JP2017509612A - 薬物中毒の急性および長期間での治療方法。 - Google Patents

薬物中毒の急性および長期間での治療方法。 Download PDF

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Abstract

本発明は、急性および急性離脱後症状を含むオピオイドまたはオピオイド様薬物中毒を治療する方法であって、QT間隔の延長が、約50ミリ秒を超えない条件下で約50ng/ml〜約850ng/mlの平均血清中濃度(AUC/24時間)を提供する用量のノルイボガインで、中毒患者を治療することを含む、方法を目的とする。【選択図】図1

Description

本発明は、急性および急性離脱後症状を含む、オピオイドまたはオピオイド様薬物に対する中毒を治療する方法であって、QT間隔の延長が約50ミリ秒を超えない条件下を含む、約50ng/ml〜約850ng/mlの平均血清中濃度(AUC/24時間)を提供する用量のノルイボガインでオピオイド中毒患者を治療することを含む、方法に関する。
最新技術
物質に対する中毒は、世界中で深刻な公衆衛生問題である。処方鎮痛薬を含むヘロインおよび他のオピオイドは広く乱用されており、非合法薬物の使用の多くの割合を占めている。またオピオイドの使用は、米国の暴力犯罪の約50%に関連しており、毎年数10億ドルの費用が米国経済にかかっている。
薬物依存からの急性離脱は、発汗、高い心拍数、動悸、筋緊張、胸部絞扼感、呼吸困難、振戦、悪心、嘔吐、下痢、てんかん大発作、心臓発作、脳卒中、幻覚、および振戦せん妄(DT)を特徴とする。急性離脱症状が鎮静すると、急性離脱後症候群が、数ヶ月から数年続くことがある。急性離脱後の症状として、疲労、うつ、モチベーションの欠如、および痛覚感受性の増大が挙げられる。
急性離脱および急性離脱後の症状を改善するために、多くの治療が開発されている。しかしながら、ほとんどの場合では、離脱の治療は、他の中毒性物質(たとえばモルヒネまたはメタドン)の使用を必要とする。また治療は、中毒患者が長期間にわたって毎日診療所に行くことを必要とする。離脱症状の重症度および持続期間のため、オピオイド中毒患者の再発率は高い。急性および急性後のオピオイド離脱症状に有効かつ非中毒性の治療が非常に必要とされている。
従来技術は、高用量のイボガインが中毒の治療として有益であることを示唆しているが、イボガインは、幻覚および他の負の副作用に関連している。米国では、イボガインは、スケジュールI規制物質に分類されている。
ノルイボガインは、ヒト、イヌ、ラット、およびサルで見出されるイボガインの代謝物である。ノルイボガイン化合物は、中毒性物質に関する渇望を減少させ、化学物質依存性を治療することに関して、イボガインよりもヒトにおいてより大きくかつ長期間持続性の活性を有することが示唆されている。全体が本明細書中参照として援用されている米国特許第6,348,456号は、高度に精製されたノルイボガインを開示し、中毒を治療するために、1日あたり約0.01〜約100mg/kg体重の用量で提供すべきと教示しているが、オピオイドまたはオピオイド様薬物中毒を治療するための有効量を示すヒトのデータは提供されていなかった。
ヒトのオピオイドまたはオピオイド様薬物中毒を治療するためのノルイボガインの治療用量は、これまで提示されておらず、特に有効かつ安全である投与プロトコルに関連する用量は提示されていない。実際に、本発明の前には、ノルイボガインは、患者にとって治療的であると同時に安全である用量で投与できるかどうかが不明確であった。
ノルイボガインは、物質中毒の治療に関して開示されているが、従来技術の範囲は非常に広い(0.01〜1000mg/kg体重)との事実により、ヒトでの使用は複雑である。さらに、ヒトの臨床試験では、低用量ノルイボガインは、中毒患者の離脱症状にほとんど影響を及ぼさないことを示す。よって、従来開示されている広い範囲は、現在では、この範囲の下限ではヒトの治療に不十分であることが分かっている。
さらに、ノルイボガインの使用により、治療する患者のQT間隔の用量依存的な延長が起こり、高用量のノルイボガインは容認されない。QT間隔の延長は、潜在的な心室頻拍のマーカーであり、死亡する場合がある。理由は明確ではないが、この延長は、健常な個体と比較してオピオイド中毒患者で増加する。
本発明は、約1mg/kg体重超〜約8mg/kg体重の、狭い用量範囲のノルイボガインまたは薬学的に許容可能な塩もしくはその溶媒和物を用いた治療が、離脱症状の治療上の低減、および/またはオピオイド患者のオピオイドの使用を再開するまでの時間の増加を提供するという驚くべき発見を前提としている。好ましくは、オピオイドおよびオピオイド様薬物中毒のヒトにおいて治療的結果および50ミリ秒未満のQT間隔の延長の両方を提供する用量の範囲は、約1.3mg/kg体重〜約4mg/kg体重以下であり、より好ましくは約1.3mg/kg体重〜約3mg/kg体重以下、または上述の範囲の部分範囲または部分的な値である。コカイン、ケタミン、およびメタンフェタミンを含むオピオイド様薬物は、オピオイドではないが、オピオイド受容体を介して作用し、よって、これらの薬物の中毒もまた、ノルイボガインを用いて治療することができる。
好ましい実施形態では、狭い治療用量のノルイボガインまたは上述の薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物は、意外にも、ヒトの中毒患者においてQT間隔を許容できないレベルまで延長しない。オピオイドまたはオピオイド様薬物中毒患者は、心臓のモニタリングを行う臨床状況で、治療用量のノルイボガインまたはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を投与されると予測される。一部の実施形態では、たとえば患者がノルイボガインを用いた治療に不適格となる何等かの既存の心臓の病態を有しているかどうかを決定するために、QT間隔の延長に関する耐容性を評価するために患者をあらかじめスクリーニングする。
本発明の一部の態様は、さらに低用量のノルイボガインまたはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物、たとえば、治療用量の約80%以下が、オピオイドの使用を軽減するために治療されるオピオイド中毒患者において、オピオイド(またはオピオイド様薬物)使用の再開を予防するために有効であり得るという発見をさらに前提とする。すなわち、低用量のノルイボガインは、すでに身体的にオピオイドの中毒でない患者が、オピオイドを再び使用しないようにすることが可能である。
理論に拘束されるものではないが、すでに身体的にオピオイドまたはオピオイド様薬物中毒ではない患者は、オピオイドまたはオピオイド様薬物が受容体の結合に関してノルイボガインと競合しないため、および/またはオピオイドおよび/もしくはオピオイド様薬物による脳の1つまたは複数の受容体の脱感作が、患者が薬物摂取を止めると反転するため、再発を予防するために必要なノルイボガインがより少ないと考えられる。この低い維持用量のノルイボガインは、臨床的な心臓のモニタリングを必要としないQT間隔の延長をもたらす。
一部の実施形態では、患者に投与されるノルイボガインまたはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物の治療用量は、約50ng/ml〜約850ng/mlの平均血清中濃度(曲線下面積/24時間、AUC/24時間)、またはその間の部分範囲もしくは部分的な値を提供するために十分である。好ましい実施形態では、患者に投与されるノルイボガインまたはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物の用量は、約50ng/ml〜約400ng/mlの平均血清中濃度(AUC/24時間)を提供する。
一部の実施形態では、患者に、最も顕著な離脱症状を改善するために、高い(治療)用量のノルイボガインまたはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を一定期間投与し、次に、オピオイドまたはオピオイド様薬物の使用の再開を予防するためにより低い(維持)用量を投与する。一部の実施形態では、患者に、最も顕著な離脱症状を改善するために、ノルイボガインまたはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物の治療用量を一定期間投与し、次に、維持用量に達するまで経時的に、減少していく(漸減)用量のノルイボガインまたはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を投与する。一部の実施形態では、高い初回治療用量を投与し、次に、より低い治療用量を投与する。一部の実施形態では、ノルイボガインの用量は、高い治療用量からより低い治療用量まで経時的に漸減する。
一部の実施形態では、約50ng/ml〜約850ng/mlの平均血清中濃度(AUC/24時間)を提供するノルイボガインまたはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物の用量を、単回用量として投与する。一部の実施形態では、約50ng/ml〜約850ng/mlの平均血清中濃度(AUC/24時間)を提供するノルイボガインまたはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物の用量を、多回用量として投与する。一部の実施形態では、ノルイボガインまたはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物の総用量は、約1mg/kg超〜約8mg/kgである。好ましい実施形態では、ノルイボガインまたはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物の総用量は、約1mg/kg超〜約4mg/kgである。別の好ましい実施形態では、ノルイボガインまたはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物の総用量は、約1mg/kg超〜約3mg/kgである。
一部の実施形態では、血清中濃度は、上記治療の間500ミリ秒(ms)未満のQT間隔を維持しつつ、上記乱用を阻害または改善するために十分である。一部の実施形態では、ノルイボガインまたはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物の治療用量は、80ms未満のQT間隔の延長を提供する。好ましい実施形態では、ノルイボガインまたはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物の維持用量は、50ms未満のQT間隔の延長を提供する。一部の実施形態では、ノルイボガインまたはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物の維持用量または治療用量は、30ms未満のQT間隔の延長を提供する。好ましい実施形態では、ノルイボガインまたはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物の維持用量は、20ms未満のQT間隔の延長を提供する。一実施形態ではQTの延長は、メタドン治療を受けた患者で観察されたものと等しい、またはそれよりも少ない。好ましい実施形態では、ノルイボガインでの治療の前に、QT間隔を決定するために患者を試験し、臨床医が、QT延長が認容可能でないリスクであると決定した場合、ノルイボガイン治療は禁忌である。
3、10、30または60mgの用量での単回経口投与後の、健常な患者における平均ノルイボガイン濃度‐時間プロファイルを表す。挿入図:10mgの投与後の0〜12時間の個々の濃度‐時間プロファイル。 30または60mgでの単回経口投与後の、健常な患者における平均血漿中のルイボガイングルクロニド濃度‐時間プロファイルを表す。 60mgの用量のノルイボガインの単回経口投与後の、オピオイド中毒患者における平均ノルイボガイン濃度‐時間プロファイルを示す(灰色のひし形)。120mgの用量のノルイボガインの単回経口投与後の、オピオイド中毒患者における平均ノルイボガイン濃度‐時間のプロファイル(黒色の四角)を、60mgの用量を投与した患者の値に基づき推定した。 治療を受けていない(薄灰色の棒グラフ)、または単回経口用量のノルイボガインまたはプラセボ(60mg、濃灰色の棒グラフ;120mg、黒色の棒グラフ)を投与した患者における、オピオイド代替治療の再開までの時間を示す。エラーバーは標準偏差を表す。 単回経口用量のノルイボガインまたはプラセボ(60mg、濃灰色のひし形;120mg、黒色の四角)を投与した患者における、オピオイド代替治療(OST)の再開時の、推定血清中ノルイボガイン濃度をng/mlで示す。データは、図3の濃度‐時間プロファイルに基づき推定される。 ノルイボガインで治療した患者の帰属結果を示す。上記結果は、治療をしていない患者(薄灰色の棒グラフ)または単回(帰属)用量120mgのノルイボガインを投与した患者(黒色の棒グラフ)のOSTの再開までの時間を表す。エラーバーは、標準偏差を表す。 ノルイボガインで治療した患者の帰属結果を示す。上記結果は、ノルイボガインを単回(帰属)用量120mgで経口投与した患者のOSTの再開時の推定血清中ノルイボガイン濃度を表す(黒色の四角)。データは、図3で濃度‐時間プロファイルに基づき推定される。
