JP2017533341A - 電気めっきコーティング - Google Patents

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Abstract

改質された電気めっきニッケル系金属合金コーティング及びその形成方法が提供される。本電気めっきコーティングは、従来の金属材料よりも性能を向上させる特有の微細構造及び組成を呈する。本コーティングは、上昇した使用温度で著しくより高い強度を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、特有の微細構造及び組成を有する新規の電気めっきコーティングに関する。本コーティングは、ガスタービン部品に有利である。具体的には、本コーティングは、増大した強度を提供し、研磨材先端を有するガスタービンブレードを含む様々な部品に好適なコーティングとしての機能を果たすことができる。
研磨材封止システムは、ブレード先端でのガス漏れを低減するために現在ガスタービンで使用されており、これによりタービン効率が向上し得る。タービン内で、高圧タービンセクションの初期段階は、一般に、高速で回転するニッケル系超合金ブレードから成る。これらのブレードは、それらのそれぞれの先端が静止シールリングにごく近接して位置するように設計されている。結果として、それらの先端とシールリングとの間に狭い間隙が存在する。この狭い間隙の目的は、ガス漏れを最小限に抑え、かつ空気圧がタービンブレードに対して作用することを許容し、それによりブレードを回転させることである。狭い間隙により、より高い効率及びより高い電力出力がもたらされる。しかしながら、狭い間隙は、先端がシールと接触し、それによりシール及び部品に過度の摩耗を引き起こすと定義される「先端摩擦」のリスクも高める。
ブレードの先端には、ブレード先端と静止リングとの間の封止を改良するために研磨材コーティングが塗布されていてもよい。この研磨材コーティングは、図1に記載されるように、金属マトリックス中に包理された研磨材粒子を含む。立方晶窒化ホウ素(CBN)は、かかる目的のために使用される典型的な研磨材材料である。この金属マトリックスは、研磨材粒子を保持するか又は固着させ、使用中にタービン先端への粒子の付着を維持する。効果的に稼働するために、金属マトリックスは、使用中にいかなる変形にも耐えるために高温強度を有し、高温酸化及び腐食からの材料損失を阻止するために環境耐性を有し、位相幾何学的最密充填相(「TCP」)として知られている脆性相の形成の不在を確実にするためにブレードの先端との化学的適合性を有するべきである。
従来の金属マトリックス材料は、MCrAlYを典型的に利用しており、式中、Mは、ニッケル、コバルト、又は任意の組み合わせでニッケル及びコバルトと定義される。MCrAlYコーティングは、それらの環境耐性について知られている。MCrAlYコーティングは、主にガンマ−ニッケル相及びベータ−ニッケルアルミナイド相からなる。MCrAlYコーティングは優れた耐環境性を有するが、MCrAlYコーティングは、上昇した使用温度、具体的には800℃以上で変形に耐えるには不十分な強度しか呈しない。従来のMCrAlYコーティングの別の問題は、進化した超合金基板とのそれらのコーティングの相互拡散であり、これにより、界面で相不安定性が引き起こされ、超合金基板の機械的性能が低下する。したがって、MCrAlYコーティングは、800℃以上の使用温度中に限られた寿命を有する傾向がある。本明細書で、かつ本明細書全体にわたって使用される場合、「使用温度」という用語は、商業的に使用するときに特定のコーティングされた部品が曝される動作温度の範囲を指す。使用温度は、そのコーティングの熱安定性の指標としての機能を果たす。
他の金属マトリックス材料も、より高い使用温度で限られた動作寿命を示している。これらの不利点を考慮して、高温酸化に対する耐性を実質的に維持しながら研磨材コーティング用の金属マトリックスの高温強度を増大させる必要がある。それらの動作温度でより高い強度を必要とするスタンドアロン型コーティング及びオーバレイコーティングの性能を向上させる必要がある。
本発明は、以下の態様のうちのいずれかを様々な組み合わせで含んでもよく、以下の明細書に記載される本発明の任意の他の態様も含んでもよい。
第1の態様では、約5〜15重量%のコバルト、約5〜10重量%のクロム、約5〜10重量%のアルミニウム、0〜約6重量%のモリブデン、0〜約6重量%のタングステン、0〜約6重量%のタンタル、0〜約6重量%のレニウム、0〜約2重量%のチタン、0〜約1重量%のジルコニウム、0〜約1重量%のハフニウム、0〜約1重量%のイットリウム、0〜約1重量%のケイ素、0〜約0.2重量%の炭素、0〜約0.03重量%のホウ素、及び残部ニッケルを含むニッケル系金属電気めっき組成物を含む電気めっきコーティングであって、前記組成物が、ガンマニッケル固溶体相(γ−Ni相)及び前記γ−Ni相中に分布しているガンマプライムニッケルアルミナイド相(γ’−NiAl相)によって少なくとも部分的に規定される多相微細構造を特徴とし、前記γ’−NiAl相が、一次γ’−NiAl相及び二次γ’−NiAl相を含む二峰性微細構造を含み、前記二次γ’−NiAl相が、前記一次γ’−NiAl相の粒径よりも小さい粒径を有し、前記γ’−NiAl相が、前記γ−Ni相中に一様分布を任意に含み、前記γ’−NiAl相が、少なくとも約40体積%であるが、約90体積%を超えない量で含有されて、それにより、MCrAlY組成物を有するコーティングと比較して使用温度でのより高い最大引張強度をもたらす、電気めっきコーティング。
