JP2017525366A - 試料の分割及び分析のためのデバイス及び方法 - Google Patents

試料の分割及び分析のためのデバイス及び方法 Download PDF

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Abstract

本開示は、第1の主表面を有する基材を含む基部と、第1の主表面の少なくとも一部分に接着させた感圧接着剤と、接着剤を介して基材に結合されたポリマーカバーフィルムと、基材とカバーフィルムとの間に配置された複数の隔離された閉鎖区画と、閉鎖区画のうちの2つ以上の中に配置された水性液とを含むデバイスを提供する。カバーフィルムは、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンと高級アルケンの線状共重合体、及び粘着付与剤を含む複合フィルムである。複数の区画の各区画は、複数の区画のうちの少なくとも1つの他の区画との液体連通を防止する封止部によって画定されている。このデバイスを使用して試料を分割する方法、試料を分析する方法、及び微生物を培養する方法も提供される。【選択図】図4a

Description

関連出願の相互参照
本出願は、開示が全体として本明細書に参照により組み込まれている、2014年8月20日出願の米国仮特許出願第62/039,638号に対する優先権を主張する。
本発明は、液体試料中の微生物又は他の生体物質を分析、たとえば計数及び/又は検出する方法、並びにそのような方法で使用するために適合されたデバイスに関する。
多くの業界で、試料中の生体物質を検出及び定量化することが必要とされており、たとえば、食品及び水中の微生物濃度の判定は、食品及び水の品質試験の重要な部分である。類似の需要は、食品、バイオテクノロジー、製薬、水処理業界を含む多数の業界から、また医学微生物学的診断、環境及び科学研究でも生じている。試料は一般に、たとえば生産環境、工程内管理、事後貯蔵、及び最終的な製品試験において微生物個体群を監視するために精査される。
典型的には、試料、特に液体試料を調査する従来の方法では、分析のためにインキュベーション時間又は反応時間が必要とされる。分析は、いくつかの異なる種類の化学的、生化学的、物理的、又は光学的な技法を伴い、インキュベーション及び後の分析のために数時間又は更には数日を必要とする可能性がある。試料の定量的及び定性的分析にかかる時間を短縮することは、品質及び工程管理動作において迅速な決定を下すために非常に重要である。
水性生体試料の試験に関しては、試料をアリコートに分割することが有利であり、その結果、所望の反応又は増殖が生じ、それは、元のより大きい体積で生じる同じ反応又は増殖と比べて、はるかに迅速に検出することができる。微生物試料及び分子生物学的試料などの生体試料は、多くの場合には、定性的及び/又は定量的に精密に分析するのにそのような分割を必要とする。
そのような方法及びデバイスには、まとめて水性試料が充填される一連の小さな区画が想定される。どの場合も、充填され、封止されると、所望の反応又は増殖が生じ、それは、元のより大きい体積で生じる同じ反応又は増殖と比べてはるかに迅速に検出することができる。
一般に、本開示は、液体試料(たとえば、水性液体試料)を分割するデバイス及び方法に関する。加えて、本開示は、このデバイスを使用して液体試料中の微生物及び/又は生体分子を検出する方法に関する。
一態様では、本開示は、効率的に、堅固に、かつ経済的に液体試料を多数のより小さな個別体積に分割する、時間を要さず、簡易で、利便なデバイスを提供する。
本開示は、効率的に、堅固に、かつ経済的に液体試料を多数のより小さな個別体積に分割するために使用できるパウチを更に提供する。有利には、パウチ内には、微生物を検出するための栄養素及び/又は指示薬を設けることができる。栄養素及び/又は指示薬は、液体(たとえば、水性液)がパウチ内へ分注されると溶解する乾燥粉末コーティングとして設けることができる。パウチは、複数の隔離された閉鎖区画内へ液体が分割されるデバイスを作製する方法で使用することができる。
有利には、本開示は、液体を容易に分割するデバイスを提供し、このデバイスは、2つのフィルムを含み、一方のフィルムは感圧接着剤で被覆され、他方のフィルムは、所望の仕切りの形状に沿うように変形可能であり、それにより、試料は、隣接する区画内の試料と混ざることなく小さい個別単位に分割される。
一態様では、本開示は、第1の主表面を有する基材を含む基部と、第1の主表面の少なくとも一部分に接着させた感圧接着剤と、接着剤を介して基材に結合されたポリマーカバーフィルムと、基材とカバーフィルムとの間に配置された複数の閉鎖区画と、閉鎖区画のうちの2つ以上の中に配置された水性液とを含むことができるデバイスを提供する。カバーフィルムは、ポリマー及び粘着付与剤を含む複合フィルムとすることができる。複合フィルムは、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンと高級アルケンの線状共重合体、及び粘着付与剤を含むことができる。複数の区画の各区画は、複数の区画のうちの別の区画との液体連通を防止する封止部によって画定することができる。封止部は、カバーフィルムと感圧接着剤との間の接触によって形成されている。
別の態様では、本開示は、第1の主表面を有する基材を含む基部と、第1の主表面の少なくとも一部分に接着させた感圧接着剤と、接着剤を介して基材に結合されたカバーフィルムと、基材とカバーフィルムとの間に配置された複数の閉鎖区画と、閉鎖区画のうちの2つ以上の中に配置された水性液とを含むことができるデバイスを提供する。カバーフィルムの弾性回復率は、20%以下とすることができる。複数の区画の各区画は、複数の区画のうちの別の区画との液体連通を防止する封止部によって画定することができる。封止部は、カバーフィルムと感圧接着剤との間の接触によって形成されている。
本発明に開示されるデバイスには、分子生物学、生化学、バイオテクノロジー、及び微生物学の適用分野において、様々な用途がある。
有利には、本発明のデバイスは、使用が容易で時間を節約できるという利益に加えて、微生物の迅速な検出、分子特性解析、指標微生物試験、単一病原性微生物濃縮、最確数(most probable number、MPN)式の試験形式、及び高処理量の濃縮後生化学的特性解析を含めて、結果を得るまでの時間の改善及び試験能力の容易な拡張を促進する。
更に別の態様では、本開示は、液体を分割する方法を提供する。この方法は、予め定められた体積の液体を、非水溶性の感圧接着剤で被覆された基材とポリマーカバーフィルムとの間に載せる工程と、カバーフィルムに外部手段を付勢させ、カバーフィルムの個別領域を基材の感圧接着剤に接触させ、その結果、液体を基材とカバーフィルムとの間に配置された複数の閉鎖区画内へ分割する工程とを含むことができる。カバーフィルムは、ポリマー及び粘着付与剤を含む複合フィルムとすることができる。複合フィルムは、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンと高級アルケンの線状共重合体、及び粘着付与剤を含むことができる。
更に別の態様では、本開示は、液体を分割する方法を提供する。この方法は、予め定められた体積の液体を基材の第1の表面上に載せて、その液体試料が、非水溶性の感圧接着剤で被覆された第1の表面とポリマーカバーフィルムとの間に配置されるようにする工程と、カバーフィルムに外部手段を付勢させ、カバーフィルムの個別領域を基材の感圧接着剤に接触させ、その結果、液体を基材とカバーフィルムとの間に配置された複数の閉鎖区画内へ分割する工程とを含むことができる。カバーフィルムの弾性回復率は、20%以下とすることができる。
別の態様によれば、本開示は、液体試料をその定量的及び定性的な態様に関して分析する方法を提供する。この方法は、液体試料を基材の第1の表面上に載せて、その液体試料が、非水溶性の感圧接着剤で被覆された第1の表面とポリマーカバーフィルムとの間に配置されるようにする工程と、カバーフィルムに外部手段を付勢させ、カバーフィルムの個別領域を基材の感圧接着剤に接触させ、その結果、液体を基材とカバーフィルムとの間に配置された複数の閉鎖区画内へ分割する工程と、複数の区画のうちの少なくとも1つの閉鎖区画の定量的分析又は定性的分析を行う工程とを含むことができる。カバーフィルムは、ポリマー及び粘着付与剤を含む複合フィルムとすることができる。複合フィルムは、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンと高級アルケンの線状共重合体、及び粘着付与剤を含むことができる。
別の態様によれば、本開示は、液体試料をその定量的及び定性的な態様に関して分析する方法を提供する。この方法は、液体試料を基材の第1の表面上に載せて、その液体試料が、非水溶性の感圧接着剤で被覆された第1の表面とポリマーカバーフィルムとの間に配置されるようにする工程と、カバーフィルムに外部手段を付勢させ、カバーフィルムの個別領域を基材の感圧接着剤に接触させ、その結果、液体を基材とカバーフィルムとの間に配置された複数の閉鎖区画内へ分割する工程と、複数の区画のうちの少なくとも1つの閉鎖区画の定量的分析又は定性的分析を行う工程とを含むことができる。カバーフィルムの弾性回復率は、20%以下とすることができる。
別の実施形態では、本開示は、嫌気性及び好気性の形態を含む微生物を隔離、検出、培養、及び濃縮する方法を提供する。
任意の実施形態では、微生物を検出及び計数するための分析は、本明細書に記載の手法によって実施され、それにより、水溶性指示薬類の使用が可能になり、現在の微生物学的分析で通例必要とされる数種類の希釈液の必要性が低減するか、又はなくなる。
更に別の態様では、本開示は、好気性又は嫌気性の微生物を培養する方法を提供する。この方法は、試料を液体栄養培地に混ぜ合わせて試料を液化する工程と、液化した試料を、非水溶性の感圧接着剤で被覆された基材の第1の表面上に載せて、その液体試料が、第1の表面とポリマーカバーフィルムとの間に配置されるようにする工程と、カバーフィルムに外部手段を付勢させ、カバーフィルムの個別領域を基材の感圧接着剤に接触させ、その結果、液体を基材とカバーフィルムとの間に配置された複数の閉鎖区画内へ分割する工程と、微生物の少なくとも1回の細胞分裂を促進する条件下に、液化及び分割した試料をインキュベートする工程とを含むことができる。カバーフィルムは、ポリマー及び粘着付与剤を含む複合フィルムとすることができる。複合フィルムは、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンと高級アルケンの線状共重合体、及び粘着付与剤を含むことができる。
更に別の態様では、本開示は、好気性又は嫌気性の微生物を培養する方法を提供する。この方法は、試料を液体栄養培地に混ぜ合わせて試料を液化する工程と、液化した試料を基材の第1の表面上に載せて、その液体試料が、非水溶性の感圧接着剤で被覆された第1の表面とポリマーカバーフィルムとの間に配置されるようにする工程と、カバーフィルムに外部手段を付勢させ、カバーフィルムの個別領域を基材の感圧接着剤に接触させ、その結果、液体を基材とカバーフィルムとの間に配置された複数の閉鎖区画内へ分割する工程と、微生物の少なくとも1回の細胞分裂を促進する条件下に、液化及び分割した試料をインキュベーションする工程とを含むことができる。カバーフィルムの弾性回復率は、20%以下とすることができる。
本発明の別の態様は、液体試料を複数の個別区画内へ分割するキットを提供することである。このキットは、非水溶性の感圧接着剤層を接着させた第1の主表面を有する基材と、複合カバーフィルムとを含むことができる。複合フィルムは、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンと高級アルケンの線状共重合体、及び粘着付与剤を含むことができる。
本発明の別の態様は、液体試料を複数の個別区画内へ分割するキットを提供することである。このキットは、非水溶性の感圧接着剤層を接着させた第1の主表面を有する基材と、弾性回復率が20%以下のポリマーカバーフィルムとを含むことができる。
キットの上記の実施形態のいずれかにおいて、基材及び/又はカバーフィルムは、実質的に平面とすることができる。キットの上記の実施形態のいずれかにおいて、感圧接着剤は、シリコーンポリウレアを含むことができる。キットの上記の実施形態のいずれかにおいて、基材は、接着剤の少なくとも一部分上に配置された二次コーティングを更に含むことができる。キットの上記の実施形態のいずれかにおいて、基材の第1の主表面にスペーサ要素が結合される。キットの上記の実施形態のいずれかにおいて、カバーフィルムは基材に取り付けられ、存在する場合、スペーサ要素は、基材とカバーフィルムとの間に配置される。
更に別の態様では、本開示は、キットを提供する。このキットは、非水溶性の感圧接着剤層を接着させた第1の主表面を有する基材と、複合ポリマーフィルムとを含むことができる。ポリマーフィルムは、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンと高級アルケンの線状共重合体、及び粘着付与剤を含むことができる。粘着付与剤は、低分子量ポリイソブテン、ポリテルペン、非晶質ポリプロピレン、及びマイクロクリスタリンワックスからなる群から選択することができる。キットの任意の実施形態では、複合ポリマーフィルムの弾性回復率は20%以下である。
更に別の態様では、本開示は、キットを提供する。このキットは、非水溶性の感圧接着剤層を接着させた第1の主表面を有する基材と、弾性回復率が20%以下のポリマーフィルムとを含むことができる。
キットの上記の実施形態のいずれかにおいて、基材及び/又はポリマーフィルムは、実質的に平面である。キットの上記の実施形態のいずれかにおいて、基材及び/又はポリマーフィルムは、実質的に平坦である。キットの上記の実施形態のいずれかにおいて、感圧接着剤は、シリコーンポリウレアを含む。キットの上記の実施形態のいずれかにおいて、基材は、接着剤の少なくとも一部分上に配置された二次コーティングを更に含んでいる。キットの上記の実施形態のいずれかにおいて、二次コーティングは、粉末状栄養素及び/又は複数のガラスバブルを含む。キットの上記の実施形態のいずれかにおいて、二次コーティングには実質的に水分がない。キットの上記の実施形態のいずれかにおいて、本明細書に上述したように、基材の第1の主表面にスペーサ要素が結合される。キットの上記の実施形態のいずれかにおいて、複合ポリマーフィルムは基材に取り付けられ、存在する場合、スペーサ要素は、基材とカバーフィルムとの間に配置される。