本発明は、記載されている特定の実施形態が、当然変動し得ることから、記載の特定の実施形態に限定されないと理解される。同様に、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるため、本明細書中で使用される技術は、単に特定の実施形態を説明する目的のためのものであり、限定的であると意図されないことが理解される。
本発明の詳細な説明は、単に読み手への便宜のために様々なセクションに分割されており、いずれかのセクションで見出される開示は、別のセクションの開示と併用され得る。特段他の記載がない限り、本明細書中で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する分野の当業者により一般的に理解されている意味と同一の意味を有する。
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、特段明確に記載がない限り、複数形を含むことに留意しなければならない。よって、「化合物(a compound)」は、複数の化合物を含むことを意味する。
I.定義
特段他の記載がない限り、本明細書中使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する分野の当業者により一般的に理解されている意味と同一の意味を有する。本明細書中使用される以下の用語は、以下の意味を有する。
たとえばある範囲を含む、温度、時間、量、およびその他の数字表示の前に使用される場合の用語「約」は、(+)または(−)10%、5%、または1%変動し得る近似値を示す。
「投与」は、患者に薬物を導入することを指す。典型的に、有効量が投与され、この量は、治療する医師などにより決定することができる。経口投与、局所投与、皮下投与、腹腔投与、動脈内投与、吸入、膣投与、直腸投与、経鼻投与、脳脊髄液への導入、または身体区画への滴下注入などのいずれかの投与経路を使用することができる。薬物は、たとえば舌下投与、鼻腔内投与、または肺内投与といった、血流に直接送達することにより投与されてもよい。
化合物または医薬組成物(および文法上の均等物)と関連して使用される場合の、関連する用語および文言「投与する」および「〜の投与」は、医療の専門家によるまたは患者の自己投与による患者への投与であり得る直接的な投与、および/または薬物を処方する行為であり得る間接的な投与の両方を指す。たとえば、患者に薬物を自己投与させるよう指示する、および/または薬物の処方を患者に提供する医師は、患者に薬物を投与している。
「定期的な投与」または「定期的に投与する」は、日単位、週単位、および月単位で行われる複数の治療を指す。また定期的な投与は、ノルイボガインまたはその塩もしくは溶媒和物を、1日に1回、2回、3回、またはそれ以上投与することを指す。投与は、経皮パッチ、ガム、トローチ剤、舌下錠による投与、鼻腔内投与、肺内投与、経口投与、または他の投与であり得る。
「含んでいる」、または「含む」は、組成物および方法が、記載される要素を含むが、他の要素を排除するものではないことを意味すると意図される。組成物および方法を定義するために使用される場合の、「本質的に〜からなる」は、記載の目的の組み合わせに対して何等かの本質的に重要な他の要素を除外することを意味する。よって、本質的に本明細書中に定義される要素からなる組成物は、請求される本発明の基本的かつ新規の特徴に実質的な影響を及ぼさない他の物質またはステップを除外するものではない。「〜からなる」は、他の成分および実質的な方法ステップの微量な要素を超えるものを除外することを意味する。これら移行句によりそれぞれ定義される実施形態は、本発明の範囲内にある。
「ノルイボガイン」は、化合物
Figure 2017509612
ならびにノルイボガイン誘導体または薬学的に許容可能な塩、およびその薬学的に許容可能な溶媒和物を指す。「ノルイボガイン」が本明細書中言及される場合、「ノルイボガイン」の1つまたは複数の多形を利用することができ、企図されると理解すべきである。一部の実施形態では、ノルイボガインは、ノルイボガイングルクロニドである。ノルイボガインは、西アフリカの低木のイボガ(Tabernanth iboga)から単離される天然に存在するイボガイン
Figure 2017509612
の脱メチル化により調製できる。脱メチル化は、三臭化ホウ素/塩化メチレンと室温で反応させた後に従来の精製を行うなどの従来技術により行われ得る。たとえばHuffman, et al, J. Org. Chem. 50: 1460 (1985)を参照されたい。この文献全体は本明細書中参照として援用されている。ノルイボガインは、たとえば米国特許出願公開第2013/0165647号、第2013/0303756号、および第2012/0253037号、国際特許公開公報第2013/040471号(ノルイボガインの多形を作製する記載を含む)、および米国特許出願番号第13/593,454号に記載されるように合成できる。これら文献全体は、それぞれ参照として本明細書中に援用されている。
一部の実施形態では、本開示の方法は、望ましい最高血清中濃度および有効な平均ノルイボガイン血清中レベルを提供するノルイボガインのプロドラッグの投与を必要とする。ノルイボガインのプロドラッグは、in vivoでノルイボガインに代謝する化合物を指す。一部の実施形態では、プロドラッグは、ノルイボガインがin vivoで産生されるように、切断可能な結合アームにより、またはノルイボガインに結合するプロドラッグ部分の切断により、容易に切断可能であるように選択される。1つの好ましい実施形態では、プロドラッグ部分は、血液脳関門の通過を容易にすることにより、またはμおよび/もしくはκ受容体以外の脳の受容体を標的とすることにより、脳におけるμおよび/またはκ受容体との結合を促進するよう選択される。ノルイボガインのプロドラッグの例は、米国特許出願番号第13/165626号に提供されており、その内容全体は本明細書中参照として援用されている。
本発明は、ノルイボガインのいずれかの特定の化学的形態に限定されるものではなく、薬物は、遊離塩基、溶媒和物として、または薬学的に許容可能な酸付加塩として患者に投与され得る。後者の場合では、塩酸塩が一般的に好ましいが、有機または無機酸に由来する他の塩も使用してもよい。このような酸の例として、限定するものではないが、「薬学的に許容可能な塩」などとして以下に記載されるものが挙げられる。
「薬学的に許容可能な組成物」は、ヒトへの投与に適した組成物を指す。このような組成物は、様々な賦形剤、希釈剤、キャリアー、および当業者に良く知られているその他の不活性の薬剤を含む。
「薬学的に許容可能な塩」は、塩が、当技術分野で良く知られている様々な有機および無機の対イオンに由来する化合物の薬学的に許容可能な部分塩を含む、薬学的に許容可能な塩を指し、単なる例示ではあるが、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、メタンスルホン酸、亜リン酸、硝酸、過塩素酸、酢酸、酒石酸、乳酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、マレイン酸、アコニット酸、サリチル酸、フタル酸(thalic acid)、エンボン酸、エナント酸、シュウ酸を含み、分子が酸性官能基を含む場合、単なる例示ではあるが、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウムなどを含む。
「治療上有効量」または「治療量」は、病態を罹患している患者に投与する場合に意図する治療効果、たとえば患者の病態の1つまたは複数の症状の軽減、改善、寛解、または消失を有する、薬物または薬剤の量を指す。治療上有効量は、治療される患者および病態、対象の体重および年齢、病態の重症度、選択される活性薬物部分の塩、溶媒和物、または誘導体、選択される特性の組成物または賦形剤、従うべき投与計画、投与のタイミング、投与方法などに応じて変動し、これらすべては当業者により容易に決定することができる。完全な治療効果は、1つの用量の投与によって必ずしも起こるわけではなく、一連の用量の投与後にのみ起こり得る。よって、治療上有効量は、1回または複数回の投与で投与され得る。たとえば、限定するものではないが、オピオイドまたはオピオイド様薬物の依存性を治療する状況での、ノルイボガインの治療上有効量は、依存性および/または急性離脱の症状を、対照(プラセボ)よりも少なくとも2時間長く、対照よりも少なくとも5時間長く、好ましくは対照よりも少なくとも10時間長く減弱するノルイボガインの量を指す。
薬物の「治療レベル」は、オピオイドもしくはオピオイド様薬物中毒を治療するため、または急性離脱症状を治療、予防、もしくは減弱するためには十分ではあるが、何等かの有意なリスクを患者に与えるほど高くない、ノルイボガイン、またはその薬学的な塩もしくは溶媒和物の量である。薬物の治療レベルは、患者の血中の化合物の実際の濃度を測定する試験により決定することができる。この濃度は、「血清中濃度」と呼ばれる。
本明細書中に定義される薬物の「維持量」は、典型的に、患者の急性離脱後症候群の減弱および/または予防を提供する治療上有効量よりも少ない量である。阻害レベルは、もはや身体的にオピオイドまたはオピオイド様薬物の中毒ではない患者では高いレベルである必要はないため、化合物の維持量は、治療上有効量よりも少ないと予想される。たとえば、維持量は、好ましくは、治療上有効量よりも80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、または10%少なく、またはそれらの間のいずれかの部分値もしくは部分範囲である。
「治療」、「治療している」、および「治療する」は、疾患、障害、もしくは病態、および/またはその症状の有害なまたは他のいずれかの望ましくない作用を低減または改善するために薬剤を用いて、疾患、障害、または病態に作用させることと定義されており、(a)病態に対する素因を有すると決定されたがまだ病態を有すると診断されていない患者の病態の発症リスクを低減すること、(b)病態の発症を妨害すること、ならびに/または(c)病態を軽減する、すなわち病態の退行を引き起こすおよび/もしくは病態の1つもしくは複数の症状を軽減することを含む。病態または患者を「治療している」、またはその「治療」は、症状の低減などの臨床結果を含む、有益なまたは所望の結果を得るステップを行うことを指す。本発明の目的のために、有益なまたは所望の臨床結果として、限定するものではないが、オピオイドまたはオピオイド様薬物中毒を治療すること、急性離脱症状を治療、予防、および/または減弱すること、長期間の(急性離脱後)症状を治療、予防、および/または減弱すること、ならびにオピオイドまたはオピオイド薬物の使用の再開を予防することが挙げられる。
本明細書中使用される用語「患者」はヒトを指す。
本明細書中使用される用語「オピエート」は、ケシ(opium poppy)で見出された天然に存在するアルカロイドを指す。これらは、コデイン、モルヒネ、オリパビン、プソイドモルフィン、およびテバインを含む。また、アヘン、ケシ、ケシガラ、ならびにそれらの抽出物および濃縮物も含まれる。
