JP2017533276A - 認知低下を処置するための方法 - Google Patents

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Abstract

本発明の態様は、好ましくは10〜400マイクログラム (μg) の量の、低用量のテトラヒドロカンナビノール (THC) を患者に投与する段階を含む、患者の加齢関連認知低下を処置するための方法に関する。THCは、種々の経路で投与することができる。THCを用いて、加齢関連認知低下の進行を遅らせる、または緩徐化する、または逆転させるための方法もまた開示される。上記の方法は、加齢関連認知低下の進行を緩徐化し得る。認知低下は、軽度認知障害 (MCI) に罹患している患者、または認知低下が予防されている、MCIのない患者におけるものであってよい。

Description

関連出願
本出願は、35 U.S.C. 119(e)の下で、2014年11月3日に出願された米国仮特許出願第62/074,134号の恩典を主張するものであり、その開示は参照により本明細書に組み入れられる。
技術分野
本発明の態様は、認知低下を処置するための方法および認知低下を処置するための組成物に関する。
背景
脳老化の過程は、複数の系、細胞型、および経路に影響を及ぼし、認知低下、およびアルツハイマー病 (AD) のリスク増加をもたらす場合が多い。加齢関連認知低下は、典型的に記憶障害と関連しているが、混乱、判断障害、人格変化、見当識障害、および言語技能の喪失を含むがこれらに限定されない症状を伴う場合がある。これらの老化過程は、自発的である場合が多く、他の病態または損傷には関係していない。
老化の初期、特に初老および典型的には60歳を上回る年齢において、脳機能または行動における異常性の軽度な症状が発症し得る。患者によっては、そのような症状をより早く40代半ばから発症し得る。認知低下の症状がいくらか認められたが、日常生活では典型的に正常な活動を行い、他の病態に罹患していない患者は、「軽度認知障害」(MCI) に罹患していると診断され得る。記憶が主に冒されるMCIに罹患している患者は、健忘型MCIに罹患していると見なされ得る。MCIを、前駆期、すなわち例えばADなどの疾患の前の段階であるが、その疾患に向かう途中の段階と見なす人もいる。しかしながら、多くのMCI患者は、決して他の疾患に進むことはなく、MCI患者のままである。
加齢性であるが他の病態と関連している可能性のある、他の種類の認知低下には、AD、レビー小体病認知症、血管性認知症、パーキンソン病、およびハンチントン病が含まれる。
薬学的介入、食事の最適化、睡眠の最適化、ストレスの軽減、運動、および脳刺激を含む、予防および処置への様々な治療アプローチが示唆されている。今日まで、加齢関連認知低下の治療または予防は、有効でないことが判明しており、その使用は認可されていない。コリンエステラーゼ阻害薬は、ADと関連した認知症に罹患している患者に投与されているが、その恩恵はわずかである。
概要
本発明の態様は、低用量のテトラヒドロカンナビノール (THC) をそれを必要とする患者に投与する段階を含む、加齢関連認知低下を処置および/または予防するための方法を提供する。低用量のTHCは、初老患者における加齢関連認知低下、例えば記憶障害の処置および予防において有効であり得る。好ましくは、低用量とは、患者が急性副作用を感知しない用量である。本発明の態様による方法を実施する場合に回避され得る急性副作用は、多幸感、鎮静、傾眠、意識混濁、運動協調性低下、および食欲増進からなる群より選択され得る。
THCは、その主な異性体が (-)-トランス-Δ9-テトラヒドロカンナビノールとして公知であるが、大麻植物の主な精神活性成分である。大麻は、カンナビス・サティバ (Cannabis sativa)、C. インディカ (C. indica)、およびC. ルデラリス (C. ruderalis) という種を含む、植物の属である。大麻植物は、繊維(麻)作製、医薬用途、および快楽薬物用途を含む、種々の用途のために栽培されている。大麻は、一般にマリファナとしても知られている。
多くの国々における、大麻が医薬用途のために用いられる方法(医療マリファナとしても公知である)の1つは、喫煙による。大麻の喫煙は典型的に、パイプを使用することにより、吸引前に水を通して煙を濾過する水パイプ(ボングとして公知である)を使用することにより、または紙で巻いて、口語では「ジョイント」としても知られているマリファナ煙草を形成することにより、行われる。典型的に喫煙に用いられる植物の部分は、花全体および発芽葉である。患者が喫煙により大麻を自己投与する場合、患者は通常、所望の気分変化、多幸感、またはリラックス感を感じるまで喫煙し続けることにより、投薬量を自己で用量設定する。
