JP2017529154A - 創傷の治癒に使用するための電気陰性繊維 - Google Patents

創傷の治癒に使用するための電気陰性繊維 Download PDF

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Abstract

本発明の主題は、0.01mmol/gと5mmol/gの間の負電荷密度、及び繊維1g当たり9.5g未満の生理食塩水の液体吸収容量を有する少なくとも1つの電気陰性繊維を備えた、創傷治癒に、及び好ましくは創傷洗浄に使用するための材料である。本発明の別の主題は、そのような材料を備えた包帯又はバンデージなどの医療用具である。【選択図】なし

Description

本発明の主題は、創傷の治癒に、及び、好ましくは創傷、特に慢性創傷の洗浄に使用するための少なくとも1つの電気陰性繊維を備えた材料である。本発明の別の主題は、前記材料を備えた包帯又はバンデージなどの医療用具である。
包帯は、皮膚の上に位置する創傷を覆うことを可能にする防護用具である。包帯は、組み合わせても組み合わせなくとも良い幾つかの機能、例えば、
− 創傷を(感染又は炎症から)保護し外部環境から隔離すること、
− 創傷床において有益な湿潤環境を維持することにより、より良好な治癒を可能にすること、
− 微小血管を圧迫することにより最小出血を止めること、
− 創傷の縁を接合すること、
− 創傷の縁及び周囲皮膚を保存するために滲出物を吸収すること、
などを有することができる。
従って、幾つかのタイプの包帯は、特に創傷治癒を促進するために開発され、他方、他のものはこの目的を有しない。
創傷の自然治癒は3つの連続する段階で起こり、これらの段階の各々は、特定の異なる細胞活動で特徴づけられる、洗浄段階、肉芽形成段階及び上皮形成段階である。治癒過程の間を通して、創傷は流体又は粘性滲出物を生じ、これを可能であれば治癒用包帯で吸収するか、又は創傷の外部の容器に誘導することによって排出する(陰圧治療法−NPT:negative pressure therapyの場合)必要がある。
創傷の自然洗浄能力は、大きい外傷があるとき又は患者が静脈障害若しくは糖尿病などの随伴性疾患に悩まされるときには不十分である可能性がある。これらの場合、洗浄段階の持続期間の相当な長期化が観察され、下肢潰瘍などの治療が難しい慢性創傷をもたらす。
自然洗浄過程が不十分な創傷の場合、肉芽形成段階を妨げることなくフィブリン組織を除去することが必要である。このフィブリン組織の除去は、自然洗浄に対して、通常、用語「補助洗浄」によって表される。
使用される技法に応じて、補助洗浄は、機械的又は外科的洗浄、酵素洗浄、自己分解洗浄又は生物学的洗浄として分類することができる。
機械的又は外科的洗浄は、ランセット、鉗子、鋏若しくはブロック・キュレットを使用して、又は加圧水ジェット若しくはレーザ励起を用いる高性能装置によって、フィブリン組織を切除することから成る迅速な技法である。この技法は創傷の重症度に応じて、患者のベッドにおいて又は外科手術環境において行われる。しかしこの技法は痛みを伴うことが多く、出血及び場合によっては大量出血を起こす可能性がある。それゆえにこれは患者に心的外傷を与える。これはさらに事前の鎮痛薬投与を必要とし、これが治療時間を長くする。
自己分解洗浄は、創傷の上に、特定のゲル化繊維をベースとする包帯又はバンデージのような吸収性材料を置くことから成る。そのような技法の目的は、フィブリンを軟化させることができるようにして、後に熟練した医療若しくは医療補助スタッフにより鉗子を用いて除去するのを可能にすること、又は吸収性材料に対するフィブリンの付着の作用による除去を可能にすること、或いはオプションとしてこれら2つの方法を適切に組み合わせることである。
従来、洗浄を促進するのに使用される材料は、アルギン酸又はカルボキシメチルセルロースのゲル化繊維の細孔を開けられた不織布である。
滲出物と接触するカルボキシメチルセルロース繊維ゲルは、フィブリンの効果的な軟化を可能にするが、それらを含んだ不織材料の粘着性に相当な悪影響を及ぼし、それにより、材料の除去の際にいずれの付着も妨げる。
アルギン酸繊維もまたフィブリンを軟化することができ、それによりその手による除去を容易にする。しかし、アルギン酸繊維は、カルボキシメチルセルロース繊維のように滲出物と有意に接触するようにはゲル化せず、それらを構成する不織材料の粘着性を維持するが、材料の除去に際してのフィブリンの付着特性を何も有しない。
その粘着性を維持しながら、フィブリンの軟化と、その除去に際してのフィブリンの付着との両方を可能にする材料が、最適の折衷となるであろう。
特許文献1は、フィブリンを軟化し、その除去の際にその付着を助長することを可能にする不織布を得るために、繊維1グラム当たり27.8gの水の液体吸収容量及び12.3mmol/gの負電荷密度を有する、TOYOBOによって販売されているような超吸収性繊維を使用することを詳細に提案している。しかし、使用される繊維の超吸収性は、「ゲル・ブロッキング」と呼ばれる現象、即ち、水を含んだ流体の存在下で、滲出物から封止された圧縮ゲルを形成するまで膨潤すること、を引き起こし、もはや滲出物の吸収及び拡散を不可能にする可能性がある。この現象を避けるために、特許文献1は、非吸収性の熱接合繊維と、特定の接触層が付随する超吸収性繊維との混合物を備えた不織布を使用することを提案している。そのような製品は、確かに良好な自己分解能力を有するとともにその除去の際にその粘着性を維持し、「ゲル・ブロッキング」現象を何も生じないが、依然として製造するのに複雑で高い費用がかかる。
