JP2017532344A - Trkキナーゼ媒介性の腫瘍の増殖および疾患進行の阻害 - Google Patents

Trkキナーゼ媒介性の腫瘍の増殖および疾患進行の阻害 Download PDF

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デシファラ ファーマスーティカルズ, エルエルシー
デシファラ ファーマスーティカルズ, エルエルシー
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Abstract

化合物1が全3種の型のTRK、すなわちNTRK1、NTRK2、およびNTRK3を含むTRKキナーゼを予想外かつ強力に阻害することが示される。さらに、化合物1が融合タンパク質を含むTRKキナーゼの発癌変異型を強力に阻害することが示される。例えば、化合物1は細胞アッセイにおいてNTRK1発癌融合タンパク質TPM3/NTRK1を強力に阻害する。化合物1はTPM3/NTRK1異種移植モデルにおいてインビボでTRKキナーゼ媒介性の腫瘍増殖を阻害する。

Description

関連出願へのクロスリファレンス
本出願は、2014年10月14日に出願された米国仮出願第62/063,660号に対する優先権を主張するものであって、その内容はそれらの全体において参照することによって本明細書に組み込まれる。
電子的に提出されたテキストファイルの記載
添付の電子的に提出されたテキストファイルの内容は、その全体において参照することによって本明細書に組み込まれる:コンピューターが読めるフォーマットの配列表のコピー(ファイル名:DECP_067_01WO_SeqList_ST25.txt;記録日2015年10月13日:ファイルサイズ10KB)。
キナーゼ融合タンパク質は様々な癌の原因となることが知られている(Vaishnavi 2015;Stransky 2014)。最も頻繁に報告されている癌のドライバー変異であるキナーゼ融合は受容体チロシンキナーゼ融合であり、染色体転座が常時活性変異キナーゼをもたらし、触媒キナーゼドメイン(受容体チロシンキナーゼのC末端領域)が別の遺伝子に由来するN末端領域と融合する。典型的に、通常は該N末端領域が融合タンパク質二量体化を促進することによって、該キナーゼドメインの構成的活性化を促進する(Stranksy 2014)。
融合タンパク質は、NTRK1、NTRK2、またはNTRK3のキナーゼドメインと様々なN末端融合パートナーの染色体転座の結果であると報告されている。NTRK1遺伝子融合は、肺腺癌、胆管癌、結腸直腸癌、甲状腺乳頭癌、スピッツ様腫瘍、および膠芽腫のドライバー変異であることが立証されている。NTRK2遺伝子融合は、肉腫、星状細胞腫、肺腺癌、および頭頸部癌のドライバー変異であることが立証されている。NTRK3遺伝子融合は、低悪性度神経膠腫、分泌性乳癌、甲状腺乳頭癌、急性骨髄性白血病、先天性中胚葉性腎腫、先天性線維肉腫、急性リンパ芽球性白血病、結腸腺癌、甲状腺癌、皮膚黒色腫、頭頸部癌、および小児神経膠腫のドライバー変異であることが立証されている(Vaishnavi 2015)。
報告されている具体的なTRK融合タンパク質は、肺腺癌におけるMPRIP−NTRK1、CD74−NTRK1、RFWD2−NTRK1、およびSQSTM1−NTRK1融合(Vaishnavi 2013、Cuesta 2014、Patel 2015);結腸直腸癌および甲状腺癌におけるTPM3−NTRK1、TFG−NTRK1、およびTPR−NTRK1(Alberti 2003;Greco 2010、Martin−Zanca 1986);肉腫におけるTPM3−NTRK1(Stranksy 2014);胆管癌におけるRABGAP1L−NTRK1(Ross 2014);スピッツ様腫瘍におけるLMNA−NTRK1およびTP53−NTRK1(Wiesner 2014);膠芽腫におけるNFASC−NTRK1(Kim 2014);頭頸部癌におけるPAN3−NTRK2融合(Stransky 2014);低悪性度神経膠腫におけるAFAP1−NTRK2融合(Stransky 2014);肺腺癌におけるTRIM24−NTRK2(Stransky 2014);ならびに先天性線維肉腫および分泌性乳癌におけるETV6−NTRK3(Knezevich 1998;Ricarte−Filho 2013、Tognon 2002)を含む。
TRKキナーゼ融合タンパク質に加えて、他の型のTRKキナーゼが癌を引き起こすことが立証されている。NTRK1の欠失変異は急性骨髄性白血病の原因となることが示されている(Reuther 2000)。NTRK1の不活性化は膵臓腫瘍をゲムシタビンに感作させることが示されている(Liu 2007)。NGF/NTRK1の発現増加はヒト膵臓癌における神経周囲の浸潤および疼痛症候群において役割を果たすことが示されている(Zhu 1999)。TRKキナーゼシグナル伝達の増加は神経芽細胞腫においても立証されている(Brodeur 2009)。
当該技術分野で、1つ以上のTRKキナーゼ変異、TRKキナーゼ過剰発現、および/または1つ以上のTRKキナーゼ融合タンパク質と関連する癌の治療を改善しようとする要求がある。
1つの態様では、本開示はTRKキナーゼの過剰発現、TRKキナーゼの1つ以上の変異、および/または1つ以上のTRKキナーゼ融合タンパク質と関連する癌を治療するための組成物および方法を提供する。別の態様では、化合物1またはその医薬的に許容される塩は、癌の腫瘍の増殖、生存、または進行がTRKキナーゼの過剰発現、TRKキナーゼの変異、またはTRKキナーゼ融合タンパク質によって引き起こされる癌を有するか有している疑いがある対象に投与される。
1つの実施態様では、化合物1またはその医薬的に許容される塩は、腫瘍の増殖、生存、または進行がNTRK1融合タンパク質によって引き起こされる癌を有するか有している疑いがある対象に投与される。さらなる実施態様では、NTRK1融合タンパク質は、限定されるものではないが、MPRIP−NTRK1、CD74−NTRK1、RFWD2−NTRK1、SQSTM1−NTRK1、TPM3−NTRK1、TFG−NTRK1、TPR−NTRK1、RABGAP1L−NTRK1 LMNA−NTRK1、TP53−NTRK1、NFASC−NTRK1、およびPEAR1−NTKR1から選択される。
