JP2017519757A - 慢性リンパ球性白血病(cll)の処置 - Google Patents

慢性リンパ球性白血病(cll)の処置 Download PDF

Info

Publication number
JP2017519757A
JP2017519757A JP2016573020A JP2016573020A JP2017519757A JP 2017519757 A JP2017519757 A JP 2017519757A JP 2016573020 A JP2016573020 A JP 2016573020A JP 2016573020 A JP2016573020 A JP 2016573020A JP 2017519757 A JP2017519757 A JP 2017519757A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antibody
sequence
seq
patients
region
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016573020A
Other languages
English (en)
Inventor
フォスター,ポール
バード,ジョン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Xencor Inc
Original Assignee
Xencor Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Xencor Inc filed Critical Xencor Inc
Publication of JP2017519757A publication Critical patent/JP2017519757A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K16/00Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies
    • C07K16/18Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans
    • C07K16/28Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans against receptors, cell surface antigens or cell surface determinants
    • C07K16/2803Immunoglobulins [IGs], e.g. monoclonal or polyclonal antibodies against material from animals or humans against receptors, cell surface antigens or cell surface determinants against the immunoglobulin superfamily
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • A61P35/02Antineoplastic agents specific for leukemia
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies
    • A61K2039/505Medicinal preparations containing antigens or antibodies comprising antibodies
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies
    • A61K2039/545Medicinal preparations containing antigens or antibodies characterised by the dose, timing or administration schedule
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2317/00Immunoglobulins specific features
    • C07K2317/20Immunoglobulins specific features characterized by taxonomic origin
    • C07K2317/24Immunoglobulins specific features characterized by taxonomic origin containing regions, domains or residues from different species, e.g. chimeric, humanized or veneered
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2317/00Immunoglobulins specific features
    • C07K2317/50Immunoglobulins specific features characterized by immunoglobulin fragments
    • C07K2317/52Constant or Fc region; Isotype
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2317/00Immunoglobulins specific features
    • C07K2317/50Immunoglobulins specific features characterized by immunoglobulin fragments
    • C07K2317/56Immunoglobulins specific features characterized by immunoglobulin fragments variable (Fv) region, i.e. VH and/or VL
    • C07K2317/565Complementarity determining region [CDR]
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2317/00Immunoglobulins specific features
    • C07K2317/70Immunoglobulins specific features characterized by effect upon binding to a cell or to an antigen
    • C07K2317/72Increased effector function due to an Fc-modification
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K2317/00Immunoglobulins specific features
    • C07K2317/90Immunoglobulins specific features characterized by (pharmaco)kinetic aspects or by stability of the immunoglobulin
    • C07K2317/94Stability, e.g. half-life, pH, temperature or enzyme-resistance

Abstract

本開示は、慢性リンパ球性白血病の処置に関する。モノクローナル抗体XmAb5574は、ある投薬量レジメンで患者に投与される場合に効果的である。さらに開示されるのは、前記抗体が、少なくとも8週にわたって、毎週少なくとも1回投与されること;または/および前記抗体は、14,500μg*日/ml以上の、曲線下面積(AUG)によって測定される前記患者への総曝露を達成するレベルで投与されることを含むレジメンである。【選択図】図6

