JP2017508527A - 警報再生を用いる警報コンサルティングに関する警報設定の最適化 - Google Patents

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Abstract

臨床警報アルゴリズムの警報設定の最適化に関するシステム38及び方法150が与えられる。上記臨床警報アルゴリズムにより使用される臨床監視データCMDが、ユーザ規定の時間期間にわたり得られる。上記臨床警報アルゴリズムの1つ又は複数のパラメータに関して、提案された設定が決定される。臨床監視アルゴリズムが、上記提案された設定の異なる組み合わせに関して警報負荷を予測する再生結果を決定するため、上記提案された設定で上記取得されたCMDに適用される。

Description

本願は一般に、患者モニタリングに関する。本願は、警報設定の最適化に関連して特定の用途を見いだし、特にこれを参照して説明されることになる。しかしながら、本願は、他の使用シナリオにおける用途も見いだし、上述した用途に必ずしも限定されるというわけではない点を理解されたい。
患者モニタは、患者の悪化を示す異常なバイタルサインがある場合、警報を上げることにより、患者の安全性に貢献する。20世紀の後半にわたり、複数のモダリティが集中ケアユニット(ICU)ケアに導入された。これは、今日存在している豊富なモニタリング風景を生じさせた。これらのモダリティは、心電図(ECG)、末梢毛管酸素飽和(Sp02)、血圧及び呼吸レートモニタリングを含む。より多くのモニタリングモダリティが利用可能になることで、臨床的に重要な、特に臨床イベント及びエピソードに関連付けられる警報を維持しつつ、誤警報及び臨床的に意味のない警報を減らす適切な警報構成への課題が生じている。これは、シングルパラメータ警報及びより高度なマルチパラメータ警報の両方にあてはまる。
1994年における研究によれば、小児ICUにおける警報音の94%以上が、臨床的に重要でないことが分かった。類似する結果は、長年にわたり異なる研究において発見されている。例えば、ECRI研究所は、警報ハザードを2011年には2番目に大きな健康技術危険及び2012年及び2013年には最大の健康技術危険としてランク付けした。この広く経験される危険に基づき、共同委員会は、2014年に警報管理に関する患者の安全性目標を開始した。これは、病院が、警報管理を改善することを要求する。
警報管理を改善するために提案された方法は、マルチパラメータ警報アルゴリズムを使用することを含む。従来の警報アルゴリズムは、シングルパラメータである。マルチパラメータ警報アルゴリズムは、より大きな感度及び特異度を提供する。マルチパス警報アルゴリズムの例は、早期警告スコア(EWS)システム又はその変形例の1つに基づかれる警報アルゴリズムである。警報管理を改善するための別の提案された方法は、適切なデフォルト設定を決定するため,大規模な患者トライアルを実行することを含む。しかしながら、警報閾値に関する適切な設定についての研究が存在しない点で、この提案された方法は、知識のすきまが欠点である。警報管理を改善するための別の提案された方法は、警報戦略の局所最適化のため、施設特有の介入的なトライアルを含む。
患者集団、患者に対する看護士比率並びにモニタリング器材の質及び量の両方において病院、病棟及び病院クリティカルケアユニット間での変動が大きいため、他の提案された方法が実現されるとき、警報戦略の局所最適化に関する施設特有の介入的なトライアルが依然として重要であることが予想される。これは、患者集団及びかれらのバイタルサイン特性が、ユニットにわたり明らかに変化するためである。介入的なトライアルは、介入前、介入、及び介入後の3つの段階へと典型的に組織される。介入前段階において、一セットの患者に関する警報が記録され、最も頻繁な警報が特定され、提案された警報戦略(例えば、警報閾値、警報深刻さ等)が規定される。介入段階において、提案された警報戦略が、患者の新規セットに適用される。介入後段階において、患者の新規セットに関する警報が記録される。介入後及び介入前警報データセットは、提案された警報戦略の有効性及び安全性に関する結論を導くために、その後比較される。
施設特有の介入的なトライアルを実行することに関するチャレンジは、警報負荷、ワークフロー及び患者の安全性について提案された警報戦略の影響に関する正確な予測が存在しない点にある。そのようなものとして、提案された新規警報戦略の質は、制限される。更に、患者の安全性に関する予測の不足は、介入後段階の間、患者の安全性に対してリスクを有する。
施設特有の介入的なトライアルを実行することに関する別のチャレンジは、介入後段階が典型的に長い点にある。提案された警報戦略は、患者の新規セットに適用される。これは警報負荷における減少を推定する際、分散の有意なソースをもたらす。従って、比較的長い介入後段階は、統計的に有意な結論を引き出すために必要とされる。
施設特有の介入的なトライアルを実行することに関する別のチャレンジは、費用である。介入後段階は、規制承認、人員の訓練、経過及び安全モニタリングのため、高価である。また、第1の介入段階における提案された警報戦略の規定は高価である。なぜなら、それが、医師が新規設定に同意するための時間を必要とするからである。それにもかかわらず、介入後段階に対して、介入前段階は、安価で、ワークフローへのインパクトがない。
本願は、これらの課題等を解決する新規で改良されたシステム及び方法を提供する。
1つの側面によれば、臨床警報アルゴリズムの警報設定の最適化に関するシステムが提供される。このシステムは、ユーザ規定の時間期間にわたり臨床警報アルゴリズムにより使用される臨床監視データ(CMD)を得るよう構成される取得モジュールを有する。このシステムは更に、上記臨床警報アルゴリズムの1つ又は複数のパラメータに関する提案された設定を決定し、上記提案された設定の異なる組み合わせに関して警報負荷を予測する再生結果を決定するため、上記提案された設定で上記取得されたCMDに対して上記臨床監視アルゴリズムを適用するよう構成される、再生モジュールを有する。
別の側面によれば、臨床警報アルゴリズムの警報設定の最適化に関する方法が提供される。この方法は、ユーザ規定の時間期間にわたり、上記臨床警報アルゴリズムにより使用される臨床監視データを得るステップと、上記臨床警報アルゴリズムの1つ又は複数のパラメータに関して提案された設定を決定するステップと、上記提案された設定の異なる組み合わせに関して警報負荷を予測する再生結果を決定するため、上記提案された設定で上記取得されたCMDに対して上記臨床監視アルゴリズムを適用するステップとを有する。
