JP2017531011A - 麻酔のための新規の方法、化合物および組成物 - Google Patents

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Abstract

対象において麻酔の誘発または維持において有用な処置の方法を提供する。前記方法は、本明細書において開示されている化合物を、麻酔を必要としている対象に投与することを含む。麻酔効果を有する新規な化合物、化合物を含む医薬組成物、およびパッケージ化された医薬品も提供する。前記化合物のコンピュータモデリングは、GABA受容体タイプAとの好都合な相互作用を示す。さらに、前記化合物は、動物モデルにおいて、公知の全身麻酔剤の用量応答曲線と同様の用量応答曲線を伴う可逆的な麻酔効果を示す。GABA受容体媒介性効果も、海馬脳スライス調製物において実証される。

Description

関連出願の相互参照
本願は、2014年10月16日に出願された米国仮特許出願第62/064,670号の利益を主張し、この米国仮特許出願の開示内容は、その全体が参照により本明細書において援用される。
発明の背景
160年に亘り、麻酔剤は、主要な侵襲的手法の、さもなければ有害な副作用を最小化するため、安全にかつ効果的に提供されてきた。このような成功にもかかわらず、これらの正確な機序は依然として理解し難い。これは、全身麻酔によって変化する意識のある状態についての我々の理解が非常に不十分であるという事実によって混乱する。しかし、過去何年にも亘り、優れた洞察が麻酔剤の機序の分子レベルの基盤について得られてきており、同時に、それらの洞察は中枢神経系内の相当する要因と共に得られてきている。麻酔剤は、膜貫通リガンド開口型イオンチャネル(LGIC)への結合およびそのモジュレーションを介してそれらの活性の大部分を媒介していると今では考えられている。特に、ガンマ−アミノ酪酸受容体タイプA(GABAaR)およびグリシンアルファ1受容体(GlyRa1)は、その抑制性電流が全身麻酔剤の存在によって増強されるイオンチャネルである。バルビツレートおよびベンゾジアゼピンによるその撹乱が全身麻酔と非常に似た状態を生じさせるのは、GABAaRである。同様に、静脈内全身麻酔剤であるプロポフォールおよびエトミデートは、これらのチャネル内の特定の部位を通して意識をモジュレートすると考えられる。Jurdら(2003年)、Faseb J、17巻:250〜2頁。これらのイオンチャネルは、中央のイオン伝導性ポアの周りに配置される5つのサブユニットから構成され、これらのサブユニットは、ヘテロ五量体であり化学量論において可変であることが多い。代表的なサブユニットの細胞外ドメインは、ベータシート二次構造の大きな構成要素によって特徴付けられ、かつ問題になっているチャネルと密接な関係のある天然リガンドについての結合部位を含有する(すなわち、GABAaRについてガンマ−アミノ酪酸(GABA))。膜貫通ドメインは、4ヘリックス束から大部分が構成される。この後者の二次構造は、本発明者らの研究室において予測され、その後に実験者によって検証された、重要な特色である。Bertacciniら(2002年)、Protein Eng、15巻:443〜54頁;Miyazawaら、Nature、424巻:949〜55頁。麻酔剤およびアルコールが結合し、それらのチャネルモジュレーションの大部分を伝達すると考えられるのは、この膜貫通領域内である。Bertacciniら(2010年)、J Chem Inf Model、50巻:2248〜55頁。
LGICは膜貫通タンパク質であり、したがって、これらの単離および精製は困難であることが証明されている。最近公表された結晶構造は、脱感作された状態(Millerら(2014年)、Nature、512巻:270〜5頁)(大部分の麻酔剤およびアルコールに対して非感受性である状態)におけるホモマーであるGABAaRベータ3を示すが、その一方で、開口状態(麻酔剤によって安定化すると考えられる状態)におけるヘテロマーであるGABAaRの高分解能結晶構造は存在しない。しかし、分子モデリングアプローチは、LGIC構造、およびこれらのタンパク質と麻酔剤との相互作用の理解に対する有意な進歩をもたらし始めている。
このような計算の中軸は、相同性モデリングの技術にある。相同性モデリングは、公知のタンパク質の座標を未知の座標に移すことができるように、未知の構造のタンパク質のアミノ酸配列が、公知の三次元構造を有する密接に関連するアミノ酸配列のタンパク質の上に整列およびセットされる方法である。このような相同性モデリングは非常に多くの計算理論が関与する一方で、これはまた所望のタンパク質との高い配列相同性を有する鋳型として作用するタンパク質の実験的に記載された座標に非常に依存する。Bertacciniら(2010年)、J Chem Inf Model、50巻:2248〜55頁;Murailら(2011年)、Biophys J、100巻:1642〜50頁。過去数年に亘り、LGICへの大きな相同性を有するいくつかの鋳型は、低温電子顕微鏡法、X線結晶構造解析、および核磁気共鳴(NMR)によって決定されてきており、これによってモデルの構築をより強固なものとしてきた。
このような鋳型をベースとする本発明者らの新たなモデルは、これらのチャネルに関する現在利用可能な実験データの大部分を説明することができ、リガンド結合の尺度と実験的効力との相関関係を可能とする。これらのモデルは、チャネルゲート開閉の機序を例示するために使用されてきており(Bertacciniら(2010年)、ACS Chem. Neurosci.、1巻:552〜558頁;Szareckaら(2007年)、Proteins、68巻:948〜60頁)、in silicoでのハイスループットスクリーニングおよび新たな麻酔剤発見のためのベースとして、特に、動物におけるさらなるスクリーニングのためのリード化合物を同定するために、使用することができる。
MarketResearch.comによる2010年4月の声明によって、世界の麻酔薬の市場が41億ドルであると推定されると報告された。しかし、特に高齢化した老人患者の集団の間で、現在利用可能な薬剤の薬物プロファイルおよび危険な副作用は多い。比例して、集団のうち最も速く増えているセグメントは、80歳代およびそれより高齢の人であり、今や医療費の大部分の原因であり、ますます増える外科によるケアおよび麻酔剤によるケアを必要としている人々のグループである。したがって、新たな麻酔薬剤を開発するかなりの臨床的な圧力および市場機会が存在する。
現在、一般に臨床使用されている、4種の主な静脈内および3種の主要な吸入による麻酔薬剤が存在する。これらの薬剤のそれぞれは、望ましくない血行動態撹乱全般と関連し、これらの大部分はより低い体血圧をもたらす。これは、新たに発現する血管代償機構を有する非常に若い患者において、および混乱させる併存症あるいは、そうでなければ疲弊した代償機構を有する高齢者において、耐性が乏しい副作用である。
一般に使用される麻酔薬剤のそれぞれは、さらなる特有の不利益を有する。特に、エトミデートは、意識における用量依存的な変化を誘発する一方で、理想的な心血管の保存を達成することに最も接近した薬剤であるが、これは阻害されたステロイド生合成による臨床的に有意な副腎抑制を犠牲にしたものである。米国特許第8,557,856号は、改善された薬物動態学的および薬力学的特性を有すると主張されているエトミデート類似体について記載している。米国特許第8,765,973号は、ステロイド生合成を阻害しないと主張されているエトミデート類似体について記載している。しかし、これらのエトミデート類似体はいずれも、まだ臨床承認を達成していない。
プロポフォールは広範な人気を得てきたが、過去数年において、全国的な不足の対象となっており、深刻な低血圧を生じさせ得る。現時点では新たな麻酔薬剤についての予想利益を提示することはできないが、その一方で、より大きな滴定可能性および最小の心肺副作用は、より短期でより複雑でない病院滞在をもたらすはずであり、これら両方から節約される経費は相当なものである。
このように、特に、非常に若い患者、高齢患者および危篤状態である患者において使用するための改善された麻酔薬剤が必要とされている。同様に、改善された薬剤を含有する医薬組成物、および麻酔を誘発または維持する薬剤の投与が関与する処置の方法が必要とされている。
米国特許第8,557,856号明細書 米国特許第8,765,973号明細書
Jurdら(2003年)、Faseb J、17巻:250〜2頁 Bertacciniら(2002年)、Protein Eng、15巻:443〜54頁 Miyazawaら、Nature、424巻:949〜55頁 Bertacciniら(2010年)、J Chem Inf Model、50巻:2248〜55頁 Millerら(2014年)、Nature、512巻:270〜5頁 Murailら(2011年)、Biophys J、100巻:1642〜50頁 Bertacciniら(2010年)、ACS Chem. Neurosci.、1巻:552〜558頁 Szareckaら(2007年)、Proteins、68巻:948〜60頁
発明の概要
本発明は、化合物、医薬組成物、キット、および麻酔剤として作用する化合物の使用の方法を提供することによって、これらおよび他の問題に取り組む。
具体的には、本発明の一態様によれば、処置の方法が提供され、前記方法は、それを必要とする対象に、前記対象において麻酔を誘発または維持するのに十分な濃度の化合物を投与することを含み、前記化合物は、構造式(I):
によって表されるか、または薬学的に許容されるその塩であり、式中、
i1およびRi2は、独立に、H、低級アルキル基またはフェニル基であり、前記アルキル基およびフェニル基は、1個または複数のアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルカノイル、アルキルアミノ、アルキルチオ、アリール、アリールオキシ、アリールアミノ、アラルキル、アラルコキシ、アラルカノイル、アラルカミノ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルコキシ、ヘテロアラルカノイル、ヘテロアラルカミノ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、シクロアルカノイル、シクロアルカミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルアルキル(heterocyclylalky)、ヘテロシクリルアルコキシ、ヘテロシクリルアルカノイル、ヘテロシクリルアルカミノ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、アミド、アルカノイルアミノ、アロイルアミノ、アラルカノイルアミノ、アルキルカルボキシ、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、スルホニル、スルホンアミドまたはアジド基で、任意選択でかつ独立に置換されており、2個の隣接する置換基は、合わさって環を形成することができ、
i3またはRi4のいずれかは、−C(O)ORであり、他方の基は、Hまたは低級アルキル基であり、
は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリルまたはヘテロシクリルアルキルであり、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルカノイル、アルキルアミノ、アルキルチオ、アリール、アリールオキシ、アリールアミノ、アラルキル、アラルコキシ、アラルカノイル、アラルカミノ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルコキシ、ヘテロアラルカノイル、ヘテロアラルカミノ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、シクロアルカノイル、シクロアルカミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルコキシ、ヘテロシクリルアルカノイル、ヘテロシクリルアルカミノ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、アミド、アルカノイルアミノ、アロイルアミノ、アラルカノイルアミノ、アルキルカルボキシ、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、スルホニル、スルホンアミド、またはアジドで任意選択で置換されており、
i5は、1個または複数のアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルカノイル、アルキルアミノ、アルキルチオ、アリール、アリールオキシ、アリールアミノ、アラルキル、アラルコキシ、アラルカノイル、アラルカミノ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルコキシ、ヘテロアラルカノイル、ヘテロアラルカミノ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、シクロアルカノイル、シクロアルカミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルコキシ、ヘテロシクリルアルカノイル、ヘテロシクリルアルカミノ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、アミド、アルカノイルアミノ、アロイルアミノ、アラルカノイルアミノ、アルキルカルボキシ、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、スルホニル、スルホンアミドまたはアジド基で任意選択で置換されているフェニル基であり、2個の隣接する置換基は、合わさって環を形成することができる。
処置の方法がまた提供され、ここで前記化合物は、構造式(II):
によって表されるか、または薬学的に許容されるその塩であり、式中、
p1およびRp2は、独立に、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルカノイル、アルキルアミノ、アルキルチオ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、シクロアルカノイル、シクロアルカミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルコキシ、ヘテロシクリルアルカノイル、ヘテロシクリルアルカミノ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、アミド、アルカノイルアミノ、アルキルカルボキシ、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、スルホニル、スルホンアミド、またはアジドであり、
i3は、Hまたは低級アルキル基であり、
i1、Ri2およびRは、構造式(I)について上記に定義されているとおりである。
前記方法のうちのいくつかにおいて、前記化合物は、構造式(III):
によって表されるか、または薬学的に許容されるその塩であり、式中、
p1、Rp2、Rp3およびRp4は、独立に、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルカノイル、アルキルアミノ、アルキルチオ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、シクロアルカノイル、シクロアルカミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルコキシ、ヘテロシクリルアルカノイル、ヘテロシクリルアルカミノ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、アミド、アルカノイルアミノ、アルキルカルボキシ、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、スルホニル、スルホンアミド、またはアジドであり、
i3は、Hまたは低級アルキル基であり、
i1およびRは、構造式(I)について上記に定義されているとおりである。
別の態様において、構造式(II):
によって表されるような化合物または薬学的に許容されるその塩が提供され、式中、
p1およびRp2は、独立に、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルカノイル、アルキルアミノ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、シクロアルカノイル、シクロアルカミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルコキシ、ヘテロシクリルアルカノイル、ヘテロシクリルアルカミノ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、アルカノイルアミノ、アルキルカルボキシ、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、またはアジドであり、これらのそれぞれは、化学的に実現可能である場合、任意選択で置換されていてもよく、
i1は、HまたはC〜Cアルキル基であり、
i2は、1個または複数のアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルカノイル、アルキルアミノ、アルキルチオ、アリール、アリールオキシ、アリールアミノ、アラルキル、アラルコキシ、アラルカノイル、アラルカミノ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルコキシ、ヘテロアラルカノイル、ヘテロアラルカミノ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、シクロアルカノイル、シクロアルカミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルコキシ、ヘテロシクリルアルカノイル、ヘテロシクリルアルカミノ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、アミド、アルカノイルアミノ、アロイルアミノ、アラルカノイルアミノ、アルキルカルボキシ、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、スルホニル、スルホンアミドまたはアジド基で任意選択で置換されているフェニル基であり、2個の隣接する置換基は、合わさって環を形成することができ、
i3は、Hまたは非置換低級アルキル基であり、
は、C〜C−アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリルまたはヘテロシクリルアルキルであり、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルカノイル、アルキルアミノ、アルキルチオ、アリール、アリールオキシ、アリールアミノ、アラルキル、アラルコキシ、アラルカノイル、アラルカミノ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルコキシ、ヘテロアラルカノイル、ヘテロアラルカミノ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、シクロアルカノイル、シクロアルカミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルコキシ、ヘテロシクリルアルカノイル、ヘテロシクリルアルカミノ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、アミド、アルカノイルアミノ、アロイルアミノ、アラルカノイルアミノ、アルキルカルボキシ、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、またはアジドで任意選択で置換されており、
ただし、Ri1がメチルであり、Ri2が非置換フェニルであり、Rがベンジル、イソプロピル、イソブチル、t−ブチル、メトキシエチルまたは4,4−ジフルオロ−3−メチル−3−ブテン−1−イルであり、Rp1がHであるとき、Rp2は、Hではなく、
i1がメチルであり、Ri2が2−メトキシフェニルであり、Rがt−ブチルであり、Rp1がHであるとき、Rp2は、H、3−アミノ、3−アジド、4−ブロモまたは4−ニトロではなく、
i1がメチルであり、Ri2が2−メトキシフェニルであり、Rがベンジルであり、Rp1がHであるとき、Rp2は、Hではない。
別の態様において、構造式(II):
によって表されるような化合物または薬学的に許容されるその塩が提供され、式中、
p1およびRp2は、独立に、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルカノイル、アルキルアミノ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、シクロアルカノイル、シクロアルカミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルコキシ、ヘテロシクリルアルカノイル、ヘテロシクリルアルカミノ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、アルカノイルアミノ、アルキルカルボキシ、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、またはアジドであり、これらのそれぞれは、化学的に実現可能である場合、任意選択で置換されていてもよく、
i1は、HまたはC〜Cアルキル基であり、
i2は、1個または複数のアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルカノイル、アルキルアミノ、アルキルチオ、アリール、アリールオキシ、アリールアミノ、アラルキル、アラルコキシ、アラルカノイル、アラルカミノ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルコキシ、ヘテロアラルカノイル、ヘテロアラルカミノ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、シクロアルカノイル、シクロアルカミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルコキシ、ヘテロシクリルアルカノイル、ヘテロシクリルアルカミノ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、アミド、アルカノイルアミノ、アロイルアミノ、アラルカノイルアミノ、アルキルカルボキシ、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、スルホニル、スルホンアミドまたはアジド基で置換されているフェニル基であり、2個の隣接する置換基は、合わさって環を形成することができ、
i3は、Hまたは非置換低級アルキル基であり、
は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリルまたはヘテロシクリルアルキルであり、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルカノイル、アルキルアミノ、アルキルチオ、アリール、アリールオキシ、アリールアミノ、アラルキル、アラルコキシ、アラルカノイル、アラルカミノ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルコキシ、ヘテロアラルカノイル、ヘテロアラルカミノ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、シクロアルカノイル、シクロアルカミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルコキシ、ヘテロシクリルアルカノイル、ヘテロシクリルアルカミノ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、アミド、アルカノイルアミノ、アロイルアミノ、アラルカノイルアミノ、アルキルカルボキシ、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、またはアジドで任意選択で置換されており、
ただし、Ri2は、2−アミノフェニル、3−アミノフェニル、3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル、4−アミノフェニル、3−アジドフェニル、1,1’−ビフェニル、2−ブロモフェニル、3−ブロモフェニル、4−ブロモフェニル、2−カルボキシフェニル、2−(クロロカルボニル)フェニル、4−クロロフェニル、2,4−ジクロロフェニル、2,4−ジメトキシフェニル、3,4−ジメトキシフェニル、3,4−ジメチルフェニル、4−フルオロフェニル、2−メトキシフェニル、3−メトキシフェニル、4−メトキシフェニル、3−(エトキシカルボニル)フェニル、4−(メトキシカルボニル)フェニル、2−メチルフェニル、4−メチルフェニル、4−(メチルスルホニル)フェニル、4−(メチルチオ)フェニル、3−(4−モルホリニルスルホニル)フェニル、2−ニトロフェニル、3−ニトロフェニル、4−ニトロフェニル、3−(フェニルアミノ)フェニル、4−(1H−ピロール−1−イル)フェニル、4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)フェニル、2−ヒドロキシ−5−アミノフェニル、または4−[5−(4−クロロフェニル)−3−(エトキシカルボニル)−2−メチル−1H−ピロール−1−イル]フェニル]ではない。
さらに別の態様において、構造式(IV):
によって表されるような化合物または薬学的に許容されるその塩が提供され、式中、