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2014年6月16日出願の米国仮特許出願第62/012423号明細書の利益を主張し、この出願は、その全体が参照によって組み込まれる。
慢性リンパ球性白血病(CLL)は、B細胞悪性腫瘍であり、最も多く見られる成人白血病の形態である。当該疾患は現在、同種間の幹細胞移植を除いて、治癒不能である。進行型疾患であると診断された、または進行型疾患に進行した患者は、平均生存期間が18ヵ月から3年である。また、進行型疾患の患者は、従来の治療法に対して一層抵抗性を示すという問題もある。
プリンヌクレオシド類似体およびCD20モノクローナル抗体リツキシマブの導入等の、CLL処置の進歩があった。しかしながら、リツキシマブの単剤処置では、完全奏効(CR)および寛解の拡張は稀である。これは、リツキシマブを、従来の細胞毒性剤、例えばフルダラビン、またはフルダラビンおよびシクロホスファミドと併用することによって、直ぐに向上し得る。他のCD20特異的抗体、例えばオファツムマブおよびオビヌツズマブもまた同様に、CLLの処置に用いられ、または試験されている。評価された他の標的として、CD52が挙げられる。CD52に特異的な抗体であるアレムツズマブは、再発性の、または処置未経験のCLLで効力を示したが、その使用は重度の感染性の毒性によって限られている。
CLLの処置のための別の抗体標的分子が、CD19である。CD19は、2つの細胞外免疫グロブリン様ドメインおよび広範な細胞質尾部を含有する免疫グロブリンスーパーファミリの95kDaの膜貫通糖タンパク質である。当該タンパク質は、pan−Bリンパ球の表面受容体であり、pre−B細胞発達の最も早期のステージから以降、形質細胞への最終分化中に下方制御されるまで、遍在的に発現される。これは、B−リンパ球系統特異的であり、一部のろ胞樹枝状細胞を除いて、造血幹細胞および他の免疫細胞上で発現されない。CD19は、B細胞受容体(BCR)シグナル伝達の陽性レギュレータとして機能し、B細胞活性化および増殖にとって、そして体液性免疫応答の発達において重要である。これは、CD21およびCD81と併せて共刺激分子として作用し、T細胞依存性抗原に対するB細胞応答にとって重要である。リガンド結合直後に、CD19の細胞質尾部は、タンパク質チロシンキナーゼのsrcファミリを介して、下流のシグナル伝達経路の引き金となるチロシンキナーゼのファミリと物理的に関連する。CD19は、リンパ起源の癌にとって魅力的な標的である。というのも、ほぼ全ての慢性リンパ球性白血病(CLL)および非ホジキン(Hodgkin)リンパ腫(NHL)、ならびに、急性リンパ球性白血病(ALL)および毛様細胞白血病(HCL)が挙げられる多くの他の様々なタイプの白血病において高度に発現されるからである。
CD19指向性抗体の臨床開発は、CD19抗原の内在化(internalization)によって、以前は限られていた。しかしながら、抗体修飾技術が向上して、この潜在的な治療標的は復活した。XmAb5574(別名MOR00208)は、CD19に結合する、Fcが操作されたヒト化モノクローナル抗体である。XmAb5574は、Xencorが所有するXmAb(登録商標)技術を用いて最適化された。この技術は、ヒト配列含有量を最大にし、抗原に対する親和性を高め、かつ種々のFcガンマ受容体(FcγR)に対する結合親和性を増大させるようにFc領域を操作する新規のヒト化法を適用するものである。特に、XmAb5574の非操作IgG1類似体と比較して、FcγRIIIaのヒトV158多型変異体への結合は、37倍増大し、FcγRIIIaのヒトF158多型変異体への結合は、137倍増大した。結果として生じた抗体は、マウスmAb 4G7または非操作キメラ4G7抗CD19抗体と比較して、腫瘍細胞毒性が有意に増大した可変モードを有する。XmAbが操作された突然変異による、XmAb5574 Fcの、FcγRへの結合の増大は、非修飾抗体と比較して、インビトロ抗体依存性細胞媒介細胞毒性(ADCC)、抗体依存性細胞媒介食作用(ADCP)、および腫瘍に及ぼす直接的細胞毒性作用(アポトーシス)を有意に高める。XmAb5574は、相補体依存性細胞毒性を媒介することが示されていない。
本発明は、再発性CLLまたは治療抵抗性CLLの患者における、Fcが操作されたCD19モノクローナル抗体XmAb5574によるヒト臨床試験において、初めて観察された驚くべき発見に関する。
CLLにおいてXmAb5574(別名MOR00208)を研究する臨床試験が完了した。Woyach et al.“2894 Final Results of a Phase I Study of the Fc Engineered CD19 Antibody XmAb5574(MOR00208) in Patients with Relapsed or Refractory Chronic Lymphocytic Leukemia(CLL) or Small Lymphocytic Lymphoma(SLL)”,54th ASH Annual Meeting and Exposition,December 9,2012参照。そこでは、6、9、および12mg/kgの用量レベルで奏効が生じることが報告された。
更なる研究に適した用量を同定するために、pKデータおよび臨床反応の徹底的な評価が完了した。驚くべきことに、統計的に有意な相関が、患者の無増悪生存と9mg/kg以上の投薬との間で観察された。
したがって、患者に適した用量選択が、そのような発見に基づいて選択され得る。
図1は、本研究の患者のベースラインからの、リンパ球数の最も良好なパーセント変化を示す。血液疾患は、ほとんどの患者で一掃され、ベースラインからの絶対リンパ球数の減少中央値は90.8%である。 図2は、患者全員の最も良好なリンパ節縮小を示す。変化が、身体検査によるリンパ節の直径の積和として(パネルA)、またはCTによる評価として(パネルB)示される。 図3は、患者全員についての(パネルA)、全ての用量レベルで最大9回の服用を受けた患者についての(パネルB)、そして拡張投薬コホートに含まれた患者についての(パネルC)無増悪生存を示す。 図4は、抗体XmAb5574の可変ドメインのアミノ酸配列を示す。 図5は、XmAb5574の重鎖および軽鎖のFc領域のアミノ酸配列を示す。 図6は、9mg/kg以上の用量を受けた患者に対する、9mg/kg未満の用量を受けた患者との無増悪生存間の比較を示す。
ある実施形態において、本開示は、CD19に特異的な抗体に関し、前記抗体は、慢性リンパ球性白血病の処置に用いられる配列SYVMH(配列番号1)のHCDR1領域、配列NPYNDG(配列番号2)のHCDR2領域、配列GTYYYGTRVFDY(配列番号3)のHCDR3領域、配列RSSKSLQNVNGNTYLY(配列番号4)のLCDR1領域、配列RMSNLNS(配列番号5)のLCDR2領域、および配列MQHLEYPIT(配列番号6)のLCDR3領域を含む抗体と交差競合し、前記抗体は、9mg/kg以上の用量で投与される。
ある実施形態において、本開示は、慢性リンパ球性白血病を処置する方法に関し、CD19に特異的な抗体を投与することを含み、前記抗体は、配列SYVMH(配列番号1)のHCDR1領域、配列NPYNDG(配列番号2)のHCDR2領域、配列GTYYYGTRVFDY(配列番号3)のHCDR3領域、配列RSSKSLQNVNGNTYLY(配列番号4)のLCDR1領域、配列RMSNLNS(配列番号5)のLCDR2領域、および配列MQHLEYPIT(配列番号6)のLCDR3領域を含む抗体と交差競合し、前記抗体は、9mg/kg以上の用量で投与される。
ある実施形態において、前記抗体は、配列SYVMH(配列番号1)のHCDR1領域、配列NPYNDG(配列番号2)のHCDR2領域、配列GTYYYGTRVFDY(配列番号3)のHCDR3領域、配列RSSKSLQNVNGNTYLY(配列番号4)のLCDR1領域、配列RMSNLNS(配列番号5)のLCDR2領域、および配列MQHLEYPIT(配列番号6)のLCDR3領域を含む。