カンナビノイドは、ヒトのカンナビノイド受容体に作用する化合物である。植物起源のカンナビノイドは、フィトカンナビノイドとしても公知であり、大麻属の植物に豊富である。大麻中に比較的高濃度で存在する2つの公知のカンナビノイドは、THCおよびカンナビジオール (CBD) である。多くのカンナビノイドの精神活性効果および他の医学的効果が研究されている。例えば、THCは、多幸感効果、鎮痛効果、抗酸化効果を有すること、および食欲を増進させることが見出された。カンナビスの個々の化学成分が単離されているが、多くの管轄権は、種々の適応症に対する医療大麻植物物質の使用および販売を認可している。
純粋なTHCを含有する薬学的製剤はドロナビノールとして公知であり、Marinol(登録商標)として公知の経口カプセル剤として入手することができる。Marinol(登録商標)は、様々な国において、エイズ患者の体重減少と関連した食欲不振の処置ために認可されている。Marinol(登録商標)はまた、化学療法処置における制吐薬、および神経障害性疼痛における付加的な鎮痛薬として認可されている。
単離されたTHCは、大麻植物物質からの単離により、または化学合成により、例えば別のカンナビノイドからTHCへの変換により、製造することができる。
この概要は、詳細な説明においてさらに後述する概念のうちの選択されたものを簡略化した形で紹介するために提供される。この概要は、特許請求される主題の重要な特徴または必須の特徴を特定することを意図するものではなく、また特許請求される主題の範囲を限定するために用いられることを意図するものでもない。
若齢対照群、未処置の老齢マウス群、および低用量THCで処置した老齢マウス群のマウスに提示された「新しい物体」および「古い物体」の相対探索時間に関連している、記憶の指標としての、物体認識試験の結果を示す棒グラフを記載しており、処置した老齢マウス群では、古い物体と比較して新しい物体の探索が有意により長いことによって明らかなように、未処置の老齢マウスと比較して記憶が有意に改善される。
詳細な説明
約1〜約20ミリグラム/キログラム (mg/kg) という齧歯類における用量に相当する通常用量でのカンナビノイドの使用は、運動および精神活動の緩徐化を含む、カンナビノイドの通常の身体的効果および向精神効果を誘発する。THCを含むカンナビノイドのそのような通常用量が、齧歯類に慢性的に投与される場合、齧歯類は、脳の変性過程を伴う長期認知障害を誘発した。
ヒトにおいて、通常用量の大麻(マリファナ)への単回曝露は、精神的能力を数時間にわたり損なうのに対して(投与用量に依存)、通常用量のカンナビノイドへの慢性的曝露は、注意、意欲、記憶、または実行機能の障害として現れる、持続性の認知障害をもたらす。MRI研究により、慢性的な重度の大麻使用者の脳では、白質および灰白質が減少していることが示された。
本発明者らは、驚いたことに、通常用量よりも著しく低い用量の投与が、通常用量の投与と逆の効果を有することを見出した。加えて、そのような低用量の投与は、老齢マウスで行われた齧歯類モデルにおいて加齢関連認知低下を処置することが示された。加齢性の記憶力低下を処置および逆転させるための、急性の測定可能な身体的および/または向精神効果を誘発しない低用量の投与が、本発明者らによって示されており、本明細書において以下にさらに詳細に記載されている。約3週間にわたる低用量の間欠投与は、マウスにおいて加齢関連認知低下に長期効果をもたらすのに十分であることが示された。単回の低用量の投与でさえ、同様の長期効果をもたらすのに効果的であり得ることが示唆される。
通常用量は、大麻の喫煙時、および所望の気分変化、多幸感、またはリラックス感を感じるまで喫煙し続ける使用者による自己用量設定時に投与されるTHCの量によって表され得る。喫煙により投与する大麻の使用者は、喫煙セッションごとに約2 mg〜約20 mgを自己投与する。使用者によっては、1日に1回〜数回自己投与し得る。加えて、ドロナビノールカプセル剤の形態のTHCの通常用量は、2.5、5、または10 mgの用量で入手可能である。
口腔粘膜スプレーのナビキシモルス(商品名Sativex(登録商標)で販売されており、多発性硬化症痙縮を処置するために様々な国で認可されている)は、1スプレーにつき2.7 mgのTHCという量で、THCおよびカンナビジオールを含む。患者は、1日に約4〜12スプレーを投与する。これもまた、THCの通常投薬を表す。
以下により詳細に示されるように、老齢マウスにおけるマウスモデルは、未処置の老齢マウスが、若齢マウスと比較して記憶力低下を患うことを示した。老齢マウスを0.002 mg/kgの低用量のTHCで処置した場合、老齢マウスは、検査されたそれらの記憶力が若齢マウスと同様である程度まで、記憶力の改善を示した。
マウスにおいて有効であることが本発明者によって示された用量は、約0.2マイクログラム/キログラム (μg/kg) 〜約8μg/kgというヒトにおける用量に相当する。体重70キログラム (kg) の平均的なヒトでは、これは約10〜400マイクログラム (μg) という用量に相当する。動物用量のヒト用量への変換は、FDA指針によって提案される体表面積標準化に基づいている。
本発明の1つの態様に従って、患者に約10〜400μgの低用量のTHCが投与される、患者の加齢関連認知低下を処置するための方法が提供される。1つの態様によれば、投与量は10〜100μgである。1つの態様によれば、投与量は10〜20μgである。
