JP2017523959A - ヘプシジンおよびミニ−ヘプシジンアナログおよびその使用 - Google Patents

ヘプシジンおよびミニ−ヘプシジンアナログおよびその使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、新規ヘプシジンアナログ、ならびに遺伝性ヘモクロマトーシス、鉄負荷性貧血ならびに本明細書に記載されている他の状態および障害等の鉄過剰疾患を含む種々の疾患および障害を処置または予防するための、このようなヘプシジンアナログを使用する関連方法を提供する。ある特定の実施形態では、ヘプシジンアナログは、1つまたは複数のヘプシジン活性を示す。ある特定の実施形態では、本発明は、分子内結合、例えば、分子内ジスルフィド結合により環化構造を形成する1個または複数のペプチドサブユニットを含むヘプシジンペプチドアナログに関する。特定の実施形態では、環化構造は、非環化ヘプシジンペプチドおよびそのアナログ(analogies)と比較して増加した効力および選択性を有する。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2014年6月27日に出願された米国仮出願第62/018,382号に対する優先権を主張し、これはその全体が本明細書に参照によって組み込まれる。
本発明の分野
本発明は、とりわけ、ペプチド単量体およびペプチド二量体の両方を含むある特定のヘプシジンペプチドアナログならびにそのコンジュゲートおよび誘導体、ならびにペプチドアナログを含む組成物に関し、遺伝性ヘモクロマトーシス、鉄負荷性貧血(iron-loading anemia)ならびに本明細書に記載されている他の状態および障害等、鉄過剰疾患の処置および/または予防を含む種々の疾患、状態または障害の処置および/または予防における該ペプチドアナログの使用に関する。
背景
肝臓によって産生されるペプチドホルモンである、ヘプシジン(LEAP−1とも称される)は、ヒトおよび他の哺乳動物における鉄恒常性の調節因子である。ヘプシジンは、その受容体、鉄排出チャネルフェロポーチンに結合し、その内部移行および分解を引き起こすことにより作用する。ヒトヘプシジンは、25アミノ酸ペプチド(Hep25)である。Krauseら(2000年)FEBS Lett 480巻:147〜150頁およびParkら(2001年)J Biol Chem 276巻:7806〜7810頁を参照されたい。生理活性25アミノ酸型のヘプシジンの構造は、Jordanら、J Biol Chem 284巻:24155〜67頁により記載されている通り、4個のジスルフィド結合を形成する8個のシステインを有する単純なヘアピンである。N末端領域は、鉄調節機能に必要とされ、5個のN末端アミノ酸残基の欠失は、鉄調節機能の喪失をもたらす。Nemethら(2006年)Blood 107巻:328〜33頁を参照されたい。
異常なヘプシジン活性は、遺伝性ヘモクロマトーシス(HH)および鉄負荷性貧血を含む鉄過剰疾患に関連する。遺伝性ヘモクロマトーシスは、ヘプシジン欠乏または場合によってはヘプシジン抵抗性に主に起因する、遺伝的な鉄過剰疾患である。これは、食事からの鉄の過剰な吸収および鉄過剰の発症を可能にする。HHの臨床所見は、肝臓疾患(例えば、肝硬変および肝細胞癌)、糖尿病および心不全を含むことができる。現在、HHのための唯一の処置は、定期的な静脈切開であるが、これは、患者に非常に負担がかかる。鉄負荷性貧血は、β−サラセミア等、効果がない赤血球生成による遺伝性貧血であり、これは、重度の鉄過剰を伴う。鉄過剰からの合併症は、これらの患者の罹患率および死亡率の主な原因である。ヘプシジン欠乏は、非輸血患者における鉄過剰の主な原因であり、輸血患者における鉄過剰に寄与する。これらの患者における鉄過剰のための現在の処置は、鉄キレート化であるが、これは、非常に負担がかかり、効果がない場合があり、頻繁な副作用を伴う。
ヘプシジンは、一部にはフォールディング中のタンパク質の凝集および沈殿による困難な合成プロセス、それによりもたらされる商品の高コスト化などの、薬物としてのその使用を制限するいくつかの制約を有する。本技術分野において必要とされているものは、ヘプシジン活性を有し、改善された溶解性、安定性および/または効力等、他の有益な物理的特性も保有する化合物であり、それにより、ヘプシジン様生物製剤を手頃な価格で産生し、例えば、本明細書に記載されているもの等、ヘプシジン関連疾患および障害の処置に使用することができる。
Krauseら(2000年)FEBS Lett 480巻:147〜150頁 Parkら(2001年)J Biol Chem 276巻:7806〜7810頁 Jordanら、J Biol Chem 284巻:24155〜67頁 Nemethら(2006年)Blood 107巻:328〜33頁
本発明は、かかる必要に取り組みものであり、ヘプシジン活性を有し、さらに本発明のペプチドをヘプシジンの適した代替物にする他の有益な特性も有する、ペプチド単量体アナログおよびペプチド二量体アナログの両方を含む新規ペプチドアナログを提供する。
本発明は、全般的には、ヘプシジン活性を示す、単量体および二量体の両方を含むペプチドアナログならびにこれを使用する方法に関する。
一部の実施形態では、本発明は、次の構造式I:
−X−Y−R(I)(配列番号1)
を含む、これから本質的になるまたはこれからなる、単離および/または精製されていてもよいペプチド、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物
(式中、Rは、水素、C1〜C6アルキル、C6〜C12アリール、C6〜C12アリールC1〜C6アルキルまたはC1〜C20アルカノイルであり、ペグ化バージョンを単独でまたは前述のもののいずれかのスペーサーとして含み、
は、OHまたはNHであり、
Xは、式Ia:
X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−X10(Ia)(配列番号2)
(式中、
X1は、Asp、Ser、Glu、Ida、pGlu、bhAsp、D−Aspまたは非存在であり、
X2は、Thr、Ser、Lys、Glu、Pro、Alaまたは非存在であり、
X3は、His、AlaまたはGluであり、
X4は、Phe、IleまたはDpaであり、
X5は、Pro、bhPro、Val、Glu、SarcまたはGlyであり、
X6は、Cysまたは(D)−Cysであり、
X7は、非存在またはIle、Cysもしくは(D)−Cysを除くいずれかのアミノ酸であり、
X8は、非存在またはCysもしくは(D)−Cysを除くいずれかのアミノ酸であり、
X9は、Phe、Ala、Ile、Thr、Tyr、Lys、Arg、bhPhe、D−Pheまたは非存在であり、
X10は、Lys、Pheまたは非存在である)
を有するペプチド配列であり、
Yは、非存在であるかまたは存在し、
ただし、Yが存在する場合、Yは、式Im:
Y1−Y2−Y3−Y4−Y5−Y6−Y7−Y8−Y9−Y10−Y11−Y12(Im)(配列番号3)
(式中、
Y1は、Gly、PEG3、Sarc、Lys、Glu、Ala、Phe、Pro、Glu、Lys、D−Pro、Val、Serまたは非存在であり、
Y2は、Pro、Ala、Cys、Glyまたは非存在であり、
Y3は、Arg、Lys、Pro、Gly、His、Ala、Trpまたは非存在であり、
Y4は、Ser、Arg、Gly、Trp、Ala、His、Glu、Tyrまたは非存在であり、
Y5は、Lys、Met、Ser、Arg、Alaまたは非存在であり、
Y6は、Gly、Sarc、Glu、Lys、Arg、Ser、Lys、Ile、Ala、Pro、Valまたは非存在であり、
Y7は、Trp、Lys、Gly、Ala、Ile、Valまたは非存在であり、
Y8は、Val、Trp、His、Thr、Gly、Cys、Met、Tyr、Ala、Glu、Lys、Asp、Argまたは非存在であり、
Y9は、Val、Asp、Asn、Cys、Tyrまたは非存在であり、
Y10は、Cys、Met、Lys、Arg、Tyrまたは非存在であり、
Y11は、Arg、Met、Cys、Lysまたは非存在であり、
Y12は、Arg、Lys、Alaまたは非存在である)
を有するペプチドである)
を提供する。
代替的な一実施形態では、本発明は、式Ia(式中、X5は、Pro、bhPro、Val、Glu、Sarc、GlyまたはいずれかのN−メチル化アミノ酸である)のヘプシジンアナログペプチドを提供する。
一実施形態では、本発明は、式Iを含む、これから本質的になるまたはこれからなる、単離および/または精製されていてもよいペプチド(式中、Xは、式Ib:
X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−X10(Ib) 配列番号18
(式中、
X1は、Asp、Glu、Ida、pGlu、bhAsp、D−Aspまたは非存在であり、
X2は、Thr、Ser、Lys、Glu、Pro、Alaまたは非存在であり、
X3は、His、AlaまたはGluであり、
X4は、Phe、IleまたはDpaであり、
X5は、Pro、bhPro、SarcまたはGlyであり、
X6は、Cysであり、
X7は、非存在またはIle、Cysもしくは(D)−Cysを除くいずれかのアミノ酸であり、
X8は、非存在またはCysもしくは(D)−Cysを除くいずれかのアミノ酸であり、
X9は、Phe、Ile、Tyr、bhPheまたはD−Pheまたは非存在であり、
X10は、Lys、Pheまたは非存在である)
を有するペプチド配列であり、
Yは、非存在であるかまたは存在し、ただし、Yが存在する場合、Yは、式In:
Y1−Y2−Y3−Y4−Y5−Y6−Y7−Y8−Y9−Y10−Y11−Y12(In) 配列番号19
(式中、
Y1は、Gly、PEG3、Sarc、Lys、Glu、Ala、Phe、Pro、Glu、Lys、D−Pro、Val、Serまたは非存在であり、
Y2は、Pro、Ala、Glyまたは非存在であり、
Y3は、Arg、Lys、Pro、Gly、His、Alaまたは非存在であり、
Y4は、Ser、Arg、Gluまたは非存在であり、
Y5は、Lys、Ser、Met、Arg、Alaまたは非存在であり、
Y6は、Gly、Sarc、Glu、Leu、Phe、Hisまたは非存在であり、
Y7は、Trp、N−メチルTrp、Lys、Thr、His、Gly、Ala、Ile、Valまたは非存在であり、
Y8は、Val、Trp、Ala、Asn、Gluまたは非存在であり、
Y9は、Val、Ala、Asn、Asp、Cysまたは非存在であり、
Y10は、Cys、(D)Cys、Gluまたは非存在であり、
Y11は、Tyr、Metまたは非存在であり、
Y12は、Trpまたは非存在である)
を有するペプチドである)
を提供する。
関連する実施形態では、本発明は、次の構造式II:
−X−Y−R(II)(配列番号4)
を含む、これから本質的になるまたはこれからなる、単離および/または精製されていてもよいペプチド、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物
(式中、Rは、水素、C1〜C6アルキル、C6〜C12アリール、C6〜C12アリールC1〜C6アルキルまたはC1〜C20アルカノイルであり、ペグ化バージョンを単独でまたは前述のもののいずれかのスペーサーとして含み、
は、OHまたはNHであり、
Xは、式IIa:
X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−X10(IIa)(配列番号5)
(式中、
X1は、Asp、GluまたはIdaであり、
X2は、Thr、Serまたは非存在であり、
X3は、Hisであり、
X4は、PheまたはDpaであり、
X5は、Pro、bhPro、SarcまたはGlyであり、
X6は、CysまたはD−Cysであり、
X7は、Arg、Glu、Phe、Gln、Leu、Val、Lys、Ile、Ala、Ser、Dapaまたは非存在であり、
X8は、Ile、Arg、Lys、Arg、Ala、Gln、Phe、Glu、Asp、Tyr、Ser、Leu、Val、D−Ile、D−Lys、D−Arg、Dapaまたは非存在であり、
X9は、Phe、Tyr、bhPhe、D−Pheまたは非存在であり、
X10は、Lys、Pheまたは非存在である)
を有するペプチド配列であり、
Yは、非存在であるかまたは存在し、ただし、Yが存在する場合、Yは、式IIm:
Y1−Y2−Y3−Y4−Y5−Y6−Y7−Y8−Y9−Y10−Y11−Y12(IIm)(配列番号6)
(式中、
Y1は、Gly、Sarc、Lys、Gluまたは非存在であり、
Y2は、Pro、Ala、Glyまたは非存在であり、
Y3は、Arg、Lys、Pro、Gly、His、Alaまたは非存在であり、
Y4は、Ser、Arg、Gluまたは非存在であり、
Y5は、Lys、Ser、Met、Arg、Alaまたは非存在であり、
Y6は、Gly、Sarc、Glu、Leu、Phe、Hisまたは非存在であり、
Y7は、Trp、N−メチルTrp、Lys、Thr、His、Gly、Ala、Ile、Valまたは非存在であり、
Y8は、Val、Trp、Ala、Asn、Gluまたは非存在であり、
Y9は、Cysであり、
Y10は、Metまたは非存在であり、
Y11は、Tyr、Metまたは非存在であり、
Y12は、Trpまたは非存在である)
を有するペプチドである)
を提供する。
ある特定の実施形態では、式IIaにおけるX6は、Cysである。
ある特定の代替的な実施形態では、式IIaにおけるX7は、Arg、Glu、Phe、Gln、Leu、Val、Lys、Ala、Ser、Dapaまたは非存在である。
ある特定の実施形態では、Y10は、非存在である。
ある特定の実施形態では、Y11は、非存在である。
ある特定の実施形態では、Y12は、非存在である。
他の関連する実施形態では、本発明は、2個のヘプシジンアナログを含む、単離および/または精製されていてもよいペプチドホモまたはヘテロ二量体を提供し、各ヘプシジンアナログは、式Iの構造、式IIの構造、式IIIの構造、式IVの構造、式Vの構造、式VIの構造、式VIIの構造、式VIIIの構造、式IXの構造、式Xの構造または表2〜4、6〜10、12、14もしくは15のいずれか1つに示す配列もしくは構造を含む、これから本質的になるまたはこれからなり、ただし、二量体が、式III、式IV、式Vまたは式VIの構造を有するヘプシジンアナログを含む場合、2個のヘプシジンアナログは、リシンリンカーにより連結される。
ある特定の実施形態では、本発明のヘプシジンアナログ二量体は、1つより多くの手段によって二量体形成される。特定の実施形態では、本発明のヘプシジンアナログ二量体は、少なくとも1個の分子間ジスルフィド架橋および少なくとも1個のリンカー部分(例えば、IDA−Palm等、IDAリンカー)によって二量体形成される。特定の実施形態では、本発明のヘプシジンアナログ二量体は、少なくとも1個の分子間ジスルフィド架橋および少なくとも1個のリンカー部分(例えば、IDA−Palm等、IDAリンカー)によって二量体形成され、リンカー部分は、ペプチド単量体のそれぞれにおけるリシン残基に取り付けられる。
ある特定の実施形態では、一方または両方のヘプシジンアナログは、式III:
−X−Y−R(III)(配列番号7)
を有するか、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物である(式中、
は、水素、C1〜C6アルキル、C6〜C12アリール、C6〜C12アリールC1〜C6アルキルまたはC1〜C20アルカノイルであり、そのペグ化バージョンを単独でまたは前述のもののいずれかのスペーサーとして含み、
は、−NHまたは−OHであり、
Xは、式(IIIa)
X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−X10(IIIa)(配列番号8)
(式中、
X1は、Asp、Glu、Ala、Gly、Thr、Ida、pGlu、bhAsp、D−Asp、Tyr、Leuまたは非存在であり、
X2は、Thr、Ala、Aib、D−Thr、Argまたは非存在であり、
X3は、His、Lys、AlaまたはD−Hisであり、
X4は、Phe、Ala、DpaまたはbhPheであり、
X5は、Pro、Glu、Ser、Gly、Arg、Lys、Val、Ala、D−Pro、bhPro、Sarc、Abuまたは非存在であり、
X6は、Ile、Cys、Arg、Leu、Lys、His、Glu、D−Ile、D−Arg、D−Cys、Val、SerまたはAlaであり、
X7は、Cys、Ile、Ala、Leu、Val、Ser、Phe、Dapa、D−IleまたはD−Cysであり、
X8は、Ile、Lys、Arg、Ala、Gln、Phe、Glu、Asp、Tyr、Ser、Leu、Val、D−Ile、D−Lys、D−ArgまたはDapaであり、
X9は、Phe、Ala、Ile、Tyr、Lys、Arg、bhPheまたはD−Pheであり、
X10は、Lys、Pheまたは非存在である)
を有するペプチド配列であり、
Yは、非存在であるかまたは存在し、存在する場合、Yは、式(IIIm)
Y1−Y2−Y3−Y4−Y5−Y6−Y7−Y8−Y9−Y10−Y11−Y12−Y13−Y14−Y15(IIIm)(配列番号9)
(式中、
Y1は、Gly、Cys、Ala、Phe、Pro、Glu、Lys、D−Pro、Val、Serまたは非存在であり、
Y2は、Pro、Ala、Cys、Glyまたは非存在であり、
Y3は、Arg、Lys、Pro、Gly、His、Ala、Trpまたは非存在であり、
Y4は、Ser、Arg、Gly、Trp、Ala、His、Tyrまたは非存在であり、
Y5は、Lys、Met、Arg、Alaまたは非存在であり、
Y6は、Gly、Ser、Lys、Ile、Arg、Ala、Pro、Valまたは非存在であり、
Y7は、Trp、Lys、Gly、Ala、Ile、Valまたは非存在であり、
Y8は、Val、Thr、Gly、Cys、Met、Tyr、Ala、Glu、Lys、Asp、Argまたは非存在であり、
Y9は、Cys、Tyrまたは非存在であり、
Y10は、Met、Lys、Arg、Tyrまたは非存在であり、
Y11は、Arg、Met、Cys、Lysまたは非存在であり、
Y12は、Arg、Lys、Alaまたは非存在であり、
Y13は、Arg、Cys、Lys、Valまたは非存在であり、
Y14は、Arg、Lys、Pro、Cys、Thrまたは非存在であり、
Y15は、Thr、Argまたは非存在である)
を有するペプチドであり、
Yが、式(III)のペプチドに存在しない場合、X7は、Ileであり、
式(III)の前記化合物は、R、XまたはYにおいて任意選択でペグ化されている)。
ある特定の実施形態では、一方または両方のヘプシジンアナログは、式(IV):
−X−Y−R(IV)(配列番号10)
の構造を有するか、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物である(式中、
は、水素、C1〜C6アルキル、C6〜C12アリール、C6〜C12アリールC1〜C6アルキルまたはC1〜C20アルカノイルであり、ペグ化バージョンを単独でまたは前述のもののいずれかのスペーサーとして含み、
は、−NHまたは−OHであり、
Xは、式(IVa)
X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−X10(IVa)(配列番号11)
(式中、
X1は、Asp、Glu、Ala、Gly、Thr、Ida、pGlu、bhAsp、D−Asp、Tyr、Leuまたは非存在であり、
X2は、Thr、Ala、Aib、D−Thr、Argまたは非存在であり、
X3は、His、Lys、AlaまたはD−Hisであり、
X4は、Phe、Ala、Dpa、bhPheまたはD−Pheであり、
X5は、Pro、Glu、Ser、Gly、Arg、Lys、Val、Ala、D−Pro、bhPro、Sarc、Abuまたは非存在であり、
X6は、Ile、Cys、Arg、Leu、Lys、His、Glu、D−Ile、D−Arg、D−Cys、Val、SerまたはAlaであり、
X7は、Cys、Ile、Ala、Leu、Val、Ser、Phe、Dapa、D−IleまたはD−Cysであり、
X8は、Ile、Lys、Arg、Ala、Gln、Phe、Glu、Asp、Tyr、Ser、Leu、Val、D−Ile、D−Lys、D−ArgまたはDapaであり、
X9は、Phe、Ala、Ile、Tyr、Lys、Arg、bhPheまたはD−Pheであり、
X10は、Lys、Pheまたは非存在である)
を有するペプチド配列であり、
Yは、存在するまたは存在せず、ただし、Yが存在しない場合、X7は、Ileであり、
Yは、式(IVm):
Y1−Y2−Y3−Y4−Y5−Y6−Y7−Y8−Y9−Y10−Y11−Y12−Y13−Y14−Y15(IVm)(配列番号12)
(式中、
Y1は、Gly、Cys、Ala、Phe、Pro、Glu、Lys、D−Pro、Val、Serまたは非存在であり、
Y2は、Pro、Ala、Cys、Glyまたは非存在であり、
Y3は、Arg、Lys、Pro、Gly、His、Ala、Trpまたは非存在であり、
Y4は、Ser、Arg、Gly、Trp、Ala、His、Tyrまたは非存在であり、
Y5は、Lys、Met、Arg、Alaまたは非存在であり、
Y6は、Gly、Ser、Lys、Ile、Arg、Ala、Pro、Valまたは非存在であり、
Y7は、Trp、Lys、Gly、Ala、Ile、Valまたは非存在であり、
Y8は、Val、Thr、Gly、Cys、Met、Tyr、Ala、Glu、Lys、Asp、Argまたは非存在であり、
Y9は、Cys、Tyrまたは非存在であり、
Y10は、Met、Lys、Arg、Tyrまたは非存在であり、
Y11は、Arg、Met、Cys、Lysまたは非存在であり、
Y12は、Arg、Lys、Alaまたは非存在であり、
Y13は、Arg、Cys、Lys、Valまたは非存在であり、
Y14は、Arg、Lys、Pro、Cys、Thrまたは非存在であり、
Y15は、Thr、Argまたは非存在である)
を有するペプチドであり、
式(IV)の前記化合物は、R、XまたはYにおいて任意選択でペグ化されており、
式(IV)の前記化合物が、2個またはそれ超のシステイン残基を含む場合、前記システイン残基のうち少なくとも2個は、ジスルフィド結合により連結されている)。
ある特定の実施形態では、一方または両方のヘプシジンアナログは、式V:
−X−Y−R(V)(配列番号13)
の構造を有するか、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物である(式中、
は、水素、C1〜C6アルキル、C6〜C12アリール、C6〜C12アリールC1〜C6アルキルまたはC1〜C20アルカノイルであり、ペグ化バージョンを単独でまたは前述のもののいずれかのスペーサーとして含み、
は、−NHまたは−OHであり、
Xは、式(Va):
X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−X10(Va)(配列番号14)
(式中、
X1は、Asp、Glu、Ala、Gly、Thr、Ida、pGlu、bhAsp、D−Asp、Tyr、Leuまたは非存在であり、
X2は、Thr、Ala、Aib、D−Thr、Argまたは非存在であり、
X3は、His、Lys、Ala、D−HisまたはLysであり、
X4は、Phe、Ala、Dpa、bhPheまたはD−Pheであり、
X5は、Pro、Glu、Ser、Gly、Arg、Lys、Val、Ala、D−Pro、bhPro、Sarc、Abuまたは非存在であり、
X6は、Ile、Cys、Arg、Leu、Lys、His、Glu、D−Ile、D−Arg、D−Cys、Val、SerまたはAlaであり、
X7は、Cys、Ile、Ala、Leu、Val、Ser、Phe、Dapa、D−IleまたはD−Cysであり、
X8は、Ile、Lys、Arg、Ala、Gln、Phe、Glu、Asp、Tyr、Ser、Leu、Val、D−Ile、D−Lys、D−ArgまたはDapaであり、
X9は、Phe、Ala、Ile、Tyr、Lys、Arg、bhPheまたはD−Pheであり、
X10は、Lys、Pheまたは非存在である)
を有するペプチド配列であり、
Yは、存在するまたは存在せず、ただし、Yが存在しない場合、X7は、Ileであり、
式Vの前記化合物は、R、XまたはYにおいて任意選択でペグ化されており、
式Vの前記化合物が、2個またはそれ超のシステイン残基を含む場合、前記システイン残基のうち少なくとも2個は、ジスルフィド結合により連結されている)。
ある特定の実施形態では、一方または両方のヘプシジンアナログは、式VI:
−X−Y−R(VI)(配列番号15)
の構造を有するか、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物である(式中、
は、水素、C1〜C6アルキル、C6〜C12アリール、C6〜C12アリールC1〜C6アルキルまたはC1〜C20アルカノイルであり、ペグ化バージョンを単独でまたは前述のもののいずれかのスペーサーとして含み、
は、−NHまたは−OHであり、
Xは、式(VIa):
X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−X10(VIa)(配列番号16)
(式中、
X1は、Asp、Glu、Idaまたは非存在であり、
X2は、Thr、Ser、Pro、Alaまたは非存在であり、
X3は、His、AlaまたはGluであり、
X4は、PheまたはDpaであり、
X5は、Pro、bhPro、SarcまたはGlyであり、
X6は、Cys、(D)−Cys、Arg、Glu、Phe、Gln、Leu、Val、Lys、Ala、Ser、Dapaまたは非存在であり、
X7は、Cys、(D)−Cys、Arg、Glu、Phe、Gln、Leu、Val、Lys、Ala、Ser、Dapaまたは非存在であり、
X8は、Ile、Arg、Lys、Ala、Gln、Phe、Glu、Asp、Tyr、Ser、Leu、Val、D−Ile、D−Lys、D−Arg、Dapaまたは非存在であり、
X9は、Phe、Ala、Ile、Thr、Tyr、Lys、Arg、bhPhe、D−Pheまたは非存在であり、
X10は、Lys、Pheまたは非存在である)
を有するペプチド配列であり、
Yは、非存在であるかまたは存在し、ただし、Yが存在する場合、Yは、式(VIm)
Y1−Y2−Y3(VIm)(配列番号17)
(式中、
Y1は、Ile、Arg、Lys、Ala、Gln、Phe、Glu、Asp、Tyr、Ser、Leu、Val、D−Ile、D−Lys、D−Arg、Dapaまたは非存在であり、
Y2は、Phe、Ala、Ile、Thr、Tyr、Lys、Arg、bhPheまたはD−Pheまたは非存在であり、
Y3は、Lys、Pheまたは非存在である)
を有するペプチドである)。
一実施形態では、本発明は、2個のヘプシジンアナログを含む、単離および/または精製されていてもよいペプチドホモまたはヘテロ二量体を提供し、各ヘプシジンアナログは、式Iの構造または式IIの構造を含む、これから本質的になるまたはこれからなり、2個のヘプシジンアナログは、Idaリンカー(例えば、IDA−Palmリンカー)により連結され、Idaリンカーは、2個のヘプシジンアナログのそれぞれにおけるリシンに(例えば、リシン側鎖により)取り付けられる。かかる一実施形態では、二量体は、ホモ二量体であり、別の実施形態では、二量体は、ヘテロ二量体である。
他の実施形態では、本発明は、本明細書に記載されているヘプシジンアナログをコードする配列を含むポリヌクレオチドを含む。
さらなる実施形態では、本発明は、本明細書に記載されているヘプシジンアナログをコードする配列を含むポリヌクレオチドを含むベクターを含む。
追加的な実施形態では、本発明は、本明細書に記載されているペプチドまたはヘプシジンアナログと、薬学的に許容される担体、賦形剤またはビヒクルとを含む医薬組成物を含む。
関連する実施形態では、本発明は、フェロポーチンに結合するかまたはフェロポーチンの内部移行および分解を誘導する方法であって、フェロポーチンを、本明細書に記載されている少なくとも1つのペプチドまたはヘプシジンアナログと接触させるステップを含む方法を含む。
さらなる関連する実施形態では、本発明は、対象における鉄代謝の疾患を処置するための方法であって、有効量の少なくとも1つの本明細書に記載されているペプチドまたはヘプシジンアナログを対象に与えるステップを含む方法を含む。
別の実施形態では、本発明は、対象へのヘプシジンアナログ二量体または組成物の送達のための、本明細書に記載されているペプチドまたはヘプシジンアナログを含む装置を含む。
別の関連する実施形態では、本発明は、試薬、装置もしくは説明材料またはこれらの組合せと共に包装された、本明細書に記載されている少なくとも1つのペプチドまたはヘプシジンアナログを含むキットを含む。
図1は、血清鉄レベル(n=4)として示す、C−57(マウス)における2種の濃度、300nmol/kgおよび1000nmol/kg(皮下または「s.c.」;2時間)の例示的なヘプシジンアナログのin vivo用量反応を示す。本実験で使用されるヘプシジンアナログ単量体ペプチドの配列を表14に示す。
本発明は、全般的には、ヘプシジンアナログペプチドならびにこれを作製および使用する方法に関する。ある特定の実施形態では、ヘプシジンアナログは、1つまたは複数のヘプシジン活性を示す。ある特定の実施形態では、本発明は、分子内結合、例えば、分子内ジスルフィド結合により環化構造を形成する1個または複数のペプチドサブユニットを含むヘプシジンペプチドアナログに関する。特定の実施形態では、環化構造は、非環化ヘプシジンペプチドおよびそのアナログ(analogies)と比較して増加した効力および選択性を有する。
定義および命名法
本明細書において他に規定がなければ、本願において使用されている科学および技術用語は、当業者によって一般的に理解されている意味を有するものとする。一般に、本明細書に記載されている化学、分子生物学、細胞およびがん生物学、免疫学、微生物学、薬理学ならびにタンパク質および核酸化学に関連して使用されている命名法およびその技法は、本技術分野で周知かつ一般的に使用されているものである。
次の用語は、本明細書で使用される場合、他に指定がなければ、これらに帰する意味を有する。
本明細書を通して、単語「含む(comprise)」または「含む(comprises)」もしくは「含むこと」等の変化形は、言及されたもの(または構成成分)またはもの(または構成成分)の群の包接を暗に示すが、他のいかなるもの(または構成成分)またはもの(または構成成分)の群も除外しないものと理解される。
文脈がそれ以外を明らかに指示しない限り、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、複数形を含む。
用語「含む(including)」は、「が挙げられるがこれらに限定されない」を意味するように使用される。「含む」および「が挙げられるがこれらに限定されない」は、互換的に使用される。
用語「患者」、「対象」および「個体」は、互換的に使用することができ、ヒトまたは非ヒト動物のいずれかを指す。これらの用語は、ヒト、霊長類、家畜動物(例えば、ウシ、ブタ)、コンパニオンアニマル(例えば、イヌ、ネコ)および齧歯類(例えば、マウスおよびラット)等、哺乳動物を含む。用語「哺乳動物」は、ヒト、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ハムスター、モルモット、ウサギ、家畜その他等、いずれかの哺乳動物種を指す。
用語「ペプチド」は、本明細書で使用される場合、ペプチド結合によって一体に接続された2個またはそれ超のアミノ酸の配列を広く指す。この用語が、特異的な長さのアミノ酸ポリマーを暗に示すものでも、ポリペプチドが、組換え技法、化学もしくは酵素による合成を使用して産生されるか、または天然起源であるかに関して暗に示したりまたは区別したりすることを企図するものでもないことを理解されたい。
用語「ペプチドアナログ」は、本明細書で使用される場合、ヘプシジンまたはその機能領域と共通した1つまたは複数の構造特色および/または機能活性を含む、ペプチド単量体およびペプチド二量体を広く指す。ある特定の実施形態では、ペプチドアナログは、ヘプシジンと実質的なアミノ酸配列同一性を共有するペプチド、例えば、野生型ヘプシジン、例えば、ヒトヘプシジンアミノ酸配列と比較して、1個または複数のアミノ酸挿入、欠失または置換を含むペプチドを含む。ある特定の実施形態では、ペプチドアナログは、例えば、別の化合物へのコンジュゲーション等、1個または複数の追加的な修飾を含む。用語「ペプチドアナログ」によって、本発明のいずれかのペプチド単量体またはペプチド二量体が包含される。ある特定の事例において、「ペプチドアナログ」は、本明細書において、「ヘプシジンアナログ」、「ヘプシジンペプチドアナログ」または「ヘプシジンアナログペプチド」とも称され、または代替的に称される場合もある。
記述「配列同一性」、「パーセント同一性」、「パーセント相同性」または例えば「と50%同一の配列」を含むという記述は、本明細書で使用される場合、比較ウィンドウにわたってヌクレオチド毎またはアミノ酸毎に基づいて配列が同一である程度を指す。よって、「配列同一性のパーセンテージ」は、比較ウィンドウにわたって2種の最適に整列された配列を比較し、両方の配列に同一核酸塩基(例えば、A、T、C、G、I)または同一アミノ酸残基(例えば、Ala、Pro、Ser、Thr、Gly、Val、Leu、Ile、Phe、Tyr、Trp、Lys、Arg、His、Asp、Glu、Asn、Gln、CysおよびMet)が生じた位置の数を決定して、マッチした位置の数を得て、マッチした位置の数を比較ウィンドウにおける位置の総数(すなわち、ウィンドウサイズ)で割り、結果に100を掛けて、配列同一性のパーセンテージを得ることにより計算することができる。
配列間の配列類似性または配列同一性(これらの用語は、本明細書で互換的に使用される)の計算は、次の通りに実行することができる。2種のアミノ酸配列または2種の核酸配列のパーセント同一性を決定するために、最適な比較目的のために配列を整列させることができる(例えば、最適な整列のために第1および第2のアミノ酸または核酸配列の一方または両方にギャップを導入することができ、比較目的のために非相同配列を無視することができる)。ある特定の実施形態では、比較目的のために整列される参照配列の長さは、参照配列の長さの少なくとも30%、好ましくは少なくとも40%、より好ましくは少なくとも50%、60%、さらにより好ましくは少なくとも70%、80%、90%、100%である。次に、対応するアミノ酸位置またはヌクレオチド位置におけるアミノ酸残基またはヌクレオチドを比較する。第1の配列における位置が、第2の配列における対応する位置と同じアミノ酸残基またはヌクレオチドで占められる場合、これらの分子は、該位置において同一である。
2配列間のパーセント同一性は、2配列の最適な整列のために導入される必要があるギャップの数および各ギャップの長さを考慮に入れた、配列によって共有される同一位置の数の関数である。
配列の比較および2配列間のパーセント同一性の決定は、数学的アルゴリズムを使用して達成することができる。一部の実施形態では、2種のアミノ酸配列の間のパーセント同一性は、Blossum 62マトリックスまたはPAM250マトリックスのいずれか、およびギャップウェイト16、14、12、10、8、6または4および長さウェイト1、2、3、4、5または6を使用して、GCGソフトウェアパッケージのGAPプログラムに取り込まれたNeedlemanおよびWunsch(1970年、J. Mol. Biol.48巻:444〜453頁)のアルゴリズムを使用して決定される。さらに別の好ましい実施形態では、2種のヌクレオチド配列の間のパーセント同一性は、NWSgapdna.CMPマトリックスならびにギャップウェイト40、50、60、70または80および長さウェイト1、2、3、4、5または6を使用して、GCGソフトウェアパッケージのGAPプログラムを使用して決定される。パラメータの別の例示的なセットは、ギャップペナルティ12、ギャップ伸長ペナルティ4およびフレームシフトギャップペナルティ5によるBlossum 62スコアリングマトリックスを含む。2種のアミノ酸またはヌクレオチド配列の間のパーセント同一性は、PAM120ウェイト残基表、ギャップ長さペナルティ12およびギャップペナルティ4を使用して、ALIGNプログラム(バージョン2.0)に取り込まれたE.MeyersおよびW.Miller(1989年、Cabios、4巻:11〜17頁)のアルゴリズムを使用して決定することもできる。
本明細書に記載されているペプチド配列を、公開データベースに対する検索を実行するための「問い合わせ配列」として使用して、例えば、他のファミリーメンバーまたは関連する配列を同定することができる。かかる検索は、Altschulら(1990年、J. Mol. Biol、215巻:403〜10頁)のNBLASTおよびXBLASTプログラム(バージョン2.0)を使用して実行することができる。BLASTヌクレオチド検索は、NBLASTプログラム、スコア=100、ワード長=12により実行して、本発明の核酸分子と相同なヌクレオチド配列を得ることができる。BLASTタンパク質検索は、XBLASTプログラム、スコア=50、ワード長=3により実行して、本発明のタンパク質分子と相同なアミノ酸配列を得ることができる。比較目的のためにギャップ入りの整列を得るために、Altschulら(Nucleic Acids Res.25巻:3389〜3402頁、1997年)に記載されている通りにGapped BLASTを利用することができる。BLASTおよびGapped BLASTプログラムを利用する場合、それぞれのプログラム(例えば、XBLASTおよびNBLAST)のデフォルトパラメータを使用することができる。
