JP2017511244A - 患者の体温を制御する装置、システム及び方法 - Google Patents

患者の体温を制御する装置、システム及び方法 Download PDF

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Abstract

好ましくは注入針として構成された注入デバイスと、好ましくは熱交換器を備える血管内カテーテル又はパッドとして構成された、熱交換器を備えるさらなる体温適応デバイスとに接続されているか又は接続可能である、体温を適応させる装置であって、使用中、注入デバイス及びさらなる体温適応デバイスは、患者に注入可能な流体及びさらなる体温適応デバイス内の熱交換を目的とした流体が通って流れる流体回路部分、注入デバイスの注入及びさらなる体温適応デバイスの熱交換を制御することにより体温を制御するように構成されるコントローラ、並びに/又は体温を適応させるために流体を提供する流体供給部を共有する。【選択図】 図1

Description

開示される技術は、患者の体温を制御するか又は制御を補助するデバイス及び方法に関する。
患者の体温を制御するためのいくつかの技術が公知である。例えば、患者の表面を、例えば、氷、水、又はゲルを含んだ使い捨てパッドを用いて加温又は冷却することにより患者の体温を制御することが知られている。その他のデバイスは、公知のパッドシステム等の温度制御パッドを用いる。
表面冷却に基づくデバイスは、いくつかの利点を提供する。表面ベースの冷却方法は、使用が比較的簡単である。アイスパッドは、ほぼどこでも、例えば医学的なプライマリーケアの間救急車内で使用できる。表面ベースの治療デバイスは比較的安価である。さらに、当該デバイスは侵襲的ではなく、準備中に時間のかかる工程を伴わずに適用が容易である。他方で、これらの方法/デバイスには特定の欠点もある。例えば、表面冷却は、平均的な患者に対して0.3〜1.0℃/時で変動する比較的小さな冷却速度にしか到達しない(Kollmarら、Therapeutische Hypothermic-Prinzip,Indikationen, praktische Anwendung, Unimed-Verlag 2011年参照)。さらに、長期にわたるアイスパッドを用いた患者の治療は、より大きな人件費に関連し、皮膚炎をもたらすことがある。
使い捨てアイスパッドを使用することはさらに、これらの予め冷却されたアイスパッドは治療中定期的に供給/交換する必要があるため物流面での労力をより多く必要とする。加えて、使い捨てアイスパッドは、使い捨てアイスパッドの冷却速度が治療中絶えず変化するため、経験豊かな臨床スタッフを必要とする。このことは、臨床スタッフが患者の実際の体温を定期的にモニタすることを必要とし、またそれに従ってアイスパッドを適応させる必要があることを意味する。比較的小さな冷却速度故に、冷却治療の終了時に患者の復温を効果的に制御することはかなり難しい。このことは特に、絶えず変化する冷却速度を有する使い捨てアイスパッドに当てはまる。表面ベースの体温制御方法を使用することは、患者を過冷却する相当なリスクをさらに負うことがある。このことは、不整脈、凝固障害、及び感染リスクの増加を含む重篤な合併症をもたらすことがある。他方では、このような過冷却を避けるために、臨床スタッフは十分な外部冷却を提供しないことがあり、患者が所望の標的体温に到達せず不良な治療結果に至る。加えて、公知の従来技術の温度制御された表面温度制御デバイスは一般に、臨床スタッフにとって患者へのアクセスが減少する傾向がある。
熱交換器を備えた血管内カテーテルを用いて患者の体温を制御することも公知である。このようなカテーテルは一般に、患者からの体温フィードバックを使用してコントローラにより制御される。
血管内カテーテルは同等に高価である。血管内カテーテルは、侵襲的なカテーテルを患者の体内に適用する経験豊かな臨床スタッフを必要とし得る。カテーテルによる温度制御デバイスの準備は、比較的複雑で時間がかかる。このようなデバイスは一般に、医学的なプライマリーケアのために、例えば救急車内で使用するために適応される。約1.5℃/時の冷却速度は、血管内冷却カテーテルにより得られる可能性がある。
患者の体温を制御する第3の方法は、温度制御された流体の注入に基づく。欧州特許出願公開第2203136号は、生理食塩水等の温度制御された流体の注入によって患者の体温を調節又は安定化する装置及び方法を開示している。流体を注入することによる患者の冷却は最大冷却速度を可能とする。例えば、約30ml/kg注入した場合には最大3.2℃/時の冷却速度を得ることができる。したがって、体重が70kgの平均的な患者は、約2.1リットルの低温注入流体の注入により1時間以内に37℃から34℃まで冷却されることになる。冷却デバイスの準備は比較的簡単で迅速である。準備はまた、医学的なプライマリーケアのために救急車内でも行うことができる。カテーテルの冷却と比較して、注入流体を加えることは比較的安価で非常に効果的である。その他の従来技術と比較して、温度制御された流体の注入は、特に従来技術である血管内冷却カテーテルと比較した場合に、患者の体温の大きな変化速度を達成するには最も適切な技術である。
特定の最小注入体積が特定の患者にとっては有益であるが、過剰な注入体積は患者の健康状態に悪影響を与えることがある。患者に注入可能な注入流体の最大体積は制限される。患者に注入してもよい注入流体の最大体積は種々の生理学的因子に依存し、患者毎に変化する。1日当たりの患者に供給されてもよい注入流体の最大体積Vmax(以後、注入流体の最大「量」とも呼ぶ)は、腎機能又は心臓関連の制限によって影響/制限され得る。1日当たりの最大注入体積量は、一般的に、臨床スタッフが既往歴を尋ねてから設定される。許容可能な最大注入体積は、例えば、1日当たり注入流体5〜6リットルであろう。腎機能が低下した患者には、最大体積Vmaxは1日当たり2〜3リットルと少なくなり得る。
国際公開第2006/091284号は、患者を冷却するシステムについて開示している。システムは、静脈内熱交換カテーテル、外部冷却パッド及びバッグ、並びに冷却した生理食塩水を注入するための経路を備える。生理食塩水は、カテーテル及び/又はパッドを患者に係合するのを待っている間、患者の血流へと注入される。生理食塩水の直接的な注射は、熱交換カテーテル又は外部冷却パッドが設置されたときに終了する。その後の人工低体温は、熱交換カテーテル又は外部冷却パッドを使用してもたらされる。
国際公開第02/098483号は、患者を冷却するように構成された血管内カテーテルについて開示している。
開示される技術は、患者の体温を制御するか又は制御を補助することに関する。このことは、患者の加温及び/又は冷却(低体温療法又は人工低体温法)と一般に呼ぶ。以後主に能動的に患者を冷却する場合について記述する。しかしながら、当該技術は患者を能動的に加温することにも等しく適用される。
さまざまな疾病構造のために、できる限り速く患者をまず冷却し、例えば、できるだけ早く人工低体温による神経障害を低減又は防止することが必要とされている。本発明の目的は、従来技術の前述の欠点を克服又は改善し、また患者の体温を制御するための改善された及び/又は代替的な及び/又は追加の方法又はデバイス提供することである。本発明の目的は、体温の制御精度が向上した体温を制御する装置及び方法を提供することである。すなわち、例えば、生理的状態を変化させる場合に、所望の標的体温からの体温のずれに対して迅速かつ確実に反応できることが所望される。
本発明のさらなる目的は、注入される体積が臨床医によって選択可能な体温制御装置及び方法を提供することである。さらなる好ましい目的は、特定の体温治療のために注入される体積を最小限に抑えることを可能にする体温制御装置及び方法を提供することである。本発明のさらなる目的は、低コストで体温を制御する装置及び方法を提供することである。さらなる目的は、使いやすさを向上させることと、体温制御機器の準備時間を短くすることである。
本発明の基礎にある目的(複数可)は特に、独立クレーム及び態様に規定される特徴により解決される。従属クレーム及び態様は、本発明の好ましい実施形態に関連する。さらなる追加の及び/又は代替的な態様が以下で論じられる。
1.少なくとも2つの異なる体温適応デバイス(200、300)を制御することにより体温(T)を制御するように構成されたコントローラ(100)を備える体温(T)を制御する装置であって、
1つの体温適応デバイスは注入デバイス(200)であり、
少なくとも1つのさらなる体温適応デバイス(300)は、1つの体温適応デバイスとは異なっており、好ましくは注入デバイスではない、装置。
注入デバイスである1つの体温適応デバイスは、好ましくは、血液/血液製剤と、流体注入システムとを包含しており、及び/又は好ましくは、例えば、生理食塩水又はリンゲル液のようなその他の平衡流体を注入する注入システムである。
2.注入デバイス(200)は、患者の血液回路に、体温(T)とは異なる温度を有するある体積の流体を追加するように構成される、クレーム1に記載の装置。
3.注入デバイス(200)は、流体の体積流量及び/又は体温を変更するように構成される、クレーム1又は2に記載の装置。
4.さらなる体温適応デバイス(300)は、体積ニュートラルな体温適応デバイスである、クレーム1〜3のいずれか一項に記載の装置。
5.さらなる体温適応デバイス(300)は熱交換に基づく、クレーム1〜4のいずれか一項に記載の装置。
6.さらなる体温適応デバイス(300)は、温度適応パッド、冷却ベスト、被りもの、血管内カテーテル、ガス吸入システム、経鼻蒸発カテーテルシステム、血液温の体外適応、血液加温器、温度適応マットレス及び/又は毛布、人工心肺、温度適応テント、並びに腹膜洗浄システムのうちの少なくとも1つである、クレーム1〜5のいずれか一項に記載の装置。
7.コントローラ(100)は、注入デバイス(200)及び少なくとも1つのさらなる体温適応デバイス(300)を同時に制御することにより体温(T)を制御するように構成される、クレーム1〜6のいずれか一項に記載の装置。
8.コントローラ(100)は、注入デバイス(200)及び少なくとも1つのさらなる体温適応デバイス(300)を選択的に操作するように構成される、クレーム1〜7のいずれか一項に記載の装置。
9.コントローラ(100)は、注入デバイス(200)及び少なくとも1つのさらなる体温適応デバイス(300)を同時に操作するように構成される、クレーム1〜8のいずれか一項に記載の装置。
10.コントローラ(100)は、注入デバイス(200)及び/又は少なくとも1つのさらなる体温適応デバイス(300)を操作して、実際の体温(Tb act)を標的体温(Tb tar)近くで維持する、クレーム1〜9のいずれか一項に記載の装置。
11.コントローラは、実際の体温(Tb act)と標的体温(Tb tar)を比較するように構成される閉ループコントローラである、クレーム1〜10のいずれか一項に記載の装置。
12.コントローラ(100)は、標的治療時間(ttreatment)の間患者に適用される最小体積(Vmin)及び最大体積(Vmax)を考慮して注入デバイス(200)及び/又はさらなる体温適応デバイス(300)を操作するように構成される、クレーム1〜11のいずれか一項に記載の装置。
13.コントローラ(100)は、標的治療時間(ttreatment)の間患者に適用される推定体積(Vest)を推定するように構成される、クレーム1〜12のいずれか一項に記載の装置。
14.推定体積(Vest)は、患者の体重、注入される流体の温度、ボディマス指数、標的体温プロファイル(Tb tar prof)のうちの1つ又は複数の、好ましくはすべてのパラメータに基づいて推定される、クレーム14に記載の装置。
15.コントローラ(100)は、推定体積(Vest)が、最小体積(Vmin)及び最大体積(Vmax)によって規定されそれらを含む範囲内ではない場合に、適応尺度を提案及び/又は変更するように構成され、適応尺度は、最小体積(Vmin)及び/又は最大体積(Vmax)に対して推定体積(Vest)を変更する、クレーム1〜14のいずれか一項に記載の装置。
16.当該尺度は好ましくは、
最小体積(Vmin)及び最大体積(Vmax)によって規定されそれらを含む範囲、
標的体温治療期間の長さの変化を含む、標的体温プロファイル(Tb tar prof new)、
修正済み又は新しい又は推定された体積(Vest new)、
標的体温を満たすための許容誤差範囲、
特にさらなる体温適応デバイス(300)によりなされる温度変化への貢献と相関した、時間の経過と共に注入される流体の体積の配分、
のうちの少なくとも1つの変化をもたらす、クレーム15に記載の装置。
17.コントローラ(100)は、推定体積(Vest)が最大体積(Vmax)を超える場合、短縮された標的治療時間(ttreatment new)を提案及び/又は変更するように構成される、クレーム1〜16のいずれか一項に記載の装置。
18.コントローラ(100)は、推定体積(Vest)が最小体積(Vmin)未満である場合、延長された標的治療時間(ttreatment new)を提案及び/又は変更するように構成される、クレーム1〜17のいずれか一項に記載の装置。
19.コントローラ(100)は、推定体積(Vest)が、最小体積(Vmin)及び最大体積(Vmax)によって規定されそれらを含む範囲内ではない場合に、注入流体の変更された体積流量及び/又は変更された温度を提案及び/又は変更するように構成される、クレーム1〜18のいずれか一項に記載の装置。
20.コントローラ(100)は、推定体積(Vest)が最小体積(Vmin)超に変わるように注入流体の体積流量を増加させ、温度を下げるように構成される、クレーム1〜19のいずれか一項に記載の装置。
21.コントローラ(100)は、推定体積(Vest)が、最小体積(Vmin)及び最大体積(Vmax)によって規定されそれらを含む範囲内になるように、所望の最小体積(Vmin)及び/又は所望の最大体積(Vmax)を変更するようにユーザに要求するように構成される、クレーム1〜20のいずれか一項に記載の装置。
22.コントローラ(100)は、実際の体温(Tb act)が
標的体温(Tb tar)よりも低い第1の下側閾値(Tl1)と、
標的体温(Tb tar)よりも高い第1の上側閾値(Tu1)と
の間であるかを評価するように構成される、クレーム1〜21のいずれか一項に記載の装置。
23.コントローラ(100)は、実際の体温が第1の上側閾値(Tu1)を超える場合、実際の体温(Tb act)を第1の上側閾値よりも低くするように、注入デバイス(200)及び/又はさらなる体温適応デバイス(300)の制御パラメータを操作又は変更するように構成される、クレーム22に記載の装置。
24.コントローラ(100)は、実際の体温が第1の下側閾値(Tl1)未満になった場合、実際の体温(Tb act)が第1の下側閾値を超えるように、注入デバイス(200)及び/又はさらなる体温適応デバイス(300)の制御パラメータを操作又は変更するように構成される、クレーム22又は23に記載の装置。
25.コントローラ(100)は、実際の体温(Tb act)が
第1の下側閾値よりも低い第2の下側閾値(Tl2)と
第1の上側閾値よりも高い第2の上側閾値(Tu2)と
との間であるかを評価するように構成される、クレーム1〜24のいずれか一項に記載の装置。