本発明の1つの態様に従って、患者に低用量のTHCが、1日1回、週に3回、または週に1回投与される。本発明の1つの態様に従って、処置の長さは、1日、約3週間、または約1ヵ月であってよい。本発明の1つの態様に従って、患者は、処置計画の後に加齢関連認知低下の症状について評価され、その後、再評価に応じてTHCを再投与され得る。
本発明の1つの態様による薬学的組成物は、単位剤形で好都合に提示され、薬学の分野で周知の方法のいずれかによって調製される。本発明の1つの態様において、単位剤形は、錠剤、カプセル剤、トローチ剤、カシェ剤、パッチ、アンプル、バイアル、スプレー、定量吸入器、舌下もしくは頬側ドロップ剤、坐剤、または充填済みシリンジの形態である。
本発明の1つの態様において、剤形は、喫煙または気化用に構成された固体植物物質である。本発明の1つの態様において、固体植物物質は、例えば舌下経路を通じて、または非経口経路を介して投与される抽出物に形成され得る。
本発明の組成物は、薬学的に許容される担体または希釈剤と共に少なくとも1つの活性成分を含む薬学的組成物の形態で投与され得る。
経口投与については、薬学的組成物は、液剤、懸濁剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤等の形態をとることができる。クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、およびリン酸カルシウムなどの様々な賦形剤を含有する錠剤は、でん粉、好ましくはジャガイモまたはタピオカでん粉、およびある種の複合珪酸塩などの様々な崩壊剤と共に、ポリビニルピロリドン、スクロース、ゼラチン、およびアラビアゴムなどの結合剤と一緒に用いられる。加えて、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、およびタルクなどの潤滑剤は、打錠目的に非常に有用である場合が多い。類似の種類の固体組成物は、軟質および硬質充填ゼラチンカプセル剤中の充填剤としても用いられ、これに関連して好ましい材料には、ラクトースまたは乳糖、および高分子量ポリエチレングリコールもまた含まれる。水性懸濁剤および/またはエリキシル剤が経口投与に望ましい場合には、本発明の成分を、様々な甘味剤、着香剤、着色剤、乳化剤、および/または懸濁化剤、ならびに水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン、およびそれらの様々な類似の組み合わせのような希釈剤と組み合わせることができる。
本発明の態様による組成物は、徐放性または速放性製剤などの制御放出性製剤中で投与することもできる。そのような制御放出性投薬組成物は、当業者に周知の方法を用いて調製することができる。
非経口投与の目的で、ゴマ油もしくはラッカセイ油または水性プロピレングリコール中の液剤、および対応する水溶性塩の滅菌水性液剤を用いることができる。そのような液剤は、必要に応じて適切に緩衝化することができ、液体希釈剤は、最初に十分な生理食塩水またはグルコースで等張にされる。これらの液剤は、静脈内、筋肉内、皮下、および腹腔内注射の目的に特に適している。
本発明の態様による薬学的組成物は、0.0000001%〜10%という活性量のTHCを含有し得る。
本発明の態様による薬学的組成物は、任意で軟質ゼラチンカプセル剤中に封入された、非水性液剤中に製剤化することができる。軟質ゼラチンカプセル製剤は、以下の賦形剤:グリセリンおよびゴマ油のうちの1つまたは複数をさらに含み得る。
THCを含む薬学的組成物は、参照により本明細書に組み入れられる米国特許第8,603,515号;第8,476,312号;第7,648,696号;第6,730,330号;第6,509,005号に開示されているように調製することができる。例示的な組成物は、頬側投与のためのポンプ式スプレーの形態であってよい。組成物は溶媒および共溶媒を組み合わせて含んでよく、この場合、溶媒はアルコールであり、共溶媒は、グリコール、糖アルコール、炭酸エステル、および塩素化炭化水素からなる群より選択される。
例示的な組成物は、炭酸を添加し、溶媒としてアルコールを用いて調製することができる。例示的な組成物は、アルコール、水、およびグリコールを含む半水性溶媒を含めて、肺への吸入用に調製することができる。任意で、エタノール:水:プロピレングリコールの体積比は、それぞれ10〜70:10〜30:20〜80の範囲にあるものより選択され得る。
例示的な組成物は、粘膜表面を介した投与用に調製することができ、モノオレイン酸グリセロール、モノステアリン酸グリセロール、中鎖トリグリセリド、ポリエトキシ化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ステアリン酸ポリオキシオチレン (polyoxyothylene stearate)、およびソルビタンエステルからなる群より選択される可溶化剤を含み得る。
