JP2017513021A - 子癇前症の早期検出 - Google Patents

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Abstract

本発明は、子癇前症(PE)を有するか、または発症する素因がある女性を確実に同定するための非侵襲性アッセイを提供する。本方法は、被験体から得られた試験試料においてアネキシンA2(ANXA2)のレベルを測定するステップ、および試験試料におけるANXA2のレベルが対照試料に対して減少している場合、子癇前症を有するか、または子癇前症を発症するリスクが高いと被験体を同定するステップを含む。PEを有するか、または子癇前症を発症するリスクが高いと同定された被験体を処置するための方法もまた提供される。

Description

関連出願
この出願は、米国特許法§119(e)の下、2014年3月21日に出願された米国仮出願第61/968,728号および2014年3月24日に出願された米国仮出願第61/969,520号(これらの内容は、それらの全体が参考として本明細書に援用される)の利益を主張する。
本発明は、一般的に、子癇前症についてのバイオマーカー、およびこの疾患を処置するための方法に関する。
子癇前症(PE)は、妊産婦および胎児の罹患および死亡の主な原因であり、妊娠の4%〜8%を冒し、1年あたり世界中で8百万人超の症例を引き起こしている。臨床的には、子癇前症は、高血圧、蛋白尿、浮腫、ならびに一部の患者においては、HELLP症候群および子癇の存在によって定義される。子癇前症を正確に予測することができるマーカーを開発するために多大な努力がなされてきた。母体の子宮動脈における生化学的マーカーおよび血流のドップラー超音波測定が広範囲に試験されているが、これまで、これらのどれも広汎な臨床的使用の達成に至っていない(Conde−Agudeloら、Obstet General 2004年、104巻、1367〜91頁)。子癇前症を予測するための信頼でき、かつ臨床的に有用なマーカーを開発するための必要性が依然としてある。子癇前症を発症するリスクがある妊婦を同定し得ることにより、子癇前症発症を防ぐのに有効であることが公知である予防薬の使用が可能になり得る。
Conde−Agudeloら、Obstet General(2004年)104巻、1367〜91頁
本発明は、PEを発症する素因がある女性を確実に同定するための非侵襲性アッセイを提供する。これにより、PEを防ぎ、または軽減する適切な治療での早期介入が可能になる。本発明は、子宮内膜のアネキシンA2(ANXA2)レベルが、正常に(健康に)妊娠した女性におけるレベルと比較して、以前の妊娠において子癇前症(PE)を有した女性において減少しているという発見に、少なくとも部分的に、基づいている。
本発明の一部の態様によれば、子癇前症を処置するための方法が提供される。本方法は、被験体から得られた試験試料においてアネキシンA2(ANXA2)のレベルを測定することにより、被験体が子癇前症を発症するリスクが高いかどうかを決定するステップ、試験試料におけるANXA2のレベルをANXA2の対照レベルと比較して、被験体が子癇前症を発症するリスクが高いかどうかを決定するステップ、および子癇前症を発症するリスクが高いと決定された被験体に、有効量のグリコサミノグリカンを投与するステップを含む。
一部の実施形態では、被験体は子癇前症の病歴をもたない。一部の実施形態では、試料は、子宮内膜組織、子宮内膜間質細胞、および子宮内膜液(endometrial fluid)の試料からなる群より選択される。一部の実施形態では、ANXA2の対照レベルは、妊娠に成功したことがあり、かつ子癇前症の病歴をもたない被験体から導かれる。一部の実施形態では、グリコサミノグリカンは、低分子量ヘパリン、ヘパラン硫酸、化学修飾されたヘパリンまたはヘパラン硫酸、低分子量デルマタン硫酸、およびそれらの混合物からなる群より選択される。一部の実施形態では、ANXA2のレベルは、ELISA、ウェスタンブロット、および免疫組織化学染色からなる群より選択される免疫アッセイを使用して決定される。一部の実施形態では、被験体は、妊娠していることがわかっている。一部の実施形態では、被験体は、妊娠しようと試みている。
本発明の一部の態様は、子癇前症を診断するか、または子癇前症の診断を補助するための方法を提供する。本方法は、被験体から得られた試験試料においてアネキシンA2(ANXA2)のレベルを測定するステップ、および試験試料におけるANXA2のレベルをANXA2の対照レベルと比較して、被験体が子癇前症を発症するリスクが高いかどうかを決定するステップを含む。
一部の実施形態では、被験体は子癇前症の病歴をもたない。一部の実施形態では、試料は、子宮内膜組織、子宮内膜間質細胞、および子宮内膜液の試料からなる群より選択される。一部の実施形態では、対照試料は、妊娠に成功したことがあり、かつ子癇前症の病歴をもたない被験体から得られる。一部の実施形態では、ANXA2のレベルは、ELISA、ウェスタンブロット、および免疫組織化学染色からなる群より選択される免疫アッセイを使用して決定される。一部の実施形態では、被験体は、妊娠していることがわかっている。一部の実施形態では、被験体は、妊娠しようと試みている。
本発明の一部の態様は、子癇前症を処置するための方法を提供する。本方法は、現在、子癇前症を有していない被験体の子宮内膜液試料を得るステップであって、被験体が妊娠しているか、または被験体が妊娠する計画を有する、ステップ、子宮内膜液試料においてANXA2のレベルを決定するアッセイを実施するステップ、子宮内膜液試料におけるANXA2のレベルをANXA2の対照レベルと比較して、被験体が子癇前症を発症するリスクが高いかどうかを決定するステップ、および被験体が子癇前症を発症するリスクが高いと決定された場合には、有効量のグリコサミノグリカンを被験体に投与するステップを含む。
一部の実施形態では、被験体は子癇前症の病歴をもたない。一部の実施形態では、ANXA2の対照レベルは、妊娠に成功したことがあり、かつ子癇前症の病歴をもたない被験体から導かれる。一部の実施形態では、グリコサミノグリカンは、低分子量ヘパリン、ヘパラン硫酸、化学修飾されたヘパリンまたはヘパラン硫酸、低分子量デルマタン硫酸、およびそれらの混合物からなる群より選択される。一部の実施形態では、ANXA2のレベルは、ELISA、ウェスタンブロット、および免疫組織化学染色からなる群より選択される免疫アッセイを使用して決定される。
本発明の一部の態様は、子癇前症を処置するための方法を提供する。本方法は、ANXA2の対照レベルと比較して低レベルのANXA2を有し、妊娠する計画を有し、かつ子癇前症の病歴をもたない被験体を同定するステップ、およびグリコサミノグリカンを、被験体においてANXA2のレベルを上昇させるのに十分な量で被験体に投与するステップを含む。
一部の実施形態では、ANXA2の対照レベルは、妊娠に成功したことがあり、かつ子癇前症の病歴をもたない被験体から導かれる。一部の実施形態では、グリコサミノグリカンは、低分子量ヘパリン、ヘパラン硫酸、化学修飾されたヘパリンまたはヘパラン硫酸、低分子量デルマタン硫酸、およびそれらの混合物からなる群より選択される。一部の実施形態では、ANXA2のレベルは、ELISA、ウェスタンブロット、および免疫組織化学染色からなる群より選択される免疫アッセイを使用して決定される。
本発明の一部の態様は、子癇前症についてのグリコサミノグリカン治療の効力を評価するための方法を提供する。本方法は、子癇前症を有するか、または子癇前症を発症するリスクが高い被験体を有効量のグリコサミノグリカンで処置するステップ、グリコサミノグリカンでの処置前および処置後、被験体から得られた試験試料においてアネキシンA2(ANXA2)のレベルを測定するステップであって、処置前のレベルに対する処置後のANXA2のレベルの増加が、グリコサミノグリカン治療が有効であることを示すステップを含む。
一部の実施形態では、グリコサミノグリカンは、低分子量ヘパリン、ヘパラン硫酸、化学修飾されたヘパリンまたはヘパラン硫酸、低分子量デルマタン硫酸、およびそれらの混合物からなる群より選択される。一部の実施形態では、ANXA2のレベルは、ELISA、ウェスタンブロット、および免疫組織化学染色からなる群より選択される免疫アッセイを使用して決定される。
本発明の限定のそれぞれは、本発明の様々な実施形態を包含し得る。したがって、任意の1つの要素または要素の組合せを含む本発明の限定のそれぞれが、本発明の各態様に含まれ得ることは予想される。この発明は、それの出願において、以下の説明に示され、または図面に図示された構築の詳細および構成要素の配置に限定されない。本発明は、他の実施形態を含むことができ、かつ様々な様式で実施、または実行することができる。また、本明細書で使用される語句および用語は、説明のためであり、限定としてみなされるべきではない。本明細書における「を含むこと(including)」、「を含むこと(comprising)」、または「有すること(having)」、「含有すること(containing)」、「含むこと(involving)」、およびその変形の使用は、その後に列挙された項目およびその等価物、加えて追加の項目を包含することを意図される。
図1は、以前の妊娠においてsPEを患ったことがある患者におけるin vitroでのhESC脱落膜化(decidualization)を示す。図1Aおよび1Bは、以前の妊娠において重篤な子癇前症(sPE)を患ったことがある女性(n=13)および対照患者(非PE)(n=13)由来の、脱落膜対非脱落膜hESCにおいてELISAによって測定されたプロラクチンおよびIGFBP−1分泌を示す。プロラクチンおよびIGFBP−1分泌は、非脱落膜(黒色バー)および脱落膜化(灰色バー)におけるng/ml(平均値±sd)として提示され、中央値がグラフ上に図式化された。図1Bは、ELISAによって測定されたIGFBP−1分泌を示す。図1Cは、in vitro脱落膜化がsPEおよび非PE由来のhESCに誘導された場合の、非脱落膜hESCと比較した、F−アクチンリモデリングを示す。、P<0.05;**、P<0.005 。 図1は、以前の妊娠においてsPEを患ったことがある患者におけるin vitroでのhESC脱落膜化を示す。図1Aおよび1Bは、以前の妊娠において重篤な子癇前症(sPE)を患ったことがある女性(n=13)および対照患者(非PE)(n=13)由来の、脱落膜対非脱落膜hESCにおいてELISAによって測定されたプロラクチンおよびIGFBP−1分泌を示す。プロラクチンおよびIGFBP−1分泌は、非脱落膜(黒色バー)および脱落膜化(灰色バー)におけるng/ml(平均値±sd)として提示され、中央値がグラフ上に図式化された。図1Bは、ELISAによって測定されたIGFBP−1分泌を示す。図1Cは、in vitro脱落膜化がsPEおよび非PE由来のhESCに誘導された場合の、非脱落膜hESCと比較した、F−アクチンリモデリングを示す。、P<0.05;**、P<0.005 。 図1は、以前の妊娠においてsPEを患ったことがある患者におけるin vitroでのhESC脱落膜化を示す。図1Aおよび1Bは、以前の妊娠において重篤な子癇前症(sPE)を患ったことがある女性(n=13)および対照患者(非PE)(n=13)由来の、脱落膜対非脱落膜hESCにおいてELISAによって測定されたプロラクチンおよびIGFBP−1分泌を示す。