別の側面によれば、臨床警報アルゴリズムの警報設定の最適化に関するシステムが提供される。このシステムは、ユーザ規定の時間期間にわたり上記臨床警報アルゴリズムにより使用される臨床監視データ(CMD)を受信する手段と、上記臨床警報アルゴリズムの1つ又は複数のパラメータに関して提案された設定を決定する手段と、上記提案された設定の異なる組み合わせに関して警報負荷を予測する再生結果を決定するため、上記提案された設定で上記取得されたCMDに対して上記臨床監視アルゴリズムを適用する手段とを有する。
1つの利点は、提案された警報戦略の影響を正確に予測する点にある。
別の利点は、患者の安全性を改善する点にある。
別の利点は、介入的なトライアルと比較して費用及び期間が減らされる点にある。
警報生成システムと共に、医療機関の情報技術(IT)インフラストラクチャを示す図である。 エンカウンタ割合の関数として、警報カウントのグラフを示す図である。 警報閾値の関数として、1日当たりベッド当たりの警報に関する警報負荷のグラフを示す図である。 さまざまな警報閾値に関する遅延の関数として、遅延より大きい期間を持つ警報のパーセンテージのグラフを示す図である。 複数の心拍ビンの各々に対して警報閾値が患者集団にわたり満たされる時間の割合を表す累積的なヒストグラムを示す図である。 早期警告スコア(EWS)システムを用いる警報再生のフローチャートを示す図である。 警報再生を用いる警報設定の最適化に関する方法を示す図である。
本発明の更に追加的な利点は、以下の詳細な説明を読み及び理解することにより当業者に認識されるだろう。
本発明は、様々な要素及び要素の配列の形式並びに様々なステップ及びステップの配列の形式を取ることができる。図面は、好ましい実施形態を説明するためだけにあり、本発明を限定するものとして解釈されるべきものではない。
本願は、警報設定を最適化するためのアプローチを開示する。このアプローチによれば、バイタルサイン及びコンテキストデータが、時間にわたり記録される。その後、複数の提案された警報設定に関して記録されたデータに基づき,警報が再生される。この再生は、例えば作業負荷インパクト及び検出パフォーマンス(即ち、感度及び特異度)といった警報負荷及び関連するパラメータが、記録されたデータの特定の患者集団に関して正確に予測されることを可能にする。
図1を参照すると、医療機関の情報技術(IT)インフラストラクチャ10は、通信ネットワーク18を通して接続される臨床監視データ(CMD)の1つ又は複数のソース12、14、16を含む。通信ネットワーク18は概して、ローカルエリアネットワーク(LAN)であるが、他のタイプの通信ネットワークも想定される。CMDは、患者の悪化を検出することに基づき、警報を生成する臨床監視アルゴリズム(CMA)により使用される任意のデータである。CMDソース12、14、16の例は、患者モニタ12、看護ステーション、移動通信デバイス、患者情報システム14、臨床意志決定支援システム16等を含むが、これらに限定されるものではない。
CMDソース12、14、16は、対応する患者に関するCMDを格納又は生成する。患者に関するCMDは、患者の生理的状態を示すデータを含む。患者の生理的状態を示すデータは、バイタルサイン(例えば、心拍、心電図(ECG)、血圧、末梢毛管酸素飽和(Sp02)等)、ラボ試験(例えば、クレアチン、血中尿素窒素(BUN)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)等)、生理的スコア(例えば、早期警告スコア(EWS)、バイタルサイン不安定性インデックス(VIX)、簡略化された急性生理学スコア(SAPS)−I等)、流体、実態的人口統計学(例えば、年齢、性別等)、警報、及び患者の生理的状態に関連する他の変数(例えば、診断、集中ケアユニット(ICU)タイプ、等)を示すデータを含む。
CMDを生成するCMDソース12、16は、CMD生産部12、16である。CMD生産部12、16は概して、連続して、又は例えばタイマーイベント、ユーザ入力イベント等のイベントが発生するときに、CMDを生成する。更に、CMD生産部12、16は、自動的に又は手動で、CMDを生成する。CMD生産部12、16は例えば、患者の生理的状態を示す変数をセンサ20で測定することにより、又は、患者の生理的な状態を示す値をプロセッサ22で算出することにより、CMDを自動的に生成することができる。CMD生産部12、16は例えば、患者の生理的状態を示すユーザ入力をユーザ入力デバイス24を用いて臨床医から受信することにより、CMDを手動で生成することができる。CMD生産部12、16の例は、患者モニタ12及び臨床意志決定支援システム16を含むが、これらに限定されるものではない。
CMDを格納するCMDソース14は、CMDストア14である。CMDソースは、CMD生産部12、16及びCMDストア14の両方でありえる。CMDストア14は、データベース26にCMDを局所的に格納する。格納されたCMDは、局所的に又はリモートで受信されることができる。例えば、CMDは、他のCMDソース12、16からリモートで受信されることができ、又はユーザ入力デバイス28を用いてユーザから局所的に受信されることができる。CMDストア14の例は、電子医療記録(EMR)システム14、部門システム等を含むが、これらに限定されるものではない。
CMDソース12、14、16及び警報モジュール32、34は、ソフトウェア、ハードウェア又は2つの組み合わせのいずれかである。CMDソース12、14、16、又は、警報モジュール32、34が、ソフトウェアを含む、又はソフトウェアである場合、CMDソース12、14、16又は警報モジュール32、34は概して、少なくとも1つのプロセッサ22及び少なくとも1つのプログラムメモリを含むか、又はこれらに関連付けられる。少なくとも1つのプロセッサ22は、CMDソース12、14、16又は警報モジュールの機能を実行するため、少なくとも1つのプログラムメモリにおいてプロセッサ実行可能な命令を実行する。同様に、CMDソース12、14、16又は警報モジュール32、34が、ユーザ入力を受信し、又はデータを表示する場合、CMDソース12、14、16は概して、それぞれユーザ入力デバイス24、28又は表示デバイス30を、含むか又はこれらに関連付けられる。
概して、CMDソース12、14、16は、警報データの少なくとも1つのCMD生産部12、16を含む。警報データのCMD生産部12、16は、1つ又は複数の患者に関連付けられ、警報モジュール32、34において実現される臨床監視アルゴリズムを含む。臨床監視アルゴリズムは、受信されたCMDに基づき、患者の悪化に関して患者をモニタする。患者の悪化を検出することに基づき、臨床監視アルゴリズムは、警報を生成する。臨床監視アルゴリズムは、CMDを、局所的に(例えば、ユーザ入力デバイス24により)、又はリモートで(例えば、別のCMDソース12、14、16から)受信する。警報データのCMD生産部12、16の例は、患者モニタ12、臨床意志決定支援システム16等を含む。