例示的な組成物は、定量吸入器を介した投与用に調製することができ、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパンおよび有機溶媒を含み得る。本発明のいくつかの態様は、低用量THCが、疾患を処置するために用いられる唯一の活性薬剤である、単剤療法としての処置に関する。本発明のいくつかの態様は、低用量THCが、疾患を処置するために別の活性薬剤と併用して用いられる、併用療法に関する。「併用して」とは、両方の薬物が体内において同時に実質的に有効であることを指す。両方の薬物は、実質的に同時に投与することができ、または両方の薬物は、異なる時期に投与するが、身体に同時に効果を及ぼすことができる。
本発明の1つの態様に従って、低用量THCが少なくとも1つの付加的なカンナビノイドと併用して投与される、加齢関連認知低下を処置するための方法が提供される。本発明の1つの態様によれば、付加的なカンナビノイドはCBDである。本発明の1つの態様によれば、THCとCBDは、任意の他のカンナビノイドを添加せずに、併用して投与される。
本発明の1つの態様に従って、低用量THCが、いかなる付加的なカンナビノイドも伴わずに投与される、加齢関連認知低下を処置するための方法が提供される。
本発明の1つの態様に従って、低用量THCが大麻植物物質の形態で投与される、加齢関連認知低下を処置するための方法が提供される。本発明の1つの態様によれば、植物物質は、燃焼または気化後に吸入を通じて投与される。
本発明の1つの態様に従って、低用量THCが局所的に、全身的に、または局部的に投与される、加齢関連認知低下を処置するための方法が提供される。THCは、静脈内、皮下、または筋肉内注射を介して投与することができる。THCは、吸入または吹送を介して投与することができる。THCは、経口、頬側、舌下、経皮、鼻腔、直腸、または非経口経路を介して投与することができる。
本発明の1つの態様に従って、低用量THCが45歳以上の患者に投与される、加齢関連認知低下を処置するための方法が提供される。本発明の1つの態様に従って、低用量THCが50歳以上の患者に投与される、加齢関連認知低下を処置するための方法が提供される。本発明の1つの態様に従って、低用量THCが55歳以上の患者に投与される、加齢関連認知低下を処置するための方法が提供される。本発明の1つの態様に従って、低用量THCが60歳以上の患者に投与される、加齢関連認知低下を処置するための方法が提供される。本発明の1つの態様に従って、低用量THCが65歳以上の患者に投与される、加齢関連認知低下を処置するための方法が提供される。本発明の1つの態様に従って、低用量THCが70歳以上の患者に投与される、加齢関連認知低下を処置するための方法が提供される。本発明の1つの態様に従って、低用量THCが75歳以上の患者に投与される、加齢関連認知低下を処置するための方法が提供される。
本発明の1つの態様に従って、低用量THCが、アルツハイマー病病態の徴候を示さない患者に投与される、加齢関連認知低下を処置するための方法が提供される。
本発明の1つの態様に従って、低用量THCが、AD病態の徴候を示す患者に投与される、加齢関連認知低下を処置するための方法が提供される。
AD病態は、医師による健康診断、臨床的認知症尺度、ミニメンタルステート検査、ポジトロン放出断層撮影 (PET) などの画像スキャン、またはこれらの方法の任意の組み合わせによって判定され得る。
本発明の1つの態様に従って、低用量THCが、脳卒中を経験していない患者に投与される、加齢関連認知低下を処置するための方法が提供される。
本発明の1つの態様に従って、低用量THCが、外傷性脳損傷を経験していない患者に投与される、加齢関連認知低下を処置するための方法が提供される。
本発明の1つの態様に従って、低用量THCが、てんかん発作を経験していない患者に投与される、加齢関連認知低下を処置するための方法が提供される。
本発明の1つの態様に従って、加齢関連認知低下に罹患しているかまたはそのリスクがある患者に低用量THCが投与され、それによって認知低下の進行を停止させる、加齢関連認知低下を処置するための方法が提供される。本発明の1つの態様によれば、認知低下の進行は、臨床的認知症尺度 (CDR) およびミニメンタルステート検査 (MMSE) の1つまたは複数によって評価される。
理論によって縛られることはないが、低用量のTHCが、その用量が投与された患者において細胞外シグナル調節キナーゼ (ERK)、cAMP応答エレメント結合タンパク質 (CREB)、および脳由来神経栄養因子 (BDNF) を活性化することができ、患者の脳を加齢性劣化から保護し得、加齢性認知障害を逆転さえし得ることが示唆される。
実施例1a:物体認識試験を用いた、老齢マウスにおける低用量THCの投与後の記憶検査
