JP2017518321A - 周囲温度での血液サンプル中の代謝的に活性な細胞の安定化 - Google Patents

周囲温度での血液サンプル中の代謝的に活性な細胞の安定化 Download PDF

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Abstract

本発明は、周囲温度での、血液サンプル中の1つ以上の代謝的に活性な細胞の安定化に関する。特に、周囲温度での、血液サンプル中の1つ以上の代謝的に活性な細胞の実質的に安定した保存のための製剤、組成物、製品、キット、および方法が提供される。【選択図】図1A

Description

相互参照
本出願は、2014年6月10日に出願された米国仮特許出願第62/010,237号の利益を主張し、当該文献は参照によってその全体が本明細書中に組み込まれる。
1.技術分野
本発明は一般に、周囲温度での、血液サンプル中の1つ以上の代謝的に活性な細胞の安定化に関する。本発明は特に、周囲温度での、血液サンプル中の1つ以上の代謝的に活性な細胞の実質的に安定した保存のための製剤、組成物、製品、キット、および方法に関する。
2.背景
全血は、細胞、核酸、タンパク質、および様々な他の分析物の複合の混合物である。血液成分は特に、限定されないが以下を含む:白血球(単球、リンパ球、および顆粒球)、赤血球、血小板、および、循環腫瘍細胞などの細胞;循環遊離DNA(cfDNA)などの核酸分子;リポタンパク質、アルブミン、および血清タンパク質などのポリペプチド;および他の様々な分析物。
赤血球(Erythrocytes)または赤血球(red blood cells)(RBC)は、全身に酸素を運ぶヘモグロビンが詰められた、柔軟な、両面に凹みがある細胞である。RBCは最も濃い全血の成分であり、したがって、例えば遠心分離、または重力下で沈降させることによって、全血から容易に分離することができる。濃厚赤血球は、ドナー患者へ輸血する(自己輸血法)、または、適合する血液型、例えば、適正なA、B、AB、O、およびrh抗原の血液型を持っている患者へ輸血することができる。白血球(Leukocytes)または白血球(white blood cells)(WBC)は、細胞型、例えばリンパ球、マクロファージ、および多形核好中球(PMN)の多様なアレイであり、主に免疫反応と関連し、感染と戦うものである。WBCは一般的にRBCほどあまり濃くなく、全血の遠心分離の間に、RBCの上に、血小板と一緒に白い「軟膜」の層を形成する。軟膜は、成長因子、芽細胞およびサイトカインの有用な源になり得る。
周囲温度での血液サンプル中の細胞を安定化し、輸送し、および保存するための組成物および方法が報告されてきた。これらの現在用いられている組成物は、多くの場合血球の代謝活性を維持できず、また、安定化された細胞は、全血に見られるものと同様の大きさおよび形態を保持せず、あらかじめ定められた細胞の大きさおよび形状に基づいて細胞を選別および計数する自動細胞分離装置および計数装置を使用した、これらの細胞の後の分析を複雑にする。
したがって、より長い期間、周囲温度での全血中の細胞と同様の大きさと形態を有し、無傷で、代謝的に活性な状態で維持される、血液からの細胞を安定化するための新規の製剤、組成物、および方法を開発する必要性が存在する。いくつかの実施形態では、本発明の製剤、組成物、および方法は、少なくとも18日の間、周囲温度での無傷で、生存している代謝的に活性な全細胞を提供することにより、前述の制限を好適に克服する。さらに、実質的に保存された細胞上で示された膜結合型の細胞表面タンパク質は、これらの細胞の分析を促進する血液サンプル中でそれらの天然のコンフォメーションを保持する。これらの安定化された血液細胞は、冷蔵または冷凍を必要とすることなく輸送および保存されてもよく、長期間、例えば数日、数週間、数か月、または数年にわたって周囲温度で安定しており、診断的な、および潜在的な治療上の応用のための様々な血液成分の、定量化、分析、および/または使用を促進する。
いくつかの実施形態では、周囲温度での、血液サンプル中の1つ以上の代謝的に活性な細胞の実質的に安定した保存のための製剤が本明細書に記載され、ここで細胞は少なくとも3日間の、室温での保存後に、代謝的に活性な状態で残存する。いくつかの実施形態では、細胞の少なくとも80%は、少なくとも3日間の、室温での保存後に代謝的に活性な状態で残存する。いくつかの実施形態では、細胞は、少なくとも4日、少なくとも5日、少なくとも6日、少なくとも7日、少なくとも8日、少なくとも9日、少なくとも10日、少なくとも11日、少なくとも12日、少なくとも13日、少なくとも14日、少なくとも15日、少なくとも16日、少なくとも17日、または少なくとも18日の間、代謝的に活性な状態で残存する。いくつかの実施形態では、細胞の少なくとも80%は、少なくとも18日の間、室温で、代謝的に活性な状態で残存する。いくつかの実施形態では、周囲温度での血液サンプル中の細胞の実質的に安定した保存のための製剤は、以下を含む:pH緩衝液;キレート化剤;およびペプチド。いくつかの実施形態では、pH緩衝液は、2−(N−モルフォリノ)エタンスルホン酸(MES)、3−(N−モルフォリノ)プロパンスルホン酸(MOPS)、3−モルフォリノ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(MOPSO)、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される。いくつかの実施形態では、ペプチドは、ジペプチドまたはトリペプチドである。いくつかの実施形態では、ジペプチドの配列は、Ala−GlnまたはGly−Glyである。いくつかの実施形態では、ジペプチドの配列は、Ala−Glnである。いくつかの実施形態では、ジペプチドの配列は、Gly−Glyである。いくつかの実施形態では、トリペプチドの配列は、Gly−Gly−Glyである。いくつかの実施形態では、キレート化剤はEDTAである。いくつかの実施形態では、1つ以上の代謝的に活性な細胞は、白血球、赤血球、循環腫瘍細胞、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される。いくつかの実施形態では、製剤は以下を含む:pH緩衝液;キレート化剤;ホスファターゼ阻害剤;およびプリン。いくつかの実施形態では、ホスファターゼ阻害剤はセリン−スレオニンホスファターゼ阻害剤である。いくつかの実施形態では、セリン−スレオニンホスファターゼ阻害剤は2−グリセロールリン酸である。いくつかの実施形態では、プリンは、アデニンまたはグアニンである。いくつかの実施形態では、プリンは、アデニンである。いくつかの実施形態では、プリンは、グアニンである。いくつかの実施形態では、組成物はさらに、キレート化剤、および、陽イオン化合物、双性イオン化合物、およびペプチドからなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含む。いくつかの実施形態では、キレート化剤はグルコン酸ナトリウムである。いくつかの実施形態では、双性イオン化合物は式(I)の化合物であり:
Figure 2017518321
式中、R、R、およびRは、非置換または置換のアルキル、非置換または置換のアリール、非置換または置換のアリールアルキルから独立して選択され、またはRおよびRは随意に環を形成し、YはCH、CH(A)、CH(A)−CH(A)、CH(A)−CH(A)−CH(A)であり、ここで、Aは非置換または置換のアルキル、アリール、アリールアルキル、または20の自然発生のアミノ酸の1つにおいて典型的に発見される任意の側鎖であり;および、ZはCO−、SO−、またはOPO−である。いくつかの実施形態では、陽イオン化合物は、以下の式の化合物からなる群から選択される:
(a)式(II)の化合物:
Figure 2017518321
式中、R、R、およびRは、非置換または置換のアルキル、非置換または置換のアリール、非置換または置換のアリールアルキルから独立して選択され、またはRおよびRは随意に環を形成し、YはCH、CH(A)、CH(A)−CH(A)、CH(A)−CH(A)−CH(A)であり、ここで、Aは非置換または置換のアルキル、アリール、アリールアルキル、または20の自然発生のアミノ酸の1つにおいて典型的に発見される任意の側鎖であり;ZはCOAであり;およびXは薬学的に許容可能な陰イオンであり;
(b)式(III)の化合物:
Figure 2017518321
式中、R、R、R、およびRは、非置換または置換のアルキル、非置換または置換のアリール、非置換または置換のアリールアルキルから独立して選択され、またはRおよびRは随意に環を形成し、YはCH、CH(A)、CH(A)−CH(A)、CH(A)−CH(A)−CH(A)であり、ここで、Aは非置換または置換のアルキル、アリール、アリールアルキル、または20の自然発生のアミノ酸の1つにおいて典型的に発見される任意の側鎖であり;およびXは薬学的に許容可能な陰イオンであり;および
(c)式(IV)の化合物:
Figure 2017518321
