JP2017527537A - カナムグラ抽出物を有効成分として含む、退行性脳疾患の予防または治療用組成物 - Google Patents

カナムグラ抽出物を有効成分として含む、退行性脳疾患の予防または治療用組成物 Download PDF

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Abstract

本発明は、ドーパミン性神経細胞死の抑制効果及び酸化ストレスに対する神経細胞の保護効果と、認知能力及び記憶力の改善効果を有するカナムグラ抽出物またはその分画物を有効成分として含む、退行性脳疾患の予防または治療用薬学的組成物、前記薬学的組成物を投与する段階を含む退行性脳疾患の治療方法、前記退行性脳疾患の予防または治療用薬学的組成物の製造のためのカナムグラ抽出物またはその分画物の用途、及びカナムグラ抽出物またはその分画物を有効成分として含む退行性脳疾患の予防または改善用健康機能食品に関する。【選択図】図7

Description

本発明は、カナムグラ(Humulus japonicus)抽出物またはその分画物を有効成分として含む退行性脳疾患の予防または治療用薬学的組成物に関し、より詳しくは、ドーパミン性神経細胞死の抑制効果及び酸化ストレスに対する神経細胞の保護効果と、認知能力及び記憶力の改善効果を有するカナムグラ抽出物またはその分画物を有効成分として含む退行性脳疾患の予防または治療用薬学的組成物、前記薬学的組成物を投与する段階を含む退行性脳疾患の治療方法、前記退行性脳疾患の予防または治療用薬学的組成物の製造のためのカナムグラ抽出物またはその分画物の用途、及びカナムグラ抽出物またはその分画物を有効成分として含む退行性脳疾患の予防または改善用健康機能食品に関する。
現代人にとって記憶力は、急速に変化する生活の中で、その重要性が増大しており、社会的に学習量の多い青少年から高齢者に至るまで主要な関心の対象となっている。退行性脳疾患は、記憶力の減退をもたらすことが知られており、酸化的ストレスがアルツハイマー病症候群、パーキンソン症候群、ハンチントン症候群などの中枢神経系の退行性脳疾患の重要な要因であることが明らかになった。
近年、高齢者の人口増加などにより認知症のような退行性脳疾患の患者が急増し、認知症などによって低下した認知機能及び学習機能を改善させ、向上させるための様々な治療戦略を確立して効果的な薬物を開発しようとする試みがなされている。これまで開発されてきた記憶改善の薬物としては、アセチルコリン前駆体(acetylcholine precursor)、受容体活性剤(Receptor agonist)、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(Acetylcholine esterase inhibitor)などがある。しかし、退行性脳疾患の根本的な発症原因を治療する治療剤は未だ開発されておらず、一般的な治療剤として使用可能なものとしては、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤であるファイザー社のアリセプト(Aricept)、ノバルティス社のイクセロン(Exelon)、ヤンセン社のレミニール(Reminyl)、及び最近では米国FDAから承認を受けたNMDA受容体(N-methyl-D-aspartate receptor)拮抗剤メカニズムのルンドベック社のエビクサ(Ebixa:Memantine)がある。しかし、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤の場合は、減退した認知能力を改善するだけで、アルツハイマー病の根本的な発症の原因を治療し得ないという限界がある。また、単に一部の患者において一時的な症状緩和効果を示すだけで、その薬効が長く持続しないため、根本的な治療効果を期待することは困難であることが知られている。それ以外にも退行性脳疾患の特性上、薬の長期服用が必要とされるが、前記医薬品の場合、肝毒性、嘔吐、食欲減退をはじめとする様々な副作用を伴うなどの問題がある。したがって、退行性脳疾患の進行過程を防ぐことができる新たな治療剤の開発が急務となっている。そのため、多くの多国籍製薬会社がこの分野に対する研究開発に莫大な投資をしており、特に、アルツハイマー病の根本的な発症の原因として推定されている40個余りのアミノ酸で構成されたβ−アミロイド(β-amyloid)の生成量を減少させるβまたはγ−セクレターゼ(secretase)阻害剤の開発がその主流をなしている。韓国国内においては、アルツハイマー病に関する基礎研究はある程度行われているが、認知症治療剤そのものはほぼ皆無であるというのが実情である。
今日、漢方医学界では退行性脳疾患のうち、アルツハイマー病治療剤としての漢方薬の処方に関する研究が活発に進められている。このような研究により、オンジ(遠志)、セキショウブ(石菖蒲)、カギカズラ(鉤葛)、コウジン(紅参)、ゲンジン(玄参)などの単味剤と、チョンミョンタン(聡明湯)、テンノウホシンタン(天王補心丹)、キヒトウ(帰脾湯)などの処方がアルツハイマー病の治療に一定の効果があることが明らかになっている。しかし、カナムグラの退行性脳疾患の予防または治療効果については知られていない。
本発明者らは、最近現代人において発症率が高まっている、パーキンソン病及びアルツハイマー病などの退行性脳疾患の発症及び悪化を効果的に抑制することができ、これを治療するための副作用のない安全な薬物として、摂取時にも人体に毒性を表さない物質を利用した新たな退行性脳疾患の予防または治療剤を開発するために鋭意研究努力した結果、カナムグラ抽出物がドーパミン性神経細胞死を抑制し、酸化ストレスに対する神経細胞の保護効果を有し、パーキンソン病及びアルツハイマー病などの退行性脳疾患を有する動物モデルにおいて認知能力及び記憶力の改善効果があることを明らかにすることにより、これを退行性脳疾患の予防または治療用途として使用することができることを確認し、本発明を完成した。
本発明の一つの目的は、カナムグラ(Humulus japonicus)抽出物またはその分画物を有効成分として含む退行性脳疾患の予防または治療用薬学的組成物を提供することにある。
本発明の他の目的は、前記薬学的組成物を投与する段階を含む退行性脳疾患の治療方法を提供することにある。
本発明のもう一つの目的は、前記抽出物または分画物を有効成分として含む退行性脳疾患の予防または改善用健康機能食品を提供することにある。
本発明のもう一つの目的は、前記退行性脳疾患の予防または治療用薬学的組成物を製造するためのカナムグラ抽出物またはその分画物の用途を提供することにある。
本発明者らは、退行性脳疾患の発症及び悪化を効果的に抑制する物質を開発するために、人体への安全性が高い天然物を対象に、様々な研究を行う中で、カナムグラ(Humulus japonicus)の抽出物に着目した。前記カナムグラ抽出物は、ドーパミン性神経細胞死を抑制し、酸化ストレスに対する神経細胞の保護効果を有することを確認した。また、パーキンソン病、アルツハイマー病、ハンチントン病などの退行性脳疾患を有する動物モデルにおいて認知能力及び記憶力の改善効果を示した。
したがって、前記カナムグラ(Humulus japonicus)抽出物をアルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症(Lou Gehrig’s disease)、軽度認知障害、脳卒中、ハンチントン病などのような退行性脳疾患の予防または治療用薬学的組成物の有効成分として用いることができることがわかった。
上述した目的を達成するために、本発明は、一つの様態としてカナムグラ(Humulus japonicus)抽出物またはその分画物を有効成分として含む、退行性脳疾患の予防または治療用薬学的組成物を提供する。