各群につきマウス10匹を有する3群のICR雌マウスを、この検査に使用した。15月齢の被験マウス(老齢マウス)に、腹腔内経路を通じて、0.002 mg/kg THCを3週間にわたり週3回注射した。THC溶液は、エタノール中の100 mg/ml THCの貯蔵溶液を、1:1:18比のエタノール:クロモフォール:生理食塩水からなる媒体溶液中に溶解することにより調製した。THCは、適切な投薬量になるよう希釈し、10 gのマウス体重当たり0.1 mlの注射量で投与した。マウス2群を対照として使用した。一方の対照群は、THCなしの媒体で処置した8週齢の若齢マウス10匹を含んだ。もう一方の対照群は、THCなしの媒体で処置した老齢マウス10匹を含んだ。投与に際して、有害な急性作用は認められなかった。最終投与の3週間後に、マウスの認知能力を、新規物体を探索するマウスの自然な傾向に基づいて視覚的記憶を測定する行動アッセイである物体認識試験により検査した。実験の1日目に、マウスを実験活動領域内の2つの物体に馴化させた。マウスは2つの物体を区別することなく、それらの各々の探索に同様の時間を費やした。24時間後、マウスを、馴化させた物体の一方を新規物体に置き換えた同じ活動領域内に入れた。古い物体と比較して新しい物体の探索時間が統計的に有意により長いことによって表されるように、対照若齢マウス(若齢)は古い物体を覚えており、新規物体の探索を好んだ。未処置の老齢マウス(老齢)はこの能力を失い、古い物体よりも新しい物体を探索するのにより多くの時間を費やさず、これにより、これらのマウスが古い物体を覚えていられなかったことが示される。低用量THCで処置した老齢マウス(老齢+THC)は、若齢対照マウスと同様の行動を表し、古い物体と比較して新しい物体の探索に有意により多くの時間を費やし、これにより、これらのマウスが古い物体を覚えていたことが示される。各群の相対探索時間についての結果を図1に示す。相対探索時間は、所与の物体の探索時間を両物体の探索時間で除したものに等しい。
マウスにおけるこのモデルは、低用量のTHCが、老齢マウスにおける認知低下によって影響を受けた記憶を、加齢関連認知低下の影響を受けていないマウスと同様のレベルまで回復させるのに有効であることを示す。
加齢関連認知低下に罹患している患者の記憶を回復させるために、ヒトにおいて匹敵する低用量で、THCを投与することができる。
実施例1b:通常投薬量 対 低用量におけるTHCの望ましくない副作用の検査
実施例1aに記載される方法を用いて製剤化され、適切な投薬量になるよう希釈された、通常用量のTHC(1、2、または10 mg/kg)または低用量のTHC(0.001、0.002、または0.01 mg/kg)の単回用量を、腹腔内経路を通じて各群6匹のICRマウスに投与した。次いで、注射の15分後に開始して、検査を行った。45℃に維持したホットプレート上の透明ガラスシリンダー内に動物を入れる「ホットプレート試験」を用いて、動物を、通常用量のTHCおよび低用量のTHCと関連した鎮痛について試験した。動物を観察して、足をなめるまたはジャンプすることによって示されるように、ホットプレートによって生じた疼痛に反応するまでの時間を決定した。直腸体温計を用いて、動物を、通常用量のTHCおよび低用量のTHCと関連した低体温について試験した。オープンフィールド試験を用いて、動物を、通常用量のTHCおよび低用量のTHCと関連した不動性について試験した。オープンフィールド試験では、動物を活動領域内に5分間入れ、動物の活動を測定した。加えて、5分間に行われた立ち上がりの回数を記録した。
通常用量のすべてが、マウスにおいて、鎮痛、低体温、および不動性を含む、THCの通常の急性カンナビノイド作用を誘発した。低用量のTHC(0.001、0.002、および0.01 mg/kg)は、これらの作用のいずれも誘発しなかった。
マウスにおいて通常用量および低用量を用いて行われたモデルから見られ得るように、マウスを低用量で処置した場合、鎮痛(侵害刺激に応答するまでのより長い潜時)、体温低下、および運動活動の緩徐化は起こらなかった。これらのモデルから、ヒトにおける等価な投薬量(10〜400μg)を、一定の間隔で長期間にわたり投薬することができ、その投薬量の使用は、ヒトにおいて運動および精神活動の緩徐化などの急性の負の副作用を引き起こさないことが想定され得る。多幸感、心拍数および血圧の変化、傾眠、意識混濁、運動協調性低下、ならびに食欲促進(高用量において見られる場合が多い)は、低用量が投与されたヒトにおいて存在しないことが予測される。
実施例1c:低用量のTHCを投与されたマウスの行動試験
それぞれ体重約30〜40グラムの約8〜12週齢の若齢ICRマウスおよび約15月齢の老齢ICRマウスを、食物および水を自由に利用できる状態で、標準条件において収容する。処置前に少なくとも4回、生理食塩水の腹腔内注射を毎日することにより、マウスを取扱いおよび注射に慣らす。
THC溶液は、100 mg/ml THCの貯蔵溶液を、1:1:18比のエタノール:クロモフォール:生理食塩水からなる媒体溶液中に溶解することにより調製する。THCは、10 gのマウス体重当たり0.1 mlの注射量で投与する。投与されるTHC濃度は、0.002 mg/kgである。
4群のマウスを試験する。媒体またはTHCのいずれかが注射された、8〜12週齢の若齢マウス;媒体のみが注射された老齢対照マウス;および0.002 mg/kgのTHCが注射された老齢被験マウス。各群において、マウス8〜12匹を使用する。各群に、試験の前の3週間にわたり週3回、媒体またはTHCのいずれかを注射する。