従って、創傷、特に慢性創傷を治療するための、製造が容易な簡単な材料であって、優れた自己分解洗浄能力を有する、即ち、外科的処置の必要性を減らし又はなくすためにフィブリンの付着の最適作用を可能にするが、滲出物の吸収及び拡散に悪影響を及ぼさない、材料を有することが望ましい。
国際公開第2012/131263号
驚いたことに、本出願人は、これらの問題に対して、特定の流体吸収容量及び特定の負電荷密度を有する電気陰性繊維をベースとする材料によって対処することが可能であることを発見した。
従って、第1の態様により、本発明の主題は、0.01mmol/gと5mmol/gの間の負電荷密度、及び繊維1g当たり9.5g未満の生理食塩水の液体吸収容量を有する少なくとも1つの電気陰性繊維を備えた、創傷の治癒、好ましくは創傷、特に慢性創傷の洗浄に使用するための材料である。
第2の態様により、本発明の別の主題は、そのような材料を備えた包帯、特に治癒用包帯又はバンデージなどの医療用具である。
実際に、本出願人は、本発明による材料又は前記材料を用いた医療用具が、良好な自己分解洗浄のために必要なフィブリン除去を保証することを観察した。実際に、本発明者らは、特に、特定の流体吸収容量を有する電気陰性繊維を使用することにより、フィブリンに付着する材料であって、この材料の除去の際にフィブリンの除去を可能にすると同時に滲出物の吸収及び拡散を促進する材料を得ることができることを実証した。
従って、本発明は、「ゲル・ブロッキング」の現象を引き起こさずに、自己分解洗浄並びに液体滲出物の吸収及び拡散を同時に促進する材料を初めて提案することにより、創傷、特に慢性創傷の治癒を最適化することを可能にする。
最後に、本発明の材料はさらに、粘着性であり、それを除去するときに裂けないという利点を有する。
電気陰性繊維
本発明による材料は、0.01mmol/gと5mmol/gの間、好ましくは0.05mmol/gと4mmol/gの間、より好ましくは0.1mmol/gと2mmol/gの間の負電荷密度を有する少なくとも1つの電気陰性繊維を備える。
本発明の材料に使用される繊維はさらに、繊維1グラム当たり9.5g未満の生理食塩水、好ましくは繊維1グラム当たり2gから9.4gの範囲の生理食塩水、より好ましくは繊維1グラム当たり3gから9.3gの生理食塩水の液体吸収容量を有する。
本出願の目的の範囲における生理食塩水は、塩化ナトリウムNaClの0.9%溶液である。
本発明による繊維は、繊維1グラム当たり凡そ0gの生理食塩水の液体吸収容量を有するとき非吸収性とすることができ、繊維1グラム当たり厳密に0gを上回る生理食塩水及び繊維1グラム当たり9.5g未満の生理食塩水の液体吸収容量を有するとき、僅かに吸収性又は吸収性とすることができる。従って、それらは、特許文献1に使用されているTOYOBOの繊維のような、繊維1グラム当たり20gを上回る水(又は生理食塩水のような食塩水)の液体吸収容量を有する「超吸収性」として分類される繊維から、具体的に区別される。
繊維又はこれらの繊維を含む織物による生理食塩水の吸収は、例えば、上記の0.9%NaClを含む生理食塩水により、Edana440.1.99法に記載されている手順を適用して計測することができる。
本発明による電気陰性繊維はポリマー繊維であることが好ましい。繊維を構成するポリマーは、特に、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン及びそれらのコポリマー、アクリルポリマー、ポリウレタン、ポリアクリレート及びそれらのコポリマー、並びにセルロースポリマー及びそれらの混合物から選択することができる。
好ましい一実施形態により、本出願による電気陰性繊維を構成するポリマーはセルロースポリマー、好ましくはセルロース誘導体若しくはビスコース、又はアクリルポリマー、好ましくはアクリロニトリルと塩化ビニルのコポリマーである。
本出願による望ましい負電荷密度を有する繊維は、前記繊維の製造中にカチオン又はポリ電解質交換特性を有する粒子を組み込むことによって得ることができる。
カチオン又はポリ電解質交換特性を有する粒子は、ポリマーの合成中にポリマーマトリクスの中に導入することができ、又はポリマーの紡績中に、紡績機器に供給するための配合物の中に前記粒子若しくは前記ポリ電解質を組み込むことによって導入することができる。
好ましい一実施形態により、本発明の材料の中に使用される電気陰性繊維は、ケルハイム(Kelheim)によりポセイドン(Poseidon)又はVerdiの名称で販売されているもののようなビスコースポリマーマトリクスの中にスルホン酸基を有するイオン交換樹脂を組み込むことにより、及び/又はカルボキシレート基を有するポリ電解質を組み込むことによって得られる。米国特許出願公開第2006/0246285号がその製造プロセスを記載している。
