JP2017528117A - 多重特異性抗体コンストラクト - Google Patents

多重特異性抗体コンストラクト Download PDF

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Abstract

本開示は、a)式(I):VH−CH1−CH2−CH3−X−(V1)pのポリペプチド鎖;およびb)式(II):VL−CL−Y−(V2)qのポリペプチド鎖を含む、またはからなる多重特異性抗体分子および例えば、治療に使用するための、を含む医薬製剤に関する。本開示はまた、前記多重特異性抗体分子をコードするポリヌクレオチド配列、該ポリヌクレオチドを含むベクターおよび前記ベクターおよび/またはポリヌクレオチド配列を含む宿主細胞を提供する。宿主細胞から本開示の多重特異性抗体分子を発現する方法が提供される。【選択図】図1

Description

本開示は、特定の多重特異性抗体コンストラクト、そのコンストラクトを含む医薬製剤、コンストラクトをコードするDNAおよびそれを含むベクターに関する。本開示はまた、例えば、宿主細胞において、コンストラクトを発現する方法および医薬組成物としてそれを処方する方法に及ぶ。本開示はまた、多重特異性抗体コンストラクトおよび治療での製剤の使用に関する。
二重特異性抗体を作成するための多くのアプローチがあり、その多くは、Morrisonらによって最初に記載されたフォーマットに基づいており(ColomaおよびMorrison 1997年、Nat Biotechnol. 15、159−163)、全抗体、例えば、IgG、または抗体断片、例えば、FabまたはF(ab’)に対する一本鎖可変断片(scFv)の融合を含む。
US2008/0050370は、「安定化された」scFvを含む特定の二重特異性抗体分子を開示する。このタイプの分子は、それらが特異的である抗原に対して良好な結合親和性を有し、抗原結合部位の有意な閉塞は、そのフォーマットで起こらない。そのような二重特異性分子で使用されるscFvのVおよびVドメインは、ペプチドリンカーを使用して一緒に保存される。しかしながら、VおよびV可変ドメインの特定の組み合わせについて、ペプチドリンカーは、scFvに十分な安定性を付与することができず、可変ドメインの「ゆらぎ(breathing)」および可変ドメインとの無差別な分子間対合をもたらし、したがって、その一本鎖Fv部分を介して発現中および精製後、多重体を形成する傾向がある。
本発明者らは、関連する多重特異性抗体分子を再改変して同等の機能性を有する抗体分子を提供する一方で、発現および/または精製後の多量体化を最小限に抑えるようにし、これは、得られる「モノマー」材料の収率を高めることを容易にし、精製、濃縮および治療での使用に適した安定性の製剤化後の分子を提供する。
したがって、1つの側面において、本開示は、
a)式(I):V−CH−CH−CH−X−(Vのポリペプチド鎖;および
b)式(II):V−C−Y−(Vのポリペプチド鎖
を含む、またはからなる多重特異性抗体分子を提供し、
ここで、Vは、重鎖可変ドメインを表し;
CHは、重鎖定常領域のドメイン、例えば、そのドメイン1を表し;
CHは、重鎖定常領域のドメイン、例えば、そのドメイン2を表し;
CHは、重鎖定常領域のドメイン、例えば、そのドメイン3を表し;
Xは、結合またはリンカーを表し;
Yは、結合またはリンカーを表し;
は、dsFv、sdAb、dsscFv、またはscFv、例えば、dsFv、dsscFv、またはscFvを表し;
は、可変ドメイン、例えば、軽鎖可変ドメインを表し;
は、定常領域、例えば、Cκなどの軽鎖定常領域からのドメインを表し;
は、dsFv、sdAb、dsscFv、または、scFv、例えば、dsFv、dsscFv、またはscFvを表し;
pは、0または1を表し;
qは、0または1を表し;
ここで、pの少なくとも1つは、1であり、および
ここで、VまたはVの少なくとも1つは、dsFvであり、および
ここで、VがdsFvであり、pが1であり、qが0である場合、該分子は、式(I)の2つの重鎖および式(II)の2つの関連する軽鎖を有する二量体として提供される。
1つの態様において、VがdsFvであり、pが0であり、qが1である場合、該分子は、式(I)の2つの重鎖および式(II)の2つの関連する軽鎖を有する二量体として提供される。
1つの態様において、VがdsFvであり、qが0であり、式(I)の少なくとも2つのポリペプチド鎖、例えば、Y型分子中で組み立てられた(式(I)の)2つの重鎖および(式(II))の2つの軽鎖を有する完全長抗体フォーマットがある。
1つの態様において、
a)式(Ia):V−CH−CH−CH−X−Vのポリペプチド鎖;および
b)式(IIa):V−Cのポリペプチド鎖
を含む、またはからなる多重特異性抗体分子を提供し、
ここで、V、CH、CH、CH、X、V、CおよびVは、上記で定義される。
式(Ia)のポリペプチド中のVがdsFvである場合、多重特異性抗体は、Xに結合されない対応する遊離VまたはVドメインをコードする第3のポリペプチドドを含むだろう。この「遊離可変ドメイン」は、一般的に、両方の重鎖で共通であり、ジスルフィド結合によりXに結合される可変ドメインに結合する。したがって、ポリペプチドにXを介して融合または結合される実際の可変ドメインは、「全長抗体」のフォームで2つの重鎖で異なってもよく、それと対になる遊離可変ドメインは、一般的に互いに同一であるだろう。典型的には、Xを介してポリペプチドの残りに融合される可変ドメインは、二量体の両方の重鎖において同一であるだろう。
1つの態様において、式(I)の2つのポリマーを含む二量体を提供し、ここで、各ポリペプチドにおけるVは、同一であり、任意に、式(II)の2つのポリペプチドをさらに含む。
1つの態様において、
a)式(Ib):V−CH−CH−CHのポリペプチド鎖;および
b)式(IIb):V−C−Y−Vのポリペプチド鎖
を含む、またはからなる多重特異性抗体分子を提供し、
ここで、V、CH、CH、CH、Y、V、C、YおよびVは、上記で定義される。
式(IIb)のポリペプチドにおけるVがdsFvである場合、多重特異性抗体は、Yに結合されない対応する遊離VまたはVドメインをコードする第3のポリペプチドを含むだろう。この「遊離可変ドメイン」は、両方の軽鎖に共通であり、ジスルフィド結合によりYに結合される可変ドメインに結合するだろう。したがって、ポリペプチドにYを介して融合されるまたは結合される実際の可変ドメインは、「完全長抗体」のフォームで2つの軽鎖と異なってもよく、それと対になる遊離可変ドメイン対は、一般的に、互いに同一であるだろう。典型的には、ポリペプチドの残りにXを介して融合されるまたは結合される可変ドメインは、二量体の両方の軽鎖で同一であるだろう。
1つの態様において、
a)式(Ia):V−CH−CH−CH−X−Vのポリペプチド鎖;および
b)式(IIb):V−C−Y−Vのポリペプチド鎖
を含む、またはからなる多重特異性抗体分子を提供し、
ここで、V、CH、CH、CH、Y、V、C、X、Y、VおよびVは、上記で定義される。
それぞれ式(Ia)および(IIb)のポリペプチドにおけるVおよびVは、YまたはXに結合されない対応する遊離VまたはVドメインをコードする第3のポリペプチドを含むだろう。この「遊離可変ドメイン」は、一般的に、両方の重および軽鎖に共通であり、ジスルフィド結合によりYまたはXに結合される可変ドメインに結合するだろう。したがって、ポリペプチドにXまたはYを介して融合されるまたは結合される実際の可変ドメインは、「完全長抗体」のフォームで重または軽鎖と異なってもよく、それと対になる遊離可変ドメイン対は、一般的に、互いに同一であるだろう。
1つの態様において、pが0である場合、Xは存在しない。1つの態様において、qが0である場合、Yは存在しない。
有利には、本開示の多重特異性抗体分子は、精製後に見られる凝集の量を最小にし、医薬濃度でコンストラクトの製剤中のモノマーの量を最大にし、例えば、モノマーは、50%、60%、70%または75%以上であってもよく、例えば、精製されたタンパク質の80、90、91、92、93、94、95、96、97、98または99%以上は、「モノマー」として存在する。
本発明の詳細な説明
本明細書中で使用される場合、「多重特異性抗体」は、2以上の結合ドメイン、例えば、2または3の結合ドメインを有する本明細書中で記載されるような抗体分子を指す。
1つの態様において、抗体コンストラクトは、三重特異性抗体である。
本明細書中で使用される場合、「三重特異性抗体」は、3つの抗原結合部位を有する抗体分子を指し、これは、独立して、同じまたは異なる抗原を結合し得る。
1つの態様において、コンストラクトは、二重特異性抗体である。
本明細書中で使用される場合、「二重特異性抗体」は、2つの抗原結合部位を有する分子を指し、これは、同一または異なる抗原を結合し得る。
1つの態様において、ドメインは全て、同一の抗原に結合し、抗原上で同じエピトープを結合すること、または抗原上で異なるエピトープを結合することを含む。
1つの態様において、3つの結合ドメインがあり、3つの結合ドメインのそれぞれは、異なる(区別できる)抗原を結合する。
1つの態様において、3つの結合ドメインがあり、2つの結合ドメインは、同じ抗原を結合し、同じ抗原上で同じエピトープまたは異なるエピトープを結合することを含み、第3の結合ドメインは、異なる(区別できる)抗原を結合する。
1つの態様において、本開示の多重特異性抗体分子は、2つの抗原結合部位のみを有する。多重特異性抗体分子が4つの抗原結合部位があるよに二量体化する場合、これらは、典型的に、依然として2つの異なる抗原にしか結合しないことが理解されるだろう。したがって、1つの態様において、1つの抗原を結合する結合ドメインの1つの対および第2の異なる抗原を結合する結合ドメインの他の対の4つの結合ドメインがある。
本明細書中で使用される場合、「抗原結合部位」は、分子の部分を指し、これは、可変領域の1対、特に、標的抗原と特異的に相互作用する同族対を含む。
本明細書中で使用される場合、結合ドメインは、単一ドメイン抗体、すなわち、可変領域および抗原結合部位を含む。
本明細書中で使用される場合、「特異的に」は、特異的である抗原のみを認識する結合部位または非特異的である抗原と比較して、有意に高い、例えば、5、6、7、8、9、10倍より高い、結合親和性を有する結合部位を指すことを意図する。
結合親和性は、標準的なアッセイ、例えば、BIAcoreなどの表面プラズモン共鳴によって測定され得る。
本明細書中で使用される場合、「タンパク質」は、100アミノ酸以上のアミノ酸配列を指す。1つの態様において、本明細書中で使用される場合、「タンパク質」は、二次または三次構造を有するアミノ酸配列を指す。1つの態様において、タンパク質は、基本配列を含むアミノ酸の数ではなく、分子中の二次および/または三次構造のレベルによって決定される。
本明細書中で使用される場合、用語「抗体」は、免疫グロブリン分子の可変領域に位置する、少なくとも1つの抗原認識部位(また、本明細書中で結合部位として言及される)を介して、標的抗原、例えば、炭化水素、ポリヌクレオチド、脂質、ポリペプチド、ペプチドに特異的に結合することができる免疫グロブリン分子を指す。
本明細書中で使用される場合、「抗体分子」は、抗体およびその結合断片を含む。
本明細書中で使用される場合、「抗体断片」は、上記のいずれかのFab、修飾Fab、Fab’、 修飾Fab’、F(ab’)2、Fv、単一ドメイン抗体、scFv、2価、3価または4価抗体、Bis−scFv、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディおよびエピトープ結合断片を含む抗体結合断片を指すが、これらに限定されない(例えば、HolligerおよびHudson, 2005年, Nature Biotech. 23(9):1126−1136; AdairおよびLawson, 2005年, Drug Design Reviews − Online 2(3), 209−217参照)。これらの抗体断片を作成するまたは製造する方法は、当該分野で周知である(例えば、Vermaら1998年, Journal of Immunological Methods, 216:165−181参照)。本開示における使用のための他の抗体断片は、国際特許出願WO05/003169、WO05/003170およびWO05/003171で記載されるFabおよびFab’断片を含む。多価抗体は、複数の特異性、例えば、二重異性を含みうる、または単一特異性であってもよい(例えば、WO92/22853、WO05/113605、WO2009/040562およびWO2010/035012参照)。
本明細書中で使用される場合、「結合断片」は、ペプチドまたは抗原に特異的な断片を特徴付けるのに十分な親和性を有する標的ペプチドまたは抗原を結合することができる断片を指す。
本明細書中で使用される場合、用語「Fab断片」は、軽鎖のVL(可変軽鎖)ドメインおよび定常ドメイン(CL)、および重鎖のVH(可変重鎖)ドメインおよび第1の定常ドメイン(CH1)を含む軽鎖断片を含む抗体断片を指す。Fab断片は、一般的に、ヒンジ領域を含まないが、Fab’は、ヒンジ領域を含む。
本開示の抗体分子の定常領域ドメインは、抗体分子の提案された機能、特に必要とされ得るエフェクター機能を考慮して選択され得る。例えば、定常領域ドメインは、ヒトIgA、IgD、IgE、IgGまたはIgMドメインであってもよい。特に、ヒトIgG定常領域ドメインが使用されてもよく、特に抗体分子が治療用途に意図され、抗体エフェクター機能が要求される場合、IgG1およびIgG3アイソタイプを使用し得る。あるいは、抗体分子が治療目的であり、抗体エフェクター機能が必要とされない場合、IgG2およびIgG4アイソタイプが使用される。
1つの態様において、本開示のコンストラクトで使用される定常ドメインは、IgGアイソタイプ、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4およびそれらの組み合わせ、特にアイソタイプIgG1またはIgG4から独立して選択される。
これらの定常領域ドメインの配列変異体もまた、使用され得ることが理解されるだろう。例えば、位置241でセリンが、Angalら1993年, Molecular Immunology, 1993年, 30:105−108で開示されるように、プロリンに変化されたIgG4分子が、使用され得る。したがって、抗体がIgG4抗体である態様において、抗体は、突然変異S241Pを含み得る。