別の実施態様では、化合物1またはその医薬的に許容される塩は、腫瘍の増殖、生存、または進行がNTRK2融合タンパク質によって引き起こされる癌を有するか有している疑いがある対象に投与される。さらなる実施態様では、NTRK2融合タンパク質は、限定されるものではないが、PAN3−NTRK2、AFAP1−NTRK2、TRIM24−NTRK2、QK1−NTRK2、NACC2−NTRK2、VCL−NTRK2、およびAGBL4−NTRK2から選択される。
別の実施態様では、化合物1またはその医薬的に許容される塩は、腫瘍の増殖、生存、または進行がNTRK3融合タンパク質によって引き起こされる癌を有するか有している疑いがある対象に投与される。さらなる実施態様では、NTRK3融合タンパク質は、限定されるものではないが、ETV6−NTRK3およびBTBD1−NTRK3から選択される。
別の実施態様では、化合物1またはその医薬的に許容される塩は、腫瘍の増殖、生存、または進行がTRKキナーゼの変異によって引き起こされる癌を有するか有している疑いがある対象に投与される。さらなる実施態様では、該変異は急性骨髄性白血病のNTRK1欠失変異を含んでよい。
別の実施態様では、化合物1またはその医薬的に許容される塩は、腫瘍の増殖、生存、または進行が野生型TRKキナーゼの過剰発現によって引き起こされる癌を有するか有している疑いがある対象に投与される。さらなる実施態様では、TRKキナーゼは膵臓癌または神経芽細胞腫で過剰発現している。
別の実施態様では、化合物1またはその医薬的に許容される塩は、腫瘍の増殖、生存、または進行がTRK融合タンパク質によって引き起こされ、かつ癌が肺腺癌、胆管癌、結腸直腸癌、結腸腺癌、甲状腺乳頭癌、スピッツ様腫瘍、膠芽腫、肉腫、先天性線維肉腫、星状細胞腫、頭頸部癌、低悪性度神経膠腫、分泌性乳癌、急性骨髄性白血病、先天性中胚葉性腎腫、急性リンパ芽球性白血病、甲状腺癌、皮膚黒色腫、小児神経膠腫、神経芽細胞腫、または膵臓癌である癌を有するか有している疑いがある対象に投与される。
別の実施態様では、化合物1またはその医薬的に許容される塩は、単剤として、または他の癌標的治療剤、癌標的生物製剤、もしくは化学療法剤と組み合わせて、癌を有するか有している疑いがある対象に投与される。
いくつかの実施態様では、N−(4−(2−(シクロプロパンカルボキサミド)ピリジン−4−イルオキシ)−2,5−ジフルオロフェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミドまたはその医薬的に許容される塩の有効量が対象に経口投与される。
図1Aは、KM−12 TPM3−NTRK1異種移植モデルにおいて、化合物1による治療が腫瘍増殖の遅延をもたらすことを示す折れ線グラフである。15mg/kg、7.5mg/kg、および3.75mg/kg用量の化合物1(経口、1日2回)をビヒクルコントロールと比較して試験した。腫瘍増殖の遅延は15mg/kgおよび7.5mg/kgの用量で統計的に有意であった。
図1Bは、15mg/kgまたは7.5mg/kgでの化合物1の単回経口用量投与後のNTRK1リン酸化活性化のパーセント阻害を示す棒グラフである。
図2Aは、NIH−3T3 ETV6−NTRK3異種移植モデルにおいて、15mg/kg(経口、1日2回)の化合物1による治療が腫瘍増殖の遅延をもたらすことを示す折れ線グラフである。
図2Bは、15mg/kgでの化合物1の単回経口用量投与後のETV6−NTRK3リン酸化活性化のパーセント阻害を示す棒グラフである。
詳細な記載
N−(4−(2−(シクロプロパンカルボキサミド)ピリジン−4−イルオキシ)−2,5−ジフルオロフェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミドが、予想外にもNTRK1、NTRK2、およびNTRK3キナーゼの野生型および発癌融合タンパク質型を阻害することが見出された。本開示は、N−(4−(2−(シクロプロパンカルボキサミド)ピリジン−4−イルオキシ)−2,5−ジフルオロフェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミドまたはその医薬的に許容される塩の有効量を、それを必要とする対象に投与することを含む、TRKキナーゼ媒介性の腫瘍の増殖および疾患進行を阻害することによって癌を治療するための組成物および方法を提供する。
それゆえ、1つの態様では、本開示はTRKキナーゼの過剰発現、TRKキナーゼの1つ以上の変異、および/または1つ以上のTRKキナーゼ融合タンパク質と関連する癌を治療するための方法および組成物を提供する。本明細書で提供される組成物および方法は、腫瘍の増殖、生存、および/または進行を阻害または予防する。
本明細書で用いられている化合物1は、化合物N−(4−(2−(シクロプロパンカルボキサミド)ピリジン−4−イルオキシ)−2,5−ジフルオロフェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミドまたはその医薬的に許容される塩を示し、その構造は以下の通りである。
Figure 2017532344
化合物1
化合物1を製造する方法は、米国特許第8,637,672号に開示されており、その内容は参照することによって本明細書に組み込まれる。本発明の詳細は、以下に記載されている。本明細書に記載されている方法および物質と類似または均等の方法および物質を本発明の実施または試験に用いることができるが、例示的方法および物質がここに記載されている。本発明の他の特徴、目的、および利点は本明細書および特許請求の範囲から明らかであろう。文脈において明確に反対の記載がない限り、本明細書および添付の特許請求の範囲において、単数形は複数対象も含む。特に定義していない限り、本明細書で用いられている全ての技術的および科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されているものと同一の意味を有する。
いくつかの実施態様では、癌は肺腺癌、胆管癌、結腸直腸癌、結腸腺癌、甲状腺乳頭癌、スピッツ様腫瘍、膠芽腫、肉腫、先天性線維肉腫、星状細胞腫、頭頸部癌、低悪性度神経膠腫、分泌性乳癌、急性骨髄性白血病、先天性中胚葉性腎腫、急性リンパ芽球性白血病、甲状腺癌、皮膚黒色腫、小児神経膠腫、神経芽細胞腫、膵臓癌、消化管間質腫瘍、卵巣癌、腎臓癌、肝癌、子宮頸癌、非小細胞肺癌、中皮腫、結腸癌、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、滑膜腫、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、乳癌、前立腺癌、扁平上皮細胞癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、皮脂腺癌、乳頭癌、乳頭腺癌、嚢胞腺癌、髄様癌、気管支原性肺癌、肝細胞癌、胆管癌、絨毛癌、精上皮腫、胎生期癌、ウィルムス腫瘍、精巣腫瘍、肺癌、膀胱癌、上皮癌、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経腫、乏突起膠腫、髄膜腫、網膜芽細胞腫、および神経内分泌腫瘍から選択される。