本明細書中使用される用語「オピオイド」は、精神賦活性作用を有する、天然に存在するオピエートおよび合成または半合成オピオイドを指す。非限定的な例として、アセチル−α−メチルフェンタニル、アセチルメタドール、アルフェンタニル、アリルプロジン、アルファセチルメタドール、αメタドール、α−メチルフェンタニル、α−メチルチオフェンタニル、αプロジン、アニレリジン、ベンジルモルヒネ、ベンゼチジン、ベータセチルメタドール、β−ヒドロキシフェンタニル、β−ヒドロキシ−3−メチルフェンタニル、ベタメプロジン、ベータセチルメタドール、β−ヒドロキシフェンタニル、β−ヒドロキシ−3−メチルフェンタニル、ベタメプロジン、βメタドール、βプロジン、ベジトラミド、ブプレノルフィン、ブトルファノール、カルフェンタニル、クロニタゼン、コデイン、デソモルフィン、デキストロモラミド、デクストロプロポキシフェン、デゾシン、ジアムプロミド、ジアモルホン、ジエチルチアンブテン、ジヒドロコデイン、ジヒドロエトルフィン、ジヒドロモルヒネ、ジメノキサドール、ジメフェプタノール、ジメチルチアンブテン、ジオキサフェチルブチラート、ジフェノキシラート、ジフェノキシン、ジピパノン、エプタゾシン、エトヘプタジン、エチルメチルチアンブテン、エチルモルヒネ、エトニタゼン、エトルフィン、エトキセリジン、フェンタニル、フレチジン、ヘロイン、ヒドロコドン、ヒドロモルホン、ヒドロキシペチジン、イソメタドン、ケトベミドン、レボ−アルファセチルメタドール、レボメトルファン、レボルファノール、レボフェナシルモルファン、レボモラミド、ロフェンタニル、ロペラミド、アヘンチンキ、メペリジン、メプタジノール、メタゾシン、メタドン、3−メチルフェンタニル、3−メチルチオフェンタニル、メトポン、モルヒネ、モルフェリジン、MPPP(1−メチル−4−フェニル−4−プロピオノキシピペリジン)、ミロフィン、ナルセイン、ニコモルフィン、ノルアシメタドール、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ナロルフィン、ナルブフェン、ノルモルフィン、ノルピパノン、アヘン、オキシコドン、オキシモルホン、パパベレタム、パラ−フルオロフェンタニル、アヘン安息香チンキ、PEPAP(l−(−2−フェネチル)−4−フェニル−4−アセトキシピペリジン)、ペンタゾシン、フェナドキソン、フェナンプロミド、フェノモルファン、フェナゾシン、フェノペリジン、ピミノジン、ピリトラミド、プロフェプタジン、プロメドール、プロペリジン、プロピラム、プロポキシフェン、ラセモラミド、ラセメトルファン、ラセモルファン、レミフェンタニル、スフェンタニル、タペンタドール、チオフェンタニル、チリジン、トラマドール、トリメペリジン、上記のいずれかの混合物、上記のいずれかの塩、上記のいずれかの誘導体などが挙げられる。また、用語オピオイドは、4−シアノ−2−ジメチルアミノ−4,4−ジフェニルブタン、2−メチル‐3−モルフォリノ−1、1−ジフェニルプロパン−カルボン酸、4−シアノ−1−メチル‐4−フェニルピペリジン、エチル−4−フェニルピペリジン−4−カルボキシラート、および1−メチル−4−フェニルピペリジン−4−カルボン酸を含む、オピオイドの中間体をも包有する。多くのオピオイドは、米国のスケジュールIまたはスケジュールIIの薬物である。
本明細書中使用される用語「オピオイド様薬物」は、1つまたは複数のオピオイド受容体に結合し、オピオイド様中毒を引き起こすいずれかの違法な薬物を指す。当該薬物の使用の休止による急性および長期間の離脱症状は、オピオイドの休止による離脱症状に類似であり得る。オピオイド様薬物は、アンフェタミン、メタンフェタミン、ケタミン、およびコカインを含む。
本明細書中使用される用語「QT間隔」は、心臓の電気周期におけるQ波の開始からT波の終了までの時間の測定値を指す。QT間隔の延長は、QT間隔の増加を指す。
本明細書中使用される用語「中毒」および「依存性」は、互換可能に使用されており、使用の中止が患者にとって最善の利益である場合であっても、オピオイドまたはオピオイド様薬物の使用を患者が中止することができないことを指す。依存性に関するDSMIV−TRの基準は、12ヶ月の期間の間、以下の3つ以上で表される依存性または有意な機能障害もしくは苦痛を含む:
1.中毒もしくは所望の効果を得る際の物質の耐性もしくは顕著に増加した量、または同じ量の物質を継続して用いることによる顕著な効果の減少
2.離脱症状、または離脱症状を回避するための特定の物質の使用
3.意図されるよりも大量のまたは長期間にわたる、物質の使用
4.物質の使用中止または制御に対する持続的な渇望または成功していない努力
5.物質を入手、物質を使用、または物質の作用から回復するための常習行動の関与
6.物質の使用による、社会的、職業上、または娯楽の活動の減少または放棄
7.物質により引き起こされている可能性または悪化している可能性がある持続性または再発性の身体または精神の問題があるにも関わらず、物質を使用すること。
本明細書中使用される用語「溶媒和物」は、ノルイボガインが反応する、またはノルイボガインが沈殿もしくは結晶化する溶媒を含む複合体を指す。たとえば、水との複合体は、「水和物」として知られている。ノルイボガインの溶媒物は、本発明の範囲内にある。多くの有機化合物が、1つより多くの結晶型で存在し得ることは、有機化学の分野の当業者に理解されている。たとえば結晶型は、使用される溶媒和物に基づいて異なりうる。よって、ノルイボガインのすべての結晶型またはその薬学的に許容可能な溶媒和物は、本発明の範囲内にある。
II.本発明の方法
本開示を読むことにより当業者に明確であるように、本発明は、オピオイドまたはオピオイド様薬物中毒患者における、急性および急性離脱後の症状を含むオピオイドまたはオピオイド様薬物の乱用を治療する方法であって、ある用量のノルイボガインまたはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を上記患者に投与することを含む、方法を提供する。
治療投与
一態様では、本発明は、中毒患者のオピオイドまたはオピオイド様薬物からの急性離脱の治療であって、ノルイボガインまたはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物の治療上有効量を投与することを含む、治療に関する。
一態様では、本発明は、中毒患者のオピオイドまたはオピオイド様薬物の乱用を治療する方法であって、約50ng/ml〜約850ng/mlの平均血清中濃度(AUC/24時間)を提供する用量のノルイボガインまたはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を上記患者に投与することを含み、上記濃度が、上記治療のあいだ約500ms未満のQT間隔を維持しつつ上記乱用を阻害または改善するために十分である、方法に関する。
一態様では、本発明は、オピオイドまたはオピオイド様薬物中毒による症状を起こしやすいヒトの患者の離脱症状を減弱する方法であって、約60ng/ml〜約400ng/mlの平均血清中濃度(AUC/24時間)を提供する用量のノルイボガインまたはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を患者に投与することを含み、上記濃度が、上記治療のあいだ約500ms未満のQT間隔を維持しつつ上記症状を減弱するために十分である、方法に関する。一部の実施形態では、濃度は、治療のあいだ約470ms未満のQT間隔を維持しつつ上記症状を減弱するために十分である。好ましくは、濃度は、治療のあいだ約450ms未満のQT間隔を維持しつつ上記症状を減弱するために十分である。一実施形態では、濃度は、治療のあいだ約420ms未満のQT間隔を維持しつつ上記症状を減弱するために十分である。一実施形態では、離脱症状は急性離脱の症状である。
一態様では、本発明は、オピオイドまたはオピオイド様薬物中毒による症状を起こしやすいヒト患者の離脱症状を減弱する方法であって、約50ng/ml〜約400ng/mlの平均血清中濃度(AUC/24時間)を提供する用量のノルイボガインまたはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を上記患者に投与することを含み、上記濃度が、上記治療のあいだ約500ms未満のQT間隔を維持しつつ上記症状を減弱するために十分である、方法に関する。一部の実施形態では、濃度は、治療のあいだ約470ms未満のQT間隔を維持しつつ上記症状を減弱するために十分である。好ましくは、濃度は、治療のあいだ約450ms未満のQT間隔を維持しつつ上記症状を減弱するために十分である。一実施形態では、濃度は、治療のあいだ約420ms未満のQT間隔を維持しつつ上記症状を減弱するために十分である。一実施形態では、離脱症状は、急性離脱の症状である。
一実施形態では、ノルイボガインの平均血清中濃度は、約50ng/ml〜約800ng/ml、または約60ng/ml〜約800ng/mlである。一実施形態では、ノルイボガインの平均血清中濃度は、約50ng/ml〜約700ng/ml、または約60ng/ml〜約700ng/mlである。一実施形態では、ノルイボガインの平均血清中濃度は、約50ng/ml〜約600ng/ml、または約60ng/ml〜約600ng/mlである。好ましい実施形態では、ノルイボガインの平均血清中濃度は、約50ng/ml〜約500ng/ml、または約60ng/ml〜約500ng/mlである。一実施形態では、ノルイボガインの平均血清中濃度は、約50ng/ml〜約400ng/ml、または約60ng/ml〜約400ng/mlである。一実施形態では、ノルイボガインの平均血清中濃度は、約50ng/ml〜約300ng/ml、または約60ng/ml〜約300ng/mlである。一実施形態では、ノルイボガインの平均血清中濃度は、約50ng/ml〜約200ng/ml、または約60ng/ml〜約200ng/mlである。一実施形態では、ノルイボガインの平均血清中濃度は、約50ng/ml〜約100ng/ml、または約60ng/ml〜約100ng/mlである。この範囲は、両極値およびその間のいずれかの部分範囲を含む。
一実施形態では、ノルイボガインまたはその塩もしくは溶媒和物の用量または総用量は、約1mg/kg超〜約8mg/kg体重/日である。総用量は、24時間にわたり投与されるノルイボガインまたはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物の全量といった合計用量であり、ここでは、より少ない量が1日に1回超投与される。一実施形態では、ノルイボガインまたはその塩もしくは溶媒和物の用量または総用量は、約1.3mg/kg〜約7mg/kg体重である。一実施形態では、ノルイボガインまたはその塩もしくは溶媒和物の用量または総用量は、約1.3mg/kg〜約6mg/kg体重である。一実施形態では、ノルイボガインまたはその塩もしくは溶媒和物の用量または総用量は、約1.3mg/kg〜約5mg/kg体重である。好ましい実施形態では、ノルイボガインまたはその塩もしくは溶媒和物の用量また総用量は、約1.3mg/kg〜約4mg/kg体重である。一実施形態では、ノルイボガインまたはその塩もしくは溶媒和物の総用量は、約1.3mg/kg〜3mg/kg体重である。一実施形態では、ノルイボガインまたはその塩もしくは溶媒和物の用量または総用量は、約1.3mg/kg〜2mg/kg体重である。一実施形態では、ノルイボガインまたはその塩もしくは溶媒和物の用量または総用量は、約1.5mg/kg〜約3mg/kg体重である。一実施形態では、ノルイボガインまたはその塩もしくは溶媒和物の総用量は、約1.7mg/kg〜約3mg/kg体重である。一実施形態では、ノルイボガインまたはその塩もしくは溶媒和物の用量または総用量は、約2mg/kg〜約4mg/kg体重である。一実施形態では、ノルイボガインまたはその塩もしくは溶媒和物の用量または総用量は、約2mg/kg〜約3mg/kg体重である。一実施形態では、ノルイボガインまたはその塩もしくは溶媒和物の用量または合計用量は、約2mg/kg体重である。これら範囲は、両極値およびその間のいずれかの部分範囲を含む。
一実施形態では、ノルイボガインまたはその塩もしくは溶媒和物の用量または総用量は、約8mg/kg体重/日である。一実施形態では、ノルイボガインまたはその塩もしくは溶媒和物の用量または総用量は、約7mg/kg体重/日である。一実施形態では、ノルイボガインまたはその塩もしくは溶媒和物の用量または総用量は、約6mg/kg体重/日である。一実施形態では、ノルイボガインまたはその塩もしくは溶媒和物の用量または総用量は、約5mg/kg体重/日である。一実施形態では、ノルイボガインまたはその塩もしくは溶媒和物の用量または総用量は、約4mg/kg体重/日である。一実施形態では、ノルイボガインまたはその塩もしくは溶媒和物の用量または総用量は、約3mg/kg体重/日である。一実施形態では、ノルイボガインまたはその塩もしくは溶媒和物の用量または総用量は、約2mg/kg体重/日である。一実施形態では、ノルイボガインまたはその塩もしくは溶媒和物の用量または総用量は、約1.7mg/kg体重/日である。一実施形態では、ノルイボガインまたはその塩もしくは溶媒和物の用量または総用量は、約1.5mg/kg体重/日である。一実施形態では、ノルイボガインまたはその塩もしくは溶媒和物の用量または総用量は、約1.3mg/kg体重/日である。一実施形態では、ノルイボガインまたはその塩もしくは溶媒和物の用量または総用量は、約1mg/kg体重/日である。
一部の実施形態では、ノルイボガインまたはその塩もしくは溶媒和物の治療用量は、一定期間に漸減させる用量であり、そのあいだに患者はたとえば顕著な急性離脱症状に苦しむことなく解毒される。理論により縛られるものではないが、漸減は、QT間隔をあまり延長することなくノルイボガインの完全な治療効果を可能にすると考えられている。漸減は、経時的に、その後の1つまたは複数のより低用量のノルイボガインの投与を含む。たとえば、一部の実施形態では、第1の漸減用量は、第1または当初の用量の約50%〜約95%である。一部の実施形態では、第2の漸減用量は、第1または当初の用量の約40%〜約90%である。一部の実施形態では、第3の漸減用量は、第1または当初の用量の約30%〜約85%である。一部の実施形態では、第4の漸減用量は、第1または当初の用量の約20%〜約80%である。一部の実施形態では、第5の漸減用量は、第1または当初の用量の約10%〜約75%である。