代替的に、本出願による望ましい負電荷密度を有する繊維は、適切なイオン基を有するポリマーの化学合成によって得ることができる。
好ましい一実施形態により、本発明の材料の中に使用される電気陰性繊維は、アクリル系ポリマー及び特にアクリロニトリル/塩化ビニルコポリマーを、イオン交換基を有するアミンと反応させることによって得られる。そのような繊維は、特に、カネカ(Kaneka)によりカネカロン(Kanecaron)イオン交換繊維(登録商標)の商品名で販売されている。欧州特許出願公開第2703556号がその製造プロセスを記載している。
材料
本発明による材料は、織布又は不織布材料、ニット、糸、繊維の束又はクラスタの形態にすることができる。
好ましくは、本発明による材料は、不織布、織布又はニットからなるリストから選択されることが好ましい材料の形態である。
繊維は、高坪量の織物材料、即ち75g/mを上回る坪量を有する材料を得ることを可能にする条件下でアセンブルされることが好ましい場合もある。
接触層
特定の一実施形態により、その良好なフィブリン付着及び粘着性に悪影響を及ぼさない限り、本発明による材料は、創傷と接触することが意図された、材料の面上の接触層で部分的に覆うことができ、前記層は創傷の滲出物の通過を可能にする開口を備える。
有利なことに、接触層は微小接着剤であると考えられ、即ち、本発明の材料を創傷に一時的に貼り付けることを可能にする。次いで、アセンブリを、創傷又は周囲皮膚の構造が悪影響を受けないように除去することができ、その結果前記アセンブリは位置換え可能であり看護を容易にする。この一時的な貼付はさらに、看護者又はユーザが材料を他の固定手段で固定する、例えば、支持手段又は接着テープで材料を覆うのに役立つ。この場合、接触層は、0.5cN/cmと100cN/cmの間、好ましくは5cN/cmと40cN/cmの間の、鋼板上の接着強度を有するように選択することができる。この接着強度は、方法EN1939に従って計測され、その場合、20mm幅及び150mm長の接触層の試料が鋼板の上に置かれ、10分後に接着強度が、動力計により90°角において100mm/minの引っ張り速度において計測される。
接触層は、エラストマーマトリクス及び親水コロイドを含む組成物、具体的には内部に親水コロイドが好ましく均一に分散したエラストマーマトリクスから形成されることが好ましいであろう。
親水コロイドの割合は、前記組成物の重量の2重量%と20重量%の間であることが好ましい。
接触層は、具体的には、創傷と接触するように意図されたケーシングの面の55%と65%の間を覆うことができる。
接触層は、110g/mから500g/mまで、好ましくは150g/mから200g/mまでの範囲の坪量を有することが好ましい。
接触層は、有利なことに、治癒材料の除去の際に創傷に引っ付かず、いかなる痛みも避けることを可能にする。これは、創傷の表面に湿潤環境を保持すると同時に不織材料との接触を避けることにより、治癒を向上させる。親水コロイドの組み込みは、エラストマー組成物に親水性を与え、創傷の治療を促進することができる活性薬剤の送達を促進する。
前記組成物は、ポリ(スチレン−オレフィン−スチレン)ブロックポリマーから選択される1つ又はそれ以上のエラストマーを備える。本発明の文脈において使用されるブロックコポリマーは、2つのスチレン熱可塑性末端ブロックA及びオレフィンであるエラストマー中央ブロックBを備えたABA型のトリブロックコポリマーに、オプションとしてスチレン熱可塑性ブロックA及びオレフィンであるエラストマーブロックBを備えたAB型のジブロックコポリマーを組み合わせたものが有利である。これらのコポリマーのオレフィンブロックBは、例えばイソプレン若しくはブタジエンなどの不飽和オレフィン、又は、例えばエチレン−ブチレン若しくはエチレン−プロピレンなどの飽和オレフィンから構成することができる。
トリブロックコポリマーABAとジブロックコポリマーABの混合物の場合、すぐに入手可能なトリブロックコポリマーABAとジブロックコポリマーABの市販の混合物を使用すること、又は、2つの独立に入手可能な製品から事前に選択された任意の割合の混合物を生成することが可能であろう。
不飽和中央ブロックを有するトリブロックコポリマーは当業者には周知のものであり、特に、Kraton PolymersによりKRATON(登録商標)Dの名称で販売されている。
ポリ(スチレン−イソプレン−スチレン)(SISと略記する)コポリマーの例として、KRATON(登録商標)D1107又はKRATON(登録商標)D1119 BTの名称で販売されている製品、或いは、Exxon Mobil ChemicalによりVECTOR(登録商標)の名称で販売されている製品、例えば、VECTOR(登録商標)4113の名称で販売されている製品など、を挙げることができる。ポリ(スチレン−ブタジエン−スチレン)コポリマーの一例は、KRATON(登録商標)D1102の名称で販売されている製品である。
トリブロックコポリマーABAと、BがイソプレンであるジブロックコポリマーABとの市販の混合物の例として、Exxon Mobil ChemicalによりVECTOR(登録商標)4114の名称で販売されている製品を挙げることができる。