いくつかの実施態様では、本開示の融合タンパク質は、NTRK1、NTRK2、またはNTRK3のキナーゼドメインと様々なN末端融合パートナーとの染色体転座の結果である。TRK融合タンパク質は、限定されるものではないが、MPRIP−NTRK1、CD74−NTRK1、RFWD2−NTRK1、SQSTM1−NTRK1、TPM3−NTRK1、TFG−NTRK1、TPR−NTRK1、TPM3−NTRK1、RABGAP1L−NTRK1、LMNA−NTRK1、TP53−NTRK1、NFASC−NTRK1、PAN3−NTRK2、AFAP1−NTRK2、TRIM24−NTRK2、およびETV6−NTRK3を含む。融合タンパク質に加えて、他の型のTRKキナーゼが癌の原因となることが立証されている。例えば、TRKキナーゼの過剰発現および/またはTRKキナーゼの1つ以上の変異が癌の原因となることが立証されている。変異はTRKの置換、挿入、および/または欠失変異体を含んでよい。
用語「患者」および「対象」は本明細書で互換的に用いられている。1つの実施態様では、対象は哺乳類、例えばげっ歯類、ネコ、イヌ、および霊長類であってよい。好ましくは、対象はヒトである。1つの実施態様では、本明細書で提供される化合物および付加的治療剤は、経口、非経口、皮下、筋肉内、静脈内、関節内、気管支内、腹腔内(intraabdominal)、嚢内、軟骨内、腔内(intracavitary)、腔内(intracelial)、小脳内、脳室内、結腸内、頸部内、胃内、肝内、心筋内、骨内、骨盤内、心膜内、腹腔内(intraperitoneal)、胸膜内、前立腺内、肺内、直腸内、腎臓内、網膜内、脊髄内、滑膜内、胸腔内、鼓室内、子宮内、膀胱内、硝子体内、ボーラス、結膜下、膣内、直腸、頬側、舌下、鼻腔内、腫瘍内、および経皮から独立して選択されるいずれかの適切な経路によって投与されてよい。さらなる実施態様では、N−(4−(2−(シクロプロパンカルボキサミド)ピリジン−4−イルオキシ)−2,5−ジフルオロフェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミドまたはその医薬的に許容される塩の有効量は、対象に経口投与される。
用語「医薬的に許容される塩」は、遊離塩基の塩を形成する一般的に用いられている塩を包含する。医薬的に許容される限り、塩の性質は重要ではない。用語「医薬的に許容される」は、健全な医学的判断の範囲内で、ヒトおよび動物の組織と接触させて使用するのに適切であり、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症がなく、合理的なベネフィット/リスク比に釣り合った、化合物、物質、組成物、および/または剤形を示す用語として本開示で利用されている。適切な医薬的に許容される酸付加塩は、無機酸または有機酸から製造されてよい。そのような無機酸の例として、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、炭酸、硫酸、およびリン酸を挙げることができる。適切な有機酸は、カルボン酸およびスルホン酸を含有する脂肪族、脂環族、芳香族、アリール脂肪族、およびヘテロシクリルから選択されてよい、その例として、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、グルクロン酸、マレイン酸、フマル酸、ピルビン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、安息香酸、アントラニル酸、メシル酸、ステアリン酸、サリチル酸、p−ヒドロキシ安息香酸、フェニル酢酸、マンデル酸、エンボン酸(パモ酸)、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パントテン酸、トルエンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、スルファニル酸、シクロヘキシルアミノスルホン酸、アルギン酸(algenic)、3−ヒドロキシ酪酸、ガラクタル酸、およびガラクツロン酸を挙げることができる。
対象に関する用語「治療すること」は、対象の障害の少なくとも1つの症状を改善することを示す。治療することは、障害を予防すること、治療すること、改善すること、または少なくとも部分的に回復させることであってよい。
用語「有効量」および「治療的有効量」は本開示で互換的に用いられており、対象に投与された場合に、対象における障害の症状を減少させることができる化合物の量を示す。「有効量」または「治療的有効量」を含む実際の量は、多数の条件、例えば限定されるものではないが、治療される特定の障害、障害の重症度、患者の大きさおよび健康、ならびに投与経路に依存して変動するであろう。熟練の医師であれば、医学分野で知られている方法を用いて容易に適量を決定することができるであろう。
いくつかの実施態様では、N−(4−(2−(シクロプロパンカルボキサミド)ピリジン−4−イルオキシ)−2,5−ジフルオロフェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミドまたはその医薬的に許容される塩は、単剤として対象に投与される。他の実施態様では、N−(4−(2−(シクロプロパンカルボキサミド)ピリジン−4−イルオキシ)−2,5−ジフルオロフェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミドまたはその医薬的に許容される塩は、付加的な治療剤と組み合わせて対象に投与される。付加的な治療剤は、他の癌標的治療剤、癌標的生物製剤、免疫療法剤、および/または化学療法剤を含む。