抗体は、様々な翻訳後修飾を受け得ることも当業者によって理解されるだろう。これらの修飾のタイプおよび程度は、しばしば抗体並びに培養条件を発現するために使用される宿主細胞株に依存する。そのような修飾は、グリコシル化、メチオニン酸化、ジケトピペラジン形成、アスパラギン酸異性化およびアスパラギン酸脱アミド化でのバリエーションを含み得る。頻繁な修飾は、カルボキシペプチダーゼの作用によりカルボキシ末端塩基性残基(リシンまたはアルギニンなど)の損失である(Chromatography 705:129−134, 1995年のHarris, RJ. Journalに記載されるように)。したがって、抗体重鎖のC末端リシンは、存在しなくてもよい。
が、本開示の化合物においてdsFvである場合、式(I)(または本明細書中で記載されるような別の式)のポリペプチドは、式(I)の融合ポリペプチドの一部である可変ドメインへのジスルフィド結合を介して結合される単一可変ドメインを含むことは、当業者にとって明らかであるだろう。
が、本開示の化合物においてdsFvである場合、式(I)(または本明細書中で記載されるような別の式)のポリペプチドは、式(I)の融合ポリペプチドの一部である可変ドメインへのジスルフィド結合を介して結合される単一可変ドメイン(Vの成分)を含むことは、当業者にとって明らかであるだろう。
本明細書中で使用される場合、融合ポリペプチドは、連続ポリペプチド鎖であり、一般的に、例えば、組換え技術によって調製される天然に一緒に見出されない成分を含む。
1つの態様において、本開示に係る多重特異性抗体分子は、以下の重および軽鎖の二量体として提供される:
それぞれ式(I)および(II)、ここで、V−C部位と一緒のV−CH部位は、機能的FabまたはFab’断片を形成する;または
それぞれ式(Ia)および(IIa)、ここで、V−C部位と一緒のV−CH部位は、機能的FabまたはFab’断片を形成する;または
それぞれ式(Ib)および(IIb)、ここで、V−C部位と一緒のV−CH部位は、機能的FabまたはFab’断片を形成する;または
それぞれ式(Ia)および(IIb)、ここで、V−C部位と一緒のV−CH部位は、機能的FabまたはFab’断片を形成する。
別の態様において、本開示に係る多重特異性抗体分子は、以下の重および軽鎖の2X二量体を含む四量体として提供される:
それぞれ式(I)および(II)、ここで、V−C部位と一緒のV−CH−CH−CH部位は、例えば、機能的IgGを形成する;または
それぞれ式(Ia)および(IIa)、ここで、V−C部位と一緒のV−CH−CH−CH部位は、例えば、機能的IgGを形成する;または
それぞれ式(Ib)および(IIb)、ここで、V−C部位と一緒のV−CH−CH−CH部位は、例えば、機能的IgGを形成する;または
それぞれ式(Ia)および(IIb)、ここで、V−C部位と一緒のV−CH−CH−CH部位は、例えば、機能的IgGを形成する。
は、可変ドメイン、例えば、重鎖可変ドメインを表す。1つの態様において、Vは、重鎖可変ドメインを表す。1つの態様において、Vは、キメラ可変ドメインであり、すなわち、それは、少なくとも2つの種、例えば、ヒトフレームワークおよび非ヒトCDRに由来する成分を含む。1つの態様において、Vは、ヒト化される。1つの態様において、Vは、ヒトである。
は、可変ドメイン、例えば、軽鎖可変ドメインを表す。1つの態様において、Vは、軽鎖可変ドメインを表す。1つの態様において、Vは、キメラ可変ドメインであり、すなわち、少なくとも2つの種、例えば、ヒトフレームワークおよび非ヒトCDRに由来する成分を含む。1つの態様において、Vは、ヒト化される。1つの態様において、Vは、ヒト化される。1つの態様において、Vは、ヒトである。
通常、VおよびVは、一緒に抗原結合ドメインを形成する。1つの態様において、VおよびVは、同族対(cognate pair)を形成する。
本明細書中で使用される場合、「同族対」は、インビボで発生された単一抗体からの可変ドメインの対、すなわち宿主から単離される可変ドメインの自然に生じる対合を指す。したがって、同族対は、VおよびV対である。1つの例において、同族対は、共同的に、抗原を結合する。同族対は、しばしば宿主内で成熟された親和性であるので、したがって、それらが特異的である抗原に対する高い親和性を有し得ることが有利であり得る。
本明細書中で使用される場合、「可変領域」は、CDRおよびフレームワーク、特に適切なフレームワークを含む抗体鎖での領域を指す。
本開示で使用される可変領域は、通常、抗体に由来し、これは当該分野で公知の任意の方法によって発生され得る。
本明細書中で使用される場合、「に由来する」は、使用される配列または使用される配列に非常に類似する配列は、抗体の軽または重鎖などの元の遺伝物質から得られたという事実を指す。
本明細書中で使用される場合、「自然に発生するドメインの誘導体」は、自然に発生する配列中の1、2、3、4または5つのアミノ酸が、置換または欠失されている場合、例えば、望ましくない特性を排除することによってなどドメインの特性を最適化することを指すことを意図され、ここで、ドメインを特徴付ける特徴(複数可)は保持される。修飾の例は、グリコシル化部位、GPIアンカー、または溶媒暴露リジンを除去するものである。これらの修飾は、保存的アミノ置換で関連するアミノ酸残基を置換することによって達成されることができる。
1つの態様において、本開示の抗体分子またはその抗体/断片成分は、標的抗原(単数)または抗原(複数)に対する改善された親和性を提供するように処理される。そのような変異体は、CDRを変異すること(Yangら J. Mol. Biol., 254, 392−403, 1995年)、鎖シャッフリング(MarksらBio/Technology, 10, 779−783, 1992年)、大腸菌(E. coli)の突然変異株の使用(LowらJ. Mol. Biol., 250, 359−368, 1996年)、DNAシャッフリング(PattenらCurr. Opin. Biotechnol 8, 724−733, 1997年)、ファージディスプレイ(hompsonらJ. Mol. Biol., 256, 77−88, 1996年)および性的PCR(CrameriらNature, 391, 288−291, 1998年)を含む親和性成熟プロトコルによって得られることができる。Vaughanら(上記)は、親和性成熟のこれらの方法を議論する。
本明細書中で使用される場合、「高度に類似」は、その全長に渡って、95%以上類似する、例えば、96、97、98または99%類似するアミノ酸配列を指すことを意図する。
本発明での使用のための可変領域は、本明細書中で上記に記載される場合、VおよびVに関して、任意の適切な供給源からであり得、例えば、完全ヒトまたはヒト化であり得る。
1つの態様において、VおよびVによって形成される結合ドメインは、第1の抗原に特異的である。
1つの態様において、Vによって形成される結合ドメインは、第2の抗原に特異的である。
1つの態様において、Vによって形成される結合ドメインは、第2または第3の抗原に特異的である。
1つの態様において、CHドメインは、抗体重鎖またはその誘導体から自然に発生するドメイン1である。1つの態様において、CHドメインは、抗体重鎖またはその誘導体から自然に発生するドメイン2である。1つ態様において、CHドメインは、抗体重鎖またはその誘導体から自然に発生するドメイン3である。
1つの態様において、C断片は、軽鎖において、定常κ配列または定常λ配列またはその誘導体である。
本明細書中で使用される場合、自然に発生するドメインの誘導体は、自然に発生する配列中の1、2、3、4または5つのアミノ酸が、置換または欠失されているところを指し、例えば、望ましくない特性を排除するなどしてドメインの特性を最適化することを意図するが、ここで、ドメインの特徴(複数可)を特徴付けることが保持される。
1つの態様において、1つ以上の天然のまたは改変された鎖間(すなわち、軽および重鎖間)ジスルフィド結合は、多重特異性抗体分子の機能的FabまたはFab’断片に存在する。
1つの態様において、「天然の」ジスルフィド結合は、式(I)および(II);または式(Ia)および(IIa);または式(Ib)および(Ib);または式(Ia)および(IIb)のポリペプチド鎖中のCHおよびCの間に存在する。
ドメインが、κまたはλのいずれかに由来する場合、システインを形成する結合のための天然の位置は、ヒトcκおよびcλにおいて214である(Kabat番号第4版1987年)。
CHでシステインを形成するジスルフィド結合の正確な位置は、実際に使用される特定のドメインに依存する。したがって、例えば、ヒトγ−1において、ジスルフィド結合の天然の位置は、位置233に位置する(Kabat番号第4版1987年)。γ2、3、4、IgMおよびIgDなどの他のヒトアイソタイプに対するシステインを形成する結合の位置は公知であり、例えば、ヒトIgM、IgE、IgG2、IgG3、IgG4について位置127およびヒトIgDおよびIgA2Bの重鎖の位置128である。
任意に、式IおよびIIのポリペプチドのVおよびVの間のジスルフィド結合があってもよい。
1つの態様において、本開示に係る多重特異性抗体は、CHおよびCの間に自然に生じる同等または対応する位置におけるジスルフィド結合を有する。
1つの態様において、CHを含む定常領域およびCなどの定常領域は、非天然に発生する位置にあるジスルフィド結合を有する。これは、必要な位置(単数)または位置(複数)で、システイン(複数可)をアミノ酸鎖中に導入することによって分子中に改変され得る。この非天然ジスルフィド結合は、CHとCの間に存在する天然のジスルフィド結合に加わる、または代わるものである。天然の位置のシステイン(複数可)は、ジスルフィド架橋を形成することができないセリンなどのアミノ酸によって置換されることができる。
改変されたシステインの導入は、当該分野で公知の任意の方法を使用して実施されることができる。これらの方法は、PCR伸長重複突然変異誘発、部位特異的突然変異誘発法またはカセット式変異誘発が挙げられるが、これらに限定されない(一般的に、Sambrookら、Molecular Cloning(分子クローニング)、Laboratory Manual(研究室マニュアル)、Cold Spring Harbour Laboratory Press, Cold Spring Harbour, NY, 1989年;Ausbelら、Current Protocols in Molecular Biology(分子生物学における現在のプロトコル)、Greene Publishing & Wiley−Interscience, NY, 1993年参照)。部位特異的突然変異誘発法キットは、市販されており、例えば、QuikChange(登録商標)Site−Directed Mutagenesisキット(Stratagene, La Jolla, CA)である。カセット式変異誘発は、Wellsら, 1985年, Gene, 34:315−323に基づいて実施されることができる。あるいは、突然変異体は、アニーリング、ライゲーションおよびPCR増幅および重複オリゴヌクレオチドのクローニングによる全遺伝子合成によって作成されることができる。
1つの態様において、CHおよびCの間のジスルフィド結合は、完全に存在せず、例えば、鎖間システインは、セリンなどの別のアミノ酸によって置換され得る。したがって、1つの態様において、多重特異性抗体分子の機能的FabまたはFab’位置における鎖間ジスルフィド結合は存在しない。参照により本明細書中に組み込まれるWO2005/003170などの開示は、鎖間ジスルフィド結合なしのFab断片を提供する方法を記載する。
1つの態様において、本発明の化合物/コンストラクトは、例えば、CHおよびCHの間の天然の位置に、ヒンジ領域を含む。1つの態様において、ヒンジの配列は、天然または改変されている。本明細書中で使用される場合、天然のヒンジ配列は、抗体の任意のアイソタイプに天然に発生する配列である(たとえそのヒンジが天然に発生するアイソタイプとは異なるアイソタイプに含まれる場合であっても)。改変されたヒンジは、1〜5つのアミノ酸が置換、欠失またはそれらの組み合わせである場合である。1つの態様において、ヒンジは、IgG、例えば、IgG1、IgG2、IgG3またはIgG4からである。
1つの態様において、本発明の化合物/コンストラクトは、ヒンジを含まず、例えば、CHは、指向されたCHに融合され、またはリンカー、例えば、本明細書中で開示されるリンカーまたはG4S単位に基づいて結合される。
1つの態様において、CHは、任意の変異を含まない。
1つの態様において、抗体分子は、任意の「knob(s) into hole(s)」突然変異を含まない。
1つの態様において、本発明の抗体分子は、「knob(s) into hole(s)」突然変異を含む。
本明細書中で使用される場合、「ノブズイントゥーホールズ(knob(s) into hole(s))」または「ノブズアンドホールズ(knob(s) and hole(s))」は、第1のポリペプチドの界面で突起しているものおよび第2のポリペプチドの界面における対応する穴を指し、突起しているものは、ヘテロ多量体の形成を促進し、ホモ多量体形成を妨げるために、空洞内に配置されることができる。これに関して、US8216805が参照され、これは、二重特異性抗体などのヘテロ多量体ポリペプチドを調製するこの方法の使用を記載し、その内容は、本明細書中に組み込まれる。
1つの態様において、pが1であり、VがdsFvであり、qが0である場合、式(I)の少なくとも2つのポリペプチド鎖がある。
は、sdAb、dsscFv、またはscFv、例えば、dsFv、sdAbまたはdsscFvを表す。1つの態様において、Vは、dsFv、dsscFvまたはscFvを表す。1つの態様において、Vは、dsscFvを表す。1つの態様において、Vは、dsFvを表す。
は、sdAb、dsscFv、またはscFv、例えば、dsFv、sdAb、またはdsscFvを表す。1つの態様において、Vは、dsFv、dsscFvまたはscFvを表す。1つの態様において、Vは、dsscFvを表す。1つの態様において、Vは、dsFvである。