イソプレン又はブタジエンをベースとする全てのこれらコポリマーは、一般に、前記コポリマーの全重量に相対的な重量で10%と52%の間のスチレン含量を有する。
本発明の文脈において、ポリ(スチレン−イソプレン−スチレン)(SISと略記する)トリブロックコポリマーであって、前記ポリ(SIS)の重量に相対的な重量で14%と52%の間、好ましくは14%と30%の間のスチレン含量を有するコポリマーが使用されることが好ましいであろう。
好ましくは、本発明の組成物を製造するために、トリブロックコポリマー、具体的にはKraton PolymersによりKRATON(登録商標)D1119BTの名称で販売されている製品が使用されることになる。
飽和中央ブロックを有するトリブロックコポリマーもまた当業者には周知のものであり、例えば、
− ポリ(スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン)(SEBSと略記する)ブロックコポリマーに関しては、Kraton PolymersによりKRATON(登録商標)Gの名称で、具体的には、KRATON(登録商標)G1651、KRATON(登録商標)G1654又はKRATON(登録商標)G1652の名称で、
− ポリ(スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン)(SEPSと略記する)ブロックコポリマーに関しては、KurarayによりSEPTON(登録商標)の名称で、
販売されている。
トリブロックコポリマーとジブロックコポリマーの市販の混合物の一例として、Kraton Polymersにより、オレフィンブロックがエチレン−ブチレンであるKRATON(登録商標)G1657の名称で販売されている製品を挙げることができる。
本発明の文脈内で製造することができる、トリブロックコポリマーとジブロックコポリマーの特定の混合物の一例として、
− トリブロックSEBS、具体的にはKraton PolymersによりKRATON(登録商標)G1651の名称で販売されている製品などと、
− ポリ(スチレン−オレフィン)ジブロックコポリマー、具体的には、Kraton PolymersによりKRATON(登録商標)G1702の名称で販売されているポリ(スチレン−エチレン−プロピレン)などと
の混合物を挙げることができる。
本発明の文脈において、SEBS又はSEPSトリブロックコポリマーであって、前記SEBS又はSEPSの重量に相対的な重量で25%と45%の間のスチレン含量を有するコポリマーが好ましいであろう。トリブロックのブロックコポリマー、具体的にはKraton Polymers社によりKRATON(登録商標)G1651及びKRATON(登録商標)G1654の名称で販売されている製品を使用することが好ましいであろう。
一般に、エラストマーは、ブロックコポリマーのオレフィン中央ブロックの飽和性又は不飽和性に応じた適切な量が使用されることになる。従って、不飽和中央ブロックを有するトリブロックコポリマーの場合には、組成物の全重量に相対的な重量で10%から30%、好ましくは10%から20%のオーダの量が使用されることになる。飽和中央ブロックを有するトリブロックコポリマーの場合には、組成物の全重量に相対的な重量で3%から10%、好ましくは4%から7%のオーダの量が使用されることになる。
用語「親水コロイド」又は「親水コロイド粒子」は、本明細書においては、水、生理食塩水又は創傷滲出物などの水性液体を吸収するその能力のために、当業者によって習慣的に使用される任意の化合物を意味することが意図されている。
適切な親水コロイドとして、例えば、ペクチン、アルギン酸、天然植物ゴム、例えば、具体的にはカラヤゴムなど、カルボキシメチルセルロースのようなセルロース誘導体及びそれらのナトリウム又はカルシウムなどのアルカリ金属塩、並びに、「超吸収剤」の名称で知られているアクリル酸塩をベースとする合成ポリマー、例えば、BASFによりLUQUASORB(登録商標)1003の名称で、又はCiba Specialty ChemicalsによりSALCARE(登録商標)SC91の名称で販売されている製品、並びに、これらの化合物の混合物を挙げることができる。
これらの超吸収剤の幾つかは、10マイクロメートル未満の粒径を有するので「マイクロコロイド」として分類され、勿論、組成物の製造の状況において使用することができる。
本発明の文脈において好ましい親水コロイドは、カルボキシメチルセルロースのアルカリ金属塩、具体的にはカルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)である。親水コロイド粒子のサイズは、例えば50ミクロンと100ミクロンの間、特に80ミクロンのオーダである。
エラストマー組成物に組み込まれる親水コロイドの量は、エラストマー組成物の全重量に相対的な重量で、2%から20%、好ましくは5%から18%、さらにより好ましくは8%から18%、さらにより好ましくは12%から16%のオーダであることが有利となる。有孔接触層内に過剰な量で導入される親水コロイドは、ゲルが生じるので超吸収性繊維をベースとする不織布の吸収容量を減らす。実際に、親水コロイドの高い吸収容量は、メッシュの孔を塞ぎ得るほどに大きく接触層の膨潤を引き起こす。不織布はもはや直接に滲出物を吸収せず、親水コロイド吸収性層内に存在する滲出物を吸収するが、これは複合材料の吸収容量を減らし、離解の問題を生じる。
