JP2017521523A - セルロースエステルと無機酸化物とを含むゴム組成物 - Google Patents

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Abstract

加硫可能な組成物を調製するためのプロセスであって、このプロセスは、加硫可能なゴム、化学的に処理された無機酸化物及びセルロースエステルを混合し、初期のマスターバッチを調製することと、ゴム硬化剤をマスターバッチに導入することと、マスターバッチと硬化剤を混合し、加硫可能な組成物を作製することとを含む、プロセス。

Description

本発明の実施形態は、タイヤ部品、セルロースエステルと無機酸化物とを含み、タイヤ部品を調製するために使用される加硫可能な組成物、及びこれらの組み合わせを調製するための方法に関する。1つ以上の実施形態において、無機酸化物は、化学的に処理された無機酸化物として、加硫可能な組成物に導入される。
タイヤ製造分野において、ゴム部品(例えば、トレッド)の機械的特性及び力学的特性は、種々の充填材料を用いることによって制御されてきた。これらの充填剤材料をゴムに分散させることは、歴史的に課題となっており、十分な充填剤の分散を達成するために、種々の技術が使用されてきた。さらに、充填剤粒子とゴムとの間の相互作用は望ましいことが多い。例えば、高度に分散した充填剤及び/又はポリマー−充填剤相互作用から、高い跳ね返り及び低いヒステリシスエネルギーロスを特徴とするタイヤ部品が得られることが多い。
タイヤ業界は、歴史的に、強化充填剤としてカーボンブラックを使用してきたが、無機酸化物(例えばシリカ)の使用が過去数十年にわたって増加してきている。これらの充填剤は、特に、改良された摩耗性及び良好な牽引力が望ましいトレッドにおいて、いくつかの観点で有利であると考えられている。有利ではあるが、無機酸化物充填剤は、ゴムと容易には相互作用しないため、無機酸化物充填剤には特殊な課題が存在する。結果として、無機粒子をゴムに化学的に接続するために結合剤が使用されている。しかし、この反応が、加硫可能な組成物の調製中に起こる他の反応及び/又は相互作用を妨害しないように注意深く行わなければならない。
充填剤を多く含むゴム組成物に関連する複合的な問題を軽減する試みにおいて、セルロースエステルの使用が提案されている。これらの材料は、エラストマー処理温度で溶融し、流動し、その後冷却すると固化し、強化充填剤粒子として作用するため、ゴム混合中に加工助剤として作用すると考えられる。
従って、セルロースエステルの使用は有利であると思われる一方、セルロースエステルは、それでもなお、ゴムの混合及び加硫可能な組成物の調製中に起こる反応の繊細な均衡を別の方法で妨害する可能性を有する反応性化合物である。従って、加硫可能な組成物又はこれらの組成物から誘導される加硫物に悪い影響を与えることなく、加硫可能な組成物にセルロースエステルを適切に組み込むための技術を開発する必要がある。
本発明の1つ以上の実施形態は、加硫可能な組成物を調製するためのプロセスであって、このプロセスは、加硫可能なゴム、化学的に処理された無機酸化物及びセルロースエステルを混合し、初期のマスターバッチを調製することと、ゴム硬化剤をマスターバッチに導入することと、マスターバッチと硬化剤を混合し、加硫可能な組成物を作製することとを含むプロセスを提供する。
さらに本発明の他の実施形態は、加硫可能なゴム、化学的に処理された無機酸化物及びセルロースエステルを混合し、初期のマスターバッチを調製することと、ゴム硬化剤をマスターバッチに導入することと、マスターバッチと硬化剤を混合し、加硫可能な組成物を作製することによって調製されるゴム加硫物を提供する。
緒言
本発明の実施形態は、少なくとも部分的に、セルロースエステルと無機酸化物充填剤とを含む改良されたタイヤ部品の発見に基づく。タイヤ部品は、加硫可能なゴム、化学的に処理された無機酸化物及びセルロースエステルを混合することによって調製される加硫可能な組成物から作られる。従来技術は、タイヤ部品への無機酸化物及びセルロースエステルの使用を想定しているが、セルロースエステルが存在すると、ゴムへの無機酸化物のカップリングに悪い影響があることが発見されている。具体的には、セルロースエステルは、無機酸化物と、ゴムへの無機酸化物のカップリングに使用される結合剤との反応を妨害すると考えられる。化学的に処理された無機酸化物を使用する本発明は、予想できないことだが、無機酸化物、セルロースエステル及び結合剤を個々に組み合わせ、混合して加硫可能な組成物を作製するときに観察される問題を克服する。結果として、技術的に有用なタイヤ部品が、有利に製造される。
プロセスの概要
1つ以上の実施形態において、加硫可能な組成物は、加硫可能なゴム、セルロースエステル及び化学的に処理された無機酸化物を混合してマスターバッチを作製することによって調製され、次いで、硬化剤をマスターバッチに加える。マスターバッチの調製は、1つ以上の補助的な混合工程を用いて行われてもよく、例えば、2つ以上の構成成分を混合することによって初期の混合物を調製した後、1つ以上の構成成分を順次、組成物に加えてもよい。また、従来の技術を用い、マスターバッチの調製の際に、さらなる構成成分、例えば、限定されないが、さらなる充填剤、処理油、加工助剤及び劣化防止剤を加えてもよい。
混合条件
特定の実施形態において、加硫可能な組成物は、加硫可能なゴム、化学的に処理された無機酸化物及びセルロースエステルを約140〜約180℃、又は他の実施形態において、約150〜約170℃の温度で混合することによって調製される。初期の混合の後、組成物(すなわち、マスターバッチ)を100℃未満、他の実施形態において、80℃未満の温度まで冷却し、硬化剤を加える。約90〜約110℃、他の実施形態において、約95〜約105℃の温度で混合を続け、最終的な加硫可能な組成物を調製する。