26.コントローラ(100)は、実際の体温(Tb act)が第2の下側閾値(Tl2)未満になった場合、実際の体温(Tb act)が少なくとも第2の下側閾値を超えるように、注入デバイス(200)及びさらなる体温適応デバイス(300)の制御パラメータを操作又は変更するように構成される、クレーム25に記載の装置。
27.コントローラ(100)は、実際の体温が第2の上側閾値(Tu2)を超える場合、実際の体温(Tb act)を少なくとも第2の上側閾値よりも低くするように、注入デバイス(200)及びさらなる体温適応デバイス(300)の制御パラメータを操作又は変更するように構成される、クレーム25又は26に記載の装置。
28.コントローラ(100)は、好ましくは、推定体積(Vest)が、最小体積(Vmin)及び最大体積(Vmax)によって規定されそれらを含む範囲内ではない場合に、第1及び/若しくは第2の下側閾値並びに/又は第1及び/若しくは第2の上側閾値の異なる値(複数可)を提案並びに/又は変更するように構成される、クレーム1〜27のいずれか一項に記載の装置。
が対応する閾値を有する複数の段階での異なる推定体積に適用できる。
29.第1の下側閾値及び第1の上側閾値は第1の標的体温許容誤差範囲(Ra)を規定し、及び/又は第2の下側閾値及び第2の上側閾値は第2の標的体温許容誤差範囲を規定する、クレーム1〜28のいずれか一項に記載の装置。
30.コントローラ(100)は、好ましくは推定体積(Vest)が最大体積(Vmax)を超える場合、第1及び/又は第2の標的体温許容誤差範囲の増加を提案又は増加させるように構成される、クレーム29に記載の装置。
31.コントローラ(100)は、好ましくは推定体積(Vest)が最小体積(Vmin)を超える場合、第1及び/又は第2の標的体温許容誤差範囲の減少を提案又は減少させるように構成される、クレーム1〜30のいずれか一項に記載の装置。
32.コントローラ(100)は、注入デバイス(200)及び/又はさらなる体温適応デバイス(300)の制御感度(S200、S300)を推定するように構成される、クレーム1〜31のいずれか一項に記載の装置。
33.注入デバイス(200)及び/又はさらなる体温適応デバイス(300)の制御感度(S200、S300)は事前設定される、クレーム32に記載の装置。
34.コントローラ(100)は、注入デバイス(200)の第1の制御感度(S200−1)で注入される流体の少なくとも1つの第1の推定体積部分(Vest 1)を推定するように構成され、コントローラ(100)は、注入デバイス(200)の第2の制御感度(S200−2)で注入される流体の少なくとも1つの第2の推定体積部分(Vest 2)を推定するように構成され、第1の制御感度(S200−1)は第2の制御感度(S200−2)よりも高い、クレーム1〜33のいずれか一項に記載の装置。
35.第1の推定体積部分(Vest 1)及び第2の推定体積部分(Vest 2)の合計は推定体積(Vest)である、クレーム34に記載の装置。
36.コントローラ(100)は、注入デバイス(200)が第2の制御感度(S200−2)で動作するか又は動作している期間中、さらなる体温適応デバイス(300)を少なくとも部分的にだけ操作するか又は少なくとも部分的にだけ操作することを提案するように構成される、クレーム34及び35に記載の装置。
例えば、コントローラは、人工冷却治療の加温期間中に少なくとも部分的にパッド300のみを操作できる。
37.コントローラ(100)は、推定体積(Vest)が最大体積(Vmax)を超えている場合に、変更された推定体積(Vest new)が最大体積(Vmax)以下になるように、注入デバイス(200)が第2の制御感度(S200−2)で動作するか又は動作している期間中、さらなる体温適応デバイス(300)を少なくとも部分的にだけ操作することを提案及び/又は少なくとも部分的にだけ操作する、クレーム36に記載の装置。
38.コントローラ(100)は、注入デバイス(200)が第1の制御感度(S200−1)で動作するか又は動作している期間中、少なくとも注入デバイス(200)を操作することを提案及び/又は操作するように構成される、クレーム34〜36のいずれか一項に記載の装置。
例えば、コントローラは、人工冷却治療の冷却期間中に注入デバイス200を操作することを提案できる。
39.コントローラ(100)は、推定体積(Vest)が第1の推定体積部分(Vest 1)及び最大体積(Vmax)によって規定されそれらを含む範囲内にある場合に、注入デバイス(200)が第1の制御感度(S200−1)で動作するか又は動作している期間中、少なくとも注入デバイス(200)を操作することを提案及び/又は操作する、クレーム38に記載の装置。
例えば、コントローラは、人工冷却治療の加温のためにパッド300を使用している間、十分な流体が注入される予定である場合、注入流体で冷却することを提案又は冷却できる。
40.コントローラ(100)は、推定体積(Vest 1)が第1の推定体積部分(Vest 1)を超えない場合、注入デバイス(200)が第1又は第2の制御感度(S200−1、S200−2)で動作するか又は動作している期間中、さらなる体温適応デバイス(300)を少なくとも部分的にだけ操作することを提案する、クレーム39に記載の装置。
例えば、注入流体を用いた冷却が好ましいが、パッドによる加温及び冷却が推定体積Vestを最大体積Vmax未満で保つために必要とされる。
41.コントローラ(100)は、実際の体温(Tb act)が第1の上側閾値を超える場合、少なくとも注入デバイス(200)を操作することによって、患者を冷却するように構成される、クレーム1〜40のいずれか一項に記載の装置。
42.コントローラ(100)は、実際の体温(Tb act)が第1の下側閾値未満である場合に、さらなる適応デバイス(300)を少なくとも操作することにより、患者を加温するように構成される、クレーム1〜41のいずれか一項に記載の装置。
43.コントローラ(100)は、治療中患者を冷却するために必要とされる注入される冷却流体の体積(Vest cool)を推定し、及び/又は
治療中患者を加温するために必要とされる注入される加温流体の体積(Vest heating)を推定するように構成される、クレーム1〜42のいずれか一項に記載の装置。
44.冷却流体の体積(Vest cool)及び加温流体の体積(Vest heating)は合わせて推定体積(Vest)になる、クレーム43に記載の装置。
45.コントローラ(100)は、推定体積(Vest)が最大体積(Vmax)を超えているため、推定体積(Vest)が最大体積(Vmax)以下になるように推定体積(Vest)を変更する場合、例えば、加温期間中、実際の体温(Tb act)が第1の下側閾値未満であれば、さらなる体温適応デバイス(300)を少なくとも部分的にだけ操作することを提案及び/又は少なくとも部分的にだけ操作する、クレーム44に記載の装置。
例えば、コントローラは、人工冷却治療の加温期間中に少なくとも部分的にパッド300のみを操作できる。
46.コントローラ(100)は、推定体積(Vest)が冷却流体の体積(Vest cool)及び最大体積(Vmax)によって規定されそれらを含む範囲内にある場合、例えば、冷却期間中、実際の体温(Tb act)が第1の上側閾値を超えていれば、少なくとも注入デバイス(200)を操作することを提案及び/又は操作する、クレーム41〜45のいずれか一項に記載の装置。
例えば、コントローラは、人工冷却治療の加温のためにパッド300を使用している間、十分な流体が注入される予定である場合、注入流体で冷却することを提案又は冷却できる。
47.コントローラ(100)は、推定体積(Vest)が第1の推定体積部分(Vest 1)を超えていない場合に、実際の体温(Tb act)が第1の標的体温許容誤差範囲内でなければ、さらなる体温適応デバイス(300)を少なくとも部分的にだけ操作することを提案及び/又は少なくとも部分的にだけ操作する、クレーム41〜44のいずれか一項に記載の装置。
48.装置は治療を複数の治療段階に分割するように構成され、段階は、
患者を標的治療体温(Tb tar treat)まで冷却する冷却段階(C)、
標的治療体温(Tb tar treat)が一定である保持段階(H)、及び/又は
治療終了時に患者を所望の標的体温Tb tarまで復温する加温段階(W)
のうちの少なくとも1つを含む、クレーム1〜47のいずれか一項に記載の装置。
49.装置は、各段階(C、H、W)に対して以下のパラメータ、すなわち、
各段階(C、H、W)の間注入される推定体積(Vest C、H、W)、
各段階(C、H、W)の間注入される最小体積(Vmin C、H、W)、
各段階(C、H、W)の間注入される最大体積(Vmax C、H、W)、
各段階(C、H、W)の標的体温(Tb tar)よりも低い第1の下側閾値、
各段階(C、H、W)の標的体温(Tb tar)よりも高い第1の上側閾値、
各段階(C、H、W)の第1の下側閾値よりも低い第2の下側閾値、
各段階(C、H、W)の第1の上側閾値よりも高い第2の上側閾値、
各段階(C、H、W)の下側閾値(複数可)及び上側閾値(複数可)により規定される第1及び/若しくは第2の標的体温許容誤差範囲(複数可)、
各段階(C、H、W)の注入デバイス(200)及び/若しくはさらなる体温適応デバイス(300)の制御感度(S200 C、H、W、S300 C、H、W)、
各段階(C、H、W)の注入デバイス(200)の第1の制御感度(S200−1 C、H、W)で注入される流体の第1の推定体積部分(Vest 1)、並びに/又は
各段階(C、H、W)の注入デバイス(200)の第2の制御感度(S200−2 C、H、W)で注入される流体の第2の推定体積部分(Vest 2 C、H、W
のうちの少なくとも1つを導くように構成され、第1の制御感度(S200−1 C、H、W)は第2の制御感度(S200−2 C、H、W)よりも高い、クレーム48に記載の装置。
50.段階(C、H、W)のうちの少なくとも1つの注入される最小体積(Vmin C、H、W)及び/又は最大体積(Vmax C、H、W)はユーザによって事前設定される、クレーム49に記載の装置。
51.コントローラは、段階(C、H、W)のうちの少なくとも1つの最小体積(Vmin)及び最大体積(Vmax)を考慮して注入デバイス(200)及び/又はさらなる体温適応デバイス(300)を操作するように構成される、クレーム49又は50に記載の装置。
52.段階(C、H、W)のうちの1つにおける注入は他よりも優先される、クレーム49〜51のいずれか一項に記載の装置。
53.注入デバイス(200)は、好ましくは少なくとも1つのさらなる体温適応デバイス(300)と一緒に、患者を冷却する冷却段階(C)の間少なくとも動作する、クレーム49〜52のいずれか一項に記載の装置。
54.コントローラ(100)は、注入デバイス(200)及び/又はさらなる体温適応デバイス(300)の体温適応速度(R200、R300)を推定するように構成される、クレーム1〜53のいずれか一項に記載の装置。
55.コントローラ(100)は、注入デバイス(200)及び/又はさらなる体温適応デバイス(300)の体温を上昇させる体温適応速度(R200 heat、R300 heat)を推定するように構成される、クレーム1〜54のいずれか一項に記載の装置。
56.コントローラ(100)は、注入デバイス(200)及び/又はさらなる体温適応デバイス(300)の体温を低下させる体温適応速度(R200 cool、R300 cool)を推定するように構成される、クレーム1〜55のいずれか一項に記載の装置。
57.コントローラ(100)は、注入デバイス(200)及び/又はさらなる体温適応デバイス(300)の体温適応速度(R200、R300)を考慮して、注入デバイス(200)及び/又はさらなる体温適応デバイス(300)を制御するように構成される、クレーム54〜56のいずれか一項に記載の装置。
58.コントローラ(100)は、体温を上昇させる体温適応速度(R200 heat、R300 heat)及び体温を低下させる体温適応速度(R200 cool、R300 cool)を考慮して注入デバイス(200)及びさらなる体温適応デバイス(300)を制御するように構成される、クレーム54〜57のいずれか一項に記載の装置。
59.コントローラ(100)は、注入デバイス(200)及びさらなる体温適応デバイス(300)の体温適応速度(R200、R300)を比較するように構成され、コントローラ(100)は、好ましくは、標的治療時間(ttreatment)の間患者に適用される最小体積(Vmin)及び最大体積(Vmax)を考慮して、最も好ましくは推定体積(Vest)が最小体積(Vmin)及び最大体積(Vmax)によって規定されそれらを含む範囲内になるように、大きな体温適応速度(R200、R300)を有する注入デバイス(200)及びさらなる体温適応デバイス(300)のうちの1つを選択的に操作するように構成される、クレーム54〜58のいずれか一項に記載の装置。
60.注入デバイス(200)及びさらなる体温適応デバイス(300)の体温適応速度(R200、R300)の比較は、体温を上昇させる(R200 heat、R300 heat)ために、また体温を低下させる(R200 cool、R300 cool)ために実施される、クレーム1〜59のいずれか一項に記載の装置。
61.コントローラ(100)は、好ましくは、標的治療時間(ttreatment)の間患者に適用される最小体積(Vmin)及び最大体積(Vmax)を考慮して、最も好ましくは推定体積(Vest)が最小体積(Vmin)及び最大体積(Vmax)によって規定されそれらを含む範囲内になるように、注入デバイス(200)及び/又はさらなる体温適応デバイス(300)の体温適応速度(R200、R300)を変更又は変更することを提案するように構成される、クレーム1〜60のいずれか一項に記載の装置。
62.コントローラ(100)は、さらなる体温適応デバイス(300)よりも注入デバイス(200)の制御及び/又は注入デバイス(200)よりもさらなる体温適応デバイス(300)の制御を優先するように構成される、クレーム1〜61のいずれか一項に記載の装置。
63.コントローラ(100)は、さまざまな治療様式で使用されるように構成される、クレーム1〜62のいずれか一項に記載の装置。
64.コントローラは、治療様式に応じた治療中の実際の体温(Tb act)の制御精度を変更するように構成される、クレーム63に記載の装置。
65.制御精度は、第1及び/又は第2の標的体温許容誤差範囲を変更することによって変更される、クレーム64に記載の装置。
66.制御精度は、注入デバイス(200)及び/又はさらなる体温適応デバイス(300)の感度を変更することによって変更される、クレーム64又は65に記載の装置。
67.高制御精度の治療様式におけるコントローラ(100)は、少なくとも注入デバイス(200)を操作することにより体温を制御し、低制御精度の様式におけるコントローラ(100)は、好ましくは、主にさらなる体温適応デバイス(300)を操作することによって、体温を制御し、高制御精度の治療期間中の制御精度は、低制御精度の期間中よりも高い、クレーム64〜66のいずれか一項に記載の装置。
68.コントローラ(100)は、少なくとも2つの異なる体温適応デバイス(200、300)のうちの少なくとも1つの操作の前に、推定体積(Vest)が、最小体積(Vmin)及び最大体積(Vmax)によって規定されそれらを含む範囲内であるかどうかを確認するように構成される、クレーム1〜67のいずれか一項に記載の装置。