プロラクチンおよびIGFBP−1分泌は、非脱落膜(黒色バー)および脱落膜化(灰色バー)におけるng/ml(平均値±sd)として提示され、中央値がグラフ上に図式化された。図1Bは、ELISAによって測定されたIGFBP−1分泌を示す。図1Cは、in vitro脱落膜化がsPEおよび非PE由来のhESCに誘導された場合の、非脱落膜hESCと比較した、F−アクチンリモデリングを示す。、P<0.05;**、P<0.005 。 図2は、sPEにおけるANXA2の免疫組織化学およびウェスタンブロット分析を示す。図2Aは、SDS−PAGEに供され、ANXA2抗体でイムノブロッティングされた、重篤な子癇前症(sPE)の子宮内膜の生検材料から抽出された細胞内総タンパク質、およびハウスキーピングタンパク質、β−アクチンを示す。ANXA2の濃度測定分析を、3つの異なる実験から実施し、GAPDHで正規化した。図2Bは、非PEおよびsPE子宮内膜組織において観察されたANXA2含有量の染色プロフィールを示す。図2Cは、sPEおよび非PE患者のhESC脱落膜化および非脱落膜化子宮内膜から得られた細胞内総タンパク質抽出物のANXA2ウェスタンブロットおよび濃度測定分析を示す。図2Dは、タンパク質抽出物および馴化培地hESC、それぞれの細胞内ANXA2分析および細胞外ANXA2分析を示す。ANXA2タンパク質を、ELISAにより測定し、3つの異なる実験からのng/mL(平均値±sd)として表した。、P<0.05;**、P<0.005 。 図2は、sPEにおけるANXA2の免疫組織化学およびウェスタンブロット分析を示す。図2Aは、SDS−PAGEに供され、ANXA2抗体でイムノブロッティングされた、重篤な子癇前症(sPE)の子宮内膜の生検材料から抽出された細胞内総タンパク質、およびハウスキーピングタンパク質、β−アクチンを示す。ANXA2の濃度測定分析を、3つの異なる実験から実施し、GAPDHで正規化した。図2Bは、非PEおよびsPE子宮内膜組織において観察されたANXA2含有量の染色プロフィールを示す。図2Cは、sPEおよび非PE患者のhESC脱落膜化および非脱落膜化子宮内膜から得られた細胞内総タンパク質抽出物のANXA2ウェスタンブロットおよび濃度測定分析を示す。図2Dは、タンパク質抽出物および馴化培地hESC、それぞれの細胞内ANXA2分析および細胞外ANXA2分析を示す。ANXA2タンパク質を、ELISAにより測定し、3つの異なる実験からのng/mL(平均値±sd)として表した。、P<0.05;**、P<0.005 。 図2は、sPEにおけるANXA2の免疫組織化学およびウェスタンブロット分析を示す。図2Aは、SDS−PAGEに供され、ANXA2抗体でイムノブロッティングされた、重篤な子癇前症(sPE)の子宮内膜の生検材料から抽出された細胞内総タンパク質、およびハウスキーピングタンパク質、β−アクチンを示す。ANXA2の濃度測定分析を、3つの異なる実験から実施し、GAPDHで正規化した。図2Bは、非PEおよびsPE子宮内膜組織において観察されたANXA2含有量の染色プロフィールを示す。図2Cは、sPEおよび非PE患者のhESC脱落膜化および非脱落膜化子宮内膜から得られた細胞内総タンパク質抽出物のANXA2ウェスタンブロットおよび濃度測定分析を示す。図2Dは、タンパク質抽出物および馴化培地hESC、それぞれの細胞内ANXA2分析および細胞外ANXA2分析を示す。ANXA2タンパク質を、ELISAにより測定し、3つの異なる実験からのng/mL(平均値±sd)として表した。、P<0.05;**、P<0.005 。 図3は、ANXA2阻害のin vitro脱落膜化への効果を示す。図3Aは、非処理hESCと比較した、2つの系:P4+E2およびcAMP+MPAによる脱落膜hESCのANXA2ウェスタンブロットおよび濃度測定分析を示す。図3Bは、3つの異なる実験における、ELISAにより測定された、脱落膜化し、かつ処理されていないhESCの馴化培地における細胞外ANXA2レベルを示す。対照細胞(トランスフェクションされていない)、スクランブル配列(対照siRNA)をトランスフェクションされた細胞、またはANXA2特異的siRNA(ANXA2 siRNA)をトランスフェクションされた細胞のmRNA(図3C)およびタンパク質のANXA2レベル(図3D)を、RT−PCRおよびウェスタンブロット分析により評価した。図3Eおよび3Fは、対照およびANXA2 siRNA阻害hESCの馴化培地におけるELISAにより測定されたPRLおよびIGFBP−1レベルを示す。図3Gは、ローダミンファロイジン染色により可視化された、対照、対照siRNA、およびANXA2阻害hESCにおけるF−アクチン構造を示す。図3Hは、in vivoアッセイにより分析されたG−アクチン(可溶性)、F−アクチン(線維状)、および総アクチン画分を示し、その結果は、ANXA2阻害hESCおよび対照hESCにおけるウェスタンブロット分析により観察された。濃度測定分析を、3つの異なる実験から実施し、G/Fアクチン比として表し、総アクチンで正規化した。 図3は、ANXA2阻害のin vitro脱落膜化への効果を示す。図3Aは、非処理hESCと比較した、2つの系:P4+E2およびcAMP+MPAによる脱落膜hESCのANXA2ウェスタンブロットおよび濃度測定分析を示す。図3Bは、3つの異なる実験における、ELISAにより測定された、脱落膜化し、かつ処理されていないhESCの馴化培地における細胞外ANXA2レベルを示す。対照細胞(トランスフェクションされていない)、スクランブル配列(対照siRNA)をトランスフェクションされた細胞、またはANXA2特異的siRNA(ANXA2 siRNA)をトランスフェクションされた細胞のmRNA(図3C)およびタンパク質のANXA2レベル(図3D)を、RT−PCRおよびウェスタンブロット分析により評価した。図3Eおよび3Fは、対照およびANXA2 siRNA阻害hESCの馴化培地におけるELISAにより測定されたPRLおよびIGFBP−1レベルを示す。図3Gは、ローダミンファロイジン染色により可視化された、対照、対照siRNA、およびANXA2阻害hESCにおけるF−アクチン構造を示す。図3Hは、in vivoアッセイにより分析されたG−アクチン(可溶性)、F−アクチン(線維状)、および総アクチン画分を示し、その結果は、ANXA2阻害hESCおよび対照hESCにおけるウェスタンブロット分析により観察された。濃度測定分析を、3つの異なる実験から実施し、G/Fアクチン比として表し、総アクチンで正規化した。 図3は、ANXA2阻害のin vitro脱落膜化への効果を示す。図3Aは、非処理hESCと比較した、2つの系:P4+E2およびcAMP+MPAによる脱落膜hESCのANXA2ウェスタンブロットおよび濃度測定分析を示す。図3Bは、3つの異なる実験における、ELISAにより測定された、脱落膜化し、かつ処理されていないhESCの馴化培地における細胞外ANXA2レベルを示す。対照細胞(トランスフェクションされていない)、スクランブル配列(対照siRNA)をトランスフェクションされた細胞、またはANXA2特異的siRNA(ANXA2 siRNA)をトランスフェクションされた細胞のmRNA(図3C)およびタンパク質のANXA2レベル(図3D)を、RT−PCRおよびウェスタンブロット分析により評価した。図3Eおよび3Fは、対照およびANXA2 siRNA阻害hESCの馴化培地におけるELISAにより測定されたPRLおよびIGFBP−1レベルを示す。図3Gは、ローダミンファロイジン染色により可視化された、対照、対照siRNA、およびANXA2阻害hESCにおけるF−アクチン構造を示す。図3Hは、in vivoアッセイにより分析されたG−アクチン(可溶性)、F−アクチン(線維状)、および総アクチン画分を示し、その結果は、ANXA2阻害hESCおよび対照hESCにおけるウェスタンブロット分析により観察された。濃度測定分析を、3つの異なる実験から実施し、G/Fアクチン比として表し、総アクチンで正規化した。 図4は、ANXA2阻害hESCの運動性、トロホブラスト拡散(spreading)および浸潤の分析を示す。図4Aは、対照hESCおよびANXA2阻害hESCにおける創傷治癒アッセイを示す。創傷幅を、創傷後0時間目および24時間目に測定した。創傷閉鎖のパーセンテージを、画像分析により決定した。値は、3つの異なる実験からの10個の測定値の平均値である。図4Bは、ANXA2 siRNAをトランスフェクションされ、その後、胚付着が起きるまでマウス胚盤胞と共培養されたhESCを示す。48時間後、hESCをビメンチンに関して免疫染色し、マウストロホブラスト細胞をE−カドヘリンに関して免疫染色した。hESC上のマウス胚盤胞拡散を白線で取り囲み、面積を、ピクセルで測定した。図4Cは、ANXA2阻害hESCにおけるヒトトロホブラストJEG−3細胞浸潤の効果を測定するために使用したコラーゲンtranswell浸潤アッセイの概略図を示す。ヒストグラムは、対照細胞の浸潤を100%と指定した、JEG−3浸潤細胞のパーセンテージを示す。データは、3つの独立した実験の平均値を表す。、P<0.05;**、P<0.005。 図4は、ANXA2阻害hESCの運動性、トロホブラスト拡散(spreading)および浸潤の分析を示す。図4Aは、対照hESCおよびANXA2阻害hESCにおける創傷治癒アッセイを示す。創傷幅を、創傷後0時間目および24時間目に測定した。創傷閉鎖のパーセンテージを、画像分析により決定した。値は、3つの異なる実験からの10個の測定値の平均値である。図4Bは、ANXA2 siRNAをトランスフェクションされ、その後、胚付着が起きるまでマウス胚盤胞と共培養されたhESCを示す。48時間後、hESCをビメンチンに関して免疫染色し、マウストロホブラスト細胞をE−カドヘリンに関して免疫染色した。hESC上のマウス胚盤胞拡散を白線で取り囲み、面積を、ピクセルで測定した。図4Cは、ANXA2阻害hESCにおけるヒトトロホブラストJEG−3細胞浸潤の効果を測定するために使用したコラーゲンtranswell浸潤アッセイの概略図を示す。ヒストグラムは、対照細胞の浸潤を100%と指定した、JEG−3浸潤細胞のパーセンテージを示す。データは、3つの独立した実験の平均値を表す。、P<0.05;**、P<0.005。 図4は、ANXA2阻害hESCの運動性、トロホブラスト拡散(spreading)および浸潤の分析を示す。図4Aは、対照hESCおよびANXA2阻害hESCにおける創傷治癒アッセイを示す。創傷幅を、創傷後0時間目および24時間目に測定した。創傷閉鎖のパーセンテージを、画像分析により決定した。値は、3つの異なる実験からの10個の測定値の平均値である。図4Bは、ANXA2 siRNAをトランスフェクションされ、その後、胚付着が起きるまでマウス胚盤胞と共培養されたhESCを示す。48時間後、hESCをビメンチンに関して免疫染色し、マウストロホブラスト細胞をE−カドヘリンに関して免疫染色した。hESC上のマウス胚盤胞拡散を白線で取り囲み、面積を、ピクセルで測定した。図4Cは、ANXA2阻害hESCにおけるヒトトロホブラストJEG−3細胞浸潤の効果を測定するために使用したコラーゲンtranswell浸潤アッセイの概略図を示す。