臨床監視アルゴリズムは、アルゴリズムが構成される態様により分類されることができる。その静脈において、臨床監視アルゴリズムの少なくとも3つの異なるクラスが、存在する。それは、調整可能な警報アルゴリズム、オン/オフ警報アルゴリズム及び閾値警報アルゴリズムである。非バイタルサイン(例えば、睡眠無呼吸期間)がユーザ規定閾値を超えるとき、調整可能な警報アルゴリズムは警報をトリガーする。バイナリ生理的パラメータ(例えば、心室期外収縮(PVC))が「オン」状態を示すとき、オン/オフ警報アルゴリズムは警報をトリガーする。斯かるオン/オフ警報アルゴリズムは、ユーザ調整可能なパラメータを持つことができる、又は持つことができない。バイタルサイン(例えば、心拍)がユーザ規定閾値を超えるとき、閾値警報アルゴリズムは警報をトリガーする。
閾値警報アルゴリズムは、警報レートを減らすため、フィルタリング機構を含むことができる。斯かるフィルタリング機構の1つは、それがユーザ規定の秒数より短く持続する場合、トリガーされた警報が抑制される遅延機構である。別の斯かるフィルタリング機構は、最新のユーザ規定の秒数において同じタイプの警報が存在する場合、トリガーされた警報が抑制される抑制機構である。
引き続き図1を参照すると、ITインフラストラクチャ10は更に、警報再生システム38を含む。警報再生システム38は、医療機関のユーザ規定患者集団に関して、臨床監視アルゴリズムの警報設定を最適化する。臨床監視アルゴリズムは、警報再生システム38の警報モジュール40により実現される。警報設定は、臨床監視アルゴリズム又は関連付けられるアルゴリズム(例えばEWSアルゴリズムといった、臨床監視アルゴリズムに対する入力を提供するアルゴリズム)のユーザ規定パラメータの値を参照する。閾値警報アルゴリズムのユーザ規定パラメータは例えば、閾値、遅延及び抑制期間を含む。ユーザ規定患者集団は例えば、医療機関における1つ又は複数の医療ユニット又は病棟のユーザ規定セットとすることができる。臨床監視アルゴリズムは、ITインフラストラクチャ10のCMDソース12、14、16において、又は、警報再生システム38において実現されることができる。
警報再生システム38は、CMDを取得及び格納する。これは、ユーザ規定の時間期間(例えば、2週間又は6ヵ月)にわたり、CMDソース12、14、16から、ユーザ規定患者集団に対する臨床監視アルゴリズムにより必要とされるバイタルサイン及びコンテキストデータを含む。臨床監視アルゴリズムに関する警報設定は、警報再生を通して最適化される。より詳細には、警報は、複数の異なる警報設定を用いて、格納されたCMDに臨床監視アルゴリズムを適用することを通して再生される。ユーザ規定患者集団に対して、例えば作業負荷インパクト及び検出パフォーマンス(即ち、感度及び特異度)といった警報負荷及び関連するパラメータに関して異なる警報設定が持つ効果を正確に予測するために、この再生結果は評価される。上記を実行するため、警報再生システム38は、取得モジュール42、再生モジュール44、及び結果解析モジュール46という複数のモジュールを含む。
取得モジュール42は、ユーザ規定の時間期間の間、通信ネットワーク18にわたりCMDソース12、14、16からCMDを得て、取得されたデータをモバイルデータベース48に格納する。CMDは、ユーザ規定患者集団に関するバイタルサインと、臨床監視アルゴリズムにより要求される更なるコンテキストデータとを含む。コンテキストデータは例えば、ラボ結果及び患者の診断を表すデータを含む。CMDは更に、トリガーされた警報を表すデータ、患者の悪化(例えば悪化関連の介入)又は患者ケアレベルの増加に関する記録された臨床イベントといった患者の悪化に関するデータ、及び警報をトリガーされた介入当たりの記録された又は推定された作業負荷に関するデータの1つ又は複数を含むことができる。取得モジュール42は、例えばバイタルサインに関する1秒のサンプリングレートといった臨床監視アルゴリズムに関する充分なサンプリングレートでCMDを得る。
概して、取得モジュール42及びモバイルデータベース48は、警報再生システム38のモバイルデータレコーダ50に含まれる。CMDの取得を開始する前に、モバイルデータレコーダ50は、医療機関でインストールされる。例えば、モバイルデータレコーダは、通信ネットワーク18に直接、又は、別のデバイス若しくはシステムを用いて通信ネットワーク18に間接的に接続される。一旦インストールされると、CMDは、取得モジュール42により取得され、ユーザ規定の時間期間の間、モバイルデータベース48に格納される。
取得を完了すると、モバイルデータレコーダ50は、医療機関からアンインストールされ、警報生成システム38の中央データ処理システム52に物理的に輸送される。中央データ処理システム52は概して、医療施設から離れて配置される。被保護健康情報の除去後、中央データ処理システム52は、このデータを中央データベース54にダウンロードし、後述するように、他のモジュール44、46と共に中央データベース54においてこのデータを局所的に処理する。中央データ処理システム52を使用する代わりに、モバイルデータレコーダ50が、後述するように、他のモジュール44、46と共にモバイルデータベース48においてこのデータを局所的に処理することができる。
取得モジュール42により得られるデータがどこで処理されるかに関係なく、再生モジュール44は、一セットの提案された警報設定の各設定に関して、ユーザ規定患者集団に関して取得されたCMDに臨床監視アルゴリズムを適用することを通して、警報を再生するため、警報モジュール40と協調する。これは、提案された警報設定の関数として、警報負荷及び関連するパラメータの正確な予測を可能にする。概して、提案された警報設定は、取得の間、対応する警報設定パラメータに対して臨床医によりなされる修正に関係なく適用される。しかしながら、いくつかの実施形態において、対応する警報設定パラメータに対する斯かる修正が、取得の間、なされない場合にのみ、提案された警報設定は使用される。
提案された警報設定は概して、全体のユーザ規定患者集団に対して一般的で、再生の前に決定される。しかしながら、提案された警報設定は代替的に、CMDに依存し、再生の間に決定されることができる。例えば、提案された警報設定は、例えば診断、年齢又はラボ結果といった患者に関するCMDに基づき、患者毎に決定されることができる。別の例として、提案された警報設定は、患者の現在のバイタルサイン値に基づき、患者のバイタルサインサンプルごとに決定されることができる。