1つ以上の実施形態において、加硫可能な組成物は、加硫可能な組成物の全重量を基準として、約40〜約70重量%、他の実施形態において、約45〜約65重量%、他の実施形態において、約50〜約60重量%の加硫可能なゴムを含む加硫可能な組成物を調製するのに十分なゴムを導入することによって調製される。
1つ以上の実施形態において、加硫可能な組成物は、100重量部のゴムあたり約1〜約15重量部、他の実施形態において、約2〜約10重量部、他の実施形態において、約3〜約8重量部のセルロースエステルを含む加硫可能な組成物を調製するのに十分なセルロースエステルを導入することによって調製される。
1つ以上の実施形態において、加硫可能な組成物は、100重量部のゴムあたり約1〜約90重量部、他の実施形態において、約20〜約80重量部、他の実施形態において、約45〜約65重量部の化学的に処理された無機酸化物を含む加硫可能な組成物を調製するのに十分な化学的に処理された無機酸化物を導入することによって調製される。
1つ以上の実施形態において、加硫可能な組成物は、選択肢として、100重量部のゴムあたり約1〜約90重量部、他の実施形態において、約20〜約80重量部、他の実施形態において、約45〜約65重量部のカーボンブラックを含む加硫可能な組成物を調製するのに十分なカーボンブラックを導入することによって調製されてもよい。
加硫可能なゴム
1つ以上の実施形態において、加硫可能なゴム(エラストマーと呼ばれてもよい)は、ゴム特性又はエラストマー特性を有する組成物を作製するために加硫することができるポリマーを含んでいてもよい。これらのエラストマーには、天然ゴム及び合成ゴムが含まれてよい。合成ゴムは典型的に、共役ジエンモノマーの重合、共役ジエンモノマーと他のモノマー(例えばビニル置換芳香族モノマー)との共重合、又はエチレンと1種類又は2種類以上のα−オレフィン及び任意的に1種類又は2種類以上のジエンモノマーとの共重合から得られる。
例示的なエラストマーとしては、天然ゴム、合成ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリイソブチレン−コ−イソプレン、ネオプレン、ポリ(エチレン−コ−プロピレン)、ポリ(スチレン−コ−ブタジエン)、ポリ(スチレン−コ−イソプレン)、ポリ(スチレン−コ−イソプレン−コ−ブタジエン)、ポリ(イソプレン−コ−ブタジエン)、ポリ(エチレン−コ−プロピレン−コ−ジエン)、ポリスルフィドゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、エピクロロヒドリンゴム、及びこれらの混合物などが挙げられる。これらのエラストマーは、無数の巨大分子構造、例えば、直線状、分岐、及び星形構造を有することができる。
セルロースエステル
本発明で利用されるセルロースエステルは、当該技術分野で知られている任意のものであってもよい。本発明で有用なセルロースエステルは、当該技術分野で知られている技術を用いて調製することができ、又は例えば、Eastman Chemical Company(キングスポート、テネシー、米国)から市販されている。ゴム組成物に使用するために有用なセルロースエステル及び方法は、米国出願公開第2013/0150500、2013/0150491、2013/0150492、2013/0150493、2013/0150494、2013/0150495、2013/0150484、2013/0150501、2013/0131221、2013/0150496、2013/0150497、2013/0150498及び20130150499号に開示されており、本明細書に参照により組み込まれる。
本発明のセルロースエステルは、一般的に、以下の構造を有する繰り返し単位を含む。

式中、R、R及びRは、独立して、水素又は2〜10個の炭素原子を含む直鎖アルカノイルからなる群から選択されてもよい。セルロースエステルについて、置換レベルは、通常は、置換度(「DS」)という用語で表現され、DSは、アンヒドログルコース単位(「AGU」)あたりの平均置換基数である。一般的に、従来のセルロースは、置換可能なAGUあたり、3個のヒドロキシル基を含む。従って、DSは、値が0〜3であってもよい。又は、低分子量セルロース混合エステルは、合計置換度が約3.08〜約3.5の範囲であってもよい。一般的に、セルロースは、重合度が700〜2,000、最大DSが3.0の大きな多糖である。しかし、低分子量セルロース混合エステルのように、重合度が小さいと、多糖骨格の末端基が、比較的顕著になり、それによって、DSが約3.08〜約3.5の範囲になる。
DSは統計学的な平均値であるため、1という値は、確実にすべてのAGUが1個の置換基を有するというわけではない。ある場合には、非置換AGUが存在していてもよく、いくつかが2個の置換基を有し、いくつかが3個の置換基を有していてもよい。「合計DS」は、AGUあたりの平均置換基数であると定義される。本発明の一実施形態において、セルロースエステルは、AGUあたりの合計DS(DS/AGU)が少なくとも約0.5、0.8、1.2、1.5又は1.7であってもよい。これに加え、又はこれに代えて、セルロースエステルは、合計DS/AGUが約3.0以下、2.9以下、2.8以下又は2.7以下であってもよい。DS/AGUは、特定の置換基、例えば、ヒドロキシル、アセチル、ブチリル又はプロピオニルを指していてもよい。例えば、セルロースアセテートは、アセチルについての合計DS/AGUが約2.0〜約2.5であってもよく、一方、セルロースアセテートプロピオネート(「CAP」)及びセルロースアセテートブチレート(「CAB」)は、合計DS/AGUが約1.7〜約2.8であってもよい。