ヒストグラムは、対照細胞の浸潤を100%と指定した、JEG−3浸潤細胞のパーセンテージを示す。データは、3つの独立した実験の平均値を表す。、P<0.05;**、P<0.005。 図5は、ANXA2阻害hESCおよびsPE hESCにおける線維素溶解活性を示す。図5Aは、3つの異なる実験においてELISAにより評価され、かつ中央値pg/mLとして表された、ANXA2阻害hESCおよびsPE患者由来のhESCの馴化培地におけるプラスミノーゲンレベルを示す。図5Bは、蛍光定量的機能アッセイにより評価され、かつ活性プラスミンのmM濃度として表された、hESC馴化培地と共に存在するプラスミン活性を示す。3つの異なる実験において、ELISAにより、MMP2(図5C)およびMMP9(図5D)のタンパク質レベルを、ANXA2阻害hESCおよびsPE hESCの馴化培地において評価した。図5Eは、50μg/mLまたは100μg/mLのヘパリンで処理され、かつ0分間、15分間、30分間、および60分間の区間中でのプラスミノーゲンレベルについて分析した、対照、対照siRNA、ANXA2 siRNA、およびsPEのhESCを示し、処理なしの場合も示す。図5Eは、100μg/mLのヘパリンで処理され、または処理されていないANXA2阻害hESCおよびsPE hESCの馴化培地において測定されたプラスミン活性を示す。図5Fは、ヘパリン用量で処理されたhESCの馴化培地において分泌されたANXA2タンパク質を示す。MMP2(図5H)およびMMP9(図5G)レベルを、ヘパリン処理hESCの馴化培地においてELISAにより評価した。 図5は、ANXA2阻害hESCおよびsPE hESCにおける線維素溶解活性を示す。図5Aは、3つの異なる実験においてELISAにより評価され、かつ中央値pg/mLとして表された、ANXA2阻害hESCおよびsPE患者由来のhESCの馴化培地におけるプラスミノーゲンレベルを示す。図5Bは、蛍光定量的機能アッセイにより評価され、かつ活性プラスミンのmM濃度として表された、hESC馴化培地と共に存在するプラスミン活性を示す。3つの異なる実験において、ELISAにより、MMP2(図5C)およびMMP9(図5D)のタンパク質レベルを、ANXA2阻害hESCおよびsPE hESCの馴化培地において評価した。図5Eは、50μg/mLまたは100μg/mLのヘパリンで処理され、かつ0分間、15分間、30分間、および60分間の区間中でのプラスミノーゲンレベルについて分析した、対照、対照siRNA、ANXA2 siRNA、およびsPEのhESCを示し、処理なしの場合も示す。図5Eは、100μg/mLのヘパリンで処理され、または処理されていないANXA2阻害hESCおよびsPE hESCの馴化培地において測定されたプラスミン活性を示す。図5Fは、ヘパリン用量で処理されたhESCの馴化培地において分泌されたANXA2タンパク質を示す。MMP2(図5H)およびMMP9(図5G)レベルを、ヘパリン処理hESCの馴化培地においてELISAにより評価した。 図5は、ANXA2阻害hESCおよびsPE hESCにおける線維素溶解活性を示す。図5Aは、3つの異なる実験においてELISAにより評価され、かつ中央値pg/mLとして表された、ANXA2阻害hESCおよびsPE患者由来のhESCの馴化培地におけるプラスミノーゲンレベルを示す。図5Bは、蛍光定量的機能アッセイにより評価され、かつ活性プラスミンのmM濃度として表された、hESC馴化培地と共に存在するプラスミン活性を示す。3つの異なる実験において、ELISAにより、MMP2(図5C)およびMMP9(図5D)のタンパク質レベルを、ANXA2阻害hESCおよびsPE hESCの馴化培地において評価した。図5Eは、50μg/mLまたは100μg/mLのヘパリンで処理され、かつ0分間、15分間、30分間、および60分間の区間中でのプラスミノーゲンレベルについて分析した、対照、対照siRNA、ANXA2 siRNA、およびsPEのhESCを示し、処理なしの場合も示す。図5Eは、100μg/mLのヘパリンで処理され、または処理されていないANXA2阻害hESCおよびsPE hESCの馴化培地において測定されたプラスミン活性を示す。図5Fは、ヘパリン用量で処理されたhESCの馴化培地において分泌されたANXA2タンパク質を示す。MMP2(図5H)およびMMP9(図5G)レベルを、ヘパリン処理hESCの馴化培地においてELISAにより評価した。 図5は、ANXA2阻害hESCおよびsPE hESCにおける線維素溶解活性を示す。図5Aは、3つの異なる実験においてELISAにより評価され、かつ中央値pg/mLとして表された、ANXA2阻害hESCおよびsPE患者由来のhESCの馴化培地におけるプラスミノーゲンレベルを示す。図5Bは、蛍光定量的機能アッセイにより評価され、かつ活性プラスミンのmM濃度として表された、hESC馴化培地と共に存在するプラスミン活性を示す。3つの異なる実験において、ELISAにより、MMP2(図5C)およびMMP9(図5D)のタンパク質レベルを、ANXA2阻害hESCおよびsPE hESCの馴化培地において評価した。図5Eは、50μg/mLまたは100μg/mLのヘパリンで処理され、かつ0分間、15分間、30分間、および60分間の区間中でのプラスミノーゲンレベルについて分析した、対照、対照siRNA、ANXA2 siRNA、およびsPEのhESCを示し、処理なしの場合も示す。図5Eは、100μg/mLのヘパリンで処理され、または処理されていないANXA2阻害hESCおよびsPE hESCの馴化培地において測定されたプラスミン活性を示す。図5Fは、ヘパリン用量で処理されたhESCの馴化培地において分泌されたANXA2タンパク質を示す。MMP2(図5H)およびMMP9(図5G)レベルを、ヘパリン処理hESCの馴化培地においてELISAにより評価した。 図6は、少なくとも部分的にANXA2欠乏により媒介される、sPEに存在するhESC脱落膜化抵抗性を、PEの母体における原因としての浅いトロホブラスト浸潤および線維素溶解の変化と共に組み込んだモデルを示す。 図7は、子宮内膜液におけるANXA2レベルの研究を示す。
本発明は、子宮内膜のアネキシンA2(ANXA2)レベルが、正常に妊娠した女性におけるレベルと比較して、以前の妊娠において子癇前症(PE)を有した女性において減少しているという発見に、少なくとも一部、基づいている。本発明の方法は、PEを発症する素因がある女性を確実に同定するための非侵襲性アッセイを提供する。したがって、本発明は、症状が発生する前にPEを発症する素因の早期検出を可能にし、それにより、適切な治療を、時期を逃さずに開始することを可能にする。本発明のもう1つの利点は、子癇前症のリスクが高いと決定されている女性が、子癇前症を防ぎ、または軽減するためにANXA2レベルを増加させる薬剤で処置することができることである。
子癇前症(PE)は、以前には正常な血圧であった女性において妊娠20週間後に起きる高血圧(収縮期血圧≧140mmHgおよび/または拡張期血圧≧90mmHg)により特徴付けられる状態である。加えて、正常と比較して、尿中のタンパク質のレベルの増加がある。蛋白尿の増加は、24時間分の尿の収集において≧300mgと定義される(The National High Blood Pressure Education Program Working Group Report on High Blood Pressure in Pregnancy、Am J Obstet General 2000年、183巻、S1〜S22頁)。血圧の上昇に伴って、頭痛、腹痛、出血問題、痙攣、ならびに胎児成長不良、早産、およびさらに胎児または母親の死亡などの合併症などの関連した徴候および症状があり得る。頻度は、全妊娠の5〜8%であるが、ある特定の群、例えば、双生児を身ごもる女性において非常に高くあり得る。
本発明の一態様によれば、子癇前症を処置するための方法が提供される。本方法は、被験体から得られた試験試料においてアネキシンA2(ANXA2)のレベルを測定することにより、被験体が子癇前症を有するか、または子癇前症を発症するリスクが高いかどうかを決定するステップ、試験試料におけるANXA2のレベルをANXA2の対照レベルと比較して、被験体が子癇前症を有するか、または子癇前症を発症するリスクが高いかどうかを決定するステップ、および子癇前症を発症するリスクが高いと決定された被験体に、ANXA2のレベルを上昇させることが公知の有効量の薬剤を投与するステップを含む。
一部の実施形態では、本方法は、被験体から得られた試験試料においてアネキシンA2(ANXA2)のレベルを測定することにより、被験体が子癇前症を発症するリスクが高いかどうかを決定するステップ、試験試料におけるANXA2のレベルをANXA2の対照レベルと比較して、被験体が子癇前症を発症するリスクが高いかどうかを決定するステップ、および子癇前症を発症するリスクが高いと決定された被験体に、有効量のグリコサミノグリカンを投与するステップを含む。
本発明の一態様によれば、子癇前症を診断するか、または子癇前症の診断を補助するための方法が提供される。本方法は、被験体から得られた試験試料においてアネキシンA2(ANXA2)のレベルを測定するステップ、および試験試料におけるANXA2のレベルをANXA2の対照レベルと比較して、被験体が子癇前症を発症するリスクが高いかどうかを決定するステップを含む。
本発明の一態様による、子癇前症を処置するための方法。本方法は、現在、子癇前症を有していない被験体の子宮内膜液試料を得るステップであって、被験体が妊娠しているか、または被験体が妊娠する計画を有する、ステップ、子宮内膜液試料においてANXA2のレベルを決定するアッセイを実施するステップ、子宮内膜液試料におけるANXA2のレベルをANXA2の対照レベルと比較して、被験体が子癇前症を発症するリスクが高いかどうかを決定するステップ、および被験体が子癇前症を発症するリスクが高いと決定された場合には、有効量のグリコサミノグリカンを被験体に投与するステップを含む。
本発明の一態様によれば、子癇前症を処置するための方法が提供される。本方法は、ANXA2の対照レベルと比較して低レベルのANXA2を有し、妊娠の計画があり、かつ子癇前症の病歴をもたない被験体を同定するステップ、およびグリコサミノグリカンを、被験体においてANXA2のレベルを上昇させるのに十分な量で被験体に投与するステップを含む。
本発明の一態様によれば、子癇前症についてのグリコサミノグリカン治療の効力を評価するための方法が提供される。本方法は、子癇前症を有するか、または子癇前症を発症するリスクが高い被験体を有効量のグリコサミノグリカンで処置するステップ、グリコサミノグリカンでの処置前および処置後、被験体から得られた試験試料においてアネキシンA2(ANXA2)のレベルを測定するステップであって、処置前のレベルに対する処置後のANXA2のレベルの増加が、グリコサミノグリカン治療が有効であることを示すステップを含む。