第2の態様では、電気めっきコーティングの形成方法であって、超合金基板を提供することと、前駆体合金粉末を有するニッケルめっき溶液を含むめっき溶液を提供することであり、前記前駆体合金粉末が、CoCrAlX又はNiCoCrAlXを含み、式中、Xが、Re、Ta、Mo、W、Hf、Y、Si、Zr、C、Bのうちの1つ以上、又はそれらの任意の組み合わせである、提供することと、前記ニッケル及び前記前駆体合金粉末を前記基板上に電気めっきして、約5〜15重量%のコバルト、約5〜10重量%のクロム、約5〜10重量%のアルミニウム、0〜約6重量%のモリブデン、0〜約6重量%のタングステン、0〜約6重量%のタンタル、0〜約6重量%のレニウム、0〜約2重量%のチタン、0〜約1重量%のジルコニウム、0〜約1重量%のハフニウム、0〜約1重量%のイットリウム、0〜約1重量%のケイ素、0〜約0.2重量%の炭素、0〜約0.03重量%のホウ素、及び残部ニッケルを含む組成物を有するグリーンコーティングを形成することと、約1093℃〜1316℃(約2000°F〜2400°F)の範囲の温度で約2〜約6時間、前記グリーンコーティングの第1の熱処理を実行することと、CoCrAlX又はNiCoCrAlX粉末組成物とニッケルとの間の相互拡散を許容して、中間コーティングを生成することと、約760℃〜約1066℃(約1400°F〜約1950°F)の範囲の温度で約6〜約48時間、前記組成物の第2の熱処理を実行することと、前記ガンマプライムニッケルアルミナイド相(γ’−NiAl相)を析出させて、改質された電気めっきコーティングを生成することと、を含む、方法。
第3の態様では、約5〜15重量%のコバルト、約5〜10重量%のクロム、約5〜10重量%のアルミニウム、0〜約6重量%のモリブデン、0〜約6重量%のタングステン、0〜約6重量%のタンタル、0〜約6重量%のレニウム、0〜約2重量%のチタン、0〜約1重量%のジルコニウム、0〜約1重量%のハフニウム、0〜約1重量%のイットリウム、0〜約1重量%のケイ素、0〜約0.2重量%の炭素、0〜約0.03重量%のホウ素、及び残部ニッケルを含むニッケル系金属電気めっき組成物を含む電気めっきコーティングであって、前記組成が、ガンマニッケル固溶体相(γ−Ni相)及び前記γ−Ni相中に分布しているガンマプライムニッケルアルミナイド相(γ’−NiAl相)によって少なくとも部分的に規定される多相微細構造を特徴とし、前記γ’−NiAl相が、少なくとも約40体積%であるが、約90体積%を超えない量で含有されて、それにより、MCrAlY組成物を有するコーティングと比較して使用温度でのより高い最大引張強度をもたらし、前記電気めっきコーティングが、Pt、Ir、及びPdのうちの少なくとも1つ、又はそれらの任意の組み合わせを更に含んでもよい、電気めっきコーティング。
本開示の他の態様、特徴、及び実施形態は、後続の記述及び添付の特許請求の範囲からより完全に明らかになるであろう。
本発明の目的及び利点は、添付の図に関連した以下の発明を実施するための好ましい実施形態からより良く理解され、図中、同様の数字は、全体にわたって同じ特徴部を意味する。
金属マトリックス中に研磨材粒子を含む研磨材コーティングでコーティングされたタービンブレードの先端の概略説明図である。 本発明の電気めっきコーティングと従来のMCrAlYコーティングとの800〜1000℃の温度範囲で測定された最大引張応力のグラフ比較を示す。 本発明の電気めっきコーティングと従来のMCrAlYコーティング及び従来のニッケル系超合金との1133℃で測定された周期的酸化耐性を比較する。 試料をマーブル試薬でエッチングしたγ相中の二峰性γ’相分布を示す本発明の電気めっきコーティングの断面微細構造の走査電子顕微鏡(SEM)画像である。 試料をマーブル試薬でエッチングしたγ相中に一様微細γ’相析出物を含む本発明の電気めっきコーティングの断面微細構造の走査電子顕微鏡(SEM)画像である。 γ相及びβ相を含む従来のMCrAlYコーティングの断面微細構造の走査電子顕微鏡(SEM)画像である。
本開示は、本明細書における様々な実施形態において、かつ本発明の様々な特徴及び態様を参照して提示される。本開示は、本開示の範囲内にあるように、かかる特徴、態様、及び実施形態を様々な順列及び組み合わせで企図する。したがって、本開示は、これらの特定の特徴、態様、及び実施形態のかかる組み合わせ及び順列のうちのいずれか、又はそれらのうちの選択されたもの(複数可)を含むか、それからなるか、又はそれから本質的になると指定され得る。
本発明は、ブレード先端上での研磨材コーティング用の金属マトリックスとして使用される改質された電気めっきニッケル系金属合金コーティングを目的とする。本発明の電気めっきコーティングは、従来の金属材料よりも向上した性能を呈する。本コーティングは、従来のコーティングと比較して上昇した使用温度で強度の増大を組み合わせでもたらす特有の微細構造及び組成を有する。本電気めっきコーティングは、ガンマニッケル固溶体(γ−Ni)及びガンマ−プライムニッケルアルミナイド金属間相(γ’−NiAl)によって少なくとも部分的に規定される多相微細構造を有する。γ’−NiAl相は、本コーティングの全体積に基づいて、少なくとも約40体積%であるが、約90体積%を超えない量で含有される。γ’−NiAl相は、γ−Niの固溶体マトリックス中に位置する別個の相である。γ’−NiAl相は、析出時に形成されて、さもなければ弱いγ−Ni相を強化する。γ’−NiAl相は、γ’−NiAl析出物の所望の強化効果を達成するために約40〜90%の範囲内で維持される。