69.コントローラ(100)は、装置の操作中に推定体積(Vest)を推定するように構成される、クレーム1〜68のいずれか一項に記載の装置。
70.コントローラ(100)は、推定体積(Vest)が、最小体積(Vmin)及び最大体積(Vmax)によって規定されそれらを含む範囲内になければ、少なくとも2つの異なる体温適応デバイス(200、300)のうちの少なくとも1つの操作を変更するように構成される、クレーム1〜69のいずれか一項に記載の装置。
71.好ましくは注入針として構成された注入デバイス(200)と、好ましくは熱交換器(310)を備える血管内カテーテル又はパッドとして構成されたさらなる体温適応デバイス(300)とに接続されているか又は接続可能である、好ましくはクレーム1〜70のいずれか一項に記載の体温(T)を適応させる装置であって、
使用中、注入デバイス(200)及びさらなる体温適応デバイス(300)は、
患者に注入可能な流体及びさらなる体温適応デバイス(300)内の熱交換を目的とした流体が通って流れる流体回路部分(700)、
注入デバイス(200)の注入及びさらなる体温適応デバイス(300)の熱交換を制御することにより体温(T)を制御するように構成されるコントローラ(100)、並びに/又は
体温を適応させるために流体を提供する流体供給部(400)
を共有する、装置。
72.注入デバイス(200)及びさらなる体温適応デバイス(300)は、
患者に注入可能な流体及びさらなる体温適応デバイス(300)内の熱交換を目的とした流体の両方の温度を変更するように構成された流体温度適応デバイス(500)、
患者に注入可能な流体及びさらなる体温適応デバイス(300)内の熱交換を目的とした流体のうちの少なくとも1つを圧送するように構成されたポンプ(600)、並びに/又は
ハウジング(800)
を共有する、好ましくはクレーム71に記載の装置。
73.注入デバイス(200)は、患者の血液回路に、体温(T)とは異なる温度を有するある体積の流体を追加するように構成される、クレーム1〜72のいずれか一項に記載の装置。
74.患者に注入可能な流体及びさらなる体温適応デバイス(300)内の熱交換を目的とした流体は、同じ生体適合性流体、好ましくはNaCl又はリンゲル液のようなその他の平衡流体である、クレーム1〜73のいずれか一項に記載の装置。
75.装置と流体接続した注入デバイス(200)及び血管内カテーテル(300)は、異なる位置で血管に適用されるように構成される、クレーム1〜74のいずれか一項に記載の装置。
76.血管内カテーテル(300)は、中心静脈系内に、例えば、大腿部、鎖骨下、又は内頚静脈への挿入を介して適用され、注入デバイス(200)は、周辺位置で、例えば、腕の湾曲部における静脈アクセスに適用される、クレーム1〜75のいずれか一項に記載の装置。
77.装置(100)は、注入デバイス(200)による注入及びさらなる体温適応デバイス(300)による熱交換を選択的及び/又は同時に操作するように構成される、クレーム1〜76のいずれか一項に記載の方法。
78.コントローラ(100)は、注入デバイス(200)による注入及びさらなる体温適応デバイス(300)による熱交換を同時に制御することにより体温(T)を制御するように構成される、クレーム77のいずれか一項に記載の装置。
79.流体の圧力及び/又は温度を測定するように構成された少なくとも1つの測定デバイス(220、320)をさらに備える、クレーム1〜78のいずれか一項に記載の装置。
80.一方(220)は患者に注入可能な流体の圧力及び/又は温度を測定し、もう一方(320)は血管内カテーテル内の熱交換を目的とした流体の圧力及び/又は温度を測定する、2つの測定デバイス(220、320)をさらに備える、クレーム79に記載の装置。
81a.共有コネクタをさらに備え、共有コネクタは、注入手段(200)及びさらなる体温適応デバイス(300)が共有する対応するコネクタとかみ合うように構成される、クレーム1〜80のいずれか一項に記載の装置。
81b.体温適応デバイス500は熱交換器であり、及び/又は流体温度は異なる温度の2つの流体を混合することにより変えられる、クレーム1〜81aのいずれか一項に記載の装置。
82.注入デバイス(200)及びさらなる体温適応デバイス(300)に流体接続されているか又は流体接続可能である、好ましくはクレーム71〜81のいずれか一項に記載の体温(T)を制御する装置であって、
注入デバイス(200)及びさらなる体温適応デバイス(300)は、流体回路部分(700)を共有し、流体回路部分(700)は、少なくとも
患者に注入可能な流体及びさらなる体温適応デバイス(300)内の熱交換を目的とした流体の両方の温度を変更するように構成された流体温度適応デバイス(500)の下流、及び
さらなる体温適応デバイス(300)に配置された熱交換器(310)の上流
に配置された、装置。
83.作動デバイス(900)は共有流体回路部分(700)に配置され、作動デバイス(900)は、作動デバイス(900)に進入する流体流れを、患者に注入可能な流体流れと、さらなる体温適応デバイス(300)内の熱交換を目的とした流体流れとに分割するように構成される、クレーム82に記載の装置。
84.作動デバイス(900)は、制御ユニット(100)から受信した信号に基づいて好ましくは患者に注入可能な流体流れ及び/又は熱交換を目的とした流体流れを調節するように構成されたスイッチ又はバルブである、クレーム82又は83に記載の装置。
85.装置は、共有コントローラ(100)を備え、コントローラ(100)は制御信号を少なくとも流体温度適応デバイス(500)及び作動デバイス(900)に提供する、クレーム71〜84のいずれか一項に記載の装置。
86.共有流体回路部分(700)はさらに、流体温度適応デバイス(500)内に共有流路(P1)を包含する、クレーム71〜85のいずれか一項に記載の装置。
87.共有流体回路部分(700)はさらに、流体温度(500)の上流及び共有流体供給部(400)の下流に配置された共有流路(P2)を包含する、クレーム71〜86のいずれか一項に記載の装置。
88.注入デバイス(200)及びさらなる体温適応デバイス(300)に流体接続されているか又は流体接続可能である、好ましくはクレーム71〜85のいずれか一項に記載の体温(T)を制御する装置であって、注入デバイス(200)及びさらなる体温適応デバイス(300)は、流体温度適応デバイス(500)を共有し、患者に注入可能な流体流れ及びさらなる体温適応デバイス(300)内の熱交換を目的とした流体流れは、流体温度適応デバイス(500)を通って流れる2つの別個の流体流れ(2700、3700)である、装置。
89.流体温度適応デバイス(500)は、2つの別個の流体流れの温度を独立して適応させるように構成される、クレーム88に記載の装置。
90.流体温度適応デバイス(500)は、1つのコントローラ(100)からの少なくとも1つの制御信号に基づいて、2つの別個の流体流れ(2700、3700)の温度を適応させるように構成される、クレーム88又は89に記載の装置。
91.流体温度適応デバイス(500)は、2つの別個の流体流れ(2700、3700)の温度を別個に制御するコントローラ(100)からの少なくとも1つの制御信号に基づいて、2つの別個の流体流れ(2700、3700)の温度を適応させるように構成される、クレーム88、89、又は90に記載の装置。
92.各々が2つの別個の流体流れ(2700、3700)のうちの1つと流体連通している2つの別個の流体供給部(410、420)をさらに備える、クレーム71〜85又は88〜91のいずれか一項に記載の装置。
93.2つの別個の流体供給部(410、420)は、1つの容器(430)に受容され、容器は好ましくは熱的に分離されている、クレーム92に記載の装置。
94.共有コネクタを備え、コネクタはクレーム81に記載の装置の共有コネクタに接続するように構成された共有管類であって、共有管類は、さらなる体温適応デバイス(300)に接続されているか又は接続可能な1つの流路と、注入デバイス(200)に接続されているか又は接続可能な1つの流路とをさらに備える、共有管類。
95.装置へと戻るカテーテル(300)から流れる流路から注入流体の流路をさらに熱的に分離する分離部をさらに備える、クレーム94に記載の共有管類。
96.体温(T)を適応させるシステムであって、
クレーム71〜95のいずれか一項に記載の装置と、
注入デバイス(200)と、
血管内カテーテル(300)と
を備える、システム。
97.クレーム94又は95の共有管類をさらに備える、クレーム96に記載のシステム。
98.注入デバイス(200)は、好ましくは、カテーテル(300)の熱交換部分(310)及び注入デバイス(200)が同じ開口部を通って共に患者の中に挿入可能であるように、血管内カテーテル(300)内又は血管内カテーテル(300)に配置される、クレーム96又は97に記載のシステム。
99.体温センサをさらに備える、クレーム96〜98のいずれか一項に記載のシステム。
100.携帯型メモリデバイスをさらに備える、クレーム96〜98のいずれか一項に記載のシステム。
101.少なくとも2つの異なる体温適応デバイス(200、300)を制御することによって体温(T)を制御するステップを含む、体温(T)を制御する方法であって、
1つの体温適応デバイスは注入デバイス(200)であり、
少なくとも1つのさらなる体温適応デバイス(300)は、1つの体温適応デバイスとは異なっており、好ましくは注入デバイスではない、方法。
注入デバイスである1つの体温適応デバイスは、好ましくは、血液/血液製剤と、流体注入システムとを包含しており、及び/又は好ましくは、例えば、生理食塩水若しくはリンゲル液のようなその他の平衡流体を注入する注入システムである。
102.注入デバイス(200)は、体温(T)とは異なる温度を有するある体積の流体を患者の血液回路に追加する、クレーム101に記載の方法。
103.注入デバイス(200)は流体の体積流量及び/又は温度を変更する、クレーム101又は102に記載の方法。
104.さらなる体温適応デバイス(300)は、体積ニュートラルな体温適応デバイスである、クレーム1〜103のいずれか一項に記載の方法。
105.さらなる体温適応デバイス(300)は熱交換に基づく、クレーム1〜104のいずれか一項に記載の方法。
106.さらなる体温適応デバイス(300)は、温度適応パッド、温度適応テント、血管内カテーテル、ガス吸入、血液温の体外適応、温度適応マットレス及び/又は毛布、人工心肺、及び腹膜洗浄、冷却ベスト、被りもの、血管内カテーテル、経鼻蒸発カテーテルシステム、血液加温器のうちの少なくとも1つである、クレーム1〜105のいずれか一項に記載の方法。
107.注入デバイス(200)及び少なくとも1つのさらなる体温適応デバイス(300)を同時に制御することにより体温(T)を制御するステップをさらに含む、クレーム1〜106のいずれか一項に記載の方法。
108.注入デバイス(200)及び少なくとも1つのさらなる体温適応デバイス(300)を選択的に操作するステップをさらに含む、クレーム1〜107のいずれか一項に記載の方法。
109.注入デバイス(200)及び少なくとも1つのさらなる体温適応デバイス(300)を同時に操作するステップをさらに含む、クレーム1〜108のいずれか一項に記載の方法。
110.注入デバイス(200)及び/又は少なくとも1つのさらなる体温適応デバイス(300)を操作して、実際の体温(Tb act)を標的体温(Tb tar)近くで維持するステップをさらに含む、クレーム1〜109のいずれか一項に記載の方法。
111.コントローラは、実際の体温(Tb act)と標的体温(Tb tar)を比較するように構成される閉ループコントローラである、クレーム1〜110のいずれか一項に記載の方法。
112.標的治療時間(ttreatment)の間患者に適用される最小体積(Vmin)及び最大体積(Vmax)を考慮して注入デバイス(200)及び/又はさらなる体温適応デバイス(300)を操作するステップをさらに含む、クレーム1〜111のいずれか一項に記載の方法。
113.標的治療時間(ttreatment)の間患者に適用される推定体積(Vest)を推定するステップをさらに含む、クレーム1〜112のいずれか一項に記載の方法。
114.推定体積(Vest)は、患者の体重、注入される流体の温度、及びボディマス指数のうちの1つ又は複数の、好ましくはすべてのパラメータに基づいて推定され、リストには、標的体温プロファイル(Tb tar prof)さえも含む、クレーム114の方法。
115.推定体積(Vest)が、最小体積(Vmin)及び最大体積(Vmax)によって規定されそれらを含む範囲内ではない場合に、適応尺度を提案及び/又は変更するステップをさらに含み、適応尺度は、最小体積(Vmin)及び/又は最大体積(Vmax)に対して推定体積(Vest)を変更する、クレーム1〜114のいずれか一項に記載の方法。
116.当該尺度は好ましくは、
最小体積(Vmin)及び最大体積(Vmax)によって規定されそれらを含む範囲、
標的体温治療期間の長さの変化を含む、標的体温プロファイル(Tb tar prof new)、
修正済み又は新しい又は推定された体積(Vest new)、
標的体温を満たすための許容誤差範囲、
さらなる体温適応デバイス(300)によりなされる温度変化への貢献と相関した、時間の経過と共に注入される流体の体積の配分、
のうちの少なくとも1つの変化をもたらす、クレーム115に記載の方法。
117.推定体積(Vest)が最大体積(Vmax)を超える場合、短縮された標的治療時間(ttreatment new)を提案及び/又は変更するステップをさらに含む、クレーム1〜116のいずれか一項に記載の方法。
118.推定体積(Vest)が最小体積(Vmin)未満である場合、延長された標的治療時間(ttreatment new)を提案及び/又は変更するステップをさらに含む、クレーム1〜117のいずれか一項に記載の方法。
119.推定体積(Vest)が、最小体積(Vmin)及び最大体積(Vmax)によって規定されそれらを含む範囲内ではない場合に、注入流体の変更された体積流量及び/又は変更された温度を提案及び/又は変更するステップをさらに含む、クレーム1〜118のいずれか一項に記載の方法。
120.推定体積(Vest)が最小体積(Vmin)超に変わるように注入流体の体積流量を増加させ、温度を下げるステップをさらに含む、クレーム1〜119のいずれか一項に記載の方法。
121.推定体積(Vest)が、最小体積(Vmin)及び最大体積(Vmax)によって規定されそれらを含む範囲内になるように、所望の最小体積(Vmin)及び/又は所望の最大体積(Vmax)を変更するようにユーザに要求するステップをさらに含む、クレーム1〜120のいずれか一項に記載の方法。
122.実際の体温(Tb act)が
標的体温(Tb tar)よりも低い第1の下側閾値(Tl1)と、
標的体温(Tb tar)よりも高い第1の上側閾値(Tu1)と
の間であるかを評価するステップをさらに含む、クレーム1〜121のいずれか一項に記載の方法。
123.実際の体温が第1の上側閾値(Tu1)を超える場合、実際の体温(Tb act)を第1の上側閾値よりも低くするように、注入デバイス(200)及び/又はさらなる体温適応デバイス(300)の制御パラメータを操作又は変更するステップをさらに含む、クレーム22に記載の方法。