本明細書で使用される場合、「被験体」は、全ての哺乳類を含み、それらとしては、イヌ、ネコ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ウシ、ブタ、ヒト、および非ヒト霊長類が挙げられるが、それらに限定されない。一部の実施形態では、被験体は女性である。本明細書で使用される場合、「子癇前症を発症するリスクが高い」被験体は、その集団を代表する平均と比較した場合、子癇前症を発症する確率がより高い被験体を含む。一部の実施形態では、被験体は妊娠していることがわかっている。一部の実施形態では、被験体は妊娠しようと試みている。被験体は、以前に妊娠したことがなくてもよいし、以前、1回もしくは複数回、正常に妊娠したことがあってもよいし、または以前の妊娠においてPEを患っている。一部の実施形態では、被験体は、子癇前症についての1つまたは複数のリスク因子を有する。例えば、被験体は、以下の1つまたは任意の組合せを有する場合がある:被験体は1人より多くの赤ん坊を身ごもっている、慢性高血圧、糖尿病、腎臓疾患、もしくは臓器移植の病歴を有する、初めて妊娠している、肥満であり、特に30もしくはそれ超のボディマス指数(BMI)を有する、40歳超である、もしくは18歳未満である、子癇前症の家族歴(すなわち、母親、姉妹、祖母、または伯母・叔母がその障害を有した)をもつ、多嚢胞性卵巣症候群を有する、ループス、もしくは関節リウマチ、サルコイドーシス、および多発性硬化症を含む他の自己免疫疾患を有する、体外受精を受けたことがある、または鎌状赤血球症を有する。
一部の実施形態では、本明細書に記載された方法は、ANXA2の対照レベルと比較して低レベルのANXA2を有し、妊娠の計画があり、かつ子癇前症の病歴をもたない被験体を同定するステップを含む。本明細書で使用される場合、「ANXA2の対照レベルと比較して低レベルのANXA2を有し、妊娠の計画があり、かつ子癇前症の病歴をもたない被験体を同定すること」とは、ANXA2の対照レベルと比較して低レベルのANXA2を有し、妊娠する計画を有し、かつ子癇前症の病歴をもたない被験体を選択することを意味する。そのように同定または選択された被験体は、グリコサミノグリカンを、被験体においてANXA2のレベルを上昇させるのに十分な量で被験体に投与することによりPEについて処置される。
用語「試験試料」は、本発明の方法を使用して評価されることになっている被験体、例えば、妊娠しているか、または妊娠しようと試みている被験体に由来した試料を指す。試料の非限定的例としては、子宮内膜組織、子宮内膜間質細胞、および子宮内膜液が挙げられる。被験体の試料を得ることとは、被験体の試料を入手することを意味する。被験体から試料を得ることとは、被験体から試料を取り出すことを意味する。したがって、被験体の試料を得て、試料においてANXA2のレベルを測定する人は、必ずしも、被験体から試料を得るとは限らない。一部の実施形態では、試料は、医療従事者(例えば、医者、看護師、または臨床検査実施者(clinical laboratory practitioner))によって被験体から取り出され、その後、ANXA2のレベルを測定する人に提供されてもよい。試料は、被験体により、または医療従事者(例えば、医者、看護師、または臨床検査実施者)により、ANXA2のレベルを測定する人に提供されてもよい。一部の実施形態では、ANXA2のレベルを測定する人は、試料を被験体から取り出すことにより被験体から試料を得る。
アネキシンA2(ANXA2)は、ヒト子宮内膜の分泌期中期および後期中に有意に上方制御されるカルシウム制御性リン脂質結合タンパク質である。このタンパク質は、F−アクチンネットワークの調節により子宮内膜上皮による受容能表現型の獲得に重要である。ANXA2は、ヒト子宮内膜間質細胞(hESC)上に存在し、かつ機能する線維素溶解促進性受容体である。それは、プラスミノーゲンおよびそれのアクチベーターtPAの細胞表面共受容体として働き、細胞表面プラスミン生成を有意に増強する。本明細書で使用される場合、用語「アネキシンA2」は、アネキシンA2の任意の既知のアイソフォームを指す。非限定的に、アネキシンA2としては、核酸配列NM_001002858.2、NM_001136015.2、NM_004039.2、およびNM_001002857.1、ならびにタンパク質配列NP_001002858.1、NP_001129487.1、NP_004030.1、およびNP_001002857.1が挙げられる。他の既知のアネキシンA2核酸およびコードされたポリペプチドは、(参照により本明細書に組み入れられた)WO2009/143633に記載されている。
本明細書に開示された方法は、典型的には、試料においてANXA2のレベルを測定し、またはANXA2のレベルを決定するアッセイを実施するステップを含む。ANXA2のレベルは、一般的に、細胞からmRNAを検出し、ならびに/またはポリペプチドおよびタンパク質などの発現産物を検出することにより、検出され得る。核酸によってコードされた転写産物および/またはタンパク質の発現は、当技術分野における様々な公知の方法のいずれかにより測定され得る。例えば、ANXA2タンパク質のレベルを測定する方法には、酵素結合イムノソルベント検定法(ELISA)、ウェスタンブロット、免疫組織化学的分析、ラジオイムノアッセイ(RIA)、質量分析、マイクロアレイ、および顕微鏡観察が挙げられるが、それらに限定されない。ANXA2核酸配列を検出するための方法には、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、逆転写酵素−PCR(RT−PCR)、インサイチュPCR、定量的PCR(q−PCR)、インサイチュハイブリダイゼーション、サザンブロット、ノーザンブロット、配列分析、マイクロアレイ分析、レポーター遺伝子の検出、または他のDNA/RNAハイブリダイゼーションプラットフォームが挙げられるが、それらに限定されない。
本明細書に開示された方法は、典型的には、試験試料におけるANXA2のレベルをANXA2の対照レベルと比較して、被験体が子癇前症を発症するリスクが高いかどうかを決定するステップを含む。一部の実施形態では、「ANXA2の対照レベル」は、妊娠に成功したことがあり、かつ子癇前症の病歴をもたない被験体から導かれる。そのような場合、ANXA2の対照レベルが、妊娠に成功したことがあり、かつ子癇前症の病歴をもたない被験体から導かれている時、対照レベルより低い、試験試料におけるANXA2のレベルは、被験体が子癇前症を有するか、または子癇前症を発症するリスクが高いことを示している。一部の実施形態では、対照レベルが、PE発症の予測となることが公知であり、そのような場合、対照レベルに相当する、試験試料におけるANXA2のレベルは、被験体が、子癇前症を有するか、または子癇前症を発症するリスクが高いことを示している。したがって、試験レベルが対照レベルより統計的に低いかどうかを決定することよりむしろ、試験レベルが、PE発症の予測となることが公知の範囲内にあるかどうかを決定することができる。対照レベルは、例えば子宮内膜液の1mlあたりのANXA2単位での、定数であり得る。対照レベルは範囲であり得る。対照レベルは、対照試料において測定された比較レベルであり得、そのレベルは、試験レベルのアッセイと同時に測定される。対照レベルは、標準偏差を有する平均として表され得る。本発明は、試験試料が、統計的に、対照より低く、または対照に相当すると決定する特定の方法によって限定されることを意図するものではない。
一部の実施形態では、ANXA2レベルは、月経周期を通して任意の期において測定される。一部の実施形態では、ANXA2のレベルは、月経周期の黄体期中に測定される。一部の実施形態では、ANXA2のレベルは、月経周期の黄体期中期(18〜24日目)中に測定される。一部の実施形態では、月経周期の黄体期中期(18〜24日目)中に正常な被験体(すなわち、妊娠に成功したことがあり、かつ子癇前症の病歴をもたない被験体)において測定されるANXA2の平均対照子宮内膜液内レベルは、32μg/ml(平均値±4)であり、一方、PEの素因がある被験体における黄体期中期中のANXA2のレベルは、この対照レベルと比較して、有意に低下している。一部の実施形態では、PEの素因がある被験体におけるANXA2のレベルは、この平均対照ANXA2レベルより2、3、4、または5標準偏差分、低い。一部の実施形態では、PEの素因がある被験体における黄体期中期中のANXA2のレベルは、5μg/ml未満、10μg/ml未満、15μg/ml未満、20μg/ml未満、または25μg/ml未満である。
一部の実施形態では、対照試料に対する、試験試料におけるANXA2のレベルの減少は、被験体が子癇前症を有するか、または子癇前症を発症するリスクが高いことを示している。「発現の減少」とは、試験試料におけるANXA2の発現が、対照試料におけるその発現から統計的に有意に減少していることを意味する。例えば、試験試料におけるANXA2の発現レベルが、対照試料におけるそれより、少なくとも1%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも100%、少なくとも250%、少なくとも500%、または少なくとも1000%、低い場合、有意な減少が検出され得る。同様に、試験試料におけるANXA2の発現レベルが、対照試料のそれの少なくとも2分の1、少なくとも3分の1、少なくとも4分の1、少なくとも5分の1、少なくとも6分の1、少なくとも7分の1、少なくとも8分の1、少なくとも9分の1、少なくとも10分の1、少なくとも20分の1、少なくとも30分の1、少なくとも40分の1、少なくとも50分の1、少なくとも100分の1、またはそれ未満である場合、有意な減少が検出され得る。有意差は、適切な統計的検定を使用することにより、同定され得る。統計的有意性についての検定は、当技術分野において周知であり、Petruccelli、ChenおよびNandramによるApplied Statistics for Engineers and Scientists 1999年 再版に例示されている。
一部の実施形態では、分析の結果、すなわち、被験体がPEを有し、またはPEを有する素因があるかどうか、および分析に関連する任意の他の情報を要約する報告書は、任意選択で、分析の一部として作成すること(本明細書において、報告書を「提供すること」、報告書を「製作すること」、または報告書を「作成すること」と交換可能に呼ばれ得る)ができる。例えば、血圧および/または尿中のタンパク質含量の測定値が決定され得、これらは報告書に含まれ得る。報告書の例には、紙(例えば、試験結果のコンピュータ作成のプリントアウト)または等価の形式での報告書、およびコンピュータ可読媒体(例えば、CD、コンピュータハードドライブ、またはコンピュータネットワークサーバーなど)上に保存された報告書が挙げられ得るが、それらに限定されない。報告書、特に、コンピュータ可読媒体上に保存された報告書は、データベース(例えば、患者および患者の医療従事者だけがその報告書を見ることを許可するように、報告書へのアクセスを制限するセキュリティ特徴を有する「セキュアデータベース」であり得る、患者の記録のデータベースなど)の一部であり得る。有形の報告書を作成することに加えて、またはその代替として、報告書はまた、コンピュータスクリーン(または別の電子デバイスもしくは電子装置のディスプレイ)上に表示することができる。
