JP2017509506A - 防汚特性を有し、水中用途、特に海洋用途に用いるための物品 - Google Patents

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Abstract

本発明は、防汚特性を有し、水中用途、特に海洋用途に用いるための物品、及び潜水又は半潜水構造物上での水中生物の成長を遅らせるための方法に関する。

Description

本発明は、防汚特性を有し、水中用途、特に海洋用途に用いるための物品、及び潜水又は半潜水構造物上での水中生物の成長を遅らせるための方法に関する。
本発明は、防汚性海洋(船舶)用塗料の分野に関する。防汚性海洋用塗料は、船体に動物や植物が付着するのを防止するためのトップコート(仕上げ被覆)である。これらは、安全性の理由で、船舶の操縦性を維持するため、燃料消費を減らすため、腐食に抵抗するため、及び構造物が重くなるのを防ぐために、用いられる。
「生物付着」の問題は、海洋環境中に材料が浸漬することの結果として生じる大きな問題を構成する。この現象の防止は、かなりのメンテナンス費用となっている。
特に、「生物付着」又は「付着物(fouling)」の形成は、海水中に浸漬している間に起こり、有機分子及び無機分子の層が材料の表面に極めて迅速に吸着される。この被吸着材料の層(バイオフィルム)は、海洋環境中に浮遊して存在する細菌が付着するための媒介物としての働きをする。
この海洋細菌による表面の住み着きは迅速であり、数時間から数日で定常状態に達する。最後には、付着した細菌が他の海洋生物を呼び寄せて、これらの他の海洋生物が表面に住み着くようになる。表面に付着したこれらすべての生きた生物が、「生物付着」又は「付着物」を構成する。
海洋付着物の付着は、海中に浸漬されるあらゆる構造物:船舶、パイプライン、冷却塔及び循環路、港湾構造物、海洋センサー、水産養殖システム等:に関連することである。もたらされる損害はかなりのものであり、そして様々なものである。特に、これらの構造物が例えば構造物の性能レベルに負の影響を持つ生物で覆われることになる。
特に船体については、様々な海洋生物の堆積物が船体と海水との間の摩擦を増大させ、これが速度を低下させ、より大きい燃料消費につながることがある。例えば、防汚システムによって保護されていない船の底は、海において6か月も経たない内に、1m2当たり150kgの付着物で覆われてしまうことがある。
この経済的ロスを回避するために、そして腐食現象をより一層首尾よく防止するために、海洋生物の堆積による汚れを防ぎ又は特に減らすことを目的とする防汚塗料が水にさらされる構造物の浸漬部分に塗布される。防汚塗料の原理は、表面と海水との間の界面における活性物質の制御された放出に基づく。塗料の有効性は、表面において活性物質が効率よく且つ規則正しい濃度で放出されるほど、長く維持される。従って、ほとんどの防汚塗料は殺生物剤を含有し、この殺生物剤は最も一般的には、その毒性のせいで海洋付着物の付着を防止する有機金属化合物(スズ、銅若しくは亜鉛をベースとするもの)又は有機化合物(殺真菌剤、殺藻剤、殺細菌剤)である。
しかしながら、これらの塗料の使用に関連する問題は、それらが海洋動植物に対して有害な環境物質を海中に放出することである。さらに、このコーティングは次第に粗くなり、段々分解し、これが燃料消費を増大させ、浸漬した構造体が発生させる水力学的騒音を増大させる。
この新たな難点は、自動研磨性防汚塗料を用いることによって解消された。殺生物剤を有することに加えて、これらの塗料は、海水による表面加水分解の作用及び船舶の移動による浸食の作用下で、時間が経つにつれての一定で且つ制御された厚さの損失を示す。海水と接触するコーティングのゆっくりした浸食は、表面を殺生物剤で常にリフレッシュすることを可能にする。
1960年代から開発されてきた自動研磨性防汚塗料はスズ塩をベースとするものだった。これらは、一定の浸出度を有するトリブチルスズ(TBT)メタクリレートコポリマーから配合された自動研磨性塗料だった。アクリルバインダーにグラフトされたTBTは、水中で加水分解によってゆっくり放出される。このタイプの塗料の例は、仏国特許第2266733A号明細書、仏国特許第2557585A号明細書、欧州特許公開第0051930A号公報及び英国特許第2118196A号明細書に記載されている。
トリブチルスズ(TBT)は非常に効果的であり、従って防汚塗料に特によく用いられる殺生物剤だったが、しかし、この物質はその分解分子及びその代謝産物は深刻で持続する汚染性があることが認められた。これらの理由で、国際海事機関はスズをベースとする防汚塗料の使用を禁止した。
今日用いられている防汚塗料は主として銅含有化合物及び/又は合成化合物をベースとするものであるが、シリコーンポリマーをベースとするものも用いられている。
銅をベースとする塗料はスズ塩よりは毒性が低いが、これらは実質上常に莫大な割合の酸化第一銅を用いて配合され(例えば欧州特許公開第051930A号公報や仏国特許第2557585A号明細書を参照されたい)、主要なバインダーは一般的にアクリルタイプの特殊ポリマーをベースとする。しかも、これらは海洋動物に対してのみ効果的であり、藻類の成長を防除するためには除草剤を加えることが必須であり、これが環境に対する新たな脅威を招くことがある。
従って、この別法は、重質イオンの多量の排出、特にスズを含まないが銅に富んだ塗料の集中的な使用の結果としての銅イオンの多量の排出に対して環境を保護するための持続性のある解決策を提供しない。
海水と接触する構造物の表面の汚れを防止するための別の解決策は、これらの表面を少なくとも1つの保護コーティングで覆うことから成るものであり、水と接触するコーティングの外側層はシリコーンエラストマーである。これらのコーティングは、「付着物放出コーティング(fouling-release coating)」と称される塗料を用いて調製される。これらの新たな防汚塗料の原理は、生物が付着するのが非常に難しい低表面エネルギーの非常に平滑な表面を作るものである。このような表面が動いていなければ、海洋生物はその上にそれら自体を付着させることができる。しかしながら、シリコーンをベースとするトップコートの柔軟性及び低い表面張力のために、これらの生物は水が動く力や船舶が動くことによって引き起こされる摩擦作用によって非常に簡単に取り除かれる。これは、船体周辺で充分な水の動きがあれば、自然の自動洗浄効果が起こることも意味する。
これらの特性のおかげで、それほど頻繁には海や水中に滞在せず、動きが少ない船舶でさえ、洗浄の間隔を長くすることができるという利点がある。これは、海洋生物が表面に付着しにくくなるという事実によるものである;これもまた洗浄を容易にする。
防汚性コーティング(「防汚性コート」とも言う)を形成するこれらのシリコーンをベースとする塗料は、従って、非常に革新的である:
・これらは、海洋環境に非常に優しい:金属廃棄物がない;
・これらは、船舶の滑りを改善し、燃料消費を1〜5%減少させ、従って温室効果ガスの放出を減少させる。
多くの特許文献、例えば仏国特許第2083029号明細書及び米国特許第3702778号明細書に、このようなコーティングであってトップコートと称される最後の層が熱硬化又は常温硬化シリコーンエラストマーであるものが記載されている。
例えば1992年3月6日付け米国特許出願第07/847401号の明細書には、少なくとも1つのエポキシプライマーコート(下塗り)と、少なくとも1つの定着又は粘着性プライマーコート(タイコート)と、少なくとも1つのシリコーンエラストマーをベースとする防汚性コート(トップコート)とを含む3構成型防汚システムが記載されている。この最後のエポキシプライマーコートは通常薄い層であり、タイコートが粘着できるきれいで新鮮な表面を得るために塗布される。前記タイコートは、オルガノポリシロキサン及び硬化用成分を含む。前記防汚性コートは、オルガノポリシロキサン、ケイ酸アルキル及び硬化剤又は別個のスズベース触媒(スズをベースとする触媒。以下同様。)を含む。エポキシプライマーコートは、支持体に直接塗布される。タイコートは、エポキシプライマーコートに塗布される。シリコーンコーティングとしての防汚性コートが次いで塗布され、タイコートの一部が硬化した後、タイコート上で架橋する。
シリコーンエラストマーをベースとする防汚性コート(トップコート)には、「防汚」効果を改善する流体、特に次のものをも含ませることができる。
・メチルフェニルポリシロキサンオイル(米国特許第4025693号明細書)、
・液状炭化水素系化合物、例えばポリオレフィン、
・可塑剤、
・潤滑油(仏国特許第2375305A号明細書)、
・流動パラフィン及びペトロラタムタイプのワックス状物質(特開昭58−013673号公報)、
・PVC等の熱可塑性ポリマー、
・塩化ビニル/酢酸ビニルコポリマー(特開昭54−026826号公報)、又は
・カチオン性、アニオン性、非イオン性若しくは両性界面活性剤(特開昭60−258271号公報)。
シリコーンエラストマーコーティングを形成させるために用いられるシリコーン配合物は一般的に、シリコーンオイル、一般的にヒドロキシ末端基を有する反応性ポリジメチルシロキサン(これは随意にアルコキシ末端を有するように前もってシランで官能化されていてもよい)、架橋剤及び重縮合触媒(慣用的にはスズ塩又はチタン酸アルキル)、補強用フィラー並びに随意としての他の添加剤(例えば増量用フィラー、粘着促進剤、染料等)を含む。
室温(5℃〜30℃の範囲の領域に依存して変化し得る)において重合及び/又は架橋によって「硬化」するこれらのシリコーン組成物は、当業者によく知られており、2つのグループに分類される:
・パッケージ(包装体)が気密性である単一のパーツ(又はパック)の形にある「ワンパック系」の形で包装される組成物(RTV−1)、及び
・2つの別個のパーツの形にあり、触媒を含有させるパッケージが気密性である、「ツーパック系」(の)形で包装される組成物(RTV−2)。
用語「RTV」は、「Room-Temperature Vulcanizing(室温加硫、室温硬化)」の略語である。気密性包装の目的は、触媒を含有するシリコーン組成物が使用前の貯蔵中に大気中の湿分と接触するのを防ぐことである。これらのシリコーン組成物の(重合及び/又は架橋による)硬化の際に、RTV−1製品の場合には大気中の湿分によって水が提供される。RTV−2製品の場合、ジメチルスズジカルボキシレートが触媒として通常用いられるが、これらは、2つのパーツの内容物を周囲空気中で混合した時に、触媒を活性化させ、重縮合反応をさせてエラストマーの網状構造が形成する(これは組成物の硬化によって反映される)ようにするために、パーツの一方にある程度の量の水を加えることを必要とすることがある。
例えば、ワンパックシリコーン組成物(RTV−1)は、所定の数の反応(これらは連続的なものであっても同時のものでもあってもよい)を伴うメカニズムに従って、加熱することなく架橋する:
1.官能化反応。これは、シラノール官能基を有するシリコーンオイル[例えばα,ω−(ヒドロキシジメチルシリル)ポリジメチルシロキサンのようなヒドロキシを末端とするシリコーンオイル]とSiX4タイプのシラン(例えばケイ酸塩)又は次の官能基−SiX3を有する化合物等の架橋剤とを一緒にしたことの結果として、もたらされる。ここで、Xは通常はアルコキシ、アシルオキシ、アミノ、アミド、エノキシ、アミノオキシ、ケチミノキシ又はオキシム官能基である。これらの官能基は、シラノール官能基に対して反応性であることがよく知られている。得られる生成物は通常「官能化オイル」と称される。この反応は、組成物の調製の際に直接行ってもよく(現場官能化)、また、随意に組成物のその他の成分(パック)を加える前の予備工程として、行ってもよい。この予備工程では、ワンパック組成物に良好な貯蔵時安定性を与えるために官能化触媒、例えば水酸化リチウム又は水酸化カリウムを使用するのが一般的である。これを行うためには、当業者は、特定の官能化触媒を選択することができ、官能化されるべきシラノール官能基に対して架橋剤がモル過剰になるように試薬の量を調節するであろう。
2.官能化オイルの加水分解による架橋(これは一般的に、大気に曝された表面から材料内に広がっていく水蒸気によって達成される)及び生成したシラノール基と他の残留反応性官能基との間の縮合。
ツーパック系として包装される組成物(RTV−2)に関しては、第1のパック(パーツ)は重縮合することができるポリマーを含み、第2のパックは気密状態にあって、触媒及び大抵は1種以上の架橋剤を含有する。2つのパック(パーツ)は、使用の際に混合され、特に組成物が補強用フィラーを含む場合にはこの混合物は比較的硬いエラストマーの形で、硬化する(架橋反応)。これらのツーパック系として包装される組成物はよく知られており、特にWalter Nollの著書「Chemistry and Technology of Silicones」、1968年、第2版、第395〜398頁に記載されている。これらの組成物は通常、次の4つの成分を含む:
・鎖の末端に、鎖中に又は鎖の末端及び鎖中の両方にシラノール基を持つ反応性ポリジオルガノシロキサン、例えばα,ω−ビス(ジメチルヒドロキシシリル)ポリジメチルシロキサン(鎖の末端の場合)、
・架橋剤、
・縮合触媒、並びに
