyubiquitin and ubiquitin-like proteins in Arabidopsis thaliana ecotype columbia, Genetics, 139(2), 921-39)。ポリヌクレオチド配列は3つの部分に分割することが可能である。第1の部分は812bp、5’上流プロモーターポリヌクレオチド断片(URS)である。第2の部分は5’上流部分の下流近位に位置している。第2の部分は140bpミニマルコアプロモーター(minUbi10P)を含有している。この2つの部分は、イントロンと5’UTRで構成されている第3の部分にさらに結合している。5’UTRは66bp、5’非翻訳領域(UTR)であり、5’上流プロモーターと140bpコアプロモーターの直ぐ下流に位置している。304bpイントロンはポリヌクレオチド配列の最も遠くにある下流末端に位置している。
1332bp AtUBi10プロモーター断片のポリヌクレオチド配列は配列番号8として提供されている。812bp、5’上流プロモーターポリヌクレオチド断片はイタリックフォントで示され配列番号4として提示されている。140bpミニマルコアプロモーターは下線フォントで示され配列番号1として提示されている。66bp、5’UTRは太字フォントで示され配列番号3として提示されている。304bpイントロンは小文字フォントで示され配列番号2として提示されている。したがって、配列番号8は以下の通りである。
二方向性プロモーターの設計
CsVMVおよびAtUBi10プロモーター由来の遺伝子調節エレメントを含有する第1の二方向性プロモーターを設計し、配列番号10として提示している。この二方向性プロモーターは、完全長AtUBI10プロモーター(塩基対198〜1,519)の5’末端に逆相補性配向で融合した部分的CsVMVプロモーター(塩基対1〜197)の配列を含有している。部分的CsVMVプロモーターの成分は、CsVMVミニマルコアプロモーターの123bp領域(塩基対75〜197で下線フォント;配列番号5)、およびCsVMV 5’非翻訳領域(塩基対1〜74で太字フォント;配列番号7)を含有する。完全長AtUbi10プロモーターの成分は、上流プロモーター領域(塩基対198〜1009でイタリックフォント;配列番号4)、AtUbi10ミニマルコアプロモーター(塩基対1010〜1149で二重下線フォント;配列番号1)、AtUbi10 5’非翻訳領域(塩基対1150〜1215で太字および下線フォント;配列番号3)およびAtUbi10イントロン(塩基対1216〜1519で小文字フォント;配列番号2)を含有している。したがって、配列番号10は以下の通りである。
CsVMVおよびAtUBi10プロモーター由来の遺伝子調節エレメントを含有する第1の二方向性プロモーターを設計し、配列番号10として提示している。この二方向性プロモーターは、完全長AtUBI10プロモーター(塩基対198〜1,519)の5’末端に逆相補性配向で融合した部分的CsVMVプロモーター(塩基対1〜197)の配列を含有している。部分的CsVMVプロモーターの成分は、CsVMVミニマルコアプロモーターの123bp領域(塩基対75〜197で下線フォント;配列番号5)、およびCsVMV 5’非翻訳領域(塩基対1〜74で太字フォント;配列番号7)を含有する。完全長AtUbi10プロモーターの成分は、上流プロモーター領域(塩基対198〜1009でイタリックフォント;配列番号4)、AtUbi10ミニマルコアプロモーター(塩基対1010〜1149で二重下線フォント;配列番号1)、AtUbi10 5’非翻訳領域(塩基対1150〜1215で太字および下線フォント;配列番号3)およびAtUbi10イントロン(塩基対1216〜1519で小文字フォント;配列番号2)を含有している。したがって、配列番号10は以下の通りである。
AtUbi10プロモーター由来の遺伝子調節エレメントを含有した第2の二方向性プロモーターが設計され配列番号11として提示されている。この二方向性プロモーターは、完全長AtUbi10プロモーター(塩基対511〜1832;配列番号4)の5’末端に逆相補性配向で融合されたAtUbi10プロモーターの部分的配列(塩基対1〜510)を含有している。部分的AtUbi10プロモーターの成分は、AtUbi10ミニマルコアプロモーターの140bp領域(下線フォント、塩基対371〜510;配列番号1)、AtUbi10 5’非翻訳領域(太字フォント、塩基対305〜370;配列番号3)、およびAtUbi10イントロン(小文字フォント、塩基対1〜304;配列番号2)を含有している。完全長AtUbi10プロモーターの成分は、上流プロモーター領域(イタリックフォント、塩基対511〜1322;配列番号4)、AtUbi10ミニマルコアプロモーター(二重下線フォント、塩基対1323〜1462;配列番号1)、AtUbi10 5’非翻訳領域(太字および下線フォント、塩基対1463〜1528;配列番号3)、およびAtUbi10イントロン(小文字および下線フォント、塩基対1529〜1832;配列番号2)を含有している。したがって、配列番号11は以下の通りである。