用語「保存的置換」は、本明細書で使用される場合、1個または複数のアミノ酸が、別の生物学的に同様の残基に置き換えられたことを表示する。例として、同様の特徴を有するアミノ酸残基、例えば、小型のアミノ酸、酸性アミノ酸、極性アミノ酸、塩基性アミノ酸、疎水性アミノ酸および芳香族アミノ酸の置換が挙げられる。例えば、下表を参照されたい。本発明の一部の実施形態では、1個または複数のMet残基は、Metの生物学的等価体であるが、Metとは対照的に、容易に酸化されないノルロイシン(Nle)により置換される。内在性哺乳動物ペプチドおよびタンパク質には通常見出されない残基による保存的置換の別の例は、例えば、オルニチン、カナバニン、アミノエチルシステインまたは別の塩基性アミノ酸によるArgまたはLysの保存的置換である。一部の実施形態では、本発明のペプチドアナログの1個または複数のシステインは、セリン等、別の残基により置換することができる。ペプチドおよびタンパク質における表現型的にサイレントな置換に関するさらなる情報については、例えば、Bowieら、Science 247巻、1306〜1310頁、1990年を参照されたい。下のスキームにおいて、アミノ酸の保存的置換は、物理化学的特性によってグループ化される。I:中性、親水性、II:酸およびアミド、III:塩基性、IV:疎水性、V:芳香族、巨大なアミノ酸。
下のスキームにおいて、アミノ酸の保存的置換は、物理化学的特性によってグループ化される。VI:中性または疎水性、VII:酸性、VIII:塩基性、IX:極性、X:芳香族。
用語「アミノ酸」または「いずれかのアミノ酸」は、本明細書で使用される場合、天然起源のアミノ酸(例えば、a−アミノ酸)、非天然アミノ酸、修飾アミノ酸および天然ではないアミノ酸を含むありとあらゆるアミノ酸を指す。これは、D−およびL−アミノ酸の両方を含む。天然アミノ酸は、例えば、ペプチド鎖へと組み合わさり無数のタンパク質の構成単位を形成する、23種のアミノ酸等、自然に見出されるアミノ酸を含む。数種のD−アミノ酸が、細菌エンベロープおよび一部の抗生物質において生じるが、アミノ酸は、主にL立体異性体である。20種の「標準」天然アミノ酸は、上の表に収載されている。「非標準」天然アミノ酸は、ピロールリシン(メタン生成生物および他の真核生物に見出される)、セレノシステイン(多くの非真核生物および大部分の真核生物に存在)およびN−ホルミルメチオニン(細菌、ミトコンドリアおよび葉緑体における開始コドンAUGによってコードされる)である。「非天然」または「天然ではない」アミノ酸は、天然に生じるまたは化学合成される、非タンパク生成アミノ酸(すなわち、天然にコードされず、遺伝暗号に見出されないアミノ酸)である。140種を超える天然アミノ酸が公知であり、数千通りまたはそれ超の組合せが可能である。「非天然」アミノ酸の例として、β−アミノ酸(βおよびβ)、ホモアミノ酸、プロリンおよびピルビン酸誘導体、3−置換アラニン誘導体、グリシン誘導体、環置換フェニルアラニンおよびチロシン誘導体、直鎖状コアアミノ酸、ジアミノ酸、D−アミノ酸ならびにN−メチルアミノ酸が挙げられる。非天然または天然ではないアミノ酸は、修飾アミノ酸も含む。「修飾」アミノ酸は、このアミノ酸に天然には存在しない基(単数または複数)または化学部分を含むように化学修飾されたアミノ酸(例えば、天然アミノ酸)を含む。
当業者には明らかな通り、本明細書に開示されているペプチド配列は、左から右に進むように示されており、配列の左端が、ペプチドのN末端であり、配列の右端が、ペプチドのC末端である。本明細書に開示されている配列のうち、配列のアミノ末端(N末端)に「Hy−」部分を取り込む配列があり、配列のカルボキシ末端(C末端)に「−OH」部分または「−NH」部分のいずれかを取り込む配列がある。このような場合、別段の指定がない限り、目的の配列のN末端の「Hy−」部分は、N末端における遊離一級または二級アミノ基の存在に対応する水素原子を示す一方、配列のC末端の「−OH」または「−NH」部分は、それぞれC末端におけるアミド(CONH)基の存在に対応するヒドロキシ基またはアミノ基を示す。本発明の各配列において、C末端「−OH」部分は、C末端「−NH」部分を置換することができ、逆もまた同じである。特に、アミノ末端またはカルボキシ末端が、リンカーまたは別の化学部分、例えば、PEG部分に結合されている状況では、アミノ末端またはカルボキシ末端における部分が、結合、例えば、共有結合となり得ることがさらに理解される。
用語「NH」は、本明細書で使用される場合、ポリペプチドのアミノ末端に存在する遊離アミノ基を指す。用語「OH」は、本明細書で使用される場合、ペプチドのカルボキシ末端に存在する遊離カルボキシ基を指す。さらに、用語「Ac」は、本明細書で使用される場合、ポリペプチドのCまたはN末端のアシル化によるアセチル保護を指す。
用語「カルボキシ」は、本明細書で使用される場合、−COHを指す。
大部分に関して、本明細書で使用されている天然起源および非天然起源のアミノアシル残基の名称は、「Nomenclature of α-Amino Acids (Recommendations, 1974)」Biochemistry、14巻(2号)(1975年)に提示されている通り、有機化学の命名法に関するIUPAC委員会および生化学的命名法に関するIUPAC−IUB委員会によって提案される命名規則に従う。本明細書および添付の特許請求の範囲に用いられているアミノ酸およびアミノアシル残基の名称および略称が、これらの提案とは異なる範囲まで、それらは読者に対し明確にされる。次表1において、本発明の説明に有用ないくつかの略称を下に定義する。
本明細書を通じて、天然起源のアミノ酸は、そのフルネーム(例えば、アラニン、アルギニン等)によって言及される場合を除き、その従来の3文字または1文字略称(例えば、アラニンはAlaまたはA、アルギニンはArgまたはR等)によって命名される。あまり一般的でないまたは非天然起源のアミノ酸の場合、そのフルネーム(例えば、サルコシン、オルニチン等)によって言及される場合を除き、頻繁に用いられる3または4字コードがその残基に用いられ、SarまたはSarc(サルコシン、すなわち、N−メチルグリシン)、Aib(α−アミノイソ酪酸)、Daba(2,4−ジアミノブタン酸)、Dapa(2,3−ジアミノプロパン酸)、γ−Glu(γ−グルタミン酸)、pGlu(ピログルタミン酸)、Gaba(γ−アミノブタン酸)、β−Pro(ピロリジン−3−カルボン酸)、8Ado(8−アミノ−3,6−ジオキサオクタン酸)、Abu(4−アミノ酪酸)、bhPro(β−ホモ−プロリン)、bhPhe(β−ホモ−L−フェニルアラニン)、bhAsp(β−ホモ−アスパラギン酸])、Dpa(β,βジフェニルアラニン)、Ida(イミノ二酢酸)、hCys(ホモシステイン)、bhDpa(β−ホモ−β,β−ジフェニルアラニン)を含む。
さらに、Rは、あらゆる配列において、イソ吉草酸または等価物により置換することができる。本発明のペプチドが、例えば、イソ吉草酸、イソ酪酸、吉草酸その他等、酸性化合物にコンジュゲートされる一部の実施形態では、かかるコンジュゲーションの存在は、酸形態で参照される。したがって、例えば、決して限定されないが、ペプチドへのイソ吉草酸のコンジュゲーションを、イソバレロイルを参照することによって示す代わりに、一部の実施形態では、本願は、かかるコンジュゲーションをイソ吉草酸として参照することができる。
用語「L−アミノ酸」は、本明細書で使用される場合、ペプチドの「L」異性体型を指し、逆に用語「D−アミノ酸」は、ペプチドの「D」異性体型を指す。ある特定の実施形態では、本明細書に記載されているアミノ酸残基は、「L」異性体型であるが、しかし、ペプチドにより所望の機能が保持される限りにおいて、「D」異性体型の残基は、いずれかのL−アミノ酸残基を置換することができる。
別段の指定がない限り、キラル中心を保有する目的の天然および非天然アミノ酸は、L−異性体型で記載される。必要に応じて、アミノ酸のD−異性体型は、従来の3文字コードの前の接頭語「D」による従来の様式で示される(例えば、Dasp、(D)AspまたはD−Asp;Dphe、(D)PheまたはD−Phe)。
用語「DRP」は、本明細書で使用される場合、ジスルフィドリッチペプチドを指す。
用語「二量体」は、本明細書で使用される場合、2個またはそれ超の単量体サブユニットを含むペプチドを広く指す。ある特定の二量体は、2個のDRPを含む。本発明の二量体は、ホモ二量体およびヘテロ二量体を含む。二量体の単量体サブユニットは、そのCまたはN末端で連結されていてもよいし、または内部アミノ酸残基を介して連結されていてもよい。二量体の各単量体サブユニットは、同じ部位を介して連結されていてもよいし、またはそれぞれが異なる部位(例えば、C末端、N末端または内部部位)を介して連結されていてもよい。
本明細書で使用されるように、ある特定の開示されているペプチド配列(表2〜4、6〜15に描写されている配列等)の文脈において、丸括弧、例えば(__)は、側鎖コンジュゲーションを表し、角括弧、例えば[__]は、非天然アミノ酸置換を表す。一般に、リンカーが、ペプチド配列のN末端に示される場合、これは、このペプチドが、別のペプチドと共に二量体形成されることを示し、リンカーは、2個のペプチドのN末端に取り付けられる。一般に、リンカーが、ペプチド配列のC末端に示される場合、これは、このペプチドが、別のペプチドと共に二量体形成されることを示し、リンカーは、2個のペプチドのC末端に取り付けられる。
用語「アイソスター置き換え」または「アイソスター置換」は、指定のアミノ酸と同様の化学および/または構造特性を有するいずれかのアミノ酸または他の類似体部分を指すものとして本明細書で互換的に使用される。ある特定の実施形態では、アイソスター置き換えは、天然または非天然アミノ酸による保存的置換である。
用語「環化」は、本明細書で使用される場合、ジスルフィド架橋または他の同様の結合の形成等により、ポリペプチド分子の一部分が、該ポリペプチド分子の別の部分に連結されて、閉環を形成するようになる反応を指す。
用語「サブユニット」は、本明細書で使用される場合、接続されて二量体ペプチド組成物を形成した一対のポリペプチド単量体の一方を指す。
用語「リンカー部分」は、本明細書で使用される場合、2個のペプチド単量体サブユニットを一体に連結または接続して、二量体を形成することができる化学構造を広く指す。
本発明の文脈における用語「溶媒和化合物」は、溶質(例えば、本発明に係るヘプシジンアナログまたはその薬学的に許容される塩)および溶媒の間で形成された規定の化学量論の錯体を指す。このような繋がりにおいて、溶媒は、例えば、水、エタノールまたは別の薬学的に許容される、典型的には、これらに限定されないが、酢酸または乳酸等、小分子有機種であってもよい。目的の溶媒が水である場合、かかる溶媒和化合物は通常、水和物と称される。
「鉄代謝の疾患」は、本明細書で使用される場合、異常な鉄代謝が疾患の直接的な原因となる、または鉄血中レベルが調節不全となり、疾患を引き起こす、または鉄調節不全が別の疾患の結果である、または鉄レベルをモジュレートすることにより疾患を処置することができる等の疾患を含む。より具体的には、本開示に係る鉄代謝の疾患は、鉄過剰疾患、鉄欠乏障害、鉄体内分布の障害、鉄代謝の他の障害および鉄代謝に潜在的に関連する他の障害等を含む。鉄代謝の疾患は、ヘモクロマトーシス、HFE突然変異ヘモクロマトーシス、フェロポーチン突然変異ヘモクロマトーシス、トランスフェリン受容体2突然変異ヘモクロマトーシス、ヘモジュベリン(hemojuvelin)突然変異ヘモクロマトーシス、ヘプシジン突然変異ヘモクロマトーシス、若年性ヘモクロマトーシス、新生児ヘモクロマトーシス、ヘプシジン欠乏、輸血鉄過剰、サラセミア、中間型サラセミア、アルファサラセミア、鉄芽球性貧血、ポルフィリン症、晩発性皮膚ポルフィリン症、アフリカ鉄過剰、高フェリチン血症、セルロプラスミン欠乏、無トランスフェリン血症、先天性赤血球異形成貧血、慢性疾患の貧血、炎症の貧血、感染症の貧血、低色素性小球性貧血、鉄欠乏貧血、鉄不応性鉄欠乏貧血、慢性腎臓疾患の貧血、エリスロポエチン抵抗性、肥満の鉄欠乏、他の貧血、ヘプシジンを過剰産生するまたはその過剰産生を誘導する良性または悪性腫瘍、ヘプシジン過剰による状態、フリートライヒ運動失調症、虚弱(gracile)症候群、ハラーホルデン・スパッツ病、ウィルソン病、肺ヘモジデリン沈着症、肝細胞癌、がん、肝炎、肝臓硬変、異食症、慢性腎不全、インスリン抵抗性、糖尿病、粥状動脈硬化、神経変性障害、多発性硬化症、パーキンソン病、ハンチントン病およびアルツハイマー病を含む。
一部の実施形態では、疾患および障害は、鉄ヘモクロマトーシス、HFE突然変異ヘモクロマトーシス、フェロポーチン突然変異ヘモクロマトーシス、トランスフェリン受容体2突然変異ヘモクロマトーシス、ヘモジュベリン突然変異ヘモクロマトーシス、ヘプシジン突然変異ヘモクロマトーシス、若年性ヘモクロマトーシス、新生児ヘモクロマトーシス、ヘプシジン欠乏、輸血鉄過剰、サラセミア、中間型サラセミア、アルファサラセミア等、鉄過剰疾患に関連する。
一部の実施形態では、本発明のヘプシジンアナログは、鉄関連として典型的には同定されない疾患および障害の処置に使用される。例えば、ヘプシジンは、マウス膵臓において高度に発現され、糖尿病(I型またはII型)、インスリン抵抗性、グルコース不耐性および他の障害が、根底にある鉄代謝障害を処置することにより寛解され得ることを示唆する。参照により本明細書に組み込まれるIlyin, G.ら(2003年)FEBS Lett.542巻22〜26頁を参照されたい。したがって、本発明のペプチドは、これらの疾患および状態の処置に使用することができる。当業者であれば、参照により本明細書に組み込まれるWO2004092405のアッセイ、ならびに参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,534,764号に記載されているアッセイ等、本技術分野で公知のヘプシジン、ヘモジュベリンまたは鉄レベルおよび発現をモニターするアッセイを含む本技術分野で公知の方法を使用して、本発明に係るペプチドにより所与の疾患を処置することができるか容易に決定することができる。
本発明のある特定の実施形態では、鉄代謝の疾患は、遺伝性ヘモクロマトーシス、鉄負荷性貧血、アルコール性肝臓疾患および慢性C型肝炎を含む鉄過剰疾患である。
用語「薬学的に許容される塩」は、本明細書で使用される場合、水または油に可溶性または分散性であり、過度の毒性、刺激およびアレルギー応答を伴わない、疾患の処置に適した;妥当なリスク・ベネフィット比に釣り合った、その企図される用途に有効である、本発明のペプチドまたは化合物の塩または双性イオン型を表す。塩は、適した酸とアミノ基を反応させることにより、化合物の最終単離および精製中にまたは別々に調製することができる。代表的な酸付加塩は、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、クエン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、カンフル酸塩(camphorate)、カンフルスルホン酸塩(camphorsulfonate)、二グルコン酸塩(digluconate)、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩(hydroxyethansulfonate)(イセチオン酸塩)、乳酸塩、マレイン酸塩、メシチレンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフチレン(naphthylene)スルホン酸塩、ニコチン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩(pectinate)、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩(proprionate)、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、トリクロロ酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、リン酸塩、グルタミン酸塩、重炭酸塩、パラ−トルエンスルホン酸塩およびウンデカン酸塩(undecanoate)を含む。また、本発明の化合物におけるアミノ基は、メチル、エチル、プロピルおよびブチルクロライド、ブロマイドおよびヨウ化物;ジメチル、ジエチル、ジブチルおよびジアミル硫酸塩;デシル、ラウリル、ミリスチルおよびステリルクロライド、ブロマイドおよびヨウ化物;ならびにベンジルおよびフェネチルブロマイドにより四級化することができる。治療的に許容される付加塩の生成に用いることができる酸の例として、塩酸、臭化水素酸、硫酸およびリン酸等の無機酸ならびにシュウ酸、マレイン酸、コハク酸およびクエン酸等の有機酸が挙げられる。薬学的に許容される塩は、適宜、例えば、酸付加塩および塩基性塩のうちから選択される塩であってもよい。酸付加塩の例として、クロライド塩、クエン酸塩および酢酸塩が挙げられる。塩基性塩の例として、カチオンが、ナトリウムまたはカリウムイオン等のアルカリ金属カチオン、カルシウムまたはマグネシウムイオン等のアルカリ土類金属カチオン、およびN(R1)(R2)(R3)(R4)+型(式中、R1、R2、R3およびR4は独立に、水素、任意選択で置換されたC1〜6−アルキルまたは任意選択で置換されたC2〜6−アルケニルを典型的に指定する)のイオン等の置換されたアンモニウムイオンのうちから選択される塩が挙げられる。関連するC1〜6−アルキル基の例として、メチル、エチル、1−プロピルおよび2−プロピル基が挙げられる。可能な関連性のあるC2〜6−アルケニル基の例として、エテニル、1−プロペニルおよび2−プロペニルが挙げられる。薬学的に許容される塩の他の例は、「Remington's Pharmaceutical Sciences」第17版、Alfonso R. Gennaro(編)、Mark Publishing Company, Easton、PA、USA、1985年(およびそのより最新版)、「Encyclopaedia of Pharmaceutical Technology」第3版、James Swarbrick(編)、Informa Healthcare USA (Inc.)、NY、USA、2007年およびJ. Pharm. Sci.66巻:2号(1977年)に記載されている。また、適した塩に関する総説に関して、StahlおよびWermuthによるHandbook of Pharmaceutical Salts: Properties, Selection, and Use(Wiley-VCH、2002年)を参照されたい。他の適した塩基塩は、無毒性塩を生成する塩基から生成される。代表例として、アルミニウム、アルギニン、ベンザチン、カルシウム、コリン、ジエチルアミン、ジオールアミン、グリシン、リシン、マグネシウム、メグルミン、オラミン(olamine)、カリウム、ナトリウム、トロメタミンおよび亜鉛塩が挙げられる。酸および塩基のヘミ塩(Hemisalt)、例えば、ヘミ硫酸塩(hemisulphate)およびヘミカルシウム(hemicalcium)塩を生成することもできる。
用語「N(アルファ)メチル化」は、本明細書で使用される場合、アミノ酸のアルファアミンのメチル化を説明し、一般に、N−メチル化とも命名される。
用語「symメチル化」または「Arg−Me−sym」は、本明細書で使用される場合、アルギニンのグアニジン基の2個の窒素の対称的なメチル化を説明する。さらに、用語「asymメチル化」または「Arg−Me−asym」は、アルギニンのグアニジン基の単一の窒素のメチル化を説明する。
用語「アシル化有機化合物」は、本明細書で使用される場合、C末端二量体を形成する前にアミノ酸サブユニットのN末端のアシル化に使用されるカルボン酸官能性を有する様々な化合物を指す。アシル化有機化合物の非限定例として、シクロプロピル酢酸、4−フルオロ安息香酸、4−フルオロフェニル酢酸、3−フェニルプロピオン酸、コハク酸、グルタル酸、シクロペンタンカルボン酸、3,3,3−トリフルオロプロピオン酸(propeonic acid)、3−フルオロメチル酪酸、テトラヒドロ(Tetrahedro)−2H−ピラン−4−カルボン酸が挙げられる。
用語「アルキル」は、1〜24個の炭素原子を含有する、直鎖または分枝状、非環状または環状、飽和脂肪族炭化水素を含む。代表的な飽和直鎖アルキルとして、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルその他が挙げられるがこれらに限定されない一方、飽和分枝状アルキルは、イソプロピル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、イソペンチルその他を限定することなく含む。代表的な飽和環状アルキルとして、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルその他が挙げられるがこれらに限定されない一方、不飽和環状アルキルは、シクロペンテニル、シクロヘキセニルその他を限定することなく含む。
本発明のペプチドアゴニストの「治療有効量」は、本明細書で使用される場合、本明細書に記載されている疾患および障害のいずれか(例えば、鉄代謝の疾患等)が挙げられるがこれらに限定されない、ヘプシジン関連疾患を処置するのに十分な量のペプチドアゴニストを説明することを意図する。特定の実施形態では、治療有効量は、いずれかの医学的処置に適用できる所望のリスク・ベネフィット比を達成するであろう。
ヘプシジンのペプチドアナログ
本発明は、単量体または二量体であり得るヘプシジンのペプチドアナログ(まとめて「ヘプシジンアナログ」)を提供する。
一部の実施形態では、本発明のヘプシジンアナログは、フェロポーチン、例えば、ヒトフェロポーチンに結合する。ある特定の実施形態では、本発明のヘプシジンアナログは、ヒトフェロポーチンに特異的に結合する。「特異的に結合する」は、本明細書で使用される場合、試料における他の薬剤を上回る、所与のリガンドと特異的な結合剤との優先的な相互作用を指す。例えば、所与のリガンドに特異的に結合する特異的な結合剤は、適した条件下で、試料における他の構成成分とのいずれか非特異的な相互作用のものを上回る観察可能な量または程度で、所与のリガンドに結合する。適した条件は、所与の特異的な結合剤および所与のリガンドの間の相互作用を可能にする条件である。このような条件は、pH、温度、濃度、溶媒、インキュベーション時間その他を含み、所与の特異的な結合剤およびリガンドペアの間で異なる可能性があるが、当業者であれば容易に決定することができる。一部の実施形態では、本発明のヘプシジンアナログは、ヘプシジン参照化合物(例えば、本明細書に提供されているヘプシジン参照化合物のいずれか1つ)よりも優れた特異性でフェロポーチンに結合する。一部の実施形態では、本発明のヘプシジンアナログは、ヘプシジン参照化合物(例えば、本明細書に提供されているヘプシジン参照化合物のいずれか1つ)よりも少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、200%、300%、400%、500%、700%、1000%または10,000%高いフェロポーチン特異性を示す。一部の実施形態では、本発明のヘプシジンアナログは、ヘプシジン参照化合物(例えば、本明細書に提供されているヘプシジン参照化合物のいずれか1つ)よりも少なくとも約5倍または少なくとも約10、20、50もしくは100倍高いフェロポーチン特異性を示す。
ある特定の実施形態では、本発明のヘプシジンアナログは、ヘプシジン活性を示す。一部の実施形態では、活性は、in vitroまたはin vivo活性、例えば、本明細書に記載されているin vivoまたはin vitro活性である。一部の実施形態では、本発明のヘプシジンアナログは、ヘプシジン参照化合物(例えば、本明細書に提供されているヘプシジン参照化合物のいずれか1つ)によって示される活性の少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、97%、98%、99%または99%超を示す。
一部の実施形態では、本発明のヘプシジンアナログは、参照ヘプシジンによって示されるフェロポーチン結合能力の少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、97%、98%、99%または99%超を示す。一部の実施形態では、本発明のヘプシジンアナログは、参照ヘプシジンと比較して、フェロポーチン(例えば、ヒトフェロポーチン)に結合するためのより低いIC50(すなわち、より高い結合親和性)を有する。一部の実施形態では、本発明のヘプシジンアナログは、参照ヘプシジンよりも少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、200%、300%、400%、500%、700%または1000%低い、フェロポーチン競合的結合アッセイにおけるIC50を有する。
ある特定の実施形態では、本発明のヘプシジンアナログは、ヘプシジン参照ペプチドと比較して増加したヘプシジン活性を示す。一部の実施形態では、活性は、in vitroまたはin vivo活性、例えば、本明細書に記載されているin vivoまたはin vitro活性である。ある特定の実施形態では、本発明のヘプシジンアナログは、参照ヘプシジンよりも1.5、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50、60、70、80、90、100、120、140、160、180または200倍大きいヘプシジン活性を示す。ある特定の実施形態では、本発明のヘプシジンアナログは、参照ヘプシジンよりも少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、97%、98%、99%または99%超、100%、200%、300%、400%、500%、700%または1000%大きい活性を示す。
一部の実施形態では、本発明のペプチドアナログは、参照ヘプシジンのものよりも少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、97%、98%、99%または99%超、100%、200%、300%、400%、500%、700%または1000%大きい、ヒトフェロポーチンタンパク質の分解を誘導するためのin vitro活性を示し、活性は、本明細書に記載されている方法に従って測定される。
一部の実施形態では、本発明のペプチドまたはペプチド二量体は、個体における遊離血漿鉄の低下を誘導することに関して、参照ヘプシジンの場合よりも少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、97%、98%、99%または99%超、100%、200%、300%、400%、500%、700%または1000%大きいin vivo活性を示し、ここで活性は、本明細書に記載されている方法に従って測定される。
一部の実施形態では、活性は、in vitroまたはin vivo活性、例えば、本明細書に記載されているin vivoまたはin vitro活性である。ある特定の実施形態では、本発明のヘプシジンアナログは、参照ヘプシジンよりも1.5、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50、60、70、80、90、100、120、140、160、180もしくは200倍大きい、または少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、200%、300%、400%、500%、700%もしくは1000%大きい活性を示し、活性は、例えば、本明細書の実施例に従って測定されるフェロポーチンの分解を誘導するためのin vitro活性であり、または活性は、例えば、本明細書の実施例に従って測定される、遊離血漿鉄を低下させるためのin vivo活性である。
一部の実施形態では、本発明のヘプシジンアナログは、Hep25のヘプシジン活性を模倣し、この生理活性ヒト25−アミノ酸型は、本明細書において、「ミニ−ヘプシジン」と称される。本明細書で使用されるように、ある特定の実施形態では、「ヘプシジン活性」を有する化合物(例えば、ヘプシジンアナログ)は、化合物が、対象に投与されると(例えば、非経口的に注射または経口投与されると)、用量依存的および時間依存的様式で、対象(例えば、マウスまたはヒト)における血漿鉄濃度を低減する能力を有することを意味する。例えば、Riveraら(2005年)Blood 106巻:2196〜9頁における実証を参照されたい。一部の実施形態では、本発明のペプチドは、対象における血漿鉄濃度を少なくとも約1.2、1.5、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10倍または少なくとも約5%、10%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%もしくは約99%低減する。
一部の実施形態では、本発明のヘプシジンアナログは、Nemethら(2006年)Blood 107巻:328〜33頁に教示される通り、フェロポーチン発現細胞株におけるフェロポーチンの内部移行および分解を引き起こす能力によってアッセイされる通り、in vitro活性を有する。一部の実施形態では、in vitro活性は、Nemethら(2006年)Blood 107巻:328〜33頁の通り、緑色蛍光タンパク質に融合されたフェロポーチンを呈するように遺伝子操作された細胞の蛍光の用量依存的喪失によって測定される。細胞のアリコートは、Hep25またはミニ−ヘプシジンの段階的濃度の参照調製物と共に24時間インキュベートされる。本明細書に提供されている通り、EC50値は、参照化合物によって生じる蛍光の最大喪失の50%を誘発する、所与の化合物(例えば、本発明のヘプシジンアナログペプチドまたはペプチド二量体)の濃度として提示されている。本アッセイにおけるHep25調製物のEC50は、5〜15nMに及び、ある特定の実施形態では、本発明の好ましいヘプシジンアナログは、約1,000nMまたはそれ未満の、in vitro活性アッセイにおけるEC50値を有する。ある特定の実施形態では、本発明のヘプシジンアナログは、約0.01、0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、40、50、60、70、80、90、100、200または500nM未満のいずれか1つの、in vitro活性アッセイ(例えば、Nemethら(2006年)Blood 107巻:328〜33頁または本明細書の実施例に記載の)におけるEC50を有する。一部の実施形態では、ヘプシジンアナログまたは生物学的治療組成物(例えば、本明細書に記載されている医薬組成物のいずれか1つ)は、約1nMまたはそれ未満のEC50値を有する。
本発明に係るヘプシジンアナログのヘプシジン活性およびin vitro活性を計算するための、本技術分野で公知の他の方法を使用することができる。例えば、ある特定の実施形態では、ヘプシジンアナログまたは参照ペプチドのin vitro活性は、細胞フェロポーチンを内部移行させるその能力によって測定され、この能力は、フェロポーチンの細胞外エピトープを認識する抗体を使用した免疫組織化学的検査またはフローサイトメトリーによって決定される。あるいは、ある特定の実施形態では、ヘプシジンアナログまたは参照ペプチドのin vitro活性は、Nemethら(2006年)Blood 107巻:328〜33頁の通り、鉄の放射性同位元素または安定同位体を前負荷したフェロポーチン発現細胞からの鉄の流出を阻害するその用量依存的能力によって測定される。
一部の実施形態では、本発明のヘプシジンアナログは、参照ヘプシジンと比較して増加した安定性(例えば、半減期、タンパク質分解速度によって測定される)を示す。ある特定の実施形態では、本発明のヘプシジンアナログの安定性は、参照ヘプシジンよりも少なくとも約1.5、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50、60、70、80、90、100、120、140、160、180もしくは200倍大きくまたは少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、200%、300%、400%もしくは500%大きく増加する。一部の実施形態では、安定性は、本明細書に記載されている安定性である。一部の実施形態では、安定性は、例えば、本明細書に記載されている方法に従って任意選択で測定される、血漿安定性である。
特定の実施形態では、本発明のヘプシジンアナログは、参照ヘプシジンよりも長い半減期を示す。特定の実施形態では、本発明のヘプシジンアナログは、所与の条件セット(例えば、温度、pH)下で、少なくとも約5分間、少なくとも約10分間、少なくとも約20分間、少なくとも約30分間、少なくとも約45分間、少なくとも約1時間、少なくとも約2時間、少なくとも約3時間、少なくとも約4時間、少なくとも約5時間、少なくとも約6時間、少なくとも約12時間、少なくとも約18時間、少なくとも約1日間、少なくとも約2日間、少なくとも約4日間、少なくとも約7日間、少なくとも約10日間、少なくとも約2週間、少なくとも約3週間、少なくとも約1ヶ月間、少なくとも約2ヶ月間、少なくとも約3ヶ月間もしくはそれ超またはいずれか介在する半減期もしくはその間の範囲、約5分間、約10分間、約20分間、約30分間、約45分間、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約12時間、約18時間、約1日間、約2日間、約4日間、約7日間、約10日間、約2週間、約3週間、約1ヶ月間、約2ヶ月間、約3ヶ月間もしくはそれ超またはいずれか介在する半減期またはその間の範囲の半減期を有する。一部の実施形態では、本発明のヘプシジンアナログの半減期は、1つまたは複数の親油性置換基、例えば、本明細書に開示されている親油性置換基のいずれかへのそのコンジュゲーションにより伸長される。一部の実施形態では、本発明のヘプシジンアナログの半減期は、1つまたは複数のポリマー部分、例えば、本明細書に開示されているポリマー部分のいずれかへのそのコンジュゲーションにより伸長される。ある特定の実施形態では、本発明のヘプシジンアナログは、温度が、約25℃、約4℃または約37℃であり、pHが、生理的pHまたはpH約7.4である所与の条件セット下で、上述の半減期を有する。
一部の実施形態では、半減期は、本技術分野で公知のいずれか適した方法を使用して、in vitroで測定され、例えば、一部の実施形態では、本発明のヘプシジンアナログの安定性は、予熱されたヒト血清(Sigma)と共にヘプシジンアナログを37℃でインキュベートすることにより決定される。試料は、様々な時点で、典型的には最大24時間目までに採取され、試料の安定性は、血清タンパク質からヘプシジンアナログを分離し、次にLC−MSを使用して目的のヘプシジンアナログの存在を解析することにより解析される。
一部の実施形態では、ヘプシジンアナログの安定性は、本技術分野で公知のいずれか適した方法を使用して、in vivoで測定され、例えば、一部の実施形態では、ヘプシジンアナログの安定性は、ヒトまたはいずれかの哺乳動物(例えば、マウス)等、対象にペプチドまたはペプチド二量体を投与し、次に様々な時点で、典型的には最大24時間目までに採血により対象から試料を採取することによりin vivoで決定される。次に、試料は、半減期を測定するin vitro方法に関する上述の通り解析される。一部の実施形態では、本発明のヘプシジンアナログのin vivo安定性は、本明細書の実施例に開示されている方法により決定される。
一部の実施形態では、本発明は、本明細書に記載されているヘプシジンアナログであって、参照ヘプシジンと比較して改善された溶解性または改善された凝集特徴を示すヘプシジンアナログを提供する。溶解性は、本技術分野で公知のいずれか適した方法により決定することができる。一部の実施形態では、溶解性を決定するための本技術分野で公知の適した方法は、様々なバッファー(酢酸塩pH4.0、酢酸塩pH5.0、Phos/クエン酸塩pH5.0、Phosクエン酸塩pH6.0、Phos pH6.0、Phos pH7.0、Phos pH7.5、強PBS pH7.5、Tris pH7.5、Tris pH8.0、グリシンpH9.0、水、酢酸(pH5.0および本技術分野で公知のその他)においてペプチド(例えば、本発明のヘプシジンアナログ)をインキュベートするステップと、標準技法を使用して凝集または溶解性を検査するステップとを含む。そのようなものとして、例えば、目視による沈殿、動的光散乱、表面疎水性を測定し、凝集または細線維化を検出するための円二色性および蛍光色素が挙げられるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、改善された溶解性は、ペプチド(例えば、本発明のヘプシジンアナログ)が、所与の液体において、参照ヘプシジンよりも可溶性が高いことを意味する。
ある特定の実施形態では、本発明は、本明細書に記載されているヘプシジンアナログであって、特定の溶液またはバッファー、例えば、水または本技術分野で公知のもしくは本明細書に開示されているバッファーにおいて、参照ヘプシジンよりも少なくとも約1.5、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50、60、70、80、90、100、120、140、160、180もしくは200倍大きくまたは少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、200%、300%、400%もしくは500%大きく増加した溶解性を示すヘプシジンアナログを提供する。
ある特定の実施形態では、本発明は、本明細書に記載されているヘプシジンアナログであって、減少した凝集を示すヘプシジンアナログを提供し、溶液におけるペプチドの凝集は、特定の溶液またはバッファー、例えば、水または本技術分野で公知のもしくは本明細書に開示されているバッファーにおける参照ヘプシジンよりも少なくとも約1.5、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50、60、70、80、90、100、120、140、160、180もしくは200倍少ないまたは少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、200%、300%、400%もしくは500%少ない。
