JP2017511386A - 過眠症を治療するための方法 - Google Patents

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Abstract

対象において過眠症を治療するための方法、製剤、および投与計画が、本明細書中に提供されている。例えば、本明細書中に提供されている方法は、GABAA塩素イオンチャネル遮断薬を投与することを含む。ある実施形態において、GABAA塩素イオンチャネル遮断薬は、ペンチレンテトラゾール(PTZ)である。

Description

発明の詳細な説明
この出願は、2014年4月15日に提出された米国仮出願第61/979,918号に対する優先権を主張し、上記文献は、その全体が本明細書中に組み込まれる。
〔分野〕
ペンチレンテトラゾール(PTZ)の投与により、対象において過眠症を治療するための方法、ならびに、過眠症を治療するために有益な、製剤および投与計画が、本明細書中に提供されている。
〔背景〕
過眠症は、人口の約5%を襲い、例えば自動車を操作する能力、社会活動を行う能力、または仕事を維持する能力を阻害することによって、罹患した個人を苦しめ得る。過眠症は、日中の過剰な眠気(EDS)によって特徴づけられる障害である。大雑把な分類では、原発性過眠症および続発性過眠症がある。原発性過眠症は、睡眠および覚醒を調節する個人の脳の機能に伴う問題に起因する、と確信されている。原発性過眠症は、他の基礎疾患または他の基礎的な健康状態に関係なく生じる、と考えられている。続発性過眠症は、夜間の睡眠に伴う問題、十分な睡眠を得ることができないこと、または、眠気という結果を招く他の医学上の問題、によって引き起こされると確信されている。夜間の睡眠に伴う問題、十分な睡眠を得ることができないこと、または、眠気という結果を招く他の医学上の問題は、例えば、感染症、うつ病、腎不全、慢性疲労症候群、ならびに、パーキンソン病および筋強直性ジストロフィーのような神経変性病を、含む。過眠症のより具体的な分類は、例えば、睡眠障害国際分類第2版(ICSD−2)(American Academy of Sleep Medicine, Westchester IL 2005)および精神障害の診断と統計マニュアル第5版(DSM−V)(American Psychiatric Association, Washington DC 2013)を含む。過眠症の臨床的特徴を記載している他の出版物は、例えば、Ali et al., 2009, J. Clin. Sleep Med. 5, 562-568、Harris et al., 2012, Neurol. Clin. 30, 1027-1044、である。
原発性過眠症の基礎をなしている病理生理学について、十分には知られていない。研究者らは、数ある中で、アドレナリン作用性ニューロンに対する傷害、または、減少したヒスタミン水準が、原発性過眠症と関連づけられる場合がある、ということを示唆している。例えば、Montplaisir et al., 1982, Neurology 32(11), 1299-302、Kanbayashi et al., 2009, Sleep 32(2), 181-7、Harris et al., 2012, Neurol Clin 30, 1027-104、を参照せよ。他の者は、原発性過眠症を、過眠症の患者における、A型のγアミノ酪酸(GABA)受容体の活性の内因性の増大に結びつけている。例えば、Rye et al., 2012, Sci. Tansl. Med. 4, 161ra151(pages 1-10)、Trotti, et al., 2013, J. Psychopharmacol. 0269881113515062 [オンラインの文献]、Kelty et al., 2014, J. Psychopharmacol., 0269881114523865 [オンラインの文献]、を参照せよ。
原発性過眠症に対する治療は、カフェイン、アンフェタミン、モダフィニル、および、アルモダフィニルのような、刺激剤および覚醒促進剤を含む。例えば、Ali et al., 2009, J. Clin. Sleep Med. 5, 562-568、Harris et al., 2012, Neurol Clin 30, 1027-104、を参照せよ。GABA関連性過眠症に対する潜在的治療は、Parker et al.,米国特許出願第US 2011/0028418 A1号(公開日2011年2月3日)、Trotti, et al., 2013, J. Psychopharmacol. 0269881113515062 [オンラインの文献]、Kelty et al., 2014, J. Psychopharmacol., 0269881114523865 [オンラインの文献]、のような出版物において、記載されている。
過眠症に対する治療は、例えば、経口投与されることが可能であり、望ましくない副作用を欠いているか、または、摂取したときに癖にならないことが、望まれている。
〔簡単な概要〕
対象において過眠症を治療するための方法が本明細書中に提供されており、上記方法は、過眠症を有する上記対象に、ペンチレンテトラゾール(PTZ)を投与することを含み、ここでは、上記投与は上記過眠症を治療するために有効である。
幾つかの実施形態において、上記PTZは、少なくとも毎日一度、少なくとも五日間連続で投与される。
幾つかの実施形態において、上記PTZアンタゴニストは、一日一度、一日二度、一日三度、または一日四度投与される。
幾つかの実施形態において、上記PTZは、約1mgから1,500mgの投与量で投与される。
幾つかの実施形態において、上記PTZは、約5mgから1,000mgの投与量で投与される。
幾つかの実施形態において、上記PTZは、約10mgから800mgの投与量で投与される。
幾つかの実施形態において、上記PTZは、約25mgから600mgの投与量で投与される。
幾つかの実施形態において、上記PTZは、約25から25,000ng/mlの平均Cmaxを達成するために十分な投与量で投与される。
幾つかの実施形態において、上記PTZは、約50から20,000ng/mlの平均Cmaxを達成するために十分な投与量で投与される。
幾つかの実施形態において、上記PTZは、約100から15,000ng/mlの平均Cmaxを達成するために十分な投与量で投与される。
幾つかの実施形態において、上記PTZは、約500から10,000ng/mlの平均Cmaxを達成するために十分な投与量で投与される。
幾つかの実施形態において、上記PTZは、約1,000から8,000ng/mlの平均Cmaxを達成するために十分な投与量で投与される。
幾つかの実施形態において、上記PTZは、約3,000から6,000ng/mlの平均Cmaxを達成するために十分な投与量で投与される。
幾つかの実施形態において、上記PTZは、約300から3,000ng/mlの平均Cmaxを達成するために十分な投与量で投与される。
幾つかの実施形態において、上記PTZは、約500から3,000ng/mlの平均Cmaxを達成するために十分な投与量で投与される。
幾つかの実施形態において、上記PTZは、約1,000から3,000ng/mlの平均Cmaxを達成するために十分な投与量で投与される。
幾つかの実施形態において、上記PTZは、約2,000から3,000ng/mlの平均Cmaxを達成するために十分な投与量で投与される。
幾つかの実施形態において、上記PTZは、上記対象の夜間の睡眠に先立って、または、上記対象の夜間の睡眠の間に投与される。幾つかの実施形態において、上記PTZは、上記対象の朝の目覚めの期間に先立って、または、上記対象の朝の目覚めの期間に投与される。
幾つかの実施形態において、上記Cmaxは、脳において達成される。
幾つかの実施形態において、上記PTZは、経口製剤で投与される。
幾つかの実施形態において、上記PTZは、遅延放出製剤で投与される。ある実施形態において、上記遅延放出製剤は、投与の時間から、30分後から12時間後まで、脳におけるPTZの最高濃度を延期する。幾つかの実施形態において、上記遅延放出製剤は、上記対象の夜間の睡眠の間に、または、上記対象の朝の目覚めの期間に、PTZを放出する。
幾つかの実施形態において、上記PTZは、持続放出製剤で投与される。ある実施形態において、上記持続放出製剤は、投与後、30分間から12時間、上記PTZの治療的有効投与量を維持する。
幾つかの実施形態において、上記PTZは、約500nghr/mLから150,000nghr/mLのAUCを達成するために調剤される。
幾つかの実施形態において、上記PTZは、約1,000nghr/mLから100,000nghr/mLのAUCを達成するために調剤される。
幾つかの実施形態において、上記PTZは、約5,000nghr/mLから50,000nghr/mLのAUCを達成するために調剤される。
幾つかの実施形態において、上記PTZは、約10,000nghr/mLから20,000nghr/mLのAUCを達成するために調剤される。
幾つかの実施形態において、上記PTZは、約1,000nghr/mLから15,000nghr/mLのAUCを達成するために調剤される。
幾つかの実施形態において、上記PTZは、約2,500nghr/mLから12,500nghr/mLのAUCを達成するために調剤される。
幾つかの実施形態において、上記PTZは、約5,000nghr/mLから10,000nghr/mLのAUCを達成するために調剤される。
幾つかの実施形態において、上記PTZは、約7,500nghr/mLから12,000nghr/mLのAUCを達成するために調剤される。
幾つかの実施形態において、上記対象はヒトである。
幾つかの実施形態において、上記過眠症を有する上記対象の脳脊髄液(CSF)は、上記過眠症を有さない対象の上記CSFと相対的に、高水準の内在性ポジティブGABA受容体アロステリック調節物質を含む。
幾つかの実施形態において、上記過眠症候群(hypersomnia symdrome)は、上記対象における内在性ポジティブアロステリックGABA受容体調節物質によって仲介される。
幾つかの実施形態において、上記過剰睡眠は、原発性過眠症である。
幾つかの実施形態において、上記過眠症は、特発性過眠症、反復性過眠症、交代勤務睡眠障害、下肢静止不能症候群、夜間ジストニア、夜間運動障害、クライン−レヴィン症候群、パーキンソン病、過剰な眠気、閉塞性睡眠時無呼吸、REM行動障害、エンドゼピン関連性反復性昏迷(endozepine related recurrent stupor)、前頭葉性夜間ジストニア(frontal nocturnal dystonia)、夜間運動障害、ナルコレプシーおよびアンフェタミン抵抗性過眠症(amphetamine resistant hypersomnia)からなる群から選択される型である。
幾つかの実施形態において、上記過眠症は、特発性過眠症である。
幾つかの実施形態において、上記過眠症は、カタプレキシーを伴わないナルコレプシーである。
幾つかの実施形態において、上記過眠症は、(カタプレキシーを伴う)ナルコレプシー1型である。
幾つかの実施形態において、過眠症を有する上記対象は、スタンフォード眠気尺度(SSS)、エプワース眠気尺度(ESS)、睡眠潜時反復(MSL)検査、覚醒維持検査(MWT)、客観的精神運動警戒タスク(objective psychomotor vigilance tasks)(PVT)、睡眠機能転帰質問票(Functional Outcomes of Sleep Questionnaire)(FOSQ)、多角的疲労評価尺度(Multidimensional Fatigue Inventory)(MFI)、重症度の臨床的全般印象度(Clinical Global Impression of Severity)(CGI−S)、改善度の臨床的全般印象度(Clinical Global Impression of Change)(CGI−C)、ベックうつ病質問票(Beck Depression Inventory)(BDI−II)、自己報告性の頭が朦朧とすることのスコア(self-reported fogginess scores)、自己報告性憂鬱スコア(self-reported mood scores)、または自己報告性眠気スコア(self-reported sleepiness scores)、に基づいて評価される。