本発明の用語「カナムグラ(Humulus japonicus)」とは、麻科(Cannabaceae)に属し、韓国全域と東アジア地域に主に分布しているつる性の一年草であり、茎の皮は繊維として使用され、果実は苦味健胃剤として使用され、果実がついた全草は利尿剤として使用されることが知られている。しかし、退行性脳疾患に関連する疾患などの治療または予防のための用途については未だ開示されておらず、本発明者らにより初めてアルツハイマー、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、軽度認知障害、脳卒中及びハンチントン病などを含む退行性脳疾患に関連する疾患の治療または予防のための用途で用いられることが明らかになった。また、本発明においてカナムグラは、商業的に販売されているものを購入したり、自然から採取したり、または栽培されたものを使用することができる。
本発明の用語「抽出物(extract)」とは、目的とする物質を、様々な溶媒に浸漬した後、常温または加温状態で一定時間抽出して得られた液状成分、前記液状成分から溶媒を除去して得られた固形分などの結果物を意味する。さらに、前記結果物に加えて、前記結果物の希釈液、それらの濃縮液、それらの粗精製物、精製物などをすべて含むものとして包括的に解釈することができる。
本発明において、前記抽出物はカナムグラの抽出物であると解釈することができる。前記カナムグラ抽出物は、天然、雑種、変種植物の様々な器官から抽出することができ、例えば、根、地上部、茎、葉、花、果実の胴部、果実の殻だけでなく、植物組織培養物から抽出可能である。前記カナムグラ抽出物は、水または様々な有機溶媒などで抽出することにより得ることができる。この時、使用される有機溶媒は、退行性脳疾患の予防または治療効果を有する抽出物を得ることができるものであれば、特にこれに限定されないが、好ましくは、水、極性溶媒または非極性溶媒であってもよく、より好ましくは、水、炭素数1〜4の低級アルコール(メタノール、エタノール、プロパノールまたはブタノールなど)、これらの混合溶媒などであってもよく、最も好ましくは、メタノールまたはその混合溶媒であってもよい。また、前記抽出物を得るための方法も、退行性脳疾患の予防または治療効果を有する抽出物を得ることができるものであれば、特にこれに限定されないが、好ましくは、前記カナムグラの根、茎、葉、果実、花、それらの乾燥物、加工物などを前記溶媒に浸漬し、10〜25℃の常温で抽出する冷浸抽出法、40〜100℃に加熱して抽出する加熱抽出法、超音波を加えて抽出する超音波抽出法、還流冷却器を用いた還流抽出法などであってもよい。
本発明の用語「分画物」とは、様々な構成成分を含む混合物から特定の成分または特定のグループを分離する分画方法によって得られた結果物を意味する。
本発明における前記分画物は、前記カナムグラ抽出物に対して様々な分画方法を行うことによって得られた分画物であると解釈することができる。前記分画物は、前記抽出物に対し様々な分画方法を行うことによって得られる。前記分画方法は、特にこれに限定されないが、様々な溶媒で処理して行う溶媒分画法、一定の分子量のカット−オフ値を有する限外ろ過膜を通過させて行う限外濾過分画法、様々なクロマトグラフィー(サイズ、電荷、疎水性または親和性による分離のために製作されたもの)を行うクロマトグラフィー分画法などであってもよい。特に、前記溶媒分画法に使用される溶媒は、特にこれに限定されないが、極性溶媒または非極性溶媒を使用することができ、好ましくは、非極性溶媒を使用することができる。前記溶媒分画法は、非極性レベルの高い溶媒から低い溶媒の順に使用して、前記抽出物を順次分画して行うことができるが、例えば、核酸または酢酸エチルを用いて前記抽出物を順次分画することができる。
本発明の用語「退行性脳疾患(degenerative brain disease)」とは、加齢に伴って発生する退行性疾患のうち、脳で発生する疾患を意味する。前記退行性脳疾患は、老化に伴う神経退化と遺伝的、環境的要因によってタンパク質が凝集し、神経細胞が死滅することにより引き起こされることが知られているが、まだ正確な原因は明らかになっていない。
本発明において、前記退行性脳疾患は、特にこれに限定されないが、一例として、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、軽度認知障害、脳卒中、ハンチントン病などが挙げられる。
本発明における用語「予防」とは、本発明による薬学的組成物の投与により退行性脳疾患の発症を抑制または遅延させる全ての行為を意味し、「治療」とは、前記薬学的組成物の投与により退行性脳疾患の疑いのある個体及び発症した個体の症状が好転したり、有利に変更されるすべての行為を意味する。
本発明において、前記退行性脳疾患の予防または治療は、前記抽出物によりドーパミン性神経細胞死滅が抑制され、酸化ストレスに対する神経細胞の保護効果を有することにより達成することができ、行動学的にパーキンソン病及びアルツハイマー病のような退行性脳疾患を有する動物モデルにおいて認知能力及び記憶力の改善効果を示すことにより達成することができる。
本発明における用語「ドーパミン(dopamine)」とは、脳の中で信号を伝達する神経伝達物質であり、運動及び動きに関連があることが知られている。
本発明における用語「ドーパミン性神経細胞死」とは、中脳の黒質緻密部(substantia nigra pars compacta)に密集しているドーパミン性神経細胞の消失または変性を意味し、ドーパミン性神経細胞死が誘導されたパーキンソン病の動物モデルは、6−ヒドロキシドーパミン(6-hydroxyldopamine、6-OHDA)を注入することにより製作することができることが知られている。
本発明における用語「酸化ストレス(oxidative stress)」とは、退行性脳疾患を引き起こす重要な要因であり、体内に活性酸素が多くなると、酸化ストレスが誘発され、前記酸化ストレスにより脳細胞の消失及びパーキンソン病、アルツハイマー病などの退行性脳疾患が誘発されうることが知られている。
上述したように、本発明で提供されるカナムグラの抽出物またはその分画物は、ドーパミン性神経細胞死を抑制し、酸化ストレスに対する神経細胞の保護効果を有するだけでなく、前記抽出物を投与したパーキンソン病及びアルツハイマー病のような退行性脳疾患を有する動物モデルにおいて認知能力及び記憶力を向上させることができる。
本発明の一実施例によれば、カナムグラからメタノール抽出物を取得し、前記得られたカナムグラ抽出物の効能を調べた結果、活性酸素種の生成を抑制して神経細胞の酸化ストレスに対する保護効果を示し(図1a及び1b)、炎症性反応を抑制する効果を示し(図2a〜2g)、パーキンソン病の予防及び治療効果を示し(図3、4、5、6a〜6d)、アルツハイマー病の予防及び治療効果を示し(図7、8、9a〜9c、10aから10c、11a〜11c、12a〜12c及び13a〜13c)、ハンチントン病の予防及び治療効果を示すこと(図14)を確認した。
したがって、前記カナムグラ抽出物またはその分画物は、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、軽度認知障害、脳卒中及びハンチントン病などの様々な退行性脳疾患を予防または治療する効果を示すことがわかった。
本発明の退行性脳疾患の予防または治療用薬学的組成物は、薬学的組成物の製造に通常使用される適切な担体、賦形剤または希釈剤をさらに含むことができる。具体的には、前記薬学的組成物は、それぞれ通常の方法により散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、懸濁液、エマルジョン、シロップ、エアロゾルなどの経口型剤形、外用剤、坐剤及び滅菌注射溶液の形態に剤形化して使用することができる。本発明において、前記薬学的組成物に含ませることができる担体、賦形剤及び希釈剤としては、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、澱粉、アカシアゴム、アルギン酸塩、ゼラチン、リン酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、セルロース、メチルセルロース、微晶質セルロース、ポリビニルピロリドン、水、メチルヒドロキシベンゾエート、ヒドロキシ安息香酸プロピル、タルク、ステアリン酸マグネシウム、及び鉱物油を挙げることができる。製剤化する場合には、通常使用する充填剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、界面活性剤などの希釈剤または賦形剤を使用して調製される。