CsVMVおよびAtUbi10プロモーター由来の遺伝子調節エレメントを含有した第3の二方向性プロモーターが設計され配列番号12として提示されている。この二方向性プロモーターは、完全長CsVMVプロモーター(塩基対511〜1027)の5’末端に逆相補性配向で融合された部分的AtUbi10プロモーター(塩基対1〜510)の配列を含有している。部分的AtUbi10プロモーターの成分は、AtUbi10ミニマルコアプロモーターの140bp領域(下線フォント、塩基対371〜510;配列番号1)、AtUbi10 5’非翻訳領域(太字フォント、塩基対305〜370;配列番号3)、およびAtUbi10イントロン(小文字フォント、塩基対1〜304;配列番号2)を含有している。CsVMVプロモーターの成分は、上流プロモーター領域(イタリックフォント、塩基対511〜830;配列番号7)、CsVMVミニマルコアプロモーター(二重下線フォント、塩基対831〜953;配列番号5)、およびCsVMV 5’非翻訳領域(太字および下線フォント、塩基対954〜1027;配列番号6)を含有している。したがって、配列番号12は以下の通りである。
CsVMVプロモーター由来の遺伝子調節エレメントを含有した第4の二方向性プロモーターが設計され配列番号13として提示されている。この二方向性プロモーターは、完全長CsVMVプロモーター(塩基対198〜714)の5’末端に逆相補性配向で融合されたCsVMVプロモーターの部分的配列(塩基対1〜197)を含有している。部分的CsVMVプロモーターの成分は、CsVMVミニマルコアプロモーターの123bp領域(下線フォント、塩基対75〜197;配列番号5)、およびCsVMV 5’非翻訳領域(太字フォント、塩基対1〜74;配列番号6)を含有している。完全長CsVMVプロモーターの成分は、上流プロモーター領域(イタリックフォント、塩基対198〜518;配列番号7)、CsVMVコアプロモーター(二重下線フォント、塩基対519〜640;配列番号5)、およびCsVMV 5’非翻訳領域(太字および下線フォント、塩基対641〜714;配列番号6)を含有している。したがって、配列番号13は以下の通りである。
植物形質転換構築物
植物体において二方向性プロモーターの発現を試験するための植物形質転換構築物を設計した。最終二方向性プロモーター構築物は、1つのレポーター遺伝子を駆動するミニマルプロモーターを第2のレポーター遺伝子を駆動する主要なプロモーターの上流におよび逆相補性配向で挿入することにより生成した。8つのプラスミド、pDAB113192、pDAB113193、pDAB113194、pDAB113195、pDAB113196、pDAB113197、pDAB113198、およびpDAB113199は、緑色蛍光タンパク質(gfp;Evrogen、Moscow、Russia)と赤色蛍光タンパク質(rfp;Clontech、Mountain View、CA)トランス遺伝子の両方を駆動させ、アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)ORF 23/24 3’UTR(Barker et al, Plant Molecular Biology 1983, 2(6), 335-50)またはアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)ノパリンシンターゼ3’UTR(表1)のいずれかで終結しているCsVMVおよびAtUbi10プロモーター由来の遺伝子調節エレメントを含有するように構築された。こうして得られた構築物は、二方向性プロモーターの5’および3’末端に作動可能に連結された2つの異なるトランス遺伝子を駆動させる単一二方向性プロモーターを含有していた。構築物は、クローニング中に適切な断片整列を可能にするのに適した断片末端に15〜20bpの同族体を添加する必要があるIN−FUSION(登録商標)クローニングプロセスを使用して組み立てた。植物発現構築物はpENTRY11(商標)線形骨格(Life Technologies、Carlsbad、CA)にクローニングした。断片はHigh Fidelity PHUSION(登録商標)PCR(New England Biolabs、Ipswich、MA)を使用して増幅させた。IN−FUSION(登録商標)HD ECODRY(商標)クローニングシステム(Life Technologies)を利用して、コロニーはLB(50μg/mlカナマイシン)培地上で選択した。プラスミド構築物は、Qiagen MINIPREP SPIN KIT(商標)(Qiagen、Valencia、CA)およびQiagen ENDOFREE(登録商標)Plasmid Maxi Kit(Qiagen)と一緒にミニプレップおよびマキシプレップDNA抽出を使用して確かめた。