好ましい一実施形態により、接触層は、ポリ(スチレン−オレフィン−スチレン)ブロックポリマーから選択され、伸縮性、柔軟性、押出性又は加工特性を改善するための1つ又はそれ以上の可塑化化合物(単数又は複数)と組み合わせられた、1つ又はそれ以上のエラストマーを備えることができる。
それらは、使用されるブロックコポリマーのオレフィン中央ブロックと適合する液体化合物であることが好ましいであろう。
この目的のために使用することができる可塑化化合物の中で、中央ブロックの性質に関わらず、特に可塑化ミネラルオイルを挙げることができる。さらに、ポリブテン、例えば、BP ChemicalsによりNAPVIS(登録商標)10の名称で販売されている製品など、又は、中央ブロックが不飽和であるとき、フタル酸ジオクチル若しくはアジピン酸ジオクチルのようなフタル酸誘導体を挙げることができる。
代替的に、飽和炭化水素の液体混合物をベースとする合成品、例えば、TotalによりGEMSEAL(登録商標)の名称で販売されている製品、具体的には、完全に水素化された石油留分から誘導されるイソパラフィン混合物である製品GEMSEAL(登録商標)60を使用することも可能である。飽和中央ブロックを備えたトリブロックコポリマーとともにこれらの製品を使用することが好ましいであろう。
本発明の文脈において、可塑化オイル、具体的には、パラフィン系、ナフタレン系若しくは芳香族系の化合物又はこれらの様々な割合の混合物から形成されるミネラルオイルを使用することが好ましいであろう。
特に適切な可塑化オイルの中で、
− ShellによりONDINA(登録商標)及びRISELLA(登録商標)の名称で販売されている、ナフタレン系及びパラフィン系化合物をベースとする混合物で構成される製品、
− CATENEX(登録商標)の名称で販売されている、ナフタレン系、芳香族系及びパラフィン系化合物をベースとする混合物で構成される製品、
を挙げることができる。
ONDINA(登録商標)933及びONDINA(登録商標)919の名称で販売されている製品から選択されたミネラル可塑化オイルを使用することが特に好ましいであろう。
これらの可塑化化合物は、親水コロイドエラストマー組成物の全重量に相対的な重量で、20%から65%、好ましく30%から50%のオーダの量で使用することができる。
一実施形態により、これらの組成物は付着性であると言われる、即ち、それらは創傷に付着せずに皮膚に付着する性質を有する。それらは、エラストマーをベースとする感圧性接着剤の調製に当業者により習慣的に使用されるもののような「粘着付与剤」と呼ばれる1つ又はそれ以上の化合物を含む。これらの製品の詳細な記述に関しては、Donatas Satasによる著作物「Handbook of Pressure Sensitive Technology」第3版、1999年、346〜398ページを引用することができる。
一般に、1つ(又はそれ以上)の粘着付与製品を使用することが可能であり、これらは親水コロイドエラストマー組成物の全重量に相対的な重量で1%から50%のオーダの割合でエラストマーマトリクスに組み込まれることになり、この割合は、ケーシングのための所望の微小接着強度を達成するために、それらの他の成分の性質及び相対的割合の関数として決定されることになる。
好ましくは、粘着付与製品(単数又は複数)は、親水コロイドエラストマー組成物の全重量に相対的な重量で10%から45%、より好ましくは15%から40%を示すことになる。
本発明の文脈において使用することができる粘着付与製品は、粘着付与樹脂、低分子量ポリイソブチレン又はそれらの混合物から選択することができるであろう。
本発明により使用することができる粘着付与樹脂の中で、修飾テルペン又はポリテルペン樹脂、ロジン樹脂、炭化水素樹脂、環状、芳香族及び脂肪族樹脂の混合物、又はこれらの樹脂の混合物を挙げることができる。
そのような製品は、例えば、
− Arakawa Chemical Industriesにより、水素化ポリシクロペンタジエン樹脂であるARKON(登録商標)Pの名称で、
− Exxon Chemicalにより、ESCOREZ(登録商標)の名称で、具体的には水素化された樹脂の5000シリーズとして、
− Goodyearにより、WINGTACK(登録商標)の名称で、具体的には、C5/C9コポリマーから形成された合成樹脂であるWINGTACK(登録商標)86又は合成ポリテルペンをベースとする樹脂であるWINGTACK(登録商標)10として、
− Hercules社により、KRISTALEX(登録商標)の名称で、具体的には、α−メチルスチレンをベースとする樹脂であるKRISTALEX(登録商標)3085として、
販売されている。
一般に、不飽和樹脂の発色及び安定性の問題を避けるために、水素化樹脂を、特に、飽和中央ブロックを有するトリブロックコポリマーとともに使用することが好ましく、その理由は、それらが、後者に対して、不飽和中央ブロックを有するトリブロックコポリマーとともに基本的に使用されるWINGTACKタイプの不飽和樹脂よりも遥かによく適合するからである。