経口投与のための固形製剤には、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤などが含まれ、このような固形製剤は、前記抽出物とその分画物に少なくとも1つ以上の賦形剤、例えば、澱粉、炭酸カルシウム(calcium carbonate)、スクロース(sucrose)またはラクトース(lactose)、ゼラチンなどを混合して調剤される。また、単純な賦形剤以外にステアリン酸マグネシウム、タルクなどの潤滑剤も使用される。経口のための液状製剤としては、懸濁剤、内用液剤、乳剤、シロップ剤などが該当するが、よく使用される単純希釈剤である水、リキッドパラフィン以外に様々な賦形剤、例えば、湿潤剤、甘味剤、芳香剤、保存剤などが含まれることができる。非経口投与のための製剤には、滅菌された水溶液、非水性溶剤、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥製剤、坐剤が含まれる。非水性溶剤、懸濁剤としては、プロピレングリコール(propylene glycol)、ポリエチレングリコール、オリーブオイルなどの植物性オイル、オレイン酸エチルのような注射可能なエステルなどを使用することができる。坐剤基剤としては、ウィテップゾール(witepsol)、マクロゴール、ツイン(tween)61、カカオ脂、ラウリン脂、グリセロゼラチンなどを使用してもよい。
本発明の薬学的組成物に含まれた前記カナムグラの抽出物またはその分画物の含有量は、特にこれに限定されないが、最終的な組成物の総重量を基準として0.0001〜50重量%、より好ましくは0.01〜20重量%の含有量で含むことができる。
前記本発明の薬学的組成物は、薬剤学的に有効な量で投与することができるが、本発明の用語「薬剤学的に有効な量」とは、医学的治療または予防に適用可能な合理的な恩恵/リスク比で疾患を治療または予防するのに十分な量を意味し、有効容量レベルは、疾患の重症度、薬物の活性、患者の年齢、体重、健康、性別、患者の薬物に対する敏感度、使用された本発明の組成物の投与時間、投与経路、及び排出割合、治療期間、使用された本発明の組成物に配合されるかまたは同時に使用される薬物の有無、及びその他医学分野でよく知られている要素に応じて決定することができる。本発明の薬学的組成物は、個別治療薬として投与するか、または他の治療薬と併用して投与することができ、従来の治療剤と順次または同時に投与することができる。そして、単一または多重投与することができる。前記要素をすべて考慮し、副作用が起こらず、最小限の量で最大の効果を得ることができる量を投与することが重要である。
本発明の薬学的組成物の投与量は、例えば、本発明の薬学的組成物を、ヒトを含む哺乳動物に1日0.1〜500mg/体重kgで投与することができる。また、本発明の組成物の投与頻度は、特にこれに限定されないが、1日1回投与するか、または用量を分割して数回投与することができる。前記投与量は、如何なる面においても本発明の範囲を限定するものではない。
本発明は、他の一様態として、前記薬学的組成物を薬剤学的に有効な量で退行性脳疾患が発症した個体に投与する段階を含む退行性脳疾患の治療方法を提供する。
上述したように、本発明で提供する前記カナムグラ抽出物またはその分画物は、退行性脳疾患の予防または治療用薬学的組成物の有効成分として使用することができるため、前記組成物は、退行性脳疾患を治療するために使用することができる。
本発明の用語「個体」とは、退行性脳疾患が発症する可能性があるか、または発症したラット、家畜、ヒトなどを含む哺乳動物を制限なく含む。
本発明の退行性脳疾患を治療する方法において、前記薬学的組成物の投与経路は、目的組織に到達することができるものであれば、一般的な如何なる経路を通じて投与してもよい。本発明の薬学的組成物は、特にこれに限定されないが、目的とするところにより、腹腔内投与、静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与、皮内投与、経口投与、鼻内投与、肺内投与、直腸内投与などの経路を通じて投与することができる。ただし、経口投与時には、胃酸により前記カナムグラの抽出物またはその分画物が変性することがあるため、経口用組成物は、活性薬剤をコーティングしたり、胃腸での分解から保護されるように剤形化しなければならない。また、前記組成物は、活性物質が標的細胞に移動することができる任意の装置により投与することができる。
また、本発明は、他の一様態として、カナムグラの抽出物またはその分画物を含む退行性脳疾患の予防または改善用健康機能食品を提供する。
前記退行性脳疾患の予防または治療用薬学的組成物の有効成分であるカナムグラの抽出物またはその分画物は、従来から漢方薬材として使用され、その安全性が立証されたカナムグラに由来しているため、前記カナムグラの抽出物またはその分画物は常食することができるとともに、退行性脳疾患の予防または改善を図ることのできる食品の形態に製造して摂取することができる。
前記食品に含まれる前記カナムグラの抽出物またはその分画物の含量は、特にこれに限定されないが、食品組成物の総重量に対して0.001〜50重量%含まれてもよく、より好ましくは0.1〜10重量%含まれてもよい。食品が飲料である場合には、100mlを基準として1〜10g含まれてもよく、より好ましくは2〜7gの割合で含まれてもよい。また、前記組成物は、食品組成物に通常使用され、匂い、味、視覚などを向上させる追加の成分を含むことができる。例えば、ビタミンA、C、D、E、B1、B2、B6、B12、ナイアシン(niacin)、ビオチン(biotin)、葉酸(folate)、パントテン酸(panthotenic acid)などを含むことができる。また、亜鉛(Zn)、鉄(Fe)、カルシウム(Ca)、クロム(Cr)、マグネシウム(Mg)、マンガン(Mn)、銅(Cu)などのミネラルを含むことができる。また、リジン、トリプトファン、システイン、バリンなどのアミノ酸を含むことができる。また、防腐剤(ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、サリチル酸、デヒドロ酢酸ナトリウムなど)、殺菌剤(さらし粉と高度さらし粉、次亜塩素酸ナトリウムなど)、酸化防止剤(ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)など)、着色剤(タール色素など)、発色剤(亜硝酸ナトリウム、亜酢酸ナトリウムなど)、漂白剤(亜硫酸ナトリウム)、調味料(MSGグルタミン酸ナトリウムなど)、甘味料(ズルチン、シクラメート、サッカリン、ナトリウムなど)、香料(バニリン、ラクトンなど)、膨張剤(ミョウバン、D−酒石酸水素カリウムなど)、強化剤、乳化剤、増粘剤(糊料)、被膜剤、ガム基礎剤、泡抑制剤、溶剤、改良剤などの食品添加物(food additives)を添加することができる。前記添加物は、食品の種類に応じて選別され、適切な量で使用される。
一方、前記カナムグラの抽出物またはその分画物を含む退行性脳疾患の予防または改善用食品組成物を利用して、退行性脳疾患の予防または改善用健康機能性食品を製造することができる。
具体的な例として、前記食品組成物を用いて退行性脳疾患を予防または改善する加工食品を製造することができるが、例えば、菓子、飲料、酒類、発酵食品、缶詰、牛乳加工食品、食肉加工食品または麺加工食品の形態である健康機能性食品として製造することができる。この時、お菓子は、ビスケット、パイ、ケーキ、パン、キャンディ、ゼリー、ガム、シリアル(穀物フレークなどの食事代用品類を含む)などを含む。飲み物は飲料水、炭酸飲料、機能性イオン飲料、ジュース(例えば、リンゴ、梨、ブドウ、アロエ、柑橘、桃、ニンジン、トマトジュースなど)、甘酒などを含む。酒類は、清酒、ウイスキー、焼酎、ビール、洋酒、果実酒などを含む。発酵食品は、醤油、味噌、コチュジャンなどを含む。缶詰は、水産物の缶詰(例えば、マグロ、サバ、サンマ、サザエの缶詰など)、畜産物缶詰(牛肉、豚肉、鶏肉、七面鳥の缶詰など)、農産物の缶詰(トウモロコシ、桃、パインアップル缶詰など)を含む。乳加工食品は、チーズ、バター、ヨーグルトなどを含む。食肉加工食品は、とんかつ、ビーフカツ、チキンカツ、ソーセージ、酢豚、ナゲット類、ノビアニグイグイなどを含む。密封包装生麺などの麺を含む。それ以外にも、前記組成物は、レトルト食品、スープ類などに使用することができる。