幾つかの実施形態において、過眠症を有する上記対象は、上記ESSについて少なくとも約2点、MWTにおける入眠潜時に対して少なくとも約2分間、上記FOSQについて少なくとも約8点、一つ以上のMFI尺度について少なくとも約4点、CGI−SもしくはCGI−Cについて少なくとも1点、上記BDI−IIについて少なくとも約4点、または、自己報告性の頭が朦朧とすることのスコアについて、少なくとも約1.0点、の差で改善する。
幾つかの実施形態において、PTZは、毎日二度、100mgの投与量で、少なくとも一週間の期間、投与される。
別の態様では、対象において、疲労(fatigue)、疲れ(tiredness)、または、頭が朦朧とすること(fogginess)を治療するための方法が、本明細書中に提供されている。上記方法は、疲労、疲れ、または頭が朦朧とすることを有する上記対象に、GABA塩素イオンチャネル遮断薬を投与することを含む。ここでは、上記投与は、上記疲労、疲れ、または頭が朦朧とすることを治療するために有効である。幾つかの実施形態において、疲労は、例えば、全身疲労、肉体的疲労、または精神的疲労を含み得る。
幾つかの実施形態において、上記方法は、多角的疲労評価尺度(MFI)を用いて、上記対象における疲労を評価することによって、疲労の治療におけるGABA塩素イオンチャネル遮断薬の有効性を、評価することを含む。
別の態様では、対象において、過眠症、疲労、疲れ、または頭が朦朧とすること治療するための方法が、本明細書中に提供されている。上記方法は、(i)過眠症、疲労、疲れ、または頭が朦朧とすることを有する対象を選択すること、(ii)過眠症、疲労、疲れ、または頭が朦朧とすることを有する上記対象にGABA塩素イオンチャネル遮断薬を投与すること(ここでは、上記投与は、上記過眠症、疲労、疲れ、または頭が朦朧とすることを治療するために有効である)、および、任意に、(iii)上記過眠症、疲労、疲れ、または頭が朦朧とすることを治療することにおける、GABA塩素イオンチャネル遮断薬の有効性を評価すること、を含む。
別の態様では、患者において、過眠症、疲労、疲れ、または頭が朦朧とすることの治療のための、GABA塩素イオンチャネル遮断薬の使用が、本明細書中に提供されている。幾つかの実施形態において、GABA塩素イオンチャネル遮断薬は、PTZである。
〔用語法〕
本明細書において用いられるとき、用語「薬学的に許容可能な」とは、薬学的組成物または薬学的製剤の、他の含有物と両立可能である成分、および、対象の組織との接触において使用に適している成分であり、必要以上の毒性、炎症、アレルギー反応、免疫原性または他の合併症を伴わず、相応の、利益/危険度の比率、と釣り合った成分、を表している。
本明細書において用いられるとき、略語「GABA」とは、γアミノ酪酸を表している。
本明細書において用いられるとき、略語「GABA」とは、A型のγアミノ酪酸受容体を表している。
本明細書において用いられるとき、「対象」とは、動物、好ましくは哺乳類を表しており、例えば、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ギニーピッグ、ヤギ、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、サル、霊長類、類人猿、またはヒト、を含む。本明細書において用いられるとき、用語「個人」は、対象がヒトであるとき、である。
本明細書において用いられるとき、用語「PTZ派生物」は、PTZの任意の構造的類似物を表している。PTZ派生物の例は、例えば、国際特許出願第PCT/US2012/036217号(WO2012/151343として公開された)において記載されている。幾つかの実施形態において、PTZ派生物は、PTZと比較すると、代謝の安定性を増大している。ある実施形態において、増大された代謝の安定性を有するPTZ派生物は、例えば(a)PTZの治療上の効果を達成するために必要とされる投与量の数を減少させることにより対象のコンプライアンスを向上させること、(b)PTZの治療上の効果を達成するために、および/もしくは、潜在的有害事象の発生を減らすために、必要とされる投与量を減少させること、(c)より有効な薬物、および/もしくは、過剰投与が計画的であるかないかにかかわらず、過剰投与に対してより安全な薬物、を創出すること、ならびに/または(d)通常PTZを代謝する酵素、における多形に起因する、患者間の変化性を弱めること、によって、PTZより多く治療上の利益を提供する。
本明細書において用いられるとき、用語「最高濃度」は、対象に投与された後に生じる、化合物(例えばGABA−A受容体アンタゴニスト)の最大の濃度を表している。種々の実施形態において、例えば、最高濃度は、対象の血液、血漿、脳、脳脊髄液、等においてであり得る。例えば、最高濃度は、Cmaxであり得る。
本明細書において用いられるとき、用語「曲線下面積(AUC)」は、GABA塩素イオンチャネル遮断薬の血漿の濃度の、時間に対するプロットにおける、曲線下の面積を表している。ある実施形態において、AUCは、GABA塩素イオンチャネル遮断薬の投与時に開始し、かつ、GABA塩素イオンチャネル遮断薬の血漿の濃度が無視し得るときに終了して、計算される。ある実施形態において、GABA塩素イオンチャネル遮断薬の血漿の濃度は、不連続の時間点において測定され、AUCは数学的に、例えば台形法則を用いて、見積もられる。
本明細書において用いられるとき、用語「投与計画」は、時間単位あたりに投与された化合物の指定の量、および投与の持続期間、を表している(例えば、7日間、3回/日)。
〔詳細な記載〕
一態様において、対象において過眠症を治療するための方法が本明細書中に提供されており、上記方法は、過眠症を有する上記対象に、GABA塩素イオンチャネル遮断薬を投与することを含み、ここでは、上記投与は上記過眠症を治療するために有効である。
幾つかの実施形態において、上記過眠症は、原発性過眠症である。幾つかの実施形態において、上記過眠症は、特発性過眠症(IHS)である。幾つかの実施形態において、上記過眠症は、ナルコレプシーである。幾つかの実施形態において、上記過眠症は、カタプレキシーを伴わないナルコレプシーである。
幾つかの実施形態において、上記過眠症は、(カタプレキシーを伴う)ナルコレプシー1型である。
幾つかの実施形態において、精神障害の診断と統計マニュアル第5版(DSM−V)(上記文献は、その全体が本明細書中に、本明細書によって組み込まれる)の361-422によれば、過眠症は不眠症である。幾つかの実施形態において、睡眠障害国際分類睡眠障害国際分類改訂版、診断とコードの手引き(著作権(copyright))2001 American Academy of Sleep Medicine, ISBN 0-9657220-1-5, pages 27-72(内因性睡眠障害)(上記文献は、その全体が本明細書中に、本明細書によって組み込まれる)によれば、過眠症は内因性睡眠障害である。
幾つかの実施形態において、過眠症は、GABA関連性である。
GABA関連性過眠症は、例えば、過眠症を有する対象において、過剰なGABA受容体の活性によって、特徴づけられることが可能である。上記過剰なGABA受容体の活性は、過眠症を有さない人々の濃度と相対的により多い、脳脊髄液(CSF)におけるGABA受容体調節物質の濃度、によって引き起こされる。
ある実施形態において、過眠症は、対象のCSFにおける内在性ポジティブアロステリックGABA受容体調節物質によって、仲介される。ある実施形態において、ポジティブアロステリックGABA受容体調節物質は、トリプシン感受性である。ある実施形態において、ポジティブアロステリックGABA受容体調節物質は、500〜3,000ダルトンのモル質量を有する。
ある実施形態において、過眠症は、続発性過眠症である。
幾つかの実施形態において、本明細書中に提供されている方法において、治療される過眠症は、反復性過眠症、交代勤務睡眠障害、下肢静止不能症候群、夜間ジストニア、夜間運動障害、クライン−レヴィン症候群、パーキンソン病、過剰な眠気、閉塞性睡眠時無呼吸、REM行動障害、エンドゼピン関連性反復性昏迷、前頭葉性夜間ジストニア、夜間運動障害、ナルコレプシーおよびアンフェタミン抵抗性過眠症である。
幾つかの実施形態において、GABA塩素イオンチャネル遮断薬は、ペンチレンテトラゾール(PTZ)、ビロバライド(BB)、ペニシリン、およびギンコライドBからなる群から選択される。
任意の理論によって限定されるものではないが、GABA塩素イオンチャネル遮断薬は、GABA塩素イオンチャネル遮断薬ではないGABA受容体アンタゴニストと比較して、過眠症の治療において優れていると考えられる。例えば、GABA塩素イオンチャネル遮断薬、PTZは、本明細書中の実施例において、アロステリックGABAアンタゴニスト、フルマゼニルと比較して、または、クラリスロマイシンのような他の推定GABAアンタゴニストと比較して、過眠症の治療において優れた効果を有することが実証されている。上記アロステリックGABAアンタゴニスト、フルマゼニルは、GABA受容体のベンゾジアゼピン結合部位に結合する。
ある実施形態において、GABA塩素イオンチャネル遮断薬は、PTZである。
ある実施形態において、GABA塩素イオンチャネル遮断薬は、PTZ、BB、ペニシリン、またはギンコライドBの薬理学的に許容可能な塩、である。
ある実施形態において、GABA塩素イオンチャネル遮断薬は、PTZ、BB、ペニシリン、またはギンコライドBの派生物、である。
ある実施形態において、GABA塩素イオンチャネル遮断薬は、PTZの派生物、例えば、重水素化PTZである。他の実施形態において、PTZ派生物は、フッ素化されたPTZである。ある実施形態において、GABA塩素イオンチャネル遮断薬は、国際特許出願第PCT/US2012/036217号(WO2012/151343として公開された)において記載されたPTZ派生物であり、上記文献は、その全体が参照によって本明細書中に、本明細書によって組み込まれる。
別の態様において、対象において過眠症を治療するための方法が本明細書中に提供されており、上記方法は、過眠症を有する上記対象に、GABAアンタゴニストを投与することを含み、ここでは、上記投与は上記過眠症を治療するために有効である。
幾つかの実施形態において、GABAアンタゴニストは、GABA塩素イオンチャネル遮断薬である。
幾つかの実施形態において、GABAアンタゴニストは、逆アゴニスト(inverse agonist)である。
GABA受容体の亜型は、区別可能な、発現の傾向、生理学的特性、および薬理学的特性を有する。例えば、α5亜型は、脳全体のGABA受容体の約5%から10%のみを構成する。けれども、海馬の中では、この亜型は約25%を構成する。従って、α5亜型に対してより高い親和性および/または有効性を有するGABA塩素イオンチャネル遮断薬は、脳のある種の領域またはある種のニューロンにおいて主に、および、他においてより少なく、その機能を発揮するだろうし、かつ、そのことは特異的な効果を生じる、ということが期待され得る。特異的な効果は、脳におけるGABA受容体の特定の亜型の局在から推論されてもよく、または、特異的な効果は、実験的に測定されてもよい。