・随意としての水:これは通常はジアルキルスズジカルボキシレートを触媒として用いる場合に存在させる(水の存在によるこの触媒の活性化)。
大抵の場合、縮合触媒は有機スズ化合物をベースとするものである。実際、多くのスズベース触媒がすでにこれらのRTV−1又はRTV−2製品を架橋させるための触媒として用いられてきている。従来の重縮合触媒は、ジアルキルスズ化合物、特にジブチルスズジラウレート及びジブチルスズジアセテート等のアルキルスズジカルボキシレート、チタン酸テトラブチル若しくはチタン酸テトライソプロピル等のチタン酸アルキル化合物、又はチタンキレートを含む(欧州特許公開第0885933A号、米国特許第5519104号、米国特許第4515932号、米国特許第4563498号及び米国特許第4528353号)。
アルキルスズをベースとする触媒は、非常に有効であり、大抵は無色であり、液状であり且つシリコーンオイル中に可溶であるが、しかし毒性があるという欠点を有する(CMR生殖毒性2)。
従って、持続性のある発展のためには、毒性触媒を含まない新規の防汚塗料を開発することが必要であると思われる。
例えば、硬化性シリコーン組成物の重要な特徴は、作業時間(寿命又は可使時間)、即ち組成物が混合後に硬化することなく使用できる時間である。この時間は、使用可能であるのに充分長くなければならない一方で、固い硬化を達成するのに充分短くなければならない。例えば、タイコート又はトップコートタイプのコーティングについては、外部温度が20〜30℃である時に2〜4時間の範囲の作業時間が一般的に必要とされる。この範囲外では、この作業時間を調節するための手段の一つは、触媒等の用いられる成分の性状である;水中汚染、特に海洋汚染の付着を防除するための新規の戦略がここで開発され続けている。
仏国特許第2266733A号明細書 仏国特許第2557585A号明細書 欧州特許公開第0051930A号公報 英国特許第2118196A号明細書 仏国特許第2083029A号明細書 米国特許第3702778号明細書 米国特許出願第07/847401号明細書 米国特許第4025693号明細書 仏国特許第2375305A号明細書 特開昭58−013673号公報 特開昭54−026826号公報 特開昭60−258271号公報 欧州特許公開第0885933A号公報 米国特許第5519104号明細書 米国特許第4515932号明細書 米国特許第4563498号明細書 米国特許第4528353号明細書
Walter Noll、「Chemistry and Technology of Silicones」、1968年、第2版、第395〜398頁
本発明の目的は、禁止された成分(殺生物剤又は触媒)を含まず、スズを含有しない防汚塗料を用いて得られたコーティングによる防汚特性を有する物品を提供することにある。
従って、本発明は、防汚特性を有し、水中用途、特に海洋用途に用いるための物品であって、
(a)支持体(1)、
(b)前記支持体(1)上に設けられる少なくとも1つの粘着促進用コート(3)、及び
(c)前記粘着促進用コート(3)上に設けられる少なくとも1つの防汚性コート(4)
を含み、
前記防汚性コート(4)が、以下の(i)、(ii)、(iii)を含む組成物Xを塗布して大気中の湿分に触れさせて硬化させることによって得られたものであることを特徴とする、前記物品に関する。
(i)同一であっても異なっていてもよい少なくとも2個の加水分解可能及び縮合可能な基又は少なくとも2個のシラノール官能基≡SiOHを含む少なくとも1種の有機ケイ素化合物A’、
(ii)少なくとも1種の架橋剤B’、並びに
(iii)触媒として有効量の、少なくとも1種の重縮合触媒C。この触媒Cは、その化学式中に以下のものを含むヘテロ金属錯体(複数種金属の錯体)である:
・少なくとも2個の異なる金属原子M及びM’(ここで、Mは元素周期表第2族及び第13族の原子より成る群から選択される原子であり、M’は元素周期表第4族の元素より成る群から選択される原子である)、並びに
・少なくとも1個のアルコキシドリガンド又はキレート化用リガンド(キレート形成用リガンド)。
この目的を達成するために、本出願人は、全く驚くべきことに、そして予期しなかったことに、ヘテロ金属錯体である重縮合触媒Cが防汚用途におけるタイコート又はトップコートとして有用な防汚性コート又はコーティングを製造することを可能にすることを見出すという功績を挙げた。本発明に従って得られるコート又はコーティングは、こうして処理された支持体上で顕著な粘着特性を有すると同時に、低い表面エネルギーを有し、生物が非常に付着しにくい非常に平滑な被処理面を与える。
本発明に従う触媒は、架橋させるべきシリコーン系中に非常に低い含有量で用いられ、含有量に依存して作業時間を用途に適合させることを可能にすると同時に、得られるエラストマーの優れた硬度を保証する。本発明に従う触媒は、固体状態又は液体状態にあることができ、単独で加えることも好適な溶剤中で加えることもできる。溶剤中で加える場合には、シリコーンオイルを加えることができる;その後に溶剤を蒸発させることによって、触媒がシリコーン媒体中に移される。得られる混合物は触媒ベースとしての働きをする。
前記化合物Cは、その化学式中に以下のものを含むヘテロ金属錯体である:
・少なくとも2個の異なる金属原子M及びM’(ここで、Mは元素周期表第2族及び第13族の原子より成る群から選択される原子であり、M’は元素周期表第4族の元素より成る群から選択される原子である)、並びに
・少なくとも1個のアルコキシドリガンド又はキレート化用リガンド。
好ましい実施形態に従えば、化合物Cは、その化学式中に以下のものを含むヘテロ金属錯体である:
・少なくとも2個の異なる金属原子M及びM’(ここで、Mはマグネシウム(Mg)又はアルミニウム(Al)原子、好ましくはアルミニウム(Al)原子であり、M’はチタン(Ti)又はジルコニウム(Zr)原子である)、並びに
・少なくとも1個のアルコキシドリガンド又はキレート化用リガンド。
従って、化合物Cは好ましくは、その化学式中に少なくとも1個のアルコキシドリガンド又はキレート化用リガンドと以下の対から選択される少なくとも2個の異なる金属原子M及びM’とを含むヘテロ金属錯体より成る群から選択することができる:
・Mがマグネシウム原子(Mg)であり且つM’がチタン原子(Ti)であり、
・Mがマグネシウム原子(Mg)であり且つM’がジルコニウム原子(Zr)であり、
・Mがアルミニウム原子(Al)であり且つM’がチタン原子(Ti)であり、又は
・Mがアルミニウム原子(Al)であり且つM’がジルコニウム原子(Zr)である。
化合物Cは、より一層好ましくは、その化学式中に少なくとも1個のアルコキシドリガンド又はキレート化用リガンドと以下の対から選択される少なくとも2個の異なる金属原子M及びM’とを含むヘテロ金属錯体より成る群から選択される:
・Mがアルミニウム原子(Al)であり且つM’がチタン原子(Ti)であり、又は
・Mがアルミニウム原子(Al)であり且つM’がジルコニウム原子(Zr)である。
本発明に従う化合物Cは、さらにより一層好ましくは、その化学式中に少なくとも1個のアルコキシドリガンド又はキレート化用リガンドと少なくとも2個の異なる金属原子M及びM’(ここで、Mはアルミニウム原子(Al)であり、M’はジルコニウム原子(Zr)である)とを含むヘテロ金属錯体より成る群から選択される。
金属M対金属M’のモル比は、0.1〜10の範囲であることができ、0.25〜4の範囲であるのが好ましい。
非常に好ましい実施形態に従えば、本発明に従う化合物Cは、以下のものより成る群から選択される:
・その化学式中に少なくとも1個のアルコキシドリガンド又はキレート化用リガンドと少なくとも2個の異なる金属原子M及びM’とを含み、Mがアルミニウム原子であり且つM’がジルコニウム原子であり且つモル比Al/Zrが1であるヘテロ金属錯体;
・その化学式中に少なくとも1個のアルコキシドリガンド又はキレート化用リガンドと少なくとも2個の異なる金属原子M及びM’とを含み、Mがアルミニウム原子であり且つM’がジルコニウム原子であり且つモル比Al/Zrが2であるヘテロ金属錯体;
・その化学式中に少なくとも1個のアルコキシドリガンド又はキレート化用リガンドと少なくとも2個の異なる金属原子M及びM’とを含み、Mがアルミニウム原子であり且つM’がチタン原子であり且つモル比Al/Tiが1であるヘテロ金属錯体;
・その化学式中に少なくとも1個のアルコキシドリガンド又はキレート化用リガンドと少なくとも2個の異なる金属原子M及びM’とを含み、Mがアルミニウム原子であり且つM’M’がチタン原子であり且つモル比Al/Tiが2であるヘテロ金属錯体;
・その化学式中に少なくとも1個のアルコキシドリガンド又はキレート化用リガンドと少なくとも2個の異なる金属原子M及びM’とを含み、Mがマグネシウム原子であり且つM’がジルコニウム原子であり且つモル比Mg/Zrが1であるヘテロ金属錯体;
・その化学式中に少なくとも1個のアルコキシドリガンド又はキレート化用リガンドと少なくとも2個の異なる金属原子M及びM’とを含み、Mがマグネシウム原子であり且つM’がM’はチタン原子であり且つモル比Mg/Tiが1であるヘテロ金属錯体。
さらにより一層好ましい実施形態に従えば、化合物Cは、以下のものより成る群から選択される:
・その化学式中に
・・少なくとも2個の異なる金属原子M及びM’(ここで、Mはアルミニウムであり、M’はジルコニウムであり、且つモル比Al/Zrは0.5、1又は2である)と;
・・少なくとも1個のアルコキシドリガンド又はキレート化用リガンドと:
を含むヘテロ金属錯体;並びに
・その化学式中に
・・少なくとも2個の異なる金属原子M及びM’(ここで、Mはアルミニウムであり、M’はチタンであり、且つモル比Al/Tiは1又は2である)と;
・・少なくとも1個のアルコキシドリガンド又はキレート化用リガンドと:
を含むヘテロ金属錯体。
1個以上のリガンドが金属原子を錯化する。本発明に従うヘテロ金属錯体は、アルコキシドリガンド又はキレート化用リガンドから選択される少なくとも1個のリガンドを含む。
用語「アルコキシドリガンド」とは、化学式OR(ここで、RはC1〜C24アルキル基を表す)のリガンドを意味する。好ましくは、アルコキシドリガンドは、化学式OR(ここで、RはC2〜C12アルキル基を表し、より一層好ましくはRはエチル、イソプロピル、n−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、イソブチル、2−エチルヘキシル及び2−ブチルオクチルより成る群から選択される)のリガンドを意味する。
用語「キレート化用リガンド」とは、1つ又はそれ以上の金属原子に少なくとも2回結合するリガンドを意味する。キレート化用リガンドは、二座、三座及び四座キレート化用リガンドから選択することができ、二座であるのが好ましい。数多くのキレート化用リガンドが当業者に周知である。
以下においては、キレート化用リガンドをそれらの遊離の自然の形で説明する。これらのキレート化用リガンドは、錯体中で中心元素に結合した場合、プロトンを失っていることもでき、互変異性形態にあることもできる。
好ましくは、キレート化用リガンドは、一般式Iのリガンドである。
Figure 2017509506
[ここで、
各Xは互いに独立して酸素原子又は基NR’を表し、ここで、R’は随意にハロゲン原子及び/又はアリール基で1回又はそれ以上置換されたC1〜C8アルキル基を表し、
1及びR2は互いに独立して
・随意にハロゲン原子及び/又はアリール基で1回又はそれ以上置換されたC1〜C8アルキル又はシクロアルキル基、
・随意にハロゲン原子で1回又はそれ以上置換されたアリール基、
・随意にハロゲン原子及び/又はアリール基で1回又はそれ以上置換されたC1〜C8アルコキシド基、
・−OH、或は
・−NR”2(ここで、各R”は互いに独立して、水素原子又は随意にハロゲン原子及び/若しくはアリール基で1回若しくはそれ以上置換されたC1〜C8アルキル基を表す)
を表し、
3は一価基、好ましくは水素原子又はC1〜C4アルキル基を表す。]
好ましくは、キレート化用リガンドは、β−ケトエステルタイプのリガンド、β−ジエステルタイプのリガンド、β−ジケトンタイプのリガンド、β−二酸タイプのリガンド、β−ケトアミドタイプのリガンド及びβ−ジイミドタイプのリガンドより成る群から選択される。
さらにより一層好ましくは、キレート化用リガンドは、アセト酢酸エチル、エチル酢酸エチル、プロピオニル酢酸エチル、2−エチルアセト酢酸エチル、トリフルオロアセト酢酸エチル、t−ブチルアセト酢酸エチル、シクロプロピルアセト酢酸エチル、アセト酢酸プロピル、アセトアセトン、ヘキサフルオロアセチルアセトン、4,4,4−トリフルオロ−1−フェニル−1,3−ブタジエン、1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオン、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン、マロン酸ジイソプロピル、アセトアセトアミド、ビス−N,N’−(2−フェニルエチル)−2,4−ジイミノペンタン、アクリル酸メチル、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7及びピバロイル酢酸メチルより成る群から選択される。