一部の実施形態では、本発明は、本明細書に記載されているヘプシジンアナログであって、参照ヘプシジンよりも少ない分解(すなわち、より大きい分解安定性)、例えば、約10%もしくはそれ超少ない、約20%もしくはそれ超少ない、約30%もしくはそれ超少ない、約40もしくはそれ超少ない、または約50%もしくはそれ超少ない分解を示すヘプシジンアナログを提供する。一部の実施形態では、分解安定性は、本技術分野で公知のいずれか適した方法により決定される。一部の実施形態では、分解安定性を決定するための本技術分野で公知の適した方法は、その全体が本明細書に組み込まれるHaweら、J Pharm Sci、101巻、3号、2012年、895〜913頁に記載されている方法を含む。かかる方法は、一部の実施形態では、増強された有効期間を有する強力な配列の選択に使用される。
一部の実施形態では、本発明のヘプシジンアナログは、合成により製造される。他の実施形態では、本発明のヘプシジンアナログは、組換えにより製造される。
本発明の様々なヘプシジンアナログ単量体および二量体ペプチドは、もっぱら天然アミノ酸から構築することができる。あるいは、これらのヘプシジンアナログは、修飾アミノ酸が挙げられるがこれに限定されない、非天然または天然ではないアミノ酸を含むことができる。ある特定の実施形態では、修飾アミノ酸は、該アミノ酸に天然には存在しない基(単数または複数)または化学部分を含むように化学修飾された天然アミノ酸を含む。本発明のヘプシジンアナログは、D−アミノ酸をさらに含むことができる。さらにまた、本発明のヘプシジンアナログペプチド単量体および二量体は、アミノ酸類似体を含むことができる。特定の実施形態では、本発明のペプチドアナログは、本明細書に記載されているもののいずれかを含み、ペプチドアナログの1個または複数の天然アミノ酸残基は、非天然もしくは天然ではないアミノ酸またはD−アミノ酸により置換される。
ある特定の実施形態では、本発明のヘプシジンアナログは、1個または複数の修飾または非天然アミノ酸を含む。例えば、ある特定の実施形態では、ヘプシジンアナログは、Daba、Dapa、Pen、Sar、Cit、Cav、HLeu、2−Nal、1−Nal、d−1−Nal、d−2−Nal、Bip、Phe(4−OMe)、Tyr(4−OMe)、βhTrp、βhPhe、Phe(4−CF)、2−2−インダン、1−1−インダン、シクロブチル、βhPhe、hLeu、Gla、Phe(4−NH)、hPhe、1−Nal、Nle、3−3−diPhe、シクロブチル−Ala、Cha、Bip、β−Glu、Phe(4−Guan)、ホモアミノ酸、D−アミノ酸および様々なN−メチル化アミノ酸のうち1つまたは複数を含む。当業者であれば、他の修飾または非天然アミノ酸および修飾または非天然アミノ酸による天然アミノ酸の様々な他の置換を行って、同様の所望の結果を達成することができ、かかる置換が、本発明の教示および精神の範囲内にあることを認めるであろう。
本発明は、例えば、遊離または塩形態の、本明細書に記載されているヘプシジンアナログのいずれかを含む。
本発明のヘプシジンアナログは、本明細書に記載されている特異的なリンカー部分のいずれかを含むリンカー部分に連結された、本明細書に記載されているペプチド単量体または二量体のいずれかを含む。
本発明のヘプシジンアナログは、本明細書に記載されているヘプシジンアナログペプチド配列(例えば、表1〜4または6〜15に開示されているペプチドのいずれか1つ)に対し少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%または少なくとも99%アミノ酸配列同一性を有するペプチド単量体サブユニットを含むペプチド、例えば、単量体または二量体を含む。
ある特定の実施形態では、本発明のペプチドアナログまたは本発明の二量体ペプチドアナログの単量体サブユニットは、7〜35アミノ酸残基、8〜35アミノ酸残基、9〜35アミノ酸残基、10〜35アミノ酸残基、7〜25アミノ酸残基、8〜25アミノ酸残基、9〜25アミノ酸残基、10〜25アミノ酸残基、7〜18アミノ酸残基、8〜18アミノ酸残基、9〜18アミノ酸残基または10〜18アミノ酸残基、および任意選択で、コンジュゲートされた化学部分、例えば、PEGまたはリンカー部分等、1個または複数の追加的な非アミノ酸部分を含むまたはこれからなる。特定の実施形態では、ヘプシジンアナログの単量体サブユニットは、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34または35アミノ酸残基を含むまたはこれからなる。特定の実施形態では、本発明のヘプシジンアナログの単量体サブユニットは、10〜18アミノ酸残基、および任意選択で、コンジュゲートされた化学部分、例えば、PEGまたはリンカー部分等、1個または複数の追加的な非アミノ酸部分を含むまたはこれからなる。様々な実施形態では、単量体サブユニットは、7〜35アミノ酸残基、9〜18アミノ酸残基または10〜18アミノ酸残基を含むまたはこれからなる。本明細書に記載されている様々な式のいずれかの特定の実施形態では、Xは、7〜35アミノ酸残基、8〜35アミノ酸残基、9〜35アミノ酸残基、10〜35アミノ酸残基、7〜25アミノ酸残基、8〜25アミノ酸残基、9〜25アミノ酸残基、10〜25アミノ酸残基、7〜18アミノ酸残基、8〜18アミノ酸残基、9〜18アミノ酸残基または10〜18アミノ酸残基を含むまたはこれからなる。
ペプチド単量体ヘプシジンアナログ
ある特定の実施形態では、本発明のヘプシジンアナログは、単一のペプチドサブユニットを含む。ある特定の実施形態では、これらのヘプシジンアナログは、分子内ジスルフィドまたは他の結合により環化構造を形成する。一実施形態では、本発明は、表2〜4または12〜15に収載されているヘプシジンアナログのいずれか1つの環化型を提供するが、ただしこのアナログは、2個またはそれ超のCys残基を有する。
ある特定の実施形態では、本発明は、式I:
−X−Y−R(I)(配列番号1)
(式中、Rは、水素、C1〜C6アルキル、C6〜C12アリール、C6〜C12アリールC1〜C6アルキルまたはC1〜C20アルカノイルであり、ペグ化バージョンを単独でまたは前述のもののいずれかのスペーサーとして含み、
は、OHまたはNHであり、
Xは、式Ia:
X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−X10(Ia)(配列番号2)
(式中、
X1は、Asp、Ser、Glu、Ida、pGlu、bhAsp、D−Aspまたは非存在であり、
X2は、Thr、Ser、Lys、Glu、Pro、Alaまたは非存在であり、
X3は、His、AlaまたはGluであり、
X4は、Phe、IleまたはDpaであり、
X5は、Pro、bhPro、Val、Glu、SarcまたはGlyであり、
X6は、Cysまたは(D)−Cysであり、
X7は、非存在またはIle、Cysもしくは(D)−Cysを除くいずれかのアミノ酸であり、
X8は、非存在またはCysもしくは(D)−Cysを除くいずれかのアミノ酸であり、
X9は、Phe、Ala、Ile、Thr、Tyr、Lys、Arg、bhPhe、D−Pheまたは非存在であり、
X10は、Lys、Pheまたは非存在である)
を有するペプチド配列であり、
Yは、非存在であるかまたは存在し、
ただし、Yが存在する場合、Yは、式Im:
Y1−Y2−Y3−Y4−Y5−Y6−Y7−Y8−Y9−Y10−Y11−Y12(Im)(配列番号3)
(式中、
Y1は、Gly、PEG3、Sarc、Lys、Glu、Ala、Phe、Pro、Glu、Lys、D−Pro、Val、Serまたは非存在であり、
Y2は、Pro、Ala、Cys、Glyまたは非存在であり、
Y3は、Arg、Lys、Pro、Gly、His、Ala、Trpまたは非存在であり、
Y4は、Ser、Arg、Gly、Trp、Ala、His、Glu、Tyrまたは非存在であり、
Y5は、Lys、Met、Ser、Arg、Alaまたは非存在であり、
Y6は、Gly、Sarc、Glu、Lys、Arg、Ser、Lys、Ile、Ala、Pro、Valまたは非存在であり、
Y7は、Trp、Lys、Gly、Ala、Ile、Valまたは非存在であり、
Y8は、Val、Trp、His、Thr、Gly、Cys、Met、Tyr、Ala、Glu、Lys、Asp、Argまたは非存在であり、
Y9は、Val、Asp、Asn、Cys、Tyrまたは非存在であり、
Y10は、Cys、Met、Lys、Arg、Tyrまたは非存在であり、
Y11は、Arg、Met、Cys、Lysまたは非存在であり、
Y12は、Arg、Lys、Alaまたは非存在である)
を有するペプチドである)
の構造を有するペプチドアナログまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物を含む。
ある特定の代替的な実施形態では、X7は、非存在またはCysもしくは(D)−Cysを除くいずれかのアミノ酸である。
ある特定の実施形態では、X7は、Arg、Glu、Phe、Gln、Leu、Val、Lys、Ala、Ser、Dapaまたは非存在である。
ある特定の実施形態では、X8は、Ile、Arg、Lys、Ala、Gln、Phe、Glu、Asp、Tyr、Ser、Leu、Val、D−Ile、D−Lys、D−Arg、Dapaまたは非存在である。
本明細書に表記されている様々な式のいずれかを有するペプチドアナログのいずれかのある特定の実施形態では、Rは、メチル、アセチル、ホルミル、ベンゾイル、トリフルオロアセチル、イソバレリル、イソブチリル、オクタニル(octanyl)、ならびにラウリン酸、ヘキサデカン酸およびγ−Glu−ヘキサデカン酸のコンジュゲートされたアミドから選択される。
本明細書に表記されている式のいずれかのある特定の実施形態では、X6に対しすぐ接してカルボキシ側のアミノ酸残基は、Ileではない。特定の実施形態では、X6がCysまたは(D)−Cysである場合、X6に対しすぐ接してカルボキシ側のアミノ酸残基は、Ileではない。例えば、ある特定の実施形態では、X7が非存在でありX8が存在する場合、X8はIleではない、またはX7およびX8が非存在である場合、X9はIleではない。
本明細書に表記されている式のいずれかのある特定の実施形態では、Xは、米国特許第8,435,941号に表記されているアミノ酸配列を含まないまたはこれからならないのいずれか一方または両方である。
式Iのペプチドアナログのある特定の実施形態では、
Xは、式Ib:
X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−X10(Ib)(配列番号18)
(式中、
X1は、Asp、Glu、Ida、pGlu、bhAsp、D−Aspまたは非存在であり、
X2は、Thr、Ser、Lys、Glu、Pro、Alaまたは非存在であり、
X3は、His、Ala、GluまたはAlaであり、
X4は、Phe、IleまたはDpaであり、
X5は、Pro、bhPro、SarcまたはGlyであり、
X6は、Cysであり、
X7は、非存在またはIle、Cysもしくは(D)−Cysを除くいずれかのアミノ酸であり、
X8は、非存在またはCysもしくは(D)−Cysを除くいずれかのアミノ酸であり、
X9は、Phe、Ile、Tyr、bhPheまたはD−Pheまたは非存在であり、
X10は、Lys、Pheまたは非存在である)
を有するペプチド配列であり、
Yは、非存在であるかまたは存在し、ただし、Yが存在する場合、Yは、式In:
Y1−Y2−Y3−Y4−Y5−Y6−Y7−Y8−Y9−Y10−Y11−Y12(In)(配列番号19)
(式中、
Y1は、Gly、PEG3、Sarc、Lys、Glu、Ala、Phe、Pro、Glu、Lys、D−Pro、Val、Serまたは非存在であり、
Y2は、Pro、Ala、Glyまたは非存在であり、
Y3は、Arg、Lys、Pro、Gly、His、Alaまたは非存在であり、
Y4は、Ser、Arg、Gluまたは非存在であり、
Y5は、Lys、Ser、Met、Arg、Alaまたは非存在であり、
Y6は、Gly、Sarc、Glu、Leu、Phe、Hisまたは非存在であり、
Y7は、Trp、NMe−Trp、Lys、Thr、His、Gly、Ala、Ile、Valまたは非存在であり、
Y8は、Val、Trp、Ala、Asn、Gluまたは非存在であり、
Y9は、Val、Ala、Asn、Asp、Cysまたは非存在であり、
Y10は、Cys、(D)Cys、Gluまたは非存在であり、
Y11は、Tyr、Metまたは非存在であり、
Y12は、Trpまたは非存在である)
を有するペプチドである。
ある特定の実施形態では、X7は、Arg、Glu、Phe、Gln、Leu、Val、Lys、Ala、Ser、Dapaまたは非存在である。
ある特定の実施形態では、X7は、Arg、Glu、Phe、Gln、Leu、Ile、Val、Lys、Ala、Ser、Dapaまたは非存在である。
ある特定の代替的な実施形態では、X7は、非存在またはCysもしくは(D)−Cysを除くいずれかのアミノ酸である。
ある特定の実施形態では、X8は、Ile、Arg、Lys、Ala、Gln、Phe、Glu、Asp、Tyr、Ser、Leu、Val、D−Ile、D−Lys、D−Arg、Dapaまたは非存在である。
一部の実施形態では、式(I)のペプチドは、Yにおいて少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11または少なくとも12アミノ酸残基を含む。
一部の実施形態では、Y1〜Y3は、存在し、Y4〜Y12は、存在しない。
一部の実施形態では、Y1〜Y11は、存在し、Y12は、存在しない。
一部の実施形態では、Y1〜Y10は、存在し、Y11〜Y12は、存在しない。
式Iのペプチドアナログの例示的な実施形態は、表2に提示されている。特定の実施形態では、本発明のペプチドアナログは、表2に表記されているアミノ酸配列を含むもしくはこれからなる、または表2に示す構造を有する。表2は、添付の実施例に記載されているフェロポーチンの内部移行/分解アッセイにより決定される、例示的なペプチドアナログのEC50値も提示する。
ある特定の実施形態では、本発明は、式II:
−X−Y−R(II)(配列番号4)
(式中、Rは、水素、C1〜C6アルキル、C6〜C12アリール、C6〜C12アリールC1〜C6アルキルまたはC1〜C20アルカノイルであり、ペグ化バージョンを単独でまたは前述のもののいずれかのスペーサーとして含み、
は、OHまたはNHであり、
Xは、式IIa:
X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−X10(IIa)(配列番号5)
(式中、
X1は、Asp、GluまたはIdaであり、
X2は、Thr、Serまたは非存在であり、
X3は、Hisであり、
X4は、PheまたはDpaであり、
X5は、Pro、bhPro、SarcまたはGlyであり、
X6は、Cysまたは(D)−Cysであり、
X7は、Arg、Glu、Phe、Gln、Leu、Val、Lys、Ile、Ala、Ser、Dapaまたは非存在であり、
X8は、Ile、Arg、Lys、Arg、Ala、Gln、Phe、Glu、Asp、Tyr、Ser、Leu、Val、D−Ile、D−Lys、D−Arg、Dapaまたは非存在であり、
X9は、Phe、Tyr、bhPhe、D−Pheまたは非存在であり、
X10は、Lys、Pheまたは非存在である)
を有するペプチド配列であり、
Yは、非存在であるかまたは存在し、ただし、Yが存在する場合、Yは、式IIm:
Y1−Y2−Y3−Y4−Y5−Y6−Y7−Y8−Y9−Y10−Y11−Y12(IIm)(配列番号6)
(式中、
Y1は、Gly、Sarc、Lys、Gluまたは非存在であり、
Y2は、Pro、Ala、Glyまたは非存在であり、
Y3は、Arg、Lys、Pro、Gly、His、Alaまたは非存在であり、
Y4は、Ser、Arg、Gluまたは非存在であり、
Y5は、Lys、Ser、Met、Arg、Alaまたは非存在であり、
Y6は、Gly、Sarc、Glu、Leu、Phe、Hisまたは非存在であり、
Y7は、Trp、NMe−Trp、Lys、Thr、His、Gly、Ala、Ile、Valまたは非存在であり、
Y8は、Val、Trp、Ala、Asn、Gluまたは非存在であり、
Y9は、Cysであり、
Y10は、Metまたは非存在であり、
Y11は、Tyr、Metまたは非存在であり、
Y12は、Trpまたは非存在である)
を有するペプチドである)
の構造を有するペプチドアナログまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物を含む。
ある特定の実施形態では、X6は、Cysである。
一部の実施形態では、X7は、Arg、Glu、Phe、Gln、Leu、Val、Lys、Ala、Ser、Dapaまたは非存在である。
ある特定の実施形態では、Y10は、非存在である。
ある特定の実施形態では、Y11は、Tyrである。
ある特定の実施形態では、Y11は、非存在である。
ある特定の実施形態では、Y12は、非存在である。
ある特定の実施形態では、Y11およびY12またはY10、Y11およびY12は、非存在である。
本明細書に表記されている式のいずれかを有するペプチドアナログのいずれかのある特定の実施形態では、Rは、メチル、アセチル、ホルミル、ベンゾイル、トリフルオロアセチル、イソバレリル、イソブチリル、オクタニル、ならびにラウリン酸、ヘキサデカン酸およびγ−Glu−ヘキサデカン酸のコンジュゲートされたアミドから選択される。
本明細書に表記されている式のいずれかのある特定の実施形態では、Xは、米国特許第8,435,941号に表記されているアミノ酸配列を含まないまたはこれからならないのいずれか一方または両方である。
一部の実施形態では、式(II)のペプチドは、Yにおいて少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11または少なくとも12アミノ酸残基を含む。
一部の実施形態では、Y1〜Y3は、存在し、Y4〜Y12は、存在しない。
一部の実施形態では、Y1〜Y11は、存在し、Y12は、存在しない。
一部の実施形態では、Y1〜Y10は、存在し、Y11〜Y12は、存在しない。
式IIのペプチドアナログの例示的な実施形態は、表3に提示されている。特定の実施形態では、本発明のペプチドアナログは、表3に表記されているアミノ酸配列を含むもしくはこれからなる、または表3に示す構造を有する。表3は、本明細書に記載されているフェロポーチンの内部移行/分解アッセイにより決定される、例示的なペプチドアナログのEC50値も提示する。
ペプチド二量体ヘプシジンアナログ
ある特定の実施形態では、本発明は、表2〜4に表記されている単量体ペプチド配列または構造のいずれかを含む二量体、ならびに表6〜10、12、14および15に表記されている配列または構造のある特定の二量体を含む、本明細書に記載されている単量体ヘプシジンアナログの二量体を含む。特定の実施形態では、本発明は、表11または13に表記されている単量体ペプチド配列または構造のいずれかの二量体を含む。これらの二量体は、本明細書で使用される一般用語「ヘプシジンアナログ」の範囲内に収まる。ペプチド二量体におけるような、用語「二量体」は、2個のペプチド単量体サブユニットが連結された化合物を指す。本発明のペプチド二量体は、ホモ二量体をもたらす2個の同一単量体サブユニット、またはヘテロ二量体をもたらす2個の非同一単量体サブユニットを含むことができる。システイン二量体は、一方の単量体サブユニットにおけるシステイン残基および他方の単量体サブユニットにおけるシステイン残基の間のジスルフィド結合により連結された、2個のペプチド単量体サブユニットを含む。
特定の実施形態では、ペプチド二量体ヘプシジンアナログは、表4に示す、またはその全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8,435,941号に記載されている、1つまたは複数の、例えば、2種のペプチド単量体サブユニットを含む。
一部の実施形態では、本発明のヘプシジンアナログは、特に、遊離システイン残基がペプチドに存在する場合、二量体立体構造において活性を有する。ある特定の実施形態では、これは、合成された二量体として生じる、または特に、遊離システイン単量体ペプチドが存在し酸化条件下である場合、二量体形成する。一部の実施形態では、二量体は、ホモ二量体である。他の実施形態では、二量体は、ヘテロ二量体である。
ある特定の実施形態では、本発明のヘプシジンアナログ二量体は、本発明の2個のヘプシジンアナログペプチド単量体を含むペプチド二量体である。
様々な実施形態では、表2〜4および表6〜15に収載されているアミノ酸配列は、アミノ酸の1文字コードを使用して示されている。ヘプシジンアナログ単量体ペプチド配列のみが示されている場合、ある特定の実施形態では、本教示に従って、このようなヘプシジンアナログ単量体ペプチド、すなわち、単量体サブユニットが二量体形成されて、ペプチド二量体ヘプシジンアナログを形成することが理解される。よって、一実施形態では、本発明は、表2〜4、6〜10、12、14または15のいずれか1つに示すペプチド単量体の二量体を提供する。
単量体サブユニットは、各ペプチド単量体サブユニットに一方が存在する2個のシステイン残基の間のジスルフィド架橋によって二量体形成することができる、または本明細書に定義されている別の適したリンカー部分によって二量体形成することができる。単量体サブユニットの一部は、両者共に遊離アミンを含むCおよびN末端を有するものとして示されている。よって、ペプチド二量体阻害剤を産生するために、単量体サブユニットは、CまたはN末端遊離アミンのいずれかを排除するように修飾し、これにより、残る遊離アミンにおける二量体形成を可能にすることができる。さらに、場合によっては、1個または複数の単量体サブユニットの末端は、2−me−トリフルオロブチル、トリフルオロペンチル、アセチル、オクトニル(Octonyl)、ブチル、ペンチル、ヘキシル、パルミチル、トリフルオロメチル酪酸、シクロペンタンカルボン酸、シクロプロピル酢酸、4−フルオロ安息香酸、4−フルオロフェニル酢酸、3−フェニルプロピオン酸、テトラヒドロ−2H−ピラン−4カルボン酸、コハク酸およびグルタル酸からなる群から選択されるアシル化有機化合物によりアシル化される。場合によっては、単量体サブユニットは、遊離カルボキシ末端および遊離アミノ末端の両方を含み、それにより、ユーザーは、所望の末端における二量体形成を達成するようサブユニットを選択的に修飾することができる。したがって、当業者は、本発明の単量体サブユニットが、所望の二量体形成のための単一の特異的アミンを達成するよう選択的に修飾することができることを認めるであろう。
別段の指定がない限り、本明細書に開示されている単量体サブユニットのC末端残基が、アミドであることがさらに理解される。さらに、ある特定の実施形態では、本技術分野で一般に理解される通り、C末端における二量体形成が、アミン官能性を有する側鎖を有する適したアミノ酸を使用することにより容易になることが理解される。N末端残基に関して、本技術分野で一般に理解される通り、二量体形成は、末端残基の遊離アミンを介して達成することができる、または遊離アミンを有する適したアミノ酸側鎖を使用することにより達成することができることが一般に理解される。
さらに、本発明のヘプシジンアナログペプチド単量体に含まれる1個または複数の内部残基の側鎖を、二量体形成目的のために利用することができることが理解される。かかる実施形態では、側鎖は、一部の実施形態では、適した天然アミノ酸(例えば、Lys)である、あるいは例えば、本明細書に定義される通り、適したリンカー部分へのコンジュゲーションに適した側鎖を含む非天然アミノ酸である。
単量体サブユニットを連接するリンカー部分は、本明細書における教示と適合性の、いかなる構造、長さおよび/またはサイズも含むことができる。少なくとも一実施形態では、リンカー部分は、システイン、リシン、DIG、PEG4、PEG4−ビオチン、PEG13、PEG25、PEG1K、PEG2K、PEG3.4K、PEG4K、PEG5K、IDA、IDA−Palm、ADA、Boc−IDA、グルタル酸、イソフタル酸、1,3−フェニレン二酢酸、1,4−フェニレン二酢酸、1,2−フェニレン二酢酸、トリアジン、Boc−トリアジン、IDA−ビオチン、PEG4−ビオチン、AADA、適した脂肪族、芳香族、複素芳香族、およびおよそ400Da〜およそ40,000Daの分子量を有するポリエチレングリコールに基づくリンカーからなる非限定的な群から選択される。適したリンカー部分の非限定例は、表5に提示されている。
当業者であれば、本明細書に開示されているCおよびN末端ならびに内部リンカー部分が、適したリンカー部分の非限定例であり、本発明が、いずれか適したリンカー部分を含むことができることを認めるであろう。よって、本発明の一部の実施形態は、本明細書、例えば、表2〜4および11〜15に示されている、または本明細書、例えば、表2〜4および11〜15に提示されている配列を含むもしくはこれからなるペプチドから選択される、2個の単量体サブユニットで構成されたホモまたはヘテロ二量体ヘプシジンアナログを含み、それぞれの単量体サブユニットのCまたはN末端が、いずれか適したリンカー部分によって連結されて、ヘプシジン活性を有するヘプシジンアナログ二量体ペプチドをもたらす。一部の実施形態では、本発明は、例えば、表2〜4および11〜15に示されている、または表2〜4もしくは10〜15に提示されている配列を含むもしくはこれからなるペプチドから選択される、本明細書に記載されている2個の単量体サブユニットで構成されたホモまたはヘテロ二量体ヘプシジンアナログを含み、それぞれの単量体サブユニットが、1個または複数の内部アミノ酸の側鎖にコンジュゲートされたいずれか適したリンカー部分によって内部に連結されて、ヘプシジン活性を有するヘプシジンアナログ二量体ペプチドをもたらす。
特定の実施形態では、本発明のヘプシジンアナログは、本明細書に記載されている単量体ヘプシジンアナログの2種またはそれ超のポリペプチド配列を含む。
一実施形態では、本発明のペプチド二量体ヘプシジンアナログは、1個または複数のリンカー部分または分子間連結(例えば、システインジスルフィド架橋)により連接された2個のペプチド単量体サブユニットを含み、各ペプチド単量体サブユニットは、式I(式中、Xは、1個または複数のリンカー部分または分子間連結(例えば、システインジスルフィド架橋)により連接された2個のペプチド単量体サブユニットを含む本発明のヘプシジンアナログである)の化合物である、あるいは各ペプチド単量体サブユニットは、式II(例えば、式中、Xは、IIaであり、Yは、IImである)の化合物である。ある特定の実施形態では、本発明のペプチド二量体ヘプシジンアナログは、1個または複数のリンカー部分または分子間連結(例えば、システインジスルフィド架橋)により連接された2個のペプチド単量体サブユニットを含み、各ペプチド単量体サブユニットは、式I(式中、Xは、Iaであり、Yは、Imである、またはXは、Ibであり、Yは、Inである)の化合物、または式II(式中、Xは、IIaであり、Yは、IImである)の化合物である。ある特定の実施形態では、ペプチド二量体は、ホモ二量体であり、他の実施形態では、ペプチド二量体は、ヘテロ二量体である。
ある特定の実施形態では、ペプチド二量体阻害剤は、式VII:
(R−X−Y−R−L(VII) 配列番号20
の構造を有するか、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物である(式中、
各Rは、結合(例えば、共有結合)、水素、C1〜C6アルキル、C6〜C12アリール、C6〜C12アリールC1〜C6アルキル、C1〜C20アルカノイルから独立に選択され、ペグ化バージョンを単独でまたは前述のもののいずれかのスペーサーとして含み、
各Rは独立に、非存在、結合(例えば、共有結合)である、またはOHもしくはNHから選択され、
Lは、リンカー部分であり、
各XおよびYの組合せは、式I、II、III、IV、VまたはVI等、本明細書に記載されている式のいずれかに存在するものから独立に選択される)。ある特定の実施形態では、各XおよびYの組合せは、
IaおよびIm;
IbおよびIn;
IIaおよびIIm;
IIIa−IIIdおよびIIIm−IIIs;
IVa−IVdおよびIVm−Ivs;
Va−VdおよびVm−Vn;ならびに
VIaおよびVIm
からなる群から独立に選択される。
式VIIのペプチド二量体の一実施形態では、
各Xは、式VIIa:
X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−X10(VIIa) 配列番号21
(式中、
X1は、Asp、Glu、Ida、Lysまたは非存在であり、
X2は、Thr、Ser、Lysまたは非存在であり、
X3は、His、AlaまたはLysであり、
X4は、Phe、DpaまたはLysであり、
X5は、Pro、bhPro、GlyまたはLysであり、
X6は、Cysであり、
X7は、Arg、Glu、Phe、Gln、Leu、Val、Lys、Ala、Ser、Dapa、Thrまたは非存在であり、
X8は、Ile、Arg、Lys、Glu、Asn、Asp、Ala、Gln、Phe、Glu、Tyr、Ser、Leu、Val、D−Ile、D−Lys、D−ArgまたはDapaまたは非存在であり、
X9は、Phe、Tyr、bhPhe、Lysまたは非存在であり、
X10は、Lys、Pheまたは非存在であり、
各Yは、非存在である)
を有する独立に選択されたペプチド配列である。
式VIIのある特定の代替的な実施形態では、X7は、Arg、Glu、Phe、Gln、Leu、Val、Ile、Lys、Ala、Ser、Dapa、Thrまたは非存在である。
式VIIのある特定の実施形態では、リンカーは、LysまたはPheである。特定の実施形態では、リンカーは、Lysである。
式VIIのある特定の実施形態では、2個のXペプチドは、ジスルフィド結合により連結される。
一部の実施形態では、本発明は、次の構造式VIII:
を含む、これから本質的になるまたはこれからなる、単離および/または精製されていてもよいペプチド、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物
(式中
およびRはそれぞれ、結合、水素、C1〜C6アルキル、C6〜C12アリール、C6〜C12アリールC1〜C6アルキルおよびC1〜C20アルカノイルから独立に選択され、ペグ化バージョン(例えば、PEG3〜PEG11)を単独でまたは前述のもののいずれかのスペーサーとして含み、
およびRはそれぞれ、結合、−NH2および−OHから独立に選択され、
XnおよびYnはそれぞれ、式VIIIa
X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−X10(VIIIa) 配列番号22
(式中、
X1は、Asp、Glu、Ida、Lysまたは非存在であり、
X2は、Thr、Ser、Lysまたは非存在であり、
X3は、His、Ala、Lysであり、
X4は、Phe、DpaまたはLysであり、
X5は、Pro、bhPro、GlyまたはLysであり、
X6は、Cysであり、
X7は、Arg、Glu、Phe、Gln、Leu、Val、Lys、Ala、Ser、Dapa、Thrまたは非存在であり、
X8は、Ile、Arg、Lys、Glu、Asn、Asp、Ala、Gln、Phe、Glu、Tyr、Ser、Leu、Val、D−Ile、D−Lys、D−ArgまたはDapaまたは非存在であり、
X9は、Phe、Tyr、bhPhe、Lysまたは非存在であり、
X10は、Lys、Pheまたは非存在である)
を有する独立に選択されたペプチド配列であり、
Lkは、リンカーまたは非存在であり、
XnおよびYnは任意選択で、ジスルフィド結合によって連結され、
Zは、非存在である、または本明細書に記載されているコンジュゲート(例えば、in vivo半減期の延長、溶解性等、ヘプシジンアナログの薬物様の特徴を増強するためのコンジュゲート等)であり、Zが存在する場合、これは任意選択で、Xnペプチド(例えば、そのN末端、C末端または側鎖、例えば、リシン側鎖を介して内部に)、Ynペプチド(例えば、そのN末端、C末端または側鎖、例えば、リシン側鎖を介して内部に)またはLkリンカーに連結される)
を提供する。
ある特定の実施形態では、Zは、パルミチル(palmyltyl)部分、PEG部分または脂質部分である。
ある特定の実施形態では、Lkは、Xnにおけるアミノ酸残基および/またはYnにおけるアミノ酸残基を介して2個の単量体サブユニットを連結する。
ある特定の代替的な実施形態では、R1、R2、R3およびR4は、結合、−NH2および−OH、水素、C1〜C6アルキル、C6〜C12アリール、C6〜C12アリールC1〜C6アルキルおよびC1〜C20アルカノイルから選択され、ペグ化バージョン(例えば、PEG3〜PEG11)を単独でまたは前述のもののいずれかのスペーサーとして含む。
ある特定の実施形態では、Lkは、Rおよび/またはRを介して2個の単量体サブユニットを連結する。
ある特定の実施形態では、Lkは、Rおよび/またはRを介して単量体サブユニットを連結する。
ある特定の実施形態では、Lkは、R、XnまたはRのいずれか1つならびにR、YnおよびRのいずれか1つを介して単量体サブユニットを連結する。
式VIIIのある特定の実施形態では、リンカーは、LysまたはPheである。特定の実施形態では、リンカーは、Lysである。
式VIIIのある特定の実施形態では、2個のXペプチドは、ジスルフィド結合により連結される。
一部の実施形態では、本発明は、配列DTXFPC(式中、Xは、いずれかのアミノ酸である)を含む、これからなるまたはこれから本質的になるペプチドを含む、ヘプシジンアナログ単量体またはそのホモ二量体もしくはヘテロ二量体を提供する。一実施形態では、本発明は、配列DTXFPCXF(式中、Xは、いずれかのアミノ酸であり、Xは、いずれかのアミノ酸であり、Xは、いずれかのアミノ酸であるまたは非存在である)を含む、これからなるまたはこれから本質的になるペプチドを提供する。かかる一実施形態では、Xは、Cysを除くいずれかのアミノ酸である。一実施形態では、X、Xおよび/またはXは、非天然アミノ酸である。一部の実施形態では、かかるヘプシジンアナログ単量体を含む二量体は、リンカー(例えば、リシンリンカー)を含む。一部の実施形態では、かかる二量体は、第1のヘプシジンアナログ単量体および第2の単量体(この単量体は、任意選択で配列が同一である)を含み、この二量体は、第1の単量体におけるCys(例えば、上述の式のいずれか1つに示すCys)を第2の単量体におけるCysに連結する、少なくとも1個の分子間ジスルフィド架橋をさらに含む。
一部の実施形態では、本発明は、配列XFXCYF(式中、X、XおよびXのいずれかは、非存在またはいずれかのアミノ酸であり、XおよびXは、いずれかのアミノ酸であり、Yは、D−Cys、D−Ser、D−Ala、Cys(S−tBut)、ホモC、Pen、(D)Pen、Dap(AcBr)、InpまたはD−Hisを除くいずれかのアミノ酸である)を含む、これからなるまたはこれから本質的になるペプチドを含む、ヘプシジンアナログ単量体またはそのホモ二量体もしくはヘテロ二量体を提供する。かかる一実施形態では、Yは、いずれかの脂質アミノ酸である。特定の実施形態では、Yは、Val、IleおよびLeuから選択される。一実施形態では、Yは、Ileである。一実施形態では、Xは、Lysである。一実施形態では、X、X、X、X、Xおよび/またはYのいずれかは、非天然アミノ酸である。一部の実施形態では、かかるヘプシジンアナログ単量体を含む二量体は、リンカー(例えば、リシンリンカー)を含む。一部の実施形態では、かかる二量体は、第1のヘプシジンアナログ単量体および第2の単量体(この単量体は、任意選択で配列が同一である)を含み、この二量体は、第1の単量体におけるCys(例えば、上述の式のいずれか1つに示すCys)を第2の単量体におけるCysに連結する、少なくとも1個の分子間ジスルフィド架橋をさらに含む。
一部の実施形態では、本発明は、配列DTXFXCYF(式中、Xは、いずれかのアミノ酸であり、Yは、D−Cys、D−Ser、D−Ala、Cys(S−tBut)、ホモC、Pen、(D)Pen、Dap(AcBr)、InpまたはD−Hisを除くいずれかのアミノ酸であり、Xは、いずれかのアミノ酸であるまたは非存在である)を含む、これからなるまたはこれから本質的になるペプチドを含む、ヘプシジンアナログ単量体またはそのホモ二量体もしくはヘテロ二量体を提供する。かかる一実施形態では、Yは、Cysを除くいずれかのアミノ酸である。かかる一実施形態では、Yは、いずれかの脂質アミノ酸である。特定の実施形態では、Yは、Val、IleおよびLeuから選択される。一実施形態では、Yは、Ileである。一実施形態では、X、X(非存在でない場合)および/またはYは、非天然アミノ酸である。一部の実施形態では、かかるヘプシジンアナログ単量体を含む二量体は、リンカー(例えば、リシンリンカー)を含む。一部の実施形態では、かかる二量体は、第1のヘプシジンアナログ単量体および第2の単量体(この単量体は、任意選択で配列が同一である)を含み、この二量体は、第1の単量体におけるCys(例えば、上述の式のいずれか1つに示すCys)を第2の単量体におけるCysに連結する、少なくとも1個の分子間ジスルフィド架橋をさらに含む。
一部の実施形態では、本発明は、配列DTXFPXC(式中、Xは、いずれかのアミノ酸である)を含む、これからなるまたはこれから本質的になるヘプシジンアナログ単量体ペプチドを含む、ヘプシジンアナログホモ二量体またはヘテロ二量体を提供する。一実施形態では、本発明は、配列DTXFPXCXF(式中、Xは、いずれかのアミノ酸であり、Xは、いずれかのアミノ酸であり、Xは、いずれかのアミノ酸であるまたは非存在である)を含む、これからなるまたはこれから本質的になるヘプシジンアナログ単量体ペプチドを含む、ヘプシジンアナログホモ二量体またはヘテロ二量体を提供する。かかる一実施形態では、Xは、Cysを除くいずれかのアミノ酸である。一実施形態では、X、Xおよび/またはXは、非天然アミノ酸である。一部の実施形態では、かかるヘプシジンアナログ単量体を含む二量体は、リンカー(例えば、リシンリンカー)を含む。一部の実施形態では、かかる二量体は、第1のヘプシジンアナログ単量体および第2の単量体(この単量体は、任意選択で配列が同一である)を含み、この二量体は、第1の単量体におけるCys(例えば、上述の式のいずれか1つに示すCys)を第2の単量体におけるCysに連結する、少なくとも1個の分子間ジスルフィド架橋をさらに含む。