報告書はさらに、試験された個体、医療従事者(例えば、医者、看護師、または臨床検査実施者、遺伝子カウンセラー等)、ヘルスケア組織、臨床実験室、および/または報告書を見、もしくは保有することを意図された任意の他の団体などへ伝達、通信、または報告され得る(これらの用語は本明細書で交換可能に使用され得る)。報告書を「伝達すること」または「通信すること」は、報告書の型に基づいて、当技術分野において公知の任意の手段によることができ、その手段としては、口頭伝達と非口頭伝達の両方が挙げられる。さらに、報告書を「伝達する」または「通信する」行為は、報告書を配達すること(「プッシュ型(pushing)」)、および/または報告書を引き出すこと(「プル型(pulling)」)を含み得る。例えば、非口頭報告書は、(例えば、紙の形での報告書について)1つの団体から別の団体へ物理的に配達することによるなどの団体間を物理的に移動するような手段により、またはコンピュータネットワークサーバー等上に保存されたデータベースから引き出すことによりなどの電子的に、もしくは信号の形で(例えば、Eメールによって、もしくはインターネットを通じて、ファクシミリにより、および/または当技術分野において公知の任意の有線もしくは無線の通信方法により)伝達されることにより、伝達/通信することができる。
一部の実施形態では、本明細書に記載された方法は、子癇前症を有し、または子癇前症を発症する素因があると同定される被験体を、ANXA2レベルを増加させることによって子癇前症が防がれ、または軽減されるようにすることが公知である有効量の薬剤で処置するステップを含む。ANXA2レベルを増加させることが公知の薬剤としては、グリコサミノグリカンが挙げられるが、それに限定されない。グリコサミノグリカンの例としては、低分子量ヘパリン、ヘパラン硫酸、化学修飾されたヘパリンまたはヘパラン硫酸、低分子量デルマタン硫酸、およびそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。子癇前症についての処置のためのグリコサミノグリカンの追加の例は、参照により本明細書に組み入れられた、EP1016410に記載されている。
本明細書で使用される場合、用語「処置する」は、被験体のPEを発症するリスクを低下させ、または改善することを意味する。被験体のPEを発症するリスクの低下は、処置前に得られたANXA2レベルと比較した、または対照の正常なANXA2レベル(すなわち、以前、正常に妊娠したことがあり、かつPEの病歴をもたない被験体のANXA2レベル)と比較した、ANXA2のレベルの増加として現れ得る。一部の実施形態では、用語「処置する」は、PEを検出可能な量または程度で、低下させ、または改善することを意味する。本明細書で使用される場合、用語「処置する」は、完全な処置と部分的な処置の両方を指す。例えば、PEの処置は、尿中のタンパク質レベルの低下、および/または処置前に得られた血圧レベルと比較した、もしくは対照の正常な血圧レベルと比較した、血圧レベルの減少として現れ得る。
グリコサミノグリカンの「有効量」は、所望の生物学的応答、すなわち、子癇前症を処置することを誘発するのに十分な量を指す。当業者により認識されているように、グリコサミノグリカンの有効量は、所望の生物学的エンドポイント、その化合物の薬物動態、処置されることになっている状態、投与様式、ならびに被験体の年齢および健康のような因子に依存して異なり得る。有効量としては、PEに伴う1つまたは複数の症状を遅らせ、低下させ、阻害し、改善し、または逆転させるのに必要な量が挙げられるが、それらに限定されない。PEの処置において、そのような量は、処置前に得られた血圧レベルと比較して、または対照の正常な血圧レベルと比較して、血圧レベルを減少させるのに十分な量を指し得る。一部の実施形態では、有効量は、尿中のタンパク質レベルの低下を引き起こすのに十分な量を指し得る。一部の実施形態では、有効量は、被験体のPEを発症するリスクを低下させるのに十分な量を指し得る。そのような量は、処置前に得られたANXA2レベルと比較して、または対照の正常なANXA2レベル(すなわち、妊娠に成功したことがあり、かつ子癇前症の病歴をもたない被験体のANXA2レベル)と比較して、ANXA2のレベルを増加/上昇させるのに十分な量を指し得る。一部の実施形態では、その量は、処置された被験体においてANXA2の対照の正常なレベルを再確立するのに十分である。
化合物の有効量は、(投与様式に依存して)1または数日間、1回または複数回の用量投与において、約0.001mg/kgから約1000mg/kgまで様々であり得る。ある特定の実施形態では、有効量は、約0.001mg/kgから約1000mg/kgまで、約0.01mg/kgから約750mg/kgまで、約0.1mg/kgから約500mg/kgまで、約1.0mg/kgから約250mg/kgまで、および約10.0mg/kgから約150mg/kgまで様々である。一部の実施形態では、有効量は、1000IU、2000IU、3000IU、40000IU、5000IU、6000IU、または7000IUのグリコサミノグリカンである。一部の実施形態では、有効量は、5000IUのグリコサミノグリカン(例えば、低分子量ヘパリン)である。グリコサミノグリカンは、任意の適切な投与経路を介して投与することができる。例えば、グリコサミノグリカンは、皮下、静脈内、腹腔内、または筋肉内経路を介して投与することができる。
一部の実施形態では、本明細書に記載された方法は、グリコサミノグリカンでの処置前および処置後、被験体から得られた試験試料においてアネキシンA2(ANXA2)のレベルを測定するステップを含む。有効な治療は、処置前のレベルに対して処置後のANXA2のレベルを増加させることが予想される。したがって、有効な治療は、処置後のANXA2のレベルの増加によって示される。
本発明は、以下の実施例によってさらに例証され、その実施例は、決して、さらなる限定として解釈されるべきではない。この出願を通して引用された(文献参考、発行された特許、公開された特許出願、および同時係属の特許出願を含む)参考文献の全部の全内容は、参照により本明細書に明確に組み入れられている。
(実施例1)
ANXA2欠乏を通して媒介される子宮内膜脱落膜化抵抗性が、子癇前症の母体における原因を示す
材料および方法
組織収集、hESC単離、および培養
IRB承認がCEIC Ethics Committee of Hospital La Fe、Valencia Spain(コード 2011/0383)によって2011年8月8日に得られ、書面でのインフォームドコンセントは、組織収集の前に各患者からサインされた。重篤な子癇前症(sPE)子宮内膜生検材料(n=13)を、1〜5年間の間に生じた最近の妊娠中にsPEを患ったことがある女性から得た。非子癇前症(非PE)子宮内膜生検材料を、18〜32歳の正常な妊娠をもつ女性から収集した(n=13)。全ての患者は、規則的な月経周期を有し、潜在する子宮内膜病理はなく、生検材料収集前の3ヶ月間の間、ホルモン処置を受けなかった。平均年齢および平均BMIは、2つの群において類似していた。
子宮内膜生検材料を、pipelle(Genetics、Belgium)を使用して無菌条件下で得た。前に記載されているように(41)、穏やかなコラゲナーゼ消化により試料を処理し、間質コンパートメントを単離した。ヒト子宮内膜間質細胞(hESC)培養物を、10%活性炭処理済みウシ胎仔血清(FBS)および0.1%抗生物質を含有するダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)/F12(Sigma、Madrid、Spain)で構成される培地を使用して増殖させた。異なるアッセイのためのhESCを、2日間または4日間、プレートにおいてコンフルエンスまで培養した。
in vitro脱落膜化プロトコール
コンフルエントなhESC単層を、2%FBS、0.1%抗生物質、ならびに2つの異なる脱落膜化プロトコール:i)3日ごとに培地を新しくしながら、9日間、プロゲステロン(P4)(1μM)およびβ−エストラジオール(E2)(30nM);ii)3日間、8−ブロモ−cAMP(cAMP、Sigma)(0.5mM)および酢酸メドロキシプロゲステロン(MPA、Sigma)(1μM)を含有するDMEM/F12で脱落膜化させた。対照hESCを、脱落膜反応の誘導物質を含まずに、並行して培養した。
特徴的な脱落膜表現型を、生化学的に、馴化培養培地中のPRL(Abnova)およびIGFBP−1(Raybiotech)タンパク質レベルのELISAによる分析により、ならびに形態学的に、F−アクチン染色により確認した。hESCを、プラスチックプレートにおいて、30〜40%のコンフルエンスまで培養した。エピトープマスキングの効果を最小限にするために、細胞を、低濃度の固定液(2〜3%パラホルムアルデヒド)で固定し、5%BSAでブロッキングした。細胞を、F−アクチンへの0.1μg/mL Amanita Phalloides由来のファロイジン−テトラメチルローダミンBイソチオシアネート結合体(Sigma Aldrich、USA)と、暗所中、室温で30分間、インキュベートした。共焦点蛍光顕微鏡画像を、100×1.45開口数の対物レンズおよびYokogawa回転盤共焦点ユニット(PerkinElmer)を備えたNikon顕微鏡で得た。各免疫蛍光標識について、少なくとも3つの異なる組織調製物を使用した。
細胞内および細胞外ANXA2タンパク質アッセイ
hESC細胞を、溶解バッファー(50mM Tris−HCl pH8.0、150mM NaCl、1% IGEPAL CA 360、0.5% Na−DOC、0.1% SDS、および0.5M EDTA)中に溶解した。タンパク質抽出物(25μg/レーン)を、電気泳動により10%SDS−PAGEゲル上で分離し、ポリビニリデンジフルオリド膜(Hybond−P(疎水性ポリビニリデンジフルオリド膜)(Amersham Biosciences、NJ、USA)に転写し、5%ミルクおよび0.1% Tweenを含むPBS緩衝食塩水中でブロッキングした。膜を、1/2500ウサギポリクローナル抗ヒトアネキシンII(Abcam、Cambridge、UK)および1/2000マウスモノクローナル抗ヒトβ−アクチン(Santa Cruz、CA、USA)と4℃で終夜、インキュベートし、Santa Cruz(CA、USA)製の西洋ワサビペルオキシダーゼ結合体化二次ヤギ抗ウサギ抗体およびヤギ抗マウスIgG−HRP抗体で調べた。抗体−抗原複合体を、増強ケミルミネッセンスECL Plus試薬(Amersham Biosciences、CT、USA)を使用して検出した。
タンパク質抽出物(2μg/ウェル)および馴化培地を、ELISA(R&D Systems、MN、USA)により分析した。固定化捕捉抗体は、アネキシンA2を特異的に結合する。結合していない材料を洗い流した後、アネキシンA2に特異的なビオチン化検出抗体を使用して、標準ストレプトアビジン−HRP様式で、結合したアネキシンA2を検出した。条件ごとに3つの複製で実施し、吸光度値を、標準曲線に外挿して、ヒトアネキシンA2濃度(pg/mL)を確立した。
ANXA2免疫組織化学