本発明の用語「健康機能性食品(functional food)」とは、特定保健用食品(food for special health use、FoSHU)と同じ用語であり、栄養供給以外にも、生体調節機能が効率的に示されるように加工された医学、医療の効果の高い食品を意味するが、前記食品は、退行性脳疾患の予防または改善に有用な効果を得るために、錠剤、カプセル、粉末、顆粒、液状、丸などの多様な形態で製造することができる。
本発明は、もう一つの態様として、前記退行性脳疾患の予防または治療用薬学的組成物の製造に使用するためのカナムグラの抽出物またはその分画物の用途を提供する。
本発明のカナムグラ(Humulus japonicus)抽出物またはその分画物を有効成分として含む組成物は、ドーパミン性神経細胞死を抑制し、酸化ストレスに対する神経細胞の保護効果を有するだけでなく、パーキンソン病及びアルツハイマー病のような退行性脳疾患を有する動物モデルにおいて認知能力及び記憶力の改善効果を示すため、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症(Lou Gehrig’s disease)、軽度認知障害、脳卒中及びハンチントン病などを含む退行性脳疾患の予防または治療のための食品または医薬品として有用に用いることができる。
活性酸素種の生成に及ぼすカナムグラ抽出物の効果を示す蛍光顕微鏡写真である。 前記蛍光顕微鏡で撮影した蛍光レベルをルミノメーターを用いて定量分析した結果を示すグラフである。 リポポリサッカライド(lipopolysaccaride、LPS)処理により炎症反応が誘導されたミクログリア細胞(microglia cell)株における、カナムグラ抽出物の処理濃度による細胞内TNF−αmRNAレベルの変化を比較した結果を示すグラフである。 LPS処理により炎症反応が誘導されたミクログリア細胞株における、カナムグラ抽出物の処理濃度による細胞内IL−1βmRNAレベルの変化を比較した結果を示すグラフである。 LPS処理により炎症反応が誘導されたミクログリア細胞株における、カナムグラ抽出物の処理濃度による細胞内IL−6 mRNAレベルの変化を比較した結果を示すグラフである。 LPS処理により炎症反応が誘導されたミクログリア細胞株における、カナムグラ抽出物の処理濃度による細胞内iNOS mRNAレベルの変化を比較した結果を示すグラフである。 LPS処理により炎症反応が誘導されたミクログリア細胞株における、カナムグラ抽出物の処理濃度による、細胞外に分泌されたTNF−αタンパク質レベルの変化を比較した結果を示すグラフである。 LPS処理により炎症反応が誘導されたミクログリア細胞株における、カナムグラ抽出物の処理濃度による、細胞外に分泌されたIL−6タンパク質レベルの変化を比較した結果を示すグラフである。 LPS処理により炎症反応が誘導されたミクログリア細胞株における、カナムグラ抽出物の処理濃度による、細胞外に分泌されたNOタンパク質レベルの変化を比較した結果を示すグラフである。 カナムグラ抽出物の処理による、6−OHDA(6-hydroxyldopamine)で脳のドーパミン性神経細胞特異細胞死を誘発したパーキンソン病マウスの動物モデルにおけるアポモルヒネ誘導回転運動の結果を示したグラフである。 カナムグラ抽出物の処理による、ドーパミン性神経細胞特異タンパク質であるチロシン水酸化酵素(tyrosin hydroxylase、TH)の発現量の程度を測定した結果を示すグラフである。 6−OHDA処理により誘導されたドーパミン性神経細胞の死滅において、カナムグラ抽出物の処理濃度による効果を比較した結果を示すグラフである。 6−OHDAと様々な濃度(0、50、100、200μg/ml)のカナムグラ抽出物が処理されたSH−SY5Y神経細胞における、カナムグラの処理濃度による、細胞自滅(apoptosis)に関与するマーカータンパク質の発現レベルの変化を示すウエスタンブロット分析結果を示す写真である。 前記図6aのウエスタンブロット分析結果から得られた、カナムグラの処理濃度による、切断されたカスパーゼ9(cleaved caspase 9)の発現レベルの変化を示すグラフである。 前記図6aのウエスタンブロット分析結果から得られた、カナムグラの処理濃度による、切断されたカスパーゼ3(cleaved caspase 3)の発現レベルの変化を示すグラフである。 前記図6aのウエスタンブロット分析結果から得られた、カナムグラの処理濃度による、切断されたPARPの発現レベルの変化を示すグラフである。 アルツハイマー病発症マウスの動物モデルにおいて、カナムグラ抽出物処理による新規対象認識試験(novel object recognition test、NORT)における認知機能及び記憶力の改善効果を示すグラフである。 アルツハイマー病発症マウスの動物モデルにおいて、カナムグラ抽出物のY−迷路テスト(Y maze test)における空間知覚能力及び短期記憶力低下の改善効果を示すグラフである。 カナムグラ抽出物が投与されていないアルツハイマー病発症マウスの動物モデルの脳において、β−アミロイドに対する免疫染色を行った結果を示す写真である。 カナムグラ抽出物が投与されたアルツハイマー病発症マウスの動物モデルの脳において、β−アミロイドに対する免疫染色を行った結果を示す写真である。 アルツハイマー病発症マウスの動物モデルの脳において、カナムグラ抽出物の投与によるβ−アミロイドに対する免疫染色レベルの変化を比較した結果を示すグラフである。 カナムグラ抽出物が投与されていないアルツハイマー病発症マウスの動物モデルの脳において、リン酸化されたタウタンパク質に対する免疫染色を行った結果を示す写真である。 カナムグラ抽出物が投与されたアルツハイマー病発症マウスの動物モデルの脳において、リン酸化されたタウタンパク質に対する免疫染色を行った結果を示す写真である。 アルツハイマー病発症マウスの動物モデルの脳において、カナムグラ抽出物の投与によるリン酸化されたタウタンパク質に対する免疫染色レベルの変化を比較した結果を示すグラフである。 カナムグラ抽出物が投与されていないアルツハイマー病発症マウスの動物モデルの脳において、活性化されたミクログリア細胞(microglia cell)に対する免疫染色を行った結果を示す写真である。 カナムグラ抽出物が投与されたアルツハイマー病発症マウスの動物モデルの脳において、活性化されたミクログリア細胞に対する免疫染色を行った結果を示す写真である。 アルツハイマー病発症マウスの動物モデルの脳において、カナムグラ抽出物の投与による活性化されたミクログリア細胞に対する免疫染色レベルの変化を比較した結果を示すグラフである。 カナムグラ抽出物が投与されていないアルツハイマー病発症マウスの動物モデルの脳において、活性化された星状グリア細胞に対する免疫染色を行った結果を示す写真である。 カナムグラ抽出物が投与されたアルツハイマー病発症マウスの動物モデルの脳において、活性化された星状グリア細胞に対する免疫染色を行った結果を示す写真である。 アルツハイマー病発症マウスの動物モデルの脳における、カナムグラ抽出物の投与による活性化された星状グリア細胞に対する免疫染色レベルの変化を比較した結果を示すグラフである。 カナムグラ抽出物を投与することにより、脳で発現されるTNF−αのmRNAレベルを比較した結果を示すグラフである。 カナムグラ抽出物を投与することにより、脳で発現されるIL−6のmRNAレベルを比較した結果を示すグラフである。 カナムグラ抽出物を投与することにより、脳で発現されるIL−1βのmRNAレベルを比較した結果を示すグラフである。 ハンチントン病が誘発されたマウスにおいて、カナムグラ抽出物の投与による行動学的解析を行った結果を示すグラフである。
以下、実施例により本発明の構成及び効果をさらに詳しく説明する。これら実施例は、単に本発明を例示するためのものに過ぎず、本発明の範囲がこれら実施例により限定されるものではない。
実施例1:カナムグラ抽出物の製造