本明細書に記載するように、本発明にはいくつかの利点がある。第1に、これらの物品及び方法は、予め形成された区画を有するデバイスの使用をなくし、それによって操作者が使用時に様々な可能な分割構成(たとえば、区画の数、各区画の体積、試料の総体積)から選ぶことができるようになる。第2に、微小区画内で微小体積を使用することで、液体試験試料中の微生物を驚くほど迅速に検出及び計数することが可能になる。本発明は、大腸菌又は黄色ブドウ球菌などの特定の微生物を対象とする液体試験試料のMPN分析で特に有用である。本発明により、MPN分析を別個のチューブではなく単一のデバイスの中で好都合に行うことが可能になり、有利には、検出可能な微生物の増殖に達するまでに必要とされるインキュベート時間がかなり短くなる。第3に、微小区画内で微小体積を使用することで、液体試験試料を比較的多数の試験体積に分離することが可能になる。概して、微小区画内で微小体積を使用することで、液体試料の試験をはるかに多い回数を実行又は反復できるようになる。MPN分析の場合、微小区画内で微小体積を使用することで、より多数のデータ点が得られ、それらのデータ点からMPNを計算することができ、それによって所与のMPN結果に対する95%信頼限界が大幅に狭くなる。第4に、試料を多数の試験体積に分離することで、より高濃度の微生物を計数することが可能になり、それによって試料希釈液が低減されるか、又は不要になる。第5に、本発明では、指示薬及び/又は栄養素が直接被覆された単一のデバイスの中でMPN分析を行うことが可能になる。第6に、本発明により、MPN分析を実行するときに幅広い計数範囲が可能になる。
上記は、本発明の最も関係のある目的のいくつかを略述した。これらの目的は、意図される本発明のより顕著な特徴及び用途のいくつかの単なる例示と解釈されるべきである。本発明は、以下に記載する又は以下の「発明を実施するための形態」から明らかになる他の特徴及び利点を含む。
「備える、含む(comprises)」という用語及びこれらの変形は、本説明及び特許請求の範囲に記載される場合、限定的な意味を有するものではない。
「及び/又は」という用語は、記載の要素の1つ若しくはすべて、又は記載の要素のうちいずれか2つ以上の組み合わせを意味する。
また本明細書では、端点による数値範囲の記述は、その範囲内に包含されるすべての数を含む(たとえば、1〜5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、5などを含む)。
上記の発明の概要は、本発明の開示する各実施形態又はすべての実装形態について説明することを意図したものではない。以下の説明は、例示的な実施形態をより具体的に示す。本出願全体を通していくつかの箇所で、例の一覧によって指針が提供され、これらの例は、様々な組み合わせで使用することができる。いずれの場合も、記載する一覧は、代表的な群としての役割のみを果たすものであり、排他的な一覧と解釈されるべきではない。
上記その他の実施形態の追加の詳細は、添付の図面及び以下の説明に記載する。他の特徴、目的、及び利点は、説明及び図面並びに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
上記の発明の概要並びに以下の発明を実施するための形態は、添付の図面と併せて読めば、よりよく理解されよう。本発明の説明を助ける目的のため、現在好ましくかつ例示的であると考えられる実施形態を図面内に示す。しかし本発明は、本明細書に示す厳密な配置及び道具に限定されるものではないことを理解されたい。
本開示による微生物を検出するデバイスの構成要素の一実施形態の部分断面平面図である。 アセンブリに植菌するためにカバーフィルムが開放位置にある、図1aの構成要素を備えるアセンブリの斜視図である。 カバーフィルムが閉鎖位置にある、図1Bのアセンブリの横断面側面図である。 図1aの構成要素を使用して液体試料を分割し、スペーサ要素を備えるデバイスを製作する、本開示による一実施形態を示す様々な図である。 図1aの構成要素を使用して液体試料を分割し、スペーサ要素を備えるデバイスを製作する、本開示による一実施形態を示す様々な図である。 図1aの構成要素を使用して液体試料を分割し、スペーサ要素を備えるデバイスを製作する、本開示による一実施形態を示す様々な図である。 図1aの構成要素を使用して液体試料を分割し、スペーサ要素を備えるデバイスを製作する、本開示による一実施形態を示す様々な図である。 コンプライアント部材を有する基部を備える、微生物を検出するデバイスの構成要素の一実施形態の横断面図側面図である。 基材及びカバーフィルムを使用して液体試料を分割し、スペーサ要素のないデバイスを製作する、本開示による一実施形態を示す平面図である。 基材及びカバーフィルムを使用して液体試料を分割し、スペーサ要素のないデバイスを製作する、本開示による一実施形態を示す平面図である。 基材及びカバーフィルムを使用して液体試料を分割し、スペーサ要素のないデバイスを製作する、本開示による一実施形態を示す平面図である。 基材及びカバーフィルムを使用して液体試料を分割し、スペーサ要素のないデバイスを製作する、本開示による一実施形態を示す平面図である。 試料を分析するパウチの構造の本開示による一実施形態を示す平面図である。 試料を分析するパウチの構造の本開示による一実施形態を示す平面図である。 試料を分析するパウチの構造の本開示による一実施形態を示す平面図である。 試料を分析するパウチの構造の本開示による一実施形態を示す平面図である。 試料を分析するパウチの構造の本開示による一実施形態を示す平面図である。 図4eのパウチを使用して液体試料を分割する方法の一実施形態の平面図である。 図4eのパウチを使用して液体試料を分割する方法の一実施形態の平面図である。 図4eのパウチを使用して液体試料を分割する方法の一実施形態の平面図である。 図4eのパウチを使用して液体試料を分割する方法の一実施形態の平面図である。 図2dのデバイスを使用して微生物を検出する一実施形態の概略平面図である。
次に本発明について、本明細書で以下により詳細に説明する。以下の発明を実施するための形態の目的のため、本発明では、そうでないことが明示的に指示される場合を除いて、様々な代替的変形形態及び工程順序を想定することができることを理解されたい。したがって、本発明について詳細に説明する前に、本発明は、具体的に例示するシステム又は実施形態に限定されるものではなく、当然ながら、これらのシステム又は実施形態は変動する可能性があることを理解されたい。本明細書に論じる任意の用語の例を含めて、本明細書のいずれの箇所における例の使用も例示のみを目的とし、本発明又は例示するあらゆる用語の範囲及び意味を一切限定しない。同様に、本発明は、本明細書に記載する様々な実施形態に限定されるものではない。
本開示のいずれかの実施形態について詳細に説明する前に、本発明は、以下の説明に記載し又は以下の図面に図示する構成要素の構造及び配置の詳細にその用途が限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態も可能であり、様々な様態で実行又は実施することが可能である。また、本明細書に使用する用語及び術語は、説明を目的とし、限定的と見なされるべきではないことを理解されたい。本明細書における「含む(including)」、「備える、含む(comprising)」、又は「有する(having)」、及びこれらの変形の使用は、以下に挙げる項目及びその均等物並びに追加の項目を包含することが意図される。特に指示又は限定がない限り、「接続(connected)」及び「結合(coupled)」という用語及びこれらの変形は広義に使用されるものであり、直接的及び間接的な接続及び結合を包含する。更に、「接続」及び「結合」は、物理的又は機械的な接続又は結合に制限されるものでない。本開示の範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用することができ、構造上又は論理上の変更を加えることもできることを理解されたい。更に、「前」、「後」、「上」、「下」などの用語は、互いに関係する要素について説明するためにのみ使用され、デバイスの特有の向きについて記述すること、デバイスの必要な若しくは必要とされる向きを指示若しくは示唆すること、又は本明細書に記載する本発明が使用の際にどのように使用され、取り付けられ、表示され、若しくは位置決めさせるかを指定することを一切意味しない。
本明細書では、単数形の「a」、「an」、及び「the」は、文脈上そうでないことを明確に示さない限り、複数形の指示対象を含む。「及び/又は」という用語は、記載の要素の1つ若しくはすべて、又は記載の要素のうちいずれか2つ以上の組み合わせを意味する。
「好ましい(preferred)」及び「好ましくは(preferably)」という用語は、特定の状況下で特定の利益を与えることができる本発明の実施形態を指す。しかし、同じ又は他の状況下では、他の実施形態もまた好ましい可能性がある。更に、1つ以上の好ましい実施形態についての記述は、他の実施形態が有用でないことを示唆するものではなく、本発明の範囲から他の実施形態を除外することを意図するものでもない。
「約(about)」という用語は、範囲の値又は端点について説明するときに使用され、本開示は、特有の値と言及する端点との両方を含むと理解されるべきである。
本明細書では、「備える、含む(comprises)」、「備える、含む(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「含む(containing)」、「特徴とする(characterized by)」、「有する(having)」という用語、又はこれらの任意の他の変形は、排他的でない包含を含むことが意図される。
本明細書では、「平面(planar)」という用語は、2次元を含む平面を指す。
本明細書では、「実質的に平面(substantially planar)」という表現は、2次元の表面を指す。本発明の「実質的に平面の基材(substantially planar substrate)」(区画を形成する前)の材料は、クレームされる区画の最終の形状、サイズ、又は体積を定める3次元の構造を有するものではない。
本明細書では、「感圧接着剤(pressure sensitive adhesive)」という用語は、圧力を加えると接着面との接着をもたらす接着剤を指す。接着を生じさせるために、溶剤、水、又は熱は必要とされない。「感圧(pressure-sensitive)」という名称が示すように、接合度は、加えられる圧力の量によって影響される。
本明細書では、「疎水性(hydrophobicity)」という用語は、分子が、水又は水性培地に対する親和性をほとんど又はまったく持たない物理的特性を指す。疎水性分子は、無極性になる傾向があり、したがって他の中性分子及び無極性溶剤を好む。水中の疎水性分子は、多くの場合、ともに集まってミセルを形成する。疎水性表面上の水は、高い接触角を呈する。
本明細書では、「エラストマ(elastomer)」という用語は、粘弾性を有し(粘性と弾性の両方を有する)、分子間力が非常に弱いあらゆるポリマーを指し、概して他の材料と比較してヤング率が低く、歪みが高い。通常、結合してポリマーを形成する単量体はそれぞれ、炭素、水素、酸素、及び/又はケイ素から作られる。エラストマは、そのガラス転移温度を超えて存在する非晶質ポリマーであり、したがって相当なセグメント運動が可能である。本明細書では、「弾性回復率(elastic recovery)」という用語は、変形後の回復の割合を指し、伸長後の回復のパーセントとして定量化される。弾性回復率は、ポリマーが最初の弾性変形後に元の長さを回復する割合によって測定される。弾性回復の割合が大きければ大きいほど、最初の変形後にポリマーが元の寸法に回復する傾向も大きくなる。
本明細書では「閉鎖区画(closed compartment)」という用語は、各区画の内容物を隣接する区画の内容物と混ぜ合わせることなく隔離して保持する、画定された明確な空間を指す。本明細書では、「複数の閉鎖区画(plurality of closed compartments)」という表現は、本発明によるデバイスの基材とカバーフィルムとの間に配置されている2つ以上の閉鎖区画を指す。
本明細書では、「封止部(seal)」という用語は、ポリマーカバーフィルムと基材との間の接合を指す。この接合は、区画を形成し、漏れを防止し、区画(たとえば、隣接する区画)間の混ざり合いを防止し、かつ/又は外部環境からの汚染を防止する。
本明細書では、「粘着付与剤(tackifier)」という用語は、接着剤の表面の粘り気、すなわち粘着性を増大させるように接着剤を調合するために使用される化学化合物を指す。そのような化学化合物は、通常、高いガラス転移温度を有する低分子量の化合物である。そのような化学化合物は、歪み速度が低い場合に、より高い応力コンプライアンスを提供し、歪み速度が速くなるにつれてより堅くなる。
本明細書では、「融解係数(melt index)」という用語は、熱可塑性ポリマーの特性を解析するために使用される一般的な尺度である。融解係数は、融解したポリマーの粘性を示す、間接的な反比例する尺度である。温度、圧力、及び幾何形状の定義された条件下で所与の量の時間内にオリフィスを通って流れる融解ポリマーの質量が測定される。融解係数値が大きいほど、その粘性は低く、したがってポリマーの平均分子量も低くなる。同じ条件下では、ポリマーの分子量が高いほど、粘性がより高く、流量が少なくなり、したがって融解係数はより小さい数になる。融解係数は、典型的には、10分間に流出するポリマーのグラム数、したがってg/10分又はdg/分で表される。
本明細書では、「比重(specific gravity)」という用語は、基準物質の密度(同じ単位体積の質量)に対する物質の密度の比を指す。
「光透過率(optical transmittance)」又は「鮮明度(clarity)」という用語は、プラスチックフィルム、シート、ガラスなどを通して見たときに物体が見える光学的な明瞭さを指す。鮮明度は、物質を通過する光線の線形性に依存し、小角散乱によって決定される。物質の通常の透過性は、光電検出器によって、物質を透過する光のパーセントを求めることによって測定される。
本明細書では、「液体試料(liquid sample)」という用語は、液状のあらゆる試料を指し、又は試料を液体中に溶解させて、液化試料若しくは液化された試料を形成することができる。
「試料(sample)」という用語は、当業者にはよく知られている廃水、食品、表面スワブ若しくは喉などの他の表面からのスワブ、又は他の試料など、あらゆる生体試料又は環境試料であってよい。この試料は、液体試料とすることができ、又は液体中に溶解させて液化した試料を形成することができる。上記のように、検出することができる生体物質は、微生物などの個別粒子を形成する任意の物質であり、インキュベーションプレートの各ウェル内でそのような生体物質の有無を判定することによって定量化することができる。