ホルマリン固定されかつパラフィン包埋された子宮内膜生検材料を、切片にし、Vectabond(Vector Laboratories、Burlingame、CA、USA)でコーティングされたスライドガラス上にマウントした。脱パラフィンおよび再湿潤化(rehydration)後、切片を、PBSで5分間、3回、すすいだ。免疫組織化学を、LSABペルオキシダーゼキット(Dako、Carpinteria、CA、USA)を使用して、子宮内膜切片上で実施した。非特異的結合を、PBS中5%BSAでブロッキングした。3%BSAを含むPBS中に希釈した1:100ウサギポリクローナル抗ヒトアネキシンII(Abcam、Cambridge、UK)と、室温で1時間、切片をインキュベートした。抗体の非存在下で、陰性対照を、3%BSAを含むPBSとともにインキュベートした。ウサギ起源一次抗体に対して適用される二次抗体は、LSABペルオキシダーゼキット(Dako)に含まれていた。3,30−ジアミノベンジジン(DAB)色素原で、30秒間から1分間の間の時間、染色を達成させた。ヘマトキシリンでの10秒間の対比染色および蒸留水での洗浄後、スライドをentellan(Merck、Darmstadt、Germany)でマウントした。
ANXA2 siRNA
ANXA2をサイレンスさせるために、ANXA2に対する特異性を有するsiRNAオリゴヌクレオチド(CGGCCUGAGCGUCCAGAAATT、配列番号1)および陰性対照RNA二重鎖を、どちらも3’−AlexaFluor488(Qiagen CA、USA)で修飾して、使用した。hESCにANXA2 siRNA(100nM)またはsiRNA陰性対照(100nM)をトランスフェクションした。全てのトランスフェクション実験を、Lipofectamine 2000(Invitrogen)およびDMEM/F12培地を使用して実施した。その処理と共に、細胞を37℃で6時間、インキュベートし、その後、培地は、新しく、siRNAを含まない新鮮な培地に交換した。
F−アクチン/G−アクチンのin vivoアッセイ
ANXA2阻害、続いて脱落膜誘導物質(AMPcおよびMPA)に供したESC細胞中の遊離単量体アクチン(G−アクチン) 対 線維状アクチン(F−アクチン)の含有量を、G−アクチン/F−アクチンin vivoアッセイキット(Cytoskeleton、CO、USA)を使用して決定した。非脱落膜対照、対照野生型、ANXA2 siRNA、および脱落膜のESC細胞を、F−アクチン安定化バッファー中、37℃でホモジナイズした。その後、細胞溶解産物を、低速度遠心分離(2000rpm)で非破壊細胞を除去した。除去後の溶解産物を、その後、100000×gで遠心分離して、可溶性G−アクチンを不溶性F−アクチンから分離した。その後、諸画分を、ポリアクリルアミドゲル上に比例させてロードし、電気泳動SDS−PAGEにより分離し、1/500抗アクチン抗体(Cytoskeleton、CO、USA)でプローブするためにニトロセルロース膜に転写した。ウェスタンブロットの濃度測定定量化により、総アクチンで正規化された、サイトゾル中に見出されるG−アクチン 対 細胞骨格に組み入れられたF−アクチンの比が決定された。
創傷閉鎖アッセイ
hESC細胞をカバーガラス上に播種し、コンフルエンスまで増殖させ、脱落膜化させ、続いて、ANXA2 siRNA処理(6時間)を行った。96時間後、各カバーガラスを滅菌ピペットチップで引っ掻き、PBSで洗浄し、新鮮な培地に置いた。創傷幅を、位相差顕微鏡により、すぐに、および24時間後に、測定した。創傷閉鎖を、最初の創傷幅のうちの閉鎖区域のパーセンテージとして計算した。示されたデータは、3つの独立した実験から取られた10個の測定値の平均値±SEMを表している。
トロホブラスト拡散アッセイ
使用されるプロトコールは、Animal Care and Use Committee of the Valencia University School of Medicineにより、実験動物の保護および使用についてのU.S. National Institutes of Healthガイドラインに従って、承認された。B6C3F1マウス系統を、Charles River Laboratories(Barcelona、Spain)から購入した。週齢6〜8週間の雌マウスを過排卵させ、繁殖用雄とペアで終夜、収容した。妊娠2日目に、卵管から胚を回収し、CCM−30培地(Vitrolife、Lubeck、Germany)中で3日間、培養した。正常な形態を有する発達した胚盤胞だけを、研究に含めた(n=425マウス胚)。
孵化した胚を、対照、対照siRNA、またはANXA2 siRNAとして働くコンフルエントな脱落膜化hESC単層上に共培養した。48時間後、付着した胚盤胞のトロホブラスト拡散面積を評価した。共培養物を、低濃度の固定液(2〜3%パラホルムアルデヒド)で固定し、5%BSAでブロッキングし、3%BSA中に希釈された、1/50マウス抗ビメンチン(Sigma Aldrich、USA)および1/100ウサギ抗E−カドヘリン(Abcam、Cambridge、UK)を含む一次抗体と、室温で2時間、インキュベートした。細胞を、二次抗体、ビメンチンに対する1/1000 TRICT抗マウス(Invitrogen、Barcelona、spain)、およびE−カドヘリンに対する1/1000 Alexa Fluor 488抗ウサギ(Invitrogen、Barcelona、Spain)と、暗所中、室温で1時間、インキュベートした。条件あたり10〜15個のマウス胚盤胞を、各実験において評価した。(ピクセルで表される)成長面積を、3つの独立した実験から取られた3連セットの測定値の平均値±SEMとして表した。
浸潤アッセイ
トロホブラスト由来細胞株JEG−3を使用して、トロホブラストの脱落膜hESCを通って浸潤する能力を評価した(参考文献 Hannan 2010年)。浸潤アッセイを、コラーゲンTranswell浸潤キット(Chemicon Int. Billerica、MA)を使用して実施した。対照、対照siRNA、またはANXA2 siRNAとしての5×10個の脱落膜化hESCを、8mmポアサイズのtranswellインサートに入れて、24時間、コンフルエンスまで増殖させた。インサートの上面において、10個のJEG−3細胞をhESC培地中に再懸濁し、JEG−3細胞を48時間、浸潤させた。浸潤を、標準マイクロプレートリーダーを使用してODにより測定した(図4C)。
線維素溶解研究
プラスミノーゲンレベルを、馴化培地において、ELISAキット(Cell Biolabs、CA、USA)により、製造業者の使用説明書に従って評価した。2連のウェルにおける平均吸光度(Δ450nm)を、hESCを含まない培地を有するウェル由来のバックグラウンドを引き算することにより計算した。
プラスミン活性を、馴化培地において、蛍光定量アッセイキット(Anaspec、CA、USA)により測定した。それは、496nm/520nm(励起/発光)で検出される明るい緑色蛍光を有するローダミン110フルオロフォアを生成する、プラスミン基質のプロテアーゼ切断に基づいている。50マイクロリットルの馴化培地を、室温で10分間、プレインキュベートし、50μLのプラスミン基質溶液を各ウェルに加えた。蛍光シグナルを、動態読み取りのために得た。測定はすぐに開始し、60分間にわたり5分ごとにデータを記録し、読み取り(lecture)は合計13個であった。各条件を2連で評価した。蛍光を、Rh110蛍光参照標準を使用して濃度値に内挿した(interpol)。
MMP2およびMMP9のレベル
MMP2およびMMP9のプロタンパク質型および活性タンパク質型を、市販のELISA分析(RayBiotech、GA、USA)により評価した。これらのアッセイは、96ウェルプレート上にコーティングされたヒトMMP−2およびMMP−9に特異的な抗体を利用している。標準および試料を、ピペットによりウェルへ2連にし、試料中に存在するMMP−2およびMMP−9を、固定化抗体によりウェルに結合させる。ビオチン化抗ヒトMMP−2およびMMP−9ならびにHRP結合体化ストレプトアビジンを加えた。TMB基質溶液を加え、450nmでの吸光度を、標準曲線に外挿した。
定量的PCR
全RNAを、Trizol LS試薬(Invitrogen、Barcelona、Spain)を使用して、製造業者の使用説明書に従い、hESC培養物から抽出した。最初に、1μgの全RNAを、Advantage RT−for−PCRキット(Clontech CA、USA)を使用して、製造業者の使用説明書に従い、cDNAへ逆転写した。定量的リアルタイムPCRを、Light Cycler 480システム(Roche)においてSYBR Green(Roche)を使用して実施した。転写産物を、内部対照としてGAPDHを使用して、対応する標準曲線から定量化した。各実験を、3連で試料ごとに3回、実施した。以下のプライマーを使用した:ANXA2(Fw:TGTGCAAGCTCAGCTTGGA、配列番号2、Rv:AGGTGTCTTCAATAGGCCCAA、配列番号3)およびGAPDH(Fw:GAAGGTGAAGGTCGGAGTC、配列番号4、Rv:GAAGATGGTGATGGGATTTC、配列番号5)。
ヘパリン用量反応
hESCを、用量反応実験を策定するために、50μg/mLおよび100μg/mLのヘパリン(Sigma、Madrid)の存在下、15分間、30分間、および60分間、単層上で培養した。hESC細胞からの馴化培地を収集して、プラスミノーゲンレベル、プラスミン活性、およびメタロプロテアーゼ産生を分析した。
統計解析
各実験あたり、少なくとも3つの異なる子宮内膜生検材料を使用し、3連で測定値を取った。平均値±SEMが提示され、nは実験の数を示す。データは、SPSSソフトウェアを用い、t検定を使用して、分析された群間の大域的差について分析した。P≦0.05のp値は、有意とみなされた。(p≦0.05、**p≦0.01、***p≦0.001)。
結果
以前の妊娠においてsPEを患った患者におけるin vitro脱落膜化抵抗性
正常な妊娠の過去をもつ対照患者(非PE)(n=13)と比較した、以前の妊娠において重篤なPE(sPE)を患ったことがある女性(n=13)由来のhESCのin vitro脱落膜化を評価した。sPE群において、混合型HELLP症候群、子癇、または子癇に終わったHELLP症候群を発症した2つの連続した以前のsPEを含む異なる型を患った女性からhESCを単離した。sPEおよび非PEの患者は、同等のBMIおよび年齢をもつが、sPEの患者は、より高い収縮期/拡張期血圧、蛋白尿、GOT、GPT、ならびにより低い血小板数およびフィブリノーゲンレベルを有した。脱落膜刺激物質としてのcAMP(0.5μM)+MPA(1μM)で5日間か、またはホルモン誘導物質P4(1μM)+E2(30nM)で9日間のいずれかで脱落膜化したhESCは、類似した結果を示した。したがって、cAMP+MPAプロトコールをこの研究に使用した。興味深いことには、PRLおよびIGFBP−1分泌は、非PE対応物と比較して、sPEから得られたhESCにおいてin vitro脱落膜化が損なわれていたことを実証している(それぞれ、図1Aおよび1B)。hESCにおけるF−アクチン再編成を、in vitro脱落膜化中に調べ、非PEにおいて線維芽細胞表現型から膨大した円形細胞形態への移行を示したが、脱落膜表現型への移行は、sPE患者由来の脱落膜化hESCにおいて存在しなかった(図1C)。
sPEにおけるANXA2の下方制御され、かつ制御解除されたhESC発現
