本発明は圧縮空気乾燥装置のハウジングヘッドに関するものであり、そのハウジングヘッドはダイアフラムフィルター、望ましくは中空繊維ダイアフラムの束から成るダイアフラムフィルターが組み込まれたハウジングに連結することができるものである。
たとえば工業または医療技術において圧縮空気を使用する場合、常に問題になるのは、パイプネットワークおよび消費地点における湿気に係る品質の問題である。したがって重要なのは圧縮空気をいかにして乾燥させるかということである。その目的で使用されるのが、水蒸気に対して選択的な透過性を有しているダイアフラムフィルターである。フィルターハウジングは高度な選択性を有する中空繊維ダイアフラムの束を有し、それを通して湿気を含む圧縮空気が流れる。湿気を含む圧縮空気は、残留している中空繊維ダイアフラムを詰まらせる汚染粒子、オイルミストおよび凝縮物を捕捉するように、ろ過されることが望ましい。中空繊維ダイアフラムは水蒸気を外部に拡散させる。乾燥した圧縮空気の出口には、圧縮空気の小さい流れが支流として発生し、膨張後のスイープガスとして使用される。スイープガスは中空繊維の外側を横切り圧縮空気に対して逆流する。水蒸気の濃度差によって、圧縮空気からスイープガスへの水の分子の連続的な移動が得られる。したがって、普通に使用される用語「ダイアフラムフィルター」は少なくともダイアフラムフィルターが機械的でなく拡散によって分離するという点で誤解される可能性がある。にも拘らず、簡便さのためにこの表現が本発明においても使用される。
このプロセスは連続的である。スイープガスは入ってくる湿気を含んだ圧縮空気を連続的に乾燥する。水の分子だけが中空繊維のダイアフラムを貫通することができる。乾燥した圧縮空気の成分は変わらない。結果として、乾燥した圧縮空気が得られる。
スイープガス流の容積はノズルによって定義され、それは圧力とノズルのサイズによって定まる一定量の流れを許す。その欠点は、負荷が少ないとき、あるいは無負荷のとき、すなわち圧縮空気が僅かしか必要でないか、または全く不要なときには、スイープガスは僅かしか必要でないか、または全く不要であるにもかかわらず、スイープガスが一定量流れることである。これはシステム全体として、相当な圧力損失となる。
この問題を軽減するためにスイープガス調整器が存在し、その目的は必要量だけスイープガスを流すことである。
米国特許15,160,514はそのような圧縮空気のための乾燥装置を内蔵したスイープガス調整器を開示している。この目的のために、乾燥装置の圧縮空気出口はダイアフラムを介してチャンバーと連通している。ダイアフラムの反対側には別のチャンバーがあり、それは乾燥装置の圧縮空気入口と配管によって連結されている。ダイアフラムは圧縮空気入口と圧縮空気出口との圧力差に依存する位置にある。ダイアフラムは横方向の溝を含むバルブ要素に接続し、また対応するハウジングの内径に導かれている。バルブ要素の位置はダイアフラムの位置によって定まり、それが乾燥装置の圧縮空気出口からのスイープ配管の方向の圧縮空気の流量を調節する。
このスイープガス調整器は満足するように機能しない。特に、乾燥装置の圧縮空気の入口圧力と出口圧力の間に圧力差が少しでもあると、調整機能が不満足になる。さらに、乾燥装置の圧縮空気の入口圧力と出口圧力の間に大きい圧力差があるとき、圧縮空気出口の空気は一方では圧力を供給し、他方では流れを保たなければならない。この解決法の欠点は調整器が特定の(平均)作動圧力を供給するように調節されなければならないということである。作動圧力が変動すると調整機能が顕著に変動する。そうなると、混乱状態が発生する。
別の因子としては、その差圧がまたフィルター要素の目詰まり状態に依存するということであり、目詰まりの程度が差圧に影響を及ぼし、その結果、スイープガスの調整に影響を及ぼすことになる。これはフィルター要素の有効寿命に影響を及ぼす可能性があるので望ましいことではない。
この点に基づいて、本発明の目的は、スイープガスの調整を改良した、圧縮空気乾燥装置のハウジングヘッドを提供することとする。本発明により圧縮空気の需要に対して迅速かつ鋭敏に作動する一方、ハウジングヘッドは頑強かつ強固に構築される。
本発明によると、この目的は特許請求の範囲1によるハウジングヘッドによって満たされる。
本質的に、発明は2つの経路に沿って進められる。すなわち、一方では、スイープガス入り口に向かう圧縮空気の流れを制御して、圧縮空気が圧縮空気駆動装置により吸引された時にのみスイープガスが実際に得られるようにするものである。圧縮空気駆動装置が使用されていない駆動停止中は、スイープガス流を休止するか、または少なくとも湿気除去のために使われる圧縮空気の量を大幅に減少することのできるレベルまで低減する。しかし、下流に存在する圧縮空気駆動装置に吸引される圧縮空気の流量に応じてスイープガスの供給量を調整するように、吸引される圧縮空気流の関数として調整を行うことも可能である。