提案された警報設定は、臨床監視アルゴリズム又は関連するアルゴリズムの警報設定パラメータに関して、手動で、自動的に、又は、自動的及び手動の両方で規定されることができる。提案された警報設定の手動規定に関して、ユーザ入力デバイス56、58は例えば、提案された警報設定を手動で規定するために使用されることができる。これは、臨床医又は臨床医委員会が提案された警報設定を決定するシナリオに関して有利である。提案された警報設定の自動的な規定に関して、臨床監視アルゴリズムのユーザ規定パラメータの各々のパラメータ空間は例えば、一様にサンプリングされることができる。代替的に、アルゴリズムは、CMDに基づき、又は結果解析モジュール46からのフィードバックに基づき、提案された警報設定を決定することができる。
バイタルサイン及びコンテキストデータを得るために取得が構成されるが、警報データだけが利用可能な状況も起こりうる。斯かる場合、近似の警報再生が実行されることができる。より詳細には、近似の警報再生は、提案された警報閾値を警報の極値に適用することにより実行されることができる。この技術の特性は、取得の間、バイタルサイン値及び警報設定の組み合わせ効果を結果が示す点にある。臨床監視アルゴリズムが純粋な閾値警報アルゴリズム(即ち、任意のフィルタリング機構のない閾値警報アルゴリズム)であるとき、この近似、うまく機能することが知られる。
結果解析モジュール46は、再生モジュール44から再生結果を受信し、評価のため表示デバイス60、62を用いて再生結果を臨床医に視覚的に表示する。再生結果は、警報タイプごとに表示される予測された警報を示すグラフで表示され、例えば警報深刻さごと、モダリティごと、シフトごとといった異なる態様で集約される。
更に、再生結果は、1つ又は複数の警報設定パラメータの関数として、予測された警報負荷又は関連付けられるパラメータ(例えば、作業負荷又は警報レート)を示すグラフで表示されることができる。
再生結果を表示することに加えて、結果解析モジュール46は、少なくとも1つのプロセッサ64を用いて再生結果を自動的に評価することができ、表示デバイス60、62を用いて評価の結果を表示する。例えば、真及び誤警報レートが評価されることができ、患者の悪化データが得られた場合、結果が表示される。同様に、作業負荷又は警報レートが、再生された警報に基づき、推定及び表示されることができる。いくつかの実施形態において、一セットの1つ又は複数の目的が実現されるまで、結果解析モジュール46は、評価結果に基づき再生モジュール44にフィードバックを提供する。フィードバックを提供することにおいて、目的のセットが実現されるまで、提案された警報設定は、連続して修正又は調整される。目的のセットは例えば、目標作業負荷又は警報レートを含むことができる。
いくつかの実施形態において、取得されたCMDが警報を含む場合、結果解析モジュール46は、提案された警報設定に関して記録された警報レート及び再生された警報レートを推定する。定量的比較を可能にするため、推定が視覚的に表示されることができる。代替的に、記録された警報の推定は、再生された警報の推定と自動的に比較されることができ、ユーザ規定閾値を超える警報レートにおける減少を持つ警報設定が、表示されることができる。
警報レートrは、時間間隔tで割られる単一の患者により生成される警報カウントcの期待値として規定され、
Figure 2017508527
となる。ここで、rは、1日当たり患者当たりのカウントで与えられる。臨床医により経験される警報レートに到達するよう、警報レートrは、臨床医のケア下の患者の数により増倍される。時間間隔tをN人の患者エンカウンタに分割するとき、各iに対してエンカウンタ警報レートrであり、エンカウンタ警報カウントcであり、エンカウンタ期間(即ち、収容期間)dであるとき、警報レートrは、
Figure 2017508527
と書き換えられることができる。警報レートrに関して最も直接的な表現は、警報カウントcの項にある(即ち、警報レートへと正規化されるものではない)。エンカウンタ警報レートrに関して、警報レートrを表すため、エンカウンタ警報レートrは、エンカウンタ期間dにより比例して重み付けされる。実際的な意味は、高い警報レート及び長い収容期間の組み合わせを用いて患者に関する誤警報レートを減らすことが、警報疲労の最大の削減を生じさせる点にある。
警報レートは、トータル警報カウントをエンカウンタ期間の合計で割ることにより推定され、
Figure 2017508527
となる。これは、式(2)から得られることができる。レート推定のガウス分布を仮定すると、この推定に関する95%の信頼区間は、
Figure 2017508527
により与えられ、ここで、
Figure 2017508527
は、推定された標準偏差であり、推定された分散
Figure 2017508527
の平方根としてとられる。
分散推定器に関する開始点は、サンプル分散であり、以下のように規定される。すべてのエンカウンタは、時間軸上で連結される。時間軸は、等しい長さ
Figure 2017508527
の分割へと分割される。分割kにおける警報レート推定は、
Figure 2017508527
として表され、分割の数はMである。サンプル分散
Figure 2017508527
は、
Figure 2017508527
により与えられ、これは、分散推定
Figure 2017508527
を生じさせ、
Figure 2017508527
となる。分割境界は、エンカウンタ境界と整列されない。これは、
Figure 2017508527
の算出を複雑にし、サンプル間の依存ももたらす。従って、各エンカウンタは、サンプルとして使用され、その貢献が、エンカウンタ期間に基づき重み付けされる。これは、分散推定
Figure 2017508527
が、
Figure 2017508527
となることを生じさせる。
更に、いくつかの実施形態において、結果解析モジュール46は、エンカウンタ当たりの警報レートの分布を決定及び表示する。上述したように、各警報は、エンカウンタに関連付けられる。分布を表示する有益なアプローチは、エンカウンタの関数として、警報レートをプロットすることを含む。ここで、エンカウンタは、高い警報レートから低い警報レートへと順序付けられる。基本的な統計関数において表されるとき、これは、逆生存関数
Figure 2017508527
であり、
Figure 2017508527
となる。ここで、pは、エンカウンタ割合であり、P(x>X)は、警報レートXに関する生存関数である(即ち、x>Xである確率)。生存関数は、累積的なヒストグラムの逆であり、
Figure 2017508527
となる。