以前の妊娠においてsPEを患った女性 対 非PE患者に由来した全子宮内膜試料におけるANXA2タンパク質存在量を分析した(図2A)。濃度測定分析により、非PE患者(n=6)と比較して、sPE(n=6)由来の子宮内膜におけるANXA2存在量の有意な低下が示された(図2A)。子宮内膜ANXA2局在化を調べた。非PEに対してsPEにおける間質コンパートメントでのより低い染色が観察された(図2B)。次に、sPE患者 対 非PE患者に由来したhESCを単離し、脱落膜化させ、ANXA2タンパク質をウェスタンブロットによって評価した(図2C)。濃度測定分析により、sPE女性において、非PE患者と比較して、ANXA2が、基礎条件下で有意に低下し、脱落膜化したhESCにおいて制御解除されることが実証された(図2C)。この分子をさらに定量化するために、両方の条件において脱落膜化中の細胞内型および分泌型のANXA2を、ELISAを使用して分析した。この分析により、脱落膜化刺激物質の存在下でsPE女性由来のhESCが、対照と比較して、細胞内および細胞外の両方のANXA2において有意な低下および制御解除を受けることが裏付けられる(図2D)。さらに、分泌型は細胞内ANXA2を反映し、これにより、PE患者において脱落膜化抵抗性を予測するために使用することができるバイオマーカーとしてのANXA2の使用が確認される。
in vitro脱落膜化中のhESCにおけるANXA2の制御および機能性
以前の研究は、ANXA2が、胚着床の受容能獲得および初期段階の間、ヒト子宮内膜において月経周期を通して制御されることを示している。次に、in vitroでのhESC脱落膜化中のANXA2の制御を調べた。ウェスタンブロット(図3A)および濃度測定分析により評価された細胞内ANXA2は、どちらのプロトコールを使用しても、非脱落膜化hESCに対する脱落膜化hESCにおける細胞内ANXA2の上方制御が裏付けられる(図3A)。その細胞内動力学と並行して、分泌型ANXA2を、hESCの上清においてELISAにより測定した(図3B)。これらの結果は、細胞内および細胞外ANXA2が、in vitro脱落膜化中にhESCにおいて上方制御されることを実証している。
次に、hESCにおけるANXA2の機能性を、siRNAアプローチを使用してANXA2分子を阻害することにより、in vitro脱落膜化中に評価した。hESCトランスフェクションから24時間後、非脱落膜条件および脱落膜条件の両方で、対照群および対照siRNA群と比較して、siRNA群において、ANXA2 mRNA(図3C)およびタンパク質(図4D)の有意な低下が観察された。それの機能的関連性を確証するために、ANXA2阻害の影響を、PRLおよびIGFBP−1などの脱落膜バイオマーカーの分泌、加えて、脱落膜刺激の開始後72時間目における形態学的表現型変化において評価した。対照と違って、siRNA脱落膜化hESCにおいてPRLおよびIGFBP−1は存在しなかった(図3Eおよび3F)。また、ローダミン−ファロイジン染色により、ANXA2干渉は、脱落膜化過程中のF−アクチン構造の特徴的な表現型改変を抑止し、F−アクチンフィラメントの長手方向の配向を変化しないままにした(図3G)。ANXA2阻害後の脱落膜化中のアクチン細胞骨格の再編成もまた、細胞骨格へ組み入れられたF−アクチンと比較した、サイトゾルに見出される遊離単量体G−アクチンの比を使用して、調べた(図3H)。平均G/F−アクチン比は、脱落膜表現型および非脱落膜表現型のどちらも、対照および対照siRNAのhESC細胞においておよそ1:1であったが、ANXA2阻害hESC細胞は、F−アクチンと比較して単量体G−アクチンの含有量の有意な増加を示した(ANXA2 siRNA処理された非脱落膜細胞において3:1の比、およびANXA2 siRNA処理された脱落膜細胞において4:1の比)(図3H)。これらのデータは、ANXA2阻害が、アクチンフィラメント脱重合およびG−アクチン単量体の割合の有意な増加を通して脱落膜化抵抗性を誘導することを実証し、脱落膜化過程中のF−アクチンファイバーの再編成におけるANXA2の機能的役割を示している。
ANXA2阻害は、hESC運動性、トロホブラスト拡散および浸潤を低下させる
ANXA2阻害により誘導される脱落膜化抵抗性のトロホブラスト拡散および浸潤へのパラクリン作用をさらに理解するために、ANXA2のhESC運動性への関与を分析するために、創傷閉鎖アッセイを実施した。hESCの脱落膜化に続いて、ANXA2 siRNAを、6時間、トランスフェクションし、その後、細胞の単層を引っ掻きによって破壊し、遊走に関してのANXA2阻害の効果を、ビデオ顕微鏡観察により24時間中、追跡した(図4A)。ANXA2 siRNA阻害細胞における創傷閉鎖のパーセンテージは、対照細胞および対照siRNA細胞と比較して、有意に低下した(図4A)。
マウス胚をコンフルエントな脱落膜化hESC単層上に置き、続いてANXA2 siRNAによる阻害を行う異種性in vitro共培養モデルを使用する、ANXA2阻害のトロホブラスト拡散への効果を、次に研究した。E−カドヘリンおよびビメンチンの免疫染色により、それぞれ、マウストロホブラストおよびhESCが同定される。トロホブラスト拡散の総面積を、ピクセルの数として評価し、対照および対照siRNAのhESC細胞と比較して、ANXA2 siRNA細胞における有意な減少が観察された(図4B)。
JEG−3ヒトトロホブラスト細胞株のANXA2阻害hESC細胞への浸潤性もまた、コラーゲン浸潤チャンバーアッセイを使用して分析した。脱落膜化hESCを、ANXA2 siRNAにより阻害し、コラーゲン層上のインサート内で培養した。その後、JEG−3細胞懸濁物をインサートの上面に置いた。処理されたhESCの単層およびコラーゲンバリアを通って浸潤する能力を調べた。ANXA2阻害細胞における浸潤したJEG−3細胞のパーセンテージは、対照hESCと比較して有意に低下した(図4C)。
ANXA2の阻害による線維素溶解活性の欠乏もまた、sPE由来のhESCに存在する
線維素溶解系は、フィブリン沈着を通してPEの病因および子宮内膜機能不全の素因に結びつけられている。PE女性由来のhESCと比較した、hESC ANXA2阻害の線維素溶解活性への機能的効果を調べた。この目的のために、脱落膜化対照、ANXA2 siRNA、およびPE由来のhESCからの、馴化培地におけるプラスミノーゲンレベルおよびプラスミン活性を分析した。プラスミノーゲンレベルおよびプラスミン活性は、対照siRNA hESCおよび対照脱落膜化hESCと比較して、ANXA2 siRNAおよびsPE由来のhESCにおいて有意に低下した(プラスミノーゲンレベル:それぞれ、229.1±23.1および191.5±36.7pg/mL 対 305.1±23.2および397.1±45.1pg/mL;プラスミン活性:それぞれ、12.7±3.6mMおよび4.2±0.75mM 対 27.5±10.2mMおよび23.1±4.1mM)(図5Aおよび5B)。したがって、線維素溶解系は、脱落膜化hESCにおいてANXA2が阻害されている場合に欠乏し、sPE患者由来のhESCにおいてより高い程度で欠乏している。
興味深いことに、プラスミノーゲン/プラスミン系は、フィブリンおよびコラーゲンなどのECM成分を分解するMMP2およびMMP9タンパク質の産生によりトロホブラスト浸潤を制御する。MMP2およびMMP9タンパク質分泌を、ANXA2阻害およびsPEの脱落膜化hESCの馴化培地においてELISAにより分析した。MMP2およびMMP9分泌のレベルは、ANXA2が阻害された場合、およびsPE患者において、有意に低下した(図5Cおよび5D)。
ヘパリン処理は、ANXA2低下hESCにおいて欠損線維素溶解系の活性化を支持する
ヘパリンは、組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)を通して線維素溶解経路に作用し、ヘパリンのANXA2との結合の直接的効果としても記載されている。ヘパリンの線維素溶解への効果を、対照siRNA、ANXA2 siRNA阻害、非PE、およびPEの脱落膜化hESCにおいてプラスミノーゲン存在量およびプラスミン活性を測定する用量反応および時間依存性実験で分析した。100μg/mLでのヘパリンは、ANXA2阻害およびsPEの脱落膜化hESCを含む、調べられた全ての条件において馴化培地へのプラスミノーゲンおよびプラスミンの分泌を有意に増加させた(図5E)。また、ヘパリンのプラスミンへの効果もまた評価し、同じ用量において、ANXA2 siRNAおよびsPE由来のhESCにおけるプラスミン活性の有意な増加を生じた(図5F)。対照、ANXA2 siRNA、およびsPE患者由来のhESCの馴化培地における分泌された細胞外ANXA2レベルをELISAによって測定した。結果により、ヘパリン処理が、培養培地へ分泌されたANXA2タンパク質の有意な増加を誘導することが裏付けられた(図5G)。
最後に、全ての条件における、ヘパリンのMMP2およびMMP9メタロプロテアーゼ産生への機能的効果をin vitroで試験した(図5H)。ヘパリンでの処理は、トロホブラストの子宮内膜間質細胞を通っての浸潤を促進する重要な要素である、メタロプロテアーゼの有意な増加を誘導した。したがって、siRNAにより誘導されたか、またはsPEを有する患者に自然発生したANXA2欠乏脱落膜化hESCへのヘパリンの直接的および/または間接的効果は、少なくとも一部、関連した線維素溶解性欠陥を矯正する。
これらのデータに基づいて、少なくとも部分的にANXA2欠乏によって媒介される、sPEに存在するhESC脱落膜化抵抗性を、PEの母体における原因としての浅いトロホブラストの浸潤および線維素溶解の変化と共に組み込んだモデルが提案される(図7)。sPEにおける、またはsiRNAを通して誘導されたANXA2欠乏hESCが、それらの典型的な形態学的変換を妨害する、アクチンフィラメントの脱重合およびG−アクチン単量体の割合の有意な増加により適切に脱落膜化しないことが見出された。下流における主な帰結は、前酵素プラスミノーゲンへの直接的効果を含み、そのことが、プラスミン生成の低下をもたらし、それが、線維素溶解系の欠乏による血栓形成促進性パラクリン効果を生じることを含んだ。同様に、ANXA2活性化の欠損は、フィブリンおよびコラーゲンなどのECM成分を分解するMMP2およびMMP9の阻害を通して浅いトロホブラスト浸潤をもたらす。ANXA2を通して作用するヘパリンの添加は、示した下流における効果を克服することができる。
考察
PEの考え得る原因として欠損CTB分化は熱心に研究されているが、本研究は、この産科合併症の起源に関与する子宮内膜の母体のパラクリン因子に着目した。疫学研究によって、母系家族における過去のPEが、近親者の女性においてPEを患うリスクの24%〜163%増加と関連することが明らかになっている。しかしながら、父系家族におけるPEエピソードは、所定の患者におけるPEリスクに影響しない。したがって、PEについての遺伝子感受性は、母系と明らかに関連している。
子宮壁におけるCTBの浸潤を制御する脱落膜からの脱落膜化変換を通してhESCを標的にした。非PE対応物と比較した、sPEから得られるhESCにおける脱落膜化抵抗性の同定は本研究を促進した。