本明細書では、「嫌気性微生物(anaerobic microorganism)」又は「嫌気性生物(anaerobe)」という用語は、酸素に反応しやすく、酸素の存在下では増殖しない微生物を指す。嫌気性微生物又は嫌気性生物は、増殖のために酸素を必要としないあらゆる微生物である。嫌気性微生物は、偏性嫌気性生物と通性嫌気性生物の両方を含む。偏性嫌気性生物は、大気レベルの酸素に露出されると死滅する微生物である。通性嫌気性生物は、酸素が存在する場合は好気呼吸を行うことができるが、酸素がない場合は発酵又は嫌気呼吸に切り替えることが可能な微生物である。本発明の方法及びシステムは、偏性嫌気性生物と通性嫌気性生物の両方の濃縮及び検出に使用することができる。
本明細書では、微生物の「培養(culture)」又は「増殖(growth)」という用語は、微生物の増殖を促す条件下にある所定の培地内で微生物を増殖させることによって微生物の数を増大させる方法を指す。より具体的には、これは、微生物の少なくとも1回の細胞分裂を促進するのに好適な培地及び条件を提供する方法である。培地は固体、半固体、又は液体の培地であり、微生物の増殖にとって重要な物理的増殖パラメータに必要とされる栄養素をすべて含有する。
本開示のアセンブリ、デバイス、及び方法は、液体試料をパーチュリション(parturition)し、任意に生体分子及び/又は微生物の有無に関して試料を分析するために使用することができる。これらのアセンブリ、デバイス、及び方法は、微生物の存在及び数量に関して試料を分析する最確数(MPN)方法で特に有用である。
最確数方法は、全体が参照により本明細書に組み込まれている、国際公開第95/23026号に記載されている。この方法では、ある体積の水試料がいくつかのチューブ内へ分注され(たとえば10×10本。10本のチューブそれぞれが10mLを含む)、各チューブ内で細菌が増殖することを可能にする。特有の時間にわたって特有の温度でインキュベートした後、陽性のチューブの数が計数される。これらの実施形態における最確数は、式Iから判定することができる。
(式I)MPN/100mL=(P×100)/(NT)1/2
上記の式中、Pは陽性のチューブの数であり、Nは陰性のチューブ内の試料の体積(mL)であり、Tはすべてのチューブ内の試料の体積(mL)であり、MPNは最確数である。この方法の主な欠点は、少数のチューブしか使用しないときに、95%信頼限界の範囲が大きくなることである。そのような信頼限界は、式IIを使用して概略的に計算される。
(式II)Log(MPN)±1.96(0.58/n1/2
上記の式中、nは試験数である。
当技術分野の現在のデバイス/方法にはすべて、小さな区画を簡単に効率的に充填する方法に関して問題がある。現在の解決策には、予め形成された区画を有するデバイスの使用、真空の印加、遠心分離、及び更には油乳濁液中の微小滴の形成が挙げられる。どの場合も、液体を分割するために必要とされる方法は非常に煩雑であり、食品などの粒子を含有する実際の試料は適合しない。従来知られている方法は、多数の様々な試料を迅速かつ容易に処理するための日常的な使用には不十分であるため、改善された方法及びデバイスが必要とされている。
本発明により、小さい体積の液体試料を多数のより小さい個別体積に分割するための現在使用されているシステムに関連する問題が解決される。一般に、本発明は、微小体積を使用すると検出速度が実質的に増大するという驚くべき結果に基づいて、微生物の迅速かつ正確な検出及び計数を行うデバイス及び方法を提供する。微生物は、細胞全体が直接検出されるときだけでなく、細胞片、細胞成分、細胞から導出された生体分子、又は細胞の副生成物の検出又は量子化などによってそのような細胞が間接的に検出されるときにも検出及び/又は計数される。
標準的な寒天平板上でも、PETRIFILM(商標)プレート上でも、コロニーの自動的な検出及び計数は困難であり、また複数の制限がある。しかし、型押しプレート内の各ウェルの位置は固定されており、識別アルゴリズムを必要としないはずである。自動検出プラットホームが所与の区域内で蛍光を単に測定する必要があり、その蛍光が設定閾値を上回るかどうかを判定するだけでよいはずである。結果を得るまでの時間が可能な限り最速であることを必要としない顧客は、周囲光又は簡単な手持ち式の照明源(たとえば、ブラックライト)を使用して陽性の区画を観察(及び計数)することができ、それによって自動読取り器の必要がなくなるはずである。試料が多くのより小さい試料に分割されていると、任意の所与の区画内に存在するウイルス、ヌクレオチド、代謝産物などのような微生物又は他の生体分子の有効濃度が数桁増大し、反応化学の速度が増大し、検出時間が短縮される。
本発明のデバイスには、知られている固体培養技法に比べて別の顕著な利点がある。有利には、本発明の方法はそれほど労力を要さず、より良好な試料分注を可能にし、微生物濃度のより正確な推定を実現する。この理由は、それに対応して区画内の試料アリコートがより多くなることで、それに対応して信頼限界の間隔がより狭くなるからである。
本発明は、微小体積の液体試料の定性的及び定量的分析を必要とする様々な分野で多数の用途がある。適用分野としては、限定されるものではないが、微生物学、分子生物学、バイオテクノロジー、化学などを挙げることができる。
定性的及び定量的分析の例示的な微生物学における用途としては、限定されるものではないが、増殖評価、監視、単細胞集積培養、隔離、成長に適合しない二次試験の実施、異なるサイズの区画を使用する最確数(MPN)式の試験が挙げられる。
限定的でない例示的な分子生物学的用途には、ヌクレオチド、アミノ酸、ペプチド、蛋白、代謝産物などの生体分子のポリメラーゼ連鎖反応アッセイ、検出、及び定量化が挙げられる。
図を参照すると、本発明のデバイスは、以下で詳細に説明するように構築される。
図1a〜図1cに示すように、本開示のデバイスは、基部10及びカバーフィルム20を含む構成要素から作ることができる。基部は、基材12を含む。任意の実施形態では、基材12は、実質的に平面である第1の表面13を有する。任意の実施形態では、基材12は、薄く(たとえば、厚さ5mm未満)、実質的に平坦(すなわち、シート状)とすることができる。任意の実施形態では、基材12は、自立式とすることができる。任意に、基材12は、光学的に半透明又は透明とすることができる。好ましくは、基材12は、非水溶性であるか、又は第1の表面13の少なくとも一部分上に非水溶性コーティング(図示せず)を有する。好ましくは、基材12は、水性液(たとえば、水性試料)に接触したときに、いかなる化学物質(たとえば、微生物の増殖及び/又は活性(たとえば、微生物を検出するために使用される酵素活性)を抑制する可能性のある化学物質)も浸出させない。
任意の実施形態では、図1bに示すように、基部10とカバーフィルム20を組み合わせてアセンブリ100にすることができる。カバーフィルム20は、好適な取付け手段(たとえば、図示しないが感圧接着剤)を介して、基材10及び/又はスペーサ要素30に取り付けることができる。有利には、カバーフィルム20を持ち上げて、試料を載せようとする区域(たとえば、図示の実施形態の接着剤15及び二次コーティング18(後述)を取り囲むスペーサ要素30によって画定される)を露出させることによって、アセンブリ100内に液体試料(図示せず)を簡単に載せることができる。
基材12は、たとえば、ポリマーフィルム又は他の適当な材料から製造することができる。適当なポリマーとしては、限定されるものではないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリイミド、フルオロポリマー、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリスチレン、これらの誘導体、及びこれらの組み合わせが挙げられる。他の適当な材料としては、限定されるものではないが、アルミニウム箔、銅箔、鋼箔のような金属箔、積層箔、紙箔、及び板紙を挙げることができる。任意の実施形態では、基材12は二軸延伸ポリプロピレンである。
基材12の厚さは、少なくとも約0.01mmである。任意の実施形態では、基材12の厚さは、5mmより大きい、5mm以下、約2mm以下、約1mm以下である。好ましくは、基材12は、検出の目的で用いられることがある蛍光又は色に基づく指示薬系に干渉する実質的な吸光特性(たとえば、紫外及び/又は可視波長内)を呈さない。
任意の実施形態では、基材は、電磁放射の可視波長、紫外波長、及び/又は赤外波長に対して光透過性とすることができる。
図1a〜1cを再び参照すると、第1の主表面13の少なくとも一部分に、非水溶性の感圧接着剤(pressure sensitive adhesive、PSA)層15が接着されている。本明細書に記載するように本開示のデバイスが組み立てられたとき、PSA層15は、カバーフィルム20に圧力を加えてカバーフィルム20をPSA層15に接触させると、カバーフィルム20との接合を形成する。PSA接着剤を活性化させるのに溶剤、水、又は熱を必要とせず、接合度は、接着剤15をカバーフィルム20に接触させるために使用される圧力の量(及び後述する外部手段のトポロジ)によって影響される。本発明のPSAは、接着剤に実質的に干渉しない水性液及び特定の非水性液の存在下でも、接着特性を保持することが可能である。基材12上へ被覆されるPSA層の厚さは、少なくとも約0.02mmである。任意の実施形態では、PSA層の厚さは、約0.02mm〜約0.1mmの範囲内である。好適なPSAには、限定されるものではないが、シリコーンポリウレア接着剤などが挙げられる。
好適なPSAには、好適な粘着付与剤と混ぜ合わせたエラストマが挙げられる。感圧接着剤は、水性液(たとえば、水、水性培地、水性緩衝液)中で実質的に不溶性である。エラストマ化合物も粘着付与剤も、微生物の増殖及び/又は活性の実質的な抑制を引き起こすべきでない。任意の実施形態では、感圧接着剤は、電磁放射の可視波長、紫外波長、及び/又は赤外波長に対して光透過性とすることができる。
他の好適な組成物は、一群のシリコーン−ポリウレアベースの感圧接着剤に基づくことができる。そのような組成物は、それぞれ全体が参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第5,461,134号(Leir et al.)、米国特許第6,007,914号(Joseph et al.)、国際公開第96/35458号(及びその関連する米国特許出願第08/427,788号(1995年4月25日出願)、第08/428,934号(1995年4月25日出願)、第08/588,157号(1996年1月17日出願)、及び第08/588,159号(1996年1月17日出願))、国際公開第96/34028号(及びその関連する米国特許出願第08/428,299号(1995年4月25日出願)、第08/428,936号(1995年4月25日出願)、第08/569,909号(1995年12月8日出願)、及び第08/569,877号(1995年12月8日出願))、並びに国際公開第96/34029号(及びその関連する米国特許出願第08/428,735号(1995年4月25日出願)及び第08/591,205号(1996年1月17日出願))に記載されている。
任意の実施形態では、基部10は、任意に、基材10に取り付けられたスペーサ部材30を備える。任意に、スペーサ部材30は、接着剤層15に接着させることができる。スペーサ部材30は、本明細書に後述するように、PSA層15のうち、本開示のデバイス内に区画を作製するために使用される区域の外周を画定する部分を露出させる開口32を備える。
スペーサ部材30に好適な材料には、たとえば、シート状で容易に入手可能な任意の天然又は合成の物質が挙げられる。好ましくは、スペーサ部材30は、微生物の増殖又は活性を実質的に抑制せず、水性液を吸収しない(たとえば、疎水性材料から構築されるか、又は疎水性材料で被覆される)。ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、及びポリスチレンは、好適な合成材料のいくつかの例である。特に、比較的安価な市販の発泡ポリスチレン及び発泡ポリエチレンが好ましい。金属、たとえば箔シート、木材などの天然物質は、それほど好ましくない代替品であり、任意に、疎水性コーティングで被覆される。
スペーサ部材30の厚さは、所望の試料体積を保持するのに十分な大きさの内部容積をデバイス内に作り出すのに足りる厚さとするべきである。任意の実施形態では、スペーサ部材30は、厚さ1mm未満、少なくとも厚さ約0.02mm、少なくとも厚さ約1mm、少なくとも厚さ約1.5mm、又は少なくとも厚さ約2mmとすることができる。
本発明の任意の実施形態では、一次PSAコーティング(すなわち、PSA層15)で被覆された基材は、二次コーティングを更に含むことができる。任意選択の二次コーティング18には、限定されるものではないが、たとえば栄養素、脱水培地又は粉末状培地、選択剤(たとえば、抗生物質、塩)、化学物質、染料、蛋白、ペプチド、ヌクレオチド、酵素、及び抗体などの1つ以上の水溶性の試薬を挙げることができる。したがって、このタイプの二次コーティング18が水性液に露出されると、水溶性の試薬が溶解し、それによって接着剤を露出させ、接着剤がカバーフィルム20に接合して、本明細書に記載される区画を形成することが可能になる。
この別法又は追加として、二次コーティング18は、直径が接着剤15の厚さ以下である非水溶性の粒子(たとえば、中空若しくは中実のガラス微小球又はその断片)を含むことができる。このタイプの二次コーティング18の場合、非水溶性の粒子を接着剤層15内へ押し込むことができる(微小球の破壊の有無にかかわらない)(たとえば、本明細書に後述するように、カバーフィルムを通して圧力を加え、それによって接着剤を露出させ、カバーフィルムを接着剤に接合させることによる)。任意の実施形態では、微小球を接着剤層内へ押し込むことで、微小球の破壊を引き起こすことができる。有利には、任意の実施形態では、液体がアセンブリ100内に載せられ、それによって二次コーティングを溶解させ(二次コーティング18が水溶性の試薬を含む場合)、接着剤層を露出させるまで、又は、二次コーティングに圧力を加えて(二次コーティング18が非水溶性の粒子を含む場合)、接着剤を露出させ、それによって接着剤をカバーフィルム20に接合させるまで、二次コーティング18は、接着剤層15へのカバーフィルム20の接着を一時的に防止する。
任意の実施形態では、本開示の二次コーティング18は、実質的に水分がないものとすることができる。本明細書及び特許請求の範囲では、「実質的に水分がない(substantially water-free)」という語句は、周囲環境と平衡状態になった後の、脱水されたコーティングのおおよその含水量以下の含水量を有するコーティングを指す。