一部の実施形態では、本発明は、配列XFXCYF(式中、Xは、非存在であるまたはいずれかのアミノ酸であり、Xは、いずれかのアミノ酸であり、Yは、いずれかのアミノ酸である)を含む、これからなるまたはこれから本質的になるペプチドを含む、ヘプシジンアナログ単量体またはそのホモ二量体もしくはヘテロ二量体を提供する。かかる一実施形態では、Yは、いずれかの天然アミノ酸である。特定の実施形態では、Yは、Arg、Val、IleおよびLeuから選択される。一実施形態では、Yは、Ileである。一実施形態では、X、Xおよび/またはYは、非天然アミノ酸である。一部の実施形態では、かかるヘプシジンアナログ単量体を含む二量体は、リンカー(例えば、リシンリンカー)を含む。一部の実施形態では、かかる二量体は、第1のヘプシジンアナログ単量体および第2の単量体(この単量体は、任意選択で配列が同一である)を含み、この二量体は、第1の単量体におけるCys(例えば、上述の式のいずれか1つに示すCys)を第2の単量体におけるCysに連結する、少なくとも1個の分子間ジスルフィド架橋をさらに含む。
一部の実施形態では、本発明は、配列DTXFXCYF(式中、Xは、いずれかのアミノ酸であり、Xは、いずれかのアミノ酸または非存在であり、Xは、いずれかのアミノ酸であり、Yは、いずれかのアミノ酸である)を含む、これからなるまたはこれから本質的になるペプチドを含む、ヘプシジンアナログ単量体またはそのホモ二量体もしくはヘテロ二量体を提供する。かかる一実施形態では、Yは、いずれかの脂質アミノ酸である。特定の実施形態では、Yは、Val、IleおよびLeuから選択される。一実施形態では、Yは、Ileである。一実施形態では、X、X(非存在でない場合)および/またはYは、非天然アミノ酸である。一部の実施形態では、かかるヘプシジンアナログ単量体を含む二量体は、リンカー(例えば、リシンリンカー)を含む。一部の実施形態では、かかる二量体は、第1のヘプシジンアナログ単量体および第2の単量体(この単量体は、任意選択で配列が同一である)を含み、この二量体は、第1の単量体におけるCys(例えば、上述の式のいずれか1つに示すCys)を第2の単量体におけるCysに連結する、少なくとも1個の分子間ジスルフィド架橋をさらに含む。
一部の実施形態では、本発明は、配列XFXCXF(式中、Xは、非存在であるまたはいずれかのアミノ酸であり、Xは、いずれかのアミノ酸であり、Xは、いずれかのアミノ酸である)を含む、これからなるまたはこれから本質的になる、1つまたは複数のヘプシジンアナログ単量体のホモ二量体またはヘテロ二量体を提供する。かかる一実施形態では、Xは、いずれかの天然アミノ酸である。特定の実施形態では、Xは、Arg、Val、IleおよびLeuから選択される。一実施形態では、Xは、Ileである。一実施形態では、X、Xおよび/またはXは、非天然アミノ酸である。一部の実施形態では、かかるヘプシジンアナログ単量体を含む二量体は、リンカー(例えば、リシンリンカー)を含む。一部の実施形態では、かかる二量体は、第1のヘプシジンアナログ単量体および第2の単量体(この単量体は、任意選択で配列が同一である)を含み、この二量体は、第1の単量体におけるCys(例えば、上述の式のいずれか1つに示すCys)を第2の単量体におけるCysに連結する、少なくとも1個の分子間ジスルフィド架橋をさらに含む。
一部の実施形態では、本発明は、配列DTXFXCXF(式中、Xは、いずれかのアミノ酸であり、Xは、いずれかのアミノ酸または非存在であり、Xは、いずれかのアミノ酸であり、Xは、いずれかのアミノ酸である)を含む、これからなるまたはこれから本質的になる、1つまたは複数のヘプシジンアナログ単量体のホモ二量体またはヘテロ二量体を提供する。かかる一実施形態では、Xは、Cysを除くいずれかのアミノ酸である。かかる一実施形態では、Xは、いずれかの脂質アミノ酸である。特定の実施形態では、Xは、Val、IleおよびLeuから選択される。一実施形態では、Xは、Ileである。一実施形態では、X、X(非存在でない場合)および/またはXは、非天然アミノ酸である。一実施形態では、Cysは、ジスルフィドにより連結されて、二量体を形成する。一部の実施形態では、かかるヘプシジンアナログ単量体を含む二量体は、リンカー(例えば、リシンリンカー)を含む。一部の実施形態では、かかる二量体は、第1のヘプシジンアナログ単量体および第2の単量体(この単量体は、任意選択で配列が同一である)を含み、この二量体は、第1の単量体におけるCys(例えば、上述の式のいずれか1つに示すCys)を第2の単量体におけるCysに連結する、少なくとも1個の分子間ジスルフィド架橋をさらに含む。
ある特定の実施形態では、本発明のペプチド二量体(例えば、ヘプシジンアナログまたは阻害剤)は、1個または複数のリンカー部分または分子間連結(例えば、システインジスルフィド架橋)により連接された2個のペプチド単量体サブユニットを含み、各ペプチド単量体サブユニットは、表2〜4または表11〜15のいずれかに示す配列を含む。ある特定の実施形態では、ペプチド二量体は、ホモ二量体であり、他の実施形態では、ペプチド二量体は、ヘテロ二量体である。一部の実施形態では、2個の単量体を二量体形成するリンカー部分または分子間連結は、単量体ペプチドのうち1つまたは複数のN末端、C末端または内部アミノ酸(例えば、リシン側鎖)のいずれかに結合される。
ある特定の実施形態では、本発明のペプチド二量体(例えば、ヘプシジンアナログまたは阻害剤)は、1個または複数のリンカー部分または分子間連結(例えば、システインジスルフィド架橋)により連接された2個のペプチド単量体サブユニットを含み、各ペプチド単量体サブユニットは、式I(式中、Xは、Iaであり、Yは、Imである、またはXは、Ibであり、Yは、Inである)の化合物;式II(式中、Xは、IIaであり、Yは、IImである)の化合物;または表2〜4、10、12、14および15のいずれかに示す配列を有する化合物である。ある特定の実施形態では、ペプチド二量体は、ホモ二量体であり、他の実施形態では、ペプチド二量体は、ヘテロ二量体である。特定の実施形態では、ペプチド二量体は、表6〜10および15のいずれか1つに示すペプチド二量体である。
ある特定の実施形態では、ヘプシジンアナログペプチド二量体の少なくとも2個のシステイン残基は、ジスルフィド架橋によって連結される。
本発明のヘプシジンアナログペプチド二量体の特定の実施形態では、リンカー部分(L)は、表5に示すリンカーのいずれかである。ある特定の実施形態では、リンカーは、リシンリンカー、ジエチレングリコールリンカー、イミノ二酢酸(IDA)リンカー、β−Ala−イミノ二酢酸(β−Ala−IDA)リンカーまたはPEGリンカーである。
ヘプシジンアナログペプチド二量体のいずれかのある特定の実施形態では、各ペプチド単量体サブユニットのN末端は、リンカー部分によって連接される。
ヘプシジンアナログペプチド二量体のいずれかのある特定の実施形態では、各ペプチド単量体サブユニットのC末端は、リンカー部分によって連接される。
ある特定の実施形態では、ヘプシジンアナログペプチド二量体の各ペプチド単量体サブユニットに含まれる1個または複数の内部アミノ酸残基(例えば、Lys残基)の側鎖は、リンカー部分によって連接される。
ヘプシジンアナログペプチド二量体のいずれかのある特定の実施形態では、各ペプチド単量体サブユニットのC末端、N末端または内部アミノ酸(例えば、リシン側鎖)は、リンカー部分によって連接され、ヘプシジンアナログペプチド二量体の少なくとも2個のシステイン残基は、ジスルフィド架橋によって連結される。一部の実施形態では、ペプチド二量体は、下に示す一般構造を有する。かかるヘプシジンアナログの非限定的な模式的な例を次の図解において示す:
本発明のペプチド二量体ヘプシジンアナログの実例を、添付の実施例に記載されているフェロポーチンの内部移行/分解アッセイにおけるin vitro活性データと共に表6〜8に提示する。
一実施形態では、本発明のペプチド単量体は、次の構造を有する:
一実施形態では、本発明のペプチド単量体は、次の構造を有する:
一実施形態では、本発明のペプチド二量体は、次の構造を有する:
一実施形態では、本発明のペプチド二量体は、次の構造を有する:
ある特定の実施形態では、ペプチド二量体阻害剤は、式X:
(R−X−R−L(X) 配列番号23
の構造を有するか、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物である(式中、
各Rは独立に、非存在、結合(例えば、共有結合)である、または水素、C1〜C6アルキル、C6〜C12アリール、C6〜C12アリールC1〜C6アルキル、C1〜C20アルカノイルから選択され、ペグ化バージョンを単独でまたは前述のもののいずれかのスペーサーとして含み、
各Rは独立に、非存在、結合(例えば、共有結合)である、またはOHもしくはNHから選択され、
Lは、リンカー部分であり、
各Xは、7〜35アミノ酸残基、8〜35アミノ酸残基、9〜35アミノ酸残基、10〜35アミノ酸残基、7〜25アミノ酸残基、8〜25アミノ酸残基、9〜25アミノ酸残基、10〜25アミノ酸残基、7〜18アミノ酸残基、8〜18アミノ酸残基、9〜18アミノ酸残基または10〜18アミノ酸残基のアミノ酸の長さを含むまたはこれからなる、独立に選択されたペプチド単量体サブユニットであり、それぞれ、式Iもしくは式IIのまたは表2〜4、表12〜14に表記されている配列または表15に表記されている単量体配列を含むまたはこれからなる)。
リシン二量体ヘプシジンアナログ
ある特定の実施形態では、本発明のペプチド二量体ヘプシジンアナログは、リシンリンカーを介して連結された2個のペプチド単量体サブユニットを含む。
一部の実施形態では、本発明のペプチド二量体ヘプシジンアナログは、式IX:
の構造を有するか、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物である(式中、
各Xは、式IXa:
X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−X10(IXa) 配列番号25
(式中、
X1は、Asp、Glu、Idaまたは非存在であり、
X2は、Thr、Ser、Pro、Alaまたは非存在であり、
X3は、His、Ala、GluまたはAlaであり、
X4は、PheまたはDpaであり、
X5は、Pro、bhPro、SarcまたはGlyであり、
X6は、Cys、(D)−Cys、Arg、Glu、Phe、Gln、Leu、Val、Lys、Ala、Ser、Dapaまたは非存在であり、
X7は、Cys、(D)−Cys、Arg、Glu、Phe、Gln、Leu、Val、Lys、Ala、Ser、Dapaまたは非存在であり、
X8は、Ile、Arg、Lys、Ala、Gln、Phe、Glu、Asp、Tyr、Ser、Leu、Val、D−Ile、D−Lys、D−Arg、Dapaまたは非存在であり、
X9は、Phe、Ala、Ile、Thr、Tyr、Lys、Arg、bhPhe、D−Pheまたは非存在であり、
X10は、Lys、Pheまたは非存在である)
を有する独立に選択されたペプチド配列であり、
各Rは独立に、非存在、結合(例えば、共有結合)である、または水素、C1〜C6アルキル、C6〜C12アリール、C6〜C12アリールC1〜C6アルキル、C1〜C20アルカノイルから選択され、ペグ化バージョンを単独でまたは前述のもののいずれかのスペーサーとして含み、
各Rは独立に、非存在、結合(例えば、共有結合)である、またはOHもしくはNHから選択され、
Yは、非存在であるかまたは存在し、ただし、Yが存在する場合、Yは、式IXm:
Y1−Y2−Y3(IXm) 配列番号26
(式中、
Y1は、Ile、Arg、Lys、Ala、Gln、Phe、Glu、Asp、Tyr、Ser、Leu、Val、D−Ile、D−Lys、D−Arg、Dapaまたは非存在であり、
Y2は、Phe、Ala、Ile、Thr、Tyr、Lys、Arg、bhPhe、D−Pheまたは非存在であり、
Y3は、Lys、Pheまたは非存在である)
を有するペプチドである)。
ある特定の実施形態では、Y1、Y2およびY3のうち1つまたは複数が存在する。
ある特定の実施形態では、Yは、本明細書に記載されている化学置換基のいずれかが挙げられるがこれらに限定されない、1つまたは複数の化学置換基にコンジュゲートされる。
一部の実施形態では、一方または両方のXは、ジスルフィド結合により環化される。
一部の実施形態では、2個のXペプチドは、ジスルフィド結合により連結される。
ある特定の実施形態では、本発明のリシン連結されたペプチド二量体ヘプシジンアナログは、表9に表記されている構造を有する。
ある特定の実施形態では、本発明のリシン連結されたペプチド二量体ヘプシジンアナログのペプチド単量体サブユニットのそれぞれは、式III:
−X−Y−R(III) 配列番号7
の構造を含むまたはこれからなり、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物である(式中、
は、水素、C1〜C6アルキル、C6〜C12アリール、C6〜C12アリールC1〜C6アルキルまたはC1〜C20アルカノイルであり、そのペグ化バージョンを単独でまたは前述のもののいずれかのスペーサーとして含み、
は、−NHまたは−OHであり、
Xは、式(IIIa)
X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−X10(IIIa) 配列番号8
(式中、
X1は、Asp、Glu、Ala、Gly、Thr、Ida、pGlu、bhAsp、D−Asp、Tyr、Leuまたは非存在であり、
X2は、Thr、Ala、Aib、D−Thr、Argまたは非存在であり、
X3は、His、Lys、AlaまたはD−Hisであり、
X4は、Phe、Ala、DpaまたはbhPheであり、
X5は、Pro、Glu、Ser、Gly、Arg、Lys、Val、Ala、D−Pro、bhPro、Sarc、Abuまたは非存在であり、
X6は、Ile、Cys、Arg、Leu、Lys、His、Glu、D−Ile、D−Arg、D−Cys、Val、SerまたはAlaであり、
X7は、Cys、Ile、Ala、Leu、Val、Ser、Phe、Dapa、D−IleまたはD−Cysであり、
X8は、Ile、Lys、Arg、Ala、Gln、Phe、Glu、Asp、Tyr、Ser、Leu、Val、D−Ile、D−Lys、D−ArgまたはDapaであり、
X9は、Phe、Ala、Ile、Tyr、Lys、Arg、bhPheまたはD−Pheであり、
X10は、Lys、Pheまたは非存在である)
を有するペプチド配列であり、
Yは、非存在であるかまたは存在し、存在する場合、Yは、式(IIIm)
Y1−Y2−Y3−Y4−Y5−Y6−Y7−Y8−Y9−Y10−Y11−Y12−Y13−Y14−Y15(IIIm) 配列番号9
(式中、
Y1は、Gly、Cys、Ala、Phe、Pro、Glu、Lys、D−Pro、Val、Serまたは非存在であり、
Y2は、Pro、Ala、Cys、Glyまたは非存在であり、
Y3は、Arg、Lys、Pro、Gly、His、Ala、Trpまたは非存在であり、
Y4は、Ser、Arg、Gly、Trp、Ala、His、Tyrまたは非存在であり、
Y5は、Lys、Met、Arg、Alaまたは非存在であり、
Y6は、Gly、Ser、Lys、Ile、Arg、Ala、Pro、Valまたは非存在であり、
Y7は、Trp、Lys、Gly、Ala、Ile、Valまたは非存在であり、
Y8は、Val、Thr、Gly、Cys、Met、Tyr、Ala、Glu、Lys、Asp、Argまたは非存在であり、
Y9は、Cys、Tyrまたは非存在であり、
Y10は、Met、Lys、Arg、Tyrまたは非存在であり、
Y11は、Arg、Met、Cys、Lysまたは非存在であり、
Y12は、Arg、Lys、Alaまたは非存在であり、
Y13は、Arg、Cys、Lys、Valまたは非存在であり、
Y14は、Arg、Lys、Pro、Cys、Thrまたは非存在であり、
Y15は、Thr、Argまたは非存在である)
を有するペプチドであり、
Yが、式(III)のペプチドに存在しない場合、X7は、Ileであり、
式(III)の前記化合物は、R、XまたはYにおいて任意選択でペグ化されている)。
ある特定の実施形態では、Rは、メチル、アセチル、ホルミル、ベンゾイル、トリフルオロアセチル、イソバレリル、イソブチリル、オクタニル、ならびにラウリン酸、ヘキサデカン酸およびγ−Glu−ヘキサデカン酸のコンジュゲートされたアミドから選択される。
ある特定の実施形態では、Xは、米国特許第8,435,941号に表記されているアミノ酸配列を含まないおよび/またはこれからならない。
一部の実施形態では、式(III)の化合物またはペプチドは、2個またはそれ超のシステイン残基を含み、前記システイン残基のうち少なくとも2個は、ジスルフィド結合により連結される。
一部の実施形態では、Xは、本明細書に記載されている式(IIIa)(式中、
X1は、Asp、Ala、Ida、pGlu、bhAsp、Leu、D−Aspまたは非存在であり、
X2は、Thr、AlaまたはD−Thrであり、
X3は、His、LysまたはD−Hisであり、
X4は、Phe、AlaまたはDpaであり、
X5は、Pro、Gly、Arg、Lys、Ala、D−ProまたはbhProであり、
X6は、Ile、Cys、Arg、Lys、D−IleまたはD−Cysであり、
X7は、Cys、Ile、Leu、Val、Phe、D−IleまたはD−Cysであり、
X8は、Ile、Arg、Phe、Gln、Lys、Glu、Val、LeuまたはD−Ileであり、
X9は、PheまたはbhPheであり、
X10は、Lys、Pheまたは非存在である)
に従ったペプチド配列である。
一部の実施形態では、Xは、式(IIIb)
X1−Thr−His−X4−X5−X6−X7−X8−Phe−X10(IIIb) 配列番号27
(式中、
X1は、Asp、Ida、pGlu、bhAspまたは非存在であり、
X4は、PheまたはDpaであり、
X5は、ProまたはbhProであり、
X6は、Ile、CysまたはArgであり、
X7は、Cys、Ile、LeuまたはValであり、
X8は、Ile、Lys、Glu、Phe、GlnまたはArgであり、
X10は、Lys、Pheまたは非存在である)
を有するペプチド配列である。
一部の実施形態では、Xは、本明細書に記載されている式(IIIb)(式中、
X1は、Asp、Glu、Ida、pGlu、bhAspまたは非存在であり、
X4は、PheまたはDpaであり、
X5は、ProまたはbhProであり、
X6は、Ile、CysまたはArgであり、
X7は、Cys、Ile、LeuまたはValであり、
X8は、Ile、Lys、Glu、Phe、GlnまたはArgであり、
X10は、Lysまたは非存在である)
に従ったペプチド配列である。
一部の実施形態では、Xは、式(IIIc)
X1−Thr−His−X4−X5−Cys−Ile−X8−Phe−X10(IIIc) 配列番号571
(式中、
X1は、Asp、Glu、Ida、pGlu、bhAspまたは非存在であり、
X4は、PheまたはDpaであり、
X5は、ProまたはbhProであり、
X8は、Ile、Lys、Glu、Phe、GlnまたはArgであり、
X10は、Lysまたは非存在である)
を有するペプチド配列である。
一部の実施形態では、Xは、式(IIId)
X1−Thr−His−Phe−X5−Cys−Ile−X8−Phe−X10(IIId) 配列番号572
(式中、
X1は、Asp、GluまたはIdaであり、
X4は、Pheであり、
X5は、ProまたはbhProであり、
X8は、Ile、LysまたはPheであり、
X10は、非存在である)
を有するペプチド配列である。
一部の実施形態では、Yは、式IIIn
Y1−Y2−Y3−Y4−Y5−Y6−Y7−Y8−Cys−Y10(IIIn) 配列番号573
(式中、
Y1は、Gly、Ala、Lys、ProまたはD−Proであり、
Y2は、Pro、AlaまたはGlyであり、
Y3は、Arg、Ala、LysまたはTrpであり、
Y4は、Ser、GlyまたはAlaであり、
Y5は、Lys、Met、ArgまたはAlaであり、
Y6は、Gly、ArgまたはAlaであり、
Y7は、Trp、Alaまたは非存在であり、
Y8は、Val、Thr、Lys、Ala、Gluまたは非存在であり、
Y10は、Met、Lysまたは非存在である)
を有するペプチド配列である。
一部の実施形態では、Yは、本明細書に記載されている式(IIIn)
(式中、
Y1は、Gly、Ala、Lys、ProまたはD−Proであり、
Y2は、Pro、AlaまたはGlyであり、
Y3は、Arg、Ala、LysまたはTrpであり、
Y4は、Ser、GlyまたはAlaであり、
Y5は、Lys、Met、ArgまたはAlaであり、
Y6は、Gly、ArgまたはAlaであり、
Y7は、TrpまたはAlaであり、
Y8は、Val、Thr、AlaまたはGluであり、
Y10は、Met、Lysまたは非存在である)
に従ったペプチド配列である。
一部の実施形態では、Yは、式(IIIo)
Y1−Y2−Y3−Ser−Lys−Gly−Trp−Y8−Cys−Y10(IIIo) 配列番号574
(式中、
Y1は、Gly、ProまたはD−Proであり、
Y2は、ProまたはGlyであり、
Y3は、ArgまたはLysであり、
Y8は、ValまたはThrであり、
Y10は、Met、Lysまたは非存在である)
を有するペプチド配列である。
一部の実施形態では、Yは、式(IIIp)
Y1−Cys−Y3−Y4−Arg−Y6−Y7−Y8−Cys−Y10−Y11−Y12−Y13−Y14−Y15(IIIp) 配列番号575
(式中、
Y1は、Val、Alaまたは非存在であり、
Y3は、Gly、Proまたは非存在であり、
Y4は、His、TrpまたはTyrであり、
Y6は、Ser、GlyまたはProであり、
Y7は、Ile、GlyまたはLysであり、
Y8は、Gly、Metまたは非存在であり、
Y10は、TyrまたはCysであり、
Y11は、Arg、Lys、MetまたはAlaであり、
Y12は、ArgまたはAlaであり、
Y13は、CysまたはValまたは非存在であり、
Y14は、Cys、Lys、Pro、Arg、Thrまたは非存在であり、
Y15は、Arg、Thrまたは非存在である)
を有するペプチド配列である。
一部の実施形態では、Yは、式(IIIq)
Val−Cys−Y3−His−Arg−Y6−Y7−Y8−Cys−Tyr−Arg−Y12−Y13−Y14−Y15(IIIq) 配列番号
(式中、
Y3は、Glyまたは非存在であり、
Y6は、SerまたはProであり、
Y7は、IleまたはLysであり、
Y8は、Glyまたは非存在であり、
Y12は、ArgまたはAlaであり、
Y13は、Cys、Valまたは非存在であり、
Y14は、Cys、Arg、Thrまたは非存在であり、
Y15は、Argまたは非存在である)
を有するペプチド配列である。
一部の実施形態では、Yは、式(IIIr)
Y1−Pro−Y3−Ser−Y5−Y6−Y7−Y8−Cys−Y10(IIIr) 配列番号576
(式中、
Y1は、Gly、Glu、ValまたはLysであり、
Y3は、ArgまたはLysであり、
Y5は、ArgまたはLysであり、
Y6は、Gly、Ser、Lys、IleまたはArgであり、
Y7は、Trpまたは非存在であり、
Y8は、Val、Thr、Asp、Gluまたは非存在であり、
Y10は、Lysまたは非存在である)
を有するペプチド配列である。
一部の実施形態では、Yは、式(IIIs)
Y1−Pro−Y3−Ser−Y5−Y6−Y7−Y8−Cys−Y10(IIIs) 配列番号577
(式中、
Y1は、GluまたはLysであり、
Y3は、ArgまたはLysであり、
Y5は、ArgまたはLysであり、
Y6は、Gly、Ser、Lys、IleまたはArgであり、
Y7は、Trpまたは非存在であり、
Y8は、Valまたは非存在であり、
Y10は、Lysまたは非存在である)
を有するペプチド配列である。
一部の実施形態では、式(III)のペプチドは、Yにおいて少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14または少なくとも15個のY残基を含む。
一部の実施形態では、Y1〜Y3は、存在し、Y4〜Y15は、存在しない。
一部の実施形態では、Y1〜Y11は、存在し、Y12〜Y15は、存在しない。
一部の実施形態では、Y1〜Y10は、存在し、Y11〜Y15は、存在しない。
一部の実施形態では、Y8およびY15は、存在しない。
一部の実施形態では、Y3およびY15は、存在しない。
一部の実施形態では、Y3、Y14およびY15は、存在しない。
一部の実施形態では、Y5は、存在しない。
一部の実施形態では、Y1、Y5、Y7、Y12、Y13、Y14およびY15は、存在しない。
一部の実施形態では、Y1、Y5およびY7は、存在しない。一部の実施形態では、Y8は、存在しない。一部の実施形態では、Y3は、存在しない。一部の実施形態では、Y1、Y5、Y7およびY11〜Y15は、存在しない。一部の実施形態では、Y8およびY11〜Y15は、存在しない。一部の実施形態では、Y3およびY11〜Y15は、存在しない。
ある特定の実施形態では、本発明のペプチド二量体ヘプシジンアナログは、次の構造式:
−X−Y−R(IV) 配列番号10
(式中、Rは、水素、C1〜C6アルキル、C6〜C12アリール、C6〜C12アリールC1〜C6アルキルまたはC1〜C20アルカノイルであり、ペグ化バージョンを単独でまたは前述のもののいずれかのスペーサーとして含み、
は、−NHまたは−OHであり、
Xは、式(IVa)
X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−X10(IVa) 配列番号11
(式中、
X1は、Asp、Glu、Ala、Gly、Thr、Ida、pGlu、bhAsp、D−Asp、Tyr、Leuまたは非存在であり、
X2は、Thr、Ala、Aib、D−Thr、Argまたは非存在であり、
X3は、His、Lys、AlaまたはD−Hisであり、
X4は、Phe、Ala、Dpa、bhPheまたはD−Pheであり、
X5は、Pro、Glu、Ser、Gly、Arg、Lys、Val、Ala、D−Pro、bhPro、Sarc、Abuまたは非存在であり、
X6は、Ile、Cys、Arg、Leu、Lys、His、Glu、D−Ile、D−Arg、D−Cys、Val、SerまたはAlaであり、
X7は、Cys、Ile、Ala、Leu、Val、Ser、Phe、Dapa、D−IleまたはD−Cysであり、
X8は、Ile、Lys、Arg、Ala、Gln、Phe、Glu、Asp、Tyr、Ser、Leu、Val、D−Ile、D−Lys、D−ArgまたはDapaであり、
X9は、Phe、Ala、Ile、Tyr、Lys、Arg、bhPheまたはD−Pheであり、
X10は、Lys、Pheまたは非存在である)
を有するペプチド配列であり、
ただし、Y’が存在しない場合、X7は、Ileであり、
Yは、存在しないまたは式(IVm):
Y1−Y2−Y3−Y4−Y5−Y6−Y7−Y8−Y9−Y10−Y11−Y12−Y13−Y14−Y15(IVm) 配列番号12
(式中、
Y1は、Gly、Cys、Ala、Phe、Pro、Glu、Lys、D−Pro、Val、Serまたは非存在であり、
Y2は、Pro、Ala、Cys、Glyまたは非存在であり、
Y3は、Arg、Lys、Pro、Gly、His、Ala、Trpまたは非存在であり、
Y4は、Ser、Arg、Gly、Trp、Ala、His、Tyrまたは非存在であり、
Y5は、Lys、Met、Arg、Alaまたは非存在であり、
Y6は、Gly、Ser、Lys、Ile、Arg、Ala、Pro、Valまたは非存在であり、
Y7は、Trp、Lys、Gly、Ala、Ile、Valまたは非存在であり、
Y8は、Val、Thr、Gly、Cys、Met、Tyr、Ala、Glu、Lys、Asp、Argまたは非存在であり、
Y9は、Cys、Tyrまたは非存在であり、
Y10は、Met、Lys、Arg、Tyrまたは非存在であり、
Y11は、Arg、Met、Cys、Lysまたは非存在であり、
Y12は、Arg、Lys、Alaまたは非存在であり、
Y13は、Arg、Cys、Lys、Valまたは非存在であり、
Y14は、Arg、Lys、Pro、Cys、Thrまたは非存在であり、
Y15は、Thr、Argまたは非存在である)
を有するペプチドであり、
式(IV)の前記化合物は、R、XまたはYにおいて任意選択でペグ化されており、
式(IV)の前記化合物が、2個またはそれ超のシステイン残基を含む場合、前記システイン残基のうち少なくとも2個は、ジスルフィド結合により連結されている)
を含む、これから本質的になるまたはこれからなるか、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物である、リシンリンカーを介して連結された2個のペプチド単量体サブユニットを含む。
ある特定の実施形態では、Rは、メチル、アセチル、ホルミル、ベンゾイル、トリフルオロアセチル、イソバレリル、イソブチリル、オクタニル、ならびにラウリン酸、ヘキサデカン酸およびγ−Glu−ヘキサデカン酸のコンジュゲートされたアミドから選択される。
一部の実施形態では、R’は、水素、イソ吉草酸、イソ酪酸またはアセチルである。
ある特定の実施形態では、Xは、米国特許第8,435,941号に表記されているアミノ酸配列を含まないまたはこれからならないのいずれか一方または両方である。
式(IV)のペプチド化合物の一部の実施形態では、Xは、式(IVa)(式中、
X1は、Asp、Ala、Ida、pGlu、bhAsp、Leu、D−Aspまたは非存在であり、
X2は、Thr、AlaまたはD−Thrであり、
X3は、His、Lys、D−HisまたはLysであり、
X4は、Phe、Ala、DpaまたはD−Pheであり、
X5は、Pro、Gly、Arg、Lys、Ala、D−ProまたはbhProであり、
X6は、Ile、Cys、Arg、Lys、D−IleまたはD−Cysであり、
X7は、Cys、Ile、Leu、Val、Phe、D−IleまたはD−Cysであり、
X8は、Ile、Arg、Phe、Gln、Lys、Glu、Val、LeuまたはD−Ileであり、
X9は、PheまたはbhPheであり、
X10は、Lys、Pheまたは非存在である)
に従ったペプチド配列である。
式IVのペプチド化合物の一部の実施形態では、Xは、式(IVb)
X1−Thr−His−X4−X5−X6−X7−X8−Phe−X10(IVb) 配列番号578
(式中、
X1は、Asp、Ida、pGlu、bhAspまたは非存在であり、
X4は、PheまたはDpaであり、
X5は、ProまたはbhProであり、
X6は、Ile、CysまたはArgであり、
X7は、Cys、Ile、LeuまたはValであり、
X8は、Ile、Lys、Glu、Phe、GlnまたはArgであり、
X10は、Lysまたは非存在である)
を有するペプチド配列である。
式IVのペプチド化合物の一部の実施形態では、Xは、式(IVc)
X1−Thr−His−X4−X5−Cys−Ile−X8−Phe−X10(IVc) 配列番号579
(式中、
X1は、Asp、Ida、pGlu、bhAspまたは非存在であり、
X4は、PheまたはDpaであり、
X5は、ProまたはbhProであり、
X8は、Ile、Lys、Glu、Phe、GlnまたはArgであり、
X10は、Lysまたは非存在である)
を有するペプチド配列である。
式IVのペプチド化合物の一部の実施形態では、Xは、式(IVd)
X1−Thr−His−Phe−X5−Cys−Ile−X8−Phe−X10(IVd) 配列番号580
(式中、
X1は、Asp、GluまたはIdaであり、
X4は、Pheであり、
X5は、ProまたはbhProであり、
X8は、Ile、LysまたはPheであり、
X10は、非存在である)
を有するペプチド配列である。
式IVのペプチド化合物の一部の実施形態では、Yは、式(IVn)
Y1−Y2−Y3−Y4−Y5−Y6−Y7−Y8−Cys−Y10(IVn) 配列番号581
(式中、
Y1は、Gly、Ala、Lys、ProまたはD−Proであり、
Y2は、Pro、AlaまたはGlyであり、
Y3は、Arg、Ala、LysまたはTrpであり、
Y4は、Ser、GlyまたはAlaであり、
Y5は、Lys、Met、ArgまたはAlaであり、
Y6は、Gly、ArgまたはAlaであり、
Y7は、TrpまたはAlaであり、
Y8は、Val、Thr、AlaまたはGluであり、
Y10は、Met、Lysまたは非存在である)
を有するペプチド配列である。
式IVのペプチド化合物の一部の実施形態では、Yは、式(IVo)
Y1−Y2−Y3−Ser−Lys−Gly−Trp−Y8−Cys−Y10(IVo) 配列番号582
(式中、
Y1は、Gly、ProまたはD−Proであり、
Y2は、ProまたはGlyであり、
Y3は、ArgまたはLysであり、
Y8は、ValまたはThrであり、
Y10は、Met、Lysまたは非存在である)
を有するペプチド配列である。
式IVのペプチド化合物の一部の実施形態では、Yは、式(IVp)
Y1−Cys−Y3−Y4−Arg−Y6−Y7−Y8−Cys−Y10−Y11−Y12−Y13−Y14−Y15(IVp) 配列番号583
(式中、
Y1は、ValまたはAlaまたは非存在であり、
Y3は、Gly、Proまたは非存在であり、
Y4は、His、TrpまたはTyrであり、
Y6は、Ser、GlyまたはProであり、
Y7は、Ile、GlyまたはLysであり、
Y8は、Gly、Metまたは非存在であり、
Y10は、TyrまたはCysであり、
Y11は、Arg、Lys、MetまたはAlaであり、
Y12は、ArgまたはAlaであり、
Y13は、CysまたはValまたは非存在であり、
Y14は、Cys、Lys、Pro、Arg、Thrまたは非存在であり、
Y15は、Arg、Thrまたは非存在である)
を有するペプチド配列である。
式IVのペプチド化合物の一部の実施形態では、Yは、式(IVq)
Val−Cys−Y3−His−Arg−Y6−Y7−Y8−Cys−Tyr−Arg−Y12−Y13−Y14−Y15(IVq) 配列番号
(式中、
Y3は、Glyまたは非存在であり、
Y6は、SerまたはProであり、
Y7は、IleまたはLysであり、
Y8は、Glyまたは非存在であり、
Y12は、ArgまたはAlaであり、
Y13は、Cys、Valまたは非存在であり、
Y14は、Cys、Arg、Thrまたは非存在であり、
Y15は、Argまたは非存在である)
を有するペプチド配列である。
式IVのペプチド化合物の一部の実施形態では、Yは、式(IVr)
Y1−Pro−Y3−Ser−Y5−Y6−Y7−Y8−Cys−Y10(IVr) 配列番号
(式中、
Y1は、Gly、Glu、ValまたはLysであり、
Y3は、ArgまたはLysであり、
Y5は、ArgまたはLysであり、
Y6は、Gly、Ser、Lys、IleまたはArgであり、
Y7は、Trpまたは非存在であり、
Y8は、Val、Thr、Asp、Gluまたは非存在であり、
Y10は、Lysまたは非存在である)
を有するペプチド配列である。
式IVのペプチド化合物の一部の実施形態では、Yは、式(IVs)
Y1−Pro−Y3−Ser−Y5−Y6−Y7−Y8−Cys−Y10(IVs) 配列番号
(式中、
Y1は、GluまたはLysであり、
Y3は、ArgまたはLysであり、
Y5は、ArgまたはLysであり、
Y6は、Gly、Ser、Lys、IleまたはArgであり、
Y7は、Trpまたは非存在であり、
Y8は、Valまたは非存在であり、
Y10は、Lysまたは非存在である)
を有するペプチド配列である。
一部の実施形態では、式IVのペプチドは、Yにおいて少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14または少なくとも15個のY残基を含む。
一部の実施形態では、Y1〜Y3は、存在し、Y4〜Y15は、存在しない。
一部の実施形態では、Y1〜Y11は、存在し、Y12〜Y15は、存在しない。
一部の実施形態では、Y1〜Y10は、存在し、Y11〜Y15は、存在しない。
一部の実施形態では、Y8およびY15は、存在しない。
一部の実施形態では、Y3およびY15は、存在しない。
一部の実施形態では、Y3、Y14およびY15は、存在しない。
一部の実施形態では、Y5は、存在しない。
一部の実施形態では、Y1、Y5、Y7、Y12、Y13、Y14およびY15は、存在しない。
ある特定の実施形態では、本発明のペプチド二量体ヘプシジンアナログは、次の構造式:
−X−Y−R(V) 配列番号13
(式中、
は、水素、C1〜C6アルキル、C6〜C12アリール、C6〜C12アリールC1〜C6アルキルまたはC1〜C20アルカノイルであり、ペグ化バージョンを単独でまたは前述のもののいずれかのスペーサーとして含み、
は、−NHまたは−OHであり、
Xは、式(Va)
X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−X10(Va) 配列番号14
(式中、
X1は、Asp、Glu、Ala、Gly、Thr、Ida、pGlu、bhAsp、D−Asp、Tyr、Leuまたは非存在であり、
X2は、Thr、Ala、Aib、D−Thr、Argまたは非存在であり、
X3は、His、Lys、Ala、D−HisまたはLysであり、
X4は、Phe、Ala、Dpa、bhPheまたはD−Pheであり、
X5は、Pro、Glu、Ser、Gly、Arg、Lys、Val、Ala、D−Pro、bhPro、Sarc、Abuまたは非存在であり、
X6は、Ile、Cys、Arg、Leu、Lys、His、Glu、D−Ile、D−Arg、D−Cys、Val、SerまたはAlaであり、