ヘテロ金属錯体は、単一のリガンドを含むものであってもよく、複数のリガンドを含むものであってもよい。リガンドの数及び性状は、金属原子の配位数に適合させる。ヘテロ金属錯体がリガンドを1個だけ含む場合には、これは上で定義したアルコキシドリガンド及びキレート化用リガンドから選択される。ヘテロ金属錯体が複数個のリガンドを含む場合には、これらは同一であっても異なっていてもよい。それらは例えば複数個の同一の若しくは異なるアルコキシドリガンド、複数個の同一の若しくは異なるキレート化用リガンド又はアルコキシドリガンド(群)とキレート化用リガンド(群)との混合物であることができる。
さらに、他のタイプのリガンドを存在させることもできる。
ヘテロ金属錯体は、特に特定的には、1個以上のオキソリガンド(O)、1個以上のヒドロキシルリガンド(OH)及び/又は1個以上のアルコールリガンドを含むことができる。これらのリガンドは、特にアルコキシドリガンドを有する金属錯体のオリゴマー化及び加水分解現象の理由で、存在する可能性がある。用語「アルコールリガンド」とは、化学式(C1〜C24アルキル)−OHのリガンドを意味する。
さらに、ヘテロ金属錯体は、他の中性リガンドを含むこともできる。本発明において用語「中性リガンド」とは、金属に電子対を提供することによって配位結合するリガンドを意味する。当業者であれば、対象とする金属にとって好適な任意のタイプの中性リガンドを用いるであろう。中性リガンドは、アミン類、ホスフィン類、エーテル類及び水等の少なくとも1つの遊離電子対を有する中性リガンド、エチレンなどの1つ以上のπ結合によって配位結合するリガンド、並びにH2等のσ結合によって配位結合するリガンドから選択することができる。好ましくは、本発明に従うヘテロ金属錯体は、他の中性リガンドを何ら含まないものである。
本発明に従う化合物Cは、一般式(II)のヘテロ金属錯体であることができる。
[MmM’n(Lig1)x(Lig2)y(Lig3)z] (II)
ここで、
記号MはマグネシウムMg又はアルミニウムAl原子を表し;
記号M’はチタンTi又はジルコニウムZr原子を表し;
記号Lig1はアルコキシドリガンドを表し;
記号Lig2はキレート化用リガンドを表し;
記号Lig3はオキソリガンド、ヒドロキシドリガンド、アルコールリガンド及び中性リガンドより成る群から選択されるリガンドを表し;
m、n、x、y及びzは、m>0、n>0、x≧0、y≧0、z≧0且つ(x+y)>0となるような数である。
上記の説明において、数m、n、x、y及びzは整数であっても非整数であってもよい。それらが非整数である場合、当業者であれば式(II)が錯体の組成物に基づいていて様々な原子又は原子団の間のモル比に基づく一般式であることを理解するであろう。さらに、この式において、xが0以外である場合には1個又は2個以上の同一であっても異なっていてもよいリガンドLig1が存在することができ、yが0以外である場合には1個又は2個以上の同一であっても異なっていてもよいリガンドLig2が存在することができ、zが0以外である場合には1個又は2個以上の同一であっても異なっていてもよいリガンドLig3が存在することができるものとする。
数m及びnは0〜20の範囲(0は除く)から独立的に選択することができ、比m/nは0.1〜10の範囲であることができる。このましくはm及びnは独立して1、2、3又は4である。さらに、比m/nは好ましくは0.25〜4の範囲である。
本発明に従う化合物Cは、特に式(IIa)〜(IIf)のヘテロ金属錯体より成る群から選択することができる:
[AlZr(Lig1)x(Lig2)y(Lig3)z] (IIa)
[Al2Zr(Lig1)x(Lig2)y(Lig3)z] (IIb)
[AlTi(Lig1)x(Lig2)y(Lig3)z] (IIc)
[Al2Ti(Lig1)x(Lig2)y(Lig3)z] (IId)
[MgZr(Lig1)x(Lig2)y(Lig3)z] (IIe)
[MgTi(Lig1)x(Lig2)y(Lig3)z] (IIf)
ここで、Lig1、Lig2、Lig3、x、y及びzは上で定義した通りである。
本発明に従うヘテロ金属錯体は、アルコキシドリガンドLig1又はキレート化用リガンドLig2を少なくとも1個含む。一般式(II)において、x、y及びzは、x≧0、y≧0、z≧0且つ(x+y)>0となるような整数である。従って、x及びyが同時に0であることはできない。xは好ましくは0〜20の範囲、より一層好ましくは0.1〜12の範囲であることができる。yは好ましくは0〜20の範囲、より一層好ましくは2〜10の範囲であることができる。zは好ましくは0〜2の範囲であることができる。Lig1は好ましくは上記のアルコキシドリガンドであり、Lig2は好ましくは上記のキレート化用リガンドであり、Lig3は好ましくは上記の中性リガンドである。
2つの特に好ましい実施形態を以下に示す。
本発明の第1の特に好ましい実施形態に従えば、化合物Cは、その化学式中に少なくとも2個の異なる金属原子M及びM’を含み、Mがマグネシウム又はアルミニウム原子であり、M’がチタン又はジルコニウム原子である、ヘテロ金属アルコキシド錯体である。この錯体は、上で定義したアルコキシドリガンドを少なくとも1個含む。
この錯体のリガンドは、同一であっても異なっていてもよいアルコキシドのみであることもでき、オキソリガンド、ヒドロキシドリガンド及びアルコールリガンドより成る群から選択される1種以上のリガンドとの混合物であることもできる。
この実施形態に従う化合物Cは、一般式(II)においてyが0であり且つxが0以外であるヘテロ金属錯体であることができる。これは好ましくは一般式(III)のヘテロ金属アルコキシド錯体である:
[MmM’n(Lig1)x(Lig3)z] (III)
ここで、
記号MはマグネシウムMg又はアルミニウムAl原子を表し;
記号M’はチタンTi又はジルコニウムZr原子を表し;
記号Lig1はアルコキシドリガンドを表し;
記号Lig3はオキソリガンド、ヒドロキシドリガンド及びアルコールリガンドより成る群から選択されるリガンドを表し、
m、n、x、y及びzは、m>0、n>0、x>0且つz≧0となるような数である。
特に、化合物Cは、その化学式中に:
・少なくとも2個の異なる金属原子M及びM’(ここで、Mはマグネシウム又はアルミニウムであり、M’はチタン又はジルコニウムである)と;
・少なくとも1個のアルコキシドリガンドと:
を含むヘテロ金属アルコキシド錯体であり、このヘテロ金属アルコキシド錯体は、好ましくは、
・その化学式中に:
・・少なくとも2個の異なる金属原子M及びM’(ここで、Mはアルミニウムであり、M’はジルコニウムである)と;
・・化学式O−(直鎖状又は分岐鎖状C3〜C12アルキル)の少なくとも1個のアルコキシドリガンドと:
を含み、モル比Al/Zrが0.5、1又は2であるヘテロ金属アルコキシド錯体;並びに
・その化学式中に
・・少なくとも2個の異なる金属原子M及びM’(ここで、Mはマグネシウムであり、M’はジルコニウムである)と;
・・化学式O−(直鎖状又は分岐鎖状C2〜C12アルキル)の少なくとも1個のアルコキシドリガンドと:
を含み、モル比Mg/Zrが0.5、1、2、3又は4であるヘテロ金属アルコキシド錯体;並びに
・その化学式中に
・・少なくとも2個の異なる金属原子M及びM’(ここで、Mはアルミニウムであり、M’はチタンである)と;
・・化学式O−(直鎖状又は分岐鎖状C3〜C12アルキル)の少なくとも1個のアルコキシドリガンド:
を含み、モル比Al/Tiが1又は2であるヘテロ金属アルコキシド錯体:
より成る群から選択され、さらにより一層好ましくは、前記ヘテロ金属アルコキシド錯体は、AlZr(OBu)4(OsBu)3、Al2Zr(OnBu)4(OsBu)6、AlZr2(OnBu)11、AlTi(OsBu)3(OnBu)4及びAl2Ti(OnBu)10より成る群から選択される。
この実施形態に従うヘテロ金属アルコキシド錯体の内のあるものは、商品として入手可能である。例えば、Gelest社はアルミニウム−チタン、アルミニウム−ジルコニウム及びマグネシウム−ジルコニウムのヘテロ金属アルコキシド錯体を提供している。
さらに、この実施形態に従うヘテロ金属アルコキシド錯体は、対応する単一金属アルコキシド群から調製することができる。可能な合成ルートは、単一金属アルコキシド群を、撹拌しながら、好ましくは溶媒なしで、好ましくは室温において、結びつき(組み合わせ、一体化、association)反応が行われるのに充分な時間、反応させることから成る。一般的に、この反応は発熱反応である。
リガンド交換によって慣用的に所望のヘテロ金属アルコキシド錯体を得ることができる。アルコキシドリガンド交換は、第1の錯体と所望のアルコキシドリガンドに対応するアルコール(このアルコールは第1の錯体のリガンドに対応するアルコールより揮発性が低いものである)とを、随意に好適な溶媒中で、加熱しながら、好ましくは減圧下で、反応させることによって、慣用的に実施することができる。
本発明の第2の特に好ましい実施形態に従えば、化合物Cは、その化学式中に少なくとも2個の異なる金属原子M及びM’(ここで、Mはマグネシウム又はアルミニウム原子であり、M’チタン又はジルコニウム原子である)を含むヘテロ金属キレート化錯体である。この錯体は、上で定義した少なくとも1種のキレート化用リガンドを含む。
この錯体のリガンドは、唯一的に同一のキレート又は異なるキレートであることができ、また、1種以上のキレートとアルコキシドリガンド、オキソリガンド、ヒドロキシリガンド及びアルコールリガンドより成る群から選択される1種以上のリガンドとの混合物であることもできる。
この実施形態に従う化合物Cは、一般式(II)においてyが0以外であるヘテロ金属錯体であることができる。これは好ましくは一般式(IV)のヘテロ金属キレート化錯体である。
[MmM’n(Lig1)x(Lig2)y(Lig3)z ] (IV)
ここで、
記号MはマグネシウムMg又はアルミニウムAl原子を表し;
記号M’はチタンTi又はジルコニウムZr原子を表し;
記号Lig1はアルコキシドリガンドを表し;
記号Lig2はキレート化用リガンドを表し;
記号Lig3はオキソリガンド、ヒドロキシドリガンド及びアルコールリガンドより成る群から選択されるリガンドを表し;
m、n、x、y及びzは、m>0、n>0、x≧0、y>0且つz≧0となるような数である。
特に、化合物Cは、その化学式中に:
・少なくとも2個の異なる金属原子M及びM’(ここで、Mはマグネシウム又はアルミニウムであり、M’はチタン又はジルコニウムである)と;
・少なくとも1個のキレート化用リガンドと:
を含むヘテロ金属キレート化錯体であり、このヘテロ金属キレート化錯体は、好ましくは、
・その化学式中に:
・・少なくとも2個の異なる金属原子M及びM’(ここで、Mはアルミニウムであり、M’はジルコニウムである)と;
・・少なくとも1個のキレート化用リガンド、好ましくはアセト酢酸エチル、アセト酢酸プロピル及びマロン酸ジイソプロピルより成る群から選択されるものと;
・・随意としての化学式O−(直鎖状又は分岐鎖状C3又はC4アルキル)の少なくとも1個のアルコキシドリガンドと:
を含み、モル比Al/Zrが1又は2であるヘテロ金属キレート化錯体;
・その化学式中に:
・・少なくとも2個の異なる金属原子M及びM’(ここで、Mはアルミニウムであり、M’はジルコニウムである)と;
・・少なくとも1個のキレート化用リガンド、好ましくはアセト酢酸エチル、アセト酢酸プロピル及びマロン酸ジイソプロピルより成る群から選択されるものと;
を含み、モル比Al/Zrが1又は2であり、アルコキシドリガンドを含まないヘテロ金属キレート化錯体;
・その化学式中に:
・・少なくとも2個の異なる金属原子M及びM’(ここで、Mはマグネシウムであり、M’はジルコニウムである)と;
・・少なくとも1個のキレート化用リガンド、好ましくはアセト酢酸エチルと:
を含み、モル比Mg/Zrが1であるヘテロ金属キレート化錯体;
・その化学式中に:
・・少なくとも2個の異なる金属原子M及びM’(ここで、Mはアルミニウムであり、M’はチタンである)と;
・・少なくとも1個のキレート化用リガンド、好ましくはアセト酢酸エチル及びアセト酢酸プロピルより成る群から選択されるものと;
・・随意としての化学式O−(直鎖状又は分岐鎖状C3又はC4アルキル)の少なくとも1個のアルコキシドリガンドと:
を含み、モル比Al/Tiが1であるヘテロ金属キレート化錯体;
・その化学式中に:
・・少なくとも2個の異なる金属原子M及びM’(ここで、Mはマグネシウムであり、M’はチタンである)と;
・・少なくとも1個のキレート化用リガンド、好ましくはアセト酢酸エチルと;
・・随意としての化学式O−(直鎖状又は分岐鎖状C3アルキル)の少なくとも1個のアルコキシドリガンドと:
を含み、モル比Mg/Tiが1であるヘテロ金属キレート化錯体:
より成る群から選択され、さらにより一層好ましくは、このヘテロ金属キレート化錯体は、AlZr(EAA)3(OnPr)4、Al2Zr(EAA)6(OnPr)4、AlZr(EAA)7、Al2Zr(EAA)10及びAlTi(EAA)3(OnBu)4より成る群から選択される。
単一金属キレート化錯体の内のあるものは、商品として入手可能である。例えば、DuPont社はチタン又はジルコニウムキレート化錯体をTyzor(登録商標)の名称で提供している。