図1a〜図1cを参照すると、カバーフィルム20は、弾性回復率が20%以下である、非吸水性(たとえば、疎水性)の任意の弾性ポリマーフィルム材料から製造することができる。プラスチックフィルムの弾性回復率は、たとえば、全体が参照により本明細書に組み込まれている、ASTM D5459−95(2012)「Standard Test Method for Machine Direction Elastic Recovery and Permanent Deformation and Stress Retention of Stretch Wrap Film」,ASTM International,West Conshohocken,PAを使用して測定することができる。カバーフィルム20は、好ましくは、たとえば、PARAFILM(登録商標)という商品名でBemis Flexible Packaging Company(Oshkosh,WI)から入手利用可能な複合フィルムなど、自己封止式で成形可能な可撓性フィルムである。
任意の実施形態では、カバーフィルムは、電磁放射の可視波長、紫外波長、及び/又は赤外波長に対して光透過性とすることができる。
カバーフィルム20は、たとえば、ポリマーフィルム又は他の適当な材料から製造することができる。好適なポリマーフィルムは、全体が参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第4,425,268号に開示されている。ポリマーフィルムは、ポリマーと粘着付与剤の適当な複合物とすることができる。適当なポリマーには、限定されるものではないが、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンと高級アルケンの線状共重合体を挙げることができる。適当な粘着付与剤には、限定されるものではないが、低分子量ポリイソブテン、ポリテルペン、非晶質ポリプロピレン、及びマイクロクリスタリンワックスを挙げることができる。有利には、カバーフィルム20は、エチレンと酢酸ビニルの高分子量共重合体及びエチレンと高級アルケンの線状共重合体の組成物を使用して製造される。
高分子量共重合体の融解係数は、約0.1〜約4.0である。線状共重合体の比重は、約0.917〜約0.945である。任意の実施形態では、カバーフィルム20の厚さは、0.02mm〜0.5mmの範囲内、好ましくは0.1〜0.25mmの範囲内、より好ましくは0.1〜0.15mmの範囲内である。このカバーフィルム20を引き伸ばすと、層の厚さは、約0.01mm〜0.25mmまで減少することができる。そのようにカバーフィルム20を引き伸ばすとフィルムの厚さが減少し、それが、封止された区画とその外部環境との間の効率的なガス交換に寄与することができるが、湿気は通さない。カバーフィルム20は透水性が低く、水蒸気の影響を受けにくい。有利には、カバーフィルム20及びデバイスのこれらの特性は、概して、本発明の一実施形態に示されるように好気性及び嫌気性微生物の効率的な培養に役立つ。
図面に戻ると、図2a〜図2dは、本開示による検出デバイス(たとえば、図2dの検出デバイス1000)を形成する方法の一実施形態を示す。検出デバイス1000は、本明細書に記載するように、アセンブリ100(図2b)から形成される。カバーフィルム20が基部10から少なくとも部分的に分離された状態で(図2aに示す)、アセンブリの基部10に(たとえば、ピペットで)水性試料40を付着させる。試料40は、存在する場合は二次コーティング18に付着されるか、又はスペーサ部材30の開口32によって画定される区域内の感圧接着剤15に付着される。スペーサ部材30は、試料40を収容するとともに、試料40の漏出又は浸出を防止するように機能する。試料区域を画定するのに適当なスペーサ部材30としては、限定されるものではないが、バンパ、スペーサ、ロッド、及び金属リムを挙げることができる。液体試料40は、試料区域内へ分注され、カバーフィルム20を試料40及び基部10に接触させることによってカバーフィルム20で覆われる。本開示のデバイスは、様々な体積の試料を収容するように寸法設定することができることが、当業者には理解されよう。たとえば、試料体積は、約50μLの小ささ又は約100mL以上の大きさとすることができる。好ましくは、試料体積全体が、本開示によるデバイスの区画内へ分注される。本明細書に開示するように、二次コーティング18が水溶性の試薬である場合、水性試料40と二次コーティング18との接触がコーティングを溶解させ、それによって、図2bに示すように接着剤層15を試料40と流体連通させる。
図2bに示すように、カバーフィルム20を基部10の方へ付勢させることで(図2aに矢印「A」で示す)試料40を展延し、基材12及びスペーサ部材30によって画定される基部10内の利用可能な容積を満たす。また、カバーフィルム20を基部に押し当てることで、アセンブリ100から実質的にすべての空気を追い出す。液体試料の効率的な展延は、たとえば、カバーフィルムをスペーサ部材30上へ「圧延」すること(たとえば、アセンブリ100の一方の縁部から他方の縁部へ)、ローラ、金属スプレッダ、ポリマースプレッダ、曲げガラスロッドなどの展延工具を使用すること、デバイスを傾けること、又はカバーフィルムに手で圧力を加えることなど、当技術分野では知られている方法を使用して、任意数の様態で行うことができる。
基部10とカバーフィルム20を組み合わせて、液体試料40が配置されたアセンブリ100を形成した後、複数の区画を形成して検出デバイス1000(図2d)を製作する。任意の実施形態では、これらの区画は、所定の容積を有する。任意の実施形態では、複数の区画の各区画の容積は、他の区画それぞれの容積とほぼ等しい。カバーフィルム10と基材12上に被覆された感圧接着剤15との間の接触点で複数の区画を封止することは、外部手段で圧力を加えて、カバーフィルム20が基部10の接着剤層15に接触するときに予め定められたパターンの封止部を作り出すことによって実現される。カバーフィルム20及び/又は基部10のPSA層15の疎水性は、隣接する区画内に閉じ込められた液体の相互汚染を防止するのを助ける。
外部手段は、カバーフィルム20を指定の区域で基部10の感圧接着剤15に接触させるために用いられる。これは、実現することが所望される区画のサイズ、形状、及び数に応じて、所望のパターン付き表面(すなわち、予め定められたパターンの空洞を有する表面)を有する任意の工具又はデバイス(たとえば、図2cの工具50)を使用して実現される。工具50は、成形可能な表面上に工具50が押し付けられたときにその表面上に相補形のパターンが付いた構造を形成するために使用できる複数の所定のリッジ及び空洞を有する、任意のパターン付きデバイス(たとえば、96穴又は384穴のマイクロタイタープレート)とすることができる。このプロセスで形成される区画のサイズ、形状、及びしたがって容積は、少なくとも部分的に型押し工具50によって左右され、数ナノリットルから数ミリリットルの範囲で変動する可能性がある。その結果得られるデバイス(たとえば、図2dのデバイス1000)は、任意の所望の数の区画60を含むことができる。
一実施形態では、リッジ54及び空洞56を有する工具50がアセンブリ100のカバーフィルム20に押し付けられて(図2cに矢印Bで示す)、ウェル(図2dの区画60)のパターンを残し、各区画60は、図2dに示すように、元の試料(すなわち、図2cの断面図に部分的に示すデバイス100の試料40)のうち所与の(たとえば、予め定められた)部分を保持する。加えて、各区画60は封止部62によって囲まれており、封止部62は、試料のうち区画60内に収容された部分を、試料のうち他の区画60内に収容された部分から流体的に隔離する。
図2cの図示の実施形態では、工具50は、スペーサ要素50の開口32にサイズ及び形状が類似する区域を画定する外周リッジ52を備える。有利には、外周リッジは、デバイス1000の外周を封止し、それによってデバイス1000からの試料物質の漏れを防止する。
外部手段(たとえば、工具50)は、限定されるものではないが、油圧式、空気圧式、機械式、及び電気式のタイプから構成されるプレス工具を含む任意の方式で、カバーフィルム上に付勢させることができる。任意の実施形態では、外部手段をカバーフィルムに手で付勢させることができる。
本発明の方法を使用すると、単一のデバイス1000上に比較的多数の区画60が製造される。好ましくは、デバイス1000は、2〜2000個の区画、より好ましくは約10〜約1000個の区画、更により好ましくは約50〜約500個の区画、最も好ましくは約100〜約300個の区画を備える。デバイス1000は、図2dに示すように、均一なサイズの区画の集まりを有することができる。
任意の実施形態では、本開示のデバイス内の複数の区画のうちの1つ以上の容積を、約200nL〜約10mLとすることができる。たとえば、複数の区画のうちの1つ以上の容積を、約200nL、約500nL、約1μL、約10μL、約50μL、約100μL、約250μL、約500μL、約1mL、約2mL、約5mL、又は約10mLとすることができる。
一実施形態では、デバイスは、それぞれが特定の容積の区画を含む、すなわちデバイス全体にわたって均一でない、複数のレーン又は他のグループ分けを含むことができる。たとえば、米国特許第6,696,286号(全体が参照により本明細書に組み込まれる)の図2に示されている工具を使用して、本開示のデバイスを形成することができる。対応するデバイスは、数組(たとえば、数列)の区画を有することになり、容積は一組の区画内では一定であるが、組と組の間では変動する。これらの容積は、数組の区画の並びにわたって漸進的に変動してもよく、たとえば、より小さい区画は1マイクロリットル未満の容積を保持し、より大きい区画は数マイクロリットルの容積を保持する。デバイス内の最も大きい区画は、たとえば最大でミリリットル単位の容積を保持する区画を含むことすら可能である。この特徴により、単一のデバイス内で液体試験試料を異なる試験体積サイズに分配することが可能になる。最確数(MPN)のような計数アッセイの場合、高度に濃縮された試料に対して適当な体積サイズを選択することができ、一連の希釈液の必要なく単一のデバイス内で単一の分割工程を使用してMPN分析を実行することができることから、この特徴は有益で有利になるはずである。
本発明のデバイスは、液体試験試料を比較的多数の試験微小体積に個別に分離することを可能にする。液体試料を区画に分離し、区画間の相互汚染なく定量的及び定性的分析を実行する能力は、本デバイスの主な利点である。しかし、後述するように、様々な追加の製造方法を使用して、区画の有用性を更に高めることができる。
本開示による方法の任意の実施形態では、外部手段をカバーフィルムに付勢させながら、本開示のデバイスの基部をコンプライアント(すなわち、可撓性で曲がりやすい)表面上に配置することができる。有利には、コンプライアント表面により、外部手段の様々な接触点/表面とカバーフィルムの表面との間で実質的に均一の接触(及び実質的に均一な力の分配)が促進される。この均一な接触により、このプロセスで複数の区画を確実に封止することができる。好適なコンプライアント表面としては、それだけに限定されるものではないが、可撓性ポリマー(たとえば、ゴム)の層、独立気泡若しくは連続気泡発泡体(たとえば、ポリウレタン)の層など、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
その別法又は追加として、任意の実施形態では、本開示のデバイスの基部は、コンプライアント部材を更に備える。コンプライアント部材は、限定されるものではないが、前述の可撓性ポリマー層、発泡体層、及びこれらの組み合わせを含むことができる。図2eは、基部12に結合されたコンプライアント部材14を備える基部11の一実施形態を示す。コンプライアント部材14は、たとえば接着剤、ステープル、クランプ、リベット、及び融着を含む任意の好適な手段(図示せず)を介して、基材に結合することができる。
任意の実施形態では、本開示のデバイスは、液体試料を分割する方法を介して形成される。デバイスは、スペーサ要素を含む必要はない。スペーサ要素を持たないデバイス内で水性試料を複数の区画内へ分割する方法の一実施形態の工程を、図3a〜図3dに示す。基部10が、本明細書に記載するように、感圧接着剤層15で被覆された第1の主表面13を有する基材12を含む。基部10は、接着剤層15が上向きになるように、表面(好ましくは、平坦で実質的に水平の表面)上に配置することができる。図3aに示すように、予め定められた体積の分割すべき水溶液(図3aの試料40)が、接着剤層15上に直接分与される。
水性試料40を基材上に載せた後、本明細書に記載するカバーフィルム20が試料40及び基部10上に配置され、それにより試料40がカバーフィルム20と基部10の接着剤層15との間に配置される。任意に、液体試料40は、カバーフィルム20と基部10の接着剤層15との間に配置された液体試料40を取り囲む外周封止部を形成することによって、カバーフィルム20と基部10の接着剤層15との間に封止される。外周封止部(たとえば、図3cに示す外周封止部92)は、カバーフィルム20のうちの予め定められた部分を接着剤層15に付勢させることによって形成される。これは、たとえば空洞57を取り囲むリッジ56を有する工具55など、任意の好適な外周形成用の外部手段を使用して行うことができる。空洞57は、水性試料40の体積と少なくとも同程度、好ましくはほぼ等しい容積を画定するべきである。したがって、工具55は、カバーフィルムに付勢させると、基部10の予め定められた区域全体に試料40を分配する。工具55のリッジ56は、カバーフィルム20に付勢させると、カバーフィルム20と接着剤層15との間に接触をもたらし、それによって、試料保持部(すなわち、チャンバ90)を画定する外周封止部90を形成する。任意の実施形態では、チャンバ90は、工具55の空洞57によって画定される所定の容積を有する。空洞57の容積が液体試料40の体積にほぼ等しいとき、外周封止部92の形成中に空気は実質的に遮断される。外周封止部92を形成するのに好適な工具55の一実施形態は、3M Company(St.Paul,MN)から入手可能なPETRIFILM酵母及びカビ用スプレッダなどのプラスチック展延デバイスである。
代替実施形態(図示せず)では、外周封止部92は、尖っていない物体(たとえば、鉛筆の先、消しゴムの先)をカバーフィルムに付勢させて液体試料の周りに外周封止部を描くことによって、手で形成することができる。外周封止部92は、限定されるものではないが、円形、楕円形、多角形、正方形、長方形、六角形、八角形、及び長楕円を含む様々な形状のいずれか1つの形態をとることができることが企図される。