ある実施形態において、前記抗体は、配列
Figure 2017519757
の可変重鎖および配列
Figure 2017519757
の可変軽鎖を含む。
ある実施形態において、前記抗体は、配列
Figure 2017519757
の重鎖定常ドメインを含む。
ある実施形態において、前記抗体は、14,500μg日/mL以上の、曲線下面積(AUC)によって測定される前記特許への総曝露を達成するレベルで投与される。
ある実施形態において、前記抗体は、少なくとも8週にわたって、毎週少なくとも1回投与される。
ある実施形態において、前記抗体は、静脈内に、または皮下に投与される。
用語「抗体」は、あらゆるアイソタイプ、例えばIgG、IgM、IgA、IgD、およびIgEが挙げられるモノクローナル抗体を意味する。IgG抗体は、ジスルフィド結合によって結合する2つの同じ重鎖および2つの同じ軽鎖で構成される。重鎖および軽鎖はそれぞれ、定常領域および可変領域を含有する。各可変領域は、「相補性決定領域」(「CDR」)または「超可変領域」と呼ばれる3つのセグメントを含有し、これらは主に、抗原のエピトープへの結合に関与する。これらは、N末端から順番に番号を付けられて、CDR1、CDR2、およびCDR3と呼ばれる。CDRの外側の、より高度に保存された可変領域の部分は、「フレームワーク領域」と呼ばれる。「抗体フラグメント」は、Fv、scFv、dsFv、Fab、Fab’F(ab’)2フラグメント、または他のフラグメントを意味し、これは、CDRおよびフレームワーク領域をそれぞれ含有する少なくとも1つの可変重鎖または可変軽鎖を含有する。
「VH」は、抗体または抗体フラグメントの免疫グロブリン重鎖の可変領域を指す。「VL」は、抗体または抗体フラグメントの免疫グロブリン軽鎖の可変領域を指す。
「CDR」は本明細書中で、Chothia et alまたはKabat et alのいずれかによって定義される。Chothia C,Lesk AM.(1987)Canonical structures for the hypervariable regions of immunoglobulins.J Mol Biol.,196(4):901−17(この文献は、その全体が参照によって組み込まれる)参照。Kabat E.A,Wu T.T.,Perry H.M.,Gottesman K.S.and Foeller C.(1991).Sequences of Proteins of lmmunological lnterest.5th edit.,NIH Publication no.91−3242,US Dept.of Health and Human Services,Washington,DC.参照。
用語「CD19」は、CD19として知られるタンパク質を指し、以下の同義語がある:B4、B−リンパ球抗原CD19、B−リンパ球表面抗原B4、CVID3、分化抗原CD19、MGC12802、およびT細胞表面抗原Leu−12。
ヒトCD19は、以下のアミノ酸配列を有する:
Figure 2017519757
「MOR00208」は、抗CD19抗体である。可変ドメインのアミノ酸配列が、図4に提供されている。MOR00208の重鎖および軽鎖のFc領域のアミノ酸配列が、図5に提供されている。「MOR208」、「MOR00208」、および「XmAb5574」が、図4および図5に示される抗体を記載する同義語として用いられている。MOR00208抗体は、米国特許出願第12/377251号明細書に記載されており、この出願は、その全体が参照によって組み込まれる。XmAb5574のCDR領域は、以下の通りである:
HCDR1配列:SYVMH(配列番号1)、
HCDR2配列:NPYNDG(配列番号2)、
HCDR3配列:GTYYYGTRVFDY(配列番号3)、
LCDR1配列:RSSKSLQNVNGNTYLY(配列番号4)、
LCDR2配列:RMSNLNS(配列番号5)、および
LCDR3配列:MQHLEYPIT(配列番号6)。
医薬組成物として、活性剤、例えばヒトの治療に用いられる抗体が挙げられる。医薬組成物は、医薬的に許容可能なキャリアまたは賦形剤を追加的に含んでよい。
「投与された」または「投与」は、例えば、静脈内経路、筋肉内経路、皮内経路もしくは皮下経路、または粘膜経路で注射可能な形態による、例えば、吸入用の点鼻用スプレーもしくはエーロゾルとしての、または摂取可能な溶液、カプセルもしくはタブレットとしての、医薬組成物の送達を指す。
本開示に従って投与される抗体は、治療的に有効な量が患者に投与される。「治療的に有効な量」は、所定の疾患または障害、すなわちCLLおよびその合併症の臨床症状を治療する、軽減する、または部分的に抑えるのに十分な量を指す。本開示は、驚くべきことに、XmAb5574が、9mg/kg(体重1キログラムあたりの抗体mg)もの低い用量でCCLを処置することが可能であることを見出した。したがって、ある実施形態において、本開示の抗体は、9mg/kgで投与される。代替の実施形態において、本開示の抗体は、12mg/kgで投与される。さらに他の実施形態において、本開示の抗体は、15mg/kg以上で投与される。
「Cmax」は、サンプリング間隔内で観察される抗体の最も高い血漿濃度を指す。
「AUC」すなわち「曲線下面積」は、分析される分子(例えば薬物)の血漿濃度または血清濃度−時間の曲線下の面積を指し、全部のサンプルの収集間隔にわたる台形則によって算出される。
治療効果をもたらす薬物用量はまた、曲線下面積によって測定される、患者への総曝露に換算して説明され得る。
ある実施形態において、本開示の抗体について、抗体は、14,500μg日/mL以上の、曲線下面積(AUC)によって測定される前記特許への総曝露を達成するレベルで投与される。代替の実施形態において、本開示の抗体について、抗体は、17,500μg日/mL以上の、曲線下面積(AUC)によって測定される前記特許への総曝露を達成するレベルで投与される。
特定の治療目的に有効な量は、疾患または損傷の重篤度、ならびに対象の体重および全身状態によって決まることとなる。適切な投薬量の決定は、値のマトリックスを構築して、マトリックス中の様々な点を試験することによって、ルーチン実験を用いて達成され得ることが理解されよう。これらは全て、訓練を受けた医師または臨床科学者の通常の技術の範囲内である。
本開示の抗体は、様々な時点で投与されてよく、処置サイクルは、長さが様々であってよい。抗体は、毎日、一日おきに、1週につき3回、毎週、または隔週で投与されてよい。抗体は、少なくとも4週にわたって、少なくとも5週にわたって、少なくとも6週にわたって、少なくとも7週にわたって、少なくとも8週にわたって、少なくとも9週にわたって、少なくとも10週にわたって、少なくとも11週にわたって、または少なくとも12週にわたって投与されてもよい。本開示のある実施形態において、抗体は、少なくとも8週にわたって、毎週少なくとも1回投与される。
「投与された」または「投与」は、例えば、静脈内経路、筋肉内経路、皮内経路もしくは皮下経路、または粘膜経路で注射可能な形態による、例えば、吸入用の点鼻用スプレーもしくはエーロゾルとしての、または摂取可能な溶液、カプセルもしくはタブレットとしての送達が挙げられるが、これらに限定されるものではない。ある実施形態において、抗体は静脈内に投与される。他の実施形態において、抗体は皮下に投与される。
本明細書中で用いられる「慢性リンパ球性白血病」すなわち「CLL」は、白血球のリンパ球系の癌を指し、Rai分類およびBinnet分類のサブタイプ、サブカテゴリを含む。「慢性」リンパ球性白血病の疾患進行は、「急性」リンパ球性白血病と比較して、緩やかである。CLLは、成人の白血病で最も頻度が高い形態であり、全ての白血病(米国(US)で毎年おおよそ10,000の新しいCLL症例)の25%を占めている。SLL(小リンパ球性リンパ腫)は、CLLの特定の形態であり、主にリンパ節において生じる。CLLおよびSLLは、同じ基礎をなす疾患と考えられ、外観が異なるだけである。本開示のある実施形態において、前記CLLは、再発性CLLである。本開示の他の実施形態において、前記CLLは、治療抵抗性CLLである。