式中、RとRは、非置換または置換のアルキル、非置換または置換のアリール、非置換または置換のアリールアルキルから独立して選択され;および、Xは薬学的に許容可能な陰イオンである。いくつかの実施形態では、式(I)、式(II)または式(III)の化合物のRおよびRは、モルフォリノ環、ピロリジニウム環、ピペリジニウム環またはオキサジニウム環を形成する。いくつかの実施形態では、双性イオン化合物は、表1で明記される双性イオン化合物から選択される。いくつかの実施形態では、陽イオン化合物は、表1で明記される陽イオン化合物から選択される。いくつかの実施形態では、双性イオン化合物は四級の分子内塩である。いくつかの実施形態では、四級の塩は、N,N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−3−アンモニウム−プロピオナート、またはN−エチル−ピペリジニウム−4−ブチルスルホナートである。いくつかの実施形態では、陽イオンまたは双性イオン化合物は、4−(2−エトキシ−2−オキソエチル)−4−エチルモルホリン−4−イウムブロミド、N−(2−エトキシ−2−オキソエチル)−3−ヒドロキシ−N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)プロパン−1−アミニウムブロミド、2−エトキシ−N,N,N−トリエチル−2−オキソエタンアミニウムブロミド、2−((3−ヒドロキシプロピル)ジメチルアンモニオ)アセテート、2−((2−ヒドロキシプロピル)ジメチルアンモニオアセテート、2−(2−(ヒドロキシメチル)−1−メチルピペリジニウム−1−イル)アセテート、2−((2−ヒドロキシエチル)ジメチルアンモニオ)アセテート、2−((2,3−ジヒドロキシプロピル)ジメチルアンモニオ)アセテート、1−(2−エトキシ−2−オキソエチル)−4−ヒドロキシ−1−メチルピペリジニウムブロミド、2−(4−ヒドロキシ−1−メチルピペリジニウム−1−イル)アセテート、2−エトキシ−N−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル)−N,N−ジメチル−2−オキソエタンアミニウムブロミド、2−((2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル)ジメチルアンモニオ)アセテート、2−(ビス(2−ヒドロキシエチル)−(メチル)アンモニオ)アセテート&4−(2−ヒドロキシエチル)−4−メチル−2−オキソモルホリン−4−イウムブロミド、2−(ビス(2−ヒドロキシエチル)−(メチル)アンモニオ)アセテート、2−(4−(2−ヒドロキシエチル)モルフォリノ−4−イウム)アセテート、4−(2−エトキシ−2−オキソエチル)−4−メチルモルホリン−4−イウムブロミド、1−(2−エトキシ−2−オキソエチル)−1−メチルピロリジニウムブロミド、2−(ベンジル(2−ヒドロキシ−エチル)(メチル)アンモニオ)アセテート、3−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−1−メチル−1H−イミダゾル3−イウムクロリド、1,3−ジメチル−1H−イミダゾル3−イウムメチル硫酸塩、N−ベンジル−2−エトキシ−N,N−ジメチル−2−オキソエタンアミニウムブロミド、1−(2−エトキシ−2−オキソエチル)−1−メチルピペリジニウムブロミド、N−(2−エトキシ−2−オキソエチル)−N,N−ジメチルベンゼンアミニウムブロミド、1−(2−エトキシ−2−オキソエチル)−3−ヒドロキシ−1−メチルピペリジニウムブロミド、3−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル)−1−メチル−1Hイミダゾル3−イウムクロリド、3−(2−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エチル)−1−メチル−1H−イミダゾル3−イウムクロリド、1−メチル−3−テトラデシル−1H−イミダゾル3−イウムブロミド、N−(2−エトキシ−2−オキソエチル)−N,N−ジメチルシクロ−ヘキサンアミニウムブロミド、および3−((2−ヒドロキシ−エチル)ジメチル−アンモニオ)プロパノアートから成る群から選択される。いくつかの実施形態では、ペプチドは、Ala−Gln、Gly−GlyまたはGly−Gly−Glyのアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、ペプチドは、Ala−Glnのアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、ペプチドは、Gly−Glyのアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、ペプチドは、Gly−Gly−Glyのアミノ酸配列を有する。いくつかの実施形態では、製剤はさらに、酢酸緩衝液、スクラロース、グルコース、塩化カリウム、ミオイノシトール、N−メチルグルカミン、塩化マグネシウム、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の代謝的に活性な細胞は、白血球、赤血球、血漿タンパク質、循環腫瘍細胞、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される。いくつかの実施形態では、1つ以上の代謝的に活性な細胞は、白血球である。いくつかの実施形態では、1つ以上の代謝的に活性な細胞は、赤血球である。いくつかの実施形態では、1つ以上の代謝的に活性な細胞は、循環腫瘍細胞である。いくつかの実施形態では、製剤は、表2で明記される製剤から選択される。特定の実施形態では、pH緩衝液は、2−(N−モルフォリノ)エタンスルホン酸(MES)、3−(N−モルフォリノ)プロパンスルホン酸(MOPS)、および3−モルフォリノ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(MOPSO)、から成る群から選択され、キレート化剤はEDTAであり、およびペプチドは、ジペプチドまたはトリペプチドである。特定の実施形態では、ホスファターゼ阻害剤は2−グリセロールリン酸であり、プリンはアデニンまたはグアニンである。特定の実施形態では、ホスファターゼ阻害剤は2−グリセロールリン酸であり、プリンはアデニンである。
いくつかの実施形態では、1つ以上の代謝的に活性な細胞の、実質的に安定した保存のための製剤と混合された、1つ以上の代謝的に活性な白血球を含む、実質的に安定して保存された1つ以上の代謝的に活性な白血球の組成物が、本明細書において記載される。特定の実施形態では、1つ以上の代謝的に活性な白血球は精製され、実質的に安定した保存用の製剤に保存される。
いくつかの実施形態では、1つ以上の代謝的に活性な細胞の、実質的に安定した保存のための製剤と混合された、1つ以上の代謝的に活性な赤血球を含む、実質的に安定して保存された1つ以上の代謝的に活性な赤血球の組成物が、本明細書において記載される。特定の実施形態では、1つ以上の代謝的に活性な赤血球は精製され、実質的に安定した保存用の製剤に保存される。
いくつかの実施形態では、1つ以上の代謝的に活性な細胞の、実質的に安定した保存のための製剤と混合された、1つ以上の代謝的に活性な循環腫瘍細胞を含む、1つ以上の代謝的に活性な循環腫瘍細胞の実質的に安定して保存された組成物が、本明細書において開示される。特定の実施形態では、1つ以上の代謝的に活性な循環腫瘍細胞は精製され、実質的に安定した保存用の製剤に保存される。
いくつかの実施形態では、採血管内に含有される本明細書に記載された製剤のいずれか1つの製剤を含む製品が本明細書において記載される。いくつかの実施形態では、採血管は、真空採血管である。
いくつかの実施形態では、製品のいずれか1つ、および添付文書を含むキットが本明細書において記載される。
いくつかの実施形態では、周囲温度で、血液サンプル中の1つ以上の代謝的に活性な細胞を実質的に安定して保存する方法が本明細書において記載され、該方法は:被験体から採取した血液のサンプルを、本明細書に提供されるような血液サンプル中の1つ以上の代謝的に活性な細胞の実質的に安定した保存のための製剤と混合する工程を含み、ここで1つ以上の細胞は少なくとも3日間、室温で、代謝的に活性な状態で残存する。いくつかの実施形態では、細胞の少なくとも80%は、少なくとも3日間、室温で、代謝的に活性な状態で残存する。方法の他の実施形態では、細胞は、少なくとも4日、少なくとも5日、少なくとも6日、少なくとも7日、少なくとも8日、少なくとも9日、少なくとも10日、少なくとも11日、少なくとも12日、少なくとも13日、少なくとも14日、少なくとも15日、少なくとも16日、少なくとも17日、または少なくとも18日の間、代謝的に活性な状態で残存する。いくつかの実施形態では、細胞は、少なくとも18日間、室温で、代謝的に活性な状態で残存する。いくつかの実施形態では、細胞は、白血球、赤血球、循環腫瘍細胞、またはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、被験体は動物である。いくつかの実施形態では、被験体は哺乳動物である。いくつかの実施形態では、被験体はヒトである。特定の実施形態では、血液サンプルは、被験体からの採取後に1つ以上の代謝的に活性な細胞を実質的に安定させるために、血液が被験体から採血される時に、安定化製剤と混合される。