幾つかの実施形態において、GABAアンタゴニストはGABA受容体の種々の亜型の各々に対して、類似の親和性および/または有効性を有し、従って、上記GABAアンタゴニストはGABA受容体の種々の亜型上で、量的に類似した、GABAの阻害効果の減少を生み出す(“非選択的GABAアンタゴニスト”)。他の実施形態において、GABAアンタゴニストはGABA受容体の種々の亜型に対して、異なる親和性および/または有効性を有し、従って、上記GABAアンタゴニストはGABA受容体の種々の亜型上で、量的に異なる、GABAの阻害効果の減少を生み出す(“選択的GABAアンタゴニスト”)。選択的GABA受容体の、GABA受容体の種々の亜型上における、このような量的に異なる、GABAの阻害効果の減少は、特異的な効果という結果を招く場合がある。上記特異的な効果は、覚醒状態における増加、および日中の眠気における減少を含むが、これらに限定されない。α1、α2、またはα3亜型に対してよりも、α5亜型に対してより大きな親和性および/または有効性を有する、GABAアンタゴニストの例は、Ro15−4513、L−655,708、RY−080(Skolnick et al. 1997 J. Pharmacol. Exp. Ther. 283:488-93)、PWZ−029(8−クロロ−3−メトキシメチル)−5−メチル−4H−イミダゾ[1,5−a][1,4]ベンゾジアゼピン−6−オン)、RO4938581(Ballard et al. 2009 Psychopharmacology 202:207-23)、α5IA(3−(5−メチルイソキサゾル−3−イル)−6−[(1−メチル−1H−1,2,3−トリアゾル−4−イル)メトキシ][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]フタラジン)、NGD97−1(CP−457,920;Bednar et al. 2004 Clin. Pharmacol. Ther. 75:P30)、MRK−536(Chambers et al. 2002 J. Med. Chem. 45:1176-79、Chambers et al. 2003 Med. Chem. 46:2227-40、Atack et al. 2011 Curr. Top. Med. Chem. 11(9):1203-14)、MRK−016(Chambers et al. 2004 J. Med. Chem. 47:5829-32)、RY−023、S−8510([2−(3−イソキサゾリル)−3,6,7,9−テトラヒドロイミダゾ][4,5−d]ピラノ[4,3−b]ピリジンモノフォスフェイトモノヒドレイト)、RY−80、AC−3933(5−(3−メトキシフェニル)−3−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾル−3−イル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−1,6−ナフチリジン)、ある種のベンゾチオフェン派生物(Chambers et al., 2003 J. Med. Chem. 46 (11):2227-40)、ある種のトリアゾロフタラジン派生物(Sternfeld et al. 2004 J. Med. Chem. 47(9):2176-9、Street et al. 2004 J. Med. Chem. 47(14):3642-57)、ある種のピラゾロトリアジン派生物(Chambers et al. 2004 J. Med. Chem. 47(24):5829-32)、およびRG1662、を含むが、これらに限定されない。
過眠症を治療するための方法の幾つかの実施形態において、過眠症を有する対象に投与されるGABAアンタゴニストは、GABA塩素イオンチャネル遮断薬である。
幾つかの実施形態において、対象はヒトである。
対象は、任意の年齢であってもよい。例えば、ヒト対象は、成人または子供(例えば、新生児、幼児、若年層の子供、若者)であってもよい。幾つかの実施形態において、対象は、十代半ばから十代後半、または二十代前半である。
幾つかの実施形態において、対象は幼児期以降から過眠症を有する。他の実施形態において、対象は、年齢の進行と共に、過眠症を患う。
幾つかの実施形態において、対象は特発性過眠症を有する。
幾つかの実施形態において、対象は、十分であるにもかかわらず広汎性の日中の眠気を示すか、またはより一般的には、異常な睡眠量(例えば、一晩あたり10時間より多い)を示す。幾つかの実施形態において、対象は、爽快でないか、または体力の回復が見られない睡眠を示す。幾つかの実施形態において、対象は、睡眠慣性を示す。幾つかの実施形態において、対象は、睡眠酩酊(フラフラ状態の感じ、および覚醒時に方向感覚を失うことを伴って、睡眠からの覚醒が困難なこと)を示す。幾つかの実施形態において、対象は、睡眠を“深い”と述べる個人であり、例えば複数の目覚まし時計を要求するなど、睡眠困難からの覚醒が困難であると感じる個人である。幾つかの実施形態において、対象の日中の昼寝は、時間の規模(例えば、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間より多い)であり、爽快でないとして体験される。幾つかの実施形態において、対象は、麻酔薬、睡眠薬、またはアルコールのような落ち着かせる医薬品に、過敏症を示す。
別の態様では、対象において、疲労、疲れ、または、頭が朦朧とすることを治療するための方法が、本明細書中に提供されている。上記方法は、疲労、疲れ、または頭が朦朧とすることを有する上記対象に、GABA塩素イオンチャネル遮断薬を投与することを含む。ここでは、上記投与は、上記疲労、疲れ、または頭が朦朧とすることを治療するために有効である。幾つかの実施形態において、疲労は、例えば、全身疲労、肉体的疲労、または精神的疲労を含み得る。幾つかの実施形態において、上記方法は、多角的疲労評価尺度(MFI)を用いて、上記対象における疲労を評価することによって、疲労の治療におけるGABA塩素イオンチャネル遮断薬の有効性を、評価することを含む。
別の態様では、対象において、過眠症、疲労、疲れ、または頭が朦朧とすること治療するための方法が、本明細書中に提供されている。上記方法は、(i)過眠症、疲労、疲れ、または頭が朦朧とすることを有する対象を選択すること、(ii)過眠症、疲労、疲れ、または頭が朦朧とすることを有する上記対象にGABA塩素イオンチャネル遮断薬を投与すること(ここでは、上記投与は、上記過眠症、疲労、疲れ、または頭が朦朧とすることを治療するために有効である)、および、任意に、(iii)上記過眠症、疲労、疲れ、または頭が朦朧とすることを治療することにおける、GABA塩素イオンチャネル遮断薬の有効性を評価すること、を含む。
幾つかの実施形態において、上記過眠症、疲労、疲れ、または頭が朦朧とすることを有する上記対象は、上記過眠症、疲労、疲れ、または頭が朦朧とすることを有さない対象のCSFと相対的に、高水準または高活性の内在性ポジティブGABA受容体アロステリック調節物質を含む。
幾つかの実施形態において、過眠症、疲労、疲れ、または頭が朦朧とすることを有する対象は、GABA塩素イオンチャネル遮断薬の投与より前に、GABA塩素イオンチャネル遮断薬以外のGABA受容体アンタゴニストに応答できなかったか、部分的にのみ応答したか、またはGABA塩素イオンチャネル遮断薬以外のGABA受容体アンタゴニストを許容できなかった。幾つかの実施形態において、過眠症、疲労、疲れ、または頭が朦朧とすることを有する対象は、PTZの投与より前に、PTZ以外のGABA受容体アンタゴニストに応答できなかったか、部分的にのみ応答したか、またはGABA塩素イオンチャネル遮断薬以外のGABA受容体アンタゴニストを許容できなかった。幾つかの実施形態において、過眠症、疲労、疲れ、または頭が朦朧とすることを有する対象は、PTZの投与より前に、フルマゼニルまたはクラリスロマインに応答できなかった。
幾つかの実施形態において、過眠症、疲労、疲れ、または頭が朦朧とすることを有する対象は、GABA塩素イオンチャネル遮断薬以外のGABA受容体アンタゴニストに対するよりも、GABA塩素イオンチャネル遮断薬に対して、よく応答する。幾つかの実施形態において、過眠症、疲労、疲れ、または頭が朦朧とすることを有する対象は、PTZ以外のGABA受容体アンタゴニストに対するよりも、PTZに対して、よく応答する。幾つかの実施形態において、過眠症、疲労、疲れ、または頭が朦朧とすることを有する対象は、フルマゼニルまたはクラリスロマインに対するよりも、PTZに対して、よく応答する。
さらに他の実施形態において、思考の明瞭さを改善するための方法が、本明細書中に提供されており、上記方法は、PTZを必要として、対象にPTZを投与することを含む。
幾つかの実施形態において、過眠症、疲労、疲れ、または頭が朦朧とすることを有する対象のESS総スコアは、過眠症、疲労、疲れ、または頭が朦朧とすることを有する対象への、フルマゼニルまたはクラリスロマインの投与後よりも、PTZの投与後に、少なくとも2点、少なくとも3点、少なくとも4点、または少なくとも5点低い。
幾つかの実施形態において、過眠症、疲労、疲れ、または頭が朦朧とすることを有する対象のFOSQ総スコアは、過眠症、疲労、疲れ、または頭が朦朧とすることを有する対象への、フルマゼニルまたはクラリスロマインの投与後よりも、PTZの投与後に、少なくとも2点、少なくとも3点、少なくとも4点、または少なくとも5点高い。
幾つかの実施形態において、過眠症、疲労、疲れ、または頭が朦朧とすることを有する対象のMFIスコア(例えば、全身疲労尺度、肉体的疲労尺度、活動性の低下尺度(Reduced Activity Scale)、意欲の低下尺度(Reduced Motivation Scale)、精神的疲労尺度)は、過眠症、疲労、疲れ、または頭が朦朧とすることを有する対象への、フルマゼニルまたはクラリスロマインの投与後よりも、PTZの投与後に、少なくとも2点、少なくとも3点、少なくとも4点、または少なくとも5点低い。
幾つかの実施形態において、過眠症、疲労、疲れ、または頭が朦朧とすることを有する対象のCGI−SまたはCGI−Cスコアは、過眠症、疲労、疲れ、または頭が朦朧とすることを有する対象への、フルマゼニルまたはクラリスロマインの投与後に比べて、PTZの投与後に、少なくとも1点、少なくとも2点、少なくとも3点、または少なくとも4点低い。
幾つかの実施形態において、上記過眠症を有する対象の脳脊髄液(CSF)は、上記過眠症を有さない対象のCSFと相対的に、高水準または高活性の内在性ポジティブGABA受容体アロステリック調節物質を含む。Rye et al., 2012, Sci. Tansl. Med. 4, 161ra151, page2において記載されている、細胞ベースのパッチクランプ検定法は、過眠症を有する対象、および、過眠症を有さない対象、からのCSF試料における、GABA受容体アロステリック調節物質の相対的な水準または活性を比較するために、用いられることが可能である。
ある実施形態において、対象は動物である。幾つかの実施形態において、対象は、過眠症に対する動物モデルである。
幾つかの実施形態において、GABA塩素イオンチャネル遮断薬の単回投与は、対象に、一度で投与される。他の実施形態において、GABA塩素イオンチャネル遮断薬の複数回投与は、対象に、一定期間にわたって(例えば、数時間、数日、数週間、数か月、さらに数年にわたって)与えられる。投与のある種の(例えば、経皮的な)経路について、投与は連続的である。
当然のことながら、的確な投薬量、投与の時機、および治療期間は、対象の年齢、体重、性別、および病状によって変化してもよく、同様に、過眠症の重症度、投与の経路、対象の代謝および排出機能の水準、採用される投薬形態、ならびに投与される特定のGABA塩素イオンチャネル遮断薬、によって変化してもよい。投薬量、投与の時機、および治療期間は、既知の検査プロトコルを用いて当業者により実験的に決定されてもよく、または、インビボもしくはインビトロ検査もしくは診断データからの推定によって経験的に決定されてもよい。
本明細書中に提供されているGABA塩素イオンチャネル遮断薬は、てんかん性活動を引き起こす場合がある。従って、投与量は、発作を誘発することがある投与量をはるかに下回るべきである。さらに当然のことながら、任意の特定の対象に対して、個人の要求、および、投与する人またはGABA塩素イオンチャネル遮断薬の投与を管理する人の、専門的判断に基づいて、長い間に、固有の投薬計画が調整されるべきである。
PTZは、ヒトにおいて発作を引き起こすと報告されている。例えば、Redlich, 1939, Am J. Psychiatry 96, 193-204を参照せよ。幾つかの実施形態において、PTZの投与量は、発作を誘発する投与量より少ない。発作を誘発する投与量に匹敵する投与量で投与されるとき、PTZは、医療の専門家の管理の下で投与されるべきである。理論によって縛られることを望むものではないが、PTZの発作を誘発する投与量は、過眠症を有さないヒトよりも、過眠症を有するヒトにおいて、高いと考えられる。過眠症を有するヒトにおける、より高い、PTZの発作を誘発する投与量は、高水準のポジティブアロステリックGABA調節物質に起因し、上記高水準のポジティブアロステリックGABA調節物質は、例えば、過眠症を有するヒトのCSFにおいて、検知できる。
ある実施形態において、GABA塩素イオンチャネル遮断薬(例えばPTZまたはPTZ派生物)の治療的有効量が、過眠症を有する対象に投与される。
本明細書中に提供されるとき、GABA塩素イオンチャネル遮断薬の投薬のための、投薬量および投与計画はまた、治療的有効性に関連して、毒性によって影響を及ぼされる。毒性及び治療的有効性は、標準的な薬学的手順に従って、細胞培養物および/または実験動物において、測定され、例えば、LD50(集団の50%に死をもたらす投与量、または代替的に、本明細書中に提供されている方法については、集団の50%において発作をあおるか、または発作を誘導する投与量)およびED50(集団の50%において治療的に有効である投与量)を測定することを含んでいる。毒性および治療効果の間の投与量の比率は、治療指標であり、上記比率は、比率LD50/ED50として表現され得る。大きな治療指数を示す化合物が、一般的に好まれる。