カナムグラ抽出物は、粉砕または切断したカナムグラ乾燥試料にメタノールを入れ、15分間超音波処理(sonication)した後、室温状態で2時間静置させる過程を1日に10回繰り返して得られた抽出液を濾過し、濃縮した後、超低温冷凍庫(deep freezer)で凍らせた試料を凍結乾燥機で乾燥する方法により得た。前記のようにして得られたカナムグラ抽出物は、動物実験と神経細胞株の実験に利用するために、それぞれ0.5%のカルボキシメチルセルロース(carboxy methylcellulose、CMC)溶液とジメチルスルホキシド(dimethyl sulfoxide、DMSO)に溶解して使用した。
実施例2:神経細胞に及ぼすカナムグラ抽出物の効果
実施例1で製造されたカナムグラ抽出物が神経細胞に及ぼす効果を確認するために、様々な疾患の発症原因として知られている活性酸素種の生成及び炎症反応の誘導に及ぼす効果を評価した。
実施例2−1:活性酸素種の生成に及ぼす効果
神経細胞株であるNeuro 2a細胞にカナムグラ抽出物を400μg/mlの濃度で処理し、1時間培養した後、300μMの濃度のt−ブチルヒドロペルオキシド (tert-butylhydroperoxide、t-BHP)を2時間処理して前記神経細胞株に酸化的ストレスを誘発させた。次いで、前記神経細胞株の培地を10μMの濃度の2’,7’-ジクロロジヒドロフルオレセイン ジアセタート(2’,7’-Dichlorofluorescein diacetate、DCF-DA)を含む培地に交換し、1時間さらに培養した後、蛍光顕微鏡とルミノメーターを用いて前記神経細胞株で発生する活性酸素種(reactive oxygen species、ROS)レベルを測定した(図1a及び14b)。
図1aは、活性酸素種の生成に及ぼすカナムグラ抽出物の効果を示す蛍光顕微鏡写真であり、図1bは、前記蛍光顕微鏡で撮影された蛍光レベルを、ルミノメーターを用いて定量分析した結果を示すグラフである。図1a及び14bに示されるように、Neuro 2a神経細胞株でt−BHPにより活性酸素種レベルが顕著に増加したが、t−BHPにより増加された活性酸素種レベルは、カナムグラ抽出物処理により明らかに減少し、カナムグラ抽出物単独で処理した場合には、活性酸素種レベルに何の影響も及ぼさないことが確認された。
したがって、カナムグラ抽出物は、活性酸素種の生成を抑制し、神経細胞の酸化ストレスに対する保護効果を示すことがわかった。
実施例2−2:炎症反応に及ぼす効果
ミクログリア細胞(microglia cell)株の一種であるBV−2ミクログリア細胞(BV-2 microglia cell)に1μg/mlのリポポリサッカライド(lipopolysaccaride、LPS)を処理して炎症反応を誘発させ、100または500μg/mlのカナムグラ抽出物を処理した後、炎症性サイトカイン(TNF−α、IL−1β、及びIL−6)、及び炎症誘発媒介タンパク質(iNOS)の細胞内mRNAレベルと培地に分泌された前記炎症性サイトカインのタンパク質レベルをそれぞれ測定した後、比較した(図2a〜2g)。
図2aは、LPS処理により炎症反応が誘導されたミクログリア細胞株において、カナムグラ抽出物の処理濃度による細胞内TNF−αmRNAレベルの変化を比較した結果を示すグラフであり、図2bは、LPS処理により炎症反応が誘導されたミクログリア細胞株において、カナムグラ抽出物の処理濃度による細胞内IL−1βmRNAレベル変化を比較した結果を示すグラフであり、図2cは、LPS処理により炎症反応が誘導されたミクログリア細胞株において、カナムグラ抽出物の処理濃度による細胞内IL−6 mRNAレベルの変化を比較した結果を示すグラフであり、図2dは、LPS処理により炎症反応が誘導されたミクログリア細胞株において、カナムグラ抽出物の処理濃度による細胞内iNOS mRNAレベルの変化を比較した結果を示すグラフであり、図2eは、LPS処理により炎症反応が誘導されたミクログリア細胞株において、カナムグラ抽出物の処理濃度による、細胞外に分泌されたTNF−αタンパク質レベルの変化を比較した結果を示すグラフであり、図2fは、LPS処理により炎症反応が誘導されたミクログリア細胞株において、カナムグラ抽出物の処理濃度による、細胞外に分泌されたIL−6タンパク質レベルの変化を比較した結果を示すグラフであり、図2gは、LPS処理により炎症反応が誘導されたミクログリア細胞株において、カナムグラ抽出物の処理濃度による、細胞外に分泌されたNOタンパク質レベルの変化を比較した結果を示すグラフである。図2a〜2gに示されるように、LPS処理により炎症反応が誘導されたミクログリア細胞株において発現される炎症性サイトカイン(TNF−α、IL−1β、及びIL−6)、及び炎症誘発媒介タンパク質(iNOS)の細胞内mRNAレベルと培地に分泌された前記タンパク質レベルは、カナムグラ抽出物の処理濃度が増加するほど、減少することが確認された。
よって、カナムグラ抽出物は、ミクログリア細胞株において誘発される炎症反応を抑制する効果を示すことがわかった。
したがって、カナムグラ抽出物は、神経細胞に異常をもたらす活性酸素種の生成及び炎症反応の誘導を抑制する効果を示すことが確認されたため、前記カナムグラ抽出物は、神経細胞の異常に由来する様々な疾患の治療に効果を示すことが分析された。
実施例3:パーキンソン病に対するカナムグラ抽出物の治療効果
実施例2の結果から、カナムグラ抽出物が神経細胞の異常に由来する様々な疾患の治療に効果を示すことが分析されたため、前記カナムグラ抽出物が神経細胞の異常に由来する疾患として知られている退行性脳疾患に対する治療効果を示すかどうかを確認するために、退行性脳疾患の一種であるパーキンソン病の発症が誘導された動物を対象にカナムグラ抽出物の治療効果を検証しようと試みた。
実施例3−1:6−ヒドロキシドーパミン(6-hydroxyldopamine、6-OHDA)投与によるパーキンソン病の誘導実験グループの製作
実験動物として、9週齢のC57BL/6J雄マウスを使用した。前記マウスは、温度が22〜24℃に維持された無菌(Specific pathogen free、SPF)環境の飼育施設で滅菌された飼料と水を自由に摂取させ、12時間の昼夜のサイクルを維持しながら飼育した。
実験動物グループは0.5%のカルボキシメチルセルロース(carboxymethyl cellulose, CMC)を投与した対照群と500mg/kgのカナムグラ抽出物を投与した実験群に分けてテストした。この時、対照群と実験群の個体数は、それぞれ5匹及び8匹を使用して行い、0.5%のCMCと500mg/kgのカナムグラ抽出物は、ドーパミン性神経細胞を特異的に死滅させる6−OHDAを投与する3日前から経口投与した。
前記マウスにケタミン(ketamine)とロムプン(rompun)が混合された薬物を投与し麻酔して実験を行い、初期パーキンソン病の進行程度に該当する70〜80%の脳の黒質部位のドーパミン性細胞を消失させるために6−OHDAを脳に直接注射する手術方法で行った。ノルアドレナリン性(noradrenergic)神経細胞が破壊されないように、6−OHDA投与30分前に25mg/kgのデシプラミン(desipramine)を腹腔投与し、総量で6μgの6−OHDAを左脳の線条体(striatum)内に注入した(脳微細注入座標:前後+1.3、左右−1.8、深さ−3.6)。前記のように、6−OHDAを脳に直接投与した後、手術部位を縫合して消毒し、その後、37℃のウォーマー(warmer)でマウスの体温を維持させた。
前記のような手術方法によりパーキンソン病を誘導した後、アポモルヒネ誘導回転検査(apomorphine-induced rotational test)のような行動学的検査、及びドーパミン性神経細胞特異タンパク質であるチロシン水酸化酵素(tyrosin hydrotylase、TH)の発現量の程度を測定するまで、対照群グループと実験群グループにそれぞれ0.5%のCMC及び500mg/kgのカナムグラ抽出物を給餌した。この時、餌の摂取が困難な手術後の二日間は0.5%のCMCと500mg/kgのカナムグラ抽出物を経口でそれぞれ投与した。
実施例3−2:パーキンソン病誘導動物モデルを用いた行動学的評価