図2は、エンカウンタ当たりの警報カウントに関する逆生存関数のグラフを示す。患者にわたる警報カウント分布は、トータル警報の所与の割合をもたらすエンカウンタの割合により特徴づけられることができる。示されるように、警報の50%は、最も高い警報カウントを持つエンカウンタの12%によりもたらされる。この統計は、ほとんどの警報患者を処理することにより実現されることができる潜在的警報レートの減少を示す。
再生結果は、ユーザ規定患者集団の予測された警報負荷を表す。結果解析モジュール46は、将来の患者集団の警報負荷を予測するため、再生結果を拡張することができる。より詳細には、CMDは、ユーザ規定患者集団において、異なる患者タイプの分布を決定するために分析されることができる。更に、異なる患者タイプの分布は、将来の患者に関して規定されることができる。分布は、比較され、再生結果は、再重み付けされることができる。将来の分布においてより一般的な患者タイプは、ユーザ規定分布においてより一般的な患者タイプより、再重み付けされた再生結果において、より多くの重みを与えられる。例えば、ユーザ規定患者集団が平均的患者集団より多くの老人の患者を含む場合、老人の患者に関する警報は、平均的患者集団に関する再生結果を推定するため減らされることができる。
有利には、警報再生を用いると、新規警報設定が新規患者に適用される前に、新規警報戦略の影響が定量化されることができる。より詳細には、さまざまな設定が同じ患者集団に適用されるので、警報負荷の減少が、高い精度で算出されることができる。記録された警報又は警報閾値が使用される方法とは異なり、再生結果は、データ収集の間、アクティブだった警報設定から独立している。
上述したように、再生システム38は、複数のモジュール40、42、44、46を含む。モジュール40、42、44、46の各々は、ソフトウェア、ハードウェア又は2つの組み合わせのいずれかである。モジュール40、42、44、46が、ソフトウェアを含む又はソフトウェアである場合、モジュール40、42、44、46は概して、それぞれ、少なくとも1つのプロセッサ64及び少なくとも1つのプログラムメモリ66を含むか、又はこれらに関連付けられる。少なくとも1つのプロセッサ64は、モジュール40、42、44、46の機能を実行するため、少なくとも1つのプログラムメモリ66においてプロセッサ実行可能な命令を実行する。同様に、モジュール40、42、44、46が、ユーザ入力又はディスプレイデータを受信する場合、モジュール40、42、44、46は概して、それぞれ、ユーザ入力デバイス56、58又は表示デバイス60、62を含むか、又はこれらに関連付けられる。
また、上述したように、再生システム38は、少なくとも1つのデータベース48、54を含む。少なくとも1つのデータベース48、54の各々は、ソフトウェア、ハードウェア又は2つの組み合わせのいずれかである。データベース48、54が、ソフトウェアを含む又はソフトウェアである場合、データベース48、54は概して、それぞれ、データベース48、54のデータを格納する少なくとも1つのストレージメモリ68を含むか、又はこれに関連付けられる。
警報再生システム36が、モバイルデータレコーダ50及び中央データ処理システム38を含むものとして示されるが、中央データ処理システム38の要素が、モバイルデータレコーダ50と一体化されることができる点を理解されたい。これらの要素は、警報、再生及び結果分析モジュール40、44、46、及び、いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサ64と、プログラム及びストレージメモリ66、68とを含む。有利には、モバイルデータレコーダ50を中央データ処理システム38の要素と一体化することにより、医療機関の警報設定は、現場で最適化されることができる。
再生システム38の動作を説明するため、出願人は以下、2つの例示的な実施形態を示す。第1の例示的な実施形態によれば、臨床監視アルゴリズムは、遅延及び抑制フィルタリング機構を持つ閾値警報アルゴリズムであると仮定される。閾値警報アルゴリズムは例えば、ITインフラストラクチャ10の患者モニタ12により使用されることができる。警報再生システム38を第1の実施形態に適用することにおいて、取得モジュール42は、ユーザ規定患者集団に関するバイタルサインをモバイルデータベース48に記録するために使用される。バイタルサインは、閾値警報アルゴリズムを用いて正確な再生を可能にするためのレートで、サンプリングされる。
取得に続いて、記録されたバイタルサインに提案された警報設定で閾値警報アルゴリズムを適用することにより警報負荷予測を実行するため、再生モジュール44が使用される。概して、提案された警報設定は、全体のユーザ規定患者集団に対して一般的である。閾値警報アルゴリズムが、遅延及び抑制フィルタリング機構を含むので、設定が最適化されることができる3つの警報設定パラメータが存在し、それは閾値Th、遅延D及び抑制期間Iである。上述したように、それが遅延Dより短く持続する場合、遅延フィルタリング機構は、トリガーされた警報を抑制し、同じタイプの警報が直前の抑制期間Iにおいて存在した場合、抑制フィルタリング機構が、トリガーされた警報を抑制する。
遅延及び抑制フィルタリングを用いて閾値警報アルゴリズムにおいて再生を実行するため、各異なる設定に関して完全な再生を繰り返すのではなく、警報再生を別々の段階で実行することは有益である。第1の段階によれば、閾値Thに関して提案された警報設定が、評価される。これは、閾値に対する各提案された警報設定に関して、ユーザ規定の時間期間にわたり、バイタルサインが提案された警報設定を超える時間間隔を決定することを含む。これらの時間間隔は、再生された警報を表し、後続の使用のため格納される。
第1の段階が完了すると、全体のユーザ規定の時間期間にわたりバイタルサインを再分析する必要なしに、再生された警報をフィルタリングすることにより、第2及び第3の段階が、それぞれ、異なる遅延及び抑制期間に関する警報負荷を得る。有利には、これは、明らかに再生を加速させる。第2の段階によれば、遅延に対する各提案された警報設定に関して、
Figure 2017508527
である再生された警報が除去される。第3の段階によれば、抑制期間に対する各提案された警報設定に関して、
Figure 2017508527
である残りの再生される警報nが除去される。
再生終了後、結果解析モジュール46は、前述の結果を受信し、臨床医に対して結果を表示する。図3〜図5は、閾値警報アルゴリズムが心拍に適用されるときの結果の例示的なディスプレイを提供する。警報閾値は、分当たりの拍動(BPM)に関する。