幾つかの実施形態において、GABA塩素イオンチャネルの投与は、睡眠覚醒状態サイクルに影響を与えている、対象の脳の領域(例えば、視庄、または網様体賦活系(RAS))においてのみ、GABA塩素イオンチャネルを阻害する。これは、化合物が、対象におけるそのような脳の部位に(例えば、視庄下部もしくはRASの、中もしくは近くに埋め込まれた装置を経由して、または、分子手がかり(molecular cues)を経由して)特異的に運ばれるためである。
幾つかの実施形態において、GABA塩素イオンチャネル遮断薬は、対象の概日周期の特定の点において投与される。そのような、概日周期感受性投与は、病気の進行、症状、危険度、または治療の有効性が最も高い間に、化合物または薬学的組成物を、対象の概日周期の一部分に対して目標づけることを目指す。概日周期感受性投与は、副作用を引き起こす投与量と相対的な、より大きい治療濃度域を提供するために、より低い投与量における有効性の可能性を与えることが可能である。幾つかの実施形態において、対象が眠るときに、対象の脳におけるGABA塩素イオンチャネル遮断薬の治療的水準またはGABA塩素イオンチャネル遮断薬の活性代謝産物の治療的水準が、概日周期の一部分の間に達成されるように、GABA塩素イオンチャネル遮断薬は投与される。幾つかのそのような実施形態において、GABA塩素イオンチャネル遮断薬は、朝方において投与される。他のそのような実施形態において、GABA塩素イオンチャネル遮断薬は、夕方において投与される。幾つかの実施形態において、GABA塩素イオンチャネル遮断薬化合物は、午前6時と午後12時との間に投与される。幾つかの実施形態において、GABA塩素イオンチャネル遮断薬は、午後6時と午前12時との間に投与される。幾つかの実施形態において、GABA塩素イオンチャネル遮断薬は、対象の睡眠周期の間に投与される。幾つかの実施形態において、GABA塩素イオンチャネル遮断薬は、ある一つの形態(例えば、遅延放出製剤もしくは持続放出製剤または他の適切な形態)において対象に投与され、上記形態は、対象が眠っている間に、対象において生じる最高濃度、という結果を招くだろう。
GABA塩素イオンチャネル遮断薬は、毎日単回投与で投与されるか、または、毎日の全体の投与量は、一日あたり二度、または三度以上、分割投与で投与されてもよい。幾つかの実施形態において、投与計画は、少なくとも約二日間、少なくとも約一週間、少なくとも約二週間、少なくとも約三週間、少なくとも約一か月、またはそれ以上の間、維持される。幾つかの実施形態において、断続的な投与計画が用いられる(すなわち、月に一度、隔週に一度、隔日に一度、一週間あたり一度、一週間あたり二度、など)。幾つかの実施形態において、GABA塩素イオンチャネル遮断薬は、少なくとも毎日一度、少なくとも五日間連続で投与される。
幾つかの実施形態において、GABA塩素イオンチャネル遮断薬は、初期の低い投与量よりも高い、一つ以上のその後の投与量に続いて、初期の低い投与量で投与される。幾つかの実施形態において、GABA塩素イオンチャネル遮断薬は、初期の高い投与量よりも低い、一つ以上のその後の維持投与量に続いて、初期の高い投与量で投与される。幾つかの実施形態において、GABA塩素イオンチャネル遮断薬は、一つ以上の周期において投与される。ある実施形態において、GABA塩素イオンチャネル遮断薬投与の周期は、約1日周期、2日周期、3日周期、4日周期、5日周期、6日周期、1週間周期、2週間、4週間周期、6週間周期、または3か月周期、である。一般的に、GABA塩素イオンチャネル遮断薬投与の周期は、約1週間周期である。幾つかの実施形態において、GABA塩素イオンチャネル遮断薬の投与の2以上の周期は、休薬期間によって分けられる。ある実施形態において、休薬期間は、約1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、1週間、2週間、または4週間続く。
幾つかの実施形態において、GABA塩素イオンチャネル遮断薬の有効投与量は、中枢神経系において、GABA受容体における塩素イオンの流入を、一時的に(例えば、少なくとも約1分間、少なくとも約5分間、少なくとも約30分間、少なくとも約1時間以上の期間、通常、約4時間以下、約3時間以下、または約2時間以下の期間)減らすだろう。しかしながら、有効投与量が、中枢神経系において、GABA受容体における塩素イオンの流入の、より長く続く減少(例えば、少なくとも約5時間、少なくとも約6時間、少なくとも約7時間、少なくとも約8時間、少なくとも約9時間、少なくとも約10時間、少なくとも約11時間、少なくとも約12時間、またはより長い間)、を提供する実施形態もまたあってもよい。そのような実施形態は、例えば、連続的なポンプを用いて、または、一日あたり一度以上(例えば、一日あたり二度、三度、四度以上)、有効量を投与することによって、より連続的な活性プロファイルを提供してもよい。
例えば、GABA塩素イオンチャネル遮断薬は、薬学的組成物として対象に投与されることが可能であり、上記薬学的組成物は、薬学的に許容可能な媒介物において、GABA塩素イオンチャネル遮断薬の有効量を含む。上記薬学的に許容可能な媒介物は、適切な、薬学的に許容可能な担体または希釈剤、との組み合わせによって、治療的投与のための製剤の多様性の中に、組み込まれ得る。また、上記薬学的に許容可能な媒介物は、例えば、錠剤、カプセル剤、粉剤、粒剤、軟膏、溶液、坐剤、注射、吸入薬、ゲル、ミクロスフェア、煙霧剤のような固体、半固体、液体、またはガスの形態において、調製品の中に調剤されてもよい。
幾つかの実施形態において、GABA塩素イオンチャネル遮断薬は、遅延放出製剤として調剤される。遅延放出製剤のための適切な薬学的賦形剤および単位投与量構成(unit dose architecture)は、米国特許第3,062,720号および第3,247,066号において記載されている薬学的賦形剤および単位投与量構成を含んでもよい。遅延放出製剤は、錠剤において調剤されることが可能であり、上記錠剤は、ヒトの消化管において、遅延した分解を達成するために、既知の方法を用いて被覆されることが可能である。実施例の手段によって、モノステアリン酸グリセリンまたはジステアリン酸グリセリンのような材料が、錠剤を被覆するために用いられることが可能である。さらに実施例の手段によって、錠剤は、浸透圧的に制御された放出錠剤を形成するために、米国特許第4,256,108号、第4,160,452号および第4,265,874号において記載された方法を用いて被覆されることが可能である。ヒト患者の小腸または大腸において、経口的に投与された物質を特異的に放出する経口組成物は、既知の技術を用いて作られることが可能である。例えば、結腸を含む胃腸系への運搬のための製剤は、例えば、ポリ(メタクリル酸、メタクリル酸メチル)のようなメタクリル酸共重合体に基づく、腸溶性の被覆系を含み、これは、重合体が小腸の中への進入時にはじめて溶け始めるように、pH6以上でのみ溶解できる。そのような重合体製剤が分解する場所は、腸の通過速度および重合体の存在量に依存する。例えば、相対的に厚い重合体被覆は、近位結腸への運搬のために用いられる。Hardy et al. 1987 Aliment Pharmacol. Ther. 1:273-80を参照せよ。また、場所特異的な結腸の運搬を提供することが可能である重合体が、用いられることが可能であり、ここでは、重合体被覆の酵素分解、および、従って薬剤の放出、を提供するために、重合体は大腸の細菌フローラに依存する。例えば、アゾポリマー(米国特許第4,663,308号)、配糖体(Friend & Chang 1984 J. Med. Chem. 27:261-6)、および、自然に入手可能な、および、改変された、種々の多糖体(PCT出願、PCT/GB89/00581を参照せよ)が、そのような製剤において用いられることが可能である。
ある実施形態において、遅延放出製剤は、投与の時間から、30分後から12時間後まで、脳におけるPTZの最高濃度を延期する。幾つかの実施形態において、遅延放出製剤は、対象の夜間の睡眠の間に、または、対象の朝の目覚めの期間に、PTZを放出する。
他の実施形態において、GABA塩素イオンチャネル遮断薬は、持続放出製剤として調剤される。持続放出製剤のための適切な薬学的賦形剤および単位投与量構成は、米国特許第3,062,720号および第3,247,066号において記載されている薬学的賦形剤および単位投与量構成を含んでもよい。化合物の遊離型の形態において、または塩としてのどちらかで、ニューロンの阻害を減少することが可能である化合物は、持続放出製剤を創りだすために、重合体(例えば、ポリ乳酸−グリコール酸(PLGA)、ポリ−(I)−乳酸−グリコール酸−酒石酸(P(I)LGT)(WO 01/12233)、ポリグリコール酸(米国特許第3,773,919号)、ポリ乳酸(米国特許第4,767,628号)、ポリ(ε−カプロラクトン)、およびポリ(アルキレンオキシド)(U.S.20030068384))と組み合わされることが可能である。そのような製剤は、埋没物において用いられることが可能であり、上記埋没物は、重合体、重合体の粒子サイズ、および埋没物のサイズに応じて、数時間、一日間、2〜3日間、2〜3週間、または数か月の一定期間にわたって、物質を放出する(例えば、米国特許第6,620,422号を参照せよ)。他の持続放出製剤は、EP 0 467 389 A2、WO93/241150、米国特許第5,612,052号、WO97/40085、WO03/075887、WO01/01964A2、米国特許第5,922,356号、WO94/155587、WO02/074247A2、WO98/25642、米国特許第5,968,895号、第6,180,608号、U.S.20030171296、U.S.20020176841、米国特許第5,672,659号、第5,893,985号、第5,134,122号、第5,192,741号、第5,192,741号、第4,668,506号、第4,713,244号、第5,445,832号、第4,931,279号、第5,980,945号、WO02/058672、WO9726015、WO97/04744、およびUS20020019446に記載されている。そのような持続放出製剤において、薬剤の微粒子は、重合体の微粒子と組み合わされる。一つ以上の持続放出埋没物は、大腸、小腸、または両方において設置されることが可能である。米国特許第6,011,011号、およびWO94/06452は、ポリエチレングリコール(ここではPEG300およびPEG400が最も好ましい)またはトリアセチンのどちらかを提供する持続放出製剤について説明する。WO03/053401は、生物学的利用能を高めてもよく、かつ、GI管の中において物質の制御された放出を提供してもよい、製剤について説明する。さらなる持続放出製剤は、WO02/38129、EP 326 151、米国特許第5,236,704号、WO02/30398、WO98/13029、U.S.20030064105、U.S.20030138488A1、U.S.20030216307A1、米国特許第6,667,060号、WO01/49249、WO01/49311、WO01/49249、WO01/49311,および米国特許第5,877,224号において記載されている。
ある実施形態において、遅延放出製剤は、対象において、投与の時間から、30分後から8時間後まで、GABA塩素イオンチャネル遮断薬の最高濃度が生じるような、遅延放出製剤である。ある実施形態において、遅延放出製剤は、対象の血液または対象の脳において、最高点を、投与の時間から、30分後から1時間後まで、1時間後から4時間後まで、または4時間後から8時間後まで、延期する。
ある実施形態において、持続放出製剤は、対象において、対象に投与された後、30分間から8時間、GABA塩素イオンチャネル遮断薬の最高濃度が維持されるような、持続放出製剤である。ある実施形態において、持続放出製剤は、対象の血液または対象の脳において、最高点を、対象への投与後、30分間から60分間、1時間から4時間、または4時間から8時間、維持する。