任意選択の外周封止部92が形成された後、区画形成用の外部手段(たとえば、図3cの工具50)をカバーフィルム20に付勢させて、カバーフィルム20の予め定められた部分を接着剤層15に接触させて複数の区画60を形成する。カバーフィルム20の予め定められた部分が接着剤層15に接触するところに封止部62が形成される。これらの封止部は、区画間の液体連通を実質的に防止する。区画62を形成するのに好適な外部手段の非限定的な例には、プラスチックの384穴マイクロタイタープレート(Untreated black #242764,Nalge Nunc International;Rochester,NY)がある。外部手段は、たとえば、手の圧力を使用して、又はエアプレス(たとえば、Janesville Tool and Manufacturing,Inc.;Milton,WIから入手可能なModel A−0019のエアプレス)を使用して、カバーフィルム20に付勢させることができる。封止部を形成するために使用される力の量は、カバーフィルムと接着剤層との間の接触が封止部を形成するのに足りることを確実にするのに十分な力とするべきである。
好ましくは、チャンバ90とほぼ同じ形状及び寸法を有する外部手段を使用することで、この方法によって作製される複数の区画の各区画が予め定められた(任意に、実質的に均一の)容積を確実に有するようにすることができる。しかし、図3a〜図3dに示すように、これは必須ではない。
別の態様では、本開示は、液体試料(たとえば、水性液体試料)を分割するパウチを提供する。図4aは、本開示によるパウチを作製するために使用される構成要素のうちいくつかの部分断面平面図を示す。任意の実施形態では、実質的に平面の基材12が、主表面上に被覆された層又は感圧接着剤15を有する。好適な基材12及び接着剤15については、本明細書に上述した。接着剤15上にコーティングを付着させる前に、シート状のマスク70を基材12上の接着剤15に付着(たとえば、積層)させる。マスク70は、周縁部72と、中心開口74と、開口74から周縁部72へ延びる間隙76とを有する。基材12上に配置されると、開口74及び間隙76は、接着剤15の一部分を露出させる。円形の形状を有するものとして示すが、開口74は、複数の好適な形状(たとえば、円形、正方形、楕円形、長円形、方形、多角形など)のいずれを有してもよいことが企図される。
マスク70は、たとえば、紙又はプラスチックフィルムのシートを含む様々な材料から製造することができる。好ましくは、マスク70は、接着剤15に接して配置される側が、低接着性バックサイズで被覆される。低接着性バックサイズ(図示せず)は、接着剤15と基材12との間の接合を妨げることなく接着剤15からマスクを取り除くのを容易にする。マスク70が接着剤15に付着された後、二次コーティング18(たとえば、本明細書に上述した試薬又は粒子などの粉末材料のコーティング)を、露出した接着剤18に付着させる。図4cは、接着剤のうちマスク70によって覆われていない部分に二次コーティング18が接着していることを示す。任意の実施形態では、二次コーティング18は、本明細書に記載するように、水溶性の試薬を含んでいる。任意の実施形態では、二次コーティングは、平均粒径が接着剤層18の厚さ以下である複数の粒子(たとえば、3M Company;St.Paul,MNから入手可能なK37ガラスバブルなどのガラスバブル)を含む。
二次コーティング18を付着させた後、任意に、余分な粉末を(たとえば、振動により)取り除くことができ、マスク70が取り除かれる。マスク70を取り除くことで、図4dに示すように、基材12上に残っている接着剤15を露出させる。本開示によるパウチ500の作製を完了させるために、図4eに示すように、露出した接着剤15を覆うように寸法設定されたカバーフィルム20が、接着剤に積層される(たとえば、図示しないがローラを使用する)。パウチ500は内部リザーバ502を備え、パウチ500の縁部に沿ってポート504(すなわち、開口)を通ってリザーバ502内へ液体試料(図示せず)が導入される。
本開示によるパウチ500は、試料を分割する方法で使用することができる。図5a〜図5dは、図4eのパウチ500を使用して液体試料を分割するために使用される工程の一実施形態を示す。
図5aに示すように、液体試料40(たとえば、生体物質(たとえば、微生物又は生体分子)を含有する可能性がある水性試料)が、パウチ500のリザーバ502内へ導入される(たとえば、ピペットを介して)。リザーバ502内の二次コーティング(図示せず)が水溶性の試薬を含んでいる場合、液体試料40を導入することで試薬が溶解し、接着剤(図示しないが、パウチ502のカバーフィルムに接合することができる)を露出させる。任意に、図5bに示すように、展延デバイス55(たとえば、3M Company;St.Paul,Minnesotaから入手可能なPETRIFILM酵母及びカビ用プレートスプレッダ)をパウチ500のカバーフィルムに付勢させ、リザーバ502全体にわたって液体を展延し、リザーバ502から空気を押し出し(ポートを介して)、単一の液体充填チャンバ90の周りに外周封止部92を形成することができる。上記のように、外部手段(たとえば、工具50)を、液体充填リザーバ(図示せず)又は液体充填区画90(図5cに示す)に付勢させて、図5dに示すデバイス2000を形成する。デバイス2000は、複数の液体充填区画40を備え、各区画は、本明細書に記載する工具50によって定められるリッジ54のパターンに応じて、1つ以上の封止部42を介して隣接する区画から隔離される。
したがって、本発明は、試験試料中の微生物を検出する方法を提供する。好適な試験試料の非限定的な例には、固体、半固体、ゼラチン状の物質、粒子懸濁液、溶液、液体、及びこれらの組み合わせが挙げられる。固体又は半固体の試料は、本開示のデバイス又はパウチ内へ導入する前に、水性培地(たとえば、滅菌水、緩衝液、栄養培地)中で均質化及び/又は懸濁させることができる。液体又は液化した試験試料は、接着剤及び任意に二次コーティングが被覆された基材上へ直接載せることができる。本明細書に記載するように、試料が展延され、デバイスが形成され、その結果、PSAを利用して上部及び基材を効率的に封止することによって、液体を基材とカバーフィルムとの間に配置された複数の閉鎖区画内へ分割する。分割された試料の定性的及び定量的分析は、当業者には知られている方法を使用して、少なくとも1つの区画で行うことができる。
定量的分析としては、限定されるものではないが、試料中の微生物又は生体分子の計数、定量化、計数、及び測定が挙げられる。生体分子としては、限定されるものではないが、多糖類、脂質、核酸、DNA、RNA、代謝産物、ビタミン、ホルモン、及びアミノ酸を挙げることができる。定性的分析としては、限定されるものではないが、微生物又は生体分子の検出、培養、隔離、識別、及び精製が挙げられる。
別の実施形態では、本発明は、液体試験試料中で微生物を培養する方法に関する。この方法は、分割された試料が栄養成長培地を含み、微生物の少なくとも1回の細胞分裂を促進するのに十分な時間にわたって条件下に試料をインキュベートできるようにすることを除いて、上記の方法に類似している。嫌気性微生物を培養するには、区画内で嫌気性の環境を維持するために、分割された試料を有するデバイスを嫌気性チャンバ内で保存することができる。
試料を区画内へ分注した後、所望の用途に応じて、様々なアッセイを実施することができる。微生物の検出又は計数には、微生物の少なくとも1回の細胞分裂周期を可能にするのに十分な時間にわたってアッセイデバイスをインキュベートすることができる。これらの目的には、デバイスは、概して、約25℃〜約45℃、より好ましくは約30℃〜約37℃でインキュベートされる。微生物検出のためのインキュベート時間は変動する。検出時間もまた、増殖速度、使用される検出システム(たとえば、指示薬)、及び試料中に存在する微生物の数に応じて変動する。
液体試験試料は、任意の供給源から得る任意の対象試料とすることができる。液体試験試料は、対象微生物に対する選択的栄養増殖培地、及び/又は増殖している微生物の存在下でシグナルを生じさせる指示物質を含むことができる。好ましくは、栄養増殖培地は、ある体積の液体試験試料が基材上へ分配されるときに所望の濃度を実現するのに十分な量で、基材上のコーティングとして存在する。そのようなコーティングは、たとえば、栄養培地の溶液を基材上へ配置又は分配し、溶液を乾燥させて、栄養培地のコーティング又は堆積物をフィルム上に製作することによって実現することができる。培地の成分は、基材上に被覆される接着剤中に存在することもできる。培地は、液体試料に接触したとき、最終的に試料中へ拡散する。
多種多様な対象微生物に対する多種多様な選択的増殖培地が、多種多様な微生物に対する多種多様な指示物質と同様に知られており、これらの培地又は指示物質はいずれも、本発明の方法で使用するのに好適である。本発明の利点は、封止された区画内に水性生体試料を閉じ込めることによって拡散が防止されるため、可溶性の指示薬を使用することができることである。
他の実施形態では、これらの区画は、栄養培地のコーティングを含むことができ、栄養培地は、少なくとも1つの指示物質を更に含むことができる。あるいは、液体試験試料は、少なくとも1つの指示物質を含むことができる。いずれの場合も、指示物質は、液体試験試料中に検出可能なシグナルを提供することが可能な任意の指示物質とすることができる。そのような指示薬には、それだけ限定されるものではないが、発色性の指示薬、蛍光性の指示薬、発光性の指示薬、及び電気化学的な指示薬が挙げられる。本出願の目的のため、「電気化学(electrochemical)」という用語は、微生物と反応すると試料の抵抗又はコンダクタンスを変化させる化学指示薬を意味する。
アッセイ試薬は、当業者に知られている固体の基材上でアッセイ試薬を固定化する多数の方法のいずれかによって、基材内に固定化することができる。そのような方法には、たとえば、アッセイ試薬含有液を乾燥させることが含まれ、他の方法は、生体分子及び他のアッセイ試薬を固体の基材に非共有結合的に取り付けることである。あるいは、当業者にはよく知られている方法によってアッセイ試薬を基材に共有結合的に取り付けるために、様々な方法を用いることができる。
比較的低い濃度で検出される蛍光性指示薬を好適に用いることができる。好適な指示薬には、リン酸4−メチルウンベリフェリル、及び4−メチルウンベリフェリル−B−D−グルコピラノシド、L−フェニルアラニン−7−アミド−4−メチルクマリンが挙げられる。他の指示薬には、酢酸4−メチルウンベリフェリル及び硫酸4−メチルウンベリフェリルを挙げることができる。
別の態様では、デバイスのためのキットが製造される。任意の実施形態では、キットは、以下の構成要素、すなわち(i)非水溶性の感圧接着剤層で被覆された第1の主表面を有する基材と、(ii)複合ポリマーフィルムとを含む。基材は、本明細書に記載するデバイスに好適な任意の基材とすることができる。複合ポリマーフィルムは、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンと高級アルケンの線状共重合体、及び粘着付与剤を含む。粘着付与剤は、低分子量ポリイソブテン、ポリテルペン、非晶質ポリプロピレン、及びマイクロクリスタリンワックスからなる群から選択される。任意の実施形態では、複合ポリマーフィルムの弾性回復率は20%以下である。
任意の実施形態では、キットは、以下の構成要素、すなわち本明細書に記載するように、(i)非水溶性の感圧接着剤層を接着させた第1の主表面を有する基材であって、基材及び接着剤が本明細書に記載するものである、基材と、(ii)弾性回復率が20%以下のポリマーフィルムとを含む。
キットの任意の実施形態では、基材及び/又はポリマーフィルムは、実質的に平面である。キットの任意の実施形態では、基材及び/又はポリマーフィルムは、実質的に平坦である。キットの任意の実施形態では、感圧接着剤は、シリコーンポリウレアを含む。キットの任意の実施形態では、基材は、接着剤の少なくとも一部分上に配置された二次コーティングを更に含んでいる。キットの任意の実施形態では、二次コーティングは、粉末状栄養素及び/又は複数のガラスバブルを含む。キットの任意の実施形態では、二次コーティングには実質的に水分がない。キットの任意の実施形態では、本明細書に上述したように、基材の第1の主表面にスペーサ要素が結合されている。キットの任意の実施形態では、複合ポリマーフィルムは基材に取り付けられ、存在する場合、スペーサ要素は、基材とカバーフィルムとの間に配置される。
本開示による任意のキットの追加の構成要素は、様々なサイズ及び形状の試料展延工具、試料区域画定物、及び型押し工具を備えることができる。このキットは、容易に使用するための取扱説明書を更に備えることができる。
意図される本発明をうまく実行することを同様に可能にする様々な代替技法及び手順が、当業者には利用可能である。後述する特有の材料及び方法はすべて、全体又は一部が、本発明の範囲内に入る。これらの特有の組成物、材料、及び方法は、本発明を限定するものではなく、本発明の範囲内に入る特有の実施形態を示すにすぎない。当業者であれば、独創力を行使しなくても、本発明の範囲から逸脱することなく、同等の材料及び方法を開発することができる。本発明の範囲内に留まったまま、本明細書に記載する手順に多くの変更を加えることができることが理解されよう。そのような変更が本発明の範囲内に含まれることは、本発明者らの意図である。
例示的な実施形態
実施形態Aは、
基材を含み、基材が第1の主表面を有する基部と、
第1の主表面の少なくとも一部分に接着させた感圧接着剤と、
接着剤を介して基材に結合された、ポリマー及び粘着付与剤を含む複合フィルムであるポリマーカバーフィルムであって、その複合フィルムが、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンと高級アルケンの線状共重合体、及び粘着付与剤を含む、カバーフィルムと、
基材とカバーフィルムとの間に配置され、複数の区画の各区画が、複数の区画のうちの少なくとも1つの他の区画との液体連通を防止する封止部によって画定されている、複数の閉鎖区画と、
閉鎖区画のうちの2つ以上の中に配置された水性液とを含み、
封止部が、カバーフィルムと感圧接着剤との間の接触によって形成されている、デバイスである。
実施形態Bは、粘着付与剤が、低分子量ポリイソブテン、ポリテルペン、非晶質ポリプロピレン、及びマイクロクリスタリンワックスからなる群から選択される、実施形態Aのデバイスである。
実施形態Cは、カバーフィルムの弾性回復率が20%以下である、実施形態A又は実施形態Bのデバイスである。
実施形態Dは、
基材を含み、基材が第1の主表面を有する基部と、
第1の主表面の少なくとも一部分に接着させた感圧接着剤と、
接着剤を介して基材に結合された、弾性回復率が20%以下のポリマーカバーフィルムと、
基材とカバーフィルムとの間に配置され、複数の区画の各区画が、複数の区画のうちの少なくとも1つの他の区画との液体連通を防止する封止部によって画定されている、複数の閉鎖区画と、
閉鎖区画のうちの2つ以上の中に配置された水性液とを含み、封止部がカバーフィルムと感圧接着剤との間の接触によって形成されている、デバイスである。
実施形態Eは、基材が非水溶性である、上記実施形態のいずれか1つのデバイスである。
実施形態Fは、封止部が、複数の区画のうちのいずれか2つの区画間の液体連通を防止する上記実施形態のいずれか1つのデバイスである。