セルロースエステルは、セルローストリエステル又は二級セルロースエステルであってもよい。セルローストリエステルの例としては、限定されないが、セルローストリアセテート、セルローストリプロピオネート又はセルローストリブチレートが挙げられる。二級セルロースエステルの例としては、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート及びセルロースアセテートブチレートが挙げられる。これらのセルロースエステルは、米国特許第1,698,049号;第1,683,347号;第1,880,808号;第1,880,560号;第1,984,147号、第2,129,052号;及び第3,617,201号に記載され、本明細書の記述と矛盾しない程度まで、全体的に本明細書に参照により組み込まれる。
本発明の一実施形態において、セルロースエステルは、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルローストリアセテート、セルローストリプロピオネート、セルローストリブチレート及びこれらの混合物からなる群から選択される。
重合度(「DP」)は、本明細書で使用される場合、セルロースエステル1分子あたりのAGUの数を指す。本発明の一実施形態において、セルロースエステルは、DPが少なくとも約2、10、50又は100であってもよい。これに加え、又はこれに代えて、セルロースエステルは、DPが、約10,000以下、8,000以下、6,000以下又は5,000以下であってもよい。
特定の実施形態において、セルロースエステルは、固有粘度(「IV」)が、フェノール/テトラクロロエタンの重量が60/40の溶液100ml中、0.25グラムのサンプルについて、温度25℃で測定した場合に、少なくとも約0.2、0.4、0.6、0.8又は1.0デシリットル/グラムであってもよい。これに加え、又はこれに代えて、セルロースエステルは、フェノール/テトラクロロエタンの重量が60/40の溶液100ml中、0.25グラムのサンプルについて、温度25℃で測定した場合に、IVが約3.0デシリットル/グラム以下、2.5デシリットル/グラム以下、2.0デシリットル/グラム以下又は1.5デシリットル/グラム以下であってもよい。
特定の実施形態において、セルロースエステルは、落球粘度が少なくとも約0.005、0.01、0.05、0.1、0.5、1又は5パスカル秒(「Pa・s」)であってもよい。これに加え、又はこれに代えて、セルロースエステルは、落球粘度が、約50Pa・s以下、45Pa・s以下、40Pa・s以下、35Pa・s以下、30Pa・s以下、25Pa・s以下、20Pa・s以下又は10Pa・s以下であってもよい。
特定の実施形態において、セルロースエステルは、ヒドロキシル含有量が少なくとも約1.2、1.4、1.6、1.8又は2.0重量%であってもよい。
特定の実施形態において、本発明で有用なセルロースエステルは、重量平均分子量(M)が、ゲル浸透クロマトグラフィー(「GPC」)によって測定された場合、少なくとも約5,000、10,000、15,000又は20,000であってもよい。これに加え、又はこれに代えて、本発明で有用なセルロースエステルは、重量平均分子量(M,)が、GPCによって測定される場合、約400,000以下、300,000以下、250,000以下、100,000以下又は80,000以下であってもよい。別の実施形態において、本発明で有用なセルロースエステルは、数平均分子量(M)が、GPCによって測定される場合、少なくとも約2,000、4,000、6,000又は8,000であってもよい。これに加え、又はこれに代えて、本発明で有用なセルロースエステルは、数平均分子量(M)が、GPCによって測定される場合、約100,000以下、80,000以下、60,000以下又は40,000以下であってもよい。
特定の実施形態において、セルロースエステルは、ガラス転移温度(「Tg」)が少なくとも約50℃、55℃、60℃、65℃、70℃、75℃又は80℃であってもよく、これに加え、又はこれに代えて、セルロースエステルは、Tgが約200℃以下、190℃以下、180℃以下、170℃以下、160℃以下、150℃以下、140℃以下又は130℃以下であってもよい。
本発明の一実施形態において、エラストマー組成物に利用されるセルロースエステルは、以前にフィブリル化を受けていないか、又は任意の他の繊維製造プロセスが行われていない。このような実施形態において、セルロースエステルは、フィブリルの形態ではなく、「非フィブリル」と呼ばれてもよい。
セルロースエステルは、当該技術分野で知られている任意の方法によって製造することができる。セルロースエステルを製造するためのプロセスの例は、Kirk−Othmer、Encyclopedia of Chemical Technology、5th Edition、Vol.5、Wiley−Interscience、New York(2004)、pp.394〜444に教示されている。セルロースエステルを製造するための出発物質であるセルロースは、異なるグレードで得ることができ、コットンリンター、軟質木材パルプ、硬質木材パルプ、トウモロコシ繊維、他の農業原料及び細菌セルロースなどの異なる原料から得ることができる。