図1Aは、本発明の製剤および組成物が、6日間の保存後に、周囲温度または4℃で、血液サンプル中のCD45陽性の白血球を安定化させることができることを実証する、3人のドナーの研究のFACS散布図を示す。図1Aは無保護のサンプルに対する、典型的な製剤での、周囲温度での安定化を表す。 図1Bは、本発明の製剤および組成物が、6日間の保存後に、周囲温度または4℃で、血液サンプル中のCD45陽性の白血球を安定化させることができることを実証する、3人のドナーの研究のFACS散布図を示す。図1Bは無保護のサンプルに対する、典型的な製剤での、4℃での安定化を表す。 図2のAおよび図2のBは、本発明の製剤および組成物が、無保護のサンプルに対する、4℃での6日間の保存後に、血液サンプル中の顆粒球、リンパ球および単球からなるCD45陽性の全白血球および生存している白血球の集団を安定化することが出来ることを実証する棒グラフを提供する。 図3のAおよび図3のBは、本発明の製剤および組成物が、無保護のサンプルに対する室温での6日間の保存の後に、血液サンプル中の顆粒球、リンパ球および単球からなるCD45陽性の合計の白血球および生存している白血球の集団を安定化することが出来ることを実証する棒グラフを提供する。 図4は、本発明の製剤および組成物が、無保護のサンプルに対する、4℃での5日間の保存後に、血液サンプル中の単球の集団を安定化することが出来ることを実証するFACS散布図を提供する。 図5は、本発明の製剤および組成物が、無保護のサンプルに対する、室温での5日間の保存の後に、血液サンプル中のCD4陽性およびCD8陽性のT細胞/リンパ球を安定化することが出来ることを実証する棒グラフを示す。 図6は、本発明の製剤および組成物が、無保護のサンプルに対する、室温での8時間保存の後に、血液サンプル中の生存しているCD66b陽性の顆粒球の集団を安定化することが出来ることを実証するFACS散布図を示す。
発明の詳細な説明
本発明によると、周囲温度での、血液サンプル中の1つ以上の代謝的に活性な細胞の実質的に安定した保存のための製剤、組成物、製品、キット、および方法が提供される。1つの態様では、本明細書に記載された製剤は、全血中で見られるようなものと同様の大きさ、および形態の、無傷で代謝的に活性な、生存している血液細胞、例えば白血球、赤血球、循環腫瘍細胞の完全性を有利に維持する。これらの生存している細胞は、天然の野性型の膜タンパク質、受容体、および細胞表面タンパク質に対して生成された抗体を使用する、流動細胞計測法または、蛍光活性化細胞分類(FACS)分析によって有利に分析され得、これらの細胞表面タンパク質を変性させる他の保存製剤を使用する可能性は無い。
別段定義されない限り、本明細書中で使用される全ての技術的および科学的な用語は、本発明が属する当該技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書において引用されたすべての特許、特許出願、および公報は、それらの全体において、参照によって組み入れられるものと言及される。
本明細書および添付の請求項で使用されるように、単数形の「a」、「an」および「the」は、文脈上明確に指示されない限り、複数の言及も含む。したがって、例えば「方法」への言及は、本開示等を読む当業者に明らかになるであろう、本明細書において記載されたタイプの1つ以上の方法および/または工程を含む。
量、一時的な持続時間などのような測定可能な値について指すときに、本明細書において使用される「約」は、指定された値から±20%、または±10%、または±5%、または±1%の変動を包含することを意味し、そのような変動は開示された組成物に適しているか、または開示された方法を実行するのに適している。
周囲温度での、血液サンプル中の1つ以上の代謝的に活性な細胞の安定化のための製剤および組成物
本発明の1つの態様では、周囲温度での血液サンプル中の1つ以上の代謝的に活性な細胞、例えば、白血球、赤血球、および/または循環腫瘍細胞の実質的に安定した保存のための製剤が提供される。特定の実施形態では、細胞は、少なくとも3日間、室温で代謝的に活性な状態で残存する。他の実施形態では、細胞は、少なくとも4日、少なくとも5日、少なくとも6日、少なくとも7日、少なくとも8日、少なくとも9日、少なくとも10日、少なくとも11日、少なくとも12日、少なくとも13日、少なくとも14日、少なくとも15日、少なくとも16日、少なくとも17日、または少なくとも18日の間、代謝的に活性な状態で残存する。
本明細書において使用されるような用語「周囲温度」は、一般的な室内温度を指す。いくつかの実施形態では、周囲温度は15℃から32℃である。いくつかの実施形態では、周囲温度は20℃から27℃である。
特定の他の実施形態では、周囲温度での、血液サンプル中の天然の、1つ以上の代謝的に活性な細胞の実質的に安定した保存のための製剤は、以下を含む:pH緩衝液;キレート化剤;およびペプチド。いくつかの実施形態では、ペプチドは、ジペプチドまたはトリペプチドである。いくつかの実施形態では、ジペプチドは、アラニン−グルタミンである。いくつかの実施形態では、ジペプチドは、グリシン−グリシンである。いくつかの実施形態では、トリペプチドの配列は、グリシン−グリシン−グリシンである。他の製剤は以下を含む:pH緩衝液;ホスファターゼ阻害剤;およびプリン。いくつかの実施形態では、プリンは、アデニンまたはグアニンである。いくつかの実施形態では、これらの製剤はさらに、キレート剤、および陰イオン化合物、双性イオン化合物、またはペプチドの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、製剤はさらに、酢酸緩衝液、スクラロース、グルコース、塩化カリウム、ミオイノシトール、N−メチルグルカミン、塩化マグネシウム、またはそれらの組み合わせを含む。
別の態様では、全血の調製中において実質的に安定した白血球、赤血球、循環腫瘍細胞を生成するために、本明細書で提供されるような安定化製剤と混合された血液サンプルを含む組成物が提供される。他の態様では、安定化製剤と混合された、分離または精製された白血球、赤血球、または循環腫瘍細胞を含む組成物が提供される。
製剤試薬
A.pH緩衝液
特定の実施形態によれば、血液サンプル中の1つ以上の細胞の、実質的に安定した保存のための、本明細書において記載される製剤および組成物は、1つ以上のpH緩衝液を含む。いくつかの実施形態では、pH緩衝液は、pH緩衝液が存在する水溶液のような溶液のpHの変化に抵抗する能力について当該技術分野で知られている、多くの化合物のいずれかである。安定した保存用の組成物に含めるための1つ以上の特定のpH緩衝液の選択は、開示に基づいて、および当該技術分野における慣行によって行なわれ得、また、維持することが望ましいpH、安定化されるサンプルの性質、利用される溶剤の状態、使用される製剤の他の成分、および他の基準を含む様々な因子によって影響され得る。例えば、典型的に、pH緩衝液は、緩衝液の特徴であるプロトン解離定数(pKa)の約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、または1.0のpH単位の範囲内のpHで利用される。
pH緩衝液の非限定的な例は、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、スルホサリチル酸、スルホイソフタル酸、シュウ酸、ホウ酸塩、CAPS(3−(シクロヘキシルアミノ)−1−プロパンスルホン酸)、CAPSO(3−(シクロヘキシルアミノ)−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸)、EPPS(4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンプロパンスルホン酸)、HEPES(4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−エタンスルホン酸)、MES(2−(N−モルフォリノ)エタンスルホン酸 )、MOPS(3−(N−モルフォリノ)プロパンスルホン酸)、MOPSO(3−モルフォリノ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸)、PIPES(1,4−ピペラジンジエタンスルホン酸)、TAPS(N−[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]−3−アミノプロパンスルホン酸)、TAPSO(2−ヒドロキシ−3−[トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸)、TES(N−[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]−2−アミノエタンスルホン酸)、