6−OHDAによるドーパミン性細胞死滅が多いほど、片方の脳の病変がひどくなり、実験動物モデルで行動学的に回転数が増加することが知られている。これに対し、6−OHDA投与8日後、ドーパミン性細胞死による運動調節能力異常の重症度を評価するために、マウスに1mg/kgのアポモルヒネ(apomorphine)を腹腔に注射した後、非対称的回転行動を観察した。
具体的には、前記アポモルヒネの薬物投与後、マウスを直径20cmの円筒に入れて1時間、時計方向に回転する回数を測定し、回転行動を評価した(図3)。
図3は、カナムグラ抽出物の処理による、6−OHDAで脳のドーパミン性神経細胞特異細胞死を誘発したパーキンソン病マウスの動物モデルにおけるアポモルヒネ誘導回転運動の結果を示したグラフである。図3に示されるように、0.5%のCMCを摂取した対照群グループに比べて、500mg/kgのカナムグラ抽出物を摂取した実験群グループで統計的に有意に実験動物の回転行動が減少することが確認された。
実施例3−3:パーキンソン病誘導動物モデルにおけるチロシン水酸化酵素(tyrosin hydroxylase、TH)の発現量程度の測定
カナムグラ抽出物を投与することによって、マウスにおいて6−OHDAによるドーパミン性神経細胞死滅が抑制されるか否かを確認するために、6−OHDA投与10日後に、0.5%のCMC投与群及び500mg/kgのカナムグラ抽出物の投与実験群マウス脳の線条体領域で、ドーパミン性神経細胞特異タンパク質であるTHの発現程度の差をウエスタンブロットを行って比較分析した(図4)。
図4は、カナムグラ抽出物の処理による、ドーパミン性神経細胞特異タンパク質であるチロシン水酸化酵素(tyrosin hydroxylase、TH)の発現量の程度を測定した結果を示すグラフである。図4に示されるように、対照群グループに比べて、カナムグラ抽出物を与えた実験群グループのTHタンパク質の発現レベルが高いことが確認された。
したがって、ドーパミン性神経細胞死滅がカナムグラ抽出物の投与により、顕著に抑制されることがわかった。
実施例3−4:パーキンソン病誘導薬物である6−OHDA処理によるドーパミン性神経細胞死の程度の測定
カナムグラ抽出物を処理することにより、ドーパミン性神経細胞株であるSH−SY5Y神経細胞株において6−OHDAによる神経細胞死滅が抑制されるか否かを確認するために、10%ウシ胎児血清(Fetal Bovine Serum)と1%ペニシリン/ストレプトマイシン(penicillin/streptomycin)を含むDMEM/F−12培地が分注された96ウェルプレートの各ウェルにSH−SY5Y神経細胞株を1X10細胞数になるように接種し、6−OHDA 50μMと様々な濃度(0、50、100、200μg/ml)のカナムグラ抽出物で処理した後、24時間培養し、神経細胞の死滅レベルをMTT assayにより確認した(図5)。この時、MTT assayは3−(4,5−Dimethylthiazol−2−yl)−2,5 diphenyltetrazolium bromide(MTT)solutionを0.5mg/mlの濃度で使用し、37℃で4時間反応させ、MTT溶液を捨ててDMSOでホルマザンクリスタル(formazan crystal)を溶かした後、吸光度を570nmのプレートリーダー(plate reader)で測定することによって行った。この時、対照群としては、何も処理せずに培養された細胞を使用した。
図5は、6−OHDA処理により誘導されたドーパミン性神経細胞の死滅において、カナムグラ抽出物の処理濃度による効果を比較した結果を示すグラフである。図5に示されるように、対照群グループに比べて6−OHDA 50μM処理グループの神経細胞死が顕著に誘導されたが、カナムグラ抽出物で処理したすべての実験群(50、100、または200μg/ml処理群)でドーパミン性神経細胞死が抑制されることが確認された。
実施例3−5:パーキンソン病誘導薬物である6−OHDA処理によるドーパミン性神経細胞死に関連するタンパク質の変化の測定
実施例3−4の方法により得られた各細胞株から、細胞自滅(apoptosis)に関与するマーカータンパク質(cleaved caspase 9、cleaved caspase 3及びcleaved PARP)の発現レベルの変化を、ウエスタンブロット分析を通じて比較した(図6a〜6d)。
図6aは、6−OHDAと、様々な濃度(0、50、100、200μg/ml)のカナムグラ抽出物で処理されたSH−SY5Y神経細胞において、カナムグラの処理濃度による、細胞自滅(apoptosis)に関与するマーカータンパク質の発現レベルの変化を示すウエスタンブロット分析結果を示す写真であり、図6bは、前記図6aのウエスタンブロット分析結果から得られたカナムグラの処理濃度による切断されたカスパーゼ9(cleaved caspase 9)の発現レベルの変化を示すグラフであり、図6cは、前記図6aのウエスタンブロット分析結果から得られたカナムグラの処理濃度による切断されたカスパーゼ3(cleaved caspase 3)の発現レベルの変化を示すグラフであり、図6dは、前記図6aのウエスタンブロット分析結果から得られたカナムグラの処理濃度による、切断されたPARP(cleaved PARP)の発現レベルの変化を示すグラフである。
図6a〜6dに示されるように、ドーパミン性神経細胞で発現される細胞自滅マーカータンパク質である切断されたカスパーゼ9(cleaved caspase 9)、切断されたカスパーゼ3(cleaved caspase 3)及び切断されたPARP(cleaved PARP)の発現レベルは、カナムグラ抽出物の処理濃度に反比例して減少することが確認された。
前記実施例3−1〜3−5の結果を総合すると、カナムグラ抽出物がパーキンソン病の予防及び治療効果を示すことがわかる。
実施例4:アルツハイマー病に対するカナムグラ抽出物の治療効果
退行性脳疾患のカナムグラ抽出物の効能を検証するために、退行性脳疾患の一種であるアルツハイマー病の発症が誘導された動物を対象にカナムグラ抽出物の治療効果を検証しようと試みた。
実施例4−1:アルツハイマー病発症マウスの動物モデル実験グループの製作
マウスの脳においてアルツハイマー病に関連する遺伝子であるAPPsweとPSEN1遺伝子が過剰発現され、アルツハイマー病が発症したマウスの動物モデル(B6C3−Tg(APPswe/PSEN1dE9)85DboJ、JAX、004462)を対象に、カナムグラ抽出物の治療効果を調べた。前記マウスの動物モデルは、生後6か月から脳のβアミロイド沈着現象が目立って観察され、アルツハイマー病に特異的な認知機能障害を示す特徴があり、22〜24℃に維持された無菌(Specific pathogen free、 SPF)環境の飼育施設で滅菌された飼料と水を自由に摂取させ、12時間昼夜のサイクルを維持しながら飼育した。
実験動物グループは、APP/PSEN1を過剰発現していない正常群(Non−Tg)マウスグループ(n=20)とAPP/PSEN1を過剰発現するアルツハイマー病発症マウスグループ(n=22)に分類し、前記各グループを5%のCMCを投与した対照群と500mg/kgのカナムグラ抽出物を投与した実験群に分けて試験した。前記APP/PSEN1を過剰発現するアルツハイマー病発症マウスグループの対照群と実験群の個体数は、それぞれ10匹及び12匹を使用して行った。このとき、前記マウスグループは、5月齢のマウスを使用し、0.5%のCMCと500mg/kgのカナムグラ抽出物を10週間毎日経口投与した。
実施例4−2:新規対象認識試験(novel object recognition test、 NORT)