いくつかの実施態様では、付加的な化学療法剤は抗チューブリン剤である。さらなる実施態様では、抗チューブリン剤は、パクリタキセル、ドセタキセル、アブラキサン、およびエリブリンから選択される。いくつかの実施態様では、免疫療法剤は抗CTLA−4剤、抗PD剤、抗PDL剤、またはIDO阻害剤である。いくつかの実施態様では、免疫療法剤はイピリムマブ、ペムブロリズマブ、ニボルマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、MEDI4736、インドキシモド、INCB024360、およびエパカドスタットから選択される。いくつかの実施態様では、癌標的生物製剤は、モノクローナル抗体、キナーゼ阻害剤ならびに増殖因子およびそれらの受容体の阻害剤、遺伝子治療剤、細胞治療、例えば幹細胞、またはそのいずれかの組み合わせを含んでよい。
本開示を通じて、様々な特許、特許出願、および出版物が参照されている。これらの特許、特許出願、および出版物の開示は、本開示の優先日時点で当業者に知られている技術水準をさらに十分に記載するために、それらの全体において、参照することによって本開示に組み込まれる。特許、特許出願、および出版物と、本開示の間に何らかの不一致がある場合、本開示が優先される。
便宜上、本明細書、実施例、および特許請求の範囲で利用されている特定の用語は、ここに集められる。特に定義しない限り、本開示で用いられている全ての技術的および科学的用語は、本開示が属する分野の当業者によって一般的に理解されている意味と同一の意味を有する。特段の記載がない限り、本開示で提供されているあるグループまたは用語について提供されている最初の定義は、個別にまたは別のグループの一部として、本開示を通じてそのグループまたは用語に適用される。
本開示は以下の実施例によってさらに説明されるが、本開示の範囲または精神が本明細書に記載されている特定の手順に限定されると解釈されるべきではない。実施例は特定の実施態様を説明するために提供されているのであって、それによって本開示の範囲を限定することは意図していないと理解されたい。本開示の精神および/または添付の特許請求の範囲から逸脱することなくそれ自体当業者に示唆されてよい様々な他の実施態様、修正、およびその均等物に対する手段が実行されてよいこともさらに理解されたい。
実施例1.NTRK1(配列番号1)、NTRK2(配列番号2)、およびNTRK3(配列番号3)組換えキナーゼの阻害剤としての化合物1の評価
ピルビン酸キナーゼ/乳酸脱水素酵素系とのカップリングを通じたキナーゼ反応からのADPの産生を追跡することによって、NTRK1、NTRK2、およびNTRK3キナーゼの活性を決定した[Schindler 2000]。本アッセイにおいて、NADHの酸化(A340nmの減少)を分光光度法で連続的にモニターした。反応混合物(100μL)は、キナーゼ[NTRK1(インビトロジェン社)(4.7nM)、NTRK2(インビトロジェン社)(4nM)、またはNTRK3(インビトロジェン社)(1.8nM)]、polyEY(1mg/mL)、MgCl(18mM)、DTT(0.5mM)、ピルビン酸キナーゼ(4ユニット)、乳酸脱水素酵素(7ユニット)、ホスホエノールピルビン酸(1mM)、ならびにNADH(0.28mM)およびATP(NTRK1およびNTRK2については1mM;NTRK3については0.25mM)を、0.2%オクチル−グルコシドおよび1%DMSOを含有する90mMトリス緩衝液、pH7.5中に入れた。阻害反応は、段階希釈した試験化合物1と上記反応混合物を混合することによって開始した。プレートリーダー(バイオテック社)で、340nmでの吸収を30℃で4時間連続的にモニターした。2〜4時間のタイムフレームを用いて反応速度を計算した。反応速度をコントロール(すなわち試験化合物を含まない混合物)の反応速度と比較することによってパーセント阻害を得た。化合物1のIC50値は、GraphPad Prismソフトウェアパッケージで実行されるソフトウェアルーチンを用いて、様々な阻害剤濃度で決定した一連のパーセント阻害値から計算した。
化合物1は組換えNTRK1キナーゼ活性を0.71nMのIC50値で阻害し、NTRK2キナーゼを4.6nMのIC50値で阻害し、NTRK3キナーゼを0.83nMのIC50値で阻害した(表1)。
Figure 2017532344
スクリーニングに用いられるNTRK1タンパク質配列(配列番号1)
MKCGRRNKFGINRPAVLAPEDGLAMSLHFMTLGGSSLSPTEGKGSGLQGHIIENPQYFSDACVHHIKRRDIVLKWELGEGAFGKVFLAECHNLLPEQDKMLVAVKALKEASESARQDFQREAELLTMLQHQHIVRFFGVCTEGRPLLMVFEYMRHGDLNRFLRSHGPDAKLLAGGEDVAPGPLGLGQLLAVASQVAAGMVYLAGLHFVHRDLATRNCLVGQGLVVKIGDFGMSRDIYSTDYYRVGGRTMLPIRWMPPESILYRKFTTESDVWSFGVVLWEIFTYGKQPWYQLSNTEAIDCITQGRELERPRACPPEVYAIMRGCWQREPQQRHSIKDVHARLQALAQAPPVYLDVLGKGVEACQLGTDDYDIPTTHHHHHH
スクリーニングに用いられるNTRK2タンパク質配列(配列番号2)
MVIENPQYFGITNSQLKPDTFVQHIKRHNIVLKRELGEGAFGKVFLAECYNLCPEQDKILVAVKTLKDASDNARKDFHREAELLTNLQHEHIVKFYGVCVEGDPLIMVFEYMKHGDLNKFLRAHGPDAVLMAEGNPPTELTQSQMLHIAQQIAAGMVYLASQHFVHRDLATRNCLVGENLLVKIGDFGMSRDVYSTDYYRVGGHTMLPIRWMPPESIMYRKFTTESDVWSLGVVLWEIFTYGKQPWYQLSNNEVIECITQGRVLQRPRTCPQEVYELMLGCWQREPHMRKNIKGIHTLLQNLAKASPVYLDILGKGGRADPAFLYKVVRMNEDLGKPIPNPLLGLDSTRTGHHHHHH
スクリーニングに用いられるNTRK3タンパク質配列(配列番号3)
MVIENPQYFRQGHNCHKPDTYVQHIKRRDIVLKRELGEGAFGKVFLAECYNLSPTKDKMLVAVKALKDPTLAARKDFQREAELLTNLQHEHIVKFYGVCGDGDPLIMVFEYMKHGDLNKFLRAHGPDAMILVDGQPRQAKGELGLSQMLHIASQIASGMVYLASQHFVHRDLATRNCLVGANLLVKIGDFGMSRDVYSTDYYRVGGHTMLPIRWMPPESIMYRKFTTESDVWSFGVILWEIFTYGKQPWFQLSNTEVIECITQGRVLERPRVCPKEVYDVMLGCWQREPQQRLNIKEIYKILHALGKATPIYLDILGKGGRADPAFLYKVVRMNEDLGKPIPNPLLGLDSTRTGHHHHHH