その他の所望のリガンドを有する単一金属キレート化錯体は、リガンド交換によって慣用的に得ることができる。リガンド交換は、第1の錯体と所望のリガンドに対応する前駆体とを、随意に好適な溶媒中で、加熱しながら、好ましくは減圧下で、反応させることによって、慣用的に実施することができる。
ヘテロ金属キレート化錯体の合成は、次の3つの方法に従って実施することができる:
・1種又は2種以上のアルコキシド錯体及び/又は単一金属キレートを、好ましくは室温において且つ溶媒なしで、結びつき(組み合わせ、一体化)反応が例えば下記の反応式に従って起こるのに充分な時間、接触させることによるルイス酸−塩基反応による方法:
nM(Lig1)x(Lig2)y(Lig3)z +mM’(Lig1’)x'→MnM’m(Lig1)x(Lig1’)x'(Lig2)y(Lig3)z
(ここで、M、M’、Lig1、Lig2、Lig3、n、m、x、y及びzは上で与えた意味を持ち、Lig1’はLig1と同一の又は異なるアルコキシドリガンドを表し、x’はx’>0となるような数である);
・ヘテロ金属アルコキシド錯体上の1個以上のアルコキシドリガンドをキレート化用リガンドで置換することによる方法、例えば以下の反応式に従うもの:
nM’m(Lig1)x(Lig3)z+yLig2
→ MnM’m(Lig1)x-y(Lig2)y(Lig3)z+yLig1
(ここで、M、M’、Lig1、Lig2、Lig3、n、m、x、y及びzは上で与えた意味を持つ);
・次の2つの工程での合成による方法:
a)単一金属アルコキシド錯体から出発してキレートとのリガンド交換によって単一金属キレート化錯体を合成する工程、例えば以下の反応式に従うもの:
n(Lig1)x(Lig3)z+yLig2
→ Mn(Lig1)x-y(Lig2)y(Lig3)z+yLig1;
b)続いての単一金属キレート化錯体と異なる金属をベースとする単一金属アルコキシド錯体とを結びつける(組み合わせる、一体化させる)(association)工程、例えば以下の反応式に従うもの:
n(Lig1)x(Lig2)y(Lig3)z+mM’(Lig1’)x'
→ MnM’m(Lig1)x(Lig1’)x'(Lig2)y(Lig3)z
この2工程合成ルートは、有利には、中間生成物を単離することのないワンポット合成であることができる。
本発明者らは、全く予期しなかったことに、本発明に従うヘテロ金属錯体が、対応する単一金属錯体を単純に混合したものよりも、ポリオルガノシロキサンの縮合可能な基又は加水分解可能及び縮合可能な基の縮合反応用、特にシリコーンの重縮合反応用の良好な触媒であることを見出した。
本発明に従えば、触媒としての化合物Cは、水又は大気中の湿分の存在下で硬化性の組成物中に、触媒量で存在させる。本発明に従う組成物中の触媒の濃度は、組成物の総重量に対して0.1重量%〜6重量%の範囲、好ましくは1重量%〜3重量%の範囲とすることができる。
本発明に従う触媒は、固体又は液体の状態にあることができる。この触媒は、単独で加えることもでき、好適な溶媒中で加えることもできる。溶媒中で加える場合には、シリコーンオイル又は他の任意の適合性溶媒、例えば石油留分を加えることができ、この溶媒を次いで蒸発させることによって、触媒がシリコーン媒体中に移動される。得られた混合物は次いで「触媒ベース」としての働きをすることができる。
特定的な実施形態に従えば、本発明は、
(a)支持体(1)、
(b)前記支持体(1)上に設けられ、少なくとも1種の腐食防止物質を含む、少なくとも1つのプライマーコート(2)、
(c)前記プライマーコート(2)上に設けられる少なくとも1つの粘着促進用コート(3)、及び
(d)前記粘着促進用コート(3)上に設けられる少なくとも1つの防汚性コート(4)
を含む物品であって、
前記防汚性コート(4)が、以下の(i)、(ii)、(iii)を含む組成物Xを塗布して大気中の湿分に触れさせて硬化させることによって得られたものであることを特徴とする、前記物品に関する:
(i)同一であっても異なっていてもよい少なくとも2個の加水分解可能及び縮合可能な基又は少なくとも2個のシラノール官能基≡SiOHを含む少なくとも1種の有機ケイ素化合物A’、
(ii)少なくとも1種の架橋剤B’、並びに
(iii)触媒として有効量の、本発明に従う少なくとも1種の重縮合触媒C。この触媒Cは、その化学式中に以下のものを含むヘテロ金属錯体である:
c)少なくとも2個の異なる金属原子M及びM’(ここで、Mは元素周期表第2族及び第13族の原子より成る群から選択される原子であり、M’は元素周期表第4族の元素より成る群から選択される原子である)、並びに
d)少なくとも1個のアルコキシドリガンド又はキレート化用リガンド。
別の特定的な実施形態に従えば、本発明は、組成物Xが以下の(i)、(ii)、(iii)を含むことを特徴とする、本発明に従う物品に関する。
(i)同一であっても異なっていてもよい少なくとも2個の加水分解可能及び縮合可能な基又は少なくとも2個のシラノール官能基≡SiOHを含む少なくとも1種の有機ケイ素化合物A’、
(ii)少なくとも1種の架橋剤B’、並びに
(iii)触媒として有効量の、本発明に従う少なくとも1種の重縮合触媒C。この触媒Cは、その化学式中に以下のものを含むヘテロ金属錯体である:
・少なくとも2個の異なる金属原子M及びM’(ここで、Mはマグネシウム又はアルミニウム原子であり、M’はチタン又はジルコニウム原子である)、並びに
・少なくとも1個のアルコキシドリガンド又はキレート化用リガンド。
2つの好ましい実施形態に従えば、重縮合触媒Cは、
・AlZr(OBu)4(OsBu)3、Al2Zr(OnBu)4(OsBu)6、AlZr2(OnBu)11、AlTi(OsBu)3(OnBu)4及びAl2Ti(OnBu)10より成る群、又は
・AlZr(EAA)3(OnPr)4、Al2Zr(EAA)3(OnPr)4、AlZr(EAA)7、Al2Zr(EAA)10及びAlTi(EAA)3(OnBu)4より成る群
から選択される。
本発明に従う重縮合触媒Cの量は、ワンパック調製であろうとツーパック調製であろうと、組成物Xの総質量に対して0.01〜10重量%の範囲、好ましくは0.1〜5重量%の範囲である。
好ましくは、有機ケイ素化合物A’は、以下のものを含むポリオルガノシロキサンである:
(i)下記の式(4’)の少なくとも2個のシロキシル単位
Figure 2017509506
(ここで、
記号R1は同一であっても異なっていてもよく、C1〜C30一価炭化水素ベース基を表し、
記号Zは同一であっても異なっていてもよく、それぞれ加水分解可能及び縮合可能な基又はヒドロキシル基を表し、好ましくは次のタイプの基:ヒドロキシル、アルコキシ、アルコキシ−アルキレン−オキシ、アミノ、アミド、アシルアミノ、アミノオキシ、イミノオキシ、ケチミノキシ、アシルオキシ及びエノキシ:より成る群から選択され、さらにより一層好ましくはZはヒドロキシル基であり、
aは0、1又は2であり、bは1、2又は3であり、それらの合計a+bは1、2又は3である);
(ii)及び随意としての下記の式(5’)の1個以上のシロキシ単位
Figure 2017509506
[ここで、
記号Rは同一であっても異なっていてもよく、C1〜C30一価炭化水素ベース基(随意に1個以上のハロゲン原子で又はアミノ、エーテル、エステル、エポキシ、メルカプト若しくはシアノ基で置換されたもの)を表し、
記号cは0、1、2又は3である]。
好ましくは、本発明に従う有機ケイ素化合物A’は、次のタイプの基:ヒドロキシル、アルコキシ、アルコキシ−アルキレン−オキシ、アミノ、アミド、アシルアミノ、アミノオキシ、イミノオキシ、ケチミノキシ、アシルオキシ及びエノキシ:より成る群から選択される少なくとも2個の基を有する。
好ましくは、有機ケイ素化合物A’は、一般式(6’)のポリオルガノシロキサンである:
n3-nSi−O−(SiR2−O)x−SiR3-nn (6’)
[ここで、
記号Zは同一であっても異なっていてもよく、それぞれ加水分解可能及び縮合可能な基又はヒドロキシル基を表し、好ましくは次のタイプの基:ヒドロキシル、アルコキシ、アルコキシ−アルキレン−オキシ、アミノ、アミド、アシルアミノ、アミノオキシ、イミノオキシ、ケチミノキシ、アシルオキシ及びエノキシ:より成る群から選択され、
記号Rは同一であっても異なっていてもよく、C1〜C30一価炭化水素ベース基(随意に1個以上のハロゲン原子で又はアミノ、エーテル、エステル、エポキシ、メルカプト若しくはシアノ基で置換されたもの)を表し、
記号nは1、2又は3、好ましくは2又は3であり、Zがヒドロキシル基である場合にはn=1であり、
記号xは200〜10000の範囲、好ましくは200〜1000の範囲、さらにより一層好ましくは250〜600の範囲である]。
式(4’)、(5’)及び(6’)において、記号R1及びRは好ましくは以下のものである:
・1〜20個の炭素原子を有し且つ随意に1個以上のアリール若しくはシクロアルキル基で、1個以上のハロゲン原子で又はアミノ、エーテル、エステル、エポキシ、メルカプト、シアノ若しくは(ポリ)グリコール基で置換されたアルキル基(挙げることができる基には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、2−エチルヘキシル、オクチル、デシル、3,3,3−トリフルオロプロピル、4,4,4−トリフルオロブチル及び4,4,4,3,3−ペンタフルオロブチル基が包含される)、
・5〜13個の炭素原子を有するシクロアルキル及びハロシクロアルキル基、例えばシクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、プロピルシクロヘキシル、2,3−ジフルオロシクロブチル及び3,4−ジフルオロ−5−メチルシクロヘプチル基、
・6〜13個の炭素原子を有する単核アリール及びハロアリール基、例えばフェニル、トリル、キシリル、クロロフェニル、ジクロロフェニル又はトリクロロフェニル基、或は
・2〜8個の炭素原子を有するアルケニル基、例えばビニル、アリル又は2−ブテニル基。
有機ケイ素化合物A’の25℃における動的粘度は、一般的には50〜1000000mPa・sの範囲、好ましくは50〜100000mPa・sの範囲である。
有機ケイ素化合物A’がヒドロキシルタイプの記号Zを持つ一般式(6’)のポリオルガノシロキサンである特定の場合においては、記号nは1であるのが好ましい。この場合、α,ω−ジヒドロキシポリオルガノシロキサンを用いるのが好ましい。これは、25℃における動的粘度が例えば500mPa・s〜20000mPa・sの範囲であるオイルであるのが一般的である。
有機ケイ素化合物A’がポリオルガノシロキサンである場合、基R及びR1(式4’及び5’中)又は基R(式6’中)の少なくとも60%がメチル基であって残りの基が一般的にフェニル及び/又はビニル基であるものを用いるのが好ましい。
本発明に従えば、記号Zはそれぞれヒドロキシル基又は加水分解可能及び縮合可能な基を表し、好ましくは次のタイプの基:アルコキシ、アルコキシ−アルキレン−オキシ、アミノ、アミド、アシルアミノ、アミノオキシ、イミノオキシ、ケチミノキシ、アシルオキシ及びエノキシ基:より成る群から選択される。
有機ケイ素化合物A’が本発明に従う加水分解可能及び縮合可能な基Zを含有し且つポリオルガノシロキサンである場合、これは通常は官能化ポリマーと記載され、湿分の不在下において安定な形に該当し、ワンパック組成物中に用いることができ、密封されたジャー、カートリッジ又はドラム中に包装することができ、処理すべき支持体に塗布するために使用する際に作業者によって開封される。有機ケイ素基A’がヒドロキシルタイプの基Zを含有するものである場合、密封カートリッジ中に貯蔵して包装できるようにするために、これらは水酸化リチウムのような官能化触媒によってワンパック組成物中でその場で官能化させることができる。
アルコキシタイプの加水分解可能及び縮合可能な基Zの例としては、1〜8個の炭素原子を有する基、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、t−ブトキシ、2−メトキシエトキシ、ヘキシルオキシ又はオクチルオキシ基を挙げることができる。
アルコキシ−アルキレン−オキシタイプの加水分解可能及び縮合可能な基Zの例としては、メトキシ−エチレン−オキシ基を挙げることができる。
アミノタイプの加水分解可能及び縮合可能な基Zの例としては、メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ、n−ブチルアミノ、sec−ブチルアミノ又はシクロヘキシルアミノ基を挙げることができる。
アミドタイプの加水分解可能及び縮合可能な基Zの例としては、N−メチルアセトアミド基を挙げることができる。
アシルアミノタイプの加水分解可能及び縮合可能な基Zの例としては、ベンゾイルアミノ基を挙げることができる。
加水分解可能及び縮合可能なアミノオキシタイプの基Zの例としては、ジメチルアミノオキシ、ジエチルアミノオキシ、ジオクチルアミノオキシ又はジフェニルアミノオキシ基を挙げることができる。
イミノオキシ、特にケチミノキシタイプの加水分解可能及び縮合可能な基Zの例としては、次のオキシム:アセトフェノンオキシム、アセトンオキシム、ベンゾフェノンオキシム、メチルエチルケトキシム、ジイソプロピルケトキシム又はメチルイソブチルケトキシム:から誘導される基を挙げることができる。