後者の中で、5000シリーズのESCOREZ(登録商標)樹脂、もっとも具体的にはESCOREZ(登録商標)5380樹脂を使用することが好ましいであろう。
粘着付与樹脂は単独で又は他の粘着付与製品との混合物として、組成物の全重量に相対的な重量で、好ましくは10%から50%、より好ましくは15%から40%の割合で使用することができる。
粘着付与製品として使用することができる低分子量ポリイソブチレンの中で、40000ダルトンから80000ダルトンのオーダの分子量を有するポリイソブチレン、例えば、BASFにより、OPPANOL(登録商標)の名称で販売されている製品、具体的にはOPPANOL(登録商標)B12及びOPPANOL(登録商標)B15の名称で販売されている製品、又は、Exxon Chemicalにより、Vistanexの名称で、特にLM−MH等級で販売されている製品を挙げることができる。
これらのポリイソブチレンは、単独で又は他の粘着付与剤との混合物として、不飽和中央ブロックを有するトリブロックコポリマーと組み合わせて使用することができるであろう。この場合、それらの割合は、組成物の全重量に相対的な重量として5%から30%まで、より好ましくは8%から15%まで変えることができるであろう。
活性剤
本発明の材料に様々な化合物、例えば、具体的には創傷治療の分野又は薬学分野において普通に使用される活性剤又は補助剤などをさらに加えることができる。
本材料は、創傷の治療に好都合な役割を果たす活性剤を含むことができる。これらの活性剤は、創傷治癒を誘発又は促進することができることが好ましい。本発明の文脈において、さらに他の活性剤、例えば、殺菌又は静菌剤、消毒剤、鎮痛剤又は麻酔剤、抗炎症剤、鎮痒剤、鎮静剤、水和剤、抗酸化剤、脱色素剤及びこれらの混合物なども使用することができる。
一般に、これらの活性剤は、
− 治癒を促進する活性剤、例えば、レチノール、ビタミンA、ビタミンE、N−アセチルヒドロキシプロリン、ツボクサ(Centella asiatica)抽出物、パパイン、シリコーン、タイム、ニアウリ、ローズマリー及びセージ精油、ヒアルロン酸、アラントイン、ヘマタイト(−Hema’tite)(gattefosse)、ビタミンC、TEGO Pep 4−17(evonik)、トニスキン(Toniskin)(silab)、コラゲニア(Collageneer)(Expanscience)、タイムコード(Timecode)(Seppic)、ガツリン(Gatuline)皮膚補修剤(gattefosse)、パンテノール、PhytoCellTec Alp ローズ(Mibelle Biochemistry)、エラシャル(Erasyal)(libragen)、セリレシン(Serilesine)(Lipotec)、ヘテロサイド・オブ・タラペトラカ(Heterosides of Talapetraka)(Bayer)、ストエチオール(Stoechiol)(codif)、マカローズ(Macarose)(Sensient)、デルマベイル(Dermaveil)(Ichimaru Pharcos)、ファイコサッカライド(Phycosaccaride)AI(Codif)、成長因子、メトホルミン、1〜4個の単糖ユニットを有する合成多硫酸化オリゴ糖、例えば、具体的には、Laboratoires Urgoにより製品Urgotul(登録商標)Startとして販売されている蔗糖のオクタ硫酸カリウム塩(KSOSの略語で知られている)、
− 殺菌又は静菌剤、例えば、ポリミキシンB、ペニシリン(アモキシシリン)、クラブラン酸、テトラサイクリン、ミノサイクリン、クロルテトラサイクリン、アミノグリコシド、アミカシン、ゲンタマイシン、ネオマイシン、プロバイオティクス、例えば、硫酸銀、塩化銀、硝酸銀、スルファジアジン銀などの銀塩、4級アンモニウム、ポリヘキサメチレンビグアニド及びクロルヘキシジンなど、
− 消毒剤、例えば、チオメルサール、エオシン、クロルヘキシジン、ホウ酸フェニル水銀、過酸化水素水溶液、デーキン溶液、トリクロサン、ビグアニド、ヘキサミジン、チモール、ルゴール液、ヨウ化ポビドン、メルブロミン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、エタノール又はイソプロノールなど、
− 鎮痛剤又は局所麻酔剤、例えば、パラセタモール、コデイン、デキストロプロポキシフェン、トラマドール、モルヒネ及びその誘導体、又はコルチコイド及び誘導体、など、
− 抗炎症剤、例えば、グルココルチコイド、非ステロイド系抗炎症剤、アスピリン、イブプロフェン、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、ジクロフェナク、アセクロフェナク、ケトロラク、メロキシカム、ピロキシカム、テノキシカム、ナプロキセン、インドメタシン、ナプロキシノド、ニメスリド、セレコキシブ、エトリコキシブ、パレコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブ、フェニルブタゾン、ニフルミン酸又はメフェナム酸、など、