X7は、Cys、Ile、Ala、Leu、Val、Ser、Phe、Dapa、D−IleまたはD−Cysであり、
X8は、Ile、Lys、Arg、Ala、Gln、Phe、Glu、Asp、Tyr、Ser、Leu、Val、D−Ile、D−Lys、D−ArgまたはDapaであり、
X9は、Phe、Ala、Ile、Tyr、Lys、Arg、bhPheまたはD−Pheであり、
X10は、Lys、Pheまたは非存在である)
を有するペプチド配列であり、
Yは、存在するまたは存在せず、ただし、Yが存在しない場合、X7は、Ileであり、
式Vの前記化合物は、R、XまたはYにおいて任意選択でペグ化されており、
式Vの前記化合物が、2個またはそれ超のシステイン残基を含む場合、前記システイン残基のうち少なくとも2個は、ジスルフィド結合により連結されている)
を含む、これから本質的になるまたはこれからなるか、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物である、リシンリンカーを介して連結された2個のペプチド単量体サブユニットを含む。
ある特定の実施形態では、Rは、メチル、アセチル、ホルミル、ベンゾイル、トリフルオロアセチル、イソバレリル、イソブチリル、オクタニル、ならびにラウリン酸、ヘキサデカン酸およびγ−Glu−ヘキサデカン酸のコンジュゲートされたアミドから選択される。
一部の実施形態では、R’は、水素、イソ吉草酸、イソ酪酸またはアセチルである。
ある特定の実施形態では、Xは、米国特許第8,435,941号に表記されているアミノ酸配列を含まないまたはこれからならないのいずれか一方または両方である。
式(V)の化合物の一部の実施形態では、Xは、式(Va)
(式中、
X1は、Asp、Ala、Ida、pGlu、bhAsp、Leu、D−Aspまたは非存在であり、
X2は、Thr、AlaまたはD−Thrであり、
X3は、His、LysまたはD−Hisであり、
X4は、Phe、AlaまたはDpaであり、
X5は、Pro、Gly、Arg、Lys、Ala、D−ProまたはbhProであり、
X6は、Ile、Cys、Arg、Lys、D−IleまたはD−Cysであり、
X7は、Cys、Ile、Leu、Val、Phe、D−IleまたはD−Cysであり、
X8は、Ile、Arg、Phe、Gln、Lys、Glu、Val、LeuまたはD−Ileであり、
X9は、PheまたはbhPheであり、
X10は、Lysまたは非存在である)
に従ったペプチド配列である。
式(V)の化合物の一部の実施形態では、Xは、式(Vb)
X1−Thr−His−X4−X5−X6−X7−X8−Phe−X10(Vb) 配列番号584
(式中、
X1は、Asp、Ida、pGlu、bhAspまたは非存在であり、
X4は、PheまたはDpaであり、
X5は、ProまたはbhProであり、
X6は、Ile、CysまたはArgであり、
X7は、Cys、Ile、LeuまたはValであり、
X8は、Ile、Lys、Glu、Phe、GlnまたはArgであり、
X10は、Lys、Pheまたは非存在である)
を有するペプチド配列である。
式(V)の化合物の一部の実施形態では、Xは、式(Ic’’)
X1−Thr−His−X4−X5−Cys−Ile−X8−Phe−X10(Vc) 配列番号585
(式中、
X1は、Asp、Ida、pGlu、bhAspまたは非存在であり、
X4は、PheまたはDpaであり、
X5は、ProまたはbhProであり、
X8は、Ile、Lys、Glu、Phe、GlnまたはArgであり、
X10は、Lysまたは非存在である)
を有するペプチド配列である。
式(V)の化合物の一部の実施形態では、Xは、式(Vd)
X1−Thr−His−Phe−X5−Cys−Ile−X8−Phe−X10(Vd) 配列番号586
(式中、
X1は、Asp、GluまたはIdaであり、
X4は、Pheであり、
X5は、ProまたはbhProであり、
X8は、Ile、LysまたはPheであり、
X10は、非存在である)
を有するペプチド配列である。
Yが存在する式(V)の化合物の実施形態では、Yは、式(Vm)
Y1−Y2−Y3−Y4−Y5−Y6−Y7−Y8−Cys−Y10(Vm) 配列番号587
(式中、
Y1は、Gly、Ala、Lys、ProまたはD−Proであり、
Y2は、Pro、AlaまたはGlyであり、
Y3は、Arg、Ala、LysまたはTrpであり、
Y4は、Ser、GlyまたはAlaであり、
Y5は、Lys、Met、ArgまたはAlaであり、
Y6は、Gly、ArgまたはAlaであり、
Y7は、Trp、Alaまたは非存在であり、
Y8は、Val、Thr、Lys、Ala、Gluまたは非存在であり、
Y10は、Met、Lysまたは非存在である)
を有するペプチドである。
式(V)の化合物の一部の実施形態では、Yは、式(Vm)(式中、
Y1は、Gly、Glu、ValまたはLysであり、
Y2は、Proであり、
Y3は、ArgまたはLysであり、
Y4は、Serであり、
Y5は、ArgまたはLysであり、
Y6は、Gly、Ser、Lys、IleまたはArgであり、
Y7は、Trpまたは非存在であり、
Y8は、Val、Thr、Asp、Gluまたは非存在であり、
Y10は、Lysまたは非存在である)
に従ったペプチド配列である。
式(V)の化合物の一部の実施形態では、Yは、式(Vm)(式中、
Y1は、GluまたはLysであり、
Y2は、Proであり、
Y3は、ArgまたはLysであり、
Y4は、Serであり、
Y5は、ArgまたはLysであり、
Y6は、Gly、Ser、Lys、IleまたはArgであり、
Y7は、Trpまたは非存在であり、
Y8は、Valまたは非存在であり、
Y10は、Lysまたは非存在である)
に従ったペプチド配列である。
式(V)の化合物の一部の実施形態では、Yは、式(Vm)(式中、
Y1は、Gly、ProまたはD−Proであり、
Y2は、ProまたはGlyであり、
Y3は、ArgまたはLysであり、
Y4は、Serであり、
Y5は、Lysであり、
Y6は、Glyであり、
Y7は、Trpであり、
Y8は、ValまたはThrであり、
Y10は、Met、Lysまたは非存在である)
に従ったペプチド配列である。
式(V)の化合物の一部の実施形態では、Yは、式(Vn):
Y1−Y2−Y3−Ser−Lys−Gly−Trp−Y8−Cys−Y10(Vn) 配列番号588
(式中、
Y1は、Gly、ProまたはD−Proであり、
Y2は、ProまたはGlyであり、
Y3は、ArgまたはLysであり、
Y8は、ValまたはThrであり、
Y10は、Met、Lysまたは非存在である)
を有するペプチド配列である。
一部の実施形態では、式(V)のペプチドは、Yの少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9または少なくとも10アミノ酸残基を含む。一部の実施形態では、Y1〜Y3は、存在し、Y4〜Y10は、存在しない。一部の実施形態では、Y5は、存在しない。一部の実施形態では、Y1、Y5およびY7は、存在しない。一部の実施形態では、Y8は、存在しない。一部の実施形態では、Y3は、存在しない。
ある特定の実施形態では、本発明のペプチド二量体ヘプシジンアナログは、次の構造式VI:
−X−Y−R(VI) 配列番号15
(式中、Rは、水素、C1〜C6アルキル、C6〜C12アリール、C6〜C12アリールC1〜C6アルキルまたはC1〜C20アルカノイルであり、ペグ化バージョンを単独でまたは前述のもののいずれかのスペーサーとして含み、
は、−NHまたは−OHであり、
Xは、式(VIa):
X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−X10(VIa) 配列番号16
(式中、
X1は、Asp、Glu、Idaまたは非存在であり、
X2は、Thr、Ser、Pro、Alaまたは非存在であり、
X3は、His、AlaまたはGluであり、
X4は、PheまたはDpaであり、
X5は、Pro、bhPro、SarcまたはGlyであり、
X6は、Cys、(D)−Cys、Arg、Glu、Phe、Gln、Leu、Val、Lys、Ala、Ser、Dapaまたは非存在であり、
X7は、Cys、(D)−Cys、Arg、Glu、Phe、Gln、Leu、Val、Lys、Ala、Ser、Dapaまたは非存在であり、
X8は、Ile、Arg、Lys、Ala、Gln、Phe、Glu、Asp、Tyr、Ser、Leu、Val、D−Ile、D−Lys、D−Arg、Dapaまたは非存在であり、
X9は、Phe、Ala、Ile、Thr、Tyr、Lys、Arg、bhPhe、D−Pheまたは非存在であり、
X10は、Lys、Pheまたは非存在である)
を有するペプチド配列であり、
Yは、非存在であるかまたは存在し、ただし、Yが存在する場合、Yは、式(VIm)
Y1−Y2−Y3(VIm) 配列番号17
(式中、
Y1は、Ile、Arg、Lys、Ala、Gln、Phe、Glu、Asp、Tyr、Ser、Leu、Val、D−Ile、D−Lys、D−Arg、Dapaまたは非存在であり、
Y2は、Phe、Ala、Ile、Thr、Tyr、Lys、Arg、bhPheまたはD−Pheまたは非存在であり、
Y3は、Lys、Pheまたは非存在である)
を有するペプチドであり、
式VIの前記化合物は、R、XまたはYにおいて任意選択でペグ化されている)
を含む、これから本質的になるまたはこれからなるか、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物である、リシンリンカーを介して連結された2個のペプチド単量体サブユニットを含む。
用語「有する」は、本明細書で使用される場合、「含む」、「からなる」または「から本質的になる」を意味し、各事例におけるこれらの様々な実施形態のそれぞれを包含する。
ある特定の実施形態では、式VIのペプチドアナログは、2個またはそれ超のシステイン残基を含み、前記システイン残基のうち少なくとも2個は、ジスルフィド結合により連結されている。
ある特定の実施形態では、Rは、メチル、アセチル、ホルミル、ベンゾイル、トリフルオロアセチル、イソバレリル、イソブチリル、オクタニル、ならびにラウリン酸、ヘキサデカン酸およびγ−Glu−ヘキサデカン酸のコンジュゲートされたアミドから選択される。
一部の実施形態では、R’は、水素、イソ吉草酸、イソ酪酸またはアセチルである。
ある特定の実施形態では、Xは、米国特許第8,435,941号に表記されているアミノ酸配列を含まないまたはこれからならないのいずれか一方または両方である。
ある特定の実施形態では、本発明の二量体ヘプシジンアナログ、例えば、本発明のリシン二量体ヘプシジンアナログは、フェロポーチン内部移行/分解アッセイEC50値と共に表12において化合物番号1〜361のいずれか1つとして示すアミノ酸配列を有する1または2個のペプチド単量体を含む。
N末端PEG11部分を含むある特定の化合物のため、その合成において次のものを使用した:
ある特定の実施形態では、本発明のリシン二量体ペプチドアナログは、フェロポーチン内部移行/分解アッセイEC50値と共に表10に示す構造を有する、またはそのペプチド配列を含む。
ペプチドアナログコンジュゲートおよびアナログ
ある特定の実施形態では、単量体および二量体の両方を含む本発明のヘプシジンアナログは、親油性置換基およびポリマー部分等、1個または複数のコンジュゲートされた化学置換基を含む。いかなる特定の理論に制約されることも望まないが、親油性置換基が、血流中のアルブミンに結合し、これにより、酵素分解からヘプシジンアナログを遮蔽し、その結果、その半減期を増強することが考えられる。加えて、ポリマー部分が、半減期を増強し、血流中のクリアランスを低下させ、場合によっては、上皮を通る透過性および粘膜固有層における保持を増強することが考えられる。さらに、これらの置換基が、場合によっては、上皮を通る透過性および粘膜固有層における保持を増強し得ることも推察される。当業者は、本発明の文脈において用いられる化合物の調製に適した技法をよく承知しているであろう。非限定的な適した化学の例に関して、例えば、WO98/08871、WO00/55184、WO00/55119、Madsenら(J. Med. Chem.2007年、50巻、6126〜32頁)およびKnudsenら、2000年(J. Med Chem.43巻、1664〜1669頁)を参照されたい。
一実施形態では、本発明のヘプシジンアナログにおける1個または複数のアミノ酸残基(例えば、Lys残基)の側鎖は、親油性置換基にさらにコンジュゲートされる(例えば、共有結合により取り付けられる)。親油性置換基は、アミノ酸側鎖における原子に共有結合され得る、あるいは1個または複数のスペーサーを介してアミノ酸側鎖にコンジュゲートされ得る。スペーサーは、存在する場合、ヘプシジンアナログおよび親油性置換基の間にスペーシングを提供することができる。
ある特定の実施形態では、親油性置換基は、4〜30個のC原子、例えば、少なくとも8または12個のC原子、好ましくは、24個もしくはより少ないC原子または20個もしくはより少ないC原子を有する炭化水素鎖を含む。炭化水素鎖は、直鎖状であっても分枝状であってもよく、飽和であっても不飽和であってもよい。ある特定の実施形態では、炭化水素鎖は、アミノ酸側鎖またはスペーサーへの取り付けの一部を形成する部分、例えば、アシル基、スルホニル基、N原子、O原子またはS原子により置換される。一部の実施形態では、炭化水素鎖は、アシル基により置換され、したがって炭化水素鎖は、アルカノイル基、例えば、パルミトイル、カプロイル(caproyl)、ラウロイル、ミリストイルまたはステアロイルの一部を形成することができる。
親油性置換基は、本発明のヘプシジンアナログにおけるいずれかのアミノ酸側鎖にコンジュゲートすることができる。ある特定の実施形態では、アミノ酸側鎖は、スペーサーまたは親油性置換基と共にエステル、スルホニルエステル、チオエステル、アミドまたはスルホンアミドを形成するためのカルボキシ、ヒドロキシル、チオール、アミドまたはアミン基を含む。例えば、親油性置換基は、Asn、Asp、Glu、Gln、His、Lys、Arg、Ser、Thr、Tyr、Trp、CysまたはDbu、DprまたはOrnにコンジュゲートすることができる。ある特定の実施形態では、親油性置換基は、Lysにコンジュゲートされる。本明細書に提供されている式のいずれかにおけるLysとして示すアミノ酸は、例えば、親油性置換基が付加されるDbu、DprまたはOrnによって置き換えることができる。
本発明のさらなる実施形態では、それに代えてまたはそれに加えて、本発明のヘプシジンアナログにおける1個または複数のアミノ酸残基の側鎖は、例えば、溶解性および/またはin vivoでの(例えば、血漿中の)半減期および/またはバイオアベイラビリティを増加させるために、ポリマー部分にコンジュゲートすることができる。かかる修飾は、治療用タンパク質およびペプチドのクリアランス(例えば、腎クリアランス)を低下させることも公知である。
「ポリエチレングリコール」または「PEG」は、本明細書で使用される場合、一般式H−(O−CH2−CH2)n−OHのポリエーテル化合物である。PEGは、その分子量に応じて、ポリエチレン・オキシド(PEO)またはポリオキシエチレン(POE)としても公知であり、PEO、PEEまたはPOGは、本明細書で使用される場合、エチレンオキシドのオリゴマーまたはポリマーを指す。これら3種の名称は、化学的に同義であるが、PEGは、20,000g/molを下回る分子質量を有するオリゴマーおよびポリマーを指す傾向があり、PEOは、20,000g/molを上回る分子質量を有するポリマーを指し、POEは、いかなる分子質量のポリマーも指す傾向があった。PEGおよびPEOは、その分子量に応じて液体または低融点固体である。本開示を通して、これら3種の名称は、識別不能に使用されている。PEGは、エチレンオキシドの重合によって調製され、300g/mol〜10,000,000g/molの広範な分子量にわたって市販されている。異なる分子量を有するPEGおよびPEOは、異なる用途における使用を見出し、鎖の長さの効果により異なる物理的特性(例えば、粘性)を有するが、その化学的特性は、ほとんど同一である。ポリマー部分は、好ましくは、水溶性(両親媒性または親水性)、無毒性および薬学的に不活性である。適したポリマー部分は、ポリエチレングリコール(PEG)、PEGのホモもしくはコポリマー、PEGのモノメチル置換されたポリマー(mPEG)またはポリオキシエチレングリセロール(POG)を含む。例えば、Int. J. Hematology 68巻:1頁(1998年);Bioconjugate Chem.6巻:150頁(1995年);およびCrit. Rev. Therap. Drug Carrier Sys.9巻:249頁(1992年)を参照されたい。半減期延長の目的のために調製されるPEGも包含され、例えば、モノ−メトキシ終端したポリエチレングリコール(polyethyelene glycol)(mPEG)等、モノ活性化された、アルコキシ終端したポリアルキレンオキシド(POA);ビス活性化されたポリエチレン・オキシド(グリコール)または他のPEG誘導体も企図される。適したポリマーは、約200〜約40,000に及ぶ重量によって実質的に変動し、通常、本発明の目的のため選択される。ある特定の実施形態では、200〜2,000または200〜500の分子量を有するPEGが使用される。重合プロセスに使用されるイニシエータに応じて、異なる形態のPEGを使用することもでき、例えば、一般的なイニシエータは、単官能メチルエーテルPEGまたはメトキシポリ(エチレングリコール)、省略mPEGである。他の適したイニシエータは、本技術分野で公知であり、本発明における使用に適する。
より低分子量のPEGも、単分散、均一または離散(discrete)と称される純粋オリゴマーとして利用することができる。本発明のある特定の実施形態では、これらが使用される。
異なる幾何学を有するPEGを利用することもできる:分枝状PEGは、中心コア基から発出する3〜10本のPEG鎖を有し;星形PEGは、中心コア基から発出する10〜100本のPEG鎖を有し;櫛形PEGは、ポリマー骨格に垂直にグラフトされた複数のPEG鎖を有する。PEGは、直鎖状となることもできる。PEGの名称に含まれる数は多くの場合、その平均分子量を示す(例えば、n=9を有するPEGは、およそ400ダルトンの平均分子量を有し、PEG400と標識されるであろう)。
「ペグ化」は、本明細書で使用される場合、本発明のヘプシジンアナログへのPEG構造のカップリング(例えば、共有結合による)の作用であり、これは、ある特定の実施形態では、「ペグ化されたヘプシジンアナログ」と称される。ある特定の実施形態では、ペグ化された側鎖のPEGは、約200〜約40,000の分子量を有するPEGである。一部の実施形態では、式I、式I’または式I’’のペプチドのスペーサーは、ペグ化されている。ある特定の実施形態では、ペグ化されたスペーサーのPEGは、PEG3、PEG4、PEG5、PEG6、PEG7、PEG8、PEG9、PEG10またはPEG11である。ある特定の実施形態では、ペグ化されたスペーサーのPEGは、PEG3またはPEG8である。
一部の実施形態では、本発明は、例えば、クリックケミストリーまたは本技術分野で公知の他のいずれかの適した手段により、アミド、チオールを介して共有結合により取り付けられたPEGとコンジュゲートされたヘプシジンアナログペプチド(またはその二量体)を含む。特定の実施形態では、PEGは、アミド結合により取り付けられ、そのようなものとして、使用されるある特定のPEG誘導体は、適切に官能基を持たされるであろう。例えば、ある特定の実施形態では、O−(2−アミノエチル)−O’−(2−カルボキシエチル)−ウンデカエチレングリコールであるPEG11は、本発明のペプチドへの取り付けのためのアミンおよびカルボン酸の両方を有する。ある特定の実施形態では、PEG25は、二塩基酸および25グリコール部分を含有する。
他の適したポリマー部分は、ポリ−リシン、ポリ−アスパラギン酸およびポリ−グルタミン酸等、ポリ−アミノ酸を含む(例えば、Gombotzら(1995年)Bioconjugate Chem.、6巻:332〜351頁;Hudeczら(1992年)Bioconjugate Chem.、3巻、49〜57頁およびTsukadaら(1984年)J. Natl. Cancer Inst.、73巻:721〜729頁を参照)。ポリマー部分は、直鎖であっても分枝状であってもよい。一部の実施形態では、これは、500〜40,000Da、例えば、500〜10,000Da、1000〜5000Da、10,000〜20,000Daまたは20,000〜40,000Daの分子量を有する。
一部の実施形態では、本発明のヘプシジンアナログは、2個またはそれ超のかかるポリマー部分を含むことができ、この場合、かかる部分全ての総分子量は、一般に、上に示す範囲内に収まるであろう。
一部の実施形態では、ポリマー部分は、アミノ酸側鎖のアミノ、カルボキシルまたはチオール基にカップルすることができる(共有結合による連結により)。ある特定の例は、Cys残基のチオール基およびLys残基のイプシロンアミノ基であり、AspおよびGlu残基のカルボキシル基も関与し得る。
当業者は、カップリング反応の実施に使用することができる適した技法をよく承知しているであろう。例えば、メトキシ基を有するPEG部分は、Nektar Therapeutics ALから市販されている試薬を使用したマレイミド連結によってCysチオール基にカップルすることができる。適した化学の詳細に関しては、WO2008/101017および上に引用されている参考文献も参照されたい。マレイミド官能基を持たせたPEGをCys残基の側鎖スルフヒドリル基にコンジュゲートすることもできる。
ジスルフィド結合酸化は、本明細書で使用される場合、単一のステップ内で行ってもよいし、または2ステッププロセスである。本明細書で使用されるように、単一の酸化ステップのため、トリチル保護基が多くの場合、アセンブリにおいて用いられ、切断中の脱保護と、続く溶液酸化を可能にする。第2のジスルフィド結合が必要とされる場合、ネイティブまたは選択的酸化の選択肢がある。直交性保護基を必要とする選択的酸化のため、Acmおよびトリチルが、システインの保護基として使用される。切断は、システインの1個の保護対の除去をもたらし、この対の酸化を可能にする。次に、システイン保護Acm基の第2の酸化的脱保護ステップが行われる。ネイティブ酸化のため、全システインのためにトリチル保護基が使用され、ペプチドの天然のフォールディングを可能にする。
当業者は、酸化ステップの実施に使用することができる適した技法をよく承知しているであろう。
例示的なヘプシジンアナログペプチド単量体およびヘプシジンアナログペプチド二量体
本発明の例示的なヘプシジンアナログおよびヘプシジンアナログペプチド二量体を表2〜4、6〜10、12、14および15に示す。これらの表は、選択された単量体ヘプシジンアナログおよびヘプシジンアナログペプチド二量体のアミノ酸配列を提示し、場合によっては、ヘプシジンアナログペプチド二量体に存在するリンカー部分を示す。本明細書で論じられているプロトコールに従い、示されているいくつかのヘプシジンアナログ単量体ペプチドおよびヘプシジンアナログペプチド二量体を合成した。in vitroにおけるヒトフェロポーチンタンパク質の内部移行/分解の誘導に関する、選択された単量体ヘプシジンアナログおよびヘプシジンアナログペプチド二量体のIC50値を提示する。
よって、本発明は、フェロポーチン(例えば、ヒトフェロポーチン)に結合または会合し、このトランスポーターの内部移行を誘導する様々なヘプシジンアナログを提供する。
一部の実施形態では、本発明は、本明細書に開示されているペプチド単量体のいずれか1つの二量体を提供する。一実施形態では、本発明は、本明細書に開示されている単量体ペプチド配列のいずれか1つのホモ二量体であるヘプシジンアナログ二量体を提供する。一実施形態では、本発明は、本明細書に開示されているいずれか2種の異なる単量体ペプチド配列のヘテロ二量体であるヘプシジンアナログ二量体を提供する。一実施形態では、本発明は、本明細書に開示されているいずれか1つの単量体ペプチド配列と、野生型ヘプシジンペプチドまたはヘプシジンアナログを含む、ヘプシジン活性を有することが本技術分野で公知の他のいずれかのペプチド配列とのヘテロ二量体であるヘプシジンアナログ二量体を提供する。様々な実施形態では、本発明は、ジスルフィド連結によって二量体形成された、ヘプシジンホモ二量体およびヘテロ二量体を提供する。様々な実施形態では、本発明は、リンカー、例えば、本明細書に開示されているまたは本技術分野で公知のリンカーのいずれか1つまたは複数を介して二量体形成された、ヘプシジンホモ二量体およびヘテロ二量体を提供する。なおさらなる実施形態では、本発明は、1個または複数のジスルフィド連結および1つまたは複数のリンカー、例えば、本明細書に開示されているまたは本技術分野で公知のリンカーのいずれか1つまたは複数によって二量体形成された、ヘプシジンホモ二量体およびヘテロ二量体を提供する。
本発明のヘプシジンアナログは、当業者に公知である多くの技法によって合成することができる。ある特定の実施形態では、単量体サブユニットは、添付の実施例に記載されている技法を使用して合成、精製および二量体形成される。
関連する実施形態では、本発明は、式I〜IXのいずれか1つに表記されている、または表2〜4、6〜10、12、14もしくは15のいずれかに示されている配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。
加えて、本発明は、本発明のポリヌクレオチドを含むベクター、例えば、発現ベクターを含む。
ある特定の実施形態では、本発明は、本明細書に開示されている式のいずれか1つに従った、ヘプシジンアナログ単量体またはかかる単量体を含むホモ二量体もしくはヘテロ二量体を提供し、該単量体は、6位または7位にCysを含み、かかるCysに対し直接的にC末端側のアミノ酸は、Ileを除くいずれかの天然または非天然アミノ酸である。
処置方法
一部の実施形態では、本発明は、ヘプシジンシグナリングの調節不全に関連する疾患または障害を患う対象を処置するための方法であって、本発明のヘプシジンアナログを対象に投与するステップを含む方法を提供する。一部の実施形態では、対象に投与されるヘプシジンアナログは、組成物(例えば、医薬組成物)中に存在する。一実施形態では、フェロポーチンの活性または発現の増加によって特徴付けられる疾患または障害を患う対象を処置するための方法であって、対象におけるフェロポーチンに(部分的にまたは完全に)結合しこれをアゴナイズするのに十分な量の本発明のヘプシジンアナログまたは組成物を個体に投与するステップを含む方法が提供される。一実施形態では、鉄代謝の調節不全によって特徴付けられる疾患または障害を患う対象を処置するための方法であって、本発明のヘプシジンアナログまたは組成物を対象に投与するステップを含む方法が提供される。
一部の実施形態では、本発明の方法は、本発明のヘプシジンアナログまたは組成物を、それを必要とする対象に与えるステップを含む。特定の実施形態では、それを必要とする対象は、鉄レベルの調節不全によって特徴付けられる疾患または障害(例えば、鉄代謝の疾患または障害;鉄過剰に関連する疾患または障害;および異常ヘプシジン活性または発現に関連する疾患または障害)の発症リスクがあると診断されている、または決定されている。特定の実施形態では、対象は、哺乳動物(例えば、ヒト)である。
ある特定の実施形態では、疾患または障害は、例えば、鉄過剰疾患、鉄欠乏障害、鉄体内分布の障害、または鉄代謝の別の障害および鉄代謝に潜在的に関連する他の障害等、鉄代謝の疾患である。特定の実施形態では、鉄代謝の疾患は、ヘモクロマトーシス、HFE突然変異ヘモクロマトーシス、フェロポーチン突然変異ヘモクロマトーシス、トランスフェリン受容体2突然変異ヘモクロマトーシス、ヘモジュベリン突然変異ヘモクロマトーシス、ヘプシジン突然変異ヘモクロマトーシス、若年性ヘモクロマトーシス、新生児ヘモクロマトーシス、ヘプシジン欠乏、輸血鉄過剰、サラセミア、中間型サラセミア、アルファサラセミア、ベータサラセミア、鉄芽球性貧血、ポルフィリン症、晩発性皮膚ポルフィリン症、アフリカ鉄過剰、高フェリチン血症、セルロプラスミン欠乏、無トランスフェリン血症、先天性赤血球異形成貧血、慢性疾患の貧血、炎症の貧血、感染症の貧血、低色素性小球性貧血、鉄欠乏貧血、鉄不応性鉄欠乏貧血、慢性腎臓疾患の貧血、輸血依存性貧血、溶血性貧血、エリスロポエチン抵抗性、肥満の鉄欠乏、他の貧血、ヘプシジンを過剰産生するまたはその過剰産生を誘導する良性または悪性腫瘍、ヘプシジン過剰による状態、フリートライヒ運動失調症、虚弱症候群、ハラーホルデン・スパッツ病、ウィルソン病、肺ヘモジデリン沈着症、肝細胞癌、がん(例えば、肝臓がん)、肝炎、肝臓硬変、異食症、慢性腎不全、インスリン抵抗性、糖尿病、粥状動脈硬化、神経変性障害、認知症、多発性硬化症、パーキンソン病、ハンチントン病またはアルツハイマー病である。
ある特定の実施形態では、疾患または障害は、鉄ヘモクロマトーシス、HFE突然変異ヘモクロマトーシス、フェロポーチン突然変異ヘモクロマトーシス、トランスフェリン受容体2突然変異ヘモクロマトーシス、ヘモジュベリン突然変異ヘモクロマトーシス、ヘプシジン突然変異ヘモクロマトーシス、若年性ヘモクロマトーシス、新生児ヘモクロマトーシス、ヘプシジン欠乏、輸血鉄過剰、サラセミア、中間型サラセミア、アルファサラセミア等、鉄過剰疾患に関連する。
ある特定の実施形態では、疾患または障害は、鉄関連として典型的には同定されない疾患または障害である。例えば、ヘプシジンは、マウス膵臓において高度に発現され、糖尿病(I型またはII型)、インスリン抵抗性、グルコース不耐性および他の障害が、根底にある鉄代謝障害を処置することにより寛解され得ることを示唆する。参照により本明細書に組み込まれるIlyin, G.ら(2003年)FEBS Lett.542巻22〜26頁を参照されたい。したがって、本発明のペプチドは、これらの疾患および状態の処置に使用することができる。当業者であれば、参照により本明細書に組み込まれるWO2004092405のアッセイ、ならびに参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,534,764号に記載されているアッセイ等、本技術分野で公知であるヘプシジン、ヘモジュベリンまたは鉄レベルおよび発現をモニターするアッセイを含む本技術分野で公知の方法を使用して、本発明に係るペプチドにより所与の疾患を処置することができるか容易に決定することができる。
ある特定の実施形態では、疾患または障害は、閉経後骨粗鬆症である。
本発明のある特定の実施形態では、鉄代謝の疾患は、遺伝性ヘモクロマトーシス、鉄負荷性貧血、アルコール性肝臓疾患、心疾患および/または不全、心筋症ならびに慢性C型肝炎を含む鉄過剰疾患である。
特定の実施形態では、これらの疾患、障害または徴候のいずれかは、ヘプシジンの欠乏または鉄過剰に起因するまたはこれに関連する。
一部の実施形態では、本発明の方法は、本発明のヘプシジンアナログ(すなわち、第1の治療剤)を第2の治療剤と組み合わせて、それを必要とする対象に与えるステップを含む。ある特定の実施形態では、第2の治療剤は、医薬組成物が対象に投与される前におよび/またはこれと同時におよび/またはその後に対象に与えられる。特定の実施形態では、第2の治療剤は、鉄キレーターである。ある特定の実施形態では、第2の治療剤は、鉄キレーターデフェロキサミンおよびデフェラシロクス(Exjade(商標))から選択される。別の実施形態では、本方法は、第3の治療剤を対象に投与するステップを含む。
本発明は、本発明の1つまたは複数のヘプシジンアナログを含む組成物(例えば、医薬組成物)を提供する。
ある特定の実施形態では、本組成物は、本明細書に開示されている2種またはそれ超のヘプシジンアナログを含む。ある特定の実施形態では、組合せは、次のうち1つから選択される:(i)例えば、表2〜4、6〜10、12、14もしくは15に開示されているもののいずれか1つ等、ヘプシジンアナログペプチド単量体のいずれか2種もしくはそれ超、またはこれらに示すいずれかの単量体の二量体;(ii)表2〜4または6〜10、12、14または15に開示されているヘプシジンアナログペプチド二量体のいずれか2種またはそれ超;(iii)本明細書に開示されているヘプシジンアナログペプチド単量体のいずれか1つまたは複数、および本明細書に開示されているヘプシジンアナログペプチド二量体のいずれか1つまたは複数。
ある特定の実施形態では、本発明は、本発明の1つまたは複数のヘプシジンアナログと、薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤とを含む医薬組成物を含む。薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤は、いずれかの種類の、無毒性固体、半固体もしくは液体のフィラー、希釈剤、カプセル被包材料または製剤補助剤を指す。微生物の作用の予防は、様々な抗細菌および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノールソルビン酸その他の包接によって確実にすることができる。糖、塩化ナトリウムその他等、等張剤を含むことが望ましい場合もある。
用語「薬学的に許容される担体」は、標準医薬品担体のいずれかを含む。治療用途のための薬学的に許容される担体は、医薬品技術分野において周知であり、例えば、「Remington's Pharmaceutical Sciences」第17版、Alfonso R. Gennaro(編)Mark Publishing Company、Easton、PA、USA、1985年に記載されている。例えば、僅かに酸性または生理的pHの無菌生理食塩水およびリン酸緩衝食塩水を使用することができる。適したpH緩衝剤は、例えば、リン酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、tris(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)、N−tris(ヒドロキシメチル)メチル−3−アミノプロパンスルホン酸(TAPS)、重炭酸アンモニウム、ジエタノールアミン、ヒスチジン、アルギニン、リシンもしくは酢酸塩(例えば、酢酸ナトリウムとして)またはこれらの混合物であってもよい。この用語は、ヒトを含む動物における使用のための米国薬局方(US Pharmacopeia)に収載されているいずれかの担体剤をさらに包含する。
医薬組成物における本発明のヘプシジンアナログ(すなわち、本発明の1つもしくは複数のヘプシジンアナログペプチド単量体または本発明の1つもしくは複数のヘプシジンアナログペプチド二量体)の包接は、本発明のヘプシジンアナログの薬学的に許容される塩または溶媒和化合物の包接も包含することを理解されたい。特定の実施形態では、医薬組成物は、1つまたは複数の薬学的に許容される担体、賦形剤またはビヒクルをさらに含む。
ある特定の実施形態では、本発明は、本明細書または他所に開示されている(例えば、本明細書における処置方法を参照)種々の状態、疾患または障害を処置するための、ヘプシジンアナログまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物を含む医薬組成物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、本明細書の他の箇所に開示されている(例えば、本明細書における処置方法を参照)種々の状態、疾患または障害を処置するための、ヘプシジンアナログペプチド単量体またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物を含む医薬組成物を提供する。特定の実施形態では、本発明は、本明細書の他の箇所に開示されている(例えば、本明細書における処置方法を参照)種々の状態、疾患または障害を処置するための、ヘプシジンアナログペプチド二量体またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物を含む医薬組成物を提供する。
本発明のヘプシジンアナログは、貯蔵ありまたななしの投与に適した、薬学的に許容される担体、賦形剤またはビヒクルと共に治療有効量の少なくとも1つの本発明のヘプシジンアナログを典型的に含む医薬組成物として製剤化することができる。
一部の実施形態では、本発明のヘプシジンアナログ医薬組成物は、単位剤形にある。かかる形態において、組成物は、適切な量の活性構成成分(単数または複数)を含有する単位用量に分割される。単位剤形は、包装された調製物として提示することができ、このような包装は、別々の量の調製物、例えば、包装された錠剤、カプセルまたはバイアルもしくはアンプルに入れた粉末を含有する。単位剤形は、例えば、カプセル、カシェー(cachet)もしくは錠剤それ自体であってもよく、または適切な数のこのような包装された形態のいずれかであってもよい。単位剤形は、単一用量の注射用形態、例えば、液相(典型的には水性)組成物を含有するペン型(pen)装置の形態で提供することもできる。組成物は、いずれか適した投与経路および手段、例えば、本明細書に開示されている投与経路および手段のいずれか1つのために製剤化することができる。
特定の実施形態では、ヘプシジンアナログまたはヘプシジンアナログを含む医薬組成物は、徐放マトリックスにおいて懸濁される。徐放マトリックスは、本明細書で使用される場合、酵素もしくは酸に基づく加水分解によってまたは溶解によって分解可能な材料、通常ポリマーでできたマトリックスである。体内に挿入されると、マトリックスは、酵素および体液に作用される。徐放マトリックスは、望ましくは、リポソーム、ポリラクチド(ポリ乳酸)、ポリグリコリド(polyglycolide)(グリコール酸のポリマー)、ポリラクチドco−グリコリド(乳酸およびグリコール酸のコポリマー)ポリ酸無水物、ポリ(オルト)エステル、ポリペプチド、ヒアルロン酸、コラーゲン、コンドロイチン硫酸、カルボン酸、脂肪酸、リン脂質、多糖、核酸、ポリアミノ酸、フェニルアラニン、チロシン、イソロイシン等のアミノ酸、ポリヌクレオチド、ポリビニルプロピレン、ポリビニルピロリドンおよびシリコーン等、生体適合性材料から選択される。生分解性マトリックスの一実施形態は、ポリラクチド、ポリグリコリドまたはポリラクチドco−グリコリド(乳酸およびグリコール酸のコポリマー)のいずれか一方のマトリックスである。