アシルオキシタイプの加水分解可能及び縮合可能な基Zの例としては、アセトキシ基を挙げることができる。
エノキシタイプの加水分解可能及び縮合可能な基Zの例としては、2−プロペノキシ基を挙げることができる。
好ましくは、有機ケイ素化合物A’は、次式を有するポリオルガノシロキサン(7’)である。
Figure 2017509506
(式中、
記号nは1〜2000の範囲、好ましくは2〜2000の範囲、より一層好ましくは1〜1000の範囲、さらにより一層好ましくは2〜1000の範囲であり、
3及びR4は同一であっても異なっていてもよく、1〜6個の炭素原子を有するアルキル、3〜8個の炭素原子を有するシクロアルキル、アリール、アルキルアリーレン又はアリールアルキレンを表す。)
工業的入手可能性の理由で最も有用なポリオルガノシロキサン(7’)の例は、R3及びR4が独立してメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロヘキシル、フェニル及び3,3,3−トリフルオロプロピルより成る基の群から選択されるものである。非常に好ましくは、これらの基の内の少なくとも約80%(数基準)はメチル基である。
さらにより一層好ましくは、ポリオルガノシロキサン(7’)は、式(8’)のポリオルガノシロキサンである。
Figure 2017509506
(ここで、sは1≦s≦4200、好ましくは2≦s≦1500の数である。)
本発明の範疇において、米国特許第2891920号及び同第3294725号の各明細書に記載されたアニオン重合法によって調製されるα,ω−ビス(ジメチルヒドロキシシリル)ポリジメチルシロキサンを特に用いることができる。
好ましい実施形態に従えば、架橋剤B’は、各分子が加水分解可能及び縮合可能な基Yを少なくとも3個含むケイ素化合物であり、この架橋剤B’は、次式(9’)を有する。
R’(4-a)SiYa (9’)
(式中、
記号R’は1〜30個の炭素原子を有する一価炭化水素ベース基であり、
記号Yはアルコキシ、アルコキシ−アルキレン−オキシ、アミノ、アミド、アシルアミノ、アミノオキシ、イミノオキシ、ケチミノキシ、アシルオキシ又はエノキシ基であり、好ましくはYはアルコキシ、アシルオキシ、エノキシ、ケチミノキシ又はオキシム基であり、
記号aは3又は4である。)
基Yの例は、記号Zが加水分解可能及び縮合可能な基である場合、即ちヒドロキシル基以外のものである場合に上に挙げたものと同じである。
架橋剤B’の例としては下記の一般式(10’)のアルコキシシラン及びこのシランの部分加水分解生成物を挙げることができる。
2 kSi(OR3(4-k) (10’)
(ここで、
記号R2は同一であっても異なっていてもよく、1〜8個の炭素原子を有するアルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、2−エチルヘキシル基、又はC3〜C6オキシアルキレン基を表し、
記号R3は飽和若しくは不飽和、直鎖状若しくは分岐鎖状の脂肪族炭化水素ベース基、飽和若しくは不飽和及び/若しくは芳香族の単環式若しくは多環式炭素環式基を表し、
kは0、1又は2である。)
3〜C6アルコキシアルキレン基の例としては、次の基を挙げることができる。
CH3OCH2CH2
CH3OCH2CH(CH3)−
CH3OCH(CH3)CH2
25OCH2CH2CH2
記号R3は好ましくは以下のものを含むC1〜C10炭化水素ベース基を表す。
・C1〜C10アルキル、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、2−エチルヘキシル、オクチル又はデシル基;
・ビニル又はアリル基;及び
・C5〜C8シクロアルキル基、例えばフェニル、トリル及びキシリル基。
これらの架橋剤B’は、シリコーン市場で入手できる製品である;さらに、それらを室温硬化性組成物中に使用することは周知である;これは特に仏国特許第1126411A号、仏国特許第1179969A号、仏国特許第1189216A号、仏国特許第1198749A号、仏国特許第1248826A号、仏国特許第1314649A号、仏国特許第1423477A号、仏国特許第1432799A号及び仏国特許第2067636A号の各明細書に記載されている。
架橋剤B’の中では、より特定的には、アルキルトリアルコキシシラン、アルキルシリケート及びポリアルキルシリケート(有機基は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基である)が好ましい。
用いることができる架橋剤B’の別の例としては、より特定的には、ポリエチルシリケート、ポリ(n−プロピルシリケート)及び次のシランが挙げられる:プロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン メチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン 1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリエトキシシリル)エタン、テトライソプロポキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メチルトリス(メチルエチルケトキシモ)シラン、3−シアノプロピルトリメトキシシラン、3−シアノプロピルトリエトキシシラン、3−(グリシジルオキシ)プロピルトリエトキシシラン、ビニルトリス(メチルエチルケトキシモ)シラン、テトラキス(メチルエチルケトキシモ)シラン、アシルオキシシラン、例えばビニルトリアセトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン若しくはエチルトリアセトキシシラン又は以下の式を有するもの:
CH3Si(OCH3)3;C25Si(OC25)3;C25Si(OCH3)3
CH2=CHSi(OCH3)3;CH2=CHSi(OCH2CH2OCH3)3
65Si(OCH3)3;[CH3][OCH(CH3)CH2OCH3]Si[OCH32
Si(OCH3)4;Si(OC25)4;Si(OCH2CH2CH3)4;Si(OCH2CH2CH2CH3)4
Si(OC24OCH3)4;CH3Si(OC24OCH3)3;ClCH2Si(OC25)3
一般的に、有機ケイ素化合物A’100重量部当たり0.1〜60重量部の架橋剤B’を用いる。好ましくは、有機ケイ素化合物A’100重量部当たり1〜15重量部を用いる。
特に有利な実施形態に従えば、組成物Xは、以下のものを含む。
(i)同一であっても異なっていてもよい少なくとも2個の加水分解可能及び縮合可能な基又は少なくとも2個のシラノール官能基≡SiOHを含む少なくとも1種の有機ケイ素化合物A’、
(ii)少なくとも1種の架橋剤B’、
(iii)触媒として有効量の、上で定義した少なくとも1種の重縮合触媒C、
(iv)エラストマーネットワークが形成された時に防汚性コートの表面に浸出して「防汚」効果を改善する少なくとも1種の化合物L’、
(v)随意としての少なくとも1種の粘着促進剤E’、
(vi)随意としての少なくとも1種のケイ質無機、有機及び/又は非ケイ質フィラーF’、
(vii)随意としての少なくとも1種の顔料、少なくとも1種の着色用ベース又は少なくとも1種の着色剤H’、並びに
(viii)随意としての少なくとも1種の溶剤K’。
エラストマーネットワークが形成された時に防汚性コートの表面に浸出して「防汚」効果を改善する化合物L’の例には、例えば次の化合物a)、b)、c)、d)、e)、f)及びg)がある。
化合物(a)は、下記一般式(II)に相当するポリオルガノシロキサンオイルである。
Figure 2017509506
{ここで、
2はアルキル、アリール又はアルケニル基であり、メチル及びフェニル基が好ましく(特に好ましい例は、例えば米国特許第4025693号明細書に記載されたようなメチルフェニルポリシロキサンオイルである)、
Xは酸素原子又は1〜8個の炭素原子を有する二価炭化水素ベース基であり、
nは25℃において10〜1×106mm2/秒の粘度を有するジオルガノポリシロキサンが得られるように規定される数である。}
これらのポリオルガノシロキサンオイルは、随意にグラフトされていることができ、アクリル、アミド、アミン、カルボニル、カルボキシル、カルボキシレート、チオール、チオエーテル、尿素、第四級アンモニウム、フルオロアルキル又はペルフルオロアルキル基を含むことができる。また、少なくとも1個のポリエーテルブロックを(例えばポリエチレングリコール及び/又はポリプロピレングリコール基と共に)含むグラフト又はブロックポリジメチルシロキサンオイルを用いることもできる。
化合物b)は、炭化水素ベース液状化合物:例えばエチレン/プロピレンコポリマー等のポリオレフィン及び特に低分子量ポリイソブテン(5000g/モルまで、好ましくは300〜500g/モルの範囲):である。
化合物c)は、ポリジエン、ポリエステル、ポリイソシアネート、ポリウレタン、ポリエポキシド、フルオロアルキル類、フルオロエーテル類、潤滑油(例えば仏国特許第2375305号明細書を参照されたい)及び可塑剤(例えば随意にヘテロ原子で置換されていてよい脂肪酸エステル又はリン酸エステル又はハロ炭化水素ベース化合物)から選択される有機液状化合物である。また、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール又はひまし油を用いることもでき、それらは組成物の使用の際に抗流動特性をも提供する。
化合物d)は、流動パラフィン及びペトロラタム等のワックス状物質である(特開昭58−013673号公報)。
化合物e)は、PVC等の熱可塑性ポリマーである。
化合物f)は、塩化ビニル/酢酸ビニルコポリマーである(特開昭54−026826号公報)。
化合物gは、カチオン性、アニオン性又は両性界面活性剤である(特開昭60−258271号公報)。
粘着促進剤E’の例としては、例えば以下のものを同時に有する有機ケイ素化合物を挙げることができる。
・ケイ素原子に結合した1個以上の加水分解性基;及び
・窒素原子を含む基で又は(メタ)アクリレート、エポキシ及びアルケニル基から選択される基で置換された1個以上の有機基、より一層好ましくは次の化合物(単独のもの又は混合物として)より成る群から選択される有機基:
・ビニルトリメトキシシラン(VTMO)
・3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GLYMO)
・メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン(MEMO)
・[H2N(CH2)3]Si(OCH2CH2CH3)3
・[H2N(CH2)3]Si(OCH3)3
・[H2N(CH2)3]Si(OC25)3
・[H2N(CH2)4]Si(OCH3)3
・[H2NCH2CH(CH3)CH2CH2]SiCH3(OCH3)2
・[H2NCH2]Si(OCH3)3
・[n−C49−HN−CH2]Si(OCH3)3
・[H2N(CH2)2NH(CH2)3]Si(OCH3)3
・[H2N(CH2)2NH(CH2)3]Si(OCH2CH2OCH3)3
・[CH3NH(CH2)2NH(CH2)3]Si(OCH3)3
・[H2N(NHCH2CH2)2NH(CH2)3]Si(OCH3)3
Figure 2017509506
粘着促進剤Eは、有機ケイ素化合物A’の重量に対して0〜20重量%の量、好ましくは1〜20重量%の量で、本発明に従うシリコーン組成物中に存在させることができる。
ケイ質、有機及び/又は非ケイ質無機F’の例としては、平均粒径0.1μm未満の非常に微細に粉砕された物質を挙げることができる。これらのフィラーの中には、ヒュームドシリカ及び沈降シリカがある;それらのBET比表面積は一般的に40m2/g超である。これらのフィラーはまた、もっと粗大な平均粒径0.1μm超の物質の形にあってもよい。かかるフィラーの例としては、石英粉末、ケイ藻土シリカ、炭酸カルシウム、焼成クレー、ルチル型酸化チタン、鉄、亜鉛、クロム、ジルコニウム又はマグネシウムの酸化物、様々な形のアルミナ(水和又は非水和)、窒化ホウ素、リトポン、メタホウ酸バリウム、硫酸バリウム及びガラスミクロビーズを挙げることができる;それらの比表面積は一般的に30m2/g未満である。これらのフィラーは、様々な有機ケイ素化合物で処理することによって表面変性されたものであってよい。これらの有機ケイ素化合物は、この目的で慣用的に用いられているものであり、オルガノクロロシラン、ジオルガノシクロポリシロキサン、ヘキサオルガノジシロキサン、ヘキサオルガノジシラザン又はジオルガノシクロポリシラザンであることができる(仏国特許第1126884A号明細書、仏国特許第1136885A号明細書及び仏国特許第1236505A号明細書、並びに英国特許第1024234A号明細書)。処理されたフィラーは、大抵の場合、それらの重量の3〜30%の有機ケイ素化合物を含有する。該フィラーは、様々な粒子寸法のいくつかのタイプのフィラーの混合物から成ることができる;従って、例えばこれらは、BET比表面積40m2/g超の微粉砕シリカ30〜70%と、比表面積30m2/g未満の粗粉砕シリカ70〜30%とから成ることができる。フィラーを導入する目的は、本発明に従う組成物を硬化させることによって得られるエラストマーに良好な機械的特性及びレオロジー特性を与えることである。