圧縮空気が吸引されると、出口側の圧力が低下し、その結果、バルブリングが基体に沿って移動し、したがってフロートランスファーダクトおよびスイープガスダクトが開く。
ハウジングヘッド/スイープガス調整器の本発明の基本的な利点は、差圧が一定レベルに達したときにのみ、スイープガススイッチがスイッチング動作を開始することである。出口付近の圧力が低下し、ダイアフラムの圧力のバランスが影響を受け、ダイアフラムの下側の高圧がダイアフラムを押し上げ始める。差圧が存在するスイッチの両側はシステムの出口に存在するものであり、したがって、スイープガスのスイッチはシステムそのものの差圧とは無関係であることを意味する。バルブリングは、ローリングダイアフラムに働く圧力とは無関係に、スイープガスダクトおよびフロートランスファーダクトの口を直接的に開く。これによって、圧力変化に対して非常に鋭敏な反応が得られ、開口が迅速に直接的に行われる。
初期位置において、すなわち、圧縮空気に対する要求が存在しないときに、インナーパイプの外側とハウジングセクションの外壁の内側との間のリング状のチャンバーはローリングダイアフラムによって閉じられている。この位置においては、ローリングダイアフラムは外側に保持され、インナーパイプおよびその周囲を同軸的に取り囲むハウジングセクションの長手軸に沿って外側を移動することはできない。対照的に、その内側においてローリングダイアフラムに連結されたバルブリングは、基体の床面上に設置されており、ローリングダイアフラムの流入側に働く圧縮空気によってバルブリングガイド/インナーパイプの直線部分の長手方向にそって移動が可能である。バルブリングの移動により、フロートランスファーダクトおよびスイープガスダクトは開口し、したがって、一方では乾燥した圧縮空気が出口を経て流出し、他方では、スイープガスがスイープガスダクトを経由して外向きに逆流するように導かれ、中空繊維内を流れる湿気を含む圧縮空気の流れ方向と逆向きに流れ、さらにダイアフラムフィルターにおいては乾燥した空気の流れ方向と逆向きに流れる。
こうして、圧縮空気の動き/差圧によってバルブリングはリフトオフまたは移動して、1つは出口に向かう乾燥空気の流路、1つはスイープガスとして使われる乾燥空気の流路という、2つの流路を開く。
特に有利な実形例では、基体は、長手方向に対して直角方向に延びる横方向に搭載される際、インナーパイプの外側と外壁の内側の間のリング状のチャンバー全体も占有する。乾燥した圧縮空気の流れ方向において、基体は環状のダイアフラムの前面に設けられ、壺状に形成されている。基体の床面には対応する貫通穴が形成されていて、それを通って圧縮空気がローリングダイアフラムの流入側に導かれる。
バルブリングは、初期位置にあるときは、壺状の基体内に存在しており、バルブリング下部とバルブルング上部によって、ローリングダイアフラムに跨るように配置されている。横方向から見たときに反対側では、ローリングダイアフラムは基体上にクランプリングを用いて保持されている。クランプリングの直径は、それがハウジング部の外壁の内側によって支持されるように選択されている。
このように構成されたバルブリングにおける基体の本質的な利点は、ハウジングヘッド内にまとまった機能ユニットとして組み込まれることである。このために基体はハウジング部の外壁の内側に対してガスケットでシールされている。
バルブリングはスプリング要素によってその初期位置に保持されることが望ましく、したがって消費側から圧縮空気の要求が無いときにはその初期位置に戻される。
使用されているスプリング要素は、バルブリングとハウジングヘッドの内側の支持面との間に設置されたスクリュースプリングでもよい。ハウジングヘッド内のスプリング要素はバルブリングに載置されており、支持面を介して流れの方向に逆行するその初期位置方向に押されている。圧縮空気が吸引されると、圧縮空気はスプリングの力に抗してバルブリングを動かす。スクリュースプリングの代わりに、その他の適切なスプリング要素を、圧縮スプリングだけでなく引張スプリングをも使用することができる。