薬学的組成物は、望まれる製剤に応じて、薬学的に許容可能な、希釈剤の非毒性の担体を含むことが可能である。上記担体は、動物またはヒトの投与のための薬学的組成物を、調剤するために通常用いられる媒介物として、定義づけられる。希釈剤は、組み合わせ物の生物学的活性に影響を与えないように、選択される。そのような希釈剤の例は、蒸留水、緩衝用水、生理食塩水、PBS、リンゲル溶液、ブドウ糖溶液、およびハンクス溶液である。さらに、薬学的組成物または製剤は、他の担体、免疫賦活剤、または非毒性の、非治療的な、非免疫原性の安定剤、賦形剤など、を含むことが可能である。組成物はまた、生理的状態に近づけるために、付加的な物質(例えば、pH調節物質、pH緩衝物質、毒性調節物質、湿潤剤、ならびに界面活性剤)を含むことが可能である。組成物はまた、例えば酸化防止剤のような、安定化剤の任意の種類を含むことが可能である。錠剤製剤は、薬学的に洗練された、かつ、口当たりの良い調製品を提供するために、甘味剤、香料添加剤、着色剤、防腐剤、またはこれらの幾つかの組み合わせ、を含むことが可能である。投与の種々の型に適している製剤に関する、さらなる手引きは、Remington's Pharmaceutical Sciences, Mace Publishing 20 Company, Philadelphia, PA, 17th ed.(1985)において見出され得る。
経口投与のために、GABA塩素イオンチャネル遮断薬は、固形の投薬形態(例えば、カプセル剤、錠剤、および紛体)、または液体の投薬形態(例えば、エリキシル剤、シロップ、および懸濁剤)において、投与されることが可能である。化合物は、不活性の含有物および粉状の担体(例えば、ブドウ糖、乳糖、ショ糖、マンニトール、でんぷん、セルロースまたはセルロース派生物、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、サッカリンナトリウム、滑石、炭酸マグネシウム)と共に、ゼラチンカプセル剤の中に、カプセルに包まれることが可能である。望ましい、色、味、安定性、緩衝能、分散、または他の既知の望ましい特徴、を提供するために加えられてもよい、付加的な不活性の含有物の例は、酸化鉄赤、シリカゲル、ラウリル硫酸ナトリウム、二酸化チタン、および食用白色インク、である。同様の希釈剤が、圧縮錠剤を作るために用いられ得る。錠剤およびカプセル剤の両方は、数時間の一定期間にわたって医薬品の連続的な放出を提供するために、持続放出製品として、製造されることが可能である。圧縮錠剤は、任意の不愉快な味を覆い隠すため、および、錠剤を大気から守るために、砂糖被覆またはフィルム被覆されることが可能であるか、または、胃腸管における選択的な分解のために、腸溶性に被覆されることが可能である。経口投与のための液体の投薬形態は、患者の受容を増大するために、着色料および香味料を包含することが可能である。
非経口投与のために適した製剤は、水溶性の、および非水溶性の、等張無菌注射溶液を含む。上記等張無菌注射溶液は、意図された受け手の血液と等張である製剤を与える、酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤、および溶質、を含有することが可能である。また、上記水溶性および非水溶性の無菌の懸濁液は、懸濁化剤、可溶化剤、増粘剤、安定剤、および防腐剤を含むことが可能である。
薬学的組成物を調剤するために用いられる成分は、好ましくは高純度であり、潜在的に有害な汚染物質が実質的にない(例えば、少なくとも米国食品(National Food)(NF)グレード、一般的には少なくとも分析グレード、そしてより一般的には少なくとも薬学的グレード)。さらに、インビボ使用を対象とした組成物は、通常、無菌である。所定の化合物が、使用に先立って合成される限り、得られる製品は、一般的に、どんな潜在的毒性物質も(特に、どんな内毒素も)、実質的に無い。上記潜在的毒性物質は、合成または精製の過程の間に存在する場合がある。非経口投与のための組成物もまた、無菌であり、実質的に等張であり、そしてGMP条件下で作られる。
幾つかの実施形態において、方法は、対象にPTZを、0.005mg/kgと25mg/kgとの間、0.01mg/kgと10mg/kgとの間、0.001mg/kgと0.2mg/kgとの間、0.01mg/kgと2mg/kgとの間、0.03mg/kgと6mg/kgとの間、または0.05mg/kgと0.5mg/kgとの間、の投与量で投与する工程を含む。
幾つかの実施形態において、方法は、対象にPTZを、患者の体重あたり、約25mg/kg、約20mg/kg、約10mg/kg、約5mg/kg、約3mg/kg、約1mg/kg、約0.3mg/kg、約0.1mg/kg、約0.05mg/kg、約0.025mg/kg、または約0.01mg/kg、の投与量で投与する工程を含む。
幾つかの実施形態において、方法は、対象にPTZを、毎日、0.1mg/日から5g/日、1mg/日から1g/日、または3mg/日から300mg/日、の投与量で投与する工程を含む。種々の実施形態において、投与される投与量は、約1.5g、約1.25g、約1g、約750mg、約500mg、約250mg、約200mg、約100mg、約50mg、約25mg、約10mg、約5mg、約1mg、約0.5mg、約0.25mg、または約0.05mg、である。
幾つかの実施形態において、方法は、対象にPTZを、約1mgから5g、約1mgから3g、約1mgから2g、約1mgから1.5g、約1mgから1.25g、約5mgから1g、約10mgから800mg、約25mgから600mg、約50mgから400mg、または約100mgから200mg、の投与量で投与する工程を含む。幾つかの実施形態において、方法は、対象にPTZを、約5g、約4g、約3g、約2g、約1.5g、約1.25g、約1g、約750mg、約500mg、約250mg、約200mg、約100mg、約50mg、約25mg、約10mg、約5mg、約1mg、約0.5mg、約0.25mg、または約0.05mg、の投与量で投与する工程を含む。
幾つかの実施形態において、PTZの投与量は、毎日の投与量であるか、毎週の投与量であるか、隔週の投与量であるか、または、毎月の投与量である。幾つかの実施形態において、PTZの投与量は、(例えば、カプセルにおける)単位投与量として、投与される。幾つかの実施形態において、PTZの投与量は、移植可能な装置において投与される。種々の実施形態において、PTZの投与量は、一定期間にわたって、移植可能な装置から放出される。ある実施形態において、上記期間は、6時間より多く、12時間より多く、24時間より多く、2日間より多く、3日間より多く、5日間より多く、1週間より多く、2週間より多く、または一か月間より多い。
幾つかの実施形態において、PTZは、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも1か月間、少なくとも2か月間、少なくとも3か月間、少なくとも6か月間、少なくとも9か月間、少なくとも1年間、少なくとも2年間、少なくとも3年間、少なくとも4年間、少なくとも5年間、少なくとも8年間、または少なくとも10年間、投与される。幾つかの実施形態において、PTZは、慢性的に投与される。例えば、PTZは、対象の一生の長年にわたり投与されることが可能であるか、または、対象の一生の間投与されることが可能である。
幾つかの実施形態において、PTZの投与量は、毎日一度、毎日二度、毎日三度、毎日四度、またはそれ以上投与される。
幾つかの実施形態において、PTZは、一日あたり二度または三度、約200mgから300mgの投与量で投与される。幾つかの実施形態において、PTZの毎日の投与量は、約400mgから900mgである。
幾つかの実施形態において、PTZは、毎日一度、約5g、約4g、約3g、約2g、約1.5g、約1.25g、約1g、約750mg、約500mg、約250mg、約200mg、約100mg、約50mg、約25mg、約10mg、約5mg、約1mg、約0.5mg、約0.25mg、または約0.05mgの投与量で、投与される。
幾つかの実施形態において、PTZは、一日あたり二度または三度、約50mgから300mg、約100mgから200mg、または約5mgから50mgの投与量で、投与される。幾つかの実施形態において、PTZは、一日あたり二度または三度、約5mgの投与量で投与される。幾つかの実施形態において、PTZは、一日あたり二度または三度、約10mgの投与量で投与される。幾つかの実施形態において、PTZは、一日あたり二度または三度、約25mgの投与量で投与される。幾つかの実施形態において、PTZは、一日あたり二度または三度、約50mgの投与量で投与される。幾つかの実施形態において、PTZは、一日あたり二度または三度、約100mgの投与量で投与される。幾つかの実施形態において、PTZは、一日あたり二度または三度、約200mgの投与量で投与される。幾つかの実施形態において、PTZの毎日の投与量は、約100mgから800mg、約200mgから600mg、または約300mgから約400mgである。幾つかの実施形態において、PTZの毎日の投与量は、約5mgから約100mg、約10mgから75mg、または約25mgから50mgである。幾つかの実施形態において、PTZの毎日の投与量は、約200mg、約300mg、約400mg、約500mg、約600mg、約700mg、または約800mgである。幾つかの実施形態において、PTZの毎日の投与量は、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約50mg、約75mg、約100mg、または約150mgである。
幾つかの実施形態において、PTZは、毎日二度、約100mgの投与量で投与される。幾つかの実施形態において、PTZは、毎日二度、約100mgの投与量で、少なくとも一週間、少なくとも二週間、または少なくとも3週間の期間、投与される。幾つかの実施形態において、PTZの毎日の投与量は、約200mgである。
幾つかの実施形態において、PTZは、毎日二度投与される。例えば、PTZは、毎日二度、毎日二度の投与の各々あたり、約25mgから約300mgの投与量で投与されることが可能である。幾つかの実施形態において、PTZは、毎日二度、毎日二度の投与の各々あたり、約200mgの投与量で投与される。幾つかの実施形態において、PTZは、毎日二度、毎日二度の投与の各々あたり、約200mgの投与量で、少なくとも一週間、少なくとも二週間、または少なくとも三週間の期間、投与される。幾つかの実施形態において、PTZの毎日の投与量は、約600mgである。
幾つかの実施形態において、PTZは、毎日三度投与される。例えば、PTZは、一日あたり三度、毎日三度の投与の各々あたり、約25mgから約300mgの投与量で、投与されることが可能である。幾つかの実施形態において、PTZは、毎日三度、毎日三度の投与の各々あたり、約200mgの投与量で、投与される。幾つかの実施形態において、PTZは、毎日三度、毎日三度の投与の各々あたり、約200mgの投与量で、少なくとも一週間、少なくとも二週間、または少なくとも三週間の期間、投与される。幾つかの実施形態において、PTZの毎日の投与量は、約600mgである。
幾つかの実施形態において、方法は、0.005mg/kgと20mg/kgとの間、0.01mg/kgと10mg/kgとの間、0.001mg/kgと0.2mg/kgとの間、0.01mg/kgと2mg/kgとの間、0.03mg/kgと6mg/kgとの間、または0.05mg/kgと0.5mg/kgとの間の投与量で、上で定義づけられたように、対象にPTZの派生物を投与する工程を含む。
幾つかの実施形態において、方法は、患者の体重あたり、約20mg/kg、約10mg/kg、約5mg/kg、約3mg/kg、約1mg/kg、約0.3mg/kg、約0.1mg/kg、約0.05mg/kg、約0.025mg/kg、または約0.01mg/kgの投与量で、対象にPTZの派生物を投与する工程を含む。
幾つかの実施形態において、方法は、毎日、0.1mg/日から5g/日、1mg/日から1g/日、3mg/日から300mg/日、10mg/日から300mg/日、50mg/日から300mg/日、100mg/日から300mg/日、または150mg/日から250mg/日の投与量で、対象にPTZの派生物を投与する工程を含む。幾つかの実施形態において、方法は、毎日、100mg/日から800mg/日、200mg/日から600mg/日、または400mg/日から600mg/日の投与量で、対象にPTZの派生物を投与する工程を含む。幾つかの実施形態において、方法は、毎日、約200mg/日、約300mg/日、約400mg/日、約500mg/日、約600mg/日、約700mg/日、または約800mg/日の投与量で、対象にPTZの派生物を投与する工程を含む。