124.実際の体温が第1の下側閾値(Tl1)未満になった場合、実際の体温(Tb act)が第1の下側閾値を超えるように、注入デバイス(200)及び/又はさらなる体温適応デバイス(300)の制御パラメータを操作又は変更するステップをさらに含む、クレーム22又は23に記載の方法。
125.実際の体温(Tb act)が
第1の下側閾値よりも低い第2の下側閾値(Tl2)と
第1の上側閾値よりも高い第2の上側閾値(Tu2)と
の間であるかを評価するステップをさらに含む、クレーム1〜124のいずれか一項に記載の方法。
126.実際の体温(Tb act)が第2の下側閾値(Tl2)未満になった場合、実際の体温(Tb act)が少なくとも第2の下側閾値を超えるように、注入デバイス(200)及びさらなる体温適応デバイス(300)の制御パラメータを操作又は変更するステップをさらに含む、クレーム125に記載の方法。
127.実際の体温(Tb act)が第2の上側閾値を超える場合、実際の体温(Tb act)を少なくとも第2の上側閾値よりも低くするように、注入デバイス(200)及びさらなる体温適応デバイス(300)の制御パラメータを操作又は変更するステップをさらに含む、クレーム25又は26に記載の方法。
128.好ましくは、推定体積(Vest)が、最小体積(Vmin)及び最大体積(Vmax)によって規定されそれらを含む範囲内ではない場合に、第1及び/若しくは第2の下側閾値並びに/又は第1及び/若しくは第2の上側閾値の異なる値(複数可)を提案並びに/又は変更するステップをさらに含む、クレーム1〜127のいずれか一項に記載の方法。
同じことが、好ましくは各々が対応する閾値を有する複数の段階での異なる推定体積に適用できる。
129.第1の下側閾値及び第1の上側閾値は第1の標的体温許容誤差範囲(Ra)を規定し、及び/又は第2の下側閾値及び第2の上側閾値は第2の標的体温許容誤差範囲を規定する、クレーム1〜128のいずれか一項に記載の方法。
130.好ましくは推定体積(Vest)が最大体積(Vmax)を超える場合、第1及び/又は第2の標的体温許容誤差範囲の増加を提案又は増加させるステップをさらに含む、クレーム129に記載の方法。
131.好ましくは推定体積(Vest)が最小体積(Vmin)を超える場合、第1及び/又は第2の標的体温許容誤差範囲の減少を提案又は減少させるステップをさらに含む、クレーム1〜130のいずれか一項に記載の方法。
132.注入デバイス(200)及び/又はさらなる体温適応デバイス(300)の制御感度(S200、S300)を推定するステップをさらに含む、クレーム1〜131のいずれか一項に記載の方法。
133.注入デバイス(200)及び/又はさらなる体温適応デバイス(300)の制御感度(S200、S300)は事前設定される、クレーム132に記載の方法。
134.注入デバイス(200)の第1の制御感度(S200−1)で注入される流体の少なくとも1つの第1の推定体積部分(Vest 1)を推定するステップをさらに含み、注入デバイス(200)の第2の制御感度(S200−2)で注入される流体の少なくとも1つの第2の推定体積部分(Vest 2)を推定するステップをさらに含み、第1の制御感度(S200−1)は第2の制御感度(S200−2)よりも高い、クレーム1〜133のいずれか一項に記載の方法。
135.第1の推定体積部分(Vest 1)及び第2の推定体積部分(Vest 2)の合計は推定体積(Vest)である、クレーム34に記載の方法。
136.コントローラ(100)は、注入デバイス(200)が第2の制御感度(S200−2)で動作するか又は動作している期間中、さらなる体温適応デバイス(300)を少なくとも部分的にだけ操作するか又は少なくとも部分的にだけ操作することを提案するステップをさらに含む、クレーム134及び135に記載の方法。
例えば、コントローラは、人工冷却治療の加温期間中に少なくとも部分的にパッド300のみを操作できる。
137.推定体積(Vest)が最大体積(Vmax)を超えている場合に、変更された推定体積(Vest new)が最大体積(Vmax)以下になるように、注入デバイス(200)が第2の制御感度(S200−2)で動作するか又は動作している期間中、さらなる体温適応デバイス(300)を少なくとも部分的にだけ操作することを提案及び/又は少なくとも部分的にだけ操作するステップをさらに含む、クレーム36に記載の方法。
138.注入デバイス(200)が第1の制御感度(S200−1)で動作するか又は動作している期間中、少なくとも注入デバイス(200)を操作することを提案及び/又は操作するステップをさらに含む、クレーム34〜36のいずれか一項に記載の方法。
例えば、コントローラは、人工冷却治療の冷却期間中に注入デバイス200を操作することを提案できる。
139.推定体積(Vest)が第1の推定体積部分(Vest 1)及び最大体積(Vmax)によって規定されそれらを含む範囲内にある場合に、注入デバイス(200)が第1の制御感度(S200−1)で動作するか又は動作している期間中、少なくとも注入デバイス(200)を操作することを提案及び/又は操作するステップをさらに含む、クレーム138に記載の方法。
例えば、コントローラは、人工冷却治療の加温のためにパッド300を使用している間、十分な流体が注入される予定である場合、注入流体で冷却することを提案又は冷却できる。
140.推定体積(Vest)が第1の推定体積部分(Vest 1)を超えない場合、注入デバイス(200)が第1又は第2の制御感度(S200−1、S200−2)で動作するか又は動作している期間中、さらなる体温適応デバイス(300)を少なくとも部分的にだけ操作することを提案するステップをさらに含む、クレーム39に記載の方法。
例えば、注入流体を用いた冷却が好ましいが、パッドによる加温及び冷却が推定体積Vestを最大体積Vmax未満で保つために必要とされる。
141.実際の体温(Tb act)が第1の上側閾値を超える場合、少なくとも注入デバイス(200)を操作することによって、患者を冷却するステップをさらに含む、クレーム1〜140のいずれか一項に記載の方法。
142.実際の体温(Tb act)が第1の下側閾値未満である場合に、さらなる適応デバイス(300)を少なくとも操作することにより、患者を加温するステップをさらに含む、クレーム1〜141のいずれか一項に記載の方法。
143.治療中患者を冷却するために必要とされる注入される冷却流体の体積(Vest cool)を推定し、
及び/又は治療中患者を加温するために必要とされる注入される加温流体の体積(Vest heating)を推定するステップをさらに含む、クレーム1〜142のいずれか一項に記載の方法。
144.冷却流体の体積(Vest cool)及び加温流体の体積(Vest heating)は合わせて推定体積(Vest)になる、クレーム143に記載の方法。
145.推定体積(Vest)が最大体積(Vmax)を超えているため、推定体積(Vest)が最大体積(Vmax)以下になるように推定体積(Vest)を変更する場合、例えば、加温期間中、実際の体温(Tb act)が第1の下側閾値未満であれば、さらなる体温適応デバイス(300)を少なくとも部分的にだけ操作することを提案及び/又は少なくとも部分的にだけ操作するステップをさらに含む、クレーム144に記載の方法。
例えば、コントローラは、人工冷却治療の加温期間中に少なくとも部分的にパッド300のみを操作できる。
146.推定体積(Vest)が冷却流体の体積(Vest cool)及び最大体積(Vmax)によって規定されそれらを含む範囲内にある場合、例えば、冷却期間中、実際の体温(Tb act)が第1の上側閾値を超えていれば、少なくとも注入デバイス(200)を操作することを提案及び/又は操作するステップをさらに含む、クレーム141〜145のいずれか一項に記載の方法。
例えば、コントローラは、人工冷却治療の加温のためにパッド300を使用している間、十分な流体が注入される予定である場合、注入流体で冷却することを提案又は冷却できる。
147.推定体積(Vest)が第1の推定体積部分(Vest 1)を超えていない場合に、実際の体温(Tb act)が第1の標的体温許容誤差範囲内でなければ、さらなる体温適応デバイス(300)を少なくとも部分的にだけ操作することを提案又は少なくとも部分的にだけ操作するステップをさらに含む、クレーム141〜144のいずれか一項に記載の方法。
148.治療を、
患者を標的治療体温(Tb tar treat)まで冷却する冷却段階(C)、
標的治療体温(Tb tar treat)が一定である保持段階(H)、及び/又は
治療終了時に患者を所望の標的体温Tb tarまで復温する加温段階(W)
のうちの少なくとも1つを含む複数の治療段階に分割することを提案するステップをさらに含む、クレーム1〜147のいずれか一項に記載の方法。
149.各段階(C、H、W)に対して以下のパラメータ、すなわち、
各段階(C、H、W)の間注入される推定体積(Vest C、H、W)、
各段階(C、H、W)の間注入される最小体積(Vmin C、H、W)、
各段階(C、H、W)の間注入される最大体積(Vmax C、H、W)、
各段階(C、H、W)の標的体温(Tb tar)よりも低い第1の下側閾値、
各段階(C、H、W)の標的体温(Tb tar)よりも高い第1の上側閾値、
各段階(C、H、W)の第1の下側閾値よりも低い第2の下側閾値、
各段階(C、H、W)の第1の上側閾値よりも高い第2の上側閾値、
各段階(C、H、W)の下側閾値(複数可)及び上側閾値(複数可)により規定される第1及び/若しくは第2の標的体温許容誤差範囲(複数可)、
各段階(C、H、W)の注入デバイス(200)及び/若しくはさらなる体温適応デバイス(300)の制御感度(S200 C、H、W、S300 C、H、W)、
各段階(C、H、W)の注入デバイス(200)の第1の制御感度(S200−1 C、H、W)で注入される流体の第1の推定体積部分(Vest 1)、並びに/又は
各段階(C、H、W)の注入デバイス(200)の第2の制御感度(S200−2 C、H、W)で注入される流体の第2の推定体積部分(Vest 2 C、H、W
のうちの少なくとも1つを導くステップをさらに含み、第1の制御感度(S200−1 C、H、W)は第2の制御感度(S200−2 C、H、W)よりも高い、クレーム148に記載の方法。
150.段階(C、H、W)のうちの少なくとも1つの注入される最小体積(Vmin C、H、W)及び/又は最大体積(Vmax C、H、W)はユーザによって事前設定される、クレーム149に記載の方法。
151.段階(C、H、W)のうちの少なくとも1つの最小体積(Vmin C、H、W)及び最大体積(Vmax C、H、W)を考慮して注入デバイス(200)及び/又はさらなる体温適応デバイス(300)を操作するステップをさらに含む、クレーム149又は150に記載の方法。
152.段階(C、H、W)のうちの1つにおける注入は他よりも優先される、をさらに含む、クレーム149〜151のいずれか一項に記載の方法。
153.注入デバイス(200)は、好ましくは少なくとも1つのさらなる体温適応デバイス(300)と一緒に、患者を冷却する冷却段階(C)の間少なくとも動作する、クレーム149〜152のいずれか一項に記載の方法。
154.注入デバイス(200)及び/又はさらなる体温適応デバイス(300)の体温適応速度(R200、R300)を推定するステップをさらに含む、クレーム1〜153のいずれか一項に記載の方法。
155.注入デバイス(200)及び/又はさらなる体温適応デバイス(300)の体温を上昇させる体温適応速度(R200 heat、R300 heat)を推定するステップをさらに含む、クレーム1〜154のいずれか一項に記載の方法。
156.注入デバイス(200)及び/又はさらなる体温適応デバイス(300)の体温を低下させる体温適応速度(R200 cool、R300 cool)を推定するステップをさらに含む、クレーム1〜155のいずれか一項に記載の方法。
157.注入デバイス(200)及び/又はさらなる体温適応デバイス(300)の体温適応速度(R200、R300)を考慮して、注入デバイス(200)及び/又はさらなる体温適応デバイス(300)を制御するステップをさらに含む、クレーム154〜156のいずれか一項に記載の方法。
158.体温を上昇させる体温適応速度(R200 heat、R300 heat)及び体温を低下させる体温適応速度(R200 cool、R300 cool)を考慮して注入デバイス(200)及びさらなる体温適応デバイス(300)を制御するステップをさらに含む、クレーム154〜157のいずれか一項に記載の方法。
159.注入デバイス(200)及びさらなる体温適応デバイス(300)の体温適応速度(R200、R300)を比較するステップをさらに含み、好ましくは、標的治療時間(ttreatment)の間患者に適用される最小体積(Vmin)及び最大体積(Vmax)を考慮して、最も好ましくは推定体積(Vest)が最小体積(Vmin)及び最大体積(Vmax)によって規定されそれらを含む範囲内になるように、大きな体温適応速度(R200、R300)を有する注入デバイス(200)及びさらなる体温適応デバイス(300)のうちの1つを選択的に操作するステップをさらに含む、クレーム154〜158のいずれか一項に記載の方法。
160.注入デバイス(200)及びさらなる体温適応デバイス(300)の体温適応速度(R200、R300)の比較は、体温を上昇させる(R200 heat、R300 heat)ために、また体温を低下させる(R200 cool、R300 cool)ために実施される、クレーム1〜159のいずれか一項に記載の方法。
161.好ましくは、標的治療時間(ttreatment)の間患者に適用される最小体積(Vmin)及び最大体積(Vmax)を考慮して、最も好ましくは推定体積(Vest)が最小体積(Vmin)及び最大体積(Vmax)によって規定されそれらを含む範囲内になるように、注入デバイス(200)及び/又はさらなる体温適応デバイス(300)の体温適応速度(R200、R300)を変更又は変更することを提案するステップをさらに含む、クレーム1〜160のいずれか一項に記載の方法。
162.さらなる体温適応デバイス(300)よりも注入デバイス(200)の制御及び/又は注入デバイス(200)よりもさらなる体温適応デバイス(300)の制御を優先するステップをさらに含む、クレーム1〜161のいずれか一項に記載の方法。
163.異なる治療様式で操作するステップをさらに含む、クレーム1〜162のいずれか一項に記載の方法。
164.治療様式に応じた治療中の実際の体温(Tb act)の制御精度を変更するステップをさらに含む、クレーム63に記載の方法。
165.制御精度は、第1及び/又は第2の標的体温許容誤差範囲を変えることによって変更される、クレーム64に記載の方法。
166.制御精度は、注入デバイス(200)及び/又はさらなる体温適応デバイス(300)の感度を変更することによって変更される、クレーム164又は165に記載の方法。
167.高制御精度の治療様式において、体温は少なくとも注入デバイス(200)を操作することにより制御され、低制御精度の様式において、体温は、好ましくは、主にさらなる体温適応デバイス(300)を操作することによって制御され、高制御精度の治療期間中の制御精度は、低制御精度の期間中よりも高い、クレーム164〜166のいずれか一項に記載の方法。
168.少なくとも2つの異なる体温適応デバイス(200、300)のうちの少なくとも1つの操作の前に、推定体積(Vest)が、最小体積(Vmin)及び最大体積(Vmax)によって規定されそれらを含む範囲内であるかどうかを確認するステップをさらに含む、クレーム1〜167のいずれか一項に記載の方法。