1つの態様において、VおよびVは、dsFvを表し、例えば、可変軽鎖ドメインは、ポリペプチドの残基へのジスルフィド結合によってのみ結合されるドメインであり、VおよびVについては、一致または高度に類似する。
1つの態様において、VはdsFvを表し、Vは存在しないか、またはdsFv以外である。1つの態様において、VはdsFvを表し、Vは存在しないか、またはdsFv以外である。1つの態様において、VはdsFvを表し、VはscFvである。1つの態様において、VはdsFvを表し、VはscFvである。1つの態様において、VはdsFvを表し、VはdsscFvである。1つの態様において、VはdsFvを表し、VはdsscFvである。1つの態様において、VおよびVは、独立してdsscFvを表す。1つの態様において、VはdsscFvを表し、VはscFvである。1つの態様において、VはdsscFvを表し、VはscFvである。
本明細書中で使用される場合、「一本鎖可変断片」または「scFv」は、重鎖可変ドメイン(V)および軽鎖可変ドメイン(V)を含む、またはからなる一本鎖可変断片を指し、これは、VおよびV可変ドメインの間のペプチドリンカーによって安定化される。VおよびV可変ドメインは、任意の適切な配向性であり得、例えば、VのC末端は、VのN末端に結合され得る、またはVのC末端は、VのN末端に結合され得る。
本明細書中で使用される場合、「ジスルフィド安定化一本鎖可変断片」または「dsscFv」は、VおよびV可変ドメインの間のペプチドリンカーによって安定化される一本鎖可変断片を指し、またVおよびVのドメイン間ジスルフィド結合を含む。
本明細書中で使用される場合、「ジスルフィド安定化可変断片」または「dsFv」は、VおよびVの可変ドメインの間のペプチドリンカーを含まず、代わりに、VおよびVの間のドメイン間ジスルフィド結合によって安定化される一本鎖可変断片を指す。
本明細書中で使用される場合、「単一ドメイン抗体」または「sdAb」は、VまたはVなどの単一の単量体可変抗体ドメインからなる抗体断片を指す。
1つの態様において、pおよびqは両方1である。1つの態様において、pは1であり、qは0である。1つの態様において、pは0であり、qは1である。
1つの態様において、Vおよび/またはVが、dsFvまたはdsscFvである場合、Vの可変ドメインVおよびVおよび/またはVの可変ドメインVおよびV間のジスルフィド結合は、以下に列挙される残基の2つの間である(文脈が他を示さない限り、Kabat番号付けは、以下の一覧で用いられる)。Kabat番号付けに言及するときは常に、その関連文献は、Kabatら、1987年、米国国立衛生研究所(NIH)、米国のSequences of Proteins of Immunological Interest(免疫学的目的のタンパク質の配列)である。
1つの態様において、ジスルフィド結合は、以下を含む群から選択される位置にある:
・V37+V95C 例えば、Protein Science 6, 781−788 Zhuら(1997年)参照;
・V44+V100 例えば、;Biochemistry 33 5451−5459 Reiterら(1994年);またはJournal of Biological Chemistry Vol. 269 No. 28 pp.18327−18331 Reiterら(1994年);またはProtein Engineering, vol.10 no.12 pp.1453−1459 Rajagopalら(1997年)参照;
・V44+V105 例えば、J Biochem. 118, 825−831 Luoら (1995年)参照;
・V45+V87 例えばProtein Science 6, 781−788 Zhuら(1997年)参照;
・V55+V101 例えばFEBS Letters 377 135−139 Youngら(1995年)参照;
・V100+V50 例えばBiochemistry 29 1362−1367 Glockshuberら(1990年)参照;
・V100b+V49;
・V98+V46 例えばProtein Science 6, 781−788 Zhu ら(1997年)参照;
・V101+V46;
・V105+V43 例えば; Proc. Natl. Acad. Sci. USA Vol. 90 pp.7538−7542 Brinkmannら(1993年);またはProteins 19, 35−47 Jungら(1994年)参照、
・V106+V57 例えばFEBS Letters 377 135−139 Youngら(1995年)参照
および分子中に位置する可変領域対におけるそれらに対応する位置。
1つの態様において、ジスルフィド結合は、Vおよび/またはVの位置V44およびV100の間に形成される。
上記に列記したアミノ酸対は、システインによる置換に寄与する位置にあるので、ジスルフィド結合が形成されることができる。システインは、既知の技術によってこれらの所望の位置に改変されることができる。したがって、1つの態様において、本開示に係る改変されたシステインは、所定のアミノ酸位置で天然の残基が、システイン残基で置換されているところを指す。
改変されたシステインの導入は、当該技術で公知の任意の方法を使用して実施されることができる。これらの方法は、PCR伸長重複突然変異誘発、部位特異的突然変異誘発法またはカセット式変異誘発が挙げられるが、これらに限定されない(一般的に、Sambrookら、Molecular Cloning(分子クローニング)、Laboratory Manual(研究室マニュアル)、Cold Spring Harbour Laboratory Press, Cold Spring Harbour, NY, 1989年;Ausbelら、Current Protocols in Molecular Biology(分子生物学における現在のプロトコル)、Greene Publishing & Wiley−Interscience, NY, 1993年参照)。部位特異的突然変異誘発法キットは、市販されており、例えば、QuikChange(登録商標)Site−Directed Mutagenesisキット(Stratagene, La Jolla, CA)である。カセット式変異誘発は、Wellsら, 1985年, Gene, 34:315−323に基づいて実施されることができる。あるいは、突然変異体は、アニーリング、ライゲーションおよびPCR増幅および重複オリゴヌクレオチドのクローニングによる全遺伝子合成によって作成されることができる。
したがって、1つの態様において、Vおよび/またはVがdsFvまたはdsscFvである場合、各Vおよび/またはVの可変ドメインVおよびVは、2つのシステイン残基の間のジスルフィド結合によって結合され得、ここで、システイン残基の対の位置は、V37およびV95、V44およびV100、V44およびV105、V45およびV87、V100およびV50、V100bおよびV49、V98およびV46、V101およびV46、V105およびV43、およびV106およびV57からなる群から独立して選択される。
1つの態様において、Vおよび/またはVがdsFvまたはdsscFvである場合、Vの可変ドメインVおよびVおよび/またはVの可変ドメインVおよびVは、2つのシステイン残基の間のジスルフィド結合によって結合され得、これは、CDRの外側であり、ここで、システイン残基の対の位置は、V37およびV95、V44およびV100、V44およびV105、V45およびV87、V100およびV50、V98およびV46、V105およびV43、およびV106およびV57からなる群から独立して選択される。
1つの態様において、VがdsFvまたはdsscFvである場合、Vの可変ドメインVおよびVは、2つの改変されたシステイン残基の間のジスルフィド結合によって結合され、1つは位置V44、もう1つはV100である。
1つの態様において、VがdsFvまたはdsscFvの場合、Vの可変ドメインVおよびVは、2つの改変されたシステイン残基の間のジスルフィド結合によって結合され、1つは位置V44、もう1つはV100である。
1つの態様において、VがdsFv、dsscFv、またはscFvである場合、VのVドメインは、Xに結合する。1つの態様において、VがdsFv、dsscFv、またはscFvである場合、VのVドメインは、Xに結合する。1つの態様において、VがdsFv、dsscFv、またはscFvである場合、VのVドメインは、Yに結合する。1つの態様において、VがdsFv、dsscFv、またはscFvである場合、VのVドメインは、Yに結合する。
1つの態様において、Xは、結合である。1つの態様において、Yは、結合である。1つの態様において、XおよびYの両方は、結合である。
1つの態様において、Xはリンカー、好ましくは、ペプチドリンカー、例えば、タンパク質CHおよびVを結合するのに適したペプチドである。1つの態様において、Yはリンカー、好ましくは、ペプチドリンカー、例えば、タンパク質CおよびVを結合するのに適したペプチドである。1つの態様において、XおよびYの両方は、リンカー、好ましくは、ペプチドリンカーである。
本明細書で使用される場合、用語「ペプチドリンカー」は、アミノ酸配列を有するペプチドを指す。適切なペプチドリンカーの範囲は、当業者に知られているであろう。
1つの態様において、ペプチドリンカーは、合成起源のもの、すなわち、合成化学技術によって調製され得る。
1つの態様において、ペプチドリンカーは、長さが50アミノ酸以下、例えば、20アミノ酸以下、例えば、長さが9、10、11、12、13または14アミノ酸である。1つの態様において、ペプチドリンカーは、長さが5〜15アミノ酸である。
1つの態様において、リンカーは、配列1〜67で示される配列から選択される。
1つの態様において、リンカーは、配列番号1または配列番号2で示される配列から選択される。
1つの態様において、Xは、配列SGGGGSGGGGS(配列番号1)を有する。
1つの態様において、Yは、配列SGGGGSGGGGS(配列番号1)を有する。
1つの態様において、Xは、配列SGGGGTGGGGS(配列番号2)を有する。
1つの態様において、Yは、配列SGGGGTGGGGS(配列番号2)を有する。

(S)は、配列14〜18において任意である。
Xは、アミノ酸である。
剛性リンカーの例としては、ペプチド配列GAPAPAAPAPA(配列番号52)、PPPP(配列番号53)およびPPPが挙げられる。
1つの態様において、ペプチドリンカーは、アルブミン結合ペプチドである。
アルブミン結合ペプチドの例は、WO2007/106120で提供され、以下のものが挙げられる:
有利には、リンカーとしてアルブミン結合ペプチドの使用は、多重特異性抗体分子の半減期を増加させ得る。
1つの態様において、リンカーXおよび/またはYは、プロテアーゼ切断部位、すなわち、プロテアーゼによって切断されるアミノ酸配列またはチーフを含まない。特に、1つの態様において、リンカーXおよび/またはYは、フリン特異的プロテアーゼ切断部位を含まない。
1つの態様において、Xおよび/またはYで使用されるリンカーは、長さが4〜16アミノ酸の範囲であり、例えば、モノマー(GS)の倍数である。
1つの態様において、VがscFvまたはdsscFvである場合、リンカー、例えば、可変ドメインVおよびVを結合するために適切なペプチドがある。1つの態様において、VがscFvまたはdsscFvである場合、Vの可変ドメインVおよびVを結合するリンカーは、配列GGGGSGGGGSGGGGSGGGGS(配列番号68)を有する。1つの態様において、VがscFvまたはdsscFvである場合、リンカー、例えば、可変ドメインVおよびVを結合するために適切なペプチドがある。1つの態様において、VがscFvまたはdsscFvである場合、Vの可変ドメインVおよびVを結合するリンカーは、配列GGGGSGGGGSGGGGSGGGGS(配列番号68)を有する。
1つの態様において、VがscFvまたはdsscFvである場合、Vの可変ドメインVおよびVを結合するリンカーは、配列SGGGGSGGGGSGGGGS(配列番号69)を有する。1つの態様において、VがscFvまたはdsscFvである場合、Vの可変ドメインVおよびVを結合するリンカーは、配列SGGGGSGGGGSGGGGS(配列番号69)を有する。
1つの態様において、VがscFvまたはdsscFvである場合、Vの可変ドメインVおよびVを結合するリンカーは、配列SGGGGSGGGGTGGGGS(配列番号70)を有する。1つの態様において、VがscFvまたはdsscFvである場合、Vの可変ドメインVおよびVを結合するリンカーは、配列SGGGGSGGGGTGGGGS(配列番号70)を有する。
本開示はまた、本明細書中に開示される配列に80%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%類似する配列を提供する。
本明細書中で使用される場合、「同一性」は、アラインされた配列における任意の特定の位置で、アミノ酸残基は、配列間で同一であることを示す。
本明細書中で使用される場合、「類似性」は、アラインされた配列における任意の特定の位置で、アミノ酸残基は、配列の間の類似するタイプのものであることを示す。例えば、ロイシンは、イソロイシンまたはバリンに対して置換され得る。しばしば相互に置換されることができる他のアミノ酸は、次のものが挙げられるが、それらに限定されない:
フェニルアラニン、チロシンおよびトリプトファン(芳香族側鎖を有するアミノ酸);
リシン、アルギニンおよびヒスチジン(塩基側鎖を有するアミノ酸);
アスパラギン酸およびグルタミン酸(酸性側鎖を有するアミノ酸);
アスパラギンおよびグルタミン(アミド側鎖を有するアミノ酸);および
システインおよびメチオニン(硫黄含有側鎖を有するアミノ酸)。