種々の実施形態において、PTZ派生物の投与される投与量は、約1.5g、約1.25g、約1g、約750mg、約500mg、約250mg、約200mg、約100mg、約50mg、約25mg、約10mg、約5mg、約1mg、約0.5mg、約0.25mg、または約0.05mgである。
幾つかの実施形態において、方法は、約1mgから5g、約1mgから3g、約1mgから2g、約1mgから1.5g、約1mgから1.25g、約5mgから1g、約10mgから800mg、約25mgから600mg、約50mgから400mg、または約100mgから200mgの投与量で、対象にPTZ派生物を投与する工程を含む。幾つかの実施形態において、方法は、約1.5g、約1.25g、約1g、約750mg、約500mg、約250mg、約200mg、約100mg、約50mg、約25mg、または約10mgの投与量で、対象にPTZ派生物を投与する工程を含む。
幾つかの実施形態において、方法は、約25から25,000ng/ml、約50から20,000ng/ml、約100から15,000ng/ml、約500から10,000ng/ml、約1,000から8,000ng/ml、または約3,000から6,000ng/mlの平均Cmaxを達成するために十分な投与量で、対象にPTZを投与する工程を含む。幾つかの実施形態において、PTZは、約300から3,000ng/ml、約500から3,000ng/ml、約1,000から3,000ng/ml、または約2,000から3,000ng/mlの平均Cmaxを達成するために十分な投与量で投与される。
幾つかの実施形態において、方法は、約25から25,000ng/ml、約50から20,000ng/ml、約100から15,000ng/ml、約500から10,000ng/ml、約1,000から8,000ng/ml、または約3,000から6,000ng/mlの平均Cmaxを達成するために十分な投与量で、上で定義づけられたように、対象にPTZの派生物を投与する工程を含む。幾つかの実施形態において、方法は、約300から3,000ng/ml、約500から3,000ng/ml、約1,000から3,000ng/ml、または約2,000から3,000ng/mlの平均Cmaxを達成するために十分な投与量で、上で定義づけられたように、対象にPTZの派生物を投与する工程を含む。
幾つかの実施形態において、Cmaxは、対象の脳において、達成される。
幾つかの実施形態において、PTZは、約500nghr/mLから150,000nghr/mL、約1,000nghr/mLから100,000nghr/mL、約5,000nghr/mLから50,000nghr/mL、または約10,000nghr/mLから20,000nghr/mLのAUCを達成するために調剤される。幾つかの実施形態において、PTZは、約1,000nghr/mLから15,000nghr/mL、約2,500nghr/mLから12,500nghr/mL、約5,000nghr/mLから10,000nghr/mL、または約7,500nghr/mLから12,000nghr/mLのAUCを達成するために調剤される。
幾つかの実施形態において、PTZの派生物は、約500nghr/mLから150,000nghr/mL、約1,000nghr/mLから100,000nghr/mL、約5,000nghr/mLから50,000nghr/mL、約10,000nghr/mLから20,000nghr/mLのAUCを達成するために調剤される。幾つかの実施形態において、PTZの派生物は、約1,000nghr/mLから15,000nghr/mL、約2,500nghr/mLから12,500nghr/mL、約5,000nghr/mLから10,000nghr/mL、または約7,500nghr/mLから12,000nghr/mLのAUCを達成するために調剤される。
本明細書中に提供されている方法の、幾つかの実施形態において、対象は、(API)および賦形剤、を含む組成物を投与される。ここでは、APIは、PTZまたはPTZの塩からなる。
幾つかの実施形態において、APIは、重水素化された、フッ素化された、もしくは任意の型のPTZ派生物、またはPTZ派生物の塩、からなる。
投与
GABA塩素イオンチャネル遮断薬は、眠気の望ましい改善という結果を招くことが可能である任意の簡便な手段、を用いて対象に投与されてもよい。投与の経路は、経口の、直腸の、非経口の、静脈内の、頭蓋内の、腹腔内の、皮内の、経皮的な、髄膜下の、鼻腔内の、気管内の(intracheal)、毛細血管内の(intracapillary)、皮下の(subcutaneous)、真皮下の(subdermal)、局所の、筋内の、直腸の、鼻の、吸入の、膣の経路、脳脊髄液の中への注入、空洞内の中への注入、または脳の中への直接の注入、を含むが、これらに限定されない。経口投与は、例えば、口内の、舌の、または舌下の投与、を含み得る。経皮的投与は、例えば、局所投与を含み得る。ニューロンの阻害を減少することが可能である化合物は、投与後に全身性であってもよく、または、局部的な投与の使用、壁内(intramural)投与の使用、もしくは、埋め込みの場所において活性投与量を保つために働く埋没物の使用、によって局部的であってもよい。ドラッグ・デリバリーのための方法の、簡潔な総説のために、例えば、Langer 1990 Science 249:1527-1533を参照せよ。
幾つかの実施形態において、PTZは、対象の夜間の睡眠に先立って、または、対象の夜間の睡眠の間に、投与される。幾つかの実施形態において、PTZは、対象の朝の目覚めの期間に先立って、または、対象の朝の目覚めの期間に、投与される。
幾つかの実施形態において、GABA塩素イオンチャネル遮断薬は、経口または非経口投与後に、中枢神経系において、生物活性となるために、血液脳関門(BBB)を超えることが可能である。他の実施形態において、化合物GABA塩素イオンチャネル遮断薬は、BBBを超えることができない。そのような実施形態において、BBBを通り抜けるドラッグ・デリバリーのための一つの戦略は、マンニトールもしくはロイコトリエンのような浸透圧の手段によるか、または、生化学的に、ブラジキニンのような血管に作用する物質の使用によるか、どちらかによって、BBBの崩壊を必然的に伴う。特異的な物質を目標づけるために、BBBを開くことを用いるための可能性もまた、選択肢である。BBB崩壊物質は、組成物が血管内注入によって投与されるときにニューロンの阻害を減少することが可能である化合物、と共に共投与されることが可能である。BBBを通り抜けるための他の戦略は、内在性の輸送系の使用を必然的に伴ってもよい。上記輸送系は、ブドウ糖およびアミノ酸担体のような、担体媒介性トランスポーター、インスリンまたはトランスフェリンのための、受容体媒介性トランスサイトーシス、ならびに、p−糖たんぱく質のような、能動排出トランスポーター(active efflux transporters)、を含む。能動輸送部分(Active transport moieties)はまた、血管の上皮壁の輸送横断を促進するための発明における使用のための、治療的または画像化化合物、に結合されてもよい。代替的に、BBBの背後のドラッグ・デリバリーは、オマニーリザーバ(Ommaya reservoir)を通してのように、直接的に頭蓋への、治療的または画像化物質の髄膜内運搬によることが可能である(Balis et al. 1989 Am J. Pediatr. Hematol. Oncol. 11:74-6)。
治療の有効性の評価は、技術的に既知である、任意の検査またはプロトコルを用いて評価されることが可能である。幾つかの実施形態において、過眠症を有する対象は、スタンフォード眠気尺度(SSS)、エプワース眠気尺度(ESS)に基づいて、評価される。幾つかの実施形態において、対象は、睡眠潜時反復(MSL)検査、または、客観的精神運動警戒タスク(PVT)を用いて評価される。幾つかの実施形態において、過眠症を有する対象は、覚醒維持検査(MWT)に基づいて評価される。幾つかの実施形態において、対象は、自己報告性憂鬱スコア、または自己報告性眠気スコアを用いて評価される。そのような検査は、例えば、本明細書中に提供されている方法に従ってGABA塩素イオンチャネル遮断薬を投与された対象において、眠気または覚醒を評価するために採用されることが可能である。幾つかの実施形態において、過眠症を有する対象は、覚醒または眠気について、GABA塩素イオンチャネル遮断薬を用いて治療される前および治療された後の両方に、評価される。
幾つかの実施形態において、ESSにおける総スコアは、0から24へ及ぶ。当業者は、ESSスコアにおける、尺度の(0に向かって)下端が、対象の過眠症における改善を表すことは分かるだろう。幾つかの実施形態において、10以上のスコアは、対象における深刻な過眠症の症状を表す。幾つかの実施形態において、ESSにおける2〜3点の変化は、対象の過眠症における、臨床的に意味のある改善を表す。
幾つかの実施形態において、過眠症を有する対象は、ESSについて(例えば、ESS総スコアに対して)、少なくとも約2点、少なくとも約3点、少なくとも約5点、少なくとも約8点、少なくとも約10点、少なくとも約12点、または少なくとも約16点、の差で、改善する。幾つかの実施形態において、過眠症を有する対象は、ESSについて(例えば、ESS総スコアに対して)、約2点と16点との間、約3点と16点との間、約4点と16点との間、約6点と14点との間、または約8点と12点との間、で改善する。幾つかの実施形態において、過眠症を有する対象は、ESSについて(例えば、ESS総スコアに対して)、約2点、約3点、約5点、約8点、約10点、約12点、約14点、または約16点、の差で、改善する。幾つかの実施形態において、過眠症を有する対象は、過眠症を有する対象にPTZを投与する前に、ESSについて、約10点以上を記録し、過眠症を有する対象は、過眠症を有する対象にPTZを投与した後に、ESSについて、約10点未満を記録する(例えば、ESS総スコアに対して)。
幾つかの実施形態において、過眠症を有する対象は、睡眠機能転帰質問票(FOSQ)を用いて評価される。FOSQは、例えば、特定の部類の中における活動上の尺度に対する、睡眠障害の影響力を評定することを、対象に依頼することによって、対象に施行されることが可能である。幾つかの実施形態において、FOSQ総スコアが決定される。幾つかの実施形態において、FOSQ総スコアは、一つ以上の下位尺度スコア(例えば、1、2、3、4、5、6、7、または8以上の下位尺度スコア)から決定される。幾つかの実施形態において、FOSQ下位尺度スコアは、例えば、一般的生産性スコア(General Productivity Score)、社会的結果スコア(Social Outcome Score)、活動レベルスコア(Activity Level Score)、不眠症スコア(Vigilance Score)、または親密関係性および性的活動スコア(Intimate Relationship and Sexual Activity Score)を含み得る。当業者は、より高いFOSQ総スコアまたはより高いFOSQ下位尺度スコアは、対象の過眠症における改善を表していることが分かるだろう。幾つかの実施形態において、FOSQ総スコアは、約5から20に及び得る。幾つかの実施形態において、FOSQ下位尺度スコアは、約1から4に及び得る。
幾つかの実施形態において、過眠症を有する対象は、FOSQについて(例えば、FOSQ総スコアに対して)、少なくとも約2点、少なくとも約3点、少なくとも約5点、少なくとも約8点、少なくとも約10点、少なくとも約12点、または少なくとも約16点、の差で、改善する。幾つかの実施形態において、過眠症を有する対象は、FOSQについて(例えば、FOSQ総スコアに対して)、約2点と16点との間、約3点と16点との間、約4点と16点との間、約6点と14点との間、または約8点と12点との間、で改善する。幾つかの実施形態において、過眠症を有する対象は、FOSQについて(例えば、FOSQ総スコアに対して)、約2点、約3点、約5点、約8点、約10点、約12点、約14点、または約16点、の差で、改善する。幾つかの実施形態において、過眠症を有する対象は、過眠症を有する対象にPTZを投与する前に、FOSQについて、約10点以下を記録し、過眠症を有する対象は、過眠症を有する対象にPTZを投与した後に、FOSQについて、約10より大きい点を記録する(例えば、FOSQ総スコアに対して)。幾つかの実施形態において、過眠症を有する対象は、一つ以上のFOSQ下位尺度(例えば、一般的生産性スコア、社会的結果スコア、活動レベルスコア、不眠症スコア、親密関係性および性的活動スコア)について、約1.0点以上または約2.0点以上の差で、改善する。幾つかの実施形態において、過眠症を有する対象は、一つ以上のFOSQ下位尺度について、約1.5点、約2.0点、または約2.5点の差で、改善する。幾つかの実施形態において、過眠症を有する対象は、一つ以上のFOSQ下位尺度について、約1.0点と3.0点との間、または約1.5点と約2.0点との間の差で、改善する。