実施例2.TPM3−NTRK1融合タンパク質を有するKM−12結腸直腸癌細胞株における細胞増殖の阻害剤としての化合物1の評価
KM−12細胞培養
KM−12細胞は、国立癌研究所のDivision of Cancer Treatment and Diagnosis Tumor Repository(フレデリック、メリーランド州)から入手した。手短に述べると、10%キャラクタライズド(characterized)ウシ胎児血清および1%ペニシリン/ストレプトマイシン/L−グルタミン溶液(インビトロジェン社、カールズバッド、カリフォルニア州)を補充したRPMI 1640培地中、37℃、5%CO、および湿度95%で細胞を増殖させた。70〜95%の培養密度に達するまで細胞を増殖させ、その時点で細胞を継代培養またはアッセイに用いるために収集した。
KM−12細胞増殖アッセイ
段階希釈した試験化合物を384ウェルのブラッククリアーボトムプレート(コーニング社、コーニング、ニューヨーク州)に分注した。ウェル当たり50μLの完全増殖培地中の1,250個の細胞を加えた。37℃、5%CO、および湿度95%で67時間プレートをインキュベートした。インキュベーション期間の終わりに10μLの440μMレサズリン(シグマ社、セントルイス、ミズーリ州)のPBS溶液を各ウェルに加え、37℃、5%CO、および湿度95%でさらに5時間インキュベートした。励起540nMおよび発光600nMを用いてプレートをSynergy2リーダー(バイオテック社、ウィヌースキ、バーモント州)で読み取った。Prismソフトウェア(Graphpad、サンディエゴ、カリフォルニア州)を用いてデータを分析し、IC50値を計算した。
化合物1は、TPM3/NTRK1発癌融合タンパク質を発現しているKM−12結腸直腸癌細胞の増殖阻害について、3.8nMのIC50値を示した(表1)。
実施例3.ETV6−NTRK3融合キナーゼによってもたらされるトランスフェクトNIH3T3細胞増殖の阻害剤としての化合物1の評価
トランスフェクトNIH−3T3 ETV6−NTRK3細胞培養
トランスフェクトNIH−3T3 ETV6−NTRK3細胞はジェームズ・ファギン医学博士の研究室(メモリアル・スローン・ケタリング癌センター)から入手した。手短に述べると、10%キャラクタライズド(characterized)ウシ胎児血清、1%ペニシリン/ストレプトマイシン/L−グルタミン溶液(ライフテクノロジーズ社、カールズバッド、カリフォルニア州)、および1μg/mLピューロマイシン(インビトロジェン社、カールズバッド、カリフォルニア州)を補充したDMEM培地中、37℃、5%CO、および湿度95%で細胞を増殖させた。およそ75%の培養密度に達するまで細胞を増殖させ、その時点で細胞を継代培養またはアッセイに用いるために収集した。
トランスフェクトNIH−3T3 ETV6−NTRK3細胞増殖アッセイ
段階希釈した試験化合物を96ウェルブラッククリアーボトムプレート(コーニング社、コーニング、ニューヨーク州)に分注した。ウェル当たり200μLの培地(0.5%キャラクタライズド(characterized)ウシ胎児血清(ライフテクノロジーズ社、カールズバッド、カリフォルニア州)を補充したDMEM培地)中の15,000個の細胞を加えた。37℃、5%CO、および湿度95%で6日間プレートをインキュベートした。インキュベーション期間の終わりに40μLの440μMレサズリン(シグマ社、セントルイス、ミズーリ州)のPBS溶液を各ウェルに加え、37℃、5%CO、および湿度95%でさらに5時間インキュベートした。励起540nMおよび発光600nMを用いてプレートをSynergy2リーダー(バイオテック社、ウィヌースキ、バーモント州)で読み取った。Prismソフトウェア(Graphpad、サンディエゴ、カリフォルニア州)を用いてデータを分析し、IC50値を計算した。
化合物1はETV6−NTRK3キナーゼ融合タンパク質によってもたらされるトランスフェクトNIH−3T3 ETV6−NTRK3細胞増殖の阻害について、0.44nMのIC50を示した(表1)
実施例4.K562慢性骨髄性白血病細胞におけるNTRK1キナーゼの細胞リン酸化活性化の阻害剤としての化合物1の評価
K562細胞培養
K562細胞(カタログ番号CCL−243)はアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC;マナッサス、バージニア州)から入手した。手短に述べると、10%キャラクタライズド(characterized)ウシ胎児血清および1%ペニシリン−ストレプトマイシン−L−グルタミン溶液(インビトロジェン社、カールズバッド、カリフォルニア州)を補充したIMDM培地中の懸濁液中で、37℃、5%CO、および湿度95%でK562細胞を増殖させた。1,000,000〜3,000,000細胞/mLに達するまで細胞を増殖させ、その時点で細胞を継代培養またはアッセイに用いるために収集した。
K562ホスホNTRK1ウエスタンブロット
24ウェルの組織培養処理プレート内にウェル当たり1,000,000個の無血清IMDM培地中の細胞を加えた。段階希釈した試験化合物を細胞に加え、37℃、5%CO、および湿度95%で4時間プレートをインキュベートした。次いで100ng/mLのNGF(R&Dシステムズ社、ミネアポリス、ミネソタ州)で細胞を10分間刺激した。遠心分離によって細胞をペレット状にし、PBSで洗浄し、次いで溶解した。細胞溶解物をSDS−PAGEによって分離し、PVDFへ移した。セル・シグナリング・テクノロジー社(ベバリー、マサチューセッツ州)製の抗体、ECL Plus detection reagent(GEヘルスケア社、ピスカタウェイ、ニュージャージー州)、およびMolecular Devices Storm 840ホスフォイメージャーを蛍光モードで用いてホスホNTRK1(Tyr674/675)を検出した。ブロットを剥がし、サンタクルス・バイオテック社(サンタクルス、カリフォルニア州)製の抗体を用いて総NTRK1をプローブした。Prismソフトウェア(Graphpad、サンディエゴ、カリフォルニア州)を用いてIC50値を計算した。
化合物1は0.69nMのIC50値でK562細胞中のNTRK1リン酸化を阻害した(表2)。
Figure 2017532344