同一性および類似性の程度は、容易に計算されることができる(Computational Molecular Biology(計算分子生物学), Lesk, A.M., ed., Oxford University Press、ニューヨーク、1988年;Biocomputing。Informatics and Genome Projects(情報学およびゲノムプロジェクト), Smith, D.W., ed., Academic Press, ニューヨーク、1993年;Computer Analysis of Sequence Data(配列データのコンピュータ分析), Part 1, Griffin, A.M.およびGriffin, H.G., eds., Humana Press, ニュージャージー, 1994年;Sequence Analysis in Molecular Biology(分子生物学における配列分析), von Heinje, G., Academic Press, 1987年, Sequence Analysis Primer(配列分析プライマー), Gribskov, M.およびDevereux, J., eds., M Stockton Press, ニューヨーク、1991年、BNCIから入手可能なBLAST(登録商標)ソフトウェア(Altschul, S.Fら、1990年, J. Mol. Biol. 215:403−410; Gish, W. & States, D.J. 1993年、Nature Genet. 3:266−272. Madden, T.L.ら、1996年、Meth. Enzymol. 266:131−141; Altschul, S.F.ら、1997年, Nucleic Acids Res. 25:3389−3402; Zhang, J. & Madden, T.L. 1997年、Genome Res. 7:649−656,)。
本明細書中で使用される場合、用語「変異体」は、対応する野生型ペプチドまたはタンパク質のアミノ酸またはヌクレオチド配列と比較して、少なくとも1つのアミノ酸配列またはヌクレオチド配列を含むペプチドまたはタンパク質を指す。変異体は、対応する野生型ペプチドまたはタンパク質に対して少なくとも80%、または85%、または90%、または95%、または98%または99%配列同一性を含み得る。しかしながら、変異体は、その対応する野生型ペプチドまたはタンパク質に実質的に類似の機能を示すなら、変異体は、80%未満の配列づ異性を含むことが可能である。
本発明で使用のための抗体は、当該分野で公知の任意の適切な方法によって作製され得る。抗原ポリペプチドに対して生じる抗体は、動物の免疫化が必要な場合に、動物、好ましくは、非ヒト動物にポリペプチドを投与することによって、周知で慣習的なプロトコル(例えば、Handbook of Experimental Immunology, D. M. Weir (ed.), Vol 4, Blackwell Scientific Publishers, Oxford, England、1986年参照)を使用して、得られうる。ウサギ、マウス、ラット、ヒツジ、ウシ、ラクダまたはブタなどの多くの温血動物が免疫され得る。しかしながら、マウス、ウサギ、ブタおよびラットが、通常最も適している。
モノクロナール抗体は、ハイブリドーマ技術(Kohler & Milstein, 1975年, Nature, 256:495−497)、トリオーマ技術、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術(Kozborら 1983年, Immunology Today, 4:72)およびEBVハイブリドーマ技術(Coleら、Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy(モノクロナール抗体および癌療法), pp77−96, Alan R Liss, Inc., 1985年)など、当該分野で公知の任意の方法によって調製され得る。
抗体はまた、単一リンパ球抗体法を使用して、例えば、Babcook, J.ら、1996年, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93(15):7843−78481; WO92/02551; WO2004/051268およびWO2004/106377によって記載される方法によって特定の抗体の生産について選択される単一リンパ球から生じる免疫グロブリン可変領域cDNAをクローニングおよび発現することによって作製され得る。
本発明で使用のための抗体は、当該分野で公知の様々なファージディスプレイ方法を使用して作製されることができ、Brinkmanら(J. Immunol. Methods, 1995年, 182: 41−50)、Amesら(J. Immunol. Methods, 1995年, 184:177−186)、Kettleboroughら(Eur. J. Immunol. 1994年, 24:952−958)、Persicら(Gene, 1997年 187 9−18) Burtonら(Advances in Immunology, 1994年, 57:191−280)およびWO90/02809; WO91/10737; WO92/01047;WO92/18619;WO93/11236;WO95/15982;WO95/20401;およびUS5,698,426; 5,223,409; 5,403,484; 5,580,717;5,427,908;5,750,753;5,821,047;5,571,698;5,427,908;5,516,637;5,780,225;5,658,727;5,733,743;5,969,108、およびWO20011/30305によって開示されるものが挙げられる。
1つの態様において、本開示に係る多重特異性分子は、ヒト化される。
本明細書中で開示されるヒト化抗体(CDR移植抗体を含む)は、非ヒト種からの領域(CDR)およびヒト免疫グロブリン分子からのフレームワーク領域を決定する1つ以上の相補性を有する分子を指す(例えば、US 5,585,089;WO91/09967参照)。全体のCDRよりむしろCDRの残基を決定する特異性を移すことが必要であるにすぎないことが理解されるだろう(例えば、Kashmiriら、2005年、Methods, 36, 25−34参照)。ヒト化抗体は、任意に、CDRが由来した非ヒト種由来の1つ以上のフレームワーク残基をさらに含む。
本明細書中で使用される場合、用語「ヒト化抗体分子」は、重および/または軽鎖は、アクセプター抗体(例えば、ヒト抗体)の重および/または軽鎖可変領域フレームワーク中に移植されるドナー抗体(例えば、マウスモノクロナール抗体)からの1つ以上のCDR(必要な場合、1つ以上の修飾CDRを含む)を含む抗体分子を指す。総説として、Vaughanら、Nature Biotechnology, 16, 535−539, 1998年参照。1つの態様において、全体のCDRが転写されるよりも、本明細書中で上記に記載されるCDRの任意の1つからの残基を決定する特異性の1つ以上のみが、ヒト抗体フレームワークに転写される(例えば、Kashmiriら、2005年, Methods, 36, 25−34参照)。1つの態様において、本明細書中で上記に記載される1つ以上のCDRからの残基を決定する特異性のみが、ヒト抗体フレームワークに転移される。別の態様において、本明細書中で上記に記載されるCDRのそれぞれからの残基を決定する特異性のみが、ヒト抗体フレームワークに転移される。
CDRまたは特異性決定残基が移される場合、任意の適切なアクセプターの可変領域フレームワーク配列は、マウス、霊長類およびヒトフレームワーク領域を含む、CDRが由来するドナー抗体のクラス/タイプに関して使用され得る。適切には、本発明に係るヒト化抗体は、ヒトアクセプターフレーム領域並びに本明細書中で提供されるCDRの1つ以上を含む可変ドメインを有する。
本開示で使用されることができるヒトフレームワークの例は、KOL、NEWM、REI、EU、TUR、TEI、LAYおよびPOMである(前記Kabatら)。例えば、KOLおよびNEWMは、重鎖のために使用されることができ、REIは、軽鎖のために使用されることができ、EU、LAYおよびPOMは、重鎖および軽鎖の両方のために使用されることができる。あるいは、ヒト生殖系列配列が使用され得、これらは、http://www2.mrc-lmb.cam.ac.uk/vbase/list2.phpで利用できる。
本開示のヒト化抗体分子において、アクセプターの重および軽鎖は、同じ抗体に由来することが必ずしも必要ではなく、所望であれば、異なる鎖に由来するフレームワーク領域を有する複合鎖を含み得る。
フレームワーク領域は、アクセプター抗体の配列と全く同じ配列を有する必要はない。例えば、異常な残基は、そのアクセプター鎖のクラスまたはタイプのより頻繁に生じる残基に変化され得る。あるいは、アクセプターフレームワーク領域で選択された残基は、それらがドナー抗体中の同じ位置で検出される残基に相当するように変更され得る(Reichmannら、1998年、Nature, 332, 323−324参照)。そのような変化は、ドナー抗体の親和性を回復するのに必要な最小限に保たれるべきである。変更される必要のあるアクセプターフレームワーク領域中の残基を選択するためのプロトコルは、WO91/09967に記載される。
フレームワークの誘導体は、代替アミノ酸、例えば、ドナー残基で置換される1,2、3または4つのアミノ酸を有し得る。
ドナー残基は、ドナー抗体からの残基、すなわち、CDRがもともと由来する抗体である。ドナー残基は、ヒト受容体フレームワーク(アクセプター残基)に由来する適切な残基で置換され得る。
1つの態様において、本開示の多重特異性抗体は、完全にヒトであり、特に、可変ドメインの1つ以上は、完全にヒトである。
完全なヒト分子は、重および軽鎖の両方の可変領域および定常領域(存在する場合)は、全てヒト起源であるか、または必ずしも同じ抗体からではない、ヒト起源の配列に実質的に同一のものである。完全ヒト抗体の例としては、例えば、上記のファージディスプレイ方法によって生産される抗体、およびマウス免疫グロブリン可変および任意に定常領域遺伝子がそれらのヒト対応物、例えば、EP0546073、US5,545,806、US5,569,825、US5,625,126、US5,633,425、US5,661,016、US5,770,429、EP 0438474およびEP0463151において、一般的用語で記載されるようなものによって置換されているマウス産生抗体が挙げられる。
1つの態様において、本開示の多重特異性抗体分子は、目的の2つ、3つ以上の異なる抗原を選択的に結合することができる。
1つの態様において、V/V、またはVまたはVによって形成される抗原結合ドメインによって結合される目的の抗原は、独立して、細胞関連タンパク質、例えば、細菌細胞、酵母細胞、T細胞、B細胞、内皮細胞または腫瘍細胞、および可溶性タンパク質などの細胞上の細胞表面タンパク質から選択される。
目的の抗原はまた、疾患または感染中に上方調節されるそれらのタンパク質、例えば、受容体および/またはそれらの対応するリガンドなどの任意の医学的に関連するタンパク質であり得る。抗原の特定の例としては、T細胞またはB細胞シグナル伝達受容体、共刺激分子、チェックポイント阻害剤、ナチュラルキラー細胞受容体、免疫グロブリン受容体、TNFRファミリー受容体、B7ファミリー受容体、接着分子、インテグリン、サイトカイン/ケモカイン受容体、GPCR、成長因子受容体、キナーゼ受容体、組織特異性抗原、癌抗原、病原体認識受容体、補体受容体、ホルモン受容体または可溶性分子、例えば、サイトカイン、ケモカイン、ロイコトリエン、成長因子、ホルモンまたは酵素またはイオンチャネル、エピトープ、それらの断片および翻訳後修飾フォームなどの細胞表面受容体が挙げられる。
1つの態様において、本開示の抗体タンパク質は、目的の抗原(複数可)の活性を機能的に変化させるために使用され得る。例えば、抗体融合タンパク質は、前記抗原の活性を直接的または間接的に中和、拮抗または作動させ得る。
1つの態様において、VおよびVは、同じ抗原に特異的であり、例えば、その中の同じまたは異なるエピトープを結合する。
1つの態様において、Vは、ヒト血清アルブミンに特異的である。1つの態様において、Vは、ヒト血清アルブミンに特異的である。1つの態様において、VおよびVは、同じ抗原、例えば、同じ抗原上の同じエピトープなどのヒト血清アルブミンに特異的である。1つの態様において、VおよびVは、2つの異なる抗原に特異的である。
1つの態様において、V/VまたはVまたはVによって結合される目的の抗原は、補体経路活性化および/またはエフェクター細胞補充などの、エフェクター機能を補充する能力を提供する。
エフェクター機能の補充は、エフェクター機能が細胞に関連し、前記細胞がその表面に補充分子を有するという点で、直接的であり得る。間接的補充は、補充ポリペプチドに対する本開示に係る分子における抗原結合ドメイン(VまたはVなど)への抗原の結合は、例えば、次に、直接的または間接的にエフェクター機能を補充しうる、またはシグナル伝達経路の活性化によるものであってもよい因子の放出を引き起こす場合に、起こりうる。例としては、IL2、IL6、IL8、IFNγ、ヒスタミン、C1q、オプソニンおよびC2、C4、C3コンバターゼ、C5〜C9などの古典的および代替補体活性化カスケードの他のメンバーが挙げられる。
本明細書中で使用される場合、「補充ポリペプチド」は、FcγRI、FcγRIIおよびFcγRIIIなどのFcγR、C1qおよびC3、CDマーカータンパク質(分化マーカーのクラスター)または直接的または間接的に細胞媒介エフェクター機能を補充する能力を保持するその断片などの補体経路たんぱく質が挙げられるが、それらに限定されない。補充ポリペプチドはまた、エフェクター機能を有するIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgEおよびIgAなどの免疫グロブリン分子が挙げられる。
1つの態様において、本開示に係る多重特異性抗体分子中の抗原結合ドメイン(VまたはVなど)は、補体経路タンパク質に特異性を有し、C1qが特に好ましい。
さらに、本開示の多重特異性抗体分子は、核種キレート化剤タンパク質に結合する単一ドメイン抗体により放射性核種をキレート化するために使用され得る。そのような融合タンパク質は、イメージングまたは治療への放射性核種ターゲティングアプローチでの使用である。
1つの態様において、本開示に係る分子内での抗原結合ドメイン(VまたはVなど)は、血清担体タンパク質、循環免疫グロブリン分子、またはCD35/CR1に特異性を有し、例えば、前記血清担体タンパク質、循環免疫グロブリン分子またはCD35/CR1に結合することによって、目的の前記抗原に対する特異性を有する抗体断片に延長した半減期を提供する。