オアシス迷路試験を用いて、4群すべてにおいて認知欠損を検査する。オアシス迷路は、地上ベースの空間学習アッセイである。迷路は、3つの同心円内に20個のウェルが配置された、直径200 cmの白色のプラスチック製活動領域からなる。各ウェルは、水0.25 mlを含んでいる。迷路は、様々な視覚的手掛かりを含む室内に位置している。マウスは、実験の3日前から開始し、かつ実験の間中、1日に1時間のみ自由に飲水することが許される。各実験は、2つの部分を含む。最終的なTHCまたは媒体注射の少なくとも1週間後に開始する、訓練段階である第1部では、すべてのウェルが水で満たされている。マウスを、様々な開始点において、その頭を活動領域の壁に向けた状態で活動領域に入れ、マウスが活動領域に入れられてから、ウェルを見つけそこから飲水するまでに要する時間を記録する。訓練段階は、各3分の3回の施行からなる。試験段階である実験の第2部では、マウスを同じ活動領域に入れるが、今度は20個のウェルのうちの1個のみが水で満たされており、各試行中は同じウェルが満たされている。各マウスを1日2回活動領域に入れ、各施行後には活動領域をアルコールで清掃する。各マウスにつき8回の施行について、各マウスが、水の入った単一のウェルを見つけ、そこから飲水するまでに要する時間を記録する。
この実験の実行に際して、その結果から、第1の訓練段階中に、媒体群およびTHC群の両方の若齢マウスが、水の入ったウェルを見つけるための戦略を迅速に立てることが示され得る。その後の試験段階において、空間記憶の確立により、若齢マウスは、水の入ったウェルを見つけるまでの時間を短縮できるようになる。水の入ったウェルを見つけるまでの時間は、その後徐々に短くなる。試験段階において、媒体のみで処置した老齢マウスは、水の入ったウェルを見つけるまでの時間を有意に短縮せず、これにより、加齢関連認知低下による空間記憶の障害が示される。試験施行において、低用量THCで処置した老齢マウスは、媒体のみで処置した老齢マウスよりも有意に短い時間で、水の入ったウェルを見つけることが示唆される。低用量THCで処置した老齢マウスは、試験施行において若齢マウスと同様に挙動し得る。これにより、低用量THCが、加齢関連認知低下の結果として生じる空間学習および空間記憶を高めるのに有効であり得ることが示され得る。
実施例1d:物体認識試験を用いた、老齢マウスにおけるCBDと併用した低用量THCの投与後の記憶検査
各群につきマウス10匹を有する3群のICR雌マウスを、この検査に使用した。15月齢の被験マウス(老齢マウス)に、腹腔内経路を通じて、0.002 mg/kg THCを、5 mg/kgのCBDと併用して、3週間にわたり週3回注射した。THC/CBD溶液は、エタノール中の100 mg/ml THCおよび100 mg/ml CBDの貯蔵溶液を、1:1:18比のエタノール:クロモフォール:生理食塩水からなる媒体溶液中に溶解することにより調製した。THCおよびCBDは、適切な投薬量になるよう希釈し、10 gのマウス体重当たり0.1 mlの注射量で投与した。マウス2群を対照として使用した。一方の対照群は、THC/CBDなしの媒体で処置した8週齢の若齢マウス10匹を含んだ。もう一方の対照群は、THC/CBDなしの媒体で処置した老齢マウス10匹を含んだ。
実施例1aに記載されるように、動物を維持し、試験した。
THC/CBDを用いて処置した老齢マウスは、試験された若齢マウスと同様の記憶を有することが示された。THC/CBDを用いて処置した老齢マウスは、低用量THCを単独で投与した老齢マウスと比較して改善された記憶を有し得る。
実施例2:加齢関連認知低下に罹患しているヒトにおけるTHCの臨床治験
約100名のMCI患者が、治験に参加する。患者は、以下の基準に従って承認される:1. 年齢50歳から< 85歳。体重60〜90 kg。2. Petersen基準に従って、かつ約0.5という臨床的認知症尺度 (CDR) スコアにより裏付けられ、軽度認知障害、健忘型(単一または複数ドメイン)と診断される。3. ミニメンタルステート検査 (MMSE) スコアが、境界も含めて24〜30。4. すべての臨床的来院に参加することができ、2年間または試験期間の間、特定の来診時に被験者に同伴することができる情報提供者がいること。5. 認知および機能評価の全局面を行うために、適切な手先の器用さ、視覚能力、および聴覚能力があること。
治験は二重盲検法である。患者は、表1中のスケジュールに従う3つの処置群およびプラセボ群に無作為に分けられる。
Figure 2017533276
ベースラインの時点、ならびに処置計画またはプレセボの施行の開始から2、8、16、および24ヵ月後の時点で、各患者を解析する。解析により、MMSEおよびCDRによって測定される認知能力の変化について評価する。
群1〜3の処置の過程にわたって、THCは、MMSEおよびCDRにより測定して、MCI患者における認知能力の低下を緩徐化するまたは停止させるのに成功し得ることが示唆される。患者によっては、認知能力の低下は回復さえし得る。加えて、処置群1〜3において、ADへの進行は、プラセボ群ほど明白ではない可能性があることが示唆される。