169.方法の操作中に推定体積(Vest)を推定するステップをさらに含む、クレーム1〜168のいずれか一項に記載の方法。
170.推定体積(Vest)が、最小体積(Vmin)及び最大体積(Vmax)によって規定されそれらを含む範囲内になければ、少なくとも2つの異なる体温適応デバイス(200、300)のうちの少なくとも1つの操作を変更するステップをさらに含む、クレーム1〜169のいずれか一項に記載の方法。
開示される体温Tを制御する装置はコントローラを備えることができる。コントローラは、少なくとも2つの異なる体温適応手段又は体温適応デバイスを制御することにより体温Tを制御するように構成され得る。1つの体温適応デバイスは注入手段又は注入デバイスであることが好ましい。少なくとも1つのさらなる体温適応デバイスは、1つの体温適応デバイスとは異なることが好ましく、注入デバイスではないことがより好ましい。注入デバイスは、好ましくは、血液/血液製剤及び/若しくは流体注入システムを包含しており、並びに/又は好ましくは、例えば、生理食塩水若しくはリンゲル液のようなその他の平衡流体を注入する注入システムである。
注入デバイスは、患者の血液回路に、体温T、より詳細には身体の血液とは異なる温度を有してもよいある体積の流体を追加することによって、体温を適応させるように構成される。血液及び追加の流体の混合により、患者の血液の温度、したがって体温の変化がもたらされる。注入デバイスは、注入される流体を提供する装置であってもよい。注入デバイスは、流体の体積流量及び/又は体温を変更するように構成できる。このようなデバイスは、例えば、特許出願の欧州特許出願公開第2514453号に開示されている。欧州特許出願公開第2514453号は、実際の温度及び患者の生理学的状態を表す少なくとも1つの追加のパラメータを考慮した装置を開示した。上述のパラメータを考慮したこの装置の開示は、参照することにより本願に組み込まれる。国際公開第2009/056640号は、注入デバイスによって注入される流体の体積及び/又は温度制御を開示する。注入される流体の体積及び/又は温度制御はここで、参照することにより組み込まれる。欧州特許出願公開第2698182号は、注入デバイスにより注入される医療用液体の温度を調節する詳細な方法を開示する。この文書の請求項1及び明細書の関連する部分に明細に記される方法もまたここで参照することにより組み込まれる。
少なくとも1つのさらなる体温適応デバイスは体積ニュートラルなデバイス又は手段であってもよい。すなわち、少なくとも1つのさらなる体温適応デバイスは、血液量を変えることなく体温を変えるように構成される。血液量は、患者の脈管内の流体体積として考えられる。体積ニュートラルとは、患者の体温を適応させる間、デバイスが追加の液体体積を患者に提供しないことを意味する。少なくとも1つのさらなる適応デバイスは熱交換に基づくデバイスであってもよい。熱交換は、皮膚で、中空器官において、及び/又は血管等を含む体腔で起こり得る。熱交換は、例えば、対流及び/又は伝導による熱伝達に基づいていてもよい。例えば、デバイスは、患者の表面、例えば、患者の皮膚と作用し合うことができ、又は血管内カテーテルは、カテーテル周りで流れる血液と熱を交換する熱交換器を備えることができる。本願との関係においては、熱交換は、注入手段が使用されるときに起こると考えられる流体の混合を含まない。
熱交換に基づく体温適応デバイスは、好ましくは患者の皮膚に適用される温度適応パッド、冷却ベスト、被りもの、血管内カテーテル、ガス吸入、経鼻蒸発カテーテルシステム、血液温の体外適応、温度適応マットレス及び/又は毛布、温度適応テント、人工心肺、腹膜洗浄システム、血液及び流体加温器等のうちの少なくとも1つを含むことができる。
コントローラは、注入デバイス及び少なくとも1つのさらなる体温適応デバイスを同時に制御することにより体温Tを制御するように構成され得る。コントローラは、好ましくは、注入デバイス及び少なくとも1つのさらなる体温適応デバイスを選択的に又は同時に操作するように構成される。
注入デバイス及び/又はさらなる体温適応デバイスの操作は、当該手段の1つ又は複数のパラメータを調節することを含む。注入デバイスのパラメータは、注入パラメータ、例えば、注入される液体の温度及び/又は体積流量である。少なくとも1つのさらなる体温適応デバイスのパラメータは、例えば、熱交換器の表面温度である。この表面温度は、例えば熱交換器内の流体流れを介して、間接的に制御され得る。別のパラメータは、さらなる体温適応デバイスの関係する/能動的な表面であり得る。パラメータの適応は、注入デバイス及び/又はさらなる体温適応デバイスのさらなるコントローラ(複数可)と連携して行うこともできる。すなわち、コントローラは、制御信号をデバイスに提供することによって少なくとも2つの体温適応デバイスの操作を連続的に制御する能力を有する。コントローラは選択的に体温適応デバイスのうちの1つのみを操作することを選択できるが、同時に両方のデバイスを制御するように構成され得る。制御信号は、少なくとも2つの体温適応手段のアクチュエータが作動するような任意の種類の好適な信号であってもよい。コントローラは、注入デバイス及び/又は少なくとも1つのさらなる体温適応デバイスを操作して、実際の体温Tb actを標的又は公称又は設定値の体温Tb tar近くで維持できる。
コントローラは、標的治療時間の間患者に適用される最小体積及び最大体積を考慮して注入デバイス及び/又はさらなる体温適応デバイスを操作するように構成され得る。コントローラは、何が適当であると考えられるかによって注入デバイス及びさらなる手段を使用することにより、温度を適応させることができる。例えば、注入体積が臨界であり、さらなる適応デバイスが適当であると考えられる場合、少なくとも主にさらなる適応デバイスを使用できる。そうする際、体積は臨界レベル未満で維持され、患者の苦痛は少なくなり得る。注入体積が最大体積Vmaxと近い場合でも、治療の緊急停止を避けることができる。最小体積Vmin及び/又は最大体積Vmaxは、好ましくは準備中に使用者により規定できる。代替的に又は加えて、最小体積Vmin及び/又は最大体積Vmaxは、例えば、マシンの製造元又はその他の当業者、例えば、医師によって事前設定できる。最小体積Vmin及び/又はVmaxのための値は、治療期間中に変わり得るか、又は変えられ得る。
コントローラは、標的治療時間ttreatment中ずっと又は残りの標的治療時間ttreatmentの間、患者に適用/注入される推定体積Vestを推定又は算出又は導くように構成される。すなわち、コントローラは、治療前に、標的治療時間全体の以下でさらに論じられる所望の温度プロファイルに対する推定体積を推定するように構成され得る。コントローラは、治療中に、例えば、初期推定値が患者の治療に対する反応と一致していないため、それまでに実際の注入体積と推定体積との間に差が出る場合に、推定体積Vestを推定するか又は推定体積のVestの推定値を更新するようにさらに構成される。推定値は、選択した治療様式、患者の体重、注入される流体の温度、ボディマス指数のうちの1つ又は複数の、好ましくはすべてのパラメータに基づくことができる。最終的には、標的体温プロファイルもまた推定値の基礎を成し得る。治療前に、コントローラは、前述のパラメータの標的又は仮定初期値を使用して初期推定体積Vestを推定できる。治療開始後、コントローラは、パラメータ及び推定体積の実際の値と初期の又は現在の推定値とを比較するように構成され得る。(有意な)差が、例えば治療に対する患者の反応及び/又はユーザ入力により生じると、コントローラは推定体積を更新/適応できる。コントローラは、定期的に、より好ましくは進行中に推定値を更新するように構成されることが好ましい。コントローラは、更新された推定値から制御信号を提案及び/又は導くように構成され得る。すなわち、コントローラは、推定体積又は推定体積に影響を及ぼすパラメータの少なくとも1つの更新された推定値に基づいて少なくとも2つの異なる体温適応デバイスを制御できる。装置は、コントローラ操作及びコントローラにより導かれた推定値がユーザ入力により無効にできるように構成される。例えば、ユーザは、患者の全身の生理学的状態を改善するために注入される最小体積を規定できる。例えば、適用される有効最大体積は傷害の程度に応じて臨床スタッフによって変えることができるが、最小体積は失血に苦しんだ患者が必要とし得る。注入される推定体積等の推定値は、例えば、さまざまな体重の患者、BMI、注入される流体の温度、及び異なる標的体温プロファイルを用いた臨床研究から得た実験データから導くことができる。例えば、推定値はメモリに格納され得る。コントローラは、例えば、多次元マトリックスとして構成されたルックアップテーブル又はデータ欄内の推定値を調べるように構成され得る。その後、ユーザは、患者の特定の値及び所望の治療プロファイルを入力でき、対応するVestがテーブル/マトリックスで調べられるようになる。例えば、原則として、約4℃の冷たさの注入流体を約30ml/kg/時で注入した場合には、最大3.2℃/時の冷却するための体温適応速度を得ることができる。特定の標的体温で患者を保持するために、また治療終了時に患者を正常体温に戻すために、同様の実験で得られた関係を真似ることができる。
コントローラは、注入デバイス及び/又はさらなる体温適応デバイスの体温適応速度を推定するように構成され得る。体温適応速度は、ユーザ入力、例えば、注入デバイス(例えば、流体温度)及び/若しくは少なくとも1つのさらなる体温適応デバイス(例えば、パッドの表面温度)の所望の設定に基づいて、並びに/又はマシンのコアデータに基づいて、例えば市販の公知の製品用のルックアップテーブルを使用して推定され得る。体温適応速度は、少なくとも2つの異なる体温適応デバイスのそれぞれの応答性の尺度である。大きな体温適応速度は、実際の体温の変化に対する迅速な制御応答を意味する。制御応答は式により説明できる。
(1)R=DELTA Tb act/DELTA ttreatment
式中、
Rは体温適応速度であり、
DELTA Tb actは体温の実際の変化であり、
DELTA ttreatmentは、体温の変化が起こった期間である。
或いは、ユーザは体温適応速度を手動で入力してもよく、又は値は製造元により事前設定されていてもよい。コントローラは、少なくとも2つの体温適応デバイスの体温を低下させる体温適応速度を推定するように構成される。例えば、冷却のための体温適応速度は、注入手段による加温よりもかなり高くなり得る。コントローラは、好ましくは、標的治療時間ttreatmentの間患者に適用される最小体積Vmin及び最大体積Vmaxを考慮して、最も好ましくは推定体積Vestが最小体積Vmin及び最大体積Vmaxによって規定されそれらを含む範囲内になるように、注入デバイス及び/又はさらなる体温適応デバイスを変更又は変更することを提案するように構成され得る。例えば、適応速度は、流体温度及び/又はパッドの表面の温度を変えることによって変更できる。良好な制御品質を有しながら体積を最適化するための2つの手段があり得る。
1.最良の適応速度を有する体温適応デバイスを用いること、及び
2.必要とされるか又は望まれる場合、体温適応デバイスの適応速度を適応させること。
本発明は、以下に記述される詳細な説明と、単なる例示として与えられるため、本発明を限定しない添付の図面とによって、より完全に理解される。
コントローラ100を有する装置の概略図である。 標的体温プロファイルTb tar profを示すグラフである。 治療中の実際の体温Tb actの経過を示すグラフである。 図3に示す冷却段階C中の実際の体温Tb actの経過を示すグラフである。 図3に示す維持段階H中の実際の体温Tb actの経過を示すグラフである。 図3に示す復温段階W中の実際の体温Tb actの経過を示すグラフである。 準備及び/又は操作中のプロセスを示すフローチャートである。 体積最適化ステップS30中のプロセスを示すフローチャートである。 注入体積に対するプロセスステップS331、S333、又はS334の影響を示す図である。 注入体積に対するプロセスステップS332の影響を示す図である。 注入体積に対するプロセスステップS333、S334、又はS335の影響を示す図である。 注入体積に対するプロセスステップS335の影響を示す図である。 推定体積の配分を示す図を示す。 共有構成要素を有する装置の概略図である。 共有構成要素を有する装置の概略図である。
図面は人工冷却のための温度プロファイルを示すが、一般に同じ効果が人工加温にも当てはまることに留意されたい。明示的に冷却について述べていても、さらなる考察は人工加熱もまた包含する。
図1はコントローラ100を有する装置の概略図である。ここで、コントローラ100は、注入デバイス200と、ここではハウジング380及びパッド370を備えた温度適応パッドとして構成された少なくとも1つのさらなる体温適応デバイス300との共通のコントローラ100である。注入デバイス200は、注入デバイスハウジング280と、注入デバイスハウジング280に流体接続された注入針270とを備えることができる。注入デバイス200及びパッド300のさらなる構成要素はここでは図示されていない。コントローラ100は、ここでは点線で示されている制御信号を注入デバイス200及びパッド300に提供するように構成され得る。注入ハウジング280及びハウジング380は、装置のハウジング800内に配置され得る。しかしながら、注入デバイス200及び/又は少なくとも1つのさらなる体温適応手段300は、例えば有線及び/又は無線でコントローラ100に操作可能に接続されていれば、装置のハウジング800内に提供されなくてもよいことに注意する。或いは、コントローラ100は、注入ハウジング280及びパッド300のハウジング内に配置され得る。注入デバイス200及び/又は少なくとも1つのさらなる体温適応手段300は、好ましくは少なくとも体温の制御を支援するように構成されたサブコントローラを有し得る。
図2は、標的体温プロファイルTb tar prof対時間を示す。標的体温プロファイルTb tar profは、所望の標的体温の経過と考えることができる。ここで、治療開始から終了にわたる、すなわち、治療時間ttreatmentにわたる所望の標的体温Tb tarのプロファイルを示す。体温の経過、(治療)時間にわたる体温の経過、及び体温プロファイルは、体温の対応する標的又は実際の値の同義語と考えられる。図1は人工冷却のための典型的な治療構成を示す。例えば、患者は最初は37℃の実際の初期体温Tb inを有することができる。
冷却はt=0秒に開始され、正常な又は初期の体温Tb inから所望の標的治療体温Tb tar treatまで患者を冷却する。第1の又は冷却期間t後、患者は標的治療体温Tb tar treat、例えば34℃まで冷却されている。この標的体温は期間t、好ましくは例えば約0.3℃の特定の許容誤差範囲内の誤差範囲で例えば5又は10時間の間維持される。温度は閉ループ制御を使用して比較的一定で保持されてもよい。コントローラは、冷たい又は温かい流体を、好ましくは断続的に注入するように構成され得る。次に患者は治療終了時に、第2の又は復温期間t中、例えば3時間、ここでは例えば37℃の初期体温Tb inと同一温度である標的体温Tb tar endまで復温される。治療は、複数の治療段階C、H、Wに分割できる。段階は例えば、