一部の実施形態では、第1の漸減用量は、ノルイボガインの第1の用量の投与後に投与される。一部の実施形態では、第1の漸減用量は、第2、第3、またはその後の用量のノルイボガインの投与後に投与される。第1の漸減用量は、前回のノルイボガインの用量の投与後の任意の時点で投与され得る。第1の漸減用量を1回投与した後、たとえばさらなる漸減用量を投与することができ、または複数回投与した後にさらなる漸減用量(たとえば第2、第3、第4などの漸減用量)を投与してもよくまたは投与しなくてもよく、これらを同様に、たとえば1回または複数回投与することができる。一部の実施形態では、第1の漸減用量は、前回の用量のノルイボガインの投与から1時間後、6時間後、12時間後、18時間後、24時間後、36時間後、48時間後、またはそれより後に投与される。同様に、第2、第3、第4などの漸減用量を、任意に、前回の用量のノルイボガインの投与から1時間後、6時間後、12時間後、18時間後、24時間後、36時間後、48時間後、またはそれより後に投与することができる。
一部の実施形態では、1回の漸減用量を、所望のより低い治療用量を達成するために投与する。一部の実施形態では、2回の漸減用量を、所望のより低い治療用量を達成するために投与する。一部の実施形態では、3回の漸減用量を、所望のより低い治療用量を達成するために投与する。一部の実施形態では、4回以上の漸減用量を、所望のより低い治療用量を達成するために投与する。漸減用量、漸減用量の数などの決定は、適任な臨床医により容易に行うことができる。
一実施形態では、QT間隔は、約50msを超えて延長しない。一実施形態では、QT間隔は、約40msを超えて延長しない。一実施形態では、QT間隔は、約30msを超えて延長しない。一実施形態では、QT間隔は、約20msを超えて延長しない。一実施形態では、QT間隔の延長は、メタドンで処置した患者で観察される延長と等しいまたそれよりも少ない。
一部の実施形態では、ノルイボガインまたはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を、1日に1回、2回、3回、4回、または5回など、定期的に患者に投与する。一部の実施形態では、投与は、1日に1回、または1日おきに1回、2日おきに1回、1週間に3回、1週間に2回、または1週間に1回である。投与量および投与回数は、限定するものではないが、投与経路、用量、患者の年齢および体重、患者の病態に依存する。本技術に適した用量および投与回数の決定は、適任の臨床医により容易に行うことができる。
本明細書中に提供される方法に係る投与に適した、ノルイボガインまたはその薬学的に許容可能な溶媒和物もしくは塩は、限定するものではないが、経口送達および経皮送達を含む様々な送達形式に適切とすることができる。
内部経路、肺経路、直腸経路、経鼻経路、膣経路、舌経路、静脈内経路、動脈内経路、筋肉内経路、腹腔内経路、皮内経路、および皮下経路に適した組成物もまた使用してもよい。可能性のある剤形として、錠剤、カプセル、ピル、散剤、エアロゾル剤、坐剤、懸濁剤、液剤および乳剤を含む非経口用液剤および経口用液剤が挙げられる。徐放性の剤形を使用してもよい。すべての剤形は、当該技術で標準的な方法を使用して調製され得る(たとえばRemington’s Pharmaceutical Sciences, 16th ed., A. Oslo editor, Easton Pa. 1980参照)。
好ましい実施形態では、ノルイボガインまたはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物は経口投与され、錠剤、カプレット、舌下用、液体、またはカプセルの剤形で簡便に提供され得る。特定の実施形態では、ノルイボガインは、ノルイボガインHClとして提供され、用量は遊離塩基のノルイボガインの量として報告される。一部の実施形態では、ノルイボガインHClは、賦形剤を含まずノルイボガインHClのみを含む硬カプセルで提供される。
患者は、何等かのオピオイドまたはオピエートまたはオピオイド様薬物の中毒を患っていてもよい。好ましい実施形態では、オピオイドまたはオピオイド様薬物は、ヘロイン、コカイン、オピエート、メタドン、モルヒネ、コデイン、オキシコドン、ヒドロコドン、およびメタンフェタミンからなる群から選択される。一実施形態では、オピオイドまたはオピオイド様薬物はヘロインである。一実施形態では、オピオイドまたはオピオイド薬物はメタドンである。一実施形態では、オピオイドまたはオピオイド様薬物はモルヒネである。
維持投与
一態様では、本発明は、ノルイボガインまたはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物の維持量を用いた、中毒患者のオピオイドまたはオピオイド様薬物の急性後離脱の治療または減弱に関する。
一部の態様では、本発明は、オピオイドまたはオピオイド様薬物の乱用を改善するために治療される上記薬物の中毒患者の乱用の再開を予防する方法であって、上記方法が、維持用量のノルイボガインを上記患者に定期的に投与することを含む、方法に関する。
一部の実施形態では、患者は、ノルイボガインまたはその塩もしくは溶媒和物の維持用量を用いた長期間(たとえば1年以上)の治療を受ける。一部の実施形態では、上述のノルイボガインの治療用量を用いて急性離脱に関して患者を治療し、次に、急性離脱症状が鎮静したと予測された後に維持レベルまでノルイボガインの量を減らす。一般的に、急性離脱症状は、中毒薬物の休止から最初の48〜72時間以内に最も顕著であるが、急性離脱症状が1週間以上長く持続することもある。
一部の実施形態では、最も顕著な離脱症状を改善するために、高用量(治療用量)のノルイボガインまたはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を一定期間患者に投与し、次に、オピオイドまたはオピオイド様薬物の使用の再開を予防するためにより低い用量(維持用量)を投与する。一部の実施形態では、最も顕著な離脱症状を改善するために、治療用量のノルイボガインまたはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を一定期間患者に投与し、次に、減少する(漸減)量のノルイボガインまたはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を、維持用量に達するまで経時的に投与する。
一部の実施形態では、ノルイボガインまたはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物の維持用量は、治療用量の70%である。一部の実施形態では、維持用量は治療用量の60%である。一部の実施形態では、維持用量は治療用量の50%である。一部の実施形態では、維持用量は治療用量の40%である。一部の実施形態では、維持用量は治療用量の30%である。一部の実施形態では、維持用量は、治療用量の20%である。一部の実施形態では、維持用量は治療用量の10%である。
一部の実施形態では、ノルイボガインの維持用の平均血清中レベルは、ノルイボガインの治療用の平均血清中レベルの70%である。一部の実施形態では、ノルイボガインの維持用の平均血清中レベルは、ノルイボガインの治療用の平均血清中レベルの60%である。一部の実施形態では、ノルイボガインの維持用の平均血清中レベルは、ノルイボガインの治療用の平均血清中レベルの50%である。一部の実施形態では、ノルイボガインの維持用の平均血清中レベルは、ノルイボガインの治療用の平均血清中レベルの40%である。一部の実施形態では、ノルイボガインの維持用の平均血清中レベルは、ノルイボガインの治療用の平均血清中レベルの30%である。一部の実施形態では、ノルイボガインの維持用の平均血清中レベルは、ノルイボガインの治療用の平均血清中レベルの20%である。一部の実施形態では、ノルイボガインの維持用の平均血清中レベルは、ノルイボガインの治療用の平均血清中レベルの10%である。
一実施形態では、所望の維持用量に達するまで治療用量を経時的に漸減する。たとえば、一部の実施形態では、第1の漸減用量は、治療用量の約50%〜約95%である。一部の実施形態では、第2の漸減用量は、治療用量の約40%〜90%である。一部の実施形態では、第3の漸減用量は、治療用量の約30%〜約85%である。一部の実施形態では、第4の漸減用量は、治療用量の約20%〜約80%である。一部の実施形態では、第5の漸減用量は、治療用量の約10%〜約75%である。一部の実施形態では、1つの漸減用量を、維持用量を達成するために投与する。一部の実施形態では、2つの漸減用量を、維持用量を達成するために投与する。一部の実施形態では、3つの漸減用量を、維持用量を達成するために投与する。一部の実施形態では、4回以上の漸減用量を、維持用量を達成するために投与する。漸減用量、漸減用量の数などの決定は、適任の臨床医により容易に行うことができる。
一実施形態では、QT間隔は、30msを超えて延長しない。好ましい実施形態では、QT間隔は、20msを超えて延長しない。
一部の実施形態では、ノルイボガインまたはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を用いて、1日に1回、2回、3回、4回、または5回など、定期的に患者に投与する。一部の実施形態では、投与は、1日に1回、1日おきに1回、2日おきに1回、1週間に3回、1週間に2回、または1週間に1回である。投与量および投与回数は、限定するものではないが、投与経路、組成物の含有量、患者の年齢および体重、患者の病態に依存する。本技術に適した用量および投与回数の決定は、適任の臨床医により容易に行うことができる。
本明細書中に提供される方法に係る投与に適した、ノルイボガインまたはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物は、限定するものではないが、経口送達および経皮的送達を含む様々な送達形式に適切であり得る。内部経路、肺経路、直腸経路、経鼻経路、膣経路、舌経路、静脈内経路、動脈内経路、筋肉内経路、腹腔内経路、皮内経路、および皮下経路に適した組成物を使用してもよい。可能性のある剤形として、限定するものではないが、錠剤、カプセル、ピル、散剤、エアロゾル剤、坐剤、懸濁剤、液剤および乳剤を含む非経口用液剤および経口用液剤が挙げられる。また、徐放性剤形を使用してもよい。すべての剤形は、当該分野で標準的な方法を使用して調製され得る(たとえばRemington’s Pharmaceutical Sciences, 16th ed., A. Oslo editor, Easton Pa. 1980参照)。
好ましい実施形態では、ノルイボガインまたはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物は、経口投与され、ここでは、錠剤、カプレット、舌下用、液剤、またはカプセルの剤形で簡便に提供され得る。特定の実施形態では、ノルイボガインは、ノルイボガインHClとして提供され、用量は遊離塩基ノルイボガインの量として報告される。一部の実施形態では、ノルイボガインHClは、賦形剤を含まずノルイボガインHClのみを含む硬カプセルで提供される。
患者は、何等かのオピオイドまたはオピエートまたはオピオイド様薬物の中毒を罹患していてもよい。好ましい実施形態では、オピオイドまたはオピオイド様薬物は、ヘロイン、コカイン、オピエート、メタドン、モルヒネ、コデイン、ヒドロコドン、オキシコドン、およびメタンフェタミンからなる群から選択される。一実施形態では、オピオイドまたはオピオイド様薬物はヘロインである。一部の実施形態では、オピオイドまたはオピオイド様薬物はメタドンである。一実施形態では、オピオイドまたはオピオイド様薬物はモルヒネである。
患者のプレスクリーニングおよびモニタリング
ノルイボガインによる治療前の患者のプレスクリーニングおよび/またはノルイボガイン治療のあいだの患者のモニタリングは、QT間隔が特定の値を超えて延長していないことを確認するために必要であり得る。たとえば、500ms超のQT間隔は、個々の患者にとって危険であると考えられ得る。プレスクリーニングおよび/またはモニタリングは、高レベルのノルイボガインの治療に必要であり得る。
好ましい実施形態では、治療用量のノルイボガインを投与した患者は、臨床状況でモニタリングされる。モニタリングは、QT間隔が許容不可能な度合いまで延長していないことを確認するために必要であり得る。「臨床状況」は、入院患者の状況(たとえば入院患者の診療所、病院、リハビリ施設)、または頻繁な定期的なモニタリングを伴う外来患者の状況(たとえば投与およびモニタリングを受けるために毎日訪れる外来患者の診療所)を指す。モニタリングは、QT間隔のモニタリングを含む。たとえばECGによりQT間隔をモニタリングする方法は、当該分野でよく知られている。