本発明の改質された金属合金コーティングは、従来の材料よりも優れた性能を有する。例えであって、以下の実施例により詳細に説明されるように、本発明は、従来の金属マトリックス材料と比較して800℃以上でより高い強度を有するコーティングを生成する。本発明電気めっきコーティングと従来のMCrAlYコーティングとの比較により、本発明コーティングが、800℃〜1000℃の範囲の上昇した使用温度で従来のMCrAlYよりも約2〜5倍増大した最大引張強度を有することが示される。グラフ比較が図2に示される。
実施例4において出願人によって実証されるように、本発明の電気めっきコーティングは、従来のMCrAlYコーティングと実質的に同等の酸化耐性を有する。したがって、従来のMCrAlYコーティングとは異なり、本発明の電気めっきコーティングは、高温酸化に対する耐性を実質的に維持しながら、従来のMCrAlYコーティングに対してより高い高温強度(実施例1〜3)を達成する。
説明されるように、本発明の改質された電気めっきコーティングの性能向上は、コーティング組成、コーティングプロセス、及び特殊後熱処理の組み合わせによって生成された特有のコーティング微細構造に少なくとも部分的に起因する。本コーティングの強化効果は、γ’−NiAl及びγ−Niの多相構造の相乗的相互作用によって少なくとも部分的に生じる。γ’−NiAlは、図4の断面微細構造の走査電子顕微鏡画像に示されるように、ガンマニッケルマトリックス(γ−Niマトリックス)中に分布している。「γ−Ni」が「γ」と互換的に使用されることを理解されたい。必要な量の応力を本コーティングに発生させて維持して、ガンマプライム析出物の強化効果の増大を呈するために、γ’−NiAlの少なくとも40体積%が必要とされる。しかしながら、γ’−NiAlの体積分率は、90%を超えてはならない。いずれの特定の理論によって束縛されることなく、90体積%を超えるとコーティング脆性が増大し、使用中にコーティング亀裂を引き起こし得ると考えられる。好ましくは、γ’−NiAlは、55〜85体積%の範囲、より好ましくは65〜75体積%の範囲で含有される。
更に図4を参照して、γ’−NiAlは、一次γ’−NiAl及び二次γ’−NiAlを含む二峰性微細構造を特徴とし得る。一次γ’−NiAlは、粒径約2〜8ミクロン(μm)の範囲の離散粗粒子からなる。二次γ’−NiAlは、約0.2〜0.5μmの範囲の粒径を有する離散微粒子からなる。図4の走査電子顕微鏡画像中の一次γ’−NiAl(すなわち、「一次γ’」)も二次γ’−NiAl(すなわち、「二次γ′」)もいずれも、より薄い灰色に見えるγニッケル相に対してより濃い色の外見で示されている。一次及び二次γ’−NiAl相は、γニッケルマトリックス中に分布しており、コーティング全体にわたって連続して広がるように示されている。このマトリックスは、一次及び二次γ’−NiAl相の析出物用の支持体様の構造を提供する。一次及び二次γ’−NiAl相は、相互作用して800℃以上での高温強度を与えるようにこのマトリックス中に分布している。
代替実施形態では、γ’−NiAlは、図5に示されるように、γ−マトリックス中に微細γ’−NiAl析出物を含む一様微細構造を特徴とし得る。微細γ’−NiAl析出物は、約0.2〜0.5μmの範囲の粒径を有し得る。
MCrAlY等の従来の材料とは異なり、本発明の電気めっきコーティングは、いずれのベータニッケルアルミナイド相(β)の不在を特徴とし、研磨材コーティングの金属マトリックスの強度を低減し得る。MCrAlYは、いかなるγ’体積分率も伴わずにγ及びβを含有すると主に定義される微細構造を特徴とする。γ相もβ相もいずれも、上昇した温度で本質的に弱く、結果として生じるMCrAlYコーティングの引張強度を実質的に弱めると考えられている。従来のMCrAlYコーティングの代表的なSEM微細構造が図6に示される。見て取れるように、MCrAlYは、図4及び5とは全く異なる微細構造を有する。
本発明は、図4に示されるように、γニッケルマトリックス中に分布している任意のモリブデン及びタンタル(Mo−Ta)濃縮相も含み得る。(Mo−Ta)濃縮相は、γニッケル系マトリックスのある特定の領域全体にわたってクラスター様の粒子として現れる。任意の(Mo−Ta)濃縮相は、0〜15体積%、好ましくは0〜10体積%、より好ましくは5体積%未満の量で含有される。(Mo−Ta)濃縮相の存在により、γニッケルマトリックスの高温強度が高められる可能性があり得る。しかしながら、(Mo−Ta)濃縮相の高分率により、高温酸化耐性が低下する可能性があり得る。
特有のコーティング微細構造に加えて、本発明の改質された電気めっきコーティングの改良された性能は、本電気めっき組成物に少なくとも部分的に起因する。本コーティングは、ニッケル系電気めっき組成物を含有する。本発明の一実施形態では、本ニッケル系金属電気めっき組成物は、約5〜15重量%のコバルト、約5〜10重量%のクロム、約5〜10重量%のアルミニウム、0〜約6重量%のモリブデン、0〜約6重量%のタングステン、0〜約6重量%のタンタル、0〜約6重量%のレニウム、0〜約2重量%のチタン、0〜約1重量%のジルコニウム、0〜約1重量%のハフニウム、0〜約1重量%のイットリウム、0〜約1重量%のケイ素、0〜約0.2重量%の炭素、0〜約0.03重量%のホウ素、及び残部ニッケルを含む。本発明のコーティング組成は、著しくより高いAl及びCr含有量を企図する先行技術の従来のMCrAlYコーティングとは著しく異なる。例えば、米国特許第4,585,481号は、最大40%のCr及び最大35%のAlを有する金属基板を高温酸化及び腐食から保護するためのコーティング組成について説明する。
更に、本発明の電気めっきコーティング中のAl及びCr濃度は、ニッケル系超合金基板の濃度と似ており、それ故に、高温に曝されている間、コーティングと基板との間の相互拡散を最小限に抑え、コーティングと基板との間の拡散領域中の有害な位相最密相の形成を抑制する。