植物体において二方向性プロモーターの発現を試験するための植物形質転換構築物を設計した。最終二方向性プロモーター構築物は、1つのレポーター遺伝子を駆動するミニマルプロモーターを第2のレポーター遺伝子を駆動する主要なプロモーターの上流におよび逆相補性配向で挿入することにより生成した。8つのプラスミド、pDAB113192、pDAB113193、pDAB113194、pDAB113195、pDAB113196、pDAB113197、pDAB113198、およびpDAB113199は、緑色蛍光タンパク質(gfp;Evrogen、Moscow、Russia)と赤色蛍光タンパク質(rfp;Clontech、Mountain View、CA)トランス遺伝子の両方を駆動させ、アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)ORF 23/24 3’UTR(Barker et al, Plant Molecular Biology 1983, 2(6), 335-50)またはアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)ノパリンシンターゼ3’UTR(表1)のいずれかで終結しているCsVMVおよびAtUbi10プロモーター由来の遺伝子調節エレメントを含有するように構築された。こうして得られた構築物は、二方向性プロモーターの5’および3’末端に作動可能に連結された2つの異なるトランス遺伝子を駆動させる単一二方向性プロモーターを含有していた。構築物は、クローニング中に適切な断片整列を可能にするのに適した断片末端に15〜20bpの同族体を添加する必要があるIN−FUSION(登録商標)クローニングプロセスを使用して組み立てた。植物発現構築物はpENTRY11(商標)線形骨格(Life Technologies、Carlsbad、CA)にクローニングした。断片はHigh Fidelity PHUSION(登録商標)PCR(New England Biolabs、Ipswich、MA)を使用して増幅させた。IN−FUSION(登録商標)HD ECODRY(商標)クローニングシステム(Life Technologies)を利用して、コロニーはLB(50μg/mlカナマイシン)培地上で選択した。プラスミド構築物は、Qiagen MINIPREP SPIN KIT(商標)(Qiagen、Valencia、CA)およびQiagen ENDOFREE(登録商標)Plasmid Maxi Kit(Qiagen)と一緒にミニプレップおよびマキシプレップDNA抽出を使用して確かめた。
ダイズ植物形質転換
上記の構築物を使用してダイズ植物を形質転換した。ダイズ植物(Glycine max c.v. Maverick)は温室内に植え、26.7〜30℃温度、12/12昼/夜光周期下で栽培した。定植5週間後(開花の約7〜14日後)幅が0.9cmよりも大きいダイズさやを収穫した。
上記の構築物を使用してダイズ植物を形質転換した。ダイズ植物(Glycine max c.v. Maverick)は温室内に植え、26.7〜30℃温度、12/12昼/夜光周期下で栽培した。定植5週間後(開花の約7〜14日後)幅が0.9cmよりも大きいダイズさやを収穫した。
収穫したさやは、70%エタノールで30秒間さやを洗浄し、続いて穏やかに撹拌しながら2滴のTWEEN(登録商標)−20を含有する10%漂白剤で10分間洗浄することにより表面無菌化した。漂白剤はデカントし、外植片は穏やかに撹拌しながらそれぞれ減菌水で5分間すすぎを3回繰り返した。無菌さやは4℃で7〜8日間保存した。
さや内の未熟胚の位置は、透照された立体鏡上でさやを逆光照射することにより決定した。長さが3mm〜5mmの胚を形質転換のために使用し、オーバーサイズまたはアンダーサイズの胚は破棄した。さやの両端に2個所切れ目を入れ、さやの長軸方向湾曲部に沿った1つの切れ目が入れられた。長軸方向の切れ目を入れている間、十分な植物組織を切り取ってさや空洞の内部を露出させた。次に、さやを開け未熟胚を取り除いた。単離された胚を、照射に先立って4時間、原形質分離培地(ビタミン(M519)を有する4.4g/LのMS基底、73g/Lのマンニトール、73g/Lのソルビトール、2.3g/Lのgelzan(GELRITE(登録商標))、1g/Lの塩化マグネシウム)上に置いた。