− 脱色素剤、例えば、コウジ酸(コウジ酸SL(登録商標)− Quimasso(Sino Lion))、アルブチン(Olevatin(登録商標)− Quimasso(Sino Lion))、パルミトイルプロピルナトリムと、ヨーロッパ睡蓮抽出物(Sepicalm(登録商標)−Seppic)又はウンデシレノイルフェニルアラニン(Sepiwhite(登録商標)−Seppic)との混合物、など
− 鎮痒剤、例えば、ヒドロコルチゾン、エノキソロン、ジフェニルヒドラミン、局所的に適用される抗H1アンチヒスタミンなど、
− 保湿活性剤、例えば、Xpermoist(Lipotec)、ヒアルロン酸、尿素、脂肪酸、グリセロール、ワックス又はエクソシン(Exossine)(Unipex)など、
− UV遮断剤、例えば、Parsol MCX又はParsol1789など、
− 鎮静剤、例えば、カモミール、ビサボロール、キサンタレン(xanthalene)、グリシルレチン酸、タナクチン(tanactin)(CPN)又はカルミスキン(Calmiskin)(Silab)など、
− 抗酸化剤、例えば、ビタミンEなど、
から選択することができる。
好ましい一実施形態により、本発明による材料の中に導入することができる活性剤は、治癒を促進する活性剤、抗炎症剤及びこれらの混合物から選択されることが好ましい。
「治癒を促進する活性剤」は、治癒過程の任意の段階で、任意の種類の相互作用を介して、即ち、前記活性剤が塗布された接触する創傷との生物学的、化学的又は物理的性質の任意の相互作用を介して、好都合に作用することができる、任意の活性剤を意味することが意図されている。
より具体的には、本発明による材料又はそれに結合することができる接触層の中に導入することができる活性剤は、1〜4個の単糖ユニットを有する合成多硫酸化オリゴ糖、例えば、具体的には蔗糖のオクタ硫酸カリウム塩など、アスピリン、硫酸銀、スルファジアジン銀、メトホルミン及びこれらの混合物から選択されることが好ましい。
一般に、本発明による材料は、活性剤を含んだ材料の全重量に相対的な重量で0.01%から20%、好ましくは1%から15%、より好ましくは2%から10%の量の活性剤を含むことができる。
本発明の材料はさらに補助剤を含むことができ、それらの中で、染料、充填剤、臭気吸収剤又はトラッパ、pH調節剤、随意に活性剤を含むことができるマイクロカプセル若しくはマイクロスフェア、ワセリン、ポリマー、又はゲル化速度、濡れ性若しくは材料からの活性剤の放出を最適化することを可能にする界面活性剤を挙げることができる。
医療用具
本発明の別の主題は、上記の治癒を促進する材料を備えた医療用具である。「医療用具」は、病気又は怪我を防ぎ、制御し、治療し、又は和らげるために人が使用する装具の品目を意味することが意図されている。
そのような医療用具は特に包帯、特に治癒用包帯、バンデージ、又は創傷、特に創腔をパッキングするための複合材料とすることができる。
本発明は以下の非限定的な実施例においてより詳細に示される。
本発明による材料の調製
本発明による以下の3つの材料を調製した。
カネカによりカネカロンイオン交換繊維(登録商標)の名称で販売されているカチオン交換繊維モデルの繊維を使用して、97g/mの不織材料に成形した。前記不織布を構成する繊維は、1.5mmol/gの負電荷密度及び繊維1グラム当たり3gの生理食塩水の液体吸収容量を有する。
カネカによりカネカロンイオン交換繊維(登録商標)の名称で販売されているカチオン交換繊維タイプHモデルの繊維を使用して、109g/mの不織材料に成形した。これらの繊維は、1.5mmol/gの負電荷密度及び繊維1グラム当たり6.3gの生理食塩水の液体吸収容量を有する。
最後に、ケルハイムにより販売されているポセイドン3.3 dtex/40mm繊維を、紡績過程から直接得られる非変形繊維のクラスタの形態で使用した。これらの繊維は、1.55mmol/gの負電荷密度及び繊維1グラム当たり9.1gの生理食塩水の液体吸収容量を有する。
フィブリンマトリクスの体外除去試験
フィブリンマトリクスは、Brownによる刊行物「Fibroblast migration in fibrin gel matrices」、Am.J.Pathol.、1993年、142巻、273〜283ページに記載されているプロトコルに従って調製した。
使用した構成要素及び手順は以下の通りである。
以下を37℃で可溶化した。
− 50mmolのヘペス(HEPES)(シグマ−アルドリッチのカタログ)を含む5mlの水溶液、
− ヒト血漿(シグマ−アルドリッチのカタログ)からの15mgのフィブリノーゲン、
− 5mmolのCaCl
このように調製した溶液に、50μlのトロンビン及び100NIHのヒト血漿(シグマ−アルドリッチのカタログ)を加えた。
全てをペトリ皿に入れ、24時間37℃で培養した。
24時間後にフィブリンマトリクスが形成された。
第1の試験プロトコルに従って、上記の3つの試料の1つから選択した材料の試料を室温でマトリクスの上に付着させ、次いで直ちに除去する。
第2の試験プロトコルに従って、上記の3つの試料の1つから選択した材料の試料を室温でマトリクスの上に30秒間500gの重りで付着させ、次いで除去する。