実施例5.SK−N−SH神経芽細胞腫細胞におけるNTRK1キナーゼの細胞リン酸化活性化の阻害剤としての化合物1の評価
SK−N−SH細胞培養
SK−N−SH細胞(カタログ番号HTB−11)はアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC;マナッサス、バージニア州)から入手した。手短に述べると、SK−N−SH細胞を10%キャラクタライズド(characterized)ウシ胎児血清および1%ペニシリン−ストレプトマイシン−L−グルタミン溶液(インビトロジェン社、カールズバッド、カリフォルニア州)を補充したMEM培地中、37℃、5%CO、および湿度95%で増殖させた。70〜95%の培養密度に達するまで細胞を増殖させ、その時点で細胞を継代培養またはアッセイに用いるために収集した。
SK−N−SHホスホNTRK1ウエスタンブロット
24ウェルの組織培養処理プレート内にウェル当たり250,000個の増殖培地中の細胞を加えた。37℃、5%CO、および湿度95%で一晩プレートをインキュベートした。翌日、増殖培地を吸引し、細胞を無血清MEM培地で洗浄し、ウェル当たり1mLの無血清MEM培地を加えた。段階希釈した試験化合物を細胞に加え、37℃、5%CO、および湿度95%で4時間プレートをインキュベートした。次いで100ng/mLのNGF(R&Dシステムズ社、ミネアポリス、ミネソタ州)で細胞を10分間刺激した。次いで培地を吸引し、細胞をPBSで洗浄し、次いで溶解した。細胞溶解物をSDS−PAGEによって分離し、PVDFへ移した。セル・シグナリング・テクノロジー社(ベバリー、マサチューセッツ州)製の抗体、ECL Plus detection reagent(GEヘルスケア社、ピスカタウェイ、ニュージャージー州)、およびMolecular Devices Storm 840ホスフォイメージャーを蛍光モードで用いてホスホNTRK1(Tyr674/675)を検出した。ブロットを剥がし、サンタクルス・バイオテック社(サンタクルス、カリフォルニア州)製の抗体を用いて総NTRK1をプローブした。Prismソフトウェア(Graphpad、サンディエゴ、カリフォルニア州)を用いてIC50値を計算した。
化合物1は1.0nMのIC50値でSK−N−SH細胞中のNTRK1リン酸化を阻害した(表2)。
実施例6.KM−12細胞におけるTPM3−NTRK1融合キナーゼの細胞リン酸化活性化の阻害剤としての化合物1の評価
KM−12細胞培養
KM−12細胞は国立癌研究所のDivision of Cancer Treatment and Diagnosis Tumor Repository(フレデリック、メリーランド州)から入手した。手短に述べると、細胞を10%キャラクタライズド(characterized)ウシ胎児血清および1%ペニシリン/ストレプトマイシン/L−グルタミン溶液(インビトロジェン社、カールズバッド、カリフォルニア州)を補充したRPMI 1640培地中、37℃、5%CO、および湿度95%で増殖させた。70〜95%の培養密度に達するまで細胞を増殖させた、その時点で細胞を継代培養またはアッセイに用いるために収集した。
KM−12ホスホNTRK1ウエスタンブロット
24ウェルの組織培養処理プレート内にウェル当たり250,000個の増殖培地中の細胞を加えた。37℃、5%CO、および湿度95%で一晩プレートをインキュベートした。翌日、段階希釈した試験化合物を細胞に加え、37℃、5%CO、および湿度95%で4時間プレートをインキュベートした。次いで培地を吸引し、細胞をPBSで洗浄し、次いで溶解した。細胞溶解物をSDS−PAGEによって分離し、PVDFへ移した。セル・シグナリング・テクノロジー社(ベバリー、マサチューセッツ州)製の抗体、ECL Plus detection reagent(GEヘルスケア社、ピスカタウェイ、ニュージャージー州)、およびMolecular Devices Storm 840ホスフォイメージャーを蛍光モードで用いてホスホNTRK1(Tyr674/675)を検出した。ブロットを剥がし、サンタクルス・バイオテック社(サンタクルス、カリフォルニア州)製の抗体を用いて総NTRK1をプローブした。Prismソフトウェア(Graphpad、サンディエゴ、カリフォルニア州)を用いてIC50値を計算した。
化合物1は1.4nMのIC50値でKM−12細胞中のTPM3−NTRK1リン酸化を阻害した(表2)。
実施例7.トランスフェクトNIH−3T3細胞におけるETV6−NTRK3融合キナーゼの細胞リン酸化活性化の阻害剤としての化合物1の評価
トランスフェクトNIH−3T3 ETV6−NTRK3細胞培養
トランスフェクトNIH−3T3 ETV6−NTRK3細胞はジェームズ・ファギン医学博士の研究室(メモリアル・スローン・ケタリング癌センター)から入手した。手短に述べると、10%キャラクタライズド(characterized)ウシ胎児血清、1%ペニシリン/ストレプトマイシン/L−グルタミン溶液(ライフテクノロジーズ社、カールズバッド、カリフォルニア州)、および1μg/mLピューロマイシン(インビトロジェン社、カールズバッド、カリフォルニア州)を補充したDMEM培地中、37℃、5%CO、および湿度95%で細胞を増殖させた。およそ75%の培養密度に達するまで細胞を増殖させ、その時点で細胞を継代培養またはアッセイに用いるために収集した。
トランスフェクトNIH−3T3 ETV6−NTRK3ホスホNTRK3ウエスタンブロット
12ウェルの組織培養処理プレート内にウェル当たり80,000個の培地(0.5%FBSおよび1%ペニシリン/ストレプトマイシン/L−グルタミン溶液を補充したDMEM培地)中の細胞を加えた。37℃、5%CO、および湿度95%で3日間プレートをインキュベートした。次いで、培地を吸引し、2mLの無血清DMEMを加えた。段階希釈した試験化合物を細胞に加え、37℃、5%CO、および湿度95%で4時間プレートをインキュベートした。次いで培地を吸引し、細胞をPBSで洗浄し、次いで溶解した。細胞溶解物をSDS−PAGEによって分離し、PVDFへ移した。セル・シグナリング・テクノロジー社(ベバリー、マサチューセッツ州)製の抗体、ECL Plus detection reagent(GEヘルスケア社、ピスカタウェイ、ニュージャージー州)、およびMolecular Devices Storm 840ホスフォイメージャーを蛍光モードで用いてホスホNTRK3(Tyr516)を検出した。Prismソフトウェア(Graphpad、サンディエゴ、カリフォルニア州)を用いてIC50値を計算した。