ビシン(N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン)、トリシン(N−[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]グリシン)、トリス(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン)、およびビス−トリス(2−[ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール)を含む。表2で明記される多くの製剤を含む、本明細書で熟考される特定の実施形態は、約4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、または9.0のpHを有する製剤を特徴とする。
B.陽イオン化合物および双性イオン化合物
いくつかの実施形態では、製剤は、陽イオン化合物、双性イオン化合物、またはそれらの組み合わせを含有する。特定の実施形態では、双性イオン化合物は四級の分子内塩である。いくつかの実施形態では、表2に明記されるものを含む周囲温度での血液サンプル中の、1つ以上の細胞の実質的に安定した保存のための製剤において、四級の分子内塩は、N,N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−3−アンモニウム−プロピオナート、またはN−エチル−ピペリジニウム−4−ブチルスルホナートである。いくつかの実施形態では、四級の分子内塩は、N,N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−3−アンモニウム−プロピオナート、またはN−エチル−ピペリジニウム−4−ブチルスルホナートであり、約1.0−100mg/mL、または1.0−50mg/mL、または約10.0−50mg/mlの濃度で存在する。いくつかの実施形態では、四級の分子内塩は、WO 2012/018638に開示されたものの1以上である。
いくつかの実施形態では、双性イオン化合物は式(I)の化合物であり:
Figure 2017518321
式中、R、R、およびRは、非置換または置換のアルキル、非置換または置換のアリール、非置換または置換のアリールアルキルから独立して選択され、またはRおよびRは随意に環を形成し、YはCH、CH(A)、CH(A)−CH(A)、CH(A)−CH(A)−CH(A)であり、ここで、Aは非置換または置換のアルキル、アリール、アリールアルキル、または20の自然発生のアミノ酸の1つにおいて典型的に発見される任意の側鎖であり;および、ZはCO−、SO−、またはOPO−である。いくつかの実施形態では、RおよびRはモルフォリノ環、ピロリジニウム環、ピペリジニウム環、またはオキサジニウム環を形成する。
いくつかの実施形態では、陽イオン化合物は、以下の式の化合物からなる群から選択される:
(a)式(II)の化合物:
Figure 2017518321
式中、R、R、およびRは、非置換または置換のアルキル、非置換または置換のアリール、非置換または置換のアリールアルキルから独立して選択され、またはRおよびRは随意に環を形成し、YはCH、CH(A)、CH(A)−CH(A)、CH(A)−CH(A)−CH(A)であり、ここで、Aは非置換または置換のアルキル、アリール、アリールアルキル、または20の自然発生のアミノ酸の1つにおいて典型的に発見される任意の側鎖であり;ZはCOAであり;およびXは薬学的に許容可能な陰イオンであり;
(b)式(III)の化合物:
Figure 2017518321
式中、R、R、R、およびRは、非置換または置換のアルキル、非置換または置換のアリール、非置換または置換のアリールアルキルから独立して選択され、またはRおよびRは随意に環を形成し、YはCH、CH(A)、CH(A)−CH(A)、CH(A)−CH(A)−CH(A)であり、ここで、Aは非置換または置換のアルキル、アリール、アリールアルキル、または20の自然発生のアミノ酸の1つにおいて典型的に発見される任意の側鎖であり;およびXは薬学的に許容可能な陰イオンであり;および
(c)式(IV)の化合物:
Figure 2017518321
式中、RとRは、非置換または置換のアルキル、非置換または置換のアリール、非置換または置換のアリールアルキルから独立して選択され;および、Xは薬学的に許容可能な陰イオンである。いくつかの実施形態では、式(II)または式(III)の化合物のRおよびRは、モルフォリノ環、ピロリジニウム環、ピペリジニウム環またはオキサジニウム環を形成する。
「アルキル」基は脂肪族炭化水素基を指す。アルキルの部分は「飽和しているアルキル」基を含み、これは任意のアルケンまたはアルキンの部分を含有しないことを意味する。アルキル基の部分は同様に「不飽和のアルキル」部分を含み、これは少なくとも1つのアルケンまたはアルキン部分を含有することを意味する。「アルケン」部分は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する基を指し、および、「アルキン」部分は、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合がある基を指す。アルキルの部分は、飽和または不飽和のいずれの場合であっても、分枝鎖、直鎖、または環式の部分を含む。構造によって、アルキル基はモノラジカルまたはジラジカル(すなわちアルキレン基)を含み、「低級アルキル」である場合1から6の炭素原子を有している。本明細書に使用されるように、C1−CxはC1−C2、C1−C3...C1−Cxを含む。「アルキル」の部分は、随意に1から10の炭素原子を有する(本明細書に現われる場合は常に、「1から10」など数的な範囲は、一定の範囲中の各整数を言及する;例えば、「1から10の炭素原子」は、アルキル基が1つの炭素原子、2つの炭素原子、3つの炭素原子、最大10の炭素原子を有する部分から選択されることを意味するが、本定義は数的な範囲が指定されていない用語「アルキル」の発生もまた包含する)。本明細書に記載された化合物のアルキル基は、「C1−C4アルキル」または同様の名称として命名してもよい。ほんの一例として、「C1−C4アルキル」は、1から4つの炭素原子がアルキル鎖に存在することを示す、すなわち、アルキル鎖は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチルおよびt−ブチルの中から選択される。したがって、C1−C4アルキルはC1−C2アルキルおよびC1−C3アルキルを含む。アルキル基は随意に置換される、または置換されない。典型的なアルキル基は、限定されないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ターシャリーブチル、ペンチル、ヘキシル、エテニル、プロペニル、ブテニル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどを含む。
本明細書に記載されているように、用語「環」は、任意の共有結合閉構造を指す。環は、例えば、炭素環式化合物(例えばアリールとシクロアルキル)、複素環式化合物(例えばヘテロアリールおよび非芳香族の複素環式化合物)、芳香族(例えばアリールとヘテロアリール)および非芳香族(例えばシクロアルキルおよび非芳香族の複素環式化合物)を含む。環は、随意に置換される。環は、単環式または多環式であり得る。
用語「アリール」は、単独で、または「アリールアルキル」、「アリールアルコキシ」、または「アリールオキシアルキル」のようにより大きな部分の一部として使用され、縮合環を含む、単環式、二環式、または三環の、炭素環系を指し、ここで、系の少なくとも1つの環が芳香族である。用語「アリール」は、用語「アリール環」と互換的に使用してもよい。1つの実施形態では、アリールは、6−12の炭素原子を有する基を含む。別の実施形態では、アリールは、6−10の炭素原子を有する基を含む。アリール基の例は、フェニル、ナフチル、アントラシル、フェナントレニル、ナフタセニル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレニル、1H−インデニル、2,3−ジヒドロ−1H−インデニルなどを含む。特定のアリールはフェニルである。別の実施形態では、アリール基は、インダニル、ナフチルおよびテトラヒドロナフチルなどを含み、ラジカルまたは、結合の点は芳香環上にある。
用語「随意に置換された」または「置換された」は、言及された群が、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアリサイクリック、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アルキルスルホキシド、アリールスルホキシド、アルキルスルホン、アリールスルホン、シアノ、ハロ、アシル、ニトロ、ハロアルキル、フルオロアルキル、一置換型および二置換型のアミノ基を含むアミノ、およびそれらの保護された誘導体から個々に、かつ独立して選択された、1つ以上の追加の基で置換されてもてもよいことを意味する。例として、随意の置換基はLsRsであり得、ここで、それぞれのLは、独立して単結合、−O−、−C(=O)−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−、−NH−、−NHC(O)−、−C(O)NH−、S(=O)NH−、−NHS(=O)、−OC(O)NH−、−NHC(O)O−、−(置換または非置換のC1−C6アルキル)、または−(置換または非置換のC2−C6アルケニル);および、それぞれのRは、H(置換または非置換のC1−C4アルキル)、(置換または非置換の、C3−C6シクロアルキル)、ヘテロアリール、またはヘテロアルキルから独立して選択される。