本明細書中で使用される場合、「血清担体タンパク質」としては、チロキシン結合タンパク質、トランスサイレチン、α1酸糖タンパク質、トランスフェリン、フィブリノゲンおよびアルブミン、またはその任意の断片が挙げられる。
本明細書中で使用される場合、「循環免疫グロブリン分子」としては、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、sIgA、IgMおよびIgD、またはその任意の断片が挙げられる。
CD35/CR1は、36日の半減期を有する赤血球上に存在するタンパク質である(28〜47日の通常の範囲:Lanaroら、1971年、Cancer, 28(3):658−661)。
1つの態様において、V/Vが特異性を有する目的の抗原は、ヒト血清担体などの血清担体タンパク質である。
1つの態様において、Vが特異性を有する目的の抗原は、ヒト血清担体などの血清担体タンパク質である。
1つの態様において、Vが特異性を有する目的の抗原は、ヒト血清担体などの血清担体タンパク質である。
1つの態様において、本開示の多重特異性抗体分子は、標的抗原または抗原(複数)に対する改善された親和性を提供するように処理される。そのような変異体は、CDRを変異すること(Yangら J. Mol. Biol., 254, 392−403, 1995年)、鎖シャッフリング(Marksら Bio/Technology, 10, 779−783, 1992年)、大腸菌(E. coli)の突然変異誘発株の使用(Lowら, J. Mol. Biol., 250, 359−368, 1996年)、DNAシャッフリング(Pattenら, Curr. Opin. Biotechnol., 8, 724−733, 1997年)、ファージディスプレイ(Thompsonら, J. Mol. Biol., 256, 77−88, 1996年)および性的PCR(Crameriら Nature, 391, 288−291, 1998年)を含むいくつかの親和性成熟プロトコルによって得られることができる。Vaughanらは、親和性成熟のこれらの方法を議論している。
この文脈において、本明細書中で使用される場合、改善された親和性は、出発分子を超える改善を指す。
所望の場合、本開示で使用のための多重特異性抗体コンストラクトは、1つ以上のエフェクター分子(複数可)に結合され得る。エフェクター分子は、本発明の抗体に結合されることができる単一の部分を形成するように結合された単一エフェクター分子または2つ以上そのような分子を含み得ることが理解されるだろう。エフェクター分子に結合される抗体断片を得ることが望ましい場合、これは、抗体断片が、直接またはエフェクター分子へのカップリング剤を介して結合される標準化学的または組換えDNA手順によって調製され得る。そのようなエフェクター分子を抗体に結合させるための技術は、当該技術分野において周知である(HellstromらControlled Drug Delivery, 第2版, Robinsonら, 1987年, pp. 623−53; Thorpeら 1982年, Immunol. Rev., 62:119−58およびDubowchikら 1999年、PharmacologyおよびTherapeutics, 83, 67−123参照)。特定の化学的手順は、例えば、WO93/06231、WO92/22583、WO89/00195、WO89/01476およびWO03031581で記載されるものが挙げられる。あるいは、エフェクター分子は、タンパク質またはポリペプチドである場合、例えば、WO86/01533およびEP0392745で記載されるように、リンケージは、組換えDNA手順を使用して達成され得る。
本明細書中で使用される場合、用語「エフェクター分子」としては、例えば、生物学的に活性なタンパク質、例えば、酵素、他の抗体または抗体断片、合成または天然発生ポリマー、核酸およびその断片、例えば、DNA,RNAおよびその断片、放射性核種、特に、放射性ヨウ素、放射性同位元素、キレート化金属、ナノ粒子および蛍光化合物またはNMRまたはESR分光法によって検出され得る化合物などのレポーター基が挙げられる。
他のエフェクター分子としては、111Inおよび90Y、Lu177、ビスマス213、カリホルニウム252、イリジウム192およびタングステン188/レニウム188などのキレート化放射性核種;またはアルキルホスホコリン、トポイソメラーゼI阻害剤、タキソイドおよびスラミンなどの薬物が挙げられるが、それらに限定されない。
他のエフェクター分子は、タンパク質、ペプチドおよび酵素を含む。目的の酵素としては、タンパク質分解酵素、加水分解酵素、リアーゼ、イソメラーゼ、トラスフェラーゼが挙げられるが、それらに限定されない。目的のタンパク質、ポリペプチドおよびペプチドとしては、免疫グロブリン、アブリン、リシンA、シュードモーナス外毒素、またはジフテリア毒素などの毒、インスリン、α−インターフェロン、β−インターフェロン、神経成長因子、血小板由来成長因子又は組織プラスミノーゲンアクチベーターなどのタンパク質、血栓剤または抗血管新生剤、例えば、アンギオテンシンまたはエンドスタチン、またはリンホカイン、インターロイキン−1(IL−1)、インターロイキン−2(IL−2)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、神経成長因子(NGF)または他の成長因子および免疫グロブリンなどの生物学的応答修飾物質が挙げられるが、それらに限定されない。
他のエフェクター分子は、例えば診断において有用な検出可能な物質を含みうる。検出可能な物質の例としては、様々な酵素、補欠分子族、蛍光物質、発光物質、生物発光物質、放射性核種、陽電子放出金属(陽電子放出断層撮影に使用するため)、および非放射性常磁性金属イオンが挙げられる。診断薬として使用するために抗体に結合されることができる金属イオンについては、一般的に、US4,741,900を参照されたい。適切な酵素としては、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、ベータガラクシダーゼ、またはアセチルコリンエステラーゼが挙げられ;適切な補欠分子族としては、ストレプトアビジンおよびビオチンが挙げられ;適切な蛍光物質としては、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミンフルレセイン、ダンシルクロリドおよびフィコエリトリンが挙げられ;適切な発光物質としては、ルミノールが挙げられ;適切な生物発光物質としては、ルシフェラーゼ、ルシフェリン、およびエクオリンが挙げられ;および適切な放射性核種としては、125I、131I、111Inおよび99Tcが挙げられる。
別の態様において、エフェクター分子は、インビボで抗体の半減期を増加させ、および/または抗体の免疫原性を低下させ、および/または免疫系に対する上皮バリアを通る抗体の送達を増強しうる。このタイプの適切なエフェクター分子の例としては、ポリマー、アルブミン、WO05/117984に記載されているようなアルブミン結合タンパク質またはアルブミン結合化合物が挙げられる。
エフェクター分子がポリマーである場合、それは、一般的に、合成または自然に発生するポリマー、例えば、任意に置換された直鎖または分枝鎖ポリアルキレン、ポリアルケニレンまたはポリオキシアルキレンポリマーまたは分枝または非分枝多糖類、例えば、ホモ−またはヘテロ−ポリサッカライドであり得る。
上記合成ポリマーに存在し得る特定の任意の置換基は、1つ以上の水酸基、メチル基またはメトキシ基を含む。
合成ポリマーの特定の例としては、任意に置換された直鎖または分枝鎖ポリ(エチレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)ポリ(ビニルアルコール)またはその誘導体、特に、メトキシポリ(エチレングリコール)またはその誘導体など任意に置換されたポリ(エチレングリコール)が挙げられる。
特定の自然に生じるポリマーとしては、ラクトース、アミロース、デキストラン、グリコーゲンまたはそれらの誘導体が挙げられる。
本明細書中で使用される場合、「誘導体」は、反応性誘導体、例えば、マレイミドなどのようなチオール選択的反応性基を含むことが意図される。反応性基は、ポリマーに直接またリンカーセグメントを介して結合され得る。そのような基の残基は、場合によっては、抗体断片およびポリマーの間の結合基として生成物の一部を形成するだろうことが理解されるだろう。
ポリマーのサイズは、所望の場合、変えることができ、一般的に、500Da〜50000Da、例えば、5000〜40000Da、例えば20000〜40000Daの平均分子量範囲であるだろう。ポリマーサイズは、特に、生成物の意図される使用、例えば、腫瘍などの特定の組織に局在するか、または循環半減期を延長する能力に基づいて選択され得る(レビューのために、Chapman, 2002, Advanced Drug Delivery Reviews, 54, 531−545参照)。したがって、例えば、生成物が循環を離れて、組織に浸透することが意図される場合、例えば、腫瘍の治療での使用のために、例えば、約5000Daの分子量を有する低分子量ポリマーを使用することが有利であり得る。生成物が、循環中に留まる用途では、例えば、20000Da〜40000Daの範囲の分子量を有する、より高い分子量を使用することが有利であり得る。
適切なポリマーとしては、ポリ(エチレングリコール)または、特に、メトキシポリ(エチレングリコール)またはその誘導体、および特に、約15000Da〜約40000Daの範囲の分子量を有するなどのポリアルキレンポリマーが挙げられる。
1つの態様において、本開示で使用のための抗体は、ポリ(エチレングリコール)(PEG)部分に結合される。1つの特定の例において、抗体は、抗体断片であり、PEG分子は、抗体断片に位置する任意の利用可能なアミノ酸側鎖または末端アミノ酸官能基、例えば、任意の遊離アミノ、イミノ、チオール、水酸基またはカルボキシル基であり得る。そのようなアミノ酸は、抗体断片中で自然に生じ得る、または組換えDNA法を使用して断片中に改変され得る(例えば、US5,219,996;US 5,667,425; WO98/25971、WO2008/038024参照)。1つの態様において、本発明の抗体分子は、修飾Fab断片であり、ここで、その修飾は、エフェクター分子の結合を可能にするためのその重鎖のC末端への1つ以上のアミノ酸の追加である。適切には、追加のアミノ酸は、エフェクター分子が結合し得る1つ以上のシステイン残基を含む修飾されたヒンジ領域を形成する。複数の部位は、2つ以上のPEG分子を結合するために使用されることができる。
適切には、PEG分子は、抗体断片に位置する少なくとも1つのシステイン残基のチオール基を介して共有結合される。修飾抗体断片に結合した各ポリマー分子は、断片に位置するシステイン残基の硫黄原子に共有結合され得る。共有結合は、一般的に、ジスルフィド結合、または特に、硫黄−炭素結合であるだろう。チオール基が結合点として適切に使用される場合、活性化されるエフェクター分子、例えば、マレイミドおよびシステイン誘導体などのチオール選択的誘導体が使用され得る。活性化されたポリマーは、上記のようなポリマー修飾抗体断片の調製で、出発物質として使用され得る。活性化されたポリマーは、α−ハロカルボン酸またはエステル、例えば、ヨードアセトアミド、イミド、例えば、マレイミド、ビニルスルホンまたはジスルフィドなどのチオール反応性基を含む任意のポリマーであってもよい。そのような出発物質は、商業的に得られうる(例えば、Nektar、以前は、Shearwater Polymers Inc., Huntsville, AL, USAから)、または従来の化学的手順を使用して市販の出発物質から調製され得る。特定のPEG分子は、20Kメトキシ−PEG−アミン(Nektar、以前は、Shearwater; Rapp Polymere;およびSunBioから入手可能)およびM−PEG−SPA(Nektar、以前は、Shearwaterから入手可能)を含む。
1つの態様において、分子中のIgG、F(ab’)、FabまたはFab’は、PEG化され、すなわち、PEG(ポリ(エチレングリコール))を共有結合させており、例えば、EP0948544またはEP1090037で開示される方法に従う[また「Poly(ethyleneglycol) Chemistry, Biotechnical and Biomedical Applications(ポリ(エチレングリコール)化学、バイオ技術的および生物医学的適用)」、1992年, J. Milton Harris (ed)、Plenum Press, New York,、「Poly(ethyleneglycol) Chemistry and Biological Applications(ポリ(エチレングリコール)化学、および生物学的適用)」、1997年, J. Milton HarrisおよびS. Zalipsky (eds), American Chemical Society, Washington DCおよび「Bioconjugation Protein Coupling Techniques for the Biomedical Sciences(生物医科学のためのバイオコンジュゲーションタンパク質のカップリング技術)」、1998年, M. AslamおよびA. Dent, Grove Publishers, New York; Chapman, A. 2002, Advanced Drug Delivery Reviews 2002, 54:531−545参照]。1つの態様において、PEGは、ヒンジ領域のシステインに結合される。1つの例において、PEG修飾Fab断片は、修飾ヒンジ領域において単一のチオール基に共有結合するマレイミド基を有する。リジン残基は、マレイミド基に共有結合されてもよく、リジン残基上のアミノ基のそれぞれは、約20,000Daの分子量を有するメトキシポリ(エチレングリコール)ポリマーに結合され得る。したがって、Fab断片に結合したPEGの総分子量は、約40,000Daであり得る。
特定のPEG分子として、PEG2MAL40K(Nektar、以前は、Shearwaterから入手可能)としても知られる、N,N’−ビス(メトキシポリ(エチレングリコール)分子量20,000修飾リジンの2−[3−(N−マレイミド)プロピオンアミド]エチルアミド)が挙げられる。