化合物1は0.47nMのIC50値でトランスフェクトNIH−3T3細胞内のETV6−NTRK3リン酸化を阻害した(表2)。
実施例8.SK−N−SH細胞におけるNTRK2の細胞リン酸化活性化の阻害剤としての化合物1の評価
SK−N−SH細胞培養
SK−N−SH細胞(カタログ番号HTB−11)はアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC;マナッサス、バージニア州)から入手した。手短に述べると、10%キャラクタライズド(characterized)ウシ胎児血清および1%ペニシリン−ストレプトマイシン−L−グルタミン溶液(インビトロジェン社、カールズバッド、カリフォルニア州)を補充したMEM培地中、37℃、5%CO、および湿度95%でSK−N−SH細胞を増殖させた。70〜95%の培養密度に達するまで細胞を増殖させ、その時点で細胞を継代培養した。NTRK2の発現を誘導するために、アッセイ用に細胞を収集する前に、10μMのオールトランス型レチノイン酸を含有する増殖培地中で10〜14日間細胞を増殖させた。
SK−N−SHホスホNTRK1ウエスタンブロット
12ウェルの組織培養処理プレート内に10μMのオールトランス型レチノイン酸で分化させたウェル当たり250,000個の増殖培地中の細胞を加えた。37℃、5%CO、および湿度95%で一晩プレートをインキュベートした。翌日、増殖培地を吸引し、細胞を無血清MEM培地で洗浄し、ウェル当たり1mLの無血清MEM培地を加えた。段階希釈した試験化合物を細胞に加え、37℃、5%CO、および湿度95%で4時間プレートをインキュベートした。次いで100ng/mLのBDNF(R&Dシステムズ社、ミネアポリス、ミネソタ州)で細胞を5分間刺激した。次いで培地を吸引し、細胞をPBSで洗浄し、次いで溶解した。細胞溶解物をSDS−PAGEによって分離し、PVDFへ移した。セル・シグナリング・テクノロジー社(ベバリー、マサチューセッツ州)製の抗体、ECL Plus detection reagent(GEヘルスケア社、ピスカタウェイ、ニュージャージー州)、およびMolecular Devices Storm 840ホスフォイメージャーを蛍光モードで用いてホスホNTRK2(Tyr706/707)を検出した。ブロットを剥がし、サンタクルス・バイオテック社(サンタクルス、カリフォルニア州)製の抗体を用いて総NTRK2をプローブした。Prismソフトウェア(Graphpad、サンディエゴ、カリフォルニア州)を用いてIC50値を計算した。
化合物1は0.24nMのIC50値でSK−N−SH細胞内のNTRK2リン酸化を阻害した(表2)。
実施例9.TPM3−NTRK1形質転換KM−12異種移植モデルにおける化合物1の評価
KM−12 TPM3−NTRK1異種移植モデルにおける単剤有効性について化合物1を評価した(図1A)。マウスの皮下に移植し、Day5に治療を開始した。治療の3週間後、Day25に治療を終了した。化合物1による治療(15mg/kg、経口、1日2回)は統計的に有意な17.8日(p<0.05)の腫瘍増殖遅延、および16%(p<0.05)のDay11%T/Cをもたらした。化合物1による治療(7.5mg/kg、経口、1日2回)は統計的に有意な11.4日(p<0.05)の腫瘍増殖遅延、および22%(p<0.05)のDay11%T/Cをもたらした。化合物1による治療(3.75mg/kg、経口、1日2回)は4.5日の腫瘍増殖遅延、および39%のDay11%T/Cをもたらしたが、この用量では統計的な有意性はなかった。
KM−12 TPM3−NTRK1異種移植モデルにおける単回投与後のNTRK1リン酸化活性化の阻害について化合物1を評価した(図1B)。マウスの皮下に移植し、Day8に単回治療を与えた。単回経口投与後の時点で、腫瘍を切除し、凍結し、微粉砕し、次いで溶解した。溶解物をSDS−PAGEによって分離し、タンパク質をPVDFへ移した。セル・シグナリング・テクノロジー社(ベバリー、マサチューセッツ州)製の抗体、ECL Plus detection reagent(GEヘルスケア社、ピスカタウェイ、ニュージャージー州)、およびMolecular Devices Storm 840ホスフォイメージャーを蛍光モードで用いてホスホNTRK1(Tyr674/675)を検出した。ブロットを剥がし、サンタクルス・バイオテック社(サンタクルス、カリフォルニア州)製の抗体を用いて総NTRK1をプローブした。単回用量の化合物1(15mg/kg;経口)の経口投与により、投与後18時間の間、インビボでNTRK1キナーゼリン酸化の〜95%阻害をもたらした。化合物1は投与後24時間でNTRK1リン酸化の79%阻害を示した。7.5mg/kgの単回経口用量で、化合物1はNTRK1リン酸化を>95%、8時間阻害した。投与後12、18、および24時間で、化合物1はそれぞれNTKR1リン酸化の66%、74%、および59%阻害を示した。
実施例10.ETV6−NTRK3形質転換NIH−3T3異種移植モデルにおける化合物1の評価(図2)
トランスフェクトNIH−3T3 ETV6−NTRK3異種移植モデルにおける化合物1の単剤有効性を評価した(図2A)。マウスの皮下に移植し、Day4に治療を開始した。治療の3週間後、Day24に治療を終了した。化合物1による治療(15mg/kg;経口;1日2回)は統計的に有意な26.5日(p<0.05)の腫瘍増殖遅延、および6%(p<0.05)のDay8%T/Cをもたらした。
トランスフェクトNIH−3T3 ETV6−NTRK3異種移植モデルにおける単回投与後のNTRK3リン酸化活性化の阻害について化合物1を評価した(図2B)。マウスの皮下に移植し、Day6に単回治療を与えた。単回経口投与後の時点で、腫瘍を切除し、凍結し、微粉砕し、次いで溶解した。溶解物をSDS−PAGEによって分離し、タンパク質をPVDFへ移した。セル・シグナリング・テクノロジー社(ベバリー、マサチューセッツ州)製の抗体、ECL Plus detection reagent(GEヘルスケア社、ピスカタウェイ、ニュージャージー州)、およびMolecular Devices Storm 840ホスフォイメージャーを蛍光モードで用いてホスホNTRK3(Tyr516)を検出した。化合物1の単回用量の投与(15mg/kg;経口)は、投与後12時間の間、インビボでNTRK3キナーゼリン酸化の>95%阻害をもたらした。化合物1は18時間でNTRK3リン酸化の63%阻害を示し、投与後24時間でNTRK3リン酸化の23%阻害を示した。