表2で明記される製剤を含む、本明細書で記載される製剤の実施形態では、陽イオン化合物は、表1の典型的な陽イオン化合物の1つから選択される。表2で明記される製剤を含む、本明細書で記載される製剤の実施形態では、双性イオン化合物は、表1の典型的な双性イオン化合物の1つから選択される。
Figure 2017518321
Figure 2017518321
<C.ペプチド>
周囲温度での血液サンプル中の1以上の代謝的に活性な細胞の実質的に安定した保存のための本明細書に記載される製剤は、特定の実施形態では、ペプチドを含有する。有利なことに、pHバッファーの存在下で、安定した量の小さなジペプチド又はトリペプチド、例えば50mM又は200mMを含む、表2で明記される製剤を含む製剤は、予想外にも、周囲温度で、これら細胞を冷たい保存期間(cold storage)を超える期間の間、血液サンプル中の代謝的に活性な細胞を実質的に安定化することができることが、定められてきた。幾つかの実施形態では、ジペプチドはアミノ酸配列aa−aaを有し、aaは、20の天然又は任意の非天然のアミノ酸の何れかである。幾つかの実施形態では、ジペプチドはアラニン−グルタミンである。幾つかの実施形態では、ジペプチドはグリシン−グリシンである。幾つかの実施形態では、トリペプチドはアミノ酸配列aa−aa−aaを有し、aaは、20の天然又は任意の非天然のアミノ酸の何れかである。幾つかの実施形態では、トリペプチドはグリシン−グリシン−グリシンである。
<D.ホスファターゼ阻害剤>
周囲温度での血液サンプル中の1つ以上の代謝的に活性な細胞の実質的に安定した保存のための本明細書で記載される製剤は、特定の実施形態では、ホスファターゼ阻害剤を含むことがある。特定の実施形態では、ホスファターゼ阻害剤は、ホスファターゼのセリンスレオニンクラスの阻害剤である。幾つかの実施形態では、ホスファターゼ阻害剤は、2−グリセロールリン酸である。幾つかの実施形態では、ホスファターゼ阻害剤は、約1.0−100mM、約25−75mM、又は約50mMの濃度で存在する。幾つかの実施形態では、ホスファターゼ阻害剤は、2−グリセロールリン酸であり、約1.0−100mM、約25−75mM、又は約50mMの濃度で存在する。
<キレート化剤>
キレート化剤又はキレート剤は、特定の実施形態によると、血液サンプル中の生存している無傷細胞の実質的に安定した保存のための本明細書に記載される組成物に含まれている。前記キレート化剤は、金属陽イオンの反応性により複合体を形成し、且つ該反応性を妨げるそれらの能力に精通している当業者には既知である。典型的なキレート化剤は、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレングリコール四酢酸(EGTA)、トランス−1,2−ジアミノシクロヘキサン−N,N,N’,N’−四酢酸(CDTA)、1,2−ビス(2−アミノフェノキシ)エタン−N,N,N’,N’−四酢酸(BAPTA)、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−テトラ酢酸(DOTA)、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン−N,N’,N’−三酢酸、グルコン酸ナトリウム、およびニトリロ三酢酸(NTA)を含む。幾つかの実施形態では、キレート化剤はグルコン酸ナトリウムであり、約1.0−50mM、約10−40mM、又は約25mMの濃度で存在する。
<F.プリン>
幾つかの実施形態では、血液サンプル中の生存している無傷細胞の実質的に安定した保存のための本明細書に記載される組成物に、プリンが含まれる。幾つかの実施形態では、プリンは、アデニン、グアニン、又はその両方である。幾つかの実施形態では、プリンはアデニンである。幾つかの実施形態では、プリンはグアニンである。
<周囲温度での血液サンプル中の1以上の代謝的に活性な細胞の安定化のための典型的な製剤>
特定の実施形態では、周囲温度での血液サンプル中の1つ以上の代謝的に活性な細胞の実質的に安定した保存のための製剤が、提供される。特定の実施形態では、血液サンプル中の1つ以上の代謝的に活性な細胞の実質的に安定した保存のための製剤は、pH緩衝液;キレート化剤;及びペプチドを含む。特定の実施形態では、血液サンプル中の1つ以上の代謝的に活性な細胞の実質的に安定した保存のための製剤は、pH緩衝液;キレート化剤;及びジペプチド又はトリペプチドを含む。特定の実施形態では、血液サンプル中の1つ以上の代謝的に活性な細胞の実質的に安定した保存のための製剤は、pH緩衝液;キレート化剤;及びアラニン−グルタミンであるジペプチド、グリシン−グリシンであるジペプチド、又はグリシン−グリシン−グリシンであるトリペプチドを含む。特定の実施形態では、血液サンプル中の1つ以上の代謝的に活性な細胞の実質的に安定した保存のための製剤は、pH緩衝液;ホスファターゼ阻害剤;及びプリンを含む。特定の実施形態では、ホスファターゼ阻害剤はセリン−スレオニンのホスファターゼ阻害剤であり、プリンはアデニン又はグアニンである。特定の実施形態では、ホスファターゼ阻害剤は、2−グリセロールリン酸であり、プリンはアデニンである。他の実施形態では、製剤は更に、キレート化剤;及び陽イオン化合物、双性イオン化合物、又はペプチドの少なくとも1つを含む。他の実施形態では、製剤は更に、グルコン酸ナトリウム、及び陽イオン化合物、双性イオン化合物、又はペプチドの少なくとも1つを含む。幾つかの実施形態では、製剤は更に、酢酸緩衝液、スクラロース、グルコース、塩化カリウム、ミオイノシトール、N−メチルグルカミン、塩化マグネシウム、又はそれらの組み合わせを含む。幾つかの実施形態では、双性イオン化合物は四級の分子内塩であり、ペプチドは、アミノ酸配列Ala−Glu、Gly−Gly、又はGly−Gly−Glyそれぞれを有するジペプチド又はトリペプチドである。
周囲温度での血液サンプル中の1つ以上の代謝的に活性な細胞の実質的に安定した保存のための典型的な製剤を、表2に示す。
Figure 2017518321
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Figure 2017518321
Figure 2017518321
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<周囲温度で、白血球、赤血球、及び循環腫瘍細胞を安定させるための製剤を調製する方法>
周囲温度での血液サンプル中の代謝的に活性な細胞の実質的に安定した保存のための本明細書に記載される製剤を調製する方法は、当業者に周知であり、且つ通常は市販で入手可能な試薬を使用する技術を利用する。幾つかの実施形態では、製剤は、製剤試薬の濃縮した保存溶液(例えば、2X、5X、10X、20Xなど)として調製され、適切な比率で血液サンプルと混合されることで、所望の濃度を形成する。表1で開示された陽イオン化合物と双性イオン化合物は、前述のように合成且つ処方されることがあり、例えばWO20120186638を参照されたい。
<精製細胞>
幾つかの実施形態では、実質的に安定した1つ以上の代謝的に活性な細胞は、当業者によって慣例的に利用される周知の従来の方法を使用して、血液サンプルから精製される。血液から血液細胞を精製するための装置、キット、及び方法が周知である。例えば、多くの原理が、白血球の様々な集団から赤血球を分離するために適用されてきた。従来では、勾配分離が使用されてきた。勾配分離は、赤血球が小さくて密であり、且つ、通常はフィコールなどの物質の「クッション」の下に、遠心分離時にペレットを形成し得る原理に取り組む。有効であるが、勾配法は典型的に遅く、自動化が困難であり、再生可能ではなく、不十分な収率しか得られず、且つ不十分な生存率を持つ細胞を生成するものである。加えて、最終生成物は頻繁に、不適当に分離された細胞を除去することを付加的な処理工程(例えば、赤血球溶解)に要求する、残存する赤血球汚染を含有する。
機能分析と臨床診断のために血液を分離する、別の共通して用いられる方法は、直接的なRBC溶解である。この方法の原理は、培地又は緩衝液のモル浸透圧濃度の簡潔で迅速な変化がWBCより多くのRBCを溶解するように、RBCがWBCよりも培地のモル浸透圧濃度の変化に敏感であるということである。実際は、溶解法は機能するが、勾配法と同様に、残りのWBC細胞の再現性、分離、生存率、及び数は、典型的に不十分であり、全集団の典型ではない。WBCへの損傷も、このような溶解法により生じ得る。