ある特定の実施形態では、組成物は、経腸的または非経口的に投与される。特定の実施形態では、組成物は、経口、大槽内、腟内、腹腔内、直腸内、局所的(硝子体内、鼻腔内および吸入による送達を含む、粉末、軟膏、液滴、坐剤または経皮パッチによるような)または頬側投与される。用語「非経口的」は、本明細書で使用される場合、静脈内、筋肉内、腹腔内、胸骨内(intrasternal)、皮下、皮内および関節内注射および注入を含む投与様式を指す。したがって、ある特定の実施形態では、組成物は、これらの投与経路のいずれかによる送達のために製剤化される。
ある特定の実施形態では、非経口的注射のための医薬組成物は、薬学的に許容される無菌水性もしくは非水性溶液、分散、懸濁液もしくはエマルション、または使用直前に無菌注射用溶液もしくは分散に再構成するための無菌粉末を含む。適した水性および非水性担体、希釈剤、溶媒またはビヒクルの例として、水、エタノール、ポリオール(グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールその他等)、カルボキシメチルセルロースおよびこれらの適した混合物、ベータ−シクロデキストリン、植物油(オリーブ油等)、ならびにオレイン酸エチル等の注射用有機エステルが挙げられる。適切な流動性は、例えば、レシチン等、コーティング材料の使用によって、分散の場合は要求される粒子径の維持によって、また、界面活性剤の使用によって維持することができる。これらの組成物は、保存料、湿潤剤、乳化剤および分散剤等、アジュバントを含有することもできる。注射用医薬品形態の延長された吸収は、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチン等、吸収を遅延させる薬剤の包接によってもたらすことができる。
注射用デポー形態は、ポリラクチド−ポリグリコリド、ポリ(オルトエステル)、ポリ(無水物)およびPEG等の(ポリ)グリコール等、1つまたは複数の生分解性ポリマーにおけるヘプシジンアナログのマイクロカプセル化マトリックスの形成によって作製された形態を含む。ポリマーに対するペプチドの比および用いられる特定のポリマーの性質に応じて、ヘプシジンアナログの放出速度を制御することができる。デポー注射用製剤は、身体組織と適合性のリポソームまたはマイクロエマルション中にヘプシジンアナログを捕捉することによっても調製される。
注射用製剤は、例えば、細菌保持フィルターを通した濾過によって、または使用直前に無菌水もしくは他の無菌注射用培地に溶解もしくは分散させることができる無菌固体組成物の形態の滅菌剤を取り込むことにより滅菌することができる。
局所的投与は、肺および眼の表面を含む皮膚または粘膜への投与を含む。吸入および鼻腔内のためのものを含む局所的肺投与のための組成物は、水性および非水性製剤における溶液および懸濁液を含むことができ、加圧または非加圧となり得る乾燥粉末として調製することができる。非加圧粉末組成物において、微粉化形態となり得る活性成分は、例えば直径が最大100マイクロメートルのサイズを有する粒子を含むより大型のサイズの薬学的に許容される不活性担体との混合物において使用することができる。適した不活性担体は、ラクトース等、糖を含む。
あるいは、組成物は、加圧されていてよく、窒素または液化ガス噴霧剤等、圧縮ガスを含有してもよい。液化噴霧剤培地および実際に総組成物は、活性成分が、いずれか実質的な程度までその中に溶解しないようなものであり得る。加圧された組成物は、液体もしくは固体非イオン性表面活性剤等、表面活性剤を含有することもできる、または固体アニオン性表面活性剤であってもよい。ナトリウム塩の形態の固体アニオン性表面活性剤を使用することが好ましい。
局所的投与のさらなる形態は、眼に対するものである。ヘプシジンアナログが、十分な期間眼球表面と接触して維持されて、例えば、前房、後房、硝子体、眼房水、硝子体液、角膜、虹彩/毛様体、レンズ、脈絡膜/網膜および強膜等、眼の角膜および内部領域へのヘプシジンアナログの浸透を可能にするように、本発明のヘプシジンアナログは、薬学的に許容される点眼用ビヒクルにおいて送達することができる。薬学的に許容される点眼用ビヒクルは、例えば、軟膏、植物油またはカプセル被包材料であってもよい。あるいは、本発明のヘプシジンアナログは、硝子体液および眼房水へと直接的に注射することができる。
直腸または腟投与のための組成物は、本発明のヘプシジンアナログを、カカオバター、ポリエチレングリコールまたは坐剤用ワックス等、適した非刺激性賦形剤または担体と混合することにより調製することができる坐剤を含み、これは、室温では固体であるが、体温では液体になり、したがって直腸または腟腔において融解し、活性化合物を放出する。
本発明のヘプシジンアナログは、リポソームまたは他の脂質に基づく担体において投与することもできる。本技術分野で公知の通り、リポソームは、一般に、リン脂質または他の脂質物質に由来する。リポソームは、水性培地において分散された単または多重膜水和液晶によって形成される。リポソームを形成することができる、いずれか無毒性の生理的に許容される代謝可能な脂質を使用することができる。リポソーム形態における本組成物は、本発明のヘプシジンアナログに加えて、安定剤、保存料、賦形剤その他を含有することができる。ある特定の実施形態では、脂質は、天然および合成両方の、ホスファチジルコリン(レシチン)およびセリンを含むリン脂質を含む。リポソームを形成するための方法は、本技術分野で公知である。
非経口的投与に適した本発明において使用するべき医薬組成物は、一般に、塩化ナトリウム、グリセリン、グルコース、マンニトール、ソルビトールその他を使用して、レシピエントの血液と等張性にされた、ペプチド阻害剤の無菌水性溶液および/または懸濁液を含むことができる。
一部の態様では、本発明は、経口送達のための医薬組成物を提供する。本発明の組成物およびヘプシジンアナログは、本明細書に記載されている方法、技法および/または送達ビヒクルのいずれかに従って、経口投与のために調製することができる。さらに、当業者であれば、本発明のヘプシジンアナログを、本明細書に開示されていないが、本技術分野で周知であり、ペプチドの経口送達における使用に適合性の系または送達ビヒクルに修飾または統合することができることを認めるであろう。
ある特定の実施形態では、経口投与のための製剤は、腸壁の透過性を人為的に増加させるためのアジュバント(例えば、レゾルシノール、および/またはポリオキシエチレンオレイルエーテルおよびn−ヘキサデシルポリエチレンエーテル等の非イオン性界面活性剤)および/または酵素分解を阻害するための酵素阻害剤(例えば、膵トリプシン阻害剤、ジイソプロピルフルオロリン酸塩(DFF)またはトラジロール)を含むことができる。ある特定の実施形態では、経口投与のための固体型剤形のヘプシジンアナログは、スクロース、ラクトース、セルロース、マンニトール、トレハロース、ラフィノース、マルチトール、デキストラン、デンプン、寒天、アルギン酸塩、キチン、キトサン、ペクチン、トラガントゴム、アラビアゴム、ゼラチン、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、合成もしくは半合成ポリマーまたはグリセリド等、少なくとも1つの添加物と混合することができる。このような剤形は、他の種類(複数可)の添加物、例えば、不活性希釈剤、ステアリン酸マグネシウム等の潤滑剤、パラベン、ソルビン酸、アスコルビン酸、アルファ−トコフェロール等の保存剤、システイン等の抗酸化剤、崩壊薬、結合剤、増粘剤、緩衝剤、pH調整剤、甘味料、調味料または芳香剤を含有することもできる。
特定の実施形態では、本発明のヘプシジンアナログによる使用に適合性の経口剤形または単位用量は、ヘプシジンアナログおよび非薬物構成成分または賦形剤の混合物、ならびに成分または包装のいずれかとして考慮され得る他の再利用不能材料を含むことができる。経口組成物は、液体、固体および半固体剤形のうち少なくとも1つを含むことができる。一部の実施形態では、有効量のヘプシジンアナログを含む経口剤形が提供され、この剤形は、丸剤、錠剤、カプセル、ゲル、ペースト、飲料、シロップ、軟膏および坐剤のうち少なくとも1種を含む。場合によっては、対象の小腸および/または結腸におけるヘプシジンアナログの遅延放出を達成するように設計および構成された経口剤形が提供される。
一実施形態では、本発明のヘプシジンアナログを含む経口医薬組成物は、小腸におけるヘプシジンアナログの放出を遅延させるように設計された腸溶コーティングを含む。少なくとも一部の実施形態では、遅延放出医薬品製剤において本発明のヘプシジンアナログおよびアプロチニン等のプロテアーゼ阻害剤を含む医薬組成物が提供される。場合によっては、本発明の医薬組成物は、約5.0またはそれより高いpHの胃液において可溶性である腸溶コートを含む。少なくとも一実施形態では、ヒドロキシプロピルメチルフタル酸セルロース、酢酸フタル酸セルロースおよび酢酸トリメリト酸(trimellitate)セルロースを含むセルロースの誘導体ならびにセルロースおよび他の炭水化物ポリマーの同様の誘導体等、解離できるカルボキシ(carboxylic)基を有するポリマーを含む腸溶コーティングを含む医薬組成物が提供される。
一実施形態では、本発明のヘプシジンアナログを含む医薬組成物は、腸溶コーティングにおいて提供され、この腸溶コーティングは、対象の胃腸管系下部内において制御された様式で医薬組成物を保護および放出し、全身性副作用を回避するように設計される。腸溶コーティングに加えて、本発明のヘプシジンアナログは、いずれか適合性の経口薬物送達系または構成成分内にカプセル被包、コーティング、係合または他の仕方で会合することができる。例えば、一部の実施形態では、本発明のヘプシジンアナログは、ポリマーハイドロゲル、ナノ粒子、マイクロスフェア、ミセルおよび他の脂質系のうち少なくとも1種を含む脂質担体系において提供される。
小腸におけるペプチド分解を克服するために、本発明の一部の実施形態は、本発明のヘプシジンアナログが含有されるハイドロゲルポリマー担体系を含み、それにより、ハイドロゲルポリマーは、小腸および/または結腸におけるタンパク質分解からヘプシジンアナログを保護する。本発明のヘプシジンアナログは、溶解動態を増加させ、ペプチドの腸吸収を増強するように設計された担体系による適合性使用のためにさらに製剤化することができる。これらの方法は、ペプチドのGI管浸透を増加させるためのリポソーム、ミセルおよびナノ粒子の使用を含む。
様々な生物学的応答系を、本発明の1つまたは複数のヘプシジンアナログと組み合わせて、経口送達のための医薬品を提供することもできる。一部の実施形態では、本発明のヘプシジンアナログを、ハイドロゲルおよび水素結合基を有する粘膜付着性ポリマー(例えば、PEG、ポリ(メタクリル)酸[PMAA]、セルロース、Eudragit(登録商標)、キトサンおよびアルギン酸塩)等、生物学的応答系と組み合わせて使用して、経口投与のための治療剤を提供する。他の実施形態は、本明細書に開示されているヘプシジンアナログのための薬物滞留時間を最適化または延長するための方法を含み、ヘプシジンアナログ表面の表面は、水素結合、連結されたムチンを有するポリマーまたは/および疎水性相互作用により粘膜付着性特性を含むように修飾される。これらの修飾されたペプチド分子は、本発明の所望の特色に従って、対象内における薬物滞留時間の増加を実証することができる。さらに、標的化された粘膜付着性系は、腸細胞およびM細胞表面における受容体に特異的に結合し、これにより、ヘプシジンアナログを含有する粒子の取り込みをさらに増加させることができる。
他の実施形態は、本発明のヘプシジンアナログの経口送達のための方法を含み、ヘプシジンアナログは、傍細胞または経細胞浸透を増加させることにより、腸粘膜を渡ったペプチドの輸送を促進する浸透賦活薬と組み合わせて対象に与えられる。例えば、一実施形態では、浸透賦活薬は、ヘプシジンアナログと組み合わされ、浸透賦活薬は、長鎖脂肪酸、胆汁酸塩、両親媒性界面活性剤およびキレート化剤のうち少なくとも1種を含む。一実施形態では、ナトリウムN−[ヒドロキシベンゾイル)アミノ]カプリル酸塩を含む浸透賦活薬が使用されて、本発明のヘプシジンアナログと弱い非共有結合的会合を形成し、浸透賦活薬は、血液循環に達すると、膜輸送およびさらなる解離を好む。別の実施形態では、本発明のヘプシジンアナログは、オリゴアルギニンにコンジュゲートされ、これにより、様々な細胞型へのペプチドの細胞浸透を増加させる。さらに、少なくとも一実施形態では、本発明のペプチド阻害剤、ならびにシクロデキストリン(CD)およびデンドリマーからなる群から選択される浸透賦活薬の間に非共有結合が配置され、浸透賦活薬は、ペプチド凝集を低下させ、ヘプシジンアナログ分子の安定性および溶解性を増加させる。
本発明の他の実施形態は、増加した半減期を有する本発明のヘプシジンアナログにより対象を処置するための方法を提供する。一態様では、本発明は、治療有効量の毎日(q.d.)または1日2回(b.i.d.)投薬に十分な、in vitroまたはin vivoで(例えば、ヒト対象に投与された場合)少なくとも数時間から1日間の半減期を有するヘプシジンアナログを提供する。別の実施形態では、ヘプシジンアナログは、治療有効量の毎週(q.w.)投薬に十分な、3日間またはそれより長い半減期を有する。さらに、別の実施形態では、ヘプシジンアナログは、治療有効量の隔週(b.i.w.)または毎月投薬に十分な、8日間またはそれより長い半減期を有する。別の実施形態では、ヘプシジンアナログは、非誘導体化または非修飾ヘプシジンアナログと比較してより長い半減期を有するように誘導体化または修飾される。別の実施形態では、ヘプシジンアナログは、血清半減期を増加させるための1つまたは複数の化学修飾を含有する。
本明細書に記載されている処置または送達系のうち少なくとも1つにおいて使用される場合、本発明のヘプシジンアナログは、純粋な形態で、またはかかる形態が存在する場合、薬学的に許容される塩形態で用いることができる。
投薬量
本発明のヘプシジンアナログおよび組成物の1日当たりの総使用量は、健全な医学的判断の範囲内で、主治医によって決断することができる。いずれか特定の対象のための特異的な治療有効用量レベルは、a)処置されている障害および障害の重症度;b)用いられている特異的化合物の活性;c)用いられている特異的組成物、患者の年齢、体重、全般的な健康、性別および食事;d)用いられている特異的ヘプシジンアナログの投与時間、投与経路および排泄速度;e)処置の持続時間;f)用いられる特異的ヘプシジンアナログと組み合わせてまたは同時発生的に使用される薬物、ならびに医学技術分野で周知の同様の因子を含む種々の因子に依存するであろう。
特定の実施形態では、単一または分割用量で、ヒトまたは他の哺乳動物宿主に投与される本発明のヘプシジンアナログの1日当たりの総用量は、例えば、毎日0.0001〜300mg/kg体重または毎日1〜300mg/kg体重の量であり得る。ある特定の実施形態では、本発明のヘプシジンアナログの投薬量は、1〜3用量等、1または複数の用量で投与される、1日当たり約0.0001〜約100mg/kg体重、例えば、1日当たり約0.0005〜約50mg/kg体重等、例えば、1日当たり約0.001〜約10mg/kg体重、例えば、1日当たり約0.01〜約1mg/kg体重等の範囲内である。
様々な実施形態では、本発明のヘプシジンアナログは、連続的に投与することができる(例えば、静脈内投与または別の連続的薬物投与方法によって)、または特定の対象のために当業者によって選択された所望の投薬量および医薬組成物に応じて、間隔、典型的には規則的な時間間隔で対象に投与することができる。規則的な投与投薬間隔は、例えば、1日1回、1日2回、2、3、4、5または6日に1回、1週間に1回または2回、1ヶ月に1回または2回その他を含む。
薬物適用下の対象が、薬物適用レベルを低下させるまたは薬物適用を中止する(「休薬期間(drug holiday)」をとると称されることが多い)ことができるように、本発明のかかる規則的なヘプシジンアナログ投与レジメンは、例えば、慢性長期投与中等、ある状況下では、ある期間、有利になるよう中断することができる。休薬期間は、例えば、特に、長期慢性処置中の薬物に対する感受性の維持もしくは回復に、または薬物による対象の長期慢性処置の望まれない副作用の低下に有用である。休薬期間のタイミングは、規則的な投薬レジメンのタイミングおよび休薬期間をとる目的(例えば、薬物感受性を回復するため、および/または連続的長期投与の望まれない副作用を低下させるため)に依存する。一部の実施形態では、休薬期間は、薬物の投薬量の低下であってもよい(例えば、ある時間間隔で、治療有効量を下回るまで)。他の実施形態では、薬物の投与は、同じまたは異なる投薬レジメン(例えば、より低いまたはより高い用量および/または投与頻度で)を使用して投与が再び開始される前のある時間間隔において中止される。よって、本発明の休薬期間は、広範な期間および投薬量レジメンから選択することができる。例示的な休薬期間は、2日間もしくはそれ超、1もしくは数週間、または1もしくは数ヶ月間、最大で約24ヶ月間の休薬期間である。したがって、例えば、本発明のペプチド、ペプチドアナログまたは二量体による規則的な毎日の投薬レジメンは、例えば、1週間または2週間または4週間の休薬期間によって中断され、その後に、先行する規則的な投薬量レジメン(例えば、毎日または毎週の投薬レジメン)を再開することができる。種々の他の休薬期間レジメンが、本発明のヘプシジンアナログの投与に有用であると想定される。
よって、ヘプシジンアナログは、それぞれの休薬期間フェーズによって分けられた2回またはそれ超の投与フェーズを含む投与体制(regime)により送達することができる。
各投与フェーズ中に、ヘプシジンアナログは、既定の投与パターンに従って治療有効量でレシピエント対象に投与される。投与パターンは、投与フェーズの持続時間にわたるレシピエント対象への薬物の連続的投与を含むことができる。あるいは、投与パターンは、レシピエント対象への複数の用量のヘプシジンアナログの投与を含むことができ、前記用量は、投薬間隔によって間隔をあけられる。
投薬パターンは、投与フェーズ当たり少なくとも2用量、投与フェーズ当たり少なくとも5用量、投与フェーズ当たり少なくとも10用量、投与フェーズ当たり少なくとも20用量、投与フェーズ当たり少なくとも30用量またはそれ超を含むことができる。
前記投薬間隔は、上に提示されている通りであり得る、規則的な投薬間隔であってもよく、本発明のヘプシジンアナログの特定の投薬量製剤、バイオアベイラビリティおよび薬物動態プロファイルに応じて、1日1回、1日2回、2、3、4、5もしくは6日に1回、1週間に1回もしくは2回、1ヶ月に1回もしくは2回、または規則的でさらに低い頻度の投薬間隔を含む。
投与フェーズは、少なくとも2日間、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも4週間、少なくとも1ヶ月間、少なくとも2ヶ月間、少なくとも3ヶ月間、少なくとも6ヶ月間またはそれ超の持続時間を有することができる。
投与パターンが、複数の用量を含む場合、続く休薬期間フェーズの持続時間は、該投与パターンにおいて使用される投薬間隔よりも長い。投薬間隔が不規則である場合、休薬期間フェーズの持続時間は、投与フェーズの経過にわたる用量間の平均間隔よりも大きくてもよい。あるいは、休薬期間の持続時間は、投与フェーズ中の継続的用量間の最長間隔よりも長くてもよい。
休薬期間フェーズの持続時間は、関連する投薬間隔(またはその平均)の少なくとも2倍、関連する投薬間隔またはその平均の少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍または少なくとも20倍であってもよい。
このような制約内で、休薬期間フェーズは、先の投与フェーズ中の投与パターンに応じて、少なくとも2日間、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも4週間、少なくとも1ヶ月間、少なくとも2ヶ月間、少なくとも3ヶ月間、少なくとも6ヶ月間またはそれ超の持続時間を有することができる。
投与体制は、少なくとも2回の投与フェーズを含む。継続的投与フェーズは、それぞれの休薬期間フェーズによって分けられる。よって、投与体制は、それぞれの休薬期間フェーズによってそれぞれ分けられる、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25もしくは少なくとも30回の投与フェーズまたはそれ超を含むことができる。
継続的投与フェーズは、同じ投与パターンを利用することができるが、これは、必ずしも望ましいまたは必要とは限らない場合がある。しかし、他の薬物または活性剤が、本発明のヘプシジンアナログと組み合わせて投与される場合、典型的には、継続的投与フェーズにおいて薬物または活性剤の同じ組合せが与えられる。ある特定の実施形態では、レシピエント対象は、ヒトである。
一部の実施形態では、本発明は、本明細書に開示されている少なくとも1つのヘプシジンアナログを含む組成物および医薬を提供する。一部の実施形態では、本発明は、鉄過剰疾患等、鉄代謝の疾患の処置のための、本明細書に開示されている少なくとも1つのヘプシジンアナログを含む医薬を製造する方法を提供する。一部の実施形態では、本発明は、糖尿病(I型またはII型)、インスリン抵抗性またはグルコース不耐性の処置のための、本明細書に開示されている少なくとも1つのヘプシジンアナログを含む医薬を製造する方法を提供する。哺乳動物対象、好ましくは、ヒト対象等、対象における鉄代謝の疾患を処置する方法であって、本明細書に開示されている少なくとも1つのヘプシジンアナログまたは組成物を対象に投与するステップを含む方法も提供される。一部の実施形態では、ヘプシジンアナログまたは組成物は、治療有効量で投与される。哺乳動物対象、好ましくはヒト対象等、対象における糖尿病(I型またはII型)、インスリン抵抗性またはグルコース不耐性を処置する方法であって、本明細書に開示されている少なくとも1つのヘプシジンアナログまたは組成物を対象に投与するステップを含む方法も提供される。一部の実施形態では、ヘプシジンアナログまたは組成物は、治療有効量で投与される。
一部の実施形態では、本発明は、本明細書に開示されているヘプシジンアナログまたはヘプシジンアナログ組成物(例えば、医薬組成物)を製造するためのプロセスを提供する。
一部の実施形態では、本発明は、対象へのヘプシジンアナログの送達のための、本発明の少なくとも1つのヘプシジンアナログまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物を含む装置を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、フェロポーチンに結合するかまたはフェロポーチンの内部移行および分解を誘導する方法であって、フェロポーチンを本明細書に開示されている少なくとも1つのヘプシジンアナログまたはヘプシジンアナログ組成物と接触させるステップを含む方法を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、試薬、装置、説明材料またはこれらの組合せと共に包装された、本明細書に開示されている少なくとも1つのヘプシジンアナログまたはヘプシジンアナログ組成物(例えば、医薬組成物)を含むキットを提供する。
一部の実施形態では、本発明は、インプラントもしくは浸透圧ポンプにより、カートリッジもしくはマイクロポンプ(micro pump)により、または本技術分野で周知の、当業者によって認められる他の手段により、本発明のヘプシジンアナログまたはヘプシジンアナログ組成物(例えば、医薬組成物)を対象に投与する方法を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、フェロポーチン、好ましくはヒトフェロポーチン、もしくは本明細書に開示されているヘプシジンアナログ、Hep25に特異的に結合する抗体等の抗体、またはこれらの組合せに結合された、本明細書に開示されている少なくとも1つのヘプシジンアナログを含む複合体を提供する。
一部の実施形態では、本発明のヘプシジンアナログは、Fpn内部移行アッセイ内において500nM未満の測定値(例えば、EC50)を有する。当業者であれば了解する通り、ヘプシジンアナログの機能は、ヘプシジンアナログの三次構造および提示される結合表面に依存する。したがって、フォールドに影響しないまたは結合表面に存在しないヘプシジンアナログをコードする配列に微細な変化を生じさせ、機能を維持することが可能である。他の実施形態では、本発明は、活性(例えば、ヘプシジン活性)を示す、またはヘプシジンが関与する疾患の症状または徴候を減弱する、本明細書に記載されているいずれかのヘプシジンアナログのアミノ酸配列に対し、85%またはより高い(例えば、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または99.5%)同一性または相同性を有するヘプシジンアナログを提供する。
他の実施形態では、本発明は、本明細書に提示されている、例えば、表2〜4もしくは表6〜10、12、14もしくは15のいずれか1つにおけるいずれかのヘプシジンアナログ、または本明細書に記載されている式、例えば、式I、II、III、IV、VおよびVIのいずれか1つに従ったペプチドのアミノ酸配列に対し、85%またはより高い(例えば、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または99.5%)同一性または相同性を有するヘプシジンアナログを提供する。
一部の実施形態では、本発明のヘプシジンアナログは、本明細書に記述されている特異的なペプチドアナログ配列のうち1つまたは複数と比較して、多くても10、9、8、7、6、5、4、3、2または1個のアミノ酸置換を有する、その機能断片またはバリアントを含むことができる。
本明細書の実施例に記載されている方法に加えて、本発明のヘプシジンアナログペプチドおよびペプチド二量体は、化学合成、生合成または組換えDNA方法を使用したin vitro合成および固相合成を含む本技術分野で公知の方法を使用して産生することができる。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、KellyおよびWinkler(1990年)Genetic Engineering Principles and Methods、12巻、J. K. Setlow編、Plenum Press、NY、1〜19頁;Merrifield(1964年)J Amer Chem Soc 85巻:2149頁;Houghten(1985年)PNAS USA 82巻:5131〜5135頁;およびStewartおよびYoung(1984年)Solid Phase Peptide Synthesis、第2版、Pierce、Rockford、ILを参照されたい。本発明のヘプシジンアナログは、逆相高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、イオン交換もしくは免疫親和性クロマトグラフィー、濾過または分子ふるいまたは電気泳動等、本技術分野で公知のタンパク質精製技法を使用して精製することができる。参照により本明細書に組み込まれる、Olsnes, S.およびA. Pihl(1973年)Biochem.12巻(16号):3121〜3126頁;ならびにScopes(1982年)Protein Purification、Springer- Verlag、NYを参照されたい。あるいは、本発明のヘプシジンアナログは、本技術分野で公知の組換えDNA技法によって作製することができる。よって、本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、本明細書において企図される。ある特定の好ましい実施形態では、ポリヌクレオチドは、単離される。「単離されたポリヌクレオチド」は、本明細書で使用される場合、ポリヌクレオチドが天然に発生する環境とは異なる環境中に存在するポリヌクレオチドを指す。
次の実施例は、本発明のある特定の特異的な実施形態を実証する。次の実施例は、他に詳細に記載されている場合を除き、当業者にとって周知かつルーチンである標準技法を使用して行われた。これらの実施例は、単なる例示目的のものであり、本発明の条件または範囲に関して全面的に確定的であると主張するものではないことを理解されたい。したがって、これらは、決して本発明の範囲を限定するものと解釈するべきではない。
略称:
DCM:ジクロロメタン
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
NMP:N−メチルピロリドン(pyrolidone)
HBTU:O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸塩
HATU:2−(7−アザ−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸塩
DCC:ジシクロヘキシルカルボジイミド
NHS:N−ヒドロキシ(hydoxy)サクシニミド
DIPEA:ジイソプロピルエチルアミン
EtOH:エタノール
Et2O:ジエチルエーテル
Hy:水素
TFA:トリフルオロ酢酸
TIS:トリイソプロピルシラン
ACN:アセトニトリル
HPLC:高速液体クロマトグラフィー
ESI−MS:エレクトロ(electron)スプレーイオン化質量分析
PBS:リン酸緩衝食塩水
Boc:t−ブトキシカルボニル
Fmoc:フルオレニルメチルオキシカルボニル
Acm:アセトアミドメチル
IVA:イソ吉草酸(またはイソバレリル)
K( ):リシン残基直後の括弧内に化合物または化学基が提示されている、本明細書に提供されているペプチド配列において、この括弧内の化合物または化学基が、リシン残基にコンジュゲートされた側鎖であることを理解されたい。したがって、例えば、決して限定されないが、K−[(PEG8)]−は、PEG8部分が、このリシンの側鎖にコンジュゲートされていることを示す。かかるコンジュゲートされたリシンのいくつかの非限定例に関して、例えば、化合物54および90を参照されたい。
Palm:パルミチン酸(パルミトイル)のコンジュゲーションを示す。
「C( )」は、本明細書で使用される場合、特定のジスルフィド架橋に関与するシステイン残基を指す。例えば、ヘプシジンにおいて、4個のジスルフィド架橋が存在する:第1は、2個のC(1)残基の間に;第2は、2個のC(2)残基の間に;第3は、2個のC(3)残基の間に;第4は、2個のC(4)残基の間に存在する。したがって、一部の実施形態では、ヘプシジンの配列は、次の通りに記載される:
Hy−DTHFPIC(1)IFC(2)C(3)GC(2)C(4)HRSKC(3)GMC(4)C(1)KT−OH(配列番号335);また、他のペプチドの配列も、任意選択で同じ様式で記載することができる。
(実施例1)
ペプチドアナログの合成
他に指定がなければ、次に用いられる試薬および溶媒は、標準研究室試薬または分析グレードで商業的に入手することができ、さらに精製することなく使用した。
ペプチドの固相合成のための手順
最適化された9−フルオレニルメトキシ(methoxy)カルボニル(Fmoc)固相ペプチド合成プロトコールを使用して、本発明のペプチドアナログを化学合成した。ワング(wang)およびトリチル樹脂も使用して、C末端酸を産生したが、C末端アミドのため、リンク(rink)−アミド樹脂を使用した。側鎖保護基は次の通りであった:Glu、ThrおよびTyr:O−tブチル;TrpおよびLys:t−Boc(t−ブチルオキシカルボニル);Arg:N−ガンマ−2,2,4,6,7−ペンタメチルジヒドロベンゾフラン−5−スルホニル;His、Gln、Asn、Cys:トリチル。選択的ジスルフィド架橋形成のため、Acm(アセトアミドメチル)もCys保護基として使用した。カップリングのため、4〜10倍過剰の、DMFにFmocアミノ酸、HBTUおよびDIPEA(1:1:1.1)を含有する溶液を、膨潤した樹脂に添加した[HBTU:O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸塩;DIPEA:ジイソプロピルエチルアミン;DMF:ジメチルホルムアミド]。HBTUの代わりにHATU(O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3,−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸塩)を使用して、困難な領域におけるカップリング効率を改善した。DMF、ピペリジン(2:1)溶液による処理により、Fmoc保護基除去を達成した。
樹脂からのペプチドの切断のための手順
トリフルオロ酢酸、水、エタンジチオールおよびトリ−イソプロピルシラン(90:5:2.5:2.5)を含有する溶液において乾燥樹脂を2〜4時間撹拌することにより、本発明のペプチドアナログ(例えば、化合物No.2)の側鎖脱保護および切断を達成した。TFA除去後に、氷冷ジエチルエーテルを使用してペプチドを沈殿させた。溶液を遠心分離し、エーテルをデカントし、続いて2回目のジエチルエーテル洗浄を行った。0.1%TFA(トリフルオロ酢酸)を含有するアセトニトリル、水の溶液(1:1)にペプチドを溶解し、得られた溶液を濾過した。エレクトロスプレーイオン化質量分析(ESI−MS)を使用して、直鎖状ペプチドの品質を評価した。
ペプチドの精製のための手順
逆相高速液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)を使用して、本発明のペプチド(例えば、化合物No.2)の精製を達成した。流速1mL/分によるC18カラム(3μm、50×2mm)を使用して解析を行った。流速20mL/分によるC18カラム(5μm、250×21.2mm)による分取用RP−HPLCを使用して、直鎖状ペプチドの精製を達成した。AにおけるバッファーB(バッファーA:水性0.05%TFA;バッファーB:水中0.043%TFA、90%アセトニトリル)の直線勾配を使用して、分離を達成した。
ペプチドの酸化のための手順
方法A(単一のジスルフィド酸化)。MeOH中のヨウ素(1mL当たり1mg)を、溶液(ACN:HO、7:3、0.5%TFA)中のペプチドに滴下添加することにより、本発明の保護されていないペプチドの酸化を達成した。2分間撹拌した後に、溶液が清澄になるまでアスコルビン酸を一部ずつ添加し、精製のためのHPLCに試料を直ちにロードした。
方法B(2個のジスルフィドの選択的酸化)。2個以上のジスルフィドが存在する場合、選択的酸化を多くの場合行った。pH7.6のNHCO溶液で1mg/10mLのペプチドにおいて、遊離システインの酸化を達成した。24時間の撹拌後に、精製に先立ち、TFAにより溶液をpH3に酸性化し、続いて凍結乾燥した。次に、得られた単一酸化ペプチド(ACM保護システインを有する)を酸化した/ヨウ素溶液を使用した選択的脱保護。ペプチド(2mL当たり1mg)をMeOH/HO、80:20に溶解し、反応溶媒に溶解されたヨウ素を反応物(最終濃度:5mg/mL)に室温で添加した。この溶液を7分間撹拌し、その後、溶液が清澄になるまでアスコルビン酸を一部ずつ添加した。次に、溶液をHPLCに直接ロードした。
方法C(ネイティブ酸化)。2個以上のジスルフィドが存在し、選択的酸化を行わない場合、ネイティブ酸化を行った。酸化および還元型グルタチオン(ペプチド/GSH/GSSG、1:100:10モル比)の存在下で100mM NH4CO3(pH7.4)溶液によりネイティブ酸化を達成した(ペプチド:GSSG:GSH、1:10、100)。24時間の撹拌後に、RP−HPLC精製に先立ち、TFAにより溶液をpH3に酸性化し、続いて凍結乾燥した。
二量体を産生するためのシステイン酸化の手順。MeOH中のヨウ素(1mL当たり1mg)を、溶液(ACN:H2O、7:3、0.5%TFA)中のペプチドに滴下添加することにより、本発明の保護されていないペプチドの酸化を達成した。2分間撹拌した後に、溶液が清澄になるまでアスコルビン酸を一部ずつ添加し、精製のためのHPLCに試料を直ちにロードした。
二量体形成のための手順
1当量(「eq」と省略)の酸を、NMP(N−メチルピロリドン)中の2.2eqのN−ヒドロキシサクシニミド(NHS)およびジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)の両方で0.1M最終濃度において処理することにより、グリオキシル酸(DIG)、IDAまたはFmoc−β−Ala−IDAをN−ヒドロキシサクシニミドエステルとして予め活性化した。PEG13およびPEG25リンカーのため、活性化されたサクシニミドエステルとして予め形成されたこれらの化学実体を購入した。活性化されたエステル約0.4eqを、NMP中のペプチド(1mg/mL)にゆっくりと一部ずつ添加した。溶液を10分間撹拌したままにし、その後、2〜3個の追加的なアリコートのリンカーほぼ0.05eqをゆっくりと添加した。溶液をさらに3時間撹拌したままにし、その後、真空(vaccuo)下で溶媒を除去し、逆相HPLCにより残渣を精製した。追加的な逆相HPLC精製前に、DMF中の20%ピペリジンにおいてペプチドを撹拌する追加的なステップ(2×10分間)を行った。
当業者であれば、ペプチド合成の標準方法を使用して、本発明の化合物を作製することができることを認めるであろう。
リンカー活性化および二量体形成
ペプチド単量体サブユニットを連結して、後述するヘプシジンアナログペプチド二量体を形成した。
小規模DIGリンカー活性化手順:5mLのNMPを、IDA二塩基酸(304.2mg、1mmol)、N−ヒドロキシサクシニミド(NHS、253.2mg、2.2eq.2.2mmol)および撹拌子を含有するガラスバイアルに添加した。この混合物を室温で撹拌して、固体出発材料を完全に溶解した。次に、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC、453.9mg、2.2eq.、2.2mmol)を混合物に添加した。10分以内に沈殿が出現し、反応混合物を室温で一晩さらに撹拌した。次に、反応混合物を濾過して、沈殿したジシクロヘキシルウレア(DCU)を除去した。二量体形成のための使用に先立ち、活性化されたリンカーを閉じたバイアル中に維持した。活性化されたリンカーの名目上の濃度は、およそ0.20Mであった。