PEGリンカーの代替供給源は、GL2−400MA2(ここで、以下の構造中のmは、5である)およびGL2−400MA(ここで、mは2である)を供給するNOFを含み、nは、約450である:

すなわち、各PEGは、約20,000Daである。
さらに、以下のタイプの代替PEGエフェクター分子は、Dr Reddy、NOFおよびJenkemから入手可能である:
1つの態様において、PEG化され(例えば、本明細書中に記載されるPEGと一緒に)、(連続した番号付けによる)鎖中のアミノ酸226またはその周囲で、例えば重鎖のアミノ酸226で、システインアミノ酸残基を介して結合される抗体分子を供給する。
1つの態様において、本発明の分子をコードするポリヌクレオチド配列、例えば、DNA配列を提供する。
1つの態様において、本開示の分子の1つ以上、例えば、2つ以上または3つ以上のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を提供する。
1つの態様において、ポリヌクレオチドは、「ノブズイントゥーホールズ(穴の中にノブ)」突然変異を含まない。
本明細書中で使用される場合、「突然変異」は、対応する野生型配列と比較して、1つ以上の自然に発生するまたは改変核酸/アミノ酸配列変化を含む核酸またはアミノ酸配列を指す。
本明細書中で使用される場合、「ノブズイントゥーホールズ(knob(s) into hole(s))」または「ノブズアンドホールズ(knob(s) and hole(s))」は、第1のポリペプチドの界面で突起しているものおよび第2のポリペプチドの界面における対応する穴を指し、突起しているものは、ヘテロ多量体の形成を促進し、ホモ多量体形成を妨げるために、空洞内に配置されることができる。これに関して、US8216805が参照され、これは、二重特異性抗体などのヘテロ多量体ポリペプチドを調製するこの方法の使用を記載し、その内容は、本明細書中に組み込まれる。
1つの態様において、DNAなどのポリヌクレオチドは、ベクター中に含まれる。
ベクターが構築され得る一般的な方法、トランスフェクション方法および培養方法は、当業者に周知である。これに関しては、「Current Protocols in Molecular Biology(分子生物学における最新のプロトコル)」、1999年, F. M. Ausubel (ed), Wiley Interscience, New YorkおよびCold Spring Harbor Publishingによって製造されたManiatis Manual(マニアティスマニュアル)を参照されたい。
また、本発明の抗体をコードする1つ以上のDNA配列を含むクローニングまたは発現ベクターを含む宿主細胞を提供する。任意の適切な宿主細胞/ベクター系は、本発明の抗体分子をコードするDNA配列の発現のために使用され得る。細菌、例えば、大腸菌(E. coli)および他の微生物系が使用されてもよく、または真核生物、例えば、哺乳動物、宿主細胞発現系を使用してもよい。適切な哺乳動物宿主細胞は、CHO、骨髄腫またはハイブリドーマ細胞を含む。
上記本明細書中で記載されるように、本発明の多重特性タンパク質は、3つのポリペプチド鎖、重および軽鎖およびVおよび/またはVであるdsFvを作成するためのジスルフィド結合を介して結合する第3の「遊離」可変ドメインを含む。したがって、本開示はまた、本発明の多重特異性抗体分子の3つのポリペプチド鎖をコードするDNAからのタンパク質の発現を導くのに適切な条件下で、本発明のベクター(複数可)を含む宿主細胞を培養すること、および多重特性抗体分子を単離することを含む本発明に係る多重特性抗体分子の生産のための方法を提供する。そのような方法の1つの例において、1つのポリペプチド鎖は、Vおよび/またはVの可変ドメイン、すなわち、ジスルフィド結合を介するVおよび/またはVのその相補的可変ドメインVまたはVと対合する「遊離」可変ドメインからなる。また、この方法によって得られたまたは得られる多重特異性抗体を提供する。
重および軽鎖の両方を含む生成物の生産のために、細胞株は、軽鎖ポリペプチドをコードする第1のベクターおよび重鎖ポリペプチドをコードする第2のベクターの2つのベクターでトランスフェクトされ得る。あるいは、単一ベクターを使用してもよく、ベクターは、軽鎖および重鎖ポリペプチドをコードする配列を含む。1つの例において、細胞株は、本発明の抗体分子のポリペプチド鎖をコードするそれぞれ3つのベクターでトランスフェクトされ得る。あるいは、単一ベクターが使用され得、3つのポリペプチド鎖をコードする配列を含む。
1つの態様において、細胞株は、本明細書中で開示されるものから選択される異なるポリペプチドをコードするそれぞれ2つのベクター、例えば、
a)式(I):V−CH−CH−CH−X−(Vのポリペプチド鎖;および
b)式(II):V−C−Y−(Vのポリペプチド鎖、
でトランスフェクトされ、
ここで、Vは、重鎖可変ドメインを表し;
CHは、重鎖定常領域のドメイン、例えば、そのドメイン1を表し;
CHは、重鎖定常領域のドメイン、例えば、そのドメイン2を表し;
CHは、重鎖定常領域のドメイン、例えば、そのドメイン3を表し;
Xは、結合またはリンカーを表し;
Yは、結合またはリンカーを表し;
は、dsFv、sdAb、dsscFv、またはscFvを表し;
は、可変ドメイン、例えば、軽鎖可変ドメインを表し;
は、定常領域、例えば、Cκなどの軽鎖定常領域からのドメインを表し;
は、dsFv、sdAb、dsscFv、またはscFvを表し;
pは、0または1を表し;
qは、0または1を表し;
ここで、VまたはVの少なくとも1つがdsFvであり、および
がdsFvであり、pが1であり、qが0である場合、該分子は、式(I)の2つの重鎖および式(II)の2つの関連する軽鎖を有する二量体として提供される。
1つの態様において、pが1であり、VがdsFvであり、qが0である場合、式(I)の少なくとも2つのポリペプチド鎖がある。
1つの態様において、VがdsFvであり、VのVドメインがXに結合される場合、細胞株は、VのVドメインをコードする第3のベクターでトランスフェクトされ得る。
1つの態様において、VがdsFvであり、VのVドメインがXに結合される場合、細胞株は、VのVドメインをコードする第3のベクターでトランスフェクトされ得る。
1つの態様において、VがdsFvであり、VのVドメインがYに結合される場合、細胞株は、VのVドメインをコードする第3のベクターでトランスフェクトされ得る。
1つの態様において、VがdsFvであり、VのVドメインがYに結合される場合、細胞株は、VのVドメインをコードする第3のベクターでトランスフェクトされ得る。
宿主細胞中にトランスフェクトされる各ベクターの比率は、多重特異性抗体生成物の発現を最適化するために変えることができることが理解されるだろう。1つの態様において、ベクターの比率は、1:1:1である。当業者は、トランスフェクション後のタンパク質発現レベルの日常的な試験に最適な比を見つけることができることが理解されるだろう。
ポリペプチド成分の2つ以上または、特に3つ以上は、単一ベクターでポリヌクレオチドによって、望ましい場合、本開示のポリヌクレオチド成分をコードする各ポリヌクレオチドに対する異なるプロモーターを利用することによって、コードされ得ることが理解されるだろう。
1つの態様において、ベクターは、単一プロモーターの制御下で、本発明の多重特異性抗体分子の全ての3つのポリペプチド鎖をコードする単一ポリヌクレオチド配列を含む。
1つの態様において、ベクターは、本開示の多重特異性抗体分子の全ての3つのポリペプチド鎖をコードする単一のポリヌクレオチド配列を含み、ここで、各ポリペプチド鎖をコードする各ポリヌクレオチド配列は、異なるプロモーターの制御下にある。
本開示に係る抗体および断片は、宿主細胞からの良好なレベルで発現される。したがって、抗体および/または断片の特性は、最適化され、商業的処理につながるようである。
有利には、本開示の多重特異性抗体分子は、精製後に見られる凝集の量を最小化し、医薬濃度でコンストラクトの製剤中のモノマーの量を最大化し、例えば、モノマーは、精製されたタンパク質の50%、60%、70%または75%以上、例えば、80、90、91、92、93、94、95、96、97、98または99%以上が「モノマー」として存在する。
本開示の抗体およびそれを含む組成物は、治療、例えば、病理学的状態の治療および/または予防、特に本明細書中で記載される場合、有用である。
病理学的状態または疾患は、例えば、感染症(ウイルス性、細菌性、真菌性および寄生虫性)、感染症に関連する内毒素ショック、リウマチ性関節炎などの関節炎、重度の喘息などの喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、骨盤内炎症性疾患、アルツハイマー病、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、ペーロニー病、セリアック病、胆嚢疾患、パイロン病、毛巣病、腹膜炎、乾癬、血管炎、外科的癒着、脳卒中、I型糖尿病、ライム病、髄膜脳炎、自己免疫性ブドウ膜炎、多発性硬化症、紅斑性狼瘡(全身性エリテマトーデスなど)およびギラン・アレー症候群などの中枢および末梢神経系の免疫媒介性炎症性疾患、アトピー性皮膚炎、自己免疫性肝炎、線維化性肺胞炎、グレーブス病、IgA腎症、特発性血小板減少性紫斑病、メニエール病、天疱瘡、原発性胆汁性肝硬変、サルコイドーシス、強皮症、ウェゲナー肉芽腫症、他の自己免疫疾患、膵炎、心的外傷(手術)、移植片宿主病、移植による拒絶反応、心筋梗塞ならびにアテローム性動脈硬化症などの虚血性疾患を含む心疾患、血管内凝固、骨吸収、骨粗しょう症、変形性関節症、歯周炎および低塩酸症からなる群から選択され得る。
本開示はまた、疼痛、特に炎症に関連する疼痛の治療または予防における使用のための本発明に係る多重特異性抗体分子を提供する。
本開示は、1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤、希釈剤または担体と組み合わせて本開示の抗体分子を含む薬学組成物または診断組成物をさらに提供する。
該組成物は、通常、薬学的に許容許容可能な担体を含むだろう滅菌の医薬組成物の一部として通常、供給されるだろう。本開示の医薬組成物は、薬学的に許容可能なアジュバントをさらに含む。
本開示はまた、1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤、希釈剤または担体と一緒に本開示の抗体分子を添加および混合することを含む医薬組成物または診断用組成物の調製方法を提供する。
抗体分子は、医薬組成物または診断用組成物中の唯一の活性成分であってもよく、または他の抗体成分、例えば、IL−1β、抗T細胞、抗IFNγ、または抗LPS抗体、またはキサンチンなどの非抗体成分を含む他の活性成分によって達成され得る。他の適切な活性成分として、耐性を誘導することができる抗体、例えば、抗CD3または抗CD4抗体が挙げられる。
さらなる態様において、本開示に係る抗体、断片または組成物は、さらなる薬学的に活性な薬剤と組み合わせて使用される。
医薬組成物は、本発明またはその多重の抗体の治療有効量を適切に含む。
本明細書中で使用される場合、用語「治療有効量」は、標的の疾患または状態を治療、改善または予防するため、または検出可能な治療または予防効果を示すために必要な治療剤の量を指す。任意の抗体について、治療有効量は、細胞培養アッセイまたは動物モデルのいずれかで、通常、げっ歯類、ウサギ、イヌ、ブタまたは霊長類で最初に推定されることができる。動物モデルはまた、適切な濃度範囲および投与経路を決定するために使用され得る。次にそのような情報は、ヒトで有用な用量および投与経路を決定するために使用されることができる。
ヒト対象に対する正確な治療有効量は、疾患状態の重篤度、対象の一般的な健康状態、対象の年齢、体重および性別、食事、投与の時間および頻度、薬物の組み合わせ(複数可)、反応感受性および治療に対する耐性/応答に依存するだろう。この量は、日常的な実験によって決定されることができ、臨床医の判断の範囲内である。一般的に、治療有効量は、0.01mg/kg〜50mg/kg、例えば、0.1mg/kg〜20mg/kgであるだろう。あるいは、用量は、1日当たり1〜500mg、例えば、1日当たり10〜100、200、300または400mgであり得る。医薬組成物は、本発明の活性薬剤の所定量を含む単位用量フォームで従来通り提供され得る。
組成物は、患者に個々に投与されてもよく、または他の薬剤、薬物またはホルモンと一緒に(例えば、同時に、連続してまたは別々に)投与されてもよい。
本開示の抗体分子が投与される用量は、治療される状態の性質、存在する炎症の程度および抗体が予防的に使用されるか、既存の状態を治療するかに依存する。
用量の頻度は、抗体分子の半減期およびその効果の持続時間に依存するだろう。抗体分子が短い半減期(例えば、2〜10時間)を有する場合、1日1回以上の投与を与えることが必要であり得る。あるいは、抗体分子が長い半減期(例えば、2〜15日)を有する場合、1日1回、1週間に1回、または1、2ヶ月ごとに1回だけの投与のみで足り得る。
薬学的に許容可能な担体は、組成物を受ける個体に有害な抗体の生産をそれ自体誘導するべきではなく、毒性であってはならない。適切な担体は、タンパク質、ポリペプチド、リポソーム、多糖類、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリマー性アミノ酸、アミノ酸コポリマーおよび不活性ウイルス粒子などのゆっくり代謝される巨大分子であってもよい。
薬学的に許容可能な塩は、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、りん酸塩および硫酸塩などの鉱酸塩、または酢酸塩、プロピオン酸塩、マロン酸塩および安息香酸塩などの有機酸の塩を使用することができる。
治療組成物中の薬学的に許容可能な担体は、水、生理食塩水、グリセロールおよびエタノールなどの液体をさらに含み得る。さらに、湿潤剤または乳化剤またはpH緩衝物質などの補助物質は、そのような組成物中に存在し得る。そのような担体は、患者による摂取のために、錠剤、丸剤、糖衣錠、カプセル、液体、ゲル、シロップ、スラリーおよび懸濁液として処方される医薬組成物を可能にする。