図3を参照すると、警報閾値の関数として、1日当たりベッド当たりの警報に関する警報負荷のグラフが、示される。点線は、メディアンを表す。閾値135から閾値140への増加は、140以上の警報閾値が(垂直にストライプされた円により表される)危機的なレベル警報として扱われるためである。これは、抑制を持たない。逆にいえば、下位のレベルの(水平にストライプされた円により表される)緊急警報は、3分のデフォルト抑制期間を持つ。これは警報負荷を下げる。
警報閾値が、120から130に上昇されると仮定する。これにより、下位レベルの緊急警報閾値が130まで上昇される。更に、危機的なレベル警報閾値及び下位のレベルの緊急警報閾値の間の差が20で維持されると仮定する。斯かるシナリオにおいて、危機的なレベル警報閾値は更に、140から150まで増加される。これらの変化は、以下の警報負荷削減を生じさせる。下位のレベルの緊急警報は、22.8から10.1まで減らされ(即ち、55%の減少)、及び危機的なレベル警報は、22.5から18.7まで減らされる(即ち、17%の減少)。
図4を参照すると、さまざまな警報閾値に関する遅延の関数として、遅延より大きい期間を持つ警報のパーセンテージのグラフが、示される。遅延が0から5秒まで増加されると仮定すると、130の警報閾値が想定される。これは、以下の警報負荷削減を生じさせる。下位のレベルの緊急警報は、100%から24.3%まで減らされ(即ち、75.7%の減少)、及び危機的なレベル警報は、100%から29.9%まで減らされる(即ち、70.1%の減少)。類似する減少が、120のデフォルト警報閾値で実現されることができる。
図5を参照すると、この図は、複数の心拍ビンの各々に対して患者集団にわたり警報閾値が満たされる時間の割合を表す折り畳まれた累積的なヒストグラムを示す。分布の視覚的な評価を容易にするため、ヒストグラムFは、メディアンより大きい値に関して生存関数1−Fにより置き換えられる。例えば、時間の0.87%の間、又は毎時31秒、HRが140より大きいことが決定されることができる。フィルタリング機構なしに危機的な警報を用いると、この割合は、警報が鳴る時間の割合に等しく、及び従って、この警報によりもたらされる警報ノイズレベルのインジケーションを与える。
図1に戻り、第2の例示的な実施形態によれば、臨床監視アルゴリズムがEWSシステムを使用する閾値警報アルゴリズムであると仮定される。EWSシステムは一般に、一般的な病棟において臨床監視アルゴリズムにより使用される。EWSシステムは、EWSモデルに基づき、複数の危機的な生理的パラメータの貢献を計数することにより、リアルタイムにEWSを算出する。EWSが、複数の警報閾値の1つをパスするとき、警報はトリガーされることができ、警報閾値がパスされたことに基づき応答するよう、特定の臨床チームが要請されることができる。
警報再生システム38を第2の実施形態に適用することにおいて、EWSシステムにより使用される生理的パラメータ(例えば、意識レベル)を記録するため、取得モジュール42が使用される。生理的データは例えば、通信ネットワーク18にわたりEMRシステム14から引き出されることができる。更に、生理的データは例えば、バイタルサイン、悪化(例えば、不都合なイベント、ケアのより高いレベルへの遷移等)、実態的人口統計学、ラボ結果、薬物、及びEWSシステムにより要求される他の任意のデータのいずれかを示すデータを含むことができる。記録されるデータは好ましくは、複数の年分存在し、従って、季節間の変動又は年間の変動が考慮されることができる。しかしながら、斯かるデータが制限される場合、各季節からのデータの塊で充分である(例えば、その年の各四半期からの1月分のデータ)。EWSシステムが、患者モニタ12に一体化される場合、バイタルサインが患者モニタにより測定される高いサンプリングレートが、同様に高いサンプリングレートで記録されることを必要とする。
取得後、再生モジュール44は、提案された警報設定で、閾値警報アルゴリズム及びEWSシステムを記録されたデータに適用することにより、警報負荷予測のために使用される。警報再生の間考慮される警報設定パラメータは、警報閾値、及びEWSシステムの関連付けられるパラメータを含む。このパラメータは、例えばEWSモデル及び異なる臨床チームの責任である。責任は、警報閾値及び異なる臨床チームの間の対応を規定する。異なるEWSモデル設定を考慮することは、警報感度及び特異度が、異なる患者集団に対して調整されることを可能にする。更に、責任と一緒に、EWSモデル及び責任は、フロア看護士が患者のバイタルサインをいつ及びどのくらい頻繁にチェックしなければならないか、医師又は高速応答チーム(RRT)がいつ呼ばれるか、患者がICUに移されることを必要とするかどうか等を決定する。
結果解析モジュール46は概して次に、再生結果から作業負荷を推定することにより、再生結果を評価する。作業負荷推定結果は、表示され、概して統計のリストを含むことができる。例えば、リストは、看護士により対応されなければならない警報の数(例えば、1日当たり看護士当たりの警報の数)、低閾値警報によりトリガーされる追加的なスポットチェックの数(例えば、1日当たり看護士当たりの追加的なスポットチェックの数)、高い閾値警報よりトリガーされるRRT呼び出しの数(例えば、1日当たりRRT呼び出しの数)、真のポジティブ警報の数、誤警報の数、感度及び特異度などを含むことができる。医療機関の作業負荷推定及び動作データに基づき、結果解析モジュール46は更に、医療機関の運営に関するコスト推定及び推奨を決定及び表示することができる。これは例えば、患者集団における季節的な変動の推定、要員に関する計画又はデバイス購入品若しくはアップグレードに関する計画を含む。警報設定の適切な組み合わせが見つかるまで、提案された警報設定は修正されることができる。
第2の実施形態を拡張して、目標作業負荷が実現されるまで、提案された警報設定は連続して洗練又は調整される。より詳細には、再生結果は、最初の提案された警報設定に関して生成される。これらの警報設定は再生モジュール44により適用され、結果解析モジュール46が、目標作業負荷が満たされるかどうかを決定するために再生結果を評価する。目標作業負荷が満たされない場合、再生モジュール44に対してフィードバックが提供され、修正された提案された警報設定が評価されることができる。目標作業負荷が満たされるまで、これは続く。こうして、警報設定が最適化されることができる。
図6を参照すると、フローチャート100は、第2の実施形態を要約する。示されるように、過去の年からの患者のデータ102が、取得モジュール42により得られる。その後、初期EWSスコアリング及び警報設定が、ユーザ入力106に基づき再生モジュール44により決定される104。この入力は概して、医療機関の臨床医からのものである。警報再生が、再生モジュール44によりこの設定において実行され108、作業負荷が、結果解析モジュール46により再生結果から推定される110。作業負荷推定から、目標作業負荷が実現されるかどうかの決定がなされる112。目標が実現されない場合、EWSスコアリング及び警報設定は修正又は調整され、再生及び評価が再び実行される。目標作業負荷が実現されるまで、これは繰り返される。一旦目標作業負荷が実現されると、医療機関の動作データ118に対して作業負荷推定を適用することで、推奨114が自動的に決定される116。推奨114はその後、臨床医に表示される。