PEGリンカーを使用した二量体形成のために、予め活性化ステップの関与はなかった。市販の予め活性化された二官能性PEGリンカーを使用した。
二量体形成手順:2mLの無水DMFを、ペプチド単量体(0.1mmol)を含有するバイアルに添加した。DIEAによりペプチドのpHを8〜9に調整した。次に、活性化されたリンカー(IDAまたはPEG13、PEG25)(単量体、0.048mmolと比べて0.48eq)を単量体溶液に添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌した。分析HPLCを使用して、二量体形成反応の完了をモニターした。二量体形成反応の完了の時間は、リンカーに応じて変動した。反応完了後に、冷エーテルにおいてペプチドを沈殿させ、遠心分離した。上清エーテル層を廃棄した。沈殿ステップを2回反復した。次に、逆相HPLC(Luna C18支持体、10u、100A、移動相A:0.1%TFAを含有する水、移動相B:0.1%TFAを含有するアセトニトリル(ACN)、60分間にわたる15%Bおよび45%Bへの変化の勾配、流速15ml/分)を使用して、粗二量体を精製した。次に、純粋産物を含有する画分を凍結乾燥器においてフリーズドライした。
(実施例2)
ペプチドアナログの活性
ヒトフェロポーチンタンパク質の内部移行の誘導に関して、ペプチドアナログをin vitroで検査した。内部移行後に、ペプチドは分解される。アッセイは、受容体の蛍光の減少を測定する。
ヒトフェロポーチン(SLC40A1)をコードするcDNAは、Origene製のcDNAクローン(NM_014585)からクローニングした。サブクローニングのための末端制限部位もコードするが、終止コドンを持たないプライマーを使用したPCRによって、フェロポーチンをコードするDNAを増幅した。フェロポーチンの読み枠が、GFPタンパク質とインフレームで融合されるように、フェロポーチン受容体を、ネオマイシン(G418)抵抗性マーカーを含有する哺乳動物GFP発現ベクターにサブクローニングした。タンパク質をコードするDNAの忠実度は、DNA配列決定により確認した。フェロポーチン−GFP受容体発現プラスミドのトランスフェクションのために、HEK293細胞を使用した。成長培地において標準プロトコールに従って細胞を成長させ、リポフェクタミンを使用してプラスミドをトランスフェクトした(メーカーのプロトコール、Invitrogen)。成長培地においてG418を使用して、フェロポーチン−GFPを安定的に発現する細胞を選択し(cDNA発現プラスミドを吸収し取り込んだ細胞のみが生存するという点において)、Cytomation MoFlo(商標)細胞選別機において数回選別して、GFP陽性細胞を得た(488nm/530nm)。細胞を増やし、アリコートを凍結した。
ヒトフェロポーチンにおけるヘプシジンアナログ(化合物)の活性を決定するために、96ウェルプレート内の標準培地においてフェノールレッドなしで細胞をインキュベートした。所望の最終濃度となるよう化合物を添加し、少なくとも18時間インキュベーター内に置いた。インキュベーション後に、ホールセルGFP蛍光(Envisionプレートリーダー、485/535フィルターペア)またはBeckman Coulter Quanta(商標)フローサイトメーター(485nm/525nmにおける蛍光強度の幾何平均として表現)のいずれかにより、残っているGFP蛍光を決定した。所望の最終濃度となるよう化合物を添加し、少なくとも18時間、ただし24時間以下インキュベーターに置いた。
参照化合物は、ネイティブヘプシジン、ミニ−ヘプシジンおよびミニ−ヘプシジンの類似体であるR1−ミニ−ヘプシジンを含んだ。RI−ミニ−ヘプシジンの「RI」は、レトロインバース(Retro Inverse)を指す。レトロインバースペプチドは、全てDアミノ酸の反転された配列を有するペプチドである。例として、Hy−Glu−Thr−His−NH2が、Hy−DHis−DThr−DGlu−NH2となる。フェロポーチン分解に対するこのような参照化合物のEC50は、上述の活性アッセイに従って決定した。このようなペプチドは、その後の試験の多くのための対照標準として機能した。
本発明の様々なペプチドアナログに対して決定されたEC50値は、後述および本明細書における他の表に示す。
所与のペプチドが、内在性フェロポーチンの内部移行および分解を修飾するか決定するために、このペプチドで処理した肝細胞およびマクロファージにおけるフェロポーチンのタンパク質レベルおよび細胞分布は、本技術分野で公知のウエスタンブロッティング、免疫組織化学的検査およびフェロポーチン抗体を使用してアッセイすることができる。
(実施例3)
血清安定性アッセイ
血清安定性実験を行って、in vivo結果を補完し、強力な安定したフェロポーチンアゴニストの設計に役立てた。鍵となるペプチド(10μM)を、予熱したヒト血清(Sigma)、新鮮ラット血清または血漿と共に37度でインキュベートした。最大24時間までの様々な時点で試料を採取した。血清タンパク質から試料を分離し、LC−MSを使用して、目的のペプチドの存在を解析した。ゼロ時点に関する分析物ピーク面積を使用して、各試料におけるインタクトなペプチドの量を計算した。各時点において残るパーセントは、内部標準に対する被験化合物のピーク面積応答比に基づいて計算する。0時点を100%に設定し、その後の全時点は、0時点と比べて計算する。半減期は、Graphpadを使用して、一次指数関数的減衰方程式に適合させることにより計算する。ex vivo安定性ヒトおよびラットの完全リストを表15に示す。
(実施例4)
ラットにおける遊離血漿鉄の低下
ペプチドアナログが、血清における遊離Fe2+の減少において有効であるか調べるために、レトロインバースミニヘプシジンを参照ペプチドとして使用する。RI mini−Hepは、in vitroで非常に低い効力を有するが、Preszaら、J Clin Invest.2011年によって報告される通り、in vivoでは高度に活性を有する。
1日目に、血清における遊離Fe2+に関して動物をモニターする。均質な血清レベルに達するために、Fe2+を解析し、7または8匹の動物の均質なコホートを各処置群にランダム化する。2日目に、動物が、被験化合物の腹腔内(i.p.)投薬およびその後の尾静脈血液試料採取に付される急性実験を行う。投薬に先立ち、動物は、加熱灯の下に3〜5分間置かれる。ビヒクルまたは化合物投薬に先立つ血清鉄レベルを決定するために、全動物の尾静脈から血液試料を採血する。動物に、ビヒクル中の1mlの被験物質またはただのビヒクルをi.p.投薬し、参照化合物の試験において、t=0、60、120、240、360分間および24時間に、各動物から250μlの血液試料を採血する。レトロインバース(RI)ミニ−ヘプシジン(参照化合物)により行われる用量反応試験、および被験化合物により行われる有効性試験は、別々の実験として行う。
0および1日目のFe2+の解析は、10日後を超えない後の時点で行われる。使用した化学物質および設備は、下の表13に示す。
最初に、ペプチドアナログを含む全化合物は、pH=2.5の酸性HOにおいて、3mg/ml APIの濃度まで可溶化する。化合物はその後、酢酸Naバッファー(50mM酢酸、125mM NaCl、pH5.0)または強PBS(25mMリン酸ナトリウム、125mM NaCl、pH7.4)のいずれかに溶解する。
体重200〜250gの雄スプラーグドーリーラットを試験に使用する。ラットは、光、温度および湿度制御された部屋(12時間明:12時間暗サイクル、0600/1800時において灯りをオン/オフ;セ氏23度;50%相対湿度)にn=2の群において収容する。OECDの「Guidelines for Endpoints in Animal Study Proposals」に従って、ヒトのエンドポイントを適用する。動物は毎日モニターする。有意に罹患した状態(体重減少>30%(肥満動物);異常姿勢;荒れた被毛;眼および/または鼻の周りの滲出液;皮膚病変;異常呼吸;歩行運動困難;異常な食物もしくは水摂取;または自傷行為等の兆候に基づく)または有意な疼痛もしくは窮迫を引き起こす他の状態の場合、動物を直ちに安楽死させる。
血漿/血清における鉄含量は、アッセイ(アッセイ:IRON2:ACN661)のメーカーの説明書に従って、Cobas c 111における比色分析アッセイを使用して鉄含量に関して測定される。
cobas Iron2解析から得られるデータは、平均値+/−SEMとして提示する。
本発明のペプチドアナログの投薬は、陽性対照レトロインバースミニヘプシジン(RI−ミニ−ヘプシジン)の注射後に観察されるものと同等である血清鉄レベルの減少をもたらすことが予想される。
(実施例5)
ペプチドアナログのin vivo検証
先の実施例に記載されている通りに、次の変更を加えて、in vivo活性に関して本発明のペプチドアナログを検査した。ラットの代わりに、マウス(C57−BL6)を検査した。ペプチドまたはビヒクル対照をマウス(n=8/群)に投与し、本発明の化合物は、3000nmol/kgで投薬し、ヘプシジン対照は、皮下注射により1000nmol/kgで投与した。検査したペプチドを、内部移行/分解アッセイ効力値と共に表14に示す。
本実験の第一目標は、マウスモデルにおいて、本発明のペプチドアナログの活性を検証することであった。ペプチドまたはビヒクル投与の2時間後に、先の実施例と同様に血清鉄レベルを評価した。ビヒクル対照と比較して、化合物処置動物において血清鉄の有意な低下が観察された。さらに、本発明の化合物の最大用量反応は、ヘプシジンにより達成される最大用量反応と同様であると予想される。
より低用量で同様の実験を行って、血清鉄低下の誘導に関するこれらの化合物の用量反応を評価した。方法は、次のパラメータを除いて、本実施例の上述の通りであった:n=4マウス/群、しかし2群がプールされるためビヒクルはn=8。マウスに、皮下注射により、2種の別々の投薬量(300nmol/kgまたは1000nmol/kg)の被験化合物を投与した。ペプチドまたはビヒクル注射の2時間後に、先の実施例と同様に血清鉄レベルを評価した。これらのペプチドは、in vivoでネイティブヘプシジンと同様の鉄低下を誘導した。本実験の結果を図1に示し、この図は、血清鉄レベル(n=4)として示す、C−57(マウス)における2種の濃度、300nmol/kgおよび1000nmol/kg(皮下または「s.c.」;2時間)の例示的なヘプシジンアナログのin vivo用量反応を提示する。
先の実施例に記載されている通りラットまたは本実施例の上述の通りにマウスのいずれかにおいて、他のペプチドを同様に検査する。ペプチド投与の経路は、腹腔内注射であると別段の指定がない限り、皮下注射によるものである。
ペプチドは、当業者によって一般的に公知の方法を使用して、他の薬物動態/薬力学(PK/PD)パラメータに関しても検査する。このようなパラメータは、安定性(表示のヒトまたはラット対象由来の血漿において安定した時間)、マウスにおける半減期およびin vitro活性(EC50)に関する決定を含む。本発明のペプチドアナログのPK/PD特性をヘプシジンと比較して、C57BL6マウスにおけるそのPK/PD効果を決定する。ペプチドアナログは、一過的または持続的であり得る、血清鉄の減少を生じると予想される。
本明細書に言及されているおよび/または出願データシート(Application Data Sheet)に収載されている上述の米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願および非特許刊行物は全て、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
前述から、本発明の特異的な実施形態が、例示目的で本明細書に記載されているが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、様々な修正を為すことができることが認められるであろう。
関連出願の相互参照
本出願は、2014年6月27日に出願された米国仮出願第62/018,382号に対する優先権を主張し、これはその全体が本明細書に参照によって組み込まれる。
配列表
本出願は、ASCII形式で電子的に提出された配列表を含んでおり、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。2015年10月5日に作成されたこのASCIIコピーは、PRTH−00501WO_SL.txtという名前で、サイズが250,199バイトである。
別の関連する実施形態では、本発明は、試薬、装置もしくは説明材料またはこれらの組合せと共に包装された、本明細書に記載されている少なくとも1つのペプチドまたはヘプシジンアナログを含むキットを含む。
本発明は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
式I:
R1−X−Y−R2(I) 配列番号1
の構造を有するヘプシジンアナログまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物
(式中、R1は、水素、C1〜C6アルキル、C6〜C12アリール、C6〜C12アリールC1〜C6アルキルまたはC1〜C20アルカノイルであり、ペグ化バージョンを単独でまたは前述のもののいずれかのスペーサーとして含み、
R2は、OHまたはNH2であり、
Xは、式Ia:
X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−X10(Ia) 配列番号2(式中、
X1は、Asp、Ser、Glu、Ida、pGlu、bhAsp、D−Aspまたは非存在であり、
X2は、Thr、Ser、Lys、Glu、Pro、Alaまたは非存在であり、
X3は、His、AlaまたはGluであり、
X4は、Phe、IleまたはDpaであり、
X5は、Pro、bhPro、Val、Glu、SarcまたはGlyであり、
X6は、Cysまたは(D)−Cysであり、
X7は、非存在またはIle、Cysもしくは(D)−Cysを除くいずれかのアミノ酸であり、
X8は、非存在またはCysもしくは(D)−Cysを除くいずれかのアミノ酸であり、X9は、Phe、Ala、Ile、Thr、Tyr、Lys、Arg、bhPhe、D−Pheまたは非存在であり、
X10は、Lys、Pheまたは非存在である)
を有するペプチド配列であり、
Yは、非存在であるかまたは存在し、
ただし、Yが存在する場合、Yは、式Im:
Y1−Y2−Y3−Y4−Y5−Y6−Y7−Y8−Y9−Y10−Y11−Y12(Im) 配列番号3
(式中、
Y1は、Gly、PEG3、Sarc、Lys、Glu、Ala、Phe、Pro、Glu、Lys、D−Pro、Val、Serまたは非存在であり、
Y2は、Pro、Ala、Cys、Glyまたは非存在であり、
Y3は、Arg、Lys、Pro、Gly、His、Ala、Trpまたは非存在であり、
Y4は、Ser、Arg、Gly、Trp、Ala、His、Glu、Tyrまたは非存在であり、
Y5は、Lys、Met、Ser、Arg、Alaまたは非存在であり、
Y6は、Gly、Sarc、Glu、Lys、Arg、Ser、Lys、Ile、Ala、Pro、Valまたは非存在であり、
Y7は、Trp、Lys、Gly、Ala、Ile、Valまたは非存在であり、
Y8は、Val、Trp、His、Thr、Gly、Cys、Met、Tyr、Ala、Glu、Lys、Asp、Argまたは非存在であり、
Y9は、Val、Asp、Asn、Cys、Tyrまたは非存在であり、
Y10は、Cys、Met、Lys、Arg、Tyrまたは非存在であり、
Y11は、Arg、Met、Cys、Lysまたは非存在であり、
Y12は、Arg、Lys、Alaまたは非存在である)
を有するペプチドである)。
(項目2)
Xが、式Ib:
X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−X10(Ib) 配列番号18
(式中、
X1は、Asp、Glu、Ida、pGlu、bhAsp、D−Aspまたは非存在であり、
X2は、Thr、Ser、Lys、Glu、Pro、Alaまたは非存在であり、
X3は、His、AlaまたはGluであり、
X4は、Phe、IleまたはDpaであり、
X5は、Pro、bhPro、SarcまたはGlyであり、
X6は、Cysであり、
X7は、非存在またはIle、Cysもしくは(D)−Cysを除くいずれかのアミノ酸であり、
X8は、非存在またはCysもしくは(D)−Cysを除くいずれかのアミノ酸であり、X9は、Phe、Ile、Tyr、bhPheまたはD−Pheまたは非存在であり、
X10は、Lys、Pheまたは非存在である)
を有するペプチド配列であり、
Yが、非存在であるかまたは存在し、ただし、Yが存在する場合、Yが、式In:
Y1−Y2−Y3−Y4−Y5−Y6−Y7−Y8−Y9−Y10−Y11−Y12(In) 配列番号19
(式中、
Y1は、Gly、PEG3、Sarc、Lys、Glu、Ala、Phe、Pro、Glu、Lys、D−Pro、Val、Serまたは非存在であり、
Y2は、Pro、Ala、Glyまたは非存在であり、
Y3は、Arg、Lys、Pro、Gly、His、Alaまたは非存在であり、
Y4は、Ser、Arg、Gluまたは非存在であり、
Y5は、Lys、Ser、Met、Arg、Alaまたは非存在であり、
Y6は、Gly、Sarc、Glu、Leu、Phe、Hisまたは非存在であり、
Y7は、Trp、N−メチルTrp、Lys、Thr、His、Gly、Ala、Ile、Valまたは非存在であり、
Y8は、Val、Trp、Ala、Asn、Gluまたは非存在であり、
Y9は、Val、Ala、Asn、Asp、Cysまたは非存在であり、
Y10は、Cys、(D)Cys、Gluまたは非存在であり、
Y11は、Tyr、Metまたは非存在であり、
Y12は、Trpまたは非存在である)
を有するペプチドである、項目1に記載のヘプシジンアナログ。
(項目3)
表2に示すアミノ酸配列または構造を含む、項目1に記載のヘプシジンアナログ。
(項目4)
式II:
R1−X−Y−R2(II) 配列番号4
の構造を有するヘプシジンアナログまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物
(式中、R1は、水素、C1〜C6アルキル、C6〜C12アリール、C6〜C12アリールC1〜C6アルキルまたはC1〜C20アルカノイルであり、ペグ化バージョンを単独でまたは前述のもののいずれかのスペーサーとして含み、
R2は、OHまたはNH2であり、
Xは、式IIa:
X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−X10(IIa) 配列番号

(式中、
X1は、Asp、GluまたはIdaであり、
X2は、Thr、Serまたは非存在であり、
X3は、Hisであり、
X4は、PheまたはDpaであり、
X5は、Pro、bhPro、SarcまたはGlyであり、
X6は、Cysまたは(D)−Cysであり、
X7は、Arg、Glu、Phe、Gln、Leu、Val、Lys、Ile、Ala、Ser、Dapaまたは非存在であり、
X8は、Ile、Arg、Lys、Arg、Ala、Gln、Phe、Glu、Asp、Tyr、Ser、Leu、Val、D−Ile、D−Lys、D−Arg、Dapaまたは非存在であり、
X9は、Phe、Tyr、bhPhe、D−Pheまたは非存在であり、
X10は、Lys、Pheまたは非存在である)
を有するペプチド配列であり、
Yは、非存在であるかまたは存在し、ただし、Yが存在する場合、Yは、式IIm:
Y1−Y2−Y3−Y4−Y5−Y6−Y7−Y8−Y9−Y10−Y11−Y12(IIm) 配列番号6
(式中、
Y1は、Gly、Sarc、Lys、Gluまたは非存在であり、
Y2は、Pro、Ala、Glyまたは非存在であり、
Y3は、Arg、Lys、Pro、Gly、His、Alaまたは非存在であり、
Y4は、Ser、Arg、Gluまたは非存在であり、
Y5は、Lys、Ser、Met、Arg、Alaまたは非存在であり、
Y6は、Gly、Sarc、Glu、Leu、Phe、Hisまたは非存在であり、
Y7は、Trp、NMe−Trp、Lys、Thr、His、Gly、Ala、Ile、Valまたは非存在であり、
Y8は、Val、Trp、Ala、Asn、Gluまたは非存在であり、
Y9は、Cysであり、
Y10は、非存在であり、
Y11は、非存在であり、
Y12は、非存在である)
を有するペプチドである)。
(項目5)
表3に示すアミノ酸配列または構造を含む、項目4に記載のヘプシジンアナログ。
(項目6)
2個のヘプシジンアナログを含む二量体であって、各ヘプシジンアナログが、式Iの構造、式IIの構造、式IIIの構造、式IVの構造、式Vの構造、式VIの構造、または表2〜4および6〜8もしくは10〜12のいずれか1つに示す配列もしくは構造を有し、ただし、前記二量体が、式III、式IV、式Vまたは式VIの構造を有するヘプシジンアナログを含む場合、前記2個のヘプシジンアナログが、リシンリンカーを介して連結されている、二量体。
(項目7)
一方または両方のヘプシジンアナログが、式Iの構造を有する、項目6に記載の二量体。
(項目8)
一方または両方のヘプシジンアナログが、式IIの構造を有する、項目6に記載の二量体。
(項目9)
一方または両方のヘプシジンアナログが、式III:
R1−X−Y−R2(III) 配列番号7
を有するか、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物である(式中、
R1は、水素、C1〜C6アルキル、C6〜C12アリール、C6〜C12アリールC1〜C6アルキルまたはC1〜C20アルカノイルであり、そのペグ化バージョンを単独でまたは前述のもののいずれかのスペーサーとして含み、
R2は、−NH2または−OHであり、
Xは、式(IIIa)
X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−X10(IIIa) 配列番号8
(式中、
X1は、Asp、Glu、Ala、Gly、Thr、Ida、pGlu、bhAsp、D−Asp、Tyr、Leuまたは非存在であり、
X2は、Thr、Ala、Aib、D−Thr、Argまたは非存在であり、
X3は、His、Lys、AlaまたはD−Hisであり、
X4は、Phe、Ala、DpaまたはbhPheであり、
X5は、Pro、Glu、Ser、Gly、Arg、Lys、Val、Ala、D−Pro、bhPro、Sarc、Abuまたは非存在であり、
X6は、Ile、Cys、Arg、Leu、Lys、His、Glu、D−Ile、D−Arg、D−Cys、Val、SerまたはAlaであり、
X7は、Cys、Ile、Ala、Leu、Val、Ser、Phe、Dapa、D−IleまたはD−Cysであり、
X8は、Ile、Lys、Arg、Ala、Gln、Phe、Glu、Asp、Tyr、Ser、Leu、Val、D−Ile、D−Lys、D−ArgまたはDapaであり、X9は、Phe、Ala、Ile、Tyr、Lys、Arg、bhPheまたはD−Pheであり、
X10は、Lys、Pheまたは非存在である)
を有するペプチド配列であり、
Yは、非存在であるかまたは存在し、存在する場合、Yは、式(IIIm)
Y1−Y2−Y3−Y4−Y5−Y6−Y7−Y8−Y9−Y10−Y11−Y12−Y13−Y14−Y15(IIIm) 配列番号9
(式中、
Y1は、Gly、Cys、Ala、Phe、Pro、Glu、Lys、D−Pro、Val、Serまたは非存在であり、
Y2は、Pro、Ala、Cys、Glyまたは非存在であり、
Y3は、Arg、Lys、Pro、Gly、His、Ala、Trpまたは非存在であり、
Y4は、Ser、Arg、Gly、Trp、Ala、His、Tyrまたは非存在であり、
Y5は、Lys、Met、Arg、Alaまたは非存在であり、
Y6は、Gly、Ser、Lys、Ile、Arg、Ala、Pro、Valまたは非存在であり、
Y7は、Trp、Lys、Gly、Ala、Ile、Valまたは非存在であり、
Y8は、Val、Thr、Gly、Cys、Met、Tyr、Ala、Glu、Lys、Asp、Argまたは非存在であり、
Y9は、Cys、Tyrまたは非存在であり、
Y10は、Met、Lys、Arg、Tyrまたは非存在であり、
Y11は、Arg、Met、Cys、Lysまたは非存在であり、
Y12は、Arg、Lys、Alaまたは非存在であり、
Y13は、Arg、Cys、Lys、Valまたは非存在であり、
Y14は、Arg、Lys、Pro、Cys、Thrまたは非存在であり、
Y15は、Thr、Argまたは非存在である)
を有するペプチドであり、
Yが、式(III)のペプチドに存在しない場合、X7は、Ileであり、
式(III)の前記化合物は、R1、XまたはYにおいて任意選択でペグ化されている、項目6に記載の二量体。
(項目10)
一方または両方のヘプシジンアナログが、式(IV):
R1−X−Y−R2(IV) 配列番号10
の構造を有するか、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物である、項目6に記載の二量体
(式中、
R1は、水素、C1〜C6アルキル、C6〜C12アリール、C6〜C12アリールC1〜C6アルキルまたはC1〜C20アルカノイルであり、ペグ化バージョンを単独でまたは前述のもののいずれかのスペーサーとして含み、
R2は、−NH2または−OHであり、
Xは、式(IVa)
X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−X10(IVa) 配列番号11
(式中、
X1は、Asp、Glu、Ala、Gly、Thr、Ida、pGlu、bhAsp、D−Asp、Tyr、Leuまたは非存在であり、
X2は、Thr、Ala、Aib、D−Thr、Argまたは非存在であり、
X3は、His、Lys、AlaまたはD−Hisであり、
X4は、Phe、Ala、Dpa、bhPheまたはD−Pheであり、
X5は、Pro、Glu、Ser、Gly、Arg、Lys、Val、Ala、D−Pro、bhPro、Sarc、Abuまたは非存在であり、
X6は、Ile、Cys、Arg、Leu、Lys、His、Glu、D−Ile、D−Arg、D−Cys、Val、SerまたはAlaであり、
X7は、Cys、Ile、Ala、Leu、Val、Ser、Phe、Dapa、D−IleまたはD−Cysであり、
X8は、Ile、Lys、Arg、Ala、Gln、Phe、Glu、Asp、Tyr、Ser、Leu、Val、D−Ile、D−Lys、D−ArgまたはDapaであり、X9は、Phe、Ala、Ile、Tyr、Lys、Arg、bhPheまたはD−Pheであり、
X10は、Lys、Pheまたは非存在である)
を有するペプチド配列であり、
Yは、存在するまたは存在せず、ただし、Yが存在しない場合、X7は、Ileであり、Yは、式(IVm):
Y1−Y2−Y3−Y4−Y5−Y6−Y7−Y8−Y9−Y10−Y11−Y12−Y13−Y14−Y15(IVm) 配列番号12
(式中、
Y1は、Gly、Cys、Ala、Phe、Pro、Glu、Lys、D−Pro、Val、Serまたは非存在であり、
Y2は、Pro、Ala、Cys、Glyまたは非存在であり、
Y3は、Arg、Lys、Pro、Gly、His、Ala、Trpまたは非存在であり、
Y4は、Ser、Arg、Gly、Trp、Ala、His、Tyrまたは非存在であり、
Y5は、Lys、Met、Arg、Alaまたは非存在であり、
Y6は、Gly、Ser、Lys、Ile、Arg、Ala、Pro、Valまたは非存在であり、
Y7は、Trp、Lys、Gly、Ala、Ile、Valまたは非存在であり、
Y8は、Val、Thr、Gly、Cys、Met、Tyr、Ala、Glu、Lys、Asp、Argまたは非存在であり、
Y9は、Cys、Tyrまたは非存在であり、
Y10は、Met、Lys、Arg、Tyrまたは非存在であり、
Y11は、Arg、Met、Cys、Lysまたは非存在であり、
Y12は、Arg、Lys、Alaまたは非存在であり、
Y13は、Arg、Cys、Lys、Valまたは非存在であり、
Y14は、Arg、Lys、Pro、Cys、Thrまたは非存在であり、
Y15は、Thr、Argまたは非存在である)
を有するペプチドであり、
式(IV)の前記化合物は、R1、XまたはYにおいて任意選択でペグ化されており、
式(IV)の前記化合物が、2個またはそれ超のシステイン残基を含む場合、前記システイン残基のうち少なくとも2個は、ジスルフィド結合により連結されている)。
(項目11)
一方または両方のヘプシジンアナログが、式V:
R1−X−Y−R2(V) 配列番号13
の構造を有するか、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物である、項目6に記載の二量体
(式中、R1は、水素、C1〜C6アルキル、C6〜C12アリール、C6〜C12アリールC1〜C6アルキルまたはC1〜C20アルカノイルであり、ペグ化バージョンを単独でまたは前述のもののいずれかのスペーサーとして含み、
R2は、−NH2または−OHであり、
Xは、式(Va):
X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−X10(Va) 配列番号14
(式中、
X1は、Asp、Glu、Ala、Gly、Thr、Ida、pGlu、bhAsp、D−Asp、Tyr、Leuまたは非存在であり、
X2は、Thr、Ala、Aib、D−Thr、Argまたは非存在であり、
X3は、His、Lys、Ala、D−HisまたはLysであり、
X4は、Phe、Ala、Dpa、bhPheまたはD−Pheであり、
X5は、Pro、Glu、Ser、Gly、Arg、Lys、Val、Ala、D−Pro、bhPro、Sarc、Abuまたは非存在であり、
X6は、Ile、Cys、Arg、Leu、Lys、His、Glu、D−Ile、D−Arg、D−Cys、Val、SerまたはAlaであり、
X7は、Cys、Ile、Ala、Leu、Val、Ser、Phe、Dapa、D−IleまたはD−Cysであり、
X8は、Ile、Lys、Arg、Ala、Gln、Phe、Glu、Asp、Tyr、Ser、Leu、Val、D−Ile、D−Lys、D−ArgまたはDapaであり、X9は、Phe、Ala、Ile、Tyr、Lys、Arg、bhPheまたはD−Pheであり、
X10は、Lys、Pheまたは非存在である)
を有するペプチド配列であり、
Yは、存在するまたは存在せず、ただし、Yが存在しない場合、X7は、Ileであり、式Vの前記化合物は、R1、XまたはYにおいて任意選択でペグ化されており、
式Vの前記化合物が、2個またはそれ超のシステイン残基を含む場合、前記システイン残基のうち少なくとも2個は、ジスルフィド結合により連結されている)。
(項目12)
一方または両方のヘプシジンアナログが、式VI:
R1−X−Y−R2(VI) 配列番号15
の構造を有するか、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物である(式中、
R1は、水素、C1〜C6アルキル、C6〜C12アリール、C6〜C12アリールC1〜C6アルキルまたはC1〜C20アルカノイルであり、ペグ化バージョンを単独でまたは前述のもののいずれかのスペーサーとして含み、
R2は、−NH2または−OHであり、
Xは、式(VIa):
X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−X10(VIa) 配列番号16
(式中、
X1は、Asp、Glu、Idaまたは非存在であり、
X2は、Thr、Ser、Pro、Alaまたは非存在であり、
X3は、His、AlaまたはGluであり、
X4は、PheまたはDpaであり、
X5は、Pro、bhPro、SarcまたはGlyであり、
X6は、Cys、(D)−Cys、Arg、Glu、Phe、Gln、Leu、Val、Lys、Ala、Ser、Dapaまたは非存在であり、
X7は、Cys、(D)−Cys、Arg、Glu、Phe、Gln、Leu、Val、Lys、Ala、Ser、Dapaまたは非存在であり、
X8は、Ile、Arg、Lys、Ala、Gln、Phe、Glu、Asp、Tyr、Ser、Leu、Val、D−Ile、D−Lys、D−Arg、Dapaまたは非存在であり、
X9は、Phe、Ala、Ile、Thr、Tyr、Lys、Arg、bhPhe、D−Pheまたは非存在であり、
X10は、Lys、Pheまたは非存在である)
を有するペプチド配列であり、
Yは、非存在であるかまたは存在し、ただし、Yが存在する場合、Yは、式(VIm)
Y1−Y2−Y3(VIm) 配列番号17
(式中、
Y1は、Ile、Arg、Lys、Ala、Gln、Phe、Glu、Asp、Tyr、Ser、Leu、Val、D−Ile、D−Lys、D−Arg、Dapaまたは非存在であり、
Y2は、Phe、Ala、Ile、Thr、Tyr、Lys、Arg、bhPheまたはD−Pheまたは非存在であり、
Y3は、Lys、Pheまたは非存在である)
を有するペプチドである)、項目6に記載の二量体。
(項目13)
一方または両方のヘプシジンアナログが、表4に示す配列または構造を有する、項目6に記載の二量体。
(項目14)
表6、7および8のいずれか1つに示す配列または構造を有する、項目6に記載の二量体。
(項目15)
表12における化合物1〜361のいずれか1つに示す配列または構造を含む、項目6に記載の二量体。
(項目16)
表10または表12に示す配列または構造を含む、項目6に記載の二量体。
(項目17)
ホモ二量体である、項目6〜16のいずれか一項に記載の二量体。
(項目18)
ヘテロ二量体である、項目6〜16のいずれか一項に記載の二量体。
(項目19)
1個または複数のヘプシジンアナログの2個のシステイン残基が、分子内ジスルフィド架橋によって連結された、項目1〜5のいずれか一項に記載のヘプシジンアナログまたは項目6〜16のいずれか一項に記載の二量体。
(項目20)
前記2個のヘプシジンアナログが、ジエチレングリコールリンカー、イミノ二酢酸(IDA)リンカー、β−Ala−イミノ二酢酸(β−Ala−IDA)リンカーまたはPEGリンカーから選択されるリンカー部分によって連結され、前記二量体が、式III、IV、VもしくはVIの構造または表12における化合物1〜361のいずれかに示す配列または表10に示す配列を有するペプチドアナログを含まない、項目6〜16のいずれか一項に記載の二量体。
(項目21)
項目1〜5のいずれか一項に記載のヘプシジンアナログ、または項目6〜20のいずれか一項に記載の二量体のヘプシジンアナログをコードする配列を含むポリヌクレオチド。
(項目22)
項目21に記載のポリヌクレオチドを含むベクター。
(項目23)
項目1〜5のいずれか一項に記載のヘプシジンアナログまたは項目6〜20のいずれか一項に記載の二量体と、薬学的に許容される担体、賦形剤またはビヒクルとを含む医薬組成物。
(項目24)
フェロポーチンに結合するかまたはフェロポーチンの内部移行および分解を誘導する方法であって、前記フェロポーチンを、項目1〜5のいずれか一項に記載の少なくとも1つのヘプシジンアナログ、項目6〜20のいずれか一項に記載の二量体または項目23に記載の組成物と接触させるステップを含む方法。
(項目25)
対象における鉄代謝の疾患を処置するための方法であって、前記対象に、有効量の項目1〜5のいずれか一項に記載の少なくとも1つのヘプシジンアナログ、項目6〜20のいずれか一項に記載の二量体または項目23に記載の組成物を与えるステップを含む方法。
(項目26)
前記医薬組成物が、経口、静脈内、腹腔、皮内、皮下、筋肉内、くも膜下腔内、吸入、気化、噴霧、舌下、頬側、非経口的、直腸、腟または局所的経路の投与によって前記対象に与えられる、項目25に記載の方法。
(項目27)
前記鉄代謝の疾患が、鉄過剰疾患である、項目25に記載の方法。
(項目28)
対象へのヘプシジンアナログ二量体または組成物の送達のための、項目1〜5のいずれか一項に記載のヘプシジンアナログ、項目6〜20のいずれか一項に記載の二量体または項目23に記載の組成物を含む装置。
(項目29)
試薬、装置もしくは説明材料またはこれらの組合せと共に包装された、項目1〜5のいずれか一項に記載の少なくとも1つのヘプシジンアナログ、項目6〜20のいずれか一項に記載の二量体または項目23に記載の組成物を含むキット。
(項目30)
X6が、Cysである、項目4に記載のヘプシジンアナログ。
(項目31)
X7が、Arg、Glu、Phe、Gln、Leu、Val、Lys、Ala、Ser、Dapaまたは非存在である、項目4に記載のヘプシジンアナログ。
(項目32)
表14または15に示す配列または構造を有する単量体ペプチドを含む、項目6に記載の二量体。
特定の実施形態では、ペプチド二量体ヘプシジンアナログは、表4に示す、またはその全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8,435,941号に記載されている、1つまたは複数の、例えば、2種のペプチド単量体サブユニットを含む。
一部の実施形態では、本発明は、配列DTXFPC(配列番号590)(式中、Xは、いずれかのアミノ酸である)を含む、これからなるまたはこれから本質的になるペプチドを含む、ヘプシジンアナログ単量体またはそのホモ二量体もしくはヘテロ二量体を提供する。一実施形態では、本発明は、配列DTXFPCX(配列番号591)(式中、Xは、いずれかのアミノ酸であり、Xは、いずれかのアミノ酸であり、Xは、いずれかのアミノ酸であるまたは非存在である)を含む、これからなるまたはこれから本質的になるペプチドを提供する。かかる一実施形態では、Xは、Cysを除くいずれかのアミノ酸である。一実施形態では、X、Xおよび/またはXは、非天然アミノ酸である。一部の実施形態では、かかるヘプシジンアナログ単量体を含む二量体は、リンカー(例えば、リシンリンカー)を含む。一部の実施形態では、かかる二量体は、第1のヘプシジンアナログ単量体および第2の単量体(この単量体は、任意選択で配列が同一である)を含み、この二量体は、第1の単量体におけるCys(例えば、上述の式のいずれか1つに示すCys)を第2の単量体におけるCysに連結する、少なくとも1個の分子間ジスルフィド架橋をさらに含む。