患者を標的治療体温Tb tar treatまで冷却する冷却段階C、
標的治療体温Tb tarは標的治療体温Tb tar treatとほぼ同一である保持段階H、及び/又は
患者を所望の体温まで復温する加温段階W
であってもよい。
「C」、「H」、及び「W」等の接尾文字を含むパラメータ及び値は、対応する治療段階C、H、Wのために規定されたパラメータ及び値を意味する。全治療時間は
(2)ttreatment=t+t+t
として算出できる。
式中、
は冷却期間であり、
は、体温が好ましくは比較的一定の温度で維持される期間であり、
は復温期間である。
治療中の注入される最大体積は下記式で算出できる。
(3)Vmax=V+V+V+P
式中、
は、患者を標的体温まで冷却するために必要とされる注入流体の体積であり、
は、所望の好ましくは比較的一定の標的体温で体温を維持するために必要とされる注入流体の体積であり、
は、治療終了時に患者を所望の標的体温(例えば、37℃)まで復温するために必要とされる注入流体の体積であり、
は、緩衝又は補足体積である。
最大体積Vmaxは、多くの場合、1日当たりの最大体積として述べられ、例えば、1日当たり6リットルである。補足体積Vは好ましくは復温が速すぎる場合に使用される。すると患者は、最大体積Vmaxを超えることなく注入流体を用いて冷却され得る。補足体積は、可能な最も低い温度、一般的に約4℃である注入流体であることが好ましい。補足体積Vの値は、事前設定された値、好ましくは事前設定されたマシンの値であってもよい。補足値Vを使用して、患者の体温のオーバーシュートを回避又は低減できる。オーバーシュートとは、治療終了時の患者の体温が治療終了で意図されていた標的体温よりも高くなることを意味する(図3参照)。オーバーシュートは重篤な悪影響にもつながり、人工冷却の治療結果を悪化させることがある。コントローラは、以下のパラメータ、すなわち、治療に必要とされる推定体積Vest、最小推定体積Vmin est、最大体積Vmax est、時間tまでの推定体積Vest tのうちの少なくとも1つを推定するように構成され得る。コントローラは、接尾文字「est」を用いて示されるさらなるパラメータを推定するように構成され得る。
図3及び図4に示すように、冷却段階Cの間、コントローラ100は、少なくとも2つの異なる体温適応デバイス200、300を両方が好ましくは最大体温適応(すなわち、冷却)速度で動作するように制御できる。コントローラ100は、ここで、好ましくは実際の体温(Tb act)が標的許容誤差範囲Rac内でないように制御するように構成される。その代わりに、コントローラ100は、連続的に患者を、好ましくは最高速度で冷却するように少なくとも2つの異なる体温適応デバイス200、300を操作する。標的許容誤差範囲Racを規定しないことにより、コントローラは、以下でさらに説明される断続的な操作ができない。コントローラは、できる限り速く患者を冷却するために体温適応デバイスを操作するように構成され得る。図4には、患者の実際の体温に対するさまざまな体温曲線が示される。患者が注入デバイス200のみにより冷却されたと仮定した実際の体温が一点鎖線として示される。点線は、身体がさらなる体温適応デバイス、ここでは血管内カテーテル300のみを使用して冷却された場合の実際の体温の体温曲線を示す。グラフは、大きな体温適応速度R200を有する注入デバイス200が、注入デバイス200の速度R200よりも小さな適応速度R300を有するカテーテル300よりも迅速に患者を冷却するように構成されることを示す。注入デバイス200及びカテーテル300の両方の組み合わせは、患者を初期体温Tb inから所望の標的治療体温Tb tar Hまで冷却するのに必要とされる最良の全体冷却速度及び最短の冷却期間tをもたらす。
図3及び図5に示されるように、体温は期間tの間、所望の標的治療体温Tb tar Hで維持できる。より正確には、体温は、期間tの間、対応する第1の上側閾値Tu1H及び対応する第1の下側閾値Tl1Hにより規定される第1の体温許容誤差範囲Ra1H内で保持される。実際の体温が第1の体温許容誤差範囲内である限り、少なくとも2つの異なる体温適応デバイス200、300はいずれも動作しないことが好ましい。実際の体温が第1の体温許容誤差範囲Ra1H内でなげれば、コントローラ100は、実際の体温を第1の体温許容誤差範囲Ra1Hに戻すために、少なくとも2つの異なる体温適応デバイス200、300のうちの少なくとも1つを能動的に操作する。図4と同様に、点線はカテーテル300のみが動作している場合の体温曲線を示し、一点鎖線は注入デバイス200操作のみの場合の体温曲線を示す。両方の適応デバイスの操作は、体温が1つのみの体温適応手段200、300の操作と比べて比較的短時間で確実に第1の体温許容誤差範囲内の値に達する最良の制御挙動を示す。図5には、第1の下側閾値よりも低い第2の下側閾値Tl2H及び第1の上側閾値よりも高い第2の上側閾値Tu2Hも示される。図5には、実際の体温が、維持期間中に対応する第2の下側閾値Tl2H及び対応する第2の上側閾値Tu2Hによって規定される第2の体温許容誤差範囲Ra2H内にない場合は図示されていない。その場合、コントローラは、実際の体温を素早く第1の体温許容誤差範囲内の値に戻すために、常に注入手段200及びカテーテル300の両方を操作してもよい。体温適応速度は、最高体温適応速度、例えば、毎時1℃未満、好ましくは毎時0.5℃未満、最も好ましくは毎時約0.3℃未満に制限されてもよい。
次に、復温期間tについて図3及び図6を使用してさらに説明する。上で既に示された通り、復温中は患者が熱くなりすぎないように注意が払われるべきである。いかなるオーバーシュートも避けるか又は最小限まで低減すべきである。したがって、復温段階Wのための第1の上側閾値Tu1W及び/又は第2の上側閾値Tu2Wは、標的体温Tb tar Wに近いか又は等しくなるように選択してもよい。すなわち、第1の体温許容誤差範囲Ra1W及び/又は第2の体温許容誤差範囲Ra2Wはここで、標的体温Tb tar W未満の範囲を含むことができる。一般的な制御挙動及び制御設計は、維持段階Hの制御挙動及び制御設計と似ているが、標的体温Tb tar Wが好ましくは、治療終了時へと進むにつれ標的体温Tb tar endへと徐々に増加することが異なる。
したがって、一般的に言えば、標的体温プロファイルTb tar profは、精度が比較的向上したか若しくは体温許容誤差範囲が比較的増大したゾーン若しくはセクション若しくは段階、又は精度が比較的低下したか若しくは体温許容誤差範囲が比較的減少したゾーン若しくはセクションを含み得る標的治療時間にわたる経過である。
上述の制御設計は、下表1に示されるさまざまなシナリオによりさらに説明できる。
Figure 2017511244
図7は準備及び/又は操作中のプロセスを示すフローチャートである。ステップS10では、入力パラメータを設定できる。入力パラメータは、臨床スタッフにより提供されるパラメータであってもよい。入力パラメータは以下のパラメータ、すなわち、注入流体の最小体積Vmin及び最大体積Vmax、ボディマス指数、並びに体重のうちの少なくとも1つを含み得ることが好ましい。加えて、所望の標的体温プロファイルTb tar profを説明するパラメータを使用してもよい。
装置は、所望の標的治療体温Tb tar treat及び所望の全治療時間を含む入力パラメータに基づいて所望の標的体温プロファイルTb tar profを選択又は提案するように構成され得る。標的体温プロファイルTb tar profの冷却段階C、保持段階若しくは維持段階H、及び/又は加温段階Wの標的値は、その他の入力パラメータに基づいて装置により提案されてもよい。或いは、これらの値は、所望の標的体温プロファイルTb tar profを規定するために臨床スタッフによって選択されてもよい。複数の異なる段階C、H、Wの標的値の選択は、臨床研究中に得たデータに基づき、患者の生理学的状態に応じて適応されてもよい。
臨床スタッフは、装置の操作様式を選択できる。1つの第1の治療様式は、高制御精度の様式であり得る。これは、デバイスが少なくとも、好ましくは臨床スタッフが選択したいくつかの段階で、別の様式よりも比較的小さな許容誤差範囲Ra内で体温を制御し、流体体積の体積は比較的小さいことを意味する。向上した制御精度の様式において、コントローラは、少なくとも注入デバイス200を操作することにより体温を制御する。詳細には、人工冷却の間、注入デバイスは、比較的大きな体温適応速度R200及び比較的高い制御感度を提供する。すなわち、この様式では標的体温プロファイルTb tar profにできる限り一致すべきである。
臨床スタッフが選択可能な第2の様式では、コントローラ100は高制御精度の第1の様式と比べて相対的に低い制御精度で動作する。コントローラ100は、好ましくは、主にさらなる体温適応デバイス300を操作することによって、体温を制御する。さらなる体温適応デバイス300は注入体積ニュートラルであるため、注入される注入流体の体積は第1の様式と比べて比較的少なくてもよい。他方では、デバイス300は、注入デバイス200の値と比べて比較的小さな体温適応速度R300及び比較的低い制御感度を提供する。したがって、第2の様式の制御精度は第1の様式と比べて低い。
図7に示されるステップS20では、コントローラ100は、臨床スタッフにより提供された入力データを検証する。コントローラは、複数の段階C、H、Wそれぞれに必要とされる体積VC est、VH est、VW estを推定できる。値は、Vestの推定について上述したように、臨床研究中に得られ、装置に格納されたデータに基づいて推定される。妥当性チェックの出力は、臨床スタッフに提供され、例えば、ヒューマンマシンインタフェースに表示される。
最大体積Vmaxが冷却期間中に注入される推定体積VC est未満である場合、さらなる体温適応手段300は所望の標的体温プロファイルTb tar profを提供できるかどうかを検証できる。装置はその後、治療が注入によって達成できないというフィードバックを提供できる。さらに、コントローラは、さらなる体温適応手段300が好適であるかどうかを知らせることができる。
最大体積Vmaxが推定体積VC estよりも大きい場合、また冷却期間に注入される推定体積VC est及び維持期間中に注入されるVH estの合計が最大体積Vmaxよりも大きい場合、標的パラメータの適応が要求され得る。装置は、患者は注入により冷却できるが、標的治療体温は患者がその体温で維持されるべき期間中ずっと維持することができないという警告を提供できる。注入を用いた復温は可能でない場合がある。装置は、注入される体積が最適化できるかどうかを検証でき、及び/又は注入される体積の最適化を提案できる。
最大体積Vmaxが推定体積VC est、VH est、及びVW estの合計よりも大きい場合、また最大体積VmaxがVC est、VH est、VW est、及び緩衝Pの合計よりも小さい場合、標的パラメータの適応が要求され得る。装置は、注入される体積が最適化できるかどうかを検証でき、及び/又は注入される体積の最適化を提案できる。
最大体積Vmaxが推定体積VC est、VH est、VW est、及び緩衝Pの合計である治療のための推定体積よりも大きい場合、治療は遅滞なく開始可能である。注入される体積は臨界でないように推定され、一切の合併症が予想されない。標的値のさらなる適応は可能であってもよいが、必要とはされない。例えば、臨床スタッフが注入される体積を最適化することを望んだ場合、装置は、注入される体積が最適化できるかどうかを検証でき、及び/又は注入される体積の最適化を提案できる。
ステップS20の間、コントローラは、所望の標的体温プロファイルTb tar profは現在の設定で達成されるかどうか、及び/又は最適化が必要かどうかを確認する。所望の標的体温プロファイルは現在の設定(Vmax>Vest)で達成可能な場合、コントローラは直接ステップS40に進むことができる。ステップS20の間、コントローラ100が注入される体積の最適化が必要であると判断した場合及び/又は臨床スタッフが所望する場合、注入される体積の最適化をステップS30で実施できる。コントローラ100が所望の標的体温プロファイルTb tar profは事前設定されたパラメータ設定では達成できないと判断した場合、コントローラはパラメータ設定の変更を提案できる。その後、臨床スタッフは標的パラメータのうちの少なくとも1つを変更するかどうか決定できる(図7に示す)。臨床スタッフが標的パラメータのうちの少なくとも1つを変更すると決定した場合、コントローラはステップ10及び/又はステップ20に進むことができる。
パラメータ設定が所望の標的体温プロファイルに従う治療を実施するのに適していないと考えられる場合、また臨床スタッフが標的パラメータのうちの少なくとも1つを変更しないと決定した場合、コントローラは治療をいずれにせよ継続すべきかどうか臨床スタッフに尋ねることができる。臨床スタッフが治療を実施しないと決定した場合、処置を停止する。臨床スタッフが、所望の標的体温を達成するのに適していないと考えられるパラメータセットを用いて治療を開始すると決定した場合、コントローラは、ステップS30で規定された体積の最適化を実施するように構成され得る。体積最適化ステップS30を実施した後、コントローラはステップS40で治療を開始する。
いったん治療を開始すると、コントローラ100は、治療の実際の値/パラメータが推定値/パラメータと一致しているかどうかを断続的又は連続的に検証する。例えば、コントローラは、既に患者に注入された実際の体積と所与の時間までに注入されるべき推定体積を比較することができる。同様に、複数の治療段階のそれぞれにおける推定値も対応する実際の値と比較できる。推定値が測定された実際の値とは異なる場合、推定値は、装置に格納された臨床研究から入手可能なデータ及び測定された実際の値に基づいて変更できる。次いで、コントローラは、規定された標的体温プロファイルに従う治療が変更された推定値で達成可能であるかどうかを検証するように構成され得る。規定された標的体温プロファイルが、ステップS50の間に得た変更された推定値を用いて達成できる場合、治療は、ステップS50を連続的に実施しながら、標的パラメータの設定を変更することなく継続できる(ステップS60)。
規定された標的体温プロファイルが、ステップS50の間に得た変更された推定値を用いて達成できない場合、コントローラは臨床スタッフに、標的パラメータを変更するように要求することができるか、又は変更された標的パラメータを提案できる。次いで、臨床スタッフは標的パラメータの更新を決定できる。臨床スタッフが標的パラメータの更新を決定した場合、コントローラは上記で説明したステップS10及びS20に進むことができる。臨床スタッフが標的パラメータを変更しないと決定した場合、コントローラは臨床スタッフに、治療を現在の標的パラメータで継続すべきかどうかを意見するように要求できる。臨床スタッフが治療を継続しないと決定した場合、ステップS70で治療を停止する。さもなければ、コントローラは再び注入体積最適化ステップS30を実施できる。治療は継続される(ステップS40)。