「交差競合する」は、標準的な競合結合アッセイにおいて、他の抗体または結合剤の、CD19への結合に干渉する抗体または別の結合剤の能力を意味する。抗体または他の結合剤が、別の抗体または結合分子の、CD19への結合に干渉することが可能な能力または程度、したがって、本発明に従って交差競合するといえるか否かは、標準的な競合結合アッセイを用いて判定され得る。適切な一アッセイが、Biacore技術の使用(例えば、BIAcore 3000機器(Biacore,Uppsala,Sweden)を用いることによる)を包含し、これは、表面プラスモン共鳴技術を用いて、相互作用の程度を測定することができるものである。交差競合を測定する別のアッセイが、ELISAベースのアプローチを用いるものである。交差競合に基づく「エピトープビニング」抗体のための高スループットプロセスが、国際公開第2003/48731号パンフレットに記載されている。
用語「エピトープ」は、抗体に特異的に結合することができる、またはそうでなければ分子と相互作用することができるあらゆるタンパク質決定因子を含む。エピトープ決定因子は通常、アミノ酸、炭水化物、または糖の側鎖等の分子の化学的に活性な表面グループからなり、特定の三次元構造特性、および特異的な電荷特性を有し得る。エピトープは「線状」であっても「構造的」であってもよい。用語「線状エピトープ」は、タンパク質と、相互作用する分子(抗体等)との相互作用点の全てが、(連続的な)タンパク質の一次アミノ酸配列に沿って直線的に起こるエピトープを指す。用語「構造的エピトープ」は、非連続的なアミノ酸が三次元構造中に集まっているエピトープを指す。構造的エピトープにおいて、相互作用点は、互いに分離したタンパク質上のアミノ酸残基にわたって存在する。
「と同じエピトープに結合する」は、抗体または他の結合剤の、例示される抗体とエピトープが同じCD19に結合する能力を意味する。CD19に対する、例示される抗体および他の抗体のエピトープは、標準的なエピトープマッピング技術を用いて判定され得る。エピトープマッピング技術は、当該技術分野において周知であり、Epitope Mapping Protocols in Methods in Molecular Biology,Vol.66(Glenn E.Morris,Ed.,1996)Humana Press,Totowa,New Jerseyが挙げられる。例えば、線状エピトープは、例えば、タンパク質分子の一部に相当する多数のペプチドを固体支持体上で同時に合成して、ペプチドを支持体に付着させながら、ペプチドを抗体と反応させることによって、判定され得る。そのような技術は、当該技術分野において知られており、例えば、米国特許第4708871号明細書;Geysen et al,(1984)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 8:3998−4002;Geysen et al,(1985)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:78−182;Geysen et al,(1986)Mol.Immunol.23:709−715に記載されている。同様に、構造的エピトープは、例えば、水素/重水素交換、X線結晶解析、および二次元核磁気共鳴による、アミノ酸の空間的構造を判定することによって、容易に同定される。例えば、上記Epitope Mapping Protocols参照。タンパク質の抗原性領域もまた、標準的な抗原性および疎水性プロット、例えば、Oxford Molecular Groupから入手可能なOmigaバージョン1.0ソフトウェアプログラムを用いて算出されるものを用いて同定され得る。このコンピュータプログラムは、抗原性プロフィールを判定するHopp/Woods法(Hopp et al,(1981)Proc.Natl.Acad.Sci USA 78:3824−3828);および疎水性プロットを判定するKyte−Doolittle技術(Kyte et al,(1982)J.Mol.Biol.157:105−132)を利用する。
実施例1:患者の選択
研究は、多施設共同非盲検単群第I相用量漸増研究である。患者は、>18歳であり、IWCLL 2008ガイドライン(Hallek et al,Blood(2008)111,5446−545)に従うCLLまたはSLLの診断基準を満たし、治療が必要な疾患が活動性であり、かつ少なくとも1つのプリン類似体含有レジメン(または、プリン類似体治療法に対して相対禁忌があれば、代わりのレジメン)後の疾患が再発性である、または治療抵抗性であるならば、研究に参加する資格があった。患者は、腎機能および肝機能が十分であることを必要とした。血小板数は、<50,000/mmであってはならず、好中球の絶対数(ANC)は、白血球数(WBC)が<50,000/mmであれば、≧1,000/mmであることを必要とした。WBC≧50,000/mmの患者では、ANCについての制限は無しにした。以前に代替のCD19抗体治療法で処置された患者は除外した。
書面でのインフォームドコンセントを提示した後に、再発性の、または治療抵抗性のCLL/SLL患者27人を、2010年11月30日から2012年4月17日のヘルシンキ宣言(Declaration of Helsinki)の原則に従って実施した、施設内倫理委員会によって承認された研究に登録した。これらの患者はそれぞれ、治療の少なくとも1回の服用を受けた。患者の人口統計を表1に概説する。患者は概してリスクが高く、14人(52%)がRaiステージの高リスク疾患であり、24人(89%)がIGHV非突然変異疾患であった。FISH分析に関して、8人(30%)はdel(11q22.3)を有し、10人(37%)はdel(17p13.1)を有した。患者は、事前治療の中央値が4回(1〜13の範囲)であった。
Figure 2017519757
実施例2:研究設計
最初に加速的である用量漸増研究に患者を登録して、治療量以下の用量に曝される可能性がある患者の数を制限した。加速的用量漸増中に、1人の患者を各コホートに登録し、用量制限毒性(DLT)もグレード2の処置関連毒性もなければ、その患者がサイクル1を完了した後に、用量漸増を行なうことができた。DLTもしくはグレード2の毒性に達した場合、または3mg/kgの用量レベルから始めた場合、用量漸増戦略は標準的な3×3設計に戻すこととした。この設計において、3人の患者を最初に各コホートに登録して、DLTがある患者が0人であれば、漸増を行なうこととした。1人の患者がDLTを経験すれば、6人の患者に拡張を行なうこととし、患者が誰もDLTを経験しなければ、用量漸増を行なうこととした。コホートにおいて2人の患者がDLTを経験すれば、次のより低い用量に拡張して、MTDまたは推奨第2相用量として考えることとした。
患者は、合計9回のXmAb5574の注入を受けた:サイクル1の1、4、8、15および22日目、ならびにサイクル2の1、8、15、および22日目。一旦、最初の5人の患者を、最大予定コホートにおいて処置したならば、2サイクル後に疾患が少なくとも安定していた、この用量レベルで登録した患者にさらに、今後も追加的な4注入について28日毎にXmAb5574を受けるという選択肢を与えた。
実施例3:実験室での相関性研究