セルロースエステルを製造する方法の1つは、エステル化による方法である。このような方法において、セルロースを、適切な有機酸、酸無水物及び触媒と混合し、次いで、セルローストリエステルに変換する。次いで、セルローストリエステルに水−酸混合物を加えることによってエステルの加水分解を行い、これを濾過し、ゲル粒子又は繊維を除去してもよい。混合物に水を加え、セルロースエステルを析出させる。セルロースエステルを水で洗浄して反応副生成物を除去した後、脱水し、乾燥させてもよい。
加水分解されるセルローストリエステルは、2〜10個の炭素原子を含むアルカノイルから独立して選択される3個の置換基を有していてもよい。セルローストリエステルの例としては、セルローストリアセテート、セルローストリプロピオネート及びセルローストリブチレート、又はセルロースの混合トリエステル、例えば、セルロースアセテートプロピオネートとセルロースアセテートブチレートが挙げられる。これらのセルローストリエステルは、当業者に知られている多くの方法によって調製することができる。例えば、セルローストリエステルは、カルボン酸と無水物の混合物中、HSOのような触媒存在下、セルロースの不均一アシル化によって調製することができる。セルローストリエステルは、LiCl/DMAc又はLiCl/NMPのような適切な溶媒に溶解したセルロースの均一アシル化によって調製することもできる。
当業者は、商業的な用語のセルローストリエステルが、アシル基で完全に置換されていないセルロースエステルも包含することを理解するだろう。例えば、Eastman Chemical Company,Inc.(キングスポート、テネシー、米国)から市販されているセルローストリアセテートは、典型的には、DSが約2.85〜約2.95である。
セルロースをトリエステルへとエステル化した後、アシル置換基の一部を加水分解によって除去してもよく、又はアルコール分解し、二級セルロースエステルを得てもよい。二級セルロースエステルは、制限された量のアシル化試薬を使用することによって、加水分解せずに直接的に調製することもできる。このプロセスは、セルロースを溶解する溶媒中で反応を行うときに特に有用である。
本発明の別の実施形態において、低分子量の混合セルロースエステル、例えば、本明細書の記述と矛盾しない程度まで、本明細書に参照により組み込まれる米国特許第7,585,905号に開示されるものを利用してもよい。
本発明の一実施形態において、以下の特性を有する低分子量の混合セルロースエステルが利用される。(A)以下の置換基を有し、合計DS/AGUが約3.08〜約3.50、ヒドロキシルのDS/AGUが約0.70以下、C3/C4エステルのDS/AGUが約0.80〜約1.40、アセチルのDS/AGUが約1.20〜約2.34;IVが、フェノール/テトラクロロエタンの60/40(重量/重量)溶液中、25℃で測定した場合、約0.05〜約0.15dL/g;数平均分子量が約1,000〜約5,600;重量平均分子量が約1,500〜約10,000;及び多分散性が約1.2〜約3.5。
本発明の別の実施形態において、以下の特性を有する低分子量の混合セルロースエステルが利用される。以下の置換基を有し、合計DS/AGUが約3.08〜約3.50、ヒドロキシルのDS/AGUが約0.70以下;C3/C4エステルのDS/AGUが約1.40〜約2.45、アセチルのDS/AGUが約0.20〜約0.80;IVが、フェノール/テトラクロロエタンの60/40(重量/重量)溶液中、25℃で測定した場合、約0.05〜約0.15dL/g;数平均分子量が約1,000〜約5,600;重量平均分子量が約1,500〜約10,000;及び多分散性が約1.2〜約3.5。
本発明のさらに別の実施形態において、以下の特性を有する低分子量の混合セルロースエステルが利用される。以下の置換基を有し、合計DS/AGUが約3.08〜約3.50、ヒドロキシルのDS/AGUが約0.70以下;C3/C4エステルのDS/AGUが約2.11〜約2.91、アセチルのDS/AGUが約0.10〜約0.50;IVが、フェノール/テトラクロロエタンの60/40(重量/重量)溶液中、25℃で測定した場合、約0.05〜約0.15dL/g;数平均分子量が約1,000〜約5,600;重量平均分子量が約1,500〜約10,000;及び多分散性が約1.2〜約3.5。
化学的に処理された無機酸化物
本発明の実施に使用される化学的に処理された無機酸化物は、米国特許第6,342,560号、第6,649,684号、第7,569,107号、第7,687,107号及び第7,704,552、号に記載され、本明細書に参照により組み込まれる。また、化学的に処理された無機酸化物は、Agilon(商標)454 silica、Agilon(商標)400 silica、Agilon(商標)及び458 Silica(PPG Industries)の商標名で市販されている。
1つ以上の実施形態において、アモルファス又は粒状の無機酸化物を含んでいてもよく、炭素含有量が1重量%より大きく、硫黄含有量が0.1重量%より大きく、シラン転化指数(以下に記載する)が少なくとも0.3、及び300%伸長時の標準的な引張応力(これも以下に記載する)が7以上であることを特徴としてもよい、化学的に処理された無機酸化物を調製することができる。本明細書に組み込まれる米国特許第5,908,660号に記載されるプロセスは、改良されてもよく、これを使用し、pHが2.5以下の無機酸化物の水性懸濁物中、官能基化剤と疎水化剤の特定の組み合わせを利用し、改質された充填剤の酸性の水性懸濁物を酸中和剤で処理し、懸濁物のpHを3.0〜10の範囲まで上げることによって、本発明の改質された充填剤を製造してもよい。
1つ以上の実施形態において、官能基化剤は、無機酸化物を、使用されるポリマー組成物に共有結合させることができる反応性化学物質である。疎水化剤は、使用される有機ポリマー組成物に対する無機酸化物の親和性を上げつつ、無機酸化物の水に対する親和性を下げる程度まで、無機酸化物に結合及び/又は会合することができる化学物質である。