図8は、体積最適化ステップS30中のプロセスを示すフローチャートである。ステップS31では、推定体積Vestを算出できる。コントローラは、ステップS31中に標的体温プロファイルを提案するように構成され得る。提案された標的体温プロファイルが許容可能であれば、コントローラは治療を開始又は継続できる(ステップS40)。標的体温プロファイルが許容可能でなければ、コントローラは、注入される推定体積を最小体積Vmin及び/又は最大体積Vmaxと比較することができる。推定体積Vestが最小体積Vmin未満であれば(S321)、コントローラは、下記で詳細に説明されるステップS331〜S334のうちの少なくとも1つを提案又は実施するように構成され得る。推定体積Vestが最小体積Vminより多く、また推定体積Vestが最小体積Vmin未満であれば、コントローラは、下記で説明されるステップS332〜S335のうちの少なくとも1つを提案又は実施するように構成され得る。推定体積Vestが最大体積Vmaxより多ければ、コントローラ100は、ステップS332〜S335のうちの少なくとも1つを実施するように構成され得る。ステップS331〜S335で規定された尺度を同時に適用してもよい。ステップS331〜S335の尺度により標的パラメータのうちの少なくとも1つに変化が生じ得る。
ステップS34では、コントローラは、変更した標的パラメータ(複数可)に基づいて変更した推定体積Vest newを算出できる。コントローラ100は、変更された推定体積Vest newが、最小体積Vmin及び最大体積Vmaxによって規定されそれらを含む範囲内であるかどうかをステップS34で検証できる。Vest newが当該範囲内であれば、コントローラ100は、結果として得られる(最終的な)新しい標的体温プロファイルを臨床スタッフに提案できる。標的体温プロファイルが許容可能であれば、治療は(新たに)規定された標的体温プロファイルを用いて開始又は継続できる(ステップS40)。プロファイルが臨床スタッフにより許容可能でないと判断された場合、コントローラはステップS322に進む。変更された推定体積Vest newが、最小体積Vmin及び最大体積Vmaxによって規定されそれらを含む範囲内でなければ、コントローラはステップS321又はS323に進むことができる。ステップS331〜S335は体積適応尺度である。コントローラ100は、治療様式、患者の体重、注入される流体の温度、ボディマス指数、所望の標的体温プロファイルTb tar prof desiredのうちの1つ又は複数の、好ましくはすべてのパラメータに基づいて、新たな標的体温プロファイルTb tar prof newを提案及び/又は変更するように構成され得る。
図9に示すように、コントローラ100は、推定体積Vestが最小体積Vmin及び最大体積Vmaxによって規定されそれらを含む範囲内ではない場合に、注入流体の体積流量及び/又は温度を変更するように構成され得る。例えば、ステップS331に示すように、より多い体積のあまり冷たくない流体を人工冷却の場合に注入してもよく、又は同一温度(例えば、4℃)の流体の注入を継続し、さらにおよそ体温の決められた流体流れを注入する。体積流量を増加させることによって、推定体積はVmin未満からVmin及びVmaxにより規定される範囲内の値に変化する。逆に、人工冷却の場合、推定体積(Vest)を最大体積(Vmax)未満に変化させるために流体温度を下げたより少ない体積流量を適用できる。
ステップS332によると、コントローラは、推定体積Vestが最小体積Vmin及び最大体積Vmaxによって規定されそれらを含む範囲内となるように所望の最小体積Vmin及び/又は所望の最大体積Vmaxを変更するようにユーザに要求するように構成される。このことは、その他のステップS333又はS335の体積適応手段が満足のいく代替策を提示せず、また十分でない場合の最後の手段と考えられる。
図10に示すステップS333では、標的体温の許容誤差範囲は注入される体積を減少させるために適応できる。標的体温許容誤差範囲が大きければ大きいほど、より少ない注入流体が必要とされる。図3〜図6に示されるように、複数の段階のために異なる第1の標的体温許容誤差範囲Ra及び第2の標的体温許容誤差範囲Raを規定できる。これらの許容誤差範囲を変化させることによって推定体積Vestも変更できる。例えば、第1の及び/又は標的体温許容誤差範囲Ra、Raを狭めることによって、推定体積Vestは増加し、逆もまた同様である。他方では、狭い第1及び/又は標的体温許容誤差範囲Ra、Raは制御品質を向上させる。図10に示されるように、第1及び/又は第2の許容誤差範囲を広げることによって、推定体積Vestを、最小体積Vmin及び最大体積Vmaxによって規定されそれらを含む範囲内の値に変えることができる。ユーザは、第1及び第2の体温許容誤差範囲に対する最大値を設定できる。第1の最小許容誤差範囲はマシン構成によって制限され得る。
例えば、第1の下側閾値は標的体温Tb tarよりも0.5℃未満、好ましくは0.25℃未満、最も好ましくは0.15℃未満低くてもよい。第1の上側閾値は標的体温Tb tarよりも0.5℃未満、好ましくは0.25℃、最も好ましくは0.15℃未満高くてもよい。結果として第1の標的体温許容誤差範囲は、1℃未満、好ましくは0.5℃未満、最も好ましくは0.3℃未満であってもよい。第1の上側閾値及び第2の上側閾値並びに第1の下側閾値及び第2の下側閾値は複数の段階C、H、Wのそれぞれに対してさまざまであってもよい。さらに、第3の上側閾値及び/又は第3の下側閾値を規定してもよく、コントローラ100は、実際の温度が第3の上側閾値又は下側閾値に達したら可聴警告及び/又は視覚的警告をトリガするように構成される。
図9には、推定体積Vestに対する適応された治療時間の効果も示される。治療時間を延長することによって、最小体積Vmin未満の推定体積Vest oldを、最小体積Vmin及び最大体積Vmaxによって規定されそれらを含む範囲内の新たな値Vest newに変えることができる。同様に、治療時間を短縮することによって、推定体積Vest oldを、先の推定体積Vest old未満の新たな又は変更された値Vest newに変えることができる。したがって、短縮された標的治療時間ttreatment new及び/又は延長された標的治療時間ttreatment newは、変更された推定体積Vest newが最小体積Vmin及び最大体積Vmaxによって規定されそれらを含む範囲内の値になるように選択できる。
ステップS335に言及する図11〜図13に示すように、コントローラ100は、注入される体積を最適化するように構成され得る。コントローラ100は、注入される注入流体の体積を減少させて、最小体積Vmin及び最大体積Vmaxによって規定されそれらを含む範囲内の注入体積を減少させる(図12参照)か、又は推定体積Vest oldを当該範囲外の値から当該範囲内の変更された新たな値Vest newへと変化させるように構成されることが好ましい。推定体積Vest new及びVest oldは両方共最小体積Vminを超えていると仮定される。
コントローラ100は、少なくとも2つの異なる体温適応手段200、300の異なる制御感度の考慮に基づいて体積を最適化できる。制御感度は、体温適応デバイス200、300のコントローラ入力値(複数可)の変化に対するそれぞれのコントローラ出力値(複数可)、ここでは体温の変化の尺度である。制御感度は適応手段の有効性の尺度である。例えば、注入デバイスに対して感度を下記式で算出できる。
(4)S200=DELTA T/DELTA V
式中、
200は注入デバイス200の制御感度であり、
DELTA Tb actは実際の体温の変化であり、
DELTA Vは、実際の体温の変化を達成するために注入される体積であり、
ただし、注入デバイス200は、注入流体の体積流量を変化させることにより体温を変える。流体温度は冷却(好ましくは約4℃)及び加温(例えば約42℃)のため一定であることが好ましい。高感度とは、所与の流体体積で体温が大きく変化することを意味し、逆もまた同様である。
例えば、熱交換パッドの場合、制御感度は下記式で算出できる。
(5)S300=DELTA T/DELTA Theat exchange
式中、
300はパッド300の制御感度であり、
DELTA Tb actは実際の体温の変化であり、
DELTA Theat exchangeは、患者と接触しているパッドの表面温度であり、
ただし、体温は熱交換表面の温度を変化させることにより変えられる。
注入デバイスの制御感度は時間と共に変化し得る。例えば、制御感度は、注入流体の温度が治療中変わると変化する。例えば、血液温に対する注入流体の温度の差は、加温、すなわち約42℃の温かい注入流体の注入に対してよりも冷却、すなわち約4℃の冷たい注入流体の注入の方が大きいため、制御感度は注入デバイス200による加温と冷却とでは異なる。
制御感度に対する異なる値は、異なる治療段階C、H、Wに対して規定され得る。さらに、加温及び冷却のために異なる感度値、例えば、体温適応デバイス200による加温及び冷却のための事前設定値が規定され得る。制御感度Sは、ユーザ入力、例えば、所望の設定及び/又はマシンコアデータに基づいて、例えば、装置に格納される公知の温度デバイスのデータを使用することにより推定され得る。コントローラは、好ましくは注入デバイス200の第1の制御感度S200−1で注入される流体の少なくとも1つの第1の推定体積部分Vest 1を推定するように構成され得る。コントローラは、例えば注入デバイス200の第2の制御感度S200−2で注入される流体の少なくとも1つの第2の推定体積部分Vest 2を推定するように構成されてもよく、第1の制御感度S200−1は第2の制御感度S200−2よりも高い。第1の制御感度S200−1は、第2の制御感度S200−2よりも少なくとも1.2倍、好ましくは少なくとも2倍、さらに好ましくは少なくとも4倍、最も好ましくは少なくとも6倍高くてもよい。例えば、第1の制御感度S200−1は、冷却中、したがって、注入流体と血液との温度差が大きい期間中に達成されてもよい。さらに、第2の制御感度S200−2は、加温中、したがって、注入流体と血液との温度差が小さい期間中に達成されてもよい。コントローラは第1及び第2の制御感度レベルに限定されず、複数の制御感度レベルに対して複数の体積部分を決定するように構成されてもよい。さらに、第1の推定体積部分Vest 1及び第2の推定体積部分(Vest 2)は1つの連続した期間における部分に限定されない。特定感度レベルでの推定体積部分は、治療中同じ感度レベルで注入される体積すべての合計であってもよい。推定体積Vestは、第1の推定体積部分Vest 1及び第2の推定体積部分Vest 2の合計であってもよい。
制御感度を考慮した体積最適化の根底にある考えは、コントローラが、好ましくは注入が非常に効果的であり、すなわち、高い制御感度S200−1である場合に、注入デバイス200を操作するということである。注入デバイス200が非常に効果的でない、すなわち、低い制御感度S200−2であると考えられる期間において、さらなる体温適応手段300が標的体温を達成するのに好適であれば、コントローラは主にさらなる体積ニュートラルな体温適応手段300を使用する。すなわち、注入デバイス200を用いたより高い制御感度での注入は、注入体積を減少すべき場合、注入デバイス200を用いたより低い制御感度での注入よりも優先される。さらに、注入デバイス200が低制御感度で動作する場合、さらなる体温適応手段300の動作が優先されてもよい。
ここで、図13を参照して制御を説明する。シナリオa)では、所望の標的体温プロファイルの推定体積Vestは、最小体積Vmin及び最大体積Vmaxによって規定されそれらを含む範囲内である。所望の標的体温プロファイルを達成するために、Vest Sは、高感度(すなわち、冷却のため)で注入されてもよい体積であり、Vest S’は低感度での注入のために必要とされる体積である。推定体積VestはVest S及びVest S’の合計である。推定体積Vestは、最小体積Vmin及び最大体積Vmaxにより規定されるため、さらなる体積の最適化は必要とされない。しかし、臨床スタッフがさらに体積を減少させたい場合、体積は最適化できる。例えば、体積は、許容誤差範囲を広げることによって減少でき、及び/又はさらなる体積ニュートラルな体温適応デバイスを優先、したがって主に使用してもよい。さらに、標的値は変更してもよい。
シナリオb)では、推定体積は、最小体積Vmin及び最大体積Vmaxによって規定されそれらを含む範囲内にはないが、シナリオa)の推定体積Vest Sを少なくとも超え、高感度で注入され得る。推定体積Vestを変える1つの可能性は、少なくとも部分的にさらなる体積ニュートラルな体温適応デバイス300、例えば、血管内カテーテル300のみを加温期間(すなわち、注入デバイスの低制御感度の期間中)に操作することであってもよい。デバイス300のみが操作される期間により、注入流体が節減されることになる。標的体温プロファイルに必要とされる推定体積が、最小体積Vmin及び最大体積Vmaxにより規定される範囲内であるように、期間の長さを選択できる。制御感度が向上したか又は高い範囲は完全に使用され、低制御感度での体積の使用は減少する。すなわち、デバイス200、300は、最小体積Vmin及び最大体積Vmaxを考慮して操作及び/又は優先される。
シナリオc)では、推定体積Vestは、最小体積Vmin及びシナリオa)の高制御感度推定体積Vest Sによって規定されそれらを含む範囲内ではない。比較的低い制御感度の期間、すなわち患者の加温中、注入流体は注入されず、体積ニュートラルな体温適応手段のみが動作する。ここで、比較的低い制御感度の期間、すなわち、患者の冷却中も、流体の注入を減少でき、さらなる体積ニュートラルな適応手段をさらに、好ましくは少なくとも部分的に動作する。
シナリオd)では、最大体積Vmaxは最小体積Vminにほぼ等しい。結果として、体温適応のためにほとんど体積を使用しなくてもよい。体温適応は主にさらなる体温適応手段300により達成されることになる。
すべてのシナリオa)〜d)について、コントローラは、注入手段が少なくとも部分的に動作していない場合も標的体温プロファイルTb tar profが達成され得るかどうかを推定するように構成される。
優先順位付けを治療全体について図13で説明したが、優先順位付け又は体積最適化は、複数の治療段階C、H、Wに適用されてもよい。シナリオa)〜d)の評価は初期準備中又は治療中に実行できる。さらに、コントローラは、好ましくは規定された標的体温プロファイルが達成される限り、2つの異なる体温適応手段200、300の優先順位付けを自動で変更するように構成され得る。
或いは、注入される体積の優先順位付け又は配分は下記式によって説明できる。
(6)Vest=aS est+bS’ est
式中、
estは規定された標的体温プロファイルに対して注入される全体積であり、
S estは規定された標的体温プロファイルに対して高感度で注入される全体積であり、
S’ estは規定された標的体温プロファイルに対して低感度で注入される全体積であり、
a、bは0〜1の間の値の乗数である。
さらに、複数の治療段階中、治療段階それ自体が例えば下記式に従って優先され得る。
(7)Vest=aest C+best H+cest W
式中、
estは規定された標的体温プロファイルに対して注入される全体積であり、
est C、Vest H、Vest Wは規定される標的体温プロファイルを達成するために注入される全体積であり、Vest C、Vest H、Vest Wは式(6)、すなわちそれぞれの治療段階(複数可)内の優先順位付けを使用して算出でき、
a、b、cは0〜1の間の値の乗数である。
図14は、体温Tを適応させる装置を示す。ここで、装置は、ここでは管類を介して装置のコネクタAに接続された注入針として構成された注入デバイス200に接続されている。