p3およびRp4は、独立に、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルカノイル、アルキルアミノ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、シクロアルカノイル、シクロアルカミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルコキシ、ヘテロシクリルアルカノイル、ヘテロシクリルアルカミノ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、アルカノイルアミノ、アルキルカルボキシ、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、またはアジドであり、これらのそれぞれは、化学的に実現可能である場合、任意選択で置換されていてもよく、
i1は、HまたはC〜Cアルキル基であり、
i5は、1個または複数のアルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、スルホニル、スルホンアミドまたはアジド基で置換されているフェニル基であり、
i3は、Hまたは非置換低級アルキル基であり、
は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリルまたはヘテロシクリルアルキルであり、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルカノイル、アルキルアミノ、アルキルチオ、アリール、アリールオキシ、アリールアミノ、アラルキル、アラルコキシ、アラルカノイル、アラルカミノ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルコキシ、ヘテロアラルカノイル、ヘテロアラルカミノ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、シクロアルカノイル、シクロアルカミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルコキシ、ヘテロシクリルアルカノイル、ヘテロシクリルアルカミノ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、アミド、アルカノイルアミノ、アロイルアミノ、アラルカノイルアミノ、アルキルカルボキシ、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、またはアジドで任意選択で置換されており、
ただし、Ri5は、2−アミノフェニル、2−ブロモフェニル、2−カルボキシフェニル、2−クロロフェニル、2−(ジメチルアミノ)フェニル、2−エチルフェニル、2−ヒドロキシフェニル、2−メトキシフェニル、2−メチルフェニル、2−ニトロフェニル、2−トリフルオロメチルフェニル、3−アセチルフェニル、3−アミノフェニル、3−アミノカルボニルフェニル、3−アジドフェニル、3−ブロモフェニル、3−ブトキシフェニル、3−カルボキシフェニル、3−クロロフェニル、3−(ジメチルアミノ)フェニル、3−フルオロフェニル、3−ヒドロキシルフェニル、3−ヨードフェニル、3−メトキシフェニル、3−メチルフェニル、3−メチルチオフェニル、3−ニトロフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、4−アミノフェニル、4−アジドフェニル、4−ブロモフェニル、4−カルボキシフェニル、4−クロロフェニル、4−エトキシフェニル、4−エチルフェニル、4−フルオロフェニル、4−ヒドロキシフェニル、4−メトキシフェニル、4−メチルフェニル、4−ニトロフェニル、4−トリフルオロメトキシフェニル、4−(3,3,3−トリフルオロプロポキシ)フェニル、2,4−ジフルオロフェニル、2,4−ジクロロフェニル、3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル、3−カルボキシ−4−ヒドロキシフェニル、2−ヒドロキシ−5−アミノフェニル、2−ブロモ−4−アセチルフェニル、2,4−ジブロモフェニル、2−ブロモ−4−(エトキシカルボニル)フェニル、2−ブロモ−4−フルオロフェニル、2−ブロモ−4−トリフルオロメチルフェニル、3−ヒドロキシ−4−カルボキシフェニル、3−カルボキシ−4−ヒドロキシフェニル、2,6−ジイソプロピルフェニル、2,5−ジメトキシフェニル、3,4−ジメトキシフェニル、2,3−ジメチルフェニル、2,4−ジメチルフェニル、2,5−ジメチルフェニル、2,6−ジメチルフェニル、3,4−ジメチルフェニル、3,5−ジメチルフェニル、2−メトキシ−4−メチルフェニル、2−メチル−3−クロロフェニル、2,4−ジクロロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、3,5−ジクロロフェニル、2−メトキシ−5−ニトロフェニル、2−ニトロ−4−メチルフェニル、または2−クロロ−5−トリフルオロメチルフェニルではない。
なお別の態様において、構造式(II):
によって表されるような化合物または薬学的に許容されるその塩が提供され、式中、
p1およびRp2は、独立に、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルカノイル、アルキルアミノ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、シクロアルカノイル、シクロアルカミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルコキシ、ヘテロシクリルアルカノイル、ヘテロシクリルアルカミノ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、アルカノイルアミノ、アルキルカルボキシ、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリルまたはアジドであり、これらのそれぞれは、化学的に実現可能である場合、任意選択で置換されていてもよく、
i1は、Hであり、
i2は、1個または複数のアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルカノイル、アルキルアミノ、アルキルチオ、アリール、アリールオキシ、アリールアミノ、アラルキル、アラルコキシ、アラルカノイル、アラルカミノ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルコキシ、ヘテロアラルカノイル、ヘテロアラルカミノ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、シクロアルカノイル、シクロアルカミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルコキシ、ヘテロシクリルアルカノイル、ヘテロシクリルアルカミノ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、アミド、アルカノイルアミノ、アロイルアミノ、アラルカノイルアミノ、アルキルカルボキシ、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、スルホニル、スルホンアミドまたはアジド基で任意選択で置換されているフェニル基であり、2個の隣接する置換基は、合わさって環を形成することができ、
i3は、Hまたは非置換低級アルキル基であり、
は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリルまたはヘテロシクリルアルキルであり、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルカノイル、アルキルアミノ、アルキルチオ、アリール、アリールオキシ、アリールアミノ、アラルキル、アラルコキシ、アラルカノイル、アラルカミノ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルコキシ、ヘテロアラルカノイル、ヘテロアラルカミノ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、シクロアルカノイル、シクロアルカミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルコキシ、ヘテロシクリルアルカノイル、ヘテロシクリルアルカミノ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、アミド、アルカノイルアミノ、アロイルアミノ、アラルカノイルアミノ、アルキルカルボキシ、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、またはアジドで任意選択で置換されており、
ただし、Ri2が4−(メチルスルホニル)フェニルであり、Rがメチルであり、Rp1がHであるとき、Rp2は、4−フルオロではなく、
i2が非置換フェニルであり、Rがメチルであり、Rp1がHであるとき、Rp2は、4−メトキシではない。
本発明の別の態様によれば、本発明の化合物のいずれかおよび薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物、ならびにこれらの医薬組成物および対象哺乳動物を処置するために前記組成物を使用するための指示を含む、パッケージ化された医薬品が提供される。
(A)Masciaら(2005年)、Eur. J. Pharmacol.、516巻:204〜211頁によって開示されている従来技術の化合物(本明細書において、化合物「TG41」または「1n」と示される)。(B)コルチコステロイド生合成の阻害を回避するように設計された新規化合物(本明細書において、化合物「カルボ−1n」と示される)。
(A)は、膜貫通ドメイン、細胞外ドメインおよびGABA結合部位を含めた、GABA受容体の三次元モデルを例示する。(B)は、提案された麻酔剤結合部位の領域における受容体モデルの断面図を示す。(C)は、麻酔剤作用をモジュレートすることに関与していると考えられる残基、およびこの部位におけるプロポフォールの結合した分子の周りの詳細な構造的モデルを示す。
CDocker相互作用エネルギースコア(CDIE)を使用したプロポフォール類似体のドッキングの結果。
GABAaR EC50の対数の関数としてのネガティブCDocker相互作用エネルギーのプロット。
(A)11−ベータヒドロキシラーゼの結合部位内のFAD部分のヘム鉄に対するカルボ−1nの最も可能性のある配向のモデル。(B)同じヘム鉄に対する化合物1nの最も可能性のある配向のモデル。2つの間の共有結合的結合、およびカルボ−1nにおけるこのような結合の欠乏を可能とする、ヘム鉄に対する化合物1nにおけるイミダゾール窒素の近接性に留意されたい。
オタマジャクシ正向反射の消失アッセイにおける化合物A(パネルA)およびB(パネルB)の効果についての用量応答曲線。x軸の単位は、log(μM)である。
海馬脳スライス調製物に対する化合物Bの効果。
発明の詳細な説明
麻酔剤は、ガンマ−アミノ酪酸タイプA受容体(GABAaR)のモジュレーションによって、これらの活性の少なくとも一部を媒介すると理解されている。この受容体の分子構造は未知のままであるが、その一方で、分子モデリングによる受容体と麻酔剤との相互作用の理解に向けて相当な進歩を遂げてきた。相同の鋳型をベースとするコンセンサス構造アラインメント、それに続く相同性モデリングによって、GABAaRの膜貫通ドメイン内のサブユニット間の麻酔剤結合キャビティが明らかにされる。本明細書に記載のように、この結合部位モデルは、一連のプロポフォール様誘導体についての実験的に測定したGABAaR増強との、in silicoでのリガンドドッキングスコアの相関関係を明らかにする。一連の高度に強力なエトミデート様誘導体のさらなるスクリーニングはまた、リガンド結合スコアおよび実験的GABAaR増強の間の強い相関関係を明らかにする。しかし、これらの後者の誘導体は、露出したイミダゾール窒素を含有し、これは、本発明者らのモデリングにおいて、エトミデートそれ自体で起こることが周知の効果である、酵素11−ベータヒドロキシラーゼに結合しこれを潜在的に不可逆的に阻害することができることを示すことができる。これに照らして、本発明者らは、in silicoでの上記エトミデート様誘導体の最も強力なバージョン(イミダゾール窒素に代えて用いられる炭素を含有、ここでカルボ−1nと称される)を創出した。図1Bを参照されたい。本明細書に開示されているように、本発明者らは、この化合物がin silicoで、GABAaRの本発明者らのモデル内の麻酔剤結合部位への強い結合スコアを示す一方で、一時的な結合部位の占有にも関わらず、11−ベータヒドロキシラーゼを修飾することができないことを成功裡に示した。カルボ−1nと同様の特性を有する化合物についての公知の化学構造についてさらなるサーチが行われた。したがって、12の現存する化合物が本発明者らによって同定され、それに続いてGABAaRモデル内の麻酔剤結合部位に成功裡にドッキングされた。これらの剤は、オタマジャクシにおいて正向反射の消失(オタマジャクシにおける麻酔された状態の代替的測定値)を誘発するこれらの能力について試験され、海馬スライスの電気生理学を介したさらなる機構的分析において使用されてきた。これらの研究は、GABAaR活性と一致する新規麻酔薬剤の作用機序を明らかにした。
このように、本発明者らは、新たなクラスの活性麻酔剤化合物を同定し、本開示に記載した。このクラス内の化合物は、従前には、麻酔効果と関連付けられてもこず、麻酔効果を生じさせることが公知でもなかった。これらの化合物は、意識をモジュレートすることが公知である受容体への高い選択性および親和性を介して鎮静から全身麻酔までの範囲の状態を生じさせることにおける強力な臨床的有効性を提供することが予想される。これらはまた、最小の心肺の撹乱、最小の毒性から無毒性、および急速な滴定可能性のために都合のよい動態を提供することが予想される。これらは、現在のプロセスまたは予測可能な新たな合成方法論によって、合成により入手可能である。上で述べたように、現在承認されている麻酔剤は、これらの理想的な特色の全てを満足させることができない。より理想的な麻酔剤を導き出す試みは、本明細書において提供する研究において今回実証したように、スキャホールドホッピングのプロセスにおける所望の麻酔剤活性を有する新たな化学的コア構造の同定および開発に基づく。
従前ではスーパーコンピュータの施設を介してのみ利用可能であった高度化した分子計算は、今や先端的なデスクトップワークステーションによって達成することができる。ソフトウェアの開発は、効率的な薬物スクリーニング方法論のための、ハイエンドな3D視覚化、および高度に並列化された計算アルゴリズムを最大限に活用してきた。これと同時に、意識のある状態についての分子基質についての本発明者らの理解はまた、特定の麻酔剤の作用を媒介するリガンド開口型イオンチャネルの強固なモデルの形態で進歩してきた。例えば、Bertacciniら(2010年)、J Chem Inf Model、50巻:2248〜55頁;Murailら(2011年)、Biophys J、100巻:1642〜50頁;Bertacciniら(2010年)、ACS Chem. Neurosci.、1巻:552〜558頁;Bertaccini(2010年)、Pharmaceuticals、3巻:2178〜2196頁;Bertacciniら(2010年)、Anesthesiology A1312を参照されたい。ここで提示するように、この知識を使用し、麻酔剤に結合することが公知でありかつ/または意識のニューロンプロセスに関与しているタンパク質を使用した効率的なリード同定および薬物デザインを行うことにおいて、ハイスループットのin silicoでのスクリーニング(リガンド−受容体ドッキング方法論、フラグメントベースのドラッグデザイン、およびin silicoでの前臨床毒性予測技術による)のための計算能力における進歩がてこ入れされてきた(すなわち、リガンド開口型イオンチャネル−LGICの本発明者らの最新技術分子モデル)。
処置の方法
一態様によれば、このように、本発明は、それを必要とする対象に、対象において麻酔を誘発または維持するのに十分な濃度の化合物を投与することを含む処置の新規方法を提供する。対象の麻酔剤化合物は、所望の効果を達成するのに適した任意の経路によって投与され得る。例えば、麻酔剤は、経口的、静脈内、吸入、皮下、筋肉内、経皮的、局所的、または任意の他の適切な経路によって投与され得る。
本方法において使用するための化合物は、構造式(I):
によって表されても、薬学的に許容されるその塩であってもよく、式中、
i1およびRi2は、独立に、H、低級アルキル基またはフェニル基であり、アルキル基およびフェニル基は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルカノイル、アルキルアミノ、アルキルチオ、アリール、アリールオキシ、アリールアミノ、アラルキル、アラルコキシ、アラルカノイル、アラルカミノ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルコキシ、ヘテロアラルカノイル、ヘテロアラルカミノ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、シクロアルカノイル、シクロアルカミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルコキシ、ヘテロシクリルアルカノイル、ヘテロシクリルアルカミノ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、アミド、アルカノイルアミノ、アロイルアミノ、アラルカノイルアミノ、アルキルカルボキシ、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、スルホニル、スルホンアミド、またはアジドで、任意選択でかつ独立に置換されており、2個の隣接する置換基は、合わさって環を形成することができ、
i3またはRi4のいずれかは、−C(O)ORであり、他方の基は、Hまたは低級アルキル基であり、
は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリルまたはヘテロシクリルアルキルであり、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルカノイル、アルキルアミノ、アルキルチオ、アリール、アリールオキシ、アリールアミノ、アラルキル、アラルコキシ、アラルカノイル、アラルカミノ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルコキシ、ヘテロアラルカノイル、ヘテロアラルカミノ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、シクロアルカノイル、シクロアルカミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルコキシ、ヘテロシクリルアルカノイル、ヘテロシクリルアルカミノ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、アミド、アルカノイルアミノ、アロイルアミノ、アラルカノイルアミノ、アルキルカルボキシ、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、スルホニル、スルホンアミド、またはアジドで任意選択で置換されており、
i5は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルカノイル、アルキルアミノ、アルキルチオ、アリール、アリールオキシ、アリールアミノ、アラルキル、アラルコキシ、アラルカノイル、アラルカミノ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルコキシ、ヘテロアラルカノイル、ヘテロアラルカミノ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、シクロアルカノイル、シクロアルカミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルコキシ、ヘテロシクリルアルカノイル、ヘテロシクリルアルカミノ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、アミド、アルカノイルアミノ、アロイルアミノ、アラルカノイルアミノ、アルキルカルボキシ、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、スルホニル、スルホンアミド、またはアジドで任意選択で置換されているフェニル基であり、2個の隣接する置換基は、合わさって環を形成することができる。
一部の実施形態では、構造式(I)の化合物において、Ri1およびRi2のいずれかは、任意選択で置換されているフェニル基であり、他方は、Hまたは非置換低級アルキル基である。より具体的な実施形態では、Ri1またはRi2である任意選択で置換されているフェニル基は、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、スルホニル、スルホンアミドまたはアジド基で任意選択で置換されている。より一層具体的な実施形態では、Ri1またはRi2である任意選択で置換されているフェニル基は、アルキル、アルコキシまたはハロ基で任意選択で置換されている。他の実施形態では、Ri1およびRi2は、それぞれ独立に、非置換低級アルキル基である。
一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されている低級アルキルまたはアラルキル基であり、より具体的には、Rは、任意選択で置換されている低級アルキル基である。
ある特定の実施形態では、Ri5であるフェニル基は、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、スルホニル、スルホンアミドまたはアジド基で任意選択で置換されていてもよい。具体的な実施形態では、Ri5は、アルキル、アルコキシまたはハロ基で任意選択で置換されているフェニル基である。
処置の本方法のある特定の実施形態では、構造式(I)を有する化合物について、Ri1およびRi2のいずれかは、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、スルホニル、スルホンアミドまたはアジド基で任意選択で置換されているフェニル基であり、Ri1およびRi2の他方は、Hまたは非置換低級アルキル基であり、
は、任意選択で置換されている低級アルキルまたはアラルキル基であり、
i5は、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、スルホニル、スルホンアミドまたはアジド基で任意選択で置換されているフェニル基である。
より具体的な方法の実施形態では、化合物は、構造式(II):
によって表されるか、または薬学的に許容されるその塩であり、式中、
p1およびRp2は、独立に、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルカノイル、アルキルアミノ、アルキルチオ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、シクロアルカノイル、シクロアルカミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルコキシ、ヘテロシクリルアルカノイル、ヘテロシクリルアルカミノ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、アミド、アルカノイルアミノ、アルキルカルボキシ、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、スルホニル、スルホンアミド、またはアジドであり、
i3は、Hまたは低級アルキル基であり、
i1、Ri2およびRは、構造式(I)について上記に定義されているとおりである。より具体的には、Rp1およびRp2は、独立に、H、アルキル、アルコキシまたはハロである。
一部の実施形態では、Ri1およびRi2のいずれかは、任意選択で置換されているフェニル基であり、他方は、Hまたは非置換低級アルキル基である。より具体的には、Ri1およびRi2である任意選択で置換されているフェニル基は、アルキル、アルコキシまたはハロ基で置換されている。
ある特定の方法の実施形態における構造式(II)の化合物について、Ri1およびRi2は、それぞれ独立に、非置換低級アルキル基である。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されている低級アルキルまたはアラルキル基であるか、あるいは任意選択で置換されている低級アルキル基である。
一部の方法の実施形態では、化合物は、構造式(III):
によって表されるか、または薬学的に許容されるその塩であり、式中、
p1、Rp2、Rp3およびRp4は、独立に、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルカノイル、アルキルアミノ、アルキルチオ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、シクロアルカノイル、シクロアルカミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルコキシ、ヘテロシクリルアルカノイル、ヘテロシクリルアルカミノ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、アミド、アルカノイルアミノ、アルキルカルボキシ、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、スルホニル、スルホンアミド、またはアジドであり、
i3は、Hまたは低級アルキル基であり、
i1およびRは、構造式(I)について上記に定義されているとおりである。具体的には、Rp1、Rp2、Rp3およびRp4は、独立に、H、アルキル、アルコキシまたはハロであり得る。
他の実施形態では、構造式(III)の化合物において、Ri1は低級アルキルである。また他の実施形態では、Ri3はHである。さらにまた他の実施形態では、Rは、任意選択で置換されている低級アルキルまたはアラルキル基である。