実施形態Gは、第1の主表面が実質的に平面である、上記実施形態のいずれか1つのデバイスである。
実施形態Hは、基材の厚さが少なくとも約0.02mmである、上記実施形態のいずれか1つのデバイスである。
実施形態Iは、基材の厚さが5mm以下である、実施形態Hのデバイスである。
実施形態Jは、基材の厚さが2mm以下である、実施形態Hのデバイスである。
実施形態Kは、基材が、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリイミド、フルオロポリマー、ポリカーボネート、ポリスチレン、上記の材料のいずれか1つの誘導体、及び上記材料のいずれか2つ以上の組み合わせからなる群から選択される材料から作られている、上記実施形態のいずれか1つのデバイスである。
実施形態Lは、材料がポリプロピレンであり、ポリプロピレンが二軸延伸ポリプロピレンである、実施形態Kのデバイスである。
実施形態Mは、基材が金属箔を含んでいる、上記実施形態のいずれか1つのデバイスである。
実施形態Nは、金属箔がアルミニウム、銅、又は鋼鉄を含んでいる、実施形態Mのデバイスである。
実施形態Oは、金属箔が金属箔ポリマー積層体を含んでいる、実施形態M又は実施形態Nのデバイスである。
実施形態Pは、感圧接着剤が、水性液に接触したときに接着特性を保持する、上記実施形態のいずれか1つのデバイスである。
実施形態Qは、感圧接着剤がエラストマ及び粘着付与剤を含んでいる、上記実施形態のいずれか1つのデバイスである。
実施形態Rは、感圧接着剤がシリコーンポリウレア接着剤である、実施形態A〜Pのいずれか1つのデバイスである。
実施形態Sは、感圧接着剤の厚さが少なくとも約0.02mmである、上記実施形態のいずれか1つのデバイスである。
実施形態Tは、感圧接着剤の厚さが0.2mm以下である、実施形態Sのデバイスである。
実施形態Uは、カバーフィルムがポリマー及び粘着付与剤を含む複合フィルムである、上記実施形態のいずれか1つのデバイスである。
実施形態Vは、カバーフィルムが自己封止式の成形可能な可撓性フィルムである、上記実施形態のいずれか1つのデバイスである。
実施形態Wは、カバーフィルムの少なくとも一部分の厚さが0.01mm〜0.5mmである、上記実施形態のいずれか1つのデバイスである。
実施形態Xは、カバーフィルムの少なくとも一部分の厚さが0.10mm〜0.25mmである、実施形態Wのデバイスである。
実施形態Yは、引き伸ばされたときのカバーフィルムの少なくとも一部分の厚さが0.01mm〜0.20mmである、上記実施形態のいずれか1つのデバイスである。
実施形態Zは、水性液が生体試料を含んでいる、上記実施形態のいずれか1つのデバイスである。
実施形態AAは、生体試料が微生物学的分析又は生化学的分析のためのものである、実施形態Zのデバイスである。
実施形態ABは、生体試料が食品試料、臨床試料、環境試料、又は廃水試料である、実施形態Zのデバイスである。
実施形態ACは、各区画内の水性液の体積が200nL〜10mLである、上記実施形態のいずれか1つのデバイスである。
実施形態ADは、すべての区画内の水性液の総体積が50μL〜100mLの範囲内である、上記実施形態のいずれか1つのデバイスである。
実施形態AEは、基材とカバーフィルムとの間に配置されたスペーサ要素を更に備える、上記実施形態のいずれか1つのデバイスである。
実施形態AFは、スペーサ要素が基材に取り付けられる、実施形態AEのデバイスである。
実施形態AGは、感圧接着剤の少なくとも一部分上に配置された二次コーティングを更に含んでいる、上記実施形態のいずれか1つのデバイスである。
実施形態AHは、二次コーティングが乾燥粉末から本質的になる、実施形態AGのデバイスである。
実施形態AIは、二次コーティングが、栄養素、化学物質、染料、蛋白、酵素、及び抗体からなる群から選択される、実施形態AG又は実施形態AHのデバイスである。
実施形態AJは、液体を分割する方法であって、
予め定められた体積の液体を、非水溶性の感圧接着剤で被覆された基材と、ポリマー及び粘着付与剤を含む複合フィルムであるポリマーカバーフィルムとの間に載せる工程であって、その複合フィルムがエチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンと高級アルケンの線状共重合体、及び粘着付与剤を含む、前記工程と、
カバーフィルムに外部手段を付勢させて、カバーフィルムの個別領域を基材の感圧接着剤に接触させ、その結果、液体を基材とカバーフィルムとの間に配置された複数の閉鎖区画内へ分割する工程とを含む方法である。
実施形態AKは、粘着付与剤が低分子量ポリイソブテン、ポリテルペン、非晶質ポリプロピレン、及びマイクロクリスタリンワックスからなる群から選択される、実施形態AJの方法である。
実施形態ALは、カバーフィルムの弾性回復率が20%以下である、実施形態AJ又は実施形態AKの方法である。
実施形態AMは、液体を分割する方法であって、
予め定められた体積の液体を基材の第1の表面上に載せて、その液体試料が、非水溶性の感圧接着剤で被覆された第1の表面と、弾性回復率が20%以下であるポリマーカバーフィルムとの間に配置されるようにする工程と、
カバーフィルムに外部手段を付勢させ、カバーフィルムの個別領域を基材の感圧接着剤に接触させ、その結果、液体を基材とカバーフィルムとの間に配置された複数の閉鎖区画内へ分割する工程とを含む方法である。
実施形態ANは、外部手段をカバーフィルムに付勢させる前、基材及び/又はカバーフィルムが実質的に平坦である、実施形態AJ〜AMのいずれか1つの方法である。
実施形態AOは、外部手段が、複数の空洞を有するパターン付き表面を含む、実施形態AJ〜ANのいずれか1つの方法である。
実施形態APは、基材が、接着剤上に配置された二次コーティングを更に含んでいる、実施形態AJ〜AOのいずれか1つの方法である。
実施形態AQは、二次コーティングが、栄養素、化学物質、染料、蛋白、酵素、及び抗体からなる群から選択される、実施形態APの方法である。
実施形態ARは、液体試料を分析する方法であって、
予め定められた体積の液体を基材の第1の表面上に載せて、その液体試料が、非水溶性の感圧接着剤で被覆された第1の表面と、ポリマー及び粘着付与剤を含む複合フィルムであるポリマーカバーフィルムであって、その複合フィルムが、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンと高級アルケンの線状共重合体、及び粘着付与剤を含む前記ポリマーカバーフィルムとの間に配置されるようにする工程と、
カバーフィルムに外部手段を付勢させ、カバーフィルムの個別領域を基材の感圧接着剤に接触させ、その結果、液体を基材とカバーフィルムとの間に配置された複数の閉鎖区画内へ分割する工程と、
複数の区画のうちの少なくとも1つの閉鎖区画の定量的分析又は定性的分析を行う工程とを含む方法である。
実施形態ASは、粘着付与剤が、低分子量ポリイソブテン、ポリテルペン、非晶質ポリプロピレン、及びマイクロクリスタリンワックスからなる群から選択される、実施形態ARの方法である。
実施形態ATは、カバーフィルムの弾性回復率が20%以下である、実施形態AR又は実施形態ASの方法である。
実施形態AUは、液体試料を分析する方法であって、
液体試料を基材の第1の表面上に載せて、その液体試料が、非水溶性の感圧接着剤で被覆された第1の表面と、弾性回復率が20%以下であるポリマーカバーフィルムとの間に配置されるようにする工程と、
(ii)カバーフィルムに外部手段を付勢させ、カバーフィルムの個別領域を基材の感圧接着剤に接触させ、その結果、液体を基材とカバーフィルムとの間に配置された複数の閉鎖区画内へ分割する工程と、
複数の区画のうちの少なくとも1つの閉鎖区画の定量的分析又は定性的分析を行う工程とを含む方法である。
実施形態AVは、カバーフィルムに外部手段を付勢させる前、基材及び/又はカバーフィルムが実質的に平坦である、実施形態AR〜AUのいずれか1つの方法である。
実施形態AWは、定量的分析が、試料中の微生物又は生体分子の計数を含む、実施形態AR〜AVのいずれか1つの方法である。
実施形態AXは、生体分子が、蛋白、多糖類、脂質、核酸、DNA、RNA、代謝産物、ビタミン、ホルモン、及びアミノ酸からなる群から選択される、実施形態AWの方法である。
実施形態AYは、定性的分析が、試料中の微生物又は生体分子の検出、培養、隔離、識別、又は精製を含む、実施形態AR〜AXのいずれか1つの方法である。
実施形態AZは、微生物を培養する方法であって、
予め定められた体積の液体を基材の第1の表面上に載せて、その液体試料が、非水溶性の感圧接着剤で被覆された第1の表面と、ポリマー及び粘着付与剤を含む複合フィルムであるポリマーカバーフィルムであって、その複合フィルムが、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンと高級アルケンの線状共重合体、及び粘着付与剤を含む前記ポリマーカバーフィルムとの間に配置されるようにする工程と、
カバーフィルムに外部手段を押し付けて、カバーフィルムの個別領域を基材の感圧接着剤に接触させ、その結果、液体を基材とカバーフィルムとの間に配置された複数の閉鎖区画内へ分割する工程と、
微生物の少なくとも1回の細胞分裂を促進する条件下に、液化及び分割した試料をインキュベートする工程とを含む方法である。
実施形態BAは、粘着付与剤が、低分子量ポリイソブテン、ポリテルペン、非晶質ポリプロピレン、及びマイクロクリスタリンワックスからなる群から選択される、実施形態AZの方法である。
実施形態BBは、カバーフィルムの弾性回復率が20%以下である、実施形態AZ又は実施形態BAの方法である。
実施形態BCは、微生物を培養する方法であって、
試料を液体栄養培地に混ぜ合わせて試料を液化する工程と、
液化した試料を基材の第1の表面上に載せて、その液体試料が、非水溶性の感圧接着剤で被覆された第1の表面と、弾性回復率が20%以下であるポリマーカバーフィルムとの間に配置されるようにする工程と、
カバーフィルムに外部手段を押し付けて、カバーフィルムの個別領域を基材の感圧接着剤に接触させ、その結果、液体を基材とカバーフィルムとの間に配置された複数の閉鎖区画内へ分割する工程と、
微生物の少なくとも1回の細胞分裂を促進する条件下に、液化及び分割した試料をインキュベートする工程とを含む方法である。
実施形態BDは、カバーフィルムに外部手段を付勢させる前、基材及び/又はカバーフィルムが実質的に平坦である、実施形態AZ〜BCのいずれか1つの方法である。
実施形態BEは、微生物が好気性又は嫌気性である、実施形態AZ〜BDのいずれか1つの方法である。
実施形態BFは、
非水溶性の感圧接着剤層が被覆された第1の主表面を有する基材と、
複合ポリマーフィルムとを含み、
ポリマーフィルムが、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンと高級アルケンの線状共重合体、及び粘着付与剤を含み、
粘着付与剤が、低分子量ポリイソブテン、ポリテルペン、非晶質ポリプロピレン、及びマイクロクリスタリンワックスからなる群から選択される、キットである。
実施形態BGは、複合ポリマーフィルムの弾性回復率が20%以下である、実施形態BFのキットである。
実施形態BHは、
非水溶性の感圧接着剤層を接着させた第1の主表面を有する基材と、
弾性回復率が20%以下のポリマーフィルムとを含むキットである。
実施形態BIは、基材及び/又はポリマーフィルムが実質的に平面である、実施形態BF〜BHのいずれか1つのキットである。
実施形態BJは、感圧接着剤がシリコーンポリウレアを含む、実施形態BF〜BIのいずれか1つのキットである。
実施形態BKは、基材が、接着剤の少なくとも一部分上に配置された二次コーティングを更に含んでいる、実施形態BF〜BJのいずれか1つのキットである。
実施形態BLは、二次コーティングが粉末状栄養素及び/又は複数のガラスバブルを含む、実施形態BKのキットである。
実施形態BMは、基材の第1の主表面にスペーサ要素が結合されている、実施形態BF〜BLのいずれか1つのキットである。
実施形態BNは、
ポリマーフィルムが基材に取り付けられ、
存在する場合、スペーサ要素が、基材とカバーフィルムとの間に配置されている、実施形態BF〜BMのいずれか1つのキットである。
実施形態BOは、
基材と、
基材に取り付けられた複合ポリマーフィルムと、
第1の層と第2の層との間に配置されたリザーバと、
リザーバ内へそれを通して液体を導入することができるポートとを備え、
リザーバ内で、基材が、基材に接着させた感圧接着剤層と、接着剤層上へ被覆された実質的に水分がない二次層とを含み、
二次層が、接着剤と複合ポリマーフィルムとの間の接着を防止し、
ポリマーフィルムが、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンと高級アルケンの線状共重合体、及び粘着付与剤を含み、
粘着付与剤が、低分子量ポリイソブテン、ポリテルペン、非晶質ポリプロピレン、及びマイクロクリスタリンワックスからなる群から選択される、パウチである。
実施形態BPは、複合ポリマーフィルムの弾性回復率が20%以下である、実施形態BOのパウチである。
実施形態BQは、
基材と、
基材に取り付けられたポリマーフィルムと、
基材とポリマーフィルムとの間に配置されたリザーバと、
リザーバ内へそれを通して液体を導入することができるポートとを備え、
リザーバ内で、基材が、基材に接着させた感圧接着剤層と、接着剤層上へ被覆された実質的に水分がない二次層とを含み、
二次層が、接着剤と複合ポリマーフィルムとの間の接着を防止し、
ポリマーフィルムの弾性回復率が20%以下である、パウチである。
実施形態BRは、二次コーティングが粉末を含む、実施形態BO〜BQのいずれか1つのパウチである。
実施形態BSは、二次コーティングが、栄養素、微生物の増殖を示す試薬、又は選択剤を含む、実施形態BO〜BRのいずれか1つのパウチである。
実施形態BTは、二次コーティングが複数の非水溶性粒子を含む、実施形態BN〜BSのいずれか1つのパウチである。
実施形態BUは、非水溶性粒子がガラスバブルを含む、実施形態BTのパウチである。
実施形態BVは、非水溶性粒子が平均直径を有し、接着剤層が厚さを有し、その平均直径がその厚さ以下である、実施形態BT又は実施形態BUのパウチである。
実施形態BWは、実施形態BQ〜BXのいずれか1つのパウチを備えるキットである。
本発明の目的及び利点を以下の実施例によって更に示すが、これらの実施例に示す特定の材料及び量並びに他の条件及び詳細は、本発明を不当に限定すると解釈されるべきでない。特に指示がない限り、すべての部分及び割合は重量に基づき、すべての水は蒸留水であり、すべての分子量は重量平均分子量である。
実施例1:封止されたデバイスの準備及び封止されたデバイス内での水性試料の分割
基材及びカバーフィルムの準備