本発明の1つの態様に従って、10〜400マイクログラム (μg) の量のテトラヒドロカンナビノール (THC) を患者に投与する段階を含む、患者の加齢関連認知低下を処置するための方法がさらに提供される。本発明の1つの態様に従って、10〜400マイクログラム (μg) の量のテトラヒドロカンナビノール (THC) を患者に投与する段階を含む、患者の加齢関連認知低下の進行を遅らせるまたは緩徐化するための方法がさらに提供される。任意で、患者は軽度認知障害 (MCI) に罹患している。任意で、MCIは健忘型MCIである。任意で、加齢関連認知低下は、記憶力の低下に関連している。任意で、投与は、臨床的認知症尺度またはミニメンタルステート検査により判定した場合、加齢関連認知低下の進行を緩徐化する。任意で、用量は100μg以下である。任意で、用量は20μg以下である。任意で、THCは毎日のように投与される。任意で、THCは週に2〜6回投与される。任意で、THCは週に1回投与される。任意で、THCは、少なくとも1つの賦形剤を含む薬学的組成物を通じて投与される。任意で、THCは、局所、全身、局部、静脈内、皮下、筋肉内、吸入、吹送、経口、頬側、舌下、経皮、鼻腔、直腸、および非経口経路からなる群より選択される経路を通じて投与される。任意で、THCは、別の活性薬剤と併用して投与される。任意で、THCは、少なくとも1つの付加的なカンナビノイドと併用して投与される。任意で、カンナビノイドはカンナビジオール (CBD) である。任意で、THCは、付加的なカンナビノイドの非存在下で投与される。任意で、THCは、抽出された、燃焼された、または気化された大麻植物物質の形態で投与される。任意で、患者は45歳以上である。任意で、患者は50歳以上である。任意で、患者は55歳以上である。任意で、患者は60歳以上である。任意で、患者は65歳以上である。任意で、患者は70歳以上である。任意で、患者は75歳以上である。任意で、患者はアルツハイマー病 (AD) 病態の徴候を示す。任意で、患者はAD病態の徴候を示さない。任意で、患者は、THCの投与前の1ヵ月以内に脳卒中を経験していない。任意で、患者は、THCの投与前の1ヵ月以内に外傷性脳損傷を経験していない。任意で、患者は、THCの投与前の1ヵ月以内にてんかん発作を経験していない。任意で、THCは約1ヵ月の間、慢性的に投与される。任意で、THCは少なくとも1年の間、慢性的に投与される。任意で、THCは単回処置において投与される。本発明の1つの態様に従って、テトラヒドロカンナビノール (THC) をTHC 10〜400μgの量で患者に投与する段階を含む、老齢患者の認知機能を改善するための方法がさらに提供される。
本発明の1つの態様に従って、10〜400μgの量のTHCを含む、加齢関連認知低下を処置するための医薬を製造するための方法がさらに提供される。本発明の1つの態様に従って、10〜400μgの量のTHCを含む、加齢関連認知低下を処置するための薬学的組成物がさらに提供される。
本発明の1つの態様に従って、10〜400μgのTHCを含む単位用量形態の薬学的組成物がさらに提供される。任意で、剤形は、錠剤、カプセル剤、トローチ剤、カシェ剤、パッチ、アンプル、バイアル、スプレー、定量吸入器、舌下もしくは頬側ドロップ剤、坐剤、または充填済みシリンジの形態である。
本出願の説明および特許請求の範囲において、含む (comprise)」、「含む (include)」、および「有する」という動詞、ならびにその活用形の各々は、その動詞の1つまたは複数の目的語が、その動詞の1つまたは複数の主語の成分、要素、または部分を必ずしも完全に列挙していないことを示すために用いられる。
本出願における本発明の態様の説明は、例として提供されたものであり、本発明の範囲を限定することを意図したものではない。説明された態様は様々な特徴を含んでおり、本発明のすべての態様においてそれらのすべてが必要とされるわけではない。いくつかの態様は、特徴のうちのいくつかのみ、または特徴の可能な組み合わせを利用する。説明された本発明の態様の変形、および説明された態様において記述された特徴の様々な組み合わせを含む本発明の態様が、当業者に想起されるであろう。本発明の範囲は、特許請求の範囲によってのみ限定される。

Claims (40)

10〜400マイクログラム (μg) の量のテトラヒドロカンナビノール (THC) を患者に投与する段階を含む、患者の加齢関連認知低下を処置するための方法。
10〜400μgの量のテトラヒドロカンナビノール (THC) を患者に投与する段階を含む、患者の加齢関連認知低下の進行を遅らせるまたは緩徐化するための方法。
患者が軽度認知障害 (MCI) に罹患している、請求項1または2記載の方法。
MCIが健忘型MCIである、請求項3記載の方法。
加齢関連認知低下が記憶力の低下に関連している、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
臨床的認知症尺度またはミニメンタルステート検査により判定した場合、投与が、加齢関連認知低下の進行を緩徐化する、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