図7を参照すると、臨床警報アルゴリズムの警報設定の最適化に関する方法150が、提供される。方法150は、警報再生システム38のモジュール40、42、44、46により実行される。方法150によれば、臨床警報アルゴリズムにより使用されるCMDが、ITインフラストラクチャ10からユーザ規定の時間期間にわたり取得される152。CMDは、臨床警報アルゴリズムへの適用に関する充分なサンプリングレートで、ユーザ規定患者集団の複数の患者に関して得られる。例えば、バイタルサインデータが、ユーザ規定の時間期間にわたりユーザ規定患者集団に関して1秒のサンプリングレートで得られる。
CMDを得ることに加えて、提案された警報設定が、臨床警報アルゴリズム及び/又は関連するアルゴリズムの可変なパラメータに関して決定される154。関連するアルゴリズムは例えば、臨床警報アルゴリズムにより使用されるスコアリングシステムアルゴリズムである。提案された警報設定は、自動的に、手動で、又は自動的及び手動の両方で決定されることができる。例えば、提案された警報設定は、パラメータ空間をサンプリングすることにより自動的に決定され、自動的に決定された設定が、ユーザ入力により修正されることができる。決定された提案された警報設定及び取得されたCMDを用いて、提案された設定の異なる組み合わせに関して警報負荷及び関連するパラメータを予測するため、臨床警報アルゴリズムが、提案された警報設定でCMDに適用される156。
臨床警報アルゴリズムが閾値警報アルゴリズムである場合、可変なパラメータのパラメータは、閾値、遅延及び抑制期間を含むことができる。臨床警報アルゴリズムは、閾値の各提案された設定に関して、取得されたCMDが提案された設定を超えるユーザ規定の時間期間の間に一セットの間隔を決定することにより、この閾値に関する設定で適用される156。これらの間隔は、警報に対応する。臨床警報アルゴリズムは、遅延又は抑制期間の各提案された設定に関して、この設定に基づき間隔のセットをフィルタリングすることにより、遅延又は抑制期間に関する設定で適用される。
臨床警報アルゴリズムがスコアリングシステムを使用する閾値警報アルゴリズムである場合、設定可能なパラメータのパラメータが、スコアリングシステムに関連付けられるパラメータを含むことができる。スコアリングシステムは、例えば、EWSシステムでありえる。更に、スコアリングシステムに関連付けられるパラメータは例えば、スコアリングモデルを含むことができる。臨床警報アルゴリズムは、スコアリングシステムに関連付けられるパラメータに関して、提案された設定でCMDに適用される156。
再生を実行した後、再生結果が、表示される158、又は評価される160。この評価は例えば、推定が、目的、例えば目標作業負荷を実現するかを決定することを含むことができる。評価結果がその後、表示されることができる162。代替的に、評価結果に基づき、提案された警報設定が、修正又は調整されることができ、修正又は調整された警報設定で、前述したことが再び実行されることができる。目的が実現されるまで、これはその後繰り返される。目的が実現されると、再生結果が表示されることができる。
いくつかの実施形態において、図7に示される各組成ブロック152、154、156、158、160、162は、対応する機能を実行する手段である。ブロック152、154、156、158、160、162の各々の対応する機能を実行する手段は、機能を実行するようプログラムされる少なくとも1つのプロセッサ、機能を実行するよう構成される特定用途向けデバイス,及び機能を実行する少なくとも1つのプロセッサと特定用途向けデバイスとの組み合わせの1つを含む。
本書で使用されるメモリは、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)又は読出し専用メモリ(ROM)といったデータを格納する任意のデバイス又はシステムを含む。更に、本書で使用されるプロセッサは、例えばマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、グラフィック処理ユニット(GPU)、特定用途向け集積回路(ASIC)、FPGA等の出力データを生成するため入力データを処理する任意のデバイス又はシステムを含み;コントローラは、別のデバイス又はシステムを制御する任意のデバイス又はシステムを含み、かつ概して少なくとも1つのプロセッサを含み;ユーザ入力デバイスは、例えばマウス又はキーボードといった、ユーザ入力デバイスのユーザが別のデバイス又はシステムに入力することを可能にする任意のデバイスを含み;表示デバイスは、例えば液晶ディスプレイ(LCD)又は発光ダイオード(LED)ディスプレイといったデータを表示する任意のデバイスを含む。
本発明が、好ましい実施形態を参照して説明されてきた。上記の詳細な説明を読み及び理解すると、第三者は、修正及び変更を思いつくことができる。それらの修正及び変更が添付の特許請求の範囲又はその均等物の範囲内にある限り、本発明は、すべての斯かる修正及び変更を含むものとして構築されることが意図される。

Claims (20)

  1. 臨床警報アルゴリズムの警報設定の最適化に関するシステムであって、
    ユーザ規定の時間期間にわたり臨床警報アルゴリズムにより使用される臨床監視データCMDを得るよう構成される取得モジュールと、
    前記臨床警報アルゴリズムの1つ又は複数のパラメータに関する提案された設定を決定し、前記提案された設定の異なる組み合わせに関して警報負荷を予測する再生結果を決定するため、前記提案された設定で前記臨床監視アルゴリズムを前記取得されたCMDに適用するよう構成される、再生モジュールとを有する、システム。
  2. 前記取得モジュールが更に、ユーザ規定の時間期間にわたり前記CMDとして、バイタルサイン及びコンテキストデータを得るよう構成される、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記臨床警報アルゴリズムが、閾値警報アルゴリズムであり、
    前記1つ又は複数のパラメータは、前記臨床警報アルゴリズムの閾値を含み、