実質的に平面の第1の表面を有する厚さ0.05mm(2ミル)の二軸延伸ポリプロピレン(Biaxially oriented polypropylene、BOPP、0.05mm(2ミル))を、基材として使用した。第1の表面上で、フィルムを厚さ0.05mm(2ミル)の非水溶性のシリコーンベースの感圧接着剤、シリコーンポリウレアで被覆した。非水溶性のシリコーンポリウレア接着剤は、どちらも全体が参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第5,461,134号及び第6,007,914号に記載されている方法に従って準備した。
疎水性カバーフィルムには、厚さ0.1mmのプラスチックパラフィンフィルム(PARAFILM Mの4ミル(0.1mm)のフィルム、Bemis Flexible Packaging Company;Oshkosh,WI)を使用した。
区画内への水性試料の分割
BACTO(商標)Trypticase Soy Broth(Becton,Dickinson and Company;Franklin Lakes,New Jersey)中にEscherichia coli(ATCC #25922,American Type Tissue Collection;Manassas,Virginia)を一晩培養したものを、0.5mg/mLの4−メチルウンベリフェリル−β−D−グルクロニド(Sigma−Aldrich Corp.;St.Louis,MO)で希釈することによって、水溶液を準備した。この試験溶液は、1マイクロリットル当たり約1〜100の細菌を有した。
水性試料を区画内へ分割するプロセス内の工程を図3a〜3dに示す。図3aに示すように、接着剤で被覆された基材(すなわち、図3aの基部10)を平坦な表面上に、接着剤15が上向きになるように配置し、1mLの試験水溶液(図3aの試料40)を、接着剤で被覆された基部上へ直接分与した。
基材上へ水性試料を加えた後、試料40と基部10の上にカバーフィルム20を慎重に配置し、プラスチック展延デバイス(PETRIFILM酵母及びカビ用プレートスプレッダ、3M Company;St.Paul,Minnesota)をカバーフィルム20に付勢させ(図3bに矢印Bで示す)、液体を展延し、カバーフィルム20と基部との間の直径6cmの円形チャンバ(図3cのチャンバ90)内へ液体を封止した。チャンバ90は、カバーフィルム20を基部10に接合させる外周封止部92によって境界を付けた。
プラスチックの384穴マイクロタイタープレート(Untreated black #242764,Nalge Nunc International;Rochester,NY)(図3cの工具50)を培養デバイス上に、ウェルの開口が下向きになるように配置し、エアプレス(Model A−0019,Janesville Tool and Manufacturing,Inc.;Milton,WI)を使用して、適度な力(すなわち、カバーフィルムと接着剤層との間の接触を確実にするのにちょうど十分な力)でマイクロタイタープレートを押し下げ、カバーフィルムを上に変形させてマイクロタイタープレートの空洞に入れ、この区域においてウェル間でカバーフィルムを基材に封止し、それによって図3dの植菌された分割デバイス2000を形成した。
区画60(図3d)は、カバーフィルムと基部の感圧接着剤との間の接触区域に封止部62を作製することによって形成した。その結果得られた封止部62は、漏れない区画を形成した。
型押し後、各デバイスは、約140個の個々に封止されたウェルを含み、各ウェルは、5〜10マイクロリットルの試料を収容した。カバーフィルムの変形は非常に均一であるように見え、95%を超えるウェルが完全に液体で充填され、目に見える気泡はなかった。その後、型押しされた培養デバイスを384穴プレートから取り除いた。
実施例2:アクリレート系接着剤で被覆されたアルミニウム箔を下層として有する区画
以下の段落に記載の内容を除いて、上記の実施例1に記載した通り培養デバイスを構築した。
基材には、9792R箔テープ(3M Company、St.Paul,MN)を使用した。この箔(厚さ0.036mm)は、片側が3M選択診断アクリレート系接着剤で被覆された極軟アルミニウム箔である。接着剤は厚さ約0.027mmである。箔は不透明で穿孔可能であり、接着剤はバイオアッセイに非常に適合している。
カバーフィルムは、実施例1に記載したPARAFILM Mプラスチックパラフィンフィルムを使用して製造した。このデバイスの構造では、個々の区画(図示せず)のいずれかからの試料を抽出するために、箔テープを貫通して1μLのキャピラリーピペットを挿入することができた。有利には、これにより、特定の区画の内容物の少なくとも一部分を使用して後の試験(たとえば、生化学的試験、免疫試験、酵素試験)を実行できるようにすることができる。
実施例3:細菌増殖の検出−定性的分析
区画内の微生物のインキュベート及び増殖の検出
封止された区画内に分割された試料を有する実施例1の型押し培養デバイスを、24時間にわたって37℃でインキュベートした。
生菌数測定(Aerobic count、AC)PETRIFILMプレート(3M Company;St.Paul,MN)を比較器として使用し、製造者の説明書に従って1mLの同じ試験溶液をフィルム上へ植菌し、展延し、24時間にわたって37℃でインキュベートした。
インキュベーション後、デバイスをUV照明下に配置したときに1つ以上の区画内の蛍光によって明示される細菌の増殖があるかどうか、液体充填区画を観察した。大腸菌β−グルクロニダーゼによる非蛍光性4−メチルウンベリフェリル−β−D−グルクロニド(methylumbelliferyl-β-D-glucuronide、MUG)の蛍光体への酵素開裂は、区画内の増殖が陽性であることを示した。立体顕微鏡を使用して、4−メチルウンベリフェリル−β−D−グルクロニド(MUG)蛍光性基材の加水分解を検出した。励起光源(365nm)及びエミッションフィルタ(長さ400nmの通過域)を備えた立体顕微鏡(Axiocam MRc5を有するZeiss Luminar.V12)を使用して、陽性の区画を視覚化した。これらの結果を表1に示す。
ここに示す実施例を選択した理由は、1つのみの微生物が元の水性試験溶液から各ウェルに分割されて、それが陽性の蛍光シグナルをもたらした可能性が統計的に高い(p<0.05)ためである。
Figure 2017525366

各「増殖が陽性」の区画で、蛍光が陽性であり、観察可能な気泡がないことを、増殖の証拠とした。区画内の蛍光は、区画内の細菌の増殖が陽性と見なした。
蛍光性指示薬を使用したことに加えて、インキュベーション期間中に非蛍光性のウェルで小さい気泡が蓄積したのに対して、フロレセント(florescent)ウェル(増殖が陽性)では気泡が蓄積しなかったことを認識した。区画内に気泡がないことは、区画内の細菌増殖に相関した。
実施例4:細菌の酸化還元活性及び増殖の検出
実施例1に従って型押し培養デバイスを準備したが、0.5mg/mLのMUG(4−メチルウンベリフェリル−β−D−グルクロニド)ではなく、0.1又は0.01mg/mLのリザズリン(Sigma−Aldrich Corp.;St.Louis,MO)を使用した。リザズリンの添加は、細菌の酸化還元活性の検出を可能にし、MUGのように、微生物の活性を検出するのに特有の酵素活性(β−D−グルクロニダーゼ)に依拠しない。
上記で実施例2に示したように、型押しした培養デバイスをインキュベーションした。生菌数測定(AC)PETRIFILMプレートを比較器として使用し、1mLの同じ試験試料を用いた。
液体充填区画の目視検査により、細菌増殖の検出を行った。濃いピンク色のウェルは、細菌増殖が陰性であると見なし、薄いピンク色から透明の区画は、細菌増殖が陽性であると見なした。これらの結果を表2に示す。上記の実施例2と同様に、区画内に小さい気泡がないこともまた、細菌増殖を正確に指示するものであった。
Figure 2017525366

実施例3の各「増殖が陽性」の区画で、色が変化し、観察可能な気泡がないことを、増殖の証拠とした。
実施例5:細菌の連続増殖の検出に対する結果を得るまでの時間
COLILERT(登録商標)細菌学的培地(IDEXX laboratories;Westbrook,Maine)を使用し、実施例1と同様に培養デバイスを構築して植菌したが、MUGがCOLILERT培地内にすでに含有されているため、4−メチルウンベリフェリル−β−D−グルクロニド(MUG)は添加しなかった。
デバイスは、カバーフィルムによって形成される区画がプラスチックの384穴マイクロタイタープレート(Untreated black #242764,Nalge Nunc International;Rochester,NY)のウェルの中を向くように位置決めした。その後、このアセンブリをTecan INFINITE(登録商標)M200プレートリーダ(Tecan Systems,Inc.,San Jose,CA)の読取りトレイ内に配置し、蛍光があるかどうかを走査した。この構成内では、デバイスの上に光源及び検出器が位置し、その結果、励起及び放出光が培養デバイスの基材を通過した。
プレートリーダチャンバは、37℃の温度を保持するように設定し、365nmの励起波長及び470±10nmのエミッションフィルタを使用して、24時間にわたって20分ごとに蛍光測定値を得た。その結果得られた蛍光曲線を、時間の関数としてグラフ化した。培養デバイスの区画は、任意の所与の時点での蛍光がその区画にの最初の18時点(6時間)の平均より2.5倍大きいときに、増殖が陽性であると判定した。各区画内で陽性の増殖を観察した時点(37℃でインキュベーションした時間(分))を表3に報告する。
表3.検出時間
この表は、本開示の型押し培養デバイスの各区画内で陽性の増殖を観察するまでに必要としたインキュベーション時間(分)を報告する。「NG」は増殖がない(すなわち、その区画内の蛍光が微生物の増殖を判定するための記載の閾値を超過しなかった)ことを示す。
Figure 2017525366
区画の行及び列を、それぞれ左側及び上部に示す。実施例4に略述したように、この表の各セル内の数字は、検出時間を分単位で示す。NGは、そのウェルに関して24時間にわたって検出可能な増殖がなかったことを示し、「−」は、主に型押し区域の形状が円形であったため、ウェルが充填されていなかったことを示す。
全部で、131個のうち65個のウェルで増殖が陽性であり、平均検出時間は747±11分であった。誤差計算は、平均の標準誤差を反映している。検出時間の中間値及び最頻値は、それぞれ740及び700分であり、その範囲は640〜1140分であった。COLILERT培地を使用した単一の大腸菌に対する製造者指定の検出時間は、100mLの試料中で24時間であり、QUANTI−TRAY(登録商標)MPNシステム(IDEXX laboratories;Westbrook,Maine)を使用すると18時間である。
実施例6:パウチ状物品の製造及びパウチ状物品内での液体試料の分割
パウチの準備
パウチを準備するプロセスを図4a〜図4eに示す。実施例1に記載したように、二軸延伸ポリプロピレンから構成した基材12を、シリコーンベースの感圧接着剤(接着剤15、図4a)で被覆した。
一片のポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate、PET)剥離ライナを低接着性フルオロシリコーンバックサイズ(Siliconature USA;Chicago,ILから入手可能)で被覆して、マスク(図4aのマスク70)を構築した。マスク70は、直径6cmの円形の開口74と、マスクの外周72の片側に位置する幅1cmの間隙76とを有した。図4bに示すように、マスク70の低接着性側を、基材12上に被覆された接着剤15上に配置した。
ガラスパスツールピペット及びシリコーンバルブを使用して、ガラスバブル(K37ガラスバブル、3M Company;St.Paul,Minnesota)の二次コーティング18を接着剤上へ分配した。フィルムをひっくり返して軽くたたくことによって、余分なガラスバブルを取り除き、その結果、図4cに示す被覆された物品200を得た。次いで、図4dに示すように、マスク70を取り除き、マスク70によって覆われていた接着剤15を露出させた。実施例1に記載したように、PARAFILM Mプラスチックパラフィンフィルムから作られたカバーフィルム20を、後述するように、露出させた接着剤15に接着させた。
ゴムローラを使用して、接着剤がガラスバブルで粉末被覆されていない区域内で、カバーフィルムと基材をともに封止した。これにより、片側に植菌ポート504のある円形のリザーバ502(図4e)を有するパウチ500を効果的に形成した。ガラスバブルを接着剤上へ被覆した箇所では、カバーフィルムと基材との間の接着が効果的に防止された。
パウチ物品内での試料の植菌及び分割
実施例1に記載したように、4−メチルウンベリフェリル−β−D−グルクロニド蛍光性指示薬を有する細菌学的培地(COLILERT培地、IDEXX laboratories;Westbrook,Maine)及びEscherichia coli American Type Tissue Collection #25922(EZ−CFU,Microbiologics;St.Cloud,Minnesota)を含む試験溶液を準備した。
植菌の際、植菌ポートが上向きになるようにパウチを垂直に保持した。植菌ポートを通してパウチ(図5aに示す)内へ1mLの試験溶液を直接分注し、パウチの下部に沈降させた。
植菌させたパウチは、45°の角度でアルミニウムブロック上に配置し、プラスチック展延デバイス(PETRIFILM酵母及びカビ用プレートスプレッダ、3M Company;St.Paul,Minnesota)を手でパウチに(適度な手の圧力で)押し付け、液体を展延し、カバーフィルムと基材との間に配置された円形(直径6cm)のチャンバ(図5bに示すように、外周封止部92によって境界を付けたチャンバ90)内へ液体を封止した。必ずしも必要ではないが、45°の角度で展延することで、パウチ基材がスプレッダによってカバーフィルムに押し付けられるため、円形チャンバの空気の排出及び均一の充填が容易になった。スプレッダは、カバーフィルムをガラスバブル(図示せず)に押し付けて、ガラスバブルを接着剤に入れ、それによって接着剤をカバーフィルムに接触させて、基材とカバーフィルムとの間に外周封止部92を形成することができた。
プラスチックの384穴マイクロタイタープレート(Untreated black #242764,Nalge Nunc International;Rochester,NY、図5cの工具50)を封止されたパウチ上に、ウェルの開口が下向きになるように配置し、エアプレス(Model A−0019,Janesville Tool and Manufacturing,Inc.;Milton,WI)を使用して、マイクロタイタープレートを押し下げ、カバーフィルムを上に変形させてマイクロタイタープレートの空洞に入れ、カバーフィルムを基材に封止して、液体試料が分配された複数の区画60を有する分割デバイス2000を形成した。各区画60は、1つ以上の封止部62によって他の区画から流体的に隔離されていた。