その初期位置において、バルブリングはスイープガスダクトの入口の前に位置しており、その第1のセクションはインナーパイプの長手軸に対して直角方向に延びている。そこに連結するスイープガスダクトの第2のセクションはインナーパイプに平行に延びており、第3のセクションに移行しており、第3のセクションもインナーパイプの長手軸に対して直角方向に延びている。乾燥空気はスイープガスダクトを通過して中空繊維の周囲の外部領域に至る。本発明によれば、1本のスイープガスダクトが設けられているが、複数のガスダクトをインナーパイプの周囲に均等に設けることも有意義である。
少なくとも1本のフロートランスファーダクトが、基体内においてインナーパイプの長手方向に延び、ローリングダイアフラムから遠ざかるにつれて深さを増すことを長所とする溝として形成されている。フロートランスファーダクトの開口径はバルブリングの移動とともに連続的に増大するため、フロートランスファーの断面積が突然拡大することが避けられる。フロートランスファーの断面積が望ましいコンスタントな割合で増加すれば、ダイアフラムがバタつくことなく、円滑に移動することができる。溝の形状は、早くも初期位置において僅かな流れの断面積の開口部を設けることで突然大きな開口を行うことによってバタつきを生じることを防ぐように構成することができる。
原理的には、複数の異なるフロートランスファーダクトの実施例が可能である。例えば、バルブリングガイドはその中に1本だけの溝を設けることも可能だが、インナーパイプの周囲に均等に分散された複数の溝を設けることのほうが望ましい。その他、個別のフロートランスファーダクトを設ける代わりに、バルブリングガイド全体に連続的なテーパーを設けることによって、個別のフロートランスファーダクトを設ける必要性を無くすことも可能である。その場合、初期位置において、バルブリングはバルブリングガイドの直径が最大となる場所に設けられる。バルブリングが動くと、テーパーのおかげで圧縮空気のオーバーフローが自動的に発生する。バルブリングの円滑な動きを保証するために、リブのようなガイド要素をインナーパイプの長手軸に沿って設け、バルブリングが傾くことを防ぐことができる。
ローリングダイアフラムの流入面を比較的大きくして、比較的強いスプリング要素を使用できるように製作すれば、それによってスイッチングポイントの再現性を大幅に改善することができる。さらに、改善された位置決め力により、機械的な影響に対する抵抗力が強くなる。全般的にコンパクトな構造にすることで、材料費は低くなる。
特に有利な実施例としては、バルブリングと基体を、圧縮空気が吸入されていない、初期位置において、漏洩空気をスイープガスダクトに戻す量をできるだけ少なくできるような構成がある。できれば、スイープガスダクトに設けられたバルブリングが、小型の貫通穴を有し、それを介して漏洩する空気をスイープガスダクトに永久的に導けるようにすることが望ましい。この漏洩空気は圧縮空気システムの制御にも使用することができる。
バルブリングの基体は、ハウジングヘッドに完全に配置されたインナーパイプに設けることができる。その他、本発明によれば、インナーパイプの自由端とコアパイプの自由端を基体/バルブリングガイドに挿入することができる。コアパイプは、ハウジングヘッドを連結することが可能なハウジングの内部に装着したダイアフラムフィルター要素に搭載される。それによって、基体もハウジングヘッドとそれに連結されたダイアフラムフィルターの間の連結部品として働くことになる。
インナーパイプはその外側をガスケットによって基体に対してシールされる。基体がインナーパイプとコアパイプの両方を囲う場合には、コアパイプもガスケットによって基体に対してシールされる。
本発明の説明を簡単にするために、「スイープガス調整器」という用語を使ったのは、実施の方法により、たとえ主なバリエーションがスイープガスを単にコントロールすると説明されている場合でも、スイープガスの流れの規制が本発明の方法に基づく装置によってスイープガス流の規制が可能だからである。すでに説明したように、スイープガスダクトは単なる穴として実施することも可能だが、本発明によれば、長溝や複数の穴によってスイープガスを導くようにすることで、その量を多くしたり少なくしたりすることが可能である。
コントロール機能はスイープガスの拡散方法またはスイープガスダクトの設計およびスイープガススイッチに働く復元力に依存する。したがって、コントロール機能は復元スプリングに影響されることがあり、調節可能なカウンターベアリング較正も本発明により可能である。
本発明はここで図面を参照しながらより詳細に説明する。これらはいかなる意味においても発明を制限するものと解釈されるべきではなく、単に技術の状態を概略図で説明するものである。
最先端技術によるダイアフラム乾燥装置の断面図
最先端技術によるダイアフラム乾燥装置のハウジングヘッドの拡大断面図