幾つかの実施形態において、過眠症を有する対象は、多角的疲労評価尺度(MFI)を用いて評価される。MFIは、疲労の五つの観点(dimention)を評価するために設計された、一般的には20項目の尺度である。幾つかの実施形態において、総MFIスコアが算出される。幾つかの実施形態において、MFIは一つ以上の尺度(例えば、1、2、3、4、5、6、7、または8以上の尺度)を含み得る。幾つかの実施形態において、MFI尺度は、例えば、全身疲労尺度、肉体的活動尺度、活動性の低下尺度、意欲の低下尺度、または精神的疲労尺度、を含み得る。一般的に、MFIにおけるより低いスコアは、対象の不眠症における改善を表す。
幾つかの実施形態において、過眠症を有する対象は、MFI尺度(例えば、全身疲労尺度、肉体的疲労尺度、活動性の低下尺度、意欲の低下尺度、精神的疲労尺度)について、少なくとも約3点、少なくとも約4点、少なくとも約5点、少なくとも約8点、少なくとも約10点、少なくとも約12点、少なくとも約15点、の差で改善する。幾つかの実施形態において、過眠症を有する対象は、MFI尺度について、約3点と15点との間、約5点と12点との間、または約8点と12点との間、の差で改善する。
幾つかの実施形態において、過眠症を有する対象は、重症度の臨床的全般印象度(CGI−S)を用いて評価される。幾つかの実施形態におけるCGI−Sにおいて、1のスコアは対象が正常であること、および、病気でないことを表し、2のスコアは対象が病気の境界線にいることを表し、3のスコアは対象が少し病気であることを表し、4のスコアは対象が中程度に病気であることを表し、5のスコアは対象が明らかに病気であることを表し、6のスコアは対象が重病であることを表し、そして、7のスコアは対象が最も極度に病気であることを表す。
幾つかの実施形態において、過眠症を有する対象は、改善度の臨床的全般印象度(CGI−C)を用いて評価される。幾つかの実施形態におけるCGI−Cにおいて、1のスコアは対象の過眠症が非常に(very much)改善されることを表し、2のスコアは対象の過眠症がとても(much)改善されることを表し、3のスコアは対象の過眠症が最小限に改善されることを表し、4のスコアは対象の過眠症が変化されないことを表し、5のスコアは対象の過眠症が最小限にいっそう悪いことを表し、6のスコアは対象の過眠症がとてもいっそう悪いことを表し、7のスコアは対象の過眠症が非常にいっそう悪いことを表す。
幾つかの実施形態において、過眠症を治療する方法のうち、過眠症を有する対象のCGI−SまたはCGI−Cスコアは、1点以上、2点以上、3点以上、4点以上、または5点以上、の差で減少する。
幾つかの実施形態において、過眠症を有する対象は、ベックうつ病質問票(現在の版は、1996に発行された、BDI−IIである)を用いて評価される。幾つかの実施形態において、BDI−II総スコアが決定される。幾つかの実施形態において、0〜13のBDI−II総スコアは最小限のうつ病を表し、14〜19のスコアは軽いうつ病を表し、20〜28のスコアは中程度のうつ病を表し、そして、29〜63のスコアは深刻なうつ病を表す。
幾つかの実施形態において、過眠症を治療する方法のうち、過眠症を有する対象のBDI−II総スコアは、1点以上、5点以上、10点以上、15点以上、20点以上、または25点以上、の差で減少する。
幾つかの実施形態において、過眠症を有する対象は、自己報告性の頭が朦朧とすることのスコアを用いて評価される。頭が朦朧とすることのスコアは、対象の思考の明瞭さを評価するために用いられることが可能であると考えられる。上記対象の思考の明瞭さは、対象の認識の状態を反映することが可能である。幾つかの実施形態において、対象は、例えば、今朝目覚めてから、または正午から、どのくらい頭が朦朧とすることを対象が感じているか、質問される。自己報告性の頭が朦朧とすることのスコアにおける記録は、例えば、0から3の尺度において記録され得る。幾つかの実施形態において、自己報告性の頭が朦朧とすることのスコアの0は頭が朦朧とすることを対象が全く感じていないことを表し、1のスコアは頭が朦朧とすることを対象が少し感じていることを表し、2のスコアは頭が朦朧とすることを対象が中程度感じていることを表し、そして、3のスコアは頭が朦朧とすることを対象が極度に感じていることを表す。
幾つかの実施形態において、過眠症を有する対象の、自己報告性の頭が朦朧とすることのスコアは、1点以上または2点以上の差で減少する。幾つかの実施形態において、自己報告性の頭が朦朧とすることのスコアは、約0.5点と2.0点との間、または約1.0点と1.5点との間、の差で減少する。幾つかの実施形態において、自己報告性の頭が朦朧とすることのスコアは、約1.3点の差で減少する。
幾つかの実施形態において、過眠症を有する対象は、覚醒維持検査(MWT)を用いて評価される。例えば、Littner et al., Sleep Vol. 28, No.1, pp. 113-121 (2005)、を参照せよ。幾つかの実施形態において、MWTは、入眠潜時(SOL)を決定することを含む。幾つかの実施形態において、対象が、完全な覚醒から眠り(一般的には、ノンREM睡眠の最も軽い段階)への移行を、達成するためにかかる時間の長さである。幾つかの実施形態において、約0分から5分のSOLスコアは深刻な眠気を表し、約5分から10分のSOLスコアは煩わしい眠気を表し、約10〜15分のSOLスコアは、御しやすい眠気を表し、そして、約15〜20分のSOLスコアは、覚醒を維持するための標準的な能力を表す。
幾つかの実施形態において、過眠症を有する対象のSOLスコアは、少なくとも1分、少なくとも2分、少なくとも3分、少なくとも4分、少なくとも5分、少なくとも8分、少なくとも10分、少なくとも12分、または少なくとも15分、の差で増加する。幾つかの実施形態において、過眠症を有する対象のSOLスコアは、約1分から15分、約2分から12分、約3分から10分、または約4分から8分、の差で増加する。幾つかの実施形態において、過眠症を有する対象のSOLスコアは、約1分、約2分、約3分、約4分、約5分、約6分、約7分、約8分、約9分、約10分、約11分、約12分、約13分、約14分、または約15分、の差で増加する。
当然のことながら、対象の眠気または覚醒における改善は、睡眠または覚醒の様相における、任意の測定可能な改善を表し得るだろう。幾つかの実施形態において、過眠症を有する対象のCSFは、GABA受容体の内在性ポジティブアロステリック調節物質の存在または相対的活性(すなわち、過眠症を有さない対象からのCSFに相対的な活性)について、検査される。
過眠症を有する対象の評価は、GABA塩素イオンチャネル遮断薬の投与に先立って、GABA塩素イオンチャネル遮断薬の投与の期間を通して、または、GABA塩素イオンチャネル遮断薬の投与に続いて、実施されることが可能である。
別の態様では、対象において過眠症を治療するための方法が、本明細書中に提供されており、ここでは、上記方法は、対象に、PTZの治療的有効量および付加的な治療を共投与する工程を含む。
幾つかの実施形態において、付加的な治療は、GABA受容体調節物質を含む。ある実施形態において、付加的な治療は、GABA受容体アンタゴニストまたはGABA受容体逆アゴニストを含む。ある実施形態において、付加的な治療は、フルマゼニル、クラリスロマイシン、ビククリン、シクトキシン、ツジョン、リンデン、またはエナントトキシンを含む。ある実施形態において、付加的な治療は、GABA塩素イオンチャネル遮断薬を含まない。
幾つかの実施形態において、付加的な治療は、一つ以上の付加的な治療物質の治療的有効量を共投与することを含む。そのような実施形態において、本明細書中で用いられるとき用語「共投与すること」は、一つ以上の付加的な治療物質が、単一の投薬形態(例えば、PTZおよび一つ以上の付加的な治療物質を含む薬学的組成物)の一環として、または、別個の、複数の投薬形態として、PTZと一緒に投与されてもよい、ということを意味する。代替的に、一つ以上の付加的な治療物質は、PTZの投与に先立って、PTZの投与と連続的に、またはPTZの投与に続いて、投与されてもよい。PTZおよび一つ以上の付加的な治療物質の両方を含む薬学的組成物の、対象への投与は、治療の進行中、別の時間において、PTZまたは任意の一つ以上の付加的な治療物質の、対象への別個の投与を除外しない。一つ以上の付加的な治療物質の治療的有効量は、当業者によって既知の方法によって決定されることが可能である。
本発明の幾つかの実施形態では、一つ以上の付加的な治療物質がPTZと共に対象に共投与され、PTZの治療的有効量は、一つ以上の付加的な治療物質が投与されないときの、PTZの治療的有効量より少ない。他の実施形態において、一つ以上の付加的な治療物質の治療的有効量は、PTZが投与されないときの、一つ以上の付加的な治療物質の治療的有効量より少ない。PTZまたは一つ以上の付加的な治療剤のどちらかの高い投与量に関連した、望まれていない副作用は、より低い治療的有効量を投与することによって、最小限に抑えられる場合がある。他の潜在的な利点(促進された有効性、改良された投与計画、および/または削減された薬剤費用、を含むが、これらに制限されない)は、当業者に明らかであろう。
さらに他の態様において、この開示は、対象における睡眠障害の治療または予防のための、PTZ単独の使用、または、薬学的組成物の製造における一つ以上の付加的な治療物質と一緒のPTZの使用(単一の組成物として、または別個の投薬形態として、のどちらかとして)、を提供する。
さらに他の態様において、この開示の方法は、過眠症を有する対象を予備選別すること(screening)を、さらに含む。
幾つかの実施形態において、過眠症を有する対象を予備選別することは、対象の脳脊髄液(CSF)における内在性ポジティブアロステリックGABA受容体調節物質の存在または不在を測定することを含む。幾つかの実施形態において、過眠症を有する対象を予備選別することは、対象のCSFにおける内在性ポジティブアロステリックGABA受容体調節物質の水準を測定することを含む。内在性ポジティブアロステリックGABA受容体調節物質は、例えばパッチクランプ検定法において検出されることが可能である。例えば、Rye et al., 2012, Sci. Tansl. Med. 4, 161ra151 (pages 1-10)を参照せよ。幾つかの実施形態において、過眠症を有する対象を予備選別することは、過眠症を有する対象と過眠症を有さない対象とのCSFにおける、GABA受容体機能の内在性ポジティブアロステリック調節物質の水準を比較することを含む。
当然のことながら、本願を通して提供されている方法において、GABA塩素イオンチャネル遮断薬の使用もまた、提供されているだろう。幾つかの実施形態において、患者における、過眠症、疲労、疲れ、または頭が朦朧とすることの治療のための、GABA塩素イオンチャネル遮断薬の使用が、本明細書中に提供されている。幾つかの実施形態において、GABA塩素イオンチャネル遮断薬は、PTZである。
〔実施例1〕
過眠症を有するヒトの患者にPTZを投与することによる、過眠症の治療を、この予言的実施例に記載する。
PTZ治療のために、推測される原発性過眠症(例えば、特発性過眠症)の診断に基づいて、患者を選択する。とりわけ、常々長時間の睡眠(一週間あたり70時間以上)にもかかわらず、深刻な日中の眠気を示している患者に基づいて、診断する。例えば、睡眠潜時反復検査(MSL)もしくは客観的精神運動警戒タスク(PVT)を用いて、または、患者の脳脊髄液(CSF)における内在性ポジティブアロステリックGABA受容体調節物質の存在もしくは不在の測定によって、診断を確認してもよい。エプワース眠気尺度(ESS)またはスタンフォード眠気尺度(SSS)に基づいて、患者の眠気を記録する。
考えられるありきたりな過眠の原因を、例えば、(i)鎮静物質もしくはベンゾジアゼピン(BZDs)に対するランニング毒性学スクリーン(running toxicology screens)、もしくは、(ii)貧血、鉄欠乏症もしくは甲状腺機能低下症に対する代謝プロファイリング、または(iii)他の方法によって、除外する。