本発明では、本コーティング中のアルミニウム含有量は、好ましくは約5〜10重量パーセントである。アルミニウムは、結果として生じる本発明のコーティングの強化効果に役立ち得る。アルミニウムは、γ’−NiAl相の形成を可能にし、かつ保護的アルミナスケールを形成することにより望ましい酸化耐性を与えることによって高温強度に寄与する。アルミニウム含有量が約5重量パーセントを下回ると、γ’−NiAl相の不十分な分率が存在し得、必要な強度が達成されなくなる。更に、約10重量パーセントを超える上昇レベルのアルミニウム含有量により、弱いβ−NiAl相の形成が誘導又は促進され得る。
他の構成成分も望ましい特性を与える。タンタル及びチタンは、所定の量で存在する場合、γ’−NiAl相の分率を更に増加させることができ、γ−Ni相の粒界での炭化物の形成を促進することもでき、これにより、いわゆる粒界すべりを阻止することによって強度が更に改良される。モリブデン、タングステン、及びレニウムは、γ−Ni固溶体相の固溶体強化に役立つ。クロムは、約5重量%の低いアルミニウム含有量でさえも、保護的アルミナスケールの形成を促進することによって環境耐性に寄与する。しかしながら、本発明の量を超えるクロム含有量は、脆性シグマ相の形成を促進する傾向がある。ハフニウム、イットリウム、及びジルコニウムは、所定の量以内で添加されると、結果として生じるコーティングの酸化耐性を改良することができる。
本電気めっき組成物の他の変形形態が本発明によって企図される。例えば、本電気めっき組成物は、約8〜12重量%のコバルト、約6〜9重量%のクロム、約5.5〜7重量%のアルミニウムを含んでもよく、チタン、ジルコニウム、炭素、ホウ素、モリブデン、タングステン、レニウム、及びタンタルの合計が約3〜12重量%の量で含有され、残部がニッケルである。
本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく、更に他の実施形態が企図される。例えば、更に別の実施形態では、前記ホウ素、前記炭素、前記モリブデン、前記タングステン、及び前記チタンの各々は0%である。本電気めっき組成物は、Pt、Ir、及びPdのうちの少なくとも1つ、又はそれらの任意の組み合わせも含有し得る。
本発明のコーティングは、前駆体粉末を中に懸濁させたニッケルめっき溶液浴からの前駆体合金粉末を捕捉めっきするように設計された好適な電気めっきプロセスによって生成される。本発明は、各々が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第5,076,897号、同第5,702,574号、及び同第5,833,829号に記載の装置と同じ装置を使用して実施され得る。本発明の一実施形態では、前駆体合金粉末を一般式CoCrAlX又はCoNiCrAlXで表すことができ、式中、Xは、本明細書で、かつ本明細書全体にわたって使用される場合、Re、Ta、Mo、W、Hf、Y、Si、Zr、C、及びBのうちの1つ以上である。Niは、めっき溶液の形態で提供される。あるいは、Ni及び/又はCoをめっき溶液として使用することができる。電気めっきプロセスによって捕捉されたCoCrAlX又はCoNiCrAlX前駆体粉末の全重量パーセントは、好ましくは、全コーティング重量の30〜40%を占める。CoCrAlX又はCoNiCrAlX前駆体粉末を当業者に既知のガス噴霧プロセスによって生成することができる。Ta、W、Mo、Re、Ti、Hf、Y、及びZrを含む難揮発性元素の全パーセントは、前駆体粉末のガス噴霧を可能にするように20%未満の所定のレベルで維持される。
この電気めっきプロセスは、各々が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第5,076,897号、同第5,702,574号、及び同第5,833,829号に記載の方法に従う。この電気めっきプロセスは、以下のように生じ得る。電気めっき溶液中の懸濁物中の粒子は、電着マトリックスが形成されて蓄積されると、コーティング中に捕捉される。その後、このいわゆる「グリーン」コーティングが熱処理されて、高温強度特性を呈する所望のコーティング構造を形成することができる。
本発明の原理に従って、この電気めっきプロセスは、Niマトリックス中に包理されたCoCrAlX又はCoNiCrAlX前駆体粉末を有する「グリーン」コーティングの形成を許容する。従来の溶射及び物理蒸着(PVD)プロセスと比較して、本発明で利用されるこの捕捉めっきプロセスは、本発明のコーティングの作製を可能にするいくつかの特有の技術的な利点を提供する。例えば、捕捉めっきは、溶射に存在する「視線」複雑性が存在しないため、複雑な形状を有する部品に特によく適している。更に、捕捉めっきは、冷プロセスと見なされており、プラズマ溶射方法中に生じ得る研磨材粒子と金属マトリックスとの間の化学反応を回避する。なお更に、原材料が沈着中に著しく変化しないため、捕捉めっきは、結果として生じるコーティング組成の正確さ及び制御の改良を提供する。
電気めっきが生じた後、二段階熱処理が実行されて、所望のコーティング構造及び特性を達成することができる。第1の熱処理は、電気めっき「グリーン」コーティング上で約1093℃〜1316℃(約2000°F〜2400°F)の範囲で約2〜6時間実行される。この第1の熱処理により、CoCrAlX又はNiCoCrAlX粉末組成物とニッケルめっきマトリックスとの間の相互拡散が許容され、中間コーティングが生成される。次に、第2の熱処理が約760℃〜約1066℃(約1400°F〜約1950°F)の範囲の温度で約6〜約48時間実行され得る。この第2の熱処理により、ガンマプライムニッケルアルミナイド相(γ’−NiAl相)の析出が誘導されて、改質された電気めっきコーティングを生成する。