本処置方法において、麻酔剤化合物は、所望の麻酔剤のエンドポイント、例えば、記憶喪失、痛覚欠如、意識不明または不動を達成するのに十分な用量で投与される。麻酔剤化合物のための投与される投与量は、当業者によって実施される投与量およびスケジュールのレジメンに従う。本方法において使用される薬理学的剤の適切な投与量についての一般的なガイダンスは、これらのそれぞれが参照により本明細書中に組み込まれる、Goodman and Gilman's The Pharmacological Basis of Therapeutics、第12版、(2010年)、ならびにPhysicians' Desk Reference、第68版において提供されている。
特定の麻酔剤化合物の適切な投与量は、選択した投与経路、組成物の製剤、患者の応答、状態の重症度、対象の体重、副作用に対する対象の感受性、および処方する医師の判断を含めたいくつかの要因によって変化する。投与量は、個々の対象によって必要とされるように、経時的に増加または減少し得る。所与の化合物についての好ましい投与量は、種々の手段によって当業者が容易に決定可能である。投与量および投与間隔は、個々に調節して、所望の治療効果を維持するのに十分である活性化合物の血漿レベルをもたらし得る。
一実施形態では、麻酔剤化合物は、用量毎に約1μg〜1000mg、例えば、用量毎に約1μg〜5μg、約5μg〜10μg、約10μg〜50μg、約50μg〜100μg、約100μg〜200μg、約200μg〜400μg、約400μg〜800μg、約800μg〜1mg、約1mg〜2mg、約2mg〜4mg、約4mg〜8mg、約8mg〜10mg、約10mg〜20mg、約20mg〜40mg、約40mg〜80mg、約80mg〜100mg、約100mg〜2000mg、約200mg〜400mg、約400mg〜1000mg、またはより一層高い量で投与される。
別の実施形態では、用量毎の投与される麻酔剤化合物の量は、体重ベースで決定される。例えば、体重ベースで決定される場合、用量毎の化合物または組成物の量は、例えば、約10ng/kg、約15ng/kg、約20ng/kg、約50ng/kg、約100ng/kg、約200ng/kg、約500ng/kg、約1μg/kg、約2μg/kg、約5μg/kg、約10μg/kg、約20μg/kg、約50μg/kg、約100μg/kg、約200μg/kg、約500μg/kg、約1mg/kg、約2mg/kg、約5mg/kg、もしくは約10mg/kgであっても、それより一層高くともよい。
一実施形態では、複数回用量の麻酔剤化合物が投与される。化合物の投与の頻度は、種々の要因、例えば、症状の重症度などのいずれかによって変化し得る。例えば、一実施形態では、化合物は、月1回、月2回、月3回、隔週(qow)、週1回(qw)、週2回(biw)、週3回(tiw)、週4回、週5回、週6回、1日おき(qod)、毎日(qd)、1日2回(bid)、または1日3回(tid)投与される。一部の実施形態では、例えば、外科手法の間に、化合物は、より一層頻繁に投与され得る。例えば、化合物は、4時間毎に少なくとも1回、2時間毎に少なくとも1回、1時間毎に少なくとも1回、1時間毎に少なくとも2回、1時間毎に少なくとも4回、1時間毎に少なくとも10回、またはより一層頻繁に投与され得る。
一部の実施形態では、化合物は、連続的に投与される。麻酔剤化合物の投与の期間、例えば、化合物が投与される期間は、種々の要因、例えば、選択した投与経路、組成物の製剤、患者の応答などのいずれかによって変化し得る。例えば、化合物は、少なくとも5分、少なくとも30分、少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも4時間、少なくとも8時間、少なくとも1日、少なくとも1週間、またはより一層長い期間に亘って投与され得る。他の実施形態では、化合物は、1週間以下、1日以下、8時間以下、4時間以下、2時間以下、1時間以下、30分以下、5分以下、またはより一層短い期間に亘って投与され得る。一部の実施形態では、化合物は、約5分から30分、約30分から1時間、約1時間から2時間、約2時間から4時間、約4時間から8時間、約8時間から1日、または約1日から1週間の期間に亘り投与され得る。
様々な実施形態では、麻酔剤化合物は、呼吸器経路を経て、例えば、吸入、肺および/または鼻腔内送達によって対象に送達される。吸入による麻酔薬投薬のための技術およびデバイスは、当技術分野において公知である。これらは、例えば、Miller's Anesthesia(2009年)、Ronald D. Millerら編、第2巻、第7版、Philadelphia, Pa.、Churchill Livingstone/Elsevierに記載されている。一実施形態では、麻酔剤化合物を投与して、例えば、所望の麻酔の期間に亘り送達される、1気圧(1atm)の約0.1〜10.0パーセントの間、例えば、1atmの0.5〜5.0パーセント、例えば、1atmの約1.0〜3.5、例えば、1atmの約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5または10.0パーセントの用量を送達する。使用される用量は、薬物の効力、および投与される化合物または化合物の混合物によって決まる。
蒸気または気体の形態の治療的活性麻酔薬剤の送達についての詳細な情報は、当技術分野で入手可能である。麻酔剤化合物は典型的には、キャリアガス、例えば、酸素、空気もしくはヘリウムまたはこれらの混合物を使用した気化器を使用して気化され、当業者には公知のように半開放式または半閉鎖式麻酔回路の使用による吸入に適した所望の濃度を達成する。気体形態の麻酔剤化合物はまた、キャリアガス、例えば、酸素、空気もしくはヘリウムまたはこれらの混合物と直接混合され、当業者が理解するように半開放式または半閉鎖式麻酔回路を使用することによって吸入に適した所望の濃度を達成し得る。麻酔剤化合物はまた、オープンサーキットとも称される呼吸マスクへのまたはそれを介した直接の適用によって投与され得る。動物対象において、化合物はまた、動物対象が入っている閉じられたチャンバーまたは容器中に投与してもよく、それによって化合物は、当業者には公知のように、動物が呼吸すると気道によって送達される。
本発明の一部の態様では、麻酔剤化合物または化合物の混合物は、適切な溶媒、例えば、水、エタノールまたは食塩水に溶解または懸濁させられ、噴霧化によって投与される。ネブライザーは、流体を微細な液滴に分割し、これらを気体の流れるストリームに分散させることによって細かい粒子のエアゾールを生成する。医療用ネブライザーは、水または水溶液もしくはコロイド懸濁液を、吸入の間に対象の肺に入り、呼吸気道の表面上に堆積することができる、微細な吸入可能な液滴のエアゾールに変換するように設計される。典型的な空気式(圧縮ガス)医療用ネブライザーは、2〜4マイクロメートルの呼吸に適した範囲の体積中央径または質量中央径を有する、細かく分割された液滴で、1リットルの気体当たり概ね15〜30マイクロリットルのエアゾールを発生させる。主に、水または食塩水溶液は、典型的には、1.0〜5.0mg/mLの範囲の低い溶質濃度で使用される。
肺へエアゾール化溶液を送達するためのネブライザーは、AERx(商標)(Aradigm Corp.、Hayward、Calif.)およびAcorn II(登録商標)(Vital Signs Inc.、Totowa、N.J.)を含めたいくつかの源から市販されている。
定量吸入器はまた、公知であり利用可能である。息によって作動する吸入器は典型的には、加圧された噴射剤を含有し、患者の吸息の試みが機械レバーを動かすか、または、熱線流速計によって検出されるような、検出された流れが事前設定した閾値を超えて上昇するとき、定量を自動的に実現する。例えば、米国特許第3,187,748号;同第3,565,070号;同第3,814,297号;同第3,826,413号;同第4,592,348号;同第4,648,393号;同第4,803,978号;および同第4,896,832号を参照されたい。
様々な他の実施形態では、本開示の麻酔剤化合物は、注射によって対象に送達される。化合物は好ましくは、神経系への注射された化合物の有効な送達を促進する組成物中で下記のように製剤化される。特に、以下に記載するように、組成物は好ましくは、当技術分野でよく理解されているように、非経口投与による本処置方法において送達される。
一部の実施形態では、本発明は、対象において精神安定化または鎮静を誘発または維持する処置の方法を提供する。例えば、重病の対象、例えば集中治療室にいる患者は、例えば、本麻酔剤化合物の1つまたは複数を含む溶液の連続的注入によって、本方法によって鎮静させられ得る。より具体的な実施形態では、方法は、対象において精神安定化を誘発または維持する。一部の他の実施形態では、方法は、対象において記憶喪失を誘発または維持する。典型的には、対象において記憶喪失を誘発または維持するのに必要とされる化合物の量は、対象において精神安定化を誘発または維持するのに必要とされる量より多い。さらに他の実施形態では、本発明は、対象において催眠状態を誘発または維持する方法を提供する。典型的には、対象において催眠状態を誘発または維持するのに必要とされる麻酔剤化合物の量は、対象において記憶喪失を誘発または維持するのに必要とされる量より多い。また他の実施形態では、本発明は、対象において侵害性刺激に対する非感受性の状態を誘発または維持する方法を提供する。典型的には、対象において侵害性刺激に対する非感受性の状態を誘発または維持するのに必要とされる麻酔剤化合物の量は、対象において催眠状態を誘発または維持するのに必要とされる量より多い。
本発明は、本明細書において開示されている麻酔剤化合物の投与された投与量の関数として、対象において麻酔の一連の状態を誘発または維持する方法を含む。一部の実施形態では、方法は、低投与量の化合物を投与し、対象において精神安定化または鎮静を誘発または維持することを含む。一部の他の実施形態では、方法は、精神安定化を誘発または維持するのに必要とされる投与量より多い投与量の、対象において記憶喪失を誘発すると本明細書に記載されている化合物または化合物の混合物を投与することを含む。さらに他の実施形態では、方法は、対象において記憶喪失を誘発するのに必要とされる投与量よりより一層多い投与量の、対象において催眠状態を誘発すると本明細書に記載されている化合物または化合物の混合物を投与することを含む。また他の実施形態では、方法は、対象において催眠状態を誘発するのに必要とされる投与量よりさらに多い投与量の、対象において侵害性刺激に対する非感受性の状態を誘発すると本明細書に記載されている化合物または化合物の混合物を投与することを含む。
一部の実施形態では、本発明は、対象において疼痛の処置の方法を提供する。一部の疼痛処置の実施形態では、麻酔剤化合物は、局所的に送達される。他の疼痛処置の実施形態では、麻酔剤化合物は、全身的に送達される。
化合物
本発明の別の態様によって、動物対象に対する麻酔効果を示す新規化合物が提供される。化合物の第1のカテゴリーは、構造式(II):
によって表されるか、または薬学的に許容されるその塩であり、式中、
p1およびRp2は、独立に、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルカノイル、アルキルアミノ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、シクロアルカノイル、シクロアルカミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルコキシ、ヘテロシクリルアルカノイル、ヘテロシクリルアルカミノ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、アルカノイルアミノ、アルキルカルボキシ、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、またはアジドであり、これらのそれぞれは、化学的に実現可能である場合、任意選択で置換されていてもよく、
i1は、HまたはC〜Cアルキル基であり、
i2は、1個または複数のアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルカノイル、アルキルアミノ、アルキルチオ、アリール、アリールオキシ、アリールアミノ、アラルキル、アラルコキシ、アラルカノイル、アラルカミノ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルコキシ、ヘテロアラルカノイル、ヘテロアラルカミノ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、シクロアルカノイル、シクロアルカミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルコキシ、ヘテロシクリルアルカノイル、ヘテロシクリルアルカミノ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、アミド、アルカノイルアミノ、アロイルアミノ、アラルカノイルアミノ、アルキルカルボキシ、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、スルホニル、スルホンアミドまたはアジド基で任意選択で置換されているフェニル基であり、2個の隣接する置換基は、合わさって環を形成することができ、
i3は、Hまたは非置換低級アルキル基であり、
は、C〜C−アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリルまたはヘテロシクリルアルキルであり、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルカノイル、アルキルアミノ、アルキルチオ、アリール、アリールオキシ、アリールアミノ、アラルキル、アラルコキシ、アラルカノイル、アラルカミノ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルコキシ、ヘテロアラルカノイル、ヘテロアラルカミノ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、シクロアルカノイル、シクロアルカミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルコキシ、ヘテロシクリルアルカノイル、ヘテロシクリルアルカミノ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、アミド、アルカノイルアミノ、アロイルアミノ、アラルカノイルアミノ、アルキルカルボキシ、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、またはアジドで任意選択で置換されており、
ただし、Ri1がメチルであり、Ri2が非置換フェニルであり、Rがベンジル、イソプロピル、イソブチル、t−ブチル、メトキシエチルまたは4,4−ジフルオロ−3−メチル−3−ブテン−1−イルであり、かつRp1がHであるとき、Rp2は、Hではなく、
i1がメチルであり、Ri2が2−メトキシフェニルであり、Rがt−ブチルであり、かつRp1がHであるとき、Rp2は、Hでも、3−アミノでも、3−アジドでも、4−ブロモでも、4−ニトロでもなく、
i1がメチルであり、Ri2が2−メトキシフェニルであり、Rがベンジルであり、かつRp1がHであるとき、Rp2は、Hではない。
本明細書において使用する場合、用語「アルキル」は、直鎖アルキル基、分岐鎖アルキル基、シクロアルキル(脂環式)基、アルキル−置換シクロアルキル基、およびシクロアルキル−置換アルキル基を含めた、飽和脂肪族基のラジカルを指す。一部の実施形態では、直鎖または分岐鎖アルキルは、その骨格中に30個もしくはそれ未満の炭素原子(例えば、直鎖についてC〜C30、分岐鎖または環状鎖についてC〜C30)、より具体的には、その骨格中に20個もしくはそれ未満の炭素原子(例えば、直鎖についてC〜C20、分岐鎖または環状鎖についてC〜C20)、そして、より一層具体的には、その骨格中に10個もしくはそれ未満の炭素原子(例えば、直鎖についてC〜C10、分岐鎖または環状鎖についてC〜C10)を有する。同様に、一部のシクロアルキルは、それらの環構造中に3〜10個の炭素原子を有し、より具体的には、環構造中に5、6または7個の炭素を有する。
さらに、用語「アルキル」(または「低級アルキル」)は、明細書、実施例および特許請求の範囲を通して使用されるとき、「非置換アルキル」および「置換アルキル」の両方を含むことを意図し、これらの後者は、炭化水素骨格の1個または複数の炭素上の水素と置き換わっている置換基を有するアルキル部分を指す。このような置換基は、例えば、ハロ、ヒドロキシル、カルボニル(例えば、ケト、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ホルミル、アシル、カーボネート、カルバメート、エステルもしくは尿素)、チオカルボニル(例えば、チオエステル、チオアセテートもしくはチオホルメート)、アルコキシル、ホスホリル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、アミノ、アミド、アミジン、イミン、シアノ、ニトロ、アジド、チオ、アルキルチオ、スルフェート、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、スルホニル、ヘテロシクリル、アラルキル、または芳香族もしくはヘテロ芳香族部分を含み得る。炭化水素鎖上で置換されている部分は、適切な場合、それら自体が置換されていてもよいことは当業者であれば理解されよう。例えば、置換アルキルの置換基は、アミノ、アジド、イミノ、アミド、ホスホリル(ホスホネートおよびホスフィネートを含める)、スルホニル(スルフェート、スルホンアミド、スルファモイルおよびスルホネートを含める)、およびシリル基、ならびにエーテル、アルキルチオ、カルボニル(ケトン、アルデヒド、カルボキシレート、およびエステルを含める)、−CF、−CN、ハロなどの置換および非置換形態を含み得る。例示的な置換アルキルを下に記載する。シクロアルキルは、アルキル、アルケニル、アルコキシ、アルキルチオ、アミノアルキル、カルボニル−置換アルキル、−CF、−CN、ハロなどでさらに置換することができる。
本明細書において使用する場合、用語「アルコキシ」は、アルキル基、ある特定の具体的な実施形態では、低級アルキル基で置換されているオキシ基を指す。代表的なアルコキシ基は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、t−ブトキシなどを含む。
用語「アルケニル」は、本明細書において使用する場合、少なくとも1個の二重結合を含有する脂肪族基を指し、「非置換アルケニル」および「置換アルケニル」の両方を含むことを意図し、これらの後者は、アルケニル基の1個または複数の炭素上の水素と置き換わっている置換基を有するアルケニル部分を指す。このような置換基は、1個または複数の二重結合中に含まれるかまたは含まれない1個または複数の炭素上に出現し得る。さらに、このような置換基は、安定性が禁制的である場合を除いて、上で考察したとおりの、アルキル基に対して意図されている全てのものを含む。例えば、1個または複数のアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリール基によるアルケニル基の置換が意図される。
用語「Cx〜y」は、化学部分、例えば、アシル、アシルオキシ、アルキル、アルケニル、アルキニルまたはアルコキシと併せて使用されるとき、鎖中にx〜y個の炭素を含有する基を含むことを意味する。例えば、用語「Cx〜y−アルキル」は、鎖中にx〜y個の炭素を含有する直鎖アルキルおよび分岐鎖アルキル基を含めた、置換または非置換飽和炭化水素基を指し、トリフルオロメチルおよび2,2,2−トリフルオロエチルなどのハロアルキル基を含む。「C−アルキル」は、基が末端位置にある場合は水素を示し、または内部である場合は結合である。用語「C2〜y−アルケニル」および「C2〜y−アルキニル」は、長さおよび可能性のある置換が上記のアルキルと類似しているが、それぞれ、少なくとも1個の二重結合または三重結合を含有する、置換または非置換不飽和脂肪族基を指す。
用語「アルキルアミノ」は、本明細書において使用する場合、少なくとも1個のアルキル基で置換されているアミノ基を指す。
用語「アルキルチオ」は、本明細書において使用する場合、アルキル基で置換されているチオール基を指し、一般式アルキル−S−によって表され得る。
用語「アルキニル」は、本明細書において使用する場合、少なくとも1個の三重結合を含有する脂肪族基を指し、「非置換アルキニル」および「置換アルキニル」の両方を含むことを意図し、これらの後者は、アルキニル基の1個または複数の炭素上の水素と置き換わっている置換基を有するアルキニル部分を指す。このような置換基は、1個または複数の三重結合中に含まれるかまたは含まれない、1個または複数の炭素上に出現し得る。さらに、このような置換基は、安定性が禁制的である場合を除いて、上で考察したとおりの、アルキル基に対して意図されている全てのものを含む。例えば、1個または複数のアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリール基によるアルキニル基の置換が意図される。
用語「アミド(amide)」または「アミド(amido)」は、本明細書において使用する場合、基
を指し、式中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素またはヒドロカルビル基を表すか、あるいはRおよびRは、それらが結合しているN原子と一緒になって、環構造中に4〜8個の原子を有する複素環を完成させる。
用語「アミン」および「アミノ」は当該技術分野において認識されており、非置換および置換アミンの両方、ならびにその塩、例えば、
によって表され得る部分を指し、式中、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素またはヒドロカルビル基を表すか、あるいはRおよびRは、それらが結合しているN原子と一緒になって、環構造中に4〜8個の原子を有する複素環を完成させる。
用語「アミノアルキル」は、本明細書において使用する場合、アミノ基で置換されているアルキル基を指す。
用語「アラルキル」は、本明細書において使用する場合、アリール基で置換されているアルキル基を指す。
用語「アリール」は、本明細書において使用する場合、置換または非置換の単一環芳香族基を含み、ここでは環の各原子は炭素である。ある特定の実施形態では、環は、5〜7員環であり、より具体的な実施形態では、6員環である。用語「アリール」はまた、2個またはそれより多数の環式環を有する多環式環系を含み、ここで2個またはそれより多数の炭素は、2個の隣接している環に共通しており、環の少なくとも1個は、芳香族であり、例えば、他の環式環は、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、および/またはヘテロシクリルでよい。アリール基は、ベンゼン、ナフタレン、フェナントレン、フェノール、アニリンなどを含む。
用語「カルバメート」は当該技術分野において認識されており、基
を指し、式中、RおよびRは、独立に、水素またはヒドロカルビル基を表すか、あるいはRおよびRは、それらが結合している原子と一緒になって、環構造中に4〜8個の原子を有する複素環を完成させる。
用語「シクロアルキル」は、本明細書において使用する場合、非芳香族の飽和または不飽和環を指し、ここでは環の各原子は、炭素である。ある特定の実施形態では、シクロアルキル環は、3〜10個の原子を、より具体的な実施形態では、5〜7個の原子を含有する。
用語「カーボネート」は当該技術分野において認識されており、−OCO−R基を指し、式中、Rは、ヒドロカルビル基を表す。
用語「カルボキシ」は、本明細書において使用する場合、式−COHによって表される基を指す。
用語「エステル」は、本明細書において使用する場合、−C(O)OR基を指し、式中、Rは、ヒドロカルビル基を表す。
用語「エーテル」は、本明細書において使用する場合、酸素を介して別のヒドロカルビル基に連結しているヒドロカルビル基を指す。したがって、ヒドロカルビル基のエーテル置換基は、ヒドロカルビル−O−であり得る。エーテルは、対称的または非対称的のいずれかであり得る。エーテルの例には、これらに限定されないが、複素環−O−複素環、およびアリール−O−複素環が含まれる。エーテルは、一般式アルキル−O−アルキルによって表され得る「アルコキシアルキル」基を含む。
用語「グアニジニル」は当該技術分野において認識されており、一般式
によって表してもよく、式中、RおよびRは、独立に、水素またはヒドロカルビルを表す。
用語「ハロ」および「ハロゲン」は、本明細書において使用する場合、ハロゲンを意味し、クロロ、フルオロ、ブロモおよびヨードを含む。
用語「ヘタラルキル」および「ヘテロアラルキル」は、本明細書において使用する場合、ヘタリール基で置換されているアルキル基を指す。
用語「ヘテロアリール」および「ヘタリール」は、置換または非置換芳香族の単一環構造、ある特定の具体的な実施形態では、5〜7員環、より具体的には、5〜6員環を含み、その環構造は、少なくとも1個のヘテロ原子、一部の実施形態では、1〜4個のヘテロ原子、より具体的な実施形態では、1個または2個のヘテロ原子を含む。用語「ヘテロアリール」および「ヘタリール」はまた、2個またはそれより多数の環式環を有する多環式環系を含み、ここでは2個またはそれより多数の炭素は、2個の隣接している環に共通しており、環の少なくとも1個は、ヘテロ芳香族であり、例えば、他の環式環は、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、および/またはヘテロシクリルでよい。ヘテロアリール基は、例えば、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジンおよびピリミジンなどを含む。
用語「ヘテロ原子」は、本明細書において使用する場合、炭素および水素以外の任意の元素の原子を意味する。典型的なヘテロ原子は、窒素、酸素および硫黄である。