上述の300%伸長時の標準的な引張応力(STS@300%)が少なくとも7以上であることは、ゴム組成物の改良された強化を示す。改良された強化は、引裂強度、硬度及び耐摩耗性の増加によって実証される生成物の機械的な耐久性の向上に換算される。改良された特性に加え、改質された充填剤は、ポリマー組成物に組み込むのに必要な時間及びエネルギーが少なくなるという利点を有する。
1つ以上の実施形態において、炭素含有量が1重量%より大きく、メルカプト含有量が0.15重量%より大きく、シラン転化指数(以下に記載する)が少なくとも0.3、標準的な強化指数(これも以下に記載する)が4以上であることを特徴とする化学的に処理された無機酸化物を調製することができる。米国特許第5,908,660号に記載されるプロセスは、改良されてもよく、これを使用し、pHが2.5以下の無機酸化物の水性懸濁物中、官能基化剤と疎水化剤の特定の組み合わせを利用し、改質された充填剤の酸性の水性懸濁物を酸中和剤で処理し、懸濁物のpHを3.0〜10の範囲まで上げることによって、本発明の改質された充填剤を製造してもよい。
上述の標準的な強化指数(SRI)が少なくとも4以上とは、充填剤−ポリマー組成物の構成要素間の相互作用又は結合の改変を示す。具体的には、充填剤とポリマーの間及び/又はポリマーとポリマーの間の相互作用が、充填剤と充填剤の間の所与の量の相互作用のために通常存在するものよりも強い。これに代えて述べると、充填剤と充填剤の間の相互作用が、充填剤とポリマーの間及び/又はポリマーとポリマーの間の所与の量の相互作用のために通常存在するものよりも弱い。ゴム組成物中のこれらの相互作用の適切な改変は、例えば、改良されたトレッドの摩耗寿命、低い転がり抵抗、雪面でのより良い牽引力及び低いノイズ発生のようなより良いタイヤの性能をもたらすことが報告されている。改良された特性に加え、改質された充填剤は、ポリマー組成物に組み込むのに必要な時間及びエネルギーが少なくなるという利点を有する。
1つ以上の実施形態において、化学的に処理された無機酸化物は、炭素含有量が1重量%より大きく、他の実施形態において、少なくとも1.5重量%、他の実施形態において、少なくとも2.0重量%であり、硫黄含有量が0.1重量%より大きく、他の実施形態において、少なくとも0.3重量%及び他の実施形態において、少なくとも0.6重量%であり、シラン転化指数が、少なくとも0.3、他の実施形態において、少なくとも0.4、他の実施形態において、少なくとも0.5であり、300%伸長時の標準的な引張応力が、少なくとも7.0、他の実施形態において、少なくとも7.5、他の実施形態において、少なくとも8.0であるこのような充填剤(すなわち、無機酸化物)をもたらす任意の方法によって製造されてもよい。1つ以上の実施形態において、化学的に処理された無機酸化物は、改質されたBrunauer−Emmett−Teller(BET)(すなわち、1点表面積)が20〜350m/g、他の実施形態において、40〜300m/g、他の実施形態において、100〜200m/g、pHが5〜10、他の実施形態において、5.5〜9.5、他の実施形態において、6.0〜9.0、他の実施形態において、pHが6.0〜7.5であるか、又は生成物のpHは、引用された範囲を含め、これらの値の任意の組み合わせの範囲であってもよく、ソックスレーで抽出可能な炭素の割合が30%未満、他の実施形態において、25%未満、20%未満、例えば、15%であることも特徴としてもよい。
1つ以上の実施形態において、無機酸化物は、アルミノケイ酸塩、コロイド状シリカ、沈降シリカ又はこれらの混合物を含んでいてもよい。特定の実施形態において、沈降シリカが使用される。例えば、PPG Industriesから市販される、210、243などの名称を有する商標名Hi−Silのシリカ;Rhone−Poulencから入手可能であり、例えば、Z1165MP及びZ165GRの名称を有するシリカ、Degussa AGから入手可能であり、例えば、VN2及びVN3の名称を有するシリカなどのような種々の市販のシリカを使用してもよい。
沈降シリカのBET表面積は、一般的に、50m/g〜1000m/gの範囲であってもよく、特定の実施形態において、100m/g〜500m/gの範囲であろう。
沈降シリカは、乾燥工程の前の製造段階から水性懸濁物の形態、例えば、沈降中に生成するスラリー、又は再び液化された濾過ケーキであってもよい。懸濁物は、乾燥したシリカを水性溶媒及び/又は有機溶媒に再分散させることによって作製することもできる。水性懸濁物及び/又は有機懸濁物中の親水性沈降シリカの濃度は重要ではなく、約1〜90重量%の範囲であってもよい。特定の実施形態において、親水性沈降シリカの濃度は、1〜50重量%の範囲又は1〜20重量%の範囲である。