アネキシンA2(ANXA2)は、ヒト子宮内膜の分泌期中期および後期中に有意に上方制御されるカルシウム制御性リン脂質結合タンパク質である。このタンパク質は、F−アクチンネットワークの調節によって、子宮内膜上皮が受容能表現型を獲得するうえで重要である。ANXA2は、hESC上に存在し、かつ機能する線維素溶解促進性受容体である。それは、プラスミノーゲンおよびそれのアクチベーターtPAの細胞表面共受容体として働き、細胞表面プラスミン生成が有意に増強される。PEにおいて線維素溶解経路が変化しているので、機構分析をANXA2に注力した。なぜなら、この分子の高い力価が、抗リン脂質症候群(APS)(PEの発症の素因となることが公知である状態)における血栓性事象と関連づけられているからである。さらに、PEを有する胎盤におけるANXA2自己抗体が、胎盤トロンビン形成の考え得る原因として示唆されている。
最初に、子宮内膜間質コンパートメント内のANXA2は、非PEに対して、以前の妊娠でsPEを患った患者において低下した。次に、この分析から、脱落膜化刺激物質の存在下でのsPE女性由来のhESCは、対照と比較して、細胞内ANXA2および細胞外ANXA2の両方において有意な低下および制御解除を受けることが裏付けられる。もう1つの驚くべき所見は、細胞内および細胞外ANXA2が、hESCにおいてin vitro脱落膜化中、上方制御され、それの機能阻害が、アクチンフィラメントの脱重合およびG−アクチン単量体割合の増加を通して脱落膜化抵抗性を誘導することであった。ANXA2阻害により誘導される脱落膜化抵抗性のオートクリンおよびパラクリン作用のさらなる研究により、hESC運動性の直接的効果、ならびに、この病理学的状態の顕著な特徴である、トロホブラスト拡散および浸潤の低下が明らかにされた。
線維素溶解は、フィブリン血栓をリモデリングおよび分解する組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)およびウロキナーゼ型プラスミノーゲンアクチベーター(uPA)の作用を通して、プラスミノーゲンがプラスミンへと変換される、非常に組織化された過程である。PE由来の胎盤における共通の病理組織学的所見は、フィブリン沈着と共に様々な程度の血栓症の出現である。線維素溶解機能の欠陥は、血栓症の増加の公知のリスク因子である。線維素溶解の変化がPEに存在しており、その疾患の発症における、原因かまたは結果のいずれかとしての線維素溶解異常を示唆している。ANXA2は、前酵素プラスミノーゲン、および同じ程度で、外因性線維素溶解経路へ直接的効果を生じ、したがって、線維素溶解系は、ANXA2が阻害された場合の脱落膜化hESCにおいて欠乏し、脱落膜化抵抗性をもつsPE患者由来のhESCにおいてより高い程度で欠乏した。プラスミノーゲン/プラスミン系の変化は、フィブリンおよびコラーゲンなどのECM成分を分解するMMP2およびMMP9の阻害を通して、トロホブラスト浸潤を妨げた。100μg/mLの用量でのヘパリンがin vitroで、調べられた全ての条件において、分泌型ANXA2タンパク質、プラスミノーゲン、プラスミン、MMP2、およびMMP9の産生を増加させることも実証された。したがって、この研究は、PEにおけるヘパリン処置の報告された有益な効果を理解するための基礎を固めるものである。
本明細書に示され、記載されたものに加えて、本発明の様々な改変が、前述の説明から当業者にとって明らかになるであろうが、それらは、添付の特許請求の範囲の範囲内にある。本発明の利点および目的は、必ずしも、本発明の各実施形態によって包含されるとは限らない。

Claims (27)

  1. 子癇前症を処置するための方法であって、
    被験体から得られた試験試料においてアネキシンA2(ANXA2)のレベルを測定することにより、前記被験体が子癇前症を発症するリスクが高いかどうかを決定するステップ、
    前記試験試料における前記ANXA2のレベルをANXA2の対照レベルと比較して、前記被験体が子癇前症を発症するリスクが高いかどうかを決定するステップ、および
    子癇前症を発症するリスクが高いと決定された前記被験体に、有効量のグリコサミノグリカンを投与するステップ
    を含む、方法。
  2. 前記被験体が子癇前症の病歴をもたない、請求項1に記載の方法。
  3. 前記試料が、子宮内膜組織、子宮内膜間質細胞、および子宮内膜液の試料からなる群より選択される、請求項1〜2のいずれか一項に記載の方法。
  4. 前記ANXA2の対照レベルが、妊娠に成功したことがあり、かつ子癇前症の病歴をもたない被験体から導かれる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記グリコサミノグリカンが、低分子量ヘパリン、ヘパラン硫酸、化学修飾されたヘパリンまたはヘパラン硫酸、低分子量デルマタン硫酸、およびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記ANXA2のレベルが、ELISA、ウェスタンブロット、および免疫組織化学染色からなる群より選択される免疫アッセイを使用して決定される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記被験体が妊娠していることがわかっている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記被験体が妊娠しようと試みている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  9. 子癇前症を診断するか、または子癇前症の診断を補助するための方法であって、
    被験体から得られた試験試料においてアネキシンA2(ANXA2)のレベルを測定するステップ、および
    前記試験試料における前記ANXA2のレベルをANXA2の対照レベルと比較して、前記被験体が子癇前症を発症するリスクが高いかどうかを決定するステップ
    を含む、方法。
  10. 前記被験体が子癇前症の病歴をもたない、請求項9に記載の方法。
  11. 前記試料が、子宮内膜組織、子宮内膜間質細胞、および子宮内膜液の試料からなる群より選択される、請求項9〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 対照試料が、妊娠に成功したことがあり、かつ子癇前症の病歴をもたない被験体から得られる、請求項9〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記ANXA2のレベルが、ELISA、ウェスタンブロット、および免疫組織化学染色からなる群より選択される免疫アッセイを使用して決定される、請求項9〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記被験体が妊娠していることがわかっている、請求項9〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記被験体が妊娠しようと試みている、請求項9〜13のいずれか一項に記載の方法。
  16. 子癇前症を処置するための方法であって、
    現在、子癇前症を有していない被験体の子宮内膜液試料を得るステップであって、前記被験体が妊娠しているか、または前記被験体が妊娠する計画を有する、ステップ、
    前記子宮内膜液試料においてANXA2のレベルを決定するアッセイを実施するステップ、
    前記子宮内膜液試料中の前記ANXA2のレベルをANXA2の対照レベルと比較して、前記被験体が子癇前症を発症するリスクが高いかどうかを決定するステップ、および
    前記被験体が子癇前症を発症するリスクが高いと決定された場合には、有効量のグリコサミノグリカンを前記被験体に投与するステップ
    を含む、方法。
  17. 前記被験体が子癇前症の病歴をもたない、請求項16に記載の方法。
  18. 前記ANXA2の対照レベルが、妊娠に成功したことがあり、かつ子癇前症の病歴をもたない被験体から導かれる、請求項16〜17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記グリコサミノグリカンが、低分子量ヘパリン、ヘパラン硫酸、化学修飾されたヘパリンまたはヘパラン硫酸、低分子量デルマタン硫酸、およびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項16〜18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記ANXA2のレベルが、ELISA、ウェスタンブロット、および免疫組織化学染色からなる群より選択される免疫アッセイを使用して決定される、請求項16〜19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 子癇前症を処置するための方法であって、
    ANXA2の対照レベルと比較して低レベルのANXA2を有し、妊娠する計画を有し、かつ子癇前症の病歴をもたない被験体を同定するステップ、および
    グリコサミノグリカンを、前記被験体において前記ANXA2のレベルを上昇させるのに十分な量で前記被験体に投与するステップ
    を含む、方法。
  22. 前記ANXA2の対照レベルが、妊娠に成功したことがあり、かつ子癇前症の病歴をもたない被験体から導かれる、請求項21に記載の方法。
  23. 前記グリコサミノグリカンが、低分子量ヘパリン、ヘパラン硫酸、化学修飾されたヘパリンまたはヘパラン硫酸、低分子量デルマタン硫酸、およびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項21〜22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 前記ANXA2のレベルが、ELISA、ウェスタンブロット、および免疫組織化学染色からなる群より選択される免疫アッセイを使用して決定される、請求項21〜23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 子癇前症についてのグリコサミノグリカン治療の効力を評価するための方法であって、
    子癇前症を有するか、または子癇前症を発症するリスクが高い被験体を有効量のグリコサミノグリカンで処置するステップ、
    グリコサミノグリカンでの前記処置前および前記処置後、前記被験体から得られた試験試料においてアネキシンA2(ANXA2)のレベルを測定するステップであって、処置前の前記レベルに対する処置後の前記ANXA2のレベルの増加が、前記グリコサミノグリカン治療が有効であることを示す、ステップ
    を含む、方法。
  26. 前記グリコサミノグリカンが、低分子量ヘパリン、ヘパラン硫酸、化学修飾されたヘパリンまたはヘパラン硫酸、低分子量デルマタン硫酸、およびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項25に記載の方法。
  27. 前記ANXA2のレベルが、ELISA、ウェスタンブロット、および免疫組織化学染色からなる群より選択される免疫アッセイを使用して決定される、請求項25〜26のいずれか一項に記載の方法。
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