金マイクロキャリアはシリコン処理した2mlチューブ内で調製した。約50mgの0.6μm金マイクロキャリア(Bio−Rad、Hercules、CA)および1mlの100%エタノールを添加して2分間ボルテックスした。このステップに続いて、1000×gで4分間遠心分離し、上澄みは破棄した。次に、1mlの70%エタノールを添加し、2分間ボルテックスし、その後チューブは室温で15分間インキュベートし、時折ボルテックスした。インキュベーション後、調製物は1000×gで1分間遠心分離し、上澄みは破棄した。粒子は1mlの減菌水を添加して1分間ボルテックスすることによりすすぎ、粒子を1分間定着させて、その後1800×gで1分間遠心分離した。洗浄ステップは追加で2回繰り返した。得られたペレット状植物材料は50%無菌グリセロールに再懸濁させた。
調製した金マイクロキャリアは、2分間のボルテックスを経て先ず再懸濁し、50μl溶液をシリコン処理したチューブに移すことにより照射のためにDNAで被覆した。チューブをボルテックスしながら、試薬を以下:5μlのDNA、50μlの2.5M CaCl2、および20μlの.1Mスペルミジンの順に添加した。チューブは蓋をして、4℃で20分間ボルテックスした。ボルテックス後、200μlの100%エタノールを添加し、1分間ボルテックスし、1000×gで1分間遠心分離した。上澄みは取り除き、エタノール洗浄をさらに2回繰り返した。最終ペレットは50μlの100%エタノールに再懸濁した。
照射時、9μlのボルテックスしたDNA/金マイクロキャリア混合物をマクロキャリアホルダーに配置したマクロキャリアの中心上に平らなコートに広げ、このステップは照射マクロキャリアがすべて被覆されるまで繰り返した。未熟胚は背軸側を上にしてプレートの中心に置かれるように、原形質分離培地上に配向させた。試料は、標的から9cmに63.3kg/cm破裂板を使用してBiorad PDS−1000/HE(商標)遺伝子銃を用いて照射した。胚はSE40培地(4.3g/LのMS基底塩(M524)、1ml/LのガンボーグB5ビタミン(G249)、30g/Lのスクロース、4ml/Lの2,4−D 10mg/ml、2g/L GELRITE(登録商標))に移した。
照射ダイズ植物材料は、DFC310FXカメラ付のLeica M165FC(商標)立体鏡(Leica、Wetzlar、Germany)上でRFPおよびGFPフィルターセットを使用して照射後24〜48時間撮像した。画像はIMAGEJ(商標)(W. S. Rasband, ImageJ, U.S. National Institutes of Health, Bethesda, Maryland, USA, http://imagej.nih.gov/ij/, 1997-2014)を使用して、赤色、緑色、および青色チャネルに分割し、解析されたチャネルはフォーカスを提示した最良のチャネルを選択することにより選んだ。閾値は、ワンドトレーシングツールを使用して総面積を決定するように最適化した。フォーカスはIMAGEJ(商標)においてFind Maxima機能を使用して定量化した。背景フォーカスは、DNA対照プレートなしで、未照射および照射植物材料を使用して実験総数から引いた。
ダイズにおける一過性遺伝子発現
ダイズ未熟胚を上記と同じように粒子照射を使用して形質転換した。照射後、植物材料は24〜48時間インキュベートし、試料はDFC310FXカメラ付のLeica M165FC(商標)立体鏡を使用して可視化し(図3)、IMAGEJ(商標)を使用してフォーカス数について解析した(図4および表2)。
ダイズ未熟胚を上記と同じように粒子照射を使用して形質転換した。照射後、植物材料は24〜48時間インキュベートし、試料はDFC310FXカメラ付のLeica M165FC(商標)立体鏡を使用して可視化し(図3)、IMAGEJ(商標)を使用してフォーカス数について解析した(図4および表2)。
図3に提供される顕微鏡像ならびに図4および表2に提供される定量化されたタンパク質発現レベルにより、pDAB113198(配列番号13の二方向性プロモーター)、pDAB113199(配列番号13の二方向性プロモーター)、pDAB113192(配列番号11の二方向性プロモーター)、およびpDAB113194(配列番号10の二方向性プロモーター)のCsVMVおよびAtUbi10遺伝子調節エレメントを含有する二方向性プロモーターはGFPとRFPタンパク質の両方の発現を駆動したことが示される。二方向性プロモーターの発現レベルは、GFP(pDAB113188)またはRFP(pDAB113190)のいずれかの発現を駆動した単一プロモーター対照に匹敵する。さらに、pDAB113198、pDAB113192、およびpDAB113194の二方向性プロモーターは、対照構築物pDAB113188と比べた場合、匹敵するレベルでGFPの発現を駆動した。
トウモロコシ形質転換