本発明に従う組成物は、少なくとも1種のシリコーン樹脂(J’)もまた有利に含むことができる。これらのシリコーン樹脂は、よく知られていて商品として入手できる分岐鎖状オルガノポリシロキサンポリマーである。これらは、式R'''3SiO1/2(M単位)、R'''2SiO2/2(D単位)、R'''SiO3/2(T単位)及びSiO4/2(Q単位)のものから選択される少なくとも2個の異なる単位を1分子当たりに有し、少なくとも1個の単位がT又はQ単位である。基R'''は同一であっても異なっていてもよく、直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基又はビニル、フェニル若しくは3,3,3−トリフルオロプロピル基から選択される。好ましくは、アルキル基は1〜6個の炭素原子を有する(境界を含む)。より特定的には、アルキル基Rとしては、メチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル及びn−ヘキシル基を挙げることができる。これらの樹脂は好ましくはヒドロキシル化されたものであり、この場合には5〜500ミリ当量/100gの範囲のヒドロキシル基重量含有率を有する。樹脂の例としては、MQ樹脂、MDQ樹脂、TD樹脂及びMDT樹脂を挙げることができる。
本発明に従う組成物Xはまた、顔料、着色用ベース又は着色剤H’をも含むことができる。顔料H’の例には、指標として、赤色酸化鉄、酸化亜鉛、カーボンブラック、グラファイト、鉄黄、酸化チタンホワイト、酸化クロム、酸化コバルト、リサージ(一酸化鉛)、群青及びモリブデンレッド及びイエロー、水性塗料分野において広く用いられる既知の有機顔料がある。他の慣用的な補助剤及び添加剤(チキソトロープ剤、流動防止剤等)も、本発明に従う組成物中に加えることができる。
主な成分に加えて、好ましくは本発明に従う組成物の物理的特徴に対して及び/又はこれらの組成物を硬化させることによって得られるエラストマーの機械的特性に対して作用させることを目的として、非反応性線状ポリオルガノシロキサンポリマーG’を、組成物Xに含ませることができる。
これらの非反応性線状ポリオルガノシロキサンポリマーG’はよく知られている;これらはより特定的には:本質的にジオルガノシロキシ単位から成り且つ最大1%のモノオルガノシロキシ及び/又はシロキシ単位を有し、25℃において少なくとも10mPa・sの粘度を有するα,ω−ビス(トリオルガノシロキシ)ジオルガノポリシロキサンポリマーであって、ケイ素原子に結合した有機基がメチル、ビニル及びフェニル基から選択され、これらの有機基の内の少なくとも60%がメチル基であり、ビニル基は最大でも10%であるものを含む。これらのポリマーの粘度は、25℃において数千万mPa・sに達することもできる;従ってこれらは流体乃至粘性外観を持つオイル及び軟質乃至硬質ゴムを包含する。これらは、より特定的には仏国特許第978058号明細書、仏国特許第1025150号明細書、仏国特許第1108764号明細書及び仏国特許第1370884号明細書に記載された通常の技術に従って調製される。25℃において10mPa・s〜1000mPa・sの範囲の粘度を有するα,ω−ビス(トリメチルシロキシ)ジメチルポリシロキサンオイルを用いるのが好ましい。これらのポリマーは、可塑剤としての働きをし、有機ケイ素化合物A’100重量部当たり最大70重量部、好ましくは5〜20重量部の割合で導入することができる。
溶剤K’の例には:脂肪族、環状脂肪族又は芳香族炭化水素ベース誘導体、例えばホワイトスピリット、シクロヘキサン、トルエン、オクタメチルトリシロキサン又はキシレン、及びエステル溶剤、例えば酢酸メトキシプロピル、酢酸n−ブチル及び酢酸2−エトキシエチル、アセトン、アセトニトリル、及びそれらの混合物:がある。溶剤の量は、用途及び処理されるべき支持体に応じて、許容できる粘度を有する塗料が得られるように、決定される。
他の慣用的な補助剤及び添加剤も、本発明に従う組成物中に加えることができる。これらは、組成物が用いられる用途に応じて選択される。
本発明に従う組成物は、
・ワンパック若しくはRTV−1、即ち単一の気密性パッケージの形にあって、湿分の不在下で貯蔵安定性のもの、又は
・ツーパック若しくはRTV−2、即ち2つのパッケージの形にあって、組成物の成分が2つの部分に分けられていて、ひとたびそれらが大気中の湿分の存在下で一緒にされたら硬化するもの
であることができる。
ワンパックベースは、例えば欧州特許公開第141685号、欧州特許公開第147323号、欧州特許公開第102268号、欧州特許公開第21859号、仏国特許第2121289号及び仏国特許第2121631号に詳細に記載されているので、これらを参考文献として引用する。
ツーパックベースは、例えば欧州特許公開第118325号、欧州特許公開第117772号、欧州特許公開第10478号、欧州特許公開第50358号、欧州特許公開第184966号の各公報、米国特許第3801572号明細書及び米国特許第3888815号明細書に詳細に記載されているので、これらを参考文献として引用する。
RTV−2 ツーパック組成物は、本発明に従う組成物Xの前駆体であり、2つの別個の気密性パッケージP1及びP2の形にあり、
・パッケージP1が、
・・触媒として有効量の上で定義した本発明に従う少なくとも1種の重縮合触媒M’、及び
・・少なくとも1種の架橋剤B’(好ましくは上で定義したもの)
を含み、
・パッケージP2が重縮合触媒C及び架橋剤B’を含まず、
・・少なくとも1種の有機ケイ素化合物A’(好ましくは粘度が500mPa・s〜100000mPa・sの範囲、好ましくは1000mPa・s〜10000mPa・sの範囲であるα,ω−ジヒドロキシル化ポリジメチルシロキサン)100重量部当たり
・・0〜10重量部の水
を含むことを特徴とするものであることができる。
ジアルキルスズジカルボキシレート触媒を用いた従来の重縮合RTV−2製品を上回る本発明に従うこれらの新規のRTV−2組成物の利点の1つは、本発明に従う触媒は活性化させる必要がないのでパーツP2に水を加えることがもはや必要なく、従って配合を簡単なものにすることができることである。
水性環境中で用いられ、汚れに付される任意の材料が、本発明にとっての支持体(1)であることができる。可能な支持体は、船を建造するための材料、例えば鉄鋼、アルミニウム、木材、樹脂を含浸させたガラス繊維、及び他の任意の複合材料である。また、配管用に用いられる材料、例えばコンクリート、プラスチック、鉄鋼、鉄及び他の金属をコーティングすることもできる。貯水槽(水泳用プールを含む)も汚れに付される。貯水槽を製造するために用いられる材料は、配管を製造するために用いられるものと同じ又は同様のものである。
本発明に従う防汚性コート(4)(又はトップコート)を用いる場合、この防汚性コートは、様々な別種の性状の粘着促進用コート(3)(又はタイコート)と組み合わせることができる。これは例えば、ポリウレタン製、クロロプレン及びネオプレン等の天然若しくは合成ゴム(随意に塩素化されたもの)製、又はブチラール/シリコーンゴム製のものであることができる(特開昭53−137231号公報、特開昭53−137233号公報及び特開昭53−137234号公報)。別のアプローチ(例えば米国特許第5449553号明細書に記載されたもの)に従えば、タイコートが記載され、これは、スズベース重縮合触媒;ケイ酸エチルのような架橋剤;及びシリルヒドロキシ末端基含有オルガノポリシロキサンとスチレン又は共役ジオレフィン(例えば1,3−ブタジエン)等の重合可能モノマーとの反応生成物から誘導されるコポリマー:を含む、大気中の湿分中で硬化可能な組成物から調製されている。欧州特許公開第1670866号公報に記載された別の例に従えば、次のものを含む組成物からタイコートが形成される:
(i)顔料及びフィラー:0〜60湿重量%;並びに
(ii)以下のものを含むバインダーベース相:残部:
・1種以上のアミン官能基含有ポリシロキサン1〜90湿重量%、
・1種以上のエポキシ官能基含有ポリシロキサン1〜90湿重量%、並びに
・ヒドロキシル官能基含有ポリシロキサン、ヒドロキシアルキル官能基含有ポリシロキサン及びC1〜C4アルコキシ官能基含有ポリシロキサンより成る群から選択される粘着促進剤0〜20湿重量%。
本発明はまた、水中用途において用いることが予定される支持体(1)に防汚性コーティング(4)を塗布するための方法にも関するものであり、この方法は、
(a)前記支持体(1)上に少なくとも1種の腐食防止用物質を含む少なくとも1つのプライマーコート(2)を随意に塗布する工程、
(b)前記プライマーコート(2)上に又は前記プライマーコート(2)を存在させない場合には前記支持体(1)上に粘着促進用コート(3)を塗布する工程、
(c)前記粘着促進用コート(3)を硬化させる工程、
(d)前記粘着促進用コート(3)上に防汚性コート(4)を塗布する工程、及び
(e)前記防汚性コート(4)を大気中の湿分との接触の際に硬化させる工程
を含み、前記防汚性コート(4)及び随意としての前記粘着促進用コート(3)が上で定義した本発明に従う組成物Xから調製されたものであることを特徴とする。
塗布されるコーティングの厚さは可変的であり、厚さ12〜1000μmのフィルム(但し、付着物は均一であるものとする)が良好な結果を与えた。様々なコーティングの標準的な厚さは、プライマーについては約50μm、タイコートについては約150μm、トップコートについては約150μmである。もちろん、当業者であれば望まれる結果に応じて様々なコーティングの厚さを適合させる術を知っているだろう。
本発明の最後の主題は、本発明に従う上で定義した組成物Xを、大気中の湿分との接触の際に硬化した後に物品上に防汚性コート(4)を形成して水中微生物の付着から物品を保護するために、使用することに関する。
かくして、本発明に従う組成物Xは、大気中の湿分によって又は水を加えることによって硬化させた後に、摩擦力及び表面エネルギーが低い超平滑特性を被処理支持体表面に付与する、「汚れ放出コーティング」塗料として、用いることができる。
本発明のその他の利点及び特徴は、以下の実施例を読めば明らかになるだろう。これら実施例は、例示として与えたものであり、何ら限定的な意味を持つものではない。
表記:
・OsBu:sec−ブトキシド
・OnBu:n−ブトキシド
・OtBu:t−ブトキシド
・OBO:2−ブチルオクトキシド
・OC49:ブトキシド (直鎖状化合物と分岐鎖状化合物との混合物)
・OEH:2−エチルヘキソキシド
・OEt:エトキシド
・OiPr:イソプロポキシド
・OnPr:n−プロポキシド
・OPr2Me:2−メチル−1−プロパンオキシド
・EAA:アセト酢酸エチル
・EEA:エチル酢酸エチル
・EPA:プロピオニル酢酸エチル
・E2EA:2−エチルアセト酢酸エチル
・F.EEA:トリフルオロアセト酢酸エチル
・t.EAA:t−ブチルアセト酢酸エチル
・C4EA:シクロプロピルアセト酢酸エチル
・PrOH:プロパノール
・PAA:アセト酢酸プロピル
・EPAA:プロピオニルアセト酢酸エチル
・acac:アセチルアセトン
・F.acac.F:ヘキサフルオロアセチルアセトン
・Ph.acac.F:4,4,4−トリフルオロ−1−フェニル−1,3−ブタンジオン
・Ph.acac.Ph:1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオン
・t.acac:2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン
・diPrm:マロン酸ジイソプロピル
・Aamid:アセトアセトアミド
・NacNac:ビス−N,N’−(2−フェニルエチル)−2,4−ジイミノペンタン
・MA:アクリル酸メチル
・DBU:1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)−7−ウンデセン
例1:ヘテロ金属アルコキシド錯体AlTi(OsBu)3(OnBu)4の合成及び分析
単一金属アルコキシドのAl(OsBu)3及びTi(OnBu)4をSigma-Aldrich社に注文して、受け取り後すぐに使用した。
Al(OsBu)3とTi(OnBu)4とを1モル対1モルのモル割合で混合し、室温において2時間撹拌した。定量的に得られた油状物を次いで赤外線によって特徴付けした。
このヘテロ金属錯体のスペクトル中には、1035.8cm-1及び996.2cm-1に2つの非常に強い新たなバンドの発現が観察され、これらはAl−C−O−C−Ti配列中のC−Oバンドの振動に相当する。611.7cm-1及び515.2cm-1のバンドも非常に強かった。これらはAl−O−Ti配列中の金属−Oバンドの振動に相当する。その他の中強度又は低強度のバンドは、出発物質中に見られるバンドであるが、異なる共振周波数を有するものに相当する。これらの変化は、Al及びTi金属の周りの新たな化学環境及び新たな化学種の生成をはっきり示している。
例2:ヘテロ金属アルコキシド錯体の合成
次の方法に従って、一連のヘテロ金属アルコキシド錯体を調製した。