用語「ヘテロシクリル」、「複素環」および「複素環式」は、置換または非置換の非芳香族環構造、ある特定の具体的な実施形態では、3〜10員環、より具体的には、3〜7員環を指し、その環構造は、少なくとも1個のヘテロ原子、一部の実施形態では、1〜4個のヘテロ原子、より具体的な実施形態では、1個または2個のヘテロ原子を含む。用語「ヘテロシクリル」および「複素環式」はまた、2個またはそれより多数の環式環を有する多環式環系を含み、ここでは2個またはそれより多数の炭素は、2個の隣接している環に共通しており、環の少なくとも1個は、複素環式であり、例えば、他の環式環は、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、および/またはヘテロシクリルでよい。ヘテロシクリル基は、例えば、ピペリジン、ピペラジン、ピロリジン、モルホリン、ラクトン、ラクタムなどを含む。
用語「ヘテロシクリルアルキル」は、本明細書において使用する場合、複素環基で置換されているアルキル基を指す。
用語「ヒドロカルビル」は、本明細書において使用する場合、=Oまたは=S置換基を有さず、典型的には少なくとも1個の炭素−水素結合および主に炭素骨格を有するが、ヘテロ原子を任意選択で含み得る、炭素原子を介して結合している基を指す。したがって、メチル、エトキシエチル、2−ピリジルおよびトリフルオロメチルなどの基は、本明細書における目的上、ヒドロカルビルであると考えられるが、置換基、例えば、アセチル(連結炭素上に=O置換基を有する)およびエトキシ(炭素ではなく酸素を介して連結している)はそうではない。ヒドロカルビル基には、これらに限定されないが、アリール、ヘテロアリール、炭素環、複素環、アルキル、アルケニル、アルキニル、およびこれらの組合せが含まれる。
用語「ヒドロキシアルキル」は、本明細書において使用する場合、ヒドロキシ基で置換されているアルキル基を指す。
用語「低級」は、化学部分、例えば、アシル、アシルオキシ、アルキル、アルケニル、アルキニルまたはアルコキシと併せて使用されるとき、置換基において10個またはそれ未満の、ある特定の実施形態では、6個またはそれ未満の非水素原子が存在する基を含むことを意味する。「低級アルキル」は、例えば、10個またはそれ未満の炭素原子、具体的な実施形態では、6個またはそれ未満の炭素原子を含有するアルキル基を指す。ある特定の実施形態では、本明細書において定義するアシル、アシルオキシ、アルキル、アルケニル、アルキニルおよびアルコキシ置換基は、これらが単独で現れようと、他の置換基との組合せで現れようと(例えば、ヒドロキシアルキルおよびアラルキルという記載中にある場合など)、それぞれ、低級アシル、低級アシルオキシ、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、および低級アルコキシである(この場合、例えば、アルキル置換基中の炭素原子を計数するとき、アリール基内の原子は計数されない)。
用語「ポリシクリル」、「多環」、および「多環式」は、2個またはそれより多数の環(例えば、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、および/またはヘテロシクリル)を指し、ここで2個またはそれより多数の原子は、2個の隣接している環に共通しており、例えば、環は「縮合環」である。多環の環のそれぞれは、置換されていても、置換されていなくてもよい。ある特定の実施形態では、多環の各環は、環中に3〜10個の、より具体的には、5〜7個の原子を含有する。
用語「置換されている」は、骨格の1個または複数の炭素上の水素と置き換わっている置換基を有する部分を指す。「置換」または「で置換されている」は、このような置換が置換されている原子および置換基の許容される原子価に従っており、かつ置換が、安定な化合物、例えば、化合物が使用される条件下で転位、環化、排除などによる変換を自発的に受けない化合物をもたらすという暗黙の条件を含むと理解される。本明細書において使用する場合、用語「置換されている」は、有機化合物の全ての許容できる置換基を含むことが意図される。広範な態様では、許容できる置換基は、有機化合物の非環状および環状、分岐状および非分岐状、炭素環式および複素環式、芳香族および非芳香族の置換基を含む。許容できる置換基は、適切な有機化合物について、1つまたは複数でもよく、同じまたは異なってもよい。本発明の目的上、ヘテロ原子、例えば窒素は、本明細書に記載されている有機化合物のヘテロ原子の原子価を満足させる、水素置換基および/または任意の許容できる置換基を有し得る。置換基は、本明細書に記載されている任意の置換基、例えば、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボニル(例えば、ケト、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ホルミル、アシル、カーボネート、カルバメート、エステルもしくは尿素)、チオカルボニル(例えば、チオエステル、チオアセテートもしくはチオホルメート)、アルコキシル、ホスホリル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、アミノ、アミド、アミジン、イミン、シアノ、ニトロ、アジド、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、スルホニル、ヘテロシクリル、アラルキル、または芳香族もしくはヘテロ芳香族部分を含み得る。炭化水素鎖上で置換されている部分は、適切な場合、それら自体が置換され得ることを当業者であれば理解されよう。
「非置換」であると特に記載されていない限り、本明細書において化学部分への言及は、置換バリアントを含むと理解される。例えば、「アリール」基または部分への言及は、置換および非置換バリアントの両方を暗黙的に含む。
用語「スルフェート」は当該技術分野において認識されており、−OSOH基、または薬学的に許容されるその塩を指す。
用語「スルホンアミド」は当該技術分野において認識されており、一般式によって表される基
を指し、式中、RおよびRは、独立に、水素またはヒドロカルビルを表す。
用語「スルホキシド」は当該技術分野において認識されており、−S(O)−R基を指し、式中、Rは、ヒドロカルビルを表す。
用語「スルホネート」は当該技術分野において認識されており、−SOH基、または薬学的に許容されるその塩を指す。
用語「スルホン」は当該技術分野において認識されており、−S(O)−R基を指し、式中、Rは、ヒドロカルビルを表す。
用語「チオアルキル」は、本明細書において使用する場合、チオール基で置換されているアルキル基を指す。
用語「チオエステル」は、本明細書において使用する場合、−C(O)SR基または−SC(O)Rを指し、式中、Rは、ヒドロカルビルを表す。
用語「チオエーテル」は、本明細書において使用する場合、エーテルと同等であり、酸素は、硫黄で置き換えられている。
用語「尿素」は当該技術分野において認識されており、一般式
によって表してもよく、式中、RおよびRは、独立に、水素またはヒドロカルビルを表す。
本発明の化合物の一部は、1つまたは複数の立体中心を含有し得、かつその他に明確な表記がない場合、立体中心において1つのみもしくは他の立体異性体、または任意の組合せでの立体異性体の混合物を含有する化合物は、本発明の範囲内とみなされることを理解すべきである。例えば、本発明の化合物は、所与の分子の純粋な鏡像異性形態もしくはジアステレオマー形態であり得るか、または鏡像異性形態もしくはジアステレオマー形態の任意の比の混合物であり得る。
化合物の上記のカテゴリーの一部の実施形態では、Ri2は、1個または複数のアルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、スルホニル、スルホンアミドまたはアジド基で任意選択で置換されているフェニル基である。具体的な実施形態では、Ri2は、1個または複数のアルキル、アルコキシまたはハロ基で任意選択で置換されているフェニル基である。
一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されているC〜C−アルキルまたはアラルキル基であるか、あるいはRは、任意選択で置換されているC〜C−アルキル基である。
一部の実施形態では、Rp1およびRp2は、独立に、H、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、スルホニル、スルホンアミドまたはアジドである。具体的な実施形態では、Rp1およびRp2は、独立に、H、アルキル、アルコキシまたはハロである。
化合物の第2のカテゴリーは、構造式(II)によって表され、または薬学的に許容されるその塩であり、式中、
p1およびRp2は、独立に、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルカノイル、アルキルアミノ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、シクロアルカノイル、シクロアルカミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルコキシ、ヘテロシクリルアルカノイル、ヘテロシクリルアルカミノ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、アルカノイルアミノ、アルキルカルボキシ、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、またはアジドであり、これらのそれぞれは、化学的に実現可能である場合、任意選択で置換されていてもよく、
i1は、HまたはC〜Cアルキル基であり、
i2は、1個または複数のアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルカノイル、アルキルアミノ、アルキルチオ、アリール、アリールオキシ、アリールアミノ、アラルキル、アラルコキシ、アラルカノイル、アラルカミノ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルコキシ、ヘテロアラルカノイル、ヘテロアラルカミノ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、シクロアルカノイル、シクロアルカミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルコキシ、ヘテロシクリルアルカノイル、ヘテロシクリルアルカミノ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、アミド、アルカノイルアミノ、アロイルアミノ、アラルカノイルアミノ、アルキルカルボキシ、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、スルホニル、スルホンアミドまたはアジド基で置換されているフェニル基であり、2個の隣接する置換基は、合わさって環を形成することができ、
i3は、Hまたは非置換低級アルキル基であり、
は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリルまたはヘテロシクリルアルキルであり、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルカノイル、アルキルアミノ、アルキルチオ、アリール、アリールオキシ、アリールアミノ、アラルキル、アラルコキシ、アラルカノイル、アラルカミノ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルコキシ、ヘテロアラルカノイル、ヘテロアラルカミノ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、シクロアルカノイル、シクロアルカミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルコキシ、ヘテロシクリルアルカノイル、ヘテロシクリルアルカミノ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、アミド、アルカノイルアミノ、アロイルアミノ、アラルカノイルアミノ、アルキルカルボキシ、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、またはアジドで任意選択で置換されており、
ただし、Ri2は、2−アミノフェニルでも、3−アミノフェニルでも、3−アミノ−4−ヒドロキシフェニルでも、4−アミノフェニルでも、3−アジドフェニルでも、1,1’−ビフェニルでも、2−ブロモフェニルでも、3−ブロモフェニルでも、4−ブロモフェニルでも、2−カルボキシフェニルでも、2−(クロロカルボニル)フェニルでも、4−クロロフェニルでも、2,4−ジクロロフェニルでも、2,4−ジメトキシフェニルでも、3,4−ジメトキシフェニルでも、3,4−ジメチルフェニルでも、4−フルオロフェニルでも、2−メトキシフェニルでも、3−メトキシフェニルでも、4−メトキシフェニルでも、3−(エトキシカルボニル)フェニルでも、4−(メトキシカルボニル)フェニルでも、2−メチルフェニルでも、4−メチルフェニルでも、4−(メチルスルホニル)フェニルでも、4−(メチルチオ)フェニルでも、3−(4−モルホリニルスルホニル)フェニルでも、2−ニトロフェニルでも、3−ニトロフェニルでも、4−ニトロフェニルでも、3−(フェニルアミノ)フェニルでも、4−(1H−ピロール−1−イル)フェニルでも、4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)フェニルでも、2−ヒドロキシ−5−アミノフェニルでも、4−[5−(4−クロロフェニル)−3−(エトキシカルボニル)−2−メチル−1H−ピロール−1−イル]フェニル]でもない。
このカテゴリーのより具体的な実施形態では、Ri2は、1個または複数のアルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、スルホニル、スルホンアミドまたはアジド基で置換されているフェニル基である。より一層具体的には、Ri2は、1個または複数のアルキル、アルコキシまたはハロ基で置換されているフェニル基である。
他のより具体的な実施形態では、Rは、任意選択で置換されている低級アルキルまたはアラルキル基であるか、あるいはRは、任意選択で置換されている低級アルキル基である。
さらに他のより具体的な実施形態では、Rp1およびRp2は、独立に、H、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、スルホニル、スルホンアミドまたはアジドであるか、あるいはRp1およびRp2は、独立に、H、アルキル、アルコキシまたはハロである。
化合物の第3のカテゴリーは、構造式(IV):
によって表されるか、または薬学的に許容されるその塩であり、式中、
p3およびRp4は、独立に、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルカノイル、アルキルアミノ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、シクロアルカノイル、シクロアルカミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルコキシ、ヘテロシクリルアルカノイル、ヘテロシクリルアルカミノ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、アルカノイルアミノ、アルキルカルボキシ、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、またはアジドであり、これらのそれぞれは、化学的に実現可能である場合、任意選択で置換されていてもよく、
i1は、HまたはC〜Cアルキル基であり、
i5は、1個または複数のアルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、スルホニル、スルホンアミドまたはアジド基で置換されているフェニル基であり、
i3は、Hまたは非置換低級アルキル基であり、
は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリルまたはヘテロシクリルアルキルであり、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルカノイル、アルキルアミノ、アルキルチオ、アリール、アリールオキシ、アリールアミノ、アラルキル、アラルコキシ、アラルカノイル、アラルカミノ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルコキシ、ヘテロアラルカノイル、ヘテロアラルカミノ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、シクロアルカノイル、シクロアルカミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルコキシ、ヘテロシクリルアルカノイル、ヘテロシクリルアルカミノ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、アミド、アルカノイルアミノ、アロイルアミノ、アラルカノイルアミノ、アルキルカルボキシ、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、またはアジドで任意選択で置換されており、
ただし、Ri5は、2−アミノフェニルでも、2−ブロモフェニルでも、2−カルボキシフェニルでも、2−クロロフェニルでも、2−(ジメチルアミノ)フェニルでも、2−エチルフェニルでも、2−ヒドロキシフェニルでも、2−メトキシフェニルでも、2−メチルフェニルでも、2−ニトロフェニルでも、2−トリフルオロメチルフェニルでも、3−アセチルフェニルでも、3−アミノフェニルでも、3−アミノカルボニルフェニルでも、3−アジドフェニルでも、3−ブロモフェニルでも、3−ブトキシフェニルでも、3−カルボキシフェニルでも、3−クロロフェニルでも、3−(ジメチルアミノ)フェニルでも、3−フルオロフェニルでも、3−ヒドロキシルフェニルでも、3−ヨードフェニルでも、3−メトキシフェニルでも、3−メチルフェニルでも、3−メチルチオフェニルでも、3−ニトロフェニルでも、3−トリフルオロメチルフェニルでも、4−アミノフェニルでも、4−アジドフェニルでも、4−ブロモフェニルでも、4−カルボキシフェニルでも、4−クロロフェニルでも、4−エトキシフェニルでも、4−エチルフェニルでも、4−フルオロフェニルでも、4−ヒドロキシフェニルでも、4−メトキシフェニルでも、4−メチルフェニルでも、4−ニトロフェニルでも、4−トリフルオロメトキシフェニルでも、4−(3,3,3−トリフルオロプロポキシ)フェニルでも、2,4−ジフルオロフェニルでも、2,4−ジクロロフェニルでも、3−アミノ−4−ヒドロキシフェニルでも、3−カルボキシ−4−ヒドロキシフェニルでも、2−ヒドロキシ−5−アミノフェニルでも、2−ブロモ−4−アセチルフェニルでも、2,4−ジブロモフェニルでも、2−ブロモ−4−(エトキシカルボニル)フェニルでも、2−ブロモ−4−フルオロフェニルでも、2−ブロモ−4−トリフルオロメチルフェニルでも、3−ヒドロキシ−4−カルボキシフェニルでも、3−カルボキシ−4−ヒドロキシフェニルでも、2,6−ジイソプロピルフェニルでも、2,5−ジメトキシフェニルでも、3,4−ジメトキシフェニルでも、2,3−ジメチルフェニルでも、2,4−ジメチルフェニルでも、2,5−ジメチルフェニルでも、2,6−ジメチルフェニルでも、3,4−ジメチルフェニルでも、3,5−ジメチルフェニルでも、2−メトキシ−4−メチルフェニルでも、2−メチル−3−クロロフェニルでも、2,4−ジクロロフェニルでも、3,4−ジクロロフェニルでも、3,5−ジクロロフェニルでも、2−メトキシ−5−ニトロフェニルでも、2−ニトロ−4−メチルフェニルでも、2−クロロ−5−トリフルオロメチルフェニルでもない。
このカテゴリーのより具体的な実施形態では、Ri5は、1個または複数のアルキル、アルコキシまたはハロ基で任意選択で置換されているフェニル基である。
他のより具体的な実施形態では、Rは、任意選択で置換されている低級アルキルまたはアラルキル基であるか、あるいはRは、任意選択で置換されている低級アルキル基である。
さらに他のより具体的な実施形態では、Rp3およびRp4は、独立に、H、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、スルホニル、スルホンアミドまたはアジドである。より一層具体的には、Rp3およびRp4は、独立に、H、アルキル、アルコキシまたはハロである。
化合物の第4のカテゴリーは、構造式(II):
によって表されるか、または薬学的に許容されるその塩であり、式中、
p1およびRp2は、独立に、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルカノイル、アルキルアミノ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、シクロアルカノイル、シクロアルカミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルコキシ、ヘテロシクリルアルカノイル、ヘテロシクリルアルカミノ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、アルカノイルアミノ、アルキルカルボキシ、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、またはアジドであり、これらのそれぞれは、化学的に実現可能である場合、任意選択で置換されていてもよく、
i1はHであり、
i2は、1個または複数のアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルカノイル、アルキルアミノ、アルキルチオ、アリール、アリールオキシ、アリールアミノ、アラルキル、アラルコキシ、アラルカノイル、アラルカミノ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルコキシ、ヘテロアラルカノイル、ヘテロアラルカミノ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、シクロアルカノイル、シクロアルカミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルコキシ、ヘテロシクリルアルカノイル、ヘテロシクリルアルカミノ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、アミド、アルカノイルアミノ、アロイルアミノ、アラルカノイルアミノ、アルキルカルボキシ、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、スルホニル、スルホンアミドまたはアジド基で任意選択で置換されているフェニル基であり、2個の隣接する置換基は、合わさって環を形成することができ、
i3は、Hまたは非置換低級アルキル基であり、
は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリルまたはヘテロシクリルアルキルであり、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルカノイル、アルキルアミノ、アルキルチオ、アリール、アリールオキシ、アリールアミノ、アラルキル、アラルコキシ、アラルカノイル、アラルカミノ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルコキシ、ヘテロアラルカノイル、ヘテロアラルカミノ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、シクロアルカノイル、シクロアルカミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルコキシ、ヘテロシクリルアルカノイル、ヘテロシクリルアルカミノ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、アミド、アルカノイルアミノ、アロイルアミノ、アラルカノイルアミノ、アルキルカルボキシ、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、またはアジドで任意選択で置換されており、
ただし、
i2が4−(メチルスルホニル)フェニルであり、Rがメチルであり、かつRp1がHであるとき、Rp2は、4−フルオロではなく、
i2が非置換フェニルであり、Rがメチルであり、かつRp1がHであるとき、Rp2は、4−メトキシではない。
このカテゴリーのより具体的な実施形態では、Ri2は、1個または複数のアルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、スルホニル、スルホンアミドまたはアジド基で任意選択で置換されているフェニル基である。
より一層具体的な実施形態では、Ri2は、1個または複数のアルキル、アルコキシまたはハロ基で任意選択で置換されているフェニル基である。
一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されている低級アルキルまたはアラルキル基であるか、あるいは任意選択で置換されている低級アルキル基である。
一部の実施形態では、Rp1およびRp2は、独立に、H、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、スルホニル、スルホンアミドまたはアジドである。
具体的な実施形態では、Rp1およびRp2は、独立に、H、アルキル、アルコキシまたはハロである。
医薬組成物
別の態様では、本発明は、本発明の化合物および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。