上記構築物を使用してトウモロコシ細胞を形質転換した。未熟トウモロコシ胚は温室で生育させたトウモロコシ(Zea mays)(c.v.B104)から得られた。トウモロコシ植物は自家または兄妹受粉され、穂は受粉の9〜12日後に収穫した。実験の前日、穂は5%次亜塩素酸ナトリウムを含有する家庭用漂白剤の20%溶液に浸漬することにより表面無菌化し、20〜30分間振盪し、続いて減菌水で3回すすいだ。無菌化後、未熟接合体胚(サイズ2.0〜2.4mm)をそれぞれの穂から無菌的に切り裂き、浸透圧媒体を含有する2mlチューブに収集した。単離が完了すると、浸透圧媒体は取り除き、胚は半流動性浸透圧媒体上に無作為に移した。胚はバイオリスティック形質転換のために適切な標的フォーマットに配置した。プレートは、27.5℃で連続50μM低光度チャンバにおいて一晩インキュベートした。
上記構築物を使用してトウモロコシ細胞を形質転換した。未熟トウモロコシ胚は温室で生育させたトウモロコシ(Zea mays)(c.v.B104)から得られた。トウモロコシ植物は自家または兄妹受粉され、穂は受粉の9〜12日後に収穫した。実験の前日、穂は5%次亜塩素酸ナトリウムを含有する家庭用漂白剤の20%溶液に浸漬することにより表面無菌化し、20〜30分間振盪し、続いて減菌水で3回すすいだ。無菌化後、未熟接合体胚(サイズ2.0〜2.4mm)をそれぞれの穂から無菌的に切り裂き、浸透圧媒体を含有する2mlチューブに収集した。単離が完了すると、浸透圧媒体は取り除き、胚は半流動性浸透圧媒体上に無作為に移した。胚はバイオリスティック形質転換のために適切な標的フォーマットに配置した。プレートは、27.5℃で連続50μM低光度チャンバにおいて一晩インキュベートした。
実験の日に、無菌化金マイクロキャリアは、金マイクロキャリアを氷上で解凍し、ボルテックスし、無菌化2mlチューブ内に50μlの懸濁金をアリコートすることにより形質転換のために調製した。ボルテックスしながら、以下の成分を、金マイクロキャリア、5μlの1.0μg/μlストック、50μlの2.5M CaCl2、および20μlの0.1Mスペルミジンの順に添加した。得られた懸濁液は4℃で20分間ボルテックスし、エタノールで3回洗浄し、30μlの100%エタノールに再懸濁した。調製された懸濁液は照射まで氷上で保存した。
照射時、マクロキャリアは、マクロキャリアの中心上に5μlのボルテックスされたDNA/金マイクロキャリア混合物を平らに広げることにより調製し、このステップは試料ごとに繰り返され、複合体は約10分間乾燥させておいた。照射は、無菌化63.3kg/cm破裂板を使用するBiorad Biolistic PDS−1000/HE PARTICLE DELIVERY SYSTEM(商標)を6cmで使用して実行した。
照射後、プレートは3M TAPE(商標)で包み、27.5℃で一晩、連続50μM低光度条件でトレー上に保存した。24時間後、TYPHOON(登録商標)IMAGING SYSTEM(GE Healthcare、Little Chalfont、Buckinghamshire、United Kingdom)を使用して一過性発現を観察した。
トウモロコシにおける一過性遺伝子発現
トウモロコシ未熟胚を上記と同じように粒子照射を使用して形質転換した。インキュベーションの24時間後、試料はTYPHOON(登録商標)IMAGER SYSTEMを使用して可視化した(図5)。図5に提供される顕微鏡像ならびに図6および表3に提供される定量化されたタンパク質発現レベルにより、pDAB113198(配列番号13の二方向性プロモーター)、pDAB113199(配列番号13の二方向性プロモーター)、pDAB113192(配列番号11の二方向性プロモーター)、pDAB113194(配列番号10の二方向性プロモーター)、pDAB113193(配列番号11の二方向性プロモーター)、pDAB113196(配列番号12の二方向性プロモーター)、およびpDAB113197(配列番号12の二方向性プロモーター)のCsVMVおよびAtUbi10遺伝子調節エレメントを含有する二方向性プロモーターがGFPとRFPタンパク質の両方の発現を駆動したことが示される。発現データは、CsVMVまたはAtUbi10極性プロモーターのいずれかと共役されているAtUbi10ミニマルプロモーターが反対配向のトランス遺伝子の高発現を与えることをさらに示唆している。これと比べると、CsVMVミニマルプロモーターが示した発現は比較的低かった(図6)。GFPまたはRFPのいずれかの発現のための二方向性プロモーターの発現レベルを定量化した。図5に示されるように、pDAB113199、pDAB113198、pDAB113197、pDAB113196、pDAB113194、pDAB113193およびpDAB113192の二方向性プロモーターはGFPの発現を高発現レベルで駆動した。さらに、pDAB113199、pDAB113198、pDAB113197、pDAB113196、pDAB113193およびpDAB113192の二方向性プロモーターはRFPの発現を高発現レベルで駆動した。