この研究に登録した患者は全員、以前に記載されたようにベースラインで実行された細胞遺伝学、FISH、およびIGHVの突然変異状態を、促進していた(Byrd et al,J Clin Oncol(2006)24,437−43;Woyach et al,Br J Haematol(2010)148,754−9)。フローサイトメトリを、ベースラインで、そして所定の時点で実行した。生存度評価の後、直接的に結合したモノクローナル抗体のパネルによる5色の全血液染色技術を用いる、PrepPlus2オートメーション化染色系(Beckman Coulter)を用いて、サンプルを染色した。暗所における室温での30分のインキュベーション後、TQ−prep機器およびImmunoPrep試薬(双方ともBeckman Coulter)を用いて、メーカーの推奨に従って、赤血球を溶解させた。サンプルを、CXPソフトウェアバージョン2.1(Beckman Coulter)を装備するFC500フローサイトメータ(Beckman Coulter)上で分析した。マルチパラメトリック分析を、リンパ球集団、単球集団、および骨髄細胞集団の良好な分離を可能にするCD45染色および光側方散乱特性に基づくゲート設定で実行した。リンパ球ゲートの詳細な免疫表現型特性評価を、Prismプロットアルゴリズム(Beckman Coulter)を用いて実行した。XmAb5574の投与がCD19を検出不可能にするので、B細胞の計数は、CLLにおける代替のpanB細胞マーカーとしてのCD24抗原発現の関連で実行した。したがって、CLL B細胞の評価は、他のCLL抗原、例えばCD5、CD43、およびCD79bを発現するCD24陽性B細胞の計数に基づいた。
XmAb5574について、血清サンプルを、Prevalere Life Sciences(ICON Development Solutions,LLC(Whitesboro,New York,USA)の分社)が、検証済みの方法を用いてアッセイした。ヒト血清中のXmAb5574を定量するために、Prevalereが、検証済みのELISA法を用いてPK試験を実行した。検出下限は0.2ng/mLであった。
最大濃度(Cmax)、Cmaxの時間(Tmax)、消失相半減期(t)、時間ゼロから無限の血清濃度−時間曲線の曲線下面積(AUC∞)、クリアランス(CL)、および分布容量(V)を含む薬物動態学的パラメータを、非区画法または区画法のいずれかを用いて、観察データを最もよく説明するものについて、推定した。PKサンプリング事象までの、そして服用事象の開始および停止までの実際の経過時間を用いて、注入の最初の開始用量に対して算出することで、全てのPKパラメータを算出した。PKパラメータを算出するのに用いた用量は、注入持続期間中に送達した実際の用量であった。用量レベルに係る用量比例性について、用量に対してCmaxおよびAUC∞をプロットすることによって特徴を表した。同様に、動態パラメータの消失半減期、Tmax、CL、および用量レベルに係るVについて、用量に対するこれらのパラメータのプロットによって、特徴を表すことにした。薬物動態学的パラメータは、ソフトウェアWinNonlin Phoenix中のPKモデル10を用いて、各患者について、2区画IV注入モデルを時間濃度プロフィールに組み込むことによって導き出した。
血清ヒト抗ヒト抗体(HAHA)の分析を、Prevalere Life Sciencesによって実行した。XmAb5574に対する抗体を、ヒト血清において、ルテニウム化(スルホタグ付き)XmAb5574およびビオチン化XmAb5574によるMSD技術を利用する、電気化学発光免疫アッセイ法を用いて測定した。生じたシグナルは、存在する抗XmAb5574抗体の量に比例する。奏効がアッセイカットポイント以上である研究サンプルは、潜在的に陽性であると考えた。奏効がアッセイカットポイント未満である研究サンプルは、陰性であると考えた。
実施例4:毒性および奏効の評価
患者に治療を受けさせながら、安全性評価を毎週実行し、その後の追加の12週については4週毎に実行した。血液毒性を、IWCLL 2008基準17に従って段階分けし、非血液毒性を、国立癌センター研究所(National Cancer Center Institute)のCommon Terminology Criteria、Adverse Eventsバージョン4.0によって段階分けした。
奏効を、身体検査および臨床検査データ、ならびにCLLのCTスキャンデータを組み込むIWCLL 2008ガイドライン(Hallek et al,Blood(2008)111,5446−545)に従って、そしてSLLの2007IWG奏効基準(Cheson et al,J Clin Oncol(2007)25,579−86)によって判定した。奏効を、サイクル2の1日目、サイクル2の終了時、ならびにサイクル2の終了後の4、8、および12週目に評価した。無増悪生存を、サイクル1の1日目から、あらゆる原因による再発性の、もしくは進行性の疾患、または死亡を記録した最初の日まで、測定した。追跡調査の機会を失った、または将来の情報を提供しないことを選択した患者については、最後の追跡調査日にて削除した。
実施例5:投与による処置
1人の患者を、0.3mg/kgおよび1mg/kgの用量コホートにそれぞれ属させた。3人の患者を、3mg/kg、6mg/kg、および9mg/kgの用量コホートにそれぞれ属させた。16人の患者を、評価した最大用量の12mg/kgを含む拡張コホートに属させた。登録した27人の患者は全員、少なくとも1回のXmAb5574の服用を受け、22人の患者が、治療の最初に予定した全9回の服用を受けた。全9回の服用を受けなかった5人の患者の内、2人が疾患の進行を経験し、1人が容認できない有害事象を経験し(悪性度4の好中球減少のDLT)、1人が担当医師によって研究から外され、1人が研究を完了したが、有害事象(悪性度3の血小板減少)のために、1回の服用を逃した。治験の間に用量を減らした患者はいなかった。5人の患者が、有害事象のために、少なくとも1回の服用を遅延した。18人の患者が、輸注反応のために、少なくとも1回、注入を一時中断した。
8人の患者が、将来の調査についてこの安全性を評価するために、維持コホートに加わった。1人の患者が、追加の注入を3回だけ受け、他の7人は、全4回の予定した追加の注入を受けた。
実施例6:有害事象
XmAb5574は概して十分に耐容性があり、1人の患者のみが、毒性のために治療を中断した。全ての処置関連有害事象を、表2に概説している。1つの症例として、悪性度4の好中球減少(≧7日持続)の用量制限毒性(DLT)が、12mg/kgの用量で見られた。5人の患者が悪性度3または4の処置関連有害事象を経験した(好中球減少(3人の患者)、血小板減少(2人の患者)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)の増大(1人の患者)、発熱性好中球減少(1人の患者)、および腫瘍崩壊症候群(1人の患者)が挙げられる)。
Figure 2017519757
10%を超える患者で生じた、XmAb5574におそらく関係すると評価した悪性度1および2の毒性として、輸注反応、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)の増大、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)の増大、好中球減少、血小板減少、熱、悪寒、および末梢神経障害が挙げられる。輸注反応は患者の67%において生じた最も一般的な毒性であった。しかしながら、悪性度3または4の輸注反応は見られなかった。一般に、この反応は、注入の初期に起こるものであり、大多数は最初の15分以内に起こっており、用量の注入速度の減速または一時中断に素早く応答した。全ての輸注反応は、最初の注入中に起こり、処置に応答した。2人の患者が1日目の注入を完了して、1人の患者のみが1日目に輸注徴候を再発した。どの患者についても、以降の注入の間に輸注反応は生じなかった。