薬学的に許容される担体は当技術分野で周知であり、例えば、水もしくは生理学的に緩衝化した食塩水などの水溶液、または、他の溶媒もしくはビヒクル、例えば、グリコール、グリセロール、オリーブ油などの油、注射可能な有機エステル、イントラリピッドなどの脂質エマルジョンなど、および他の適切な担体を含む。具体的な実施形態では、このような医薬組成物がヒト投与用であるとき、水溶液は発熱物質を含まないか、または実質的に発熱物質を含まない。添加剤は、例えば、剤の遅延放出をもたらすか、または1つもしくは複数の細胞、組織もしくは器官を選択的に標的とするように選択され得る。医薬組成物は、投与量単位形態、例えば、錠剤、カプセル剤、スプリンクルカプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤、坐剤、注射剤などであり得る。組成物はまた、経皮的な送達系、例えば、皮膚用パッチ剤で存在し得る。
薬学的に許容される担体は、例えば、本発明の化合物の吸収を安定化または増加させるように作用する生理学的に許容される剤を含有し得る。このような生理学的に許容される剤は、例えば、グルコース、スクロースもしくはデキストランなどの炭水化物、アスコルビン酸もしくはグルタチオンなどの抗酸化剤、キレート化剤、低分子量タンパク質、または他の安定剤もしくは添加剤を含む。生理学的に許容される剤を含めた薬学的に許容される担体の選択は、例えば、組成物の投与経路によって決まる。医薬組成物はまた、リポソームまたは他のポリマーマトリックスを含んでもよく、それらは、その中に組み込まれた、例えば本発明の化合物を有してもよい。例えば、リン脂質または他の脂質からなるリポソームは、作製および投与するのが相対的に単純である無毒性の生理学的に許容されかつ代謝可能な担体である。
語句「薬学的に許容される」は、正しい医学的判断の範囲内で、合理的な利益/リスク比と釣り合った、過剰な毒性も、刺激作用も、アレルギー応答も、他の問題および合併症も伴わない、人間および動物の組織と接触させる使用に適したこれらの化合物、材料、組成物、および/または剤形を指すために本明細書において用いられる。
語句「薬学的に許容される担体」は、本明細書において使用する場合、1つの器官または体の一部から別の器官または体の一部へと対象化合物を担持または輸送することに関与する、薬学的に許容される材料、組成物またはビヒクル、例えば、液体もしくは固体充填剤、賦形剤、添加剤、溶媒またはカプセル化材料を意味する。各担体は、製剤の他の成分と適合性であり、患者に対して傷害性でないという意味で「許容され」なければならない。薬学的に許容される担体としての役割を果たすことができる材料の一部の例は、(1)糖、例えば、ラクトース、グルコースおよびスクロース;(2)デンプン、例えば、トウモロコシデンプンおよびジャガイモデンプン;(3)セルロース、およびその誘導体、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロース;(4)トラガカント粉末;(5)麦芽;(6)ゼラチン;(7)タルク;(8)添加剤、例えば、カカオバターおよび坐剤ワックス;(9)油、例えば、ピーナッツ油、綿実油、サフラワー油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油およびダイズ油;(10)グリコール、例えば、プロピレングリコール;(11)ポリオール、例えば、グリセリン、ソルビトール、マンニトールおよびポリエチレングリコール;(12)エステル、例えば、オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル;(13)寒天;(14)緩衝剤、例えば、水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム;(15)アルギン酸;(16)発熱物質を含まない水;(17)等張食塩水;(18)リンゲル液;(19)エチルアルコール;(20)リン酸緩衝溶液;ならびに(21)医薬製剤において用いられる他の無毒性の適合性物質を含む。Remington: The Science and Practice of Pharmacy、第20版(Alfonso R. Gennaro編)、2000年を参照されたい。
本発明の化合物を含有する医薬組成物は、例えば、経口的(例えば、水溶液、非水溶液、水性懸濁物もしくは非水性懸濁物のような水薬、錠剤、ボーラス、散剤、顆粒剤、舌へ塗布するためのペースト剤);舌下;肛門、直腸、または経膣的(例えば、ペッサリー、クリーム剤もしくはフォーム剤として);非経口的(例えば、無菌溶液剤もしくは懸濁剤として、筋肉内、静脈内、皮下もしくはくも膜下腔内を含めた);経鼻;腹腔内;皮下;経皮的(例えば、皮膚に当てるパッチ剤として);または局所的(例えば、皮膚に塗布するクリーム剤、軟膏剤もしくはスプレー剤として)を含めて、いくつかの投与経路のいずれかによって対象に投与され得る。化合物はまた、吸入のために製剤化され得る。ある特定の実施形態では、本発明の化合物は、滅菌水に単純に溶解または懸濁し得る。適切な投与経路およびこれらに適した組成物の詳細は、例えば、米国特許第6,110,973号;同第5,763,493号;同第5,731,000号;同第5,541,231号;同第5,427,798号;同第5,358,970号;および同第4,172,896号、ならびにそれらの中で引用された特許において見出すことができる。
本発明の製剤は、単位剤形で好都合に提示され得、調剤分野で周知の任意の方法によって調製され得る。単一の剤形を生じさせるために担体材料と合わされ得る活性成分の量は、処置される対象および投与の特定のモードによって変化する。単一の剤形を生じさせるために担体材料と合わされ得る活性成分の量は一般に、治療効果を生じさせる化合物のその量である。一般に、100パーセントのうち、この量は、活性成分の約0.1パーセント〜約50パーセント、一部の実施形態では、約0.2パーセント〜約10パーセント、より具体的な実施形態では、約0.5パーセント〜約2パーセントの範囲である。例えば、本開示の化合物は、約1μg〜1000mgの間の単位用量形態で製剤化され得る。一部の実施形態では、本開示の化合物または組成物は、約1μg〜20μg、約20μg〜1mg、約1mg〜10mg、約10mg〜100mg、および約50mg〜500mgの単位用量で製剤化され得る。特に、化合物を含む実施形態は、0.1μg、0.2μg、0.5μg、1μg、20μg、50μg、100μg、200μg、500μg、1mg、2mg、5mg、10mg、20mg、50mg、100mg、200mg、および500mgの単位用量形態で製剤化され得る。
経口投与に適した本発明の製剤は、それぞれが、活性成分として所定の量の本発明の化合物を含有する、カプセル剤、カシェ剤、丸剤、錠剤、ロゼンジ剤(風味をつけたベース、通常、スクロースおよびアカシアもしくはトラガントを使用した)、散剤、顆粒剤の形態で、または水性もしくは非水性液体での溶液剤もしくは懸濁剤として、または水中油型もしくは油中水型液体エマルジョンとして、またはエリキシル剤もしくはシロップ剤として、または香錠(不活性なベース、例えば、ゼラチンおよびグリセリン、またはスクロースおよびアカシアを使用した)として、ならびに/または口内洗浄剤などとしてであり得る。本発明の化合物はまた、ボーラス、舐剤、またはペースト剤として投与され得る。
経口投与のための本発明の固体剤形(カプセル剤、錠剤、丸剤、糖衣錠、散剤、顆粒剤など)において、活性成分を、1種または複数種の薬学的に許容される担体、例えば、クエン酸ナトリウムもしくは第二リン酸カルシウム、および/または下記のいずれかと混合する。(1)充填剤または増量剤、例えば、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、および/またはケイ酸;(2)結合剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロースおよび/またはアカシアなど;(3)保湿剤、例えば、グリセロール;(4)崩壊剤、例えば、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモまたはタピオカデンプン、アルギン酸、ある特定のシリケート、および炭酸ナトリウム;(5)溶解遅延剤、例えば、パラフィン;(6)吸収促進剤、例えば、第四級アンモニウム化合物;(7)湿潤剤、例えば、セチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロールなど;(8)吸収剤、例えば、カオリンおよびベントナイトクレイ;(9)滑沢剤、例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびこれらの混合物;ならびに(10)着色剤。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、医薬組成物はまた、緩衝剤を含み得る。同様のタイプの固体組成物はまた、ラクトースまたは乳糖などの添加剤、および高分子量ポリエチレングリコールなどを使用して、軟質および硬質充填ゼラチンカプセル中の充填剤として用いられ得る。
本発明の医薬組成物の錠剤ならびに糖衣錠、カプセル剤、丸剤および顆粒剤などの他の固体剤形は、任意選択で、刻みをつけてもよく、コーティングおよびシェル、例えば、腸溶性コーティングおよび医薬品製剤化の技術分野において周知の他のコーティングと共に調製されてもよい。これらはまた、例えば、所望の放出プロファイルを提供する様々な比率のヒドロキシプロピルメチルセルロース、他のポリマーマトリックス、リポソームおよび/またはミクロスフィアを使用して、その中の活性成分の緩徐性(slow)放出または制御放出を提供するように製剤化され得る。これらは、例えば、細菌保持フィルターを通す濾過によって、または使用の直前に滅菌水もしくはある他の無菌の注射可能な媒体に溶解することができる無菌固体組成物の形態の滅菌剤を組み込むことによって、無菌化され得る。これらの組成物はまた、乳白剤を任意選択で含有してもよく、活性成分(複数可)を胃腸管のある特定の部分のみにおいて、または、胃腸管のある特定の部分において優先的に、任意選択で遅延された様式で放出する組成のものでよい。使用され得る包埋組成物の例は、ポリマー物質およびワックスを含む。活性成分はまた、適切な場合、上記の添加剤の1つまたは複数を有するマイクロカプセル化形態であり得る。
本発明の化合物の経口投与のための液体剤形は、薬学的に許容されるエマルジョン、マイクロエマルジョン、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤およびエリキシル剤を含む。活性成分に加えて、液体剤形は、当技術分野で一般に使用される不活性な賦形剤、例えば、水または他の溶媒、可溶化剤および乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、油(特に、綿実油、ラッカセイ油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコール、およびソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにこれらの混合物などを含有し得る。
不活性な賦形剤に加えて、経口組成物はまた、アジュバント、例えば、湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤、甘味剤、香味剤、着色剤、香料、ならびに保存剤を含み得る。
語句「非経口投与」および「非経口的に投与される」は、本明細書において使用する場合、通常、注射による、経腸および局所投与以外の投与モードを意味し、これらに限定されないが、静脈内、筋肉内、動脈内、くも膜下腔内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、被膜下、くも膜下、脊髄内および胸骨内の注射および注入を含む。
非経口投与に適した本発明の医薬組成物は、1種もしくは複数種の薬学的に許容される無菌等張性の、水性もしくは非水性の溶液、分散液、懸濁物もしくはエマルジョン、または使用の直前に無菌の注射可能な溶液もしくは分散液に再構成され得る無菌の粉末と組み合わせた、1種または複数種の本発明の化合物を含み、抗酸化剤、緩衝液、静菌剤、意図するレシピエントの血液と製剤を等張にする溶質、または懸濁化剤もしくは増粘剤を含有し得る。
本発明の医薬組成物において用いられ得る適切な水性および非水性担体の例には、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、および適切なこれらの混合物、オリーブ油などの植物性油、オレイン酸エチルなどの注射可能な有機エステル、およびイントラリピッドなどの脂肪エマルジョンが含まれる。適当な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティング材料の使用によって、分散液の場合に必要とされる粒径を維持することによって、および界面活性剤の使用によって、維持され得る。
これらの組成物はまた、アジュバント、例えば、保存剤、湿潤剤、乳化剤および分散化剤を含有し得る。微生物の作用の防止は、様々な抗菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、キレート剤などを含めることによって確実にされ得る。組成物中に等張剤、例えば、糖、塩化ナトリウムなどを含むことも望ましい場合がある。さらに、注射可能な医薬品形態の長期に亘る吸収は、吸収を遅延させる剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンを含むことによってもたらされ得る。
場合によって、薬物の効果を延長させるために、皮下または筋肉内注射からの薬物の吸収を遅くさせることが望ましい。これは、乏しい水溶解性を有する結晶性またはアモルファス材料の液体懸濁物の使用によって達成され得る。次いで、薬物の吸収の速度は、その溶解の速度によって決まり、溶解の速度はまた、結晶サイズおよび結晶形態によって決まり得る。あるいはまた、非経口的に投与された薬物形態の遅延吸収は、薬物を油ビヒクルに溶解または懸濁させることによって達成される。
注射可能なデポー形態は、ポリラクチド−ポリグリコリドなどの生分解性ポリマー中で対象化合物のマイクロカプセル化されたマトリックスを形成させることによって作製される。薬物とポリマーとの比、および用いる特定のポリマーの性質によって、薬物放出の速度を制御し得る。他の生分解性ポリマーの例は、ポリ(オルトエステル)およびポリ(無水物)を含む。デポー注射用製剤はまた、身体組織と適合性であるリポソームまたはマイクロエマルジョンに薬物を封入することによって調製される。
導入の方法はまた、再充填可能または生分解性のデバイスによって提供され得る。様々な緩徐性放出ポリマーデバイスは、薬物の制御された送達のために、近年、in vivoで開発および試験がなされてきた。生分解性および非分解性ポリマーの両方を含めた種々の生体適合性ポリマー(ヒドロゲルを含めた)を使用して、特定の標的部位における化合物の徐放のためのインプラントを形成し得る。
本開示の化合物を含めた麻酔剤化合物は、水溶液中で限定された溶解性を示すことが多く、したがって、これらは好ましくは水中でのこれらの溶解性を増加させる1種または複数種の剤と共に製剤化される。このような剤の例は、界面活性剤および脂肪エマルジョン、または他の同様の可溶化剤を含み、組成物は、1種または複数種のさらなる溶媒を含み得る。あるいはまた、組成物は、さらなる水混和性非水性溶媒を含み得、この溶媒は、均質な組成物を得るために水溶液中に十分な濃度で提供される。さらに別の代替において、組成物は、本麻酔剤化合物単独、または油などの水不混和性溶媒に溶解させた本麻酔剤化合物を、界面活性剤を用いて水と乳化した、水中油型エマルジョンを含んでもよい。適切な界面活性剤および他の可溶化剤、例えば、プロポフォールおよびエトミデートの製剤化における使用のために記載される界面活性剤は、当技術分野で周知である。例えば、それらの開示が参照により本明細書にその全体が組み込まれている、米国特許第4,056,635号;同第4,289,783号;同第4,798,846号;同第5,731,355号;同第5,858,410号;同第7,915,317号;同第8,383,687号;同第8,796,340号を参照されたい。このような剤は、これらに限定されないが、油、脂質、ポリオールなどを任意の組合せおよび比で含む。上で述べたように、製剤は、さらなる剤、例えば抗微生物剤などを任意選択で含有する。
別の態様では、本発明は、任意の組合せでの実施例を含めた本開示の任意の部分において実質的に記載されているように、および添付図面において示すように、提供される。
本明細書に記載されている方法および適用の他の適切な修正および翻案が、本発明の範囲またはその任意の実施形態から逸脱することなく行われ得ることは、関連技術分野における当業者には容易に明らかである。本発明をこれまで詳細に記載してきたが、下記の実施例を参照することによって、本発明はより明瞭に理解される。実施例は、例示をする目的のみのために本明細書に含まれ、本発明を限定するものではない。
新規麻酔薬剤としての化合物の分子モデリングおよび試験
材料および方法:
1. 相同鋳型の同定および分析
torpedoニコチン性アセチルコリン受容体からのアルファ1サブユニットの低温電子顕微鏡法から導き出した構造(nAChR、PDB ID 2BG9)(Unwin(2005年)、J Mol Biol、346巻:967〜89頁)、nAChRのアルファ4およびベータ2サブユニットのNMRから導き出した膜貫通ドメイン構造(PDB ID 2LLY、2LM2)(Bondarenkoら(2012年)、Biochim Biophys Acta、1818巻:1261〜8頁)、ならびに真核生物のグルタミン酸開口型クロライドチャネルの結晶学的から導き出した構造(GluCl、PDB ID 3RIF、3RHW)(Hibbsら(2011年)、Nature、474巻:54〜60頁)、ならびに原核生物のpH感知チャネル、Gloeobacter violaceusイオンチャネル(GLIC、PDB ID 3EAM)(Corringerら(2009年)、J Physiol、588巻:565〜72頁;Bocquetら(2009年)、Nature、457巻:111〜4頁)、ならびにErwinia chrysanthemiイオンチャネル(ELIC、PDB ID 2VL0)(Hilfら(2008年)、Nature、452巻:375〜9頁)を、Research Collaboratory for Structural Biology(RCSB)タンパク質データバンクからダウンロードした。下記の計算の大部分を、特記する場合を除いて、Discovery Studio 3.1ソフトウェアスイート(Accelrys、San Diego、CA)内に存在するアルゴリズムによって行った。複数構造のアラインメントを、SAlign(Brabergら(2012年)、Bioinformatics、28巻:2072〜3頁)および3DMAアルゴリズムによって別々に行った。次いで、複数配列のアラインメントプロファイルをこれらの構造的アラインメントから導き出した。マウスGABAaRについての個々のサブユニットの配列を、National Center for Biotechnology Institute(NCBI)からダウンロードした。これらを、当技術分野の知識によって、時計回りの順序(チャネルの細胞外側から見ると)のガンマ2、アルファ1、ベータ3、アルファ1、ベータ3で連結および配置した。Trudell(2002年)、Biochim Biophys Acta、1565巻:91〜6頁;Sigelら(2012年)、J Biol Chem、287巻:40224〜31頁;Baurら(2006年)、FEBS Lett、580巻:1616〜20頁;Baumannら(2002年)、J Biol Chem、277巻:46020〜5頁;Tretter(1997年)、J Neurosci、17巻:2728〜37頁を参照されたい。これらの研究は、GABAaRの細胞外ドメインにおける特定のリガンド結合のために必要とされる種々の変異の結果を満足させるための適切な化学量論およびサブユニットサブタイプの配置を示す。Cromerら(2002年)、Trends Biochem Sci、27巻:280〜7頁;Baurら(2010年)、J Neurochem、115巻:1478〜85頁を参照されたい。次いで、マウスGABAaRアルファ1、ベータ3およびガンマ2サブユニットの配列を、Align123アルゴリズム、ClustalWルーチンのバージョンを使用して、公知の構造的鋳型(GluCl)の従前に導き出した配列と整列させた。Higginsら(1996年)、Methods Enzymol、266巻:383〜402頁。
2. Modellerアルゴリズムを使用したモデル構築
GluCl構造的座標を、下記の考察セクションにおいて概説する理由で、相同性モデリングのための鋳型として利用した。GluCl鋳型について、細胞外ドメイン内のサブユニット間間隙に配置された天然グルタミン酸リガンド、および膜貫通ドメインにおけるサブユニット間間隙に配置されたイベルメクチンを、除去した。Modeller(Eswarら(2008年)、Methods Mol Biol、426巻:145〜59頁)アルゴリズムを、整列されたアミノ酸のための座標の割り当てのために使用した。Modellerは、一組の構造的鋳型によって得られる空間的な制限を満足させることによって比較上のタンパク質構造モデリングを実行し、それによって、重原子座標が割り当てられる方法を決定する確率密度関数を生じさせる。Modellerフレームワーク内で実行されるルーチンはまた、そのために鋳型座標を割り当てることができないアミノ酸のループの構築および最適化、ならびにアミノ酸側鎖の最初の精密化を可能とする。Discovery Studio内のChiRotorルーチンを使用して最終の回転異性体サーチ最適化を行った。
3. 麻酔剤結合部位へのドッキングおよび相互作用の定量化:
本発明者らの従前の研究(Bertacciniら(2010年)、J Chem Inf Model、50巻:2248〜55頁)におけるように、結合部位を、三次元空間における共通の膜貫通サブユニット間の場所上の麻酔剤モジュレーションに関連する残基の収束によって同定した。最初の結合部位の容量は、上記のエネルギー最適化、および結合部位へのアミノ酸側鎖の回転に起因して非常に小さかった。したがって、単一のプロポフォール分子を、Modellerを使用して構築したモデル内のアルファサブユニットとベータサブユニットとの間の2つの推定上の結合部位のうちの1つに手動で挿入した。このプロポフォールを、骨格原子のみを固定して側鎖の柔軟性を可能とする一方で、CHARMm力場による分子力学、それに続く分子動力学を使用して適切な位置に最適化した(Brooksら(2009年)、J Comput Chem、30巻:1545〜614頁)。Mihicらの研究は、1つのみの結合部位の占有が相同のグリシン受容体の機能を増進するのに十分であることを示している一方で(Robertsら(2006年)、J Biol Chem、281巻:3305〜11頁)、Formanらの研究(Formanら(2012年)、Curr Opin Anaesthesiol、25巻:411〜8頁;Formanら(2011年)、Can J Anaesth、58巻:191〜205頁;Rueschら(2012年)、Anesthesiology、116巻:47〜55頁;Stewartら(2013年)、Mol Pharmacol、83巻:1200〜08頁)は、GABAaRにおけるプロポフォールの増進作用が恐らく3つのプロポフォール部位の占有を必要とすることを示している。ここで計算を単純にするために、ならびに両方の結合部位はアルファサブユニットとベータサブユニットとの間のアミノ酸寄与および場所において同一であるので、1つのみの膜貫通結合部位を、ドッキング試験のために選択した。次いで、CDockerアルゴリズム(Wuら(2003年)、J Comput Chem、24巻:1549〜62頁)を使用して、フレキシブルなプロポフォール誘導体の同属シリーズ、およびプロポフォール自体を剛性結合ポケット中にランダムにドッキングし、これらの最良な相対的な結合親和性を公知のGABAaR増強EC50との相関関係についてスコア化した。CDOCKERは、剛性受容体を使用したCHARMm分子力学をベースとするドッキングツールの実行である。この方法は、異なるランダムなシードを伴う1000ステップの高温度(1000K)分子動力学を使用して一組の10リガンド高次構造を生じさせることによって開始し、静電相互作用を含む。高次構造のランダムなポーズ配向は、リガンドの中心を、受容体部位を組み込む予め定義された球内の特定の場所へと並進させ、一連のランダムな回転を行うことによって生じさせた。この場合、この球を、最初の手動でドッキングされたプロポフォールポーズの質量中心から7オングストローム半径として選択した。これは、関連性のある残基のエリア内のドッキング探索の領域を中央に置くこと、およびこれらの残基の周りに適切なランダムな配置を可能とするために十分に大きな半径を有することの両方の努力において行われた。軟化した(一時的に低減されたファンデルワールス半径)エネルギーを計算し、エネルギーが特定の閾値(300kcal/mol)未満であった場合、配向を保持した。所望の数の低エネルギー配向が見出される(10に設定)か、または最大数のよくない配向が試される(800に設定)まで、このプロセスを続けた。各配向を、シミュレートされたアニーリング分子動力学に供した。温度を、隣接する最小値の間の局所エネルギー障壁を克服するために十分に高いレベル(2000ステップに亘って700K)に加熱し、次いで、目的とする温度(5000ステップに亘って300K)に冷却した。軟化されない最大電位(完全ファンデルワールス半径および静電学を含めた)を使用して、剛性受容体におけるリガンドの最終の最小化を行った。各最終ポーズについて、CDOCKERスコアエネルギー(相互作用エネルギープラスリガンドの歪み)およびCDOCKER相互作用スコア単独を計算した。ポーズをソートし、トップのスコアリング(最もネガティブ、したがって、結合に好都合な)ポーズを保持した。パフォーマンスのために、これらのステップの多くは、CHARMmによって通常使用される最大電位エネルギータームよりむしろ、非結合エネルギーグリッドを使用した。この選択は、大きなデータベーススクリーニングの間の相当な時間節約を実現することができるが、最終最適化の間にその完全に明確なCHARMm形態に戻し、最初のグリッドをベースとするサーチと関連する何らかの最初の正確性の喪失を回避した。