アルミニウムの単一金属アルコキシドAl(OnBu)3、Al(OsBu)3、Al(OBO)3、Al(OiPr)3、Al(OEH)3、マグネシウムの単一金属アルコキシドMg(OEt)2、Mg(OBO)2、ジルコニウムの単一金属アルコキシドZr(OnBu)4、Zr(OBO)4、Zr(OnBu)4、Zr(OnPr)4、Zr(OEH)4、Zr(OEt)4及びチタンの単一金属アルコキシドTi(OBO)4、Ti(OnBu)4、Ti(OiPr)4及びTi(OEH)4をSigma-Aldrich社から入手して、受け取り後すぐに又は減圧下で濃縮後に用いた。
所望の錯体に応じて選択した単一金属アルコキシド種を所望のモル割合で混合し、室温において2時間撹拌した。油状物が定量的に得られた。
合成したヘテロ金属錯体のリストを以下に与える。示した一般式は、錯体の組成及び各種原子又は原子団のモル比を表す。なお、それらは反応媒体の組成に相当するはずであり、反応が完了しているものと仮定する。当業者であればもちろん得られる反応生成物がこれらの一般式とは相違することがあることを理解するであろう。
アルミニウム−ジルコニウム錯体:
・AlZr(OnBu)7
・AlZr(OBO)7
・AlZr(OsBu)3(OnBu)4
・Al0.1Zr(OsBu)0.3(OnBu)4
・Al0.2Zr(OsBu)0.6(OnBu)4
・Al0.3Zr(OsBu)0.9(OnBu)4
・Al0.4Zr(OsBu)1.2(OnBu)4
・Al0.5Zr(OsBu)1.5(OnBu)4
・Al0.6Zr(OsBu)1.8(OnBu)4
・Al0.7Zr(OsBu)2.1(OnBu)4
・Al0.8Zr(OsBu)2.4(OnBu)4
・Al0.9Zr(OsBu)2.7(OnBu)4
・Al1.1Zr(OsBu)3.3(OnBu)4
・Al1.2Zr(OsBu)3.6(OnBu)4
・Al1.3Zr(OsBu)3.9(OnBu)4
・Al1.4Zr(OsBu)4.2(OnBu)4
・Al1.5Zr(OsBu)4.5(OnBu)4
・Al1.6Zr(OsBu)4.8(OnBu)4
・Al1.7Zr(OsBu)5.1(OnBu)4
・Al1.8Zr(OsBu)5.4(OnBu)4
・Al1.9Zr(OsBu)5.7(OnBu)4
・AlZr0.1(OsBu)3(OnBu)0.4
・AlZr0.2(OsBu)3(OnBu)0.8
・AlZr0.3(OsBu)3(OnBu)1.2
・AlZr0.4(OsBu)3(OnBu)1.6
・AlZr0.5(OsBu)3(OnBu)2
・AlZr0.6(OsBu)3(OnBu)2.4
・AlZr0.7(OsBu)3(OnBu)2.8
・AlZr0.8(OsBu)3(OnBu)3.2
・AlZr0.9(OsBu)3(OnBu)3.6
・Al2Zr(OnPr)4(OiPr)6
・Al2Zr(OnBu)10
・Al2Zr(OnBu)4(OsBu)6
・Al2Zr(OEH)10
・AlZr2(OnBu)11
マグネシウム−ジルコニウム錯体:
・MgZr(OEt)6
・MgZr(OBO)6
・Mg2Zr(OEt)8
・Mg3Zr(OEt)10
・Mg4Zr(OEt)12
・MgZr2(OEt)11
アルミニウム−チタン錯体:
・AlTi(OBO)7
・AlTi(OsBu)3(OnBu)4
・Al0.1Ti(OsBu)0.3(OnBu)4
・Al0.2Ti(OsBu)0.6(OnBu)4
・Al0.3Ti(OsBu)0.9(OnBu)4
・Al0.4Ti(OsBu)1.2(OnBu)4
・Al0.5Ti(OsBu)1.5(OnBu)4
・Al0.6Ti(OsBu)1.8(OnBu)4
・Al0.7Ti(OsBu)2.1(OnBu)4
・Al0.8Ti(OsBu)2.4(OnBu)4
・Al0.9Ti(OsBu)2.7(OnBu)4
・Al1.1Ti(OsBu)3.3(OnBu)4
・Al1.2Ti(OsBu)3.6(OnBu)4
・Al1.3Ti(OsBu)3.9(OnBu)4
・Al1.4Ti(OsBu)4.2(OnBu)4
・Al1.5Ti(OsBu)4.5(OnBu)4
・Al1.6Ti(OsBu)4.8(OnBu)4
・Al1.7Ti(OsBu)5.1(OnBu)4
・Al1.8Ti(OsBu)5.4(OnBu)4
・Al1.9Ti(OsBu)5.7(OnBu)4
・AlTi0.1(OsBu)3(OnBu)0.4
・AlTi0.2(OsBu)3(OnBu)0.8
・AlTi0.3(OsBu)3(OnBu)1.2
・AlTi0.4(OsBu)3(OnBu)1.6
・AlTi0.5(OsBu)3(OnBu)2.0
・AlTi0.6(OsBu)3(OnBu)2.4
・AlTi0.7(OsBu)3(OnBu)2.8
・AlTi0.8(OsBu)3(OnBu)3.2
・AlTi0.9(OsBu)3(OnBu)3.6
・Al2Ti(OiPr)10
・Al2Ti(OnBu)10
・Al2Ti(OEH)10
・さらに、以下の市販の錯体を用いた:
・アルミニウム−ジルコニウム錯体:Al2Zr(OC49)10
・マグネシウム−ジルコニウム錯体:MgZr(OC49)6
・アルミニウム−チタン錯体:Al2Ti(OC49)10
・マグネシウム−チタン錯体:MgTi(OC49)6
例3:ヘテロ金属キレート化錯体の合成
単一金属アルコキシドのMg(OEt)、Al(OiPr)3、Al(OsBu)3、Zr(OnPr)4、Zr(OnBu)4、Zr(OnBu)2(acac)2、Zr(acac)4、Ti(OiPr)4、Ti(OnBu)4及びTi(EAA)2(OPr2Me)2をSigma-Aldrich社から入手して、受け取り後すぐに又は減圧下で濃縮後に用いた。
単一金属キレート化錯体のMg(EAA)2、Al(OsBu)2(EAA)2、Al(EAA)3、Zr(OnPr)2(EAA)2、Zr(OnPr)2(EEA)2、Al(OnPr)2(EEA)2、Al(OnPr)2(EPA)2、Zr(OnPr)2(E2EA)2、Zr(OnPr)2(F.EEA)2、Zr(OnPr)2(t.EAA)2、Zr(OnPr)2(C4EA)2、Zr(OnPr)(EAA)3、Zr(OnPr)(EPAA)3、Zr(EAA)4.PrOH、Zr(PAA)4.PrOH、Zr(EPAA)4.EPAA、Zr(OnPr)2(acac)2、Zr(OnPr)2(F.acac.F)2、Zr(OnPr)2(Ph.acac.F)2、Zr(OnPr)2(Ph.acac.Ph)2、Zr(OnPr)2(t.acac)2、Zr(OnPr)2(diPrm)2、Zr(diPrm)4、Zr(OnPr)2(Aamid)2、Zr(OnPr)2(NacNac)2、Zr(OnPr)2(MA)2、Zr(OnPr)2(DBU)2.PrOH及びTi(EAA)2(OiPr)2を次の方法に従って調製した:
対応する単一金属アルコキシド錯体1当量をトルエン中に希釈した。次いでこの混合物に対応するリガンド1、2、3又は4当量を加えた。次いでこの溶液を、放出されるアルコールとトルエンとによって形成される共沸混合物をその後に蒸留するために、140℃に加熱した。残った溶媒を蒸発させた。
ヘテロ金属キレート化錯体を、3つの合成ルートに従って調製した。
・ルート1:単一金属アルコキシド錯体と単一金属キレート化錯体とを組み合わせる:
AlTi(EAA)3(OnBu)4を、1モルのAl(EAA)3と1モルのTi(OnBu)4とを混合することによって調製した。この混合物を室温において2時間撹拌した。溶解困難性が続く時は、混合物を65℃に加熱した。
同じ方式で、対応する出発錯体を対応する割合で用いて、錯体AlZr(EAA)3(OnPr)4、AlZr(EAA)7、AlZr0.5(EAA)5、Al2Zr(EAA)10、AlZr(OsBu)3(OnPr)4(diPrm)2、MgZr(EAA)6及びMgTi(EAA)4(OiPr)2を調製した。
・ルート2:リガンド交換:
AlZr(EAA)7を、トルエン15ミリリットル中に希釈したAlZr(OnBu)74gから調製した。次いでこの混合物に7当量のアセト酢酸エチルを加え、これを130℃に加熱した。放出されるブタノールとトルエンとによって形成される共沸混合物を次いで留去させ、残りの溶媒を蒸発させた。
・ルート3:ワンポット合成:
ワンポット反応でAlZr(EAA)3(OnPr)4、AlZr(EAA)3(OnBu)4、AlZr(OiPr)5(PAA)2、AlTi(EAA)3(OnBu)4及びAlTi(PAA)2(OiPr)5及びAl2Zr(EAA)6(OnPr)4を合成した。これを行うために、2又は3当量のアセト酢酸エチル又はアセト酢酸プロピルをZr(OnBu)4、Ti(OnBu)4又はAl(OiPr)3に加えた。この混合物を、均質混合物が得られるまですぐに70℃に加熱し、n−ブタノール又はイソプロパノールを放出させるためにこれを減圧下で濃縮した。次に、1当量のAl(OiPr)3、Zr(OnBu)4、Ti(OnBu)4又はZr(OnPr)4を直接加え、室温において2時間撹拌した後に、所望のヘテロ金属錯体が淡黄色油状物の形で得られた。
例4:ヘテロ金属錯体の触媒特性
金属錯体の触媒特性を試験するために、スラリー組成物を調製した。これを行うために、粘度20000mPa・sのα,ω−ヒドロキシポリジメチルシロキサンオイル3464gとビニルトリメトキシシラン(VTMO)120gとを混合した。形成された混合物に次いで、メタノール中に0.4重量%に希釈した水酸化リチウム16gを加えた。5分間撹拌した後に、AE55ヒュームドシリカ400gを加えた。この混合物を減圧下で濃縮し、湿分から保護された密閉カートリッジ中に貯蔵した。
各試験について、このスラリー25gと所定量の触媒とをスピードミキサーを用いて混合した(2000rpmにおいて20秒ずつ2回)。次いで、各組成物の触媒活性を、一定温度及び湿度条件(23℃、50%)下で数回測定を行うことによって、評価した。
・スキン形成時間(SFT):表面架橋が観察されるまでの時間。これは、厚さ2mmのフィルムに対してブナ材の棒状物を用いて行う。
・硬度(ショアーA):これは三次元網状構造の形成を反映する。これは一方で厚さ2mmの3個のリボン(状物)(cordon)の重なりに対して、他方で厚さ6mmの単一のリボンに対して、経時的に測定した(5時間、1日及び7日)。厚さ6mmのリボンについては、2回測定を行った。「>」はリボンの上側部分についての硬度に相当し、「<」はリボンの下側又は接地部分についての硬度に相当する。「NC」は架橋しなかったことを意味する。「NS」は剥離不能を意味する。「S」は剥離可能を意味し、「T」は粘着性であることを意味する。これらの文字は、硬度が5未満である時に用いた。
測定を行わなかったデータは「n.d.」と記す。
本発明に従うヘテロ金属触媒及び次の先行技術の触媒に対して、試験を行った。
・ジブチルスズジラウレート(DBTDL)
・テトラブトキシチタンTi(OnBu)4
・トリ(sec−ブトキシ)アルミニウムAl(OsBu)3
・テトラプロポキシジルコニウムZr(OnPr)4
等モル量のアルコキシドタイプの触媒についての結果を下記の表1に示す。
Figure 2017509506
等モル量の混合キレートタイプの触媒についての結果を下記の表2に示す。
Figure 2017509506
ヘテロ金属錯体は、ジブチルスズジラウレート(DBTDL)及びテトラブトキシチタンTi(OnBu)4等の参照用触媒を用いて得られるものとちょうど同じぐらい硬いエラストマーを15分未満で素早くもたらす。
例5:単一金属錯体とヘテロ金属錯体との比較
本発明に従うヘテロ金属錯体の触媒活性を、単一金属錯体の混合物の触媒活性と比較した。
これを行うために、例4に記載したようにしてスラリーを調製し、次いで一方で本発明に従うヘテロ金属錯体と混合し、他方で対応する2種の単一金属錯体の現場混合物と混合した。
結果を表3に示す。
Figure 2017509506
試験の際に現場で加えた単一金属アルコキシドと比較して、先に形成させたヘテロ金属触媒の方が、良好な反応性が観察される。現場で錯体を接触させる際には、錯体は非常に希薄な媒体中に存在するので、錯体の結びつき反応が可能ではないものと考えられる。また、硬度の違いも、新たな種が生成して、単一金属種と比較して新しい反応性をもたらすことによって、説明される。従って、シリコーン組成物に加える前にヘテロ金属錯体を先に形成させることが必要である。
さらに、ジルコニウムベース触媒、特にAl−Zr錯体を含有させた組成物は、促進エージング(2mmフィルムを100℃に7日間置くもの)の後にさえ、透明性を有し続けることがわかる。
また、ヘテロ金属キレート化触媒を含有させた組成物は、促進エージング(カートリッジを50℃に3週間置くもの)の後に、ヘテロ金属アルコキシド触媒を含有させたものより安定であることも注目される。
例6:粘着促進剤の存在下における挙動
粘着促進剤として慣用的に用いられるアミノシラン(3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルジメトキシメチルシラン)1重量%を追加的に用いて、例4におけるようにしてスラリーを調製した。これらのスラリーを触媒と混合し、次いで各組成物の触媒活性を例3におけるように評価した。
粘着促進剤の存在下におけるアルコキシド触媒の試験についての結果を、表4に示す。