以後、さらなる体温適応デバイス(300)は好ましくは血管内カテーテルである。しかし、同じことが熱交換器(310)を備えたパッドにも当てはまる。熱交換器310を備えたカテーテル300は第2の管類を介して装置のコネクタBにも接続される。装置はここで流体供給部400、ここでは熱交換器として構成される流体温度適応デバイス500、及び流体ポンプ600を備える。
流体供給部400、熱交換器500、及び流体ポンプ600は1つの流体回路に相互に流体連結されてもよい。流体回路は、流体供給部400から熱交換器310へと下流に延びる流体部分700と、下流の熱交換器310から流体供給部400へと戻るように延びる第2の流体回路部分1700とを備えてもよい。図14及び図15において、矢印は、流体供給部400の出口から離れる方向「下流」への流れ方向を示す。ここではスイッチ又はバルブ又は通気孔として構成される作動デバイス900は、入ってくる流体の流れを2つの別個の流体流れに分離できる。第1の流れ2700はスイッチ900から注入針200の方に流れる。第2の流れはデバイス900から熱交換器310の方に向けられる。バルブ900下流に位置する測定デバイス220、320は、注入針200及びカテーテル300へ流れる流体の温度又は圧力又は流量をそれぞれ測定できる。ここで、注入針200及び血管内カテーテル300は熱交換器311の上流、より正確にはバルブ900の上流に位置する流体回路部分700を共有する。
用語「共有」とは、共有構成要素(複数可)が構造的及び/又は機能的に注入デバイス200及び血管内カテーテル300の両方と相互関係を有することを示す。すなわち、注入デバイス200及び血管内カテーテル300は共有構成要素により、又は共有構成要素を使用しながら使用又は操作される。このことは、装置が、構成要素、すなわち注入デバイス200及び血管内カテーテル300を操作するための流体回路部分700、コントローラ100、流体供給部400、流体温度適応デバイス500、ポンプ600、及び/又はハウジング800のうちの少なくとも1つ又は複数を共有することによって、注入デバイス200及び血管内カテーテル300を操作するように構成されることを意味する。流体回路部分700の共有とは、注入針及びカテーテル300の両方が、少なくとも同じ流路を通る1つのセクションにおいて流体流れが提供されることを意味する。
図14において、注入針200及びカテーテル300は別個のデバイスとして構成されている。或いは、注入針200はカテーテル300に一体化されていてもよい。例えば、注入針200は、好ましくは両方のデバイスが同じ開口部を使用して同時に患者に挿入されるように、熱交換器310の隣に配置されてもよい。
より好ましくは、注入針200及びカテーテル300は、注入針への流路並びにコネクタから熱交換器310及び逆へのさらなる流路を備えた共有管類を用いて装置に接続される。両方の流路は互いに分離されており、好ましくは熱的に分離されている。分離は、樹脂材料等の熱伝導率の低い材料の拡大材料層として構成されてもよい。拡大材料層は、流れチャネルの壁の厚さを超えてもよい。層は流れチャネル間に配置され得る。共有管類が使用される場合、熱交換器から戻ってくる流体は、熱交換器310から流れて戻る流れの直接隣に位置する流れチャネルを通って流れる注入される流体の温度に悪影響を与え得る。熱的分離は、比較的温かい流体流れの注入される流体への影響を低減できる。
さらに、共有管類は、特に、注入針の流路とさらなる体温適応デバイスの流路との間に分離を提供するように、個々の流れチャネル間に設けられた分離手段を備え得る。このことは、2つの異なるデバイスの標的とする体温プロファイルが逆である場合に有利となり得る。注入針200を介した患者の身体の中核体温の標的とする調節は、冷たい生理食塩水の高速流入を介した患者の高速全身冷却であってもよく、高速全身冷却は医学的観点からは有益であるが、患者にはむしろ不快である。その結果、第2の体温調節デバイスは、例えば患者の快適さを向上させるために正常体温を超えるように調節された皮膚上の表面パッドにより、患者の快適さを改善しながら、冷たい流体、例えば、生理食塩水の高速注入により身体を全身的に冷却できる。上述のこの分離手段は共有管類の一部に沿ってのみ必要とされてもよい。
共有管類は、装置の共有コネクタとかみ合うように構成された共有コネクタを介して装置に接続され得る。用語「共有コネクタ」とは、カテーテル300への(及びカテーテル300からの)流路及び注入針20への流路が、装置の対応する流路に、好ましくは単一の継手又は接続操作によって流体接続されることを意味する。注入される流体の体積は好ましくは、上記で説明したコントローラ100によって制御される。図14には、装置の異なる構成要素とのコントローラ100の接続は示されない。例えば、コントローラ100は、熱交換器500、ポンプ600、バルブ900、及び/又は測定手段220、320に動作可能に連結され得る。図14の破線800は、装置のハウジングを示す。すべての構成要素がここでは1つのハウジング800に配置されているが、図1に関して本明細書で述べられるような異なるハウジングを有する異なるモジュールの概念を適用してもよい。
従来技術のデバイスと比較して、図14に示される装置は少ない構成要素を備え、製造コストの低減がもたらされる。さらに、必要とするスペースも低減できる。さらに、2つの装置の代わりに1つのみの装置を準備しさえすればよいため、準備時間も短縮できる。共有管類及び共有コネクタはさらにコスト及び準備時間を低減できる。さらに、注入のための追加の管類が取り除かれ、臨床スタッフの邪魔をしなくなるため、共有管類は患者へのアクセス可能性も改善できる。注入針がカテーテルに組み込まれる場合、準備時間はさらに低減でき、感染リスクもまたさらに低減できる。他方では、2つの異なるデバイスを有することにより、一方のデバイスを交換することがあっても、確実に冷却が依然として誘導される。
図15は、異なる流体温度適応デバイス500を有する装置を示す。流体温度適応デバイス500はここでは、流体流れ2700及び3700のための2つの異なる流路を備えた熱交換器として構成される。流体流れ2700は、注入針200と注入流体供給部420を相互接続する。流路3700は、熱交換器用の流体供給部410の出口をカテーテル300の熱交換器310と相互接続する。流体流れ2700、3700は互いから分離されていてもよい。流体流れを分離したことにより、カテーテル300に使用される流体は患者の体内に注入される流体流れ2700と確実に混合され得ない。その結果、患者の体内に注入される流体の汚染リスクがさらに低減され得る。流体流れ2700、3700の異なる流路は互いから分離されていてもよい。熱交換器500は、患者に注入される流体の温度適応のための第1のセクション520と、カテーテルの熱交換器310に流れる流体の温度が適応される第2のセクション510とを備えることができる。図15には、2つの別個の流体流れ2700、3700の流量を適応させる2つのポンプ600も図示される。別個の流体供給部410、420は熱的に分離された容器430内に配置され得る。
図14及び図15に示される体温を適応させるシステムは、製造コスト、準備時間、ケーブル布線、及び感染リスクのうちの少なくとも1つを低減可能であり得る。加えて、使いやすさ及び患者の快適さはさらに向上できる。注入手段200及びここでは好ましくはカテーテル300として構成される少なくとも1つのさらなる体温適応手段300を制御するように構成されたコントローラを使用することにより、有利なことに、体温治療の制御精度をさらに改善し、及び/又は所望のレベルまで患者に注入される体積を調節することもできる。
特許請求の範囲において、用語「含む、備える」とは、他の要素又はステップを排除するものではない。さらに、個々に列挙されているが、複数の手段、要素又は方法ステップが実現されてもよい。加えて、個々の特徴は異なる請求項に含まれている場合があるが、これらは有利には組み合わせることができ、異なった請求項に含めていることは、特徴の組み合わせが実現可能及び/又は有利ではないことを意味しているものではない。加えて、単数での言及は複数を除外するものではない。

Claims (15)

  1. 好ましくは注入針として構成された注入デバイス(200)と、好ましくは熱交換器(310)を備える血管内カテーテル又はパッドとして構成された、前記熱交換器(310)を備えるさらなる体温適応デバイス(300)とに接続されているか又は接続可能である、体温(T)を適応させる装置であって、
    使用中、前記注入デバイス(200)及び前記さらなる体温適応デバイス(300)が、
    患者に注入可能な流体及び前記さらなる体温適応デバイス(300)内の熱交換を目的とした流体が通って流れる流体回路部分(700)、
    前記注入デバイス(200)の注入及び前記さらなる体温適応デバイス(300)の熱交換を制御することにより体温(T)を制御するように構成されるコントローラ(100)、及び/又は
    体温を適応させるために流体を提供する流体供給部(400)
    を共有し、
    前記コントローラ(100)が、前記注入デバイス(200)による注入及び前記さらなる体温適応デバイス(300)による熱交換を同時に制御することにより体温(T)を制御するように構成されている、装置。
  2. 前記注入デバイス(200)及び前記さらなる体温適応デバイス(300)が、
    患者に注入可能な流体及び前記さらなる体温適応デバイス(300)内の熱交換を目的とした流体の両方の温度を変更するように構成された流体温度適応デバイス(500)、
    患者に注入可能な流体及び前記さらなる体温適応デバイス(300)内の熱交換を目的とした流体のうちの少なくとも1つを圧送するように構成されたポンプ(600)、及び/又は
    ハウジング(800)
    を共有する、請求項1に記載の装置。
  3. 前記注入デバイス(200)が、患者の血液回路に、体温(T)とは異なる温度を有するある体積の流体を追加するように構成されている、請求項1又は2に記載の装置。
  4. 患者に注入可能な流体及び前記さらなる体温適応デバイス(300)内の熱交換を目的とした流体が、同じ生体適合性流体、好ましくはNaCl又はリンゲル液のようなその他の平衡流体である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の装置。
  5. 当該装置と流体接続した前記注入デバイス(200)及び前記血管内カテーテル(300)が、異なる位置で血管に適用されるように構成されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の装置。
  6. 前記血管内カテーテル(300)が、中心静脈系内に、例えば、大腿部、鎖骨下、又は内頚静脈への挿入を介して適用されるように構成され、注入デバイス(200)が、周辺位置で、例えば、腕の湾曲部における静脈アクセスに適用される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の装置。
  7. 当該装置(100)が、前記注入デバイス(200)による注入及び前記さらなる体温適応デバイス(300)による熱交換を選択的及び/又は同時に操作するように構成されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の装置。
  8. 流体の圧力及び/又は温度を測定するように構成された少なくとも1つの測定デバイス(220、320)をさらに備える、請求項1〜7のいずれか一項に記載の装置。
  9. 一方(220)が患者に注入可能な流体の圧力及び/又は温度を測定し、もう一方(320)が前記血管内カテーテル内の熱交換を目的とした圧力及び/又は温度を測定する、前記2つの測定デバイス(220、320)をさらに備える、請求項1〜8のいずれか一項に記載の装置。
  10. 共有コネクタをさらに備え、
    前記共有コネクタが、前記注入手段(200)及び前記さらなる体温適応デバイス(300)が共有する対応するコネクタとかみ合うように構成され、及び/又は、体温適応デバイス(500)は熱交換器であり、及び/又は流体温度は異なる温度の2つの流体を混合することにより変えることができる、請求項1〜9のいずれか一項に記載の装置。
  11. 注入デバイス(200)及びさらなる体温適応デバイス(300)に流体接続されているか又は接続可能である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の装置であって、
    前記注入デバイス(200)及び前記さらなる体温適応デバイス(300)は、流体回路部分(700)を共有し、前記流体回路部分(700)は少なくとも、
    患者に注入可能な流体及び前記さらなる体温適応デバイス(300)内の熱交換を目的とした流体の両方の温度を変更するように構成された流体温度適応デバイス(500)の下流、並びに
    前記さらなる体温適応デバイス(300)に配置された熱交換器(310)の上流に配置される、装置。
  12. 注入デバイス(200)及びさらなる体温適応デバイス(300)に接続されているか又は接続可能である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の装置であって、前記注入デバイス(200)及び前記さらなる体温適応デバイス(300)は、流体温度適応デバイス(500)を共有し、患者に注入可能な流体流れ及び前記さらなる体温適応デバイス(300)内の熱交換を目的とした流体流れは、前記流体温度適応デバイス(500)を通って流れる2つの別個の流体流れ(2700、3700)である、装置。
  13. 体温(T)を適応させるシステムであって、
    請求項1〜12のいずれか一項に記載の装置と、
    注入デバイス(200)と、
    血管内カテーテル(300)と
    を備える、システム。
  14. 前記注入デバイス(200)が、好ましくは前記カテーテル(300)の熱交換部分(310)及び前記注入デバイス(200)が同じ開口部を通って共に患者の中に挿入可能であるように、前記血管内カテーテル(300)内又は前記血管内カテーテル(300)に配置される、請求項13に記載のシステム。
  15. 好ましくは注入針として構成された注入デバイス(200)と、好ましくは熱交換器(310)を備える血管内カテーテル又はパッドとして構成された、前記熱交換器(310)を備えるさらなる体温適応デバイス(300)とを接続するステップを有する、体温(T)を適応させる方法であって、
    使用中、前記注入デバイス(200)及び前記さらなる体温適応デバイス(300)は、
    患者に注入可能な流体及び前記さらなる体温適応デバイス(300)内の熱交換を目的とした流体が通って流れる流体回路部分(700)、
    前記注入デバイス(200)の注入及び前記さらなる体温適応デバイス(300)の熱交換を制御することにより体温(T)を制御するように構成されるコントローラ(100)、並びに/又は
    体温を適応させるために流体を提供する流体供給部(400)
    を共有し、
    前記装置(100)は、前記注入デバイス(200)による注入及び前記さらなる体温適応デバイス(300)による熱交換を選択的及び/又は同時に操作する、方法。
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