これらの構成成分のうちのいくつかの比較的遅い拡散速度により、結果として生じる微細構造は平衡状態に到達せず、それ故に改質された構造をもたらす。この改質された構造は、γ’−NiAl析出物、炭化物、又は高温強度等の性能を向上させるように設計された他の相の所定のサイズ及び/又は分布を特徴とし得る。改質の程度は、温度、時間、及び冷却速度等のいくつかの要因に依存する。見て取れるように、コーティング組成、コーティングプロセス、及び後処理の適切な選択の組み合わせにより、発明電気めっきコーティングの類を生成することができる。
好ましい実施形態では、本発明の電気めっきコーティングは、ブレード先端上の研磨材コーティング用の金属マトリックスとして使用され得る。研磨材コーティングを生成するためのプロセスは、CoCrAlX又はCoNiCrAlX前駆体粉末をめっき溶液中に懸濁させためっき溶液浴からの電気めっきにより、ブレード先端上の第1の層として本発明の電気めっきコーティングを生成することと、研磨材粒子をめっき溶液中に懸濁させためっき溶液浴からの電気めっきにより、研磨材粒子を第1の層に固着させることと、CoCrAlX又はCoNiCrAlX前駆体粉末をめっき溶液中に懸濁させためっき溶液浴からの電気めっきにより、研磨材粒子の周りを本発明の電気めっきコーティングで埋めることとを含む。好適な研磨材粒子は、立方晶窒化ホウ素、アルミナ、炭化ケイ素、又は他の種類の窒化物、酸化物、及び炭化物を含む。
変形形態が企図されることを理解されたい。例えば、研磨材粒子の周りを埋めるための本電気めっきコーティングは、研磨材コーティングの第1の層用の電気めっきコーティングとは異なる組成を有し得る。
出願人は、前駆体粉末を塗布する他の方法がこのコーティングの作製には好適ではないことを見出した。例えば、プラズマ溶射プロセスは、プラズマの温度が高すぎて、金属マトリックスが研磨材粒子と反応して研磨材コーティングの特性を著しく低下させるため、本発明コーティングの作製には好適ではない場合がある。更に、プラズマ溶射及び物理蒸着プロセスは、「視線」プロセスであり、複雑な形状を有する部品、例えば、タービンブレード先端のコーティングには好適ではない。
本明細書で論じられる研磨材コーティングに加えて、様々な他の最終用途が本発明によって企図されることを理解されたい。例えば、本発明の電気めっきコーティングは、研磨材粒子を添加することなく生成することができ、金属基板を高温酸化及び腐食から保護するためのオーバレイコーティングとして使用され得る。本発明の電気めっきコーティングは、遮熱コーティングシステム用の結合塗装としても使用され得る。更に、本発明電気めっきコーティングを利用して、所望の物体のニアネットシェイプを有する電鋳材料を作製することができる。本発明のコーティングを使用して、微小電気機械システム(MEMS)及びLIGA用途の電鋳微小検体を生成することができる。更に、本発明は、一例として、付加製造又はニアネットシェイプ電鋳物製造沈着プロセス等の様々な他の製造技法で用いることができ、それにより、自立部品、継目なしの部品、及びニアネットシェイプ部品が生産され得る。
以下の実施例は、本電気めっきコーティングが800℃〜1000℃の上昇した使用温度で著しくより高い最大強度を呈することを実証する。これらの実施例は、決して本発明の範囲を限定するようには意図されておらず、むしろ、本発明の原理を例証するよう意図されていることを理解されたい。
比較実施例1(800℃でのUTSについて試験された従来のMCrAlY)
従来の自立MCrAlYコーティングの固有高温強度と本発明の固有高温強度を比較するために、従来の自立MCrAlYコーティングを調製した。
従来のMCrAlYコーティングの自立コーティングを生成するためのプロセスは、以下の工程を含んだ。最初に、前駆体CrAlY粉末をガス噴霧により調製した。前駆体粉末の重量パーセントでの組成は、Cr−35%Al−1%Yであった。
次に、前駆体CrAlY粉末を硫酸ニッケル及びコバルトめっき溶液浴からアルミニウムシート上に捕捉めっきした。この捕捉めっきプロセスを、各々が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第5,076,897号、同第5,702,574号、及び同第5,833,829号に記載の方法に従って実行した。電気めっきプロセスによって捕捉されたCrAlY前駆体粉末の重量パーセントは、全コーティング重量の32%を占めた。この電気めっきプロセスにより、CrAlY粒子をNi/Coマトリックス中に包理させた「グリーンコーティング」の形成がもたらされた。結果として生じたグリーンコーティングの厚さを約0.5〜1ミリメートルと判定した。
その後、このアルミニウムシートを30%水酸化ナトリウム溶液中に置いて、グリーンコーティングを構造的に無傷のまま維持しながら、アルミニウムシートに選択的に浸出させた。アルミニウムシートを取り除いた後、「グリーン」自立コーティングシートを得た。
その後、このコーティングシートを熱処理して、マトリックスの構成成分と粒子との間の相互拡散を許容した。熱処理条件を、真空下で、1120℃の温度で6時間実行した。これにより、0.5〜1ミリメートルの厚さを有する従来の自立電気めっきNiCoCrAlYシートが生成された。このコーティング断面微細構造を図6に示す。このコーティングは、2つの主な相からなり、γ−Ni固溶体相が図6で薄い灰色で示され、β−NiAl相が図6で濃い灰色で示されている。結果として生じた自立コーティングの組成は、重量パーセントでNi−24%Co−19.5%Cr−10.5%Al−0.3%Yであった。