用量が100μg以下である、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
用量が20μg以下である、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
THCが毎日投与される、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
THCが週に2〜6回投与される、請求項1〜8のいずれか一項記載の方法。
THCが週に1回投与される、請求項1〜8のいずれか一項記載の方法。
THCが、少なくとも1つの賦形剤を含む薬学的組成物を通じて投与される、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
THCが、局所、全身、局部、静脈内、皮下、筋肉内、吸入、吹送、経口、頬側、舌下、経皮、鼻腔、直腸、および非経口経路からなる群より選択される経路を通じて投与される、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
THCが別の活性薬剤と併用して投与される、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
THCが少なくとも1つの付加的なカンナビノイドと併用して投与される、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
カンナビノイドがカンナビジオール (CBD) である、請求項15記載の方法。
CBDが2〜20ミリグラムの量で投与される、請求項16記載の方法。
CBDが5ミリグラムの量で投与される、請求項17記載の方法。
THCが、付加的なカンナビノイドの非存在下で投与される、請求項1〜14のいずれか一項記載の方法。
THCが、抽出した、燃焼した、または気化した大麻植物物質の形態で投与される、請求項1記載の方法。
患者が45歳以上である、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
患者が50歳以上である、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
患者が55歳以上である、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
患者が60歳以上である、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
患者が65歳以上である、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
患者が70歳以上である、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
患者が75歳以上である、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
患者がアルツハイマー病 (AD) 病態の徴候を示す、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
患者がAD病態の徴候を示さない、請求項1〜27のいずれか一項記載の方法。
患者が、THCの投与前の1ヵ月以内に脳卒中を経験していない、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
患者が、THCの投与前の1ヵ月以内に外傷性脳損傷を経験していない、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
患者が、THCの投与前の1ヵ月以内にてんかん発作を経験していない、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
THCが約1ヵ月の間、慢性的に投与される、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
THCが少なくとも1年の間、慢性的に投与される、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
THCが単回処置において投与される、請求項1記載の方法。
テトラヒドロカンナビノール (THC) をTHC 10〜400μgの量で患者に投与する段階を含む、老齢患者の認知機能を改善するための方法。
10〜400μgの量のTHCを含む加齢関連認知低下を処置するための医薬を製造するための方法。
10〜400μgの量のTHCを含む、加齢関連認知低下を処置するための薬学的組成物。
10〜400μgのTHCを含む単位用量形態の薬学的組成物。
剤形が、錠剤、カプセル剤、トローチ剤、カシェ剤、パッチ、アンプル、バイアル、スプレー、定量吸入器、舌下もしくは頬側ドロップ剤、坐剤、または充填済みシリンジの形態である、請求項39記載の薬学的組成物。
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