立体顕微鏡を使用したウェル間の封止された区域の調査により、ガラスバブルが接着剤層内へ押し下げられて、カバーフィルムが感圧接着剤に接触できるようになったことが明らかになった。
実施例7:代替パウチ状物品の製造及び代替パウチ状物品内における液体試料の分割
パウチの準備
ガラスバブルではなく粉末状細菌学的培地(BACTO Trypticase Soy Broth(Becton Dickinson and Company,Franklin Lakes,NJ))を二次コーティングとして使用したことを除いて、実施例6に記載した通りパウチ状物品を準備した。
実施例6に記載したように、ゴムローラを使用して、細菌学的培地で粉末被覆されていない区域内で、カバーフィルムと基材をともに封止した。これにより、実施例6に記載したように、一方の縁部に沿って植菌ポートを有する円形のパウチを効果的に形成した。粉末状細菌学的培地を接着剤上へ被覆した箇所では、カバーフィルムと基材との間の接着が効果的に防止された。
試料の植菌及び分割
植菌の際、粉末被覆された植菌ポートが上向きになるようにパウチを垂直に保持した。1mLの試験溶液(4−メチルウンベリフェリル−β−D−グルクロニド蛍光性指示薬を有する細菌学的培地(COLILERT細菌学的培地、IDEXX laboratories;Westbrook,Maine)及びEscherichia coli American Type Tissue Collection #25922を含む)をパウチ内へ直接分注し、下部に沈降させた。
植菌させたパウチは、実施例6に記載したように、プラスチック展延デバイス(PETRIFILM酵母及びカビ用プレートスプレッダ、3M Company;St.Paul,Minnesota)を使用して封止した。
実施例6に記載したように、プラスチックの384穴マイクロタイタープレート(Untreated black #242764,Nalge Nunc International;Rochester,NY)を使用して、複数の区画を備える培養デバイスの形成を完了した。
押し付ける前のパウチを目視検査し、押し付けた後に立体鏡を使用してウェル間の封止された区域を調査することで、試験試料の添加によって粉末状培地が溶解され、接着剤を再び露出させ、基材上に被覆された感圧接着剤にカバーフィルムが接触することが可能になったことが明らかになった。
型押し培養デバイスは、37℃のインキュベータ内に配置した。
実施例8:型押し培養デバイスの区画内の好気性微生物の増殖−定量的及び定性的分析
実施例1に従って、培地、従属栄養細菌数(Heterotrophic Plate Count、HPC、QUANTI−TRAY培地用)(IDEXX laboratories;Westbrook,Maine)を使用し、Pseudomonas aeruginosa ATCC #15442(American Type Tissue Collection;Manassas,Virginia)を試験微生物として使用して、型押し培養デバイスを準備した。
実施例1〜3に記載したように、培養デバイスに植菌し、24時間にわたって37℃でインキュベートした。生菌数測定(AC)PETRIFILMプレート(3M Company;St.Paul,MN)を比較器として使用し、1mLの同じ試験溶液をPETRIFILMプレート上へ植菌し、展延し、24時間にわたって37℃でインキュベートした。
24時間インキュベーションした後、細菌の増殖があるかどうか、型押し培養デバイスの区画を評価した。上記のように、励起光源(365nm)及びエミッションフィルタ(長さ400nmの通過域)を備えた立体顕微鏡(Axiocam MRc5を有するZeiss Luminar.V12)を使用して、蛍光があるかどうか各区画を観察した。これらの結果を表4に示す。
Figure 2017525366

実施例8の各「増殖が陽性」の区画で蛍光が陽性であることを、増殖の証拠とした。
このデータは、型押し培養デバイス内の好気性細菌の増殖及び計数を実証する。
実施例9:型押し培養デバイスの区画内の嫌気性微生物の増殖−定量的及び定性的分析
実施例1に従って、培地、37g/LのBrain Heart Infusion Broth、5g/LのBACTO Yeast Extract(Becton,Dickinson and Company;Franklin Lakes,New Jersey)、0.5g/Lのシステイン塩酸塩、0.5g/Lの亜硫酸ナトリウム、及び0.5g/Lの硫酸鉄(Sigma Aldrich;St.Louis,MO)を使用して、型押し培養デバイスを準備した。
嫌気性雰囲気システムとともに型押し培養デバイス内で嫌気性微生物の成長を実証するための微生物として、Clostridium sporogenes ATCC #5384(American Type Tissue Collection;Manassas,Virginia)を選択した。
培養デバイスに植菌し、活性化されたGASPAK(商標)EZ Anaerobe Container System Sachet w/Indicator(Becton,Dickinson and Company;Franklin Lakes,New Jersey)を有する封止されたボックス内で、24時間にわたって37℃でインキュベートした。
生菌数測定(AC)PETRIFILMプレート(3M Company;St.Paul,MN)を比較器として使用し、1mLの同じ試験溶液をフィルム上へ植菌し、展延し、型押し培養デバイスと同じ嫌気性のコンテナ内で24時間にわたって37℃でインキュベートした(表5)。
インキュベート期間後、Clostridium sporogenes ATCC #5384によって生じた硫化水素と培地中に存在する鉄との反応から黒い沈澱物を含んでいる型押し培養デバイス内の区画は、増殖が陽性であると見なした(表5)。表5に示すように、型押し培養デバイス内で嫌気性細菌の良好な増殖があることを観察した。図6は、複数の区画60を有する型押し培養デバイス1000の概略上面図を示す。陰付きの区画60aは、指示物質(たとえば、実施例9の培地中に存在する鉄)との観察可能な(たとえば、目に見える色の変化)反応を示す。陰のない区画60bは、指示物質との観察可能な反応がないことを示す。
Figure 2017525366

実施例9の各「増殖が陽性」の区画内に黒い沈澱物があることを、増殖の証拠とした。
実施例10:二次生化学的試験の実施
実施例2.1に記載したように、型押し培養デバイスを準備し、HPC培地を植菌した。1組のデバイスにPseudomonas aeruginosa ATCC #15442を植菌し、別の組の培養デバイスにEscherichia coli ATCC #25922を植菌した。どちらの組も、24時間にわたって37℃でインキュベートした。
インキュベート後、増殖を検出するために、紫外照明下で各培養デバイスの区画を観察した。各培養デバイスの少なくともいくつかの区画内で、陽性の蛍光(増殖)が観察された(すなわち、Pseudomonas aeruginosa試料とEscherichia coli試料の両方から蛍光陽性の区画を得た)。
30%のHを含むキャピラリーピペット(Sigma Chemical Co.)で、各培養デバイスからの代表的な蛍光陽性の区画を穿孔した。いくつかのウェルは、(箔)基材を通って穿孔した。他のウェルには、カバーフィルムを通って穿孔した。すべての場合で、Pseudomonas aeruginosaが植菌されたデバイス内の蛍光陽性の区画は、過酸化水素水との活発な泡立ち反応を示した。対照的に、すべての場合で、Escherichia coliが植菌されたデバイス内の蛍光陽性の区画は、区画内へ過酸化水素水を導入したときにいかなる観察可能な泡立ち反応も示さなかった。
本明細書に引用したすべての特許、特許出願、及び刊行物、並びに電子的に入手可能な資料の完全な開示が、参照により組み込まれている。本出願の開示と参照により本明細書に組み込まれている文献の開示との間に何らかの不整合が存在する場合、本出願の開示が優先するものとする。上記の発明を実施するための形態及び実施例は、理解を簡単にするためにのみ示した。そこから不必要な限定がないことを理解されたい。当業者には明らかな変形形態が、特許請求の範囲によって定義される本発明内に包含されるため、本発明は、図示及び記載する正確な詳細に限定されるものではない。
すべての項目名は、読み手の便宜のためのものであり、そのように指示がない限り、項目名に続く本文の意味を限定するために使用されるべきでない。
本明細書に例示的に記載する本発明は、本明細書に具体的に開示しない何らかの要素がなくても好適に実行することができる。したがって、たとえば、本明細書ではいずれの場合も、「備える、含む(comprising)」、「から本質的になる(consisting essentially of)」、及び「からなる(consisting of)」という用語のいずれかを、他の2つの用語のいずれかに置き換えることができる。用いた用語及び表現は、限定ではなく説明の用語として使用したものであり、そのような用語及び表現を使用する際、図示及び記載する特徴又はその一部分の何らかの均等物を除外する意図はなく、クレームされる本発明の範囲内で様々な修正形態が可能であることが理解される。したがって、好ましい実施形態及び任意選択の特徴によって、本発明について具体的に開示したが、本明細書に開示する概念の修正形態及び変形形態を、当業者であれば用いることができ、そのような修正形態及び変形形態は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内であると見なされることを理解されたい。

Claims (20)

  1. 基材を含み、前記基材が第1の主表面を有する基部と、
    前記第1の主表面の少なくとも一部分に接着させた感圧接着剤と、
    前記接着剤を介して前記基材に結合された、ポリマー及び粘着付与剤を含む複合フィルムであるポリマーカバーフィルムであって、前記複合フィルムが、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンと高級アルケンの線状共重合体、及び前記粘着付与剤を含む、前記ポリマーカバーフィルムと、
    前記基材と前記カバーフィルムとの間に配置され、複数の閉鎖区画の各区画が、前記複数の閉鎖区画のうちの少なくとも1つの他の区画との液体連通を防止する封止部によって画定されている、複数の閉鎖区画と、
    前記閉鎖区画のうちの2つ以上の中に配置された水性液と
    を含み、前記封止部が、前記カバーフィルムと前記感圧接着剤との間の接触によって形成されている、デバイス。
  2. 前記粘着付与剤が、低分子量ポリイソブテン、ポリテルペン、非晶質ポリプロピレン、及びマイクロクリスタリンワックスからなる群から選択される、請求項1に記載のデバイス。
  3. 前記カバーフィルムの弾性回復率が20%以下である、請求項1又は2に記載のデバイス。
  4. 前記接着剤が非水溶性である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のデバイス。
  5. 前記第1の主表面が実質的に平面である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のデバイス。
  6. 前記基材が、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリイミド、フルオロポリマー、ポリカーボネート、ポリスチレン、前記材料のいずれか1つの誘導体、及び前記材料のいずれか2つ以上の組み合わせからなる群から選択される材料から作られている、請求項1〜5のいずれか一項に記載のデバイス。
  7. 前記基材が金属箔を含んでいる、請求項1〜6のいずれか一項に記載のデバイス。
  8. 前記感圧接着剤が、水性液に接触したときに接着特性を保持する材料から作られている、請求項1〜7のいずれか一項に記載のデバイス。
  9. 前記感圧接着剤がシリコーンポリウレア接着剤である、請求項1〜8のいずれか一項に記載のデバイス。
  10. 前記感圧接着剤の厚さが少なくとも約0.02mmである、請求項1〜9のいずれか一項に記載のデバイス。
  11. 前記カバーフィルムの少なくとも一部分の厚さが0.01mm〜0.5mmである、請求項1〜10のいずれか一項に記載のデバイス。
  12. 引き伸ばされたときの前記カバーフィルムの少なくとも一部分の厚さが0.01mm〜0.2mmである、請求項1〜11のいずれか一項に記載のデバイス。
  13. 前記水性液が生体試料を含んでいる、請求項1〜12のいずれか一項に記載のデバイス。
  14. 各区画の容積が200nL〜10mLである、請求項1〜13のいずれか一項に記載のデバイス。
  15. 前記基材と前記カバーフィルムとの間に配置されたスペーサ要素を更に備えている、請求項1〜14のいずれか一項に記載のデバイス。
  16. 前記感圧接着剤の少なくとも一部分の上に配置された二次コーティングを更に含んでいる、請求項1〜15のいずれか一項に記載のデバイス。
  17. 前記二次コーティングが本質的に乾燥粉末からなる、請求項16に記載のデバイス。
  18. 液体試料を分析する方法であって、
    予め定められた体積の液体を基材の第1の表面上に載せて、その液体試料が、
    非水溶性の感圧接着剤で被覆された前記第1の表面と、
    ポリマー及び粘着付与剤を含む複合フィルムであるポリマーカバーフィルムであって、前記複合フィルムが、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンと高級アルケンの線状共重合体、及び前記粘着付与剤を含む前記ポリマーカバーフィルムと
    の間に配置されるようにする工程と、
    前記カバーフィルムに外部手段を付勢させて、カバーフィルムの個別領域を前記基材の前記感圧接着剤に接触させ、その結果、前記液体を前記基材と前記カバーフィルムとの間に配置された複数の閉鎖区画内へ分割する工程と、
    前記複数の閉鎖区画のうちの少なくとも1つの閉鎖区画の定量的分析又は定性的分析を行う工程
    を含む、前記方法。
  19. 前記カバーフィルムに前記外部手段を付勢させる前、前記基材及び/又は前記カバーフィルムが実質的に平坦である、請求項18に記載の方法。
  20. 前記定量的分析が、前記試料中の微生物又は生体分子の計数を含む、請求項18又は19に記載の方法。
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