特定の実施形態において、化学的に処理された無機酸化物は、米国特許第5,908,660号及び5,919,298号にそれぞれ開示されるように調製されてもよく、その開示内容は、以下の変更を伴い、本明細書に参照により組み込まれる。使用される量の酸によって、水性懸濁物中のpHが2.5以下となり、他の実施形態において、pHが2.0以下、他の実施形態において、pHが1.0以下、他の実施形態において、pHが0.5以下になり;使用される改変する化学物質は、ビス(アルコキシシリルアルキル)ポリスルフィドと非硫黄有機金属化合物の重量比が少なくとも0.05:1、他の実施形態において、0.05:1〜10:1、他の実施形態において、0.1:1〜5:1、他の実施形態において、0.2:1〜2:1、例えば、0.5:1〜1:1であるビス(アルコキシシリルアルキル)ポリスルフィドと、硫黄を含有しない有機金属化合物(以下、非硫黄有機金属化合物と呼ばれる)の組み合わせであるか、又はこの重量比は、引用された値を含め、これらの値の任意の組み合わせの範囲であってもよく、化学処理反応が終了した後に、酸性(添加されるか、又はハロゲン化有機金属化合物の加水分解によって系中で生成する)が中和される。典型的には、化学処理反応が終了した後、得られた水性懸濁物のpHは、3〜10のpHまで上がる。中和剤は、改質された充填剤の特性に悪い影響を与えない限り、典型的には酸性溶液のpHを上げるために使用される任意の種類のものであってもよい。適切な中和剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム及び炭酸水素ナトリウムが挙げられる。改質された充填剤の中和は、スプレー乾燥中に気体状のアンモニアを水溶液に添加することによって達成されてもよい。
工程(A)で使用される酸は、多くの種類の有機物及び/又は無機物であってもよい。好ましい酸触媒は、無機物である。適切な酸触媒の例としては、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸及びベンゼンスルホン酸が挙げられる。所望な場合、1種類の酸触媒又は2種類以上の酸触媒の混合物を使用してもよい。有機金属反応剤が、例えばクロロシランである場合、クロロシランの加水分解又はクロロシランと無機酸化物のヒドロキシルが直接反応することによって、触媒量の酸が系中で生成してもよい。
工程(A)が行われる温度は重要ではなく、通常は、20℃〜250℃の範囲内であるが、所望な場合、これよりもいくらか低い温度又はいくらか高い温度を使用してもよい。反応温度は、使用される反応剤、例えば、有機金属化合物、酸及び使用される場合、共溶媒に依存して変わるだろう。1つ以上の実施形態において、工程(A)は、30℃〜150℃の温度で行われるが、工程(A)は、望ましい場合には、工程(A)に使用されるスラリーの環流温度で行われてもよい。
上述の反応において、改質する化学物質又は結合剤は、ビス(アルコキシシリルアルキル)ポリスルフィドの代わりに官能基化剤と、非硫黄有機金属化合物の代わりに疎水化剤との組み合わせであってもよい。官能基化剤と疎水化剤の組み合わせを、ビス(アルコキシシリルアルキル)ポリスルフィドと非硫黄有機金属化合物の組み合わせについて明記された同じ重量比で使用してもよい。官能基化剤を含んでいてもよい反応性基の例としては、限定されないが、ビニル、エポキシ、グリシドキシ及び(メタ)アクリロキシが挙げられる。スルフィド基、ポリスルフィド基及びメルカプト基は、本明細書に含まれる化学式I及びVIIによってあらわされる反応剤と会合しない限り、官能基化剤の反応性基であってもよい。疎水化剤として、材料としては、限定されないが、天然又は合成の脂肪及び油、化学式II、III、IV、Vによってあらわされる非硫黄有機金属化合物、及びこのような疎水化剤の混合物のような化学物質が挙げられる。
さらなる充填剤
上に示唆されるように、本発明の加硫可能な組成物は、無機充填剤及び有機充填剤のようなさらなる充填剤を含んでいてもよい。有機充填剤の例にはカーボンブラック及びデンプンが含まれる。無機充填剤の例には、シリカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、マイカ、タルク(水和ケイ酸マグネシウム)、及びクレイ(水和アルミニウムシリケート)が挙げられる。カーボンブラック及びシリカは、タイヤの製造において用いられる最も一般的な充填剤である。ある実施形態では、異なる充填剤の混合物を有利に用いてもよい。
1つ又は2つ以上の実施形態において、カーボンブラックには、ファーネスブラック、チャンネルブラック、及びランプブラックが含まれる。カーボンブラックのより具体的な例には、超摩耗ファーネスブラック、中間超摩耗ファーネスブラック、高磨耗ファーネスブラック、高速押出ファーネスブラック、微細ファーネスブラック、半強化ファーネスブラック、中級加工チャンネルブラック、ハード加工チャンネルブラック、導電性チャンネルブラック、及びアセチレンブラックが挙げられる。
特定の実施形態において、カーボンブラックは、表面積(EMSA)が少なくとも20m/g、他の実施形態において、少なくとも35m/gであってもよく;表面積値の測定は、ASTMD−1765によって、セチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)技術を用いて行うことができる。カーボンブラックは、ペレット化された形態又はペレット化されていない綿状形態であることができる。カーボンブラックの好ましい形態は、ゴム化合物を混合するために使用される混合機器のタイプに依存してよい。
使用可能なある種の市販のシリカとしては、Hi−Sil(商標)215、Hi−Sil(商標)233及びHi−Sil(商標)190(PPG Industries,Inc.;ピッツバーグ、Pa)が挙げられる。市販のシリカの他の供給業者としては、Grace Davison(ボルチモア、Md.)、Degussa Corp.(パーシッパニー、N.J.)、Rhodia Silica Systems(クランブリー、N.J.)及びJ.M.Huber Corp.(エディソン、N.J.)が挙げられる。
1つ又は2つ以上の実施形態において、シリカは、その表面積によって特徴付けることができ、これにより、その補強特性の目安が与えられる。Brunauer、Emmet and Teller(「BET」)方法(J.Am.Chem.Soc.、vol.60、p.309以下参照に記載される)は、表面積を決定するための認識された方法である。シリカのBET表面積は一般に450m/g未満である。有用な範囲の表面積としては、約32〜約400m/g、約100〜約250m/g、約150〜約220m/gが挙げられる。