本発明に係るダイアフラム乾燥装置のハウジングヘッドの透視断面図
本発明に係るスイープガススイッチの透視分解図
図4のスイープガススイッチの透視断面図
図5のエリアIの拡大切り抜き図
図5のII断面の拡大図
ハウジングヘッドを通過する流体の流れの断面摸式図
ハウジングヘッドを通過する流体が初期位置にあるバルブリングを通過する流れの断面摸式図
ハウジングヘッドを通過する流体がバルブシートからリフトオフしたバルブリングを通過する流れの断面摸式図
バルブリングがリフトオフした状態でのスイープガススイッチの断面
発明を実施すための形態
図1と2は、最先端技術によるダイアフラム乾燥装置20の全体の機能を示す。ダイアフラム乾燥装置20は、ハウジング24が圧密にねじで固定されている、ハウジングヘッド22を含む。ハウジングヘッド22は、インナーパイプ28へ移行する入口26を備える。実施例では、インナーパイプ28は約90度のカーブを有し、長手軸X-Xに沿って延びる直線エリアへ移行する。
インナーパイプ28はコアパイプ30と連結し、コアパイプ30の長さはハウジング24の全長より短い。コアパイプ30の自由端はハウジング24内で出口チャンバー32と結合しているので、コアパイプ30から出た圧縮空気は出口チャンバー32に入り、ハウジング環状スペース34に分配される。ハウジング環状スペース34は、コアパイプ30の外側とハウジング24の内側との間に位置する。
中空繊維36は、ハウジング環状スペース34内に配置されており、膜で覆われている多孔質担体材料から成り、その膜は水蒸気を通す性質を有する。本実施例で示す中空繊維36は保持要素38によって保持されている。また保持要素38は、圧縮空気を中空繊維36の内部だけに導く。
ハウジング環状スペース34は、ハウジングヘッド22内に配置されたリングチャンバー40へ移行する。リングチャンバー40は、インナーパイプ28の外側とハウジング22の壁42の内側との間に位置する。このリングチャンバー40は、圧縮空気の流れ方向において出口44に結合している。
図1と2において、また以下に示す各図面において、流体の流れは矢印で示され、湿気を含む圧縮空気はA、乾燥した圧縮空気はB、スイープガスはC、および漏洩空気はDで示される。図1と2は、たとえダイアフラム乾燥装置20の出口44を経由して空気が吸引されない場合でも、スイープガスは常に存在することを示している。
矢印はダイアフラム乾燥装置20の内部での流体の流れ、特に圧縮空気の循環流を示している。圧縮空気は入口26からダイアフラム乾燥装置20へ入り、インナーパイプ28およびコアパイプ30を経て排出チャンバー32に到達した後、そこから逆にハウジング環状スペース34を経て中空繊維36を流れ、ハウジングヘッド22に到達し、出口44から放出される。中空繊維36を流れる間に圧縮空気の湿気は中空繊維の壁面を通って外部に拡散する。
乾燥した圧縮空気の一部は出口44に達する前に分岐してスイープガスとして中空繊維の外部のスペースへ導かれ、そこで拡散されている水蒸気を吸収したのち、スイープガス出口46から大気中に放出される。
中空繊維36の保持要素38は、圧縮空気が中空繊維36の内部だけを流れるように構成されている。したがって、中空繊維36の外部にはスイープガスCだけが存在する。
最初の断面図である図3には、スイープガススイッチ48を備えた本発明に係るハウジングヘッド22が示されている。スイープガススイッチ48の構造は、図4および5によって明らかにされている。スイープガススイッチ48は基体50を備え、本実施例の場合、基体50はインナーパイプ28とコアパイプ30の両方の自由端を取り囲む。ハウジングヘッド22は、外表面にねじ64を有するハウジングセクション60を備え、そのねじにハウジング24を取り付けることができる。ハウジングセクション60は、コアパイプ30へ移行するインナーパイプ28の直線部と同軸に延びている。
基体50は、ガスケット52によってインナーパイプ28とコアパイプ30に対してシールされている。本実施例の基体50は、壺状の基本形状をしたリングチャンバー40全体に亘って延びている。基体50の床面54は貫通穴56を有し、貫通穴を通して圧縮空気が導入される。流れから遠ざかる貫通穴56の一方側には、ローリングダイアフラム58が設けられ、リングチャンバー40全体に亘って延びている。ローリングダイアフラム58のハウジングセクション60に面する側はクランプリング62でしっかりと固定されている。基体50は、乾燥した圧縮空気の流れ方向Bに向かってローリングダイアフラム58の直前に配置されている。