当業者であれば、単なるルーチン的な実験を用いて、本開示内に具体的に記載されている特定の実施態様の多数の均等物を認識または確認することができるであろう。そのような均等物は、添付の特許請求の範囲に包含されることが意図されている。
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Claims (27)

  1. N−(4−(2−(シクロプロパンカルボキサミド)ピリジン−4−イルオキシ)−2,5−ジフルオロフェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミドまたはその医薬的に許容される塩の有効量を、それを必要とする対象に投与することを含む、TRKキナーゼ媒介性の腫瘍の増殖、生存、または疾患進行を阻害する方法。
  2. 腫瘍の増殖、生存、または進行がTRKキナーゼの過剰発現、TRKキナーゼの変異、またはTRKキナーゼ融合タンパク質によって引き起こされる、請求項1に記載の方法。
  3. 腫瘍の増殖、生存、または進行がNTRK1融合タンパク質によって引き起こされる、請求項1に記載の方法。
  4. NTRK1融合タンパク質がMPRIP−NTRK1、CD74−NTRK1、RFWD2−NTRK1、SQSTM1−NTRK1、TPM3−NTRK1、TFG−NTRK1、TPR−NTRK1、RABGAP1L−NTRK1 LMNA−NTRK1、TP53−NTRK1、NFASC−NTRK1、およびPEAR1−NTKR1から選択される、請求項3に記載の方法。
  5. 腫瘍の増殖、生存、または進行がNTRK2融合タンパク質によって引き起こされる、請求項1に記載の方法。
  6. NTRK2融合タンパク質がPAN3−NTRK2、AFAP1−NTRK2、TRIM24−NTRK2、QK1−NTRK2、NACC2−NTRK2、VCL−NTRK2、およびAGBL4−NTRK2から選択される、請求項5に記載の方法。
  7. 腫瘍の増殖、生存、または進行がNTRK3融合タンパク質によって引き起こされる、請求項1に記載の方法。
  8. NTRK3融合タンパク質がETV6−NTRK3およびBTBD1−NTRK3から選択される、請求項7に記載の方法。
  9. 腫瘍の増殖、生存、または進行がTRKキナーゼの変異によって引き起こされる、請求項1に記載の方法。
  10. TRKキナーゼの変異が急性骨髄性白血病のNTRK1欠失変異である、請求項9に記載の方法。
  11. 腫瘍の増殖、生存、または進行が野生型TRKキナーゼの過剰発現によって引き起こされる、請求項1に記載の方法。
  12. NTRK1が膵臓癌または神経芽細胞腫で過剰発現している、請求項11に記載の方法。
  13. 腫瘍が肺腺癌、胆管癌、結腸直腸癌、結腸腺癌、甲状腺乳頭癌、スピッツ様腫瘍、膠芽腫、肉腫、先天性線維肉腫、星状細胞腫、頭頸部癌、低悪性度神経膠腫、分泌性乳癌、急性骨髄性白血病、先天性中胚葉性腎腫、急性リンパ芽球性白血病、甲状腺癌、皮膚黒色腫、小児神経膠腫、神経芽細胞腫、または膵臓癌である、請求項1に記載の方法。
  14. N−(4−(2−(シクロプロパンカルボキサミド)ピリジン−4−イルオキシ)−2,5−ジフルオロフェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミドまたはその医薬的に許容される塩が単剤として、または他の癌標的治療剤、癌標的生物製剤、もしくは化学療法剤と組み合わせて投与される、請求項1に記載の方法。
  15. それを必要とする対象の癌を治療する方法であって、N−(4−(2−(シクロプロパンカルボキサミド)ピリジン−4−イルオキシ)−2,5−ジフルオロフェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミドまたはその医薬的に許容される塩の有効量を該対象に投与することを含む方法であり、該癌がTRKキナーゼの過剰発現、TRKキナーゼの変異、および/またはTRKキナーゼ融合タンパク質と関連する、方法。
  16. 癌がNTRK1融合タンパク質によって引き起こされる、請求項15に記載の方法。
  17. NTRK1融合タンパク質がMPRIP−NTRK1、CD74−NTRK1、RFWD2−NTRK1、SQSTM1−NTRK1、TPM3−NTRK1、TFG−NTRK1、TPR−NTRK1、RABGAP1L−NTRK1 LMNA−NTRK1、TP53−NTRK1、NFASC−NTRK1、およびPEAR1−NTKR1から選択される、請求項16に記載の方法。
  18. 癌がNTRK2融合タンパク質によって引き起こされる、請求項15に記載の方法。
  19. NTRK2融合タンパク質がPAN3−NTRK2、AFAP1−NTRK2、TRIM24−NTRK2、QK1−NTRK2、NACC2−NTRK2、VCL−NTRK2、およびAGBL4−NTRK2から選択される、請求項18に記載の方法。
  20. 癌がNTRK3融合タンパク質によって引き起こされる、請求項15に記載の方法。
  21. NTRK3融合タンパク質がETV6−NTRK3およびBTBD1−NTRK3から選択される、請求項20に記載の方法。
  22. 癌がTRKキナーゼの変異によって引き起こされる、請求項15に記載の方法。
  23. 変異が急性骨髄性白血病のNTRK1欠失変異である、請求項22に記載の方法。
  24. 癌が野生型TRKキナーゼの過剰発現によって引き起こされる、請求項15に記載の方法。
  25. NTRK1が膵臓癌または神経芽細胞腫で過剰発現している、請求項24に記載の方法。
  26. 癌が肺腺癌、胆管癌、結腸直腸癌、結腸腺癌、甲状腺乳頭癌、スピッツ様腫瘍、膠芽腫、肉腫、先天性線維肉腫、星状細胞腫、頭頸部癌、低悪性度神経膠腫、分泌性乳癌、急性骨髄性白血病、先天性中胚葉性腎腫、急性リンパ芽球性白血病、甲状腺癌、皮膚黒色腫、小児神経膠腫、神経芽細胞腫、または膵臓癌である、請求項15に記載の方法。
  27. N−(4−(2−(シクロプロパンカルボキサミド)ピリジン−4−イルオキシ)−2,5−ジフルオロフェニル)−N’−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキサミドまたはその医薬的に許容される塩が単剤として、または他の癌標的治療剤、癌標的生物製剤、もしくは化学療法剤と組み合わせて投与される、請求項15に記載の方法。
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