    前記再生モジュールが、前記閾値の各提案された設定に関して、前記取得されたCMDが前記提案された設定を超える前記ユーザ規定の時間期間の間に、一セットの間隔を決定することにより、前記臨床監視アルゴリズムを前記取得されたCMDに適用するよう更に構成される、請求項1又は2に記載のシステム。
  4. 前記1つ又は複数パラメータが更に、前記臨床警報アルゴリズムの遅延又は抑制期間を含み、
    前記再生モジュールは更に、前記遅延又は抑制期間の各提案された設定に関して、前記設定に基づき、前記間隔のセットをフィルタリングすることにより、前記臨床監視アルゴリズムを前記取得されたCMDに適用するよう構成される、請求項3に記載のシステム。
  5. 前記臨床警報アルゴリズムをCMDに適用することにより、患者の悪化をモニタするよう構成される警報モジュールを更に有し、
    前記警報モジュールが、警報負荷を予測するため、前記再生モジュールと協調する、請求項1乃至4の任意の一項に記載のシステム。
  6. 前記臨床警報アルゴリズムが、スコアリングシステムを使用する閾値警報アルゴリズムであり、
    前記1つ又は複数のパラメータは、前記スコアリングシステムに関連付けられるパラメータを含み、
    前記再生モジュールが更に、前記スコアリングシステムに関連付けられる前記パラメータに関して、提案された設定で前記臨床監視アルゴリズムを前記取得されたCMDに適用するよう構成される、請求項1乃至5の任意の一項に記載のシステム。
  7. 前記スコアリングシステムが、早期警告スコアシステムである、請求項6に記載のシステム。
  8. 前記再生結果を表示するよう構成される結果解析モジュールを更に有する、請求項1乃至7の任意の一項に記載のシステム。
  9. 作業負荷の推定を生成するため、前記再生結果を評価し、前記推定が目標作業負荷を実現しないことを示すフィードバックを前記再生モジュールに提供する結果解析モジュールを更に有し、
    前記再生モジュールは更に、前記フィードバックに基づき、前記提案された設定を修正し、前記修正された提案された設定の異なる組み合わせに関して警報負荷を予測する修正された再生結果を決定するため、前記修正された提案された設定で前記臨床監視アルゴリズムを前記取得されたCMDに適用するよう構成される、請求項1乃至8の任意の一項に記載のシステム。
  10. 前記取得モジュールを含むモバイルデータレコーダであって、前記取得モジュールが、前記モバイルデータレコーダのモバイルデータベースに前記取得されたCMDを格納するよう構成される、モバイルデータレコーダと、
    前記再生モジュールを含む中央データ処理システムであって、前記中央データ処理システムが、前記再生モジュールによる使用のため前記モバイルデータレコーダから前記CMDをダウンロードするよう構成される、中央データ処理システムとを更に有する、請求項1乃至9の任意の一項に記載のシステム。
  11. 臨床警報アルゴリズムの警報設定の最適化に関する方法において、
    ユーザ規定の時間期間にわたり、前記臨床警報アルゴリズムにより使用される臨床監視データCMDを得るステップと、
    前記臨床警報アルゴリズムの1つ又は複数のパラメータに関して提案された設定を決定するステップと、
    前記提案された設定の異なる組み合わせに関して警報負荷を予測する再生結果を決定するため、前記提案された設定で前記臨床監視アルゴリズムを前記取得されたCMDに適用するステップとを有する、方法。
  12. ユーザ規定の時間期間にわたり、前記CMDとしてバイタルサイン及びコンテキストデータを得るステップを更に有する、請求項11に記載の方法。
  13. 前記臨床警報アルゴリズムが、閾値警報アルゴリズムであり、
    前記1つ又は複数のパラメータは、前記臨床警報アルゴリズムの閾値を含み、
    前記方法が更に、前記閾値の各提案された設定に関して、前記取得されたCMDが前記提案された設定を超える前記ユーザ規定の時間期間の間に、一セットの間隔を決定することにより、前記臨床監視アルゴリズムを前記取得されたCMDに適用するステップを有する、請求項11又は12に記載の方法。
  14. 前記1つ又は複数パラメータが更に、前記臨床警報アルゴリズムの遅延又は抑制期間を含み、
    前記方法は更に、前記遅延又は抑制期間の各提案された設定に関して、前記設定に基づき、前記間隔のセットをフィルタリングすることにより、前記臨床監視アルゴリズムを前記取得されたCMDに適用するステップを有する、請求項13に記載の方法。
  15. 前記臨床警報アルゴリズムが、スコアリングシステムを使用する閾値警報アルゴリズムであり、
    前記1つ又は複数のパラメータは、前記スコアリングシステムに関連付けられるパラメータを含み、
    前記方法が更に、前記スコアリングシステムに関連付けられる前記パラメータに関して、提案された設定で前記臨床監視アルゴリズムを前記取得されたCMDに適用するステップを有する、請求項11乃至14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記再生結果を表示するステップを更に有する、請求項11乃至15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 作業負荷の推定を生成して、前記推定が目標作業負荷を実現するかどうかを決定するため、前記再生結果を評価するステップと、
    前記決定に基づき、前記提案された設定を修正するステップと、
    前記修正された提案された設定の異なる組み合わせに関して警報負荷を予測する修正された再生結果を決定するため、前記修正された提案された設定で前記臨床監視アルゴリズムを前記取得されたCMDに適用するステップとを更に有する、請求項11乃至16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 請求項11乃至17のいずれか一項に記載される方法を実行するよう構成される少なくとも1つのプロセッサ。
  19. 請求項11乃至17のいずれか一項に記載される方法を実行するよう1つ又は複数のプロセッサを制御するソフトウェアを搬送する非一時的コンピュータ可読媒体。
  20. 臨床警報アルゴリズムの警報設定の最適化に関するシステムであって、
    ユーザ規定の時間期間にわたり前記臨床警報アルゴリズムにより使用される臨床監視データCMDを受信する手段と、
    前記臨床警報アルゴリズムの1つ又は複数のパラメータに関して提案された設定を決定する手段と、
    前記提案された設定の異なる組み合わせに関して警報負荷を予測する再生結果を決定するため、前記提案された設定で前記臨床監視アルゴリズムを前記取得されたCMDに適用する手段とを有する、システム。
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