血液細胞の亜集団を分離するための、ごく最近に発展した技術は、血液細胞を分離するために磁気微粒子を利用してきた。代替的に、実質的に安定した、無傷の、代謝的に活性な生細胞は、親和性クロマトグラフィー、フローサイトメトリー、又は天然の野生型の膜蛋白質及び受容体に対して生成される抗体を用いる蛍光活性化細胞分類(FACS)分析により精製され、それは、このような細胞蛋白質を変性させる製剤保存条件を用いては可能ではない。循環腫瘍細胞は、循環腫瘍細胞の集団を捕らえるために細胞表面上に発現された特定の腫瘍抗原に向けられた抗体を用いて分離されることがあり、或いは、特異抗体が、行われる分析と循環腫瘍細胞の発現パターンに依存して、特異的なサブ集団のために選択するために使用されることがある。抗原発現パターンと抗原選択の決定は、当業者の考え得る範囲内にある。
精製された1つ以上の代謝的に活性な細胞は、続いて、分析前に長期間の間、本明細書に記載される製剤に保存される。
<製品>
特定の実施形態では、製品が提供され、その中で、表2に明記される製剤を含む、本明細書に記載される製剤の1つが、適切な採血管、容器、又は器内に含まれている。これらの製品は、採血時に1つ以上の細胞を安定化させることによる、1つ以上の代謝的に活性な細胞の実質的に安定した保存のために使用される。特定の実施形態では、採血管は、予め決められた量の全血を取り出すために大気圧未満を有する真空血液チューブである。幾つかの実施形態では、これらの製品は、本明細書に記載されるキット及び方法に使用される。
<キット>
本明細書には、幾つかの実施形態では、表2の製剤を含む本発明の製剤を含む製品の何れか1つと、添付文書を含む、キットが記載される。幾つかの実施形態では、キットの構成要素は、区画されたプラスチックエンクロージャなどの、容器中に供給される。幾つかの実施形態では、容器は、密封カバーを有し、それによって、キットの中身を、後の使用のための保存のために殺菌且つ密封することができる。
<周囲温度での血液サンプル中の1つ以上の代謝的に活性な細胞の実質的に安定した保存のための方法>
本発明の別の態様において、周囲温度での血液サンプル中の1つ以上の代謝的に活性な細胞の実質的に安定した保存のための方法が提供される。
特定の実施形態では、該方法は、周囲温度での血液サンプル中の1つ以上の代謝的に活性な細胞の実質的に安定した保存のための製剤と血液サンプルを混合する工程を含み、ここで、細胞、又は細胞の少なくとも80%は、少なくとも3日の期間の間、室温で代謝的に活性な状態で残存する。他の実施形態では、細胞は、少なくとも4日、少なくとも5日、少なくとも6日、少なくとも7日、少なくとも8日、少なくとも9日、少なくとも10日、少なくとも11日、少なくとも12日、少なくとも13日、少なくとも14日、少なくとも15日、少なくとも16日、少なくとも17日、又は少なくとも18日の間、代謝的に活性な状態で残存する。
特定の実施形態では、周囲温度での、血液サンプル中の1つ以上の代謝的に活性な細胞、例えば白血球、赤血球、及び/又は循環腫瘍細胞の実質的に安定した保存のための製剤は、pH緩衝液;キレート化剤;及びペプチドを含む。幾つかの実施形態では、ペプチドはジペプチド又はトリペプチドである。幾つかの実施形態では、ペプチドは、アラニン−グルタミンであるジペプチド、グリシン−グリシンであるジペプチド、又はグリシン−グリシン−グリシンであるトリペプチドである。特定の他の実施形態では、血液サンプル中の1つ以上の代謝的に活性な細胞の実質的に安定した保存のための製剤は、pH緩衝液;ホスファターゼ阻害剤;及びプリンを含む。幾つかの実施形態では、プリンはアデニン又はグアニンである。幾つかの実施形態では、製剤は更に、キレート化剤、及び、陽イオン化合物、双性イオン化合物、又はペプチドの少なくとも1つを含み、また更に、酢酸緩衝液、スクラロース、グルコース、塩化カリウム、ミオイノシトール、N−メチルグルカミン、塩化マグネシウム、又はそれらの組み合わせを含むことがある。幾つかの実施形態では、製剤は更に、キレート化剤、及び、陽イオン化合物、双性イオン化合物、又はペプチドの少なくとも1つを含み、また更に、酢酸緩衝液、スクラロース、グルコース、塩化カリウム、ミオイノシトール、N−メチルグルカミン、塩化マグネシウム、又はそれらの組み合わせを含むことがある。特定の実施形態では、製剤は、表2に明記される製剤の1つである。
採血管、バッグ、容器、及び器は、当該技術分野で周知であり、数十年間医師によって利用されてきた。1つ以上の代謝的に活性な細胞の実質的に安定した保存のために集められた血液は、静脈穿刺又は指先穿刺などの、当業者によって一般に利用される方法又は装置を使用して採取されることがある。幾つかの実施形態では、血液が静脈穿刺により採取される場合、製剤は、血液サンプルを被験体から採取する時に、血液採取チューブ、例えば、真空管(VACUTAINER血液採取チューブ、Becton Dickenson又はVACUETTEの血液採取チューブ、Greiner Bio−One)の内部に入れられる。幾つかの実施形態では、血液が静脈穿刺により採取される場合、製剤は、全血サンプルが引き抜かれた直後又はすぐ後に、既に採取された全血サンプルに加えられる。
本明細書で記載されるような方法は、本明細書で開示される製品及びキットを使用し得る。
以下の実施例は、例示によって示され、限定するものではない。
<実施例1.周囲温度での少なくとも18日間のヒト血液サンプル中の無傷の代謝的に活性な白血球及び赤血球の安定性>
この実施例は、周囲温度での少なくとも18日間の血液サンプル中の白血球及び/又は赤血球を安定させるための本発明の製剤及び組成物を記載する。
ヒト全血液を、Greiner Bio−One(Cat#455045)からのK2−EDTAチューブの中で、同意するドナーから採取した。各製剤の1.5mLを、Greiner Bio−Oneからの3mLの空のVacuetteチューブに入れた。血液を単一の容器に入れ、混合し、それぞれのチューブに分配し、チューブに血液を10ごとに等分した後に混合した。チューブにキャップをし、反転により10−12回混合した。チューブを75°F(23.9℃)で、実験室の中に周囲温度で保存した。複製のチューブを各製剤のために調製し、2本のチューブを、室温の対照と4℃の対照それぞれのために付加的に調製した。サンプルのアリコートから血漿を清潔に採取するために、3mLの血液それぞれにより対照を調製した。4日後、未処置の血液を、2回凍結融解し、次に1:1に希釈することにより溶解して、各サンプルへの安定剤の付加を占めた。その後、血液を連続して10倍に希釈して、10%の溶血対照を得て、次に更に5倍に希釈して、2%の溶血対照を得た。2%の溶血対照を連続して1:1に希釈して、1、0.5、0.25、0.125、0.0625、0.03125、及び0.015625の付加的な希釈を得た。希釈の200マイクロリットルのアリコートを、96ウェルのUV−starマイクロタイタープレート(Greiner Bio−One)に移して、製造業者の指示に従い、Biotek Synergy 2の器機を使用して、測定値を415nmで得た。パーセント溶血値を、415nmでODに対してプロットし、使用することで、その点を通る回帰線を計算した。計算された回帰線を定める方程式を、エクセルを用いて得て、この回帰線を用いて、4、10、及び18日で試験されている表2から分析された製剤の亜群に関するパーセント溶血を計算した。
Figure 2017518321
結果として生じる回帰線を、これらのデータから、y=0.1603x−0.0055、及び0.9999に等しいR2値であると計算した。
各条件及び時点でのサンプル調製は、チューブの各々から1mLのアリコートの除去、及び1.5mLのEppendorfマイクロチューブ(microfuge tube)への移動を含んでいた。Eppendorf 5417遠心分離機の中で5分間、3000rpmでチューブを回転させ、血漿層の250マイクロリットルのアリコートを各チューブから移して、4日の時点で1:1に希釈した。対照を含む幾つかの製剤のために後の時点で、読み取りが測定の上限を超えるように、より大きな希釈が必要とされた。製造業者の指示に従い、全ての測定値を水ブランクにより補正し、及び、Biotekプレートリーダを制御するために使用されるGen5ソフトウェアを介した経路長のために補正した。2つの読み取りの重複のパーセント溶血を平均化した。表4は、各重複サンプルに関する値(即ち、“#1”及び“#2”)、平均値、及び、試験された各製剤(表2の製剤No.1−24)について4、10、及び18日目に観察されたパーセント溶血を列挙する。
Figure 2017518321
表4に示されるように、白血球と赤血球を安定させるために試験された典型的な製剤の亜群は、少なくとも18日と同じ期間の間、4℃で無保護の状態で保存されたサンプルと同様に、又はそれよりも良く、赤血球の溶血を妨げた。
<実施例2.周囲温度での少なくとも6日間のヒト血液サンプル中の白血球に発現された天然の細胞表面タンパク質の安定化>
この実施例は、本発明の製剤及び組成物が、様々な白血球、CD45、CD4、CD8、及びCD66bの表面上に発現された天然の典型的なタンパク質標識を標的とする抗体を用いたFACS分析により証明されるように、6日までの期間の間、周囲温度で血液サンプル中の白血球、リンパ球、及び顆粒球を安定させたことを、実証した。