ドッキングされたアゴニスト活性を有する化合物は、プロポフォール(2,6−ジイソプロピルフェノール);2,6−ジメチルフェノール;フェノール;2,6−ジエチルフェノール;2−イソプロピルフェノール;2,6−ジsecブチルフェノールを含んだ。これは、GABAaR増強についての実験的に導き出したEC50を伴う等温滴定熱量測定から導き出した、ウマ脾臓のアポフェリチンへの結合自由エネルギーのこれらの相関関係について、Eckenhoffおよび共同研究者によって研究された同じシリーズのプロポフォール類似体である。Vedulaら(2009年)、J Biol Chem、284巻:24176〜84頁;Krasowskiら(2001年)、J Pharmacol Exp Ther、297巻:338〜51頁。これらの化合物は、ウマ脾臓のアポフェリチンへの実験的に導き出した特異的結合定数も有する唯一のプロポフォール誘導体であるため、本ドッキング研究のために特に選択された。この一組の化合物に特異的である方法検証の手段としてCDocker方法論によって最初に確かに再生成されたのは後者である(未発表のデータ)。最終的に、不活性な対照として、非イモビライザーである1,2−ジクロロヘキサフルオロシクロブタン(F6)のシスおよびトランス型の両方を、同じ結合部位にドッキングした。この化合物は、疼痛性刺激への応答についての公知の効力を有さず(したがって、非イモビライザーという名称)、GABAaRにおける活性を実験的に欠いている。Mihicら(1994年)、Mol Pharmacol、46巻:851〜7頁。さらなる対照として、GABAaRにおけるこれらの不活性について言及される下記のプロポフォール類似体:ジシクロヘキシルフェノール、ジtert−2,6−ブチルフェノール、シクロペンチルフェノールおよびジシクロペンチルフェノールを、ドッキングした(Krasowskiら(2001年)、J Pharmacol Exp Ther、297巻:338〜51頁)。増強について実験的に導き出たGABAaR EC50の対数に負号をつけたものに各化合物の最良のネガティブCDockerスコアを相関させる線形回帰分析を、Microsoft Excel 2007(Microsoft Inc.、Redmond、WA)で行った。
上記の計算から導き出したドッキング検証では、新たな一組のin silicoでの分子ドッキング計算を、Biggioらによって記載されたシリーズの公知のエトミデート様誘導体を使用して行った。Asproniら(2005年)、J Med Chem、48巻:2638〜45頁を参照されたい。このシリーズ内でGABAaR増強のための最も強力な剤は、TG41である。図1AおよびMasciaら(2005年)、Eur J Pharmacol、516巻:204〜11頁を参照されたい。しかし、これらの化合物が、エトミデートで起こることが公知であったのと同じように、11−ベータヒドロキシラーゼコルチコステロイド生合成(下記を参照されたい)を阻害する可能性が高い非結合のイミダゾール窒素を含有するため、このシリーズの最も強力なバージョンの構造を、完全に新たな化合物に修飾した。図1Bを参照されたい。比較のために、エトミデートのカルボバージョンは、副腎皮質ステロイド生合成についてより低い阻害を示すことが最近示された。Shanmugasundararajら(2013年)、Anesth Analg、116巻:1249〜56頁、および米国特許第8,765,973号を参照されたい。
ケミカルアブストラクツデータベースを、in silicoでのドッキングならびにin vitroおよびin vivoでの試験の目的のために、カルボ−1nとの少なくとも80%の類似性を有する他の構造についてサーチした。選択した化合物の構造を、表1に示す。
従前に形成されたプロポフォールドッキング部位を使用し、タンパク質の残部の剛性を維持しながら、ドッキングされたプロポフォールまたは上記の3個の重大なアミノ酸の質量中心の5オングストローム半径以内の残基がフレキシブルであることを可能とすることによって、このシリーズについての受容体結合部位を生じさせた。隣接するアミノ酸側鎖を弛緩させながら、最も強力なエトミデート様誘導体である化合物1nを、その最も好都合なポーズにドッキングさせることを可能とすることによって、誘導適合結合部位を生じさせることで、結合部位を生じさせたが、これは、化合物1nの大きな効力および相対的な剛性を考慮すると、イオンチャネル開口に対して最も好都合である。Discovery Studio 4.0(Accelrys inc.、San Diego、CA)内のフレキシブルなドッキングアルゴリズムを使用してドッキングを行った。得られると、化合物1nに関連するシリーズ内の上記のエトミデート様誘導体、カルボ−1n誘導体自体、および最終的に、カルボ−1nとの少なくとも80%の類似性を有する12の化合物を使用して、さらなるフレキシブルなドッキングを行った。この計算についての設定は、中でアミノ酸側鎖が動くことができた結合ポケットの質量中心の周りの5オングストローム半径を可能とした。このプロトコールは、フレキシブルなリガンドのドッキングの間の受容体のいくらかの柔軟性を可能とする。Koskaら(2008年)、J Chem Inf Model、48巻:1965〜73頁。特定のアミノ酸の側鎖は、ドッキングの間に動くことが可能である。これは、受容体を誘導適合モデルにおいて異なるリガンドに適合させることを可能とする。プロトコールは、他のプロトコールからの構成要素の組合せを使用してドッキングを行い、側鎖およびリガンド高次構造をサンプリングするCHARMm内の方法をベースとする。
フレキシブルなドッキングプロトコールは、下記のステップを行う。
1.受容体側鎖高次構造を計算する:最初に、プロトコールによって、ChiFlexアルゴリズムを使用してタンパク質側鎖高次構造を生じさせる。
2.リガンド高次構造を生じさせる:低エネルギーリガンド高次構造を、Generate Conformationsルーチンを使用してドッキングプロセスのために生じさせる。
3.リガンド高次構造の最初の配置を行う:リガンド高次構造を、LibDockを使用して各受容体側鎖高次構造の活性部位中にドッキングする。
4.クラスター化して、同様のリガンドポーズを除去する:タンパク質高次構造は次のステップの間に再構築されるため、タンパク質高次構造に拘わらずポーズをクラスター化する。
5.側鎖を精密化する:リガンドの存在下で、特定の受容体側鎖残基を、ChiRotorアルゴリズムを使用して精密化する。
6.ドッキングを精密化する:各リガンドポーズの最終のシミュレートされたアニーリングおよびエネルギー最小化を、CDOCKERを使用して行う。CDockerエネルギースコアおよびCDocker相互作用エネルギースコアを、1nに好都合な結合部位内の各リガンドの複数のポーズについて得た。
次いで、各リガンドについてのベストスコアは、このようなデータが利用可能である1nシリーズにおける化合物についてのGABAaR増強EC50と相関付けた。このようなスコアを、カルボ−1nおよび同様の化合物についてさらに得て、可能性のある予測される効力を決定した。
4. 11−ベータヒドロキシラーゼ酵素の分子モデリング、ならびにエトミデート、カルボエトミデート、1nおよびカルボ1nとのその相互作用
麻酔剤は、多くの機能タンパク質と相互作用して、種々の重要な副作用をもたらす。特に、エトミデートは、ステロイド生合成のための重大な酵素である11−ベータヒドロキシラーゼ(11CYPB)に対して強い阻害効果を有する。多くの患者について、この効果は、破局的な副腎皮質抑制をもたらし得る。これらの効果の完全な理解は、分子レベルでのこのような薬物−タンパク質相互作用のより完全な記載に基づいている。11CYPBの全ての形態の正確な分子構造は未知のままであるが、一方で、ここで言及したような分子モデリングを使用して、麻酔剤とのこれらの相互作用を理解することに対してかなりの進歩がなされてきた。したがって、11CYPの分子モデルを構築し、その結合部位へのいくつかの重要なリガンドのin silicoでのドッキング分析を行った。全てのタンパク質構築計算を、Discovery Studio 3.5ソフトウェアスイート(Accelrys、San Diego、CA)において行った。ヒト11CYPBのアミノ酸配列を、National Center for Biotechnologyデータベースから得た。BLAST配列サーチをこの配列を使用して行い、公知の三次元構造を有するものから高い相同性の配列をサーチした。4つの最良にスコア化された相同ヒト配列を、Research Collaboratory for Structural Biology(RCSB)データベースから3D座標としてダウンロードした。複数構造のアラインメントを、SAlignアルゴリズムによって行い、この構造的アラインメントをベースとする配列プロファイルを生じさせた。同様に、BLAST配列サーチを、ヒト11CYPB配列を使用して行い、全ての公知のアミノ酸配列から高い相同性の配列についてサーチした。複数配列のアラインメントを、ClustalWアルゴリズムを使用して良好な相同性を伴って同定された得られた211の配列から行った。次いで、プロファイル(複数構造のアラインメントから)からプロファイル(複数配列のアラインメントから)へのアラインメントを、未知の構造の配列と公知の構造の配列を整列させるためにClustalWで行った。Modelerモジュールを、整列したアミノ酸についての座標の割り当て、可能性のあるループの構築、およびアミノ酸側鎖の最初の精密化のために使用した。LAABEN弾性ネットワークアルゴリズムを使用して、通常モード分析を行った。ヘム部分についての部分的原子電荷を、DMol密度汎関数理論およびPBE機能を使用してヘム基領域についての合わせた量子力学−分子力学シングルポイント計算を使用して計算し、一方、複合体の残部を、CHARMm分子力学力場で処理した。エトミデートおよびカルボエトミデートの立体異性体、ならびに1nおよびカルボ1n化合物の分子ドッキングを、上で述べたようなCDockerアルゴリズムによって行った。
5. 北米オタマジャクシにおける新たに同定されたリード化合物の挙動研究
麻酔は、所与の刺激に対する動きの欠乏、意識の欠乏、記憶喪失および痛覚欠如の組合せとして定義される。その代用は、オタマジャクシにおいて正向反射の消失(LORR)として明白である。早期プレ肢芽段階のウシガエルRana catesbeianaオタマジャクシ(50mlのビーカー毎に5匹)を、2.5mMのTris HCl緩衝液(pH=7.4)で緩衝し、0.11uM〜1mMの範囲の濃度の試験化合物を含有する室温の酸素飽和水中に入れた。オタマジャクシを、これらの正向反射応答が安定化するか、または120分が経過するまで、ガラス棒または水の流れによって5分毎に手作業でひっくり返した。オタマジャクシは、背中を下にしてひっくり返った後、5秒以内に正しい姿勢に戻ることができない場合、LORRを達成したと見なした。各研究の終わりに、オタマジャクシを新鮮な水に移し、麻酔剤の作用が可逆的であったかどうかを評価した。
6.海馬脳スライスにおける電気生理学
化合物Bの活性を、急性的に解剖したげっ歯類の脳から得た海馬のCA1領域において、従前の研究において考察されているように、確立した電気生理学的技術を使用して天然GABA−A受容体上で評価した。MacIver(2014年)、Anesth Analg、119巻:558〜69頁。
a.脳スライス調製物:
実験のプロトコールは、スタンフォード大学の動物使用委員会によって承認され、米国国立衛生研究所および北米神経科学学会の公表されているガイドラインに忠実であった。脳スライスを、イソフルランで深く麻酔された雄性Sprague−Dawleyラットから調製した。脳を迅速に取り出し、95%Oおよび5%CO(カルボゲン)で飽和した氷冷の人工脳脊髄液(ACSF)中に入れ、7.4のpHを達成した。ACSFは、分光光度法グレードの水(EMD Chemicals Inc.、Billerica、MA)に溶解した下記のイオンから構成され、ミリモル濃度で記述した。Na 151.25、Cl 131.5、HCO 26、K 2.5、Ca 2、Mg 2、SO 2、HPO 1.25、およびグルコース10。ビブラトーム(モデル1500、Technical Products International Inc.、St.Louis、MO)を使用して冠状脳スライスを調製し、400μm厚さのスライスを半切除し、セルロース濾紙上に置いた。これらを、保持チャンバー中で気体(カルボゲン)−液体(ACSF)界面において使用前に少なくとも1時間貯蔵した。
単一のスライスを記録チャンバーに移し、3.0mL/分の速度で流れる室温(22℃)のACSFに浸した。ACSFを、使用前に少なくとも15分間、溶液に吹き込むことによってカルボゲンで飽和させた。灌流系全体にTeflon(登録商標)の貯蔵槽およびチュービングを使用して、拡散または結合による麻酔薬剤の最小の喪失を確実にした。
b.電気生理学:
誘発電場電位を、ACSFを充填した薄肉のガラス製ピペット(1.0ID、1.5OD;Garner Glass Co.、Claremont、CA)を使用して測定した。電極を放線状層中に入れ、興奮性シナプス後場電位(EPSP)を記録するか、またはCA1細胞体層に近い多形細胞層中に入れ、集合スパイクを記録した。双極タングステン微小電極(10Mohm;Frederick Haer & Co.、Bowdoin、ME)を、放線状層中に入れ、シェファー側枝線維を刺激するために使用し、CA1ニューロンをシナプスによって駆動した。単一またはペアの刺激パルス(0.01〜0.03ミリ秒の期間;単極、1.0〜8.0Vにて10〜80μA)を、Grass S8800刺激装置によって駆動される定電流式刺激分離ユニット(6D;Grass Instruments、Warwick、RI)から生じさせた。ペアパルス刺激を使用して、CA1エリア神経回路における持続性および速い(第1のパルス)抑制経路ならびに遅い(第2のパルス)抑制経路に対する麻酔効果を測定した。
記録したシグナルを、DCから30kHzまでのバンドパスおよび×10のゲインを用いてAxoclamp2B前置増幅器(Axon Instruments、Sunnyvale、CA)を使用して調節した。シングルエンデッドモードでの差動計装用増幅器(モデル440;BrownLee Precision、Santa Clara、CA)を使用して、シグナルをさらに増幅(×100)し、調節(DCオフセット、DCから30kHz)した。シグナルを、MacBook Proコンピュータ上でNational Instrumentsアナログデジタル変換器(USB6009)およびIgor Proソフトウェア(Wavemetrics Inc.、Santa Clara、CA)を使用して10kHzにてデジタル化した。応答を測定し、リアルタイムでプロットして、安定的なベースライン(<±2.0%の変動)が、実験が始まる前に少なくとも20分間記録されることを確実にした。ベースラインにおいて上向きまたは下向きのドリフトを示す調製物は、実験のために使用しなかった。
薬液:
化合物を、少なくとも15分の平衡化の後で、ACSF中にカルボゲンキャリアガスを吹き込むことによってACSF灌流液中に加えた。化合物を、0.5%ジメチルスルホキシドを使用して可溶化し、ストック溶液中にボルテックスし、その後、試験の直前に、事前に吹き込んだ(カルボゲン)ACSF溶液中に段階希釈し、最終濃度を達成した。化合物を、水中の濃ストック溶液からの少なくとも1/1000最終希釈物として加えた。単一の濃度の化合物を、各スライス調製物上で試験し、薬物効果のタキフィラキシーまたは相互汚染を回避した。全灌流系を定期的にクリーニングし、置き換えて、麻酔剤および試験化合物の間の相互汚染を回避した。
c.データ分析:
時間マッチ実験はIgorProソフトウェアを使用して一緒に平均化し、実験時間(分;毎分3回サンプリング)に対する測定した応答の平均±SDとしてグラフ化した。平均化した実験データを、各実験の開始に先行する20分間のベースライン応答のサイズに規準化した対照応答の百分率として示す。
規準化していない対照、未知の化合物の応答および洗い流しを比較する統計分析(事後テューキー検定を伴う分散分析法[ANOVA])を、Igor Proソフトウェアを使用して行った。全ての場合において、「n」は、通常異なるラットからの別々のスライス上で行われた個々の実験を指す。
結果:
1. In silicoでのモデル構築
SAlignおよび3DMAアルゴリズムの両方からの構造的アラインメントのセットは、nAChRの中間の分解構造(2BG9)を除いて、全ての鋳型に基づいて麻酔効果に関連する残基の空間的位置に関して明らかなコンセンサスが存在したことを明らかにした。すなわち、GABAaRおよびGlyRa1と一緒に複数配列のアラインメントが先に言及した構造の全ての間で行われるとき、複数構造のアラインメントは、2BG9の構造を除いて相同の残基の位置と一致する。2BG9構造によるこれらの問題は、他者によっても同様に言及されている。Hibbsら(2011年)、Nature、474巻:54〜60頁;Chiaraら(2003年)、Biochemistry、42巻:13457〜67頁;Ernstら(2005年)、Mol Pharmacol、68巻:1291〜1300頁。ヒトGlyRa1における麻酔効果について、これらの位置は、残基ILE229、SER267およびALA288と相同な位置である。2BG9座標は、いくつかの膜貫通ドメインにおける麻酔剤モジュレーションを変化させることが公知である相同の残基のアミノ酸位置の全体的不一致を有した。特定の不整列の残基は、構造的アラインメントアルゴリズムに依存したが、いずれの場合も、全ての関連性のある残基の場所は2BG9構造によって完全に満足することはできない。特に、SAlignアルゴリズムを使用して、nAChRのアルファ1サブユニットにおいて、反対に、複数配列のアラインメントにもかかわらず、残りの鋳型上のこれらの相同の位置と整列しないのは、TM2上のLEU257、およびTM3上のLEU279であった。3DMAアルゴリズムを使用した2BG9鋳型により僅かに異なる構造的アラインメントへ最適化して、残りの鋳型上のこれらの相同の位置と整列することができないのは、TM1上のILE220およびTM2上のLEU257であった。この結果は、考察セクションにおいて言及したGluClを使用するためのさらなる理論的根拠に加えて、それに続くモデリングのための鋳型として2BG9を使用しないことを正当化する理由であった。
GABAaRモデルが構築されると、細胞外天然リガンド結合ドメイン中の二次構造の優勢は、ベータシート高次構造中に残され、一方、膜貫通ドメインのそれは、四量体のアルファヘリックスの束として残った。これは、Modeler方法を使用して導き出したモデルにおいてコンセンサスとして言及された。モデルは、五量体全体のアセンブリーに亘りおよび重要な推定上の膜貫通麻酔剤結合間隙において非常に類似していることが証明された。GlyRa1についての本発明者らの従前の研究において言及されているように、親水性領域に面していると実験的に標識された相同タンパク質における残基の大部分も、モデル構造の水が到達可能な部分に並び、一方、親油性試薬によって実験的に標識されたものは、モデルの脂質膜部分に接近しやすいことが多かった。Bertacciniら(2010年)、J Chem Inf Model、50巻:2248〜55頁。同様に、隣接する残基のシステイン架橋に対する実験データは、これらのモデルで部分的に説明され得る。これは、これらがアルファTM1サブユニットおよび隣接するベータTM3サブユニット上の特定のサブユニット間の残基位置の間にジスルフィド結合を形成する能力と一致しているからである。Baliら(2012年)、J Biol Chem、287巻:27762〜70頁;Baliら(2009年)、J Neurosci.、29巻:3083〜92頁。
相同の位置にあり、膜貫通ドメイン内の麻酔剤の作用をモジュレートすることで注目に値するマウスGABAaRにおける3個の残基(ベータ3N265、MET286およびアルファL231)は、従前のモデルにおいて言及されているように、エネルギー最適化後のアルファサブユニットとベータサブユニットとの間のサブユニット間界面に依然として並んでいる(図2を参照されたい)。Bertacciniら(2010年)、J Chem Inf Model、50巻:2248〜55頁。
2. ハイスループット分子ドッキング分析
これらの残基によって結合された領域へのプロポフォール誘導体シリーズのドッキングは、0.92のRによって示唆されるように、実験的に導き出したGABAaR増強EC50と強い直線的な相関関係を示した(図3を参照されたい)。
GABAaRにおいて既知の不活性を有する対照化合物の結果によって、CDockerスコアリングも検証した。ジシクロヘキシルフェノール、ジtert−2,6−ブチルフェノールおよびシクロペンチルフェノールについてのCDockerスコアは、それぞれ、−14.3kcal/mol、−13.2kcal/mol、および−6.0kcal/molであった。これらの後者の3つは、研究した最も低い効力のアゴニストより全て有意に悪く(−16.5kcal/molのCDockerスコアおよび920uMのEC50を有するフェノール)、後者の3つの予測される効力が十分にミリモル範囲であり、Kraswoskiらによって実験的に試験された範囲を超えることを示唆する。Krasowskiら(2002年)、J Med Chem、45巻:3210〜21頁。CDocker結合スコアは、ジシクロペンチルフェノールについて非常に好ましくなかった(6.5kcal/mol)。Eger群からのいわゆる「F6」非イモビライザーを、そのシスおよびトランス高次構造の両方においてドッキングした。CDocker結合エネルギーは、推定上の麻酔剤結合部位に対してこの化合物の両方のバージョンについて非常に好ましくなかった(シス=29.1kcal/molおよびトランス=28.4)。これは、アゴニストであり、明らかにエネルギー的に好都合なネガティブ範囲にある、ここで研究したプロポフォール誘導体の全てについて、CDockerエネルギースコアと全く対照的である。Bertacciniら(2013年)、Anesthesiology、119巻:1087〜95頁。
新たなリード化合物シリーズのさらなるドッキングは、僅かに異なるドッキングスコアであるCDocker相互作用エネルギースコア(CDIE)と、実験的に導き出したGABAaR増強EC50との強い相関関係を示した(図4を参照されたい)。この相関関係は、従前に研究されたプロポフォール様化合物に及んだだけでなく、カルボ−1nとの比較のために同定された12の化合物(表1)に加えて、Biggioらのエトミデート様誘導体のうちのいくつか、およびカルボ−1n化合物(図1(B))を含んだ。特に、化合物Aは、GABAaR増強について0.19uMの公知のEC50を有する化合物1nより、概ね一桁低い効力である。化合物Bは、プロポフォールの効力と近い予測される効力を有し、これは下記の電気生理学データによってさらに実証される。下記で示されるように、化合物AのGABAaR増強についてのEC50は、オタマジャクシにおいて概ね1.5uMである(表2)。
3. 11ベータヒドロキシラーゼ酵素の分子モデリング、ならびにエトミデート、カルボエトミデート、1nおよびカルボ−1nとのその相互作用
BLASTから導き出したスコアおよびCLUSTALWプロファイルからプロファイルへのアラインメントは、11CYPBおよびモデリング鋳型の間の妥当な配列類似性を示す。11CYPBのモデルは、体積が概ね810立方オングストロームのキャビティを有し、ステロイド類似体を容易に収容することができる。このチャネルの最低周波数、高振幅の自然の調和運動内で、通常モード分析は、このキャビティが、結合部位へのアクセスのための「クラムシェル様」開口運動に非常に重要であり得る妥当な柔軟性の領域において位置していることを示唆する。エトミデート、カルボエトミデート、1nおよびカルボ−1nは、ヘムFeとの潜在的に可逆的なカルボニル相互作用を示すドッキングポーズを有する一方、エトミデートおよび化合物1nのみが、ヘムFeとの望ましくない不可逆的な共有結合的相互作用のための位置においてイミダゾール窒素を明らかに示す(図5Aおよび5Bを参照されたい)。したがって、カルボ−1n、および表1の化合物は、ステロイド生合成のかなりの不可逆的な阻害と関連しないはずであることが予測される。相同性モデリングは、イミダゾール窒素を含有する環構造について11CYPへの差次的結合、および11CYPの阻害を説明する助けをする結合部位、ならびに結合部位内の同様のリガンドポーズにもかかわらず、単一のイミダゾール窒素が炭素原子に変更されるとき、このような不可逆的な相互作用の能力がないことを明らかにする11CYPのモデルを生じさせる。
4. 北米オタマジャクシにおける新たに同定されたリード化合物の行動学的研究
上記のコンピュータモデリングによって同定され分析された化合物(表1を参照されたい)は、動物モデル系における麻酔剤として作用することが示されてきた。オタマジャクシにおける正向反射の消失(LORR)アッセイにおけるこれらの化合物の効果を、表2に提供する。
より強力な化合物の2つについての用量応答曲線を、図6において示す。パネルA=化合物A;パネルB=化合物B。麻酔剤としての化合物のそれぞれの有効性は、これらのアッセイにおけるプロポフォールの有効性と同様である。
5. 海馬脳スライスにおける電気生理学
上記のように分析された海馬脳スライス調製物に対する化合物Bの効果を、図7において示す。ここで、ペアパルス阻害として公知の現象が明らかに生じることを見ることができる。このような出現は、GABAa受容体によって媒介される効果の明らかな証拠である。この最初の効果は、プロポフォールについての同様の応答が10uM範囲においてであるのに対して、100uMの試験化合物の濃度で認められた。この不一致は、プロポフォール自体のものと比較した、海馬調製物における試験化合物の差次的動態および/または代謝によって説明され得る。
考察:
何年にもわたって、GABAaRの相同性モデリングは、限定された量の高度に相同の構造的鋳型によって妨害されてきた。1985年に、相同のnAChRの最初の低解像度低温電子顕微鏡写真がリリースされた。Brissonら(1985年)、Nature、315巻:474〜7頁。次の20年に亘り、このモデルは4Åの中間解像度に精密化され、Research Collaboratory for Structural Biologyタンパク質データバンクにおいてエントリー2BG9として公表された。Unwin(2005年)、J Mol Biol、346巻:967〜89頁。当時は、このモデルは、途方もない達成であった。しかし、4Å低温電子顕微鏡写真は、このクラスのリガンド開口型イオンチャネルの全体的な二次、三次および四次構造への優れた洞察を提供した一方で、三次元空間における個々のアミノ酸割り当ての正確な原子の描写は不明確であった。具体的には、この低温電子顕微鏡写真は、Torpedo nAChR内の4つの異なるサブユニットサブタイプ(2個のアルファサブユニット、1個のベータ、1個のガンマおよび1個のデルタ)に亘る顕微鏡写真のコンセンサスであった。4Å分解能において、側鎖実体の球状の外観は、個々のアミノ酸の正確な同定を行うのに十分ではない。
アルファ4およびベータ2 nAChRサブユニットの膜貫通ドメインの最近リリースされたNMR構造、ならびにtorpedo nAChRへのこれらの高い相同性を考慮すると、torpedo nAChR(2BG9)のサブユニット内のアミノ酸割り当てにおける不一致は明らかであり、それによって、GABAaR構造を構築する元とするにはあまり望ましくないモデリング鋳型となっている。Cuiら(2012年)、Biochim Biophys Acta、1818巻:617〜26頁。
GABAaR、GluCl、およびGLIC鋳型は、GABAaR配列へのこれらの相同性に基づいて相同性モデリング、五量体全体のイオンチャネル構築物の利用可能性、ならびにnAChRのアルファおよびベータサブユニットのNMR構造からのこれらの低い根平均二乗偏差のために最初に考慮した。5つのサブユニット全てを有する鋳型のみの使用は、五量体の対称性で配置された3つ全てにおける場合のように、麻酔剤の相互作用の分析のために重要であると考えられる。それは、GABAaR内のこの麻酔剤結合部位の場所が、実際に膜貫通ドメイン内の特定のアルファサブユニットとベータサブユニットとの間であるからである。さらに、GABAaRの麻酔剤の増強が、開口チャネル状態への結合および開口チャネル状態の安定化によりもたらされると考えられるので、GluCl構造は、麻酔剤結合のために重要であると考えられる特色であるイオンチャネルポアの開口状態にあると考えられる。Formanら(2011年)、Can J Anaesth、58巻:191〜205頁。比較のためにいえば、GLICの公表された構造は、閉じられたまたは部分的に開口状態のいずれかであると考えられ、GABAaRベータ3の公表された構造は、脱感作された状態にあると考えられる。相同のGABAaRにおける麻酔剤結合部位と同じ膜貫通場所において結合しているリガンドであるイベルメクチンを実際に示すのも、3RIFおよび3RHW鋳型において認められるGluCl構造である。イベルメクチンは、麻酔剤がGABAaRについて行うのと同様の増強をGluClについて生じさせることが公知である。このGluCl構造はまた、天然結合リガンドであるグルタミン酸を有し、これは構築物を開口構造にさらに向わせる傾向がある。さらに、この構造は、その天然リガンドであるガンマアミノ酪酸(GABA)が存在するはずであるGABAaRの麻酔剤増強の条件と同様である。さらに、原核生物G.violaceusに由来するGLICとは対照的に、GluClは真核生物C.elegansに由来する。真核生物はこれらの膜構造においてコレステロールを有し、原核生物は有さないため、GluClは、高等真核生物において見られる適当なサブユニット間のらせんパッキングをより代表するものであり得る。少なくともこれらの理由のために、GluCl鋳型は、本開示においてモデリングのための基盤を形成した。
異なるLGICにおける相同の位置からの麻酔剤の活性をモジュレートすることが公知である残基が、公知の鋳型構造の配列にマッピングされるとき、2BG9を除いた残りの5つの鋳型をベースとするコンセンサス構造アラインメントは、これらのリガンド開口型イオンチャネルの膜貫通ドメイン内のサブユニット間の麻酔剤結合キャビティの一貫した形成を明らかにした(図2Cを参照されたい)。このコンセンサスは、全体的なモデルビルディングプロセス、および検証分析のさらなる探究に対して、より大きな信頼性を与える。このような分析は、チャネルゲート開閉の「虹彩様」運動が記載された本発明者らによる従前の努力において行われたチャネルの大規模な運動をシミュレートする能力を含んだ。Bertacciniら(2010年)、ACS Chem. Neurosci.、1巻:552〜558頁;Bertacciniら(2008年)、J Chem Inf Model、48巻:855〜60頁;Bertacciniら(2005年)、7th International Conference on Basic and Systematic Mechanisms of Anesthesia. Nara、Japan、Elsevier、160〜163頁。プロセスのさらなる検証はまた、長期間の分子動力学シミュレーションを介したリガンド結合に対するチャネル応答の形態で行われた。これは、エタノールの存在下および不存在下でのGlyRa1の従前のモデルにおける1マイクロ秒の期間の分子動力学シミュレーションによって達成された。Murailら(2011年)、Biophys J、100巻:1642〜50頁。しかし、実際のチャネルゲート開閉は、数桁大きいタイムスケールで行われ、現在利用可能でない計算リソースを必要とする。さらなる検証を、相対的な結合エネルギースコアとGABAaR増強の実験的に導き出した尺度との相関関係によって本開示において提示する。
LGIC内の麻酔剤結合部位の場所は、議論の的であり続けているが、本発明の実施のために決定的ではない。提示された部位の1つは、本開示において調査されてきた。麻酔剤は、特に、GLICおよびErwinia chrysanthemiイオンチャネル(ELIC)において、相同タンパク質の膜貫通サブユニット「内」の部位に結合するという証拠が存在する。より古い鋳型をベースとする様々なLGICの前のモデルにおいて、グリシン受容体内の麻酔剤についてのこのようなサブユニット内結合部位を仮定したある特定の構築物も提示した。Bertacciniら(2005年)、J Chem Inf Model、45巻:128〜35頁。しかし、より新しくより相同の鋳型は、より強固なモデルの構築を可能とし、ここでは共通の「サブユニット間」結合部位の麻酔剤のモジュレーションに関連する残基の収束が存在する。本発明者らの研究室からの最近の刊行物において提案されているように(Murailら(2012年)、PLoS Comput Biol、8巻:e1002710)、麻酔剤およびアルコールの作用についての重要な部位は、膜貫通サブユニットの間であり得る。より一層興味深い出来事は、麻酔剤ブロモホルムによるErwinia chrysanthemiイオンチャネル(ELIC)の結晶構造において示されており、ここでは増強および阻害の両方は、ポアおよび細胞外ドメイン内の効果に加えて、サブユニット間の膜貫通間隙への麻酔剤の結合によって認められている(Spurnyら(2013年)、J Biol Chem、288巻:8355〜64頁)。さらに、このクラスのイオンチャネル内の細胞外ドメインは、それ自体の一組のサブユニット間およびサブユニット内間隙に関与する。Panらは、静脈内全身麻酔剤であるケタミンが、サブユニット間部位において結合し、タンパク質の細胞外ドメインまたは天然リガンド結合ドメインにおけるチャネルの阻害を引き起こすことを示している。Panら(2012年)、Structure、20巻:1463〜9頁。しかし、本研究は、本発明者らの従前のモデリング研究および他のグループの実験的研究において広範に研究されてきたこれらの推定上の結合部位のうちの1つを単に調査する。この結合部位は、いくつかの状況において麻酔効果を媒介するのに必要および十分の両方であることが明らかに示されてきた。Bertacciniら(2010年)、J Chem Inf Model、50巻:2248〜55頁;Murailら(2012年)、PLoS Comput Biol 8巻:e1002710;Jenkinsら(2001年)、J Neurosci、21巻:RC136;Mihicら(1997年)、Nature、389巻:385〜9頁。
結合部位がコンピュータモデルにおいて同定されると、そのモデルのさらなる検証および有用性は、今までに麻酔剤の効力を有することがわかっていなかった化合物における麻酔剤の親和性および可能な活性の予測から起こるはずである。この目的は、最近記載されたように、個々の化合物が、問題になっているタンパク質内の指定された麻酔剤結合部位にドッキングされることを可能とする、多種多様の分子ドッキングおよびスコアリングスキームの適用によって達成される。Liuら(2012年)、Anesth Analg、114巻:947〜55頁。このような努力は、定性的観点から一連の同様の麻酔剤リガンド内の効力の順序を少なくとも予測し、実現可能であるとき、定量的尺度も同様に予測する能力に依存する。このような効力と最終的に相関するはずであるエネルギーのパラメーターは、リガンド結合の自由エネルギーである。しかし、総自由エネルギーは、エンタルピーおよびエントロピーの両方によって決まる。計算方法を使用して結合エントロピーの変化を考慮することは、非常に困難であり得る。サイズおよび形状が著しく変動するリガンドは、結合に対して非常に異なるエントロピーの寄与を有することができ、これは、ハイスループットスクリーニングには非実用的である、非常に複雑で計算的に高価な自由エネルギー摂動計算以外のものによっては、考慮が不十分である。しかし、ここで利用されるような合理的に同様の同属シリーズのリガンド内で、このようなエントロピーの寄与は、メンバーの間で同様であると仮定することができ、結合のエンタルピーの寄与は相対的な相互作用を支配する。ここで提示するドッキングスコアと最も密接に関連するのは、このエンタルピーの寄与である。これによって、麻酔剤結合ポケットの本モデルは、リガンドエンタルピードッキングスコアと、研究した一組のプロポフォールおよびエトミデート様誘導体についてのGABAaR増強の実際の実験的に導き出した尺度との妥当な相関関係を可能とする特徴を有する。
本明細書において記述した全ての特許、特許刊行物、および他の公表された参照文献は、それぞれが本明細書において参照により個々にかつ具体的に組み込まれているかのように、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
具体的な例を提供してきたが、上記の説明は例示的なものであり、限定されるものではない。上記実施形態の特色のうちの任意の1つまたは複数は、本発明における任意の他の実施形態のうちの1つまたは複数の特色と任意の様式で合わせることができる。さらに、本発明の多くのバリエーションは、明細書を見直せば当業者には明らかであろう。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲をそれらの均等物の完全な範囲と共に参照することにより決定すべきである。

Claims (59)

  1. 処置を必要とする対象に、前記対象において麻酔を誘発または維持するのに十分な濃度の化合物を投与することを含む処置の方法であって、前記化合物は、構造式(I):
    によって表されるか、または薬学的に許容されるその塩であり、式中、
    i1およびRi2は、独立に、H、低級アルキル基またはフェニル基であり、前記アルキル基およびフェニル基は、1個または複数のアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルカノイル、アルキルアミノ、アルキルチオ、アリール、アリールオキシ、アリールアミノ、アラルキル、アラルコキシ、アラルカノイル、アラルカミノ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルコキシ、ヘテロアラルカノイル、ヘテロアラルカミノ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、シクロアルカノイル、シクロアルカミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルコキシ、ヘテロシクリルアルカノイル、ヘテロシクリルアルカミノ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、アミド、アルカノイルアミノ、アロイルアミノ、アラルカノイルアミノ、アルキルカルボキシ、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、スルホニル、スルホンアミドまたはアジド基で、任意選択でかつ独立に置換されており、2個の隣接する置換基は、合わさって環を形成することができ、
    i3またはRi4のいずれかは、−C(O)ORであり、他方の基は、Hまたは低級アルキル基であり、
    は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリルまたはヘテロシクリルアルキルであり、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルカノイル、アルキルアミノ、アルキルチオ、アリール、アリールオキシ、アリールアミノ、アラルキル、アラルコキシ、アラルカノイル、アラルカミノ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルコキシ、ヘテロアラルカノイル、ヘテロアラルカミノ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、シクロアルカノイル、シクロアルカミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルコキシ、ヘテロシクリルアルカノイル、ヘテロシクリルアルカミノ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、アミド、アルカノイルアミノ、アロイルアミノ、アラルカノイルアミノ、アルキルカルボキシ、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、スルホニル、スルホンアミド、またはアジドで任意選択で置換されており、
    i5は、1個または複数のアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルカノイル、アルキルアミノ、アルキルチオ、アリール、アリールオキシ、アリールアミノ、アラルキル、アラルコキシ、アラルカノイル、アラルカミノ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルコキシ、ヘテロアラルカノイル、ヘテロアラルカミノ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、シクロアルカノイル、シクロアルカミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルコキシ、ヘテロシクリルアルカノイル、ヘテロシクリルアルカミノ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、アミド、アルカノイルアミノ、アロイルアミノ、アラルカノイルアミノ、アルキルカルボキシ、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、スルホニル、スルホンアミドまたはアジド基で任意選択で置換されているフェニル基であり、2個の隣接する置換基は、合わさって環を形成することができる、方法。
  2. 構造式(I)の化合物において、Ri1およびRi2のいずれかが、任意選択で置換されているフェニル基であり、他方が、Hまたは非置換低級アルキル基である、請求項1に記載の方法。
  3. 構造式(I)の化合物において、Ri1またはRi2である任意選択で置換されているフェニル基が、1個または複数のアルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、スルホニル、スルホンアミドまたはアジド基で任意選択で置換されている、請求項2に記載の方法。
  4. 構造式(I)の化合物において、Ri1またはRi2である任意選択で置換されているフェニル基が、アルキル、アルコキシまたはハロ基で任意選択で置換されている、請求項3に記載の方法。
  5. 構造式(I)の化合物において、Ri1およびRi2が、それぞれ独立に、非置換低級アルキル基である、請求項1に記載の方法。
  6. 構造式(I)の化合物において、Rが、任意選択で置換されている低級アルキルまたはアラルキル基である、請求項1に記載の方法。
  7. 構造式(I)の化合物において、Rが、任意選択で置換されている低級アルキル基である、請求項6に記載の方法。
  8. 構造式(I)の化合物において、Ri5が、1個または複数のアルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、スルホニル、スルホンアミドまたはアジド基で任意選択で置換されているフェニル基である、請求項1に記載の方法。
  9. 構造式(I)の化合物において、Ri5が、1個または複数のアルキル、アルコキシまたはハロ基で任意選択で置換されているフェニル基である、請求項8に記載の方法。
  10. 構造式(I)の化合物において、
    i1およびRi2のいずれかが、1個または複数のアルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、スルホニル、スルホンアミドまたはアジド基で任意選択で置換されているフェニル基であり、他方が、Hまたは非置換低級アルキル基であり、
    が、任意選択で置換されている低級アルキルまたはアラルキル基であり、
    i5が、1個または複数のアルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、スルホニル、スルホンアミドまたはアジド基で任意選択で置換されているフェニル基である、請求項1に記載の方法。
  11. 前記化合物が、構造式(II):
    によって表されるか、または薬学的に許容されるその塩であり、式中、
    p1およびRp2は、独立に、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルカノイル、アルキルアミノ、アルキルチオ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、シクロアルカノイル、シクロアルカミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルコキシ、ヘテロシクリルアルカノイル、ヘテロシクリルアルカミノ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、アミド、アルカノイルアミノ、アルキルカルボキシ、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、スルホニル、スルホンアミド、またはアジドであり、
    i1およびRi2は、独立に、H、低級アルキル基またはフェニル基であり、前記アルキル基およびフェニル基は、1個または複数のアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルカノイル、アルキルアミノ、アルキルチオ、アリール、アリールオキシ、アリールアミノ、アラルキル、アラルコキシ、アラルカノイル、アラルカミノ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルコキシ、ヘテロアラルカノイル、ヘテロアラルカミノ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、シクロアルカノイル、シクロアルカミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルコキシ、ヘテロシクリルアルカノイル、ヘテロシクリルアルカミノ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、アミド、アルカノイルアミノ、アロイルアミノ、アラルカノイルアミノ、アルキルカルボキシ、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、スルホニル、スルホンアミドまたはアジド基で、任意選択でかつ独立に置換されており、2個の隣接する置換基は、合わさって環を形成することができ、
    i3は、Hまたは低級アルキル基であり、
    は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリルまたはヘテロシクリルアルキルであり、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルカノイル、アルキルアミノ、アルキルチオ、アリール、アリールオキシ、アリールアミノ、アラルキル、アラルコキシ、アラルカノイル、アラルカミノ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルコキシ、ヘテロアラルカノイル、ヘテロアラルカミノ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、シクロアルカノイル、シクロアルカミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルコキシ、ヘテロシクリルアルカノイル、ヘテロシクリルアルカミノ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、アミド、アルカノイルアミノ、アロイルアミノ、アラルカノイルアミノ、アルキルカルボキシ、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、スルホニル、スルホンアミド、またはアジドで任意選択で置換されている、請求項1に記載の方法。
  12. 構造式(II)の化合物において、Rp1およびRp2が、独立に、H、アルキル、アルコキシまたはハロである、請求項11に記載の方法。
  13. 構造式(II)の化合物において、Ri1およびRi2のいずれかが、任意選択で置換されているフェニル基であり、他方が、Hまたは非置換低級アルキル基である、請求項12に記載の方法。
  14. 構造式(II)の化合物において、Ri1およびRi2である任意選択で置換されているフェニル基が、1個または複数のアルキル、アルコキシまたはハロ基で任意選択で置換されている、請求項13に記載の方法。
  15. 構造式(II)の化合物において、Ri1およびRi2が、それぞれ独立に、非置換低級アルキル基である、請求項11に記載の方法。
  16. 構造式(II)の化合物において、Rが、任意選択で置換されている低級アルキルまたはアラルキル基である、請求項11に記載の方法。
  17. 構造式(II)の化合物において、Rが、任意選択で置換されている低級アルキル基である、請求項16に記載の方法。
  18. 前記化合物が、構造式(III):
    によって表されるか、または薬学的に許容されるその塩であり、式中、
    p1、Rp2、Rp3およびRp4は、独立に、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルカノイル、アルキルアミノ、アルキルチオ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、シクロアルカノイル、シクロアルカミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルコキシ、ヘテロシクリルアルカノイル、ヘテロシクリルアルカミノ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、アミド、アルカノイルアミノ、アルキルカルボキシ、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、スルホニル、スルホンアミド、またはアジドであり、
    i1は、H、低級アルキル基またはフェニル基であり、前記アルキル基およびフェニル基は、1個または複数のアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルカノイル、アルキルアミノ、アルキルチオ、アリール、アリールオキシ、アリールアミノ、アラルキル、アラルコキシ、アラルカノイル、アラルカミノ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルコキシ、ヘテロアラルカノイル、ヘテロアラルカミノ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、シクロアルカノイル、シクロアルカミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルコキシ、ヘテロシクリルアルカノイル、ヘテロシクリルアルカミノ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、アミド、アルカノイルアミノ、アロイルアミノ、アラルカノイルアミノ、アルキルカルボキシ、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、スルホニル、スルホンアミドまたはアジド基で、任意選択でかつ独立に置換されており、2個の隣接する置換基は、合わさって環を形成することができ、
    i3は、Hまたは低級アルキル基であり、