アルツハイマー性認知障害に対する、カナムグラ抽出物の認知能力及び記憶力増進効果を確認するために、新規対象認識試験(novel object recognition test、 NORT)を行った。具体的には、5%のCMC及び500mg/kgのカナムグラ抽出物を、前記実施例2−4に示されるように、各テストグループに8週間投与した後、NORTを行った。初日のトレーニングデイ(training day)には、マウスを41.5cm×20cm×21.5cmの白箱に入れて10分間自由に移動するようにして適応させた。前記のように10分間適応期間を置いた後、元のケージに戻し、2日目には、同じ円筒状の木ブロック二つを箱の両側に置いた後、マウスがこれらを探索できるように10分間露出させた。それから24時間後に、初めに見て慣れた円筒状のブロック(馴染物体)と共に四角柱状の新たなブロック(新規物体)を共に箱の中に置いた後、マウスの動きを観察した。この時、ブロックに触れたり、鼻をクンクンさせたり、ブロックに向かって動きを示す時間(sniffing time)を測定した。二つのブロックに対して測定された全回数から円筒ブロック(馴染物体)に興味を示す時間と四角柱状ブロック(新規物体)に興味を示す探索時間を測定した(図7)。このとき、前記探索時間は(馴染物体に興味を示す時間)/(馴染物体に興味を示す時間+新規物体に興味を示す時間)×100と(新規物体に興味を示す時間)/(馴染物体に興味を示す時間+新規物体に興味を示す時間)×100の数式により算出した。
図7は、アルツハイマー病発症マウスの動物モデルにおいて、カナムグラ抽出物の処理による、新規対象認識試験(novel object recognition test、NORT)における認知機能及び記憶力の改善効果を示すグラフである。図7に示されるように、APP/PSEN1を過剰発現しない正常群(Non−Tg)マウスグループの場合、カナムグラ抽出物の投与とは無関係に、新規物体である正方形の柱状ブロックと馴染物体である円筒状ブロックの両方をよく認識する一方、APP/PSEN1を過剰発現するアルツハイマー病発症マウスグループのカナムグラ抽出物未処理対照群の場合、アルツハイマー病性認知障害を示し、新規物体に対する探索時間が顕著に減少し、馴染物体と新規物体に対する区分がうまくできないことが確認された。一方、APP/PSEN1を過剰発現するアルツハイマー病発症マウスグループのカナムグラ抽出物処理実験群の場合、APP/PSEN1を過剰発現するアルツハイマー病発症マウスグループのカナムグラ抽出物未処理対照群に比べて、新規物体に対する関心がはるかに高く、馴染物体と新規物体に対する区分を確実にうまくできることが確認された。また、このようなアルツハイマー病の動物マウスでの探索行動の増加は、正常群マウスの行動と類似することが確認された。
したがって、カナムグラ抽出物がアルツハイマー病の治療に効果があることを確認することができ、さらに、APP/PSEN1を過剰発現しない正常群(Non−Tg)のマウスグループの中、カナムグラ抽出物投与グループが、未処理対照群に比べて、新規対象認識時間が増加することを確認することにより、カナムグラ抽出物が認知機能及び記憶力の改善効果も示すことがわかった。
実施例4−3:Y−迷路テスト(Y maze test)
アルツハイマー性疾患により誘発される空間知覚能力及び記憶能力の喪失に関するカナムグラ抽出物の空間知覚能力及び記憶力増進効果を確認するために、Y−迷路テスト(Y maze test)を行った。
具体的には、Y−迷路テストは、実験動物の空間知覚能力及び短期記憶能力の回復(short-term memory recovery)に役立つか否かを調べるための実験であり、Y−迷路実験装置は、透明アクリル板(横10cm、縦40cm、高さ25cm)で作製したY字状の四方が塞がった迷路で構成されており、それぞれの迷路は、互いに120°の一定の角度で配置されている。テストは10分間行われ、それぞれの迷路をA、B、Cの領域に定めた後、一つの領域に実験動物を置いて実験を開始し、迷路を自由に移動するようにした。このとき、それぞれの迷路に入った回数及び順序を測定し、変更行動力(spontaneous alteration、%)を評価した(図8)。この時、3つの異なる領域に順に入った場合は1点(実際の変更:actual alteration、ABC、BCA、CABなどの順)と認め、連続して入らない場合はスコアとして認めず、前記変更行動力は、総変更行動(alteration)数/総入場回数−2)×100の数式により算出した。
図8は、アルツハイマー病発症マウスの動物モデルでカナムグラ抽出物のY−迷路テスト(Y maze test)における空間知覚能力及び短期記憶力低下の改善効果を示すグラフである。図8に示されるように、APP/PSEN1を過剰発現するアルツハイマー病発症マウスにカナムグラ抽出物を9週間投与した実験群の場合、APP/PSEN1を過剰発現するアルツハイマー病発症マウスにカナムグラ抽出物を処理していない対照群に比べて、変更行動力が統計的に有意に増加することが確認された。
実施例4−4:脳におけるアミロイド沈着レベルの検証
アルツハイマー病発症マウスの動物モデルにおいて、アルツハイマー病の特徴である脳におけるβ−アミロイド沈着症状がカナムグラ抽出物の投与により変化するか否かを確認しようと試みた。具体的には、2.5か月間、500mg/kg/dayの濃度でカナムグラ抽出物をアルツハイマー病発症マウスに投与した実験群と投与しない対照群をそれぞれ用意し、これらの対照群と実験群マウスから脳を摘出し、4%のパラホルムアルデヒド(paraformform aldehyde)で固定した後、40μmの厚さの脳切片を作製した。前記のように製作された脳切片を、βアミロイド沈着を探知することができるBam−10抗体を用いて免疫染色し、対照群マウスと実験群マウスの大脳皮質からBam−10により免疫染色された領域に対する割合を分析した(図9a〜9c)。
図9aは、カナムグラ抽出物が投与されていないアルツハイマー病発症マウスの動物モデルの脳における、βアミロイドに対する免疫染色を行った結果を示す写真であり、図9bは、カナムグラ抽出物が投与されたアルツハイマー病発症マウスの動物モデルの脳における、βアミロイドに対する免疫染色を行った結果を示す写真であり、図9cは、アルツハイマー病発症マウスの動物モデルの脳における、カナムグラ抽出物の投与によるβアミロイドに対する免疫染色レベルの変化を比較した結果を示すグラフである。図9a〜9cに示されるように、大脳皮質においてβアミロイドが沈着した領域の面積がカナムグラ抽出物の投与により顕著に減少することが確認された。
実施例4−5:脳におけるタウタンパク質の過剰リン酸化の検証
アルツハイマー病発症マウスの動物モデルにおいて、アルツハイマー病の特徴であるタウタンパク質が過剰リン酸化カナムグラ抽出物の投与により変化するか否かを確認しようと試みた。大まかに、実施例4−4で用意された脳切片を対象に、リン酸化されたタウタンパク質を探知することができるAT8抗体を用いて免疫蛍光染色し、対照群マウスと実験群マウスの大脳皮質を蛍光顕微鏡で撮影し、蛍光値を定量分析した(図10a〜10c)。
図10aは、カナムグラ抽出物が投与されていないアルツハイマー病発症マウスの動物モデルの脳において、リン酸化されたタウタンパク質に対する免疫染色を行った結果を示す写真であり、図10bは、カナムグラ抽出物が投与されたアルツハイマー病発症マウスの動物モデルの脳において、リン酸化されたタウタンパク質に対する免疫染色を行った結果を示す写真であり、図10cは、アルツハイマー病発症マウスの動物モデルの脳において、カナムグラ抽出物の投与によるリン酸化されたタウタンパク質に対する免疫染色レベルの変化を比較した結果を示すグラフである。図10a〜10cに示されるように、大脳皮質でタウタンパク質の過リン酸化がカナムグラ抽出物の投与により顕著に減少することが確認された。
実施例4−6:脳における特異炎症反応の分析
アルツハイマー病発症マウスの動物モデルの大脳皮質において示される炎症反応に対するカナムグラ抽出物の効果を確認しようと試みた。
実施例4−6−1:活性化されたミクログリア細胞レベルに及ぼす効果
実施例4−4で用意された脳切片を対象に、活性化されたミクログリア細胞と特異的に結合するIba−1(ionized calcium-binding adapter molecule 1)抗体を使用して免疫染色を行い、対照群マウスと実験群マウスの大脳皮質で活性化されたミクログリア細胞レベルを測定した後、これを比較した(図11a〜11c)。