投与のための適切なフォームは、例えば、注射または注入によって、例えば、ボーラス注入法または連続注入による適切な非経口投与のフォームを含む。生成物が注射または注入用である場合、油性または水性賦形剤中の懸濁液、溶液または乳濁液のフォームをとってもよく、懸濁剤、保存剤、安定化剤および/または分散剤などの処方剤を含み得る。あるいは、抗体分子は、適切な滅菌液体との使用前の再構成のために、乾燥フォームであり得る。
処方されると、本発明の組成物は、対象に直接投与されることができる。治療される対象は、動物であることができる。しかしながら、1つ以上の態様において、組成物は、ヒト対象への投与のために適合される。
1つの態様において、本開示に係る製剤において、最終製剤のpHは、抗体または断片の等電点の値に類似せず、製剤のpHが7である場合、8〜9またはそれ以上のpIが適切であり得る。理論に縛られることを望まないが、これは、最終的に、改善された安定性を有する最終製剤を提供し得ることが考えられ、例えば、抗体または断片が溶液中に残ったままである。
本開示の医薬組成物は、経口、静脈内、筋肉内、動脈内、髄内、髄腔内、脳室内、経皮、経皮的(例えば、WO98/20734参照)、皮下、腹腔内、鼻腔内、経腸、局所、舌下、膣内または直腸経路を含む任意の多くの経路によって投与され得るが、それらに限定されない。皮下噴霧器はまた、本発明の医薬組成物を投与するために使用され得る。典型的には、治療用組成物は、液体溶液または懸濁液のいずれかとして、注射剤として調製され得る。注射前の液体賦形剤中の溶液、または懸濁液に適した固体フォームはまた、調製され得る。好ましくは、本発明の抗体分子は、皮下、吸入または局所投与される。
組成物の直接送達は、一般的に、注射、皮下、腹腔内、静脈内または筋肉内によって達成され、または組織の間質腔に送達される。組成物はまた、目的の特定の組織中に投与されることができる。投薬治療は、単回投与スケジュールまたは複数回投与スケジュールであってもよい。
組成物中の活性成分は、抗体分子であることが理解されるだろう。このように、消化管における分解を受けやすいだろう。したがって、組成物が、消化管を使用する経路によって投与される場合、組成物は、分解から抗体を保護するが、消化管から吸収された後に抗体を放出する薬剤を含む必要があるだろう。
薬学的に許容可能な担体の徹底的な議論は、Remington‘s Pharmaceutical Sciences(Remingtonの薬学)(Mack Publishing Company, N.J. 1991年)で利用可能である。
1つの態様において、製剤は、吸入を含む局所投与のための製剤として提供される。
適切な吸入可能な製剤は、吸入可能な粉末、噴射剤ガスを含む計量エアロゾルまたは噴射剤ガスを含まない吸入可能な溶液(噴霧可能な溶液または懸濁液など)を含む。活性物質を含む本開示に係る吸入可能な粉末は、上記活性物質単独または生理学的に許容可能な賦形剤との上記活性物質の混合物からなり得る。
これらの吸入可能な粉末は、単糖類(例えば、グルコースまたはアラビノース)、二糖類(例えば、ラクトース、サッカロース、マルトース)、オリゴ糖および多糖類(例えば、デキストラン)、ポリアルコール(例えば、ソルビトール、マンニトール、キシリトール)、塩類(例えば、塩化ナトリウム、炭酸カルシウム)または互いにこれらの混合物を含み得る。単糖類または二糖類は、好適に使用され、ラクトースまたはグルコースの使用は、特に限定されないが、それらの水和物のフォームで使用される。
肺での沈着のための粒子は、10ミクロン未満、1〜9ミクロン、例えば0.1〜5μm、特に1〜5μmなどを必要とする。活性剤(抗体または抗体断片など)の粒径は、最も重要である。
吸入可能なエアロゾルを調製するために使用されることができる噴霧ガスは、当該技術分野において公知である。適切な噴霧ガスは、n−プロパン、n−ブタンまたはイソブタンなどの炭化水素またはメタン、エタン、プロパン、ブタン、シクロプロパンまたはシクロブタンの塩化および/またはフッ素化誘導体などのハロ炭化水素の間から選択される。上記の噴霧ガスは、それら自体またはその混合物で使用され得る。
特に、適切な噴霧ガスは、TG 11、TG 12、TG 134aおよびTG227の間から選択されるハロゲン化アルカン誘導体である。上記のハロゲン化炭化水素のうち、TG 134a(1,1,1,2−テトラフルオロエタン)およびTG227(1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン)およびそれらの混合物が特に適している。
噴霧ガス含有吸入可能なエアロゾルはまた、共溶媒、安定剤、界面活性剤(surface−active agents、surfactant)、抗酸化剤、潤滑剤およびpH調整手段などの他の成分を含み得る。全てのこれらの成分は、当該分野で公知である。
本発明に係る噴霧ガス含有吸入可能なエアロゾルは、活性物質の重量で5%までを含み得る。本発明に係るエアロゾルは、例えば、活性の0.002〜5重量%、0.01〜3重量%、0.015〜2重量%、0.1〜2重量%、0.5〜2重量%または0.5〜1重量%を含む。
あるいは、肺への局所投与は、液体溶液または懸濁製剤の投与によってであり得、例えば、圧縮機に接続される噴霧器(例えば、Pari Respiratory Equipment, Inc., Richmond, Vaによって製造されるPari Master(登録商標)圧縮機に接続されるPari LC−Jet Plus(登録商標)噴霧器)などのデバイスを使用する。
1つの態様において、製剤は、噴霧による送達のための単位用量を含む別個のアンプルとして提供される。
1つの態様において、抗体は、凍結乾燥のフォームで、再構成のためにまたは懸濁液製剤として代わりに供給される。
本開示の抗体は、例えば、溶液または懸濁液のフォームで、溶媒中に分散されて送達されることができる。適切な生理学的溶液、例えば、生理食塩水、薬学的に許容可能な溶媒または緩衝用溶液に懸濁されることができる。当該分野で公知の緩衝溶液は、水1ml当たり0.05mg〜0.15mgのエデト酸二ナトリウム、8.0mg〜9.0mgのNaCl、0.15mmg〜0.25gのポリソルベート、0.25mg〜0.30mgの無水クエン酸、および0.45mg〜0.55mgのクエン酸ナトリウムを含むので、約4.0〜5.0のpHを達成し得る。上記のように、懸濁液は、例えば、凍結乾燥された抗体から作製されることができる。
組成物は、場合により、本発明の抗体の集団の特徴を改変することができる分子それによって、例えば、抗体の機能の低下、安定化、遅延、調節および/または活性化ををさらに含む。
治療用懸濁液または溶液製剤はまた、1つ以上の賦形剤を含むことができる。賦形剤は、当該分野で周知であり、緩衝剤(例えば、クエン酸緩衝液、リン酸緩衝液、酢酸緩衝液および重炭酸緩衝液)、アミノ酸、尿素、アルコール、アスコルビン酸、リン脂質、タンパク質(例えば、血清アルブミン)、EDTA、塩化ナトリウム、リポソーム、マンニトール、ソルビトール、およびグリセロールを含む。溶液または懸濁液は、リポソームまたは生物分解性ミクロオスフェアに封入されることができる。製剤は、一般的に、滅菌製造プロセスを用いて実質的に無菌のフォームで供給されるだろう。
これは、製剤に使用される緩衝化溶媒溶液のろ過、滅菌緩衝化溶媒溶液中の抗体の無菌懸濁液、および当業者によく知られている方法による無菌容器への製剤の調剤による生成物および殺菌を含み得る。
本開示に係る噴霧可能な製剤は、例えば、ホイルエンベロープで包装された単回投与単位(例えば、密閉されたプラスチック容器またはバイアル)として提供され得る。各バイアルは、溶媒/溶液緩衝液の体積、例えば、2mlの単位用量を含む。
本開示の抗体は、噴霧による送達に適していると考えられる。
また、本発明の抗体は、遺伝子治療の使用によって投与され得ると予測される。これを達成するために、適切なDNA成分の制御下で抗体分子の重および軽鎖をコードするDNA配列が、抗体鎖がDNA配列から発現され、その場で組み立てられるように、患者に導入される。
1つの態様において、多重特異性抗体(特に、本発明に係る抗体または断片)を精製する方法を提供する。
1つの態様において、不純物がカラム上に保持され、抗体が非結合画分で維持されるような非結合モードで陰イオン交換クロマトグラフィーを実施するステップを含む多重特異性抗体(特に、本発明に係る抗体または断片)を精製する方法を提供する。そのステップは、例えば、pH約6〜8で実施され得る。
本発明の方法は、例えば、約4〜5のpHで実施される陽イオン交換クロマトグラフィーを使用する初期補足ステップをさらに含み得る。
本発明の方法は、生成物を確実にする追加のクロマトグラフィーステップ(複数可)をさらに含んでもよく、不純物に関連する方法は、生成物ストリームから適切に分離される。
精製方法はまた、濃縮および透析ろ過ステップなどの、1以上の限外ろ過ステップを含み得る。
上記で使用されるような精製されたフォームは、少なくとも90%の純度、例えば、91、92、93、94、95、96、97、98、99%w/w以上の純度を意味することが意図される。
エンドトキシンを実質的に含まないとは、一般的に、抗体生成物1mg当たり1EU以下、例えば、生成物1mg当たり0.5または0.1EUのエンドトキシン含量を指すことが意図される。
宿主細胞タンパク質またはDNAを実質的に含まないとは、一般的に、適宜、抗体生成物の1mg当たり400μg以下、例えば、1mg当たり100μg以下、特に1mg当たり20μgの宿主細胞タンパクおよび/またはDNA含量を指すことを意図される。
本発明の抗体分子はまた、診断、例えば、インビボ診断および病態の画像化で使用され得る。
本明細書の文脈における「含む」は、包含することを意味することを意図する。技術的に適切な場合、本発明の態様が組み合わせられ得る。態様は、特定の特徴/要素を含むものとして本明細書中に記載される。本開示はまた、前記特徴/要素からなる、または本質的になる態様を分離することを示す。特許および出願のような技術的参考文献は、参照により本明細書中に組み込まれる。
本明細書中に具体的かつ明確に記載される任意の態様は、単独または1以上のさらなる態様との組み合わせのいずれかでディスクレーマー(「一部除く」)の基礎を形成し得る。
本開示は、添付図面に言及する以下の実施例においてのみ例示としてさらに記載される。
図1は、本開示の様々な多重特異性抗体コンストラクトを示す。IgG−dsFvフォーマット。
図2は、本開示の様々なプロテイン−A精製重鎖(HC)結合コンストラクトのSDS−PAGE分析を示す。 (A)非還元サンプル。(B)還元サンプル。
図3は、本開示の様々なプロテイン−A精製軽鎖(LC)結合コンストラクトのSDS−PAGE分析を示す。 (A)非還元サンプル。(B)還元サンプル。
抗原1に対する抗体/断片は、標識化#1である。
抗原2に対する抗体/断片は、標識化#2である。
抗原3に対する抗体/断片は、標識化#3である。
抗原4に対する抗体/断片は、標識化#4である。
実施例1:本開示の抗体分子の発生(IgG−dsFv)
哺乳動物細胞における発現のためのプラスミドの構築
IgG#2−dsFv#1抗体コンストラクトについて
IgG#2−dsFv#1の発現に対するプラスミド(図1参照)は、フレキシブルリンカーSGGGGSGGGGS[また、本明細書中でS、2xG4Sと呼ばれる](配列番号1)を使用する#2軽鎖のKm3アロタイプヒトκ定常領域のC末端に#1vLまたは#1vHを融合させることによって、またはフレキシブルリンカーSGGGGSGGGGS(配列番号1)を使用して#2重鎖のγ1アイソタイプヒトγ−1CH3定常領域のC末端に#2#1vLまたは#1vHを融合することによって構築された。また、点突然変異が、#1vLおよび#1vHの両方のフレームワーク領域において選択された残基のDNA配列中に導入された。突然変異(重鎖G44Cおよび軽鎖G100C)は、Fv#3の重および軽鎖の間の鎖間ジスルフィド結合を作製するために導入された。突然変異(重鎖G44Cおよび軽鎖Q100C)は、1#Fvの重および軽鎖の間の鎖間ジスルフィド結合を作製するために導入された。
1#dsvL遊離ドメインおよび#1dsvH遊離ドメインをコードする遺伝子断片は、化学的に製造され、上記で詳細したように、融合して以下のものを生成した:
IgG#2Light−(SGGGGSGGGGS)−dsvL#1[プラスミドA];
IgG#2Light−(SGGGGSGGGGS)−dsvH#1[プラスミドB];
IgG#2Heavy−(SGGGGSGGGGS)−dsvL#1[プラスミドC];および
IgG#2Heavy−(SGGGGSGGGGS)−dsvH#1[プラスミドD]。
IgG#2−dsscFv#1およびIgG#2−scFv#1抗体コンストラクトについて
IgG#2−dsscFv#1およびIgG#2−scFv#1の発現のためのプラスミドが、次のように構築された。一本鎖Fv(sFv)は、フレキシブルリンカーGGGGSGGGGSGGGGSGGGGS[また、本明細書中で4xG4sと呼ばれる](配列番号68)を介して#1vHのC末端に#1vLのN末端を結合することによって構築された。dsscFvを生成するために、点突然変異が#1vL中フレームワーク残基G100Cおよび#1vH中G44CでDNA配列中に導入されて、scFvに結合されたジスルフィドを作成した(dsscFv)。
scFv#1およびdsscFv#1をコードする遺伝子断片が、化学的に製造され、
#2Light−(SGGGGSGGGGS)−dsscFv#1(dsvH−4xG4S−dsvL)[プラスミドE1];
#2Light−(SGGGGSGGGGS)−dsscFv#1(dsvL−4xG4S−dsvH)[プラスミドE2];
#2Light−(SGGGGSGGGGS)−scFv#1(vH−4xG4S−vL)[プラスミドF1];および
#2Light−(SGGGGSGGGGS)−scFv#1(vL−4xG4S−vH)[プラスミドF2];を生成させるためにフレキシブルリンカーSGGGGSGGGGS(配列番号1)を使用して#2軽鎖のKm3アロタプヒトκ定常領域
または
#2Heavy−(SGGGGSGGGGS)−dsscFv#1(dsvH−4xG4S−dsvL)[プラスミドG1];
#2Heavy−(SGGGGSGGGGS)−dsscFv#1(dsvL−4xG4S−dsvL)[プラスミドG2];