ASTM標準E8に従ってこの電気めっきシートから平坦な引張試験検体を機械加工して磨いた。この試験検体は、32ミリメートルのゲージ長及び6ミリメートルの幅を有した。引張試験のひずみ速度は、約1%まで0.002/分、その後破砕まで0.1/分であった。引張試験を800℃(1470°F)で行った。従来の電気めっきNiCoCrAlYコーティングの最大引張強度を240MPaと判定した。
比較実施例2(900℃でのUTSについて試験された従来のMCrAlY)
従来のMCrAlYコーティングの別の自立コーティングを生成するためのプロセスは、比較実施例1に記載のプロセスと同じであった。結果として生じた自立コーティングの組成は、重量パーセントでNi−24%Co−19.5%Cr−10.5%Al−0.3%Yであった。
UTS試験手順を比較実施例1に記載されるように実行した。ASTM標準E8に従ってこの電気めっきシートから平坦な引張試験検体を機械加工して磨いた。この試験検体は、32ミリメートルのゲージ長及び6ミリメートルの幅を有する。引張試験のひずみ速度は、約1%まで0.002/分、その後破砕まで0.1/分であった。引張試験を900℃(1652°F)で行った。従来の電気めっきNiCoCrAlYコーティングの最大引張強度を87MPaと判定した。
比較実施例3(1000℃でのUTSについて試験された従来のMCrAlY)
従来のMCrAlYコーティングの別の自立コーティングを生成するためのプロセスは、比較実施例1に記載のプロセスと同じであった。結果として生じた自立コーティングの組成は、重量パーセントでNi−24%Co−19.5%Cr−10.5%Al−0.3%Yであった。
UTS試験手順を比較実施例1に記載されるように実行した。ASTM標準E8に従ってこの電気めっきシートから平坦な引張試験検体を機械加工して磨いた。この試験検体は、32ミリメートルのゲージ長及び6ミリメートルの幅を有する。引張試験のひずみ速度は、約1%まで0.002/分、その後破砕まで0.1/分である。引張試験を1000℃(1832°F)で行った。1000℃での従来の電気めっきNiCoCrAlYコーティングの最大引張強度を21MPaと判定した。
実施例1(800℃でのUTSについて試験された本発明の電気めっきコーティング)
本発明の電気めっきコーティングの固有高温強度を比較実施例1、2、及び3と比較するために、本発明に記載のコーティング組成を有する自立コーティングを調製した。本発明の自立コーティングを生成するためのプロセスは、以下を含んだ。前駆体CoCrAl系合金粉末をガス噴霧により調製した。前駆体粉末の重量パーセントでの組成は、28.4%Co−22.7Cr−17%Mo−17%Al−2.8%Ti−11.4%Ta−0.3%Zr−0.3%C−0.04%Bであった。
次に、前駆体CoCrAl系合金粉末を硫酸ニッケルめっき溶液浴からアルミニウムシート上に捕捉めっきした。この捕捉めっきプロセスを、各々が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第5,076,897号、同第5,702,574号、及び同第5,833,829号に記載の方法に従って実行した。電気めっきプロセスによって捕捉されたCoCrAl系前駆体粉末の重量パーセントは、全コーティング重量の36%を占めた。この電気めっきプロセスにより、CoCrAl系粒子をNiマトリックス中に包理させた「グリーンコーティング」の形成がもたらされた。結果として生じたグリーンコーティングの厚さは、約0.5〜1ミリメートルであった。その後、このアルミニウムシートを30%水酸化ナトリウム溶液中に置いて、グリーンコーティングを構造的に無傷のまま維持しながら、アルミニウムシートに選択的に浸出させた。アルミニウムシートを取り除いた後、「グリーン」自立コーティングシートを得た。
このコーティングシートを熱処理して、マトリックスの構成成分と粒子との間の相互拡散をもたらした。熱処理条件を、真空下で、1120℃の温度で6時間実行した。これにより、本発明の自立電気めっき金属コーティングが生成された。このコーティングは、図4に示されるように、ニッケルマトリックス(γ−Niマトリックス)中のガンマプライム(γ’−NiAl)析出物からなった。γ’−NiAl析出物の体積分率を約65%と判定した。更に、γ’−NiAlは、一次γ’−NiAl及び二次γ’−NiAlを含む二峰性微細構造を特徴とした。一次γ’−NiAlは、粒径約2〜8ミクロン(μm)の範囲の離散粗粒子からなった。二次γ’−NiAlは、約0.2〜0.5μmの範囲の粒径を有する離散微粒子からなった。本発明の自立コーティングの組成(重量パーセント)は、以下の通りであった。
Ni:残部
Cr:8%
Co:10%
Mo:6%
Al:6%
Ti:1%
Ta:4%
Zr:0.1%
C:0.1%
B:0.015%
ASTM標準E8に従ってこの電気めっきシートから平坦な引張試験検体を機械加工して磨いた。この試験検体は、32ミリメートルのゲージ長及び6ミリメートルの幅を有した。引張試験のひずみ速度は、約1%まで0.002/分、その後破砕まで0.1/分であった。引張試験を800℃(1652°F)で行った。本発明の新規の金属コーティングの最大引張強度を510MPaと判定し、これは、比較実施例1に記載される従来のNiCoCrAlYコーティングの800℃での最大引張強度(240Mpa)の2倍を超える。
実施例2(900℃でのUTSについて試験された本発明の電気めっきコーティング)
本発明の別の自立コーティングを生成するためのプロセスは、実施例1に記載のプロセスと同じであった。