<A.CD45−陽性白血球>
白血球特異的マーカーであるCD45を使用して、本発明の製剤を含む全血組成物中の白血球集団の相対的安定性を評価した。
K2−EDTA VACUETTEチューブの中に採取されたヒト全血液を、全血液と表2の製剤33、74、75、76、又は77の1Xのストックとの1:1比率で混合した。対照サンプルを室温(RT)と4℃で保存した。室温での保存後0、3、及び6日目に、実験及び対照のサンプルを、保存から回収して、製造業者の指示に従いCD45 FITC共役抗体を用いて標識化した。1Xのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を用いた2回の洗浄前に10分間、BD FACS溶解溶液(Cat# 216667−08−2)又は一般的な非固定溶解緩衝液で血液サンプルを処置することにより、赤血球を除去した。残りの細胞、主に白血球を、1XのPBSの中で懸濁し、100,000の事象/サンプル及び培地流速設定においてBD ACCURI Flow Cytometerの上で分析した。COUNTBRIGHTのカウントビーズ(Life Techologies Cat# C36950)を製造業者の指示に従って加え、正確な細胞数を得た。BD VIA−PROBE(Cat# 555816)を製造業者の指示に従って加え、生存率を評価した。データを獲得し、分析して、側方散乱対CD45−FITC/FL−1の蛍光を評価した。
図1Aは、室温での保存後0及び6日目の、対照サンプルからのフローサイトメトリーのデータを示す。対照サンプルにおいて、顆粒球の集団は2つの異なる集団に分かれ、1つはより高いCD45蛍光を備え、もう1つはより低いCD45蛍光を備えていた。無保護の対照において、顆粒球の集団の粒状度は変化し、それはSSCの減少により示された。粒状度の変化はほとんど無く、採取後6日目に製剤74と76における顆粒球の集団の分離は無かった。製剤74と76の顆粒球の集団は、0日目と6日目の間に軽微なゲート調整のみを必要とする一方で、無保護の対照は大きなゲート変化を必要とした。加えて、6日目に無保護のサンプルにおいてゲートする(gate)ための単球の集団は定められず、一方でこのような集団は0日目に、及び製剤74と76においては6日目に明確であった。
図1Bは、4℃での保存後0及び6日目の、対照サンプルからのフローサイトメトリーのデータを示す。室温での研究と同様、6日目までに、無保護のサンプルにおける単球の集団は推移し、ゲーティングを信頼性が低いものにした。製剤74と75は、ゲーティングにおいてほとんど推移しないように単球の集団を維持した。
製剤33、74、75、及び77は、0日目の値と比較して、6日目に4℃での顆粒球、リンパ球、及び単球の高回収率(>60%)を結果としてもたらした(図2のA)。これらの顆粒球、リンパ球、及び単球の多く(30−87%)は6日目に生存していた(図2のB)。
製剤33、74、75、及び77は、0日目の値と比較して、6日目に室温での顆粒球、リンパ球、及び単球の優れた回収率(45−>100%)を結果としてもたらした(図3のA)。これらの顆粒球、リンパ球、及び単球の多く(>20%)は6日目に生存していた(図3のB)。
<B.CD45−陽性単球>
K2−EDTAチューブの中で採取したヒト全血液を、表2の製剤76の1Xの濃縮物の等容量(1mL)と混合した。分析前に0日又は6日の間、サンプルを室温で保存した。未処置の対照サンプルを4℃で保存し、試験サンプルと平行して処理した。抗−CD45−FITC抗体を製造業者の指示に従って加えた。赤血球を、BD FACS溶解溶液(Cat# 216667−08−2)で溶解し、PBSで2回洗浄し、1XのPBSの200μLの中に再懸濁させた。残りの細胞、主に、白血球をPBSの中で懸濁させ、100,000の事象/サンプルにおいてBD ACCURIのフローサイトメーター上で分析して、全てのデータを獲得し、分析を、側方散乱対CD45−FITC/FL−1の蛍光に限定した。
図4に示されるように、製剤76は、4℃で単球の集団を安定させることができた一方、この単球の集団は、無保護の対照において正確にゲートすることができなかった。
<C.CD4及びCD8−陽性T細胞/リンパ球>
K2−EDTAチューブの中で採取したヒト全血液を、表2の製剤33と77の1Xの濃縮物と混合した。分析前に0日又は5日の間、サンプルを室温で保存した。未処置の対照サンプルを4℃で保存し、試験サンプルと平行して処理した。抗−CD45−FITC及びCD8−APC抗体を製造業者の推奨に従って加えた。赤血球を、BD FACS溶解溶液(Cat# 216667−08−2)で溶解し、PBSで2回洗浄し、1XのPBSの200μLの中に再懸濁させた。残りの細胞を1XのPBSの中で懸濁させ、100,000の事象/サンプルにおいてBD ACCURIのフローサイトメーター上で分析した。分析を、側方散乱対CD45−FITC/FL−1の蛍光に限定した。
図5に示されるように、CD4及びCD8−陽性リンパ球の数は、4℃で5日目までに0日目の値の約20%まで低下した(無保護のサンプル)。2倍以上もの多くのCD4及びCD8−陽性リンパ球は、製剤33と77において5日目に存在していた。
<D.CD66b−陽性顆粒球>
K2−EDTAチューブの中で採取したヒト全血液を、表2の製剤33又は77の1Xの濃縮物と混合した。分析前に6時間、サンプルを室温で保存した。未処置の対照サンプルを4℃で保存し、試験サンプルと平行して処理した。抗−CD66b−FITC抗体とBD VIAPROBEを、製造業者の推奨に従って加えて、顆粒球を標識化し、細胞の生存率をそれぞれ評価した。赤血球を、BD FACS溶解溶液(Cat# 216667−08−2)で溶解し、PBSで2回洗浄し、1XのPBSの200μLの中に再懸濁させた。残りの細胞を1XのPBSの中で懸濁させ、100,000の事象/サンプルにおいてBD ACCURIのフローサイトメーター上で分析した。分析をCD66b−FITC/FL−1の蛍光上でのゲーティングに限定し、次にFSC対生存率(FL3蛍光)を評価した。
図6に示されるように、製剤33は、無保護の対照と比較して、周囲温度で8時間の間、血液サンプル中の無傷の顆粒球を安定させることができた。この実験において、顆粒球の70%が、無保護のサンプルにおいて8時間後に生存可能であり、一方で製剤33により安定した顆粒球の98.8%が、8時間後に生存可能であった。これらの結果は、生存している無傷のCD66b−陽性顆粒球を安定させる、本発明の製剤及び組成物の能力を実証した。
文脈が特段必要としない限り、本発明の明細書及び請求項の全体にわたって、用語「含む(comprise)」に加えて、「含む(including)」、「含む(containing)」、又は「特徴とする(characterized by)」と交換可能に使用される、「含む(comprises)」及び「含む(comprising)」などの変形は、包括的なものであるか、又はオープン・エンド言語であり、追加の、列挙されていない要素又は方法の工程を除外するものではない。句「から成る(consisting of)」は、請求項に明示されていないあらゆる要素、工程、又は成分を除外する。句「から本質的に成る(consisting essentially of)」は、請求項の範囲を、明示された物質又は工程、及び請求された本発明の基礎となる且つ新規な特徴に実質的に影響しないものに制限する。本開示は、これらの句の各々の範囲に対応する本発明の組成物及び方法の実施形態を熟考する。従って、列挙された要素又は工程を含む組成物又は方法は、該組成物又は方法がこれらの要素又は工程から本質的に成る特定の実施形態を熟考する。
本明細書全体にわたる「一実施形態(one embodiment)」、「一実施形態(a embodiment)」、又は「一態様」への参照は、実施形態に関連して記載される特定の特徴、構造、又は特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。従って、本明細書全体にわたる様々な箇所での句「一実施形態では(in one embodiment)」又は「一実施形態では(in an embodiment)」の出現は、必ずしも全てが同じ実施形態を参照しているわけではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ以上の実施形態では任意の適切な方法で組み合わされてもよい。
上に記載される様々な実施形態は、更なる実施形態を提供するために組み合わされ得る。これら及び他の変化が、上述の記載に照らして実施形態に対して行われ得る。一般に、以下の請求項において、使用される用語は、請求項を、明細書及び請求項に開示される具体的な実施形態に制限するように解釈されるべきでないが、そのような請求項が与えられる同等物の全範囲とともに考えられ得る実施形態を全て含むように解釈されるべきである。従って、請求項は、本開示によって限定されない。
前述から、本発明の具体的な実施形態が、例示目的のために本明細書に記載されているが、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、様々な修正がなされ得ることが認識される。従って、本発明は、請求項によるものを除いて限定されない。