目覚めるとき、中間の目覚めのとき、および寝る前に、所定の尺度について、睡眠および覚醒時間、ならびに、眠気および憂鬱、の記録をとり続けることを、患者に要求する。PTZの治療の処方計画より前、PTZの治療の処方計画の間、およびPTZの治療の処方計画に続いて、記録し続けることを、患者にさらに要求する。
PTZを患者に、少なくとも一日一度、少なくとも5日間、約25mgから600mgの投与量で、投与する。
PTZ治療の進行前、進行の間、および進行の完了後に、過眠症の患者の眠気を評価する。
〔実施例2〕
過眠症を有するヒトの患者にPTZを投与することによる、過眠症の治療を、この実施例に記載する。
PTZ治療のために、(i)過眠症を有さない対象のCSFと相対的に、対象の脳脊髄液(CSF)における高水準の内在性ポジティブGABA受容体アロステリック調節物質の存在、および、(ii)原発性過眠症の臨床的診断、に基づいて、患者を選択した。エプワース眠気尺度(ESS)、睡眠機能転帰質問票(FOSQ)総スコア、および多角的疲労評価尺度(MFI)に基づいて、患者の眠気を記録した。重症度の臨床的全般印象度(CGI−S)、改善度の臨床的全般印象度(CGI−C)、ベックうつ病質問票(BDI−II)総スコア、および、患者の報告による頭が朦朧とすることの感覚(patient’s reported feelings of fogginess)、を含む、付加的な臨床的パラメータを、PTZ治療の進行の間、記録した。
毎日二度100mgの投与量で、タング(商標)ブランドジュース(TANG(Tread Mark) brand juice)である液体の形態において、患者にPTZを、経口的に投与した。
患者における、PTZ治療の結果を、表1に要約した。
Figure 2017511386
表1において結果は、原発性過眠症と診断された患者が、PTZ治療の一週間後に、数個の臨床的パラメータにおいて意味のある改善を示した、ということを実証する。例えば、ESS総スコアは6点の差で減少し、FOSQ総スコアは8点の差で増加し、そして数個のMFI尺度スコア(肉体的疲労尺度、活動性の低下尺度、意欲の低下尺度、および精神的疲労尺度を含む)は改善した。さらに、CGI−S、CGI−C、およびBDI−IIに関して、ならびに、頭が朦朧とすることの患者の主観的感覚に関して、患者は改善した。
〔実施例3〕
過眠症を有し、かつ、PTZの投与に先立って、フルマゼニル(患者1)またはクラリスロマイシン(患者2)の投与で治療した二人のヒトの患者に、PTZを投与することによる、過眠症の治療を、この実施例に記載する。
この実施例の患者1は、実施例2において記載された患者と同じ患者であり、以下の表2において示したデータは、表1において示したデータに基づく。
PTZ治療のために患者を選択し、実施例2において記載したように、患者を評価した。タング(商標)ブランドジュースである液体の形態において、患者にPTZを、経口的に投与した。
最初に、フルマゼニル(患者1)またはクラリスロマイシン(患者2)を患者に与えている間、患者を評価した。それから、フルマゼニルまたはクラリスロマイシンを患者から取り除き、1週間の期間(洗浄(wash-out)期間)の間、どんな治療も患者に与えなかった。洗浄期間の終了時点において、二人の患者の二番目の評価を実行した。患者1に二週間、PTZを投与した。第一週の間、毎日二度100mgの投与量で、患者1にPTZを投与した。そして、第二週の間、200mgの投与量で、患者1にPTZを投与した。1週間、毎日二度100mgの投与量で、患者2にPTZを投与した。第一週の終わりにおいて(患者1および患者2)、および、第二週の終わりにおいて(患者1)、患者を評価した。
患者における、PTZ治療の結果を、表2(患者1)および表3(患者2)に要約した。
Figure 2017511386
Figure 2017511386
表1および表2において、結果は、原発性過眠症と診断された人の患者における過眠症の治療において、フルマゼニルおよびクラリスロマイシンに関連してPTZの優れた有効性を実証した。例えば、患者1において、ESS、FOSQ、CGI−S、CGI−CおよびBDI−IIスコアはすべて、フルマゼニルで患者1を治療したときと比較して、PTZ投与(100mg、毎日二度)のたった一週間後、さらに大きく改善したことが分かった。患者1のESS、FOSQ、CGI−S、CGI−CおよびBDI−IIスコアにおいて、PTZ投与(200mg、毎日二度)のさらに一週間後、さらなる改善を観察した。患者2において、治療(100mg、毎日二度)の1週間後、同様の傾向を観察した。患者2において、FOSQ、MFI、およびCGI−Sスコアは、クラリスロマイシンで患者2を治療したときと比較して、PTZ投与の一週間後、より改善したことが分かった。
本明細書中に記載された実施例は、実施形態を作るおよび使用するための方法の、完全な開示および記載を、当業者に与えるために提供されており、上記実施例は、開示の範囲に限定することを意図されていない。当業者に明らかである開示を実行するための上述された形態の改変は、下記クレームの範囲内であることを意図される。
この明細書中に記載されたすべての出版物、特許、および特許出願は、まるで各々そのような出版物、特許、または特許出願が、参照によって本明細書中に組み込まれるために、具体的に、および個別に指示されるように、参照によって本明細書中に組み込まれる。

Claims (38)

  1. 対象において過眠症を治療するための方法であり、
    上記方法は、過眠症を有する上記対象に、ペンチレンテトラゾール(PTZ)を投与することを含み、
    ここでは、上記投与は上記過眠症を治療するために有効である、方法。
  2. 上記PTZは、少なくとも毎日一度、少なくとも五日間連続で投与される、請求項1の方法。
  3. 上記PTZアンタゴニストは、一日一度、一日二度、一日三度、または一日四度投与される、請求項1の方法。
  4. 上記PTZは、約1mgから1,500mgの投与量で投与される、請求項1の方法。
  5. 上記PTZは、約5mgから1,000mgの投与量で投与される、請求項1の方法。
  6. 上記PTZは、約10mgから800mgの投与量で投与される、請求項1の方法。
  7. 上記PTZは、約25mgから600mgの投与量で投与される、請求項1の方法。
  8. 上記PTZは、約25から25,000ng/mlの平均Cmaxを達成するために十分な投与量で投与される、請求項1の方法。
  9. 上記PTZは、約50から20,000ng/mlの平均Cmaxを達成するために十分な投与量で投与される、請求項1の方法。
  10. 上記PTZは、約100から15,000ng/mlの平均Cmaxを達成するために十分な投与量で投与される、請求項1の方法。
  11. 上記PTZは、約500から10,000ng/mlの平均Cmaxを達成するために十分な投与量で投与される、請求項1の方法。
  12. 上記PTZは、約1,000から8,000ng/mlの平均Cmaxを達成するために十分な投与量で投与される、請求項1の方法。
  13. 上記PTZは、約3,000から6,000ng/mlの平均Cmaxを達成するために十分な投与量で投与される、請求項1の方法。
  14. 上記PTZは、上記対象の夜間の睡眠に先立って、または、上記対象の夜間の睡眠の間に投与される、請求項1の方法。
  15. 上記PTZは、上記対象の朝の目覚めの期間に先立って、または、上記対象の朝の目覚めの期間に投与される、請求項1の方法。
  16. 上記Cmaxは、脳において達成される、請求項1の方法。
  17. 上記PTZは、経口製剤で投与される、請求項1の方法。
  18. 上記PTZは、遅延放出製剤で投与される、請求項1の方法。
  19. 上記遅延放出製剤は、投与の時間から、30分後から12時間後まで、脳におけるPTZの最高濃度を延期する、請求項18の方法。
  20. 上記遅延放出製剤は、上記対象の夜間の睡眠の間に、または、上記対象の朝の目覚めの期間に、PTZを放出する、請求項18の方法。
  21. 上記PTZは、持続放出製剤で投与される、請求項1の方法。
  22. 上記持続放出製剤は、投与後、30分間から12時間、上記PTZの治療的有効投与量を維持する、請求項21の方法。
  23. 上記PTZは、約500nghr/mLから150,000nghr/mLのAUCを達成するために調剤される、請求項1の方法。
  24. 上記PTZは、約1,000nghr/mLから100,000nghr/mLのAUCを達成するために調剤される、請求項1の方法。
  25. 上記PTZは、約5,000nghr/mLから50,000nghr/mLのAUCを達成するために調剤される、請求項1の方法。
  26. 上記PTZは、約10,000nghr/mLから20,000nghr/mLのAUCを達成するために調剤される、請求項1の方法。
  27. 上記PTZは、約1,000nghr/mLから50,000nghr/mLのAUCを達成するために調剤される、請求項1の方法。
  28. 上記対象はヒトである、請求項1の方法。
  29. 上記過眠症を有する上記対象の脳脊髄液(CSF)は、上記過眠症を有さない対象の上記CSFと相対的に、高水準の内在性ポジティブGABA受容体アロステリック調節物質を含む、請求項1の方法。
  30. 上記過眠症候群(hypersomnia symdrome)は、上記対象における内在性ポジティブアロステリックGABA受容体調節物質によって仲介される、請求項1の方法。
  31. 上記過剰睡眠は、原発性過眠症である、請求項1の方法。
  32. 上記過眠症は、特発性過眠症、反復性過眠症、交代勤務睡眠障害、下肢静止不能症候群、夜間ジストニア、夜間運動障害、クライン−レヴィン症候群、パーキンソン病、過剰な眠気、閉塞性睡眠時無呼吸、REM行動障害、エンドゼピン関連性反復性昏迷(endozepine related recurrent stupor)、前頭葉性夜間ジストニア(frontal nocturnal dystonia)、夜間運動障害、ナルコレプシーおよびアンフェタミン抵抗性過眠症(amphetamine resistant hypersomnia)からなる群から選択される型である、請求項1の方法。
  33. 上記過眠症は、特発性過眠症である、請求項1の方法。
  34. 上記過眠症は、カタプレキシーを伴わないナルコレプシーである、請求項1の方法。
  35. 上記過眠症は、カタプレキシーを伴うナルコレプシーである、請求項1の方法。
  36. 過眠症を有する上記対象は、スタンフォード眠気尺度(SSS)、エプワース眠気尺度(ESS)、睡眠潜時反復(MSL)検査、覚醒維持検査(MWT)、客観的精神運動警戒タスク(objective psychomotor vigilance tasks)(PVT)、睡眠機能転帰質問票(Functional Outcomes of Sleep Questionnaire)(FOSQ)、多角的疲労評価尺度(Multidimensional Fatigue Inventory)(MFI)、重症度の臨床的全般印象度(Clinical Global Impression of Severity)(CGI−S)、改善度の臨床的全般印象度(Clinical Global Impression of Change)(CGI−C)、ベックうつ病質問票(Beck Depression Inventory)(BDI−II)、自己報告性の頭が朦朧とすることのスコア(self-reported fogginess scores)、自己報告性憂鬱スコア(self-reported mood scores)、または自己報告性眠気スコア(self-reported sleepiness scores)、に基づいて評価される、請求項1の方法。
  37. 過眠症を有する上記対象は、上記ESSについて少なくとも約3点、MWTにおける入眠潜時(SOL)に対して少なくとも約2分間、上記FOSQについて少なくとも約8点、一つ以上のMFI尺度について少なくとも約4点、CGI−SもしくはCGI−Cについて少なくとも1点、上記BDI−IIについて少なくとも約4点、または、自己報告性の頭が朦朧とすることのスコアについて、少なくとも約1.0点、の差で改善する、請求項35の方法。
  38. PTZは、毎日二度、100mgの投与量で、少なくとも一週間の期間、投与される、請求項1の方法。
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