トウモロコシ未熟胚を上記と同じように粒子照射を使用して形質転換した。インキュベーションの24時間後、試料はTYPHOON(登録商標)IMAGER SYSTEMを使用して可視化した(図5)。図5に提供される顕微鏡像ならびに図6および表3に提供される定量化されたタンパク質発現レベルにより、pDAB113198(配列番号13の二方向性プロモーター)、pDAB113199(配列番号13の二方向性プロモーター)、pDAB113192(配列番号11の二方向性プロモーター)、pDAB113194(配列番号10の二方向性プロモーター)、pDAB113193(配列番号11の二方向性プロモーター)、pDAB113196(配列番号12の二方向性プロモーター)、およびpDAB113197(配列番号12の二方向性プロモーター)のCsVMVおよびAtUbi10遺伝子調節エレメントを含有する二方向性プロモーターがGFPとRFPタンパク質の両方の発現を駆動したことが示される。発現データは、CsVMVまたはAtUbi10極性プロモーターのいずれかと共役されているAtUbi10ミニマルプロモーターが反対配向のトランス遺伝子の高発現を与えることをさらに示唆している。これと比べると、CsVMVミニマルプロモーターが示した発現は比較的低かった(図6)。GFPまたはRFPのいずれかの発現のための二方向性プロモーターの発現レベルを定量化した。図5に示されるように、pDAB113199、pDAB113198、pDAB113197、pDAB113196、pDAB113194、pDAB113193およびpDAB113192の二方向性プロモーターはGFPの発現を高発現レベルで駆動した。さらに、pDAB113199、pDAB113198、pDAB113197、pDAB113196、pDAB113193およびpDAB113192の二方向性プロモーターはRFPの発現を高発現レベルで駆動した。
要約すると、AtUbi10およびCsVMVプロモーターが、ダイズとコーンの両方で機能的であるシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)ユビキチン10プロモーターおよびキャッサバ葉脈モザイクウイルスプロモーター由来の複数のプロモーターエレメントを含む新規の合成CsVMV二方向性プロモーターに変換された。二方向性プロモーターから得られる第1と第2の、対象のヌクレオチドの発現レベルは一方向性プロモーター遺伝子構築物に匹敵すると思われる。二方向性プロモーターは、二方向性プロモーターのどちらかの末端に融合されている複数のトランス遺伝子配列の発現を強く駆動する。
いくつかの例示的な態様および実施形態を上で考察してきたが、当業者であれば特定の変更、並べ替え、追加およびその部分的組合せを認識するであろう。したがって、以下の添付の特許請求の範囲および今後導入される特許請求の範囲は、その真の趣旨および範囲内であるそのような変更、並べ替え、追加およびその部分的組合せを含むと解釈されることが意図されている。
Claims (57)
- シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)ユビキチン10プロモーターおよびキャッサバ葉脈モザイクウイルスプロモーター由来の複数のプロモーターエレメントを含む合成CsVMV二方向性ポリヌクレオチドプロモーター。
- 前記プロモーターエレメントがミニマルコアプロモーターを含む、請求項1に記載の合成CsVMV二方向性ポリヌクレオチドプロモーター。
- 前記ミニマルコアプロモーターが、配列番号1に少なくとも90%の配列同一性を有するポリヌクレオチド配列を含む、請求項2に記載の合成CsVMV二方向性ポリヌクレオチドプロモーター。
- 前記ミニマルコアプロモーターが、配列番号5に少なくとも90%の配列同一性を有するポリヌクレオチド配列を含む、請求項2に記載の合成CsVMV二方向性ポリヌクレオチドプロモーター。
- 前記プロモーターエレメントがイントロンを含む、請求項1に記載の合成CsVMV二方向性ポリヌクレオチドプロモーター。
- 前記イントロンが配列番号2に少なくとも90%の配列同一性を有するポリヌクレオチド配列を含む、請求項5に記載の合成CsVMV二方向性ポリヌクレオチドプロモーター。
- 前記プロモーターエレメントが5’−UTRを含む、請求項1に記載の合成CsVMV二方向性ポリヌクレオチドプロモーター。
- 前記5’−UTRが、配列番号3に少なくとも90%の配列同一性を有するポリヌクレオチド配列を含む、請求項7に記載の合成CsVMV二方向性ポリヌクレオチドプロモーター。
- 前記5’−UTRが、配列番号6に少なくとも90%の配列同一性を有するポリヌクレオチド配列を含む、請求項7に記載の合成CsVMV二方向性ポリヌクレオチドプロモーター。
- 前記プロモーターエレメントが上流プロモーターエレメントを含む、請求項1に記載の合成CsVMV二方向性ポリヌクレオチドプロモーター。