一実施形態では、維持用量のノルイボガインを投与した患者は、臨床状況でモニタリングされない。一実施形態では、維持用量のノルイボガインを投与した患者は、定期的に、たとえば毎日、毎週、毎月、または状況に応じてモニタリングされる。
一態様では、本発明は、中毒患者のオピオイドまたはオピオイド様薬物の乱用および/または急性離脱の症状を治療する方法であって、QT間隔の延長に関する患者の予測される耐容性を評価するためにプレスクリーニングされるオピオイドまたはオピオイド様薬物中毒の患者を選択することと、約50ng/ml〜約850ng/mlの平均血清中濃度(AUC/24時間)を提供する用量のノルイボガインまたはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を患者に投与することとを含み、上記濃度が、上記治療のあいだに500ms未満のQT間隔を維持しつつ上記乱用または症状を阻害または改善するために十分である、方法に関する。一部の実施形態では、濃度は、上記治療のあいだ約470ms未満のQT間隔を維持しつつ上記乱用または症状を減弱するために十分である。好ましくは、濃度は、治療のあいだ約450ms未満のQT間隔を維持しつつ上記乱用または症状を減弱するために十分である。一実施形態では、濃度は、上記治療のあいだ約420ms未満のQT間隔を維持しつつ上記乱用または症状を減弱するために十分である。
一実施形態では、患者のプレスクリーニングは、ノルイボガインの治療が、約500ms超のQT間隔をもたらさないことを確認することを含む。一実施形態では、患者のプレスクリーニングは、ノルイボガインの治療が約470ms超のQT間隔をもたらさないことを確認することを含む。一実施形態では、プレスクリーニングは、ノルイボガインの治療が約450ms超のQT間隔をもたらさないことを確認することを含む。一実施形態では、プレスクリーニングは、ノルイボガインの治療が、約420ms超のQT間隔をもたらさないことを確認することを含む。一実施形態では、プレスクリーニングは、患者の治療前のQT間隔を決定することを含む。
患者のプレスクリーニングまたは前選択に関連して、患者は、臨床医により決定された何等かの基準に基づき選択され得る。このような基準は、限定するものではないが、処置前のQT間隔、既存の心臓の病態、心臓病態のリスク、年齢、性別、全身健康状態などを含みうる。以下は、患者にノルイボガインの治療を許可しない、または患者へ投与されるノルイボガインの用量を限定する選択基準の例である:治療前の大きなQT間隔(たとえば、患者のQT間隔が治療のあいだに500msを超えるリスクがあるような間隔);先天性の長いQT症候群;徐脈;低カリウム血症または低マグネシウム血症;最近の急性心筋梗塞;非代償性心不全;およびQT間隔を増大させる他の薬物の摂取。一部の実施形態では、本方法は、当該基準のうち1つまたは複数を満たさない患者を選択すること、そのような患者にノルイボガインを投与および/または提供することを含み得る。
一実施形態では、本発明は、安全なレベルを超えるQT間隔延長のリスクがあるかどうかを決定するために患者をプレスクリーニングすることに関する。一実施形態では、安全レベルを超えるQT間隔延長のリスクのある患者にはノルイボガインを投与しない。一実施形態では、安全レベルを超えるQT間隔延長のリスクがある患者に、限定された用量でノルイボガインを投与する。
一実施形態では、本発明は、治療用量のノルイボガインを投与する患者のモニタリングに関する。一実施形態では、患者が重篤で有害な副作用を有する場合、ノルイボガインの用量を減らす。一実施形態では、患者が重篤で有害な副作用を有する場合、ノルイボガインの治療を中断する。一実施形態では有害な副作用は、安全レベルを超えて延長したQT間隔である。延長の安全レベルの決定は、適任の臨床医の技能の範囲内にある。
パーツキット
本発明の一態様は、中毒患者におけるオピオイドまたはオピオイド薬物の乱用および/または離脱症状の治療のためのパーツキットであって、ノルイボガインまたはその塩もしくは溶媒和物を含む組成物と、その必要がある患者に上記組成物を投与するための手段とを含む、パーツキットに関する。患者に投与するために手段は、たとえば、ノルイボガイン、またはノルイボガイン誘導体、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物、経皮パッチ、シリンジ、ニードル、本組成物を含むIVバッグ、本組成物を含むバイアル、本組成物を含む吸入器などのいずれか1つまたは組み合わせを含むことができる。一実施形態では、パーツキットは、本組成物の用量および/または投与に関する説明書をさらに含む。
一部の実施形態では、本発明は、ノルイボガインの投与のためのパーツキットであって、複数の送達ビヒクルを含み、各送達ビヒクルが、別々の量のノルイボガインを含み、さらに各送達ビヒクルが、その中に提供されているノルイボガインの量により特定されており、任意に、可読媒体中に投与治療スケジュールをさらに含む、パーツキットを目的とする。一部の実施形態では、投与治療スケジュールは、各平均血清中レベルを達成するために必要とされるノルイボガインの量を提供することを含む。一部の実施形態では、パーツキットは、患者の性別、患者の質量、および担当医が達成を望む血清中レベルに基づき、主治医がノルイボガインの投与計画を選択することができる投与治療スケジュールを含む。一部の実施形態では、投与治療スケジュールは、患者の体重(または質量)および性別に基づき、患者の血液容量に対応する情報をさらに提供する。一実施形態では、保存媒体は、添付のパンフレットまたはキット中の単位剤形に添付する類似の書面の情報を含むことができる。一実施形態では、保存媒体は、たとえば、当該情報のデジタル暗号化された機械‐可読表示を保存するための不揮発性メモリなどの電子的、光学的、または他のデータストレージを含むことができる。
本明細書中で使用される用語「送達ビヒクル」は、患者にノルイボガインを投与するために使用できるいずれかの製剤を指す。限定するものではないが、例示的な送達ビヒクルとして、カプレット、ピル、カプセル、錠剤、散剤、液剤、または薬物を投与できる他のいずれかの剤形が挙げられる。送達ビヒクルは、経口手段、吸入手段、注射手段、または他のいずれかの手段による投与のために意図され得る。
本明細書中で使用される用語「可読媒体」は、たとえばヒトまたは機械により読み取ることができるデータの表示を指す。ヒトが読み取り可能な形式の非限定的な例として、パンフレット、インサート、または他の文書の形態が挙げられる。機械可読形式の非限定的な例は、機械(たとえばコンピュータ、タブレット、および/またはスマートフォン)により読み取り可能な形態で情報を提供(すなわち保存かつ/または伝達)するいずれかの機構を含む。たとえば、機械可読媒体として、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク保存媒体、光学保存媒体、およびフラッシュメモリデバイスが挙げられる。一実施形態では、機械可読媒体はCD−ROMである。一実施形態では、機械可読媒体はUSBドライブである。一実施形態では、機械可読媒体は、クイックレスポンスコード(QRコード)または他のマトリックスバーコードである。
一部の態様では、機械可読媒体は、ノルイボガインの単位剤形の投与スケジュールに関する情報および任意に他の薬物の情報を含むソフトウェアを含む。一部の実施形態では、ソフトウェアは、主治医または他の医療専門家が患者の情報を入力できるように相互作用性であり得る。非限定的な例では、医療専門家は、治療される患者の体重および性別を入力でき、ソフトウェアプログラムは、入力された情報に基づき推奨される投与レジメンを提供する。送達されることが推奨されるノルイボガインの量およびタイミングは、本明細書中に提供される血清中濃度をもたらす用量の範囲内である。
一部の実施形態では、パーツキットは、様々な投与オプションの複数の送達ビヒクルを含む。たとえば、パーツキットは、ピルあたり240mg、120mg、90mg、60mg、30mg、20mg、および/または10mgのノルイボガインなどの複数の用量のピルまたは錠剤を含み得る。各ピルは、医療専門家および/または患者が異なる用量を容易に区別できるようにラベル付けされている。ラベル付けは、ピル上の印刷またはエンボス加工、ピルの形状、ピルの色、キットの中に別々にラベル付けされた区画におけるピルの位置、および/またはピルの他のいずれかの区別される特徴に基づくものであり得る。一部の実施形態では、キット内のすべての送達ビヒクルは、1名の患者用と意図されている。一部の実施形態では、キット内の送達ビヒクルは、複数の患者のために意図されている。
本発明の一態様は、中毒患者におけるオピオイドまたはオピオイド様薬物の乱用および/または離脱症状の治療のためのパーツキットであって、上記キットが、単位剤形のノルイボガインまたはその塩もしくは溶媒和物を含む、パーツキットを目的とする。単位剤形は、約50ng/ml〜約800ng/ml、または約60ng/ml〜約800ng/mlの平均血清中レベルのノルイボガインを患者に提供する。
一部の実施形態では、単位剤形は、1日1回、2回、3回、4回、または5回など、定期的にノルイボガインまたはそのプロドラッグを投与するための1つまたは複数の用量を含む。一部の実施形態では、投与は、1日に1回、または2日に1回、3日に1回、1週間に3回、1週間に2回、または1週間に1回である。投与量および投与回数は、限定するものではないが、投与経路、組成物の含有量、患者の性別および体重、患者の病態、患者の性別、および中毒の重症度を含む基準に依存する。所定の患者にとって適切な用量および投与回数を提供する単位剤形の決定は、適任の臨床医により容易に行うことができる。
これらの用量範囲は、単位剤形のノルイボガインまたはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物の経皮投与、経口投与、または非経口投与により達成され得る。このような単位剤形は、経皮パッチ、錠剤、カプレット、液剤、またはカプセルの剤形で簡便に提供され得る。特定の実施形態では、ノルイボガインは、ノルイボガインHClとして提供され、用量は遊離塩基のノルイボガインの量として記録される。一部の実施形態では、ノルイボガインHClは、賦形剤を含まず、ノルイボガインHClのみを含む硬カプセルで提供される。一部の実施形態では、ノルイボガインは、静脈投与用の生理食塩水中で提供される。
製剤
さらに本発明は、ノルイボガインまたはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物の単位用量を含む薬学的に許容可能な製剤であって、上記ノルイボガインの量が、患者に投与する際に約50ng/ml〜約850ng/mlの平均血清中濃度(AUC/24時間)を提供するために十分である、薬学的に許容可能な製剤に関する。好ましい実施形態では、ノルイボガインの量は、患者に投与される際に約50ng/ml〜約400ng/mlの平均血清中濃度(AUC/24時間)を提供するために十分である。
一部の実施形態では、ノルイボガインの単位用量は、1つまたは複数の用量で投与される。
一実施形態では、ノルイボガインの量は、約50ng/ml〜約800ng/ml、または約60ng/ml〜約800ng/mlのノルイボガインの平均血清中濃度を提供するために十分である。一実施形態では、ノルイボガインの量は、約50ng/ml〜約700ng/ml、または約60ng/ml〜約700ng/mlのノルイボガインの平均血清中濃度を提供するために十分である。一実施形態では、ノルイボガインの量は、約50ng/ml〜約600ng/ml、または約60ng/ml〜約600ng/mlのノルイボガインの平均血清中濃度を提供するために十分である。好ましい実施形態では、ノルイボガインの量は、約50ng/ml〜約500ng/ml、または約60ng/ml〜約500ng/mlのノルイボガインの平均血清中濃度を提供するために十分である。一実施形態では、ノルイボガインの量は、約50ng/ml〜約400ng/ml、または約60ng/ml〜約400ng/mlのノルイボガインの平均血清中濃度を提供するために十分である。一実施形態では、ノルイボガインの量は、約50ng/ml〜約300ng/ml、または約60ng/ml〜約300ng/mlのノルイボガインの平均血清中濃度を提供するために十分である。一実施形態では、ノルイボガインの量は、約50ng/ml〜約200ng/ml、または約60ng/ml〜約200ng/mlのノルイボガインの平均血清中濃度を提供するために十分である。一実施形態では、ノルイボガインの量は、約50ng/ml〜約100ng/ml、または約60ng/ml〜約100ng/mlのノルイボガインの平均血清中濃度を提供するために十分である。これら範囲は、両極値およびその間のいずれかの部分範囲を含む。