一部の実施形態では、本発明は、配列XFXCY(配列番号592)(式中、X、XおよびXのいずれかは、非存在またはいずれかのアミノ酸であり、XおよびXは、いずれかのアミノ酸であり、Yは、D−Cys、D−Ser、D−Ala、Cys(S−tBut)、ホモC、Pen、(D)Pen、Dap(AcBr)、InpまたはD−Hisを除くいずれかのアミノ酸である)を含む、これからなるまたはこれから本質的になるペプチドを含む、ヘプシジンアナログ単量体またはそのホモ二量体もしくはヘテロ二量体を提供する。かかる一実施形態では、Yは、いずれかの脂質アミノ酸である。特定の実施形態では、Yは、Val、IleおよびLeuから選択される。一実施形態では、Yは、Ileである。一実施形態では、Xは、Lysである。一実施形態では、X、X、X、X、Xおよび/またはYのいずれかは、非天然アミノ酸である。一部の実施形態では、かかるヘプシジンアナログ単量体を含む二量体は、リンカー(例えば、リシンリンカー)を含む。一部の実施形態では、かかる二量体は、第1のヘプシジンアナログ単量体および第2の単量体(この単量体は、任意選択で配列が同一である)を含み、この二量体は、第1の単量体におけるCys(例えば、上述の式のいずれか1つに示すCys)を第2の単量体におけるCysに連結する、少なくとも1個の分子間ジスルフィド架橋をさらに含む。
一部の実施形態では、本発明は、配列DTXFXCY(配列番号593)(式中、Xは、いずれかのアミノ酸であり、Yは、D−Cys、D−Ser、D−Ala、Cys(S−tBut)、ホモC、Pen、(D)Pen、Dap(AcBr)、InpまたはD−Hisを除くいずれかのアミノ酸であり、Xは、いずれかのアミノ酸であるまたは非存在である)を含む、これからなるまたはこれから本質的になるペプチドを含む、ヘプシジンアナログ単量体またはそのホモ二量体もしくはヘテロ二量体を提供する。かかる一実施形態では、Yは、Cysを除くいずれかのアミノ酸である。かかる一実施形態では、Yは、いずれかの脂質アミノ酸である。特定の実施形態では、Yは、Val、IleおよびLeuから選択される。一実施形態では、Yは、Ileである。一実施形態では、X、X(非存在でない場合)および/またはYは、非天然アミノ酸である。一部の実施形態では、かかるヘプシジンアナログ単量体を含む二量体は、リンカー(例えば、リシンリンカー)を含む。一部の実施形態では、かかる二量体は、第1のヘプシジンアナログ単量体および第2の単量体(この単量体は、任意選択で配列が同一である)を含み、この二量体は、第1の単量体におけるCys(例えば、上述の式のいずれか1つに示すCys)を第2の単量体におけるCysに連結する、少なくとも1個の分子間ジスルフィド架橋をさらに含む。
一部の実施形態では、本発明は、配列DTXFPX(配列番号594)(式中、Xは、いずれかのアミノ酸である)を含む、これからなるまたはこれから本質的になるヘプシジンアナログ単量体ペプチドを含む、ヘプシジンアナログホモ二量体またはヘテロ二量体を提供する。一実施形態では、本発明は、配列DTXFPXCX(配列番号595)(式中、Xは、いずれかのアミノ酸であり、Xは、いずれかのアミノ酸であり、Xは、いずれかのアミノ酸であるまたは非存在である)を含む、これからなるまたはこれから本質的になるヘプシジンアナログ単量体ペプチドを含む、ヘプシジンアナログホモ二量体またはヘテロ二量体を提供する。かかる一実施形態では、Xは、Cysを除くいずれかのアミノ酸である。一実施形態では、X、Xおよび/またはXは、非天然アミノ酸である。一部の実施形態では、かかるヘプシジンアナログ単量体を含む二量体は、リンカー(例えば、リシンリンカー)を含む。一部の実施形態では、かかる二量体は、第1のヘプシジンアナログ単量体および第2の単量体(この単量体は、任意選択で配列が同一である)を含み、この二量体は、第1の単量体におけるCys(例えば、上述の式のいずれか1つに示すCys)を第2の単量体におけるCysに連結する、少なくとも1個の分子間ジスルフィド架橋をさらに含む。
一部の実施形態では、本発明は、配列XFXCY(配列番号596)(式中、Xは、非存在であるまたはいずれかのアミノ酸であり、Xは、いずれかのアミノ酸であり、Yは、いずれかのアミノ酸である)を含む、これからなるまたはこれから本質的になるペプチドを含む、ヘプシジンアナログ単量体またはそのホモ二量体もしくはヘテロ二量体を提供する。かかる一実施形態では、Yは、いずれかの天然アミノ酸である。特定の実施形態では、Yは、Arg、Val、IleおよびLeuから選択される。一実施形態では、Yは、Ileである。一実施形態では、X、Xおよび/またはYは、非天然アミノ酸である。一部の実施形態では、かかるヘプシジンアナログ単量体を含む二量体は、リンカー(例えば、リシンリンカー)を含む。一部の実施形態では、かかる二量体は、第1のヘプシジンアナログ単量体および第2の単量体(この単量体は、任意選択で配列が同一である)を含み、この二量体は、第1の単量体におけるCys(例えば、上述の式のいずれか1つに示すCys)を第2の単量体におけるCysに連結する、少なくとも1個の分子間ジスルフィド架橋をさらに含む。
一部の実施形態では、本発明は、配列DTXFXCY(配列番号597)(式中、Xは、いずれかのアミノ酸であり、Xは、いずれかのアミノ酸または非存在であり、Xは、いずれかのアミノ酸であり、Yは、いずれかのアミノ酸である)を含む、これからなるまたはこれから本質的になるペプチドを含む、ヘプシジンアナログ単量体またはそのホモ二量体もしくはヘテロ二量体を提供する。かかる一実施形態では、Yは、いずれかの脂質アミノ酸である。特定の実施形態では、Yは、Val、IleおよびLeuから選択される。一実施形態では、Yは、Ileである。一実施形態では、X、X(非存在で
ない場合)および/またはYは、非天然アミノ酸である。一部の実施形態では、かかるヘプシジンアナログ単量体を含む二量体は、リンカー(例えば、リシンリンカー)を含む。一部の実施形態では、かかる二量体は、第1のヘプシジンアナログ単量体および第2の単量体(この単量体は、任意選択で配列が同一である)を含み、この二量体は、第1の単量体におけるCys(例えば、上述の式のいずれか1つに示すCys)を第2の単量体におけるCysに連結する、少なくとも1個の分子間ジスルフィド架橋をさらに含む。
一部の実施形態では、本発明は、配列XFXCX(配列番号598)(式中、Xは、非存在であるまたはいずれかのアミノ酸であり、Xは、いずれかのアミノ酸であり、Xは、いずれかのアミノ酸である)を含む、これからなるまたはこれから本質的になる、1つまたは複数のヘプシジンアナログ単量体のホモ二量体またはヘテロ二量体を提供する。かかる一実施形態では、Xは、いずれかの天然アミノ酸である。特定の実施形態では、Xは、Arg、Val、IleおよびLeuから選択される。一実施形態では、Xは、Ileである。一実施形態では、X、Xおよび/またはXは、非天然アミノ酸である。一部の実施形態では、かかるヘプシジンアナログ単量体を含む二量体は、リンカー(例えば、リシンリンカー)を含む。一部の実施形態では、かかる二量体は、第1のヘプシジンアナログ単量体および第2の単量体(この単量体は、任意選択で配列が同一である)を含み、この二量体は、第1の単量体におけるCys(例えば、上述の式のいずれか1つに示すCys)を第2の単量体におけるCysに連結する、少なくとも1個の分子間ジスルフィド架橋をさらに含む。
一部の実施形態では、本発明は、配列DTXFXCX(配列番号599)(式中、Xは、いずれかのアミノ酸であり、Xは、いずれかのアミノ酸または非存在であり、Xは、いずれかのアミノ酸であり、Xは、いずれかのアミノ酸である)を含む、これからなるまたはこれから本質的になる、1つまたは複数のヘプシジンアナログ単量体のホモ二量体またはヘテロ二量体を提供する。かかる一実施形態では、Xは、Cysを除くいずれかのアミノ酸である。かかる一実施形態では、Xは、いずれかの脂質アミノ酸である。特定の実施形態では、Xは、Val、IleおよびLeuから選択される。一実施形態では、Xは、Ileである。一実施形態では、X、X(非存在でない場合)および/またはXは、非天然アミノ酸である。一実施形態では、Cysは、ジスルフィドにより連結されて、二量体を形成する。一部の実施形態では、かかるヘプシジンアナログ単量体を含む二量体は、リンカー(例えば、リシンリンカー)を含む。一部の実施形態では、かかる二量体は、第1のヘプシジンアナログ単量体および第2の単量体(この単量体は、任意選択で配列が同一である)を含み、この二量体は、第1の単量体におけるCys(例えば、上述の式のいずれか1つに示すCys)を第2の単量体におけるCysに連結する、少なくとも1個の分子間ジスルフィド架橋をさらに含む。
一部の実施形態では、Yは、式(IIIq)
Val−Cys−Y3−His−Arg−Y6−Y7−Y8−Cys−Tyr−Arg−Y12−Y13−Y14−Y15(IIIq) 配列番号603
式IVのペプチド化合物の一部の実施形態では、Yは、式(IVq)
Val−Cys−Y3−His−Arg−Y6−Y7−Y8−Cys−Tyr−Arg−Y12−Y13−Y14−Y15(IVq) 配列番号604
式IVのペプチド化合物の一部の実施形態では、Yは、式(IVr)
Y1−Pro−Y3−Ser−Y5−Y6−Y7−Y8−Cys−Y10(IVr) 配列番号605
式IVのペプチド化合物の一部の実施形態では、Yは、式(IVs)
Y1−Pro−Y3−Ser−Y5−Y6−Y7−Y8−Cys−Y10(IVs) 配列番号606
参照化合物は、ネイティブヘプシジン、ミニ−ヘプシジンおよびミニ−ヘプシジンの類似体であるR1−ミニ−ヘプシジンを含んだ。RI−ミニ−ヘプシジンの「RI」は、レトロインバース(Retro Inverse)を指す。レトロインバースペプチドは、全てDアミノ酸の反転された配列を有するペプチドである。例として、Hy−Glu−Thr−His−NH2が、Hy−DHis−DThr−DGlu−NH2となる。フェロポーチン分解に対するこのような参照化合物のEC50は、上述の活性アッセイに従って決定した。このようなペプチドは、その後の試験の多くのための対照標準として機能した。
本発明の様々なペプチドアナログに対して決定されたEC50値は、後述および本明細書における他の表に示す。


血清安定性実験を行って、in vivo結果を補完し、強力な安定したフェロポーチンアゴニストの設計に役立てた。鍵となるペプチド(10μM)を、予熱したヒト血清(Sigma)、新鮮ラット血清または血漿と共に37度でインキュベートした。最大24時間までの様々な時点で試料を採取した。血清タンパク質から試料を分離し、LC−MSを使用して、目的のペプチドの存在を解析した。ゼロ時点に関する分析物ピーク面積を使用して、各試料におけるインタクトなペプチドの量を計算した。各時点において残るパーセントは、内部標準に対する被験化合物のピーク面積応答比に基づいて計算する。0時点を100%に設定し、その後の全時点は、0時点と比べて計算する。半減期は、Graphpadを使用して、一次指数関数的減衰方程式に適合させることにより計算する。ex vivo安定性ヒトおよびラットの完全リストを表15に示す。
(実施例4)
ラットにおける遊離血漿鉄の低下

0および1日目のFe2+の解析は、10日後を超えない後の時点で行われる。使用した化学物質および設備は、下の表13に示す。
先の実施例に記載されている通りに、次の変更を加えて、in vivo活性に関して本発明のペプチドアナログを検査した。ラットの代わりに、マウス(C57−BL6)を検査した。ペプチドまたはビヒクル対照をマウス(n=8/群)に投与し、本発明の化合物は、3000nmol/kgで投薬し、ヘプシジン対照は、皮下注射により1000nmol/kgで投与した。検査したペプチドを、内部移行/分解アッセイ効力値と共に表14に示す。

Claims (32)

  1. 式I:
    −X−Y−R(I) 配列番号1
    の構造を有するヘプシジンアナログまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物
    (式中、Rは、水素、C1〜C6アルキル、C6〜C12アリール、C6〜C12アリールC1〜C6アルキルまたはC1〜C20アルカノイルであり、ペグ化バージョンを単独でまたは前述のもののいずれかのスペーサーとして含み、
    は、OHまたはNHであり、
    Xは、式Ia:
    X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−X10(Ia) 配列番号2
    (式中、
    X1は、Asp、Ser、Glu、Ida、pGlu、bhAsp、D−Aspまたは非存在であり、
    X2は、Thr、Ser、Lys、Glu、Pro、Alaまたは非存在であり、
    X3は、His、AlaまたはGluであり、
    X4は、Phe、IleまたはDpaであり、
    X5は、Pro、bhPro、Val、Glu、SarcまたはGlyであり、
    X6は、Cysまたは(D)−Cysであり、
    X7は、非存在またはIle、Cysもしくは(D)−Cysを除くいずれかのアミノ酸であり、
    X8は、非存在またはCysもしくは(D)−Cysを除くいずれかのアミノ酸であり、
    X9は、Phe、Ala、Ile、Thr、Tyr、Lys、Arg、bhPhe、D−Pheまたは非存在であり、
    X10は、Lys、Pheまたは非存在である)
    を有するペプチド配列であり、
    Yは、非存在であるかまたは存在し、
    ただし、Yが存在する場合、Yは、式Im:
    Y1−Y2−Y3−Y4−Y5−Y6−Y7−Y8−Y9−Y10−Y11−Y12(Im) 配列番号3
    (式中、
    Y1は、Gly、PEG3、Sarc、Lys、Glu、Ala、Phe、Pro、Glu、Lys、D−Pro、Val、Serまたは非存在であり、
    Y2は、Pro、Ala、Cys、Glyまたは非存在であり、
    Y3は、Arg、Lys、Pro、Gly、His、Ala、Trpまたは非存在であり、
    Y4は、Ser、Arg、Gly、Trp、Ala、His、Glu、Tyrまたは非存在であり、
    Y5は、Lys、Met、Ser、Arg、Alaまたは非存在であり、
    Y6は、Gly、Sarc、Glu、Lys、Arg、Ser、Lys、Ile、Ala、Pro、Valまたは非存在であり、
    Y7は、Trp、Lys、Gly、Ala、Ile、Valまたは非存在であり、
    Y8は、Val、Trp、His、Thr、Gly、Cys、Met、Tyr、Ala、Glu、Lys、Asp、Argまたは非存在であり、
    Y9は、Val、Asp、Asn、Cys、Tyrまたは非存在であり、
    Y10は、Cys、Met、Lys、Arg、Tyrまたは非存在であり、
    Y11は、Arg、Met、Cys、Lysまたは非存在であり、
    Y12は、Arg、Lys、Alaまたは非存在である)
    を有するペプチドである)。
  2. Xが、式Ib:
    X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−X10(Ib) 配列番号18
    (式中、
    X1は、Asp、Glu、Ida、pGlu、bhAsp、D−Aspまたは非存在であり、
    X2は、Thr、Ser、Lys、Glu、Pro、Alaまたは非存在であり、
    X3は、His、AlaまたはGluであり、
    X4は、Phe、IleまたはDpaであり、
    X5は、Pro、bhPro、SarcまたはGlyであり、
    X6は、Cysであり、
    X7は、非存在またはIle、Cysもしくは(D)−Cysを除くいずれかのアミノ酸であり、
    X8は、非存在またはCysもしくは(D)−Cysを除くいずれかのアミノ酸であり、
    X9は、Phe、Ile、Tyr、bhPheまたはD−Pheまたは非存在であり、
    X10は、Lys、Pheまたは非存在である)
    を有するペプチド配列であり、
    Yが、非存在であるかまたは存在し、ただし、Yが存在する場合、Yが、式In:
    Y1−Y2−Y3−Y4−Y5−Y6−Y7−Y8−Y9−Y10−Y11−Y12(In) 配列番号19
    (式中、
    Y1は、Gly、PEG3、Sarc、Lys、Glu、Ala、Phe、Pro、Glu、Lys、D−Pro、Val、Serまたは非存在であり、
    Y2は、Pro、Ala、Glyまたは非存在であり、
    Y3は、Arg、Lys、Pro、Gly、His、Alaまたは非存在であり、
    Y4は、Ser、Arg、Gluまたは非存在であり、
    Y5は、Lys、Ser、Met、Arg、Alaまたは非存在であり、
    Y6は、Gly、Sarc、Glu、Leu、Phe、Hisまたは非存在であり、
    Y7は、Trp、N−メチルTrp、Lys、Thr、His、Gly、Ala、Ile、Valまたは非存在であり、
    Y8は、Val、Trp、Ala、Asn、Gluまたは非存在であり、
    Y9は、Val、Ala、Asn、Asp、Cysまたは非存在であり、
    Y10は、Cys、(D)Cys、Gluまたは非存在であり、
    Y11は、Tyr、Metまたは非存在であり、
    Y12は、Trpまたは非存在である)
    を有するペプチドである、請求項1に記載のヘプシジンアナログ。
  3. 表2に示すアミノ酸配列または構造を含む、請求項1に記載のヘプシジンアナログ。
  4. 式II:
    −X−Y−R(II) 配列番号4
    の構造を有するヘプシジンアナログまたはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物
    (式中、Rは、水素、C1〜C6アルキル、C6〜C12アリール、C6〜C12アリールC1〜C6アルキルまたはC1〜C20アルカノイルであり、ペグ化バージョンを単独でまたは前述のもののいずれかのスペーサーとして含み、
    は、OHまたはNHであり、
    Xは、式IIa:
    X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−X10(IIa) 配列番号5
    (式中、
    X1は、Asp、GluまたはIdaであり、
    X2は、Thr、Serまたは非存在であり、
    X3は、Hisであり、
    X4は、PheまたはDpaであり、
    X5は、Pro、bhPro、SarcまたはGlyであり、
    X6は、Cysまたは(D)−Cysであり、
    X7は、Arg、Glu、Phe、Gln、Leu、Val、Lys、Ile、Ala、Ser、Dapaまたは非存在であり、
    X8は、Ile、Arg、Lys、Arg、Ala、Gln、Phe、Glu、Asp、Tyr、Ser、Leu、Val、D−Ile、D−Lys、D−Arg、Dapaまたは非存在であり、
    X9は、Phe、Tyr、bhPhe、D−Pheまたは非存在であり、
    X10は、Lys、Pheまたは非存在である)
    を有するペプチド配列であり、
    Yは、非存在であるかまたは存在し、ただし、Yが存在する場合、Yは、式IIm:
    Y1−Y2−Y3−Y4−Y5−Y6−Y7−Y8−Y9−Y10−Y11−Y12(IIm) 配列番号6
    (式中、
    Y1は、Gly、Sarc、Lys、Gluまたは非存在であり、
    Y2は、Pro、Ala、Glyまたは非存在であり、
    Y3は、Arg、Lys、Pro、Gly、His、Alaまたは非存在であり、
    Y4は、Ser、Arg、Gluまたは非存在であり、
    Y5は、Lys、Ser、Met、Arg、Alaまたは非存在であり、
    Y6は、Gly、Sarc、Glu、Leu、Phe、Hisまたは非存在であり、
    Y7は、Trp、NMe−Trp、Lys、Thr、His、Gly、Ala、Ile、Valまたは非存在であり、
    Y8は、Val、Trp、Ala、Asn、Gluまたは非存在であり、
    Y9は、Cysであり、
    Y10は、非存在であり、
    Y11は、非存在であり、
    Y12は、非存在である)
    を有するペプチドである)。
  5. 表3に示すアミノ酸配列または構造を含む、請求項4に記載のヘプシジンアナログ。
  6. 2個のヘプシジンアナログを含む二量体であって、各ヘプシジンアナログが、式Iの構造、式IIの構造、式IIIの構造、式IVの構造、式Vの構造、式VIの構造、または表2〜4および6〜8もしくは10〜12のいずれか1つに示す配列もしくは構造を有し、ただし、前記二量体が、式III、式IV、式Vまたは式VIの構造を有するヘプシジンアナログを含む場合、前記2個のヘプシジンアナログが、リシンリンカーを介して連結されている、二量体。
  7. 一方または両方のヘプシジンアナログが、式Iの構造を有する、請求項6に記載の二量体。
  8. 一方または両方のヘプシジンアナログが、式IIの構造を有する、請求項6に記載の二量体。
  9. 一方または両方のヘプシジンアナログが、式III:
    −X−Y−R(III) 配列番号7
    を有するか、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物である(式中、
    は、水素、C1〜C6アルキル、C6〜C12アリール、C6〜C12アリールC1〜C6アルキルまたはC1〜C20アルカノイルであり、そのペグ化バージョンを単独でまたは前述のもののいずれかのスペーサーとして含み、
    は、−NHまたは−OHであり、
    Xは、式(IIIa)
    X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−X10(IIIa) 配列番号8
    (式中、
    X1は、Asp、Glu、Ala、Gly、Thr、Ida、pGlu、bhAsp、D−Asp、Tyr、Leuまたは非存在であり、
    X2は、Thr、Ala、Aib、D−Thr、Argまたは非存在であり、
    X3は、His、Lys、AlaまたはD−Hisであり、
    X4は、Phe、Ala、DpaまたはbhPheであり、
    X5は、Pro、Glu、Ser、Gly、Arg、Lys、Val、Ala、D−Pro、bhPro、Sarc、Abuまたは非存在であり、
    X6は、Ile、Cys、Arg、Leu、Lys、His、Glu、D−Ile、D−Arg、D−Cys、Val、SerまたはAlaであり、
    X7は、Cys、Ile、Ala、Leu、Val、Ser、Phe、Dapa、D−IleまたはD−Cysであり、
    X8は、Ile、Lys、Arg、Ala、Gln、Phe、Glu、Asp、Tyr、Ser、Leu、Val、D−Ile、D−Lys、D−ArgまたはDapaであり、
    X9は、Phe、Ala、Ile、Tyr、Lys、Arg、bhPheまたはD−Pheであり、
    X10は、Lys、Pheまたは非存在である)
    を有するペプチド配列であり、
    Yは、非存在であるかまたは存在し、存在する場合、Yは、式(IIIm)
    Y1−Y2−Y3−Y4−Y5−Y6−Y7−Y8−Y9−Y10−Y11−Y12−Y13−Y14−Y15(IIIm) 配列番号9
    (式中、
    Y1は、Gly、Cys、Ala、Phe、Pro、Glu、Lys、D−Pro、Val、Serまたは非存在であり、
    Y2は、Pro、Ala、Cys、Glyまたは非存在であり、
    Y3は、Arg、Lys、Pro、Gly、His、Ala、Trpまたは非存在であり、
    Y4は、Ser、Arg、Gly、Trp、Ala、His、Tyrまたは非存在であり、
    Y5は、Lys、Met、Arg、Alaまたは非存在であり、
    Y6は、Gly、Ser、Lys、Ile、Arg、Ala、Pro、Valまたは非存在であり、
    Y7は、Trp、Lys、Gly、Ala、Ile、Valまたは非存在であり、
    Y8は、Val、Thr、Gly、Cys、Met、Tyr、Ala、Glu、Lys、Asp、Argまたは非存在であり、
    Y9は、Cys、Tyrまたは非存在であり、
    Y10は、Met、Lys、Arg、Tyrまたは非存在であり、
    Y11は、Arg、Met、Cys、Lysまたは非存在であり、
    Y12は、Arg、Lys、Alaまたは非存在であり、
    Y13は、Arg、Cys、Lys、Valまたは非存在であり、
    Y14は、Arg、Lys、Pro、Cys、Thrまたは非存在であり、
    Y15は、Thr、Argまたは非存在である)
    を有するペプチドであり、
    Yが、式(III)のペプチドに存在しない場合、X7は、Ileであり、
    式(III)の前記化合物は、R、XまたはYにおいて任意選択でペグ化されている、請求項6に記載の二量体。
  10. 一方または両方のヘプシジンアナログが、式(IV):
    −X−Y−R(IV) 配列番号10
    の構造を有するか、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物である、請求項6に記載の二量体
    (式中、
    は、水素、C1〜C6アルキル、C6〜C12アリール、C6〜C12アリールC1〜C6アルキルまたはC1〜C20アルカノイルであり、ペグ化バージョンを単独でまたは前述のもののいずれかのスペーサーとして含み、
    は、−NHまたは−OHであり、
    Xは、式(IVa)
    X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−X10(IVa) 配列番号11
    (式中、
    X1は、Asp、Glu、Ala、Gly、Thr、Ida、pGlu、bhAsp、D−Asp、Tyr、Leuまたは非存在であり、
    X2は、Thr、Ala、Aib、D−Thr、Argまたは非存在であり、
    X3は、His、Lys、AlaまたはD−Hisであり、
    X4は、Phe、Ala、Dpa、bhPheまたはD−Pheであり、
    X5は、Pro、Glu、Ser、Gly、Arg、Lys、Val、Ala、D−Pro、bhPro、Sarc、Abuまたは非存在であり、
    X6は、Ile、Cys、Arg、Leu、Lys、His、Glu、D−Ile、D−Arg、D−Cys、Val、SerまたはAlaであり、
    X7は、Cys、Ile、Ala、Leu、Val、Ser、Phe、Dapa、D−IleまたはD−Cysであり、
    X8は、Ile、Lys、Arg、Ala、Gln、Phe、Glu、Asp、Tyr、Ser、Leu、Val、D−Ile、D−Lys、D−ArgまたはDapaであり、
    X9は、Phe、Ala、Ile、Tyr、Lys、Arg、bhPheまたはD−Pheであり、
    X10は、Lys、Pheまたは非存在である)
    を有するペプチド配列であり、
    Yは、存在するまたは存在せず、ただし、Yが存在しない場合、X7は、Ileであり、
    Yは、式(IVm):
    Y1−Y2−Y3−Y4−Y5−Y6−Y7−Y8−Y9−Y10−Y11−Y12−Y13−Y14−Y15(IVm) 配列番号12
    (式中、
    Y1は、Gly、Cys、Ala、Phe、Pro、Glu、Lys、D−Pro、Val、Serまたは非存在であり、
    Y2は、Pro、Ala、Cys、Glyまたは非存在であり、
    Y3は、Arg、Lys、Pro、Gly、His、Ala、Trpまたは非存在であり、
    Y4は、Ser、Arg、Gly、Trp、Ala、His、Tyrまたは非存在であり、
    Y5は、Lys、Met、Arg、Alaまたは非存在であり、
    Y6は、Gly、Ser、Lys、Ile、Arg、Ala、Pro、Valまたは非存在であり、
    Y7は、Trp、Lys、Gly、Ala、Ile、Valまたは非存在であり、
    Y8は、Val、Thr、Gly、Cys、Met、Tyr、Ala、Glu、Lys、Asp、Argまたは非存在であり、
    Y9は、Cys、Tyrまたは非存在であり、
    Y10は、Met、Lys、Arg、Tyrまたは非存在であり、
    Y11は、Arg、Met、Cys、Lysまたは非存在であり、
    Y12は、Arg、Lys、Alaまたは非存在であり、
    Y13は、Arg、Cys、Lys、Valまたは非存在であり、
    Y14は、Arg、Lys、Pro、Cys、Thrまたは非存在であり、
    Y15は、Thr、Argまたは非存在である)
    を有するペプチドであり、
    式(IV)の前記化合物は、R、XまたはYにおいて任意選択でペグ化されており、
    式(IV)の前記化合物が、2個またはそれ超のシステイン残基を含む場合、前記システイン残基のうち少なくとも2個は、ジスルフィド結合により連結されている)。
  11. 一方または両方のヘプシジンアナログが、式V:
    −X−Y−R(V) 配列番号13
    の構造を有するか、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物である、請求項6に記載の二量体
    (式中、Rは、水素、C1〜C6アルキル、C6〜C12アリール、C6〜C12アリールC1〜C6アルキルまたはC1〜C20アルカノイルであり、ペグ化バージョンを単独でまたは前述のもののいずれかのスペーサーとして含み、
    は、−NHまたは−OHであり、
    Xは、式(Va):
    X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−X10(Va) 配列番号14
    (式中、
    X1は、Asp、Glu、Ala、Gly、Thr、Ida、pGlu、bhAsp、D−Asp、Tyr、Leuまたは非存在であり、
    X2は、Thr、Ala、Aib、D−Thr、Argまたは非存在であり、
    X3は、His、Lys、Ala、D−HisまたはLysであり、
    X4は、Phe、Ala、Dpa、bhPheまたはD−Pheであり、
    X5は、Pro、Glu、Ser、Gly、Arg、Lys、Val、Ala、D−Pro、bhPro、Sarc、Abuまたは非存在であり、
    X6は、Ile、Cys、Arg、Leu、Lys、His、Glu、D−Ile、D−Arg、D−Cys、Val、SerまたはAlaであり、
    X7は、Cys、Ile、Ala、Leu、Val、Ser、Phe、Dapa、D−IleまたはD−Cysであり、
    X8は、Ile、Lys、Arg、Ala、Gln、Phe、Glu、Asp、Tyr、Ser、Leu、Val、D−Ile、D−Lys、D−ArgまたはDapaであり、
    X9は、Phe、Ala、Ile、Tyr、Lys、Arg、bhPheまたはD−Pheであり、
    X10は、Lys、Pheまたは非存在である)
    を有するペプチド配列であり、
    Yは、存在するまたは存在せず、ただし、Yが存在しない場合、X7は、Ileであり、
    式Vの前記化合物は、R、XまたはYにおいて任意選択でペグ化されており、
    式Vの前記化合物が、2個またはそれ超のシステイン残基を含む場合、前記システイン残基のうち少なくとも2個は、ジスルフィド結合により連結されている)。
  12. 一方または両方のヘプシジンアナログが、式VI:
    −X−Y−R(VI) 配列番号15
    の構造を有するか、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物である(式中、
    は、水素、C1〜C6アルキル、C6〜C12アリール、C6〜C12アリールC1〜C6アルキルまたはC1〜C20アルカノイルであり、ペグ化バージョンを単独でまたは前述のもののいずれかのスペーサーとして含み、
    は、−NHまたは−OHであり、
    Xは、式(VIa):
    X1−X2−X3−X4−X5−X6−X7−X8−X9−X10(VIa) 配列番号16
    (式中、
    X1は、Asp、Glu、Idaまたは非存在であり、
    X2は、Thr、Ser、Pro、Alaまたは非存在であり、
    X3は、His、AlaまたはGluであり、
    X4は、PheまたはDpaであり、
    X5は、Pro、bhPro、SarcまたはGlyであり、
    X6は、Cys、(D)−Cys、Arg、Glu、Phe、Gln、Leu、Val、Lys、Ala、Ser、Dapaまたは非存在であり、
    X7は、Cys、(D)−Cys、Arg、Glu、Phe、Gln、Leu、Val、Lys、Ala、Ser、Dapaまたは非存在であり、
    X8は、Ile、Arg、Lys、Ala、Gln、Phe、Glu、Asp、Tyr、Ser、Leu、Val、D−Ile、D−Lys、D−Arg、Dapaまたは非存在であり、
    X9は、Phe、Ala、Ile、Thr、Tyr、Lys、Arg、bhPhe、D−Pheまたは非存在であり、
    X10は、Lys、Pheまたは非存在である)
    を有するペプチド配列であり、
    Yは、非存在であるかまたは存在し、ただし、Yが存在する場合、Yは、式(VIm)
    Y1−Y2−Y3(VIm) 配列番号17
    (式中、
    Y1は、Ile、Arg、Lys、Ala、Gln、Phe、Glu、Asp、Tyr、Ser、Leu、Val、D−Ile、D−Lys、D−Arg、Dapaまたは非存在であり、
    Y2は、Phe、Ala、Ile、Thr、Tyr、Lys、Arg、bhPheまたはD−Pheまたは非存在であり、
    Y3は、Lys、Pheまたは非存在である)
    を有するペプチドである)、請求項6に記載の二量体。
  13. 一方または両方のヘプシジンアナログが、表4に示す配列または構造を有する、請求項6に記載の二量体。
  14. 表6、7および8のいずれか1つに示す配列または構造を有する、請求項6に記載の二量体。
  15. 表12における化合物1〜361のいずれか1つに示す配列または構造を含む、請求項6に記載の二量体。
  16. 表10または表12に示す配列または構造を含む、請求項6に記載の二量体。
  17. ホモ二量体である、請求項6〜16のいずれか一項に記載の二量体。
  18. ヘテロ二量体である、請求項6〜16のいずれか一項に記載の二量体。
  19. 1個または複数のヘプシジンアナログの2個のシステイン残基が、分子内ジスルフィド架橋によって連結された、請求項1〜5のいずれか一項に記載のヘプシジンアナログまたは請求項6〜16のいずれか一項に記載の二量体。
  20. 前記2個のヘプシジンアナログが、ジエチレングリコールリンカー、イミノ二酢酸(IDA)リンカー、β−Ala−イミノ二酢酸(β−Ala−IDA)リンカーまたはPEGリンカーから選択されるリンカー部分によって連結され、前記二量体が、式III、IV、VもしくはVIの構造または表12における化合物1〜361のいずれかに示す配列または表10に示す配列を有するペプチドアナログを含まない、請求項6〜16のいずれか一項に記載の二量体。
  21. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のヘプシジンアナログ、または請求項6〜20のいずれか一項に記載の二量体のヘプシジンアナログをコードする配列を含むポリヌクレオチド。
  22. 請求項21に記載のポリヌクレオチドを含むベクター。
  23. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のヘプシジンアナログまたは請求項6〜20のいずれか一項に記載の二量体と、薬学的に許容される担体、賦形剤またはビヒクルとを含む医薬組成物。
  24. フェロポーチンに結合するかまたはフェロポーチンの内部移行および分解を誘導する方法であって、前記フェロポーチンを、請求項1〜5のいずれか一項に記載の少なくとも1つのヘプシジンアナログ、請求項6〜20のいずれか一項に記載の二量体または請求項23に記載の組成物と接触させるステップを含む方法。
  25. 対象における鉄代謝の疾患を処置するための方法であって、前記対象に、有効量の請求項1〜5のいずれか一項に記載の少なくとも1つのヘプシジンアナログ、請求項6〜20のいずれか一項に記載の二量体または請求項23に記載の組成物を与えるステップを含む方法。
  26. 前記医薬組成物が、経口、静脈内、腹腔、皮内、皮下、筋肉内、くも膜下腔内、吸入、気化、噴霧、舌下、頬側、非経口的、直腸、腟または局所的経路の投与によって前記対象に与えられる、請求項25に記載の方法。
  27. 前記鉄代謝の疾患が、鉄過剰疾患である、請求項25に記載の方法。
  28. 対象へのヘプシジンアナログ二量体または組成物の送達のための、請求項1〜5のいずれか一項に記載のヘプシジンアナログ、請求項6〜20のいずれか一項に記載の二量体または請求項23に記載の組成物を含む装置。
  29. 試薬、装置もしくは説明材料またはこれらの組合せと共に包装された、請求項1〜5のいずれか一項に記載の少なくとも1つのヘプシジンアナログ、請求項6〜20のいずれか一項に記載の二量体または請求項23に記載の組成物を含むキット。
  30. X6が、Cysである、請求項4に記載のヘプシジンアナログ。
  31. X7が、Arg、Glu、Phe、Gln、Leu、Val、Lys、Ala、Ser、Dapaまたは非存在である、請求項4に記載のヘプシジンアナログ。
  32. 表14または15に示す配列または構造を有する単量体ペプチドを含む、請求項6に記載の二量体。
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