要約すると、調査した用量レベルにおいてMTD(最大耐用量)には到達せず、薬物は十分に耐容性があった。輸注反応は普通に見られたが、全ての症例において支持療法により管理可能であり、そして一般に、以降の服用中に繰り返されなかった。悪性度3および4の毒性は、主に血液についてであり、ほとんどの場合、治療の中断を必要としなかった。感染性の毒性は顕著に低く、発熱性好中球減少が1人の患者において生じただけである。1人の患者が、TLS(腫瘍崩壊症候群)を発病し、ラスブリケースおよび静脈内輸液を必要とした。しかしながら、以降の注入は何事もなく耐容性を示した。この患者がXmAb5574を受ける前に事前の化学療法を受けていなかったことは注目に値する。したがって、観察された有害事象は、管理可能であり、XmAb5574の更なる臨床開発にとって有望である。
実施例7:HAHA分析
評価した27人中計8人の患者が、HAHA抗体について試験して陽性であった。しかしながら、これらの患者は全員、前処置時にHAHA陽性であり、患者は服用前レベルからHAHA力価が増大していなかった。したがって、そして非常に重要なことに、免疫原性の証拠は観察されなかった。
実施例8:治療に対する奏効
奏効について、27人の患者が評価可能であった。血液疾患は、ほとんどの患者において一掃され、絶対リンパ球数のベースラインからの減少中央値が90.8%であった(図1)。身体検査および実験室での研究のみに基づいて、18人の患者(66.7%)が部分奏効(PR)を達成し、残りの9人の患者(33.3%)が疾患の安定(SD)を達成した。患者全員の最も良好なリンパ節縮小が、図2において見られる。CT基準ならびに検査およびラボデータを用いて、8人の患者(29.6%)がPRを達成し、さらに16人の患者(59.3%)がSDを達成した。2人の患者が、CT基準による進行性の疾患を有した。3mg/kg未満を服用した患者は、目的の奏効を達成しなかった。16人の患者しか12mg/kgの用量レベルで評価しなかったが、これは、推奨第II相用量であり、12人の患者(75%)が、身体検査基準によるPRを達成し、6人の患者(37.5%)が、CT基準によるPRを達成した。奏功した患者は、身体検査基準によれば、かなり急速に奏功する傾向があり、14/18人の患者が、最初の奏効評価時(サイクル2の1日目)にPRを達成した。CT奏効は幾分遅れ、3/8人の患者がサイクル2の28日目に、3人が4週の追跡調査時点にてPRを達成し、そして拡張コホートの2人の患者が、それぞれサイクル5およびサイクル7にてPRを達成した。
身体検査またはCT基準による奏効に関係するベースライン特性を見ると、ベースラインリンパ節サイズは、奏効と関連しているように思われ、≦5cmの最も大きなリンパ節を有する患者(n=18)は、試験基準によるPR率が77.8%、CT基準では38.9%であり、>5cmの最も大きなリンパ節を有する患者(n=9)は、検査によるPR率が44.4%、CTでは11.1%であった。FISHによる、del(17p13.1)を含む細胞遺伝学的異常は、奏効と関連しているように思われず、del(17p13.1)を有する患者の60%(10人の患者のうちの6人)が試験基準によるPRを達成し、30%がCT基準によるPRを達成した。
XmAb5574のサイクル2の28日目以降の評価12週目に、CT基準によれば5人の患者(18.5%)が、そして身体検査基準によれば8人(29.6%)が進行していた。治療中に、またはこの12週の観察期間中に、患者は死ななかった。無増悪生存(PFS)は、最初の服用時から進行または死亡時まで(どちらが最初になろうとも)と定義した。PFSは、拡張処置コホートの患者を含む全ての患者について、199日であった(図3A;95%CI:168〜299日)。9回以下の服用を受けた、全ての用量レベルの患者全員について、PFSは189日であり(図3B)、拡張処置コホートに所属する患者のみについて、PFSは420日であった(図3C;95%CI:168日−評価不可能)。
第I相臨床試験は、効力のあらゆる決定的徴候を実証するように設計されていなかったので、XmAb5574のある濃度で観察した結果は、高度に有望であり、驚くべきものである。単剤の抗体としてXmAb5574で処置した場合、患者の67%が臨床基準によるPRを達成した。これらの奏効は、有望なことに、毎週定期的にリツキシマブを(Huhn et al,Blood(2001)98,1326−31;Itala et al,Eur J Haematol(2002)69,129−34)、そしてオファツムマブを(Wierda et al,J Clin Oncol(2010)28,1749−55)与えた結果に匹敵する。
観察された効力を、9mg/kg以上の用量を受けた患者に詳細に言い渡した。これは、絶対リンパ球数の減少(図1参照)、そしてリンパ節縮小(図2参照)に反映されている。XmAb5574に対する奏効はまた、かなり耐久性があった。奏効持続期間は、維持治療を受ける患者において長くなった。無増悪生存は、患者が疾患に耐えるが、より悪くはならない、疾患の処置中の、そして処置後の時間の長さである。これは、臨床試験の重要なエンドポイント、および患者における有効性の指標である。
無増悪生存を、図6に示す。図6は、コンピュータ断層撮影(CT)に基づく無増悪生存(PFS)のKaplan−Meierプロットである。符号は、打切り事象を強調するだけである。PFSの計算のために、投薬サイクル1および2のみを考えた。コホート6における1人の患者をデータ分析から除外した。というのも、患者は、9回の注入のうちの2回しか受けておらず、8日目の臨床研究を残していたためである。
図6に示すデータの統計分析を表3に示す。
Figure 2017519757
統計的検定を、GraphPad Prism、V5.02で実行した。
図6に示す患者は、0.3、1、3、6、9、または12mg/kgのいずれかにて服用した。以前に、奏効が6、9、および12mg/kgで起こることが報告された。
驚くべきことに、9mg/kg以上を服用した患者は、より低い用量、例えば6mg/kgを受けた患者と比較して、無増悪生存(PFS)の統計的に有意な増大を示した。これは驚くべきことであり、6、9、および12mg/kgの用量レベルでの奏効の存在に基づいて、予測することはできなかったことである。
したがって、9mg/kg以上の用量が、より低い用量と比較して、より良好な臨床有効性をもたらすと予想することができる。このことはさらに、表4における臨床反応のレビューによって支持される。
Figure 2017519757
表4において、IWCLL 2008ガイドラインを用いて、9mg/kg以上のMOR00208で処置した患者は、進行性の疾患を示さなかったことが示される。一方、より低用量で処置した一部の患者で、進行性の疾患が観察された。
実施例9:薬物動態学的分析
27人の患者のうち、25人の患者のPKパラメータを、2区画モデルに組み込む。0.3または1mg/kgで登録した患者は、予想されるPKモデルに組み込まず、示した全てのPKデータは、3mg/kg以上のコホートに由来することとなる。単回用量のMOR00208のみを仮定して評価した主要なPKパラメータを、表3において、コホートによって要約する。クリアランスおよび分布容量が、他の全長モノクローナル抗体に類似することが注目され、分布が、分布の容量の推定によって明示されるように、全身循環系に制限された。Cmaxは、用量に比例するよりも僅かに少なく増大し、AUCは用量に比例して増大した。クリアランスおよび半減期は、用量依存性を示さなかった。濃度における累積傾向が、各注入で観察され、XmAb5574の血清濃度は、注入9の時点またはそれ以前に、定常を示唆するプラトーに達した。3〜12mg/kgの用量範囲の全体にわたって、半減期は平均で13.5日であり、1〜3週の投薬間隔が支持された。
Figure 2017519757
患者が抗体MOR00208を8週の時間間隔で毎週1回服用した場合(研究4日目に追加的な負荷用量を含む)、AUCを全期間にわたって算出して(累積AUC)、臨床反応と比較した。8週にわたって少なくとも14,500μg日/mLの累積AUC(用量レベル9および12mg/kgにのみ相当する)を示す患者は全員、表4に示すように、全体的な臨床反応がより良好であり、そしてPFSが有意に増大していた(図6参照)。