UTS試験手順を実施例1に記載されるように実行した。ASTM標準E8に従ってこの電気めっきシートから平坦な引張試験検体を機械加工して磨いた。この試験検体は、32ミリメートルのゲージ長及び6ミリメートルの幅を有した。引張試験のひずみ速度は、約1%まで0.002/分、その後破砕まで0.1/分であった。引張試験を900℃(1470°F)で行った。本発明の新規の金属コーティングの最大引張強度を363MPaと判定し、これは、比較実施例2に記載される従来のNiCoCrAlYコーティングの900℃での最大引張強度(87MPa)の4倍を超える。
実施例3(1000℃でのUTSについて試験された本発明の電気めっきコーティング)
本発明の別の自立コーティングを生成するためのプロセスは、実施例1に記載のプロセスと同じであった。
UTS試験手順を実施例1に記載されるように実行した。ASTM標準E8に従ってこの電気めっきシートから平坦な引張試験検体を機械加工して磨いた。この試験検体は、32ミリメートルのゲージ長及び6ミリメートルの幅を有する。引張試験のひずみ速度は、約1%まで0.002/分、その後破砕まで0.1/分である。引張試験を1000℃(1470°F)で行った。本発明の新規の金属コーティングの最大引張強度を106MPaと判定し、これは、比較実施例3に記載される従来のNiCoCrAlYコーティングの1000℃での最大引張強度(21MPa)の5倍を超える。本発明の新規のコーティングの1000℃での最大引張強度(106MPa)が更に従来のNiCoCrAlYコーティングの900℃での最大引張強度(87MPa)よりも高いことが観察され、この新規のコーティングが使用温度を従来のNiCoCrAlYコーティングよりも100℃以上上昇させることができることを明らかにした。
実施例4(本発明の周期的酸化性能)
炉サイクル試験を実行して、本発明の電気めっきコーティングとCannon−Muskegon Corp.(Muskegon,MI)からCMSX−4(登録商標)で市販されている従来のMCrAlYコーティング及び従来のニッケル系超合金の1133℃での周期的酸化耐性を比較した。
本発明の自立電気めっきコーティングを生成するためのプロセスは、実施例1に記載のプロセスと同じであった。従来の自立MCrAlYコーティングを生成するためのプロセスは、比較実施例1に記載のプロセスと同じであった。CMSX−4(登録商標)は、Cannon−Muskegon Corp.(Muskegon,MI)から市販されているニッケル系超合金である。
炉サイクル試験を空中1133℃で実行した。各サイクルは、1133℃で50分間滞留、続いて室温への10分間冷却からなった。周期的酸化耐性を、図3に示されるように、サイクル数の関数としての比重量変化のプロットによって特徴付けた。
図3に示されるように、負の重量増加は、周期的酸化に対する耐性が乏しいという指標である。結果は、本発明の電気めっきコーティングが従来のMCrAlYコーティングの酸化耐性とほぼ同等の酸化耐性を呈したことを示した。本発明の電気めっきコーティング及び従来のMCrAlYコーティングは、従来のニッケル系超合金CMSX−4(登録商標)の酸化耐性よりも著しく高い酸化耐性を示した。
上述の試験は、本発明の電気めっきコーティングが、酸化耐性を著しく低下させることなく、従来のMCrAlYコーティングに対して著しくより高い引張強度を有することを実証する。
本発明のある特定の実施形態と見なされるものが示され記載されているが、当然ながら、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態又は詳細の様々な修正及び変更を容易に加えることができることが理解される。したがって、本発明は、本明細書に示され記載される正確な形態及び詳細にも、本明細書に開示され以下に特許請求される本発明の全体未満のいずれのものにも限定されないよう意図されている。

Claims (20)

  1. 約5〜15重量%のコバルト、約5〜10重量%のクロム、約5〜10重量%のアルミニウム、0〜約6重量%のモリブデン、0〜約6重量%のタングステン、0〜約6重量%のタンタル、0〜約6重量%のレニウム、0〜約2重量%のチタン、0〜約1重量%のジルコニウム、0〜約1重量%のハフニウム、0〜約1重量%のイットリウム、0〜約1重量%のケイ素、0〜約0.2重量%の炭素、0〜約0.03重量%のホウ素、及び残部ニッケルを含むニッケル系金属電気めっき組成物を含む電気めっきコーティングであって、
    前記組成物が、ガンマニッケル固溶体相(γ−Ni相)及び前記γ−Ni相中に分布しているガンマプライムニッケルアルミナイド相(γ’−NiAl相)によって少なくとも部分的に規定される多相微細構造を特徴とし、
    前記γ’−NiAl相が、一次γ’−NiAl相及び二次γ’−NiAl相を含む二峰性微細構造を含み、前記二次γ’−NiAl相が、前記一次γ’−NiAl相の粒径よりも小さい粒径を有し、
    前記γ’−NiAl相が、前記γ−Ni相中に一様分布を任意に含み、
    前記γ’−NiAl相が、少なくとも約40体積%であるが、約90体積%を超えない量で含有され、それにより、MCrAlY組成物を有するコーティングと比較して使用温度でのより高い最大引張強度をもたらす、電気めっきコーティング。
  2. 前記電気めっきコーティングが、MCrAlY組成物を有するコーティングと比較して少なくとも2倍高い、800℃以上の温度に対応する最大引張強度をもたらす、請求項1に記載の電気めっきコーティング。
  3. 前記電気めっき組成物中に包理された研磨材粒子を更に含む、請求項1に記載の電気めっきコーティング。