基体50は、バルブリングガイド66とともにインナーパイプ28を囲んでいる。バルブリング68は、このバルブリングガイド66上に保持されており、バルブリング68は長手軸X-Xに沿って移動可能であり、コアパイプ30およびインナーパイプ28の直線部に沿って延びている。
バルブリング68は、バルブ下部70とバルブ上部72から構成されており、それらの間にローリングダイアフラム58が保持されている(図4参照)。これはローリングダイアフラム58が長手軸X-Xに沿って移動するとき、バルブリング68も移動するという効果をもたらす。基体50はその外側にガスケット52も有しており、そのガスケットはハウジングセクション60に対するシールとして機能する。
特に図5は、本実施例では、バルブリングガイド66には複数のフロートランスファーダクト74が存在し、そのフロートランスファーダクト74はインナーパイプ28の周囲に均等な間隔で設けられている、ことを明らかにしている。フロートランスファーダクト74は溝を形成しており、その溝の深さは圧縮空気の流れの方向とともに深さを増す。これは図5の右側に特に明らかに示されている。したがって、溝内部の深さの遷移は円錐形である。
図5は初期位置におけるバルブリング68を示しており、その場合、バブルリング68は基体50の床面54に着座している。この位置では、フロートランスファーダクト74は閉じられているので、乾燥した圧縮空気は通過できない。
図5はさらに床面54とローリングダイアフラム58の間のリングチャンバー40から始まるスイープガスダクト76を示している。乾燥した圧縮空気Bはスイープガスダクト76を経由して分岐し、支流となって中空繊維36の方向に向かう。スイープガスダクト76は、バルブリング68の初期位置では、ほぼ閉じられている。
バルブリング68、スイープガスダクト76、およびフロートランスファーダクト74の初期位置は図6と7に拡大して表示されている。
ローリングダイアフラム58は、流入側78と流出側80を有し、流入側78は流入する乾燥した圧縮空気/ハウジングに対面し、流出側80はハウジングヘッド22/出口44に対面している。
スイープガスダクト76の領域にあるバルブリング68は、肩によって形成された貫通経路82を有する。この貫通経路82には、バルブリング68の初期位置においても僅かな乾燥した圧縮空気Bを漏洩空気Dとしてスイープガスダクト76を通して逃す効果がある。この漏洩空気Dはシステム全体の制御空気として働く。
図8から10は、スイープガススイッチ48の領域におけるハウジングヘッド22を通る圧縮空気流を示している。図8と9はその初期位置におけるバルブリング68を示している。圧縮空気がローリングダイアフラム58の流入側78に発生していることが分かる。圧縮空気は吸引されないので、バルブリング68は初期位置に留まり、フロートランスファーダクト74とスイープガスダクト76の両方を閉じる。また図9は、僅かな圧縮空気が漏洩空気Dとして貫通経路82を経由して分岐されることを示している。スイープガスダクト76は、長手軸X-Xに対してほぼ直角方向に延びる第1のセクション、長手軸X-Xに対して平行方向に延びる第2のセクション、および長手軸X-Xに対して再び直角方向に延びる第3のセクションから成る。こうしてスイープガスダクト76は、スイープガスCと漏洩空気Dを分岐させ、それをハウジング24内の主流方向とは反対方向に向けさせ、中空繊維36の保持要素38の間のハウジング環状スペース34に戻す。そこでは乾燥した圧縮空気Bが中空繊維36の外側をスイープガス出口46へと流れる。
さらに図9に示したスプリング要素84はバルブリング68をその初期位置に保つ。バルブリング68は、圧縮空気によって発生された圧力がスプリング要素84の弾力を超えると、床面54からリフトオフする。
図10と11はバルブリング68がリフトオフして、床面54に接触していない状態を示す。スイープガスダクト76とフロートランスファーダクト74が開いていることが明らかに認識できる。特に図10は流れの方向に従って次第に溝が深くなる/次第に幅が広くなるフロートランスファーダクト74の作用を示している。バルブリング68の床面54からの距離が大きくなるにつれて圧縮空気の自由開口直径が拡大する。
本発明はここに示した実施例に限定されるものではなく、単に本発明の1つの実施例を示しているにすぎない。たとえば、フロートランスファーダクト74はバルブリング68の中に配置することも可能である。ローリングダイアフラム58を有するバルブリング68が外部領域でリフトオフして、インナーパイプ28に固定されるようにすることも可能である。