Claims (7)

  1. CD19に特異的な抗体において、前記抗体は、慢性リンパ球性白血病の処置に用いられる配列SYVMH(配列番号1)のHCDR1領域、配列NPYNDG(配列番号2)のHCDR2領域、配列GTYYYGTRVFDY(配列番号3)のHCDR3領域、配列RSSKSLQNVNGNTYLY(配列番号4)のLCDR1領域、配列RMSNLNS(配列番号5)のLCDR2領域、および配列MQHLEYPIT(配列番号6)のLCDR3領域を含む抗体と交差競合し、前記抗体は、9mg/kg以上の用量で投与されることを特徴とする、抗体。
  2. 請求項1に記載の抗体において、前記抗体は、少なくとも8週にわたって、14,500μg日/mL以上の、曲線下面積(AUC)によって測定される前記特許への総曝露を達成するレベルで投与されることを特徴とする、抗体。
  3. 請求項1または2に記載の抗体において、前記抗体は、少なくとも8週にわたって、毎週少なくとも1回投与されることを特徴とする、抗体。
  4. 請求項1乃至3の何れか1項に記載の抗体において、前記抗体は、静脈内に投与されることを特徴とする、抗体。
  5. 請求項1乃至4の何れか1項に記載の抗体において、前記抗体は、配列SYVMH(配列番号1)のHCDR1領域、配列NPYNDG(配列番号2)のHCDR2領域、配列GTYYYGTRVFDY(配列番号3)のHCDR3領域、配列RSSKSLQNVNGNTYLY(配列番号4)のLCDR1領域、配列RMSNLNS(配列番号5)のLCDR2領域、および配列MQHLEYPIT(配列番号6)のLCDR3領域を含むことを特徴とする、抗体。
  6. 請求項1乃至5の何れか1項に記載の抗体において、前記抗体は、配列
    Figure 2017519757
    の可変重鎖および配列
    Figure 2017519757
    の可変軽鎖を含むことを特徴とする、抗体。
  7. 請求項6に記載の抗体において、前記抗体は、配列
    Figure 2017519757
    の重鎖定常ドメインを含むことを特徴とする、抗体。
JP2016573020A 2014-06-16 2015-06-15 慢性リンパ球性白血病(cll)の処置 Pending JP2017519757A (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201462012423P 2014-06-16 2014-06-16
US62/012,423 2014-06-16
EP14175714 2014-07-04
EP14175714.6 2014-07-04
PCT/US2015/035722 WO2015195498A1 (en) 2014-06-16 2015-06-15 Treatment for chronic lymphocytic leukemia (cll)