Figure 2017509506
粘着促進剤の存在下における混合キレート化触媒の試験についての結果を、表5に示す。
Figure 2017509506
粘着促進剤の存在下では、スズ触媒(DLDBE)を用いて重縮合を実施することが可能である。一方、アミノシランの存在は全般的に従来技術のスズなし触媒の反応性を阻害する。
本発明に従うヘテロ金属錯体は、スズを含有しないが、粘着促進剤の存在下でさえ触媒活性を有する。触媒反応は、Al/Zr又はAl/Tiモル比が2の時ににより一層迅速であることがわかった。
例7:接着試験
質的接着試験を実施するために、例4に記載した配合物及び被検触媒から調製した物質のリボンをガラス、コンクリート(粗い表面上)及びアノード化アルミニウム板(前もってきれいにしてブラシ掛けしたもの)上に付着させた。7日間(23℃、相対湿度50%)の架橋時間の後に、支持体/ジョイントの界面に剥離開始部位を作ってから手での剥ぎ取りを行った。結果を物質のリボンの分断(rupture)のタイプに応じて表現する。
・AR:接着分断(リボンが支持体から剥がれる);
・AR+:接着分断の傾向だが、リボンを剥がすのに力を加える必要がある;
・AR++:接着分断の傾向だが、リボンを剥がすのに大きな力を加える必要がある;
・CR:凝集タイプの分断(非常に強い力を加えた際に、部分的にも支持体から剥がれることなくリボンが破損する);この場合、支持体への接着は最適なものである。
結果を表6に示す。
Figure 2017509506
ジルコニウムアルコキシドはガラス及びアルミニウム上に凝集性分断を得ることを可能にし、コンクリート上では接着分断をもたらす。参照用触媒のチタンキレートだけは、3つの支持体に対する接着を可能にする。アルコキシド触媒の内容に拘わらず、アルミニウム及びジルコニウムをベースとする触媒はガラス及びアルミニウム上で凝集性分断を可能にし、コンクリート上では接着分断をもたらす。キレート基を含む触媒は、3種の支持体上で凝集性分断を得ることを可能にする。配合の際に単一金属触媒の混合を行った場合には接着性が失われる。キレート基の存在は支持体へのエラストマーの接着を与える。従って、参照用のスズ触媒のように粘着促進剤を加える必要はない。最適な結果のためには、触媒を先に形成させることが必須である。
例8:比色試験
質的比色試験を行うために、先の配合物及び被検触媒から厚さ2mmのフィルム状物質を調製した。7日間(23℃、相対湿度50%)の架橋時間の後に、白色シートを通したフィルムの透明性及び黄色性を質的に評価した。質的結果を、参照用触媒の関数として与える:
−−は無色透明エラストマーに相当し、
−は透明に近いフィルムに相当し、
+は僅かに黄色いフィルムに相当し、
++は黄色いフィルムに相当する。
エラストマーが均質ではなく、油中に不溶性の触媒片が現れた時には、NHと記す。
結果を表7に示す。
Figure 2017509506
チタンベース触媒を含有させたフィルムは僅かに又は完全に黄色である。単一金属種の混合物で触媒されたものは均質ではない。他方、アルミニウム及びジルコニウムをベースとするエラストマーは完全に透明である。
例9:本発明に従う防汚性トップコートの調製
サンドブラスト仕上げをして脱脂した鉄鋼から作られた金属板を、厚さほぼ50μmのエポキシプライマーコート[Sigma Coatings社より販売されているSigmaShield 610(登録商標)から調製されたもの]でコーティングする。室温において72時間乾燥させた後に、厚さほぼ150μmのタイコート[Sigma Coatings社より販売されているSigmaGlide 790(登録商標)から調製されたもの]を塗布する。室温において48時間乾燥させた後に、例4に記載して試験した各配合物を用いて調製した約150μmのトップコートを次の触媒と共に塗布する。
Figure 2017509506
室温において48時間乾燥させた後に、前記の板を海洋媒体中(海水中)に浸漬し、12週間及び23週間の浸漬の後に検査する。
水で充分に洗浄した後に、防汚効果はすべての試験配合物について100だった。これはコーティングされた板の上に生物が全く存在しないことを示す。
前処理された防汚用金属板をエポキシプライマーコート及び250μmの粘着促進用タイコート[Sigma Coatings社より販売されているSigmaglide 790(登録商標)から調製されたもの]でコーティングする。コーティングを室温において放置して硬化させた後に、板を海水中に浸漬し、14週間及び23週間の浸漬の後に検査する。
水で充分に洗浄した後に、防汚の評価は100だった。これはコーティングされた板の上に生物が全く存在しないことを示す。

Claims (10)

  1. 防汚特性を有し、水中用途、特に海洋用途に用いるための物品であって、
    (a)支持体(1)、
    (b)前記支持体(1)上に設けられる少なくとも1つの粘着促進用コート(3)、及び
    (c)前記粘着促進用コート(3)上に設けられる少なくとも1つの防汚性コート(4)
    を含み、
    前記防汚性コート(4)が、以下の(i)、(ii)、(iii):
    (i)同一であっても異なっていてもよい少なくとも2個の加水分解可能及び縮合可能な基又は少なくとも2個のシラノール官能基≡SiOHを含む少なくとも1種の有機ケイ素化合物A’;
    (ii)少なくとも1種の架橋剤B’;並びに
    (iii)触媒として有効量の、少なくとも1種の重縮合触媒C:
    を含む組成物Xを塗布して大気中の湿分に触れさせて硬化させることによって得られたものであることを特徴とし、
    前記重縮合触媒Cがその化学式中に以下のもの:
    ・少なくとも2個の異なる金属原子M及びM’(ここで、Mは元素周期表第2族及び第13族の原子より成る群から選択される原子であり、M’は元素周期表第4族の元素より成る群から選択される原子である);並びに
    ・少なくとも1個のアルコキシドリガンド又はキレート化用リガンド:
    を含むヘテロ金属錯体である、前記物品。
  2. 以下のもの:
    (a)支持体(1)、
    (b)前記支持体(1)上に設けられ、少なくとも1種の腐食防止物質を含む、少なくとも1つのプライマーコート(2)、
    (c)前記プライマーコート(2)上に設けられる少なくとも1つの粘着促進用コート(3)、及び
    (d)前記粘着促進用コート(3)上に設けられる少なくとも1つの防汚性コート(4)
    を含み、
    前記防汚性コート(4)が、以下の(i)、(ii)、(iii):
    (i)同一であっても異なっていてもよい少なくとも2個の加水分解可能及び縮合可能な基又は少なくとも2個のシラノール官能基≡SiOHを含む少なくとも1種の有機ケイ素化合物A’;
    (ii)少なくとも1種の架橋剤B’;並びに
    (iii)触媒として有効量の、少なくとも1種の重縮合触媒C:
    を含む組成物Xを塗布して大気中の湿分に触れさせて硬化させることによって得られたものであることを特徴とし、
    前記重縮合触媒Cがその化学式中に以下のもの:
    ・少なくとも2個の異なる金属原子M及びM’(ここで、Mは元素周期表第2族及び第13族の原子より成る群から選択される原子であり、M’は元素周期表第4族の元素より成る群から選択される原子である);並びに
    ・少なくとも1個のアルコキシドリガンド又はキレート化用リガンド:
    を含むヘテロ金属錯体である、請求項1に記載の物品。
  3. 組成物Xが
    (i)同一であっても異なっていてもよい少なくとも2個の加水分解可能及び縮合可能な基又は少なくとも2個のシラノール官能基≡SiOHを含む少なくとも1種の有機ケイ素化合物A’;
    (ii)少なくとも1種の架橋剤B’;並びに
    (iii)触媒として有効量の、少なくとも1種の重縮合触媒C:
    を含むことを特徴とし、
    前記重縮合触媒Cがその化学式中に以下のもの:
    ・少なくとも2個の異なる金属原子M及びM’(ここで、Mはマグネシウム又はアルミニウム原子であり、M’はチタン又はジルコニウム原子である);並びに
    ・少なくとも1個のアルコキシドリガンド又はキレート化用リガンド:
    を含むヘテロ金属錯体である、請求項1又は2に記載の物品。
  4. 前記重縮合触媒CがAlZr(OBu)4(OsBu)3、Al2Zr(OnBu)4(OsBu)6、AlZr2(OnBu)11、AlTi(OsBu)3(OnBu)4及びAl2Ti(OnBu)10より成る群から選択されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の物品。
  5. 前記重縮合触媒CがAlZr(EAA)3(OnPr)4、Al2Zr(EAA)3(OnPr)4、AlZr(EAA)7、Al2Zr(EAA)10及びAlTi(EAA)3(OnBu)4より成る群から選択される、請求項1〜3のいずれかに記載の物品。
  6. 前記有機ケイ素化合物A’が
    (i)下記の式(4’)の少なくとも2個のシロキシル単位:
    Figure 2017509506
    (ここで、
    記号R1は同一であっても異なっていてもよく、C1〜C30一価炭化水素ベース基を表し、
    記号Zは同一であっても異なっていてもよく、それぞれ加水分解可能及び縮合可能な基又はヒドロキシル基を表し、好ましくは次のタイプの基:ヒドロキシル、アルコキシ、アルコキシ−アルキレン−オキシ、アミノ、アミド、アシルアミノ、アミノオキシ、イミノオキシ、ケチミノキシ、アシルオキシ及びエノキシ:より成る群から選択され、さらにより一層好ましくはZはヒドロキシル基であり、
    aは0、1又は2であり、bは1、2又は3であり、それらの合計a+bは1、2又は3である);
    (ii)及び随意としての下記の式(5’)の1個以上のシロキシ単位
    Figure 2017509506
    [ここで、
    記号Rは同一であっても異なっていてもよく、C1〜C30一価炭化水素ベース基(随意に1個以上のハロゲン原子で又はアミノ、エーテル、エステル、エポキシ、メルカプト若しくはシアノ基で置換されたもの)を表し、
    記号cは0、1、2又は3である]
    を含むポリオルガノシロキサンである、請求項1〜3のいずれかに記載の物品。
  7. 前記架橋剤B’が各分子が加水分解可能及び縮合可能な基Yを少なくとも3個含むケイ素化合物であり、この架橋剤B’が次式(9’):
    R’(4-a)SiYa (9’)
    (式中、
    記号R’は1〜30個の炭素原子を有する一価炭化水素ベース基であり、
    記号Yはアルコキシ、アルコキシ−アルキレン−オキシ、アミノ、アミド、アシルアミノ、アミノオキシ、イミノオキシ、ケチミノキシ、アシルオキシ又はエノキシ基であり、好ましくはYはアルコキシ基であり、
    記号aは3又は4である)
    を有する、請求項1又は2に記載の物品。
  8. 組成物Xが
    (i)同一であっても異なっていてもよい少なくとも2個の加水分解可能及び縮合可能な基又は少なくとも2個のシラノール官能基≡SiOHを含む少なくとも1種の有機ケイ素化合物A’;
    (ii)少なくとも1種の架橋剤B’;
    (iii)触媒として有効量の、請求項1〜5のいずれかに記載の少なくとも1種の重縮合触媒C;
    (iv)エラストマーネットワークが形成された時に防汚性コートの表面に浸出して「防汚」効果を改善する少なくとも1種の化合物L’;
    (v)随意としての少なくとも1種の粘着促進剤E’;
    (vi)随意としての少なくとも1種のケイ質有機及び/又は非ケイ質無機フィラーF’;
    (vii)随意としての少なくとも1種の顔料、少なくとも1種の着色用ベース又は少なくとも1種の着色剤H’;並びに
    (viii)随意としての少なくとも1種の溶剤K’:
    を含むことを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の物品。
  9. 水中用途において用いることが予定される支持体(1)に防汚性コーティング(4)を塗布するための方法であって、
    (a)前記支持体(1)上に少なくとも1種の腐食防止用物質を含む少なくとも1つのプライマーコート(2)を随意に塗布する工程、
    (b)前記プライマーコート(2)上に又は前記プライマーコート(2)を存在させない場合には前記支持体(1)上に粘着促進用コート(3)を塗布する工程、
    (c)前記粘着促進用コート(3)を硬化させる工程、
    (d)前記粘着促進用コート(3)上に防汚性コート(4)を塗布する工程、及び
    (e)前記防汚性コート(4)を大気中の湿分と接触させて硬化させる工程
    を含み、
    前記防汚性コート(4)及び随意としての前記粘着促進用コート(3)が請求項1〜8のいずれかに記載の組成物Xから調製されたものであることを特徴とする、前記方法。
  10. 大気中の湿分と接触して硬化した後に物品上に防汚性コート(4)を形成して水中微生物の付着から物品を保護するための、請求項1〜8のいずれかに記載の組成物Xの使用。
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