- 前記上流プロモーターエレメントが、配列番号4に少なくとも90%の配列同一性を有するポリヌクレオチド配列を含む、請求項10に記載の合成CsVMV二方向性ポリヌクレオチドプロモーター。
- 前記上流プロモーターエレメントが、配列番号7に少なくとも90%の配列同一性を有するポリヌクレオチド配列を含む、請求項10に記載の合成CsVMV二方向性ポリヌクレオチドプロモーター。
- 前記シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)ユビキチン10プロモーターが、配列番号8に少なくとも90%の配列同一性を有するポリヌクレオチド配列を含む、請求項1に記載の合成CsVMV二方向性ポリヌクレオチドプロモーター。
- 前記キャッサバ葉脈モザイクウイルスプロモーターが、配列番号9に少なくとも90%の配列同一性を有するポリヌクレオチド配列を含む、請求項1に記載の合成CsVMV二方向性ポリヌクレオチドプロモーター。
- 配列番号10、配列番号11、配列番号12、および配列番号13からなる群から選択される、請求項1に記載の合成CsVMV二方向性ポリヌクレオチドプロモーター。
- 配列番号10を含む、請求項1に記載の合成CsVMV二方向性ポリヌクレオチドプロモーター。
- 配列番号11を含む、請求項1に記載の合成CsVMV二方向性ポリヌクレオチドプロモーター。
- 配列番号12を含む、請求項1に記載の合成CsVMV二方向性ポリヌクレオチドプロモーター。
- 配列番号13を含む、請求項1に記載の合成CsVMV二方向性ポリヌクレオチドプロモーター。
- 配列番号10、配列番号11、配列番号12、および配列番号13からなる群から選択される前記合成CsVMV二方向性ポリヌクレオチドプロモーターの3’末端に作動可能に連結された第1の、対象のポリヌクレオチド配列を含む、請求項15に記載の合成CsVMV二方向性ポリヌクレオチドプロモーター。
- 配列番号10、配列番号11、配列番号12、および配列番号13からなる群から選択される前記合成CsVMV二方向性ポリヌクレオチドプロモーターの5’末端に作動可能に連結された第2の、対象のポリヌクレオチド配列を含む、請求項20に記載の合成CsVMV二方向性ポリヌクレオチドプロモーター。
- 前記対象のポリヌクレオチド配列が形質を含む、請求項20または21に記載の合成CsVMV二方向性ポリヌクレオチドプロモーター。
- 前記形質が、殺虫剤抵抗性形質、除草剤耐性形質、窒素利用効率形質、水利用効率形質、栄養価形質、DNA結合形質、選択可能マーカー形質、およびその任意の組合せからなる群から選択される、請求項22に記載の合成CsVMV二方向性ポリヌクレオチドプロモーター。
- トランスジェニック植物細胞を生産するための方法であって、
a)少なくとも1つの、対象のポリヌクレオチド配列に作動可能に連結された合成CsVMV二方向性ポリヌクレオチドプロモーターを含む遺伝子発現カセットで植物細胞を形質転換するステップと、
b)前記遺伝子発現カセットを含む形質転換植物細胞を単離するステップと、
c)少なくとも1つの、対象のポリヌクレオチド配列に作動可能に連結された前記合成CsVMV二方向性ポリヌクレオチドプロモーターを含むトランスジェニック植物細胞を生産するステップと
を含む方法。 - 植物細胞を形質転換することが植物形質転換法を用いて実施される、請求項24に記載の方法。
- 前記植物形質転換法が、アグロバクテリウム(Agrobacterium)媒介形質転換法、バイオリスティック形質転換法、炭化ケイ素形質転換法、プロトプラスト形質転換法、およびリポソーム形質転換法からなる群から選択される、請求項25に記載の方法。
- 前記対象のポリヌクレオチド配列が前記トランスジェニック植物細胞全体を通じて構成的に発現される、請求項24に記載の方法。
- 前記対象のポリヌクレオチド配列が前記トランスジェニック植物細胞のゲノム内に安定的に組み入れられる、請求項24に記載の方法。
- e)前記トランスジェニック植物細胞をトランスジェニック植物に再生するステップと、
f)少なくとも1つの、対象のポリヌクレオチド配列に作動可能に連結された請求項1に記載の前記合成CsVMV二方向性ポリヌクレオチドプロモーターを含む前記遺伝子発現カセットを含む前記トランスジェニック植物を得るステップ
をさらに含む、請求項24に記載の方法。 - 前記トランスジェニック植物細胞が単子葉トランスジェニック植物細胞または双子葉トランスジェニック植物細胞である、請求項24に記載の方法。
- 前記双子葉トランスジェニック植物細胞が、シロイヌナズナ(Arabidopsis)植物細胞、タバコ植物細胞、ダイズ植物細胞、キャノーラ植物細胞、およびワタ植物細胞からなる群から選択される、請求項30に記載の方法。
- 前記単子葉トランスジェニック植物細胞が、トウモロコシ植物細胞、イネ植物細胞、ヤマカモジグサ(Brachypodium)植物細胞、およびコムギ植物細胞からなる群から選択される、請求項30に記載の方法。