従った2つのプロトコルのいずれか1つにより、本発明による材料の各々の試験した試料に関して、除去により、フィブリンがペトリ皿から剥離し、除去された材料の表面に単一片で移行することを観察した。これは、各々の行った試験プロトコルに対して事実であった。
並行して、比較試験を行った。
それゆえに、カルボキシメチルセルロース繊維からなる不織圧縮タイプの製品でアクアセル(Aquacel)(登録商標)の名称で販売されているものを、上記の第2のプロトコルに従って、フィブリンマトリクスの体外除去において試験した。
このカルボキシメチルセルロース繊維は1.5mmol/gの負電荷密度及び繊維1グラム当たり24.1gの生理食塩水吸収容量を有する。
フィブリンマトリクスがペトリ皿から剥離しないことが観察されている。さらに、材料を滲出物模擬物(液体溶液など)と接触するように配置するとき、カルボキシメチルセルロース繊維ゲルからなる前記材料は、ほとんど粘着性がなくなり、従って、いずれの場合にも前記材料を引き裂かずに除去することが不可能となった。
今度はアルギン酸繊維からなる別の不織圧縮タイプ製品でアルゴステリル(Algosteril)(登録商標)の名称で販売されているものを、上記の第2のプロトコルに従って、フィブリンマトリクスの体外除去において試験した。
このアルギン酸繊維は5.10mmol/gの負電荷密度及び繊維1グラム当たり12.8gの生理食塩水吸収容量を有する。
ここでは、前記製品は単一片として除去されるが、フィブリンマトリクスはペトリ皿から剥離しないことが観察されている。フィブリン付着はゼロである。

Claims (13)

  1. 0.01mmol/gと5mmol/gの間の負電荷密度及び繊維1グラム当たり9.5g未満の生理食塩水の液体吸収容量を有する少なくとも1つの電気陰性繊維を含んだ創傷治癒に使用するための材料。
  2. 創傷洗浄に使用するための、請求項1記載の材料。
  3. 前記電気陰性繊維は、0.05mmol/gと4mmol/gの間、好ましくは0.1mmol/gと2mmol/gの間の負電荷密度を有することを特徴とする、請求項1又は2のいずれか1項に記載の材料。
  4. 前記電気陰性繊維はポリマー繊維であり、前記繊維を構成する前記ポリマーは、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン及びそれらのコポリマー、ポリウレタン、アクリルポリマー、ポリアクリレート及びそれらのコポリマー、並びにセルロースポリマー及びそれらの混合物のうちから選択されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の材料。
  5. 前記電気陰性繊維を構成するポリマーは、セルロースポリマー、好ましくはセルロース誘導体若しくはビスコース、又はアクリルポリマー、好ましくはアクリロニトリルと塩化ビニルのコポリマーであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の材料。
  6. 前記電気陰性繊維は、前記繊維の製造中に、カチオン若しくはポリ電解質交換特性を有する粒子を組み込むことにより、又は適切なイオン基を有するポリマーの化学合成によって得られることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の材料。
  7. 前記電気陰性繊維は、ビスコースポリマーマトリクス中に、スルホン酸基を有するイオン交換樹脂を組み込むことにより、及び/又はカルボキシレート基を有するポリ電解質を組み込むことにより、或いはアクリル系ポリマー、具体的にはアクリロニトリル/塩化ビニルコポリマーを、イオン交換基を有するアミンと反応させることによって得られることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の材料。
  8. 不織布、織布又はニットの形態であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の材料。
  9. 75g/mを上回る坪量を有することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の材料。
  10. 前記創傷と接触するように意図された、前記材料の面上の接触層で部分的に覆われ、前記層は創傷滲出物の通過を可能にする開口を備えることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の材料。
  11. 創傷治癒を促進する活性剤を含むことを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の材料。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の材料を備えた医療用具であって、包帯又はバンデージである医療用具。
  13. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の材料を備えた医療用具であって、創腔をパッキングするための複合材料である医療用具。

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