    は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリルまたはヘテロシクリルアルキルであり、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルカノイル、アルキルアミノ、アルキルチオ、アリール、アリールオキシ、アリールアミノ、アラルキル、アラルコキシ、アラルカノイル、アラルカミノ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルコキシ、ヘテロアラルカノイル、ヘテロアラルカミノ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、シクロアルカノイル、シクロアルカミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルコキシ、ヘテロシクリルアルカノイル、ヘテロシクリルアルカミノ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、アミド、アルカノイルアミノ、アロイルアミノ、アラルカノイルアミノ、アルキルカルボキシ、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、スルホニル、スルホンアミド、またはアジドで任意選択で置換されている、請求項1に記載の方法。
  19. 構造式(III)の化合物において、Rp1、Rp2、Rp3およびRp4が、独立に、H、アルキル、アルコキシまたはハロである、請求項18に記載の方法。
  20. 構造式(III)の化合物において、Ri1が、Hまたは低級アルキルである、請求項18に記載の方法。
  21. 構造式(III)の化合物において、Ri3がHである、請求項18に記載の方法。
  22. 構造式(III)の化合物において、Rが、任意選択で置換されている低級アルキルまたはアラルキル基である、請求項18に記載の方法。
  23. 前記麻酔が、精神安定化を含む、請求項1から22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 前記麻酔が、鎮静を含む、請求項1から22のいずれか一項に記載の方法。
  25. 前記麻酔が、記憶喪失を含む、請求項1から22のいずれか一項に記載の方法。
  26. 前記麻酔が、催眠を含む、請求項1から22のいずれか一項に記載の方法。
  27. 前記麻酔が、侵害性刺激に対する非感受性を含む、請求項1から22のいずれか一項に記載の方法。
  28. 前記麻酔が誘発される、請求項1から22のいずれか一項に記載の方法。
  29. 前記麻酔が維持される、請求項1から22のいずれか一項に記載の方法。
  30. 複数の投与ステップまたは連続的投与を含む、請求項1から22のいずれか一項に記載の方法。
  31. 構造式(II):
    によって表される化合物または薬学的に許容されるその塩であって、式中、
    p1およびRp2は、独立に、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルカノイル、アルキルアミノ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、シクロアルカノイル、シクロアルカミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルコキシ、ヘテロシクリルアルカノイル、ヘテロシクリルアルカミノ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、アルカノイルアミノ、アルキルカルボキシ、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、またはアジドであり、これらのそれぞれは、化学的に実現可能である場合、任意選択で置換されていてもよく、
    i1は、HまたはC〜Cアルキル基であり、
    i2は、1個または複数のアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルカノイル、アルキルアミノ、アルキルチオ、アリール、アリールオキシ、アリールアミノ、アラルキル、アラルコキシ、アラルカノイル、アラルカミノ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルコキシ、ヘテロアラルカノイル、ヘテロアラルカミノ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、シクロアルカノイル、シクロアルカミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルコキシ、ヘテロシクリルアルカノイル、ヘテロシクリルアルカミノ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、アミド、アルカノイルアミノ、アロイルアミノ、アラルカノイルアミノ、アルキルカルボキシ、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、スルホニル、スルホンアミドまたはアジド基で任意選択で置換されているフェニル基であり、2個の隣接する置換基は、合わさって環を形成することができ、
    i3は、Hまたは非置換低級アルキル基であり、
    は、C〜C−アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリルまたはヘテロシクリルアルキルであり、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルカノイル、アルキルアミノ、アルキルチオ、アリール、アリールオキシ、アリールアミノ、アラルキル、アラルコキシ、アラルカノイル、アラルカミノ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルコキシ、ヘテロアラルカノイル、ヘテロアラルカミノ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、シクロアルカノイル、シクロアルカミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルコキシ、ヘテロシクリルアルカノイル、ヘテロシクリルアルカミノ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、アミド、アルカノイルアミノ、アロイルアミノ、アラルカノイルアミノ、アルキルカルボキシ、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、またはアジドで任意選択で置換されており、
    ただし、Ri1がメチルであり、Ri2が非置換フェニルであり、Rがベンジル、イソプロピル、イソブチル、t−ブチル、メトキシエチルまたは4,4−ジフルオロ−3−メチル−3−ブテン−1−イルであり、Rp1がHであるとき、Rp2は、Hではなく、
    i1がメチルであり、Ri2が2−メトキシフェニルであり、Rがt−ブチルであり、Rp1がHであるとき、Rp2は、H、3−アミノ、3−アジド、4−ブロモまたは4−ニトロではなく、
    i1がメチルであり、Ri2が2−メトキシフェニルであり、Rがベンジルであり、Rp1がHであるとき、Rp2は、Hではない、
    化合物または薬学的に許容されるその塩。
  32. i2が、1個または複数のアルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、スルホニル、スルホンアミドまたはアジド基で任意選択で置換されているフェニル基である、請求項31に記載の化合物。
  33. i2が、1個または複数のアルキル、アルコキシまたはハロ基で任意選択で置換されているフェニル基である、請求項32に記載の化合物。
  34. が、任意選択で置換されているC〜C−アルキルまたはアラルキル基である、請求項31に記載の化合物。
  35. が、任意選択で置換されているC〜C−アルキル基である、請求項34に記載の化合物。
  36. p1およびRp2が、独立に、H、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、スルホニル、スルホンアミドまたはアジドである、請求項31に記載の化合物。
  37. p1およびRp2が、独立に、H、アルキル、アルコキシまたはハロである、請求項36に記載の化合物。
  38. 構造式(II):
    によって表される化合物または薬学的に許容されるその塩であって、式中、
    p1およびRp2は、独立に、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルカノイル、アルキルアミノ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、シクロアルカノイル、シクロアルカミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルコキシ、ヘテロシクリルアルカノイル、ヘテロシクリルアルカミノ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、アルカノイルアミノ、アルキルカルボキシ、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、またはアジドであり、これらのそれぞれは、化学的に実現可能である場合、任意選択で置換されていてもよく、
    i1は、HまたはC〜Cアルキル基であり、
    i2は、1個または複数のアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルカノイル、アルキルアミノ、アルキルチオ、アリール、アリールオキシ、アリールアミノ、アラルキル、アラルコキシ、アラルカノイル、アラルカミノ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルコキシ、ヘテロアラルカノイル、ヘテロアラルカミノ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、シクロアルカノイル、シクロアルカミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルコキシ、ヘテロシクリルアルカノイル、ヘテロシクリルアルカミノ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、アミド、アルカノイルアミノ、アロイルアミノ、アラルカノイルアミノ、アルキルカルボキシ、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、スルホニル、スルホンアミドまたはアジド基で置換されているフェニル基であり、2個の隣接する置換基は、合わさって環を形成することができ、
    i3は、Hまたは非置換低級アルキル基であり、
    は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリルまたはヘテロシクリルアルキルであり、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルカノイル、アルキルアミノ、アルキルチオ、アリール、アリールオキシ、アリールアミノ、アラルキル、アラルコキシ、アラルカノイル、アラルカミノ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルコキシ、ヘテロアラルカノイル、ヘテロアラルカミノ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、シクロアルカノイル、シクロアルカミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルコキシ、ヘテロシクリルアルカノイル、ヘテロシクリルアルカミノ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、アミド、アルカノイルアミノ、アロイルアミノ、アラルカノイルアミノ、アルキルカルボキシ、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、またはアジドで任意選択で置換されており、
    ただし、Ri2は、2−アミノフェニル、3−アミノフェニル、3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル、4−アミノフェニル、3−アジドフェニル、1,1’−ビフェニル、2−ブロモフェニル、3−ブロモフェニル、4−ブロモフェニル、2−カルボキシフェニル、2−(クロロカルボニル)フェニル、4−クロロフェニル、2,4−ジクロロフェニル、2,4−ジメトキシフェニル、3,4−ジメトキシフェニル、3,4−ジメチルフェニル、4−フルオロフェニル、2−メトキシフェニル、3−メトキシフェニル、4−メトキシフェニル、3−(エトキシカルボニル)フェニル、4−(メトキシカルボニル)フェニル、2−メチルフェニル、4−メチルフェニル、4−(メチルスルホニル)フェニル、4−(メチルチオ)フェニル、3−(4−モルホリニルスルホニル)フェニル、2−ニトロフェニル、3−ニトロフェニル、4−ニトロフェニル、3−(フェニルアミノ)フェニル、4−(1H−ピロール−1−イル)フェニル、4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)フェニル、2−ヒドロキシ−5−アミノフェニル、または4−[5−(4−クロロフェニル)−3−(エトキシカルボニル)−2−メチル−1H−ピロール−1−イル]フェニル]ではない、
    化合物または薬学的に許容されるその塩。
  39. i2が、1個または複数のアルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、スルホニル、スルホンアミドまたはアジド基で置換されているフェニル基である、請求項38に記載の化合物。
  40. i2が、1個または複数のアルキル、アルコキシまたはハロ基で置換されているフェニル基である、請求項39に記載の化合物。
  41. が、任意選択で置換されている低級アルキルまたはアラルキル基である、請求項38に記載の化合物。
  42. が、任意選択で置換されている低級アルキル基である、請求項41に記載の化合物。
  43. p1およびRp2が、独立に、H、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、スルホニル、スルホンアミドまたはアジドである、請求項38に記載の化合物。
  44. p1およびRp2が、独立に、H、アルキル、アルコキシまたはハロである、請求項43に記載の化合物。
  45. 構造式(IV):
    によって表される化合物または薬学的に許容されるその塩であって、式中、
    p3およびRp4は、独立に、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルカノイル、アルキルアミノ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、シクロアルカノイル、シクロアルカミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルコキシ、ヘテロシクリルアルカノイル、ヘテロシクリルアルカミノ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、アルカノイルアミノ、アルキルカルボキシ、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、またはアジドであり、これらのそれぞれは、化学的に実現可能である場合、任意選択で置換されていてもよく、
    i1は、HまたはC〜Cアルキル基であり、
    i5は、1個または複数のアルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、スルホニル、スルホンアミドまたはアジド基で置換されているフェニル基であり、
    i3は、Hまたは非置換低級アルキル基であり、
    は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリルまたはヘテロシクリルアルキルであり、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルカノイル、アルキルアミノ、アルキルチオ、アリール、アリールオキシ、アリールアミノ、アラルキル、アラルコキシ、アラルカノイル、アラルカミノ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルコキシ、ヘテロアラルカノイル、ヘテロアラルカミノ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、シクロアルカノイル、シクロアルカミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルコキシ、ヘテロシクリルアルカノイル、ヘテロシクリルアルカミノ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、アミド、アルカノイルアミノ、アロイルアミノ、アラルカノイルアミノ、アルキルカルボキシ、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、またはアジドで任意選択で置換されており、
    ただし、Ri5は、2−アミノフェニル、2−ブロモフェニル、2−カルボキシフェニル、2−クロロフェニル、2−(ジメチルアミノ)フェニル、2−エチルフェニル、2−ヒドロキシフェニル、2−メトキシフェニル、2−メチルフェニル、2−ニトロフェニル、2−トリフルオロメチルフェニル、3−アセチルフェニル、3−アミノフェニル、3−アミノカルボニルフェニル、3−アジドフェニル、3−ブロモフェニル、3−ブトキシフェニル、3−カルボキシフェニル、3−クロロフェニル、3−(ジメチルアミノ)フェニル、3−フルオロフェニル、3−ヒドロキシルフェニル、3−ヨードフェニル、3−メトキシフェニル、3−メチルフェニル、3−メチルチオフェニル、3−ニトロフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、4−アミノフェニル、4−アジドフェニル、4−ブロモフェニル、4−カルボキシフェニル、4−クロロフェニル、4−エトキシフェニル、4−エチルフェニル、4−フルオロフェニル、4−ヒドロキシフェニル、4−メトキシフェニル、4−メチルフェニル、4−ニトロフェニル、4−トリフルオロメトキシフェニル、4−(3,3,3−トリフルオロプロポキシ)フェニル、2,4−ジフルオロフェニル、2,4−ジクロロフェニル、3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル、3−カルボキシ−4−ヒドロキシフェニル、2−ヒドロキシ−5−アミノフェニル、2−ブロモ−4−アセチルフェニル、2,4−ジブロモフェニル、2−ブロモ−4−(エトキシカルボニル)フェニル、2−ブロモ−4−フルオロフェニル、2−ブロモ−4−トリフルオロメチルフェニル、3−ヒドロキシ−4−カルボキシフェニル、3−カルボキシ−4−ヒドロキシフェニル、2,6−ジイソプロピルフェニル、2,5−ジメトキシフェニル、3,4−ジメトキシフェニル、2,3−ジメチルフェニル、2,4−ジメチルフェニル、2,5−ジメチルフェニル、2,6−ジメチルフェニル、3,4−ジメチルフェニル、3,5−ジメチルフェニル、2−メトキシ−4−メチルフェニル、2−メチル−3−クロロフェニル、2,4−ジクロロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、3,5−ジクロロフェニル、2−メトキシ−5−ニトロフェニル、2−ニトロ−4−メチルフェニル、または2−クロロ−5−トリフルオロメチルフェニルではない、
    化合物または薬学的に許容されるその塩。
  46. i5が、1個または複数のアルキル、アルコキシまたはハロ基で任意選択で置換されているフェニル基である、請求項45に記載の化合物。
  47. が、任意選択で置換されている低級アルキルまたはアラルキル基である、請求項45に記載の化合物。
  48. が、任意選択で置換されている低級アルキル基である、請求項47に記載の化合物。
  49. p3およびRp4が、独立に、H、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、スルホニル、スルホンアミドまたはアジドである、請求項45に記載の化合物。
  50. p3およびRp4が、独立に、H、アルキル、アルコキシまたはハロである、請求項49に記載の化合物。
  51. 構造式(II):
    によって表される化合物または薬学的に許容されるその塩であって、式中、
    p1およびRp2は、独立に、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルカノイル、アルキルアミノ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、シクロアルカノイル、シクロアルカミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルコキシ、ヘテロシクリルアルカノイル、ヘテロシクリルアルカミノ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、アルカノイルアミノ、アルキルカルボキシ、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリルまたはアジドであり、これらのそれぞれは、化学的に実現可能である場合、任意選択で置換されていてもよく、
    i1は、Hであり、
    i2は、1個または複数のアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルカノイル、アルキルアミノ、アルキルチオ、アリール、アリールオキシ、アリールアミノ、アラルキル、アラルコキシ、アラルカノイル、アラルカミノ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルコキシ、ヘテロアラルカノイル、ヘテロアラルカミノ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、シクロアルカノイル、シクロアルカミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルコキシ、ヘテロシクリルアルカノイル、ヘテロシクリルアルカミノ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、アミド、アルカノイルアミノ、アロイルアミノ、アラルカノイルアミノ、アルキルカルボキシ、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、スルホニル、スルホンアミドまたはアジド基で任意選択で置換されているフェニル基であり、2個の隣接する置換基は、合わさって環を形成することができ、
    i3は、Hまたは非置換低級アルキル基であり、
    は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリルまたはヘテロシクリルアルキルであり、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルカノイル、アルキルアミノ、アルキルチオ、アリール、アリールオキシ、アリールアミノ、アラルキル、アラルコキシ、アラルカノイル、アラルカミノ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルコキシ、ヘテロアラルカノイル、ヘテロアラルカミノ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルコキシ、シクロアルカノイル、シクロアルカミノ、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、ヘテロシクリルアミノ、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルコキシ、ヘテロシクリルアルカノイル、ヘテロシクリルアルカミノ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、アミド、アルカノイルアミノ、アロイルアミノ、アラルカノイルアミノ、アルキルカルボキシ、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、またはアジドで任意選択で置換されており、
    ただし、
    i2が4−(メチルスルホニル)フェニルであり、Rがメチルであり、Rp1がHであるとき、Rp2は、4−フルオロではなく、
    i2が非置換フェニルであり、Rがメチルであり、Rp1がHであるとき、Rp2は、4−メトキシではない
    化合物または薬学的に許容されるその塩。
  52. i2が、1個または複数のアルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、スルホニル、スルホンアミドまたはアジド基で任意選択で置換されているフェニル基である、請求項51に記載の化合物。
  53. i2が、1個または複数のアルキル、アルコキシまたはハロ基で任意選択で置換されているフェニル基である、請求項52に記載の化合物。
  54. が、任意選択で置換されている低級アルキルまたはアラルキル基である、請求項51に記載の化合物。
  55. が、任意選択で置換されている低級アルキル基である、請求項54に記載の化合物。
  56. p1およびRp2が、独立に、H、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシル、チオ、アミノ、カルボキシ、カーボネート、カルバメート、グアニジニル、尿素、ハロ、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、ホスホリル、スルホニル、スルホンアミドまたはアジドである、請求項51に記載の化合物。
  57. p1およびRp2が、独立に、H、アルキル、アルコキシまたはハロである、請求項56に記載の化合物。
  58. 請求項31から57のいずれか一項に記載の化合物および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
  59. 請求項58に記載の医薬組成物、および対象哺乳動物を処置するために前記組成物を使用するための指示を含む、パッケージ化された医薬品。
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