- 配列番号10、配列番号11、配列番号12、および配列番号13からなる群から選択される、請求項24に記載の合成CsVMV二方向性ポリヌクレオチドプロモーター。
- 配列番号10、配列番号11、配列番号12、および配列番号13からなる群から選択される前記合成CsVMV二方向性ポリヌクレオチドプロモーターの3’末端に作動可能に連結された第1の、対象のポリヌクレオチド配列を含む、請求項33に記載の合成CsVMV二方向性ポリヌクレオチドプロモーター。
- 配列番号10、配列番号11、配列番号12、および配列番号13からなる群から選択される前記合成CsVMV二方向性ポリヌクレオチドプロモーターの5’末端に作動可能に連結された第2の、対象のポリヌクレオチド配列を含む、請求項33に記載の合成CsVMV二方向性ポリヌクレオチドプロモーター。
- 植物細胞において対象のポリヌクレオチド配列を発現するための方法であって、前記植物細胞内に合成CsVMV二方向性ポリヌクレオチドプロモーターに作動可能に連結された前記対象のポリヌクレオチド配列を導入するステップを含む方法。
- 前記合成CsVMV二方向性ポリヌクレオチドプロモーターに作動可能に連結された前記対象のポリヌクレオチド配列が植物形質転換法により前記植物細胞内に導入される、請求項36に記載の方法。
- 前記植物形質転換法が、アグロバクテリウム(Agrobacterium)媒介形質転換法、バイオリスティック形質転換法、炭化ケイ素形質転換法、プロトプラスト形質転換法、およびリポソーム形質転換法からなる群から選択される、請求項37に記載の方法。
- 前記対象のポリヌクレオチド配列が前記植物細胞全体を通じて構成的に発現される、請求項36に記載の方法。
- 前記対象のポリヌクレオチド配列が前記植物細胞のゲノム内に安定的に組み入れられる、請求項36に記載の方法。
- 前記トランスジェニック植物細胞が単子葉植物細胞または双子葉植物細胞である、請求項36に記載の方法。
- 前記双子葉植物細胞が、シロイヌナズナ(Arabidopsis)植物細胞、タバコ植物細胞、ダイズ植物細胞、キャノーラ植物細胞、およびワタ植物細胞からなる群から選択される、請求項41に記載の方法。
- 前記単子葉植物細胞が、トウモロコシ植物細胞、イネ植物細胞、ヤマカモジグサ(Brachypodium)植物細胞、およびコムギ植物細胞からなる群から選択される、請求項41に記載の方法。
- 配列番号10、配列番号11、配列番号12、および配列番号13からなる群から選択される、請求項36に記載の合成CsVMV二方向性ポリヌクレオチドプロモーター。
- 配列番号10、配列番号11、配列番号12、および配列番号13からなる群から選択される前記合成CsVMV二方向性ポリヌクレオチドプロモーターの3’末端に作動可能に連結された第1の、対象のポリヌクレオチド配列を含む、請求項36に記載の合成CsVMV二方向性ポリヌクレオチドプロモーター。
- 配列番号10、配列番号11、配列番号12、および配列番号13からなる群から選択される前記合成CsVMV二方向性ポリヌクレオチドプロモーターの5’末端に作動可能に連結された第2の、対象のポリヌクレオチド配列を含む、請求項36に記載の合成CsVMV二方向性ポリヌクレオチドプロモーター。
- 合成CsVMV二方向性ポリヌクレオチドプロモーターを含むトランスジェニック植物細胞。
- トランスジェニックイベントを含む、請求項47に記載のトランスジェニック植物細胞。
- 前記トランスジェニックイベントが農学的形質を含む、請求項48に記載のトランスジェニック植物細胞。
- 前記農学的形質が、殺虫剤抵抗性形質、除草剤耐性形質、窒素利用効率形質、水利用効率形質、栄養価形質、DNA結合形質、選択可能マーカー形質、またはその任意の組合せからなる群から選択される、請求項49に記載のトランスジェニック植物細胞。
- 前記農学的形質が除草剤耐性形質を含む、請求項49に記載のトランスジェニック植物細胞。
- 前記除草剤耐性形質がaad−1コード配列を含む、請求項51に記載のトランスジェニック植物細胞。
- 商品生産物を生産する、請求項47に記載のトランスジェニック植物細胞。
- 前記商品生産物が、タンパク質濃縮物、タンパク質分離物、穀物、ミール、小麦粉、油、または繊維からなる群から選択される、請求項53に記載のトランスジェニック植物細胞。
- 双子葉植物細胞または単子葉植物細胞からなる群から選択される、請求項47に記載のトランスジェニック植物細胞。
- 前記双子葉植物細胞がダイズ植物細胞である、請求項55に記載のトランスジェニック植物細胞。
- 前記合成CsVMV二方向性ポリヌクレオチドプロモーターが、配列番号10、配列番号11、配列番号12、および配列番号13からなる群から選択される、請求項47に記載のトランスジェニック植物細胞。
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