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019216810A Division JP2020055830A (ja) 2014-06-16 2019-11-29 慢性リンパ球性白血病(cll)の処置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017519757A true JP2017519757A (ja) 2017-07-20

Family

ID=51059348

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016573020A Pending JP2017519757A (ja) 2014-06-16 2015-06-15 慢性リンパ球性白血病(cll)の処置

Country Status (7)

Country Link
US (2) US20170137516A1 (ja)
EP (1) EP3157553A4 (ja)
JP (1) JP2017519757A (ja)
CN (1) CN106794231A (ja)
AU (1) AU2015277516A1 (ja)
CA (1) CA2951427A1 (ja)
WO (1) WO2015195498A1 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
HUE054860T2 (hu) * 2016-05-30 2021-10-28 Morphosys Ag Eljárás betegekben CD19 elleni ellenanyagon alapuló terápia terápiás hasznosságának elõrejelzésére
KR20200030337A (ko) * 2018-09-12 2020-03-20 주식회사 녹십자랩셀 종양 치료를 위한 항-cd 19 항체 및 자연살해세포를 포함하는 약학적 조합물
CA3217586A1 (en) 2021-05-07 2022-11-10 Eliezer Katz Use of an anti-cd19 antibody to treat myasthenia gravis
FR3125957A1 (fr) 2021-08-04 2023-02-10 Piezomedic Dispositif et système de localisation d’un implant ou d’un organe dans un corps humain ou animal, par émission-réception de signaux ultrasons via des transducteurs piézoélectriques et/ou capacitifs
AU2022325950A1 (en) 2021-08-11 2024-02-22 Viela Bio, Inc. Inebilizumab and methods of using the same in the treatment or prevention of igg4-related disease

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010500882A (ja) * 2006-08-14 2010-01-14 ゼンコー・インコーポレイテッド Cd19を標的とする最適化抗体
WO2013024095A1 (en) * 2011-08-16 2013-02-21 Morphosys Ag Combination therapy with an anti - cd19 antibody and a purine analog

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20200058583A (ko) * 2011-08-16 2020-05-27 모르포시스 아게 항-cd19 항체 및 질소 머스타드를 사용한 조합 요법

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010500882A (ja) * 2006-08-14 2010-01-14 ゼンコー・インコーポレイテッド Cd19を標的とする最適化抗体
WO2013024095A1 (en) * 2011-08-16 2013-02-21 Morphosys Ag Combination therapy with an anti - cd19 antibody and a purine analog

Also Published As

Publication number Publication date
WO2015195498A1 (en) 2015-12-23
AU2015277516A1 (en) 2016-12-22
US20180037653A1 (en) 2018-02-08
CN106794231A (zh) 2017-05-31
US20170137516A1 (en) 2017-05-18
EP3157553A4 (en) 2018-02-28
CA2951427A1 (en) 2015-12-23
EP3157553A1 (en) 2017-04-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10487150B2 (en) SIRP alpha-antibody fusion proteins
JP7155403B2 (ja) 抗gdf15抗体、組成物および使用の方法
JP6783312B2 (ja) がんを処置するためのox40アゴニストおよび4−1bbアゴニストモノクローナル抗体の組み合わせ
JP2023039448A (ja) がんを治療するための、pd-1アンタゴニスト及びvegfr/fgfr/retチロシンキナーゼ阻害剤の組合せ
CN105451770B (zh) 使用PD-1拮抗剂和dinaciclib的组合治疗癌症
US20180037653A1 (en) Treatment for chronic lymphocytic leukemia (cll)
KR20190021373A (ko) 항-cd19 항체 제제
US11591395B2 (en) Methods of treating prostate cancer with an anti-PSMA/CD3 antibody
US20210079115A1 (en) Methods of treating renal cancer with an anti- psma/cd3 antibody
WO2009149306A2 (en) Complement depleting compounds and methods of treating cancer comprising monoclonal antibody therapy and said complement depleting compounds
EP3998081A1 (en) Treatment of hematologic cancer with pd-1/cd3 dual specificity protein
JP2020055830A (ja) 慢性リンパ球性白血病(cll)の処置
US10478497B2 (en) Combinations of inecalcitol with an anti-CD38 agent and their uses for treating cancer
JP2022513405A (ja) 抗cd123免疫複合体を用いた治療法
WO2024041652A1 (en) Methods of cancer treatment
WO2024026019A1 (en) Methods for treating chronic myelomonocytic leukemia with anti-ilt3 antibodies
TW202400656A (zh) 使用ctla-4及pd-1雙特異性抗體之治療方法
KR20240038769A (ko) 항-ilt3 항체를 사용하여 급성 골수성 백혈병을 치료하는 방법
CA3190934A1 (en) Use of anti-pd-1 antibody in treatment of nasopharyngeal carcinoma
CA3181827A1 (en) Anti-tumor combination therapy comprising anti-cd19 antibody and polypeptides blocking the sirp?-cd47 innate immune checkpoint
TW202311293A (zh) 免疫療法之組合及其用途

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180518

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190205

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20190507

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190705

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20190730