一部の実施形態では、製剤は、ノルイボガインまたはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を1日に1回、2回、3回、4回、または5回など定期的に投与するように設計される。一部の実施形態では、投与は、1日に1回、2日に1回、3日に1回、1週間に3回、1週間に2回、または1週間に1回である。投与量および投与回数は、限定するものではないが、投与経路、組成物の含有量、患者の性別および体重、患者の病態に依存する。本技術に適した用量および投与回数の決定は、適任の臨床医により容易に行うことができる。
一部の実施形態では、本明細書中に提供される方法に係る投与のために設計される製剤は、限定するものではないが、経口送達および経皮送達を含む様々な投与形式に適切であり得る。内部経路、肺経路、直腸経路、経鼻経路、膣経路、舌経路、静脈内経路、動脈内経路、筋肉内経路、腹腔内経路、皮内経路、および皮下経路に適した製剤を使用してもよい。可能性のある剤形として、錠剤、カプセル、ピル、散剤、エアロゾル剤、坐剤、懸濁剤、液剤および乳剤を含む非経口用液剤および経口用液剤が挙げられる。同様に徐放剤形を使用してもよい。すべての製剤は、当該技術分野で標準的な方法を使用して調製され得る(たとえばRemington’s Pharmaceutical Sciences, 16th ed., A. Oslo editor, Easton Pa. 1980参照)。
好ましい実施形態では、製剤は、経口投与用に設計されており、錠剤、カプレット、舌下用、液体またはカプセルの剤形で簡便に提供され得る。特定の実施形態では、ノルイボガインは、ノルイボガインHClとして提供され、用量は遊離塩基ノルイボガインの量として記録される。一部の実施形態では、ノルイボガインHClは、賦形剤を含まず、ノルイボガインHClのみを含む硬カプセルで提供される。
実施例
以下の実施例は、本開示の特定の実施形態をさらに例示することを意図しており、本開示の範囲を限定することを意図しない。
実施例1:ヒトにおけるノルイボガインの薬物動態および薬力学
18〜55歳の薬物を使用していない男性ボランティア36名が、本試験に登録し、試験を終了した。これは、漸増単回投与プラセボ対照無作為二重盲検並行群試験である。平均(SD)年齢は、22.0歳(3.3)であり、平均(SD)身長は1.82(0.08)mであり、平均(SD)体重は78.0(9.2)kgであった。26名の対象は白人であり、3名はアジア人であり、1名はマオリ人であり、1名は太平洋諸島出身であり、5名はそのいずれにも当てはまらなかった。この試験のプロトコルは、Lower South地域倫理委員会(LRS/12/06/015)により承認されたものであり、試験は、オーストラリアおよびニュージーランドの臨床試験レジストリ(Australian New Zealand Clinical Trial Registry)(ACTRN 12612000821897)で登録された。すべての対象は、登録前に署名したインフォームドコンセントを提出し、病歴の審査、身体検査、安全性臨床検査、バイタルサインおよびECGに基づき、参加が適切であると評価された。
各投与レベルにおいて、コンピュータで作製したランダムコートに基づき、6名の参加者にノルイボガインを投与し、3名にプラセボを投与するよう無作為化した。投与は、最も低い用量のノルイボガインで開始し、終了したコホートの安全性、耐容性、および盲検の薬物動態を審査して、独立したデータ安全性モニタリング委員会により用量漸増が承認された後に、次のコホートに次に高い用量を投与した。少なくとも10時間の一晩の絶食の後に、水240mlと共にカプセルとして盲検薬物を投与した。参加者は、投与後少なくとも5時間、食物を全く摂取しなかった。患者は、薬物投与の12時間前から投与してから72時間後まで試験場所に拘束されており、その後投与後216時間まで、外来患者の評価を行った。
投与前、ならびに投与から0.25、0.5、0.75、1.0、1.25、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、7、8、10、12、14、18、24、30、36、48、60、72、96、120、168、および216時間後に、薬物動態の評価のために血液を得た。試料を遠心分離し、血漿を解析まで−70℃で保存した。30mgおよび60mgのコホートに関して試験薬物の投与後、ブロック24時間尿収集物(Block 24 hour collection)を得た。アリコートを、解析まで−20℃で凍結した。
投与の2時間前から投与から6時間後まで、およびその後投与から12時間後、24時間後、48時間後、および72時間後に、GE Carescape B650モニタリングシステムを使用して継続的に、パルスオキシメトリおよびカプノグラフィーのデータを収集した。追加的なオキシメトリデータを、120時間、168時間、および216時間目に収集した。縮瞳を瞳孔測定により評価した。投与前、投与から2時間後、4時間後、12時間後、24時間後、48時間後、72時間後、96時間後、120時間後、168時間後、および216時間後に、暗順応時の瞳の直径を、標準化した光強度(<5ルクス)下でNeuroptics PLR−200瞳孔計を使用して1試料あたり3重に測定した。
血漿中のノルイボガインの濃度を、バリデートされた感受性のあるLCMSMS法を使用して、3mgおよび10mgの投与群で決定した。試料の調製は、tert‐ブチルメチルエーテルを用いた塩基性化血漿の二回抽出と、窒素流下での試料の乾燥と、0.1%(v/v)のギ酸を含むアセトニトリル:B.P.水(5:95、v/v)による試料の再構成とを含むものであった。化合物を、150×2.0mmのLuna 5μm C18カラムにより分離し、ポジティブモードのエレクトロスプレーイオン化および多重反応モニタリングを使用して三連四重極型API4000または5000質量分析計により検出した。ノルイボガイン‐d4を内部標準として使用した。ノルイボガインに関する前駆体‐生成物のイオントランジション値は、m/z 297.6−>122.3であり、内部標準のノルイボガイン‐d4の値は、m/z 301.1−>122.2であった。Analyst(登録商標)ソフトウェアを、データの収集および処理に使用した。内部標準のノルイボガインd4に対するノルイボガインのピーク面積の比率を、未知濃度のノルイボガインの較正および測定に使用した。定量下限(LLOQ)は、0.025ng/mlのノルイボガインであった。較正曲線は、0.025〜25,600ng/mlのノルイボガインであった。移動相Aは、0.1%(v/v)のギ酸を含むアセトニトリル:B.P.水(5:95、v/v)であり、移動相Bは、0.1%(v/v)のギ酸を含むアセトニトリル:B.P.水(95:5、v/v)であった。作動時間の合計は6分であった。二成分の流れ:最初の濃度は8%の移動相Bであり、8%の移動相Bを0.5分間保持し、90%の移動相Bまで1.5分間かけて直線状に上昇させ、90%の移動相Bで1分間保持し、次に、0.01分で8%の移動相Bに戻す。系を3分間平衡にした。作動時間の合計は6分間であった。日内および日間のアッセイ精度は<9%であり、日内および日間のアッセイ正確性は<9%であった。
血漿中ノルイボガインの濃度を、バリデートされた感受性のあるLCMSMS法を使用して30mgおよび60mgの用量群で決定した。試料の調製は、アセトニトリルによる血漿試料の除タンパクと、0.1%(v/v)のギ酸による試料の希釈とを含むものであった。化合物を、150×2.0mmのLuna 5μm C18カラムにより分離し、ポジティブモードのエレクトロスプレーイオン化および多重反応モニタリングを使用して三連四重極型API4000または5000質量分析計で検出した。ノルイボガイン−d4を内部標準として使用した。ノルイボガインの前駆体‐生成物のイオントランジション値は、m/z 297.6−>122.3であり、内部標準d4に関する値は m/z 301.1−>122.2であった。Analyst(登録商標)ソフトウェアを、データの収集および処理に使用した。内部標準のノルイボガインd4に対するノルイボガインのピーク面積の比率を、ノルイボガインの未知濃度の較正および測定のために使用した。LLOQは、0.50ng/mlのノルイボガインであった。較正曲線は、0.50〜256.00ng/mlのノルイボガインであった。移動相は、方法Aと同一であり、二成分の流れも方法Aと同一であった。日内および日間のアッセイ精度は<9%であり、日内および日間のアッセイ正確性は<9%であった。
血漿中ノルイボガイングルクロニドの濃度を、バリデートされた感受性LCMSMS法を使用して30mgおよび60mgの用量群で決定した。サンプルの調製は、アセトニトリルによる血漿試料の除タンパクと、窒素流下での試料の乾燥と、0.1%(v/v)を含むアセトニトリル:B.P.水(5:95、v/v)による試料の再構成とを含むものであった。化合物を、150×2.0mmのLuna 5μm C18カラムにより分離し、ポジティブモードのエレクトロスプレーイオン化および多重反応モニタリングを使用して三連四重極型API4000または5000質量分析計で検出した。ノルイボガインd4を内部標準として使用した。ノルイボガイングルクロニドに関する前駆体‐生成物のイオントランジション値はm/z 472.8−>297.3であり、内部標準のノルイボガインd4に関する値はm/z 301.1−>122.2であった。Analyst(登録商標)ソフトウェアを、データの収集および処理のために使用した。内部標準のノルイボガインd4に対するノルイボガイングルクロニドのピーク面積の比率を、未知濃度のノルイボガイングルクロニドの較正および測定に使用した。LLOGは0.050ng/mlのノルイボガイングルクロニドであった。較正曲線は、0.050〜6.400ng/mlのノルイボガイングルクロニドであった。移動相は、方法Aと同じであった。二成分の流れ:最初の濃度は、6%の移動相Bであり、6%の移動相Bで0.5分間保持し、90%の移動相Bまで直線的に2分間かけて増加させ、90%の移動相Bで1分間保持し、次に、0.01分かけて6%の移動相Bに戻した。系を3.5分平衡にした。作動時間の合計は7分であった。日内および日間のアッセイ精度は<11%であり、日内および日間のアッセイ正確性は<10%であった。
尿中のノルイボガインおよびノルイボガイングルクロニドの濃度を、バリデートされた感受性のあるLCMSMS法を使用して、30mgおよび60mgの用量群で決定した。試料の調製は、アセトニトリルによる尿試料の除タンパク質と、0.1%(v/v)のギ酸による試料の希釈とを含むものであった。化合物を、150×2.0mmのLuna 5μm C18カラムにより分離し、ポジティブモードのエレクトロスプレーイオン化および多重反応モニタリングを使用して三連四重極型API4000または5000質量分析計で検出した。ノルイボガインd4を内部標準として使用した。ノルイボガインに関する前駆体‐生成物のイオントランジション値はm/z 297.6−>122.3であり、ノルイボガイングルクロニドに関する値はm/z 472.8−>297.3であり、内部標準のノルイボガインd4に関する値はm/z 301.1−>122.2であった。Analyst(登録商標)を、データの収集および処理に使用した。内部標準のノルイボガインd4に対するノルイボガインおよびノルイボガイングルクロニドのピーク面積の比率を、未知濃度のノルイボガインおよびノルイボガイングルクロニドの較正および測定に使用した。アッセイのLLOQは、ノルイボガインでは20.0ng/mlであり、ノルイボガイングルクロニドでは2.0ng/mlであった。較正曲線は、20.0〜5120.0ng/mlのノルイボガイン、および2.0〜512.0ng/mlのノルイボガイングルクロニドであった。移動相は方法Aに記載したとおりであり、二成分の流れは方法Cに記述したとおりであった。日内および日間のアッセイ精度は<13%であり、日内および日間のアッセイ正確性は<12%であった。
定量限界を超えるノルイボガインおよびノルイボガイングルクロニドの濃度を使用して、モデル非依存的方法を使用して薬物動態パラメータを計算した。最大血漿中濃度(Cmax)および最大血漿中濃度到達時間(Tmax)が、観察した値であった。血漿中濃度‐時間のプロットの分布後相(post−distribution phase)の血漿中濃度のデータを、線形回帰を用いて式InC=InC0−t.Kelにフィットさせた。式中C0は、外挿した終末相の0時間の切片であり、Kelは、終末相の消失速度定数(terminal elimination rate constant)である。半減期(t1/2)を式t1/2=0.693/Kelを使用して決定した。分布後相における0時間から最後に決定した濃度‐時間点(tf)までの濃度‐時間曲線下の面積(AUC)を、台形公式を使用して計算した。分布後相における最後の濃度‐時間点(Ctf)から無限大までの曲線下の面積を、AUCt−∞=Ctf/Kelから計算した。Ctfで使用される濃度は、この時点でLLOQを超える最後に決定された値であった。AUC0−∞の合計を、AUCtfおよびAUCt−∞を加算することにより得た。ノルイボガインの見かけ上のクリアランス(CL/F)を、式CL/F=用量/AUCo−∞×1000を使用して決定し、見かけ上の分布体積(Vd/F)を、式Vd/F=(CL/F)/Kelを使用して決定した。尿中の総ノルイボガインは、両解析物の合計であった。