#2Heavy−(SGGGGSGGGGS)−scFv#1(vH−4xG4S−vL)[プラスミドH1];および
#2Heavy−(SGGGGSGGGGS)−scFv#1(vL−4xG4S−vH)[プラスミドH2];を生成させるために、フレキシブルリンカーSGGGGSGGGGS(配列番号1)を使用して#2重鎖のγ1アイソタイプヒトγ1CH定常領域のいずれかのC末端に融合された。
全てのIgG融合フォーマットは、HCMV−MIEプロモーターおよびSV40EポリA配列の制御下で哺乳動物発現ベクター中にクローニングされた。IgG#2軽鎖[プラスミドJ]、IgG#2重鎖[プラスミドI]、dsvL#1遊離ドメイン[プラスミドK]およびdsvH#1遊離ドメイン[プラスミドL]が化学的に製造され、HCMV−MIEプロモーターおよびSV40EポリA配列の制御下で哺乳動物発現ベクター中に個々にクローニングされた。
IgG#2(LC)−dsFv#1、IgG#2(HC)−dsFv#1、IgG#2(LC)−dsscFv#1、IgG#2(HC)−dsscFv#1、IgG#2(LC)−scFv#1およびIgG#2(HC)−scFv#1のHEK293発現。
HEK293細胞は、Invitrogenの293フェクチントランスフェクション試薬をメーカーの説明通り使用して関連するプラスミドでトランスフェクトされた。プラスミドは、表4で示されるように、混合されて異なるコンストラクトを発現した。
トランスフェクションに使用されたプラスミドの比率は変化した:2つのプラスミドの組み合わせは1:1であった一方、3つのプラスミドの組み合わせについて、異なる比率が試験された。全部で50μgのプラスミドDNAを、125μlの293フェクチン+4.25ml Optimem培地で、20分間、室温でインキュベートした。次に、その混合物を、1×10細胞/mlで懸濁液中で50mlのHEK293細胞に加え、37℃で振盪しながらインキュベートした。上清を、1500gで遠心分離によって10日目に採取して細胞を除去し、その上清を、0.22μmフィルターに通した。発現レベルを、プロテイン−G HPLCによって決定した。
表5は、プロテイン−G HPLC分析の結果を示す。見てわかるように、全ての構コンストラクトの発現のレベルは、互いに同等であり、7〜22μg/mlの範囲をカバーする。IgG−dsFvは7〜22μg/mlで発現し、IgG−dsscFvは9〜17μg/mlで発現し、IgG−scFvは10〜16μg/mlで発現した。文献に、一緒にvLおよびvHをもたらすためのvLおよびvHの間のリンカーまたは二量化モチーフのいずれかを欠くFv領域の発現は、結合したFvよりも実質的に低い発現レベルを有することが報告されている。驚くべきことに、これは、コンストラクトの各タイプの発現レベルの間に観察される有意差がなかったこのデータでは観察されなかった。非結合vHを含むvL結合タンパク質は、非結合vLを含むvH結合タンパク質(7〜8μg/ml)と比較して高い発現レベル(10〜22μg/ml)を示した。
HEK293発現IgG#2−dsFv#1、IgG#2−dsscFv#1およびIgG#2−scFv#1のプロテイン−A精製
約50mlのHEK293上清を、30kDaの分子量カットオフ遠心分離濃縮器を使用して、約2mlへと約25倍に濃縮した。濃縮した上清を、20mMリン酸塩、40mMNaCl pH7.4中で平衡化された1mlHiTrap MabSelectSureカラム(GE Healthcare)に適用した。カラムを20mM リン酸塩、40mM NaCl pH7.4で洗浄し、結合物質を、0.1Mクエン酸塩 pH3.4で溶出した。溶出ピークを集め、2MのTris/HCl pH8.5で約pH7.0に調整した。pH調整された溶出液を濃縮し、30kDaの分子量カットオフ遠心分離濃縮器を使用してPBS pH7.4にbuffer置換した。
実施例2−IgG−dsFv分子の分析
プロテイン−A精製、HEK293発現IgG#2−dsFv#1、IgG#2−dsscFv#1およびIgG#2−scFv#1のSDS−PAGE分析
サンプル(2μg)を、PBSを用いて、9.75μlの体積に希釈し、3.75μl4×LSDサンプル緩衝液および1.5μl 100mMのN−エチルマレイミド(非還元サンプル)または1.5μlの10×NuPAGE還元剤(還元サンプル)を添加した。サンプルをボルテックスし、70℃で10分間インキュベートし、冷却し、12500rpmで30秒間、遠心分離した。調製したサンプルを4〜20%アクリルアミドTris/グリシンSDSゲル上に充填し、約100分間、125V、一定電圧で流した。SeeBluePlus2(Life Technologies)分子量ラダーを使用した。ゲルをInstant Blueタンパク質染色(Expedeon)で染色し、蒸留水で脱染した。
SDS−PAGEの結果を表2および3に示す。還元および非還元SDS−PAGE後の予想バンドサイズを表6に示す。IgGフォ^−マットをサイズ比較のために横に並べた。
IgGについて、非還元ゲルは、約147kDaでバンドを示すと予想されたが、還元ゲルは、約50kDaおよび24kDaで、上部バンドが約2倍の染色を有するバンドを示すと予想された。
IgG(HC)−scFvおよびIgG(HC)−dsscFvについて、非還元ゲルは、約201kDaでバンドを示すと予想されたが、還元ゲルは、約77kDaおよび24kDaで上部バンドが約3倍の染色を有するバンドを示すと予想された。
IgG(HC)−scFvについて、非還元ゲルは、約201kDaでバンドを示すと予想されたが、還元ゲルは、約64kDa、約24kDaおよび12kDaで上部から下部バンドでおおよそ比率3:2:1の染色を有するバンドを示すと予想された。
IgG(LC)−scFvおよびIgG(LC)−dsscFvについて、非還元ゲルは、約201kDaでバンドを示すと予想されたが、還元ゲルは、約50kDaで両方のバンドでだいたい等しい染色を有するダブレットを示すと予想された。
IgG(LC)−dsFvについて、非還元ゲルは、約201kDaでバンドを示すと予想されたが、還元ゲルは、約50kDa、約37kDaおよび12kDaで上部から下部バンドでおおよそ比率3:2:1の染色を有するバンドを示すと予想された。
還元SDS−PAGEゲルは、コンストラクトが移動位置および染色強度の両方に関して正確に発現されていたことを示すバンドパターンを示した。唯一の例外は、IgG#2(HC)−dsFv#1(HC−vH結合)(トランスフェクション比1:1:2 HC−vH:LC:vL)であり、これは、約55kDaおよび約45kDaで余分なバンド(図2B、レーン10)、およびIgG#2(LC)−dsFv#1(LC−vH結合)(比率1:1:1 LC−vH:HC:vL)(図3B、レーン6)を含み、これは約65kDaで余分なバンドを含んだ。しかしながら、同様の余分バンドはまた、親IgG#2−scFv#1(HC−HLscFv)タンパク質(約65kDaおよび約55kDaの余分なバンド、図2B、レーン5)および親IgG#2−dsscFv#1(LC−HLscFv)タンパク質(約65kDaの余分なバンド、図3B、レーン3)において観察された。
したがって、HC−vH結合タンパク質およびLC−vH結合タンパク質は、いくつかのマイナー分解/凝集と一致しているさらなるバンドを有し、HC−vL結合タンパク質およびLC−vL結合タンパク質は、期待されるバンドパターンを示した。非還元SDS−PAGEゲルは、多量体化と一致したIgG−dsscFvについてバンディングパターン>200kDaを示したたが(図2A、レーン6および8、図3A、レーン3および5)、これらの高分子量種が、全てのIgG−dsFvサンプルにおいて存在しなかった(図2A、レーン9〜12、図3A、レーン6〜9)。
プロテイン−A精製、HEK293発現、IgG#2−dsFv#1およびIgG#2−dsscFv#1のS200 SE−HPLC分析
10μg精製タンパク質サンプル(PBSで希釈した0.1mg/mlストックの100μl)を、精製後3日にSuperdex 200 10/300 GL Tricorn カラム(GE Healthcare)上に注入し、1ml/分で、280nmの吸光度によって連続検出で、PBS pH7.4のアイソクラチック勾配を発現させた。
プロテイン−A精製後、IgG#2(HC)−dsscFv#1サンプルは、64〜75%モノマーであり、IgG#2(LC)−dsscFv#1は、53〜54%モノマーであり、;一方、IgG#2(HC)−dsFv#1(HC−vH結合)は、91〜92%モノマーであり、IgG#2(HC)−dsFv#1(HC−vL結合)は、97〜99%モノマーであり、IgG#2(LC)−dsFv#1(LC−vH結合)は、60〜76%モノマーであり、IgG#2(LC)−dsFv#1(LC−vL結合)は、100%モノマーであった。
Fv#1は、特に多量体化する傾向があることが知られている。IgG−dsscFv多量体は、dsscFvリンカーによって物理的に結合され、dsscFv#1を(scFvリカンーを欠く)dsFv#1で置換することによって、得られたモノマーのレベルが有意に増加した(場合によっては100%)。
多量体化するFvの傾向に依存して、いくつかの例において、dsscFvの代わりにdsFvを使用することが有利であろう。vLとvHの間のリンカーの欠如は、不適切な分子間ドメイン相互作用の可能性を排除し、それゆえ、発現中および発現後に多量体および凝集体を形成する傾向を低下させる。dsFvとのジスルフィド結合の存在は、生成物が安定であることを保証する。

Claims (22)

  1. a)式(I):V−CH−CH−CH−X−(Vのポリペプチド鎖;および
    b)式(II):V−C−Y−(Vのポリペプチド鎖
    を含む、またはからなる多重特異性抗体分子であって、
    ここで、Vは、重鎖可変ドメインを表し;
    CHは、重鎖定常領域のドメイン、例えば、そのドメイン1を表し;
    CHは、重鎖定常領域のドメイン、例えば、そのドメイン2を表し;
    CHは、重鎖定常領域のドメイン、例えば、そのドメイン3を表し;
    Xは、結合またはリンカーを表し;
    Yは、結合またはリンカーを表し;
    は、dsFv、sdAb、dsscFv、またはscFvを表し;
    は、可変ドメイン、例えば、軽鎖可変ドメインを表し;
    は、定常領域からのドメイン、例えば、Cκなどの軽鎖定常領域ドメインを表し;
    は、dsFv、sdAb、dsscFv、またはscFvを表し;
    pは、0または1を表し;
    qは、0または1を表し;
    ここで、pまたは1の少なくとも1つは、1であり、および
    ここで、VまたはVの少なくとも1つは、dsFvでり、および
    がdsFvであり、pが1であり、qが0である場合、該分子は、式(I)の2つの重鎖および式(II)の2つの関連する軽鎖を有する二量体として提供される。
  2. pが1である、請求項1に記載の多重特異性抗体分子。
  3. qが0である、請求項1または2に記載の多重特異性抗体分子。
  4. qが1である、請求項1または2に記載の多重特異性抗体分子。
  5. がdsFvである、請求項1または4のいずれか一項に記載の多重特異性抗体分子。
  6. がdsscFvである、請求項1または4のいずれか一項に記載の多重特異性抗体分子。
  7. がdsFvである、請求項1または6のいずれか一項に記載の多重特異性抗体分子。
  8. がdsscFvである、請求項1または6のいずれか一項に記載の多重特異性抗体分子。
  9. Xがペプチドリンカー、例えば、配列番号1または配列番号2の配列である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の多重特異性抗体分子。
  10. Xが結合である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の多重特異性抗体分子。
  11. Yがペプチドリンカー、例えば、配列番号1または配列番号2の配列である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の多重特異性抗体分子。
  12. Yが結合である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の多重特異性抗体分子。
  13. および/またはVの可変領域内ジスルフィド結合は、独立して、V37およびV95、V44およびV100、V44およびV105、V45およびV87、V100およびV50、V100bおよびV49、V98およびV46、V101およびV46、V105およびV43およびV106およびV57を含む、またはからなる群から選択され、ここで、VおよびV値は、独立して、所定のVまたはV内で、例えば、V44およびV100である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の多重特異性抗体分子。
  14. および/またはVにおける可変領域内ジスルフィド結合は、位置V44およびV100である、請求項13に記載の多重特異性抗体分子。
  15. 請求項1〜14のいずれか一項に記載の多重特異性抗体分子またはそのポリペプチド鎖をコードするポリヌクレオチド。
  16. 請求項15で定義されるポリヌクレオチドを含むベクター。
  17. それぞれ請求項14または15のベクターまたはポリヌクレオチドを含む宿主細胞。
  18. 請求項1〜14のいずれか一項に記載の多重特異性抗体分子の異なるポリペプチド鎖をコードするヌクレオチドを各々含む3つのベクターを含む宿主細胞。
  19. 請求項17または18で定義される宿主細胞からの多重特異性抗体分子を発現することを含む方法。
  20. 請求項1〜14のいずれか一項に記載の多重特異性抗体分子および少なくとも1つの賦形剤を含む医薬組成物。
  21. 治療に使用するための請求項1〜14のいずれか一項に記載の多重特異性抗体分子または請求項20に記載の医薬組成物。
  22. 請求項1〜14のいずれか一項に記載の多重特異性抗体分子または請求項20に記載の医薬組成物の治療有効量を投与することを含む、それを必要とする患者を治療する方法。
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