シリカのpHは概ね、約5〜約7若しくはわずかに7超えであるか、又は他の実施形態では、約5.5〜約6.8である。
1つ又は2つ以上の実施形態において、シリカを充填剤として用いる場合(単独で又は他の充填剤と組み合わせて)、結合剤及び/又は遮蔽剤をゴム組成物に添加することを混合中に行って、シリカのエラストマーとの相互作用を高めてもよい。有用な結合剤及び遮蔽剤は以下の文献に開示されている。米国特許第3,842,111号、第3,873,489号、第3,978,103号、第3,997,581号、第4,002,594号、第5,580,919号、第5,583,245号、第5,663,396号、第5,674,932号、第5,684,171号、第5,684,172号、第5,696,197号、第6,608,145号、第6,667,362号、第6,579,949号、第6,590,017号、第6,525,118号、第6,342,552号、及び第6,683,135号。これらは本明細書において参照により組み込まれている。
硬化剤
硫黄又は過酸化物系硬化系を含む、多数のゴム硬化剤(加硫剤とも言う)を用いてもよい。硬化剤は、Kirk−Othmer、Encyclopedia of Chemical Technology、Vol.20、365〜468ページ(3rd Ed.1982)、特に、Vulcanization Agents and Auxiliary Materials、390〜402ページ及びA.Y.Coran、Vulcanization、Encyclopedia of Polymer Science and Engineering(2nd Ed.1989)に記載され、本明細書に参照により組み込まれる。加硫剤は、単独で又は組み合わせて使用することができる。
他の成分
またゴム配合において典型的に使用する他の構成成分を、ゴム組成物に添加してもよい。これらには、促進剤、促進活性剤、オイル、可塑剤、蝋、スコーチ防止剤、加工助剤、酸化亜鉛、粘着付与樹脂、強化用樹脂、脂肪酸、例えばステアリン酸、解こう剤、劣化防止剤、例えば酸化防止剤及びオゾン劣化防止剤が挙げられる。特定の実施形態において、使用されるオイルとしては、従来から伸展油として用いられるものが挙げられ、これは前述している。使用してもよい有用なオイル又は伸展剤としては以下の、芳香族オイル、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、ヒマシ油以外の植物油、MES、TDAE及びSRAEなどの低PCAオイル、及び重ナフテン系オイルが挙げられるが、これらに限定されない。
混合手順
ゴム組成物の全ての構成成分を混合することを、標準的な混合機、例えばバンバリー又はブラベンダーミキサ、押出機、ニーダー、及び2つの圧延ミルを用いて行うことができる。上に示唆されるように、構成成分を2つ以上の段階で混合する。第1の段階(すなわち、混合段階)において、典型的には、ゴム成分と充填剤を含むものが調製される。時期尚早な加硫(スコーチとしても知られる)を防ぐために、加硫剤。いったんマスターバッチが調製されたならば、加硫剤を、最終混合段階において、マスターバッチ内に導入し、混合してよく、これは典型的には、早期加硫の機会を減少させるように、比較的低温で実施される。しばしばリミル(remill)と呼ばれる、追加の混合段階を、マスターバッチ混合段階と最終混合段階の間で使用可能である。
タイヤの調製
標準的なゴムの成形、成型及び硬化技術を含む通常のタイヤ製造技術に従って、組成物を加工してタイヤ部品にしてもよい。典型的に、加硫は、加硫性組成物を成形型内で加熱することによって行われる。例えば、成形型は、約140℃〜約180℃に加熱されても良い。硬化又は架橋されたゴム組成物を加硫ゴム(一般的に、熱硬化性の三次元ポリマー網目を含んでいる)と言っても良い。充填剤及び加工助剤などのその他の構成成分を、架橋ネットワークの全体にわたって一様に分散させてもよい。空気入りタイヤを以下の、参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第5,866,171号、同第5,876,527号、同第5,931,211号、及び同第5,971,046号にて記述のように作製可能である。
本発明の実施を示すために、以下の実施例を調製して試験した。しかしながら、これらの実施例は、本発明の範囲を制限するものとして見なされるべきではない。特許請求の範囲が本発明を定義する。
想定実施例
以下の表Iから明らかな処方に従い、6種類の加硫可能なゴム組成物を調製し、ここで、数は、重量部で表現される。
表Iに示されるように、サンプル1、2、4及び5について2工程混合手順を使用し、まず、パイロットスケールのBrabenderミキサー内で、約155℃、70rpmで約4分間、構成成分を混合することによってマスターバッチを調製する。マスターバッチを調製した後、混合物をミキサーから落とし、80℃未満まで冷却し、次いで、混合物を、硬化剤及び共薬剤と共にミキサーに再び入れる。混合を約100℃、60rpmで約3分間続ける。
サンプル3及び6において、第3の混合工程(すなわち、リミル)を、マスターバッチと最終混合物の間に使用し、初期のマスターバッチを調製した後にセルロースエステルを加え;混合を約155℃、70rpmで約4分間続ける。この混合の後、上述のように組成物をミキサーから落とし、次いで、上述のように硬化剤を加え、混合する。