概略統計量(平均値、標準偏差、および変分係数)を、安全性検査試験データ、ECG、および薬物動態パラメータ、および薬力学的変数に関して各群で決定した。カテゴリー変数を、計数およびパーセンテージを使用して解析した。AUCおよびCmaxの用量比例性を、線形回帰を使用して評価した。経時的な薬力学的パラメータの値に及ぼす用量の作用を、2要因分散分析(ANOVA)を使用して評価した。各用量群とプラセボとの対比較(テューキー=クレーマーの調節)を、ANOVAから得た最小二乗評価値を使用し、SAS Proc Mixed(SAS ver 6.0)を使用して各時点で行った。
結果
薬物動態:ノルイボガインの平均血漿中濃度‐時間プロットを、図1に示し、平均薬物動態パラメータを表1に示す。
Figure 2017509612
ノルイボガインは迅速に吸収され、経口投与から2〜3時間後にピーク濃度が発生した。個々の分布‐相濃度‐時間プロファイルの変動は、腸肝再循環の可能性を示唆し得る(図1、挿入図で強調された個々の4〜8時間のプロファイルを参照)。CmaxおよびAUCはいずれも、用量と共に直線状に増加した(表1、上部パネル)。ノルイボガインの用量群を通して28〜50時間の平均半減期の推定値が観察された。分布容積は広範囲であった(用量群を通して1417〜3086L)。
30mgおよび60mg用量群に関する平均血漿中ノルイボガイングルクロニドの濃度‐時間のプロットを、図2に示し、平均薬物動態パラメータを表1の下部のパネルに示す。ノルイボガイングルクロニドは、0.75時間までにすべての対象で検出され、ピーク濃度はノルイボガイン投与から3〜4時間後に起こった。21〜23時間の平均半減期を、血漿中ノルイボガイングルクロニドに関して推定した。ノルイボガインに対するノルイボガイングルクロニドのCmaxおよびAUCの比率は、両方の用量群で3〜4%であった。総ノルイボガインの尿中排泄は、30mgおよび60mg用量群で、それぞれ1.16mgおよび0.82mgであり、投与した用量の3.9%および1.4%を表す。
薬力学:ノルイボガインを投与した対象では瞳孔の収縮はみられなかった。瞳孔径における用量群間の差異は経時的に検出されなかった。ベースラインの差異を調節した後、ANOVAによるプラセボと各用量群の比較は、統計的に有意な差異を示さなかった(p>0.9)。
ノルイボガインの治療は、寒冷昇圧試験において鎮痛性作用を示さなかった。鎮痛作用を、氷冷水への手の浸漬の持続時間および水浴から手を外す際の視覚的アナログスケール(VAS)の疼痛スコアに基づき評価した。手の浸漬の持続時間では、ベースラインの差異を調節した後、ANOVAによるプラセボと各用量グループの比較は、統計的に有意な差異を示さなかった(p>0.9)。同様に、VAS疼痛スコアでは、ベースラインの差異に関して調節した後、ANOVAによるプラセボと各用量群の比較は、統計的に有意な差を示さなかった(p=0.17)。
実施例2:ヒトにおけるノルイボガインの安全性および耐容性
ノルイボガインの安全性および耐容性を、実施例1のボランティア群で試験した。寒冷昇圧試験を、Mitchellら(J Pain 5 :233−237, 2004)の方法により、投与前、投与から6、24、48、72、216時間後に1℃の水で行った。安全性の評価は、臨床上のモニタリング、有害事象(AE)の記録、安全性の臨床試験、バイタルサイン、投与から約2時間〜6時間後のECGテレメトリー、および投与から216時間までの12誘導心電図を含むものであった。
結果
合計13例の有害事象が、7名の参加者で報告された(表2)。6例の有害事象が、プラセボ群の3名の参加者により報告され、5例の有害事象が、3mgの用量群の2名の対象により報告され、1例の有害事象が、10mgおよび30mgの用量群でそれぞれ1名の対象により報告された。最も一般的な有害事象は頭痛(4例の報告)および鼻出血(2例の報告)であった。すべての有害事象は、軽度〜中度の強度であり、すべてが試験完了前に回復した。バイタルサインおよび安全性の臨床試験において特筆する変化はなかった。特に、オキシメトリまたはカプノグラフ、または呼吸数は変化しなかった。どの時点でも、QTcF値は500 msecを超えなかった。10mgのノルイボガインを投与した対象のうち1名は、投与から24時間目に、QTcFof>60msecが1回増加した。
Figure 2017509612
実施例3:ヒトにおけるノルイボガインの効能
ヒトにおけるノルイボガインの効能を、無作為化プラセボ比較二重盲検試験において、オピオイド依存性の参加者で評価した。患者は、オピオイド補充療法としてメタドン治療を受けていたが、ノルイボガイン投与の前にモルヒネ治療に変更した。これは、ノルイボガインとメタドンとの間で観察されない負のノルイボガイン‐メタドン相互作用を回避するために行った。2013年3月15日に出願の米国仮出願番号第61/852485号を参照されたい。この文献全体は本明細書中参照として援用されるものである。
第1のコホートでは、6名の患者に、単回用量60mgのノルイボガインを経口投与し、3名の患者にプラセボを投与した。第2のコホートでは、5名の患者に、単回用量120mgのノルイボガインを経口投与し、3名の患者にプラセボを投与した。最後のモルヒネ投与から2時間後に治療を行い、モルヒネ(オピオイド代替治療、OST)を再開するまでの時間を決定した。どの参加者でも、幻覚作用を含むノルイボガインの副作用は観察されなかった。
図3は、経時的な血清中ノルイボガイン濃度を示す。120mgの用量の血清中濃度(黒色の四角)は、60mg用量(灰色のひし形)からのデータに基づき推定される。
盲検の結果
第1のコホートの患者は、60mgのノルイボガインまたはプラセボで処置した後に平均約8.7時間のオピオイドの再開までの時間を示した。これは同様の試験における無処置の患者で報告された時間よりもおよそ2時間長い。第2のコホートの患者は、120mgのノルイボガインまたはプラセボによる治療後のオピオイドの再開までの平均時間が約23時間であった。図4Aは、対照(無処置、薄灰色の棒グラフバー)、第1のコホート(濃灰色の棒グラフ)、および第2のコホート(黒色の棒グラフ)に関する、モルヒネの再開までの平均時間を示す。QT間隔の延長の平均値は、第1のコホートの患者では10ms未満であり、第2のコホートでは40ms未満であった。
図4Bは、各患者でのモルヒネ再開時の推定ノルイボガイン濃度(図3からのデータに基づく)を示す。
試験は盲検で行われたが、プラセボを投与した第2のコホートの3名の患者は、QT間隔の延長を示さない患者であると解釈された。残りの5名の患者に関してOSTの再開までの平均時間は、図5Aに示されるように(黒色の棒グラフ)、約26.8時間であると決定された。図5Bは、それぞれの(推定される)ノルイボガイン治療患者のモルヒネ再開時の推定ノルイボガイン濃度(図3由来のデータに基づく)を示す。図5Bは、ノルイボガインの血清中濃度が50〜60ng/mlの推定レベルに達すると、有意な離脱症状が戻ることにより、患者はOSTの再開を余儀なくされることを示す。約50〜60ng/ml超の血清中ノルイボガインレベルでは、患者は、離脱症状を呈さないか、またはこれらの症状は急性とはならなかった。
薬物依存からの急性離脱は、発汗、高い心拍数、動悸、筋緊張、胸部絞扼感、呼吸困難、振戦、悪心、嘔吐、下痢、てんかん大発作、心臓発作、脳卒中、幻覚、および振戦せん妄(DT)を含む劇的なおよび外傷的な症状を特徴とする。急性離脱症状が鎮静すると、急性離脱後症候群が、数ヶ月から数年続くことがある。急性離脱後の症状として、疲労、うつ、モチベーションの欠如、および痛覚感受性の増大が挙げられる。
本発明は、約1mg/kg体重超〜約8mg/kg体重の、狭い用量範囲のノルイボガインまたは薬学的に許容可能な塩もしくはその溶媒和物を用いた治療が、離脱症状の治療上の低減、および/またはオピオイド中毒患者のオピオイドの使用を再開するまでの時間の増加を提供するという驚くべき発見を前提としている。好ましくは、オピオイドおよびオピオイド様薬物中毒のヒトにおいて治療的結果および50ミリ秒未満のQT間隔の延長の両方を提供する用量の範囲は、約1.3mg/kg体重〜約4mg/kg体重以下であり、より好ましくは約1.3mg/kg体重〜約3mg/kg体重以下、または上述の範囲の部分範囲または部分的な値である。コカイン、ケタミン、およびメタンフェタミンを含むオピオイド様薬物は、オピオイドではないが、オピオイド受容体を介して作用し、よって、これらの薬物の中毒もまた、ノルイボガインを用いて治療することができる。
「治療」、「治療している」、および「治療する」は、疾患、障害、もしくは病態、および/またはその症状の有害なまたは他のいずれかの望ましくない作用を低減または改善するために薬剤を用いて、疾患、障害、または病態に作用させることと定義されている。本明細書中に定義される「治療」はヒト患者の治療を包含しており、(a)病態に対する素因を有すると決定されたがまだ病態を有すると診断されていない患者の病態の発症リスクを低減すること、(b)病態の発症を妨害すること、ならびに/または(c)病態を軽減する、すなわち病態の退行を引き起こすおよび/もしくは病態の1つもしくは複数の症状を軽減することを含む。病態または患者を「治療している」、またはその「治療」は、症状の低減などの臨床結果を含む、有益なまたは所望の結果を得るステップを行うことを指す。本発明の目的のために、有益なまたは所望の臨床結果として、限定するものではないが、オピオイドまたはオピオイド様薬物中毒を治療すること、急性離脱症状を治療、予防、および/または減弱すること、長期間の(急性離脱後)症状を治療、予防、および/または減弱すること、ならびにオピオイドまたはオピオイド薬物の使用の再開を予防することが挙げられる。
各投与レベルにおいて、コンピュータで作製したランダムコーに基づき、6名の参加者にノルイボガインを投与し、3名にプラセボを投与するよう無作為化した。投与は、最も低い用量のノルイボガインで開始し、終了したコホートの安全性、耐容性、および盲検の薬物動態を審査して、独立したデータ安全性モニタリング委員会により用量漸増が承認された後に、次のコホートに次に高い用量を投与した。少なくとも10時間の一晩の絶食の後に、水240mlと共にカプセルとして盲検薬物を投与した。参加者は、投与後少なくとも5時間、食物を全く摂取しなかった。患者は、薬物投与の12時間前から投与してから72時間後まで試験場所に拘束されており、その後投与後216時間まで、外来患者の評価を行った。
血漿中のノルイボガインの濃度を、バリデートされた高感度LCMSMS法を使用して、3mgおよび10mgの投与群で決定した。試料の調製は、tert‐ブチルメチルエーテルを用いた塩基性化血漿の二回抽出と、窒素流下での試料の乾燥と、0.1%(v/v)のギ酸を含むアセトニトリル:B.P.水(5:95、v/v)による試料の再構成とを含むものであった。化合物を、150×2.0mmのLuna 5μm C18カラムにより分離し、ポジティブモードのエレクトロスプレーイオン化および多重反応モニタリングを使用して三連四重極型API4000または5000質量分析計により検出した。ノルイボガイン‐d4を内部標準として使用した。ノルイボガインに関する前駆体‐生成物のイオントランジション値は、m/z 297.6−>122.3であり、内部標準のノルイボガイン‐d4の値は、m/z 301.1−>122.2であった。Analyst(登録商標)ソフトウェアを、データの収集および処理に使用した。内部標準のノルイボガインd4に対するノルイボガインのピーク面積の比率を、未知濃度のノルイボガインの較正および測定に使用した。定量下限(LLOQ)は、0.025ng/mlのノルイボガインであった。較正曲線は、0.025〜25,600ng/mlのノルイボガインであった。移動相Aは、0.1%(v/v)のギ酸を含むアセトニトリル:B.P.水(5:95、v/v)であり、移動相Bは、0.1%(v/v)のギ酸を含むアセトニトリル:B.P.水(95:5、v/v)であった。作動時間の合計は6分であった。二成分の流れ:最初の濃度は8%の移動相Bであり、8%の移動相Bを0.5分間保持し、90%の移動相Bまで1.5分間かけて直線状に上昇させ、90%の移動相Bで1分間保持し、次に、0.01分で8%の移動相Bに戻す。系を3分間平衡にした。作動時間の合計は6分間であった。日内および日間のアッセイ精度は<9%であり、日内および日間のアッセイ正確性は<9%であった。