  4. 前記研磨材粒子が、立方晶窒化ホウ素、アルミナ、炭化ケイ素、又は他の種類の窒化物、酸化物、及び炭化物からなる群から選択される、請求項1に記載の電気めっきコーティング。
  5. 前記γ’−NiAl相が、約65〜75体積%の範囲の体積分率で含有される、請求項1に記載の電気めっきコーティング。
  6. 前記MCrAlY組成物を有する前記コーティングと比較して、高温酸化に対する耐性を実質的に維持しながら、高温強度を増大させることを特徴とする、請求項1に記載の電気めっきコーティング。
  7. 前記γ−Ni相中の一様分布である前記γ’−NiAl相を更に含む、請求項1に記載の電気めっきコーティング。
  8. 前記ホウ素、前記炭素、前記モリブデン、前記タングステン、及び前記チタンの各々が0%である、請求項1に記載の電気めっきコーティング。
  9. Pt、Ir、及びPdのうちの少なくとも1つ、又はそれらの任意の組み合わせを更に含む、請求項1に記載の電気めっきコーティング。
  10. 前記コーティングが、基板と前記コーティングとの間の相互拡散領域内での脆性層の不在を特徴とする、請求項1に記載の電気めっきコーティング。
  11. 約8〜12重量%のコバルト、約6〜9重量%のクロム、約5.5〜7重量%のアルミニウムを更に含み、チタン、ジルコニウム、炭素、ホウ素、モリブデン、タングステン、レニウム、及びタンタルの合計が約3〜12重量%の量で含有され、残部がニッケルである、請求項1に記載の電気めっきコーティング。
  12. 前記コーティングがスタンドアロン型オーバレイコーティングとして塗布される、請求項1に記載の電気めっきコーティング。
  13. 前記コーティングが遮熱コーティング用の結合コーティングとして塗布される、請求項1に記載の電気めっきコーティング。
  14. 電気めっきコーティングの形成方法であって、
    超合金基板を提供することと、
    前駆体合金粉末を有するめっき溶液を提供することであり、前記前駆体合金粉末がCoCrAlX又はNiCoCrAlXを含み、式中、Xが、Re、Ta、Mo、W、Hf、Y、Si、Zr、C、Bのうちの1つ以上、又はそれらの任意の組み合わせである、提供することと、
    前記ニッケル及び前記前駆体合金粉末を前記基板上に電気めっきして、約5〜15重量%のコバルト、約5〜10重量%のクロム、約5〜10重量%のアルミニウム、0〜約6重量%のモリブデン、0〜約6重量%のタングステン、0〜約6重量%のタンタル、0〜約6重量%のレニウム、0〜約2重量%のチタン、0〜約1重量%のジルコニウム、0〜約1重量%のハフニウム、0〜約1重量%のイットリウム、0〜約1重量%のケイ素、0〜約0.2重量%の炭素、0〜約0.03重量%のホウ素、及び残部ニッケルを含む組成物を有するグリーンコーティングを形成することと、
    約1093℃〜1316℃(約2000°F〜2400°F)の範囲の温度で約2〜約6時間、前記グリーンコーティングの第1の熱処理を実行することと、
    前記CoCrAlX粉末組成物又は前記NiCoCrAlX粉末組成物をニッケルめっきマトリックス中に拡散させて、中間コーティングを生成することと、
    約760℃〜約1066℃(約1400°F〜約1950°F)の範囲の温度で約6〜約48時間、前記組成物の第2の熱処理を実行することと、
    前記ガンマプライムニッケルアルミナイド相(γ’−NiAl相)を析出させて、改質された電気めっきコーティングを生成することと、を含む、方法。
  15. 研磨材粒子を中に懸濁させためっき溶液浴からの電気めっきにより、前記研磨材粒子を前記電気めっきコーティングに固着させる工程と、
    前記研磨材粒子の周りを前記電気めっきコーティングで埋める工程と、を更に含む、請求項14に記載の方法。
  16. 前記基板が先端を有するタービンブレードであり、前記研磨材粒子が窒化ホウ素粒子を含む、請求項14に記載の方法。
  17. 約5〜15重量%のコバルト、約5〜10重量%のクロム、約5〜10重量%のアルミニウム、0〜約6重量%のモリブデン、0〜約6重量%のタングステン、0〜約6重量%のタンタル、0〜約6重量%のレニウム、0〜約2重量%のチタン、0〜約1重量%のジルコニウム、0〜約1重量%のハフニウム、0〜約1重量%のイットリウム、0〜約1重量%のケイ素、0〜約0.2重量%の炭素、0〜約0.03重量%のホウ素、及び残部ニッケルを含むニッケル系金属電気めっき組成物を含む電気めっきコーティングであって、
    前記組成物が、ガンマニッケル固溶体相マトリックス(γ−Niマトリックス)及び前記γ−Niマトリックス中に分布しているガンマプライムニッケルアルミナイド相(γ’−NiAl相)によって少なくとも部分的に規定される多相微細構造を特徴とし、
    前記γ’−NiAl相が、少なくとも約40体積%であるが、約90体積%を超えない量で含有され、それにより、MCrAlYマトリックスを有するコーティングと比較して使用温度でのより高い最大引張強度をもたらし、
    前記電気めっきコーティングが、Pt、Ir、及びPdのうちの少なくとも1つ、又はそれらの任意の組み合わせを更に含んでもよい、電気めっきコーティング。
  18. 前記コーティングが、自立電鋳材料として塗布される、請求項1に記載の電気めっきコーティング。
  19. 前記コーティングが、所望の物体のニアネットシェイプを有する自立電鋳材料として塗布される、請求項1に記載の電気めっきコーティング。
  20. 前記コーティングが、微小電気機械システム(MEMS)用途の自立電鋳微小検体として塗布される、請求項1に記載の電気めっきコーティング。
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