シリカは、商標名Hi Sil 190 G(PPG Industries)で得られ、N表面積/BET−5が195、pHが7、Na2SO含有量が0.5重量%未満、バルク密度が約288kg/m(約18lbs/ft)であることを特徴とする。化学的に処理されたシリカは、商標名Agilon 458(PPH Industries)で得られ、CTAB表面積が200m/g、pHが6.8、SH含有量が0.5重量%、炭素含有量が6.0重量%、バルク密度が約384kg/m(約24lbs/ft)であることを特徴とする。セルロースエステルは、商標名CAB−553−0.4(Eastman Chemical)で得られ、一般的に、ヒドロキシル含有量が4.8、融点が150〜160℃、Tgが約136℃、アセタール含有量が約2.0、ブチリル含有量が約46、粘度が1.14ポイズであることを特徴とする。
それぞれの加硫可能な組成物を調製した後、適切な試験標本を調製し、表Iに示される種々の分析を行う。硬化したゴムサンプルに対して分析を行う場合、適切な未硬化サンプルを、加熱したプレス内で160℃で約30分間硬化させることによってサンプルを調製する。それぞれの分析について表Iに示されるデータを、悪い、良、より良い、最良のスケールに基づいて正規化し、それぞれの名称のものは、首尾良くより良い結果であることを示している。
サンプル1〜3のまとめ及び比較からわかるように、初期のマスターバッチを調製した後にセルロースエステルを加える限り、セルロースエステルは、改良された結果を提供する。元のマスターバッチにセルロースエステルが添加される場合、サンプル2のように、悪い結果が得られる。一方、セルロースエステルが、化学的に処理されたシリカと組み合わせて使用されるサンプル5及び6のまとめによって示されるように、セルロースエステルがマスターバッチに直接加えられるか、又はリミルによってマスターバッチに後で加えられるかによらず、有利な結果が得られる。
未硬化のゴム化合物のMooney粘度(ML1+4)は、大きなローターを取り付けたAlpha Technologies Mooney粘度計を用い、ウォームアップ時間1分間、試験時間4分間で、130℃で決定された。加硫物の引張機械特性(弾性率、T及びE)を、ASTM−D412に記載される標準的な手順を用いることによって測定した。50℃、15Hzで、歪みを0.1%から20%まで変えて行われた動的歪み−スイープ試験から、加硫物のヒステリシスデータ(tanδ)及びPayne効果データ(ΔG’)を得た。ΔG’は、0.1%歪みでのG’と、20%歪みでのG’との差である。
当業者には、本発明の範囲及び趣旨から逸脱しない様々な改変及び変更が明らかとなるであろう。本発明は、本明細書に記載の例示的実施形態のとおりに限定されるものではない。

Claims (12)

  1. 加硫可能な組成物を調製するためのプロセスであって、
    (i)加硫可能なゴム、化学的に処理された無機酸化物及びセルロースエステルを混合し、初期のマスターバッチを調製することと、
    (ii)ゴム硬化剤を前記マスターバッチに導入することと、
    (iii)前記マスターバッチと硬化剤を混合し、加硫可能な組成物を作製することと、を含む、プロセス。
  2. 加硫可能なゴム、化学的に処理された無機酸化物及びセルロースエステルを混合する前記工程が、少なくとも140℃の温度で行われる、請求項1に記載のプロセス。
  3. 前記マスターバッチと前記硬化剤を混合する前記工程が、最大で110℃の温度で行われる、請求項1〜2のいずれかに記載のプロセス。
  4. ゴム硬化剤を前記マスターバッチに導入する前記工程が、前記マスターバッチの温度を最大で100℃にしつつ行われる、請求項1〜3のいずれかに記載のプロセス。
  5. 前記化学的に処理された無機酸化物は、炭素含有量が1重量%より大きく、メルカプト含有量が0.1重量%より大きいことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のプロセス。
  6. 前記化学的に処理された無機酸化物は、炭素含有量が2重量%より大きく、メルカプト含有量が0.2重量%より大きいことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のプロセス。
  7. 前記化学的に処理された無機酸化物は、炭素含有量が3重量%より大きく、メルカプト含有量が0.3重量%より大きいことを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載のプロセス。
  8. 前記化学的に処理された無機酸化物が、化学的に処理されたシリカである、請求項1〜7のいずれかに記載のプロセス。
  9. 加硫可能なゴム、化学的に処理された無機酸化物及びセルロースエステルを混合する前記工程によって、100重量部のゴムあたり約1〜約90重量部の化学的に処理された無機酸化物と、100重量部のゴムあたり約1〜約15重量部のセルロースエステルとを含むマスターバッチを製造する、請求項1〜8のいずれかに記載のプロセス。
  10. (i)加硫可能なゴム、化学的に処理された無機酸化物及びセルロースエステルを混合し、初期のマスターバッチを調製することと、
    (ii)ゴム硬化剤を前記マスターバッチに導入することと、
    (iii)前記マスターバッチと硬化剤を混合し、加硫可能な組成物を作製することと、によって調製される、ゴム加硫物。
  11. 加硫物がタイヤ部品である、請求項10に記載のプロセス。
  12. 前記タイヤ部品が、タイヤのトレッドである、請求項11に記載のプロセス。
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