図11aは、カナムグラ抽出物が投与されていないアルツハイマー病発症マウスの動物モデルの脳において、活性化されたミクログリア細胞に対する免疫染色を行った結果を示す写真であり、図11bは、カナムグラ抽出物が投与されたアルツハイマー病発症マウスの動物モデルの脳において、活性化されたミクログリア細胞に対する免疫染色を行った結果を示す写真であり、図11cは、アルツハイマー病発症マウスの動物モデルの脳において、カナムグラ抽出物の投与による活性化されたミクログリア細胞に対する免疫染色レベルの変化を比較した結果を示すグラフである。図11a〜11cに示されるように、大脳皮質で活性化されたミクログリア細胞レベルがカナムグラ抽出物の投与により顕著に減少することが確認された。
実施例4−6−2:活性化された星状グリア細胞レベルに及ぼす効果
前記実施例4−4で用意された脳切片を対象に、活性化された星状グリア細胞に特異的に結合するグリア原線維酸性タンパク質(Glial fibrillary acidic protein、GFAP)抗体を使用して免疫染色を行い、対照群マウスと実験群マウスの大脳皮質で活性化された星状グリア細胞レベルを測定した後、これを比較した(図12a〜12c)。
図12aは、カナムグラ抽出物が投与されていないアルツハイマー病発症マウスの動物モデルの脳において、活性化された星状グリア細胞に対する免疫染色を行った結果を示す写真であり、図12bは、カナムグラ抽出物が投与されたアルツハイマー病発症マウスの動物モデルの脳において、活性化された星状グリア細胞に対する免疫染色を行った結果を示す写真であり、図12cは、アルツハイマー病発症マウスの動物モデルの脳において、カナムグラ抽出物の投与による活性化された星状グリア細胞に対する免疫染色レベルの変化を比較した結果を示すグラフである。図12a〜12cに示されるように、大脳皮質で活性化された星状グリア細胞レベルがカナムグラ抽出物の投与により顕著に減少することが確認された。
実施例4−6−3:炎症性サイトカインレベルに及ぼす効果
実施例4−4で摘出したマウスの脳から、活性化されたミクログリア細胞と星状グリア細胞により分泌されることが知られている炎症性サイトカイン(TNF−α、IL−6及びIL−1β)レベルをリアルタイムPCRにより測定し、比較した(図13a〜13c)。比較群(Non−Tg)としては、何も投与していない正常マウスから摘出された脳を使用し、対照群としては、何も投与していないアルツハイマー病発症マウスの動物モデルから摘出された脳を使用し、実験群(カナムグラ)としては、カナムグラ抽出物が投与されたアルツハイマー病発症マウスの動物モデルから摘出された脳を使用した。
図13aは、カナムグラ抽出物の投与による、脳において発現されるTNF−αのmRNAレベルを比較した結果を示すグラフであり、図13bは、カナムグラ抽出物の投与による、脳において発現されるIL−6のmRNAレベルを比較した結果を示すグラフであり、図13cは、カナムグラ抽出物の投与による、脳において発現されるIL−1βのmRNAレベルを比較した結果を示すグラフである。図13a〜13cに示されるように、正常マウスの脳に比べて、アルツハイマー病発症マウスの動物モデルの脳では、様々な炎症性サイトカインの発現レベルが急激に増加したが、カナムグラ抽出物を投与すると、前記炎症性サイトカインレベルが減少することが確認された。
したがって、カナムグラ抽出物は、アルツハイマー病発症時に誘発される炎症反応を抑制することができることがわかった。
実施例4−1〜4−6の結果を総合すると、カナムグラ抽出物がアルツハイマー病の発症時に起こる大脳皮質のβアミロイド沈着とタウタンパク質の過剰リン酸化を抑制し、脳における炎症反応を抑制することにより、空間知覚能力及び短期記憶力低下に対する改善効果を示すことが確認されたため、カナムグラ抽出物がアルツハイマー病に対する治療効果を示すことがわかった。
実施例5:ハンチントン病に対するカナムグラ抽出物の治療効果
退行性脳疾患に対するカナムグラ抽出物の効能を検証するために、退行性脳疾患の一種であるハンチントン病の発症が誘導された動物を対象にカナムグラ抽出物の治療効果を検証しようと試みた。
カナムグラ抽出物を投与することにより、ハンチントン病のような退行性脳疾患により誘発される運動調節異常現象が改善されるか否かを行動学的に分析するために、脳細胞を損傷させる毒性物質として知られている3−ニトロプロピオン酸(3-nitropropionic acid、3-NP)を実験動物に投与してハンチントン病を誘発し、異常行動(abnormal behavior)について行動学的面から分析した。
具体的には、実験動物として9週齢のC57BL/6雄Jマウスを使用し、実験動物グループは0.5%のCMC(carboxy methylcellulose)を含有した餌を与えた対照群と、一日に500mg/kgのカナムグラ抽出物を与えた実験群に分けてテストした。この時、対照群と実験群の個体数は、それぞれ6匹ずつ使用して行い、0.5%のCMCと500mg/kgのカナムグラ抽出物は、ハンチントン病を誘発させる3−NPを投与5日前から投与開始し、薬物投与が行われる時点まで継続投与した。前記両グループの実験動物に3−NPを60mg/kgの濃度で12時間間隔で二回投与し、12時間後に再び80mg/kgの濃度で腹腔内に投与した後、マウスの運動調節異常現象を行動学的分析を通じて評価した(図14)。この時、行動学的評価は、後ろ足を縮める、脊椎後湾症、後ろ足の緊張異常、両側に体を揺する、上体を一方向にねじるなどの行動を観察し、それぞれの行動表現の最高スコアを2点とし、各スコアを加算して評価した。
図14は、ハンチントン病が誘発されたマウスでカナムグラ抽出物の投与による行動学的解析を行った結果を示すグラフである。図14に示されるように、カナムグラ抽出物を投与したマウスは、行動学的評価スコアが統計的に有意に減少することが確認された。
このように、カナムグラ抽出物がハンチントン病の発症時に示される行動学的異常症状に対する改善効果を示すことが確認されたため、カナムグラ抽出物がハンチントン病に対する治療効果を示すことがわかった。


Claims (11)

  1. カナムグラ(Humulus japonicus)抽出物またはその分画物を有効成分として含む、退行性脳疾患の予防または治療用薬学的組成物。
  2. 前記カナムグラ抽出物は、水、炭素数1〜4のアルコール及びこれらの組み合わせから構成される群から選択される溶媒によって抽出されたものである、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記分画物は、前記カナムグラ抽出物を溶媒分画法、限外ろ過分画法、クロマトグラフィー分画法及びこれらの組み合わせから構成される群から選択される方法によって得られたものである、請求項1に記載の組成物。
  4. 前記退行性脳疾患は、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症(Lou Gehrig’s disease)、軽度認知障害、脳卒中、ハンチントン病及びこれらの組み合わせから構成される群から選択される疾患である、請求項1に記載の組成物。
  5. 前記組成物は、ドーパミン性神経細胞の死滅を抑制する効果を有する、請求項1に記載の組成物。
  6. 前記組成物は、酸化ストレスに対する神経細胞保護効果を有する、請求項1に記載の組成物。
  7. 前記組成物は、認知能力及び記憶力の改善効果を有する、請求項1に記載の組成物。
  8. 前記組成物は、薬学的に許容可能な担体をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項の薬学的組成物を薬剤学的に有効な量で退行性脳疾患が発症した個体に投与する段階を含む退行性脳疾患の治療方法。
  10. 前記退行性脳疾患は、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症(Lou Gehrig’s disease)、軽度認知障害、脳卒中、ハンチントン病及びこれらの組み合わせから構成される群から選択される疾患である、請求項9に記載の方法。
  11. カナムグラ抽出物またはその分画物を有効成分として含む、退行性脳疾患の予防または改善用健康機能食品。
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