Claims (40)

  1. 周囲温度での血液サンプル中の1つ以上の代謝的に活性な細胞の実質的に安定した保存のための製剤であって、1つ以上の細胞は少なくとも3日間、室温での保存後に代謝的に活性な状態で残存する、製剤。
  2. 実質的に保存された細胞の少なくとも80%は、少なくとも3日間、室温での保存後に代謝的に活性な状態で残存する、請求項1に記載の製剤。
  3. 細胞の少なくとも80%は、少なくとも18日間、室温で代謝的に活性な状態で残存する、請求項1または2に記載の製剤。
  4. 製剤は、
    (i)pH緩衝液;
    (ii)キレート化剤;および
    (iii)ペプチドを含む、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の製剤。
  5. pH緩衝液は、2−(N−モルフォリノ)エタンスルホン酸(MES)、3−(N−モルフォリノ)プロパンスルホン酸(MOPS)、3−モルフォリノ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(MOPSO)、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項4に記載の製剤。
  6. ペプチドは、ジペプチドまたはトリペプチドである、請求項4または5のいずれか1項に記載の製剤。
  7. ジペプチドの配列は、Ala−GlnまたはGly−Glyであり、トリペプチドの配列は、Gly−Gly−Glyである、請求項4乃至6のいずれか1項に記載の製剤。
  8. キレート化剤は、EDTAである請求項4乃至7のいずれか1項に記載の製剤。
  9. 1つ以上の代謝的に活性な細胞は、白血球、赤血球、循環腫瘍細胞、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の製剤。
  10. 製剤は、
    (i)pH緩衝液;
    (ii)キレート化剤;
    (iii)ホスファターゼ阻害剤;および
    (iv)プリンを含む、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の製剤。
  11. ホスファターゼ阻害剤は、セリン−スレオニンホスファターゼ阻害剤である、請求項10に記載の製剤。
  12. セリン−スレオニンホスファターゼ阻害剤は、2−グリセロールリン酸である、請求項11に記載の製剤。
  13. プリンは、アデニンまたはグアニンである、請求項10に記載の製剤。
  14. プリンは、アデニンである、請求項13に記載の製剤。
  15. プリンは、グアニンである、請求項13に記載の製剤。
  16. キレート化剤、および、陽イオン化合物、双性イオン化合物、およびペプチドからなる群から選択される少なくとも1つの化合物をさらに含む、請求項10乃至15のいずれか1項に記載の製剤。
  17. キレート化剤は、グルコン酸ナトリウムである、請求項16に記載の製剤。
  18. 双性イオン化合物は式(I)の化合物であり:
    Figure 2017518321
    式中、R、R、およびRは、非置換または置換のアルキル、非置換または置換のアリール、非置換または置換のアリールアルキルから独立して選択され、またはRおよびRは随意に環を形成し、YはCH、CH(A)、CH(A)−CH(A)、CH(A)−CH(A)−CH(A)であり、ここで、Aは非置換または置換のアルキル、アリール、アリールアルキル、または20の自然発生のアミノ酸の1つにおいて典型的に発見される任意の側鎖であり;および、ZはCO−、SO−、またはOPO−である、請求項16または17のいずれか1項に記載の製剤。
  19. 陽イオン化合物は:
    (a)式(II)の化合物であって:
    Figure 2017518321
    式中、R、R、およびRは、非置換または置換のアルキル、非置換または置換のアリール、非置換または置換のアリールアルキルから独立して選択され、またはRおよびRは随意に環を形成し、YはCH、CH(A)、CH(A)−CH(A)、CH(A)−CH(A)−CH(A)であり、ここで、Aは非置換または置換のアルキル、アリール、アリールアルキル、または20の自然発生のアミノ酸の1つにおいて典型的に発見される任意の側鎖であり;ZはCOAであり;およびXは薬学的に許容可能な陰イオンである、式(II)の化合物;
    (b)式(III)の化合物であって:
    Figure 2017518321
    式中、R、R、R、およびRは、非置換または置換のアルキル、非置換または置換のアリール、非置換または置換のアリールアルキルから独立して選択され、またはRおよびRは随意に環を形成し、YはCH、CH(A)、CH(A)−CH(A)、CH(A)−CH(A)−CH(A)であり、ここで、Aは非置換または置換のアルキル、アリール、アリールアルキル、または20の自然発生のアミノ酸の1つにおいて典型的に発見される任意の側鎖であり;およびXは薬学的に許容可能な陰イオンである、式(III)の化合物;および
    (c)式(IV)の化合物であって:
    Figure 2017518321
    式中、RとRは、非置換または置換のアルキル、非置換または置換のアリール、非置換または置換のアリールアルキルから独立して選択され;および、Xは薬学的に許容可能な陰イオンである、式(IV)の化合物;
    からなる群から選択される、請求項16または17のいずれか1項に記載の製剤。
  20. 式(I)、式(II)または式(III)の化合物のRおよびRは、モルフォリノ環、ピロリジニウム環、ピペリジニウム環、またはオキサジニウム環を形成する、請求項18または19に記載の製剤。
  21. 双性イオン化合物は、表1で明記される双性イオン化合物から選択される、請求項16に記載の製剤。
  22. 陽イオン化合物は、表1で明記される陽イオン化合物から選択される、請求項16に記載の製剤。
  23. 双性イオン化合物は四級の分子内塩である、請求項16に記載の製剤。
  24. 四級の分子内塩は、N,N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−3−アンモニウム−プロピオナート、またはN−エチル−ピペリジニウム−4−ブチルスルホナートからなる群から選択される、請求項23に記載の製剤。
  25. ペプチドは、Ala−Gln、Gly−GlyまたはGly−Gly−Glyのアミノ酸配列を有する、請求項16乃至24のいずれか1項に記載の製剤。
  26. 酢酸緩衝液、スクラロース、グルコース、塩化カリウム、ミオイノシトール、N−メチルグルカミン、塩化マグネシウム、またはそれらの組み合わせをさらに含む、請求項10乃至25のいずれか1項に記載の製剤。
  27. 1つ以上の代謝的に活性な細胞は、白血球、赤血球、循環腫瘍細胞、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項10乃至26のいずれか1項に記載の製剤。
  28. 製剤は、表2に明記される製剤から選択される、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の製剤。
  29. 請求項1乃至8および10乃至28のいずれか1項の製剤と混合された、実質的に安定して保存された1つ以上の精製された代謝的に活性な白血球を含む、組成物。
  30. 請求項1乃至8および10乃至28のいずれか1項の製剤と混合された、実質的に安定して保存された1つ以上の精製された代謝的に活性な赤血球を含む、組成物。
  31. 請求項1乃至8および10乃至28のいずれか1項の製剤と混合された、実質的に安定して保存された1つ以上の精製された代謝的に活性な循環腫瘍細胞を含む、組成物。
  32. 採血管内に含有された請求項1乃至28のいずれか1項の製剤を含む、製品。
  33. 採血管は、真空採血管である、請求項32に記載の製品。
  34. 請求項32または33に記載の製品、および添付文書を含むキット。
  35. 周囲温度での、血液サンプル中の1つ以上の代謝的に活性な細胞の実質的に安定した保存のための方法であって、該方法は:
    被験体から採取した血液のサンプルを、請求項1乃至28のいずれか1項に記載の製剤と混合する工程を含み、ここで、1つ以上の細胞は、少なくとも3日間、室温で代謝的に活性な状態で残存する、方法。
  36. 細胞は、少なくとも18日間、室温で、代謝的に活性な状態で残存する、請求項35に記載の方法。
  37. 細胞は、白血球、赤血球、循環腫瘍細胞、またはそれらの組み合わせである、請求項35または36に記載の方法。
  38. 被験体は、動物である、請求項35乃至37のいずれか1項に記載の方法。
  39. 被験体は、哺乳動物である、請求項35乃至37のいずれか1項に記載の方法。
  40. 被験体は、ヒトである、請求項35乃至37のいずれか1項に記載の方法。
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