血漿中ノルイボガインの濃度を、バリデートされた高感度LCMSMS法を使用して30mgおよび60mgの用量群で決定した。試料の調製は、アセトニトリルによる血漿試料の除タンパクと、0.1%(v/v)のギ酸による試料の希釈とを含むものであった。化合物を、150×2.0mmのLuna 5μm C18カラムにより分離し、ポジティブモードのエレクトロスプレーイオン化および多重反応モニタリングを使用して三連四重極型API4000または5000質量分析計で検出した。ノルイボガイン−d4を内部標準として使用した。ノルイボガインの前駆体‐生成物のイオントランジション値は、m/z 297.6−>122.3であり、内部標準d4に関する値は m/z 301.1−>122.2であった。Analyst(登録商標)ソフトウェアを、データの収集および処理に使用した。内部標準のノルイボガインd4に対するノルイボガインのピーク面積の比率を、ノルイボガインの未知濃度の較正および測定のために使用した。LLOQは、0.50ng/mlのノルイボガインであった。較正曲線は、0.50〜256.00ng/mlのノルイボガインであった。移動相は、方法Aと同一であり、二成分の流れも方法Aと同一であった。日内および日間のアッセイ精度は<9%であり、日内および日間のアッセイ正確性は<9%であった。
血漿中ノルイボガイングルクロニドの濃度を、バリデートされた高感度LCMSMS法を使用して30mgおよび60mgの用量群で決定した。サンプルの調製は、アセトニトリルによる血漿試料の除タンパクと、窒素流下での試料の乾燥と、0.1%(v/v)のギ酸を含むアセトニトリル:B.P.水(5:95、v/v)による試料の再構成とを含むものであった。化合物を、150×2.0mmのLuna 5μm C18カラムにより分離し、ポジティブモードのエレクトロスプレーイオン化および多重反応モニタリングを使用して三連四重極型API4000または5000質量分析計で検出した。ノルイボガインd4を内部標準として使用した。ノルイボガイングルクロニドに関する前駆体‐生成物のイオントランジション値はm/z 472.8−>297.3であり、内部標準のノルイボガインd4に関する値はm/z 301.1−>122.2であった。Analyst(登録商標)ソフトウェアを、データの収集および処理のために使用した。内部標準のノルイボガインd4に対するノルイボガイングルクロニドのピーク面積の比率を、未知濃度のノルイボガイングルクロニドの較正および測定に使用した。LLOGは0.050ng/mlのノルイボガイングルクロニドであった。較正曲線は、0.050〜6.400ng/mlのノルイボガイングルクロニドであった。移動相は、方法Aと同じであった。二成分の流れ:最初の濃度は、6%の移動相Bであり、6%の移動相Bで0.5分間保持し、90%の移動相Bまで直線的に2分間かけて増加させ、90%の移動相Bで1分間保持し、次に、0.01分かけて6%の移動相Bに戻した。系を3.5分平衡にした。作動時間の合計は7分であった。日内および日間のアッセイ精度は<11%であり、日内および日間のアッセイ正確性は<10%であった。
尿中のノルイボガインおよびノルイボガイングルクロニドの濃度を、バリデートされた高感度LCMSMS法を使用して、30mgおよび60mgの用量群で決定した。試料の調製は、アセトニトリルによる尿試料の除タンパク質と、0.1%(v/v)のギ酸による試料の希釈とを含むものであった。化合物を、150×2.0mmのLuna 5μm C18カラムにより分離し、ポジティブモードのエレクトロスプレーイオン化および多重反応モニタリングを使用して三連四重極型API4000または5000質量分析計で検出した。ノルイボガインd4を内部標準として使用した。ノルイボガインに関する前駆体‐生成物のイオントランジション値はm/z 297.6−>122.3であり、ノルイボガイングルクロニドに関する値はm/z 472.8−>297.3であり、内部標準のノルイボガインd4に関する値はm/z 301.1−>122.2であった。Analyst(登録商標)を、データの収集および処理に使用した。内部標準のノルイボガインd4に対するノルイボガインおよびノルイボガイングルクロニドのピーク面積の比率を、未知濃度のノルイボガインおよびノルイボガイングルクロニドの較正および測定に使用した。アッセイのLLOQは、ノルイボガインでは20.0ng/mlであり、ノルイボガイングルクロニドでは2.0ng/mlであった。較正曲線は、20.0〜5120.0ng/mlのノルイボガイン、および2.0〜512.0ng/mlのノルイボガイングルクロニドであった。移動相は方法Aに記載したとおりであり、二成分の流れは方法Cに記述したとおりであった。日内および日間のアッセイ精度は<13%であり、日内および日間のアッセイ正確性は<12%であった。

Claims (35)

  1. オピオイドまたはオピオイド様薬物中毒であるヒトの患者の前記薬物の乱用を治療する方法であって、約50ng/ml〜約500ng/mlの平均血清中濃度(AUC/24時間)を提供する用量のノルイボガインまたはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を前記患者に投与することを含み、前記濃度が、前記治療のあいだ、約500ms未満のQT間隔を維持しつつ、前記乱用を阻害または改善するために十分である、
    方法。
  2. 前記ノルイボガインまたはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を、単回用量または多回用量として投与する、請求項1に記載の方法。
  3. ノルイボガインまたはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物の総用量が、1日あたり約1.3mg/kg〜約4mg/kgである、請求項2に記載の方法。
  4. 前記ノルイボガインまたはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物の総用量が、1日あたり約1.5mg/kg〜約3mg/kgである、請求項3に記載の方法。
  5. 前記ノルイボガインまたはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物の総用量が、1日あたり約2mg/kg〜約4mg/kgである、請求項3に記載の方法。
  6. 前記ノルイボガインまたはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物の総用量が、1日あたり約2mg/kg〜約3mg/kgである、請求項3に記載の方法。
  7. 前記ノルイボガインまたはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物の総用量が、1日あたり約2mg/kgである、請求項3に記載の方法。
  8. 前記ノルイボガインまたはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物の用量が、約50ng/ml〜約200ng/mlの平均血清中濃度(AUC/24時間)を提供する、請求項1に記載の方法。
  9. 前記QT間隔が、約470ms未満である、請求項1に記載の方法。
  10. 前記QT間隔が、約450ms未満である、請求項1に記載の方法。
  11. オピオイドまたはオピオイド様薬物の中毒による離脱症状を起こしやすいヒト患者の前記離脱症状を減弱する方法であって、約50ng/ml〜約400ng/mlの平均血清中濃度(AUC/24時間)を提供する用量のノルイボガインまたはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を前記患者に投与することを含み、前記濃度が、前記治療のあいだ、約500ms未満のQT間隔を維持しつつ、前記症状を減弱させるために十分である、方法。
  12. 前記離脱症状が、急性離脱によるものである、請求項11に記載の方法。
  13. 前記ノルイボガインまたはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を、単回用量または多回用量として投与する、請求項11に記載の方法。
  14. 前記ノルイボガインまたはその薬学的に許容可能な塩もしくはその溶媒和物の総用量が、1日あたり約1.3mg/kg〜約4mg/kgである、請求項13に記載の方法。
  15. 前記ノルイボガインまたはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物の総用量が、1日あたり約1.5mg/kg〜約3mg/kgである、請求項14に記載の方法。
  16. 前記ノルイボガインまたはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物の総用量が、1日あたり約2mg/kg〜約4mg/kgである、請求項14に記載の方法。
  17. 前記ノルイボガインまたはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物の総用量が、1日あたり約2mg/kg〜約3mg/kgである、請求項14に記載の方法。
  18. 前記ノルイボガインまたはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物の総用量が、1日あたり約2mg/kgである、請求項14に記載の方法。
  19. 前記QT間隔が約470ms未満である、請求項11に記載の方法。
  20. 前記QT間隔が約450ms未満である、請求項11に記載の方法。
  21. オピオイドまたはオピオイド様薬物の乱用を改善するために治療する患者の前記乱用の再開を予防する方法であって、前記方法が、ノルイボガインの維持用量を前記患者に定期的に投与することを含み、前記患者が、もはやオピオイドまたはオピオイド様薬物を乱用していない、方法。
  22. 前記用量が、治療用量の約70%未満であり、さらに前記QT間隔の延長が、約30ms以下である、請求項21に記載の方法。
  23. 前記用量が、治療用量の約70%未満であり、さらに前記QT間隔の延長が、約20ms以下である、請求項21に記載の方法。
  24. 単位用量のノルイボガインまたはその薬物学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を含む薬学的に許容可能な製剤であって、前記ノルイボガインの量が、患者に投与される場合に約50ng/ml〜約500ng/mlの血清中濃度を提供するために十分である、薬学的に許容可能な製剤。
  25. 前記ノルイボガインの単位用量が、1つまたは複数の用量で投与される、請求項24に記載の製剤。
  26. オピオイドまたはオピオイド様薬物の中毒である患者の前記薬物の乱用を治療する方法であって、QT間隔の延長に関する耐容性を評価するためにプレスクリーニングされる中毒患者を選択することと、約50ng/ml〜約500ng/mlの平均血清中濃度(AUC/24時間)を提供する用量のノルイボガインまたはその薬学的に許容可能な塩もしくは溶媒和物を前記患者に投与することとを含み、前記濃度が、前記治療のあいだ約500ms未満のQT間隔を維持しつつ、前記乱用を阻害または改善するために十分である、方法。
  27. 前記プレスクリーニングのステップが、ノルイボガインの治療が約500ms超のQT間隔をもたらさないことを確認することを含む、請求項26に記載の方法。
  28. 前記プレスクリーニングのステップが、ノルイボガインの治療が約470ms超のQT間隔をもたらさないことを確認することを含む、請求項27に記載の方法。
  29. 前記プレスクリーニングのステップが、ノルイボガインの治療が約450ms超のQT間隔をもたらさないことを確認することを含む、請求項27に記載の方法。
  30. ノルイボガインを投与するためのパーツキットであって、前記キットが、複数の送達ビヒクルを含み、各送達ビヒクルが、別々の量のノルイボガインを含み、さらに各送達ビヒクルが、その中に提供されているノルイボガインの量により特定され、任意に可読媒体中の投与治療スケジュールをさらに含む、パーツキット。
  31. それぞれの最高血清中レベルを達成するために必要とされるノルイボガインの量が、前記可読媒体に提供されている、請求項30に記載のパーツキット。
  32. 前記可読媒体が、コンピュータ可読媒体である、請求項30に記載のパーツキット。
  33. 前記複数の送達ビヒクルが、異なる量のノルイボガインを含む、請求項30に記載のパーツキット。
  34. 前記投与治療スケジュールによって、前記患者の性別、前記患者の体重、および主治医が達成を望む血清中レベルに基づき、前記主治医がノルイボガインの投与計画を選択することができる、請求項30に記載のパーツキット。
  35. 前記投与治療スケジュールが、前記患者の体重および性別に基づき、患者における血液量に対応する情報をさらに提供する、請求項30に記載のパーツキット。


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